説明

情報処理装置及び情報処理方法

【課題】便利な切り出し処理を実現することができる情報処理装置及び情報処理方法を提供すること。
【解決手段】情報処理装置は、記憶部と、出力部と、生成部とを具備する。記憶部は、1つの対象物について異なる複数の解像度でそれぞれ生成された全体画像のうち任意の1つの解像度の全体画像内の位置情報と、全体画像の少なくとも1つの解像度の情報とに、ユーザーの付加情報であるマーク情報を関連付け、マーク情報が関連付けられた位置情報及び解像度の情報を、記録位置及び記録解像度の情報としてそれぞれ記憶する。出力部は、任意の1つの解像度の全体画像内の少なくとも一部の画像を、出力対象画像として表示のために出力する。生成部は、出力対象画像のうちマーク情報が関連付けられた記録位置を含む領域の画像を出力対象画像から切り出すことで、切り出し画像を生成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は、巨大画像から一部の画像を切り出すことが可能な情報処理装置及び情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載の画像処理装置は、オリジナル画像からユーザーの切り出しの範囲の構図情報を学習し、その学習により得られたトリミングルールを作成し、これを記憶しておく。そして、この画像処理装置は、そのトリミングルールに基づいて、オリジナル画像から、ユーザーの好みや癖が反映された部分の画像を切り出す(例えば、特許文献1の明細書段落[0066]参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−245404号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のように、オリジナルの全体画像から部分的な画像が自動的に切り出されることは有用であるが、さらに便利な切り出し方法の実現が望まれている。
【0005】
したがって、本技術の目的は、便利な切り出し処理を実現することができる情報処理装置及び情報処理方法を提供することにある。
【0006】
あるいは、全体画像内の一部の画像の情報を用いた何らかの機能を実現することが望まれている。
【0007】
したがって、本技術の別の目的は、全体画像内の一部の画像の情報を用いた便利な機能を実現することができる情報処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本技術に係る情報処理装置は、記憶部と、出力部と、生成部とを具備する。
前記記憶部は、1つの対象物について異なる複数の解像度でそれぞれ生成された全体画像のうち任意の1つの解像度の全体画像内の位置情報と、前記全体画像の少なくとも前記1つの解像度の情報とに、ユーザーの付加情報であるマーク情報を関連付け、前記マーク情報が関連付けられた前記位置情報及び前記解像度の情報を、記録位置及び記録解像度の情報としてそれぞれ記憶する。
前記出力部は、任意の1つの解像度の前記全体画像内の少なくとも一部の画像を、出力対象画像として表示のために出力する。
前記生成部は、前記出力対象画像のうち前記マーク情報が関連付けられた前記記録位置を含む領域の画像を前記出力対象画像から切り出すことで、切り出し画像を生成する。
【0009】
本技術では、生成部が、全体画像内のマーク情報が関連付けられた位置情報を含む、出力対象画像の一部の画像を切り出すことで、切り出し画像を生成する。したがって、ユーザーはマーク情報に関連付けられた切り出し画像を見ることができ、便利である。
【0010】
「AをBに関連付ける」という概念には、「Aに、Bを識別するIDを関連付ける」及び「Aを識別するIDに、BまたはBを識別するIDを関連付ける」の両方の意味が含まれる。
【0011】
前記生成部は、前記ユーザーにより指定された解像度を持つ前記出力対象画像から、前記切り出し画像を生成してもよい。これにより、生成部は、ユーザーにより指定された解像度で切り出し画像を生成することができ、ユーザーにとって見やすい画像が生成される。
【0012】
前記生成部は、前記ユーザーにより指定されたサイズで前記切り出し画像を生成してもよい。
【0013】
前記出力される出力対象画像を構成する出力位置群内に、複数のマーク情報がそれぞれ関連付けられた複数の記録位置が含まれる場合、前記生成部は、前記複数の記録位置の情報を含む領域の画像を、前記複数の記録位置ごとに前記出力対象画像から切り出してもよい。これにより、生成部は、複数のマーク情報の記録位置にそれぞれ対応した切り出し画像を生成することができる。
【0014】
前記生成部は、前記複数の記録位置の情報を含む領域の画像を、前記複数の記録位置の情報を含む領域の画像を、前記複数の記録位置にそれぞれ対応する複数の記録解像度ごとに前記出力対象画像から切り出してもよい。これにより、生成部は、複数のマーク情報の記録位置及び記録解像度にそれぞれ対応した切り出し画像を生成することができる。
【0015】
前記出力される出力対象画像を構成する出力位置群内に、複数のマーク情報がそれぞれ関連付けられた複数の記録位置が含まれる場合であって、前記複数の記録位置にそれぞれ対応する複数の記録解像度のうち少なくとも1つの記録解像度が、前記出力対象画像の解像度である出力解像度に一致するかまたはそれを超える場合、前記生成部は、前記少なくとも1つの記録解像度に対応する前記記録位置を含む領域の画像を、前記切り出し画像として生成してもよい。これにより、ユーザーは、現在の出力対象画像の解像度に見合った記録解像度を持つ切り出し画像を得ることができる。
【0016】
前記出力される出力対象画像を構成する出力位置群内に、複数のマーク情報がそれぞれ関連付けられた複数の記録位置が含まれる場合であって、設定された切り出しサイズを有する画像内に、前記複数の記録位置が収まる場合に、前記生成部は、前記複数の記録位置を含む領域の画像を、前記1つの切り出し画像として生成してもよい。これにより、生成部は、複数のマーク情報を含む1つの切り出し画像を生成することができる。
【0017】
前記複数の記録位置にそれぞれ対応する複数の記録解像度が、同一または所定の差分の範囲内である場合、前記生成部は、前記複数の記録位置を含む領域の画像を、前記1つの切り出し画像として生成してもよい。
【0018】
前記生成部は、前記複数の記録位置の重心を前記切り出し画像の中心とするように、前記切り出し画像を生成してもよい。これにより、生成部は、バランス良く配置された複数のマーク情報の記録位置を含む切り出し画像を生成することができる。
【0019】
前記記憶部は、前記出力部により出力された前記出力対象画像の解像度である出力解像度を含む少なくとも2段階以上の解像度で構成される解像度範囲ごとに、前記マーク情報を関連付け、前記マーク情報が関連付けられた前記解像度範囲の情報を、記録解像度範囲の情報として記憶してもよい。これにより、記憶部は、1つのマーク情報とこれに対応する1つの解像度範囲の情報とを記憶することができる。
【0020】
前記出力される出力対象画像を構成する出力位置群内に、複数のマーク情報がそれぞれ関連付けられた複数の記録位置が含まれる場合、前記生成部は、前記ユーザーにより指定された領域の画像であって、前記複数のマーク情報のうち少なくとも1つの前記マーク情報が関連付けられた少なくとも1つの記録位置を含む領域の画像を、前記切り出し画像として生成してもよい。これにより、ユーザーが任意に切り出しのための領域を指定して、切り出し画像を生成することができる。
【0021】
前記出力される出力対象画像を構成する出力位置群内に、複数のマーク情報がそれぞれ関連付けられた複数の記録位置が含まれる場合、前記生成部は、前記複数の記録位置のうち、前記ユーザーにより指定された指定キーワードを含む、前記マーク情報に含まれるキーワードに対応する1つ以上の前記記録位置を含む領域の画像を、前記切り出し画像として生成してもよい。これにより、ユーザーは、キーワードにより所望のマーク情報を選別することができる。
【0022】
前記情報処理装置は、前記生成部により生成された前記切り出し画像の情報にメタデータを生成するメタデータ生成部をさらに具備してもよい。これにより、情報処理装置は、切り出し画像に埋め込まれたメタデータを用いて各種の処理を実行できる。
【0023】
前記出力部は、前記マーク情報の一部または全部としてマーク画像が合成された前記出力対象画像を出力してもよい。すなわち、マーク情報(の存在)を表現する情報がマーク画像として可視化されることにより、ユーザーは、出力対象画像を閲覧しながら、マーク画像を基にマーク情報にアクセスすることができる。
【0024】
前記生成部は、前記マーク画像が収まるサイズを有する領域の画像を、前記全体画像から切り出すことにより、前記切り出し画像を生成してもよい。その場合、前記出力部は、前記生成された切り出し画像に前記マーク画像を合成する。
【0025】
前記情報処理装置は、取得部と、候補画面生成部とをさらに具備してもよい。前記取得部は、前記生成部が前記切り出し画像の生成を開始するためのユーザーによる入力操作の情報を取得する。前記候補画面生成部は、前記取得部により前記入力操作の情報が取得され、前記生成部により前記切り出し画像の生成が開始された場合、ユーザーに切り出し画像の保存の対象を選択させるための候補画面を生成する。
【0026】
本技術に係る他の情報処理装置は、出力部と、取得部と、生成部とを具備する。
前記出力部は、1つの対象物について異なる複数の解像度でそれぞれ生成された全体画像のうち、任意の1つの解像度の前記全体画像内の少なくとも一部の画像を、出力対象画像として表示のために出力する。
前記取得部は、前記出力対象画像を前記出力部に出力させるためにユーザーにより指定された前記全体画像内の位置情報を少なくとも含む、前記ユーザーによる操作状態の情報を取得する
前記生成部は、前記ユーザーの連続的または断続的な一連の前記指定操作に応じて前記出力部により出力される、前記位置情報及び前記解像度の情報のうち少なくとも一方が互いに異なる複数の出力対象画像のうち、前記取得部により取得された前記操作状態の情報に基づき、1以上の前記出力対象画像の少なくとも一部の領域を前記全体画像から切り出すことで、切り出し画像を生成する。
【0027】
すなわち、ユーザーによる全体画像内の閲覧軌跡上にある複数の出力対象画像のうち、ユーザーによる所定の操作を行った時、あるいは所定時間行わない時に、生成部は、1以上の出力対象画像の少なくとも一部の領域の画像を、切り出し画像として生成することができる。
【0028】
本技術に係る他の情報処理装置は、出力部と、生成部と、記録部とを具備する。
前記出力部は、1つの対象物について異なる複数の解像度でそれぞれ生成された全体画像のうち、任意の1つの解像度の前記全体画像内の少なくとも一部の画像を、出力対象画像として表示のために出力する
前記生成部は、ユーザーの入力操作に応じて、前記出力部により出力された前記出力対象画像の少なくとも一部の領域を前記全体画像から切り出すことで、切り出し画像を生成する。
前記記録部は、前記生成部により生成された前記切り出し画像の、前記全体画像内の位置情報及び前記解像度の情報に、マーク情報を関連付けて記録する。
【0029】
本技術では、記録部は、ユーザーの入力操作によって生成された切り出し画像に、マーク情報が関連付けて記録する。したがって、マーク情報をインデックスとして用いた、この切り出し画像を閲覧するための機能、このマーク情報に基づく切り出し画像の検索機能等、すなわち、この切り出し画像を用いて便利な機能を実現することができる。
【0030】
以上説明した情報処理装置は、「解像度」の情報に代えて、あるいは「解像度」の情報に加えて、Zスタックによる奥行度の情報を持つようにしてもよい。
【0031】
本技術に係る情報処理方法は、1つの対象物について異なる複数の解像度でそれぞれ生成された全体画像のうち任意の1つの解像度の全体画像内の位置情報と、前記全体画像の少なくとも前記1つの解像度の情報とに、ユーザーの付加情報であるマーク情報を関連付け、前記マーク情報が関連付けられた前記位置情報及び前記解像度の情報を、記録位置及び記録解像度の情報としてそれぞれ記憶することを含む。
任意の1つの解像度の前記全体画像内の少なくとも一部の画像が、出力対象画像として表示のために出力される。
前記出力対象画像のうち前記マーク情報が関連付けられた前記位置情報を含む領域の画像を前記出力対象画像から切り出すことで、切り出し画像が生成される。
【0032】
本技術に係る他の情報処理方法は、1つの対象物について異なる複数の解像度でそれぞれ生成された全体画像のうち、任意の1つの解像度の前記全体画像内の少なくとも一部の画像を、出力対象画像として表示のために出力することを含む。
前記出力対象画像を出力させるためにユーザーにより指定された前記全体画像内の位置情報を少なくとも含む、前記ユーザーによる操作状態の情報が取得される。
前記ユーザーの連続的または断続的な一連の前記指定操作に応じて出力される複数の出力対象画像であって前記位置情報及び前記解像度の情報のうち少なくとも一方が互いに異なる複数の出力対象画像のうち、前記取得された前記操作状態の情報に基づき、1以上の前記出力対象画像の少なくとも一部の領域を前記全体画像から切り出すことで、切り出し画像が生成される。
【発明の効果】
【0033】
以上、本技術によれば、便利な切り出し処理を実行することができる。
本技術によれば、全体画像内の一部の画像の情報を用いた便利な機能を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】図1は、本技術の一実施形態に係るマーク情報記録装置及びマーク情報提示装置を含む情報処理装置として、例えばPCのハードウェアの構成を示すブロック図である。
【図2】図2は、ピラミッド構造を有する画像の表示原理を説明するための画像ピラミッド構造を示す図である。
【図3】図3は、この画像ピラミッド構造の画像群を生成するときの手順を説明するための図である。
【図4】図4は、全体画像及び出力対象画像のそれぞれの大きさの一例を示す図である。
【図5】図5は、情報処理装置のシステム構成を示すブロック図である。
【図6】図6は、マーク情報管理部で管理されるマーク情報の管理テーブルを示す図である。
【図7】図7は、全体画像内の任意の位置に関連付けられたマーク情報であるマーク画像が合成された、出力対象画像の例を示す図である。
【図8】図8は、本技術の実施形態1に係る情報処理装置による処理を示すフローチャートである。
【図9】図9は、切り出し画像の一覧の候補画面の例を示す。
【図10】図10は、倍率、サイズ等をユーザーに指定させるための画面の例を示す。
【図11】図11A〜Cは、奥行がそれぞれ異なる画像を示す図である。
【図12】図12は、本技術の実施形態2に係る情報処理装置による処理を示すフローチャートである。
【図13】図13は、実施形態2に係る画面の例を示す。
【図14】図14は、本技術の実施形態3に係る情報処理装置による処理を示すフローチャートである。
【図15】図15は、実施形態3に係る画面の例を示す。
【図16】図16は、本技術の実施形態4で用いられる、マーク情報の管理テーブルを示す。
【図17】図17は、本技術の実施形態5に係る情報処理装置による処理を示すフローチャートである。
【図18】図18は、実施形態5に係る画面の例を示す。
【図19】図19は、本技術の実施形態6に係る情報処理装置による処理を示すフローチャートである。
【図20】図20は、実施形態6に係る画面の例を示す。
【図21】図21は、本技術の実施形態7に係る情報処理装置による処理を示すフローチャートである。
【図22】図22は、実施形態7に係る画面の例を示す。
【図23】図23は、本技術の実施形態8に係る情報処理装置による処理を示すフローチャートである。
【図24】図24は、本技術の実施形態9に係る情報処理装置による処理を示すフローチャートである。
【図25】図25は、実施形態9に係る画面の例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下、図面を参照しながら、本技術の実施形態を説明する。
【0036】
[情報処理装置の構成]
【0037】
図1は、本技術の一実施形態に係るマーク情報記録装置及びマーク情報提示装置を含む情報処理装置として、例えばPC(Personal Computer)のハードウェアの構成を示すブロック図である。
【0038】
PC100は、CPU(Central Processing Unit)101、ROM102(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)103、入出力インターフェース105、及び、これらを互いに接続するバス104を備える。
【0039】
入出力インターフェース105には、表示部106、入力部107、記憶部108、通信部109、ドライブ部110等が接続される。
【0040】
表示部106は、例えば液晶、EL(Electro-Luminescence)等を用いた表示デバイスである。
【0041】
入力部107は、例えばポインティングデバイス、キーボード、タッチパネル、マイクロフォン、その他の操作装置である。入力部107がタッチパネルを含む場合、そのタッチパネルは表示部106と一体となり得る。
【0042】
記憶部108は、不揮発性の記憶デバイスであり、例えばHDD(Hard Disk Drive)、フラッシュメモリ、その他の固体メモリである。
【0043】
ドライブ部110は、例えば光学記録媒体、磁気記録テープ、フラッシュメモリ等、リムーバブルの記録媒体111を駆動することが可能なデバイスである。これに対し上記記憶部108は、主にリムーバブルでない記録媒体を駆動する、PC100に予め搭載されたデバイスとして使用される場合が多い。
【0044】
通信部109は、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)等に接続可能な、他のデバイスと通信するためのモデム、ルーター、その他の通信機器である。通信部109は、有線及び無線のどちらを利用して通信するものであってもよい。通信部109は、PC100とは別体で使用される場合もある。
【0045】
次に、図示しない光学顕微鏡により得られた画像であって、PC100の主に記憶部108に記憶される画像及びその表示原理について説明する。図2は、その表示原理を説明するための画像ピラミッド構造を示す図である。
【0046】
本実施形態における画像ピラミッド構造50は、光学顕微鏡により同じ1つの観察の対象物15(図3参照)から得られる同一の画像について、異なる複数の解像度により生成された画像群(全体画像群)である。画像ピラミッド構造50の最下には、最も大きいサイズの画像が配置され、最上には最も小さいサイズの画像が配置される。最も大きいサイズの画像の解像度は、例えば50×50(Kpixel:キロピクセル)、あるいは図4に示すように30×40(Kpixel)である。最も小さいサイズの画像は、例えば256×256(pixel)、あるいは、256×512(pixel)である。
【0047】
つまり、同じ表示部106が、これらの画像を例えば100%でそれぞれ表示(それらの画像のピクセル数と同じ物理的なドット数でそれぞれ表示)すると、最も大きいサイズの画像が最も大きく表示され、最も小さいサイズの画像が最も小さく表示される。ここで、図2では、その表示部106の表示範囲をDとして示している。この表示範囲Dに示された領域の画像が表示部106への出力対象画像となる。
【0048】
図3は、この画像ピラミッド構造50の画像群を生成するときの手順を説明するための図である。
【0049】
まず、図示しない光学顕微鏡により所定の観察倍率で得られた元画像のデジタル画像が用意される。この元画像が、図2で示した画像ピラミッド構造50の最下の画像である最も大きいサイズの画像に相当し、つまり最も高い解像度の画像となる。したがって、画像ピラミッド構造50の最下の画像としては、比較的高倍率で観察されて得られる光学顕微鏡の画像が用いられる。
【0050】
なお、病理の分野一般においては、生体の臓器、組織、細胞、またはこれらの一部から、薄く切り取られたものが観察対象物15となる。そして、光学顕微鏡の機能を有する図示しないスキャナ装置により、ガラススライドに収められた観察対象物15が読み取られ、これにより得られたデジタル画像が、そのスキャナ装置またはその他の記憶装置に記憶される。
【0051】
このスキャナ装置または図示しない汎用コンピュータは、図3に示すように、上記のように得られた最も大きいサイズの画像から、段階的に解像度を小さくした複数の画像を生成し、これらを例えば所定サイズの単位である「タイル」単位で記憶する。1タイルのサイズは、例えば256×256(pixel)である。このように生成された画像群が画像ピラミッド構造50を形成し、この画像ピラミッド構造50がPC100の記憶部108に記憶される。実際には、PC100はそれら異なる複数の解像度の画像と、解像度の情報とをそれぞれ対応付けて記憶すればよい。なお、画像ピラミッド構造50の生成及びその記憶は、図1に示したPC100が実行してもよい。
【0052】
これらの画像ピラミッド構造50を形成する全体画像群のうち、最も大きなサイズを有する元画像以外の全体画像は、その元画像に基づき公知の圧縮方法により生成されてもよいし、例えばサムネイル画像を生成するときの公知の圧縮方法により生成されてもよい。
【0053】
PC100は、この画像ピラミッド構造50のシステムを採用するソフトウェアを用い、ユーザーの入力部107を介した入力操作の情報に応じて、画像ピラミッド構造50から所望の画像を抽出し、これを表示部106に出力する。具体的には、PC100は、ユーザーにより選択された任意の解像度の画像のうちの、ユーザーにより指定された任意の部位の画像を表示する。
【0054】
例えば、図4に示すように、異なる複数の解像度の全体画像のうち、任意の1つの解像度を有する全体画像200の、一部の画像である画像210がユーザーの入力操作により指定される。PC100は、上述のように異なる複数の解像度の全体画像200を有している。ユーザーの入力操作により画像210が指定されると、PC100は、その指定された領域の画像を出力対象画像210として表示部106に出力することができる。
【0055】
図4では、最もサイズの大きな元画像から出力対象画像210が生成される例を示している。表示部106は、生成された出力対象画像210を、例えばHD(High Definition)により表示部106が持つ画面全体の画面として表示する。表示部106は、その画面の一部に、出力対象画像を表示することも可能である。
【0056】
表示部106は、任意の解像度を持つ出力対象画像210として表示可能であり、この出力対象画像210の解像度は、元の画像である全体画像の解像度による。
【0057】
このような処理により、ユーザーは、観察倍率を変えながら観察対象物15を観察しているような感覚を得ることができる。すなわち、PC100は仮想顕微鏡として機能する。ここでの仮想的な観察倍率は、実際には解像度に相当する。
【0058】
図5は、情報処理装置のシステム構成を示すブロック図である。このシステムは、表示制御部51、ユーザー操作情報取得部52、切り出し画像生成部53、ユーザー情報管理部54、マーク情報管理部55、巨大画像管理部56及び記憶部108を有する。
【0059】
表示制御部51は、上記出力対象画像及びその他の画面の表示のための画像を生成し、出力部として機能する。表示制御部51を担うハードウェアは、主に、CPU101及び入出力インターフェース105のうち少なくとも一方である。
【0060】
ユーザー操作情報取得部52は、主に、ユーザーが出力対象画像を閲覧したり、後述するようにその出力対象画像から切り出し画像を抽出したりするための、ユーザーによる入力部107を介した入力操作の情報を取得する機能を有し、取得部として機能する。ユーザー操作情報取得部52を担うハードウェアは、主に、CPU101、入出力インターフェース105及び入力部107のうち少なくとも一方である。
【0061】
切り出し画像生成部53は、主に、後述する所定の条件にしたがって上記切り出し画像を生成する機能を有し、生成部として機能する。切り出し画像生成部53を担うハードウェアは、主にCPU101である。
【0062】
ユーザー情報管理部54は、ユーザーごとのIDを管理する。ユーザー情報管理部54は、ユーザーごとのIDに関連付けられたパスワードを管理してもよい。ユーザー情報管理部54を担うハードウェアは、主にCPU101及び記憶部108である。
【0063】
マーク情報管理部55は、主に、ユーザーの全体画像に対する付加情報であるマーク情報を管理し、後述するように、このマーク情報を、全体画像内の位置情報(座標情報)及びその解像度(倍率)の情報に関連付けて記憶する機能を有する。また、マーク情報管理部55は、上記切り出し画像生成部53と連携して、切り出し画像の生成に必要な情報を、切り出し画像生成部53に与える。マーク情報管理部55を担うハードウェアは、主にCPU101及び記憶部108である。
【0064】
マーク情報は、記号、符号、インデックス、アノテーション情報、及び、これらを表現する画像のうち少なくとも1つである。記号、符号、インデックス、アノテーション情報を表現する画像を、以下、マーク画像という。
【0065】
アノテーション情報は、テキスト、音声、画像、リンク(例えばURL:Uniform Resource Locator)等により形成される情報であり、上記の記号、符号、インデックス等と関連付けられていてもよい。
【0066】
巨大画像管理部56は、主に、上記全体画像群を記憶し、これら全体画像のうち任意の1つの解像度の全体画像を記憶部108から読み出したり、その他、全体画像の管理に関連する処理を実行したりする。巨大画像管理部56を担うハードウェアは、主にCPU101及び記憶部108である。
【0067】
図6は、マーク情報管理部55で管理されるマーク情報の管理テーブルを示す図である。この例では、マーク情報は、マーク画像及びアノテーション情報を含んでいる。アノテーション情報は、テキスト情報及び音声情報を含む。例えばID=1のマーク情報は、マーク画像及びテキスト情報を含み、音声情報は含まれていない。マーク情報は、任意の1つの解像度の全体画像内の任意の位置情報、つまり座標情報と倍率とに関連付けられ、それらが記録座標情報(記録位置情報)及び記録倍率情報(記録解像度情報)として記憶部108に記憶されている。
【0068】
図7は、全体画像内の任意の位置に関連付けられたマーク情報であるマーク画像M(M1〜M4)が合成された、出力対象画像の例を示す図である。この例では、この1つの出力対象画像210内に4つのマーク画像Mが合成されている。マーク画像Mは、円状の囲み線(例えば色が付けられた線)や色が付けられた矢印で構成される。この円状線の中、あるいは矢印の先に示される位置に、異常な細胞があることを、このマーク画像を利用してこのマーク画像をユーザーが付加している。
【0069】
マーク画像Mはどのような種類であってもよい。例えば、マーク画像Mは、図7に示すような囲み線、矢印、点、円、多角形、あるいはこれらの組み合わせにより形成され、これらのマーク画像Mはユーザーにより選択可能とされる。マーク画像Mの色も、ユーザーにより選択可能とされる。
【0070】
マーク情報の記録時においては、ユーザーは、この情報処理装置が有するアプリケーションソフトウェアを用いて、この出力対象画像を見ながら手書き入力等によりマーク画像Mのうち円状の線を付加する。矢印は、そのアプリケーションソフトウェアにより自動で付加されてもよいし、ユーザーが手動で付加してもよい。さらに、ユーザーによりアノテーション情報としてテキスト情報が生成される場合、例えば、ユーザーは入力部107を介してテキスト情報を作成する。この場合、マーク情報管理部55は、マーク画像Mと、マーク画像Mが合成された箇所の座標情報と、テキスト情報とを関連付けて記憶し、図6に示した管理テーブルを作成する。
【0071】
マーク画像Mが合成された箇所の座標情報とは、例えば円状の線の外形の重心の座標などであるが、画面内において、マーク画像Mの最上部、あるいは最左部など、どこでもよい。あるいは、マーク画像Mが図7に示したような矢印の場合、管理テーブルに記録される座標は、その矢印の先端の位置またはその先端から所定距離分離れた位置などに設定される。
【0072】
ユーザーによりマーク画像Mが付加されない場合、管理テーブルに記録される座標は、マーク情報が記録される時に出力された出力対象画像210の中心座標、あるいは、最上及び最左の座標など、どこでもよい。
【0073】
マーク画像M自体のサイズは、全体画像の解像度によらず所定のサイズで表示される。このマーク情報のサイズは、予め一定値に設定されていてもよいし、ユーザーによりカスタマイズ可能とされてもよい。
【0074】
例えば、ユーザーが、マウスで動く画面上に表示されるポインターを、記録された座標位置あるいはその近辺に位置させたり、その座標位置あるいはその近辺の位置をクリック等したりすることにより、情報処理装置は、そのテキスト情報を画面内に表示する。アノテーション情報が音声情報である場合、情報処理装置は、ユーザーによる上記のような所定の操作に応じて、その音声情報を再生する。図6に示した管理テーブルに記録されるアノテーション情報は、そのアノテーション情報を構成するファイルの所在を示すURLであってもよい。
【0075】
このように、マーク情報(の存在)を表現する情報がマーク画像Mとして可視化されることにより、ユーザーは、出力対象画像を閲覧しながら、マーク画M像を基にマーク情報にアクセスすることができる。
【0076】
[情報処理装置による処理内容]
【0077】
以下に説明するPC100の処理は、記憶部108またはROM102等の記憶されたソフトウェアと、PC100のハードウェア資源との協働により実現される。具体的には、CPU101が記憶部108またはROM102等に記憶された、ソフトウェアを構成するプログラムをRAM103にロードして実行することにより、以下の処理が実現される。説明の便宜上、処理の主体をCPU101としてその処理を説明する。
【0078】
(実施形態1)
図8は、本技術の実施形態1に係る情報処理装置による処理を示すフローチャートである。
【0079】
図7に示したような、CPU101が出力対象画像210を出力する。具体的には、出力された出力対象画像210を構成する出力座標群(出力位置群)内に、そのユーザーにより付加されたマーク情報に関連する記録座標が含まれる場合に、CPU101は、マーク画像Mを合成して出力対象画像210を出力する。その出力対象画像210に、そのユーザーにより付加されたマーク情報が複数含まれる場合には、その複数のマーク画像Mを合成して出力する(図7参照)。
【0080】
なお、ユーザー情報管理部54がユーザーを識別することができる。ユーザー情報管理部54は、例えばこの情報処理装置の(本技術に係るアプリケーションソフトウェアの)起動時またはそれの使用途中に、ユーザーにID及びパスワードでログインさせるための処理により、ユーザーを識別することができる。
【0081】
図7に示すように、この出力対象画像210を含む画面の右下には"画像切り出し"のGUI(Graphical User Interface)ボタンが設けられている。ユーザーによりこのボタンが押される等、ユーザーによる画像の切り出しの指示があった場合(ステップ101のYes)、CPU101はその切り出し指定の入力操作の情報を取得し、そのユーザーに関するマーク情報及びその関連情報を取得する(ステップ102)。関連情報とは、そのマーク情報に関連付けられた、少なくとも記録座標及び記録倍率の情報である。
【0082】
CPU101は、そのマーク情報の記録時の観察倍率(以下、単に倍率という。)における、マーク画像Mが収まるサイズを有する画像を、全体画像から切り出して、これらをRAMに設けられた一時記憶領域に保存する(ステップ103)。また、CPU101は、それらの切り出し画像に、その記録座標に対応するマーク画像Mを合成する(ステップ104)。そしてCPU101は、図9に示すような、切り出し画像30(30a〜30d)の記憶部108への保存の対象を、ユーザーに選択させるための候補画面61を生成し、これを出力する(ステップ105)。この時、CPU101は、候補画面生成部として機能する。
【0083】
これら生成された切り出し画像30の倍率は、それぞれマーク情報の記録時に出力されていた全体画像の倍率、すなわち、管理テーブルに記録された記録倍率である。したがって、これらの切り出し画像30のサイズは、それぞれ異なっている(もちろん同じ場合もある。)。しかし、図9に示した候補画面61では、CPU101はあたかもそれらが同じサイズであるかのような画像し、すなわちサムネイル画像としてそれら切り出し画像30を表示している。
【0084】
マーク画像Mが収まるサイズを有する画像を形成する場合、例えば、そのマーク画像Mの重心が、その切り出し画像30の中心座標に位置するように、それら切り出し画像30が形成されればよい。つまりこの切り出し画像30の中心座標が、マーク情報に関連付けられた記録座標となる。あるいは、マーク画像Mの重心以外の座標を基準として、切り出し画像30が形成されてもよい。
【0085】
マーク画像Mが収まるサイズとは、その切り出し画像30の縦または横のサイズが、マーク画像Mの外形の縦または横のサイズの例えば1.2〜2倍程度であるようなサイズであればよい。あるいは、切り出し画像30の縦または横のサイズが、マーク画像Mの外形の縦または横のサイズと同じであってもよい。
【0086】
CPU101は、ユーザーによる、それら切り出し画像30の倍率、奥行、サイズの変更の指示を待つ(ステップ106)。例えば図10の左上の図に示すように、その切り出し画像30の、所定の箇所に合成された、倍率、奥行及びサイズのGUIによる調整部45、46及び47を介して、ユーザーがそれらの変更の設定が可能となっている。なお、「奥行」については、後述する。
【0087】
この図10に示す例では、ユーザーにより5倍と20倍の倍率が、チェックボックス43で選択されている。図10の下に示すように、それら5及び20倍の倍率を有する全体画像内における、左上の切り出し画像30の記録座標と同じ座標(例えば中心座標)を持つ切り出し画像30の候補が配列された画面が生成される。ユーザーが決定ボタン44を押すと(ステップ107のYes)、CPU101は、それら5及び20倍の倍率を有する切り出し画像30を、対応するマーク情報に関連付けて記憶部108に保存する(ステップ108)。
【0088】
上記「奥行」について説明する。図11A〜Cは、奥行がそれぞれ異なる画像を示す図である。奥行が異なる画像とは、すなわち、顕微鏡の対物レンズのフォーカスの違いをそれぞれ持つ画像であり、これらの画像は、同一の倍率の全体画像であって、フォーカスの異なる画像である。
【0089】
実際の顕微鏡で観察された元画像の対象となる対象物は、プレパラートに収められるが、所定の薄い厚さを持っている。実際の顕微鏡での観察時に、その厚さ分、所定の複数段階でフォーカスを変えて撮像されて形成された複数の全体画像が、その厚さ方向に積層される。本実施形態ではこの技術をZスタックと呼ぶ。Zスタックによる全体画像の積層数は、例えば5〜20であるがこの範囲に限られないことは言うまでもない。
【0090】
このように、記憶部108は、同一倍率の全体画像ごとに複数のZスタックによる画像を記憶してもよい。このようなZスタック技術により、ユーザーはこの情報処理装置を用いて、あたかも、実際の所定の厚さを持つ対象物の所定の深さ位置にフォーカスを合わせて、対象物(画像)を観察することができる。すなわち、深さ位置の異なる箇所にそれぞれ別の細胞が存在する場合に本技術は有用である。図10に示した例では、ユーザーは調整部46を介して、複数段階の深さ位置で記憶された全体画像のうち1つの深さ位置に対応する全体画像を指定することができる。
【0091】
以上のように、本実施形態では、全体画像内のマーク情報が関連付けられた座標情報を含む、出力対象画像210の一部の画像が切り出されて切り出し画像30が生成される。したがって、ユーザーはマーク情報に関連付けられた切り出し画像30を見ることができ、便利である。
【0092】
本実施形態では、ユーザーにより指定された倍率、奥行及びサイズのうち少なくとも1つの条件にしたがって、切り出し画像30が生成され、ユーザーにとって見やすい画像を生成することができる。
【0093】
(実施形態2)
図12は、本技術の実施形態2に係る情報処理装置による処理を示すフローチャートである。これ以降の説明では、上記実施形態1に係る処理と同様の処理の説明を簡略化または省略し、異なる点を中心に説明する。
【0094】
実施形態2に係る処理は、出力される出力対象画像210を構成する出力座標群内に、複数のマーク情報にそれぞれ関連付けられた複数の記録座標を含む場合の処理である。上記実施形態1においても、出力対象画像210を構成する出力座標群内に、複数の記録座標を含んでいたが、実施形態1の処理は、それぞれのマーク情報(記録位置)ごとに、また、それらの記録倍率ごとに、切り出し画像を生成した。
【0095】
CPU101は、現在の出力対象画像210を構成する出力座標群内に、複数のマーク情報にそれぞれ関連付けられた複数の記録座標が含まれているか否かを判定する(ステップ203)。
【0096】
ステップ203でYesの場合、CPU101は、それら複数の記録座標にそれぞれ対応する複数の記録倍率のうち少なくとも1つの記録倍率が、現在の出力対象画像210の出力倍率に一致するかまたはそれを超えるか否かを判定する(ステップ204)。図13に示す例では、2つのマーク画像M5及びM6に対応する記録倍率のうち、マーク画像M5に対応する記録倍率が、現在の出力対象画像210の出力倍率に一致するかまたはそれを超えたとする。
【0097】
ステップ204でYesの場合、図13に示すようにCPU101は、少なくとも1つの記録倍率に対応する記録座標を含む領域32の画像を、切り出し画像30として生成する(ステップ205)。すなわち、複数の記録座標ごとに、出力対象画像から切り出し領域32が切り出される。図13に示す例では、現在の出力対象画像210の倍率に見合った、マーク画像M5に対応する切り出し画像30が生成される。一方、現在の出力対象画像210の倍率よりも小さい記録倍率を持つ、矢印で表されるマーク画像M6については無視される。その後は、CPU101は、ステップ104、105、107及び108と同様の処理をその順序で実行する。
【0098】
本実施形態によれば、ユーザーは、現在の出力対象画像210の解像度に見合った記録倍率を持つ切り出し画像30を得ることができる。
【0099】
(実施形態3)
図14は、本技術の実施形態3に係る情報処理装置による処理を示すフローチャートである。
【0100】
CPU101は、図15の上の図に示すように、1つの切り出し領域32内に、複数のマーク画像M(M7及びM8)を収めることができるか否かを判定する(ステップ303)。具体的には、CPU101は、それらマーク画像Mにそれぞれ対応する記録倍率が、同一または所定の差分の範囲内であり、かつ、設定された切り出しサイズを有する画像内に、複数の記録座標(ここでは複数のマーク画像M)が収まるか否かを判定する。
【0101】
「所定の差分の範囲内」における「所定の差分」は、例えば5、10、15など適宜、デフォルト値が設定されればよく、また、それがユーザーによりカスタマイズ可能であってもよい。設定された切り出しサイズも同様に、デフォルトのサイズ、またはそれがユーザーによりカスタマイズ可能であってもよい。
【0102】
ステップ303でYesの場合、CPU101は、1つの切り出し画像30を生成するか、マーク画像Mごとにそれぞれ切り出し画像30を生成するか、のいずれか一方を、ユーザーに選択させるための問合せを行う(例えば図示しない問合せ画面等を提示)(ステップ304)。
【0103】
ユーザーにより、マーク画像Mごとにそれぞれ切り出し画像30を生成することが選択された場合(ステップ305のNo)、CPU101は、各マーク画像Mに関連付けられた記録座標及び記録倍率に応じて、それらの記録座標をそれぞれ含む領域の画像ごとに、それらの倍率を有する切り出し画像30をそれぞれ生成する(ステップ306)。ここではこの処理に関する画面の例を図示していない。その後、CPU101は、図8に示したステップ104、105、107及び108と同様の処理をその順序で実行する(ステップ307〜310)。
【0104】
なお、ステップ306では、各記録倍率のうち少なくとも2つの記録倍率が同一または所定の差分の範囲内である場合もあり得る。ただし、このケースは、1つの切り出しサイズ内に複数の記録座標が収められないケースである。
【0105】
一方、ステップ305でYesの場合、CPU101は、その記録倍率を有する、それらの記録座標を含む領域32の1つの画像を、切り出し画像30として生成する(ステップ311)。ここで、それらの記録倍率が同一でない場合(所定の差分を有する範囲内である場合)、CPU101は、それらの記録倍率の平均値、中央値、最低値、またはこれらに最も近い値等を演算し、演算により得られた記録倍率を有する、それらの記録座標を含む領域32の1つの画像を、切り出し画像30として生成すればよい。これらの切り出し画像30の倍率の演算アルゴリズムを、ユーザーが選択できるようにしてもよい。
【0106】
ステップ311では、例えば複数の記録座標の重心位置が、その切り出し画像30の中心位置に対応するように、切り出し画像30が生成されればよい。これにより、バランス良く配置された複数のマーク画像Mの記録座標を含む切り出し画像30を生成することができる。あるいは、このような重心以外の位置が、その切り出し画像30内の所定位置に対応するように、切り出し画像30が形成されてもよい。
【0107】
ステップ311の後、CPU101は、図15の下の図に示すように、生成された切り出し画像30にマーク画像M(M7及びM8)をそれぞれ合成し、また、それらマーク画像Mに、それらを識別するための画像(例えば番号)L(L1及びL2)を合成する(ステップ312)。このマーク画像Mの識別画像Lが付与されない設定があってもよい。その後は、CPU101は、ステップ308〜310の処理を実行する。
【0108】
上記マーク画像Mの識別画像Lの付与のルールとして、例えば、ラスタスキャンのように左上から右下方向へ順番に識別画像Lを付与する、あるいは、ユーザーによるマーク情報の記録時刻順(タイムスタンプ)などがある。後者の形態を実現するためには、マーク情報の管理テーブルにはマーク情報のタイムスタンプも記録される必要がある。
【0109】
本実施形態3の処理の別の形態として、例えば次のような処理も可能である。例えば、ステップ303の代わりに、記録倍率を判定処理の対象とせず、つまり、設定された切り出しサイズを有する領域32内に、複数のマーク画像Mが収まるか否かが判定されてもよい。この場合、ステップ311においてはそれらの記録倍率はバラバラとなる。したがってこの場合、そのステップ311の代わりに、CPU101は、例えばそれらの記録倍率の最低値を算出し、この最低記録倍率を有する1つの切り出し画像30を生成すればよい。
【0110】
(実施形態4)
図16は、本技術の実施形態4で用いられる、マーク情報の管理テーブルを示す。本実施形態4では、マーク情報の記録時の記録倍率が例えばX倍であっても、そのX値を含む少なくとも2段階以上の倍率で構成される倍率範囲(記録倍率範囲(記録解像度範囲))が設定される。
【0111】
このような管理テーブルが作成された場合、CPU101は、例えば図12に示したステップ204の代わりに、現在の出力対象画像210の出力倍率が、上記の記録倍率範囲内であるか否かを判定すればよい。その判定処理においてYesの場合、CPU101はステップ205に進めばよい。
【0112】
(実施形態5)
図17は、本技術の実施形態5に係る情報処理装置による処理を示すフローチャートである。
【0113】
CPU101は、出力対象画像210内を構成する出力座標群内に、複数のマーク情報(マーク画像M9及びM10)の記録座標が含まれている場合、それらのマーク画像Mのうち少なくとも1つのマーク画像Mが収まるサイズを有する領域32の画像を、切り出し画像30として生成する(ステップ403)。
【0114】
例えば図18に示す例では、2つのマーク画像M9及びM10が接近して存在する場合に、それらすべてのマーク画像Mが収まるサイズを有する領域32を、ユーザーが入力部107を介して選択し、切り出しが実行される。
【0115】
本実施形態によれば、ユーザーが任意に切り出しのための領域32を指定して、切り出し画像30を生成することができる。
【0116】
ステップ403では、切り出し画像30の倍率は、現在出力されている出力対象画像210の出力倍率でもよいし、あるいは、CPU101は最適な倍率を選択して切り出し画像30を生成してもよい。最適な倍率とは、それら複数のマーク情報にそれぞれ対応する倍率の、平均値、中間値、最低値、またはこれらに最も近い値等である。これらの切り出し画像30の倍率の演算アルゴリズムを、ユーザーが選択できるようにしてもよい。
【0117】
(実施形態6)
図19は、本技術の実施形態6に係る情報処理装置による処理を示すフローチャートである。本実施形態は、マーク情報内にテキスト情報が含まれる場合に適用される。
【0118】
CPU101は、ユーザーにより入力されたキーワード(指定キーワード)による、画像の切り出しの指示があるか否かを判定する(ステップ501)。図20は、ユーザーによりキーワードが入力された入力ボックス48を含む画面の例を示す。CPU101は、ステップ501でYesの場合、そのキーワードを含むマーク情報及びその関連情報を取得する(ステップ502)。図20に示す例では、キーワードとして"check"、"level 3"等を含むマーク情報(マーク画像M)が表示されている。
【0119】
そして、CPU101は、そのキーワードを含むマーク情報の記録時の倍率における、少なくとも1つの記録座標を含む、そのマーク画像Mが収まるサイズを有する画像を、切り出し画像30として生成する(ステップ503)。出力対象画像210内に、そのキーワードを含むマーク情報が複数存在する場合、それらのマーク情報ごとに、切り出し画像30が生成される。
【0120】
これにより、ユーザーは、キーワードにより複数のマーク情報から所望のマーク情報を選別することができる。
【0121】
(実施形態7)
図21は、本技術の実施形態7に係る情報処理装置による処理を示すフローチャートである。本実施形態では、切り出し画像生成部53は、切り出し画像を生成するための、全体画像の閲覧モード(画像切り出し閲覧モード)を有している。このモードでは、ユーザーが全体画像をパンして閲覧している時に、ユーザーによる入力部107を介して入力される操作状態の情報に基づき、自動的に切り出し画像が生成される。
【0122】
例えば、図22において矢印で示すように、全体画像200内の右上から左下、また、左下から右上というように、ユーザーは入力部107を介して全体画像200内をパンする。すなわち、図22は、ユーザーにより連続的または断続的な一連の指定操作により、出力される、全体画像200内の出力対象画像210(矩形の破線で示す)の軌跡を示している。この軌跡上にある出力対象画像群は、その出力座標及び出力倍率のうち少なくとも一方が互いに異なる複数の画像で構成される。
【0123】
なお、本実施形態では説明の便宜のため、図22に示した画像を全体画像200のすべてとして表しており、図22は、その全体画像200内での、表示制御部51により画面として出力される出力対象画像210の軌跡を表現している。これに対して、図7、13、15などでは、それらの上の図自体が、出力対象画像210として説明している。したがって、図22中、"zoom lv = 2、0.5秒"等の吹き出しは、実施形態の説明のためのものであり、実際に画面に表示されるわけではない。
【0124】
なお、画面の右下にモードの開始ボタン49(あるいはトグル操作で表示される停止ボタンがあってもよい)が設けられているが、この開始ボタン49(及び停止ボタン)は必ずしもなくてもよい。
【0125】
CPU101は、ユーザーによるこのモードの開始の指示があった場合(ステップ601のYes)、ユーザーの閲覧軌跡を例えば一時領域に記憶する(ステップ602)。具体的には、CPU101は、その出力対象画像210の座標を、タイムスタンプ(生成日時など)をそれぞれ付けて記憶する。出力対象画像210の座標は、出力対象画像210内の所定位置の代表座標でよく、例えば、中心座標や、最左上座標等である。
【0126】
ユーザーによるこのモードの停止の指示があった場合(ステップ603のYes)、CPU101は、一時領域に記憶された、その閲覧軌跡内の出力対象画像210中、N秒(図22の例では3秒)以上、同じ位置にとどまって出力された出力対象画像210を、それらに対応する代表座標の情報に基づき、切り出し画像として生成する。その出力対象画像210が、そのN秒以上出力された画像であるか否かは、タイムスタンプにより判定され得る。
【0127】
それらの出力対象画像210を画像候補一覧(候補画面)としてユーザーに提示する(ステップ604)。すなわち、本実施形態では、上記ユーザーの操作状態とは、N秒以上、同じ位置に出力対象画像210をとどめておく操作を意味する。その操作は、ユーザーが、その同じ位置でマウス等を動かさない、などの操作である。
【0128】
ユーザーによる入力操作によってN値の変更要求があった場合(ステップ605のYes)、CPU101は、ステップ604に戻る。
【0129】
なお、上記ではCPU101は、N秒以上出力された出力対象画像210をそのまま切り出し画像として生成したが、N秒以上出力された出力対象画像210の一部を切り出し画像として生成してもよい。
【0130】
N秒以上出力された出力対象画像210ごとのその秒数に応じて、切り出し画像30のサイズを変更してもよい。例えば、CPU101は、その秒数が長いほど、その切り出し画像30のサイズを大きく(または小さく)することができる。
【0131】
(実施形態8)
図23は、本技術の実施形態8に係る情報処理装置による処理を示すフローチャートである。
【0132】
CPU101は、上記実施形態1〜7のうちいずれか1つの実施形態における、切り出し画像30の生成を実行し、上記同様に画像候補一覧をユーザーに提示し、ユーザーによるそれらの切り出し画像30の保存の指示を待つ(ステップ701〜703)。
【0133】
CPU101は、切り出し画像30のメタデータ部に、メタデータを埋め込む(生成する)(ステップ704)。この場合、CPU101は、メタデータ生成部として機能する。この場合、切り出し画像30は、JPEG(Joint Photographic Experts Group)、TIFF(Tagged Image File Format)、GIF(Graphic Interchange Format)、PNG(Portable Network Graphics)のようなファイルとして生成される。
【0134】
メタデータは、生成された切り出し画像30の座標及び倍率を含み、その他、奥行または画像サイズ等の情報を含む。また、メタデータは、情報処理装置のシステムに関する情報、その全体画像を閲覧等するためのアプリケーションソフトウェアのID(またはそのURL)の情報、あるいは、その切り出し画像30が切り出された元の全体画像の在りかを表すURL等の情報である。
【0135】
そして、CPU101は、そのメタデータを含む切り出し画像30を記憶部108に保存する(ステップ705)。
【0136】
メタデータとして、アプリケーションソフトウェアのIDまたはそのURLが生成されている場合において、例えばユーザーが、切り出し画像30の右クリック等を行い、「Viewerを起動」を選択したとする。これにより、CPU101は、そのアプリケーションソフトウェアを起動することができる。そして、例えばCPU101は、切り出し画像30が持つ座標の領域を含む画像を中心とした、全体画像60の少なくとも一部を、表示のために出力することができる。CPU101は、また、この切り出し画像30の出力を、メタデータに含まれる、倍率、奥行、サイズ等にしたがって実行することができる。
【0137】
例えば、本情報処理装置と他の情報処理装置とがLANやインターネットを介して接続されている場合において、次のような処理も可能である。本情報処理装置のアプリケーションソフトウェアを有しない当該他の情報処理装置がその切り出し画像30を表示し、「Viewerを起動」した場合、その他の情報処理装置が、本情報処理装置のアプリケーションを仮想的に用いるか、あるいはこのアプリケーションのインストールを実行すればよい。
【0138】
(実施形態9)
図24は、本技術の実施形態9に係る情報処理装置による処理を示すフローチャートである。
【0139】
CPU101は、例えばユーザーによる入力操作の情報に基づいて、全体画像から少なくとも1つの切り出し画像30を生成する(ステップ801)。ステップ802〜804は、ステップ105、107〜108と同様の処理である。
【0140】
ユーザーによる入力操作の情報とは、例えば図25に示すように、ユーザーがマウス等を用いて、出力対象画像210のうち少なくとも一部の領域34を指定した時の、その入力操作の情報である。
【0141】
CPU101は、生成された切り出し画像30の関連情報であるその座標及び倍率等の情報に基づき、マーク情報を生成する(ステップ805)。この倍率は、切り出し時に出力されている出力対象画像210の出力倍率である。
【0142】
マーク情報には、例えば倍率、切り出し時のタイムスタンプ、ユーザー情報等が含まれ、図25に示す例では、これらの情報がマーク画像Mとして、出力対象画像210(全体画像)に合成されている。
【0143】
CPU101は、ユーザーの入力操作により、そのマーク情報が修正された場合(ステップ806のYes)、その修正を反映し(ステップ807)、それら切り出し画像30及びこれに対応するマーク情報を、記憶部108に記憶する(ステップ808)。こうして得られた切り出し画像30及びこれに対応するマーク情報は、上述のマーク情報管理部55により管理される。
【0144】
本実施形態では、ユーザーの入力操作によって生成された切り出し画像30に、マーク情報が関連付けられて記録される。したがって、マーク情報(マーク画像M)をインデックスとして用いた、この切り出し画像30を閲覧するための機能、このマーク情報に基づく切り出し画像30の検索機能等、すなわち、この切り出し画像30を用いた(切り出し画像30を見るための)便利な機能を実現することができる。
【0145】
上記実施形態6において生成された切り出し画像30についても、本実施形態8による処理が適用されてもよい。
[その他の実施形態]
【0146】
本技術は、以上説明した実施形態に限定されず、他の種々の実施形態を実現することができる。
【0147】
上記実施形態では、図9に示すように、CPU101はGUIの画像切り出しボタン41をユーザーが押す等の入力操作の情報を取得した時に、CPU101は、上記各実施形態による各種の条件にしたがって切り出し画像30を生成した。しかし、CPU101は、ユーザーの入力操作の情報を取得しない場合であっても、上記各実施形態による各種の条件にしたがって切り出し画像30を生成してもよい。つまり、切り出し画像生成部53による処理には、上記各実施形態で示したように切り出し対象画像の候補画面61を介する処理のほか、それを介さない処理も含まれる。それを介さない処理とは、出力対象画像210が表示されたことをトリガーとして、上記各実施形態による各種の条件にしたがって切り出し画像30を生成する処理である。
【0148】
マーク情報として、マーク画像Mの代わりに、またはマーク画像Mに加えて、音声情報が記録座標及び記録倍率の情報に関連付けられて記録されてもよい。例えば、マーク画像Mはなくてもよい。この場合、視覚障害者等も本技術に係る情報処理装置を利用することができる。
【0149】
上記各実施形態では、観察の対象とされる対象物として、細胞や組織等の、顕微鏡により得られた画像を例に挙げた。しかし、物質(液体または結晶)、機械部品、地図等、どのような対象物にでも本技術を適用することができる。
【0150】
以上説明した各形態の特徴部分のうち、少なくとも2つの特徴部分を組み合わせることも可能である。
【0151】
本技術は以下のような構成もとることができる。
(1)1つの対象物について異なる複数の解像度でそれぞれ生成された全体画像のうち任意の1つの解像度の全体画像内の位置情報と、前記全体画像の少なくとも前記1つの解像度の情報とに、ユーザーの付加情報であるマーク情報を関連付け、前記マーク情報が関連付けられた前記位置情報及び前記解像度の情報を、記録位置及び記録解像度の情報としてそれぞれ記憶する記憶部と、
任意の1つの解像度の前記全体画像内の少なくとも一部の画像を、出力対象画像として表示のために出力する出力部と、
前記出力対象画像のうち前記マーク情報が関連付けられた前記記録位置を含む領域の画像を前記出力対象画像から切り出すことで、切り出し画像を生成する生成部と
を具備する情報処理装置。
(2)(1)に記載の情報処理装置であって、
前記生成部は、前記ユーザーにより指定された解像度を持つ前記出力対象画像から、前記切り出し画像を生成する
情報処理装置。
(3)(1)または(2)に記載の情報処理装置であって、
前記生成部は、前記ユーザーにより指定されたサイズで前記切り出し画像を生成する
情報処理装置。
(4)(1)から(3)のうちいずれか1つに記載の情報処理装置であって、
前記出力される出力対象画像を構成する出力位置群内に、複数のマーク情報がそれぞれ関連付けられた複数の記録位置が含まれる場合、前記生成部は、前記複数の記録位置の情報を含む領域の画像を、前記複数の記録位置ごとに前記出力対象画像から切り出す
情報処理装置。
(5)(4)に記載の情報処理装置であって、
前記生成部は、前記複数の記録位置の情報を含む領域の画像を、前記複数の記録位置の情報を含む領域の画像を、前記複数の記録位置にそれぞれ対応する複数の記録解像度ごとに前記出力対象画像から切り出す
(6)(1)から(3)のうちいずれか1つに記載の情報処理装置であって、
前記出力される出力対象画像を構成する出力位置群内に、複数のマーク情報がそれぞれ関連付けられた複数の記録位置が含まれる場合であって、前記複数の記録位置にそれぞれ対応する複数の記録解像度のうち少なくとも1つの記録解像度が、前記出力対象画像の解像度である出力解像度に一致するかまたはそれを超える場合、前記生成部は、前記少なくとも1つの記録解像度に対応する前記記録位置を含む領域の画像を、前記切り出し画像として生成する
情報処理装置。
(7)(1)から(3)のうちいずれか1つに記載の情報処理装置であって、
前記出力される出力対象画像を構成する出力位置群内に、複数のマーク情報がそれぞれ関連付けられた複数の記録位置が含まれる場合であって、設定された切り出しサイズを有する画像内に、前記複数の記録位置が収まる場合に、前記生成部は、前記複数の記録位置を含む領域の画像を、前記1つの切り出し画像として生成する
情報処理装置。
(8)(7)に記載の情報処理装置であって、
前記複数の記録位置にそれぞれ対応する複数の記録解像度が、同一または所定の差分の範囲内である場合、前記生成部は、前記複数の記録位置を含む領域の画像を、前記1つの切り出し画像として生成する
情報処理装置。
(9)(7)または(8)に記載の情報処理装置であって、
前記生成部は、前記複数の記録位置の重心を前記切り出し画像の中心とするように、前記切り出し画像を生成する
情報処理装置。
(10)(1)から(3)のうちいずれか1つに記載の情報処理装置であって、
前記記憶部は、前記出力部により出力された前記出力対象画像の解像度である出力解像度を含む少なくとも2段階以上の解像度で構成される解像度範囲ごとに、前記マーク情報を関連付け、前記マーク情報が関連付けられた前記解像度範囲の情報を、記録解像度範囲の情報として記憶する
情報処理装置。
(11)(1)から(3)のうちいずれか1つに記載の情報処理装置であって、
前記出力される出力対象画像を構成する出力位置群内に、複数のマーク情報がそれぞれ関連付けられた複数の記録位置が含まれる場合、前記生成部は、前記ユーザーにより指定された領域の画像であって、前記複数のマーク情報のうち少なくとも1つの前記マーク情報が関連付けられた少なくとも1つの記録位置を含む領域の画像を、前記切り出し画像として生成する
情報処理装置。
(12)(1)から(3)のうちいずれか1つに記載の情報処理装置であって、
前記出力される出力対象画像を構成する出力位置群内に、複数のマーク情報がそれぞれ関連付けられた複数の記録位置が含まれる場合、前記生成部は、前記複数の記録位置のうち、前記ユーザーにより指定された指定キーワードを含む、前記マーク情報に含まれるキーワードに対応する1つ以上の前記記録位置を含む領域の画像を、前記切り出し画像として生成する
情報処理装置。
(13)(1)から(12)のうちいずれか1つに記載の情報処理装置であって、
前記生成部により生成された前記切り出し画像の情報にメタデータを生成するメタデータ生成部をさらに具備する情報処理装置。
(14)(1)から(13)のうちいずれか1つに記載の情報処理装置であって、
前記出力部は、前記マーク情報の一部または全部としてマーク画像が合成された前記出力対象画像を出力する
情報処理装置。
(15)(14)に記載の情報処理装置であって、
前記生成部は、前記マーク画像が収まるサイズを有する領域の画像を、前記全体画像から切り出すことにより、前記切り出し画像を生成し、
前記出力部は、前記生成された切り出し画像に前記マーク画像を合成する
情報処理装置。
(16)(1)から(15)のうちいずれか1つに記載の情報処理装置であって、
前記生成部が前記切り出し画像の生成を開始するためのユーザーによる入力操作の情報を取得する取得部と、
前記取得部により前記入力操作の情報が取得され、前記生成部により前記切り出し画像の生成が開始された場合、ユーザーに切り出し画像の保存の対象を選択させるための候補画面を生成する候補画面生成部と
をさらに具備する情報処理装置。
(17)1つの対象物について異なる複数の解像度でそれぞれ生成された全体画像のうち、任意の1つの解像度の前記全体画像内の少なくとも一部の画像を、出力対象画像として表示のために出力する出力部と、
前記出力対象画像を前記出力部に出力させるためにユーザーにより指定された前記全体画像内の位置情報を少なくとも含む、前記ユーザーによる操作状態の情報を取得する取得部と、
前記ユーザーの連続的または断続的な一連の前記指定操作に応じて前記出力部により出力される、前記位置情報及び前記解像度の情報のうち少なくとも一方が互いに異なる複数の出力対象画像のうち、前記取得部により取得された前記操作状態の情報に基づき、1以上の前記出力対象画像の少なくとも一部の領域を前記全体画像から切り出すことで、切り出し画像を生成する生成部と
を具備する情報処理装置。
(18)1つの対象物について異なる複数の解像度でそれぞれ生成された全体画像のうち、任意の1つの解像度の前記全体画像内の少なくとも一部の画像を、出力対象画像として表示のために出力する出力部と、
ユーザーの入力操作に応じて、前記出力部により出力された前記出力対象画像の少なくとも一部の領域を前記全体画像から切り出すことで、切り出し画像を生成する生成部と、
前記生成部により生成された前記切り出し画像の、前記全体画像内の位置情報及び前記解像度の情報に、マーク情報を関連付けて記録する記録部と
を具備する情報処理装置。
(19)1つの対象物について異なる複数の解像度でそれぞれ生成された全体画像のうち任意の1つの解像度の全体画像内の位置情報と、前記全体画像の少なくとも前記1つの解像度の情報とに、ユーザーの付加情報であるマーク情報を関連付け、前記マーク情報が関連付けられた前記位置情報及び前記解像度の情報を、記録位置及び記録解像度の情報としてそれぞれ記憶し、
任意の1つの解像度の前記全体画像内の少なくとも一部の画像を、出力対象画像として表示のために出力し、
前記出力対象画像のうち前記マーク情報が関連付けられた前記位置情報を含む領域の画像を前記出力対象画像から切り出すことで、切り出し画像を生成する
情報処理方法。
(20)1つの対象物について異なる複数の解像度でそれぞれ生成された全体画像のうち、任意の1つの解像度の前記全体画像内の少なくとも一部の画像を、出力対象画像として表示のために出力し、
前記出力対象画像を出力させるためにユーザーにより指定された前記全体画像内の位置情報を少なくとも含む、前記ユーザーによる操作状態の情報を取得し、
前記ユーザーの連続的または断続的な一連の前記指定操作に応じて出力される複数の出力対象画像であって前記位置情報及び前記解像度の情報のうち少なくとも一方が互いに異なる複数の出力対象画像のうち、前記取得された前記操作状態の情報に基づき、1以上の前記出力対象画像の少なくとも一部の領域を前記全体画像から切り出すことで、切り出し画像を生成する
情報処理方法。
【0152】
また、本技術は以下のような構成もとることができる。
(21)1つの対象物について異なる複数の解像度でそれぞれ生成された全体画像のうち、任意の1つの解像度の前記全体画像内の少なくとも一部の画像を、出力対象画像として表示のために出力し、
ユーザーの入力操作に応じて、前記出力された出力対象画像の少なくとも一部の領域を前記全体画像から切り出すことで、切り出し画像を生成し、
前記生成された切り出し画像の、前記全体画像内の位置情報及び前記解像度の情報に、マーク情報を関連付けて記録する
情報処理方法。
【0153】
また、本技術は、コンピュータが上記各情報処理方法の各ステップを実行するためのプログラムとしての構成もとることができる。
【符号の説明】
【0154】
15…観察対象物、
30…切り出し画像
32、34…切り出し領域
52…ユーザー操作情報取得部
53…切り出し画像生成部
55…マーク情報管理部
56…巨大画像管理部
61…候補画面
100…PC
101…CPU
108…記憶部
200…全体画像
210…出力対象画像
M…マーク画像

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つの対象物について異なる複数の解像度でそれぞれ生成された全体画像のうち任意の1つの解像度の全体画像内の位置情報と、前記全体画像の少なくとも前記1つの解像度の情報とに、ユーザーの付加情報であるマーク情報を関連付け、前記マーク情報が関連付けられた前記位置情報及び前記解像度の情報を、記録位置及び記録解像度の情報としてそれぞれ記憶する記憶部と、
任意の1つの解像度の前記全体画像内の少なくとも一部の画像を、出力対象画像として表示のために出力する出力部と、
前記出力対象画像のうち前記マーク情報が関連付けられた前記記録位置を含む領域の画像を前記出力対象画像から切り出すことで、切り出し画像を生成する生成部と
を具備する情報処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理装置であって、
前記生成部は、前記ユーザーにより指定された解像度を持つ前記出力対象画像から、前記切り出し画像を生成する
情報処理装置。
【請求項3】
請求項1に記載の情報処理装置であって、
前記生成部は、前記ユーザーにより指定されたサイズで前記切り出し画像を生成する
情報処理装置。
【請求項4】
請求項1に記載の情報処理装置であって、
前記出力される出力対象画像を構成する出力位置群内に、複数のマーク情報がそれぞれ関連付けられた複数の記録位置が含まれる場合、前記生成部は、前記複数の記録位置の情報を含む領域の画像を、前記複数の記録位置ごとに前記出力対象画像から切り出す
情報処理装置。
【請求項5】
請求項4に記載の情報処理装置であって、
前記生成部は、前記複数の記録位置の情報を含む領域の画像を、前記複数の記録位置の情報を含む領域の画像を、前記複数の記録位置にそれぞれ対応する複数の記録解像度ごとに前記出力対象画像から切り出す
情報処理装置。
【請求項6】
請求項1に記載の情報処理装置であって、
前記出力される出力対象画像を構成する出力位置群内に、複数のマーク情報がそれぞれ関連付けられた複数の記録位置が含まれる場合であって、前記複数の記録位置にそれぞれ対応する複数の記録解像度のうち少なくとも1つの記録解像度が、前記出力対象画像の解像度である出力解像度に一致するかまたはそれを超える場合、前記生成部は、前記少なくとも1つの記録解像度に対応する前記記録位置を含む領域の画像を、前記切り出し画像として生成する
情報処理装置。
【請求項7】
請求項1に記載の情報処理装置であって、
前記出力される出力対象画像を構成する出力位置群内に、複数のマーク情報がそれぞれ関連付けられた複数の記録位置が含まれる場合であって、設定された切り出しサイズを有する画像内に、前記複数の記録位置が収まる場合に、前記生成部は、前記複数の記録位置を含む領域の画像を、前記1つの切り出し画像として生成する
情報処理装置。
【請求項8】
請求項7に記載の情報処理装置であって、
前記複数の記録位置にそれぞれ対応する複数の記録解像度が、同一または所定の差分の範囲内である場合、前記生成部は、前記複数の記録位置を含む領域の画像を、前記1つの切り出し画像として生成する
情報処理装置。
【請求項9】
請求項7に記載の情報処理装置であって、
前記生成部は、前記複数の記録位置の重心を前記切り出し画像の中心とするように、前記切り出し画像を生成する
情報処理装置。
【請求項10】
請求項1に記載の情報処理装置であって、
前記記憶部は、前記出力部により出力された前記出力対象画像の解像度である出力解像度を含む少なくとも2段階以上の解像度で構成される解像度範囲ごとに、前記マーク情報を関連付け、前記マーク情報が関連付けられた前記解像度範囲の情報を、記録解像度範囲の情報として記憶する
情報処理装置。
【請求項11】
請求項1に記載の情報処理装置であって、
前記出力される出力対象画像を構成する出力位置群内に、複数のマーク情報がそれぞれ関連付けられた複数の記録位置が含まれる場合、前記生成部は、前記ユーザーにより指定された領域の画像であって、前記複数のマーク情報のうち少なくとも1つの前記マーク情報が関連付けられた少なくとも1つの記録位置を含む領域の画像を、前記切り出し画像として生成する
情報処理装置。
【請求項12】
請求項1に記載の情報処理装置であって、
前記出力される出力対象画像を構成する出力位置群内に、複数のマーク情報がそれぞれ関連付けられた複数の記録位置が含まれる場合、前記生成部は、前記複数の記録位置のうち、前記ユーザーにより指定された指定キーワードを含む、前記マーク情報に含まれるキーワードに対応する1つ以上の前記記録位置を含む領域の画像を、前記切り出し画像として生成する
情報処理装置。
【請求項13】
請求項1に記載の情報処理装置であって、
前記生成部により生成された前記切り出し画像の情報にメタデータを生成するメタデータ生成部をさらに具備する情報処理装置。
【請求項14】
請求項1に記載の情報処理装置であって、
前記出力部は、前記マーク情報の一部または全部としてマーク画像が合成された前記出力対象画像を出力する
情報処理装置。
【請求項15】
請求項14に記載の情報処理装置であって、
前記生成部は、前記マーク画像が収まるサイズを有する領域の画像を、前記全体画像から切り出すことにより、前記切り出し画像を生成し、
前記出力部は、前記生成された切り出し画像に前記マーク画像を合成する
情報処理装置。
【請求項16】
請求項1に記載の情報処理装置であって、
前記生成部が前記切り出し画像の生成を開始するためのユーザーによる入力操作の情報を取得する取得部と、
前記取得部により前記入力操作の情報が取得され、前記生成部により前記切り出し画像の生成が開始された場合、ユーザーに切り出し画像の保存の対象を選択させるための候補画面を生成する候補画面生成部と
をさらに具備する情報処理装置。
【請求項17】
1つの対象物について異なる複数の解像度でそれぞれ生成された全体画像のうち、任意の1つの解像度の前記全体画像内の少なくとも一部の画像を、出力対象画像として表示のために出力する出力部と、
前記出力対象画像を前記出力部に出力させるためにユーザーにより指定された前記全体画像内の位置情報を少なくとも含む、前記ユーザーによる操作状態の情報を取得する取得部と、
前記ユーザーの連続的または断続的な一連の前記指定操作に応じて前記出力部により出力される、前記位置情報及び前記解像度の情報のうち少なくとも一方が互いに異なる複数の出力対象画像のうち、前記取得部により取得された前記操作状態の情報に基づき、1以上の前記出力対象画像の少なくとも一部の領域を前記全体画像から切り出すことで、切り出し画像を生成する生成部と
を具備する情報処理装置。
【請求項18】
1つの対象物について異なる複数の解像度でそれぞれ生成された全体画像のうち、任意の1つの解像度の前記全体画像内の少なくとも一部の画像を、出力対象画像として表示のために出力する出力部と、
ユーザーの入力操作に応じて、前記出力部により出力された前記出力対象画像の少なくとも一部の領域を前記全体画像から切り出すことで、切り出し画像を生成する生成部と、
前記生成部により生成された前記切り出し画像の、前記全体画像内の位置情報及び前記解像度の情報に、マーク情報を関連付けて記録する記録部と
を具備する情報処理装置。
【請求項19】
1つの対象物について異なる複数の解像度でそれぞれ生成された全体画像のうち任意の1つの解像度の全体画像内の位置情報と、前記全体画像の少なくとも前記1つの解像度の情報とに、ユーザーの付加情報であるマーク情報を関連付け、前記マーク情報が関連付けられた前記位置情報及び前記解像度の情報を、記録位置及び記録解像度の情報としてそれぞれ記憶し、
任意の1つの解像度の前記全体画像内の少なくとも一部の画像を、出力対象画像として表示のために出力し、
前記出力対象画像のうち前記マーク情報が関連付けられた前記位置情報を含む領域の画像を前記出力対象画像から切り出すことで、切り出し画像を生成する
情報処理方法。
【請求項20】
1つの対象物について異なる複数の解像度でそれぞれ生成された全体画像のうち、任意の1つの解像度の前記全体画像内の少なくとも一部の画像を、出力対象画像として表示のために出力し、
前記出力対象画像を出力させるためにユーザーにより指定された前記全体画像内の位置情報を少なくとも含む、前記ユーザーによる操作状態の情報を取得し、
前記ユーザーの連続的または断続的な一連の前記指定操作に応じて出力される複数の出力対象画像であって前記位置情報及び前記解像度の情報のうち少なくとも一方が互いに異なる複数の出力対象画像のうち、前記取得された前記操作状態の情報に基づき、1以上の前記出力対象画像の少なくとも一部の領域を前記全体画像から切り出すことで、切り出し画像を生成する
情報処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図5】
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【図6】
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【図8】
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【図12】
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【図14】
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【図16】
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【図17】
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【図19】
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【図21】
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【図23】
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【図24】
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【図4】
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【図7】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図13】
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【図15】
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【図18】
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【図20】
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【図22】
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【図25】
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【公開番号】特開2013−41357(P2013−41357A)
【公開日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−176601(P2011−176601)
【出願日】平成23年8月12日(2011.8.12)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】