説明

情報処理装置および情報提供方法

【課題】コンテンツデータの現在放送中の内容に対する視聴者の反応に基づく情報を提供することができる情報処理装置を実現する。
【解決手段】実施形態によれば、情報処理装置は、受信手段と、算出手段と、送信手段とを備える。前記受信手段は、インターネット上のサイトに書き込まれる第1の放送局に関連する第1の投稿それぞれを前記サイトから受信する。前記算出手段は、文字数の少ない第1の投稿に対して高い点数が付けられるように、前記受信された第1の投稿それぞれの文字数に基づいて前記受信された第1の投稿それぞれに点数を付け、前記受信された第1の投稿それぞれの点数に基づいて前記第1の放送局によって放送中のコンテンツデータに対する第1の評価値を算出する。前記送信手段は、前記算出された第1の評価値をユーザ端末に送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、放送中のコンテンツデータに関する情報を提供するための情報処理装置および情報提供方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、テレビジョン放送、インターネット放送といった様々な放送サービスが広く利用されている。このような放送サービスでは、個々の放送局は、多数のコンテンツデータ(番組データ)を放送スケジュールに従った順番で順次放送する。視聴者は、自身が興味を持った番組データを放送中の放送局(チャンネル)を、多数の放送局、つまり多数のチャンネルから選択することができる。
【0003】
各番組に関する情報を視聴者に提供するための技術としては、電子番組ガイド(EPG)が知られている。
【0004】
さらに、最近では、インターネット上のサイトに書き込まれた投稿の件数を集計し、その投稿の件数に基づく番組評価結果を視聴者端末に送信する技術が開発され始めている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−290996号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、投稿の数を用いて番組を評価するという方法は、番組の内容に応じて投稿数が大きく変わるという推定を前提としており、投稿数がほとんど変わらないような状況では視聴者の反応を評価結果に反映することができない可能性がある。
【0007】
本発明は、コンテンツデータの内容に対する視聴者の反応に基づく情報を提供することができる情報処理装置および情報提供方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
実施形態によれば、情報処理装置は、受信手段と、算出手段と、送信手段とを備える。前記受信手段は、インターネット上のサイトに書き込まれる第1の放送局に関連する第1の投稿それぞれを前記サイトから受信する。前記算出手段は、文字数の少ない第1の投稿に対して高い点数が付けられるように、前記受信された第1の投稿それぞれの文字数に基づいて前記受信された第1の投稿それぞれに点数を付け、前記受信された第1の投稿それぞれの点数に基づいて前記第1の放送局によって放送中のコンテンツデータに対する第1の評価値を算出する。前記送信手段は、前記算出された第1の評価値をユーザ端末に送信する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】実施形態に係る情報処理装置のシステム構成を示すブロック図。
【図2】同実施形態の情報処理装置によって実行される投稿収集処理および投稿分類処理の手順を示すフローチャート。
【図3】同実施形態の情報処理装置によって実行される投稿分析処理の手順を示すフローチャート。
【図4】同実施形態の情報処理装置の分類情報記憶部に予め格納される分類情報を説明するための図。
【図5】同実施形態の情報処理装置の分類結果記憶部に格納される分類結果情報を説明するための図。
【図6】同実施形態の情報処理装置の分析結果記憶部に格納される分析結果情報を説明するための図。
【図7】同実施形態の情報処理装置によって実行される分析結果送信処理の手順を示すフローチャート。
【図8】同実施形態の情報処理装置の構成を示すブロック図。
【図9】同実施形態の情報処理装置からサービスを受けるクライアント端末の構成を示すブロック図。
【図10】図9のクライアント端末の表示画面の他の例を示す図。
【図11】図9のクライアント端末の表示画面のさらに他の例を示す図。
【図12】図9のクライアント端末の表示画面のさらに他の例を示す図。
【図13】図9のクライアント端末の表示画面のさらに他の例を示す図。
【図14】図9のクライアント端末の表示画面のさらに他の例を示す図。
【図15】図9のクライアント端末の表示画面のさらに他の例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、実施の形態について図面を参照して説明する。
まず、図1を参照して、一実施形態に係る情報処理装置の構成を説明する。この情報処理装置は、放送中の個々の番組データに関する視聴者の反応をリアルタイムに視聴者にフィードバックするための機能(盛り上がり分析機能)を有している。この情報処理装置は例えばサーバコンピュータとして実現されている。このサーバコンピュータは盛り上がり分析機能を実行するための盛り上がり分析サーバ2として機能する。
【0011】
この盛り上がり分析サーバ2は、インターネットを介してソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)サーバ1と通信するように構成されている。SNSは個人間のコミュケーション(会話活動)を支援するためのサイトであり、例えばミニプログ、ツイッター(登録商標)等のサービスを提供する。
【0012】
盛り上がり分析サーバ2は、放送サービス(例えば、TV放送、インターネット放送等)を行う複数の放送局それぞれに関連する複数の投稿集合をリアルタイムに分析する。この分析処理は、放送局それぞれによって現在放送されている番組データに対するSNS上の盛り上がりの程度を放送局毎に算出するために行われる。
【0013】
ある放送局に対する分析処理は、SNSサイト(SNSサーバ1)に書き込まれる当該放送局に関する投稿の集合に対して実行される。まず、盛り上がり分析サーバ2は、SNSサーバ1と通信して、SNSサーバ1に書き込まれるある放送局に関する投稿の集合をSNSサーバ1から受信する。そして、盛り上がり分析サーバ2は、文字数の少ない投稿に対して高い点数(得点)を付けられるようにするために、投稿毎に文字数をカウントし、所定の文字数上限と、個々の投稿の文字数との差を算出する。文字数の上限は、SNSサイトに書き込み可能な投稿の文字数の上限値、つまり上述のSNSで規定された文字数の上限値である。そして、ある同一の放送局に関連する投稿それぞれについて算出された差の合計が、その放送局の現在放送中の番組データに対するSNS上の盛り上がり度合いを示す点数(得点)として算出される。盛り上がり度合いは放送中の番組データの内容に対する視聴者の反応の度合いを表す評価値である。盛り上がり分析サーバ2は、算出された盛り上がり度合いを、各クライアント端末10に送信する。
【0014】
放送中の番組データ(コンテンツデータ)に対してSNSサイトに書き込まれる投稿には次のような傾向がある。
短い文章の投稿ほど、放送中の番組データ内の直近のまたは現在のシーンとの関連性が高い傾向がある。長い文章の投稿ほど、番組データ内の直近のまたは現在のシーンとの関連性が低く、例えば、過去に放送されたシーンや別の内容に関する話題等を含んでいる傾向がある。つまり、字数の短い投稿ほど、より衝動的、感情的に書き込まれた投稿(番組データ内の直近のまたは現在のシーンに対する感動や衝撃を直接的に表現した投稿)であると考えることができる。
【0015】
本実施形態では、字数の短い投稿に高い点数付けをすることで、「放送中の番組データに対してより衝動的、感情的に書き込まれた投稿の多さ」を表す評価値を算出することができる。
【0016】
もし投稿の件数のみ用いて評価値を算出するという方法を採用したならば、この評価値は「どれだけ精力的にサイトに書き込みを行ったか」しか表現することができない。本実施形態では、字数の短い投稿に高い点数付けをすることで、番組放送中に、よりリアルタムにサイトに書き込まれた投稿の多さ(つまり、どれだけ感情的に、衝動的に投稿がサイトに書き込まれたか)を表現することができる。よって、たとえ投稿の数が少ない場合であっても、放送中のコンテンツデータに対する視聴者の反応を評価値に十分に反映させることができる。
【0017】
盛り上がり分析サーバ2は、投稿収集部3、分類情報記憶部4、投稿分類部5、投稿記憶部6、盛り上がり分析部7、分析結果記憶部8、および盛り上がり配信部9を備える。投稿収集部3、分類情報記憶部4、および投稿分類部5は、SNSサイト上の投稿の収集と分類を行うための機能モジュールである。盛り上がり分析部7および分析結果記憶部8は投稿を分析するための機能モジュールである。盛り上がり配信部9は分析結果をクライアント端末10それぞれに送信する機能モジュールである。これら機能モジョール間で共有される情報は、投稿記憶部6と分析結果記憶部8に保存される。
【0018】
投稿収集部3は、インターネットを介してSNSサイト(SNSサーバ1)と通信し、SNSサイトに書き込まれる分析対象放送局に関連する投稿それぞれをSNSサイトから収集する。例えば、投稿収集部3は、幾つかの分析対象放送局を示す識別子(分析対象放送局のネットワークID、または分析対象放送局のハッシュタグを示す文字列、等)を含む検索要求をSNSサーバ1に送信し、これによって、SNSサーバ1に新たに書き込まれる、それら分析対象放送局に関する投稿それぞれを、SNSサーバ1からリアルタイムに受信するようにしてもよい。もちろん、投稿収集部3がSNSサーバ1を定期的にアクセスし、分析対象放送局に関する最新の1以上の投稿をSNSサーバ1から収集するようにしてもよい。本実施形態では、予め決められた複数の放送局それぞれが分析対象放送局として扱われる。したがって、投稿収集部3は、SNSサーバ1から複数の放送局それぞれに関する投稿をSNSサーバ1から収集(受信)する。
【0019】
投稿分類部5は、投稿収集部3によって収集された投稿を放送局毎に分類する。この分類処理は、分類情報記憶部4に格納された分類情報に基づいて実行される。分類情報においては、放送局それぞれを識別するための文字列(ハッシュタグ)が格納されている。ある放送局に対応する投稿には、その放送局を識別するための文字列(ハッシュタグ)が含まれている。したがって、投稿分類部5は、各投稿内の文字列(ハッシュタグ)に基づいて、各投稿を、複数の放送局に対応する複数のグループ内のいずれかのグループに分類することができる。放送局毎に分類された投稿は投稿記憶部6に格納される。
【0020】
盛り上がり分析部7は、上述の分析処理を所定時間間隔毎に繰り返し実行し、これによって、個々の放送局に対応する現在の盛り上がり度合いを例えば1分単位で算出する。ある第1の放送局に関する投稿の分析処理では、盛り上がり分析部7は、文字数の少ない投稿に対して高い点数が付けられるように、その第1の放送局に関する投稿それぞれの文字数に基づいて、それら投稿それぞれに点数を付ける。そして、盛り上がり分析部7は、それら投稿それぞれの点数に基づいて、第1の放送局によって放送中のコンテンツデータに対する評価値(盛り上がり度合い)を算出する。算出された評価値は分析結果記憶部8に格納される。
【0021】
盛り上がり配信部9は、インターネット等のネットワークを介して各クライアント端末10との通信を実行する。クライアント端末10はユーザによって使用される端末(ユーザ端末)である。盛り上がり配信部9は、あるクライアント端末10からリクエストされた1以上の放送局それぞれに関する盛り上がり度合いを分析結果記憶部8から取得し、その盛り上がり度合いを放送局の識別子と関連づけて、クライアント端末10に送信する。なお、盛り上がり配信部9は、盛り上がり度合いのみならず、1以上の放送局それぞれに関連する投稿をクライアント端末10に送信することもできる。
【0022】
次に、図2のフローチャートを参照して、盛り上がり分析サーバ2によって実行される投稿収集処理および投稿分類処理の手順を説明する。
【0023】
投稿分類部5は、投稿を分類するために必要な分類情報を分類情報記憶部4から読み込む(ステップS11)。分類情報記憶部4には、図4に示すように、ハッシュタグ(“#”で始まる、投稿のカテゴリを表す文字列)と放送局の識別子(ネットワークID)との対応表が分類情報として予め格納されている。ある放送局の番組に対する投稿には、その放送局に対応するハッシュタグが挿入されている。各放送局に対応するハッシュタグは例えばその放送局の名称または略式名称などを示す文字列である。ステップS11では、投稿分類部5は、図4の対応表、つまり、各放送局の識別子(ネットワークID)とその識別子(ネットワークID)に対応するハッシュタグとを分類情報記憶部4から読み込む。
【0024】
投稿収集部3は、SNSサーバ1から分析処理対象の放送局に対する1以上の投稿をHTTPプロトコル等を使用して取得する(ステップS12)。ステップS12では、例えば、分析処理対象の複数の放送局それぞれに対応するハッシュタグのいずれかが挿入された投稿が投稿収集部3によって収集される。
【0025】
投稿収集部3によって収集された全ての投稿に対して、投稿分類部5は、以下の処理を実行する(ステップS13〜S17)。
ステップS13はステップS13〜S17から構成されるループ処理の最初の処理を示している。このステップS13は、収集された全ての投稿に対する処理が完了するまで以下のステップS14およびS15の処理が繰り返されることを表している。
【0026】
投稿分類部5は、処理対象の投稿の中から“#”と空白との間に囲まれた部分(=ハッシュタグ)を抽出する(ステップS14)。投稿分類部5は、抽出したハッシュタグと、ステップS11で読み込んだ分類情報とを照合して、抽出したハッシュタグに対応する放送局の識別子(ネットワークID)を分類情報から取得する(ステップS15)。投稿分類部5は、処理対象の投稿を、取得したネットワークIDに対応するグループに分類し、当該処理対象の投稿とネットワークIDと関連づけて投稿記憶部6に保存する(ステップS16)。そして、投稿分類部5はステップS17に進む。ステップS17では、投稿分類部5は、収集した全ての投稿の分類処理が完了したか否かを判定する。分類処理が完了していない投稿があるならば、投稿分類部5はステップS13の処理に戻って処理対象の投稿を別の投稿に変更し、そしてステップS14およびS15の処理を再び実行する。これにより、収集された全ての投稿が、複数の放送局それぞれに対応する複数のグループに分類される。
【0027】
投稿記憶部6に格納される情報(分類結果情報)の例を図5に示す。図5に示されているように、投稿記憶部6においては、収集された投稿毎に、その投稿の内容を示す文字列(テキスト)と、その投稿に関連する放送局のネットワークIDとが格納される。
【0028】
次に、図3のフローチャートを参照して、盛り上がり分析サーバ2によって実行される投稿分析処理の手順を説明する。
【0029】
盛り上がり分析部7は、処理を開始する前に一定時間待機する(ステップS21)。これは、一定時間内にSNSサーバ1に書き込まれる投稿それぞれが、投稿記憶部6に蓄積されるのを待つためである。盛り上がり分析部7は、一定時間内にSNSサーバ1に書き込まれる投稿の集合に対して分析処理を実行する。一定時間は例えば1分である。SNSサーバ1に書き込まれる投稿集合に対する分析処理は1分間隔で繰り返し実行される。各分析処理は、その分析開始直前の1分間の間にSNSサーバ1に書き込まれる投稿集合に対して実行される。
【0030】
盛り上がり分析部7は、全ての放送局に対応する投稿集合それぞれついて、以下の処理を実行する(ステップS22〜S28)。ステップS22はステップS22〜S28から構成されるループ処理の最初の処理を示している。このステップS22は、全ての放送局に対する処理が完了するまで、ステップS23〜S27の処理が繰り返されることを表している。ステップS22〜S28から構成されるループ処理には、ステップS24〜S26から構成される小ループ処理が組み込まれている。このステップS24は小ループ処理の最初の処理を示している。このステップS24は、処理対象の放送局に関連する全ての投稿に対する点数(盛り上がり度合い)が算出されるまで、ステップS25の処理が繰り返されることを表している。
【0031】
いま、ある放送局Aに対応する投稿集合を分析する場合を想定する。盛り上がり分析部7は、放送局Aの識別子(ネットワークID)と関連づけられている全ての投稿を投稿記憶部6から読み込む(ステップS23)。そして、盛り上がり分析部7は、読み込んだ全ての投稿に対して以下の処理を実行する(ステップS24〜26)。盛り上がり分析部7は、投稿できる文字数の上限値MAX(例えばMAX=140文字)と、処理対象の投稿の文字数との差を求める(ステップS25)。この差は、処理対象の投稿に付与すべき点数を表す。そして、盛り上がり分析部7は、ステップS26に進む。ステップS26では、盛り上がり分析部7は、処理対象の放送局Aに関連する全ての投稿に対する処理が完了したか否かを判定する。処理が完了していない投稿があるならば、盛り上がり分析部7は、ステップS24に戻って処理対象の投稿を別の投稿に変更し、ステップS25の差算出処理を再び実行する。これにより、処理対象の放送局Aに関連する全ての投稿それぞれに点数が付けられる。
【0032】
いま、処理対象放送局Aに関連する全ての投稿が投稿A1〜Anのn個の投稿である場合を想定する。
【0033】
盛り上がり分析部7は、投稿A1〜Anのそれぞれについて、投稿できる文字数の上限値MAX(例えばMAX=140文字)と、その投稿の文字数との差を求める(ステップS25)。そして、投稿A1〜Anのそれぞれの文字数をC1からCnとすると、
文字数の上限値と投稿A1の文字数C1との差: 140−C1
文字数の上限値と投稿A2の文字数C2との差: 140−C2
文字数の上限値と投稿Anの文字数Cnとの差: 140−Cn
が求められる。
【0034】
処理対象放送局Aに関連する全ての投稿の点数付けが完了すると、盛り上がり分析部7は、ステップS27に進む。ステップS27では、盛り上がり分析部7は、処理対象放送局Aに関連する全ての投稿、つまり、投稿A1〜Anのそれぞれに対応する差の合計SUM(a)を算出する。この合計値SUM(a)は、以下のように表される。
SUM(a)=(140−C1)+(140−C2)+,…,+(140−Cn)
盛り上がり分析部7は、算出した合計値SUM(a)を、放送局Aに関する投稿集合の分析結果として分析結果記憶部8に保存する(ステップS27)。合計値SUM(a)は、放送局Aに対応する投稿集合の評価値(点数)である。
【0035】
ある放送局Aに対応する投稿集合の評価値算出が完了すると、盛り上がり分析部7は、ステップS28に進む。ステップS28では、盛り上がり分析部7は、全ての放送局に対応する投稿集合についての評価値算出が完了したか否かを判定する。完了していないならば、盛り上がり分析部7はステップS22の処理に戻って処理対象の放送局を別の放送局に変更し、ステップS23〜S27の処理を再び実行する。
【0036】
以上の処理により、盛り上がり分析部7は、全ての放送局について、上述の合計値SUMを算出し、それら算出した合計値SUMを分析結果記憶部8に保存する(ステップS27)。そして、盛り上がり分析部7は、投稿記憶部6の内容をクリアする(ステップS29)。
【0037】
図6には、分析結果記憶部8に保存される分析結果情報の例が示されている。ネットワークID毎に、投稿集合に対する点数(SUMの値)と、その投稿集合に含まれる投稿数とが分析結果記憶部8に保存される。なお、投稿数はクライアント端末10には送信しない。したがって、投稿数は分析結果記憶部8に保存しなくてもよい。例えば、ネットワークIDが13の放送局に対する投稿数は30であり、ネットワークIDが14の放送局に対する投稿数も30であるが、ネットワークIDが13の放送局に対する投稿集合に与えられる点数は1000であり、ネットワークIDが14の放送局に対する投稿集合に与えられる点数500よりも非常に高い。これは、ネットワークIDが13の放送局に対する投稿集合には、文字数の少ない投稿が比較的多く含まれていたことを意味する。
【0038】
上述のように、本実施形態では、投稿できる文字数の上限値と投稿それぞれの文字数との差が算出され、それら算出された差の合計値が投稿集合に対する評価点として用いられる。したがって、より衝動的に書き込まれた、放送中の番組データに対する投稿の多さを、評価点として各視聴者に提示することができる。さらに、上述の差の合計値を評価値として使用することにより、たとえ投稿の数が少なくてもSNS上の盛り上がり度合いを表現することが可能となる。
【0039】
なお、文字数の上限値と投稿の文字数との差ではなく、投稿それぞれについて、投稿の文字数Cnに対する文字数上限値MAXの比(=MAX÷Cn)を求め、それら比の平均を盛り上がり度合いとして算出してもよい。これら比の平均は、((MAX÷C1)+(MAX÷C2)+,…,+(MAX÷Cn))÷nで与えられる。
【0040】
このような比の平均を使用することにより、算出されたる評価値が一定の範囲内に収まるように評価値を正規化することができる。よって、チャンネルそれぞれに対応する評価値同士をユーザが比較しやすくなる。
【0041】
次に、図7のフローチャートを参照して、盛り上がり分析サーバ2によって実行される分析結果送信処理の手順を説明する。
【0042】
盛り上がり配信部9は、クライアント端末10からHTTPリクエストを受信する(ステップS31)。このHTTPリクエストは、盛り上がり分析サーバ2に盛り上がり度合いの配信を要求するリクエストである。盛り上がり配信部9は、HTTPリクエストによって指定されるすべての放送局に対応する盛り上がり度合い(点数)を分析結果記憶部8から取得する(ステップS32)。そして、盛り上がり配信部9は、取得した盛り上がり度合い(点数)をインターネット等を介してクライアント端末10に送信する(ステップS33)。なお、最新の時間に対応する各放送局の盛り上がり度合いが算出されるたびに、盛り上がり配信部9は、配信を要求した各クライアント端末10にその盛り上がり度合いを自動的に送信してもよい。
【0043】
図8は、盛り上がり分析サーバ2のハードウェア構成例を示す。盛り上がり分析サーバ2は、CPU111、主メモリ112、ハードディスクドライブ(HDD)113、ネットワークコントローラ114等を備える。CPU111は、HDD113から主メモリ112にロードされる各種プログラムを実行するプロセッサである。これらプログラムの中には盛り上がり分析プログラム201が含まれている。この盛り上がり分析プログラム201は上述の盛り上がり程度を各クライアント端末10に配信するというサービスを実行するためのプログラムである。図2、図3、図7のフローチャートで説明した処理手順は、盛り上がり分析プログラム201によって実行することができる。
【0044】
図9は、クライアント端末10のハードウェア構成例を示す。クライアント端末10はパーソナルコンピュータ(PC)またはテレビジョン(TV)によって実現されている。図9は、クライアント端末10として機能するPCの構成を示している。このクライアント端末10は、CPU121、主メモリ122、表示コントローラ123、液晶表示装置(LCD)のようなディスプレイ124、ハードディスクドライブ(HDD)125、ネットワークコントローラ126、TVチューナ127、および入力デバイス128等を備える。
【0045】
CPU121は、HDD125から主メモリ122にロードされる各種プログラムを実行するプロセッサである。これらプログラムの中には、TVアプリケーションプログラム301、分析結果表示プログラム302が含まれている。TVアプリケーションプログラム301は、TVチューナ127を制御し、このTVチューナ127によって受信されるTV放送信号内の番組データを再生するためのプログラムである。分析結果表示プログラム302は、ネットワークコントローラ126を介して盛り上がり分析サーバ2との通信を実行する。分析結果表示プログラム302は、TVアプリケーションプログラム301内に組み込まれたソフトウェアであってもよい。分析結果表示プログラム302は、ユーザによる入力デバイス128の操作に応じて起動される。入力デバイス128は、キーボード、ポインティングデバイス、または音声認識機能を搭載した音声入力インタフェース等から実現される。
【0046】
分析結果表示プログラム302は、盛り上がり分析サーバ2に盛り上がり度合いの配信を要求するリクエスト処理、および盛り上がり分析サーバ2から分析結果(1以上の放送局に対する盛り上がり度合い)を受信する受信処理、盛り上がり度合いをディスプレイ124の画面上に表示する表示制御処理等を実行する。リクエスト処理では、分析結果表示プログラム302は、1以上の放送局の識別子(ネットワークID)を指定する上述のHTTPリクエストを盛り上がり分析サーバ2に送信する。この場合、TVチューナ127が受信可能な全ての放送局の識別子(ネットワークID)を指定するHTTPリクエストを送信してもよいし、ユーザによって選択された幾つかの放送局の識別子(ネットワークID)を指定するHTTPリクエストを送信してもよい。
【0047】
次に、図10〜図15を参照して、クライアント端末10の幾つかの表示画面例について説明する。
図10は第1の表示画面例である。この第1の表示画面例は、図9に示したPCに適用される画面例である。PCのデスクトップ画面100上には、幾つかのアイコン101が表示される。これらアイコン101の中には分析結果表示プログラム302を起動するためのアイコンも含まれている。このアイコンがユーザによってクリックされた時、分析結果表示プログラム302が起動される。分析結果表示プログラム302は上述のHTTPリクエストを盛り上がり分析サーバ2に送信し、そして盛り上がり分析サーバ2から受信される分析結果情報に基づき、盛り上がりランキングリスト102をデスクトップ画面100上に表示する。
【0048】
盛り上がりランキングリスト102は、得点の高い順に並べられた放送局(チャンネル)それぞれの得点の一覧を表示する。ここで、各放送局の得点は、上述した盛り上がり分析部7によって算出される評価値(盛り上がり度合い)である。ユーザは、盛り上がりランキングリスト102を見ることで、盛り上がり度合いの高いチャンネルを知ることができる。盛り上がりランキングリスト102は、ユーザによるチャンネル選択を支援するための情報として機能する。
【0049】
図11は、第2の表示画面例である。この第2の表示画面例は、PCまたはTVに適用される画面例である。図11においては、PCまたはTVのディスプレイ画面上に、TV視聴画面401と盛り上がり度合いグラフ402が並んで表示されている。TV視聴画面401は受信中の放送番組の映像を表示する。盛り上がり度合いグラフ402は、チャンネルそれぞれの得点(盛り上がり度合い)を表すグラフ(棒グラフ)である。
【0050】
図12は、第3の表示画面例である。この第3の表示画面例は、PCまたはTVに適用される画面例である。図12においては、PCまたはTVのディスプレイ画面上に、TV視聴画面401と盛り上がり度合いグラフ402が並んで表示されている。さらに、ディスプレイ画面上には投稿リスト403も表示される。投稿リスト403は現在視聴中のチャンネル(TV視聴画面401に番組の映像が表示されているチャンネル)に関連する直近の幾つかの投稿それぞれの内容を表示する。
【0051】
図13は、第4の表示画面例である。この第4の表示画面例は、PCまたはTVに適用される画面例である。図13においては、PCまたはTVのディスプレイ画面上に、TV視聴画面401と番組表501とが表示されている。さらに、盛り上がり度合いグラフ402が番組表501の上部に表示される。番組表501は、チャンネル毎に番組データの案内を表示する。各チャンネルの番組データの案内の上部には、そのチャンネルの盛り上がり度合いを示すグラフ(棒)が表示される。ユーザは、盛り上がり度合いグラフ402と番組表501とを見て、盛り上がり度合いの高いチャンネルとそのチャンネルの番組データの概要とを知ることができる。
【0052】
図14は、第5の表示画面例である。この第5の表示画面例は、PCまたはTVに適用される画面例である。図14においては、番組表501の中に盛り上がり度合いグラフ402が表示される。つまり、各チャンネルの番組データの案内を表示するエリア上に、そのチャンネルの盛り上がり度合いを示すグラフ(棒)が表示される。
【0053】
図15は、第6の表示画面例である。この第6の表示画面例は、PCまたはTVに適用される画面例である。図15においては、PCまたはTVのディスプレイ画面上に、TV視聴画面401と番組表501とが表示されている。さらに、盛り上がり度合いグラフ402が番組表501の上部に表示される。番組表501は、チャンネル毎に番組データの案内を表示する。各チャンネルの番組データの案内の上部に、そのチャンネルの盛り上がり度合いを示すグラフ(棒)が表示される。さらに、番組表501の下部に投稿リスト601が表示される。つまり、各チャンネルの番組データの案内の下部には、そのチャンネルに関連する直近の幾つかの投稿それぞれの内容が表示される。
【0054】
なお、盛り上がり度合いグラフ402の表示制御は、クライアント端末10内のプロセッサによって実行すればよい。プロセッサは、盛り上がり分析サーバ2から受信した各チャンネルの評価値に基づいて盛り上がり度合いグラフ402を生成し、その生成した盛り上がり度合いグラフ402を画面上に表示する。
【0055】
以上説明したように、本実施形態によれば、インターネット上のサイト(SNSサイト)に書き込まれるある放送局に関連する投稿それぞれがSNSサイトから受信される。そして、文字数の少ない投稿に対して高い点数が付けられるように、受信された投稿それぞれに点数が付けられ、それら投稿それぞれの点数に基づいて、上述の放送局に対する評価値(盛り上がり度合い)が算出される。そして、算出された評価値がユーザ端末(クライアント端末10)に送信される。このように、文字数の少ない投稿に対して高い点数を付けることにより、たとえ投稿の数が少ない場合であっても、放送中のコンテンツデータに対する視聴者の反応を表す評価値、詳しくは、放送中のコンテンツデータに対するSNSサイト上の盛り上がり度合いをクライアント端末に提供することができる。
【0056】
また、本実施形態では、上述の文字数の上限値として、SNSのようなサービスで規定されている文字数の上限が用いられる。したがって、番組放送中に、投稿それぞれの文字数の最大値などを求めるための統計処理を行うこと無く、容易に各投稿を点数付けするための基準値を求めることができる。
【0057】
なお、本実施形態では、一つのSNSから投稿を収集する場合を説明したが、種類の異なる複数のSNSそれぞれから投稿を収集してもよい。投稿収集部3は、HTTPおよびWebSocket等の拡張機能を用いてSNSサーバ1と盛り上がり分析サーバ2との間の接続を維持し、これによって継続的にSNSサイトから新規の投稿を取得してもよい。
【0058】
また、投稿収集部3が複数の異なるSNSから投稿を収集する場合、盛り上がり分析部7は、投稿できる文字数の上限値として、収集対象のSNSの中で最も短い上限値を使っても良いし、最も長い上限値を使っても良い、また任意に設定された値を用いても良い。
【0059】
盛り上がり配信部9は、HTTPおよびWebSocket等の拡張機能によってクライアント端末との接続を維持し、一定の間隔毎に分析結果をクライアント端末に送信してもよい(プッシュ型配信)。
【0060】
盛り上がり分析部7は、投稿の文字数を数える際に、投稿に含まれるURL、ユーザ名、ハッシュタグといった特定の幾つかの文字列の文字数を差し引いても良い。この場合、投稿内の全文字数から特定の文字列の文字数を引いた残りの値が、投稿の点数付けのための文字数として用いられる。
【0061】
また、本実施形態の盛り上がり分析機能のための手順は全てソフトウェアによって実行することができる。このため、この手順を実行するプログラムを格納したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を通じてこのプログラムを通常のコンピュータにインストールして実行するだけで、本実施形態と同様の効果を容易に実現することができる。
【0062】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0063】
2…盛り上がり分析サーバ、3…投稿収集部、4…分類情報記憶部4、5…投稿分類部、6…投稿記憶部、7…盛り上がり分析部、8…分析結果記憶部、9…盛り上がり配信部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
インターネット上のサイトに書き込まれる第1の放送局に関連する第1の投稿それぞれを前記サイトから受信する受信手段と、
文字数の少ない第1の投稿に対して高い点数が付けられるように、前記受信された第1の投稿それぞれの文字数に基づいて前記受信された第1の投稿それぞれに点数を付け、前記受信された第1の投稿それぞれの点数に基づいて前記第1の放送局によって放送中のコンテンツデータに対する第1の評価値を算出する算出手段と、
前記算出された第1の評価値をユーザ端末に送信する送信手段とを具備する情報処理装置。
【請求項2】
前記算出手段は、前記受信された第1の投稿それぞれについて前記サイトに書き込み可能な投稿の文字数の上限値と前記第1の投稿の文字数との差を算出し、前記算出された差の合計を、前記第1の評価値として算出するように構成されている請求項1記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記受信手段は、さらに、前記サイトに書き込まれる第2の放送局に関連する第2の投稿それぞれを前記サイトから収集するように構成されており、
前記算出手段は、さらに、文字数の少ない第2の投稿に対して高い点数が付けられるように、前記受信された第2の投稿それぞれの文字数に基づいて前記受信された第2の投稿それぞれに点数を付け、前記受信された第2の投稿それぞれの点数に基づいて前記第2の放送局によって放送中のコンテンツデータに対する第2の評価値を算出するように構成され、
前記送信手段は、前記算出された第1の評価値および前記算出された第2の評価値を前記ユーザ端末に送信するように構成されている請求項1記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記算出手段は、前記受信された第2の投稿それぞれについて前記文字数の上限値と前記第2の投稿の文字数との差を算出し、前記算出された差の合計を、前記第2の評価値として算出するように構成されている請求項1記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記インターネット上のサイトはソーシャル・ネットワーキング・サービスのためのサイトである請求項1記載の情報処理装置。
【請求項6】
インターネット上のサイトに書き込まれる第1の放送局に関連する第1の投稿それぞれを前記サイトから受信し、
文字数の少ない第1の投稿に対して高い点数が付けられるように、前記受信された第1の投稿それぞれの文字数に基づいて前記受信された第1の投稿それぞれに点数を付け、前記受信された第1の投稿それぞれの点数に基づいて前記第1の放送局によって放送中のコンテンツデータに対する第1の評価値を算出し、
前記算出された第1の評価値をユーザ端末に送信する情報提供方法。
【請求項7】
コンピュータに、
インターネット上のサイトに書き込まれる第1の放送局に関連する第1の投稿それぞれを前記サイトから受信する手順と、
文字数の少ない第1の投稿に対して高い点数が付けられるように、前記受信された第1の投稿それぞれの文字数に基づいて前記受信された第1の投稿それぞれに点数を付け、前記受信された第1の投稿それぞれの点数に基づいて前記第1の放送局によって放送中のコンテンツデータに対する第1の評価値を算出する手順と、
前記算出された第1の評価値をユーザ端末に送信する手順とを実行させるプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2013−80988(P2013−80988A)
【公開日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−201928(P2011−201928)
【出願日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】