説明

情報処理装置および方法、並びにプログラム

【課題】 視野検査による被検者の視野異常を簡単かつ正確に検者に特定させることができるようにする。
【解決手段】 情報処理装置は、複数の視標のそれぞれを所定のサイズでかつ他の視標と所定の距離だけ離間させて被検者の表示画面上に仮想配置させた様子(分布状態)を示す視標マップ131と、被検者の眼底写真141とを重畳した眼底写真重畳視標マップを、検者の表示画面上の表示領域123に表示させる。さらに、情報処理装置は、被検者が視認できた視標132−1、即ち正常であるという検査結果を示す視標132−1と、被検者が視認できなかった視標132−2、即ち視野異常が発生しているという検査結果を示す132−2とを、例えば□印と×印とのそれぞれといったように異なる表示形態で表示させる。本発明は、視野検査に関する処理を実行する情報処理装置に適用可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置および方法並びにプログラムに関し、特に、視野検査による被検者の視野異常を簡単かつ正確に検者に特定させることができる情報処理装置および方法並びにプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
検者による被検者の視野検査が行われる場合に、その視野検査に関する処理を実行する従来の装置として、例えば、Humphery視野計が非特許文献1に開示されている。
【0003】
非特許文献1によると、Humphery視野計は、画面上の所定の位置に固定視標(固視標と称される場合もある)を表示させ、その固定視標を被検者に注視させた状態で、画面上の様々な位置に検査視標を順次表示させていく。この間、Humphery視野計は、検査視標を画面上の所定の一位置に表示させていく毎に、その検査視標が被検者により視認されたのか否かを検出していくことで、被検者の目の網膜面上のうちの、その検査視標の表示位置に対応する部位に視野異常が発生しているか否かを検出していく。
【0004】
【非特許文献1】三嶋弘、阿部春樹、山本哲也編、「よくわかる緑内障検査法」、日本国 メディカルレビュー社、2003年1月31日発行
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、検者にとっては、Humphery視野計による検出結果を単に参照しただけでは、被検者の視野異常の発生部位を正確に特定することは困難である、という課題があった。
【0006】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、視野検査による被検者の視野異常の発生部位を簡単かつ正確に検者に特定させることができるようにするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の情報処理装置は、検者により行われる被検者の視野検査に関する処理を実行する情報処理装置であって、被検者の眼底写真を取得する眼底写真取得手段と、検査視標となり得る複数の視標のそれぞれを、所定のサイズで、かつ、隣の他の視標と所定の距離だけ離間させて、被検者が利用する第1の表示装置の表示画面上に仮想配置させた様子を示す画像を、視標マップとして生成する視標マップ生成手段と、視標マップ生成手段により生成された視標マップに、眼底写真取得手段により取得された被検者の眼底写真を重畳することで、眼底写真重畳視標マップを生成する重畳手段と、視標マップ生成手段により生成された視標マップに含まれる複数の視標の中の所定の1つを検査視標として、第1の表示装置の表示画面上の視標マップに従った所定の位置に、所定の時間だけ表示させるように制御する第1の表示制御手段と、第1の表示制御手段の制御により第1の表示装置に表示された検査視標を被検者が視認できたのか否かを示す情報を、検査視標についての検査結果として取得する検査結果取得手段と、重畳手段により生成された眼底写真重畳視標マップに含まれる複数の視標のうちの検査視標による検査が行われた視標の位置またはその近傍に、検査結果取得手段により取得された検査結果を示すシンボルを配置させた画像を、検者用画像として生成する検者用画像生成手段と、検者用画像生成手段により生成された検者用画像を、検者が利用する第2の表示装置の表示画面上に表示させるように制御する第2の表示制御手段とを備えることを特徴とする。
【0008】
視標マップ生成手段により生成された視標マップに含まれる複数の視標の中の所定の1つを検査視標として表示させるように決定することで、視野検査の制御を行う検査制御手段をさらに設け、第1の表示制御手段は、検査制御手段により検査視標として表示させるように決定された視標を、視標マップにおけるサイズかつ配置位置で、第1の表示装置の表示画面上に表示させるように制御するようにすることができる。
【0009】
視標マップに含まれる複数の視標のそれぞれについての、サイズと、他の視標との離間距離とのうちの少なくとも一方を可変設定する設定手段をさらに設け、視標マップ生成手段は、複数の視標のそれぞれを、設定手段により設定されたサイズで、かつ、設定手段により設定された離間距離だけ他の視標と離間させて、視標マップを生成するようにすることができる。
【0010】
設定手段は、検査視標が光として被検者の網膜面上に入射された場合における光の直径が、網膜面上に配置される受容野の直径よりも短くなるように、複数の視標のそれぞれのサイズを設定するようにすることができる。
【0011】
重畳手段により生成された眼底写真重畳視標マップにおいて、被検者の眼底写真のうちの中心窩を示す第1の領域と盲点の中心を示す第2の領域とのそれぞれが、視標マップの対応する位置に配置されるように、眼底写真の配置位置を調整する眼底写真位置調整手段をさらに設けるようにすることができる。
【0012】
本発明の情報処理装置においては、被検者が利用する第1の表示装置の表示画面上の所定の位置に検査視標が所定の時間だけ表示され、その検査視標を被検者が視認できたのか否かを示す情報が、検査視標についての検査結果として取得されることで、検者による被検者の視野検査が行われる。この視野検査が行われる場合、検査視標となり得る複数の視標のそれぞれを、所定のサイズで、かつ、隣の他の視標と所定の距離だけ離間させて、第1の表示装置の表示画面上に仮想配置させた様子を示す視標マップに、被検者の眼底写真が重畳されて、眼底写真重畳視標マップが生成される。そして、生成された眼底写真重畳視標マップに含まれる複数の視標のうちの検査視標による検査が行われた視標の位置またはその近傍に、取得された検査結果を示すシンボルを配置させた画像が、検者用画像として生成されて、検者が利用する第2の表示装置の表示画面上に表示される。
【0013】
本発明の情報処理方法は、被検者の眼底写真を取得する眼底写真取得ステップと、検査視標となり得る複数の視標のそれぞれを、所定のサイズで、かつ、隣の他の視標と所定の距離だけ離間させて、被検者が利用する第1の表示装置の表示画面上に仮想配置させた様子を示す画像を、視標マップとして生成する視標マップ生成ステップと、視標マップ生成ステップの処理により生成された視標マップに、眼底写真取得ステップの処理により取得された被検者の眼底写真を重畳することで、眼底写真重畳視標マップを生成する重畳ステップと、視標マップ生成ステップの処理により生成された視標マップに含まれる複数の視標の中の所定の1つを検査視標として、第1の表示装置の表示画面上の視標マップに従った所定の位置に、所定の時間だけ表示させるように制御する第1の表示制御ステップと、第1の表示制御ステップの制御処理により第1の表示装置に表示された検査視標を被検者が視認できたのか否かを示す情報を、検査視標についての検査結果として取得する検査結果取得ステップと、重畳ステップの処理により生成された眼底写真重畳視標マップに含まれる複数の視標のうちの検査視標による検査が行われた視標の位置またはその近傍に、検査結果取得ステップの処理により取得された検査結果を示すシンボルを配置させた画像を、検者用画像として生成する検者用画像生成ステップと、検者用画像生成ステップの処理により生成された検者用画像を、検者が利用する第2の表示装置の表示画面上に表示させるように制御する第2の表示制御ステップとを含むことを特徴とする。
【0014】
本発明のプログラムは、検者により行われる被検者の視野検査に関する処理を実行する情報処理装置を制御するコンピュータに実行させるプログラムであって、被検者の眼底写真を取得する眼底写真取得ステップと、検査視標となり得る複数の視標のそれぞれを、所定のサイズで、かつ、隣の他の視標と所定の距離だけ離間させて、被検者が利用する第1の表示装置の表示画面上に仮想配置させた様子を示す画像を、視標マップとして生成する視標マップ生成ステップと、視標マップ生成ステップの処理により生成された視標マップに、眼底写真取得ステップの処理により取得された被検者の眼底写真を重畳することで、眼底写真重畳視標マップを生成する重畳ステップと、視標マップ生成ステップの処理により生成された視標マップに含まれる複数の視標の中の所定の1つを検査視標として、第1の表示装置の表示画面上の視標マップに従った所定の位置に、所定の時間だけ表示させるように制御する第1の表示制御ステップと、第1の表示制御ステップの制御処理により第1の表示装置に表示された検査視標を被検者が視認できたのか否かを示す情報を、検査視標についての検査結果として取得する検査結果取得ステップと、重畳ステップの処理により生成された眼底写真重畳視標マップに含まれる複数の視標のうちの検査視標による検査が行われた視標の位置またはその近傍に、検査結果取得ステップの処理により取得された検査結果を示すシンボルを配置させた画像を、検者用画像として生成する検者用画像生成ステップと、検者用画像生成ステップの処理により生成された検者用画像を、検者が利用する第2の表示装置の表示画面上に表示させるように制御する第2の表示制御ステップとを含むことを特徴とする。
【0015】
本発明の情報処理装置および方法、並びに、プログラムにおいては、被検者の眼底写真が取得され、検査視標となり得る複数の視標のそれぞれを所定のサイズでかつ隣の他の視標と所定の距離だけ離間させて被検者が利用する第1の表示装置の表示画面上に仮想配置させた様子を示す画像が視標マップとして生成されると、視標マップに被検者の眼底写真が重畳されて眼底写真重畳視標マップが生成される。また、視標マップに含まれる複数の視標の中の所定の1つが検査視標として第1の表示装置の表示画面上の視標マップに従った所定の位置に所定の時間だけ表示されると、第1の表示装置に表示された検査視標を被検者が視認できたのか否かを示す情報が検査視標についての検査結果として取得される。すると、眼底写真重畳視標マップに含まれる複数の視標のうちの検査視標による検査が行われた視標の位置またはその近傍に検査結果を示すシンボルを配置させた画像が、検者用画像として生成されて、検者が利用する第2の表示装置の表示画面上に表示される。
【発明の効果】
【0016】
以上のごとく、本発明によれば、検者は視野検査を簡単に行うことができる。特に、検者は、被検者の視野異常の発生部位を簡単かつ正確に特定することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下に本発明の実施の形態を説明するが、請求項に記載の構成要件と、発明の実施の形態における具体例との対応関係を例示すると、次のようになる。この記載は、請求項に記載されている発明をサポートする具体例が、発明の実施の形態に記載されていることを確認するためのものである。従って、発明の実施の形態中には記載されているが、構成要件に対応するものとして、ここには記載されていない具体例があったとしても、そのことは、その具体例が、その構成要件に対応するものではないことを意味するものではない。逆に、具体例が構成要件に対応するものとしてここに記載されていたとしても、そのことは、その具体例が、その構成要件以外の構成要件には対応しないものであることを意味するものでもない。
【0018】
さらに、この記載は、発明の実施の形態に記載されている具体例に対応する発明が、請求項に全て記載されていることを意味するものではない。換言すれば、この記載は、発明の実施の形態に記載されている具体例に対応する発明であって、この出願の請求項には記載されていない発明の存在、すなわち、将来、分割出願されたり、補正により追加される発明の存在を否定するものではない。
【0019】
本発明によれば、情報処理装置が提供される。この情報処理装置(例えば、図5のハードウエア構成を有し、図7の機能的構成を有する情報処理装置)は、検者により行われる被検者(例えば、図6の被検者53)の視野検査に関する処理を実行する情報処理装置であって、前記被検者の眼底写真(例えば、図9乃至図16に示される眼底写真141)を取得する眼底写真取得手段(例えば、図7の眼底写真取得部84)と、検査視標となり得る複数の視標のそれぞれを、所定のサイズで、かつ、隣の他の視標と所定の距離だけ離間させて、前記被検者が利用する第1の表示装置(例えば、図5乃至図7の被検者用表示部44)の表示画面上に仮想配置させた様子を示す画像(例えば、図9乃至図16に示される画像131)を、視標マップとして生成する視標マップ生成手段(例えば、図7の視標マップ生成部86)と、前記視標マップ生成手段により生成された前記視標マップに、前記眼底写真取得手段により取得された前記被検者の前記眼底写真を重畳することで、眼底写真重畳視標マップ(例えば、図9の表示領域123に表示されている画像)を生成する重畳手段(例えば、図7の重畳部87)と、前記視標マップ生成手段により生成された前記視標マップに含まれる複数の前記視標の中の所定の1つを前記検査視標として、前記第1の表示装置の表示画面上の前記視標マップに従った所定の位置に、所定の時間だけ表示させるように制御する第1の表示制御手段(例えば、図7の被検者用表示制御部91)と、前記第1の表示制御手段の制御により前記第1の表示装置に表示された前記検査視標を前記被検者が視認できたのか否かを示す情報(例えば、図5乃至図7の被検者用マウス42のクリック操作が行われたのか否かを示す情報)を、前記検査視標についての検査結果として取得する検査結果取得手段(例えば、図7の検査結果取得部92)と、前記重畳手段により生成された前記眼底写真重畳視標マップに含まれる複数の前記視標のうちの前記検査視標による検査が行われた前記視標の位置またはその近傍に、前記検査結果取得手段により取得された前記検査結果を示すシンボル(例えば、図14や図16に示されるように、□印や×印のシンボル)を配置させた前記画像(例えば、図13の画像161や図15の画像162)を、検者用画像として生成する検者用画像生成手段(例えば、図7の検者用画像生成部82)と、前記検者用画像生成手段により生成された前記検者用画像を、前記検者が利用する第2の表示装置(例えば、図5と図7の検者用表示部43)の表示画面上に表示させるように制御する第2の表示制御手段(例えば、検者用表示制御部83)とを備えることを特徴とする。
【0020】
この情報処理装置は、前記視標マップ生成手段により生成された前記視標マップに含まれる複数の前記視標の中の所定の1つを前記検査視標として表示させるように決定することで、前記視野検査の制御を行う検査制御手段(例えば、図7の検査制御部90)をさらに設け、前記第1の表示制御手段は、前記検査制御手段により前記検査視標として表示させるように決定された視標を、前記視標マップにおけるサイズかつ配置位置で、前記第1の表示装置の表示画面上に表示させるように制御するようにすることができる。
【0021】
この情報処理装置は、前記視標マップに含まれる複数の前記視標のそれぞれについての、サイズ(例えば、図8等の表示領域111に表示される視標直径)と、他の視標との離間距離(例えば、図8等の表示領域111に表示される視標間隔)とのうちの少なくとも一方を可変設定する設定手段(例えば、図5と図7の検者用マウス41)をさらに設け、前記視標マップ生成手段は、複数の前記視標のそれぞれを、前記設定手段により設定された前記サイズで、かつ、前記設定手段により設定された前記離間距離だけ他の視標と離間させて、前記視標マップを生成するようにすることができる。
【0022】
この情報処理装置において、前記設定手段は、前記検査視標が光として前記被検者の網膜面上に入射された場合における前記光の直径が、前記網膜面上に配置される受容野(例えば、図1乃至図3に示される受容野1)の直径よりも短くなるように、複数の前記視標のそれぞれのサイズを設定するようにすることができる。
【0023】
この情報処理装置は、前記重畳手段により生成された眼底写真重畳視標マップにおいて、前記被検者の前記眼底写真のうちの中心窩を示す第1の領域(例えば、図10等の領域143)と盲点の中心を示す第2の領域(例えば、図10等の領域142の中心領域)とのそれぞれが、前記視標マップの対応する位置に配置されるように(例えば、図10に示されるように、第1の領域143が視標マップ131の中心に配置され、かつ、第2の領域142の中心が、事前の視野検査により盲点であると判断された×印の視標132−2群を含む領域の中心に配置されるように)、前記眼底写真の配置位置を調整する眼底写真位置調整手段(例えば、図7の眼底写真位置調整部88)をさらに設けるようにすることができる。
【0024】
本発明によれば、情報処理方法が提供される。この情報処理方法(例えば、図17と図18の「視野検査処理」に対応する方法)は、検者により行われる被検者の視野検査に関する処理を実行する情報処理装置の情報処理方法であって、前記被検者の眼底写真を取得する眼底写真取得ステップ(例えば、図17のステップS1の処理)と、検査視標となり得る複数の視標のそれぞれを、所定のサイズで、かつ、隣の他の視標と所定の距離だけ離間させて、前記被検者が利用する第1の表示装置の表示画面上に仮想配置させた様子を示す画像を、視標マップとして生成する視標マップ生成ステップ(例えば、図17のステップS3の処理)と、前記視標マップ生成ステップの処理により生成された前記視標マップに、前記眼底写真取得ステップの処理により取得された前記被検者の前記眼底写真を重畳することで、眼底写真重畳視標マップを生成する重畳ステップ(例えば、図17のステップS4の処理)と、前記視標マップ生成ステップの処理により生成された前記視標マップに含まれる複数の前記視標の中の所定の1つを前記検査視標として、前記第1の表示装置の表示画面上の前記視標マップに従った所定の位置に、所定の時間だけ表示させるように制御する第1の表示制御ステップ(例えば、図18のステップS11の処理)と、前記第1の表示制御ステップの制御処理により前記第1の表示装置に表示された前記検査視標を前記被検者が視認できたのか否かを示す情報を、前記検査視標についての検査結果として取得する検査結果取得ステップ(例えば、図18のステップS12の処理)と、前記重畳ステップの処理により生成された前記眼底写真重畳視標マップに含まれる複数の前記視標のうちの前記検査視標による検査が行われた前記視標の位置またはその近傍に、前記検査結果取得ステップの処理により取得された前記検査結果を示すシンボルを配置させた前記画像を、検者用画像として生成する検者用画像生成ステップ(例えば、図18のステップS13の処理)と、前記検者用画像生成ステップの処理により生成された前記検者用画像を、前記検者が利用する第2の表示装置の表示画面上に表示させるように制御する第2の表示制御ステップ(例えば、図18のステップS14の処理)とを含むことを特徴とする。
【0025】
さらに、本発明によれば、上述した本発明の情報処理方法に対応するプログラムや、そのプログラムが記録された記録媒体が提供される。この場合、このプログラムは、例えば、図5のCPU21により実行される。
【0026】
次に、本発明の実施の形態を説明する前に、本発明がなされるまでの経緯について説明する。
【0027】
はじめに、本発明人は、上述した従来の課題が生じる要因について解析した。そこで以下、図1乃至図4を参照して、本発明人による解析結果、即ち、上述した従来の課題が生じる要因について説明する。
【0028】
図1は、人間の目の正常な網膜面上の受容野のうちの、偏心10度でのYcellの受容野の分布を1度の範囲で示している。図1において、1つの灰色の円が、1つの受容野1を示している。
【0029】
受容野1は、光の刺激を受けたときに神経細胞に影響を与える網膜面上の一領域である。即ち、受容野1は、光を検出する1つのセンサと同様の機能を有しているとも言える。従って、以下、便宜上、「センサが光を検出する」と称するのと同様に、「受容野1が光の刺激を受けたときに神経細胞に影響を与える」ということを「受容野1が光を検出する」と称する。
【0030】
また、この受容野1の偏心10度におけるYcellの直径は、図1に示されるように、約7分である。なお、図示はしないが、偏心10度における受容野のXcellの直径は、約3.5分である。
【0031】
図1に示されるように、人間の目の正常な網膜面上においては、各受容野1のそれぞれは、隣の他の受容野と互いに重なり合うように分布している。従って、人間の目の正常な網膜面上においては、その網膜面上の如何なる部位に光が入射されたとしても、入射された部位に配置されている受容野のうちの少なくとも1つが、入射された光を検出することができる。即ち、人間は、その網膜上の如何なる部位に光が入射されたとしても、その光を視認することができる。
【0032】
このような正常な網膜面に対して、例えば受容野1の数が50%分だけ消失した網膜面上においては、その偏心10度でのYcellの受容野1の分布は図2に示されるようになる。即ち、図2は、受容野1の数が50%分だけ消失した網膜面上の受容野のうちの、偏心10度でのYcellの受容野1の分布を1度の範囲で示している。
【0033】
図2に示されるように、受容野1の数が50%分だけ消失しても、網膜面全体は、受容野1によりある程度覆われている。従って、その網膜の所定の部位に光が入射されても、ほとんどの場合、その部位には受容野1が少なくとも1つ配置されていることが多く、その部位に配置されている受容野1のうちの少なくとも1つが、入射された光を検出することができる。即ち、ほとんどの場合、人間は、その網膜上に入射された光を視認することができる。
【0034】
しかしながら、図2に示されるように、受容野1の数が50%分だけ消失すると、その網膜面上には、受容野1が存在しない部位(図2中白い部分)がわずかではあるが発生してしまう。従って、稀な場合ではあるが、受容野1が存在しない部位に光が入射されると、人間はその光を視認することができなくなる。
【0035】
さらに、例えば受容野1の数が90%分だけ消失してしまうと、その網膜面上における偏心10度でのYcellの受容野1の分布は図3に示されるようになる。即ち、図3は、受容野1の数が90%分だけ消失した網膜面上の受容野のうちの、偏心10度でのYcellの受容野1の分布を1度の範囲で示している。なお、図3中、円2については後述する。
【0036】
図2と図3とを比較するに、受容野1の消失数の割合が50%から90%にもなると、受容野1が存在しない部位(図2と図3とのそれぞれの白い部分)の面積が大幅に拡大してしまっていることがわかる。従って、受容野1の数が90%分だけ消失した網膜を有する人間は、受容野1の数が50%分だけ消失した網膜を有する人間と比較して、その網膜面上に光が入射された場合、その光を視認できない可能性がより一段と高くなってしまうことになる。
【0037】
このように、網膜面上に受容野1が存在しない部位ができてしまうと、その部位に光が入射されても、その網膜を有する人間はその光を視認できないことになる。即ち、その部位に視野異常が発生していることになる。
【0038】
そこで、上述したように、従来のHumphery視野計は、画面上の第1の位置に固定視標を表示させ、その固定視標を被検者(人間)に注視させた状態で、画面上の第2の位置に検査視標を表示させることで、その検査視標を刺激光(以下、検査光と称する)として被検者の網膜面上の所定の部位に入射させる。そして、従来のHumphery視野計は、その検査光が被検者により視認されなかったことを示す情報を取得した場合には、検査光が入射された部位に視野異常が発生していると検出する。
【0039】
しかしながら、従来のHumphery視野計においては、被検者の網膜面上に入射される検査光は、図3中円2として示されているように、その直径が約24分にもなる光である。このため、受容野1の消失数の割合がたとえ90%になってしまっていても、何れかの受容野1に検査光の一部が入射されることになる。その結果、何れかの受容野1により検査光が検出されることになる。従って、受容野1の数が90%分も消失してしまった網膜を有する被検者でも、検査光を視認することが可能になってしまう。その結果、従来のHumphery視野計は、その被検者についての視野異常を検出することが困難になる。
【0040】
このように、従来のHumphery視野計では、被検者の網膜面上に入射される検査光のサイズ(直径)が、受容野1のサイズに比較して遥かに大きいことが、従来の課題が生じる要因のひとつである。以下、この要因を、他の要因と区別するために、第1の要因と称する。
【0041】
従って、従来のHumphery視野計では、1つの検査光に対する1つの検査結果はさほど信頼性が高くない。このため、検者は、従来のHumphery視野計の検査結果を参照して、被検者の視野異常が発生している部位を正確に特定するためには、視野異常が実際に発生している部位についての複数の検査結果を参照する必要がある。
【0042】
しかしながら、従来のHumphery視野計では、複数の検査光の網膜面上の入射空間密度、即ち、対応する複数の検査視標の画面上の表示空間密度(分解能)が粗く、その結果、視野異常が実際に発生している部位についての検査結果の数は当然ながら少なくなる。従って、検者にとっては、このような数少ない検査結果を参照するだけでは、視野異常が発生している部位を正確に特定することは非常に困難である。このように、従来のHumphery視野計では、複数の検査視標の画面上の表示空間密度(分解能)が粗いことも、従来の課題が生じる要因のひとつである。以下、この要因を、他の要因と区別するために、第2の要因と称する。
【0043】
図4を参照して、この第2の要因についてさらに詳しく説明する。
【0044】
図4には、被検者の網膜についての眼底写真4と、従来のHumphery視野計が使用する検査視標の分布状態を示す画像である視標マップ5とを合成した合成画像が示されている。視標マップ5において、各点は、検査視標となり得る1つの視標6を示している。
【0045】
図4の例では、眼底写真4内には約28個の視標6が含まれている。これにより、眼底写真4に対応する網膜面全体に対して約28個の検査光が入射され、その結果、約28個の検査結果が得られることになる。従って、受容野1が多数消失してしまうといった視神経障害が網膜面の全部位で発生していると仮定した場合には、即ち、網膜面全体で視野異常が発生していると仮定した場合には、検者は、約28個の検査結果を参照することができるので、網膜面全体に渡って発生している視野異常を発見できる可能性は高い。
【0046】
しかしながら、実際には、視神経障害が網膜面の全体に発生することは稀であり、その網膜面の一部の部位だけに発生することが多い。特に視神経障害の発生の初期段階では、図4の眼底写真4のうちの2個の視標6を含む程度の領域(図示せず)に対応する網膜面上の部位に、視神経障害が生じていることが多い。従って、視神経障害の発生の初期段階では、検者は、わずか2個程度の検査結果を参照することしかできないので、視野異常の発生部位を発見することは非常に困難である。
【0047】
以上、図4を参照して、従来の課題が生じる第2の要因について説明した。
【0048】
なお、図4の合成画像は、後述する本発明を適用した情報処理装置により生成された画像である。即ち、被検者の眼底写真4と視標マップと5とを合成するといった手法は、本発明人により発明された新たな手法である。
【0049】
換言すると、従来のHumphery視野計は、視野検査の結果として視標マップ5を表示させるだけであった。具体的には、従来のHumphery視野計は、視標マップ5に含まれる視標6の輝度レベルを、対応する検査光が被検者により視認されたか否かに応じて変化させることで、視野検査の結果を表示していた。このため、従来、検者は、従来のHumphery視野計により画面上に表示された視標マップ5と、例えば紙に印刷された眼底写真4とを視線を移動させて見比べなければ、被検者の網膜面上の中から視野異常が発生している部位を特定することができなかった。このため、従来、検者は、視野異常が発生している部位を正確に特定することは非常に困難であった。
【0050】
このように、従来のHumphery視野計による視野検査の結果は視標マップ5だけであったことも、従来の課題が生じる要因のひとつである。以下、この要因を、他の要因と区別するために、第3の要因と称する。
【0051】
以上説明したように、本発明人は、従来の課題が生じる要因を解析したところ、第1の要因乃至第3の要因が存在するという結果を得た。そして、本発明人は、このような解析の結果に基づいて、従来の課題を解決可能な次の第1の手法乃至第3の手法を発明した。
【0052】
第1の手法とは、画面上の第1の位置に表示される固定視標を被検者に注視させた状態で画面上の第2の位置に検査視標を表示させ、その検査視標を検査光として被検者の網膜の所定の部位に入射させる場合に、その検査光のサイズ(直径)を従来のサイズよりも小さくする、といった手法である。即ち、画面上の第2の位置に表示させる検査視標のサイズを従来よりも小さくするといった手法が、第1の手法である。換言すると、第1の手法とは、上述した第1の要因を取り除くことが可能な手法である。
【0053】
この第1の手法の適用時において、検査光のサイズは基本的に従来のサイズより小さいサイズであれば任意のサイズで構わないが、例えば上述した図3に示されるような90%程度の受容野1が欠損した網膜の視野異常を検出するためには、検査光の直径を受容野1の直径よりも短くすると好適である。図3に示されるように、90%程度の受容野1が欠損した場合には、2つの受容野1の間隔の多くは、受容野1の直径よりも長くなっていることから、直径が受容野1よりも短い検査光であれば、受容野1が存在しない部位(図3中白い部分)に入射される可能性が高くなるからである。具体的には例えば、図3に示されるように、受容野1の直径が約7分である場合には、検査光の直径を3分程度にすればよい。
【0054】
さらに、検者が、被検者の目の容態等を判断して、検査光のサイズ、即ち、画面上の検査視標のサイズを自在に可変できるようにすると好適である。なお、検査視標のサイズの可変手法については後述する。
【0055】
第2の手法とは、複数の検査光の網膜面上の入射空間密度を密にする、即ち、対応する複数の検査視標の画面上の表示空間密度(分解能)を密にする、といった手法である。換言すると、第2の手法とは、上述した第2の要因を取り除くことが可能な手法である。
【0056】
この第2の手法の適用時において、複数の検査光の網膜面上の入射空間密度は、従来のそれより密であれば任意の密度で構わないが、例えば初期段階の視神経障害における視野異常を検出するためには、初期段階の視神経障害が生じている網膜面上の部位にある程度の個数の検査光を入射可能な密度である必要がある。
【0057】
なお、「ある程度の個数」と記述したのは、初期段階の視神経障害に伴う視野異常を容易に発見するために必要な検査光の個数、即ち、検査結果の個数は、検者になる人によってまちまちだからである。従って、検者が、複数の検査視標の画面上の表示空間密度(分解能)を自在に可変できるようにすると好適である。なお、複数の検査視標の画面上の表示空間密度(分解能)の可変手法については後述する。
【0058】
第3の手法とは、視野検査の結果を画面上に表示する場合、被検者の眼底写真と視標マップとのそれぞれを対応する位置に重ね合わせて表示する、といった手法である。換言すると、第3の手法とは、上述した第3の要因を取り除くことが可能な手法である。
【0059】
以上、本発明人が、第1の手法乃至第3の手法を発明するまでの経緯について説明した。
【0060】
次に、図5以降の図面を参照して、これらの第1の手法乃至第3の手法を適用した情報処理装置、即ち、本発明を適用した情報処理装置の実施の形態について説明する。
【0061】
図5は、本発明を適用した情報処理装置のハードウエア構成例を表している。
【0062】
図5の情報処理装置において、CPU(Central Processing Unit)21は、ROM(Read Only Memory)22に記録されているプログラム、または記憶部28からRAM(Random Access Memory)23にロードされたプログラムに従って各種の処理を実行する。RAM23にはまた、CPU21が各種の処理を実行する上において必要なデータなども適宜記憶される。
【0063】
CPU21、ROM22、およびRAM23は、バス24を介して相互に接続されている。このバス24にはまた、入出力インタフェース25も接続されている。
【0064】
入出力インタフェース25には、検者用マウス41や被検者用マウス42を含む入力部26、検者用表示部43や被検者用表示部44を含む出力部27、ハードディスクなどよりなる記憶部28、および、モデムやターミナルアダプタなどよりなる通信部29が接続されている。検者が被検者の視野検査を行う場合に、検者用マウス41と検者用表示部43とは検者により利用され、一方、被検者用マウス42と被検者用表示部44とは被検者により利用される。また、通信部29は、インターネットを含む図示せぬネットワークを介して図示せぬ他の情報処理装置との間の通信を制御する。
【0065】
入出力インタフェース25にはまた、必要に応じてドライブ30が接続され、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、或いは半導体メモリなどよりなるリムーバブル記録媒体46が適宜装着され、そのリムーバブル記録媒体46から読み出されたコンピュータプログラムが、必要に応じて記憶部28にインストールされる。
【0066】
入出力インタフェース25にはさらに外部機器接続部31が接続されている。外部機器接続部31は、それに接続された外部機器との間の通信を制御する。本実施の形態では、外部機器接続部31には眼底写真撮影装置47が接続されている。眼底写真撮影装置47は、被検者の眼底写真を撮影し、それに対応する画像データを出力することができる。従って、本実施の形態では、外部機器接続部31は、例えば眼底写真撮影装置47から出力された被検者の眼底写真に対応する画像データを取得して、記憶部28等に供給する。
【0067】
なお、眼底写真に対応する画像データは、図示せぬネットワーク或いはリムーバブル記録媒体46を介して間接的に、眼底写真撮影装置47から供給されるようにしても構わない。
【0068】
さらに、本実施の形態の情報処理装置には筺体45が設けられており、この筺体45の内部には、上述したCPU21乃至入出力インタフェース25並びに記憶部28乃至外部機器接続部31が搭載されている。
【0069】
本実施の形態では、図5のハードウエア構成の情報処理装置を利用して検者が被検者の視野検査を行う場合、その情報処理装置は例えば図6に示されるように配置される。即ち、図6は、図5のハードウエア構成の情報処理装置の配置例を説明するための図であって、その情報処理装置の外観構成の一部の例を示す図である。
【0070】
詳細には本実施の形態では、例えば図6に示されるように、筺体45は机51の上に固定配置され、その筺体45の上には被検者用表示部44が固定配置される。また、この机51には、その上に被検者用マウス42が配置され、その端に固定器具52が固定配置される。固定器具52とは、図6に示されるように、被検者53が被検者用表示部44の表示画面を見る場合に顔を動かさないように、その顔を固定するための器具をいう。
【0071】
また、図6に図示はしないが、図5の検者用マウス41と検者用表示部43とは、検者が利用可能な位置に配置される。なお、その際、検者用表示部43は、被検者53からはその表示画面が見えない位置に配置されると好適である。
【0072】
なお、図5のハードウエア構成の情報処理装置の配置形態は、検者用マウス41と検者用表示部43とが検者が利用可能な位置に配置され、かつ、被検者用マウス42と被検者用表示部44とが被検者が利用可能な位置に配置されれば、当然ながら図6の配置形態に限定されない。具体的には例えば、筺体45は、図6の机51の上以外の任意の場所に配置可能である。
【0073】
ここで、図6を参照して、同図には図示せぬ検者が被検者53の視野検査を行う場合における、被検者53にとっての検査手順について説明する。なお、視野検査に伴う情報処理装置側の処理の説明や、検者にとっての検査手順の説明については、ここでは概略を述べるに留め、それらの詳細については図7以降の図面を参照して後述する。
【0074】
被検者53にとっての検査手順とは、例えば次の第1の手順乃至第5の手順である。即ち、被検者53は、次の第1の手順乃至第5の手順のそれぞれをその順番に行っていく。
【0075】
第1の手順とは、被検者53が、その顔を固定器具52に固定して被検者用表示部44の表示画面を見るといった手順である。
【0076】
この第1の手順の後、検者は、視野検査の開始を図5のCPU21に対して指示する。すると、CPU21は、被検者用表示部44の表示画面の所定の位置に固定視標を表示させる。
【0077】
第2の手順とは、この固定視標が被検者用表示部44に表示された以降、被検者53が、右目と左目とのうちの検査対象の目で固定視標を注視し続けるといった手順である。
【0078】
この第2の手順の後、CPU21は、被検者用表示部44の表示画面のうちの、被検者53の網膜面の所定の部位(以下、検査部位と称する)に対応する位置に検査視標を所定の時間だけ表示させ、その後、その検査視標を消去する。
【0079】
第3の手順とは、被検者53が、検査視標を視認した時点で、被検者用マウス42のクリック操作を行う、といった手順である。
【0080】
検査視標の表示(例えば100乃至200[ms]程度の間の表示)終了後所定の時間(例えば1乃至2[s]程度)が経過するまでの期間に第3の手順が行われた場合、即ち、被検者用マウス42のクリック操作が行われた場合、CPU21は、そのクリック操作を認識することで、検査視標が被検者53により視認されたとみなす。即ち、CPU21は、そのクリック操作を認識することで、被検者53の網膜面のうちの検査部位、即ち、検査視標に対応する検査光が入射された部位は正常であると検出する。
【0081】
これに対して、上述した期間に第3の手順が行われなかった場合、即ち、被検者53が検査視標を視認できず、その結果、被検者用マウス42のクリック操作を行わなかった場合、CPU21は、そのクリック操作が行われなかったことを認識することで、検査視標が被検者53により視認されなかったとみなす。即ち、CPU21は、そのクリック操作が行われなかったことを認識することで、被検者53の網膜面のうちの検査部位に視野異常が発生していると検出する。
【0082】
その後、CPU21は、検査視標の表示位置を更新していく。即ち、CPU21は、被検者用表示部44の表示画面のうちの、これまでとは異なる位置に新たな検査視標を所定の時間だけ表示させ、その後消去する、といった処理を繰り返し実行していく。
【0083】
第4の手順とは、このようにして被検者用表示部44の表示画面上の検査視標の表示位置が更新されていく毎に、被検者53が第3の手順と同様の手順を繰り返し行っていく、といった手順である。即ち、第4の手順とは、被検者53が検査視標を視認する毎に、その時点で、被検者用マウス42のクリック操作を行うことを繰り返していく、といった手順である。
【0084】
なお、後述するように、検査視標の表示個数や表示範囲は、検者により予め設定されている。従って、CPU21は、被検者用表示部44の表示画面のうちの、検者により設定された全ての検査視標を表示させ終えると、視野検査の終了を促すメッセージを検者用表示部43に表示させる。検者は、このメッセージを見て、被検者53の視野検査を終了させることを所望した場合、そのことをCPU21に対して指示する。すると、CPU21は、視野検査が終了したというメッセージを被検者用表示部44に表示させる。
【0085】
第5の手順とは、このようにして、視野検査が終了したというメッセージが被検者用表示部44に表示されると、被検者53が、自分自身の視野検査が終了したことを認識して、その顔を固定器具52から取り外す、といった手順である。
【0086】
以上の第1の手順乃至第5の手順が被検者53により行われると、被検者53の視野検査の全てが終了することになる。
【0087】
以上の第1の手順乃至第5の手順による視野検査が行われる場合には、図5のハードウエア構成の情報処理装置の機能的構成は例えば図7に示されるようになる。即ち、図7は、本発明を適用した情報処理装置の機能的構成例を示している。
【0088】
図7に示されるように、以上の第1の手順乃至第5の手順による視野検査が行われる場合には、本発明を適用した情報処理装置は、例えば、上述した検者用マウス41、被検者用マウス42、検者用表示部43、および、被検者用表示部44に加えて、操作内容認識部81乃至検査結果記憶部93を含むように構成される。
【0089】
本実施の形態では、情報処理装置のハードウエア構成は上述した図5の構成とされていることから、操作内容認識部81乃至眼底写真取得部84並びに視標マップ生成部86乃至検査結果取得部92といった機能ブロックは例えば、主に、図5のCPU21が実行するソフトウエアモジュールとして構成されているとする。なお、主にと記述したのは、ソフトウエア単体ではなく、ソフトウエアとハードウエアとの組み合わせで構成されている機能ブロックも存在する可能性があるからである。具体的には例えば、眼底写真取得部84は、ソフトウエアモジュールと、ハードウエアとしての図5の外部機器接続部31との組み合わせで構成されていると捉えることもできるからである。
【0090】
また、本実施の形態では、眼底写真記憶部85と検査結果記憶部93とは、例えば図5の記憶部28またはRAM23の一領域として構成されているとする。
【0091】
以下、操作内容認識部81乃至検査結果記憶部93のそれぞれの詳細についてその順番で説明していく。
【0092】
操作内容認識部81は、検者により検者用マウス41が操作された場合、検者用マウス41から入力されてくる信号の内容と、その操作時点の状況とに基づいて、検者の操作内容を認識する。そして、操作内容認識部81は、認識した操作内容を、検者用画像生成部82並びに視標マップ生成部86乃至検査制御部90のうちの少なくとも1つに通知する。
【0093】
検者用画像生成部82は、視野検査を行うために必要な各種設定を検者が行ったり、視野検査の結果を検者に呈示する場合に利用される画像(以下、検者用画像と称する)に対応する画像データを生成する。このとき、検者用画像生成部82は、操作内容認識部81から通知された検者の操作内容を適宜参照する。検者用画像生成部82により生成された画像データは検者用表示制御部83に供給される。
【0094】
検者用表示制御部83は、検者用画像生成部82から供給された画像データに対応する検者用画像を、検者用表示部43に表示させるように制御する。
【0095】
具体的には例えば、検者が、検者用マウス41を操作することで、所定の被検者の視野検査の準備を指示した場合、操作内容認識部81は、その指示を認識して、検者用画像生成部82に通知する。検者用画像生成部82は、この通知を受けると、検者用画像の初期画像として、例えば図8に示される画像101に対応する画像データを生成し、検者用表示制御部83に提供する。検者用表示制御部83は、検者用画像生成部82から供給された画像データに対応する図8の画像101を検者用表示部43に表示させる。
【0096】
即ち、図8の画像101は、検者用画像の初期画像の一例である。そこで、以下、図8を参照して、検者用画像の初期画像について説明する。
【0097】
図8の検者用画像の初期画像101において、その左下方には表示領域111が配置され、その右方にはソフトウエアボタン112と表示領域113とがその順番で上から順に配置され、さらにその右方には、ソフトウエアボタン114とソフトウエアボタン115とがその順番で上から順に配置されている。また、検者用画像の初期画像101において、ソフトウエアボタン115の右方には、ソフトウエアボタン116が配置され、その右方には、ソフトウエアボタン118が配置され、その上方と右方とのそれぞれには、ソフトウエアボタン117とソフトウエアボタン119とのそれぞれが配置され、さらに、ソフトウエアボタン119の右方には、ソフトウエアボタン120が配置されている。また、検者用画像の初期画像101において、ソフトウエアボタン119とソフトウエアボタン120との上方には表示領域121が配置され、その上方には表示領域122が配置され、さらに、その左方には、即ち、表示領域111乃至ソフトウエアボタン116の上方には、表示領域123が配置されている。
【0098】
表示領域111には、検者により現在設定されている検査視標に関する設定情報として、視標直径、視標間隔、呈示時間、および、呈示間隔が表示される。視標直径とは、検査視標が被検者用表示部44に円として表示される場合のその円の直径をいう。視標間隔とは、複数の検査視標のそれぞれが被検者用表示部44に円としてそれぞれ表示される場合における、1つの円とその隣の他の円との中心間距離(空間的な間隔)をいう。呈示時間とは、検査視標が被検者用表示部44に表示される場合における、1つの検査視標が表示され続ける時間をいう。呈示間隔とは、検査視標が被検者用表示部44に表示される場合における、1つの検査視標の表示が開始されてから、次の検査視標の表示が開始されるまでの時間的な間隔をいう。
【0099】
具体的には例えば、図8の例では、視標直径として2.9minが、視標間隔として60minが、呈示時間として100msが、呈示間隔として1500msが、それぞれ検者により設定されていることがわかる。これらの設定情報を利用して視野検査が行われる場合、直径2.9minの複数の円のそれぞれが上下左右の他の円と60minの空間的な間隔を空けて配置された視標マップが被検者用表示部44の表示画面上に載せられたとみなされて、被検者用表示部44の表示画面のうちの、視標マップ内の所定の円に対応する画素が検査視標として100msの間表示され続けた後消去され、その検査視標が表示されてから1500msが経過すると今度は、視標マップ内の他の円に対応する画素が新たな検査視標として100msの間表示され続けた後消去されることになる。その後についても同様に、直前の検査視標が表示されてから1500msが経過すると視標マップ内の他の円に対応する画素が新たな検査視標として100msの間表示され続けた後消去される、といった処理が繰り返し実行されていくことになる。
【0100】
なお、検者は、「設定」と記述されたソフトウエアボタン120(以下、設定ボタン120と称する)を押下することで図示せぬ設定用画像を検者用表示部43に表示させ、その設定用画像と検者用マウス41とを利用する所定のGUI(Graphical User Interface)操作を行うことで、表示領域111の表示内容、即ち、視標直径、視標間隔、呈示時間、および、呈示間隔のそれぞれの設定を自在に可変することができる。
【0101】
「固視標位置」と記述されたソフトウエアボタン112(以下、固視標位置ボタン112と称する)は、被検者用表示部44における固定視標の表示位置を検者が設定する場合に押下されるボタンである。即ち、検者は、検者用マウス41を利用して固視標位置ボタン112を押下することで、固定視標の表示位置を設定するための図示せぬ設定用画像を検者用表示部43に表示させ、その設定用画像と検者用マウス41とを利用する所定のGUI操作を行うことで、固定視標の表示位置の設定を自在に可変することができる。
【0102】
表示領域113には、検者により現在設定されている固定視標に関する設定情報のうちの、固視標半径と固視標の太さとが表示される。即ち、本実施の形態では、固定視標は例えば●印(黒い丸の印)と×印(バツの印)とが重ねられたシンボルで被検者用表示部44に表示されるとすると、このシンボルのうちの、●印の円の半径を固視標半径といい、また、×印の線の太さを固視標の太さという。
【0103】
具体的には例えば、図8の例では、固視標直径として30msが、固視標の太さとして2dotsが、それぞれ検者により設定されていることがわかる。この設定を利用して視野検査が行われる場合、半径30msの●印と太さ2dotsの×印とが重ねられたシンボルが固定視標として被検者用表示部44に表示されることになる。
【0104】
なお、検者は、表示領域111の表示内容と同様に、設定ボタン120を押下して所定のGUI操作を行うことで、表示領域113の表示内容、即ち固視標半径と固視標の太さとのそれぞれの設定を自在に可変することができる。
【0105】
「マウスで視標追加」と記述されたソフトウエアボタン114(以下、視標追加ボタン114と称する)は、次の機能を実現するために検者により押下されるボタンである。即ち、視標追加ボタン114が押下されると、表示領域123に表示される後述する図11の視標マップ131の各点132の中から、検査視標として利用する点132を含む枠151を検査範囲として設定する、といった機能が実現可能になる。即ち、検者は、検者用マウス41を利用して視標追加ボタン114を押下することで、検者用マウス41を引き続き利用して、表示領域123に表示される視標マップ131の中から検査範囲151を設定することができる。なお、検者による検査範囲151の設定方法の詳細については、図11を参照して後述する。
【0106】
「視標除去」と記述されたソフトウエアボタン115(以下、視標除去ボタン115と称する)は、次の機能を実現するために検者により押下されるボタンである。即ち、視標除去ボタン115が押下されると、表示領域123に表示される図11の検査範囲151に含まれる点132の中から、検査視標として利用しない点132、即ち、検査視標から除外する点132を1以上設定する、といった機能が実現可能になる。即ち、検者は、検者用マウス41を利用して視標除去ボタン115を押下することで、検者用マウス41を引き続き利用して、表示領域123に表示される検査範囲151の中から任意の1以上の点132を検査視標から除外することができる。
【0107】
「Demo」と記述されたソフトウエアボタン116(以下、Demoボタン116と称する)は、表示領域123にデモ用の画像(図示せず)を表示させるためのボタンである。
【0108】
「検査開始」と記述されたソフトウエアボタン117(以下、検査開始ボタン117と称する)は、被検者の視野検査の開始を指示する場合に検者により押下されるボタンである。即ち、検者は、上述した第1の手順が被検者により行われたことを確認した後、検者用マウス41を利用して検査開始ボタン117を押下することで、被検者の視野検査の開始を指示することができる。即ち、詳細については後述するが、検査開始ボタン117が押下されると、図7の操作内容認識部81は、被検者の視野検査の開始が検者により指示されたと認識し、その認識結果を検査制御部90に通知する。検査制御部90は、この通知を受けると、被検者の視野検査に必要な固定視標や検査視標等を含む画像(以下、検査画像と称する)を、被検者用表示制御部91を介して被検者用表示部44に表示させる制御を開始する。
【0109】
「測定終了」と記述されたソフトウエアボタン118(以下、測定終了ボタン118と称する)は、被検者の視野検査の強制終了を指示する場合に検者により押下されるボタンである。即ち、後述する図17と図18の「視野検査処理」が図7の情報処理装置により実行されている最中に、検者は、検者用マウス41を利用して測定終了ボタン118を押下することで、「視野検査処理」の強制終了を図7の情報処理装置に対して指示することができる。
【0110】
「やりなおし」と記述されたボタン119(以下、やりなおしボタン119と称する)は、直前の操作をリセットしたい場合に検者により押下されるボタンである。
【0111】
設定ボタン120は、上述した表示領域111および表示領域113の他、表示領域122の表示内容の設定、即ち、視野検査に必要な各種情報の設定を行う場合に検者により押下されるボタンである。即ち、検者は、検者用マウス41を利用して設定ボタン120を押下することで、これらの各種情報の設定を行うための図示せぬ設定用画像を表示させ、検者用マウス41と設定用画像とを利用する所定のGUI操作を行うことで、視野検査に必要な各種情報の設定やその変更を自在に行うことができる。
【0112】
表示領域121には、視野検査の結果等が表示される。表示領域121の表示内容の詳細については、図13と図15を参照して後述する。
【0113】
表示領域122には、視野検査の被検者に関する情報として、被験者の氏名を示す被検者名、被検者を識別するための識別子を示す被検者ID、および、被検者が注意すべき人物(例えば前回の視野検査で視野異常と診断された人物)であることを示すRemarksが表示される。
【0114】
表示領域123には、図8に示されるように初期画像101の段階では何も表示されないが、その後必要に応じて、例えば後述する図9に示されるような画像、即ち、被検者の網膜についての眼底写真141と視標マップ131とが合成された合成画像が表示される。ただし、この合成画像の詳細については、図9以降の図面を参照して後述する。
【0115】
以上、図8を参照して、検者用画像の初期画像101について説明した。
【0116】
以下、図7に戻り、眼底写真取得部84乃至検査結果記憶部93のそれぞれの詳細について説明していく。
【0117】
眼底写真取得部84は、眼底写真撮影装置47により撮影された被検者の眼底写真、例えば後述する図9の眼底写真141に対応する画像データを取得して、眼底写真記憶部85に記憶させる。即ち、眼底写真記憶部85は、被検者の眼底写真に対応する画像データを1以上記憶する。
【0118】
視標マップ生成部86は、図8の表示領域111の表示内容に従って、即ち、検査視標についての各設定値に従って、視標マップに対応する画像データを生成する。詳細には、「視標直径」の表示値を直径とする複数の円のそれぞれが視標とされ、上下左右の他の円(視標)から「視標間隔」の表示値の距離分だけ離間されて、被検者用表示部44の表示面上に仮想配置された様子を示す画像、例えば後述する図9の画像131が、視標マップである。視標マップ生成部86は、このような視標マップに対応する画像データを生成して、検査範囲決定部89と重畳部87とに供給する。
【0119】
なお、図8の表示領域111の表示内容、即ち、検査視標についての各設定値は、操作内容認識部81から視標マップ生成部86に通知される。即ち、検者が、検者用マウス41を利用して設定ボタン120を押下して図示せぬ設定用画像を表示させた後、検者用マウス41と設定用画像とを利用する所定のGUI操作を行っているときに、操作内容認識部81は、検者の操作内容を認識して、その操作内容のうちの表示領域111の表示内容を視標マップ生成部86に通知する。
【0120】
重畳部87は、視標マップに対応する画像データを視標マップ生成部86から取得するとともに、被検者の眼底写真に対応する画像データを眼底写真記憶部85から取得する。そして、重畳部87は、視標マップに対応する画像データに、被検者の眼底写真に対応する画像データを重畳し、その結果得られる画像データ、即ち、眼底写真が重畳された視標マップに対応する画像データを眼底写真位置調整部88に供給する。例えば後述する図9に示されるような眼底写真141が重畳された視標マップ131に対応する画像データが、重畳部87から眼底写真位置調整部88に供給される。
【0121】
重畳部87の上述した一連の処理は、操作内容認識部81により所定の操作が認識されてその認識結果が重畳部87に通知された時点で開始される。ただし、重畳部87の処理開始のトリガとなるこの所定の操作については後述する。
【0122】
なお、以下、眼底写真が重畳された視標マップを、眼底写真重畳視標マップと称する。また、以下、所定の画像に対応する画像データを、その画像と特に区別する必要がない場合、単に画像と称する。例えば、視標マップに対応する画像データ、眼底写真に対応する画像データ、および、眼底写真重畳視標マップに対応する画像データのそれぞれを、単に、視標マップ、眼底写真、および、眼底写真重畳視標マップのそれぞれと適宜称する。
【0123】
眼底写真重畳視標マップは、上述した本発明の第3の手法で利用される画像であり、即ち、最終的には視野検査の結果として検者用表示部43に表示される画像であり、このため、被検者の眼底写真と視標マップとは、それぞれの対応する領域が重なるように重畳されている必要がある。対応する領域とは、検査光が入射される網膜面上の部位に対応する眼底写真の領域と、視標マップに含まれる複数の点(視標)のうちのその検査光に対応する検査視標を示す点を含む領域との両者をいう。
【0124】
そこで、本実施の形態では、検者は、検者用表示部43に表示されている眼底写真重畳視標マップと検者用マウス41とを利用する所定のGUI操作を行うことで、その眼底写真重畳視標マップにおいて、視標マップに対する眼底写真の相対的な位置を変更させることができる。なお、以下、このような眼底写真の位置を変更させるための所定のGUI操作を、眼底写真位置変更操作と称する。眼底写真位置変更操作の詳細については図10を参照して後述する。
【0125】
眼底写真位置変更操作の内容は、操作内容認識部81を介して眼底写真位置調整部88に供給される。即ち、操作内容認識部81は、この眼底写真位置変更操作の内容を認識し、その認識結果を眼底写真位置調整部88に通知する。
【0126】
眼底写真位置調整部88は、操作内容認識部81から通知された眼底写真位置変更操作の内容に基づいて、重畳部87から供給された眼底写真重畳視標マップに含まれる眼底写真の相対的な位置を調整する。即ち、眼底写真位置調整部88は、眼底写真重畳視標マップにおいて、視標マップに対する眼底写真の相対的な位置を、眼底写真位置変更操作で指示された分だけ移動させる。そして、眼底写真位置調整部88は、眼底写真の配置位置が移動された後の眼底写真重畳視標マップを検者用画像生成部82に供給する。
【0127】
換言すると、例えば上述した図8の検者用画像の初期画像101が検者用表示部43に表示されている場合には、即ち、眼底写真重畳視標マップが表示領域123に表示されていない場合には、眼底写真位置変更操作は行われず、当然ながら、眼底写真位置変更操作の内容も操作内容認識部81から眼底写真位置調整部88に通知されない。このような場合、即ち、眼底写真位置変更操作の内容が操作内容認識部81から通知されてこない場合、眼底写真位置調整部88は、重畳部87から供給されてきた眼底写真重畳視標マップをそのまま検者用画像生成部82に供給する。
【0128】
具体的には例えば、図8の検者用画像の初期画像101が検者用表示部43に表示されている状態で、図9に示される眼底写真141(画像データ)が眼底写真取得部84により取得されて眼底写真記憶部85に記憶され、かつ、視標マップ生成部86により図9に示される視標マップ131(画像データ)が生成されたとする。なお、この場合、眼底写真記憶部85に記憶されている段階の眼底写真141(画像データ)の解像度は、それを撮影した眼底写真撮影装置47の機種等に応じてまちまちであるので、眼底写真141が表示領域123内にほぼ収まる程度のサイズとなるように、視標マップ生成部86により図9に示される視標マップ131(画像データ)が生成されることになる。
【0129】
なお、図9の眼底写真141において、明るい領域142は乳頭を、暗い領域の中心143は中心窩を示している。乳頭は、視細胞がなくて光を感じることができないため、盲点とも称されている。そこで以下、明るい領域142を盲点142と称する。また、暗い領域の中心143を中心窩143と称する。
【0130】
また、図9の視標マップ131において、1つの点132は、被検者用表示部44に検査視標として表示され得る1つの視標に対応している。そこで以下、点132を視標132と称する。
【0131】
この場合、重畳部87は、図9の表示領域123に表示されているような眼底写真重畳視標マップ(画像データ)を生成し、眼底写真位置調整部88に供給する。このとき当然ながら、眼底写真位置変更操作の操作内容は操作内容認識部81から眼底写真位置調整部88に通知されないので、眼底写真位置調整部88は、重畳部87から供給された眼底写真重畳視標マップをそのまま検者用画像生成部82に供給する。
【0132】
すると、検者用画像生成部82は、上述した図8の検者用画像の初期画像101の表示領域123に図9の眼底写真重畳視標マップを挿入した画像を生成し、その画像を検者用画像として検者用表示制御部83を介して検者用表示部43に表示させる。
【0133】
このようにして、眼底写真重畳視標マップが表示領域123に挿入された検者用画像が検者用表示部43に表示される。これにより、検者は、眼底写真位置変更操作を行うことが可能になる。
【0134】
例えば本実施の形態においては、眼底写真位置変更操作とは次のような操作とされている。即ち、はじめに、検者は、検者用マウス41を利用して、例えば図9の表示領域123に表示されているような眼底写真重畳視標マップのうちの眼底写真141の上に図示せぬカーソルを配置させる。次に、検者は、検者用マウス41を利用していわゆる「ダブルクリック操作」を行う。これにより、眼底写真141は、表示領域123内を自在に移動できる対象(以下、移動対象と称する)として選択される。その後、検者は、検者用マウス41を利用していわゆる「ドラッグ アンド ドロップ操作」を行うことで、移動対象である眼底写真141を、表示領域123内の所望の位置に移動させる。
【0135】
このような眼底写真位置変更操作における各操作の内容は、図7の操作内容認識部81により逐一認識されている。即ち、操作内容認識部81は、各操作を認識する毎に、その認識結果を、重畳部87、眼底写真位置調整部88、および、検者用画像生成部82に通知する。重畳部87、眼底写真位置調整部88、および、検者用画像生成部82のそれぞれは、操作内容認識部81から操作内容が通知される毎に、通知された操作内容に対応する処理を各自実行する。
【0136】
具体的には例えば、図9の眼底写真141の上に図示せぬカーソルが配置されて、「ダブルクリック操作」が行われた場合、操作内容認識部81は、眼底写真141が移動対象として選択されたと認識し、その認識結果を、重畳部87、眼底写真位置調整部88、および、検者用画像生成部82のそれぞれに通知する。重畳部87は、この通知を受けると、眼底写真141が移動対象であることを示すために、例えば眼底写真141のエッジ部分に対応する線の色を変更したり、その線種を点線等に変更する。次に、重畳部87は、このようにして線の色や線種が変更された眼底写真141と、視標マップ131とを合成した眼底写真重畳視標マップを生成して、眼底写真位置調整部88を介して検者用画像生成部82に供給する。検者用画像生成部82は、供給された眼底写真重畳視標マップを表示領域123に挿入した検者用画像を生成して、検者用表示制御部83を介して検者用表示部43に表示させる。
【0137】
その後、「ドラッグ アンド ドロップ操作」が開始されてから、いわゆる「ドロップ操作」が行われるまでの間、操作内容認識部81は、図示せぬカーソルが移動される毎に、その移動位置を認識し、その認識結果を、重畳部87、眼底写真位置調整部88、および、検者用画像生成部82のそれぞれに通知する。
【0138】
重畳部87、眼底写真位置調整部88、および、検者用画像生成部82は、この通知を受ける毎に、即ち、図示せぬカーソルが移動される毎に、次のような一連の処理を繰り返し行っていく。即ち、重畳部87は、この通知を受けると、「ダブルクリック操作」が行われた場合と同様に、眼底写真141のエッジ部分に対応する線の色や線種を変更した後、眼底写真重畳視標マップを生成して、眼底写真位置調整部88に供給する。眼底写真位置調整部88は、重畳部87から供給された眼底写真重畳視標マップにおける眼底写真141の相対的な配置位置を、操作内容認識部81から直前に通知されたカーソルの移動位置に基づいて移動させる。そして、眼底写真位置調整部88は、眼底写真141の配置位置が移動された後の眼底写真重畳視標マップを検者用画像生成部82に供給する。検者用画像生成部82は、供給された眼底写真重畳視標マップを表示領域123に挿入した検者用画像を生成して、検者用表示制御部83を介して検者用表示部43に表示させる。
【0139】
このように、「ドラッグ アンド ドロップ操作」が開始されてから「ドロップ操作」が行われるまでの間、操作内容認識部81、重畳部87、眼底写真位置調整部88、および、検者用画像生成部82が上述した一連の処理を繰り返し実行していくことで、エッジ部分に対応する線の色や線種が変更された眼底写真141は、カーソルの動きに追従して表示領域123内を移動していくことになる。
【0140】
その後、「ドロップ操作」が行われると、操作内容認識部81は、眼底写真141の配置位置が確定されたと認識し、その認識結果を、重畳部87、眼底写真位置調整部88、および、検者用画像生成部82のそれぞれに通知する。重畳部87は、この通知を受けると、眼底写真141のエッジ部分に対応する線の色や線種を元に戻した後、眼底写真重畳視標マップを生成して、眼底写真位置調整部88に供給する。眼底写真位置調整部88は、操作内容認識部81から最後に通知されたカーソルの移動位置、即ち、「ドロップ操作」が行われた時点のカーソルの移動位置に基づいて眼底写真141の配置位置を移動させる。そして、眼底写真位置調整部88は、眼底写真141の配置位置が移動された後の眼底写真重畳視標マップを検者用画像生成部82に供給する。検者用画像生成部82は、供給された眼底写真重畳視標マップを表示領域123に挿入した検者用画像を生成して、検者用表示制御部83を介して検者用表示部43に表示させる。
【0141】
また例えば、盲点142の中心は、中心窩143のほぼ15度耳側に存在するという特徴がある。そこで、この特徴を利用することで、次のような眼底写真位置変更操作を採用することもできる。
【0142】
即ち、はじめに、検者は、検者用マウス41を利用して、例えば図9の眼底写真141の盲点142と中心窩143とのそれぞれの上に図示せぬカーソルを配置させで、それぞれ「ダブルクリック操作」を行う。これにより、図7の機能的構成の情報処理装置は、盲点142の中心と、中心窩143とを自動的に認識し、盲点142の中心が中心窩143のほぼ15度耳側となるように、眼底写真141のサイズや位置を自動的に計算して、表示領域123に再表示させる。
【0143】
ただし、実際には被検者によって、盲点142の位置はそれぞれ微妙に異なっていることが多いので、次のような微調整を行うとよい。
【0144】
即ち例えば、被検者の盲点142近傍についての視野検査が予め行われている場合、図10に示されるように、その視野検査の結果を表示領域123に表示させ、図7の機能的構成の情報処理装置は、その検査結果を参考にして、盲点142の中心に対応する視標マップ131内の領域を認識し、認識した領域に盲点142の中心が配置されるように、眼底写真141を移動させるとよい。
【0145】
即ち、詳細については後述するが、図7の機能的構成の情報処理装置は、所定の検査視標についての視野検査が行われた場合には、その検査結果を表示領域123に表示させることができる。具体的には例えば本実施の形態では、図7の機能的構成の情報処理装置は、図10に示されるように、表示領域123の視標マップ131のうちの、被検者が視認できた検査光に対応する視標132−1を□印(白い四角の印)で表示させ、被検者が視認できなかった検査光に対応する視標132−2を×印で表示させることで、視野検査の結果を表示領域123に表示させるとする。この場合、その情報処理装置は、例えば図10の表示領域123内の×印で表示されている5つの視標132−2を含む領域が盲点142に対応する領域であると認識し、同図に示されるように、認識した領域のほぼ中心に盲点142の中心が配置されるように、眼底写真141を移動させるとよい。
【0146】
なお、眼底写真141の微調整は、上述した例では、図7の機能的構成の情報処理装置自身の判断で自動的に行われたが、当然ながら、検者によるマウスの手動操作により行われてもよい。
【0147】
以上、検者による眼底写真位置変更操作の一例と、それに対応する情報処理装置の処理とについて説明した。
【0148】
なお、検者による眼底写真位置変更操作と、それに対応する情報処理装置の処理とのそれぞれは、当然ながら上述した例に限定されない。例えば、検者は、処理の開始を示すトリガ信号を情報処理装置に入力させる操作のみを眼底写真位置変更操作として行い、情報処理装置は、このトリガ信号を受けて、次のような処理を自動的に実行してもよい。即ち、情報処理装置は、トリガ信号が入力されると自動的に、眼底写真141の画像解析を行うことで盲点142と中心窩143とのそれぞれを認識し、盲点142の中心と中心窩143とのそれぞれが視標マップ131の対応する位置に配置されるように、眼底写真141を移動させる処理を実行する。ここで言う自動的とは、トリガ信号の入力操作を除く検者の操作を介在することなく、情報処理装置が自分自身の判断で処理を実行することをいう。
【0149】
また、表示領域123における視野検査の結果の表示形態は、図10の例に限定されず、表示領域123の視標マップ131のうちの、被検者が視認できた検査光に対応する視標132−1、被検者が視認できなかった検査光に対応する視標132−2、および、その他の視標132、即ち、未検査の視標132のそれぞれを検者が個別に識別できる表示形態であれば任意の表示形態でよい。
【0150】
具体的には例えば、検者が視認できた検査光に対応する視標132−1を□印ではなく第1の色(赤色等)の丸で表示させ、被検者が視認できなかった検査光に対応する視標132−2を×印ではなく第2の色(青色等)の丸で表示させ、未検査の視標132を第3の色(白色等)の丸で表示させる、といった表示形態でも構わない。
【0151】
或いは、視標132自体の表示形態は全て点(丸)のまま変化させずに、被検者が視認できた検査光に対応する視標132−1の近傍に第1のシンボルを表示させ、被検者が視認できなかった検査光に対応する視標132−2の近傍に第2のシンボルを表示させる、といった表示形態でも構わない。
【0152】
ところで、本実施の形態においては、検者は、上述したような眼底写真位置変更操作に引き続いて、検者用マウス41を利用して、表示領域123に表示された視標マップ131の中から検査範囲を設定する操作(以下、検査範囲設定操作と称する)を行うこともできる。
【0153】
例えば本実施の形態においては、検査範囲設定操作とは次のような操作とされている。即ち、はじめに、検者は、検者用マウス41を利用して、図8を参照して上述したように視標追加ボタン114を押下する。次に、検者は、検者用マウス41を利用して「ドラッグ アンド ドロップ操作」を行うことで、図11に示されるように、表示領域123内に枠151を表示させ、その枠151の配置位置とサイズとを変更することで、検査範囲を確定する。即ち、枠151が検査範囲を示し、枠151内に含まれる視標132が検査視標として利用されることになる。ただし、その後必要に応じて、検者は、検者用マウス41を利用して、上述した視標除去ボタン115を押下して所定の操作を行うことで、検査範囲151に含まれる視標132のうちの、任意の数の任意の視標132を検査視標から除外することもできる。
【0154】
このような検査範囲設定操作における各操作の内容は、図7の操作内容認識部81により逐一認識されている。即ち、操作内容認識部81は、各操作を認識する毎に、その認識結果を、検査範囲決定部89と検者用画像生成部82に通知する。検査範囲決定部89と検者用画像生成部82とのそれぞれは、操作内容認識部81から操作内容が通知される毎に、通知された操作内容に対応する処理を各自実行する。
【0155】
具体的には例えば、視標追加ボタン114が押下された後、「ドラッグ アンド ドロップ操作」が開始されてから「ドロップ操作」が行われるまでの間、操作内容認識部81は、図示せぬカーソルが移動される毎に、その移動位置を認識し、その認識結果を検者用画像生成部82に通知する。
【0156】
検者用画像生成部82は、この通知を受ける毎に、即ち、図示せぬカーソルが移動される毎に、次のような処理を繰り返し行っていく。即ち、検者用画像生成部82は、図11に示されるように、「ドラッグ アンド ドロップ操作」が開始された時点に通知されたカーソルの移動位置を頂点として、かつ、直前に通知されたカーソルの移動位置をその対角の頂点とする枠151(画像データ)を眼底写真重畳視標マップ上に配置させる。そして、検者用画像生成部82は、枠151が配置された眼底写真重畳視標マップを表示領域123に挿入した検者用画像を生成して、検者用表示制御部83を介して検者用表示部43に表示させる。
【0157】
このように、「ドラッグ アンド ドロップ操作」が開始されてから「ドロップ操作」が行われるまでの間、検者用画像生成部82が上述した処理を繰り返し実行していくことで、枠151のサイズが変更していくことになる。
【0158】
その後、「ドロップ操作」が行われると、操作内容認識部81は、検査範囲が確定されたと認識し、その認識結果を検査範囲決定部89と検者用画像生成部82とのそれぞれに通知する。検査範囲決定部89は、この通知を受けると、視標マップ生成部86から供給された視標マップ131のうちの、確定された検査範囲である図11の枠151を、検査制御部90に通知する。また、検者用画像生成部82は、図11の枠151に含まれる視標132を他とは異なる表示形態で表示させるように眼底写真重畳視標マップを更新する。具体的には例えば、図12に示されるように、検者用画像生成部82は、図11の枠151に含まれる視標132−4を○印(白い丸の印)で表示させるとともに、枠151を消去するように、眼底写真重畳視標マップを更新する。そして、検者用画像生成部82は、更新後の眼底写真重畳視標マップを表示領域123に挿入した検者用画像を生成して、検者用表示制御部83を介して検者用表示部43に表示させる。
【0159】
以上説明したような検査範囲設定操作が行われて、検査範囲が確定すると、被検者の視野検査を開始するための準備が整ったことになる。即ち、検者による眼底写真位置変更操作と検査範囲設定操作とは、被検者の視野検査の準備操作であると言える。
【0160】
従って、検者は、この準備操作を行い、さらに、上述した第1の手順が被検者により行われたことを確認した後、図8を参照して上述した検査開始ボタン117を押下することで、被検者の視野検査を開始することができる。
【0161】
即ち、検査開始ボタン117が押下されると、図7の操作内容認識部81は、被検者の視野検査の開始が指示されたと認識し、その認識結果を検査制御部90に通知する。
【0162】
検査制御部90は、この通知を受けると、設定されたサイズの固定視標を設定された位置に配置させた画像(画像データ)を検査画像の初期画像として生成し、被検者用表示制御部91に供給する。
【0163】
なお、本実施の形態においては、図8を参照して上述したように、固定視標の設定されたサイズとは、表示領域113に表示されている固視標半径と固視標の太さとをいい、固定視標の設定された位置とは、固視標位置ボタン112の押下操作により検者により設定された位置をいう。従って、固定視標の設定されたサイズや設定された位置については、検者が検者用マウス41を利用して対応する設定の操作を行ったときに、操作内容認識部81により認識されて検査制御部90に通知される。
【0164】
被検者用表示制御部91は、検査制御部90から供給された検査画像の初期画像を被検者用表示部44に表示させるように制御する。
【0165】
被検者は、検査画像の初期画像が被検者用表示部44に表示されると、右目と左目とのうちの検査対象の目で固定視標を注視し続ける、といった上述した第2の手順を行う。
【0166】
この第2の手順の後、検査制御部90は、検査範囲決定部89から通知された検査範囲に含まれる視標から所定の1つを次の検査視標として決定して、決定された検査視標と、固定視標とを含む検査画像(画像データ)を生成し、被検者用表示制御部91に供給する。詳細には、検査視標が、設定されたサイズで、対応する位置に配置されるとともに、固定視標が、設定されたサイズで、設定された位置に配置された画像が、検査画像として検査制御部90により生成されて被検者用表示制御部91に供給される。このとき、検査制御部90は、必要に応じてさらに、検査視標についての設定された呈示間隔と呈示時間とを被検者用表示制御部91に通知する。
【0167】
なお、本実施の形態においては、図8を参照して上述したように、検査視標の設定されたサイズとは、表示領域111に表示されている視標直径をいい、検査視標についての設定された呈示時間と呈示間隔とのそれぞれは、表示領域111に表示されている呈示時間と呈示間隔とのそれぞれをいう。従って、検査視標の設定されたサイズ、並びに、検査視標についての設定された呈示時間および呈示間隔とのそれぞれは、検者が検者用マウス41を利用して対応する設定の操作を行ったときに、操作内容認識部81により認識されて検査制御部90に通知される。
【0168】
被検者用表示制御部91は、固定視標と検査視標とを含む検査画像(以下、単に検査視標を含む検査画像と称する)が検査制御部90から供給されると、検査画像の初期画像を被検者用表示部44から消去して、検査視標を含む検査画像を被検者用表示部44に表示させる。その後、設定された呈示時間が経過すると、被検者用表示制御部91は、検査視標を含む検査画像を被検者用表示部44から消去して、検査画像の初期画像(検査視標を含まない画像)を被検者用表示部44に再度表示させる。即ち、検査視標を含む検査画像は、設定された呈示時間だけ被検者用表示部44に表示される。
【0169】
このとき、被検者は、設定された呈示時間だけ被検者用表示部44に表示される検査視標(検査光)を視認できると、被検者用マウス42のクリック操作を行う、といった上述した第3の手順を行うことになる。
【0170】
この第3の手順により被検者用マウス42のクリック操作が行われた場合、検査結果取得部92は、そのクリック操作を検出することで、検査視標が被検者により視認されたとみなす。即ち、検査結果取得部92は、そのクリック操作を検出することで、被検者の網膜面のうちの検査部位、即ち、検査視標に対応する検査光が入射された部位は正常であると検出する。そして、検査結果取得部92は、検査部位は正常であるという検査結果を、検査結果記憶部93に記憶させるとともに、検者用画像生成部82に供給する。
【0171】
これに対して、設定された呈示時間内に被検者により第3の手順が行われなかった場合、即ち、被検者が検査視標を視認できず、その結果、被検者用マウス42のクリック操作を行わなかった場合、検査結果取得部92は、検査視標が被検者により視認されなかったとみなす。即ち、検査結果取得部92は、被検者の網膜面のうちの検査部位に視野異常が発生していると検出する。そして、検査結果取得部92は、検査部位に視野異常が発生しているという検査結果を、検査結果記憶部93に記憶させるとともに、検者用画像生成部82に供給する。
【0172】
より正確には本実施の形態では例えば、検査画像の初期画像や、検査視標を含む検査画像のそれぞれが検査制御部90から出力されるタイミングで、所定の制御信号が検査制御部90から検査結果取得部92に供給されるとする。また、設定された呈示時間も検査制御部90から検査結果取得部92に予め供給されているとする。
【0173】
この場合、検査結果取得部92は、制御信号が検査制御部90から供給されたほぼその時点で計時を開始し、設定された呈示時間に対して所定の余裕時間を加算した時間(以下、計時時間と称する)を計時し終えるまでの間に、被検者用マウス42のクリック操作を1回以上検出した場合、検査部位は正常であるという検査結果を、検査結果記憶部93に記憶させるとともに、検者用画像生成部82に供給する。
【0174】
これに対して、検査結果取得部92は、計時時間を計時し終えた段階で、被検者用マウス42のクリック操作を1回も検出できなかった場合、検査部位に視野異常が発生しているという検査結果を、検査結果記憶部93に記憶させるとともに、検者用画像生成部82に供給する。
【0175】
検者用画像生成部82は、所定の検査視標についての検査結果が検査結果取得部92から供給されると、その検査結果を含む検者用画像を生成し、検者用表示制御部83を介して検者用表示部43に表示させる。なお、検査結果を含む検者用画像については、図13乃至図16を参照して後述する。
【0176】
その後、検査制御部90は、直前の検査視標を含む検査画像を出力してから設定された呈示間隔の時間が経過する毎に、検査範囲決定部89から通知された検査範囲に含まれる未検査の視標の中から所定の1つを次の検査視標として順次設定していき、新たに設定された検査視標を含む新たな検査画像を生成し、被検者用表示制御部91に供給する。
【0177】
被検者用表示制御部91は、検査制御部90から新たな検査視標を含む検査画像が供給される毎に、検査画像の初期画像を被検者用表示部44から消去して、新たな検査視標を含む検査画像を被検者用表示部44に表示させる。その後、設定された呈示時間が経過すると、被検者用表示制御部91は、新たな検査視標を含む検査画像を被検者用表示部44から消去して、検査画像の初期画像(検査視標を含まない検査画像)を被検者用表示部44に再度表示させる。即ち、検査範囲内の様々な位置の視標のそれぞれが検査視標として順次設定されていき、1つの検査視標が、これまでの検査視標とは異なる位置に配置された検査画像が順次生成されていく。そして、このような複数の検査画像のそれぞれが、生成された順番で、設定された呈示間隔毎に、設定された呈示時間だけ被検者用表示部44に順次表示されていく。
【0178】
従って、被検者の目には、被検者用表示部44の表示画面上の検査視標の表示位置が順次更新されていくように映る。そこで、被検者53は、被検者用表示部44の表示画面上の検査視標の表示位置が更新されていく毎に、即ち、検査視標の表示位置が更新されたと視認できる毎に、被検者用マウス42のクリック操作を行っていくことを繰り返す、といった上述した第4の手順を行う。
【0179】
この間、新たな検査視標を含む検査画像が検査制御部90から出力される毎に、制御信号が検査制御部90から検査結果取得部92に供給されてくることになる。そこで、検査結果取得部92は、制御信号が供給される毎に、ほぼその時点で計時を開始し、計時時間を計時し終えるまでの間に被検者用マウス42のクリック操作を検出できたか否かに基づいて、検査部位は正常であるか否かを判断していく。そして、検査結果取得部92は、各判断結果のそれぞれを検査結果として、検査結果記憶部93に順次記憶させるとともに、検者用画像生成部82に順次供給していく。
【0180】
検者用画像生成部82は、所定の検査視標についての検査結果が検査結果取得部92から供給される毎に、これまでに供給された検査結果の全てを含む検者用画像を生成し、検者用表示制御部83を介して検者用表示部43に表示させる。
【0181】
具体的には例えば、上述したようにして視標マップ131のうちの図11の枠151が検査範囲に設定され、この枠151内に含まれる視標132のうちの88個のそれぞれが検査視標に順次設定されて視野検査が行われている最中であるとする。
【0182】
この場合、枠151内に含まれる視標132のうちの例えば8個が既に検査視標に設定されて、8個の検査視標のそれぞれについての検査結果が検査結果取得部92から検者用画像生成部82に既に供給されている段階では、例えば図13に示される検者用画像161が、検者用画像生成部82により生成されて検者用表示制御部83を介して検者用表示部43に表示されていることになる。
【0183】
即ち、図13には、検査結果を含む検者用画像の一例として、8個の検査結果を含む検者用画像161が示されている。また、図14には、図13の検者用画像161の表示領域123の拡大図が示されている。
【0184】
図13と図14とに示されるように、この検者用画像161のうちの表示領域121と表示領域123とに、8個の検査視標についての検査結果が表示される。
【0185】
詳細には、図13に示されるように、表示領域121には、視標の数、測定終了数、応答あり、および応答なしが表示される。視標の数とは、検査範囲に含まれる視標132の数、即ち、検査視標となり得る視標132の数をいう。測定終了数とは、検査範囲に含まれる視標132のうちの、検査視標として既に設定され、その検査結果が既に取得された視標132の数をいう。応答ありとは、測定終了数としてカウントされた視標132のうちの、被検者により視認されて被検者用マウス42のクリック操作が行われた検査光に対応する視標132の数をいう。即ち、応答ありとは、測定終了数と同数の検査結果のうちの、検査部位は正常であるという検査結果の数をいう。応答なしとは、測定終了数としてカウントされた視標132のうちの、被検者により視認されずに被検者用マウス42のクリック操作が行われなかった検査光に対応する視標132の数をいう。即ち、応答なしとは、測定終了数と同数の検査結果のうちの、検査部位に視野異常が発生しているという検査結果の数をいう。
【0186】
具体的には、図13の表示領域121には、図11の検査範囲151に含まれる88個(視標の数:88)の視標132のうちの8個(測定終了数:8)についての検査結果が既に得られており、そのうちの、検査部位は正常であるという検査結果は6個(応答あり:6)であり、検査部位に視野異常が発生しているという検査結果は2個(応答なし:2)であることが示されている。
【0187】
また、本実施の形態では図14に示されるように、表示領域123には、視標マップ131のうちの、被検者が視認できた検査光に対応する視標132−1、即ち、検査部位は正常であるという検査結果を示す視標132−1は、上述した図10と同様に□印で表示される。これに対して、被検者が視認できなかった検査光に対応する視標132−2、即ち、検査部位に視野異常が発生しているという検査結果を示す視標132−2は、上述した図10と同様に×印で表示される。また、未検査の視標132−4は、○印で表示される。
【0188】
その後、88個の視標132の全てが検査視標に設定されて、88個の検査視標のそれぞれについての検査結果が図7の検査結果取得部92から検者用画像生成部82に供給されると、今度は例えば図15に示される検者用画像162が、検者用画像生成部82により生成されて検者用表示制御部83を介して検者用表示部43に表示されることになる。
【0189】
即ち、図15には、検査結果を含む検者用画像の他の例として、88個の検査結果を含む検者用画像162が示されている。また、図16には、図15の検者用画像162の表示領域123の拡大図が示されている。
【0190】
図15と図16とに示されるように、この検者用画像162のうちの表示領域121と表示領域123とに、88個全ての検査視標についての検査結果が表示される。
【0191】
具体的には、図15の表示領域121には、図11の検査範囲151に含まれる88個(視標の数:88)の視標132の全て(測定終了数:88)についての検査結果が既に得られており、そのうちの、検査部位は正常であるという検査結果は61個(応答あり:61)であり、検査部位に視野異常が発生しているという検査結果は27個(応答なし:27)であることが示されている。
【0192】
また、図16に示されるように、表示領域123には、図14と同様に、検査部位は正常であるという検査結果を示す視標132−1は□印で表示され、検査部位に視野異常が発生しているという検査結果を示す視標132−2は×印で表示される。なお、図16の例では、88個の全ての視標132は検査済みであるので、未検査であることを示す○印は表示されていない。
【0193】
以上、図14乃至図16を参照して説明したように、検者は、表示領域121を見ることで、図11の検査範囲151に属する88個の視標132のうちの検査済みの視標132は何個であり、そのうちの、検査部位は正常であるという検査結果は何個であり、検査部位に視野異常が発生しているという検査結果は何個であるといった内容を容易に認識することが可能になる。
【0194】
また、図11の検査範囲151に属する88個の視標132のうちの検査済みの視標132についての検査結果は、表示領域123の眼底写真重畳視標マップ上にも表示される。従って、検者は、その検査結果の眼底写真141上の分布、即ち、□印または×印の眼底写真141上の分布を見ることで、視野異常が発生している部位を正確に特定することが容易に可能になる。
【0195】
なお、図15に示されるように、図11の検査範囲151に属する88個の視標132の全てについての検査結果が得られると、視野検査の終了を促す「検査を終了してよろしいか」というメッセージを含む画像171が検者用画像162上に表示される。そこで、検者は、検者用マウス41を利用して、この画像171のうちの「はい」と記述されたソフトウエアボタンを押下することで、被検者の視野検査を終了させることができる。また、検者は、検者用マウス41を利用して、この画像171のうちの「いいえ」と記述されたソフトウエアボタンを押下して、さらに、検査開始ボタン117を再度押下することで、被検者の視野検査を再度行うこともできる。
【0196】
以上、図5乃至図16を参照して、本発明が適用される情報処理装置のハードウエア構成例と機能的構成例とについて説明した。
【0197】
なお、本発明が適用される情報処理装置のハードウエア構成や機能的構成は、上述した第1の手法乃至第3の手法に対応する処理を実行可能な構成であれば足り、上述した図5や図7等の構成に限定されないことは言うまでも無い。
【0198】
例えば、本実施の形態では1台の情報処理装置により本発明が実現されているが、その他、図示はしないが、検者が主に使用する情報処理装置、被検者が主に使用する情報処理装置、および、図5の眼底写真撮影装置47が所定のネットワークに接続されることで構成される情報処理システムにより、本発明が実現されてもよい。
【0199】
また、図7の操作内容認識部81乃至眼底写真取得部84並びに視標マップ生成部86乃至検査結果取得部92といった機能ブロックは、本実施の形態では、主にソフトウエアモジュールで構成されるとしたが、本実施の形態に限定されず、ハードウエア単体で構成してもよいし、或いは、上述したように、ソフトウエアとハードウエアとの組み合わせで構成してもよい。また、各機能ブロックの単位は、図7の単位に限定されず、任意の単位で構わない。即ち、本発明が適用される情報処理装置の機能的構成は、図7の操作内容認識部81乃至眼底写真取得部84並びに視標マップ生成部86乃至検査結果取得部92等の各機能を総合的に有する構成であれば、任意の数の任意の機能を有する機能ブロックを任意に組み合わせた構成でも構わない。
【0200】
次に、図17と図18とのフローチャートを参照して、検者が被検者の視野検査を行う場合における、図7の機能的構成を有する情報処理装置の処理について説明する。なお、以下、係る処理を「視野検査処理」と称する。
【0201】
図17のステップS1において、眼底写真取得部84は、眼底写真撮影装置47から被検者の眼底写真(画像データ)を取得して、眼底写真記憶部85に記憶させる。具体的には例えば、上述した図9の眼底写真141(画像データ)が眼底写真記憶部85に記憶される。
【0202】
ステップS1の処理後、検者が、検者用マウス41を操作することで、被検者の視野検査の準備を指示した場合、操作内容認識部81は、その指示を認識して、検者用画像生成部82に通知する。これにより処理はステップS2に進む。
【0203】
ステップS2において、検者用画像生成部82は、この通知を受けると、検者用画像の初期画像を生成して、検者用表示制御部83を介して検者用表示部43に表示させる。具体的には例えばいま、上述した図8に示される画像101が、検者用画像の初期画像として検者用表示部43に表示されたとする。
【0204】
この場合、上述したように、検者は、この検者用画像の初期画像101と検者用マウス41とを利用する所定のGUI操作を行うことで、被検者の視野検査に必要な各種情報の設定を行うことができる。その後、検者が、検者用マウス41を操作することで、これらの各種情報の設定が完了したことを指示した場合、操作内容認識部81は、その指示を認識して、視標マップ生成部86と重畳部87に通知する。これにより処理はステップS3に進む。
【0205】
ステップS3において、視標マップ生成部86は、視標マップを生成する。具体的には例えばいま、上述した図9の視標マップ131が生成されたとする。
【0206】
ステップS4において、重畳部87は、眼底写真重畳視標マップ(画像データ)を生成する。具体的には例えばいまの場合、ステップS4において、重畳部87は、ステップS3の処理で視標マップ生成部86により生成された視標マップ131(画像データ)の上または下に、ステップS1の処理で眼底写真取得部84により取得されて眼底写真記憶部84に記憶された被検者の眼底写真141(画像データ)を重畳することで、図9に示されるような眼底写真重畳視標マップ(画像データ)を生成する。
【0207】
重畳部87により生成された眼底写真重畳視標マップが、眼底写真位置調整部88を介して検者用画像生成部82に供給されると、処理はステップS5に進む。
【0208】
ステップS5において、検者用画像生成部82は、ステップS4の処理で重畳部87により生成された眼底写真重畳視標マップを含む検者用画像を生成し、検者用表示制御部83を介して検者用表示部43に表示させる。
【0209】
このようにして、眼底写真重畳視標マップを含む検者用画像が検者用表示部43に表示されると、検者は、上述した眼底写真位置変更操作を行うことになる。
【0210】
この眼底写真位置変更操作に対する情報処理装置側の処理として、ステップS6の処理が行われる。即ち、ステップS6において、主に眼底写真位置調整部88は、上述したように、眼底写真重畳視標マップにおける眼底写真の配置位置を調整する。
【0211】
なお、主にと記述したのは、より正確にはステップS6の処理は、眼底写真位置調整部88だけではなく、その他、検者用画像生成部82、検者用表示制御部83、および、検者用表示部43等により実行される一連の処理であるからである。即ち、眼底写真位置調整部88が眼底写真の配置位置を調整した後、上述したように、検者用画像生成部82は、眼底写真の配置位置が調整された後の眼底写真重畳視標マップを含む検者用画像を生成し、検者用表示制御部83を介して検者用表示部43に表示させるからである。
【0212】
具体的には例えばいま、ステップS6の処理で、図10に示されるように眼底写真141の配置位置が調整されたとする。即ち、ステップS6の処理の結果として、検者用画像の表示領域123には、図10に示される眼底写真重畳視標マップが表示されるようになったとする。
【0213】
この場合、次に、検者は、上述した検査範囲設定操作を行うことになる。具体的には例えばいま、検者の検査範囲設定操作により、上述した図11の枠151が検査範囲に設定されたとする。
【0214】
検査範囲設定操作が完了すると、即ち、上述したように、枠151が所定のサイズに変更された後に「ドロップ操作」が行われると、操作内容認識部81は、検査範囲が確定されたと認識し、その認識結果を検査範囲決定部89と検者用画像生成部82とのそれぞれに通知する。これにより、処理はステップS7に進む。
【0215】
ステップS7において、検査範囲決定部89は、ステップS3の処理で視標マップ生成部86により生成された視標マップの中から検査範囲を決定する。即ち、いまの場合、ステップS7の処理で、図11の視標マップ131の中から枠151が検査範囲に決定され、その枠151内に存在する視標132が検査視標として利用されることになる。ただし、検査範囲設定操作で図11の視標除去ボタン115により所定の視標132が指定されている場合、指定された視標132は検査視標としては利用されずに除外される。
【0216】
このステップS7の処理とほぼ同時に、検者用画像生成部82は、上述したように、図11の枠151に含まれる視標132を他とは異なる表示形態で表示させる眼底写真重畳視標マップ、具体的には例えば図12に示されるように枠151に含まれていた視標132−4を○印で表示させて枠151を削除した眼底写真重畳視標マップを生成する。そして、検者用画像生成部82は、その眼底写真重畳視標マップを表示領域123に挿入した検者用画像を生成して、検者用表示制御部83を介して検者用表示部43に表示させる。
【0217】
以上の図17のステップS1乃至S7の処理により、被検者の視野検査の準備が完了したことになる。この準備が完了すると、処理は図18のステップS8に進む。
【0218】
ステップS8において、操作内容認識部81は、上述した図11等に示される検査開始ボタン117が押下されたか否かを認識することで、視野検査の開始が検者により指示されたか否かを判定する。
【0219】
従って、検査開始ボタン117が検者により押下されない場合、ステップS8において、視野検査の開始が検者により指示されていないと判定されて、処理はステップS8に戻され、視野検査の開始が検者により指示されたか否かが再度判定される。即ち、検査開始ボタン117が検者により押下されるまで、ステップS8の判定処理が繰り返し実行される。
【0220】
その後、上述した図6に示されるように被検者53がその顔を固定器具52に固定して被検者用表示部44の表示画面を見るといった上述した第1の手順を行ったことが検者により確認されて、検査開始ボタン117が検者により押下されると、ステップS8において、操作内容認識部81は、視野検査の開始が検者により指示されたと判定して、その判定結果を検査制御部90に通知する。これにより、処理はステップS9に進む。
【0221】
ステップS9において、検査制御部90は、上述した検査画像の初期画像(以下、固定視標を含む初期画像と称する)を生成し、被検者用表示制御部91を介して被検者用表示部44に表示させる。
【0222】
固定視標を含む初期画像が被検者用表示部44に表示されると、被検者53は、右目と左目とのうちの検査対象の目で固定視標を注視し続ける、といった上述した第2の手順を行う。
【0223】
ステップS10において、検査制御部90は、上述したように、図17のステップS7の処理で検査範囲決定部89により設定された検査範囲内の所定の1つの視標を検査視標に設定する。
【0224】
ステップS11において、検査制御部90は、上述したように、検査視標を含む検査画像を生成し、被検者用表示制御部91を介して被検者用表示部44に表示させる。ただし、上述したように、検査画像は、設定された呈示時間だけ被検者用表示部44に表示されて、その後消去される。
【0225】
このとき、被検者53は、設定された呈示時間だけ被検者用表示部44に表示される検査視標を視認できた時点で被検者用マウス42のクリック操作を行う、といった上述した第3の手順を行う。
【0226】
そこで、ステップS12において、検査結果取得部92は、上述したように、第3の手順が行われたか否かに基づいて、即ち、被検者用マウス42のクリック操作が行われたか否かに基づいて、各検査視標のそれぞれについての検査結果を取得する。詳細には、所定の時間内に被検者用マウス42のクリック操作が行われた場合、検査視標に対応する検査部位は正常であるという検査結果がステップS12の処理で取得される。これに対して、所定の時間内に被検者用マウス42のクリック操作が行われなかった場合、検査部位に視野異常が発生しているという検査結果がステップS12の処理で取得される。
【0227】
ステップS12の処理で検査結果取得部92により取得された検査結果が、検査結果記憶部93に記憶されるとともに、検者用画像生成部82に供給されると、処理はステップS13に進む。
【0228】
ステップS13において、検者用画像生成部82は、ステップS12の処理で取得された検査視標の検査結果を、眼底写真重畳視標マップ上に配置させた検者用画像(画像データ)を生成する。なお、本実施の形態では、上述したように、直前のステップS12の処理で取得された検査視標についての検査結果のみならず、これまでに取得された全ての検査視標についての検査結果が眼底写真重畳視標マップ上に配置された検者用画像が生成される。この検者用画像が検者用画像生成部82から検者用表示制御部83に供給されると、処理はステップS14に進む。
【0229】
ステップS14において、検者用表示制御部83は、ステップS13の処理で検者用画像生成部82により生成された検者用画像を、検者用表示部43に表示させる。
【0230】
ステップS15において、検査制御部90は、検査範囲内の全視標が検査視標に設定されたか否かを判定する。
【0231】
ステップS15において、検査範囲内の全視標が検査視標にまだ設定されていないと判定されると、処理はステップS10に戻され、それ以降の処理が繰り返される。
【0232】
即ち、上述したように、検査範囲に属する未検査の視標の中から別の1つが新たな検査視標として順次設定され、新たな検査視標を含む検査画像が被検者用表示部44に順次表示されていく。より正確には、検査範囲内の様々な位置の視標のそれぞれを検査視標として含む複数の検査画像のそれぞれが、設定された呈示間隔毎に、設定された呈示時間だけ被検者用表示部44に順次表示されていく。
【0233】
この間、上述したように、被検者53の目には、被検者用表示部44の表示画面上の検査視標の表示位置が順次更新されていくように映る。そこで、被検者53は、被検者用表示部44の表示画面上の検査視標の表示位置が更新されていく毎に、即ち、検査視標の表示位置が更新されたと視認できる毎に、被検者用マウス42のクリック操作を行っていくことを繰り返す、といった上述した第4の手順を行う。
【0234】
そこで、検査結果取得部92は、上述したように、各検査視標のそれぞれについて、所定時間内に被検者用マウス42のクリック操作を検出できたか否かに基づいて、検査部位は正常であるか否か(視野異常が発生しているか否か)を判断し、その判断結果を検査結果として取得する。そして、検査結果取得部92は、その検査結果を検査結果記憶部93に記憶させるとともに、検者用画像生成部82に供給する。
【0235】
すると、検者用画像生成部82は、上述したように、検査結果取得部92からこれまでに供給された検査結果の全てを含む検者用画像を生成し、検者用表示制御部83を介して検者用表示部43に表示させる。
【0236】
具体的には例えばいまの場合、図11の視標マップ131のうちの枠151が検査範囲に設定され、この枠151内に含まれる視標132のうちの、図12の○印で示される88個の視標132−4のそれぞれが検査視標として順次設定されて、ステップS10乃至S15のループ処理が繰り返し実行されていくことになる。
【0237】
この場合、図12の視標132−4のうちの所定の8個が検査視標に設定されて、8個の検査視標のそれぞれについての検査結果が検査結果取得部92により取得されると、即ち、8個目の検査視標についてのステップS12の処理が実行されると、次のステップS13とS14との処理では、例えば上述した図13と図14に示される検者用画像161が生成されて、検者用表示部43に表示されることになる。
【0238】
その後、さらに、図12の88個の視標132−4の全てが検査視標に設定されて、88個の検査視標のそれぞれについての検査結果が検査結果取得部92により取得されると、即ち、88個目の検査視標に対するステップS12の処理が実行されると、次のステップS13とS14との処理では、例えば上述した図15と図16に示される検者用画像162が生成されて、検者用表示部43に表示されることになる。
【0239】
そして、次のステップS15において、検査範囲内の全視標が検査視標に設定されたと判定されて、処理はステップS16に進む。
【0240】
ステップS16において、検者用画像生成部82は、視野検査の終了を促すメッセージを、検者用表示制御部83を介して検者用表示部43に表示させる。具体的には例えばいま、視野検査の終了を促すメッセージとして上述した図15の「検査を終了してよろしいか」というメッセージを含む画像171が、検者用表示部43に表示されたとする。
【0241】
この場合、ステップS17において、操作内容認識部81は、この画像171のうちの「はい」と記述されたソフトウエアボタンと、「いいえ」と記述されたソフトウエアボタンとのうちの何れが検者により押下されたのかを認識することで、視野検査の終了が検者により指示されたか否かを判定する。
【0242】
例えば、「いいえ」と記述されたソフトウエアボタンが押下された場合、ステップS17において、視野検査の終了が検者によりまだ指示されていないと判定されて、処理はステップS8に戻され、それ以降の処理が繰り返される。即ち、上述したように、検者は、検者用マウス41を利用して、この画像171のうちの「いいえ」と記述されたソフトウエアボタンを押下して、さらに、検査開始ボタン117を再度押下することで、被検者53の視野検査を再度行うことができる。
【0243】
これに対して例えば、「はい」と記述されたソフトウエアボタンが検者により押下された場合、ステップS17において、操作内容認識部81は、視野検査の終了が検者により指示されたと判定して、その判定結果を検査制御部90に通知する。これにより、処理はステップS18に進む。
【0244】
ステップS18において、検査制御部90は、図示はしないが、視野検査が終了したというメッセージを、被検者用表示制御部91を介して被検者用表示部44に表示させる。
【0245】
これにより、「視野検査処理」は終了となる。
【0246】
このようにして、視野検査が終了したというメッセージが被検者用表示部44に表示されると、被検者53は、自分自身の視野検査が終了したことを認識して、その顔を固定器具52から取り外す、といった第5の手順を行う。これにより、被検者53の視野検査自体も終了となる。
【0247】
以上、図17と図18とを参照して「視野検査処理」の一例について説明した。
【0248】
検者は、被検者の視野検査を行う場合に、本発明が適用される情報処理装置にこのような「視野検査処理」を実行させることで、図19に示されるように、従来のHumphery視野計を利用して視野検査を行った場合と比較して、被検者の視野異常の発生部位をより一段と正確に特定することが容易に可能になる。
【0249】
即ち、図19は、本発明が適用される情報処理装置を利用して行った視野検査の結果(以下、本発明の検査結果と称する)と、従来のHumphery視野計を利用して行った視野検査の結果(以下、従来の検査結果と称する)との比較を示す図である。
【0250】
図19において、数値211が、従来の検査結果を示している。従来の検査結果においては、眼底写真201のうちの、数値211が大きい領域は、その領域に対応する被検者の網膜面上の部位に検査光が入射された場合に被検者に視認される可能性が高いことを示しており、逆に、数値211が小さい領域は、その領域に対応する被検者の網膜面上の部位に検査光が入射されても被検者に視認される可能性が低いことを示している。具体的には例えば、領域201−1における数値211は「3」といったように他と比べて非常に低い値であるので、この領域201−1に対応する網膜面上の部位に視野異常が発生している可能性が高いという結果が、従来の検査結果である。一方、領域201−2の数値211は「28」といったように他と同程度の値であるので、この領域201−2に対応する網膜面上の部位は正常である(視野異常が発生していない)可能性が高いという結果もまた、従来の検査結果である。
【0251】
これに対して、図19において、×印で示される視標221−1と、□印で示される視標221−2とが、本発明の検査結果を示している。即ち、×印で示される視標221−1は、上述したように、その視標221−1に対応する網膜面上の部位に視野異常が発生しているという検査結果を示している。また、□印で示される視標221−2は、上述したように、その視標221−2に対応する網膜面上の部位は正常であるという検査結果を示している。従って、×印で示される視標221−1は、領域201−1のみならず、従来の検査結果では正常である可能性が高いと判断された領域201−2にも多く含まれており、その結果、領域201−1に対応する網膜面上の部位のみならず、領域201−2に対応する網膜面上の部位も、視野異常が発生している可能性が高いという結果が、本発明の検査結果である。
【0252】
このように、検者は、本発明が適用される情報処理装置を利用して視野検査を行うことで、従来のHumphery視野計を利用して視野検査を行っても発見できなかった視野異常までも容易に発見することができるようになる。即ち、検者は、本発明が適用される情報処理装置を利用して視野検査を行うことで、従来のHumphery視野計を利用して視野検査を行った場合と比較して、被検者の視野異常の発生部位を簡単かつ正確に特定することが容易に可能になる。
【0253】
ところで、上述した一連の処理は、上述したように、ハードウエアにより実行させることもできるし、ソフトウエアにより実行させることもできる。上述した一連の処理をソフトウエアにより実行させる場合には、そのソフトウエアを構成するプログラムが、専用のハードウエアに組み込まれているコンピュータ、または、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能な、例えば汎用のパーソナルコンピュータなどに、ネットワークや記録媒体からインストールされる。
【0254】
このようなプログラムを含む記録媒体は、例えば、図5に示されるように、装置本体とは別に、ユーザにプログラムを提供するために配布される、プログラムが記録されている磁気ディスク(フロッピディスクを含む)、光ディスク(CD-ROM(Compact Disk-Read Only Memory),DVD(Digital Versatile Disk)を含む)、光磁気ディスク(MD(Mini-Disk)を含む)、もしくは半導体メモリなどよりなるリムーバブル記録媒体(パッケージメディア)46により構成されるだけでなく、装置本体に予め組み込まれた状態でユーザに提供される、プログラムが記録されているROM22や、記憶部28に含まれるハードディスクなどで構成される。
【0255】
なお、本明細書において、記録媒体に記録されるプログラムを記述するステップは、その順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理をも含むものである。
【0256】
また、本明細書において、システムとは、複数の装置や処理部により構成される装置全体を表すものである。
【図面の簡単な説明】
【0257】
【図1】人間の目の正常な網膜面上の受容野のうちの、偏心10度でのYcellの受容野の分布を1度の範囲を示す図である。
【図2】受容野1の数が50%分だけ消失した網膜面上の受容野のうちの、偏心10度でのYcellの受容野1の分布を1度の範囲で示す図である。
【図3】受容野1の数が90%分だけ消失した網膜面上の受容野のうちの、偏心10度でのYcellの受容野1の分布を1度の範囲で示す図である。
【図4】被検者の網膜についての眼底写真と、従来のHumphery視野計が使用する視標マップとを合成した合成画像であって、本発明が適用される情報処理装置により生成された合成画像を示す図である。
【図5】本発明が適用される情報処理装置のハードウエア構成例を示すブロック図である。
【図6】図5の情報処理装置の一部の配置例と、被検者にとっての視野検査の手順とを説明するための図である。
【図7】本発明が適用される情報処理装置の機能的構成例を示す機能ブロック図である。
【図8】図5と図7の検者用表示部に表示される検者用画像の初期画像の一例を示す図である。
【図9】検者用画像に含まれる眼底写真重畳視標マップの一例を示す図である。
【図10】眼底写真重畳視標マップにおける眼底写真の位置を調整する操作を説明するための図であって、検者用画像に含まれる眼底写真重畳視標マップの他の例を示す図である。
【図11】検査範囲を決定する操作を説明するための図であって、検者用画像の一例を示す図である。
【図12】検査範囲が確定された後の眼底写真重畳視標マップの一例を示す図である。
【図13】測定結果を含む検者用画像の一例を示す図である。
【図14】図13の検者用画像に含まれる眼底写真重畳視標マップの拡大図である。
【図15】測定結果を含む検者用画像の他の例を示す図である。
【図16】図15の検者用画像に含まれる眼底写真重畳視標マップの拡大図である。
【図17】図7の情報処理装置が実行する「視野検査処理」例を説明するフローチャートである。
【図18】図7の情報処理装置が実行する「視野検査処理」例を説明するフローチャートである。
【図19】本発明が適用される情報処理装置を利用した視野検査の結果と、従来の視野検査の結果との比較を示す図である。
【符号の説明】
【0258】
1 受容野, 21 CPU, 22 ROM, 23 RAM, 28 記憶部, 41 検者用マウス 42, 被検者用マウス, 43 検者用表示部, 44 被検者用表示部, 46 リムーバブル記録媒体, 53 被検者, 81 操作内容認識部, 82 検者用画像生成部, 83 検者用表示制御部, 84 眼底写真取得部, 85 眼底写真記憶部, 86 視標マップ生成部, 87 重畳部, 88 眼底写真位置調整部, 89 検査範囲決定部, 90 検査制御部, 91 被検者用表示制御部, 92 検査結果取得部,93 検査結果記憶部, 101 検者用画像の初期画像, 131 視標マップ, 132,132−1乃至132−4 視標, 141 眼底写真, 142 盲点, 143 中心窩, 151 検査範囲, 161,162 検査結果を含む検者用画像

【特許請求の範囲】
【請求項1】
検者により行われる被検者の視野検査に関する処理を実行する情報処理装置において、
前記被検者の眼底写真を取得する眼底写真取得手段と、
検査視標となり得る複数の視標のそれぞれを、所定のサイズで、かつ、隣の他の視標と所定の距離だけ離間させて、前記被検者が利用する第1の表示装置の表示画面上に仮想配置させた様子を示す画像を、視標マップとして生成する視標マップ生成手段と、
前記視標マップ生成手段により生成された前記視標マップに、前記眼底写真取得手段により取得された前記被検者の前記眼底写真を重畳することで、眼底写真重畳視標マップを生成する重畳手段と、
前記視標マップ生成手段により生成された前記視標マップに含まれる複数の前記視標の中の所定の1つを前記検査視標として、前記第1の表示装置の表示画面上の前記視標マップに従った所定の位置に、所定の時間だけ表示させるように制御する第1の表示制御手段と、
前記第1の表示制御手段の制御により前記第1の表示装置に表示された前記検査視標を前記被検者が視認できたのか否かを示す情報を、前記検査視標についての検査結果として取得する検査結果取得手段と、
前記重畳手段により生成された前記眼底写真重畳視標マップに含まれる複数の前記視標のうちの前記検査視標による検査が行われた前記視標の位置またはその近傍に、前記検査結果取得手段により取得された前記検査結果を示すシンボルを配置させた画像を、検者用画像として生成する検者用画像生成手段と、
前記検者用画像生成手段により生成された前記検者用画像を、前記検者が利用する第2の表示装置の表示画面上に表示させるように制御する第2の表示制御手段と
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記視標マップ生成手段により生成された前記視標マップに含まれる複数の前記視標の中の所定の1つを前記検査視標として表示させるように決定することで、前記視野検査の制御を行う検査制御手段をさらに備え、
前記第1の表示制御手段は、前記検査制御手段により前記検査視標として表示させるように決定された視標を、前記視標マップにおけるサイズかつ配置位置で、前記第1の表示装置の表示画面上に表示させるように制御する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記視標マップに含まれる複数の前記視標のそれぞれについての、サイズと、他の視標との離間距離とのうちの少なくとも一方を可変設定する設定手段をさらに備え、
前記視標マップ生成手段は、複数の前記視標のそれぞれを、前記設定手段により設定された前記サイズで、かつ、前記設定手段により設定された前記離間距離だけ他の視標と離間させて、前記視標マップを生成する
ことを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記設定手段は、前記検査視標が光として前記被検者の網膜面上に入射された場合における前記光の直径が、前記網膜面上に配置される受容野の直径よりも短くなるように、複数の前記視標のそれぞれのサイズを設定する
ことを特徴とする請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記重畳手段により生成された眼底写真重畳視標マップにおいて、前記被検者の前記眼底写真のうちの中心窩を示す第1の領域と盲点の中心を示す第2の領域とのそれぞれが、前記視標マップの対応する位置に配置されるように、前記眼底写真の配置位置を調整する眼底写真位置調整手段
をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
検者により行われる被検者の視野検査に関する処理を実行する情報処理装置の情報処理方法において、
前記被検者の眼底写真を取得する眼底写真取得ステップと、
検査視標となり得る複数の視標のそれぞれを、所定のサイズで、かつ、隣の他の視標と所定の距離だけ離間させて、前記被検者が利用する第1の表示装置の表示画面上に仮想配置させた様子を示す画像を、視標マップとして生成する視標マップ生成ステップと、
前記視標マップ生成ステップの処理により生成された前記視標マップに、前記眼底写真取得ステップの処理により取得された前記被検者の前記眼底写真を重畳することで、眼底写真重畳視標マップを生成する重畳ステップと、
前記視標マップ生成ステップの処理により生成された前記視標マップに含まれる複数の前記視標の中の所定の1つを前記検査視標として、前記第1の表示装置の表示画面上の前記視標マップに従った所定の位置に、所定の時間だけ表示させるように制御する第1の表示制御ステップと、
前記第1の表示制御ステップの制御処理により前記第1の表示装置に表示された前記検査視標を前記被検者が視認できたのか否かを示す情報を、前記検査視標についての検査結果として取得する検査結果取得ステップと、
前記重畳ステップの処理により生成された前記眼底写真重畳視標マップに含まれる複数の前記視標のうちの前記検査視標による検査が行われた前記視標の位置またはその近傍に、前記検査結果取得ステップの処理により取得された前記検査結果を示すシンボルを配置させた前記画像を、検者用画像として生成する検者用画像生成ステップと、
前記検者用画像生成ステップの処理により生成された前記検者用画像を、前記検者が利用する第2の表示装置の表示画面上に表示させるように制御する第2の表示制御ステップと
を含むことを特徴とする情報処理方法。
【請求項7】
検者により行われる被検者の視野検査に関する処理を実行する情報処理装置を制御するコンピュータに実行させるプログラムであって、
前記被検者の眼底写真を取得する眼底写真取得ステップと、
検査視標となり得る複数の視標のそれぞれを、所定のサイズで、かつ、隣の他の視標と所定の距離だけ離間させて、前記被検者が利用する第1の表示装置の表示画面上に仮想配置させた様子を示す画像を、視標マップとして生成する視標マップ生成ステップと、
前記視標マップ生成ステップの処理により生成された前記視標マップに、前記眼底写真取得ステップの処理により取得された前記被検者の前記眼底写真を重畳することで、眼底写真重畳視標マップを生成する重畳ステップと、
前記視標マップ生成ステップの処理により生成された前記視標マップに含まれる複数の前記視標の中の所定の1つを前記検査視標として、前記第1の表示装置の表示画面上の前記視標マップに従った所定の位置に、所定の時間だけ表示させるように制御する第1の表示制御ステップと、
前記第1の表示制御ステップの制御処理により前記第1の表示装置に表示された前記検査視標を前記被検者が視認できたのか否かを示す情報を、前記検査視標についての検査結果として取得する検査結果取得ステップと、
前記重畳ステップの処理により生成された前記眼底写真重畳視標マップに含まれる複数の前記視標のうちの前記検査視標による検査が行われた前記視標の位置またはその近傍に、前記検査結果取得ステップの処理により取得された前記検査結果を示すシンボルを配置させた前記画像を、検者用画像として生成する検者用画像生成ステップと、
前記検者用画像生成ステップの処理により生成された前記検者用画像を、前記検者が利用する第2の表示装置の表示画面上に表示させるように制御する第2の表示制御ステップと
を含むことを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2006−246991(P2006−246991A)
【公開日】平成18年9月21日(2006.9.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−64808(P2005−64808)
【出願日】平成17年3月9日(2005.3.9)
【出願人】(391000896)株式会社フローベル (10)