説明

情報出力装置、ゲームシステム、プログラムおよび記録媒体

【課題】ネットワーク方式のゲームシステムの情報出力装置において、階層メニューの表示において、どの層のメニューが表示されているのか把握し易くする。
【解決手段】情報出力装置200を提供する。情報出力装置200は、操作部240から入力された情報に基づいて、現在メニューから1つのメニュー項目を選択し、このメニュー項目に子のメニューが関連付けられている場合には、当該子のメニューを、当該子のメニューの層に対応する表示領域に表示して現在メニューとする。また、情報出力装置200は、階層メニューの選択結果に応じた情報の表示に用いるデータの配信を要求する要求データを、個人情報を管理する管理装置300へ送信し、この要求データに対する応答データを受信し、この応答データを用いて、階層メニューの選択結果に応じた情報を画面221に表示させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報出力装置、ゲームシステム、プログラムおよび記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
ネットワークに属する複数のサブシステムと、ネットワークに属する1つの管理装置とを有するゲームシステムが実施されている。各サブシステムは、複数のゲーム端末と1つの情報出力装置とを備える。各ゲーム端末は、あるコンピュータゲームのプレイを実現し、実現されたプレイの結果を示す結果データを管理装置へ送信する。管理装置は、上記コンピュータゲームのプレイヤの個人情報を管理し、結果データを受信すると、結果データを用いて、結果データに係るプレイのプレイヤの個人情報を更新する。各情報出力装置は、階層メニューを提供し、階層メニューの選択結果に応じた情報を出力する。具体的には、情報出力装置が、階層メニューの選択結果に応じた情報の出力に用いるデータの配信を要求する要求データを管理装置へ送信し、管理装置が、要求データと複数のプレイヤの個人情報とに応じた応答データを返信し、情報出力装置が、この応答データを用いて情報を出力する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、従来の情報出力装置では、階層メニューの提供において、異なる層のメニューが同一の表示領域に切り換え表示される。そのため、どの層のメニューが表示されているのか把握し難いという問題がある。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、ネットワーク方式のゲームシステムにおいてコンピュータゲームのプレイに関する情報を出力する情報出力装置において、出力する情報を選択する階層メニューの表示において、どの層のメニューが表示されているのか把握し易くすることを解決課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
まず、用語について説明する。
「ゲーム」とは、そのプレイ(ゲームプレイ)の結果を定めるルールを有するものの総称である。各ゲームについて「プレイ」とは、その開始から終了までのゲーム期間において当該ゲームを客体として進行する行為のうち、その内容が、当該ゲームと、当該ゲーム期間におけるその主体の挙動とに応じて定まるものの総称である。各ゲームは、単数または複数のプレイの客体となる。各プレイの主体となる個体を、そのプレイの客体であるゲームの「プレイヤ」と総称する。各プレイについて、その主体であるプレイヤを、そのプレイの「参加プレイヤ」と総称する。各プレイについて、その「結果」とは、そのプレイの参加プレイヤが目的とする評価である。プレイの結果としては、勝敗や、順位、得点を例示可能である。
【0005】
ゲームとしては、各プレイの参加プレイヤの数が単数のゲームや、この数が複数のマルチプレイ型のゲームを例示可能である。マルチプレイ型のゲームとしては、各プレイの結果が当該プレイの参加プレイヤ毎に定まる個人評価型のゲームや、各プレイの結果が当該プレイの参加プレイヤの集団である参加チーム毎に定まるチーム評価型のゲームを例示可能である。また、マルチプレイ型のゲームとしては、各プレイのゲーム期間において当該プレイの参加プレイヤまたは参加チームが、互いに競争する競争型のゲームや、互いに協力する協力型のゲームを例示可能である。競争型のゲームとしては、参加プレイヤまたは参加チームが対戦する対戦型のゲームを例示可能である。
【0006】
任意のゲームは、コンピュータゲームとして実現可能である。「コンピュータゲーム」とは、そのプレイがコンピュータを用いて実現されるゲームの総称である。各コンピュータゲームでは、そのプレイの内容に影響を与える挙動は、当該プレイの実現に用いられたコンピュータの操作に限られる。各コンピュータゲームのプレイの実現に用いられるコンピュータを、当該コンピュータゲームの「ゲーム装置」と総称する。各コンピュータゲームのゲーム装置のうち、その操作のための、そのコンピュータゲームのプレイヤに対するユーザインターフェイスを有するものを、「ゲーム端末」と総称する。各コンピュータゲームのゲーム装置を有するシステムを、そのコンピュータゲームの「ゲームシステム」と総称する。
【0007】
ゲーム端末が設置される場所を「ゲーム場」と総称する。ゲーム場としては、設置されたゲーム端末を来訪者に有償で使用させる施設(例えば、ゲームセンタ)や、ゲーム端末が設置された住居を例示可能である。前者では、主として来訪者が、ゲーム端末の使用者およびコンピュータゲームのプレイヤとなり、後者では、主として住人が、ゲーム端末の使用者およびコンピュータゲームのプレイヤとなる。前者には、主として、その使用者からその使用料を徴収するための機能を持つゲーム端末(業務用ゲーム機の一種)が設置され、後者には、主として、当該機能を持たないゲーム端末(家庭用ゲーム機の一種)が設置される。
【0008】
ゲーム装置またはゲームシステムとしては、実現可能なコンピュータゲームの数が単数のものや、この数が複数のものを例示可能である。ゲームシステムとしては、ゲーム端末を単数だけ有するゲームシステムや、ゲーム端末を複数有するゲームシステム、ゲーム装置を複数有するゲームシステムを例示可能である。ゲーム装置を複数有するゲームシステムとしては、全てのゲーム装置がノードとして属する単数のネットワークを用いたゲームシステム(ネットワーク方式のゲームシステム)を例示可能である。
【0009】
「ネットワーク」とは、終端を有し、自己に属する複数の終端ノード間でのデータの送受信を可能とするように設けられたシステムの総称である。ネットワークとしては、自己に属する各終端ノードに自己内でユニークな通信アドレス(例えばIP(Internet Protocol)アドレス)が付与され、これらの通信アドレスを用いて終端ノード間でのデータの送受信が行われるものを例示可能である。「終端ノード」とは、自己が属するネットワークに属するノードのうち、当該ネットワークの終端として機能するものの総称である。「ノード」とは、自己が属するネットワーク内で送信または受信の主体となる装置またはシステムの総称である。ノードとしては、コンピュータや、ネットワークを例示可能である。複数のネットワークをそれぞれノードとして含むネットワークを、「インターネットワーク」と称する。インターネットワークとしては、インターネットを例示可能である。
【0010】
複数のゲーム端末を有する、ネットワーク方式のゲームシステムとしては、マスター/スレーブ方式のゲームシステム、サーバ/クライアント方式のゲームシステム、ピアツーピア(Pear To Pear)方式のゲームシステムを例示可能である。マスター/スレーブ方式のゲームシステムとしては、マスターとなるゲーム端末とスレーブとなるゲーム端末が、静的に定められたゲームシステムや、動的に定められるゲームシステムを例示可能である。サーバ/クライアント方式のゲームシステムとしては、サーバとなるゲーム装置とクライアントとなるゲーム端末とが静的に定められたゲームシステムや、両者が動的に定められるゲームシステム、サーバとクライアントを兼ねるゲーム端末が存在するゲームシステムを例示可能である。
【0011】
「コンピュータ」とは、データを処理する装置のうち、データを保持するメモリと、メモリにロードされたプログラムを実行するプロセッサとを有するものの総称である。「データ」とは、情報を測定可能な形式で表現したものの総称である。データとしては、情報を電気的に表現したデータや、情報を磁気的に表現したデータ、情報を光学的に表現したデータを例示可能である。「情報」とは、データで表現可能な対象の総称である。「メモリ」とは、書き込まれたデータを読み出し可能に保持する装置の総称である。メモリとしては、半導体メモリ、磁気メモリ、光メモリを例示可能である。「プログラム」とは、コンピュータプログラムである。「コンピュータプログラム」とは、命令を表すデータ(コード)の集合体(例えば、コード列)のうち、処理の手順を示すものの総称である。プログラムとしては、コンピュータに、コンピュータゲームのプレイを実現させるプログラムを例示可能である。「プロセッサ」とは、命令セットを実装し、その命令セットに含まれている命令を表すデータの集合体であるプログラムに示されている手順で、当該プログラム内のデータで表される命令を実行する処理を行うことによって、当該プログラムを実行する装置の総称である。プロセッサとしては、単数のCPU(Central Processing Unit)や、複数のCPUの集合体を例示可能である。
【0012】
コンピュータとしては、外部とのインターフェイスを備えるコンピュータを例示可能である。外部とのインターフェイスとしては、外部から情報またはデータを入力する入力部や、外部へ情報またはデータを出力する出力部を例示可能である。情報について「入力」とは、検出または測定によって外部の情報を表すデータを生成する行為の総称である。入力部としては、センサや、ボタン、キーボードを例示可能である。情報について「出力」とは、データで表された情報を人間に知覚され得る形態で表す行為の総称である。人間に知覚され得る形態としては、光、音、振動を例示可能である。光の形態での情報の出力としては、画像の表示、光源の明滅を例示可能である。音の形態での情報の出力としては、スピーカによる放音、ソレノイドによる発音機構の駆動(例えば、ベルの鳴動)を例示可能である。振動の形態での情報の出力としては、振動子の揺動を例示可能である。
【0013】
次に、本発明について説明する。
本発明は、ネットワークに属する複数のサブシステムと、前記ネットワークに属する管理装置とを有し、前記複数のサブシステムの各々は、あるコンピュータゲームのプレイを実現し、実現されたプレイの結果を示す結果データを前記管理装置へ送信する複数のゲーム端末と、階層メニューを提供して前記階層メニューの選択結果に応じた情報を出力する情報出力装置とを有し、前記管理装置は、前記コンピュータゲームのプレイヤの個人情報を管理し、前記結果データを受信すると、前記結果データを用いて前記結果データに係る前記プレイのプレイヤの前記個人情報を更新する一方、前記情報の出力に用いるデータの配信を要求する要求データを受信すると、前記要求データと前記個人情報とに応じた応答データを返信する、ネットワーク方式のゲームシステムにおける前記情報出力装置であって、前記階層メニューの複数の層にそれぞれ対応する互いに重ならない複数の表示領域を有する表示部と、外部から情報を入力する入力部と、外部へ情報を出力する出力部と、前記入力された情報に基づいて、メニュー項目の選択対象のメニューから1つのメニュー項目を選択する選択部と、前記選択部により選択されたメニュー項目に子のメニューが関連付けられている場合に、前記子のメニューを、前記子のメニューの層に対応する前記表示領域に表示して前記選択対象のメニューとする前進処理部と、前記要求データを前記管理装置へ送信する送信部と、前記応答データを前記管理装置から受信する受信部と、前記受信部により受信された応答データを用いて、前記階層メニューの選択結果に応じた情報を前記出力部から出力させる出力制御部と、を備えることを特徴とする情報出力装置を提供する。
この情報出力装置によれば、出力する情報を選択する階層メニューの各メニューがその階層に応じた表示領域に表示されるから、階層メニューの表示において、どの層のメニューが表示されているのか把握し易くなる。
【0014】
上記の情報出力装置において、前記入力された情報に基づいて、前記選択対象のメニューから1つのメニュー項目を仮選択する仮選択部を備え、前記選択部は、前記入力された情報に基づいて、前記仮選択部に仮選択されたメニュー項目を選択し、前記子のメニューは、親のメニューに戻るための後退メニュー項目を含み、前記前進処理部は、前記選択部により選択されたメニュー項目に子のメニューが関連付けられている場合に、前記子のメニューを、前記子のメニューの層に対応する前記表示領域に表示して前記選択対象のメニューとするとともに、前記後退メニュー項目の隣のメニュー項目を仮選択する、ようにしてもよいし、前記入力された情報に基づいて、前記選択対象のメニューから1つのメニュー項目を仮選択する仮選択部を備え、前記選択部は、前記入力された情報に基づいて、前記仮選択部に仮選択されたメニュー項目を選択し、前記子のメニューは、親のメニューに戻るための後退メニュー項目を含み、前記選択部により選択されたメニュー項目が前記後退メニュー項目である場合に、前記選択対象のメニューの親のメニューのメニュー項目のうち前記選択対象のメニューに関連付けられているメニュー項目を仮選択するとともに、前記親のメニューを前記選択対象のメニューとする後退処理部をさらに備える、ようにしてもよい。
前者の態様によれば誤選択の訂正が容易となり、後者の態様によれば誤選択からの回復が容易となる。
【0015】
また、本発明は、ネットワークに属する複数のサブシステムと、前記ネットワークに属する管理装置とを有し、前記複数のサブシステムの各々は、あるコンピュータゲームのプレイを実現し、実現されたプレイの結果を示す結果データを前記管理装置へ送信する複数のゲーム端末と、階層メニューを提供して前記階層メニューの選択結果に応じた情報を出力する情報出力装置とを有し、前記管理装置は、前記コンピュータゲームのプレイヤの個人情報を管理し、前記結果データを受信すると、前記結果データを用いて前記結果データに係る前記プレイのプレイヤの前記個人情報を更新する一方、前記情報の出力に用いるデータの配信を要求する要求データを受信すると、前記要求データと前記個人情報とに応じた応答データを返信する、ネットワーク方式のゲームシステムにおいて、前記情報出力装置は、前記階層メニューの複数の層にそれぞれ対応する互いに重ならない複数の表示領域を有する表示部と、外部から情報を入力する入力部と、外部へ情報を出力する出力部と、前記入力された情報に基づいて、メニュー項目の選択対象のメニューから1つのメニュー項目を選択する選択部と、前記選択部により選択されたメニュー項目に子のメニューが関連付けられている場合に、前記子のメニューを、前記子のメニューの層に対応する前記表示領域に表示して前記選択対象のメニューとする前進処理部と、前記要求データを前記管理装置へ送信する送信部と、前記応答データを前記管理装置から受信する受信部と、前記受信部により受信された応答データを用いて、前記階層メニューの選択結果に応じた情報を前記出力部から出力させる出力制御部とを備える、ことを特徴とするゲームシステムを提供する。
このゲームシステムによれば、情報出力装置において、出力する情報を選択する階層メニューの各メニューがその階層に応じた表示領域に表示されるから、階層メニューの表示において、どの層のメニューが表示されているのか把握し易くなる。
【0016】
また、本発明は、ネットワークに属する複数のサブシステムと、前記ネットワークに属する管理装置とを有し、前記複数のサブシステムの各々は、あるコンピュータゲームのプレイを実現し、実現されたプレイの結果を示す結果データを前記管理装置へ送信する複数のゲーム端末と、階層メニューを提供して前記階層メニューの選択結果に応じた情報を出力する情報出力装置とを有し、前記管理装置は、前記コンピュータゲームのプレイヤの個人情報を管理し、前記結果データを受信すると、前記結果データを用いて前記結果データに係る前記プレイのプレイヤの前記個人情報を更新する一方、前記情報の出力に用いるデータの配信を要求する要求データを受信すると、前記要求データと前記個人情報とに応じた応答データを返信する、ネットワーク方式のゲームシステムにおける前記情報出力装置であって、外部から情報を入力する入力部と、外部へ情報を出力する出力部と、前記階層メニューの複数の層にそれぞれ対応する互いに重ならない複数の表示領域を有する表示部とを備える前記情報出力装置を、前記入力された情報に基づいて、メニュー項目の選択対象のメニューから1つのメニュー項目を選択する選択部と、前記選択部により選択されたメニュー項目に子のメニューが関連付けられている場合に、前記子のメニューを、前記子のメニューの層に対応する前記表示領域に表示して前記選択対象のメニューとする前進処理部と、前記要求データを前記管理装置へ送信する送信部と、前記応答データを前記管理装置から受信する受信部と、前記受信部により受信された応答データを用いて、前記階層メニューの選択結果に応じた情報を前記出力部から出力させる出力制御部として機能させるプログラム、または上記プログラムを記録したことを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記録媒体を提供する。
このプログラムによれば、情報出力装置において、出力する情報を選択する階層メニューの各メニューがその階層に応じた表示領域に表示されるから、階層メニューの表示において、どの層のメニューが表示されているのか把握し易くなる。
なお、本発明は、上記プログラムを伝送する伝送媒体(例えばネットワーク)としても把握される。つまり、本発明は、上記プログラムをコンピュータ読み取り可能に記録または伝送する媒体(データキャリヤ)としても把握される。また、本発明は、上記プログラムの一部または全部であるプログラム要素としても把握される。また、本発明は、コンピュータにロードされて上記プログラムとなるデータを保持する媒体を有するプログラム製品としても把握される。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、ネットワーク方式のゲームシステムにおいてコンピュータゲームのプレイに関する情報を出力する情報出力装置において、階層メニューの表示において、どの層のメニューが表示されているのか把握し易くすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、図面を参照して、本発明の好適な実施の形態について説明する。以下に説明する具体的な構成は一例に過ぎず、本発明は、この具体的な構成を変形して得られる各種の形態をも範囲に含む。
【0019】
図1は、ゲームシステム10の構成を示すブロック図である。ゲームシステム10は、ネットワーク方式のゲームシステムであり、複数のゲーム端末100,100,…、複数の情報出力装置200,200,…、および1つの管理装置300を有する。全てのゲーム端末100,100,…、全ての情報出力装置200,200,…、および管理装置300は、それぞれ、終端ノードとしてインターネットワーク1に属する。
【0020】
ゲームシステム10は、1つの情報出力装置200と複数のゲーム端末100,100,…とを有するサブシステム50を複数有する。サブシステム50に含まれるゲーム端末100の数は、全てのサブシステム50,50,…に共通であってもよいし、共通でなくてもよい。全てのゲーム端末100,100,…および全ての情報出力装置200,200,…の各々は、複数のサブシステム50,50,…のいずれか1つに属する。つまり、ゲームシステム10は、1つの管理装置300と複数のサブシステム50,50,…とを有するネットワーク方式のゲームシステムでもある。
【0021】
ゲームシステム10の一部は、不特定多数の人間が来訪する複数のゲーム場2,2,…にわたって設けられている。具体的には、全てのゲーム場2,2,…の各々に、サブシステム50が、少なくとも1つ配置されている。また、全てのゲーム場2,2,…の各々には、LAN(Local Area Network)3が設けられており、LAN3には、LAN3が設けられたゲーム場2に配置された複数のゲーム端末100,100,…および少なくとも1つの情報出力装置200が、それぞれ、終端ノードとして属する。また、全てのLAN3,3,…の各々には、1つのVPN(Virtual Private Network)装置4がノードとして属する。
【0022】
管理装置300は、LAN6に終端ノードとして属する。LAN6は、インターネットワーク1にノードとして属するネットワークであり、全てのゲーム場2,2,…のいずれとも異なる場所に設けられている。LAN6には、1つのVPN装置4がノードとして属する。全てのVPN装置4,4,…は、それぞれ、VPN5に終端ノードとして属する。VPN5は、インターネットワーク1上に仮想的に実現されたネットワークである。全てのゲーム端末100,100,…と管理装置300間の通信や、全ての情報出力装置200,200,…と管理装置300間の通信は、VPN5を介して行われる。
【0023】
図2は、ゲーム端末100の構成を示すブロック図である。ゲーム端末100は、特定のクイズゲームのプレイの実現に用いられるゲーム端末である。このプレイでは、そのプレイヤには、出題された問題に対して解答することが求められる。図に示すように、ゲーム端末100は、各種のデータ処理を行うプロセッサ150、プレイヤに操作されて操作内容に応じた操作データをプロセッサ150へ供給する操作部140、プロセッサ150から供給された画像データを用いて画面121に画像を表示する表示部120、プロセッサ150からの音声データを用いてスピーカ131から音声を放出する発音部130、プロセッサ150と外部との間でデータを中継する通信インターフェイス110、および各種のデータを記憶する記憶部160を有する。
【0024】
操作部140は、透明なタッチパネル141を備える。タッチパネル141は、画面121を覆っており、その操作者に触れられた位置に応じた操作データをプロセッサ150へ供給する。つまり、操作部140は、外部から情報を入力する入力部である。表示部120および発音部130は、それぞれ、外部へ情報を出力する出力部である。表示部120は、例えばモニタである。なお、本実施の形態を変形し、表示部120に代わる出力部としてビデオプロジェクタを備えた構成としてもよい。この場合、画像が投射されるスクリーンが画面121に相当し、操作部140がキーボードやボタン等を備えることになる。
【0025】
ゲーム端末100の使用者は、操作部140を操作することにより特定のクイズゲームのプレイヤとなることができる。特定のクイズゲームのプレイヤは、そのプレイにおいて、画面121に表示された画像を見たり、スピーカ131から放出された音声を聞いたりすることによって、出題された問題を把握することができる。また、特定のクイズゲームのプレイヤは、そのプレイにおいて、タッチパネル141に触れることによって、出題された問題に回答することができる。
【0026】
記憶部160の記憶領域は、記憶内容の保持に電源が必須の揮発性領域R1と、そうでない不揮発性領域R2とに分けられる。不揮発性領域R2は、記憶内容を書き換え不可能な書き換え不可能領域R21と、記憶内容を書き換え可能な書き換え可能領域R22とに分けられる。揮発性領域R1は例えばRAM(Random Access Memory)により、書き換え不可能領域R21は例えばROM(Read Only Memory)により、書き換え可能領域R22は例えばハードディスクにより実現されている。
【0027】
揮発性領域R1には、特定のクイズゲームのプレイの結果を示す結果データ161や、特定のクイズゲームのプレイヤを識別するプレイヤIDを表すIDデータ162が書き込まれる。書き換え可能領域R22には、複数の問答データ163,163,…が書き込まれている。全ての問答データ163の各々は、1つの問題を表す問題データと当該問題に対する正解を表す正解データとを含むデータであり、特定のクイズゲームのプレイにおいて用いられる。書き換え不可能領域R21には、揮発性領域R1にロードされてプロセッサ150に実行されるゲームプログラム164が保持されている。ゲームプログラム164は、ゲーム端末100にプレイ処理を繰り返し行わせるプログラムである。
【0028】
図3は、ゲーム端末100が行うプレイ処理のフローチャートである。プレイ処理では、ゲーム端末100は、まず、プレイヤIDを取得して当該プレイヤIDを表すIDデータ162を揮発性領域R1に書き込むプレイヤID取得処理を行う(ステップSA1)。つまり、1つのゲーム端末100の揮発性領域R1に保持されているIDデータ162は、当該ゲーム端末100で実現中のプレイまたは直前に実現されたプレイのプレイヤのプレイヤIDを示す。
【0029】
プレイヤID取得処理では、例えば、プロセッサ150が、表示部120に画像データを供給することによってタッチパネル141を用いたプレイヤIDの入力を促す画像を画面121に表示させる一方、タッチパネル141から供給される操作データに基づいてプレイヤIDを特定し、特定したプレイヤIDを示すIDデータ162を揮発性領域R1に書き込む。
【0030】
プレイヤID取得処理におけるプレイヤIDの入力の形態は、上記の例に限らない。例えば、ゲーム端末100がカードリーダを備えることとし、このカードリーダが、一人の人間に所有されるカードであって当該人間のIDを示すIDデータを記録したカードから当該IDデータを読み取ってプロセッサ150へ供給し、プロセッサ150が、当該IDデータで示されるIDを示すデータをIDデータ162として扱うようにしてもよい。また、この例を変形し、カードリーダが、一人の人間に所有されるカードであって当該カードのIDを示すIDデータを記録したカードから当該IDデータを読み取ってプロセッサ150へ供給し、プロセッサ150が、当該IDデータで示されるIDまたは当該IDに予め対応付けられたIDを示すデータをIDデータ162として扱うようにしてもよい。
【0031】
次にゲーム端末100は、特定のゲームのプレイを実現するプレイ実現処理(ステップSA2)を行う。より具体的には、ゲーム端末100は、書き換え可能領域R22に保持されている問答データ163,163,…から1つを選択する選択処理と、選択した問答データ163に含まれている問題データを用いて1つの問題を出題する出題処理と当該問題に対する当該プレイのプレイヤの回答を受け付ける受付処理とを並列に行う問答処理とを、予め定められた終了条件を満たすまで繰り返し行う。終了条件は任意であり、例えば、プレイ実現処理の開始時点から一定の時間が経過したらプレイ実現処理を終了するようにしてもよいし、プレイ実現処理において一定の数の問題が出題されたら最後に出題された問題についての受付処理の終了時点でプレイ実現処理を終了するようにしてもよい。
【0032】
出題処理では、より具体的には、プロセッサ150が、選択処理において選択された問答データ163に含まれている問題データに応じた画像データを表示部120へ供給することによって当該問題データに応じた画像を画面121に表示させるとともに、当該問題データに応じた音声データを発音部130へ供給して当該問題データに応じた音声をスピーカ131から放出させる。一方、受付処理では、より具体的には、プロセッサ150が、タッチパネル141から操作データが供給されると、供給された操作データを用いて当該プレイのプレイヤの回答を特定する。
【0033】
また、プレイ実現処理では、プロセッサ150が、実現中のプレイにおいて選択された問答データ163(詳しくは正解データ)と、当該問答データ163(詳しくは問題データ)を用いて出題された問題に対する当該プレイのプレイヤの回答とに基づいて、当該プレイの結果(例えば得点)を定め、定めた結果を示す結果データ161を揮発性領域R1に書き込む。つまり、ゲーム端末100の揮発性領域R1に保持されている結果データ161は、当該ゲーム端末100で実現中のプレイまたは直前に実現されたプレイの結果を示すことになる。
【0034】
次にゲーム端末100は、結果データ161およびIDデータ162を管理装置300へ送信する結果送信処理を行う(ステップSA3)。より具体的には、プロセッサ150は、揮発性領域R1から結果データ161およびIDデータ162を読み出し、両者を含む追記データを、通信インターフェイス110を用いて管理装置300へ送信する。つまり、ゲーム端末100は、特定のクイズゲームのプレイを実現し、実現されたプレイの結果を示す結果データ161を管理装置300へ送信する。管理装置300は、ゲーム端末100からの追記データを受信することにより、その送信元のゲーム端末100の通信アドレスと、このゲーム端末100が配置されたゲーム場2に配置されたVPN装置4の通信アドレスとを把握することができる。
【0035】
図4は、管理装置300の構成を示すブロック図である。管理装置300は、特定のクイズゲームのプレイヤの個人情報を管理するコンピュータであり、通信インターフェイス310、プロセッサ350および記憶部360を有する。これらの各部の機能は、ゲーム端末100における同名の各部の機能と同様である。記憶部360の揮発性領域R1および不揮発性領域R2(書き換え不可能領域R21および書き換え可能領域R22)の実現形態は、ゲーム端末100の記憶部160における同名の領域の実現形態と同様である。
【0036】
記憶部360の書き換え可能領域R22には、特定のクイズゲームのプレイヤの個人情報を示す個人データ361が複数保持されている。全ての個人データ361,361,…の各々は、そのプレイヤのプレイヤIDに対応付けられている。また、記憶部360の書き換え可能領域R22には、ゲーム場2の名称とゲーム場2がある地域(例えば、「東京」や「大阪」)とを示すゲーム場データ362が、ゲーム場2と同数だけ予め保持されている。全てのゲーム場データ362,362,…の各々は、ゲーム場2を識別するゲーム場IDに対応付けられている。ゲーム場IDは、例えば、VPN装置4の通信アドレスである。
【0037】
記憶部360の書き換え可能領域R22におけるデータ(個人データ361、ゲーム場データ362)とID(プレイヤID、ゲーム場ID)との対応付けの形態は任意である。例えば、データの記憶位置に対応する記憶位置に当該データに対応付けるIDを示すデータを書き込むようにしてもよいし、データを当該データに対応付けるIDに相当する記憶位置に書き込むようにしてもよい。
【0038】
図5は、個人データ361のデータ構造を模式的に示す図である。この図に示すように、個人データ361には、プレイヤの名前を示す1つの名前データ3611が含まれている。また、個人データ361には、日付を示す日付データ3612と、ゲーム場IDを示すゲーム場IDデータ3613と、結果データ161との組が1つ以上含まれ得る。本実施の形態では、説明が繁雑になるのを避けるために、特定のクイズゲームのプレイヤとなり得る全ての人について個人情報を管理する構成を採っている。このため、上記の組を1つも含んでない個人データ361も存在し得る。なお、本実施の形態を変形し、周知のゲームシステムと同様に、特定のクイズゲームのプレイヤとなったことがある人のみについて、個人情報を管理する構成としてもよい。この構成では、全ての個人データ361の各々には上記組が1つ以上含まれることになる。
【0039】
記憶部360の書き換え不可能領域R21には、揮発性領域R1にロードされてプロセッサ350に実行されるデータ管理プログラム363が保持されている。データ管理プログラム363は、管理装置300に、追記データを受信すると追記処理を開始する処理と、情報の表示に用いるデータの配信を要求する要求データを受信すると後述の配信処理を開始する処理とを並列に行わせるプログラムである。
【0040】
図6は、管理装置300が行う追記処理のフローチャートである。追記処理では、プロセッサ350は、まず、当該追記処理に係る追記データを受信した日付を示す日付データ3612と、当該追記データの送信元のゲーム端末100が配置されたゲーム場2のゲーム場ID(当該ゲーム場2に配置されたVPN装置4の通信アドレス)を示すゲーム場IDデータ3613を生成する(ステップSB1)。
【0041】
次にプロセッサ350は、当該追記処理に係る追記データに含まれているIDデータ162で示されるプレイヤIDに対応する個人データ361を、生成した日付データ3612およびゲーム場IDデータ3613と当該追記データに含まれている結果データ161との組を新たに含むように更新する(ステップSB2)。つまり、管理装置300は、結果データ161を受信すると、この結果データ161を用いて、この結果データ161に係るプレイのプレイヤの個人情報を更新する。
【0042】
図7は、管理装置300が行う配信処理のフローチャートである。配信処理では、プロセッサ350は、当該処理に係る要求データと、記憶部360の書き換え可能領域R22に保持されている全ての個人データ361とに基づいて、応答データを生成し(ステップSC1)、これを、当該要求データの送信元の情報出力装置200へ返信する(ステップSC2)。
【0043】
図8は、情報出力装置200の構成を示すブロック図である。情報出力装置200は、特定のクイズゲームのプレイの結果に関する情報を出力するコンピュータであり、通信インターフェイス210、表示部220、操作部240、プロセッサ250および記憶部260を有する。これらの各部の機能は、ゲーム端末100における同名の各部の機能と同様である。ただし、操作部240は、タッチパネルではなく、左ボタン241、右ボタン242および決定ボタン243を備えている。これらのボタン241〜243の各々は、押されると固有の操作データをプロセッサ150へ供給する。なお、本実施の形態を変形し、情報出力装置200が、出力部として、図2に示すような発音部130に相当する発音部を備えるようにしてもよい。
【0044】
図9は、情報出力装置200の外観を示す斜視図である。この図から明らかなように、表示部220の画面221、左ボタン241、右ボタン242および決定ボタン243は、情報出力装置200の筐体の前面に設けられている。情報出力装置200の使用者は、左ボタン241、右ボタン242および決定ボタン243を操作することにより、画面221に、所望の情報を表示させることができる。また、情報出力装置200は、層の数が例えば最大で3の階層メニューを提供するものであり、画面221は、階層メニューの複数の層にそれぞれ対応する互いに重ならない複数の表示領域R1〜R3を含む。表示領域R1〜R3のうち、表示領域R1は最下段、表示領域R2は中段、表示領域R3は最上段に配置されている。
【0045】
図8の記憶部260の揮発性領域R1および不揮発性領域R2(書き換え不可能領域R21および書き換え可能領域R22)の実現形態は、ゲーム端末100の記憶部160における同名の領域の実現形態と同様である。記憶部260の揮発性領域R1には、特定のクイズゲームのプレイヤまたは特定のクイズゲームのプレイが行われたゲーム場2の順位表を示す順位表データ261が書き込まれる。記憶部260の書き換え不可能領域R21には、階層メニューを提供するための階層メニューデータ262が保持されている。
【0046】
図10は、情報出力装置200が提供する階層メニューの構造を模式的に示す図である。この図に示すように、階層メニューの構造は最大で3層の木構造である。第1層のメニューM1は、木の根(ルート)に相当し、4つのメニュー項目を有する。これらのメニュー項目には、それぞれ、子のメニューが関連付けられている。例えば、メニューM1の図中左端のメニュー項目には、第2層のメニューM21が関連付けられており、メニューM1の図中左から2つ目のメニュー項目には、第2層のメニューM22が関連付けられている。また、第2層のメニューM21,M22,…は、それぞれ、6つのメニュー項目を有する。これらのメニュー項目のうち、いくつかには子のメニューが関連付けられており、残りには子のメニューが関連付けられていない。例えば、メニューM21の図中左端のメニュー項目には、第3層のメニューM31が関連付けられており、メニューM21の図中右端のメニュー項目は、木の葉(リーフ)となっている。階層メニューの選択結果は、基本的に、木の葉が選択されると確定する。
【0047】
図11は、情報出力装置200が提供する階層メニューの選択例を模式的に示す図である。この図に示すように、メニューM1は、メニュー項目として、左から順に、「地域別プレイヤ順位表」、「ゲーム場内プレイヤ順位表」、「全国ゲーム場順位表」および「地域別ゲーム場順位表」を有する。メニューM1の「地域別プレイヤ順位表」に関連付けられているメニューM21は、メニュー項目として、左から順に、「週間(先週)」、「週間(今週)」、「戻る」、「月間(今月)」、「月間(先月)」および「最高得点」を有する。メニューM21の「月間(今月)」に関連付けられているメニューM33は、メニュー項目として、左から順に、「戻る」および「最高得点」を有する。
【0048】
上述したことから明らかなように、「戻る」を有するメニューにおいて、「戻る」は右端ではない。つまり、「戻る」の右隣には他のメニュー項目が必ず存在する。なお、「戻る」は、親のメニューに戻るための後退メニュー項目であり、木の葉となっているが、「戻る」が選択されても、階層メニューの選択内容は確定しない。
【0049】
図11に示すように、第1層のメニューM1で「地域別プレイヤ順位表」が選択され、第2層のメニューM21で「月間(今月)」が選択され、第3層のメニューM33で「最高得点」が選択された場合、階層メニューの選択結果は、今月の地域別プレイヤ順位表を示すものとなる。今月の地域別プレイヤ順位表は、特定のクイズゲームのプレイヤが先月取得した得点に基づいて、プレイヤ毎に地域毎の最高得点を特定し、地域別に、特定した最高得点の高い順でプレイヤを並べた表である。一方、第1層のメニューM1で「地域別プレイヤ順位表」が選択され、第2層のメニューM21で「最高得点」が選択された場合、階層メニューの選択結果は、期間を区切らない地域別プレイヤ順位表を示すものとなる。期間を区切らない地域別プレイヤ順位表は、特定のクイズゲームのプレイヤが過去に取得した得点に基づいて、プレイヤ毎に地域毎の最高得点を特定し、地域別に、特定した最高得点の高い順でプレイヤを並べた表である。
【0050】
図8の記憶部260の揮発性領域R1には、階層メニューの選択結果を示す、第1選択データ263、第2選択データ264および第3選択データ265が書き込まれる。第1選択データ263は、第1層のメニュー(メニューM1)から選択された1つのメニュー項目を示すデータである。第2選択データ264は、第2層のメニュー(メニューM21、M22、…のいずれか1つ)から選択された1つのメニュー項目を示すデータである。第3選択データ265は、第3層の複数のメニュー(メニューM31、M32、…のいずれか1つ)から選択された1つのメニュー項目を示すデータである。
【0051】
本実施の形態では、情報出力装置200の使用者は、メニューから1つのメニュー項目を選択する際に、左ボタン241および右ボタン242を押下して所望の1つのメニュー項目を仮選択し、仮選択したメニュー項目を、決定ボタン243を押下して選択する。このため、記憶部260の揮発性領域R1には、メニュー項目の選択対象のメニュー(以降、「現在メニュー」と称する)において仮選択されている1つのメニュー項目を示す仮選択データ266が書き込まれる。なお、本実施の形態を変形し、仮選択を経ずにメニュー項目を選択可能にしてもよい。
【0052】
また、記憶部260の揮発性領域R1には、現在メニューの層(第1層、第2層または第3層)を示す現在層データ267が書き込まれる。また、記憶部260の書き換え不可能領域R21には、揮発性領域R1にロードされてプロセッサ250に実行される情報出力プログラム268が保持されている。情報出力プログラム268は、情報出力装置200に、階層メニューを提供するメニュー処理と、階層メニューの選択結果に応じた情報を画面221に表示する情報出力処理とを並列に行う処理を行わせるプログラムである。
【0053】
図12は、情報出力装置200が行うメニュー処理のフローチャートである。メニュー処理では、まず、プロセッサ250が初期化を行う(ステップSD1)。具体的には、記憶部250の揮発性領域R1に、「全国ゲーム場順位表」を示す仮選択データ266と、第1層を示す現在層データ267とを書き込む。次に、情報出力装置200は、メニュー表示処理を開始する(ステップSD2)。メニュー表示処理では、プロセッサ250と表示部220とが協働して、画面221に、第1層から現在層データ267で示される層までのメニューを表示させる。
【0054】
図14は、画面221に表示される画像の一例を示す図である。この図に示すように、ステップSD2の時点では、第1層のメニューM1が、画面221の表示領域R1に表示される。このとき、仮選択データ266は「全国ゲーム場順位表」を示しているから、「全国ゲーム場順位表」を囲むように仮選択枠Qが表示される。この図において、斜線部分には、階層メニューの選択結果に応じた画像が表示される。
【0055】
図12において、次にプロセッサ250は、外部から情報が入力されたか否かを判定する(ステップSD3)。この判定結果は、左ボタン241、右ボタン242または決定ボタン243が押下されたときに肯定的となり、他の場合に否定的となる。ステップSD3の判定結果が否定的な場合、処理はステップSD3に戻る。すなわち、プロセッサ250は、外部からの情報の入力を待ち受ける。
【0056】
ステップSD3の判定結果が肯定的となると、プロセッサ250は、押下されたボタンが決定ボタン243であるか否かを判定する(ステップSD4)。この判定結果が否定的な場合、すなわち、押下されたボタンが左ボタン241または右ボタン242の場合、プロセッサ250は、押下されたボタンに応じて仮選択データ266の更新を行う。
【0057】
仮選択データ266の更新では、プロセッサ250は、押下されたボタンが左ボタン241であり、かつ、仮選択されているメニュー項目が現在メニューの左端のメニュー項目でなければ、仮選択されているメニュー項目の左隣のメニュー項目が仮選択されるように仮選択データ266を更新し、押下されたボタンが右ボタン242であり、かつ、仮選択されているメニュー項目が現在メニューの右端のメニュー項目でなければ、仮選択されているメニュー項目の右隣のメニュー項目が仮選択されるように仮選択データ266を更新する。ただし、図14において、仮選択枠Qの位置は変化しない。つまり、画面221上では、選択枠Qではなく、現在メニューが左右方向にスライドする。
【0058】
以降、処理は、ステップSD3に戻る。すなわち、情報出力装置200は、入力された情報に基づいて、現在メニューから1つのメニュー項目を仮選択する仮選択部として機能する。一方、ステップSD4の判定結果が肯定的な場合、すなわち押下されたボタンが決定ボタン243の場合、情報出力装置200は、1つのメニュー項目を選択する選択処理を行う(ステップSD6)。
【0059】
図13は、情報出力装置200が行う選択処理のフローチャートである。選択処理では、まず、プロセッサ250が、仮選択されているメニュー項目を選択する(ステップSE1)。具体的には、現在層データ267で示される層の選択データ(第1選択データ263、第2選択データ264または第3選択データ265)を、仮選択データ266と同一のメニュー項目を示すように更新する。以上の説明から明らかなように、情報出力装置200は、入力された情報に基づいて、現在メニューから1つのメニュー項目を選択する選択部、または、入力された情報に基づいて、仮選択部に仮選択されたメニュー項目を選択する選択部として機能する。
【0060】
次に、プロセッサ250は、選択されたメニュー項目が「戻る」であるか否かを判定する(ステップSE2)。この判定結果が否定的な場合、プロセッサ250は、選択したメニュー項目に子のメニューが関連付けられているか否かを判定する(ステップSE3)。この判定結果が肯定的な場合、プロセッサ250は前進処理を行う(ステップSE4)。具体的には、現在層データ267で示される層が1つだけ木の葉側へ進むように現在層データ267を更新する処理と、第1選択データ263、第2選択データ264および第3選択データ265のうち更新後の現在層データ267で示される層よりも木の根側の層に対応する選択データに基づいて現在メニューを特定する処理とを行う。
【0061】
次にプロセッサ250は、現在メニューのうち「戻る」の右隣のメニュー項目を示すように、仮選択データ266を更新する(ステップSE5)。この結果、画面221には、図15に例示するような画像が表示される。以上の説明から明らかなように、情報出力装置200は、選択部により選択されたメニュー項目に子のメニューが関連付けられている場合に、当該子のメニューを、当該子のメニューの層に対応する表示領域に表示して現在メニューとするとともに、後退メニュー項目の隣のメニュー項目を仮選択する前進処理部として機能する。
【0062】
なお、本実施の形態を変形し、前進処理後の仮選択データ266の更新において、現在メニューのうち「戻る」の左隣のメニュー項目を示すように仮選択データ266を更新する形態としてもよい。いずれの形態であっても、仮選択された選択肢の隣が「戻る」であるから、誤選択の訂正が容易となる。
【0063】
一方、ステップSE2の判定結果が肯定的な場合、すなわち、選択されたメニュー項目が「戻る」である場合、プロセッサ250は後退処理を行う(ステップSE6)。具体的には、現在層データ267で示される層が1つだけ木の根側へ進むように現在層データ267を更新する処理と、第1選択データ263、第2選択データ264および第3選択データ265のうち更新後の現在層データ267で示される層よりも木の根側の層に対応する選択データに基づいて現在メニューを特定する処理とを行う。
【0064】
次にプロセッサ250は、現在層データ267で示される層よりも木の根側の層に対応する選択データに基づいて、かつて選択されたメニュー項目を示すように、仮選択データ266を更新する(ステップSE7)。この結果、画面221には、例えば、図16に示す画像が表示される。この画像は、画面221に図15に示す画像が表示されているときに「戻る」が選択された場合の画像である。以上の説明から明らかなように、情報出力装置200は、選択部により選択されたメニュー項目が後退メニュー項目である場合に、現在メニューの親のメニューのメニュー項目のうち現在メニューに関連付けられているメニュー項目を仮選択するとともに、当該親のメニューを現在メニューとする後退処理部として機能する。
【0065】
一方、ステップSE3の判定結果が否定的な場合、すなわち、選択したメニュー項目に子のメニューが関連付けられていない場合、情報出力装置200は、階層メニューの選択結果に応じた情報の表示に用いるデータの配信を要求する要求データを管理装置300へ送信する(ステップSE8)。つまり、情報出力装置200は、階層メニューの選択結果に応じた情報の表示に用いるデータの配信を要求する要求データを管理装置300へ送信する送信部として機能する。このときに画面221に表示される画像の一例を図17に示す。この画像は、画面221に図15に示す画像が表示されているときに「月間(今月)」が選択され、さらに第3層のメニューにおいて「最高得点」が選択された場合の画像である。
【0066】
次に情報出力装置200は、ステップSE8にて送信した要求データに対して管理装置300から返信されてくる応答データを受信する(ステップSE9)。つまり、情報出力装置200は、階層メニューの選択結果に応じた情報の表示に用いるデータの配信を要求する要求データと管理装置300に管理されている最新の個人情報とに応じた応答データを管理装置300から受信する受信部として機能する。
【0067】
次にプロセッサ250は、受信した応答データで、記憶部260の揮発性領域R1に保持されている順位表データ261を更新する(ステップSE10)。具体的には、受信した応答データで順位表データ261を上書きする。この結果、階層メニューの選択結果に応じた情報が画面221に表示される。具体的には、例えば、図17の斜線が施された領域に、今月の地域別プレイヤ順位表がスクロール表示される。以上の説明から明らかなように、情報出力装置200は、受信部により受信された応答データを用いて、階層メニューの選択結果に応じた情報を出力部から出力させる出力制御部として機能する。
【0068】
次にプロセッサ250は、初期化を行う。具体的には、記憶部250の揮発性領域R1に、「全国ゲーム場順位表」を示す仮選択データ266と、第1層を示す現在層データ267とを書き込む。なお、図12に示すように、上述した選択処理が終わると、処理は、ステップSD3に戻る。
【0069】
以上、説明したように、情報出力装置200は、操作部240から入力された情報に基づいて、階層メニューに含まれる現在メニューから1つのメニュー項目を選択し、このメニュー項目に子のメニューが関連付けられている場合には、当該子のメニューを、当該子のメニューの層に対応する表示領域に表示して現在メニューとする。また、情報出力装置200は、階層メニューの選択結果に応じた情報の表示に用いるデータの配信を要求する要求データを、個人情報を管理する管理装置300へ送信し、この要求データに対する応答データを管理装置300から受信し、受信した応答データを用いて、階層メニューの選択結果に応じた情報を画面221に表示させる。よって、情報出力装置200によれば、各メニューがその階層に応じた表示領域に表示されるから、階層メニューの表示において、どの層のメニューが表示されているのか把握し易くなる。
【0070】
また、情報出力装置200は、操作部240から入力された情報に基づいて、現在メニューから1つのメニュー項目を仮選択してから選択する構成を採っており、選択されたメニュー項目に子のメニューが関連付けられている場合には、当該子のメニューを、当該子のメニューの層に対応する表示領域に表示して現在メニューとするとともに、「戻る」の隣のメニュー項目を仮選択する。よって、情報出力装置200によれば、誤選択の訂正が容易となる。
【0071】
また、情報出力装置200は、操作部240から入力された情報に基づいて、現在メニューから1つのメニュー項目を仮選択してから選択する構成を採っており、選択されたメニュー項目が「戻る」である場合に、現在メニューの親のメニューのメニュー項目のうち現在メニューに関連付けられているメニュー項目を仮選択するとともに、親のメニューを現在メニューとする。よって、情報出力装置200によれば、誤選択からの回復が容易となる。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】本発明の実施の形態に係るゲームシステム10の構成を示すブロック図である。
【図2】ゲームシステム10内のゲーム端末100の構成を示すブロック図である。
【図3】ゲーム端末100が行うプレイ処理のフローチャートである。
【図4】ゲームシステム10内の管理装置300の構成を示すブロック図である。
【図5】管理装置300内の個人データ361のデータ構造を模式的に示す図である。
【図6】管理装置300が行う追記処理のフローチャートである。
【図7】管理装置300が行う配信処理のフローチャートである。
【図8】ゲームシステム10内の情報出力装置200の構成を示すブロック図である。
【図9】情報出力装置200の外観を示す斜視図である。
【図10】情報出力装置200が提供する階層メニューの構造を模式的に示す図である。
【図11】情報出力装置200が提供する階層メニューの選択例を模式的に示す図である。
【図12】情報出力装置200が行うメニュー処理のフローチャートである。
【図13】情報出力装置200が行う選択処理のフローチャートである。
【図14】情報出力装置200の画面221に表示される画像の一例を示す図である。
【図15】情報出力装置200の画面221に表示される画像の一例を示す図である。
【図16】情報出力装置200の画面221に表示される画像の一例を示す図である。
【図17】情報出力装置200の画面221に表示される画像の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0073】
10 ゲームシステム
100 ゲーム端末
110、210、310 通信インターフェイス
120、220 表示部
130 発音部
140、240 操作部
150、250、350 プロセッサ
160、260、360 記憶部
268 情報出力プログラム
200 情報出力装置
300 管理装置
50 サブシステム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークに属する複数のサブシステムと、前記ネットワークに属する管理装置とを有し、前記複数のサブシステムの各々は、あるコンピュータゲームのプレイを実現し、実現されたプレイの結果を示す結果データを前記管理装置へ送信する複数のゲーム端末と、階層メニューを提供して前記階層メニューの選択結果に応じた情報を出力する情報出力装置とを有し、前記管理装置は、前記コンピュータゲームのプレイヤの個人情報を管理し、前記結果データを受信すると、前記結果データを用いて前記結果データに係る前記プレイのプレイヤの前記個人情報を更新する一方、前記情報の出力に用いるデータの配信を要求する要求データを受信すると、前記要求データと前記個人情報とに応じた応答データを返信する、ネットワーク方式のゲームシステムにおける前記情報出力装置であって、
前記階層メニューの複数の層にそれぞれ対応する互いに重ならない複数の表示領域を有する表示部と、
外部から情報を入力する入力部と、
外部へ情報を出力する出力部と、
前記入力された情報に基づいて、メニュー項目の選択対象のメニューから1つのメニュー項目を選択する選択部と、
前記選択部により選択されたメニュー項目に子のメニューが関連付けられている場合に、前記子のメニューを、前記子のメニューの層に対応する前記表示領域に表示して前記選択対象のメニューとする前進処理部と、
前記要求データを前記管理装置へ送信する送信部と、
前記応答データを前記管理装置から受信する受信部と、
前記受信部により受信された応答データを用いて、前記階層メニューの選択結果に応じた情報を前記出力部から出力させる出力制御部と、
を備えることを特徴とする情報出力装置。
【請求項2】
前記入力された情報に基づいて、前記選択対象のメニューから1つのメニュー項目を仮選択する仮選択部を備え、
前記選択部は、前記入力された情報に基づいて、前記仮選択部に仮選択されたメニュー項目を選択し、
前記子のメニューは、親のメニューに戻るための後退メニュー項目を含み、
前記前進処理部は、前記選択部により選択されたメニュー項目に子のメニューが関連付けられている場合に、前記子のメニューを、前記子のメニューの層に対応する前記表示領域に表示して前記選択対象のメニューとするとともに、前記後退メニュー項目の隣のメニュー項目を仮選択する、
ことを特徴とする請求項1に記載の情報出力装置。
【請求項3】
前記入力された情報に基づいて、前記選択対象のメニューから1つのメニュー項目を仮選択する仮選択部を備え、
前記選択部は、前記入力された情報に基づいて、前記仮選択部に仮選択されたメニュー項目を選択し、
前記子のメニューは、親のメニューに戻るための後退メニュー項目を含み、
前記選択部により選択されたメニュー項目が前記後退メニュー項目である場合に、前記選択対象のメニューの親のメニューのメニュー項目のうち前記選択対象のメニューに関連付けられているメニュー項目を仮選択するとともに、前記親のメニューを前記選択対象のメニューとする後退処理部をさらに備える、
ことを特徴とする請求項1に記載の情報出力装置。
【請求項4】
ネットワークに属する複数のサブシステムと、前記ネットワークに属する管理装置とを有し、前記複数のサブシステムの各々は、あるコンピュータゲームのプレイを実現し、実現されたプレイの結果を示す結果データを前記管理装置へ送信する複数のゲーム端末と、階層メニューを提供して前記階層メニューの選択結果に応じた情報を出力する情報出力装置とを有し、前記管理装置は、前記コンピュータゲームのプレイヤの個人情報を管理し、前記結果データを受信すると、前記結果データを用いて前記結果データに係る前記プレイのプレイヤの前記個人情報を更新する一方、前記情報の出力に用いるデータの配信を要求する要求データを受信すると、前記要求データと前記個人情報とに応じた応答データを返信する、ネットワーク方式のゲームシステムにおいて、
前記情報出力装置は、
前記階層メニューの複数の層にそれぞれ対応する互いに重ならない複数の表示領域を有する表示部と、
外部から情報を入力する入力部と、
外部へ情報を出力する出力部と、
前記入力された情報に基づいて、メニュー項目の選択対象のメニューから1つのメニュー項目を選択する選択部と、
前記選択部により選択されたメニュー項目に子のメニューが関連付けられている場合に、前記子のメニューを、前記子のメニューの層に対応する前記表示領域に表示して前記選択対象のメニューとする前進処理部と、
前記要求データを前記管理装置へ送信する送信部と、
前記応答データを前記管理装置から受信する受信部と、
前記受信部により受信された応答データを用いて、前記階層メニューの選択結果に応じた情報を前記出力部から出力させる出力制御部とを備える、
ことを特徴とするゲームシステム。
【請求項5】
ネットワークに属する複数のサブシステムと、前記ネットワークに属する管理装置とを有し、前記複数のサブシステムの各々は、あるコンピュータゲームのプレイを実現し、実現されたプレイの結果を示す結果データを前記管理装置へ送信する複数のゲーム端末と、階層メニューを提供して前記階層メニューの選択結果に応じた情報を出力する情報出力装置とを有し、前記管理装置は、前記コンピュータゲームのプレイヤの個人情報を管理し、前記結果データを受信すると、前記結果データを用いて前記結果データに係る前記プレイのプレイヤの前記個人情報を更新する一方、前記情報の出力に用いるデータの配信を要求する要求データを受信すると、前記要求データと前記個人情報とに応じた応答データを返信する、ネットワーク方式のゲームシステムにおける前記情報出力装置であって、外部から情報を入力する入力部と、外部へ情報を出力する出力部と、前記階層メニューの複数の層にそれぞれ対応する互いに重ならない複数の表示領域を有する表示部とを備える前記情報出力装置を、
前記入力された情報に基づいて、メニュー項目の選択対象のメニューから1つのメニュー項目を選択する選択部と、
前記選択部により選択されたメニュー項目に子のメニューが関連付けられている場合に、前記子のメニューを、前記子のメニューの層に対応する前記表示領域に表示して前記選択対象のメニューとする前進処理部と、
前記要求データを前記管理装置へ送信する送信部と、
前記応答データを前記管理装置から受信する受信部と、
前記受信部により受信された応答データを用いて、前記階層メニューの選択結果に応じた情報を前記出力部から出力させる出力制御部
として機能させるプログラム。
【請求項6】
請求項5に記載のプログラムを記録した、
ことを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記録媒体。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2008−178486(P2008−178486A)
【公開日】平成20年8月7日(2008.8.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−13098(P2007−13098)
【出願日】平成19年1月23日(2007.1.23)
【出願人】(506113602)株式会社コナミデジタルエンタテインメント (1,441)
【Fターム(参考)】