説明

情報出力装置、情報出力システムおよびプログラム

【課題】機器から取得した情報を用いて、指定された期間にその機器が実行した処理を抽出する際に、取得した情報が不足している可能性がある場合と、その可能性がない場合とを区別してユーザに知らせる。
【解決手段】情報出力装置は、或る期間において機器により実行された処理の履歴を示す処理情報を当該或る期間の後に当該機器から繰り返し取得して、記憶手段に記憶させる。また、情報出力装置は、記憶手段に記憶された処理情報を用いて、指定された第1期間に機器が実行した処理を抽出する。そして、情報出力装置は、第1期間の後に処理情報を取得している場合には第1の態様で、第1期間の後に処理情報を取得していない場合には第1の態様と異なる第2の態様で、抽出された処理に関する情報を出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報出力装置、情報出力システムおよびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
機器により実行された処理の履歴を示す処理情報を、その機器に接続した情報出力装置によって管理するシステムがある。特許文献1には、管理する側と管理される側とでそれぞれ用いられる時間の差を補正する管理装置が開示されている。特許文献2には、ユーザの選択によって集計項目を変更することができるジョブ管理方法が開示されている。特許文献3には、機器の動作状況をユーザの指示する期間中について集計させる画像処理装置が開示されている。特許文献4には、異なるオペレーティングシステムのクライアントコンピュータが混在する場合でも、これらの各クライアントコンピュータからジョブの集計のためのジョブ情報をそれぞれ得るジョブアカウントシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−152428号公報
【特許文献2】特開2004−178325号公報
【特許文献3】特開2004−96138号公報
【特許文献4】特開2003−316554号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、機器から取得した情報を用いて、指定された期間(第1期間)にその機器が実行した処理を抽出する際に、取得した情報が不足している可能性がある場合と、その可能性がない場合とを区別してユーザに知らせることにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した課題を解決するため、本発明の請求項1に係る情報出力装置は、或る期間において機器により実行された処理の履歴を示す処理情報を当該或る期間の後に当該機器から繰り返し取得する取得手段と、前記取得手段により取得された処理情報を記憶手段に記憶させる記憶制御手段と、前記記憶手段に記憶された処理情報を用いて、指定された第1期間に前記機器が実行した処理を抽出する抽出手段と、前記第1期間の後に前記取得手段が前記処理情報を取得している場合には第1の態様で、前記第1期間の後に前記取得手段が前記処理情報を取得していない場合には前記第1の態様と異なる第2の態様で、前記抽出手段により抽出された処理に関する情報をそれぞれ出力する出力手段とを具備することを特徴とする。
【0006】
本発明の請求項2に係る情報出力装置は、請求項1に記載の態様において、前記機器を利用する利用者の認証を行う認証装置から、当該認証の履歴を示す認証情報を取得する取得手段を具備し、前記出力手段は、前記第1期間の後に前記取得手段が前記処理情報を取得せず、かつ、前記取得手段が前記処理情報を取得した最新の時刻以後の前記第1期間内に前記認証装置が前記認証を行ったことを、前記取得手段が取得した前記認証情報が示す場合に、前記第1の態様とは異なる態様で、前記抽出手段により抽出された処理に関する情報を出力することを特徴とする
【0007】
本発明の請求項3に係る情報出力装置は、請求項1または2に記載の態様において、前記抽出手段は、前記第1期間の後に前記取得手段が前記処理情報を取得していない場合に、前記取得手段が前記処理情報を取得した最新の時刻以後の期間を前記第1期間から除いた期間である第2期間を特定し、当該第2期間に前記機器が実行した処理を抽出し、前記出力手段は、前記抽出手段が前記第2期間に前記機器が実行した処理を抽出した場合に、抽出された当該処理に関する情報とともに前記第2期間を示す期間情報を出力することを特徴とする
【0008】
本発明の請求項4に係る情報出力装置は、請求項1から3のいずれか1項に記載の態様において、前記取得手段は、複数の前記機器における前記処理情報をそれぞれ取得し、前記抽出手段は、前記各機器が実行した処理を、当該機器ごとに抽出し、前記出力手段は、前記取得手段が前記複数の機器のうちいずれかの機器から前記第1期間の後に前記処理情報を取得していない場合に、前記複数の機器から当該処理情報をそれぞれ取得している場合とは異なる態様で、前記抽出手段により抽出された処理に関する情報を出力することを特徴とする
【0009】
本発明の請求項5に係る情報出力システムは、機器と、情報出力装置とを具備する情報出力システムであって、前記機器は、処理を実行する実行手段と、前記実行手段が実行した処理の履歴を示す処理情報を送信する送信手段とを有し、前記情報出力装置は、或る期間において前記実行手段が実行した処理の履歴を示す処理情報を当該或る期間の後に前記機器から繰り返し取得する取得手段と、前記取得手段により取得された処理情報を記憶手段に記憶させる記憶制御手段と、前記記憶手段に記憶された処理情報を用いて、指定された第1期間に前記機器が実行した処理を抽出する抽出手段と、前記第1期間の後に前記取得手段が前記処理情報を取得している場合には第1の態様で、前記第1期間の後に前記取得手段が前記処理情報を取得していない場合には前記第1の態様と異なる第2の態様で、前記抽出手段により抽出された処理に関する情報をそれぞれ出力する出力手段とを有することを特徴とする。
【0010】
本発明の請求項6に係るプログラムは、記憶手段を有するコンピュータを、或る期間において機器により実行された処理の履歴を示す処理情報を当該或る期間の後に当該機器から繰り返し取得する取得手段と、前記取得手段により取得された処理情報を前記記憶手段に記憶させる記憶制御手段と、前記記憶手段に記憶された処理情報を用いて、指定された第1期間に前記機器が実行した処理を抽出する抽出手段と、前記第1期間の後に前記取得手段が前記処理情報を取得している場合には第1の態様で、前記第1期間の後に前記取得手段が前記処理情報を取得していない場合には前記第1の態様と異なる第2の態様で、前記抽出手段により抽出された処理に関する情報をそれぞれ出力する出力手段として機能させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0011】
請求項1に記載の情報出力装置によれば、機器から取得した情報を用いて、指定された期間(第1期間)にその機器が実行した処理を抽出する際に、取得した情報が不足している可能性がある場合と、その可能性がない場合とを区別してユーザに知らせることができる。
請求項2に記載の情報出力装置によれば、指定された期間の後に処理情報を取得していない場合であっても、その期間内であって処理情報を取得した最新の時刻以後に認証装置が認証を行っているか否かに基づいて、機器が実行した処理を抽出する際に、取得した情報が不足している可能性がある場合と、その可能性がない場合とを区別してユーザに知らせることができる。
請求項3に記載の情報出力装置によれば、処理情報が取得されていない期間を含む期間を、処理情報が取得されている期間に変更して処理情報を抽出することができる。
請求項4に記載の情報出力装置によれば、いずれかの機器において処理情報が取得されていない期間を抽出期間が含む場合と、全ての機器において処理情報が取得されていない期間を抽出期間が含まない場合とを区別してユーザに知らせることができる。
請求項5に記載の情報出力システムによれば、機器から取得した情報を用いて、指定された期間にその機器が実行した処理を抽出する際に、取得した情報が不足している可能性がある場合と、その可能性がない場合とを区別してユーザに知らせることができる。
請求項6に記載のプログラムによれば、機器から取得した情報を用いて、指定された期間にその機器が実行した処理を抽出する際に、取得した情報が不足している可能性がある場合と、その可能性がない場合とを区別してユーザに知らせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の第1実施形態に係る情報出力システムの全体構成を示す図である。
【図2】情報出力装置の構成を示す図である。
【図3】条件表の一例を示す図である。
【図4】処理情報DBの一例を示す図である。
【図5】取得時刻DBの一例を示す図である。
【図6】文書の一例を示す図である。
【図7】機器の構成を示す図である。
【図8】処理情報の一例を示す図である。
【図9】情報出力システムの機能的構成を示す図である。
【図10】機器が処理を実行するときの動作を示すフロー図である。
【図11】機器が情報出力装置から処理情報を要求されたときの動作を示すフロー図である。
【図12】情報出力装置が機器から処理情報を取得する動作を示すフロー図である。
【図13】第1実施形態における情報出力装置が文書を作成する動作を示すフロー図である。
【図14】本発明の第2実施形態に係る情報出力システムの全体構成を示す図である。
【図15】認証装置の構成を示す図である。
【図16】ユーザ証明DBの一例を示す図である。
【図17】認証時刻DBの一例を示す図である。
【図18】認証装置における認証処理を説明するためのシーケンス図である。
【図19】抽出期間の後に取得時刻が記憶されていない機器において、認証時刻の有無が判定される期間を説明する図である。
【図20】第2実施形態における情報出力装置が文書を作成する動作を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
1.第1実施形態
1−1.システムの構成
図1は、本発明の第1実施形態に係る情報出力システム9の全体構成を示す図である。情報出力装置1は、電子文書または紙文書(以下、総称して「文書」という)を作成するコンピュータである。機器2a,2b,2c,…(以下、特に区別の必要がない場合は、これらを総称して「機器2」と記す)は、ユーザ(利用者)の指示に応じて処理を実行する機器であり、例えばシート状の媒体に画像を形成する画像形成装置である。以下、特に記述しない場合に機器2は画像形成装置である。
【0014】
通信路3は、LAN(Local Area Network)などの通信路であり、情報出力装置1と機器2とを接続し、これら相互間の情報の遣り取りを仲介する。なお、情報出力装置1に機器2が直接に接続されていても良く、この場合、通信路3は必要ない。また、機器2は4つ以上であっても良く、また2つ以下(1つを含む)であってもよい。
【0015】
1−2.情報出力装置の構成
図2は、情報出力装置1の構成を示す図である。制御部11は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)などを備えており、CPUが、ROMに記憶されているブートローダや記憶部12に記憶されているコンピュータプログラム(以下、単にプログラムという)をRAMに読み出して実行することにより情報出力装置1の各部を制御する。
【0016】
記憶部12はハードディスクドライブなどの大容量の記憶手段であり、制御部11に読み込まれるプログラムを記憶する。また、記憶部12は、条件表121、処理情報データベース(以下、「データベース」を「DB」と表記する)122、取得時刻DB123、および文書124を記憶する。
【0017】
図3は、条件表121の一例を示す図である。条件表121には、情報出力システム9が備える各機器2において実行された処理の履歴を示す情報(以下、「処理情報」という)を情報出力装置1がそれぞれ取得するときの条件(以下、「取得条件」という)が機器2ごとに定められている。また、条件表121は、取得した処理情報を用いて情報出力装置1が文書124を作成するときに、それらの処理情報の中から用いるものを抽出する条件(以下、「抽出条件」という)を定めている。以下、時刻などに用いる表記の「00」は、数値として「0」を意味しており、「00」と「0」とに内容の差異はない。
【0018】
例えば、図3に示すように、条件表121の機器IDを示す項目には「M1」「M2」「M3」…といった機器の識別情報となる文字列などが記述されている。そして、取得条件を示す項目には、機器IDそれぞれに対応付けて、その機器IDで識別される機器2から情報出力装置1が処理情報を取得する予定の時刻が記述されている。図3に示す例では、説明を単純にするため、この取得条件には全ての機器IDについて「0:00/1:00/2:00/…」という共通する条件が記述されている。この条件は、1日・24時間のうち、1時間置きに到来する時刻であり、24時間表記で0時から23時まで(12時間表記では午前0時から午後11時まで)の計24回の時刻を表す。すなわち、情報出力装置1は、「0:00/1:00/2:00/…」のいずれかの時刻になったときに、情報出力システム9に含まれる全ての機器2から処理情報を取得することを試みる。
【0019】
抽出条件は、情報出力装置1が抽出を行う時刻と、抽出対象となる処理情報に含まれる、その処理が実行された時刻(以下、「処理時刻」という)の範囲である期間(以下、抽出期間という)とが記述されている。例えば図3に示すように、抽出条件は「毎日0:30に処理時刻が前日の0:00〜23:59に含まれる処理情報を抽出」と記載されている。これにより、抽出を行う時刻として「毎日0:30」が定められ、抽出期間として「前日の0:00〜23:59」が定められる。この抽出期間は、指定された期間(第1期間)の一例である。
【0020】
なお、期間の記述が示す意味は以下のとおりである。すなわち、「0:00〜23:59」と記述される期間は、時および分がそれぞれ「0時」および「0分」と表現される全ての時刻のうち最も早い時刻を始期とし、時および分がそれぞれ「23時」および「59分」と表現される全ての時刻のうち最も遅い時刻を終期とする。すなわち、「0時0分0秒」と「23時59分59秒」とは、いずれも「0:00〜23:59」と記述される期間に含まれる。一方、「0:00〜18:59」と記述される期間には、「0時0分0秒」と「18時59分59秒」とがいずれも含まれるが、「19時00分00秒」は含まれない。このことは「秒」よりも細かい単位で時刻が表現される場合も同様である。
【0021】
図4は、処理情報DB122の一例を示す図である。処理情報DB122は、情報出力装置1が機器2から取得した処理情報を記憶する。図4に示す例において処理情報DB122は、処理時刻、機器ID、ユーザ名、枚数の各項目を含む。ユーザ名とは、ユーザを識別する識別情報として用いられるユーザの名前であり、処理情報DB122においては、機器2において処理の実行を指示したユーザの名前を示す。枚数とは、どの種類の媒体を何枚使用したかを表す情報である。
【0022】
例えば1行目のレコードは、機器IDが「M1」の機器2において、ユーザ名が「U1」のユーザにより指示された処理が、処理時刻「2011/06/14/11:43」、すなわち2011年6月14日の11時43分に実行されたことを示しており、その処理に用いられた媒体の枚数は「5(A3),2(A4)」である。すなわち、この処理には、ISO(国際標準化機構;International Organization for Standardization)が定める国際標準であるISO216により規定される用紙サイズが「A3」である媒体が「5枚」、「A4」である媒体が「2枚」、それぞれ用いられたことを意味している。
【0023】
図5は、取得時刻DB123の一例を示す図である。取得時刻DB123は、機器2の識別情報である機器IDごとに、その機器2に対して情報出力装置1が処理情報の取得を行った最新の時刻(以下、取得時刻という)を記憶する。図5に示す取得時刻DB123によれば、例えば、機器IDが「M1」および「M3」の各機器2に対応する取得時刻はいずれも「2011/06/15/00:00」、すなわち2011年6月15日の0時0分であり、機器IDが「M2」の機器2に対応する取得時刻は「2011/06/14/19:00」、すなわち2011年6月14日の19時0分であることが示されている。
【0024】
図6は、文書124の一例を示す図である。文書124は、表題を示す表題部124T、文書の内容を示す内容部124M、および文書についての注釈を示す注釈部124Rを含む。表題部124Tは、文書124の表題として「報告書」という文字列と、情報出力装置1が処理時刻に基づいて処理情報を抽出する期間である抽出期間が記載されている。例えば、図6に示す文書124の抽出期間は「2011/06/14/00:00〜2011/06/14/23:59」、すなわち2011年6月14日の0時0分から2011年6月14日の23時59分までの期間である。
【0025】
内容部124Mには、処理情報DB122から抽出された処理情報が列挙される。列挙されるこの処理情報は、処理情報DB122に記憶された処理情報のうち、上述の抽出期間に処理時刻が含まれる処理情報である。また、内容部124Mは、注釈の有無を示す注釈欄(図に示す「注」)の項目を有している。注釈欄には、注釈が無いことを示す「−」と、注釈が有ることを示す「*」のいずれかが記載される。注釈欄に「*」が記載されているレコードは、そのレコードに記述された機器IDで識別される機器2から情報出力装置1が抽出期間の後に処理情報を取得していないことを示している。情報出力装置1が抽出期間の後にこの機器2から処理情報を取得していないことの原因は、例えば通信の不具合などである。注釈部124Rには、内容部124Mの注釈欄に「*」が記載されているレコードに記述された機器IDで識別される機器2について個別に決定された抽出期間が示されている。
【0026】
例えば、図6に示す注釈部124Rは「M2の抽出期間は以下のとおりです」という文の下に「2011/06/14/00:00〜2011/06/14/18:59」という記述を含む。すなわちこの記述は、機器IDが「M2」の機器2について個別に決定された抽出期間を表しており、この機器2において実行された処理のうち、2011年6月14日の0時0分から2011年6月14日の18時59分までの期間に実行されたものだけが内容部124Mに記述されていることを示している。
【0027】
図2に戻る。通信部13は、通信路3を介して機器2と処理情報を通信するインターフェースであり、例えば主に各種のモデムやIMT-2000に準拠した無線通信回路などである。なお、このインターフェースは、USB(Universal Serial Bus)規格に準拠したシリアルインターフェースや、IrDA(Infrared Data Association)などに準拠した無線インターフェースなどを含んでいてもよい。
【0028】
1−3.機器の構成
図7は、機器2の構成を示す図である。制御部21は、CPU、ROM、RAMなどを備えており、CPUが、ROMに記憶されているブートローダや記憶部22に記憶されているプログラムをRAMに読み出して実行することにより機器2の各部を制御する。
【0029】
記憶部22はハードディスクドライブやソリッドステートドライブなどの大容量の記憶手段であり、制御部21に読み込まれるプログラムを記憶する。また、記憶部22は、処理情報221を記憶する。
【0030】
図8は、処理情報221の一例を示す図である。処理情報221は、機器2における処理の履歴を示す情報である。図8に示す例において処理情報221は、処理時刻、ユーザ名、枚数の各項目を含む。例えば図8に示す処理情報221の1行目のレコードは、機器2において、ユーザ名が「U1」のユーザにより指示された処理が、処理時刻「2011/06/14/11:43」、すなわち2011年6月14日の11時43分に実行されたことを示しており、その処理に用いられた媒体の枚数は「5(A3),2(A4)」である。
【0031】
図7に戻って説明を続ける。通信部23は、通信路3を介して情報出力装置1と処理情報を通信するインターフェースである。操作部24は各種の指示をするための操作ボタンなどを備えており、ユーザによる操作を受け付けてその操作内容に応じた信号を制御部21に供給する。画像形成部25は、現像材を用いた電子写真プロセスにより、媒体の表面に画像を形成する。具体的には、画像形成部25は、潜像を保持する感光体と、感光体を露光して潜像を保持させる露光装置と、感光体の潜像に現像材を供給する現像材供給装置と、媒体を感光体へ搬送する搬送装置と、感光体から媒体へ現像像を転写する転写装置とを備える。
【0032】
1−4.機能的構成
図9は、情報出力システム9の機能的構成を示す図である。図9に示すように、情報出力装置1の制御部11は、要求部111、記憶制御部112、抽出部113、および出力部114として機能する。また、機器2の制御部21は、図9に示すように、実行部211、蓄積部212、および送信部213として機能する。なお、図9において、情報出力装置1と機器2とは、通信部13、通信路3、および通信部23を介して情報の遣り取りをするが、これらの図示を省略する。
【0033】
実行部211は、操作部24が受け付けたユーザの指示に応じて処理を実行する。具体的には、実行部211は、画像形成部25を用いて上記の指示に応じた媒体に上記の指示に応じた画像を形成させる処理を実行する。また、実行部211は、処理の実行が完了するごとにその旨を蓄積部212に伝える。
【0034】
蓄積部212は、実行部211から処理の実行が完了した旨を伝えられたときに制御部11に備えられたタイマなど(図示せず)からその処理時刻(日付を含む)を取得し、取得した処理時刻と、その処理の内容を示す各種情報とを関連付けて処理情報221として記憶部22に蓄積する。
【0035】
一方、制御部11の要求部111は、記憶部12の条件表121を参照し、取得条件が満たされている機器2を機器IDによって特定すると、その機器2に最新の処理情報221を要求する。制御部21の送信部213は、要求部111の要求を受けて記憶部22に記憶された処理情報221を読み出して情報出力装置1へ送る。制御部11の記憶制御部112は、機器2の送信部213から送られた処理情報221を取得し、その機器2の機器IDと対応付けて記憶部12の処理情報DB122に記憶する。また、記憶制御部112は、取得時刻DB123にアクセスし、機器2の機器IDに既に対応付けられている取得時刻を、処理情報221を取得した取得時刻によって更新する。記憶制御部112は、或る期間において機器により実行された処理の履歴を示す処理情報をその或る期間の後にその機器から繰り返し取得する取得手段の一例である。また、記憶制御部112は、取得手段により取得された処理情報を記憶手段に記憶させる記憶制御手段の一例である。
【0036】
抽出部113は、記憶部12の条件表121を参照して抽出条件が満たされたか否かを判定する。そして、抽出条件が満たされたときに抽出部113は、処理情報DB122からその抽出条件に記載された抽出期間に実行された処理を示す処理情報を抽出して、その処理情報を出力部114に引き渡す。抽出部113は、記憶手段に記憶された処理情報を用いて、指定された第1期間に機器が実行した処理を抽出する抽出手段の一例である。
【0037】
出力部114は、取得時刻DB123を参照して、抽出部113から引き渡された処理情報の取得元である機器2の取得時刻を特定し、特定した取得時刻が上述した抽出期間の後か否かを判定する。そして、特定した取得時刻が抽出期間の後である(つまり、抽出期間の後に記憶制御部112が処理情報を取得した)場合と、特定した取得時刻が抽出期間の後でない(つまり、抽出期間の後に記憶制御部112が処理情報を取得しなかった)場合とで、それぞれ異なる態様で抽出部113から引き渡された処理情報を出力する。
【0038】
出力部114は、具体的には図6に示した文書124を出力する。出力部114は、抽出期間の後に記憶制御部112が機器2から処理情報を取得した場合に、第1の態様で文書124を出力する。すなわち、この場合、出力部114は、この機器2に対応する注釈欄を「−」とし、注釈部124Rに何も記述しない。
一方、出力部114は、抽出期間の後に記憶制御部112が機器2から処理情報を取得しなかった場合に、第1の態様と異なる第2の態様で文書124を出力する。すなわち、この場合、出力部114は、この機器2に対応する注釈欄に「*」を付して注釈部124Rに、その機器2について個別に決定された抽出期間を記述した文書124を出力する。
【0039】
これにより、抽出期間の後に記憶制御部112が処理情報を取得した場合と、抽出期間の後に記憶制御部112が処理情報を取得しなかった場合とで、それぞれ異なる態様で抽出部113により抽出された処理情報が文書124として出力される。出力部114は、第1期間の後に記憶制御手段が処理情報を取得している場合には第1の態様で、第1期間の後に記憶制御手段が処理情報を取得していない場合には第1の態様と異なる第2の態様で、抽出手段により抽出された処理に関する情報をそれぞれ出力する出力手段の一例である。
【0040】
1−5.機器の動作
図10は、機器2が処理を実行するときの動作を示すフロー図である。機器2の制御部21は、操作部24を介してユーザから指示があるか否かを判定し(ステップS201)、この指示がないと判定している間(ステップS201;NO)、この判定を継続する。ユーザから指示があると判定した場合(ステップS201;YES)、制御部21は、指示された処理を実行し(ステップS202)、内蔵するタイマなどを参照してその処理が実行された時刻である処理時刻を特定する(ステップS203)。そして、制御部21は、その処理を指示したユーザの識別情報であるユーザ名や、その処理で使用した媒体の枚数など、各種の処理に関する情報を処理時刻と対応付け、それらを処理情報221として記憶部22に蓄積し(ステップS204)、処理をステップS201に戻す。
【0041】
図11は、機器2が情報出力装置1から処理情報221を要求されたときの動作を示すフロー図である。なお、図11に示す動作は、図10に示す動作と並列して行われる。制御部21は、情報出力装置1から処理情報221の要求があったか否かを判定し(ステップS211)、この要求がないと判定している間(ステップS211;NO)、この判定を継続する。情報出力装置1から処理情報221の要求があったと判定した場合(ステップS211;YES)、制御部21は、要求された処理情報221を記憶部22から読み出して情報出力装置1へ送信し(ステップS212)、送信が成功すると記憶部22から送信済みの処理情報221を削除する(ステップS213)。なお、この削除処理はなくてもよい。要するに制御部21は、次に情報出力装置1から処理情報221を要求されたときに記憶部22に記憶された処理情報221から既に送信済みの処理情報221を除いて送信すればよい。ステップS213の後、制御部21は処理をステップS211に処理を戻す。
【0042】
1−6.情報出力装置の動作
図12は、情報出力装置1が機器2から処理情報221を取得する動作を示すフロー図である。制御部11は、条件表121を参照して取得条件が充足しているか否かを判定する(ステップS101)。取得条件が充足していないと判定した場合(ステップS101;NO)、制御部11はこのステップS101の判定処理を継続する。一方、取得条件が充足していると判定した場合(ステップS101;YES)、制御部11はその取得条件が充足している機器2を特定し(ステップS102)、特定したその機器2に対して処理情報を要求する(ステップS103)。
【0043】
次に制御部11は、ステップS103における要求に対する機器2からの応答があるか否かを判定する(ステップS104)。応答があると判定した場合(ステップS104;YES)、制御部11は、機器2から送信された処理情報を取得して処理情報DB122に記憶し(ステップS105)、取得時刻DB123においてその機器2に対応付けられている取得時刻を最新の取得時刻に更新する(ステップS106)。
【0044】
応答がないと判定した場合(ステップS104;NO)、制御部11は、予め定められた待ち時間が経過したか否かを判定し(ステップS107)、その待ち時間が経過していないと判定している間(ステップS107;NO)、ステップS104に処理を戻して機器2からの応答があるか否かの判定を続ける。待ち時間が経過したと判定した場合(ステップS107;YES)、処理情報の取得が失敗したときの処理を実行し(ステップS108)、制御をステップS101に戻す。このステップS108における処理とは、例えば、記憶部12に上記の処理情報の取得が失敗したことを示す情報を記憶させたり、通信部13によって予め決められた外部装置に、この取得失敗の情報を送信させたりする処理などである。ステップS108の処理はなくてもよい。
【0045】
図13は、第1実施形態における情報出力装置1が文書124を作成する動作を示すフロー図である。制御部11は、条件表121に記載された抽出条件が充足したか否かを判定する(ステップS111)。抽出条件が充足していないと判定している間(ステップS111;NO)、制御部11は、この判定を継続する。例えば図3に示す条件表121の抽出条件が定められている場合、毎日0時30分になったときにこの抽出条件は充足する。抽出条件が充足したと判定した場合(ステップS111;YES)、制御部11は、抽出条件に記載されている抽出期間を特定し(ステップS112)、情報出力システム9が備える全ての機器2において上記の抽出期間に実行された処理を示す処理情報を抽出し終わっているか否か、すなわち全ての機器2が抽出済みであるか否かを判定する(ステップS113)。全ての機器2が抽出済みであると判定した場合(ステップS113;YES)、制御部11は、記憶部12に文書124を出力して(ステップS118)処理を終了する。
【0046】
いずれかの機器2が抽出済みでないと判定した場合(ステップS113;NO)、制御部11は、抽出が済んでいない1つの機器2を特定し(ステップS114)、その機器2において抽出期間内に実行された処理を示す処理情報を処理情報DB122から抽出する(ステップS115)。そして、制御部11は、取得時刻DB123において上記の機器2に関連付けられた取得時刻が抽出期間の後であるか否かを判定する(ステップS116)。上記の機器2に関連付けられた取得時刻が抽出期間の後であると判定した場合(ステップS116;YES)、制御部11は、処理をステップS111に戻す。すなわち、ステップS114で特定されたこの機器2に対応する処理情報は、ステップS118において通常の態様(第1の態様)で文書124中に出力されることとなる。
【0047】
一方、上記の機器2に関連付けられた取得時刻が抽出期間の後ではないと判定した場合(ステップS116;NO)、取得時刻から抽出期間後までに機器2が処理を実行していたとしても、その間の処理を示す処理情報は情報出力装置1によって取得されていない。したがって、この場合、制御部11は、上記の抽出期間におけるこの機器2の処理情報が完全ではないことを示す注釈(注釈欄および注釈部124R)を文書124に追加し(ステップS117)、処理をステップS111に戻す。抽出した処理情報に注釈を追加して出力するこの態様は、上述した通常の態様と異なる態様(第2の態様)である。
【0048】
以上、説明したとおり、第1実施形態において情報出力装置1は、抽出条件に記載された抽出期間に各機器2で実行された処理を示す処理情報を抽出する。そして、各機器2のうち、抽出期間の後に取得時刻が記憶されていない機器2が発見された場合、抽出された処理情報のうち発見された機器2における処理情報を、それ以外の機器2(つまり、抽出期間の後に取得時刻が記憶されている機器2)における処理情報と異なる態様で出力する。その出力結果は文書124としてまとめられ、記憶部12に記憶される。
【0049】
抽出期間の後に取得時刻が記憶されていない機器2において、仮に、取得時刻から抽出期間後までに何らかの処理が実行された場合、実行されたその処理を示す処理情報は、情報出力装置1によって取得されておらず、処理情報DB122に記憶されていないため、文書124に反映されることはない。すなわち、抽出期間の後に取得時刻が記憶されていない機器2における処理の履歴に関して、文書124の内容は不完全である可能性がある。
【0050】
しかしながら、全ての機器2について区別なく抽出された処理情報を出力すると、不完全な可能性がある情報が完全な情報と混在することとなり、情報の欠落にユーザが気づかないことがあり得る。情報出力システム9は、上述した構成を備えているので、抽出期間の後に取得時刻が記憶されていない機器2において実行された処理を示す処理情報を、それ以外の処理情報と区別するので、この区別を行わない場合に比べて、情報の欠落にユーザが気づく可能性が増加する。
【0051】
2.第2実施形態
2−1.システムの構成
図14は、本発明の第2実施形態に係る情報出力システム9aの全体構成を示す図である。情報出力システム9aは、認証装置4を備えている点において第1実施形態に係る情報出力システム9と異なっている。認証装置4は、通信路3を介して各機器2および情報出力装置1と情報の遣り取りをする装置である。そして、認証装置4は、機器2をユーザが利用する際に、そのユーザの本人認証を行い、そのユーザがその機器2を利用する資格を有しているか否かを決定し、その決定に応じてユーザに機器2の利用を許可または禁止する。以下、情報出力システム9aについて、主に情報出力システム9と相違する点を説明し、共通する点についての説明を省略する。
【0052】
2−2.認証装置の構成
図15は、認証装置4の構成を示す図である。制御部41は、CPU、ROM、RAMなどを備えており、CPUが、ROMに記憶されているブートローダや記憶部42に記憶されているプログラムをRAMに読み出して実行することにより認証装置4の各部を制御する。通信部43は、通信路3を介して情報出力装置1や機器2と通信するインターフェースである。
【0053】
記憶部42はハードディスクドライブなどの大容量の記憶手段であり、制御部41に読み込まれるプログラムを記憶する。また、記憶部42は、ユーザ証明DB421および認証時刻DB422を記憶する。
【0054】
図16は、ユーザ証明DB421の一例を示す図である。ユーザ証明DB421は、機器2の利用を許可されたユーザを示すユーザ名と、そのユーザであることを証明するパスワードとを関連付けて記憶する。例えば、同図に示すユーザ証明DB421には、ユーザ名「U1」がパスワード「bz87・・・」に対応付けられている。
【0055】
ユーザ証明DB421においてユーザ名と対応付けて記憶されているパスワードは、ユーザ以外が知り得ないように管理されているので、ユーザ名とこのパスワードとの組を送信する者は、ユーザ本人であることが保証される。
【0056】
図17は、認証時刻DB422の一例を示す図である。認証時刻DB422は、認証装置4によって認証の処理が行われた時刻である認証時刻を、認証したユーザのユーザ名と、そのユーザが利用の許可を求める機器2の機器IDと関連付けて記憶する。
【0057】
図18は、認証装置4における認証処理を説明するためのシーケンス図である。機器2をユーザが利用するとき、ユーザは機器2の操作部24を用いてログイン操作を行う。ログイン操作とは、ユーザがユーザ名とパスワードとを機器2の操作部24を介して指定する操作である。機器2は、ユーザのログイン操作を受け付けると(ステップS221)、指定されたユーザ名とパスワード、および機器2の機器IDを認証装置4に送信する(ステップS222)。
【0058】
認証装置4の制御部41は、機器2からユーザ名、パスワード、機器IDを受け取ると、ユーザ証明DB421を参照して、受け取ったユーザ名に対応付けて記憶されているパスワードを検索し、そのパスワードが見つかった場合には見つけたそのパスワードと受け取ったパスワードとを比較する。そして、両者が一致している場合に、制御部41は、時刻を特定してこれを認証時刻として、ユーザ名と機器IDとともに記憶する(ステップS402)。具体的には、図17に示したように、制御部41は、認証時刻、ユーザ名、および機器IDの組を逐次、認証時刻DB422に追加する。そして、制御部41は、機器2に向けてユーザの証明を受理した旨の通知をする(ステップS403)。
【0059】
上述した通知を受けたことにより、機器2は、ステップS221でログイン操作を行ったユーザに機器2自身の利用を許可する。すなわち、ユーザからの指示を受け付け(ステップS223)、受け付けた指示に応じた処理を実行し(ステップS224)、処理が実行された時刻である処理時刻を特定して(ステップS225)、この処理時刻を処理の内容を示す情報とともに処理情報として蓄積する(ステップS226)。
【0060】
このように機器2は、自身を利用しようとするユーザについて認証装置4に問い合わせてユーザ証明を求めるため、機器2において処理を実行する際には、ユーザ認証が行われていることが保証されている。
【0061】
2−3.動作
図19は、抽出期間の後に取得時刻が記憶されていない機器2において、認証時刻の有無が判定される期間Pを説明する図である。図5に示した取得時刻DB123を情報出力装置1が記憶部12に記憶している場合に、機器IDが「M2」の機器2は、「2011/06/14/19:00」よりも後に、情報出力装置1に向けて処理情報221を送信していない。つまり、「2011/06/14/19:00」から抽出期間の終期である「2011/06/14/23:59」までの期間Pにこの機器2において処理が実行されていたか否かは、情報出力装置1にとって不明である。そこで、情報出力装置1の制御部11は、この期間Pに認証装置4がこの機器2を利用するユーザを認証したか否かを認証装置4に問い合わせる。
【0062】
図20は、第2実施形態における情報出力装置1が文書124を作成する動作を示すフロー図である。図20に示す動作は、機器2に関連付けられた取得時刻が抽出期間の後ではないと判定された場合に、制御部11によって行われる処理が図13に示す動作と異なる。以下、図20に示すこの動作について、主に図13に示す動作との相違する点を説明し、共通する点の説明を省略する。
【0063】
制御部11は、ステップS116において、機器2に関連付けられた取得時刻が抽出期間の後ではないと判定した場合に(ステップS116;NO)、認証装置4への問い合わせを行う(ステップS121)。具体的には、制御部11は、上述の取得時刻から抽出期間の後までに、機器2を利用しようとするユーザを認証したか否かを問い合わせる。認証装置4の制御部41は、この問い合わせを受けて、認証時刻DB422を参照し、上述の取得時刻から抽出期間の後までに、その機器2の機器IDと対応付けて記憶された認証時刻を情報出力装置1へ送信する。情報出力装置1の制御部11は、上述の問い合わせに対する認証装置4からの送信内容を取得する。つまり、制御部11は、機器を利用する利用者の認証を行う認証装置からその認証の履歴を示す認証情報を取得する取得手段の一例である。そして、制御部11は、取得したその内容に基づいて、抽出期間内で取得時刻以後の認証時刻が有るか否かを判定し(ステップS122)、これがないと判定した場合には(ステップS122;NO)、処理をステップS111に戻す。
【0064】
一方、抽出期間内で取得時刻以後の認証時刻が有ると判定した場合には(ステップS122;YES)、制御部11は、上記の抽出期間におけるこの機器2の処理情報が完全でない可能性があることを示す注釈を文書124に追加し(ステップS117)、処理をステップS111に戻す。
【0065】
以上、説明したとおり、第2実施形態において情報出力装置1は、抽出条件に記載された抽出期間に各機器2で実行された処理を示す処理情報を抽出する。そして、各機器2のうち、抽出期間の後に取得時刻が記憶されていない機器2が発見された場合、認証装置4に問い合わせて、抽出期間内で取得時刻以後の認証時刻が有るか否かを判定し、その認証時刻が有ると判定した場合に、抽出された処理情報のうち発見された機器2における処理情報を、それ以外の機器2(つまり、抽出期間の後に取得時刻が記憶されている機器2、および、抽出期間の後に取得時刻が記憶されておらず、かつ、抽出期間内で取得時刻以後の認証時刻がない機器2)における処理情報と異なる態様で出力する。
【0066】
抽出期間の後に取得時刻が記憶されていない機器2において、取得時刻から抽出期間後までに何らかの処理が実行された場合、実行されたその処理を示す処理情報は、情報出力装置1の処理情報DB122に記憶されていないため、文書124に反映されることはない。しかし、取得時刻から抽出期間の後までの期間に機器2において処理が実行されるためには、その期間に、その機器2を利用するユーザが認証装置4によって認証を受けている必要がある。第2実施形態に係る情報出力システム9aは、上述した構成を備えているので、抽出期間の後に取得時刻が記憶されていない機器2において、その抽出期間内で取得時刻以後の認証時刻が有るか否かを判定するので、認証時刻の有無に関する判定を行わない場合に比べて、出力する文書124が不完全であるか否かの判定の精度が増す。
【0067】
3.変形例
以上が実施形態の説明であるが、この実施形態の内容は以下のように変形し得る。また、以下の変形例を組み合わせてもよい。
3−1.変形例1
上述した実施形態において、情報出力装置1の制御部11によって実現される抽出部113は、抽出期間の後に記憶制御部112が機器2から処理情報を取得しなかった場合であっても、記憶部12の処理情報DB122から、抽出期間に実行された処理を示す処理情報を抽出していたが、抽出期間の後に記憶制御部112が機器2から処理情報を取得しなかった場合に、抽出部113は、抽出期間を変更して処理情報を抽出してもよい。
【0068】
例えば、取得時刻DB123において機器2に関連付けられた取得時刻が抽出期間の後ではないと判定した場合(図13に示すステップS116)、制御部11は、上記の取得時刻以後の期間を抽出期間から除いた新たな抽出期間を定め、その抽出期間に実行された処理を示す処理情報を処理情報DB122から抽出してもよい。
【0069】
3−2.変形例2
上述した実施形態において、情報出力装置1の制御部11によって実現される出力部114は、機器2の取得時刻が抽出期間の後か否かを判定して、この取得時刻が抽出期間の後である場合と、そうでない場合とで、機器ごとにそれぞれ異なる態様で抽出された各処理情報を出力していたが、出力部114は、複数の機器2のうち、1つでもその取得時刻が抽出期間の後でない機器2がある場合に、複数の機器2の全てについてその取得時刻が抽出期間の後である場合と異なる態様で上述の抽出された処理情報を出力してもよい。
【0070】
例えば、図3に示す条件表121と図5に示す取得時刻DB123とを記憶部12に記憶している場合、制御部11は、2011年6月15日の0時30分に、2011年6月14日の0時0分を始期とし、2011年6月14日の23時59分を終期とする抽出期間を特定し、その抽出期間内に各機器2において実行された処理を示す処理情報を機器2ごとに抽出する。そして、制御部11は、機器IDが「M1」および「M3」の機器2について、取得時刻が抽出期間の後であると判定し、機器IDが「M2」の機器2について、取得時刻が抽出期間の後でないと判定する。このとき制御部11は、機器ID「M2」の機器2に対応付けられた取得時刻である2011年6月14日19時0分以後の期間を、上述した抽出期間から除いた新たな抽出期間(第2期間)、すなわち、2011年6月14日の0時0分を始期とし、2011年6月14日の18時59分を終期とする抽出期間を決定する。そして、制御部11は、全ての機器2を対象として、決定したその抽出期間内において実行された処理を示す処理情報を抽出してもよい。この場合、新たな抽出期間において情報出力装置1が取得していない処理情報がない可能性が高い。
【0071】
なお、取得時刻が抽出期間の後でない機器2が複数ある場合には、それら機器2の取得時刻のうち、最も早い取得時刻以後の期間を、上述した抽出期間から除いて新たな抽出期間を決定すればよい。この場合の制御部11は、第1期間の後に記憶制御手段が処理情報を取得していない場合に、記憶制御手段が処理情報を取得した最新の時刻以後の期間を第1期間から除いた期間である第2期間を特定し、その第2期間に機器が実行した処理を抽出する抽出手段の一例である。
【0072】
また、このとき、制御部11は、出力する文書124に、上述した新たな抽出期間を追加して記述してもよい。すなわち、この場合の制御部11は、抽出手段が第2期間に機器が実行した処理を抽出した場合に、抽出された当該処理に関する情報とともに第2期間を示す期間情報を出力する出力手段の一例である。
【0073】
3−3.変形例3
情報出力装置1の制御部11、および機器2の制御部21によって実行される各プログラムは、磁気テープや磁気ディスクなどの磁気記録媒体、光ディスクなどの光記録媒体、光磁気記録媒体、半導体メモリなどの、コンピュータ装置が読み取り可能な記録媒体に記憶された状態で提供し得る。また、このプログラムを、インターネットなどの通信路経由でダウンロードさせることも可能である。なお、上記の制御部11または制御部21によって例示した制御手段としてはCPU以外にも種々の装置が適用される場合があり、例えば、専用のプロセッサなどが用いられる。
【0074】
3−4.変形例4
上述した実施形態において、処理情報DB122は、機器により実行された処理の履歴を示す処理情報として、処理時刻、機器ID、ユーザ名、枚数の各項目を含んでいたが、処理時刻および機器IDを除く各項目については、これらに限られない。例えば、カラーの現像剤を用いて画像を形成した媒体の枚数を処理ごとに示す情報を含んでいてもよい。なお、情報出力装置1が接続する機器2が1つである場合には、処理情報DB122に機器IDを記憶しなくてもよい。
【0075】
3−5.変形例5
上述した実施形態において、情報出力装置1は、処理情報DB122から抽出された処理情報を内容部124Mに列挙した文書124を出力していたが、情報出力装置1が出力する対象は、抽出された処理情報そのもののみに限られない。例えば、情報出力装置1は、抽出された処理情報を用いて、使用された媒体の枚数をその媒体の種類ごとに集計して、集計したその枚数をそれぞれ出力してもよい。要するに情報出力装置は、処理情報DB122から抽出された処理情報に関する情報を出力すればよい。
【0076】
3−6.変形例6
上述した実施形態において、制御部11によって実現される要求部111は、記憶部12の条件表121を参照し、取得条件が満たされている機器2を機器IDによって特定すると、その機器2に最新の処理情報221を要求していたが、制御部11は、要求部111として機能しなくてもよい。例えば、機器2の制御部21によって実現される送信部213が、周期的に最新の処理情報221を送信するのであれば、制御部11は機器2に最新の処理情報221を要求しなくてもよい。
【0077】
3−7.変形例7
上述した実施形態において、制御部11は、機器2に関連付けられた取得時刻が抽出期間の後であると判定した場合に、この機器2に対応する処理情報を通常の態様で文書124中に出力し、一方、上記の取得時刻が抽出期間の後ではないと判定した場合に、この機器2に対応する処理情報を、この処理情報に不足がある(完全ではない)ことを示す注釈が追加された態様で、文書124中に出力していたが、それぞれの場合における出力の態様はこれに限られず、これら各態様が互いに異なっていればよい。
例えば、抽出期間内の処理情報が完全に取得されていない場合には、それらの処理情報が、完全に取得されている場合と異なる色、字体、太さ、大きさの文字で表されていてもよい。
【0078】
また、例えば、上記の各場合で逆の態様により出力が行われてもよい。つまり、機器2に関連付けられた取得時刻が抽出期間の後ではないと判定した場合に、この機器2に対応する処理情報を通常の態様で文書124中に出力し、一方、上記の取得時刻が抽出期間の後であると判定した場合に、この機器2に対応する処理情報を、この処理情報が完全であることを示す注釈が追加された態様で、文書124中に出力してもよい。また、上記の両方の場合で、それぞれに個別の注釈を追加して処理情報を出力してもよい。
【0079】
また、例えば、文書124がHTML(Hypertext Markup Language)文書やXML(Extensible Markup Language)文書など、タグを用いるマークアップ言語によって記載された文書である場合に、上記の取得時刻が抽出期間の後であると判定した機器2と、それ以外の機器2とで、それぞれ対応する処理情報の前後に配置されるタグの要素や属性を異なるものにしてもよい。この場合、それぞれ用いられる各タグに通常か否かの区別はなくてもよい。具体的には、制御部11は、機器2に関連付けられた取得時刻が抽出期間の後であると判定するか否かに応じて、異なる要素や属性が記述された開始タグおよび終了タグでその機器2の処理情報を挟んだデータを文書124中に出力すればよい。この場合においても、制御部11によって実現される出力部114は、第1期間の後に記憶制御手段が処理情報を取得している場合には第1の態様で、第1期間の後に記憶制御手段が処理情報を取得していない場合には第1の態様と異なる第2の態様で、抽出手段により抽出された処理に関する情報をそれぞれ出力する出力手段として機能する。
【0080】
また、各態様の差異は、注釈の追加によるものに限られない。例えば、上述した出力態様の差異は、それぞれ異なるタイミングでそれぞれの出力がされることによって生じるものであってもよい。
【0081】
例えば、図3に示す抽出条件に代えて、抽出するタイミングを一日のうち2回に増やし、一方のタイミングでは、完全であると判断された処理情報のみを出力し、他方のタイミングでは、不完全である可能性がある処理情報のみを出力するようにしてもよい。この場合、具体的に情報出力装置1は、毎日0時30分に前日の0時00分から23時59までの期間に含まれる処理情報を抽出し、抽出したそれらの処理情報のうち、不完全な可能性があるもののみを出力する。つまり、毎日0時30分の時点で、対応する取得時刻が抽出期間の後でない機器2から取得して抽出された処理情報のみを出力する。一方、毎日6時0分になると、情報出力装置1は、前日の0時00分から23時59までの期間に含まれる処理情報を再度検査し、それらの処理情報のうち、対応する取得時刻が抽出期間の後である機器2から取得して抽出されたもののみを選択して出力する。これにより、ユーザは、毎日0時30分に出力される文書124を、不完全な可能性を有するレポートとして読み、毎日6時0分に出力される文書124を、完全なレポートとして読むため、文書124に含まれる処理情報に不足している情報があり得るか否かの判断の精度が、この構成を有しない場合に比べて向上する。
【符号の説明】
【0082】
1…情報出力装置、11…制御部、111…要求部、112…記憶制御部、113…抽出部、114…出力部、12…記憶部、121…条件表、122…処理情報DB、123…取得時刻DB、124…文書、124M…内容部、124R…注釈部、124T…表題部、13…通信部、2…機器、21…制御部、211…実行部、212…蓄積部、213…送信部、22…記憶部、221…処理情報、23…通信部、24…操作部、25…画像形成部、3…通信路、4…認証装置、41…制御部、42…記憶部、421…ユーザ証明DB、422…認証時刻DB、43…通信部、9…情報出力システム(第1実施形態)、9a…情報出力システム(第2実施形態)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
或る期間において機器により実行された処理の履歴を示す処理情報を当該或る期間の後に当該機器から繰り返し取得する取得手段と、
前記取得手段により取得された処理情報を記憶手段に記憶させる記憶制御手段と、
前記記憶手段に記憶された処理情報を用いて、指定された第1期間に前記機器が実行した処理を抽出する抽出手段と、
前記第1期間の後に前記取得手段が前記処理情報を取得している場合には第1の態様で、前記第1期間の後に前記取得手段が前記処理情報を取得していない場合には前記第1の態様と異なる第2の態様で、前記抽出手段により抽出された処理に関する情報をそれぞれ出力する出力手段と
を具備することを特徴とする情報出力装置。
【請求項2】
前記機器を利用する利用者の認証を行う認証装置から、当該認証の履歴を示す認証情報を取得する取得手段
を具備し、
前記出力手段は、前記第1期間の後に前記取得手段が前記処理情報を取得せず、かつ、前記取得手段が前記処理情報を取得した最新の時刻以後の前記第1期間内に前記認証装置が前記認証を行ったことを、前記取得手段が取得した前記認証情報が示す場合に、前記第1の態様とは異なる態様で、前記抽出手段により抽出された処理に関する情報を出力する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報出力装置。
【請求項3】
前記抽出手段は、前記第1期間の後に前記取得手段が前記処理情報を取得していない場合に、前記取得手段が前記処理情報を取得した最新の時刻以後の期間を前記第1期間から除いた期間である第2期間を特定し、当該第2期間に前記機器が実行した処理を抽出し、
前記出力手段は、前記抽出手段が前記第2期間に前記機器が実行した処理を抽出した場合に、抽出された当該処理に関する情報とともに前記第2期間を示す期間情報を出力する
ことを特徴とする請求項1または2に記載の情報出力装置。
【請求項4】
前記取得手段は、複数の前記機器における前記処理情報をそれぞれ取得し、
前記抽出手段は、前記各機器が実行した処理を、当該機器ごとに抽出し、
前記出力手段は、前記取得手段が前記複数の機器のうちいずれかの機器から前記第1期間の後に前記処理情報を取得していない場合に、前記複数の機器から当該処理情報をそれぞれ取得している場合とは異なる態様で、前記抽出手段により抽出された処理に関する情報を出力する
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の情報出力装置。
【請求項5】
機器と、情報出力装置とを具備する情報出力システムであって、
前記機器は、
処理を実行する実行手段と、
前記実行手段が実行した処理の履歴を示す処理情報を送信する送信手段と
を有し、
前記情報出力装置は、
或る期間において前記実行手段が実行した処理の履歴を示す処理情報を当該或る期間の後に前記機器から繰り返し取得する取得手段と、
前記取得手段により取得された処理情報を記憶手段に記憶させる記憶制御手段と、
前記記憶手段に記憶された処理情報を用いて、指定された第1期間に前記機器が実行した処理を抽出する抽出手段と、
前記第1期間の後に前記取得手段が前記処理情報を取得している場合には第1の態様で、前記第1期間の後に前記取得手段が前記処理情報を取得していない場合には前記第1の態様と異なる第2の態様で、前記抽出手段により抽出された処理に関する情報をそれぞれ出力する出力手段と
を有する
ことを特徴とする情報出力システム。
【請求項6】
記憶手段を有するコンピュータを、
或る期間において機器により実行された処理の履歴を示す処理情報を当該或る期間の後に当該機器から繰り返し取得する取得手段と、
前記取得手段により取得された処理情報を前記記憶手段に記憶させる記憶制御手段と、
前記記憶手段に記憶された処理情報を用いて、指定された第1期間に前記機器が実行した処理を抽出する抽出手段と、
前記第1期間の後に前記取得手段が前記処理情報を取得している場合には第1の態様で、前記第1期間の後に前記取得手段が前記処理情報を取得していない場合には前記第1の態様と異なる第2の態様で、前記抽出手段により抽出された処理に関する情報をそれぞれ出力する出力手段
として機能させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2013−3908(P2013−3908A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−135386(P2011−135386)
【出願日】平成23年6月17日(2011.6.17)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】