説明

情報処理装置

【課題】 多量の画像の中からプリント注文する画像を効率よく選択することができる情報処理装置を提供する。
【解決手段】 情報処理装置としてのPCのDSPには、画像62から予め指定された特定部位71を抽出する画像抽出回路が形成されている。PCのモニタに表示される選択ウィンドウ60には、複数の画像62を表示する画像表示領域61と、画像抽出回路が抽出した画像62毎の特定部位71を拡大して表示する特定部位表示領域70とが設けられている。人物の顔などといった重要な比較ポイントとなる部分を特定部位71として指定することで、拡大操作などを行う必要がなく、画像62の選択を効率よく行うことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記念写真や商品の撮影を専門に行う写真スタジオに設置される写真撮影システムに用いられる情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、記念写真や商品の撮影を専門に行う写真スタジオに、デジタルカメラで撮影した画像をパーソナルコンピュータ(情報処理装置)のモニタ上に表示し、その場で画像のプリント注文を受け付けることができるようにした写真撮影システムが導入されている(特許文献1参照)。
【0003】
プリント注文の受け付けは、モニタ上に表示された画像を顧客に選択させ、撮影された複数の画像から必要な枚数を絞り込むことによって行われる。この際、効率よく絞り込みを行う方法として、複数の画像をモニタ上に並べて表示し、優先度の高い順にランク付けを行う方法(特許文献2参照)や、構図の似た画像同士を並べて表示し、一対一で対比して良い方を残していく方法などが知られている。
【特許文献1】特開2002−139805号公報
【特許文献2】特開2004−213428号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、プロカメラマンが撮影した画像では、画像全体を見て比較を行ったとしても然したる違いは無く、例えば、人物の顔などといった肝要な部位を拡大表示し、表情やピントの具合を見て比較を行うケースが多い。撮影枚数が多量である場合に、逐一拡大表示して比較を行うのは非常に煩わしく、上述の絞り込み方法も、必ずしも効率が良いとは言い難いものであった。
【0005】
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであって、多量の画像がある場合でも、出力する画像を効率よく選択することができる情報処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の情報処理装置は、記憶手段に記憶された複数のデジタル画像のそれぞれから、予め指定された特定部位を抽出する画像抽出手段と、前記各特定部位を拡大してモニタに並べて表示する表示制御手段とを備えたことを特徴とする。
【0007】
なお、記憶手段に予め記憶された属性データを基にして、前記複数のデジタル画像のそれぞれから同一属性の部位を検出し、検出した各部位を前記複数のデジタル画像毎の前記特定部位として指定する自動指定手段を設けることが好ましい。
【0008】
また、オペレータからの操作指示によって一つのデジタル画像の前記特定部位が指定された際に、その特定部位の属性を、前記記憶手段に予め記憶された属性データを基にして判定する属性判定手段と、前記属性判定手段が判定した属性を基にして、残りのデジタル画像のそれぞれから同一属性の部位を検出し、検出した各部位を前記残りのデジタル画像毎の前記特定部位として指定する自動指定手段とを設けるようにしてもよい。
【0009】
さらに、前記自動指定手段は、一つのデジタル画像から同一属性の部位を複数検出した際に、それぞれの部位を前記モニタに表示し、前記特定部位として指定する部位を前記オペレータに選択させることが好ましい。
【0010】
なお、前記自動指定手段は、一つのデジタル画像から同一属性の部位を複数検出した際に、前記複数のデジタル画像のそれぞれについて前記記憶手段に予め記憶された定義データを参照し、その定義データに基づいて、前記特定部位として指定する部位を決定するものであってもよい。
【0011】
また、前記記憶手段は、前記定義データとして少なくとも撮影内容、撮影シーン、服装、被写体の情報を記憶していることが好ましい。
【0012】
また、前記属性には、少なくとも人物、動物、人工造形物、風景が含まれ、前記属性データは、前記各属性を表す、周波数特性、濃度特性、色相特性、形状特性のいずれかから構成されていることが好ましい。
【0013】
さらに、前記特定部位は、前記オペレータからの操作指示によって、前記複数のデジタル画像毎に予め指定されるものであってもよい。
【発明の効果】
【0014】
本発明の情報処理装置によれば、複数のデジタル画像のそれぞれから、予め指定された特定部位を抽出する画像抽出手段と、各特定部位を拡大してモニタに並べて表示する表示制御手段とを備えたので、例えば、人物の顔などといった重要な比較ポイントとなる部分を特定部位とし、拡大してモニタに並べて表示することによって、オペレータが拡大操作を行う必要がなく、各デジタル画像を一括して比較することができるので、出力する画像を効率よく選択することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
図1において、写真撮影システム2は、婚礼や七五三などの記念撮影や商品撮影を専門に取り扱う写真スタジオに設置され、デジタルカメラ10で撮影して得られた画像データ、あるいは、メモリカードやCD−Rなどの記録媒体11に記録された画像データ(写真フイルムをTIFFまたはJPEG形式でデジタイズしたものも含む)を、情報処理装置としてのパーソナルコンピュータ(以下、PCと略す)12に取り込み、その画像データで表される画像(デジタル画像)をPC12のモニタ13上に表示して画像のプリント注文を受け付け、写真スタジオに備え付けのプリンタ14や、プリントラボ15に設置された業務用プリンタ16で、注文内容に応じたプリントを作成するものである。
【0016】
デジタルカメラ10、プリンタ14は、例えば、IEEE1394、USB(Universal Serial Bus)などに準拠した通信ケーブルや、無線LANなどによりPC12に接続され、PC12とのデータの相互通信が可能となっている。なお、記録媒体11も同様に、専用のドライバを介してPC12とのデータの遣り取りが可能となっている。また、プリントラボ15へのプリント注文は、例えば、インターネット回線を利用したネット注文や、注文書を介した注文などによって行われる。
【0017】
デジタルカメラ10の内部構成を示す図2において、CPU20は、データバス21を介して各部に接続され、デジタルカメラ10全体の動作を統括的に制御する。ROM22には、デジタルカメラ10を動作させるための各種プログラムやデータが記憶されている。CPU20は、これらのプログラムやデータをROM22から作業用メモリであるRAM23に読み出して、各種処理を実行する。また、CPU20は、シャッタレリーズを行わせるためのレリーズボタンや、絞り、シャッタ速度、ズーム倍率、撮影感度などを設定するための各種設定ボタンで構成される操作部24からの入力を受けて、デジタルカメラ10の各部を動作させる。
【0018】
撮像部25は、周知の撮像レンズやCCDを備え、被写体の光学像を光電変換してデジタルの画像データを出力する。撮像部25から出力された画像データは、RAM23に一旦格納される。この画像データは、ホワイトバランス処理などの画像処理が施されていない原画像データ(RAWデータ)であり、例えば、RGBの色毎に12ビットで表現される階調値を持った多数の画素データから構成される。
【0019】
画像処理回路26は、RAM23から原画像データを読み出して、RGBの色毎の階調値を8ビットに縮小するとともに、ホワイトバランス処理や階調変換処理などの適当な画像処理を施す。
【0020】
圧縮・伸長処理回路27は、画像処理回路26で画像処理が施された画像データに対して、JPEGで定められたフォーマットに従って圧縮処理を施し、圧縮画像データを出力する。また、画像処理済みの画像データに間引き演算を施すことで、例えば、1280×960ピクセルのJPEG画像データ(以下、サムネイル画像データと称す)を出力する。圧縮・伸長処理回路27で圧縮処理された画像データは、メディアコントローラ28を経由してメモリカード29に記録される。
【0021】
LCD30は、LCDドライバ31の制御の下に、被写体像のスルー画像を表示するとともに、撮影した画像を再生表示する。通信I/F32は、撮像部25から出力された原画像データ、圧縮・伸長処理回路27から出力された圧縮画像データおよびサムネイル画像データを、前述の通信ケーブルや無線LANを介してPC12に送信する。
【0022】
PC12の内部構成を示す図3において、PC12は、データバス36を介して各部に接続され、PC12全体の動作を統括的に制御するCPU35と、写真撮影システム用プログラム(以下、単にプログラムと称す)38などのPC12を動作させるための各種プログラムや、これらのプログラムに用いられる各種のデータなどが記憶された記憶手段としてのハードディスクドライブ(HDD)37と、CPU35から画像データを受け渡された際に、その画像データに対して種々の画像処理を行うデジタルシグナルプロセッサー(DSP)39と、モニタドライバ40の制御の下に、後述する顧客管理ウィンドウ50(図4参照)や、選択ウィンドウ60(図5参照)などを表示するモニタ13と、デジタルカメラ10や記録媒体11から送信される各画像データの受信とともに、プリンタ14や業務用プリンタ16へのプリント指令の送信を媒介する通信I/F41とから構成されている。
【0023】
CPU35は、プログラム38や各種のデータをHDD37から作業用メモリであるRAM42に読み出して、各種処理を実行する。また、CPU35は、キーボードやマウスなどからなる操作部43を介してオペレータからの操作指示を受け、PC12の各部を動作させる。
【0024】
HDD37に記憶されるデータには、例えば、デジタルカメラ10から送信される各画像データ、及び顧客の個人情報やプリント注文の内容などを示す顧客管理データなどがある。さらにHDD37には、人物(全体像、顔など)、動物(犬、猫、鳥など)、人工造形物(乗物、建物、道具、衣服など)、風景(山、海、森林、花など)などといった画像の属性を示す属性データが、予め記憶されている。この属性データは、例えば、各属性を表す画像の平均的な周波数特性、濃度特性、色相特性、形状特性などの諸特性によって構成されており、画像から特定の部位を抽出する際などに用いられる。
【0025】
プログラム38は、デジタルカメラ10による撮影、記録媒体11からの画像データの取り込み、顧客へのプレゼンテーションおよびプリント注文する画像の選択、トリミングや色調整などの検定、プリント注文、発注、照合までの工程を、PC12で一括して処理することができるようにしたものであり、CD−ROM、DVD−ROMなどの記録媒体からHDD37にインストールされる。
【0026】
操作部43が操作されてプログラム38が起動すると、モニタ13には、図4に示す顧客管理ウィンドウ50が表示される。顧客管理ウィンドウ50は、操作部43からの操作入力により、新規顧客の登録や登録内容の修正、削除、顧客の検索などを行うためのもので、写真撮影システム2の顧客の個人情報(オーダーID、受付ID、氏名、電話番号)とともに、撮影日時、撮影内容(婚礼、七五三、赤ちゃんなど)、工程の進行状況などが一覧51として表示される。また、顧客管理ウィンドウ50の上部には、対象となっている顧客の情報52が表示される。対象となっている顧客は、一覧51上でカーソル53(図中ハッチングで示す)により他の顧客と区別される。なお、対象となる顧客の選択は、例えば、操作部43のマウスの操作に対応するポインタ55を、各顧客の欄に合わせてクリックしたり、操作部43のキーボードに設けられた十字キーを押圧操作することによって行われる。
【0027】
顧客管理ウィンドウ50の下部には、各工程に移行するためのボタン群(「撮影」、「取り込み」、「選択」、「注文」、「合成」、「検定」、「ラボ発注」、「自家処理」、および「照合」ボタン)54が配されている。一覧51で対象となる顧客を選択した後、これらのボタン群54のいずれかにポインタ55を合わせてクリックすることで、対応する工程に移行するとともに、各工程用のウィンドウに表示が切り替わる。プログラム38は、撮影工程や取り込み工程で得られた各画像データと個人情報や注文情報などの顧客管理データとを互いに関連付けてHDD37に記憶し、顧客毎に一括した管理を行えるようにしている。
【0028】
顧客管理ウィンドウ50において、「撮影」ボタンがクリックされると、デジタルカメラ10による被写体の撮影を補助する撮影工程に移行する。撮影工程にあるPC12は、デジタルカメラ10から送信される各画像データを、顧客管理データと関連付けてHDD37に記憶していくとともに、その画像データで表される画像をモニタ13に表示するなどして、撮影を補助する。「取り込み」ボタンがクリックされると、記録媒体11から画像データを取り込む取り込み工程に移行する。
【0029】
「選択」ボタンがクリックされると、モニタ13の表示が、図5に示す選択ウィンドウ60に切り替わり、顧客へのプレゼンテーションおよびプリント注文する画像の選択を行う選択工程に移行する。選択ウィンドウ60の画像表示領域61には、顧客管理ウィンドウ50で選択された顧客について、撮影工程や取り込み工程で取得された全ての画像62が表示される。分割表示された個々の画像コマ61aには、画像62とともに、その画像62を表す圧縮画像データのファイルネームと、その画像62をプリント注文するか否かの選択結果を入力するチェックボックス63とが表示されている。
【0030】
チェックボックス63には、プリント注文の対象にすることを示す「○」ボタンと、検討中を示す「△」ボタンと、プリント注文の対象外にすることを示す「×」ボタンとが設けられており、オペレータが顧客とともに各画像62の映り具合などを判定し、その結果をチェックボックス63に入力していくことにより、プリント注文する画像62の選択が行われる。また、画像表示領域61の右端には、表示する画像62が多量である場合に、表示する画像62を順次送っていくためのスクロールバー64が設けられている。
【0031】
画像表示領域61の下部には、「選択終了」ボタン65と、「環境設定ボタン」66と、「特定部位抽出」ボタン67とが設けられている。プリント注文する画像62の選択が終了した後、「選択終了」ボタン65をクリックすると、選択工程が終了し、モニタ13の表示が、選択ウィンドウ60から顧客管理ウィンドウ50に戻る。「環境設定ボタン」66がクリックされると、選択ウィンドウ60内に環境設定リスト(図示は省略)が表示され、例えば、画像表示領域61に表示する画像62のサイズ(分割数)などといった選択工程に係る各種の環境設定を設定することができる。
【0032】
「特定部位抽出」ボタン67がクリックされると、図6に示すように、ポインタ55が、所定の抽出サイズに応じた切り出し枠68に切り替わり、各画像62から特定部位を抽出するモードになる。なお、切り出し枠68の抽出サイズは、環境設定によって任意に変更することができる。
【0033】
ここで一旦図3に戻って、DSP39には、画像抽出回路(画像抽出手段)44と、属性判定回路(属性判定手段)45と、自動指定回路(自動指定手段)46とが形成されている。画像抽出回路44は、切り出し枠68によって各画像62のいずれか一つから、例えば、人物の顔などといった特定部位が指定された際に、CPU35からその画像62と特定部位の位置情報とを受け取り、画像62から特定部位のみを抽出する。属性判定回路45は、画像抽出回路44が抽出した特定部位の諸特性を解析し、その解析結果とHDD37に予め記憶された属性データとを対比することによって、抽出した特定部位の属性を判定する。自動指定回路46は、属性判定回路45が判定した属性を基に、残りの画像62の諸特性を解析して残りの画像62から同一属性の部位を検出し、検出した各部位を残りの画像62の特定部位として指定する。
【0034】
また、画像抽出回路44は、自動指定回路46が特定部位を指定した残りの画像62からも、それぞれの特定部位を抽出し、全ての画像62から同一属性を有する特定部位を抽出する。なお、画像抽出回路44による特定部位の抽出は、例えば、コピーされた画像62に対して行われたり、特定部位のみをコピーすることによって行われ、抽出によって元となった画像62が破損することはない。また、これらの回路44、45、46は、DSP39に限らず、FPGAに形成するようにしてもよいし、ディスクリートで形成するようにしてもよい。さらには、画像抽出手段、属性判定手段、自動指定手段として、上述の処理を行うソフトウェアをHDD37に記録するようにしてもよい。
【0035】
全ての画像62から特定部位が抽出されると、図7に示すように、画像表示領域61が縮小され、縮小された部分に抽出した各特定部位71を拡大して表示する特定部位表示領域70が形成される。各画像62のチェックボックス63とスクロールバー64、及び各特定部位71のチェックボックス72とスクロールバー73は、互いに連動しており、一方を操作すると、その操作が他方にも反映されるようにされている。これにより、各画像62と各特定部位71とで違う選択結果が入力されることを防止できるとともに、常に各画像62に対応した各特定部位71を表示させることができる。但し、特定部位表示領域70のチェックボックス72は、操作性を向上させるためのものであるから、画像表示領域61のチェックボックス63のみで選択結果を入力するようにしてもよい。なお、各特定部位71の表示方法は、図示によるものに限らず、例えば、別ウィンドウに表示するものでもよいし、画像表示領域61と特定部位表示領域70とを切り替え表示するものなどであってもよい。
【0036】
また、各特定部位71は、プログラム38をCPU35が逐次処理し、モニタドライバ40を制御することによってモニタ13に表示されるものである。すなわち、本例における請求項記載の表示制御手段は、CPU35とプログラム38とモニタドライバ40とによって構成される。
【0037】
また、自動指定回路46は、例えば、DSC003、DSC004、DSC006などの人物の顔のように、一つの画像62から同一属性の部位を複数検出した際に、図8に示すように、その画像62を小ウィンドウ75としてモニタ13にポップアップ表示し、特定部位71として指定する部位をオペレータに選択させる。この際、小ウィンドウ75には、画像62とともに検出した部位を示す検出枠76が各部位のそれぞれに表示され、選択は、この検出枠76のいずれかをクリックすることによって行われる。なお、小ウィンドウ75に画像62を表示する代わりに、検出した各部位のみを表示するようにしてもよい。また、上述のように同一属性の部位が複数ある際には、特定部位71として指定する部位を、後からでも変更できるようにしておくことが好ましい。
【0038】
図4に戻って、「注文」ボタンが選択されると、選択工程で選択された画像のプリントサイズ、プリント枚数などを入力する注文工程に移行する。「合成」ボタンが選択されると、選択工程で選択された画像を規定のレイアウト枠に配置して、オリジナルのフォトアルバムを作成する合成工程に移行する。「検定」ボタンが選択されると、写真撮影システム2が設置された写真スタジオで推奨する仕上がりとなるように、画像データに色補正や階調補正を施す検定工程に移行する。
【0039】
「ラボ発注」ボタンが選択されると、注文工程で設定されたプリントサイズおよびプリント枚数にて、選択工程で選択された画像のプリント注文をプリントラボ15の業務用プリンタ16に発注するラボ発注工程に移行する。「自家処理」ボタンが選択されると、選択工程で選択された画像をプリンタ14でプリントする自家処理工程に移行する。また、自家処理工程では、選択された画像を、例えば、CD−RやDVD−Rなどの記録メディアに書き込むことができる。すなわち、請求項1記載の『出力する』には、プリントラボ15への発注と、プリンタ14でのプリントと、記録メディアへの書き込みとを含めるものとする。「照合」ボタンが選択されると、プリントラボ15の業務用プリンタ16に発注したプリントが写真スタジオに納品されたときに、プリントの内容確認・照合を行うためのインデックスプリントを作成する照合工程に移行する。
【0040】
次に、上記構成を有する写真撮影システム2の作用について、図9のフローチャートを参照して説明する。まず、PC12とデジタルカメラ10、プリンタ14、および業務用プリンタ16とを相互通信可能なように接続し、写真撮影システム2を構築する。
【0041】
次いで、操作部43を操作してプログラム38を起動し、モニタ13に顧客管理ウィンドウ50(図4参照)を表示させる。顧客管理ウィンドウ50では、新規顧客の登録や登録内容の修正、削除、顧客の検索などが行われる。
【0042】
「撮影」ボタンがクリックされて撮影工程に移行し、デジタルカメラ10による撮影が開始されると、原画像データ、圧縮画像データ、およびサムネイル画像データが、通信I/F41を経由してHDD37に記憶される。取り込み工程では、記録媒体11からHDD37への画像データの取り込みが行われる。撮影工程、及び取り込み工程でHDD37に記憶される各画像データは、顧客管理データと互いに関連付けられて、顧客毎に一括管理される。
【0043】
「選択」ボタンがクリックされて選択工程に移行すると、モニタ13の表示が、顧客管理ウィンドウ50から選択ウィンドウ60(図5参照)に切り替わる。選択ウィンドウ60には、顧客管理ウィンドウ50で選択された顧客についての全ての画像62が表示され、オペレータが顧客とともに各画像62の映り具合などを判定し、その結果をチェックボックス63に入力していくことにより、プリント注文する画像62の選択が行われる。
【0044】
この際、「特定部位抽出」ボタン67をクリックすると、ポインタ55が切り出し枠68(図6参照)に切り替わる。この切り出し枠68を、例えば、人物の顔などといった部位に合わせてクリックすると、その部位がクリックされた画像62の特定部位71として指定される。一つの画像62の特定部位71が指定されると、その画像62と、特定部位71の位置情報とが画像抽出回路44に送られ、画像抽出回路44によって画像62から特定部位71のみが抽出される。
【0045】
抽出された特定部位71は、属性判定回路45に送られ、その属性が判定される。属性の判定が終了すると、自動指定回路46によって、残りの画像62から同一属性の部位が検出され、検出された各部位が残りの画像62の特定部位71として指定される。残りの画像62の特定部位71も、同様に画像抽出回路44によって抽出され、全ての画像62から同一属性を有する特定部位71が抽出される。抽出された各特性部位71は、図7に示すように、拡大してモニタ13に並べて表示される。表示された画像62、及び特定部位71の映り具合などを確認しながら、プリント注文する画像62の選択が終了した後、「選択終了」ボタン65をクリックすることで、選択工程が終了する。
【0046】
本実施形態のPC12によれば、プリント注文する画像62を選択する際に、画像62の全体と、画像62から抽出されて拡大表示される特定部位71とを確認することができる。これにより、例えば、人物の顔などといった重要な比較ポイントとなる部分を特定部位71として指定し、拡大してモニタ13に並べて表示することによって、オペレータが拡大操作などを行うことなく各画像62を一括して比較することができるので、プリント注文する画像62を効率よく選択することができる。
【0047】
また、多量の画像62がある際にも、オペレータが指定する特定部位71は一つでよく、残りの画像62の特定部位71は、自動指定回路46が指定するので、オペレータの手を煩わせることもない。かつ、HDD37に予め属性データさえ記憶させておけば、人物の顔、ペット、商品などといった複数の属性に対して即座に対応する汎用性の高いシステムを構築することができる。
【0048】
なお、上記実施形態では、オペレータに一つの特定部位71を指定させ、その特定部位71の属性を判定し、同じ属性を有する部位を検出することによって、残りの画像62の特定部位71を指定するようにしているが、特定部位71の指定方法は、上記に限ることなく、例えば、環境設定において予め抽出する属性を登録しておき、「特定部位抽出」ボタン67がクリックされたことに応じて、各画像62の諸特性を自動指定回路46に解析させ、同一属性の部位を検出することによって、各特定部位71を指定するようにしてもよい。また、切り出し枠68を用いて、オペレータが各画像62の特定部位71を、手動で指定するようにしてもよい。さらに、これらの指定方法を、環境設定で変更できるようにしてもよい。
【0049】
また、上記実施形態では、切り出し枠68を用いて特定部位71を指定するようにしているが、これに限ることなく、例えば、ポインタ55で画像62をクリックし、クリックされた地点を中心とした所定の抽出サイズで特定部位71を指定するようにしてもよい。
【0050】
さらに、上記実施形態では、自動指定回路46が一つの画像62から同一属性の部位を複数検出した際に、その画像62を小ウィンドウ75(図8参照)としてモニタ13にポップアップ表示し、特定部位71として指定する部位をオペレータに選択させるようにしているが、撮影内容(結婚式、七五三、成人式など)、撮影シーン(式場、スタジオ、ロケなど)、服装(ウェディング、和装、洋装など)、被写体(男性、女性、大人、子供、立ち位置など)などといった情報を画像62毎の定義データとして予めHDD37などに記憶させておき、同一属性の部位を複数検出した際に、この定義データを参照して、例えば、結婚式のスタジオ撮影であれば、左側に位置する顔を女性と認識したり、七五三の撮影であれば、最も低い位置にある顔を子供と認識するなど、定義データに基づいて、各画像62で最も重要となる被写体を自動指定回路46で判定して、特定部位71として指定する部位を自動的に決定するようにしてもよい。
【0051】
なお、上記実施形態では、記憶手段として、いわゆる内蔵型のHDD37を示しているが、インターネットやLAN、さらにはUSBやIEEE1394などを介して接続される、いわゆる外付け型のHDDとしてもよい。また、HDDに限ることなく、リード/ライトが可能で、かつ不揮発性のメモリであれば、例えば、RAMやフラッシュROMなどの、他のメモリを用いてもよい。
【0052】
また、操作の簡便化を図るために、モニタ13をタッチパネルで構成し、モニタ13の画面に顧客が指を接触させることで、各種選択操作を行わせるようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】写真撮影システムの構成を示す概略図である。
【図2】デジタルカメラの内部構成を示すブロック図である。
【図3】パーソナルコンピュータの内部構成を示すブロック図である。
【図4】顧客管理ウィンドウを示す説明図である。
【図5】選択ウィンドウを示す説明図である。
【図6】選択ウィンドウに切り出し枠が表示された状態を示す説明図である。
【図7】選択ウィンドウに特定部位が表示された状態を示す説明図である。
【図8】選択ウィンドウに小ウィンドウが表示された状態を示す説明図である。
【図9】写真撮影システムの選択工程における処理手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0054】
2 写真撮影システム
10 デジタルカメラ
12 パーソナルコンピュータ(PC、情報処理装置)
13 モニタ
20 CPU
25 撮像部
27 圧縮・伸長処理回路
35 CPU
37 ハードディスクドライブ(HDD、記憶手段)
38 写真撮影システム用プログラム(プログラム)
39 DSP
43 操作部
44 画像抽出回路(画像抽出手段)
45 属性判定回路(属性判定手段)
46 自動指定回路(自動指定手段)
50 顧客管理ウィンドウ
60 選択ウィンドウ
62 画像(デジタル画像)
63 チェックボックス
68 切り出し枠
71 特定部位
75 小ウィンドウ


【特許請求の範囲】
【請求項1】
記憶手段に記憶された複数のデジタル画像をモニタに並べて表示し、前記複数のデジタル画像の中から出力するデジタル画像をオペレータに選択させる情報処理装置において、
前記複数のデジタル画像のそれぞれから、予め指定された特定部位を抽出する画像抽出手段と、
前記各特定部位を拡大して前記モニタに並べて表示する表示制御手段とを備えたことを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記記憶手段に予め記憶された属性データを基にして、前記複数のデジタル画像のそれぞれから同一属性の部位を検出し、検出した各部位を前記複数のデジタル画像毎の前記特定部位として指定する自動指定手段を設けたことを特徴とする請求項1記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記オペレータからの操作指示によって一つのデジタル画像の前記特定部位が指定された際に、その特定部位の属性を、前記記憶手段に予め記憶された属性データを基にして判定する属性判定手段と、
前記属性判定手段が判定した属性を基にして、残りのデジタル画像のそれぞれから同一属性の部位を検出し、検出した各部位を前記残りのデジタル画像毎の前記特定部位として指定する自動指定手段とを設けたことを特徴とする請求項1記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記自動指定手段は、一つのデジタル画像から同一属性の部位を複数検出した際に、そぞれの部位を前記モニタに表示し、前記特定部位として指定する部位を前記オペレータに選択させることを特徴とする請求項2又は3記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記自動指定手段は、一つのデジタル画像から同一属性の部位を複数検出した際に、前記複数のデジタル画像のそれぞれについて前記記憶手段に予め記憶された定義データを参照し、その定義データに基づいて、前記特定部位として指定する部位を決定することを特徴とする請求項2又は3記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記記憶手段は、前記定義データとして少なくとも撮影内容、撮影シーン、服装、被写体の情報を記憶していることを特徴とする請求項5記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記属性には、少なくとも人物、動物、人工造形物、風景が含まれ、
前記属性データは、前記各属性を表す、周波数特性、濃度特性、色相特性、形状特性のいずれかから構成されていることを特徴とする請求項2から6のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記特定部位は、前記オペレータからの操作指示によって、前記複数のデジタル画像毎に予め指定されることを特徴とする請求項1記載の情報処理装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2006−268749(P2006−268749A)
【公開日】平成18年10月5日(2006.10.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−89537(P2005−89537)
【出願日】平成17年3月25日(2005.3.25)
【出願人】(000005201)富士写真フイルム株式会社 (7,609)
【Fターム(参考)】