説明

情報処理装置

【課題】絵文字の入力を操作性よく行うことができる情報処理装置を提供する。
【解決手段】文字および絵文字を入力する入力部と、入力部により入力された文字と、文字に基づく入力候補とを表示する表示部と、入力部により入力された文字の入力を確定する確定部と、文字と文字の読みとを関連付けて記憶する文字辞書部と、絵文字と絵文字から生ずる読みとを関連付けて記憶する絵文字辞書部と、入力が確定された文字と関連付けられた文字の読みと一致する読みを有する絵文字を絵文字辞書部から検索し、検索された絵文字を入力候補として表示部に表示する入力候補処理部とを備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話機などの情報処理装置は、1人1台のコミュニケーションツールとして普及し、必須のアイテムとなっている。特に、電子メール機能は情報処理装置における必須の機能となっており、通常の文字だけではなく絵文字や顔文字、アニメーション絵文字といった感情や状況を表わす特殊な文字(以後、単に「絵文字」という。)も頻繁に使用される。また、html形式を利用しメールの装飾を行ういわゆるデコレーションメールにより、新しい絵文字の追加やメール本文への画像の貼付を行うことができるようになった。
【0003】
絵文字は、電子メールの表現力を上げるために効果的に用いられ、表現力が向上した電子メールはユーザの間で盛んに送受信される。また、携帯電話機は事業者毎に異なる絵文字が用意されていたが、近年では異なる事業者間で同義の絵文字が相互変換されることで共通に使用・閲覧できたり、デコレーションメールにおいて直接メールに画像を貼り付けたりでき、事業者を意識することなく使えることでより便利なものとなった。
【0004】
従来、絵文字の入力は、絵文字一覧から選択して入力する方法や、入力された文字に基づく入力候補として表示された絵文字から選択して入力する方法を用いて行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−129687号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ユーザは、ある語句を文字入力した直後にその語句と同義の絵文字を挿入する場合がある。例えば、単語「ビール」を入力した直後に、この「ビール」と同義のビールジョッキなどが描かれた絵文字を挿入する場合がある。この場合、ユーザは、絵文字一覧を表示させて所望の絵文字を選択する、または、再度単語「ビール」を入力しビールの絵文字を入力候補として表示させることにより絵文字の入力が可能である。
【0007】
この場合、使用者は一端文字入力を行った後、再度絵文字一覧を表示させる操作や同一の語句を入力する操作を行う必要があり、操作が煩雑であった。
【0008】
本発明はこのような事情を考慮してなされたもので、絵文字の入力を操作性よく行うことができる情報処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
実施形態における情報処理装置は、文字および絵文字を入力する入力部と、入力部により入力された文字と、文字に基づく入力候補とを表示する表示部と、入力部により入力された文字の入力を確定する確定部と、文字と文字の読みとを関連付けて記憶する文字辞書部と、絵文字と絵文字から生ずる読みとを関連付けて記憶する絵文字辞書部と、入力が確定された文字と関連付けられた文字の読みと一致する読みを有する絵文字を絵文字辞書部から検索し、検索された絵文字を入力候補として表示部に表示する入力候補処理部とを備えた。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明に係る情報処理装置の一例である携帯端末の主な機能構成を示す概略的な機能ブロック図。
【図2】単語辞書部および絵文字辞書部の一例を示す図。
【図3】本実施形態における携帯端末により実行される入力候補表示処理を説明するフローチャート。
【図4】入力候補表示処理が行われる際の表示部の画面遷移図。
【図5】本実施形態における携帯端末により実行される絵文字一覧表示を行う入力候補表示処理を説明するフローチャート。
【図6】絵文字一覧表示を行う入力候補表示処理が行われる際の表示部の画面遷移図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明に係る情報処理装置の一実施形態を添付図面に基づいて説明する。
【0012】
図1は、本発明に係る情報処理装置の一例である携帯端末1の主な機能構成を示す概略的な機能ブロック図である。
【0013】
携帯端末1は、W−CDMA方式、GSM方式、cdma2000 1x RTT方式、EVDO方式、および3.9世代のLTEシステムの無線アクセスであるE−UTRA方式などの所定の無線通信方式によって音声通信やデータ通信を行う通信機能を備える。また、アンテナ11、無線送受信部12、信号処理部13は所定の方式に対応する。
【0014】
アンテナ11は、移動通信網に収容される基地局から所定の通信処理システムで送信される無線信号を空間から受信する。また、アンテナ11は、所定の通信処理システムで無線通信できるように空間に所定のアクセス方式の無線信号を放射する。
【0015】
無線送受信部12は、アンテナ11を介して、移動通信網に収容される基地局との間で所定の通信処理方式で無線通信する。無線送受信部12は、信号処理部13にて生成された変調信号に基づいて、制御部19から指示されるキャリア周波数の無線信号を生成する。また、無線送受信部12は、制御部19から指示されるキャリア周波数の無線信号を受信し、周波数シンセサイザから出力された局部発振信号とミキシングして中間周波数信号に周波数変換(ダウンコンバート)する。そして、無線送受信部12は、このダウンコンバートされた中間周波数信号を直交復調して受信ベースバンド信号を出力する。この受信結果は、信号処理部13と制御部19に出力される。
【0016】
信号処理部13は、DSP(Digital Signal Processor)などにより構成され、受信ベースバンド信号に所定の信号処理を施し、所定の伝送フォーマットの受信パケットデータを得る。また、信号処理部13は、受信パケットデータに含まれる音声信号を復調し、この復調結果を復号して音声データなどを得る。復号処理により得られた音声データは、PCMコーデック14に供給される。PCMコーデック14は、音声データをPCM復号し、PCM復号後のアナログオーディオデータ信号を受話増幅器15に出力する。このアナログオーディオ信号は、受話増幅器15にて増幅された後、スピーカ16により出力される。
【0017】
一方、マイクロフォン17に入力された話者(ユーザ)の音声信号(アナログオーディオ信号)は、送話増幅器18により適正レベルまで増幅された後、PCMコーデック14によりPCM符号化される。このPCM符号化後のオーディオ信号は、信号処理部13に入力される。信号処理部13は、このオーディオ信号を符号化し、符号化によって得た音声データやその他のデータに基づいて変調信号を生成するとともに、生成された変調信号を無線送受信部12に出力する。
【0018】
入力部20は、ユーザによる携帯端末1に対する各種操作を受け付ける。特に本実施形態においては、入力部20はひらがな、カタカナ、英数字や絵文字を入力する操作を受け付ける。また、入力部20は、入力候補としての絵文字を一覧表示させる指示を受け付ける。ここで絵文字とは、簡単な絵のような形で、言葉、文字、記号の代わりとするものや、文字や記号を組み合わせて絵のような形に見せたものである。なお、入力部20はハードウェアキーボードであっても、ソフトウェアキーボードであってもよい。
【0019】
表示部21は、文字や画像などからなる表示画面を表示する領域が設けられたディスプレイである。表示部21は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)、有機EL(ElectroLuminescence)ディスプレイで構成される。
【0020】
制御部19は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、およびRAM(Random Access Memory)などからなる。CPUは、ROMに記憶されているプログラムまたは記憶部23からRAMにロードされた、オペレーティングシステム(OS)を含む各種のアプリケーションプログラムや制御プログラムに従って各種の処理を実行する。また、CPUは、種々の制御信号を生成し、各部に供給することにより携帯端末1を統括的に制御する。また、RAMは、CPUが各種の処理を実行する上において必要なデータなどを適宜記憶する。
【0021】
特に本実施形態においては、制御部19は、文字入力処理部31と入力候補処理部32とを有する。文字入力処理部31は、入力部20より入力された文字(ひらかな、カタカナ、英数字)を入力したり変換したりする文字入力処理全般を行う。例えば文字入力処理部31は、入力されたひらがなを入力候補として表示された漢字に変換する処理を行う。入力候補処理部32は、入力部20より入力された文字に基づく入力候補を表示する。入力候補は、入力された文字に基づき入力や変換が予測される語句や絵文字や、入力された文字と前方一致する語句や絵文字、入力が確定された語句に続いて入力されると予測される語句や絵文字である。本実施形態においては、文字入力処理部31および入力候補処理部32は、入力候補処理部として機能する。
【0022】
記憶部23は、例えば、電気的に書換えや消去が可能な不揮発性メモリであるフラッシュメモリ素子やHDD(Hard Disc Drive)などからなる。記憶部23は、制御部19のCPUより実行される種々のアプリケーションプログラムや種々のデータ群、携帯端末1の制御プログラムや制御データを格納する。特に本実施形態においては、記憶部23は、単語辞書部33と絵文字辞書部34と学習辞書部35とを有する。
【0023】
図2は、単語辞書部33および絵文字辞書部34の一例を示す図である。
【0024】
図2(A)に示す単語辞書部33(文字辞書部)は、例えば漢字からなる単語と、その単語の読みおよびカテゴリとを関連付けて記憶する辞書である。単語辞書部33に記憶された単語は、予め読みを有し、また予め設けられたカテゴリに属している。図2(B)に示す絵文字辞書部34は、絵文字と、絵文字から生ずる読みおよびカテゴリとを関連付けて記憶する辞書である。絵文字辞書部33に記憶された絵文字は、予め絵文字から生ずる読みを有し、また予め設けられたカテゴリに属している。単語および絵文字に関連付けられるカテゴリは予め複数設けられ、例えば「自然」、「からだ」、「食べ物」、「気持ち」、「乗り物」などである。例えば単語「花」や花を示す絵文字や単語「雨」や雨を示す絵文字は、カテゴリ「自然」と関連付けられる。
【0025】
学習辞書部35は、入力候補処理部32が入力候補を表示する際に参照する、入力候補表示のための情報を記憶する。具体的には、学習辞書部35は、表示された入力候補に対しユーザにより選択された頻度など過去の入力履歴に関する情報を記憶する。入力候補処理部32は、学習辞書部35に基づいて、過去に選択された頻度の高い入力候補を優先的に表示するようになっている。
【0026】
電源回路24は、バッテリ25の出力を基に所定の動作電源電圧Vccを生成して各回路に供給する。時計回路(タイマ)26は、現在の時刻や一定の時間を測定する。
【0027】
次に、本実施形態における携帯端末1が文字入力の際に実行する、入力候補表示処理について説明する。この入力候補表示処理は、例えば携帯端末1に設けられた文字入力を必要とするアプリケーション(例えば電子メールやメモ帳)において実行される。
【0028】
図3は、本実施形態における携帯端末1により実行される入力候補表示処理を説明するフローチャートである。
【0029】
図4は、入力候補表示処理が行われる際の表示部21の画面遷移図である。
【0030】
図4(A)は、文字入力前の表示部21の表示例である。表示部21には入力部20により入力された文字を表示する文字入力領域21aが設けられる。また、文字入力領域21aの下部には所定のソフトキー40が配置される。
【0031】
ステップS1において、文字入力処理部31は、入力部20を介してユーザより文字入力操作を受け付ける。ここで文字入力処理部31が文字入力操作を受け付けると、入力候補処理部32は入力された文字を一部または全部とする語句を入力候補として表示する。
【0032】
このとき図4(B)に示すように、表示部21には文字入力領域21aと共に入力候補表示領域21bが設けられる。入力候補表示領域21bは、入力部20により入力されて文字入力領域21aに表示された文字に基づき、単語辞書部33、絵文字辞書部34、学習辞書部35、およびそのほかの携帯端末1が有する辞書部から出力された入力候補を表示する領域である。
【0033】
例えば、ひらがなからなる「はな」が入力されると、入力候補処理部32は単語辞書部33を参照し、読みを「はな」とする単語、または「はな」を含む単語「花」、「花火」、「話」、「鼻」を入力候補として入力候補表示領域21bに表示する。また、入力候補処理部32は絵文字辞書部34を参照し、読みを「はな」とする、または「はな」を含む絵文字(図4(B)においては、花を示す絵文字、鼻を示す絵文字)を表示する。入力候補処理部32は、学習辞書部35を参照し、ユーザに選択される可能性の高い入力候補を優先的に表示することで、ユーザの操作性を向上させる。
【0034】
入力候補表示領域21bに表示された入力候補は、カーソルを用いて選択可能に表示される。図4(B)においては、入力候補である単語「花」が選択された状態である。図4(E)においては、入力候補である単語「鼻」が選択された状態である。また、表示部21には入力候補の選択を確定するソフトキー40(図4(B)などにおいては「OK」)が設けられる。本実施形態においては、ソフトキー40は入力部20により入力された文字の入力を確定する確定部として機能する。
【0035】
ステップS2において、文字入力処理部31は、入力された文字が漢字に変換され入力が確定されたか否かの判定を行う。変換の確定は、例えば入力候補表示領域21bに表示された漢字からなる単語「花」を選択した後、ソフトキー40を介して確定されることにより行われる。文字入力処理部31は、入力された文字が漢字に変換され確定されていないと判定した場合、例えば漢字以外のひらがなやカタカナに変換されて確定された場合、処理を終了する。
【0036】
一方、文字入力処理部31により入力された文字が漢字に変換され確定されたと判定された場合(すなわち入力候補として表示された単語が選択され確定された場合)、入力が確定された文字(単語)を文字入力領域21aに表示する。例えば、文字入力処理部31は、ひらがな「はな」を漢字からなる単語「花」とする変換が確定された場合、図4(C)に示すように単語「花」を文字入力領域21aに表示する。また、文字入力処理部31は、ひらなが「はな」が漢字からなる単語「鼻」に確定された場合、図4(F)に示すように単語「鼻」を文字入力領域21aに表示する。
【0037】
ステップS3において、入力候補処理部32は、確定された単語の読みおよびカテゴリを単語辞書部33より参照する。例えば単語「花」に変換が確定された場合、入力候補処理部32は図2(A)に示す単語辞書部33より単語「花」の読み「はな」とカテゴリ「自然」とを参照する。また、例えば単語「鼻」に変換が確定された場合、入力候補処理部32は単語辞書部33より単語「鼻」の読み「はな」とカテゴリ「からだ」とを参照する。
【0038】
ステップS4において、入力候補処理部32は、絵文字辞書部34を参照し、単語辞書参照ステップS3において参照された単語の読みおよびカテゴリと一致する絵文字を検索する。例えば入力候補処理部32は、絵文字辞書部34を参照することにより単語「花」の読み「はな」とカテゴリ「自然」が一致する絵文字を検索する。図2(B)に示す絵文字辞書部34においては、入力候補処理部32は読みおよびカテゴリが単語「花」と一致する、花を示す絵文字が検索される。また入力候補処理部32は、絵文字辞書部34を参照することにより単語「鼻」の読み「はな」とカテゴリ「からだ」が一致する絵文字を検索する。図2(B)に示す絵文字辞書部34においては、入力候補処理部32は読みおよびカテゴリが単語「鼻」と一致する、鼻を示す絵文字が検索される。
【0039】
ステップS5において、入力候補処理部32は、検索された絵文字を入力候補表示領域21bに表示する。例えば、入力候補処理部32は、確定判定ステップS2において単語「花」の入力が確定された場合、図4(C)に示すように、検索された絵文字である花を示す絵文字を入力候補表示領域21bに表示する。また、入力候補処理部32は、確定判定ステップS2において単語「鼻」の入力が確定された場合、図4(F)に示すように、検索された絵文字である鼻を示す絵文字を入力候補表示領域21bに表示する。
【0040】
なお、入力候補処理部32は、入力候補としての絵文字を表示すると共に、既に入力が確定された語句に続いて入力が予測される入力候補を表示してもよい(図4(C)および図4(F)参照)。
【0041】
ステップS6において、文字入力処理部31は、入力候補として表示された絵文字がカーソルにより選択され入力が確定されたか否かの判定を行う。文字入力処理部31は、入力が確定されていないと判定した場合、入力が確定されるまで待機する。一方、文字入力処理部31は、入力が確定されたと判定した場合、選択された絵文字を文字入力領域21aに表示する。例えば、文字入力処理部31は、花を示す絵文字が選択され確定された場合、図4(D)に示すように花を示す絵文字を文字入力領域21aに表示する。また、文字入力処理部31は、鼻を示す絵文字が選択された場合、図4(G)に示すように鼻を示す絵文字を文字入力領域21aに表示する。
【0042】
なお、確定判定ステップS6においては、入力候補表示領域21bに表示された絵文字が選択され確定されたか否かの判定を行う例を説明したが、これに限らず絵文字以外の語句が選択された場合や、入力部20から他の文字が入力された場合においても、絵文字が選択され入力が確定されたと判定した場合と同様に入力候補表示処理を終了させる。
【0043】
この携帯端末1は、絵文字の入力を操作性よく行うことができる。具体的には、ユーザがある語句を入力および確定した後その入力した語句と同義の絵文字を入力したい場合において、携帯端末1は、既に入力が確定された語句と読みおよびカテゴリが共通する絵文字を入力候補としてユーザに提示することができる。このため、ユーザは絵文字を一覧表示させて所望の絵文字を選択する手間や、入力候補として表示させるために同じ文字を繰り返し入力する操作を省略することができる。
【0044】
また、従来のように既に入力が確定された語句と同じ文字を繰り返し入力する場合、例えば、ユーザが既に入力が確定された単語「花」と読みおよびカテゴリが共通する花を示す絵文字を入力する場合、ユーザは再度「はな」を入力することになる。しかし、読み「はな」に対応する同音異義語は「花」や「鼻」があるため、入力候補としての絵文字には花を示す絵文字と鼻を示す絵文字とが該当する。ここで花を示す絵文字と鼻を示す絵文字との双方が表示された場合、ユーザに対しては複数の絵文字の中から所望する絵文字を選択する操作を要求することとなる。
【0045】
これに対し本実施形態における携帯端末1は、入力が確定された単語の読みおよびカテゴリに基づいて入力候補としての絵文字を検索し表示することができる。このため、特に、同音異義語の読みを持つ絵文字の入力を素早く行うことができる点で有効である。
【0046】
なお、図3の入力候補表示処理においては、携帯端末1は、入力が確定された単語と読みおよびカテゴリを共通する絵文字を検索して入力候補として表示した。しかし、携帯端末1は、入力が確定された単語と読みおよびカテゴリのいずれか一方が共通する絵文字を検索して入力候補として表示してもよい。例えば、単語と読みのみが一致する絵文字を入力候補として検索する場合においては、単語は漢字からなる必要はなく、ひらがなまたはカタカナであってもよい。例えばひらがなで「はな」と入力が確定された場合や、カタカナで「ハナ」と入力が確定された場合においては、これらの単語の読みは「はな」である。携帯端末1は、読み「はな」が関連付けられた絵文字を絵文字辞書部34から検索する。
【0047】
また、携帯端末1は、英単語と絵文字とを関連付けて記憶することにより、英語入力にも適用することができる。例えば、携帯端末1は、花を意味する英単語である「flower」と花を示す絵文字、小麦粉を意味する英単語である「flour」と小麦を示す絵文字、および流れを意味する英単語である「flow」と川の流れを示す絵文字を関連付けて記憶した場合を例に説明する。
【0048】
ユーザにより「flower」と入力された後、花を示す絵文字の入力を行いたい場合、「flo」の単語を入力すると花を示す絵文字と、小麦を示す絵文字と、川の流れを示す絵文字が入力候補として表示されてしまう。これに対し本実施形態における携帯端末1は、直前に既に「flower」が入力されている場合にはこの「flower」に関連付けられた花を示す絵文字を入力候補として表示することができる。このため、ユーザは、花を示す絵文字、小麦を示す絵文字および川の流れを示す絵文字から、所望の絵文字を選択する操作を省略することができる。
【0049】
なお、上述した入力候補表示処理においては、入力された単語が確定された後に入力候補として絵文字および単語が表示される例を説明した。これに対し、絵文字の入力をより操作性よく行わせるため、絵文字のみを一覧で表示させる機能を備えてもよい。以下、フローチャートを用いて詳細に説明する。
【0050】
図5は、本実施形態における携帯端末1により実行される絵文字一覧表示を行う入力候補表示処理を説明するフローチャートである。
【0051】
図6は、絵文字一覧表示を行う入力候補表示処理が行われる際の表示部21の画面遷移図である。
【0052】
ステップS11〜ステップS15は、図3の入力候補表示処理における入力操作ステップS1〜検索ステップS5の処理とほぼ同様であるため、ここでは説明を省略する。
【0053】
ステップS16において、入力候補処理部32は、絵文字の一覧を呼び出す指示を受け付けたか否かの判定を行う。入力候補処理部32は、絵文字の一覧を呼び出す指示を、例えば入力部20のソフトキー40に設けられた絵文字の一覧を呼び出す指示を受け付ける絵文字呼出キー40a(図6(A)参照)を介して受け付ける。入力候補処理部32は、絵文字の一覧を呼び出す指示を受け付けていないと判定した場合、例えば絵文字の一覧を呼び出すことなく入力候補として表示された語句または絵文字が選択され入力された場合や、入力部20から他の文字が入力された場合、処理を終了する。
【0054】
一方、入力候補処理部32は、絵文字の一覧を呼び出す指示を受け付けたと判定した場合、ステップS17において、表示された入力候補と読みが一致する絵文字を絵文字辞書部34から検索し検索された絵文字を入力候補表示領域21bに一覧表示する。
【0055】
絵文字の一覧を呼び出す指示を受け付けた場合、例えば図6(B)に示すように、既に入力が確定された単語「花」と読みが一致する絵文字を入力候補表示領域21bに表示する。図6(B)の例では、単語「花」の読み「はな」と一致する読みが関連付けられた絵文字が複数表示される。このとき、入力候補処理部32は、既に入力が確定された単語とカテゴリが一致する絵文字を優先的に表示させ、その後読みは一致するがカテゴリが異なる鼻を示す絵文字を表示させてもよい。
【0056】
なお、絵文字一覧表示ステップS17においては、既に入力が確定された単語と読みが一致する絵文字を絵文字一覧として表示する例を説明した。しかし、既に入力が確定された単語とカテゴリが一致する絵文字を絵文字一覧として表示してもよい。
【0057】
ステップS18は、図3の入力確定判定ステップS6と同様であるため説明を省略する。
【0058】
この携帯端末1によれば、絵文字のみを一覧表示させるため、絵文字入力を行うユーザにとってはより絵文字を選択する際の操作性を向上させることができる。また、携帯端末1は、絵文字の一覧を呼び出す指示を受け付けた場合のみ絵文字を一覧表示させるため、ユーザの使い勝手を不要に狭めることがない点でも有効である。
【0059】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0060】
本発明に係る情報処理装置は、携帯端末1のみならず例えばPDA(PersonalDigitalAssistant)、パーソナルコンピュータその他の絵文字入力機能を備えた情報処理装置に適用することができる。
【0061】
また、本発明の実施形態において説明した一連の処理は、ソフトウェアにより実行させることもできるが、ハードウェアにより実行させることもできる。
【0062】
さらに、本発明の実施形態では、フローチャートのステップは、記載された順序に沿って時系列的に行われる処理例を示したが、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別実行される処理をも含むものである。
【符号の説明】
【0063】
1 携帯端末
19 制御部
20 入力部
21 表示部
21a 文字入力領域
21b 入力候補表示領域
23 記憶部
31 文字入力処理部
32 入力候補処理部
33 単語辞書部
34 絵文字辞書部
35 学習辞書部
40 ソフトキー
40a 絵文字呼出キー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
文字および絵文字を入力する入力部と、
前記入力部により入力された前記文字と、前記文字に基づく入力候補とを表示する表示部と、
前記入力部により入力された前記文字の入力を確定する確定部と、
前記文字と前記文字の読みとを関連付けて記憶する文字辞書部と、
前記絵文字と前記絵文字から生ずる読みとを関連付けて記憶する絵文字辞書部と、
入力が確定された前記文字と関連付けられた前記文字の読みと一致する読みを有する前記絵文字を前記絵文字辞書部から検索し、検索された前記絵文字を入力候補として前記表示部に表示する入力候補処理部とを備えたことを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記文字および前記絵文字は、予めカテゴリに分けられており、
前記文字辞書部は、さらに前記文字と前記文字の属する前記カテゴリとを関連付けて記憶し、
前記絵文字辞書部は、さらに前記絵文字と前記文字の属する前記カテゴリとを関連付けて記憶し、
前記入力候補処理部は、入力が確定された前記文字と関連付けられた前記読みおよび前記カテゴリと一致する前記読みおよび前記カテゴリを有する前記絵文字を絵文字入力候補として前記表示部に表示する請求項1記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記入力候補処理部は、前記絵文字入力候補と併せて前記入力が確定された前記文字に続いて入力が予測される文字入力候補を前記表示部に表示し、
前記入力部は、前記絵文字入力候補と前記文字入力候補が表示された後、前記絵文字入力候補を表示させる指示をさらに受け付け、
前記入力候補処理部は、前記入力部が前記絵文字入力候補を表示させる指示を受け付けた場合、入力が確定された前記文字と関連付けられた前記読みと一致する前記読みを有する前記絵文字を前記表示部に表示する請求項2記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記入力候補処理部は、前記入力が確定された前記文字と関連付けられた前記カテゴリと一致する前記カテゴリを有する前記絵文字を優先的に表示する請求項2記載の情報処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−48406(P2012−48406A)
【公開日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−188775(P2010−188775)
【出願日】平成22年8月25日(2010.8.25)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.GSM
【出願人】(310022372)富士通東芝モバイルコミュニケーションズ株式会社 (219)
【Fターム(参考)】