説明

情報処理装置およびプログラム並びに情報処理方法

【課題】ユーザーに煩わしい作業を課すことなく、プレビュー画面上にレイアウトさせるクリップデータを編集する。
【解決手段】ブラウザー画面50上のWebページに対して任意の領域のクリップを受け付けてクリップリストに登録し、ブラウザー画面50から印刷プレビュー画面150の起動が指示された場合には、ブラウザー画面50のクリップリストを印刷プレビュー画面150のクリップリストとして登録しクリップリストのクリップデータを用紙領域にレイアウトした印刷プレビュー画面150を起動する。印刷プレビュー画面150の起動中にブラウザー画面50上のWebページに対して新たにクリップがなされた場合、ブラウザー画面50のクリップリストとの同期をとり追加されたクリップデータのレイアウトを実行し、ブラウザー画面50上で新たにクリップされた内容を印刷プレビュー画面150の用紙領域へのレイアウトに即座に反映させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ブラウザー画面上に表示されているページ情報を処理する情報処理装置およびコンピューターを情報処理装置として機能させるためのプログラム並びに情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の情報処理装置としては、クリップボードをクリップボード作業ウインドウに表示させるものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。この装置では、クリップボードをページ毎にクリップボードメモリーに記憶しておき、第1ページの内容をクリップボード作業ウインドウに表示し、保有ページ分の行(ページ番号とページの先頭部分)をインデックスウインドウに表示するものとしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平08−22383号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、ブラウザー画面上に表示されているページの任意の領域を指定してクリップしクリップしたデータ(クリップデータ)を印刷する場合を考えると、クリップデータを複数受け付けてリストに登録できるようにすることにより、複数のクリップデータを同一用紙領域にレイアウトしてプレビュー画面上に表示させることができる。プレビュー画面では、通常、レイアウトされたデータを編集できない。このため、ユーザーが用紙領域の空きエリアを確認しながら新たなクリップデータを追加したい場合、その都度、一旦プレビュー画面を閉じて新たにブラウザー画面のページの領域を指定してクリップし再度プレビュー画面を起動する必要があり、ユーザーにとって煩わしい作業を課すものであった。
【0005】
本発明の情報処理装置およびプログラム並びに情報処理方法は、煩わしい作業を行なうことなく、レイアウト画面上にレイアウトさせるクリップデータを編集することを主目的とする。
【0006】
本発明の情報処理装置およびプログラム並びに情報処理方法は、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の情報処理装置は、
ブラウザー画面上に表示されているページ情報を処理する情報処理装置であって、
前記ブラウザー画面上に表示されているページの任意の領域を指定する領域指定手段と、
前記指定された領域をクリップしてクリップ情報を作成するクリップ手段と、
前記クリップ手段により作成されたクリップ情報をクリップリストに登録するクリップリスト登録手段と、
レイアウト画面の起動が指示された場合、前記クリップリストに登録されているクリップ情報をレイアウトしたレイアウト画面を起動するレイアウト画面起動手段と、
前記レイアウト画面が起動されている最中に前記クリップリストに登録されているクリップ情報が更新された場合、該更新されたクリップ情報をレイアウトして前記レイアウト画面を更新するレイアウト画面更新手段と、
を備えることを要旨とする。
【0008】
この本発明の情報処理装置では、ブラウザー画面上に表示されているページの任意の領域を指定し、指定された領域をクリップしてクリップ情報を作成し、作成されたクリップ情報をクリップリストに登録し、レイアウト画面の起動が指示された場合にクリップリストに登録されているクリップ情報をレイアウトしたレイアウト画面を起動し、レイアウト画面が起動されている最中にクリップリストに登録されているクリップ情報が更新された場合に更新されたクリップ情報をレイアウトしてレイアウト画面を更新する。これにより、ユーザーはブラウザー画面に表示されているページの任意の領域を指定しレイアウト画面を起動させることによりクリップ情報をレイアウトしてレイアウト画面上に表示させることができると共に、新たにページの任意の領域を指定することにより更新されたクリップ情報をレイアウト画面に直接に反映させることができる。この結果、ユーザーは煩わしい作業を行なうことなく、レイアウト画面上にレイアウトさせるクリップデータを編集することができる。
【0009】
こうした本発明の情報処理装置において、複数のブラウザー画面の起動が可能で、一のブラウザー画面を親画面として前記レイアウト画面を子画面として起動可能な情報処理装置において、前記クリップリスト登録手段は、前記レイアウト画面が起動されている最中に、起動されている複数のブラウザー画面のうち前記レイアウト画面を起動させたブラウザー画面とは異なるブラウザー画面から指定された領域がクリップされクリップ情報が作成された場合に、該作成されたクリップ情報を前記クリップリストに登録する手段であるものとすることもできる。こうすれば、ブラウザー画面からクリップされた内容をレイアウト画面に追加する作業をより簡単なものとすることができる。この態様の本発明の情報処理装置において、前記クリップリスト登録手段は、前記レイアウト画面が起動されている最中に、起動されている複数のブラウザー画面のすべてが終了された場合には、前記クリップリストをクリアする手段であるものとすることもできる。
【0010】
また、本発明の情報処理装置において、前記クリップリストに登録されているクリップ情報をサムネイル画面として表示するリスト表示手段と、ユーザーの操作に基づいて、前記クリップリストに登録されているクリップ情報から任意のクリップ情報を選択するクリップ情報選択手段と、を備え、前記レイアウト画面起動手段と前記レイアウト画面更新手段は、前記クリップリストに登録されているクリップ情報のうち前記クリップ情報選択手段により選択されたクリップ情報をレイアウトして前記レイアウト画面に表示する手段であるものとすることもできる。こうすれば、クリップリストをサムネイル画面で確認しながら必要なクリップ情報を選択するだけで、選択したクリップ情報のレイアウト画面を表示させることができる。この態様の本発明の情報処理装置において、前記クリップリスト登録手段は、起動されている複数のブラウザー画面のすべてが終了された場合には、前記クリップリストに登録されているクリップ情報の選択をクリアする手段であるものとすることもできる。
【0011】
さらに、印刷装置に接続された本発明の情報処理装置において、前記レイアウト画面は、印刷プレビュー画面であるものとすることもできる。こうすれば、クリップ情報のレイアウト結果をレイアウト画面を確認しながら印刷させることができる。
【0012】
本発明のプログラムは、
コンピューターを、ブラウザー画面上に表示されているページ情報を処理する情報処理装置として機能させるためのプログラムであって、
前記ブラウザー画面上に表示されているページの任意の領域を指定する領域指定モジュールと、
前記指定された領域をクリップしてクリップ情報を作成するクリップモジュールと、
前記作成されたクリップ情報をクリップリストに登録するクリップリスト登録モジュールと、
レイアウト画面の起動が指示された場合、前記クリップリストに登録されているクリップ情報をレイアウトしたレイアウト画面を起動するレイアウト画面起動モジュールと、
前記レイアウト画面が起動されている最中に前記クリップリストに登録されているクリップ情報が更新された場合、該更新されたクリップ情報をレイアウトして前記レイアウト画面を更新するレイアウト画面更新モジュールと
を備えることを要旨とする。
【0013】
この本発明のプログラムをコンピューターにインストールすることにより、ユーザーはブラウザー画面に表示されているページの任意の領域を指定しレイアウト画面を起動させることによりクリップ情報をレイアウトしてレイアウト画面上に表示させることができると共に、新たにページの任意の領域を指定することにより更新されたクリップ情報をレイアウト画面に直接に反映させることができる。この結果、ユーザーは煩わしい作業を行なうことなく、レイアウト画面上にレイアウトさせるクリップデータを編集することができる。このプログラムは、コンピューターが読み取り可能な記憶媒体(例えばハードディスク、ROM、FD、CD、DVDなど)に記録されていてもよいし、伝送媒体(インターネットやLANなどの通信網)を介してあるコンピューターから別のコンピューターへ配信されてもよいし、その他どのような形で授受されてもよい。
【0014】
本発明の情報処理方法は、
ブラウザー画面上に表示されているページ情報を処理する情報処理方法であって、
前記ブラウザー画面上に表示されているページの任意の領域を指定し、
該指定された領域をクリップしてクリップ情報を作成し、
該作成されたクリップ情報をクリップリストに登録し、
レイアウト画面の起動が指示された場合、前記クリップリストに登録されているクリップ情報をレイアウトしたレイアウト画面を起動し、
前記レイアウト画面が起動されている最中に前記クリップリストに登録されているクリップ情報が更新された場合、該更新されたクリップ情報をレイアウトして前記レイアウト画面を更新する
ことを要旨とする。
【0015】
この本発明の情報処理方法によれば、ブラウザー画面上に表示されているページの任意の領域を指定し、指定された領域をクリップしてクリップ情報を作成し、作成されたクリップ情報をクリップリストに登録し、レイアウト画面の起動が指示された場合にクリップリストに登録されているクリップ情報をレイアウトしたレイアウト画面を起動し、レイアウト画面が起動されている最中にクリップリストに登録されているクリップ情報が更新された場合に更新されたクリップ情報をレイアウトしてレイアウト画面を更新する。これにより、ユーザーはブラウザー画面に表示されているページの任意の領域を指定しレイアウト画面を起動させることによりクリップ情報をレイアウトしてレイアウト画面上に表示させることができると共に、新たにページの任意の領域を指定することにより更新されたクリップ情報をレイアウト画面に直接に反映させることができる。この結果、ユーザーは煩わしい作業を行なうことなく、レイアウト画面上にレイアウトさせるクリップデータを編集することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の一実施形態としての情報処理装置20の概略を示す構成図。
【図2】ブラウザーモード設定処理の一例を示すフローチャート。
【図3】ブラウザー画面50の一例を示す説明図。
【図4】クリップモード時のブラウザー画面50の一例を示す説明図。
【図5】クリップモード時処理の一例を示すフローチャート。
【図6】クリップリスト編集処理の一例を示すフローチャート。
【図7】プレビュー処理の一例を示すフローチャート。
【図8】クリップデータのレイアウトの様子の前半部分を示す説明図。
【図9】クリップデータのレイアウトの様子の後半部分を示す説明図。
【図10】印刷プレビュー画面150の一例を示す説明図。
【図11】印刷プレビュー画面150を更新する様子を示す説明図。
【図12】印刷プレビュー画面150を更新する様子を示す説明図。
【図13】印刷プレビュー画面150を更新する様子を示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
次に、本発明の実施の形態を実施例を用いて説明する。
【0018】
図1は、本発明の一実施形態としての情報処理装置20の概略を示す構成図である。本実施形態の情報処理装置20は、ルーター42を介してインターネットに接続された汎用のパーソナルコンピューターとして構成されており、中央演算処理装置としてのCPU32やデータを一時的に記憶するRAM34,処理プログラムを記憶するハードディスクドライブ装置(HDD)36などが組み込まれたコンピューター本体30と、表示デバイスとしての液晶ディスプレイ22と、入力デバイスとしてのキーボード24およびマウス26と、を備える。また、本実施形態の情報処理装置20は、プリンター40に接続されており、印刷データを作成してプリンター40に出力することにより画像を印刷できるようになっている。
【0019】
コンピューター本体30のHDD36には、Webページを閲覧するためのWebブラウザー36aや、このWebブラウザー36aの拡張機能としてWebページ中の任意の領域を指定してクリップしたりクリップした内容を印刷したりするためのクリップ印刷用のアドオン36bなどの各種プログラムがインストールされている。
【0020】
図2は、本実施形態の情報処理装置20のCPU32により実行されるブラウザーモード設定処理の一例を示すフローチャートである。この処理は、ブラウザー画面が起動されたときに実行される。本実施形態では、ブラウザー画面を同時に複数起動できるものとしているから、ブラウザーモード設定処理は、起動されたブラウザー画面毎に実行されることになる。図3にブラウザー画面50の一例を示す。ブラウザー画面50は、図示するように、上部のツールバー52に、現在表示されているWebページをプレビューして印刷するための印刷/プレビューボタン54と、Webページの任意の領域をクリップして印刷するためのクリップ印刷ボタン56とが配置されている。また、ブラウザー画面50の右上には、このブラウザー画面50を閉じるための閉じるボタン58も配置されている。ブラウザー画面50は、Webページを閲覧するための通常モードと、Webページの任意の領域をクリップして印刷するためのクリップモードとがあり、起動された直後は通常モードが設定される。
【0021】
ブラウザーモード設定処理が実行されると、CPU32は、印刷/プレビューボタン54が左クリックされたか否か(ステップS100)、クリップ印刷ボタン56が左クリックされたか否か(ステップS110)、をそれぞれ判定する。印刷/プレビューボタン54が左クリックされた場合には、通常のWebページを印刷するための印刷プレビュー画面を起動し(ステップS120)、プレビューが終了するまでモーダル状態で待機して(ステップS130)、ステップS100に戻る。なお、通常のWebページの印刷については、本発明の要旨をなさないから、その説明は省略する。クリップ印刷ボタン56が左クリックされた場合には、現在のモードが通常モードであるか否かを判定し(ステップS140)、通常モードである場合にはクリップモードに設定して(ステップS150)、ステップS100に戻る。ここで、クリップモードが設定されると、ブラウザー画面50が通常モードからクリップモードに切り替えられる。
【0022】
図4に、クリップモード時のブラウザー画面50の一例を示す。クリップモード時のブラウザー画面50は、図4に示すように、現在表示されているWebページ内でクリップする領域(クリップエリア62)を選択するためのクリップ作業領域60と、クリップデータをサムネイル表示するクリップリスト表示領域70と、クリップ作業に関する種々の指示を行なうための各種ボタンが配置されたアクションバー80と、が表示されており、クリップエリア62以外のWebページ表示領域はクリップモードであることを示す半透明の幕で覆われている。アクションバー80に配置された各種ボタンとしては、クリップエリア62内の内容をクリップしてクリップリストに登録すると共にクリップした内容を印刷するための印刷プレビュー画面を起動する選択範囲を印刷ボタン82や、クリップエリア62内の選択された領域をクリップしてクリップリストに登録する選択範囲をクリップボタン84、クリップモードを終了して通常のブラウザー画面に戻るキャンセルボタン86が用意されている。Webページのクリップは、クリップ作業領域60におけるクリップバンド61によりクリップエリア62を選択し、マウス26で選択範囲を印刷ボタン82か選択範囲をクリップボタン84のいずれかにカーソルを合わせて左クリックすることにより行なうことができる。なお、クリップバンド61は、クリップエリア62を外側から囲むクリップフレーム64と、クリップフレーム64の四隅と各辺の中央とに配置された8つのクリップハンドル66とから構成されており、クリップハンドル66上にマウスカーソルを合わせて左クリックのドラッグ操作をすることによりリサイズすることができる。また、クリップエリア62内にマウスカーソルを合わせて左クリックのドラッグ操作をすることにより、クリップバンド61の位置を移動させることができる。クリップリスト表示領域70は、クリップリストに登録されているクリップデータがサムネイル化されたサムネイル画像72a〜72cと、クリップデータに対して種々の操作を行なうための各種ボタン74〜78と、が表示される。サムネイル画像72a〜72cの右サイドには、クリップリスト表示領域70内に収まりきれないサムネイル画像を縦スクロールにより表示するためのスクロールバー73が設けられている。各サムネイル画像72a〜72cの左上に設けられたチェックボックスは、印刷するクリップデータや削除するクリップデータを選択するためのものであり、チェックOFFの状態でマウス26でカーソルを合わせて左クリックされるとチェックONとなり、チェックONの状態でマウス26でカーソルを合わせて左クリックされるとチェックOFFとなる。クリップ表示領域70に配置された各種ボタンとしては、クリップリストの全てのクリップデータのチェックボックスをチェックONする全てチェックONボタン74や、クリップリストの全てのクリップデータのチェックボックスをチェックOFFする全てチェックOFFボタン75,クリップリストの全てのクリップデータを削除する全て削除ボタン76,クリップリストのクリップデータのうちチェックボックスがチェックONされているクリップデータだけを削除するチェック項目を削除ボタン77,クリップリストのクリップデータのうちチェックボックスがチェックONされているクリップデータだけを用紙領域にレイアウトして印刷するための印刷/プレビューボタン78が用意されている。
【0023】
ステップS100,S110で印刷/プレビューボタン54とクリップ印刷ボタン56のいずれもが左クリックされていないと判定されたり、ステップS110でクリップ印刷ボタン56は左クリックされたと判定されたがステップS140で現在のモードがクリップモードであると判定された場合には、閉じるボタン58が左クリックされたか否かを判定する(ステップS160)。閉じるボタン58が左クリックされていない場合には、ステップ100に戻る。一方、閉じるボタン58が左クリックされた場合には、他に起動中のブラウザー画面があるか否かを判定し(ステップS170)、他に起動中のブラウザー画面がない場合には、クリップリスト内のクリップデータを保持した状態で本ブラウザー画面50を終了して(ステップS190)、本処理を終了する。一方、他に起動中のブラウザー画面がある場合には、クリップリスト内の全てのクリップデータをチェックOFFに設定した上で(ステップS180)、クリップリスト内のクリップデータを保持した状態で本ブラウザー画面50を終了して(ステップS190)、本処理を終了する。ここで、最後のブラウザー画面が終了する際にクリップリスト内の全てのクリップデータのチェック状態をチェックOFFに設定するのは、こうした場面では一旦クリップ印刷が完了したものと考えることができるから、印刷済みのクリップデータに対してチェックONの設定を解除するためである。勿論、印刷済みのクリップデータに対してチェックONの設定を解除すればよいから、印刷が実行されたタイミングでクリップデータのチェック状態をチェックOFFに設定するものとしてもよい。
【0024】
次に、クリップモード時の処理について説明する。図5は、本実施形態の情報処理装置20のCPU32により実行されるクリップモード時処理の一例を示すフローチャートである。この処理は、図2のブラウザーモード設定処理のステップS160でクリップモードが設定されたときに実行される。なお、前述したブラウザーモード設定処理は、起動されたブラウザー画面毎に実行されるため、このクリップモード時処理も起動されたブラウザー画面毎に実行される。
【0025】
クリップモード時処理が実行されると、CPU32は、まず、後述するクリップリスト編集処理を実行する(ステップS200)。クリップリスト編集処理を実行すると、クリップバンドの操作、即ち、前述したクリップハンドル66に対して左クリックのドラッグ操作がなされたり、クリップエリア62に対して左クリックのドラッグ操作がなされたか否かを判定し(ステップS210)、これらの操作がなされた場合には、操作の種類に応じてクリップバンド61をリサイズさせたり移動させたりする(ステップS220)。クリップバンドの操作がなされていない場合には次の処理に進む。
【0026】
続いて、選択範囲をクリップボタン84が左クリックされたか否か(ステップS230)、キャンセルボタン86が左クリックされたか否か(ステップS240)、印刷/プレビューボタン78が左クリックされたか否か(ステップS250)、選択範囲を印刷ボタン82が左クリックされたか否か(ステップS260)、をそれぞれ判定する。各種ボタン84,86,78,82のいずれのボタンも左クリックされていない場合にはステップS200に戻る。一方、選択範囲をクリップボタン84が左クリックされた場合には、クリップバンド61で囲まれるクリップエリア62内の内容をクリップすることによりクリップデータを作成すると共に(ステップS270)、作成したクリップデータをチェックONに設定した上でクリップリストに登録し(ステップS280)、ステップS200に戻る。ここで、クリップリストの登録は、クリップデータを識別するための識別情報としてのクリップID(Webサイトのタイトルなど)と、クリップされたWebページのURL(Uniform Resource Locator)と、クリップされた領域の内容と、チェック状態(チェックON,チェックOFF)とを互いに関連付けて記憶することにより行なわれる。クリップリストにクリップデータが登録されると、クリップリスト表示領域70にはクリップした領域のサムネイル画像が追加される。キャンセルボタン86が左クリックされた場合には、クリップモードから通常モードに変更することにより通常のブラウザー画面50に戻って(ステップS290)、本処理を終了する。印刷/プレビューボタン78が左クリックされた場合には、印刷プレビュー画面が既に起動されているか否かを判定する(ステップS330)。印刷プレビュー画面が起動されていない場合には、印刷プレビュー画面の起動を指示し(ステップS340)、この印刷プレビュー画面が終了するまでモーダル状態で待機して(ステップS350)、ステップS200に戻る。一方、印刷プレビュー画面が起動されている場合には、重複した起動を避けるために、印刷プレビュー画面の起動を指示することなく、ステップS200に戻る。選択範囲を印刷ボタン82が左クリックされた場合には、クリップリスト内の全てのクリップデータをチェックOFFに設定し(ステップS300)、クリップバンド61で囲まれるクリップエリア62内の内容をクリップすることによりクリップデータを作成し(ステップS310)、作成したクリップデータをチェックONに設定した上でクリップリストに登録する(ステップS320)。そして、印刷プレビュー画面が既に起動されているか否かを判定する(ステップS330)。印刷プレビュー画面が起動されていない場合には、印刷プレビュー画面の起動を指示し(ステップS340)、この印刷プレビュー画面が終了するまでモーダル状態で待機して(ステップS350)、ステップS200に戻る。一方、印刷プレビュー画面が既に起動されている場合には、印刷プレビュー画面の起動を指示することなく、ステップS200に戻る。なお、選択範囲を印刷ボタン82がクリップされた場合、クリップリストには、今回登録したクリップデータだけがチェックONに設定され、他の全てのクリップデータはチェックOFFに設定されていることになるから、今回登録したクリップデータだけを印刷するための印刷プレビュー画面の起動を指示することになる。
【0027】
ステップS200の処理は、図6に例示するクリップリスト編集処理を実行することにより行なわれる。このクリップリスト編集処理では、チェックボックス操作、即ち、各チェックボックスか全てチェックONボタン74か全てチェックOFFボタン75のいずれかが左クリックされたか否か(ステップS400)、削除ボタンの操作、即ち、全て削除ボタン76かチェック項目を削除ボタン77のいずれかが左クリックされたか否か(ステップS410)、このブラウザー画面50以外に起動しているブラウザー画面のクリップリストや後述する印刷プレビュー画面のクリップリストのいずれかが更新されたか否か(ステップS420)をそれぞれ判定する。いずれの判定も否定的な場合には、何もせずに本処理を終了する。チェックボックス操作がなされた場合には、左クリックされたボタンに応じて該当するクリップデータのチェック状態を更新する(ステップS430)。削除ボタンの操作がなされた場合には、印刷プレビュー画面が起動中であるか否かを判定し(ステップS440)、起動中でない場合には左クリックされたボタンに応じて該当するクリップデータを削除する(ステップS450)。起動中である場合には、クリップデータを削除しない。このブラウザー画面50以外に起動しているブラウザー画面のクリップリストか印刷プレビュー画面のクリップリストのいずれかが更新された場合には、この更新と同期して同一のクリップリストに更新する(ステップS460)。この処理は、ブラウザー画面50と印刷プレビュー画面とが別プロセスとして起動されている場合には、それぞれ独立した仮想アドレス空間を有しているため、例えば、OSがサポートする機能の一つであるプロセス間通信を用いてクリップリストを受け渡すことにより行なうことができる。
【0028】
次に、プレビュー処理について説明する。図7は、本実施形態の情報処理装置20のCPU32により実行されるプレビュー処理の一例を示すフローチャートである。この処理は、クリップ印刷の例では、起動されているブラウザー画面50の印刷/プレビューボタン78か選択範囲を印刷ボタン82のいずれかが左クリックされて印刷プレビュー画面の起動が指示されたときに実行される。
【0029】
プレビュー処理が実行されると、CPU32は、まず、印刷プレビュー画面の起動を指示したブラウザー画面のクリップリストと同一のクリップリストをこの印刷プレビュー画面のクリップリストとして登録する(ステップS500)。この処理は、前述したように、プロセス間通信を用いてクリップデータを受け渡すことにより行なうことができる。続いて、登録したクリップリストのクリップデータのうちチェックONに設定されているクリップデータを読み出してプレビュー用紙領域にレイアウトする処理を実行する(ステップS510)。このレイアウト処理は、以下のレイアウトルールに従って行なわれる。
【0030】
図8に5つのクリップデータ1〜5を用紙領域にレイアウトする様子の前半部分を、図9にその後半部分を示す。レイアウト処理では、まず、クリップリストに登録されているクリップデータのうちチェックONされているクリップデータ1〜5を登録が古い順に並べる。続いて、用紙領域の空きエリアをチェックしその空きエリアに最も登録が古いクリップデータ1が収まるか否かを判定する(図8(a)参照)。初回は用紙領域全体が空きエリアとなるため、その空きエリアの左上にクリップデータ1を配置する(図8(b)参照)。続いて、クリップデータ1を配置した後の用紙領域における右サイドの空きエリア1をチェックしその空きエリア1に次のクリップデータ2の幅が収まるか否かを判定する(図8(c)参照)。ここで、空きエリア1は、レイアウト済みのクリップデータの右辺に接し、水平方向に印刷領域が空いている矩形の領域を示す。クリップデータ2の幅は空きエリア1に収まるため、その空きエリア1の左上にクリップデータ2を配置する(図8(d)参照)。そして、クリップデータ1,2を配置した後の用紙領域における右サイドの空きエリア1をチェックしその空きエリア1に次のクリップデータ3の幅が収まるか否かを判定する(図8(e)参照)。クリップデータ3の幅は右サイドの空きエリア1からはみ出るため、さらに、下サイドの空きエリア2をチェックしその空きエリア2にクリップデータ3の高さが収まるか否かを判定する(図8(f)参照)。ここで、空きエリア2は、レイアウト済みのクリップデータの下端に接し、垂直方向に印刷領域が空いている矩形の領域を示す。クリップデータ3の高さは空きエリア2に収まるため、その空きエリア2の左上にクリップデータ3を配置する(図9(g)参照)。次に、クリップデータ1〜3を配置した後の用紙領域における右サイドの空きエリア1をチェックしその空きエリア1に次のクリップデータ4の幅が収まるか否かを判定する(図9(h)参照)。クリップデータ4の幅は空きエリア1に収まるため、その空きエリア1の左上にクリップデータ4を配置する(図9(i)参照)。次に、クリップデータ1〜4を配置した後の用紙領域における右サイドの空きエリア1をチェックしその空きエリア1にクリップデータ5の幅が収まるか否かを判定する(図9(j)参照)。クリップデータ5の幅は空きエリア1からはみ出るため、さらに、下サイドの空きエリア2をチェックしその空きエリア2にクリップデータ5の高さが収まるか否かを判定する(図9(k)参照)。クリップデータ5の高さは空きエリア2からはみ出るため、クリップデータ5の空きエリア2からはみ出さない部分については空きエリア2に配置し、はみ出す部分については次のページの用紙領域の左上に配置する(図9(l)参照)。このように、レイアウト処理では、右サイドの空きエリア1と下サイドの空きエリア2とのうちの両方にクリップデータを配置可能な場合には空きエリア1を選択して配置し、空きエリア1と空きエリア2のいずれか一方にクリップデータを配置可能な場合にはその配置可能な空きエリアに配置し、空きエリア1と空きエリア2のいずれにもクリップデータを配置できない場合には空きエリア2からクリップデータがはみ出さない部分については空きエリア2に配置しはみ出る部分については次ページの用紙領域に配置するのである。
【0031】
こうしてクリップデータをレイアウトすると、レイアウト結果から印刷データを作成して(ステップS520)、クリップデータがプレビュー用紙領域にレイアウトされた印刷プレビュー画面を起動する(ステップS530)。印刷プレビュー画面の一例を図10に示す。
【0032】
印刷プレビュー画面150は、図10に示すように、クリップデータがレイアウトされたプレビュー用紙領域162a,162bを2ページ単位で表示するプレビュー表示領域160と、クリップデータをサムネイル表示するクリップリスト表示領域170と、プリント設定を表示するプリント設定表示領域177と、プレビューや印刷に関する種々の操作を行なうための各種ボタン181〜183と、各種の値の入力が可能な各種入力ボックス184,185と、が表示される。各種ボタンとしては、プレビュー用紙領域162a,162bの内容を現在のプリント設定で印刷するための印刷ボタン181と、プレビュー用紙の先頭ページを表示する先頭ページボタンと1つ前のページを表示する前ページボタンと次のページを表示する次ページボタンと最終ページを表示する最終ページボタンとからなるページ捲りボタン182と、印刷プレビュー画面150を閉じるための閉じるボタン183とが設けられている。また、各種入力ボックスとしては、ページ総数に対して現在表示しているページのページ番号を表示すると共に表示を変更するページ番号の入力が可能なカレントページ表示/入力ボックス184と、印刷部数を指定する印刷部数指定ボックス185とが設けられている。クリップリスト表示領域170は、クリップデータがサムネイル化されたサムネイル画像172a〜172cと、クリップデータに対して種々の操作を行なうための各種ボタン174〜176と、が表示される。サムネイル画像172a〜172cの右サイドには、クリップリスト表示領域170内に収まりきれないサムネイル画像を縦スクロールにより表示するためのスクロールバー173が設けられている。サムネイル画像172a〜172cに左上に設けられたチェックボックスは、印刷するクリップデータを選択するためのものであり、チェックOFFの状態でマウス26でカーソルを合わせて左クリックされるとチェックONとなり、チェックONの状態でマウス26でカーソルを合わせて左クリックされるとチェックOFFとなる。クリップ表示領域170に表示された各種ボタンとしては、クリップリストの全てのクリップデータのチェックボックスをチェックONする全てチェックONボタン174と、クリップリストの全てのクリップデータのチェックボックスをチェックOFFする全てチェックOFFボタン175と、クリップリスト表示領域170をたたむリスト格納ボタン176とが設けられている。プリント設定表示領域177は、現在設定されている給紙方式や用紙サイズ,用紙種類などを表示するプリント設定確認リスト178と、プリント設定表示領域177をたたむリスト格納ボタン179とが表示される。なお、リスト格納ボタン176,179は、リストをたたんだ状態ではリストを表示されている状態に戻すためのリスト復元ボタンとなる。
【0033】
印刷プレビュー画面150を起動すると、起動中のブラウザー画面のクリップリストと同期をとり(ステップS540)、ブラウザー画面のクリップリストが更新されているか否かを判定し(ステップS550)、更新されている場合には、ブラウザー画面のクリップリストと同一のクリップリストに更新する(ステップS560)。ブラウザー画面が複数起動されている場合には、図4のクリップモード時処理のステップS350で説明したように、印刷プレビュー画面150を起動させた親画面のブラウザー画面50は、モーダル状態で待機しているためユーザーからの如何なる操作も受け付けないが、親画面以外のブラウザー画面は、印刷プレビュー画面150とは独立しているため、各種操作が可能となる。したがって、ステップS540〜S560の処理は、親画面以外のブラウザー画面50からクリップデータが追加されたり、クリップデータのチェック状態が更新されたりした場合に、これを印刷プレビュー画面150のクリップリストに反映させる処理となる。なお、同期処理は、前述したように、プロセス間通信を用いてクリップリストを受け渡すことにより行なうことができる。クリップリストが更新されると、更新されたクリップリストに基づいてレイアウト処理を実行し(ステップS590)、印刷データを生成し(ステップS600)、生成した印刷データに基づいて印刷プレビュー画面150を更新する(ステップS610)。
【0034】
ステップS550でブラウザー画面のクリップリストが更新されていないと判定された場合には、印刷プレビュー画面150のクリップリスト表示領域170のチェックボックス操作、即ち、各チェックボックスと全てチェックONボタン174と全てチェックOFFボタン175のいずれかが左クリックされたか否かを判定する(ステップS570)。チェックボックス操作がなされた場合には、左クリックされたボタンの種類に応じて該当するクリップデータのチェック状態を変更することによりクリップリストを更新し(ステップS580)、更新したクリップリストに基づいてレイアウト処理を実行し印刷データを生成し印刷プレビュー画面150を更新する(ステップS590〜S610)。一方、チェックボックス操作がなされていない場合には、印刷プレビュー画面150を更新することなく、次の処理に進む。ステップS570,S580の処理は、印刷プレビュー画面150でクリップデータのチェック状態が更新された場合に、印刷プレビュー画面150のクリップリストに反映させる処理となる。
【0035】
そして、印刷ボタン181が左クリックされるまで(ステップS620)、ステップS540に戻ってステップS540〜S610の処理を繰り返し、印刷ボタン181が左クリックされた場合に、印刷データをプリンター40に出力して(ステップS630)、プレビュー処理を終了する。
【0036】
図11に、クリップデータのチェックONにより印刷プレビュー画面150のプレビュー表示が更新される様子を示す。いま、クリップリストに「Clip Data1」,「Clip Data2」,「Clip Data3」の3つのクリップデータが登録され、「Clip Data1」と「Clip Data3」とがチェックONされると共に「Clip Data2」がチェックOFFされている場合を考える。この場合、プレビュー用紙領域162には、「Clip Data1」と「Clip Data3」とが前述したレイアウトルールに従って配置される。この状態から、「Clip Data2」がチェックONされると、「Clip Data2」は「Clip Data1」と「Clip Data3」とに対して最後尾に並べられ(最新のものとして並べられ)、前述したレイアウトルールに従ってプレビュー用紙領域162の空きエリアに配置される。前述したように、図7のプレビュー処理では、クリップリストの更新やレイアウト処理,これらに基づく印刷プレビュー画面150の更新を繰り返し実行しているから、クリップデータに対するチェックONの操作は、プレビュー用紙領域162へのクリップデータのレイアウトに即座に反映されることになる。また、起動中のブラウザー画面のクリップリストと同期をとっているから、ブラウザー画面50上のクリップリスト表示領域170でクリップデータに対して行なったチェックONの操作も、プレビュー用紙162へのクリップデータのレイアウトに即座に反映される。
【0037】
図12に、クリップデータのチェックOFFにより印刷プレビュー画面150のプレビュー表示が更新される様子を示す。いま、クリップリストに「Clip Data1」,「Clip Data2」,「Clip Data3」の3つのクリップデータがチェックONで登録されている場合を考える。この場合、プレビュー用紙領域162には、「Clip Data1」と「Clip Data2」と「Clip Data3」とが前述したレイアウトルールに従って配置される。この状態から、「Clip Data3」がチェックOFFされると、プレビュー用紙領域162から「Clip Data3」だけが除去される。前述したように、図7のプレビュー処理では、クリップリストの更新やレイアウト処理,これらに基づく印刷プレビュー画面150の更新を繰り返し実行しているから、クリップデータに対するチェックOFFの操作は、プレビュー用紙領域162へのクリップデータのレイアウトに即座に反映されることになる。また、起動中のブラウザー画面のクリップリストと同期をとっているから、ブラウザー画面50上のクリップリスト表示領域170でクリップデータに対して行なったチェックOFFの操作も、プレビュー用紙162へのクリップデータのレイアウトに即座に反映される。
【0038】
図13に、印刷プレビュー画面150が起動されている状態でブラウザー画面50上でのクリップデータの追加により印刷プレビュー画面150のプレビュー表示が更新される様子を示す。いま、クリップリストに「Clip Data1」,「Clip Data2」の2つのクリップデータが登録され、「Clip Data1」と「Clip Data2」とがチェックONされている場合を考える。この場合、プレビュー用紙領域162には、「Clip Data1」と「Clip Data2」とが前述したレイアウトルールに従って配置される。この状態から、印刷プレビュー画面150を起動させた親画面であるブラウザー画面50以外にブラウザー画面が新たに起動され、このブラウザー画面のWebページに対してクリップエリア62を選択し選択範囲をクリップボタン84が左クリックされると、新たにクリップされた内容が「Clip Data3」としてクリップリストに登録される。このとき、印刷プレビュー画面150では、新たに追加された「Clip Data3」がプレビュー用紙162の空きエリアに配置される。図7のプレビュー処理では、起動中のブラウザー画面のクリップリストとの同期をとりながらクリップリストの更新やレイアウト処理,これらに基づく印刷プレビュー画面150の更新を繰り返し実行しているから、新たにクリップされた内容はプレビュー用紙162へのレイアウトに即座に反映されることになる。したがって、クリップデータを追加するために、印刷プレビュー画面150を一旦閉じて再度ブラウザー画面50でクリップしてクリップデータを追加してから印刷プレビュー画面150を再起動するような煩わしい作業を必要としない。
【0039】
ここで、本実施形態の構成要素と本発明の構成要素との対応関係を明らかにする。ブラウザー画面50上でWebページのクリップする領域を選択するためのクリップバンド61のリサイズや移動を行なう図5のクリップ処理のステップS210,S220の処理を実行するCPU32やマウス26などが「領域指定手段」に相当し、選択された領域をクリップしてクリップデータを作成するステップS270,S310の処理を実行するCPU32が「クリップ手段」に相当し、クリップデータをクリップリストに登録するステップS280,S320の処理や図7のプレビュー処理のステップS500の処理を実行するCPU32が「クリップリスト登録手段」に相当し、クリップデータをプレビュー用紙領域にレイアウトした印刷プレビュー画面150を起動するステップS510〜S530の処理を実行するCPU32が「レイアウト画面起動手段」に相当し、起動中のブラウザー画面50のクリップリストと同期をとり更新されたクリップデータをプレビュー用紙領域にレイアウトするステップS540〜S610の処理を実行するCPU32が「レイアウト画面更新手段」に相当する。また、リスト表示領域70,170が「リスト表示手段」に相当し、図6のクリップリスト編集処理のステップS400,S430の処理や図7のプレビュー処理のステップS570,S580の処理を実行するCPU32やマウス26などが「クリップ情報選択手段」に相当する。なお、本実施形態では、情報処理装置20の動作を説明することにより本発明の情報処理方法やプログラムの一例も明らかにしている。
【0040】
以上説明した本実施形態の情報処理装置20によれば、ブラウザー画面50上のWebページに対して任意の領域のクリップを受け付けてクリップリストに登録し、ブラウザー画面50から印刷プレビュー画面150の起動が指示された場合には、ブラウザー画面50のクリップリストを印刷プレビュー画面150のクリップリストとして登録すると共に登録したクリップリストのクリップデータをプレビュー用紙領域にレイアウトした印刷プレビュー画面150を起動し、印刷プレビュー画面150が起動している最中に印刷プレビュー画面150を起動させたブラウザー画面50(親画面)以外のブラウザー画面上のWebページに対して新たにクリップされた場合には、そのブラウザー画面のクリップリストとの同期とクリップリストのクリップデータのレイアウトとを実行して印刷プレビュー画面150を更新するから、ブラウザー画面上で新たにクリップされた内容を印刷プレビュー画面150のプレビュー用紙領域へのレイアウトに即座に反映させることができる。この結果、クリップデータを追加するために、印刷プレビュー画面150を一旦閉じて再度ブラウザー画面50でクリップしてクリップデータを追加してから印刷プレビュー画面150を再起動するような煩わしい作業を必要とすることがない。
【0041】
また、本実施形態の情報処理装置20によれば、印刷プレビュー画面150のクリップリスト表示領域170のクリップデータに対してチェックON,チェックOFFの操作を受け付け、クリップリストの更新やレイアウト処理,これらに基づく印刷プレビュー画面150の更新を繰り返し実行するから、クリップデータに対するチェックONとチェックOFFの操作をプレビュー用紙領域へのレイアウトに即座に反映させることができる。また、起動中のブラウザー画面50のクリップリストと同期をとってクリップリストを更新するから、ブラウザー画面50上のクリップリスト表示領域70のクリップデータに対して行なったチェックONやチェックOFFの操作も印刷プレビュー画面150のプレビュー用紙162へのレイアウトに即座に反映させることができる。
【0042】
上述した実施形態では、ブラウザー画面50が複数起動している最中には、印刷プレビュー画面150をモーダル状態で起動させたブラウザー画面(親画面)以外のブラウザー画面からクリップされた場合に、クリップリストの同期をとることにより、クリップされた内容を印刷プレビュー画面150のプレビュー用紙領域へのレイアウトに反映させるものとしたが、印刷プレビュー画面150を親画面からモードレス状態として起動させるものとすれば、印刷プレビュー画面150を起動させたブラウザー画面からのクリップ操作を受け付けてクリップされた内容を印刷プレビュー画面150のプレビュー用紙領域へのレイアウトに反映させるものとしてもよい。
【0043】
上述した実施形態では、全てのブラウザー画面50を終了してもクリップリスト内のクリップデータはそのまま保持するものとしたが、全てのブラウザー画面50が終了したときにクリップリスト内のクリップデータを削除するものとしてもよい。
【0044】
上述した実施形態では、本発明の情報処理装置20をプリンター40に接続し、ブラウザー画面50でクリップされた内容を印刷のための印刷プレビュー画面150として表示するものとしたが、クリップされた内容をレイアウトしたレイアウト画面であれば、印刷プレビュー画面として表示するものに限られない。この場合、情報処理装置20をプリンター40に接続する必要はない。
【0045】
上述した実施形態では、本発明を情報処理装置20の形態として説明したが、情報処理方法の形態とするものとしてもよい。また、情報処理装置20をコンピューターに実現させるためのプログラムの形態とするものとしても構わない。
【0046】
なお、本発明は上述した実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の態様で実施し得ることはいうまでもない。
【符号の説明】
【0047】
20 情報処理装置、22 液晶ディスプレイ、24 キーボード、26 マウス、30 コンピューター本体、32 CPU、34 RAM、36 ハードディスクドライブ装置(HDD)、36a Webブラウザー、36b アドオン、40 プリンター、42 ルーター、50 ブラウザー画面、52 ツールバー、54 印刷/プレビューボタン、56 クリップ印刷ボタン、58 閉じるボタン、60 クリップ作業領域、61 クリップバンド、62 クリップエリア、64 クリップフレーム、66 クリップハンドル、70,170 クリップリスト表示領域、72a〜72c,172a〜172c サムネイル画像 73,173 スクロールバー、74,174 全てチェックONボタン、75,175 全てチェックOFFボタン、76 全て削除ボタン、77 チェック項目を削除ボタン、78 印刷/プレビューボタン、80 アクションバー、82 選択範囲を印刷ボタン、84 選択範囲をクリップボタン、86 キャンセルボタン、150 印刷プレビュー画面、160 プレビュー表示領域、162,162a,162b プレビュー用紙領域、176,179 リスト格納ボタン、177 プリント設定表示領域、178 プリント設定確認リスト、181 印刷ボタン、182 ページ捲りボタン、183 閉じるボタン、184 カレントページ表示/入力ボックス、185 印刷部数指定ボックス。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ブラウザー画面上に表示されているページ情報を処理する情報処理装置であって、
前記ブラウザー画面上に表示されているページの任意の領域を指定する領域指定手段と、
前記指定された領域をクリップしてクリップ情報を作成するクリップ手段と、
前記クリップ手段により作成されたクリップ情報をクリップリストに登録するクリップリスト登録手段と、
レイアウト画面の起動が指示された場合、前記クリップリストに登録されているクリップ情報をレイアウトしたレイアウト画面を起動するレイアウト画面起動手段と、
前記レイアウト画面が起動されている最中に前記クリップリストに登録されているクリップ情報が更新された場合、該更新されたクリップ情報をレイアウトして前記レイアウト画面を更新するレイアウト画面更新手段と、
を備える情報処理装置。
【請求項2】
複数のブラウザー画面の起動が可能で、一のブラウザー画面を親画面として前記レイアウト画面を子画面として起動可能な請求項1記載の情報処理装置であって、
前記クリップリスト登録手段は、前記レイアウト画面が起動されている最中に、起動されている複数のブラウザー画面のうち前記レイアウト画面を起動させたブラウザー画面とは異なるブラウザー画面から指定された領域がクリップされクリップ情報が作成された場合に、該作成されたクリップ情報を前記クリップリストに登録する手段である
情報処理装置。
【請求項3】
請求項1または2記載の情報処理装置であって、
前記クリップリストに登録されているクリップ情報をサムネイル画面として表示するリスト表示手段と、
ユーザーの操作に基づいて、前記クリップリストに登録されているクリップ情報から任意のクリップ情報を選択するクリップ情報選択手段と、
を備え、
前記レイアウト画面起動手段と前記レイアウト画面更新手段は、前記クリップリストに登録されているクリップ情報のうち前記クリップ情報選択手段により選択されたクリップ情報をレイアウトして前記レイアウト画面に表示する手段である
情報処理装置。
【請求項4】
請求項3記載の情報処理装置であって、
前記クリップリスト登録手段は、起動されている複数のブラウザー画面のすべてが終了された場合には、前記クリップリストに登録されているクリップ情報の選択をクリアする手段である
情報処理装置。
【請求項5】
印刷装置に接続された請求項1ないし4いずれか1項に記載の情報処理装置であって、
前記レイアウト画面は、印刷プレビュー画面である
情報処理装置。
【請求項6】
コンピューターを、ブラウザー画面上に表示されているページ情報を処理する情報処理装置として機能させるためのプログラムであって、
前記ブラウザー画面上に表示されているページの任意の領域を指定する領域指定モジュールと、
前記指定された領域をクリップしてクリップ情報を作成するクリップモジュールと、
前記作成されたクリップ情報をクリップリストに登録するクリップリスト登録モジュールと、
レイアウト画面の起動が指示された場合、前記クリップリストに登録されているクリップ情報をレイアウトしたレイアウト画面を起動するレイアウト画面起動モジュールと、
前記レイアウト画面が起動されている最中に前記クリップリストに登録されているクリップ情報が更新された場合、該更新されたクリップ情報をレイアウトして前記レイアウト画面を更新するレイアウト画面更新モジュールと
を備えるプログラム。
【請求項7】
ブラウザー画面上に表示されているページ情報を処理する情報処理方法であって、
前記ブラウザー画面上に表示されているページの任意の領域を指定し、
該指定された領域をクリップしてクリップ情報を作成し、
該作成されたクリップ情報をクリップリストに登録し、
レイアウト画面の起動が指示された場合、前記クリップリストに登録されているクリップ情報をレイアウトしたレイアウト画面を起動し、
前記レイアウト画面が起動されている最中に前記クリップリストに登録されているクリップ情報が更新された場合、該更新されたクリップ情報をレイアウトして前記レイアウト画面を更新する
情報処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2012−58808(P2012−58808A)
【公開日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−198612(P2010−198612)
【出願日】平成22年9月6日(2010.9.6)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】