情報処理装置とプログラムとコンピュータ読み取り可能な記録媒体
【課題】 非静止画を含むドキュメントをユーザの望む静止画を含む表現にできるようにする。
【解決手段】 非静止画データ有無判断部21が、ドキュメントデータ内に非静止画データが含まれているか否かを判断し、非静止画データが含まれていると判断された場合、非静止画データ作成方法選択部22が、その非静止画データから静止画データを作成する作成方法を選択させ、静止画データ作成部23が、ドキュメントデータ内に含まれている非静止画データから上記選択された作成方法で静止画データを作成し、ドキュメントデータ再構成部24が、上記作成された静止画情報に基づいてドキュメントデータを再構成する。
【解決手段】 非静止画データ有無判断部21が、ドキュメントデータ内に非静止画データが含まれているか否かを判断し、非静止画データが含まれていると判断された場合、非静止画データ作成方法選択部22が、その非静止画データから静止画データを作成する作成方法を選択させ、静止画データ作成部23が、ドキュメントデータ内に含まれている非静止画データから上記選択された作成方法で静止画データを作成し、ドキュメントデータ再構成部24が、上記作成された静止画情報に基づいてドキュメントデータを再構成する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、パーソナルコンピュータ,複写機,複合機を含む情報処理装置とプログラムとコンピュータ読み取り可能な記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
パーソナルコンピュータ,複写機,複合機を含む情報処理装置において、ワード(登録商標)などのアプリケーションの実行時にドキュメント情報(「ドキュメントデータ」ともいう)を印刷するという行為は広く一般的である。
また、動画情報(「動画データ」ともいう)中に含まれている一場面を静止画情報(「静止画データ」ともいう)として印刷する情報処理装置(例えば、特許文献1参照)も既に知られている。
さらに、ドキュメントデータ内の一部分に、動画データ,3Dデータを含む非静止画情報(「非静止画データ」ともいう)を含ませ、ドキュメントデータ内の情報量を多くすることにより、ドキュメントデータの内容をより分かり易くして、利用者の利便性を高めるということが行われている。例えば、フォントなどの静止画データと動画などの非静止画データを混在させたHTMLドキュメントデータがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、従来の情報処理装置では、ドキュメントデータ内の静止画データと非静止画データを区別して認識することはできるが、非静止画データが含まれるドキュメントデータを印刷した場合、非静止画データについては全く印刷できなかったり(例えば、特許文献1に記載の技術)、また、印刷できても、例えば動画中の任意の一場面を印刷するので、印刷されたドキュメントデータの情報量は画面上に表示した場合よりも格段に少なくなって、ドキュメントデータの内容を分り難くしてしまうという問題があった。
この発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、非静止画を含むドキュメントをユーザの望む静止画を含む表現にできるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
この発明は上記の目的を達成するため、ドキュメント情報内に非静止画情報が含まれているか否かを判断する非静止画情報有無判断手段と、上記非静止画情報有無判断手段によって非静止画情報が含まれていると判断された場合、その非静止画情報から静止画情報を作成する作成方法を選択させる静止画情報作成方法選択手段手段と、上記ドキュメント情報内に含まれている非静止画情報から上記選択された作成方法で静止画情報を作成する静止画情報作成手段と、上記静止画情報作成手段によって作成された静止画情報に基づいて上記ドキュメント情報を再構成するドキュメント再構成手段を備えた情報処理装置を提供する。
さらに、上記ドキュメント再構成手段を、上記ドキュメント情報内の非静止画情報を上記静止画情報作成手段によって作成された静止画情報に入れ替えて再構成する手段にするとよい。
また、上記ドキュメント再構成手段を、上記ドキュメント情報内に上記静止画情報作成手段によって変換された静止画情報を含ませて再構成する手段にしてもよい。
【0005】
さらに、上記ドキュメント再構成手段を、上記静止画情報作成手段によって作成された静止画情報が複数であり、その各静止画情報が前記ドキュメント情報内の他の情報に重なる場合、上記各静止画情報と重なる部分の情報を上記各静止画情報と重ならないようにずらして再構成する手段にするとよい。
また、上記ドキュメント情報内の非静止画情報と静止画情報のどちらを処理対象にするかを選択させる選択手段を設けるとよい。
さらに、上記再構成されたドキュメント情報を印刷する印刷手段を設けるとよい。
また、コンピュータに、上記の情報処理装置を構成する各手段としての機能を実現させるためのプログラムと、そのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を提供する。
【発明の効果】
【0006】
この発明による情報処理装置は、非静止画を含むドキュメントをユーザの望む静止画を含む表現にできるようにすることができる。
また、この発明によるプログラムは、コンピュータに、非静止画を含むドキュメントをユーザの望む静止画を含む表現にできるようにするための機能を実現させることができる。
さらに、この発明のコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、コンピュータに上記プログラムを容易に導入することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】図2に示すプリンタドライバ部でこの発明に係るドキュメントデータ再構成の機能を実現するための機能構成を示す機能ブロック図である。
【図2】この発明の情報処理装置の一実施例であるクライアントPCの機能構成を示すブロック図である。
【図3】図1に示すプリンタドライバ部におけるドキュメントデータ再構成処理を示すフローチャート図である。
【図4】図2に示す表示装置に表示する非静止画データ作成方法選択画面の説明図である。
【0008】
【図5】XPSのドキュメントデータ内のデータフォーマット例を示す図である。
【図6】XPSのドキュメントデータの再構成の処理前と後でのパッケージ内容の説明図である。
【図7】XPSのドキュメントの再構成の処理前と後での出力例の説明図である。
【図8】XPSのドキュメントデータ内に静止画データを含ませる再構成の前後のデータフォーマット例を示す図である。
【0009】
【図9】XPSのドキュメントデータ内に静止画データを含ませる再構成の処理前と後でのパッケージ内容の説明図である。
【図10】XPSのドキュメント内に静止画データを含ませる再構成の処理前と後での出力例の説明図である。
【図11】図1に示すプリンタドライバ部におけるレイアウトの補正処理を含むドキュメントデータ再構成処理を示すフローチャート図である。
【図12】XPSのドキュメント内に複数の静止画データを含ませる再構成の処理前と後での出力例の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、この発明を実施するための形態を図面に基づいて具体的に説明する。
〔実施例〕
図2は、この発明の情報処理装置の一実施例であるクライアントPCの機能構成を示すブロック図である。
このクライアントPC(本文中及び図中では「PC」と略して記載)1は、入力装置2,表示装置3,記憶装置4,制御装置5,パラレルインタフェース(I/F)9,USBインタフェース(I/F)10,ネットワークインタフェース(I/F)11を有する。
入力装置2は、キーボード,タッチパネル,マウスなどのポインティングデバイス装置、音声入力装置などで構成され、ユーザがPC1に対して各種の情報を入力するための装置である。
表示装置3は、CRT,LCD,LEDなどの表示装置で構成され、PC1がユーザに対して各種のドキュメント,設定画面,選択画面,メッセージを表示するための装置である。
【0011】
記憶装置4は、ROM,ハードディスクドライブなどの不揮発性記憶装置と、RAMなどの揮発性記憶装置で構成される。
制御装置5は、CPUによって実現され、上記不揮発性記憶装置に記憶された各種のプログラムを、RAMを作業領域として実行することにより、各種の機能を実現する。
この制御装置5は、例えば、マイクロソフト(Microsoft:登録商標)社のウインドウズ(Windows:登録商標)のオペレーティングシステム(OS)を、基本ソフトウエアとして採用し、そのOSによってPC1の全体制御を司り、OS上で、文書作成ソフトウエア,画像作成・編集・加工ソフトウエア,表計算ソフトウエアなどのアプリケーションソフトウエアを実行することにより、アプリケーション実行部6の機能を実現し、このアプリケーション実行部6によってドキュメントデータ(ドキュメント情報)の作成を含む各種の処理を行う。
【0012】
また、スプーラ部7は、OSの印刷機能を管理するソフトウエアモジュールであるスプーラの実行で実現される機能であり、同じくソフトウエアモジュールのプリンタドライバの実行で実現される機能のプリンタドライバ部8は、スプーラ部7の一部として動作する。この実施例では、この発明に係るドキュメントデータ再構成の機能を、プリンタドライバ部8で実現した場合を説明する。
このプリンタドライバ部8を、例えば、従来のGDIドライバによって実現した場合、この発明に係るドキュメントデータ再構成の機能を実現するには、動画データを扱えるようにするために、特殊なアプリケーションソフトウェアなどをインストールしたりしてコストがかかる。
【0013】
一方、プリンタドライバ部8を、例えば、ウインドウズビスタ(Windows Vista:登録商標)以降登場したXPSドライバ(登録商標)で実現すれば、XPSデータは動画データ,3Dデータ等の非静止画情報(非静止画データ)を含めて扱うことができるので、この発明に係るドキュメントデータ再構成の機能を実現した場合、特殊なアプリケーションを準備することなしに使用できるという、コスト的にも汎用性の面でもメリットがある。上記非静止画データには、動画データや3Dデータなどの2Dデータで表現できないデータを含む。
パラレルI/F9は、IEEE1284(登録商標)仕様に基づく入出力インターフェイスである。
USBI/F10は、USB 1.0あるいはUSB2.0仕様に基づく入出力インターフェイスである。
ネットワークI/F11は、イーサネット(登録商標)を含むローカルエリアネットワーク,インターネットなどの入出力インターフェイスである。
【0014】
図1は、図2に示すプリンタドライバ部8でこの発明に係るドキュメントデータ再構成の機能を実現するための機能構成を示す機能ブロック図である。
XPSドライバにおいてはフィルタパイプライン(FilterPipeline)というOSの仕組みを利用することになる。また、利用者は通常通り印刷することでも実現可能である。
ドキュメントデータ受信部20は、アプリケーション実行部6からドキュメントデータを受信する箇所であり、プリンタドライバのフィルタパイプラインとのインタフェース部分を意味する。すなわち、非静止画情報を含むドキュメント情報を受信する受信手段の機能に相当する。
非静止画データ有無判断部21は、ドキュメントデータ受信部20で受信したドキュメントデータ内に非静止画データが含まれているか否かを判断し、含まれていると判断したら、ドキュメントデータ内に非静止画データを静止画データ作成部23へ送る。
【0015】
例えば、ドキュメントデータのページ(Page)情報が含まれているXPSパートを検索し、タグ情報や参照されているリリソースデータの拡張子などの有無から、それが非静止画データであるか否かを判断する。すなわち、ドキュメント情報内に非静止画情報が含まれているか否かを判断する非静止画情報有無判断手段の機能に相当する。
非静止画データ作成方法選択部22は、非静止画データ有無判断部21によってドキュメントデータ内に非静止画データが含まれていると判断された場合、静止画データ作成部23へドキュメントデータを送り、非静止画データから静止画データを作成する作成方法の情報を取得し、その情報を静止画データ作成部23へ送る。
【0016】
上記作成方法の取得方法については、例えば、ドキュメントデータ内の非静止画データが含まれているページ又は対象の非静止画データを表示装置の画面上に表示し、非静止画データをどのように扱うかを選択させる非静止画データ作成方法選択画面を表示し、その非静止画データ作成方法選択画面に基づいて入力装置から入力された作成方法の選択情報を取得する。
また、予め作成方法を記載させたファイルから作成方法の情報を読み取って取得する方法もある。
一方、上記判断で非静止画データが含まれていないと判断した場合には、通常通りの印刷動作を実施する。すなわち、非静止画情報有無判断手段によって非静止画情報が含まれていると判断された場合、その非静止画情報から静止画情報を作成する作成方法を選択させる静止画情報作成方法選択手段の機能を果たす。
【0017】
静止画データ作成部23は、非静止画データ有無判断部21から受け取ったドキュメントデータ内の非静止画データから、非静止画データ作成方法選択部22から受け取った選択情報に基づいて静止画データを作成する。
その作成方法は、例えば、非静止画データのみをドキュメントデータから抜き出し、非静止画データのみをPC1上で再生して、ユーザによって指定されたフレーム数の場面を取得し、その静止画データを画像ファイルとして作成する。
また、非静止画データのみをドキュメントデータから抜き出し、非静止画データのみをPC1上で再生して表示装置に表示し、ユーザが入力装置によって指定した箇所の一場面(スクリーンショット)を取得し、そのスクリーンショットの静止画データを画像ファイルとして作成する。さらに、この作成方法に限らず、その他の公知の作成方法を用いても良い。
【0018】
ドキュメントデータ再構成部24は、ドキュメントデータ受信部20で受信したドキュメントデータを、静止画データ作成部23で作成された静止画データに基づいて再構成する。また、その再構成がドキュメントフォーマットとして成立するようにする処理も行う。
すなわち、静止画情報作成手段によって作成された静止画情報に基づいてドキュメント情報を再構成するドキュメント再構成手段の機能に相当する。
【0019】
次に、上記ドキュメントデータ再構成の機能における処理について説明する。
図3は、図1に示すプリンタドライバ部8におけるドキュメントデータ再構成処理を示すフローチャート図である。
このドキュメントデータ再構成処理は、ステップ(図中「S」で示す)1で、非静止画データ有無判断部が、ドキュメントデータを解析し、ドキュメントデータ内に非静止画データが含まれているか否かを判断し、非静止画データが含まれていないと判断した場合には、この処理を終了し、非静止画データが含まれていると判断した場合には、ステップ2へ進む。
ステップ2では、非静止画データ作成方法選択部が、静止画データの作成方法の選択情報を受信して、ステップ3へ進む。
【0020】
例えば、予め作成方法を記載させたファイルから作成方法の情報を読み取り、それを静止画データの作成方法の選択情報として受信する。または、表示装置に非静止画データ作成方法選択画面を表示し、その非静止画データ作成方法選択画面に基づいて入力装置から入力された作成方法の選択情報を受信する。
ステップ3では、静止画データ作成部が、上記受信した選択情報に基づいて非静止画データから静止画データを作成し、ステップ4へ進む。
例えば、動画データの場合、その動画データの再生中に指定された特定場面のスクリーンショットのデータを取得し、そのスクリーンショットのデータから静止画データ(例えば、jpgデータ)を作成する。
ステップ4では、ドキュメントデータ再構成部が、上記作成した静止画データに基づいてドキュメントデータを再構成し、この処理を終了する。
【0021】
上記再構成では、以下に詳述するが、ドキュメントデータ内の非静止画データを削除し、その非静止画データから作成した静止画データに入れ替えて、ドキュメントフォーマットとして成立するような処理を施すとよい。また、ドキュメントデータ内の非静止画データを残し、非静止画データから作成した静止画データを新たに含めるようにして、ドキュメントフォーマットとして成立するような処理を施すようにしてもよい。
この実施例では、非静止画データを静止画データに入れ替える再構成処理と、非静止画データに静止画データを含ませる再構成処理のいずれかを、ユーザの指示に基づいて選択して実行する場合を説明するが、いずれか一方の再構成処理を行うようにPC1を設定しても良い。
【0022】
次に、上記非静止画データ作成方法選択画面について説明する。
図4は、図2の表示装置3に表示する非静止画データ作成方法選択画面の説明図である。
この非静止画データ作成方法選択画面30では、ユーザは、非静止画データから静止画データを作成する際の作成方法を選択することができ、その選択した作成方法が、上記選択情報としてPC1内に取り込まれる。
この非静止画データ作成方法選択画面30には、非静止画データから1つの静止画データを作成するための作成方法の種類を選択する非静止画データ作成方法欄31があり、静止画データを作成しない選択項目32が選択されると、ドキュメントデータ内の非静止画データから静止画データを作成して再構成する処理を実施しない。
【0023】
また、非静止画データのフレーム数(フレーム番号)を指定する選択項目33が選択され、図中の矩形枠内に、フレーム数が入力されると、そのフレーム数に該当する非静止画データのフレームデータから1つの静止画データを作成する。
さらに、再生しながらユーザに指定させる選択項目34が選択されると、非静止画データの再生中に指定された1場面のスクリーンショットのデータを取得し、そのデータから1つの静止画データを作成する。
【0024】
また、非静止画データ作成方法選択画面30には、非静止画データから複数の静止画データを作成するための作成方法の種類を選択する非静止画データ作成方法(複数)欄35があり、指定フレーム毎の選択項目36が選択され、図中の矩形枠に指定フレーム数と作成数とが入力されると、例えば、指定フレーム数3と作成数2が入力されると、非静止画データの先頭フレームから3フレーム毎に2つのフレームを抜出し、2つの静止画データを作成する。
さらに、再生しながらユーザに指定させる選択項目37が選択されると、非静止画データの再生中に指定された各場面のスクリーンショットのデータを取得し、その各データから複数の静止画データを作成する。
【0025】
次に、上記再構成の処理におけるドキュメントフォーマットとして成立するような処理について説明する。
図5は、XPSのドキュメントデータ内のデータフォーマット例を示す図である。
図5の(a)は再構成前のデータフォーマット例を、図5の(b)は再構成後のデータフォーマット例を示しており、このXPSのドキュメントデータでは、XMLのようなタグで表現されるデータフォーマットで記載されている。
【0026】
上述の再構成の処理により、ドキュメントデータ内の非静止画データを、その非静止画データから作成した静止画データに入れ替える場合、ドキュメントデータ再構成部24は、非静止画データを削除し、作成した静止画データを保存すると共に、ドキュメントデータ内の非静止画ファイルに関する記載箇所を解析し、静止画ファイル用の記載方法への変換を行う。
すなわち、図5の(a)に破線枠40で示すように、ドキュメントデータ内に非静止画データを含ませる情報を、図5の(b)に破線枠41で示すように、ドキュメントデータ内に静止画データを含ませる情報に書き替えることにより、ドキュメントフォーマットとして成立するようにする。
【0027】
次に、上記再構成の処理前と後でのドキュメントデータのパッケージ内容について説明する。
図6は、XPSのドキュメントデータの再構成の処理前と後でのパッケージ内容の説明図である。
ここでは、XPSファイルのようにOPC仕様に基づくような複数のファイルを1つのドキュメントとして表現している例におけるドキュメンパッケージの例を示している。
例えば、OPCなどのパッケージ仕様で構成されているXPSのようなドキュメントの場合には、参照元の情報を静止画データを参照させるように変更し、参照先の非静止画データをパッケージに梱包し、元の非静止画データを削除する。
【0028】
すなわち、図6の(a)に示すように、再構成前のドキュメントデータのパッケージには、ドキュメントのページ情報50と、そのページ情報50によってレイアウトされるフォントデータ51(文字部分のデータ)と、非静止画データとして動画データ52(動画パートのデータ)が関連付けられてパッケージされており、上述したような再構成の処理により、上記動画データ52が削除され、図6の(b)に示すように、静止画データ53に入れ替えたパッケージになる。
【0029】
次に、上記再構成の処理前と後でのドキュメントの出力例について説明する。
図7は、XPSのドキュメントの再構成の処理前と後での出力例の説明図である。
例えば、図7の(a)に示すような、フォント60と動画パート61を含むドキュメントの出力例の場合、上述の非静止画データを静止画データに入れ替える再構成処理により、図7の(b)に示すように、ドキュメント内には上記動画パート61に代わって静止画パート62が出力されるようになる。
【0030】
次に、ドキュメントデータ内に非静止画データから作成した静止画データを含ませる再構成処理を行った場合のドキュメントフォーマットとして成立するような処理について説明する。
図8は、XPSのドキュメントデータ内に静止画データを含ませる再構成の前後のデータフォーマット例を示す図である。
図8の(a)は再構成前のデータフォーマット例を、図8の(b)は再構成後のデータフォーマット例を示しており、このXPSのドキュメントデータでは、XMLのようなタグで表現されるデータフォーマットで記載されている。
【0031】
上述の再構成の処理により、ドキュメントデータ内の非静止画データを残し、その非静止画データから作成した静止画データを新たにドキュメントデータ内に含ませる場合、ドキュメントデータ再構成部24は、非静止画データから作成した静止画データを保存すると共に、ドキュメントデータ内の非静止画ファイルに関する記載箇所を解析し、静止画ファイルを含ませるための記載方法への変換を行う。
すなわち、図8の(a)に破線枠70で示すように、ドキュメントデータ内に非静止画データを含ませる情報を、図8の(b)に破線枠71で示すように、ドキュメントデータ内にさらに静止画データを含ませる情報に書き替えることにより、ドキュメントフォーマットとして成立するようにする。
【0032】
次に、ドキュメントデータ内に静止画データを含ませる再構成の処理前と後でのドキュメントデータのパッケージ内容について説明する。
図9は、XPSのドキュメントデータ内に静止画データを含ませる再構成の処理前と後でのパッケージ内容の説明図である。
ここでは、XPSファイルのようにOPC仕様に基づくような複数のファイルを1つのドキュメントとして表現している例におけるドキュメントパッケージの例を示している。
例えば、OPCなどのパッケージ仕様で構成されているXPSのようなドキュメントの場合には、ドキュメントには動画ファイルが存在していたところを、静止画ファイルもパッケージに同梱し、両方とも参照する形で構成されているドキュメントパッケージを構成する。
【0033】
すなわち、図9の(a)に示すように、再構成前のドキュメントデータのパッケージには、ドキュメントのページ情報50と、そのページ情報50によってレイアウトされるフォントデータ51(文字部分のデータ)と、非静止画データとして動画データ52(動画パートのデータ)が関連付けられてパッケージされており、上述したような再構成の処理により、上記動画データ52に加え、図9の(b)に示すように、静止画データ53が含まれたパッケージになる。
【0034】
次に、ドキュメントデータ内に静止画データを含ませる再構成の処理前と後でのドキュメントの出力例について説明する。
図10は、XPSのドキュメント内に静止画データを含ませる再構成の処理前と後での出力例の説明図である。
例えば、図10の(a)に示すような、フォント60と動画パート61を含むドキュメントの出力例の場合、上述の非静止画データに加えて静止画データを含ませる再構成処理により、図10の(b)に示すように、動画パート61を含むドキュメントを出力したり、図10の(c)に示すように、静止画パート62を含むドキュメントを出力したり、いずれかを切り替えることができる。
【0035】
このように、再構成前のドキュメントでは動画で表現されていた箇所が、動画と静止画を混在するような表現になり、そのドキュメントを処理する側で、動画で表示または処理するか静止画で表示または処理するかを選択することができる。
例えば、このドキュメントをプリンタにダイレクト印刷した場合には、プリンタは2Dで表現するため、静止画パートを利用して印刷する。
また、PC1の表示装置3の画面上では動画パートを通常表示するが、印刷のプレビューなどでは静止画パートを処理するというような使用されることが考えられる。
このようにして、ドキュメント内に非静止画と静止画の両方の情報を含むことにより、1つのドキュメントで複数の用途に対応できるため、利便性が高まる。
【0036】
次に、上述の再構成において、静止画データをドキュメントデータ内に入れ替え、または含ませることによって、ドキュメント内の文字部分と重なったりはみ出したりする場合はレイアウトを整える補正処理を行ってドキュメントを見易くするとよい。
図11は、図1に示すプリンタドライバ部8におけるレイアウトの補正処理を含むドキュメントデータ再構成処理を示すフローチャート図である。
このドキュメントデータ再構成処理は、ステップ(図中「S」で示す)11で、非静止画データ有無判断部が、ドキュメントデータを解析し、ドキュメントデータ内に非静止画データが含まれているか否かを判断し、非静止画データが含まれていないと判断した場合には、この処理を終了し、非静止画データが含まれていると判断した場合には、ステップ12へ進む。
【0037】
ステップ12では、非静止画データ作成方法選択部が、静止画データの作成方法の選択情報を受信して、ステップ13へ進む。
例えば、予め作成方法を記載させたファイルから作成方法の情報を読み取り、それを静止画データの作成方法の選択情報として受信する。または、表示装置に非静止画データ作成方法選択画面を表示し、その非静止画データ作成方法選択画面に基づいて入力装置から入力された作成方法の選択情報を受信する。
ステップ13では、静止画データ作成部が、上記受信した選択情報に基づいて非静止画データから静止画データを作成し、ステップ14へ進む。
例えば、動画データの場合、その動画データの再生中に指定された特定場面のスクリーンショットのデータを取得し、そのスクリーンショットのデータから静止画データ(例えば、jpgデータ)を作成する。
【0038】
ステップ14では、ドキュメントデータ再構成部が、上記作成した静止画データに基づいてドキュメントデータを再構成し、ステップ15へ進む。
上記再構成では、ドキュメントデータ内の非静止画データを削除し、その非静止画データから作成した静止画データに入れ替えて、ドキュメントフォーマットとして成立するような処理を施すとよい。また、ドキュメントデータ内の非静止画データを残し、非静止画データから作成した静止画データを新たに含めるようにして、ドキュメントフォーマットとして成立するような処理を施す。これらの非静止画データを静止画データに入れ替える再構成処理と、非静止画データに静止画データを含ませる再構成処理のいずれかを、ユーザの指示に基づいて選択して実行する。
【0039】
ステップ15では、ドキュメントデータ再構成部が、静止画データに基づいてドキュメントデータを解析し、上記作成した静止画データがドキュメントデータ内の他の部分に重なるか否かを判断し、重ならないなら、この処理を終了し、重なるなら、ステップ16へ進む。
ステップ16では、ドキュメントデータ再構成部が、ドキュメントデータ内で静止画データが他の部分に重ならないようにドキュメントデータのレイアウトを補正して、ドキュメントデータを再構成し、この処理を終了する。
【0040】
なお、上述のステップ15の処理で、ドキュメントの内容の一部と重なりが発生しているか否かを判断する他に、静止画データがドキュメントからはみ出してしまったりしないかなどの問題についても判断し、ステップ16で上記問題を解消する補正を行うようにするとなお良い。
また、上記補正処理では、はみ出したり重なりが発生している箇所がある場合には、それ以降のドキュメント全体を後ろにずらすなどの補正処理を施し、静止画データと元のドキュメントに含まれている情報が全て表示されるように、さらに見栄え良くするドキュメントの再構成を行う。
【0041】
次に、ドキュメントデータ内に複数の静止画データを含ませる再構成の処理前と後でのドキュメントの出力例について説明する。
図12は、XPSのドキュメント内に複数の静止画データを含ませる再構成の処理前と後での出力例の説明図である。
例えば、図12の(a)と(b)に示すように、1ページ目の上部にフォント70が、下部に動画パート71がそれぞれあり、2ページ目の上部からフォント72があるドキュメントの出力例の場合、動画パート71から2つの静止画パートを作成し、動画パートと入れ替えた場合、図12の(c)に示すように、1ページ目の下部の動画パート71には1つ目の静止画パート73のスペースしかなく、2つ目の静止画パート74を次の2ページ目の上部に加えると、フォント72と重なってしまう。
【0042】
そこで、上述の補正処理により、静止画パート74に重ならないようにフォント72を下部へずらして再構成することにより、図12の(d)に示すように、2ページ目は上部に静止画パート74が、下部にフォント72が記載されて出力される。
このように、既存の文書に影響を与えることなく、非静止画から、単純な静止画より情報量の多い情報を表現することが出来るようになる。
また、非静止画では全体を再生してみないと全体像が把握できないという可能性が考えられるが、複数の静止画で表現することにより、一目で全体像がわかりやすくなるというメリットがある。
【0043】
このようにして、非静止画情報をユーザの意図する情報に変換することにより、PC上ではなく紙の上で確認などしたいときに、ユーザの意図する情報を表示することが可能になることにより、非静止画データを取り扱えない環境においても必要な情報を表現することが可能になる。
また、プリンタドライバで、この発明に係るドキュメントデータの再構成の機能を実現する場合は、印刷という2次元で表現する通常の動作フローの中で実現できるため、ユーザに特別な環境を必要としないという使いやすさ・操作性の面でもメリットがあります。
なお、この発明に係るドキュメントデータの再構成の機能はアプリケーションソフトウェアによって実現することもできる。
【0044】
この実施例の情報処理装置は、内部に動画,3D等の非静止画を含むドキュメントについて、その非静止画を、ユーザの希望する場面の静止画に代えて表示又は印刷するので、動画部分をユーザの期待する2D画像で表現して、情報量が多くより分かり易いドキュメントにすることができる。
また、非静止画を含むドキュメントについて、非静止画とその非静止画中のユーザの希望する場面の静止画とを切り替えて出力できるので、従来より情報量の多いドキュメントを提供することができる。
さらに、ドキュメント中の非静止画中のユーザが望む一場面の静止画を表示または印刷したり、その非静止画を複数の静止画に分割して表現したりすることができたり、ドキュメント中に非静止画と静止画を混在させることにより、多様な表現のドキュメントを提供するための利便性を高めることができる。
【産業上の利用可能性】
【0045】
この発明による情報処理装置とプログラムとコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、パーソナルコンピュータ,複写機,複合機を含むドキュメントデータを扱うことができる装置全般に適用することができる。
【符号の説明】
【0046】
1:クライアントPC 2:入力装置 3:表示装置 4:記憶装置 5:制御装置 6:アプリケーション実行部 7:スプーラ部 8:プリンタドライバ部 9:パラレルI/F 10:USBI/F 11:ネットワークI/F 20:ドキュメントデータ受信部 21:非静止画データ有無判断部 22:非静止画データ作成方法選択部 23:静止画データ作成部 24:ドキュメントデータ再構成部 30:非静止画データ作成方法選択画面
【先行技術文献】
【特許文献】
【0047】
【特許文献1】特開2002−215772号公報
【技術分野】
【0001】
この発明は、パーソナルコンピュータ,複写機,複合機を含む情報処理装置とプログラムとコンピュータ読み取り可能な記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
パーソナルコンピュータ,複写機,複合機を含む情報処理装置において、ワード(登録商標)などのアプリケーションの実行時にドキュメント情報(「ドキュメントデータ」ともいう)を印刷するという行為は広く一般的である。
また、動画情報(「動画データ」ともいう)中に含まれている一場面を静止画情報(「静止画データ」ともいう)として印刷する情報処理装置(例えば、特許文献1参照)も既に知られている。
さらに、ドキュメントデータ内の一部分に、動画データ,3Dデータを含む非静止画情報(「非静止画データ」ともいう)を含ませ、ドキュメントデータ内の情報量を多くすることにより、ドキュメントデータの内容をより分かり易くして、利用者の利便性を高めるということが行われている。例えば、フォントなどの静止画データと動画などの非静止画データを混在させたHTMLドキュメントデータがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、従来の情報処理装置では、ドキュメントデータ内の静止画データと非静止画データを区別して認識することはできるが、非静止画データが含まれるドキュメントデータを印刷した場合、非静止画データについては全く印刷できなかったり(例えば、特許文献1に記載の技術)、また、印刷できても、例えば動画中の任意の一場面を印刷するので、印刷されたドキュメントデータの情報量は画面上に表示した場合よりも格段に少なくなって、ドキュメントデータの内容を分り難くしてしまうという問題があった。
この発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、非静止画を含むドキュメントをユーザの望む静止画を含む表現にできるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
この発明は上記の目的を達成するため、ドキュメント情報内に非静止画情報が含まれているか否かを判断する非静止画情報有無判断手段と、上記非静止画情報有無判断手段によって非静止画情報が含まれていると判断された場合、その非静止画情報から静止画情報を作成する作成方法を選択させる静止画情報作成方法選択手段手段と、上記ドキュメント情報内に含まれている非静止画情報から上記選択された作成方法で静止画情報を作成する静止画情報作成手段と、上記静止画情報作成手段によって作成された静止画情報に基づいて上記ドキュメント情報を再構成するドキュメント再構成手段を備えた情報処理装置を提供する。
さらに、上記ドキュメント再構成手段を、上記ドキュメント情報内の非静止画情報を上記静止画情報作成手段によって作成された静止画情報に入れ替えて再構成する手段にするとよい。
また、上記ドキュメント再構成手段を、上記ドキュメント情報内に上記静止画情報作成手段によって変換された静止画情報を含ませて再構成する手段にしてもよい。
【0005】
さらに、上記ドキュメント再構成手段を、上記静止画情報作成手段によって作成された静止画情報が複数であり、その各静止画情報が前記ドキュメント情報内の他の情報に重なる場合、上記各静止画情報と重なる部分の情報を上記各静止画情報と重ならないようにずらして再構成する手段にするとよい。
また、上記ドキュメント情報内の非静止画情報と静止画情報のどちらを処理対象にするかを選択させる選択手段を設けるとよい。
さらに、上記再構成されたドキュメント情報を印刷する印刷手段を設けるとよい。
また、コンピュータに、上記の情報処理装置を構成する各手段としての機能を実現させるためのプログラムと、そのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を提供する。
【発明の効果】
【0006】
この発明による情報処理装置は、非静止画を含むドキュメントをユーザの望む静止画を含む表現にできるようにすることができる。
また、この発明によるプログラムは、コンピュータに、非静止画を含むドキュメントをユーザの望む静止画を含む表現にできるようにするための機能を実現させることができる。
さらに、この発明のコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、コンピュータに上記プログラムを容易に導入することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】図2に示すプリンタドライバ部でこの発明に係るドキュメントデータ再構成の機能を実現するための機能構成を示す機能ブロック図である。
【図2】この発明の情報処理装置の一実施例であるクライアントPCの機能構成を示すブロック図である。
【図3】図1に示すプリンタドライバ部におけるドキュメントデータ再構成処理を示すフローチャート図である。
【図4】図2に示す表示装置に表示する非静止画データ作成方法選択画面の説明図である。
【0008】
【図5】XPSのドキュメントデータ内のデータフォーマット例を示す図である。
【図6】XPSのドキュメントデータの再構成の処理前と後でのパッケージ内容の説明図である。
【図7】XPSのドキュメントの再構成の処理前と後での出力例の説明図である。
【図8】XPSのドキュメントデータ内に静止画データを含ませる再構成の前後のデータフォーマット例を示す図である。
【0009】
【図9】XPSのドキュメントデータ内に静止画データを含ませる再構成の処理前と後でのパッケージ内容の説明図である。
【図10】XPSのドキュメント内に静止画データを含ませる再構成の処理前と後での出力例の説明図である。
【図11】図1に示すプリンタドライバ部におけるレイアウトの補正処理を含むドキュメントデータ再構成処理を示すフローチャート図である。
【図12】XPSのドキュメント内に複数の静止画データを含ませる再構成の処理前と後での出力例の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、この発明を実施するための形態を図面に基づいて具体的に説明する。
〔実施例〕
図2は、この発明の情報処理装置の一実施例であるクライアントPCの機能構成を示すブロック図である。
このクライアントPC(本文中及び図中では「PC」と略して記載)1は、入力装置2,表示装置3,記憶装置4,制御装置5,パラレルインタフェース(I/F)9,USBインタフェース(I/F)10,ネットワークインタフェース(I/F)11を有する。
入力装置2は、キーボード,タッチパネル,マウスなどのポインティングデバイス装置、音声入力装置などで構成され、ユーザがPC1に対して各種の情報を入力するための装置である。
表示装置3は、CRT,LCD,LEDなどの表示装置で構成され、PC1がユーザに対して各種のドキュメント,設定画面,選択画面,メッセージを表示するための装置である。
【0011】
記憶装置4は、ROM,ハードディスクドライブなどの不揮発性記憶装置と、RAMなどの揮発性記憶装置で構成される。
制御装置5は、CPUによって実現され、上記不揮発性記憶装置に記憶された各種のプログラムを、RAMを作業領域として実行することにより、各種の機能を実現する。
この制御装置5は、例えば、マイクロソフト(Microsoft:登録商標)社のウインドウズ(Windows:登録商標)のオペレーティングシステム(OS)を、基本ソフトウエアとして採用し、そのOSによってPC1の全体制御を司り、OS上で、文書作成ソフトウエア,画像作成・編集・加工ソフトウエア,表計算ソフトウエアなどのアプリケーションソフトウエアを実行することにより、アプリケーション実行部6の機能を実現し、このアプリケーション実行部6によってドキュメントデータ(ドキュメント情報)の作成を含む各種の処理を行う。
【0012】
また、スプーラ部7は、OSの印刷機能を管理するソフトウエアモジュールであるスプーラの実行で実現される機能であり、同じくソフトウエアモジュールのプリンタドライバの実行で実現される機能のプリンタドライバ部8は、スプーラ部7の一部として動作する。この実施例では、この発明に係るドキュメントデータ再構成の機能を、プリンタドライバ部8で実現した場合を説明する。
このプリンタドライバ部8を、例えば、従来のGDIドライバによって実現した場合、この発明に係るドキュメントデータ再構成の機能を実現するには、動画データを扱えるようにするために、特殊なアプリケーションソフトウェアなどをインストールしたりしてコストがかかる。
【0013】
一方、プリンタドライバ部8を、例えば、ウインドウズビスタ(Windows Vista:登録商標)以降登場したXPSドライバ(登録商標)で実現すれば、XPSデータは動画データ,3Dデータ等の非静止画情報(非静止画データ)を含めて扱うことができるので、この発明に係るドキュメントデータ再構成の機能を実現した場合、特殊なアプリケーションを準備することなしに使用できるという、コスト的にも汎用性の面でもメリットがある。上記非静止画データには、動画データや3Dデータなどの2Dデータで表現できないデータを含む。
パラレルI/F9は、IEEE1284(登録商標)仕様に基づく入出力インターフェイスである。
USBI/F10は、USB 1.0あるいはUSB2.0仕様に基づく入出力インターフェイスである。
ネットワークI/F11は、イーサネット(登録商標)を含むローカルエリアネットワーク,インターネットなどの入出力インターフェイスである。
【0014】
図1は、図2に示すプリンタドライバ部8でこの発明に係るドキュメントデータ再構成の機能を実現するための機能構成を示す機能ブロック図である。
XPSドライバにおいてはフィルタパイプライン(FilterPipeline)というOSの仕組みを利用することになる。また、利用者は通常通り印刷することでも実現可能である。
ドキュメントデータ受信部20は、アプリケーション実行部6からドキュメントデータを受信する箇所であり、プリンタドライバのフィルタパイプラインとのインタフェース部分を意味する。すなわち、非静止画情報を含むドキュメント情報を受信する受信手段の機能に相当する。
非静止画データ有無判断部21は、ドキュメントデータ受信部20で受信したドキュメントデータ内に非静止画データが含まれているか否かを判断し、含まれていると判断したら、ドキュメントデータ内に非静止画データを静止画データ作成部23へ送る。
【0015】
例えば、ドキュメントデータのページ(Page)情報が含まれているXPSパートを検索し、タグ情報や参照されているリリソースデータの拡張子などの有無から、それが非静止画データであるか否かを判断する。すなわち、ドキュメント情報内に非静止画情報が含まれているか否かを判断する非静止画情報有無判断手段の機能に相当する。
非静止画データ作成方法選択部22は、非静止画データ有無判断部21によってドキュメントデータ内に非静止画データが含まれていると判断された場合、静止画データ作成部23へドキュメントデータを送り、非静止画データから静止画データを作成する作成方法の情報を取得し、その情報を静止画データ作成部23へ送る。
【0016】
上記作成方法の取得方法については、例えば、ドキュメントデータ内の非静止画データが含まれているページ又は対象の非静止画データを表示装置の画面上に表示し、非静止画データをどのように扱うかを選択させる非静止画データ作成方法選択画面を表示し、その非静止画データ作成方法選択画面に基づいて入力装置から入力された作成方法の選択情報を取得する。
また、予め作成方法を記載させたファイルから作成方法の情報を読み取って取得する方法もある。
一方、上記判断で非静止画データが含まれていないと判断した場合には、通常通りの印刷動作を実施する。すなわち、非静止画情報有無判断手段によって非静止画情報が含まれていると判断された場合、その非静止画情報から静止画情報を作成する作成方法を選択させる静止画情報作成方法選択手段の機能を果たす。
【0017】
静止画データ作成部23は、非静止画データ有無判断部21から受け取ったドキュメントデータ内の非静止画データから、非静止画データ作成方法選択部22から受け取った選択情報に基づいて静止画データを作成する。
その作成方法は、例えば、非静止画データのみをドキュメントデータから抜き出し、非静止画データのみをPC1上で再生して、ユーザによって指定されたフレーム数の場面を取得し、その静止画データを画像ファイルとして作成する。
また、非静止画データのみをドキュメントデータから抜き出し、非静止画データのみをPC1上で再生して表示装置に表示し、ユーザが入力装置によって指定した箇所の一場面(スクリーンショット)を取得し、そのスクリーンショットの静止画データを画像ファイルとして作成する。さらに、この作成方法に限らず、その他の公知の作成方法を用いても良い。
【0018】
ドキュメントデータ再構成部24は、ドキュメントデータ受信部20で受信したドキュメントデータを、静止画データ作成部23で作成された静止画データに基づいて再構成する。また、その再構成がドキュメントフォーマットとして成立するようにする処理も行う。
すなわち、静止画情報作成手段によって作成された静止画情報に基づいてドキュメント情報を再構成するドキュメント再構成手段の機能に相当する。
【0019】
次に、上記ドキュメントデータ再構成の機能における処理について説明する。
図3は、図1に示すプリンタドライバ部8におけるドキュメントデータ再構成処理を示すフローチャート図である。
このドキュメントデータ再構成処理は、ステップ(図中「S」で示す)1で、非静止画データ有無判断部が、ドキュメントデータを解析し、ドキュメントデータ内に非静止画データが含まれているか否かを判断し、非静止画データが含まれていないと判断した場合には、この処理を終了し、非静止画データが含まれていると判断した場合には、ステップ2へ進む。
ステップ2では、非静止画データ作成方法選択部が、静止画データの作成方法の選択情報を受信して、ステップ3へ進む。
【0020】
例えば、予め作成方法を記載させたファイルから作成方法の情報を読み取り、それを静止画データの作成方法の選択情報として受信する。または、表示装置に非静止画データ作成方法選択画面を表示し、その非静止画データ作成方法選択画面に基づいて入力装置から入力された作成方法の選択情報を受信する。
ステップ3では、静止画データ作成部が、上記受信した選択情報に基づいて非静止画データから静止画データを作成し、ステップ4へ進む。
例えば、動画データの場合、その動画データの再生中に指定された特定場面のスクリーンショットのデータを取得し、そのスクリーンショットのデータから静止画データ(例えば、jpgデータ)を作成する。
ステップ4では、ドキュメントデータ再構成部が、上記作成した静止画データに基づいてドキュメントデータを再構成し、この処理を終了する。
【0021】
上記再構成では、以下に詳述するが、ドキュメントデータ内の非静止画データを削除し、その非静止画データから作成した静止画データに入れ替えて、ドキュメントフォーマットとして成立するような処理を施すとよい。また、ドキュメントデータ内の非静止画データを残し、非静止画データから作成した静止画データを新たに含めるようにして、ドキュメントフォーマットとして成立するような処理を施すようにしてもよい。
この実施例では、非静止画データを静止画データに入れ替える再構成処理と、非静止画データに静止画データを含ませる再構成処理のいずれかを、ユーザの指示に基づいて選択して実行する場合を説明するが、いずれか一方の再構成処理を行うようにPC1を設定しても良い。
【0022】
次に、上記非静止画データ作成方法選択画面について説明する。
図4は、図2の表示装置3に表示する非静止画データ作成方法選択画面の説明図である。
この非静止画データ作成方法選択画面30では、ユーザは、非静止画データから静止画データを作成する際の作成方法を選択することができ、その選択した作成方法が、上記選択情報としてPC1内に取り込まれる。
この非静止画データ作成方法選択画面30には、非静止画データから1つの静止画データを作成するための作成方法の種類を選択する非静止画データ作成方法欄31があり、静止画データを作成しない選択項目32が選択されると、ドキュメントデータ内の非静止画データから静止画データを作成して再構成する処理を実施しない。
【0023】
また、非静止画データのフレーム数(フレーム番号)を指定する選択項目33が選択され、図中の矩形枠内に、フレーム数が入力されると、そのフレーム数に該当する非静止画データのフレームデータから1つの静止画データを作成する。
さらに、再生しながらユーザに指定させる選択項目34が選択されると、非静止画データの再生中に指定された1場面のスクリーンショットのデータを取得し、そのデータから1つの静止画データを作成する。
【0024】
また、非静止画データ作成方法選択画面30には、非静止画データから複数の静止画データを作成するための作成方法の種類を選択する非静止画データ作成方法(複数)欄35があり、指定フレーム毎の選択項目36が選択され、図中の矩形枠に指定フレーム数と作成数とが入力されると、例えば、指定フレーム数3と作成数2が入力されると、非静止画データの先頭フレームから3フレーム毎に2つのフレームを抜出し、2つの静止画データを作成する。
さらに、再生しながらユーザに指定させる選択項目37が選択されると、非静止画データの再生中に指定された各場面のスクリーンショットのデータを取得し、その各データから複数の静止画データを作成する。
【0025】
次に、上記再構成の処理におけるドキュメントフォーマットとして成立するような処理について説明する。
図5は、XPSのドキュメントデータ内のデータフォーマット例を示す図である。
図5の(a)は再構成前のデータフォーマット例を、図5の(b)は再構成後のデータフォーマット例を示しており、このXPSのドキュメントデータでは、XMLのようなタグで表現されるデータフォーマットで記載されている。
【0026】
上述の再構成の処理により、ドキュメントデータ内の非静止画データを、その非静止画データから作成した静止画データに入れ替える場合、ドキュメントデータ再構成部24は、非静止画データを削除し、作成した静止画データを保存すると共に、ドキュメントデータ内の非静止画ファイルに関する記載箇所を解析し、静止画ファイル用の記載方法への変換を行う。
すなわち、図5の(a)に破線枠40で示すように、ドキュメントデータ内に非静止画データを含ませる情報を、図5の(b)に破線枠41で示すように、ドキュメントデータ内に静止画データを含ませる情報に書き替えることにより、ドキュメントフォーマットとして成立するようにする。
【0027】
次に、上記再構成の処理前と後でのドキュメントデータのパッケージ内容について説明する。
図6は、XPSのドキュメントデータの再構成の処理前と後でのパッケージ内容の説明図である。
ここでは、XPSファイルのようにOPC仕様に基づくような複数のファイルを1つのドキュメントとして表現している例におけるドキュメンパッケージの例を示している。
例えば、OPCなどのパッケージ仕様で構成されているXPSのようなドキュメントの場合には、参照元の情報を静止画データを参照させるように変更し、参照先の非静止画データをパッケージに梱包し、元の非静止画データを削除する。
【0028】
すなわち、図6の(a)に示すように、再構成前のドキュメントデータのパッケージには、ドキュメントのページ情報50と、そのページ情報50によってレイアウトされるフォントデータ51(文字部分のデータ)と、非静止画データとして動画データ52(動画パートのデータ)が関連付けられてパッケージされており、上述したような再構成の処理により、上記動画データ52が削除され、図6の(b)に示すように、静止画データ53に入れ替えたパッケージになる。
【0029】
次に、上記再構成の処理前と後でのドキュメントの出力例について説明する。
図7は、XPSのドキュメントの再構成の処理前と後での出力例の説明図である。
例えば、図7の(a)に示すような、フォント60と動画パート61を含むドキュメントの出力例の場合、上述の非静止画データを静止画データに入れ替える再構成処理により、図7の(b)に示すように、ドキュメント内には上記動画パート61に代わって静止画パート62が出力されるようになる。
【0030】
次に、ドキュメントデータ内に非静止画データから作成した静止画データを含ませる再構成処理を行った場合のドキュメントフォーマットとして成立するような処理について説明する。
図8は、XPSのドキュメントデータ内に静止画データを含ませる再構成の前後のデータフォーマット例を示す図である。
図8の(a)は再構成前のデータフォーマット例を、図8の(b)は再構成後のデータフォーマット例を示しており、このXPSのドキュメントデータでは、XMLのようなタグで表現されるデータフォーマットで記載されている。
【0031】
上述の再構成の処理により、ドキュメントデータ内の非静止画データを残し、その非静止画データから作成した静止画データを新たにドキュメントデータ内に含ませる場合、ドキュメントデータ再構成部24は、非静止画データから作成した静止画データを保存すると共に、ドキュメントデータ内の非静止画ファイルに関する記載箇所を解析し、静止画ファイルを含ませるための記載方法への変換を行う。
すなわち、図8の(a)に破線枠70で示すように、ドキュメントデータ内に非静止画データを含ませる情報を、図8の(b)に破線枠71で示すように、ドキュメントデータ内にさらに静止画データを含ませる情報に書き替えることにより、ドキュメントフォーマットとして成立するようにする。
【0032】
次に、ドキュメントデータ内に静止画データを含ませる再構成の処理前と後でのドキュメントデータのパッケージ内容について説明する。
図9は、XPSのドキュメントデータ内に静止画データを含ませる再構成の処理前と後でのパッケージ内容の説明図である。
ここでは、XPSファイルのようにOPC仕様に基づくような複数のファイルを1つのドキュメントとして表現している例におけるドキュメントパッケージの例を示している。
例えば、OPCなどのパッケージ仕様で構成されているXPSのようなドキュメントの場合には、ドキュメントには動画ファイルが存在していたところを、静止画ファイルもパッケージに同梱し、両方とも参照する形で構成されているドキュメントパッケージを構成する。
【0033】
すなわち、図9の(a)に示すように、再構成前のドキュメントデータのパッケージには、ドキュメントのページ情報50と、そのページ情報50によってレイアウトされるフォントデータ51(文字部分のデータ)と、非静止画データとして動画データ52(動画パートのデータ)が関連付けられてパッケージされており、上述したような再構成の処理により、上記動画データ52に加え、図9の(b)に示すように、静止画データ53が含まれたパッケージになる。
【0034】
次に、ドキュメントデータ内に静止画データを含ませる再構成の処理前と後でのドキュメントの出力例について説明する。
図10は、XPSのドキュメント内に静止画データを含ませる再構成の処理前と後での出力例の説明図である。
例えば、図10の(a)に示すような、フォント60と動画パート61を含むドキュメントの出力例の場合、上述の非静止画データに加えて静止画データを含ませる再構成処理により、図10の(b)に示すように、動画パート61を含むドキュメントを出力したり、図10の(c)に示すように、静止画パート62を含むドキュメントを出力したり、いずれかを切り替えることができる。
【0035】
このように、再構成前のドキュメントでは動画で表現されていた箇所が、動画と静止画を混在するような表現になり、そのドキュメントを処理する側で、動画で表示または処理するか静止画で表示または処理するかを選択することができる。
例えば、このドキュメントをプリンタにダイレクト印刷した場合には、プリンタは2Dで表現するため、静止画パートを利用して印刷する。
また、PC1の表示装置3の画面上では動画パートを通常表示するが、印刷のプレビューなどでは静止画パートを処理するというような使用されることが考えられる。
このようにして、ドキュメント内に非静止画と静止画の両方の情報を含むことにより、1つのドキュメントで複数の用途に対応できるため、利便性が高まる。
【0036】
次に、上述の再構成において、静止画データをドキュメントデータ内に入れ替え、または含ませることによって、ドキュメント内の文字部分と重なったりはみ出したりする場合はレイアウトを整える補正処理を行ってドキュメントを見易くするとよい。
図11は、図1に示すプリンタドライバ部8におけるレイアウトの補正処理を含むドキュメントデータ再構成処理を示すフローチャート図である。
このドキュメントデータ再構成処理は、ステップ(図中「S」で示す)11で、非静止画データ有無判断部が、ドキュメントデータを解析し、ドキュメントデータ内に非静止画データが含まれているか否かを判断し、非静止画データが含まれていないと判断した場合には、この処理を終了し、非静止画データが含まれていると判断した場合には、ステップ12へ進む。
【0037】
ステップ12では、非静止画データ作成方法選択部が、静止画データの作成方法の選択情報を受信して、ステップ13へ進む。
例えば、予め作成方法を記載させたファイルから作成方法の情報を読み取り、それを静止画データの作成方法の選択情報として受信する。または、表示装置に非静止画データ作成方法選択画面を表示し、その非静止画データ作成方法選択画面に基づいて入力装置から入力された作成方法の選択情報を受信する。
ステップ13では、静止画データ作成部が、上記受信した選択情報に基づいて非静止画データから静止画データを作成し、ステップ14へ進む。
例えば、動画データの場合、その動画データの再生中に指定された特定場面のスクリーンショットのデータを取得し、そのスクリーンショットのデータから静止画データ(例えば、jpgデータ)を作成する。
【0038】
ステップ14では、ドキュメントデータ再構成部が、上記作成した静止画データに基づいてドキュメントデータを再構成し、ステップ15へ進む。
上記再構成では、ドキュメントデータ内の非静止画データを削除し、その非静止画データから作成した静止画データに入れ替えて、ドキュメントフォーマットとして成立するような処理を施すとよい。また、ドキュメントデータ内の非静止画データを残し、非静止画データから作成した静止画データを新たに含めるようにして、ドキュメントフォーマットとして成立するような処理を施す。これらの非静止画データを静止画データに入れ替える再構成処理と、非静止画データに静止画データを含ませる再構成処理のいずれかを、ユーザの指示に基づいて選択して実行する。
【0039】
ステップ15では、ドキュメントデータ再構成部が、静止画データに基づいてドキュメントデータを解析し、上記作成した静止画データがドキュメントデータ内の他の部分に重なるか否かを判断し、重ならないなら、この処理を終了し、重なるなら、ステップ16へ進む。
ステップ16では、ドキュメントデータ再構成部が、ドキュメントデータ内で静止画データが他の部分に重ならないようにドキュメントデータのレイアウトを補正して、ドキュメントデータを再構成し、この処理を終了する。
【0040】
なお、上述のステップ15の処理で、ドキュメントの内容の一部と重なりが発生しているか否かを判断する他に、静止画データがドキュメントからはみ出してしまったりしないかなどの問題についても判断し、ステップ16で上記問題を解消する補正を行うようにするとなお良い。
また、上記補正処理では、はみ出したり重なりが発生している箇所がある場合には、それ以降のドキュメント全体を後ろにずらすなどの補正処理を施し、静止画データと元のドキュメントに含まれている情報が全て表示されるように、さらに見栄え良くするドキュメントの再構成を行う。
【0041】
次に、ドキュメントデータ内に複数の静止画データを含ませる再構成の処理前と後でのドキュメントの出力例について説明する。
図12は、XPSのドキュメント内に複数の静止画データを含ませる再構成の処理前と後での出力例の説明図である。
例えば、図12の(a)と(b)に示すように、1ページ目の上部にフォント70が、下部に動画パート71がそれぞれあり、2ページ目の上部からフォント72があるドキュメントの出力例の場合、動画パート71から2つの静止画パートを作成し、動画パートと入れ替えた場合、図12の(c)に示すように、1ページ目の下部の動画パート71には1つ目の静止画パート73のスペースしかなく、2つ目の静止画パート74を次の2ページ目の上部に加えると、フォント72と重なってしまう。
【0042】
そこで、上述の補正処理により、静止画パート74に重ならないようにフォント72を下部へずらして再構成することにより、図12の(d)に示すように、2ページ目は上部に静止画パート74が、下部にフォント72が記載されて出力される。
このように、既存の文書に影響を与えることなく、非静止画から、単純な静止画より情報量の多い情報を表現することが出来るようになる。
また、非静止画では全体を再生してみないと全体像が把握できないという可能性が考えられるが、複数の静止画で表現することにより、一目で全体像がわかりやすくなるというメリットがある。
【0043】
このようにして、非静止画情報をユーザの意図する情報に変換することにより、PC上ではなく紙の上で確認などしたいときに、ユーザの意図する情報を表示することが可能になることにより、非静止画データを取り扱えない環境においても必要な情報を表現することが可能になる。
また、プリンタドライバで、この発明に係るドキュメントデータの再構成の機能を実現する場合は、印刷という2次元で表現する通常の動作フローの中で実現できるため、ユーザに特別な環境を必要としないという使いやすさ・操作性の面でもメリットがあります。
なお、この発明に係るドキュメントデータの再構成の機能はアプリケーションソフトウェアによって実現することもできる。
【0044】
この実施例の情報処理装置は、内部に動画,3D等の非静止画を含むドキュメントについて、その非静止画を、ユーザの希望する場面の静止画に代えて表示又は印刷するので、動画部分をユーザの期待する2D画像で表現して、情報量が多くより分かり易いドキュメントにすることができる。
また、非静止画を含むドキュメントについて、非静止画とその非静止画中のユーザの希望する場面の静止画とを切り替えて出力できるので、従来より情報量の多いドキュメントを提供することができる。
さらに、ドキュメント中の非静止画中のユーザが望む一場面の静止画を表示または印刷したり、その非静止画を複数の静止画に分割して表現したりすることができたり、ドキュメント中に非静止画と静止画を混在させることにより、多様な表現のドキュメントを提供するための利便性を高めることができる。
【産業上の利用可能性】
【0045】
この発明による情報処理装置とプログラムとコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、パーソナルコンピュータ,複写機,複合機を含むドキュメントデータを扱うことができる装置全般に適用することができる。
【符号の説明】
【0046】
1:クライアントPC 2:入力装置 3:表示装置 4:記憶装置 5:制御装置 6:アプリケーション実行部 7:スプーラ部 8:プリンタドライバ部 9:パラレルI/F 10:USBI/F 11:ネットワークI/F 20:ドキュメントデータ受信部 21:非静止画データ有無判断部 22:非静止画データ作成方法選択部 23:静止画データ作成部 24:ドキュメントデータ再構成部 30:非静止画データ作成方法選択画面
【先行技術文献】
【特許文献】
【0047】
【特許文献1】特開2002−215772号公報
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドキュメント情報内に非静止画情報が含まれているか否かを判断する非静止画情報有無判断手段と、
前記非静止画情報有無判断手段によって非静止画情報が含まれていると判断された場合、その非静止画情報から静止画情報を作成する作成方法を選択させる静止画情報作成方法選択手段と、
前記ドキュメント情報内に含まれている非静止画情報から前記選択された作成方法で静止画情報を作成する静止画情報作成手段と、
前記静止画情報作成手段によって作成された静止画情報に基づいて前記ドキュメント情報を再構成するドキュメント再構成手段とを備えたことを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記ドキュメント再構成手段は、前記ドキュメント情報内の非静止画情報を前記静止画情報作成手段によって作成された静止画情報に入れ替えて再構成する手段であることを特徴とする請求項1記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記ドキュメント再構成手段は、前記ドキュメント情報内に前記静止画情報作成手段によって変換された静止画情報を含ませて再構成する手段であることを特徴とする請求項1記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記ドキュメント再構成手段は、前記静止画情報作成手段によって作成された静止画情報が複数であり、その各静止画情報が前記ドキュメント情報内の他の情報に重なる場合、前記各静止画情報と重なる部分の情報を前記各静止画情報と重ならないようにずらして再構成する手段であることを特徴とする請求項2又は3記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記ドキュメント情報内の非静止画情報と静止画情報のどちらを処理対象にするかを選択させる選択手段を設けたことを特徴とする請求項3記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記ドキュメント再構成手段によって再構成されたドキュメント情報を印刷する印刷手段を設けたことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
コンピュータに、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の情報処理装置を構成する各手段としての機能を実現させるためのプログラム。
【請求項8】
請求項7記載のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項1】
ドキュメント情報内に非静止画情報が含まれているか否かを判断する非静止画情報有無判断手段と、
前記非静止画情報有無判断手段によって非静止画情報が含まれていると判断された場合、その非静止画情報から静止画情報を作成する作成方法を選択させる静止画情報作成方法選択手段と、
前記ドキュメント情報内に含まれている非静止画情報から前記選択された作成方法で静止画情報を作成する静止画情報作成手段と、
前記静止画情報作成手段によって作成された静止画情報に基づいて前記ドキュメント情報を再構成するドキュメント再構成手段とを備えたことを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記ドキュメント再構成手段は、前記ドキュメント情報内の非静止画情報を前記静止画情報作成手段によって作成された静止画情報に入れ替えて再構成する手段であることを特徴とする請求項1記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記ドキュメント再構成手段は、前記ドキュメント情報内に前記静止画情報作成手段によって変換された静止画情報を含ませて再構成する手段であることを特徴とする請求項1記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記ドキュメント再構成手段は、前記静止画情報作成手段によって作成された静止画情報が複数であり、その各静止画情報が前記ドキュメント情報内の他の情報に重なる場合、前記各静止画情報と重なる部分の情報を前記各静止画情報と重ならないようにずらして再構成する手段であることを特徴とする請求項2又は3記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記ドキュメント情報内の非静止画情報と静止画情報のどちらを処理対象にするかを選択させる選択手段を設けたことを特徴とする請求項3記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記ドキュメント再構成手段によって再構成されたドキュメント情報を印刷する印刷手段を設けたことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
コンピュータに、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の情報処理装置を構成する各手段としての機能を実現させるためのプログラム。
【請求項8】
請求項7記載のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2011−55320(P2011−55320A)
【公開日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−203285(P2009−203285)
【出願日】平成21年9月3日(2009.9.3)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年9月3日(2009.9.3)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
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