説明

情報処理装置

【目的】 低コストでかつ簡易な操作でプログラムまたはデータをダウンロードまたはアップロードできる情報処理装置を提供する。
【構成】 情報処理装置は無線インタフェースを内蔵しており、無線でプログラムまたはデータをダウンロードまたはアップロードできる。ダウンロードかアップロードかの処理に応じて、受信伝文又は送信伝文のヘッダー情報等を参照して受信データのチェック又は応答伝文のチェックを実行して、チェックがOKならばプログラムまたはデータのダウンロードまたはアップロードをする。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、装置間でプログラムのダウンロード及びアップロードする機能を有する情報処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】端末装置及びホスト装置の様な情報処理装置間でプログラムのダウンロードまたはアップロードを行うことができるようにした従来のデータ処理システムでは、次のごとき構成によりプログラムのダウンロードまたはアップロードを行うようにしていた。
【0003】(a)図6に示すように、情報処理装置50及び情報処理装置60にシリアルまたはパラレルインタフェース51及び61をそれぞれ設け、これらの間を金属ケーブル55で接続してデータ伝送を行う。
【0004】(b)図7に示すように、情報処理装置70及び情報処理装置80にカードインタフェース71及び81をそれぞれ設け、RAM(ランダムアクセスメモリ)カード75を媒体としてデータ伝送を行う。
【0005】または、情報処理装置70及び80にフロッピーディスクドライブ72及び82を夫々設け、フロッピーディスク85を媒体としてデータ伝送を行う。
【0006】(c)図8に示すように、情報処理装置100及び光通信装置95にシリアルインタフェース101及び97をそれぞれ設けてこれらの間に金属ケーブル105を接続し、さらに光通信装置95及び情報処理装置90に光インタフェース96及び91をそれぞれ設けこれら光インタフェース96及び91間で光通信を行うことによりデータ伝送を行う。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】図6に示す従来技術(a)によると、コネクタの接触不良等が起り得るため耐久性及び信頼性が低い、ノイズ、静電気等の使用環境の影響を受け易い、ケーブル長に制限があるためホスト装置と端末装置との距離を長くできない、ケーブルの接続に手間がかかるため操作性が悪い、ケーブルを必ず必要としそのケーブルの付設工事を伴う場合がある等の不都合がある。
【0008】図7に示す従来技術(b)によると、RAMカードとコネクタとの接触不良等が起り得るため耐久性及び信頼性が低い、RAMカードの容量を越えるプログラムはダウンロードできない、RAMカードの脱着に手間がかかるため操作性が悪い、RAMカードという媒体を必ず必要とする等の不都合がある。
【0009】フロッピーディスクの場合も同様に、フロッピーディスクとコネクタとの接触不良等が起り得るため耐久性及び信頼性が低い、フロッピーディスクの容量を越えるプログラムはダウンロードできない、フロッピーディスクの脱着に手間がかかるため操作性が悪い、フロッピーディスクという媒体を必ず必要とする等の不都合がある。
【0010】図8に示す従来技術(c)によると、ケーブル部分のコネクタの接触不良等が起り得るため耐久性及び信頼性が低い、ケーブル部分でノイズ、静電気等の使用環境の影響を受け易い、ケーブルの接続に手間がかかるため操作性が悪い、ケーブル部分の他に光通信装置部分を余分に設ける必要があるためその分コストがかかる等の不都合がある。
【0011】従って、本発明は、低コストでかつ簡易な操作でプログラムまたはデータをダウンロードまたはアップロードできる情報処理装置を提供するものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、情報処理装置と通信するための無線通信手段と、該無線通信手段を用いて他の情報処理装置に対してプログラムまたはデータをダウンロードまたはアップロードする手段とを備えた情報処理装置が提供される。
【0013】
【作用】上記構成を備えた情報処理装置間において、他の情報処理装置にプログラムまたはデータをアップロードする場合には、メモリ等に格納されているプログラムまたはデータを無線通信手段を介して送信する。他の情報処理装置は、これを受信してメモリ等に格納する。反対に、プログラムまたはデータを他の情報処理装置からダウンロードする場合には、他の情報処理装置から送られてきたプログラムまたはデータを受信して、メモリ等に格納する。
【0014】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に従って詳細に説明する。
【0015】図1は、本発明に係わる情報処理装置の一実施例を用いた情報処理装置間のプログラムまたはデータの通信を概略的に示すシステムブロック図である。
【0016】図1に示すように、情報処理装置A10及び情報処理装置B20は夫々無線通信手段である無線インタフェース11及び21を内蔵しており、無線通信によって、相互にプログラムまたはデータをダウンロードまたはアップロードできる。尚、情報処理装置は、例えばホストコンピュータや端末装置である。
【0017】図3に示すように、情報処理装置A及びBは、夫々、CPU17、ROM12、RAM13、シリアルインタフェース14、キーボード15、ディスプレイ16、及び無線インタフェース11を備えており、これらは、相互に接続されている。また、ブザー19及びカレンダー時計18も備えている。
【0018】ROM12には、電源オン時に実行されるROM内蔵プログラムが格納されている。また、RAM13には、アプリケーションプログラム及びシステムプログラムが格納されている。本発明に係わる、無線通信によるプログラムまたはデータのダウンロードまたはアップロードを実行するためのプログラムは、このROM12に格納され、また、ダウンロードされたプログラム及びデータはRAM13に格納される。
【0019】図4は、本発明に係わる情報処理装置のプログラムまたはデータのダウンロードまたはアップロード時の処理フローを示すフローチャート図である。
【0020】まず、当該情報処理装置の初期化処理を行う(ステップS10)。これによって、ハードウェアの初期値セット及びメモリの初期化と共に、システムID、自局アドレス、及び使用チャネルNo.の設定が実施される。次に、プログラムまたはデータをアップロードするのか、ダウンロードするのか、またはアプリケーションプログラムの実行を選択するかを判定するためにKeyの押下状態を検出して(ステップS11)、押下状態を判定する(ステップS12)。
【0021】ダウンロード処理の場合、相手の情報処理装置から送信されてきたヘッダー送信伝文の受信処理を実行して(ステップS13)、ヘッダー送信伝文について、自システムのデータかを確認するためにシステムIDを、自局に対して送信されたデータかを確認するために自局アドレスを、自システムで有効な相手局から送信されたデータかを確認するために相手局アドレスをチェックする(ステップS14)。これは、チェックの結果が不一致の場合、不必要な受信データとして無効にして、期待するデータのみを有効にするためのチェックである。従って、不一致の場合、ステップS13へと戻る。
【0022】図5は、無線によるプログラム等の情報の無線パケットフォーマットの一例を示すものである。ヘッダー送信伝文は、隣接する他の無線システムとの混信を防止するためのIDコードであるシステムID、通信する相手のターミナル番号である相手局アドレス、自機のターミナル番号である自局アドレス、無線周波数チャネルである使用チャネルNo.、送信するデータの種別(システムプログラム、アプリケーションプログラム、マスタデータ等)を示すデータ種別コード、送信するデータをRAMに格納する際の開始アドレスを示す格納アドレス情報、及びシステムIDからチェックコード直前迄のCRC(cyclic redundacy check)コード(誤り検出用)であるチェックコードを含んでいる。ステップS14において、システムID、相手局アドレス、自局アドレスによって判定される。
【0023】ステップS14のチェックがOKならば、データ識別コード、格納アドレス情報及びチェックコードについて受信データのチェックを実施する(ステップS15)。ヘッダー送信伝文が正常に受信できたならば、ヘッダー送信伝文のチェックコードの代わりにステータスコードを付加して、OK応答伝文即ちヘッダー応答伝文を送信して、プログラムまたはデータが受信できることを相手に知らせる(ステップS16)。
【0024】プログラムオブジェクトまたはデータを図5R>5に示すフォーマットで受信する(ステップS17)。プログラムオブジェクトまたはデータ送信伝文は、図5に示すように、システムID、相手局アドレス、自局アドレス、使用チャネルNo.からなるヘッダー、送信するプログラムオブジェクトまたはデータの送信バイト数であるバイトカウント、チェックコード、及びプログラムオブジェクトまたはデータを含んでいる。
【0025】送信電文のヘッダーについて、自システムのデータかを確認するためにシステムIDを、自局に対して送信されたデータかを確認するために自局アドレスを、自システムで有効な相手局から送信されたデータかを確認するために相手局アドレスをチェックする(ステップS18)。チェックの結果が不一致の場合、不必要な受信データとして無効にして、ステップS17へと戻る。次に、送信伝文のチェックコードに基づいて、受信データのチェックを行い(ステップS19)、異常がないならば受信データをRAMに格納する(ステップS20)。次に、受信状態がOKであることを示すOK応答伝文を相手の情報処理装置へと送信する(ステップS21)。応答伝文は、相手の情報処理装置からの送信伝文と同一のヘッダーにステータスが付加されたものである。次に、最終伝文であるか否か、即ち一連のプログラムまたはデータの送信が全て終了したか否かを判定して(ステップS22)、もし終了していないならばステップS17に戻り、引き続きプログラムまたはデータの受信、RAMへの格納、及び応答伝文送信処理を実行する。
【0026】ステップS22で最終伝文であることが確認されたならば、ダウンロード処理を終了する。
【0027】ステップS15の受信データチェックにおいて、エラーが発生したならば、エラーリトライ回数がオーバーしたか否かを判定する(ステップS23)。即ち、エラーが発生した場合、エラー応答伝文を相手方の情報処理装置へと送信して(ステップS24)、再送信を要求してステップS13へと戻って再度受信を行い、ステップS13からS15を何回リトライしたかを判定して、所定の回数リトライを繰り返してエラー発生が起こったならば、エラー処理をして(ステップS27)、エラー終了する。
【0028】また、ステップS19のチェックコードチェックにおいて、エラーが発生したならば、同様に、エラーリトライ回数がオーバーしたか否かを判定する(ステップS25)。即ち、エラーが発生した場合、エラー応答伝文を相手型の情報処理装置へと送信して(ステップS26)、再送信を要求してステップS17へと戻って再度受信を行い、ステップS17からS19を何回リトライしたかを判定して、所定の回数リトライを繰り返してエラー発生が起こったならば、エラー処理をして(ステップS27)、エラー終了する。
【0029】ステップS11でアップロード処理が選択された場合、相手局アドレス及びデータ種別コードの指定を実施する(ステップS28)。次に、相手の情報処理装置へ送信するべきヘッダー情報の編集処理を実行して(ステップS29)、ヘッダー送信伝文の送信を実行する(ステップS30)。そして、相手局からヘッダー送信伝文を受信したことを知らせるヘッダー応答伝文を受信し(ステップS31)、システムID、自局アドレス及び相手局アドレスを基にヘッダー応答伝文が有効か否かを判定する(ステップS32)。チェックの結果が不一致の場合、不必要な受信データとして無効にし、有効なヘッダー応答伝文を再受信するために、ステップS31に戻る。
【0030】ステップS32の判定の結果、有効なヘッダー応答伝文であることが確認されたならば、ステータスコード及びチェックコードをチェックする(ステップS33)。ステータスコードは、図5に示すように応答伝文に含まれており、正常またはエラー要因を示す。チェックの結果が良好であるならば、送信すべきプログラムオブジェクトまたはデータの編集を行い(ステップS34)、プログラムオブジェクトまたはデータが付加された送信伝文の送信を開始する(ステップS35)。この送信に対する相手局からの応答伝文を受信して(ステップS36)、応答伝文が有効であるか否かを判定する(ステップS37)。無効であると判定されたならばステップS36に戻って応答伝文を再受信する。
【0031】ステップS37の判定の結果、有効な応答伝文であることが確認されたならば、ステータスコード及びチェックコードをチェックする(ステップS38)。受信が正常であるならば、最終伝文を送信したか否かを判定して(ステップS39)、もし、最終伝文でないならば、ステップS34に戻り、引き続いてステップS34からS39を繰り返す。
【0032】尚、ステップS33またはステップS38の判定の結果、相手局の受信が正常に行われていないことが明らかになったならば、リトライ回数オーバーであるか否かを判定して(ステップS40またはステップS41)、オーバーでないならば再送信を行うべくステップS30またはS34へと戻る。また、リトライ回数オーバーならばエラー終了へ移行しエラー処理を実行してアップロード処理を終了する。
【0033】また、ステップS11において、キーが押下されなかったならばアプリケーションプログラムの実行へと移行する。
【0034】この様に、本実施例による情報処理装置は、無線インタフェースを介して、他の情報処理装置に対してプログラムまたはデータをダウンロードまたはアップロードする手段を備えたので、プログラムまたはデータを情報処理装置間でダウンロードまたはアップロードする際、接続ケーブル、RAMカード、フロッピーディスク、光通信装置といった媒体を介して通信する必要がなく、その結果、システムコストの低減化を図ることができる。しかもコネクタ接続時のように接続不良が発生しないので、耐久性及び信頼性の向上を図ることができる。また、ケーブル接続及びカード、フロッピーディスク脱着の手間がなくなるので、操作性が向上する。さらに、情報処理装置の設置場所の制限がなく、任意の場所に設置することができる。
【0035】
【発明の効果】以上詳細に述べたように、本発明による情報処理装置では、他の情報処理装置と通信するための無線通信手段と、該無線通信手段を用いて、他の情報処理装置に対してプログラムまたはデータをダウンロードまたはアップロードする手段とを備えたので、プログラムまたはデータを情報処理装置間でダウンロードまたはアップロードする際、接続ケーブル、RAMカード、フロッピーディスク、光通信装置といった媒体を介して通信する必要がなく、その結果、システムコストの低減化を図ることができる。しかもコネクタ接続時のように接続不良が発生しないので、耐久性及び信頼性の向上を図ることができる。また、ケーブル接続及びカード、フロッピーディスク脱着の手間がなくなるので、操作性が向上する。さらに、情報処理装置の設置場所の制限がなく、任意の場所に設置することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る情報処理装置の一実施例の全体的な構成を示すブロック図である。
【図2】本発明に係る情報処理装置の他の実施例の全体的な構成を示すブロック図である。
【図3】本発明に係わる情報処理装置の一実施例の概略的な構成を示すブロック図である。
【図4】本発明に係わる情報処理装置の一実施例のダウンロードまたはアップロード処理のフローチャート図である。
【図5】本発明に係わる情報処理装置の一実施例の通信パケットフォーマットの一例を示す図である。
【図6】従来の情報処理装置の一例の全体的な構成を示すブロック図である。
【図7】従来の情報処理装置の他の例の全体的な構成を示すブロック図である。
【図8】従来の情報処理装置の他の例の全体的な構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
10、20、30、40 情報処理装置
11、21、31、42a 無線インタフェース

【特許請求の範囲】
【請求項1】 他の情報処理装置と通信するための無線通信手段と、該無線通信手段を用いて、他の情報処理装置に対してプログラムまたはデータをダウンロードまたはアップロードする手段とを備えたことを特徴とする情報処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図6】
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【図4】
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【図5】
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【図7】
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【図8】
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