説明

情報処理装置および情報表示方法

【課題】視聴中の放送番組データ中に出現する様々な情報の内でユーザが気になった話題、言葉等に関するキーワードのリストを表示でき、且つそのキーワードのリストを用いてインターネットからの情報検索を行うことが可能な情報処理装置を実現する。
【解決手段】放送番組データの視聴処理中には、字幕、電子番組情報、テロップ、音声データから文章情報が取得され、データベース309に蓄積される。放送番組データの視聴処理中に“気になる”ボタンの押下のような操作が行われた時、キーワード抽出部306は、“気になる”ボタンの押下直前の一定期間にデータベース309に蓄積された文章情報を形態素解析することによってキーワードを抽出する。抽出されたキーワードの一覧はキーワードリストとして表示される。ユーザによってキーワードリストからキーワードが選択されると、選択されたキーワードに関する情報がインターネットから取得される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は放送番組データを受信可能な情報処理装置および同情報処理装置に適用される情報表示方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、DVD(Digital Versatile Disc)プレーヤ、ビデオレコーダ、TV装置のようなオーディオ・ビデオ(AV)機器と同様のAV機能を備えたパーソナルコンピュータが開発されている。
【0003】
このようなパーソナルコンピュータは、テレビジョン放送信号を受信するためのチューナ部を有しており、放送番組データの視聴および録画を実行することができる。
【0004】
放送番組データにはニュース、ドラマ、映画、スポーツ中継、教育、バラエティーといった様々なジャンルがあり、ユーザは様々な情報を視聴処理中の放送番組データから得ることができる。
【0005】
また、最近では、放送番組データに関連する情報を視聴者に提供するための技術も開発され始めている。
【0006】
例えば、特許文献1には、放送波によって番組データと一緒に送信されるインターネット検索用のキーワードを受信すると共に、受信したキーワードのリストを表示し、ユーザによって選択されたキーワードに関連する情報をインターネットから取得するという機能を有する放送受信機が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2004−86754号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、特許文献1においては、キーワードリストに表示されるキーワードは放送事業者側が番組毎に予め用意したものである。このため、キーワードリストに表示されるキーワードの内容は番組毎に固定化されており、常に同一の内容のキーワードしか表示することができない。
【0009】
一般に、番組中には様々な情報が出現するが、その中で興味を持つ事柄は個々のユーザ毎に異なる。よって、放送事業者側から送信される固定的なキーワードのリストを表示するのではなく、放送番組の視聴中にユーザが実際に気になった話題、言葉、あるいは覚えておきたい内容等に関するキーワードのリストを表示するための新たな仕組みを実現することが必要である。
【0010】
本発明は上述の事情を考慮してなされたものであり、視聴中の放送番組データ中に出現する様々な情報の内でユーザが気になった話題、言葉等に関するキーワードのリストを表示でき、且つそのキーワードのリストを用いてインターネットからの情報検索を行うことができる情報処理装置および情報表示方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上述の課題を解決するため、請求項1に係る情報処理装置は、番組データを受信する受信手段と、通信部と、前記番組データに含まれる映像データを表示装置に表示する手段と、前記番組データから文章情報を取得して記憶装置に蓄積する文章情報取得手段と、前記番組データの表示中に所定のユーザ操作が行われた場合、前記記憶装置に蓄積された文章情報から抽出されるワードを、前記記憶装置に蓄積されたタイミングが遅い順に並べたリストを生成し、当該生成したリストを前記表示装置に表示するリスト表示手段と、前記表示されたリストの内からユーザによって選択されるワードを、前記通信部を介してインターネット上の所定のサーバ装置に検索語として送信することによって前記検索語に合致する情報を前記インターネットから取得し、前記取得した情報を前記表示装置に表示する情報取得処理手段とを具備することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、視聴中の放送番組データ中に出現する様々な情報の内でユーザが気になった話題、言葉等に関するキーワードのリストを表示でき、且つそのキーワードのリストを用いてインターネットからの情報検索を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の一実施形態に情報処理装置の概観の例を示す斜視図。
【図2】同実施形態の情報処理装置のシステム構成の例を示すブロック図。
【図3】同実施形態の情報処理装置で用いられるプログラムの機能構成を示すブロック図。
【図4】同実施形態の情報処理装置によって実行される検索補助サービス処理のデータの流れを説明するための図。
【図5】同実施形態の情報処理装置によって実行される検索補助サービス処理で用いられるキーワードリストおよび検索結果ページの例を示す図。
【図6】同実施形態の情報処理装置の表示画面の例を示す図。
【図7】同実施形態の情報処理装置で用いられるTV視聴ウィンドウの例を示す図。
【図8】同実施形態の情報処理装置によって実行される検索補助サービス処理の手順を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。
まず、図1および図2を参照して、本発明の一実施形態に係る情報処理装置の構成を説明する。本実施形態の情報処理装置は、例えば、ノートブック型の携帯型パーソナルコンピュータ10から実現されている。
【0015】
このパーソナルコンピュータ10は、テレビジョン放送信号によって放送される放送番組データの視聴および録画を実行するためのTV機能を有している。このTV機能は、例えば、パーソナルコンピュータ10に予めインストールされているTVアプリケーションプログラムによって実現されている。
【0016】
さらに、パーソナルコンピュータ10は、放送番組データの視聴処理中に放送番組中に出現した話題、言葉に関するさらなる情報をインターネットから取得するための検索補助サービス機能を有している。この検索補助サービス機能は、視聴中の放送番組データ中に出現するユーザが気になった話題、言葉、覚えておきたい事柄等に関するキーワードの一覧をメモ情報として表示するメモ機能、およびユーザによってあるキーワードが選択された場合に、その選択されたキーワードに関連する情報をインターネットから取得して表示する情報表示機能とを含んでいる。これらメモ機能および情報表示機能はTVアプリケーションプログラムに組み込まれている。
【0017】
図1はコンピュータ10のディスプレイユニットを開いた状態における斜視図である。本コンピュータ10は、コンピュータ本体11と、ディスプレイユニット12とから構成されている。ディスプレイユニット12には、TFT−LCD(Thin Film Transistor Liquid Crystal Display)17から構成される表示装置が組み込まれている。
【0018】
ディスプレイユニット12は、コンピュータ本体11に対してコンピュータ本体11の上面が露出される開放位置とコンピュータ本体11の上面を覆う閉塞位置との間を回動自在に取り付けられている。コンピュータ本体11は薄い箱形の筐体を有しており、その上面にはキーボード13、本コンピュータ10をパワーオン/パワーオフするためのパワーボタン14、入力操作パネル15、タッチパッド16、およびスピーカ18A,18Bなどが配置されている。
【0019】
入力操作パネル15は、押されたボタンに対応するイベントを入力する入力装置であり、複数の機能をそれぞれ起動するための複数のボタンを備えている。これらボタン群には、TV機能(視聴、録画、録画された放送番組データ/ビデオデータの再生)を制御するための操作ボタン群も含まれている。また、入力操作パネル15のボタン群には、“気になる”ボタンも含まれている。この“気になる”ボタンは、上述のメモ機能を起動するための操作ボタンである。ユーザは、視聴中の放送番組中に気になる話題、言葉等が出現した時に“気になる”ボタンを押すことにより、“気になる”ボタンが操作される直前に放送番組中に出現した話題、言葉等等に関する様々なキーワードの一覧を見ることができる。
【0020】
また、コンピュータ本体11の正面には、本コンピュータ10のTV機能をリモート制御するリモコンユニットとの通信を実行するためのリモコンユニットインタフェース部20が設けられている。リモコンユニットインタフェース部20は、赤外線信号受信部などから構成されている。
【0021】
コンピュータ本体11の例えば右側面には、TV放送用のアンテナ端子19が設けられている。また、コンピュータ本体11の例えば背面には、例えばHDMI(high-definition multimedia interface)規格に対応した外部ディスプレイ接続端子が設けられている。この外部ディスプレイ接続端子は、放送番組データのような映像コンテンツデータに含まれる映像データ(動画像データ)を外部ディスプレイに出力するために用いられる。
【0022】
次に、図2を参照して、本コンピュータ10のシステム構成について説明する。
【0023】
本コンピュータ10は、図2に示されているように、CPU101、ノースブリッジ102、主メモリ103、サウスブリッジ104、グラフィクスプロセッシングユニット(GPU)105、ビデオメモリ(VRAM)105A、サウンドコントローラ106、BIOS−ROM109、LANコントローラ110、ハードディスクドライブ(HDD)111、DVDドライブ112、ネットワークコントローラ114、IEEE 1394コントローラ115、エンベデッドコントローラ/キーボードコントローラIC(EC/KBC)116、TVチューナ117、およびEEPROM118等を備えている。
【0024】
CPU101は本コンピュータ10の動作を制御するプロセッサであり、ハードディスクドライブ(HDD)111から主メモリ103にロードされる、オペレーティングシステム(OS)201、およびTVアプリケーションプログラム202のような各種アプリケーションプログラムを実行する。TVアプリケーションプログラム202はTV機能を実行するためのソフトウェアである。このTVアプリケーションプログラム202は、TVチューナ117によって受信された放送番組データを視聴するためのライブ処理、放送番組データをHDD111に記録する録画処理、および記録された放送番組データ/ビデオデータを再生する再生処理等を実行する。また、CPU101は、BIOS−ROM109に格納されたBIOS(Basic Input Output System)も実行する。BIOSはハードウェア制御のためのプログラムである。
【0025】
ノースブリッジ102はCPU101のローカルバスとサウスブリッジ104との間を接続するブリッジデバイスである。ノースブリッジ102には、主メモリ103をアクセス制御するメモリコントローラも内蔵されている。また、ノースブリッジ102は、PCI EXPRESS規格のシリアルバスなどを介してGPU105との通信を実行する機能も有している。
【0026】
GPU105は、本コンピュータ10のディスプレイモニタとして使用されるLCD17を制御する表示コントローラである。このGPU105によって生成される表示信号はLCD17に送られる。また、GPU105は、HDMI制御回路3およびHDMI端子2を介して、外部ディスプレイ装置1にデジタル映像信号を送出することもできる。
【0027】
HDMI端子2は上述の外部ディスプレイ接続端子である。HDMI端子2は、非圧縮のデジタル映像信号と、デジタルオーディオ信号とを一本のケーブルでテレビのような外部ディスプレイ装置1に送出することができる。HDMI制御回路3は、HDMIモニタと称される外部ディスプレイ装置1にデジタル映像信号をHDMI端子2を介して送出するためのインタフェースである。
【0028】
サウスブリッジ104は、LPC(Low Pin Count)バス上の各デバイス、およびPCI(Peripheral Component Interconnect)バス上の各デバイスを制御する。また、サウスブリッジ104は、ハードディスクドライブ(HDD)111およびDVDドライブ112を制御するためのIDE(Integrated Drive Electronics)コントローラを内蔵している。さらに、サウスブリッジ104は、サウンドコントローラ106との通信を実行する機能も有している。
【0029】
またさらに、サウスブリッジ104には、PCI EXPRESS規格のシリアルバスなどを介してビデオプロセッサ113が接続されている。
【0030】
サウンドコントローラ106は音源デバイスであり、再生対象のオーディオデータをスピーカ18A,18BまたはHDMI制御回路3に出力する。
【0031】
ネットワークコントローラ114は、有線または無線のネットワークとの通信を実行する。このネットワークコントローラ114は、外部のルータ等を介してインターネットとの通信を実行する通信部として機能とする。
【0032】
エンベデッドコントローラ/キーボードコントローラIC(EC/KBC)116は、電力管理のためのエンベデッドコントローラと、キーボード(KB)13およびタッチパッド16を制御するためのキーボードコントローラとが集積された1チップマイクロコンピュータである。このエンベデッドコントローラ/キーボードコントローラIC(EC/KBC)116は、ユーザによるパワーボタン14の操作に応じて本コンピュータ10をパワーオン/パワーオフする機能を有している。さらに、エンベデッドコントローラ/キーボードコントローラIC(EC/KBC)116は、リモコンユニットインタフェース20との通信を実行する機能を有している。
【0033】
TVチューナ117はアンテナ端子19に接続されており、テレビジョン(TV)放送信号の受信及び選局を実行する。このTVチューナ117は、例えば、地上波デジタルTV放送のようなデジタル放送番組データを受信可能なデジタルTVチューナとして実現されている。
【0034】
次に、図3を参照して、TVアプリケーションプログラム202の機能構成を説明する。
【0035】
TVアプリケーションプログラム202は、メイン処理部301、ユーザインタフェース部(UI)302、視聴処理部303、録画/再生処理部304、文章情報取得部305、キーワード抽出部306、キーワードリスト表示部307、および情報取得処理部308等を備えている。
【0036】
メイン処理部301はTVアプリケーションプログラム202の動作を制御する制御部であり、視聴処理部303、録画/再生処理部304、文章情報取得部305、キーワード抽出部306、キーワードリスト表示部307、および情報取得処理部308等をそれぞれ制御することにより、ユーザインタフェース部(UI)302によって受け付けられる様々なイベントに応じた処理を実行する。
【0037】
視聴処理部303は、メイン処理部301の制御の下、TVチューナ117によって選局された所定チャンネルのテレビジョン放送信号によって搬送される放送番組データに含まれる映像データをLCD17等の表示装置に表示する視聴処理を実行する。この視聴処理では、放送番組データに含まれる音声データを再生する処理も実行される。
【0038】
録画/再生処理部304は、メイン処理部301の制御の下、TVチューナ117によって選局された所定チャンネルのテレビジョン放送信号によって搬送される放送番組データをHDD111に記録する録画処理、およびHDD111に記録されている放送番組データを再生する再生処理等を実行する。
【0039】
文章情報取得部305は、メイン処理部301の制御の下、放送番組データの視聴処理中に、TVチューナ117によって選局された視聴対象のチャンネルのテレビジョン放送信号から文章情報を取得し、その取得した文章情報をデータベース309に蓄積する。データベース309は、HDD111の記憶領域内の一部の記憶領域から構成されている。
【0040】
文章情報取得部305は、文章情報として使用可能な各種データを視聴対象のチャンネルのテレビジョン放送信号から取得する。文章情報として使用可能なデータは、例えば、視聴処理中の放送番組データに含まれる字幕情報、視聴処理中の放送番組データに関する電子番組情報、視聴処理中の放送番組データの映像データに含まれるテロップ、視聴処理中の放送番組データに含まれる音声データ、等である。視聴処理中の放送番組データに含まれる字幕情報は、例えば、視聴中のチャンネルのテレビジョン放送信号によって搬送される、EITと称されるテーブル情報などに含まれている。文章情報取得部305は、これら字幕情報、電子番組情報、テロップ、および音声データの少なくとも一つを文章情報取得用データとして選択し、これら選択した各データから文章情報を取得する。例えば、字幕情報と電子番組情報の少なくとも一方がデフォルトの文章情報取得用データとして使用される。音声データから文章情報を取得する場合、つまり音声データを文章情報取得用データとして使用する場合には、文章情報取得部305は、視聴処理中の放送番組データに含まれる音声データに対して音声認識処理を実行し、その認識結果を文章情報としてデータベース309に蓄積する。
【0041】
キーワード抽出部306は、メイン処理部301の制御の下、データベース309に蓄積された文章情報を形態素解析することによって、当該文章情報からキーワードを抽出する。キーワード抽出部306によるキーワード抽出処理は、例えば、ユーザによって“気になる”ボタンが操作された時に実行される。この場合、データベース309に蓄積された文章情報全てがキーワード抽出処理の対象となるのではなく、“気になる”ボタンが操作された時点の直前の一定期間中にデータベース309に蓄積された文章情報が処理対象として選択される。換言すれば、“気になる”ボタンが操作された時点よりも所定時間前の時点から、“気になる”ボタンが操作された時点までの所定期間中にデータベース309に蓄積された文章情報のみが処理対象となる。これにより、放送番組の視聴中に蓄積された文章情報の内で、ユーザが実際に気になった話題、言葉等を含む文章情報のみを処理対象とすることができる。
【0042】
キーワード抽出部306は、処理対象の文章情報を形態素解析して複数のキーワードを抽出するのみならず、キーワード毎に、そのキーワードに関連する単語や優先度などを付加情報として出力する。キーワードに関連する単語は、例えば、抽出されたキーワードの意味(カテゴリ)の上位/下位概念を表す単語等である。例えば、キーワードが“ワインであれば、“飲む”、“フランス”、“赤ワイン”等の単語が関連する単語として出力される。優先度は、後述のキーワードリストの表示に使用されるものであり、処理対象の文章情報の内でデータベース309に蓄積されたタイミングが遅い文章情報から抽出されたキーワードほど、つまり“気になる”ボタンが操作された時点により近いタイミングで蓄積された文章情報から抽出されたキーワードほど、優先度が高くなる。
【0043】
キーワードリスト表示部307は、メイン処理部301の制御の下、キーワード抽出部306によって抽出されたキーワードの一覧を示すキーワードリストを生成し、その生成したキーワードリストを、ユーザが気になっている話題、言葉、あるいは覚えておきたい事柄等を書きとめたメモ情報としてLCD17等の表示装置に表示する。この場合、キーワードリスト表示部307は、上述の優先度に基づき、処理対象の文章情報から抽出されたキーワードの内で、データベース309に蓄積されたタイミングが遅い文章情報から抽出されたキーワードを優先してキーワードリストを生成する。例えば、優先度の高い順にキーワードが並べられたキーワードリストが生成される。また、キーワードリストに表示可能なキーワードの個数の上限は予め決められているので、予め決められた個数nを越える数のキーワードがキーワード抽出部306によって抽出された場合には、優先度の高い上位n個のキーワードのみからキーワードリストが生成される。
【0044】
情報取得処理部308は、メイン処理部301の制御の下、ネットワークコントローラ114を介してインターネット上の所定のサーバ装置との通信を実行することにより、表示されたキーワードリストの内からユーザによって選択されたキーワードに関連する情報をインターネットから取得する。具体的には、情報取得処理部308は、キーワードリストの内からユーザによってあるキーワードが選択された場合、この選択されたキーワードをネットワークコントローラ114を介してインターネット上の所定のサーバ装置に検索語として送信することによって検索語に合致する情報をインターネットから取得し、そして取得した情報をLCD17等の表示装置に表示する。
【0045】
この場合、情報取得処理部308は、より的確な情報をインターネットから取得するために、選択されたキーワードのみならず、その選択されたキーワードに付加情報として付加されている単語も検索語としてサーバ装置に送信する。
【0046】
サーバ装置は、コンピュータ10から受信した検索語に合致する情報の検索をインターネット上の所定の検索サーバに要求することによって、検索サーバから検索語に合致する情報(検索語に合致する各WEBページの所在情報URL、および各WEBページのタイトル/概要等)を取得すると共に、取得したこれら情報に基づいて検索結果ページを生成し、当該検索結果ページをコンピュータ10に送信する。
【0047】
次に、図4および図5を参照して、放送番組データの視聴処理中に実行される処理の流れについて説明する。図4はデータの流れを示し、また図5は、キーワードリストおよび検索結果ページの例を示している。
【0048】
上述したように、放送番組データの視聴処理中には、字幕、電子番組情報、テロップ、音声データなどから文章情報が取得され、データベース309に蓄積される。例えば、図5(A)に示すように視聴処理中の放送番組データに字幕情報が含まれている場合には、その字幕情報がデコードされて文章情報としてデータベース309に蓄積される。取得された各文章情報は、例えば、時刻情報などと共にデーダース309に格納される。
【0049】
放送番組データの視聴処理中に上述の“気になる”ボタンの押下のような所定のユーザ操作が行われた時、キーワード抽出部306によってキーワード抽出処理が実行される。キーワード抽出処理の対象となる文章情報は、上述したように、“気になる”ボタンの押下のような所定のユーザ操作が行われた時点の直前の一定期間にデータベース309に蓄積された文章情報である。キーワード抽出部306は形態素解析エンジンを用いて文章情報を形態素解析することによって文章情報を単語に分割し、これによって複数のキーワードを抽出する。さらにキーワード抽出部306は、意味解析エンジンを用いて各キーワードを意味解析することによって、各キーワードに対して関連する単語等の付加情報を付加して出力する。抽出されたキーワードの一覧はキーワードリストとしてLCD17に表示される。図5(B)はキーワードリストの例を示している。各キーワードには、そのキーワードのカテゴリを示すアンコンが添付された状態で表示される。
【0050】
ユーザによってキーワードリストからキーワードが選択されると、選択されたキーワードとそのキーワードに関連する単語が検索語としてサーバ装置411に送信される。サーバ装置411は、例えば、検索語を、当該検索語を含む検索要求を所定の検索サーバ412に送信するためのURLに変換し、そのURLを用いて、検索語に合致する情報の検索を検索サーバ412に要求する。そして、サーバ装置411は検索サーバ412から検索結果を受信し、その受信した検索結果に基づいて、TVアプリケーション202が扱うことが可能な所定の検索結果ページを生成し、その検索結果ページをコンピュータ10に送信する。
【0051】
図5(C)はコンピュータ10のLCD17に表示される検索結果ページの例を示している。この検索結果ページは、選択されたキーワードである“ワイン”と、関連する単語である“フランス”,“買う”、“飲む”とが検索語としてサーバ装置に送信された場合に対応するものである。サーバ装置は、例えば、“ワイン”と“フランス”とのアンド検索要求、“ワイン”と“買う”とのアンド検索要求、“ワイン”と“飲む”とのアンド検索要求を検索サーバに送信し、その検索結果に基づいて、図5(C)のような検索結果ページを生成してコンピュータ10に送信する。ユーザによって検索結果ページ上の“「フランス」と検索”タブが選択された場合には、“ワイン”と“フランス”とのアンド検索要求に対応する検索結果が表示される。同様に、検索結果ページ上の“買う”タブが選択された場合には、“ワイン”と“買う”とのアンド検索要求に対応する検索結果が表示され、検索結果ページ上の“飲む”タブが選択された場合には、“ワイン”と飲む”とのアンド検索要求に対応する検索結果が表示される。
【0052】
図6には、TV視聴ウィンドウ、キーワードリスト、検索結果ページを含む表示画面の例が示されている。LCD17の表示画面上には、視聴処理中の放送番組データ中の映像データを表示するTV視聴ウィンドウ501が配置されている。このTV視聴ウィンドウ501には、図7に示すように、“気になる”ボタン601を表示することができる。この“気になる”ボタン601がクリックされると、“気になる”ボタン601がクリックされる直前の文章情報から抽出されたキーワードリスト502がLCD17の表示画面上に表示される。さらに、キーワードリスト502内のあるキーワードがユーザによって選択されると、選択されたキーワードに関する検索結果ページ503や、検索結果ページ503にリンクされているWEBサイトのページなどが選択されたキーワードに関する情報としてLCD17の表示画面上に表示される。
【0053】
なお、“気になる”ボタン601が操作される度にキーワードリスト502の内容は更新される。つまり、“気になる”ボタン601が操作される度にキーワード抽出処理およびキーワードリスト生成処理が実行される。一旦生成されたキーワードリストは保存される。このため、ユーザは、必要に応じて、過去に生成されたキーワードリストを呼び出して見ることもできる。
【0054】
次に、図8のフローチャートを参照して、TVアプリケーションプログラム202によって実行される検索補助サービス処理の手順について説明する。
【0055】
あるチャネルの放送番組データの視聴処理が開始されると、メイン処理部301は、文章情報取得部305を制御して、受信中の放送信号から文章情報として使用可能なデータを取得してデータベース309に蓄積する処理を実行する(ステップS101)。すなわち、メイン処理部301は、受信中の放送信号に含まれる字幕、電子番組情報、テロップ、音声データから文章情報を取得する処理を実行し、取得した文章情報をデータベース309に蓄積する。このステップS101では、受信中の放送信号から字幕、電子番組情報を取得し、それら字幕、電子番組情報をデコードしてデータベース309に文章情報として格納する処理が実行される。また、放送番組内の映像データからテロップを抽出し、そのテロップをデコードしてデータベース309に文章情報として格納する処理、さらには、放送番組内の音声データを抽出し、その抽出した音声データを音声認識することによって得られる文章情報をデータベース309に格納する処理などが実行される。
【0056】
放送番組データの視聴処理中にユーザによって上述の“気になる”ボタン601のクリック操作のような所定のユーザ操作が行われると(ステップS102のYES)、メイン処理部301は、メモ機能を実行するためにキーワード抽出部206およびキーワードリスト表示部307をそれぞれ起動する。そして、メイン処理部301は、キーワード抽出部206を制御して、キーワード抽出処理を実行する(ステップS103)。ステップS103では、“気になる”ボタン601がクリックされた時点の直前の一定期間にデータベース309に蓄積された文章情報が処理対象として選択され、そしてその処理対象の文章情報の形態素解析および意味解析等が実行されることにより、キーワードと付加情報が出力される。次いで、メイン処理部301は、キーワードリスト表示部307を制御して、キーワードリストの生成及び表示を行う(ステップS104)。キーワードリストにおいては、優先度順にキーワードが並べて表示される。ユーザによるマウスまたはキーボード13の操作によってキーワードリスト中のあるキーワードが選択されると(ステップS105のYES)、メイン処理部301は、情報取得処理部308を制御して、選択されたキーワードや関連する単語等を検索語としてサーバ装置に送信することにより、選択されたキーワードに関連する情報(検索結果ページ)をインターネットから取得してLCD17に表示する(ステップS106)。
【0057】
以上のように、本実施形態においては、視聴中の放送番組データ中に出現する様々な情報の内でユーザが気になった話題、言葉等に関するキーワードのリストを表示でき、且つそのキーワードのリストを用いてインターネットからの情報検索を行うことができる。また、キーワードリストには“気になる”ボタンが操作される直前の一定期間中に放送番組データ中に出現した話題、言葉等に関する様々なキーワードが表示されるので、キーワードリストはユーザのメモ情報として利用することもできる。
【0058】
なお、本実施形態の検索補助サービス処理の手順は全てソフトウェアによって実現することができるので、このソフトウェアをコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を通じて通常のコンピュータに導入することにより、本実施形態と同様の効果を容易に実現することができる。
【0059】
また、本発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。更に、異なる実施形態に構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0060】
10…コンピュータ、117…TVチューナ、301…メイン処理部、303…視聴処理部、305…文章情報取得部、306…キーワード抽出部、307…キーワードリスト表示部、308…情報取得処理部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
番組データを受信する受信手段と、
通信部と、
前記番組データに含まれる映像データを表示装置に表示する手段と、
前記番組データから文章情報を取得して記憶装置に蓄積する文章情報取得手段と、
前記番組データの表示中に所定のユーザ操作が行われた場合、前記記憶装置に蓄積された文章情報から抽出されるワードを、前記記憶装置に蓄積されたタイミングが遅い順に並べたリストを生成し、当該生成したリストを前記表示装置に表示するリスト表示手段と、
前記表示されたリストの内からユーザによって選択されるワードを、前記通信部を介してインターネット上の所定のサーバ装置に検索語として送信することによって前記検索語に合致する情報を前記インターネットから取得し、前記取得した情報を前記表示装置に表示する情報取得処理手段とを具備することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記リスト表示手段は、前記ユーザ操作が行われる前の所定期間中に前記記憶装置に蓄積された文章情報からワードを抽出する請求項1記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記所定のサーバ装置は、前記情報処理装置から受信した検索語に合致する情報の検索を前記インターネット上の所定の検索サーバに要求することによって前記検索サーバから前記検索語に合致する情報の所在情報を取得すると共に、前記取得した所在情報に基づいて検索結果ページを生成し、当該検索結果ページを前記情報処理装置に送信することを特徴とする請求項1記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記文章情報取得手段は、前記番組データに含まれる字幕情報およびテロップから、前記文章情報を取得することを特徴とする請求項1記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記文章情報取得手段は、前記番組データに含まれる音声データに対して音声認識処理を実行することによって前記音声データから文章情報を取得する手段を含むことを特徴とする請求項1記載の情報処理装置。
【請求項6】
番組データを受信可能な情報処理装置の動作を制御して番組データに関連する情報を表示する情報表示方法であって、
前記番組データの表示中に、前記番組データから文章情報を取得して前記情報処理装置の記憶装置に蓄積し、
前記番組データの表示中に所定のユーザ操作が行われた場合、前記記憶装置に蓄積された文章情報から抽出されるワードを、前記記憶装置に蓄積されたタイミングが遅い順に並べたリストを生成し、当該生成したリストを前記表示装置に表示し、
前記表示されたリストの内からユーザによって選択されるワードを、前記情報処理装置に設けられた通信部を介してインターネット上の所定のサーバ装置に検索語として送信することによって前記検索語に合致する情報を前記インターネットから取得し、前記取得した情報を前記表示装置に表示する、情報表示方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−59038(P2013−59038A)
【公開日】平成25年3月28日(2013.3.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−224035(P2012−224035)
【出願日】平成24年10月9日(2012.10.9)
【分割の表示】特願2007−199546(P2007−199546)の分割
【原出願日】平成19年7月31日(2007.7.31)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.HDMI
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】