説明

情報処理装置

【課題】無登録アセットの参照機会を確保した情報処理装置を提供する。
【解決手段】コンテンツファイルを管理するためのファイル管理情報であって、管理されるコンテンツファイルが登録されているとともに、コンテンツファイルを登録して1つの塊として管理するためのアルバムが定義されているファイル管理情報を取得する、ファイル管理情報取得手段と、取得した前記ファイル管理情報に基づいて、このファイル管理情報に登録されているコンテンツファイルを特定する、コンテンツファイル特定手段と、取得した前記ファイル管理情報に基づいて、いずれのアルバムにも登録されていないコンテンツファイルを無登録コンテンツファイルとして抽出する、第1無登録抽出手段と、第1仮想アルバムを作成し、この作成した第1仮想アルバムに、第1無登録抽出手段で抽出された無登録コンテンツファイルを登録する、第1仮想アルバム登録手段とを備えて、情報処理装置が構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置に関し、特に、ファイル管理情報を用いてコンテンツファイルを管理可能な情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ここ数年、デジタルカメラやデジタル音楽配信等の普及により、個人レベルでコンテンツファイルの管理を行う機会が増えている。また、CD−RやDVDをはじめとした大容量のリムーバブル記録媒体も増加し、一般のユーザでも、非常に多数のコンテンツファイルを気軽に取り扱うようになっている。そこで、コンテンツファイルを扱う様々な情報処理装置の間で互換性を高め、且つ、管理がしやすいようなファイル管理情報のフォーマットの規格も制定されている。このような規格の代表的な例として、OSTA(Optical Storage Technology Association)が提唱した規格であるMPV(Music Photo/Video(登録商標))がある。
【0003】
こういった規格を用いてファイル管理を効率的に行い、利便性を向上させることが、例えば、特開2005−327257号公報(特許文献1)に開示されている。
【0004】
この特許文献1にも開示されているMPVにおいては、コンテンツファイルはアセットとして定義されており、このアセットのメタデータをマニフェストで定義することとしている。このマニフェスト中のアセットリストでは、そのメディア内で有効なアセットを宣言することとなっている。また、マニフェスト中には、一塊りのプレイリストであるアルバムのアルバムリスト(Album、MarkList)や、アルバムへのリンク(AlbumRef、ManifestLink)も定義可能であり、それらをアルバム選択画面として表示することにより、大量にあるメディア内のアセットの中から、ユーザが必要としているアセットを容易に絞り込み、選択して再生することができる。実際には、アルバムリスト内には、アセットそのものではなく、アセットリストに登録されている特定のアセットへのリンク情報が、記述されている。
【0005】
しかしながら、アルバムと全くリンクが無いアセットがアセットリストに存在することがある。このようなアセットを以下では、無登録アセットと呼ぶこととするが、このような無登録アセットは、どのアルバムを参照しても選択できないこととなる。
【0006】
また、ユーザが選択したアルバムに、他のアルバムへのリンク(AlbumRef、ManifestLinkRef)がある場合、サブアルバムとしてそのリンクしているアルバムを選択肢としるサブアルバム選択画面を表示し、ユーザにいずれかのサブアルバムを選択させることとなる。しかし、他のアルバムへのリンクがあるアルバムでは、このアルバム内にアセットへのリンク情報がある場合でも、そのアセットは参照されず、アセットへの参照機会は失われてしまう。このため、このような場合でも、これらのアセットは無登録アセットとなる。
【特許文献1】特開2005−327257号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで本発明は、前記課題に鑑みてなされたものであり、無登録アセットの参照機会を確保した情報処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、本発明に係る情報処理装置は、
コンテンツファイルを管理するためのファイル管理情報であって、管理されるコンテンツファイルが登録されているとともに、コンテンツファイルを登録して1つの塊として管理するためのアルバムが定義されているファイル管理情報を取得する、ファイル管理情報取得手段と、
取得した前記ファイル管理情報に基づいて、このファイル管理情報に登録されているコンテンツファイルを特定する、コンテンツファイル特定手段と、
取得した前記ファイル管理情報に基づいて、いずれのアルバムにも登録されていないコンテンツファイルを無登録コンテンツファイルとして抽出する、第1無登録抽出手段と、
第1仮想アルバムを作成し、この作成した第1仮想アルバムに、第1無登録抽出手段で抽出された無登録コンテンツファイルを登録する、第1仮想アルバム登録手段と、
を備えることを特徴とする。
【0009】
この場合、情報処理装置は、前記ファイル管理情報に定義されているアルバムと、第1仮想アルバム登録手段で作成された第1仮想アルバムとを選択肢とする第1アルバム選択画面を表示する、第1アルバム選択画面表示手段を、さらに備えるようにしてもよい。
【0010】
この場合、情報処理装置は、前記第1アルバム選択画面表示手段で表示された前記第1アルバム選択画面で、ユーザが、前記第1仮想アルバムを選択した場合には、前記第1仮想アルバム登録手段で前記第1仮想アルバムに登録された前記無登録コンテンツファイルを一覧形式で表示する、第1一覧表示手段を、さらに備えるようにしてもよい。
【0011】
また、情報処理装置は、
前記ファイル管理情報において、ユーザの選択したアルバム内で他のアルバムにリンクすることによりアルバムが定義されているとともに、このユーザの選択したアルバム内にコンテンツファイルの登録も存在する場合には、このコンテンツファイルを無登録コンテンツファイルとして抽出する、第2無登録抽出手段と、
第2仮想アルバムを作成し、この作成した第2仮想アルバムに、第2無登録抽出手段で抽出された無登録コンテンツファイルを登録する、第2仮想アルバム登録手段と、
をさらに備えるようにしてもよい。
【0012】
この場合、情報処理装置は、前記アルバム内で他のアルバムをリンクすることにより定義されているアルバムと、第2仮想アルバム登録手段で作成された第2仮想アルバムとを選択肢とする第2アルバム選択画面を表示する、第2アルバム選択画面表示手段を、さらに備えるようにしてもよい。
【0013】
この場合、情報処理装置は、前記第2アルバム選択画面表示手段で表示された前記第2アルバム選択画面で、ユーザが、前記第2仮想アルバムを選択した場合には、前記第2仮想アルバム登録手段で前記第2仮想アルバムに登録された前記無登録コンテンツファイルを一覧形式で表示する、第2一覧表示手段を、さらに備えるようにしてもよい。
【0014】
また、前記ファイル管理情報は、MPV形式で記述されているようにしてもよい。
【0015】
また、本発明に係る情報処理装置は、
コンテンツファイルを管理するためのファイル管理情報であって、管理されるコンテンツファイルが登録されているとともに、コンテンツファイルを登録して1つの塊として管理するためのアルバムが定義されているファイル管理情報を取得する、ファイル管理情報取得手段と、
前記ファイル管理情報において、ユーザの選択したアルバム内で他のアルバムにリンクすることによりアルバムが定義されているとともに、このユーザが選択したアルバム内にコンテンツファイルの登録も存在する場合には、このコンテンツファイルを無登録コンテンツファイルとして抽出する、無登録抽出手段と、
仮想アルバムを作成し、この作成した仮想アルバムに、無登録抽出手段で抽出された無登録コンテンツファイルを登録する、仮想アルバム登録手段と、
を備えることを特徴とする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。なお、以下に説明する実施形態は、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0017】
図1は、本実施形態に係る情報処理装置10の内部構成の一例を説明するブロック図である。この図1に示すように、本実施形態に係る情報処理装置10は、CPU(Central Processing Unit)20と、RAM(Random Access Memory)22と、ROM(Read Only Memory)24と、表示画面26と、入力部28と、出力部30と、記録媒体アクセス装置32とを備えて構成されており、これらは互いに内部バスを介して接続されている。本実施形態においては、この情報処理装置10は、例えば、インクジェットプリンタやレーザプリンタなどのプリンタにより構成されている。
【0018】
CPU20は、この情報処理装置10の制御部を構成しており、例えば、ROM24に格納されている各種のプログラムを読み出して実行する。RAM22は、CPU20が各種の処理をする場合のデータが揮発的に格納されるメモリである。表示画面26は、例えば、小型の液晶表示画面により構成されている。入力部28は、例えば、カーソルボタンや決定ボタンを有する操作パネルにより構成されていてもよいし、或いは、表示画面26がタッチパネルにより構成されている場合には、表示画面26と一体に構成されていてもよい。出力部30は、インクジェット式やレーザー式などのプリントエンジンにより構成されており、CPU20の制御に従って印刷媒体に印刷を行う。
【0019】
記録媒体アクセス装置32は、記録媒体40が着脱可能に装着され、記録媒体40に記録されているデータを、情報処理装置10が読み込むための装置である。この記録媒体アクセス装置32には、さらに、記録媒体40にデータを書き込んで記録できるように構成されていてもよい。記録媒体40の例としては、CD−ROM、CD−R、DVD、コンパクトフラッシュ(登録商標)、SDメモリカードなど、様々なものが考えられる。
【0020】
まず、この図1に示した情報処理装置10において、無登録アセットが存在する場合の処理について説明する。図2は、無登録アセットが存在する場合におけるアセットリストの要部の一例を示す図であり、図3は、アルバムの一例を示す図である。ここでは、例えば、記録媒体40に記録されているMPV形式のマニフェストに、図2に示すようなアセットリストが存在したが、図3に示すようなアルバムしか存在しなかったとする。
【0021】
図2に例示するアセットリストには、001.JPG、002.JPG、003.JPG、004.JPGという4つの画像ファイルがアセットとして宣言されている。これらのアセットには、それぞれ、STILL_001、STILL_002、STILL_003、STILL_004というIDが付与されている。これに対して、図3に例示するアルバムでは、STILL_001、STILL_002の2つのIDは参照されているが、STILL_003、STILL_004の2つのIDは参照されていない。すなわち、この記録媒体40のマニフェストでは、001.JPG、002.JPGは参照されているが、003.JPG、004.JPGは参照されることがない。このため、003.JPG、004.JPGは、この例における無登録アセットとなる。
【0022】
このままの状態では、003.JPG、004.JPGについては、アルバム選択画面でアルバムを選択しながら辿り着くことはなく、ユーザは、003.JPG、004.JPGの存在が分からないこととなる。そこで、本実施形態では、003.JPG、004.JPGを登録するための仮想アルバムを作成し、この仮想アルバムに003.JPG、004.JPGを登録することにより、これら2つのアセットが参照されるようにする。
【0023】
図4は、本実施形態に係る情報処理装置10で実行されるアルバム選択画面表示処理の内容を説明するフローチャートを示す図であり、無登録アセットを仮想アルバムに登録する処理を含んでいる。このアルバム選択画面表示処理は、ROM24に格納されているアルバム選択画面表示処理プログラムをCPU20が読み込んで実行することにより、実現される処理である。また、このアルバム選択画面表示処理は、ユーザが記録媒体アクセス装置32に記録媒体40を装着した際に、自動的に起動される処理である。
【0024】
図4に示すように、まず、情報処理装置10は、記録媒体40に格納されているマニフェストを取得し、アルバムが登録されているかどうかを判断する(ステップS10)。マニフェストにアルバムが登録されている場合(ステップS10:YES)には、マニフェスト内のすべてのアルバムを抽出する(ステップS12)。一方、マニフェストにアルバムが登録されていない場合(ステップS10:NO)には、このステップS12をスキップする。
【0025】
次に、情報処理装置10は、この記録媒体40に無登録アセットが有るかどうかを判断する(ステップS14)。すなわち、アセットリストに宣言されているが、アルバムに登録されていないアセットが存在するかどうかを判断する(ステップS14)。
【0026】
無登録アセットが有る場合(ステップS14:YES)には、仮想アルバムを1つ作成し、この作成した仮想アルバムに、無登録アセットを登録する(ステップS16)。一方、無登録アセットがない場合(ステップS14:NO)には、このステップS16をスキップする。
【0027】
次に、情報処理装置10は、アルバム選択画面を表示画面26に表示する(ステップS18)。図5は、このとき、表示画面26に表示されるアルバム選択画面W10の一例を示す図である。図2及び図3で例示したマニフェストでは、ALBUM_001、ALBUM_002という2つのアルバムが定義されていた。このため、「ALBUM_001」、「ALBUM_002」という2つのアルバムが、アルバム選択画面W10に選択肢として表示される。
【0028】
また、003.JPG、004.JPGの2つのコンテンツファイルについては、無登録アセットとなっているので、これら2つのコンテンツファイルを登録した仮想アルバムが「無登録アセット」として表示される。
【0029】
このアルバム選択画面が表示されることにより、本実施形態に係るアルバム選択画面表示処理は終了するが、実際にはこの後、ユーザは、表示されたアルバム選択画面に基づいて、アルバムを選択する操作を行うこととなる。すなわち、ユーザは、入力部28におけるカーソルボタンでカーソルCRを移動した上で、決定ボタンを操作して、自分の希望するアルバムを選択する。
【0030】
例えば、図5のアルバム選択画面W10において、ユーザが「ALBUM_001」を選択した場合には、アセットの一覧として001.JPGが表示され、ユーザはこの001.JPGを選択できる状態となる。また、ユーザが「ALBUM_002」を選択した場合には、アセットの一覧として002.JPGが表示され、ユーザはこの002.JPGを選択できる状態となる。また、ユーザが「無登録アセット」を選択した場合には、アセットの一覧として003.JPG、004.JPGが表示され、ユーザはこの003.JPG、004.JPGを選択できる状態となる。すなわち、アルバム選択画面W10から、無登録アセットである003.JPG、004.JPGを選択できることとなる。
【0031】
なお、ここでは、MPVのAlbumタグをアルバムの一例として説明したが、MarkListタグについてもアルバムと同様に機能するので、ステップS12では、MarkListタグもアルバムとして抽出される。
【0032】
次に、本実施形態に係る情報処理装置10において、サブアルバム内に無登録アセットが存在する場合の処理について説明する。図6は、サブアルバム内に無登録アセットが存在する場合におけるマニフェストの要部の一例を示す図である。この図6に例示したマニフェストでは、アルバムALBUM_001内のサブアルバムとして、他のアルバムALBUM_002、ALBUM_003を参照するタグが定義されている。このため、このアルバムALBUM_001では、IDがSTILL_001、STILL_002のアセットについては、アルバム選択画面から辿り着くことができない。
【0033】
そこで、本実施形態では、STILL_001、STILL_002を登録するための仮想アルバムを作成し、この作成した仮想アルバムにSTILL_001、STILL_002を登録することにより、これら2つのアセットが参照できるようにする。なお、アルバム内に他のアルバムを参照するタグがある場合には、他のアルバムを参照するタグの前にアセットを参照するタグがあっても、他のアルバムを参照するタグの後にアセットを参照するタグがあっても、そのアセットは参照されない無登録アセットとなる。
【0034】
図7は、本実施形態に係る情報処理装置10で実行されるサブアルバム選択画面表示処理の内容を説明するフローチャートを示す図であり、サブアルバム内にある無登録アセットを仮想アルバムに登録するための処理を含んでいる。このサブアルバム選択画面表示処理は、ROM24に格納されているサブアルバム選択画面表示処理プログラムをCPU20が読み込んで実行することにより、実現される処理である。また、このサブアルバム選択画面表示処理は、ユーザがアルバム選択画面でアルバムを選択した際に、起動される処理である。
【0035】
この図7に示すように、まず、情報処理装置10は、ユーザの選択したアルバム内にあるアルバムリファレンスを抽出する(ステップS30)。すなわち、ユーザの選択したアルバム内にあるサブアルバムを抽出する。
【0036】
次に、情報処理装置10は、ユーザの選択したアルバム内に、サブアルバムが有るかどうかを判断する(ステップS32)。サブアルバムがない場合(ステップS32:NO)には、情報処理装置10は、表示画面26にアセットの一覧画面を表示して(ステップS34)、このサブアルバム選択画面表示処理を終了する。すなわち、アセットが確定するので、確定したアセットの一覧を表示して、ユーザに選択させる。
【0037】
一方、ユーザの選択したアルバム内に、サブアルバムがある場合(ステップS32:YES)には、情報処理装置10は、無登録アセットを抽出する(ステップS36)。すなわち、ユーザの選択したアルバム内に、他のアルバムへリンクするタグが存在し、且つ、ユーザの選択したアルバム内に、アセットを参照するタグがある場合には、この参照されるアセットを抽出する。
【0038】
次に、情報処理装置10は、無登録アセットが存在するかどうかを判断する(ステップS38)。すなわち、ステップS36で無登録アセットが抽出されたかどうかを判断する。
【0039】
無登録アセットが有る場合(ステップS38:YES)には、仮想アルバムを1つ作成し、この作成した仮想アルバムに、無登アセットを登録する(ステップS40)。一方、無登録アセットがない場合(ステップS38:NO)には、このステップS40をスキップする。
【0040】
次に、情報処理装置10は、表示画面26にサブアルバム選択画面を表示する(ステップS42)。図8は、このとき、表示画面26に表示されるサブアルバム選択画面W20の一例を示す図である。図6に例示したマニフェストでは、ユーザの選択したアルバムに、他のアルバムALBUM_002、ALBUM_003へのリンクが定義されていた。このため、サブアルバム選択画面W20には、「ALBUM_002」、「ALBUM_003」がアルバムの選択肢として表示される。また、ステップS40で作成された仮想アルバムが、「無登録アセット」として表示される。
【0041】
このサブアルバム選択画面が表示されることにより、サブアルバム選択画面表示処理は終了するが、実際にはこの後、ユーザは、表示されたサブアルバム選択画面に基づいて、アルバムを選択する操作を行うこととなる。すなわち、ユーザは、入力部28におけるカーソルボタンでカーソルCRを移動した上で、決定ボタンを操作して、自分の希望するアルバムを選択する。
【0042】
例えば、図8のサブアルバム選択画面W20において、ユーザが「ALBUM_002」を選択した場合には、ALBUM_002の内容が表示される。また、ユーザが「ALBUM_003」を選択した場合には、ALBUM_002の内容が表示される。また、ユーザが「無登録アセット」を選択した場合には、IDがSTILL_001、STILL002のアセットが一覧表示され、これらのアセットが選択できる状態となる。すなわち、サブアルバム選択画面W20から、無登録アセットであるSTILL_001、STILL002を選択できることとなる。
【0043】
なお、ここでは、MPVのAlbumRefタグを他のアルバムにリンクするタグの一例として説明したが、ManifestLinkRefタグも他のアルバムにリンクするので、ステップS36では、ユーザの選択したアルバム内にManifestLinkRefタグが存在する場合でも、このアルバムで参照されるアセットは、無登録アセットとして抽出されることとなる。
【0044】
以上のように、本実施形態に係る情報処理装置10によれば、アセットリスト内に他のアルバムに参照されていない無登録アセットが存在する場合には、仮想アルバムを作成し、この仮想アルバムに、無登録アセットを登録した上で、アルバム選択画面W10に、仮想アルバムをユーザの選択できる選択肢として表示することとした。このため、ユーザは、アルバム選択画面W10から、通常の操作で無登録アセットを選択できるようになり、目的のアセットがアルバムに登録されていないような場合でも、容易に探し出すことができるようになる。
【0045】
また、ユーザの選択したアルバム内にサブアルバムがあり、このサブアルバムは他のアルバムへのリンクであり、且つ、アセットを参照するタグも存在する場合には、このアセットは無登録アセットとなってしまう。このため、本実施形態では、仮想アルバムを作成し、この仮想アルバムに、無登録アセットを登録した上で、サブアルバム選択画面W20に、仮想アルバムをユーザの選択できる選択肢して表示することとした。このため、ユーザは、サブアルバム選択画面W20から、無登録アセットを通常の操作で選択できるようになり、目的のアセットがサブアルバム内で無登録アセットになってしまっている場合でも、容易に探し出すことができるようになる。
【0046】
なお、本発明は上記実施形態に限定されず種々に変形可能である。例えば、上述した実施形態では、情報処理装置10をプリンタで実現した場合を例に説明したが、この情報処理装置10は、パーソナルコンピュータや携帯電話、PDA(Personal Digital Assistance)などで実現することもできる。
【0047】
また、上述した実施形態では、情報処理装置10がプリンタであるため、コンテンツファイルが画像ファイルである場合を例に本発明を説明したが、情報処理装置10が扱うデータに応じて、様々な種類のコンテンツファイルに対して本発明を適用することができる。
【0048】
また、上述した実施形態では、ファイル管理情報の記述形式としてMPVを用いた場合を例に、本発明の実施形態を説明したが、他の記述形式を用いてファイル管理情報を作成する場合でも、本発明は同様に適用することができる。
【0049】
また、上述した実施形態では、情報処理装置10は、図4のアルバム選択画面表示処理と図7のサブアルバム選択画面表示処理の双方を実行できると説明したが、いずれか一方は、通常の表示処理にしてもよい。すなわち、アルバム選択画面表示処理では仮想アルバムを作成しないようにしたり、サブアルバム選択画面表示処理では仮想アルバムを作成しないようにしてもよい。
【0050】
さらに、上述の実施形態で説明したアルバム選択画面表示処理及びサブアルバム選択画面表示処理の各処理については、これら各処理を実行するためのプログラムをCD−ROM、CD−R、DVD、コンパクトフラッシュ、SDメモリカード等の記録媒体に記録して、記録媒体の形で頒布することが可能である。この場合、この記録媒体に記録されたプログラムを情報処理装置10に読み込ませ、実行させることにより、上述した実施形態を実現することができる。
【0051】
また、情報処理装置10は、オペレーティングシステムや別のアプリケーションプログラム等の他のプログラムを備える場合がある。この場合、情報処理装置10の備える他のプログラムを活用するために、その情報処理装置10が備えるプログラムの中から、上述した実施形態と同等の処理を実現するプログラムを呼び出すような命令を含むプログラムを、記録媒体に記録するようにしてもよい。
【0052】
さらに、このようなプログラムは、記録媒体の形ではなく、ネットワークを通じて搬送波として頒布することも可能である。ネットワーク上を搬送波の形で伝送されたプログラムは、情報処理装置10に取り込まれて、このプログラムを実行することにより上述した実施形態を実現することができる。
【0053】
また、記録媒体にプログラムを記録する際や、ネットワーク上を搬送波として伝送される際に、プログラムの暗号化や圧縮化がなされている場合がある。この場合には、これら記録媒体や搬送波からプログラムを読み込んだ情報処理装置10は、そのプログラムの復号や伸張を行った上で、実行する必要がある。
【0054】
また、上述した実施形態では、各処理をソフトウェアにより実現する場合を例に説明したが、これらの各処理をASIC(Application Specific IC)などのハードウェアにより実現するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本実施形態に係る情報処理装置の内部構成の一例を説明するためのブロック図。
【図2】記録媒体に記録されたマニフェストにおけるアセットリストのタグの一例を部分的に示す図。
【図3】記録媒体に記録されたマニフェストにおけるアルバムのタグの一例を部分的に示す図。
【図4】本実施形態に係る情報処理装置で実行されるアルバム選択画面表示処理の一例を説明するためのフローチャートを示す図。
【図5】情報処理装置の表示画面に表示されるアルバム選択画面の一例を示す図。
【図6】記録媒体に記録されたマニフェストにおけるアルバムのタグの一例を部分的に示す図。
【図7】本実施形態に係る情報処理装置で実行されるサブアルバム選択画面表示処理の一例を説明するためのフローチャートを示す図。
【図8】情報処理装置の表示画面に表示されるサブアルバム選択画面の一例を示す図。
【符号の説明】
【0056】
10 情報処理装置
20 CPU
22 RAM
24 ROM
26 表示画面
28 入力部
30 出力部
32 記録媒体アクセス装置
40 記録媒体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンテンツファイルを管理するためのファイル管理情報であって、管理されるコンテンツファイルが登録されているとともに、コンテンツファイルを登録して1つの塊として管理するためのアルバムが定義されているファイル管理情報を取得する、ファイル管理情報取得手段と、
取得した前記ファイル管理情報に基づいて、このファイル管理情報に登録されているコンテンツファイルを特定する、コンテンツファイル特定手段と、
取得した前記ファイル管理情報に基づいて、いずれのアルバムにも登録されていないコンテンツファイルを無登録コンテンツファイルとして抽出する、第1無登録抽出手段と、
第1仮想アルバムを作成し、この作成した第1仮想アルバムに、第1無登録抽出手段で抽出された無登録コンテンツファイルを登録する、第1仮想アルバム登録手段と、
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記ファイル管理情報に定義されているアルバムと、第1仮想アルバム登録手段で作成された第1仮想アルバムとを選択肢とする第1アルバム選択画面を表示する、第1アルバム選択画面表示手段を、さらに備えることを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記第1アルバム選択画面表示手段で表示された前記第1アルバム選択画面で、ユーザが、前記第1仮想アルバムを選択した場合には、前記第1仮想アルバム登録手段で前記第1仮想アルバムに登録された前記無登録コンテンツファイルを一覧形式で表示する、第1一覧表示手段を、さらに備えることを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記ファイル管理情報において、ユーザの選択したアルバム内で他のアルバムにリンクすることによりアルバムが定義されているとともに、このユーザの選択したアルバム内にコンテンツファイルの登録も存在する場合には、このコンテンツファイルを無登録コンテンツファイルとして抽出する、第2無登録抽出手段と、
第2仮想アルバムを作成し、この作成した第2仮想アルバムに、第2無登録抽出手段で抽出された無登録コンテンツファイルを登録する、第2仮想アルバム登録手段と、
をさらに備えることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記アルバム内で他のアルバムをリンクすることにより定義されているアルバムと、第2仮想アルバム登録手段で作成された第2仮想アルバムとを選択肢とする第2アルバム選択画面を表示する、第2アルバム選択画面表示手段を、さらに備えることを特徴とする請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記第2アルバム選択画面表示手段で表示された前記第2アルバム選択画面で、ユーザが、前記第2仮想アルバムを選択した場合には、前記第2仮想アルバム登録手段で前記第2仮想アルバムに登録された前記無登録コンテンツファイルを一覧形式で表示する、第2一覧表示手段を、さらに備えることを特徴とする請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記ファイル管理情報は、MPV(Music Photo/Video)形式で記述されていることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項8】
コンテンツファイルを管理するためのファイル管理情報であって、管理されるコンテンツファイルが登録されているとともに、コンテンツファイルを登録して1つの塊として管理するためのアルバムが定義されているファイル管理情報を取得する、ファイル管理情報取得手段と、
前記ファイル管理情報において、ユーザの選択したアルバム内で他のアルバムにリンクすることによりアルバムが定義されているとともに、このユーザが選択したアルバム内にコンテンツファイルの登録も存在する場合には、このコンテンツファイルを無登録コンテンツファイルとして抽出する、無登録抽出手段と、
仮想アルバムを作成し、この作成した仮想アルバムに、無登録抽出手段で抽出された無登録コンテンツファイルを登録する、仮想アルバム登録手段と、
を備えることを特徴とする情報処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−59188(P2008−59188A)
【公開日】平成20年3月13日(2008.3.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−234273(P2006−234273)
【出願日】平成18年8月30日(2006.8.30)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】