説明

情報収集管理システムおよび情報読取端末

【課題】 利用者が増加したとしてもデータ喪失を極力抑制できるようにする。
【解決手段】 複数の情報読取端末は、低消費電力モードである場合には、管理装置にそれぞれ指定された情報送信時刻の所定時間前に通常動作モードに移行し当該通常動作モードにおいて情報送信時刻に達したときに情報をネットワークを通じて管理装置に送信する(ステップS3〜S8)。管理装置は、これらの複数の情報読取端末から送信された情報を受信し収集し管理する(ステップT3〜T6)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バーコードや2次元コード等の情報コードを光学的に読取る情報読取端末やRFIDタグから電磁的にデータを読取る情報読取端末から情報を収集して管理する情報収集管理システムおよび情報読取端末に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の情報収集管理システムにおいては、近年では有線ネットワークや無線ネットワークを通じて情報を収集するように構成されている。情報収集管理システムの一例が特許文献1に開示されている。この特許文献1に開示されている構成によれば、市販の携帯電話機を使用してネットワーク上で無線情報収集端末の周囲音や周囲映像を収集し、この情報収集管理を情報管理装置側で行うことができる。
【特許文献1】特開2002−204316号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところが、この情報収集管理システムを利用する利用者が増加すると、送信データが膨大になり回線がパンクし情報管理装置に対するデータ送信が中断してしまいデータが喪失してしまう虞がある。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、その目的は、データ喪失を極力抑制できる情報収集管理システムおよび当該システムに使用される情報読取端末を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
請求項1記載の発明によれば、次のように作用する。複数の情報読取端末は、それぞれ情報を読取るようになっている。また、管理装置は、複数の情報読取端末との間で通信することにより情報読取端末により読取られた情報を収集して管理する。複数の情報読取端末はそれぞれ電波時計を内蔵している。
管理装置は、複数の情報読取端末に対して情報送信時刻を指定可能に構成されている。複数の情報読取端末は、管理装置により指定された情報送信時刻に情報を管理装置に対して送信すると、管理装置は、複数の情報読取端末により送信された情報を受信して収集して管理するため、たとえデータが膨大になったとしても順序良くデータ通信することができるようになり、管理装置に対するデータ送信が中断されることがなくなる。これにより、データ喪失を極力抑制できるようになる。しかも、情報読取端末に内蔵された時計は電波時計であるため、時間誤差を極力抑制できる。
【0005】
請求項2記載の発明のように、管理装置は複数の情報読取端末に対して情報送信時刻を秒単位で指定可能になっていることが望ましい。
請求項3記載の発明によれば、情報読取端末は、通常動作する通常動作モードおよび当該通常動作モードよりも消費電力の低い低消費電力モードを備え、低消費電力モードである場合には、管理装置により指定された情報送信時刻の所定時間前に通常動作モードに移行し通常動作モードにおいて情報送信時刻に情報を管理装置に対して送信するため、たとえ低消費電力モードであった場合でも、情報送信時刻には確実に通常動作モードに移行し情報を管理装置に送信することができる。
【0006】
請求項4記載の発明によれば、情報読取端末に内蔵された時計は電波時計であると共に、情報読取端末は記憶手段を備えており、内蔵した電波時計を標準電波により校正したときに校正された日時を記憶手段に記録し、情報読取端末は、記憶手段に記録された日時をチェックし校正された記録がない,もしくは校正日時が所定日時より古い場合には時刻が標準電波により校正されるまで所定時間毎に標準電波の受信を試行するため、標準電波を受信することにより時刻を頻繁に校正できるようになる。
【0007】
請求項5記載の発明によれば、情報読取端末に内蔵された時計は電波時計であると共に情報読取端末は記憶手段を備え、内蔵した電波時計を標準電波により校正したときに校正された日時を記憶手段に記録し、時刻が標準電波により校正されている場合には、当該校正済みの状態を示すアイコン表示を行い、校正された記録がないかまたは校正日時が所定日時よりも古い場合にはアイコン表示を校正済み状態とは異なる表示状態に変化させて報知するため、ユーザは情報読取端末に記録されている時刻が校正されているか否かを簡単に判別することができる。
【0008】
請求項6記載の発明によれば、情報読取端末は、管理装置が指定した時刻の所定時間前に情報送信開始予告情報を送信するため、管理装置は、情報送信開始予告情報を受信することにより事前に通信に係る準備を行うことができる。
請求項7記載の発明によれば、管理装置も電波時計を内蔵しているため、管理装置側で正確な時刻を得ることができ、たとえ情報読取端末から情報送信開始予告情報を受信しなくても、事前に通信に係る準備を行うことができる。
請求項8記載の発明によれば、情報読取端末に内蔵された時計は電波時計であった場合に情報読取端末が標準電波により時刻を校正することに失敗した場合、標準電波により校正に成功した最新の他の情報読取端末から校正時刻を受信するため、たとえ情報読取端末が自身で時刻を標準電波により校正できなくても他の情報読取端末の校正時刻により校正できるため、時刻情報をより確実に校正できるようになる。
【0009】
請求項9記載の発明によれば、情報読取端末に内蔵された時計が電波時計であった場合、情報読取端末が標準電波により時刻を校正することに失敗した場合、電波時計を内蔵した管理装置から校正時刻を受信するため、たとえ情報読取端末が自身で時刻を標準電波により校正できなくても管理装置の校正時刻により校正できるため、時刻情報をより確実に校正できるようになる。
請求項10記載の発明によれば、情報読取端末に内蔵された時計が電波時計であった場合に、校正された電波時計による時刻情報を管理装置に送信し、管理装置が内蔵した内蔵時計の時刻情報を校正するため、管理装置の内蔵時計をより正確な時刻に校正できるようになる。
【0010】
請求項11記載の発明によれば、一の情報読取端末から当該管理装置に送信される情報量が規定量より多い場合には、他の情報読取端末に送信待機指令を送信することにより他の情報読取端末からの送信処理を待機させ、一の情報読取端末が情報送信完了した後に管理装置が他の情報読取端末の送信待機状態を解除し、他の情報読取端末からの情報を受信するため、たとえ一の情報読取端末3から管理装置2に送信される情報量が規定量より多い場合であっても、全ての情報読取端末3からの情報を確実に受信できるようになる。
【0011】
請求項12記載の発明のように、前記情報読取端末に内蔵された時計が電波時計であった場合に、情報読取端末が当該情報読取端末に内蔵された電波時計の時計情報を必要とするアプリケーションプログラムを実行する前に、時刻情報を標準電波により校正することが望ましい。すなわち、アプリケーションプログラムに必要とされる時刻情報が校正されていれば、より正確な時刻を参照して当該プログラムを実行することができるためである。
【0012】
請求項13記載の発明によれば、情報読取端末は、管理装置から指定された情報送信時刻に達したとき、自端末が情報収集処理を完了していないことを条件として管理装置に情報送信時刻の再設定要求を行い、管理装置は、再設定要求を受け付けると他の情報読取端末の情報送信時刻に基づいて再設定要求を受け付けた情報読取端末の情報送信時刻を設定して情報読取端末に対して設定した情報送信時刻を送信し、情報読取端末は、管理装置により送信された情報送信時刻に達したときに情報を送信するため、たとえ自端末が情報収集処理を完了していない場合であっても管理装置に情報送信時刻の再設定要求を行うことで情報送信時刻が再設定されるようになり、例えば自端末が情報収集処理を完了した後に情報を送信できるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の一実施形態について、図1ないし図2を参照しながら説明する。
図1は、情報収集管理システムを概略的に示している。この情報収集管理システム1は、ネットワークNに通信接続された管理装置2と、アクセスポイントAを通じてネットワークNに通信接続された複数の情報読取端末3とを備えている。管理装置2には、データベースDが接続されている。このデータベースDには、管理装置2に入力された入力情報や、複数の情報読取端末3により収集されネットワークNを通じて与えられた各種情報が記憶されている。管理装置2は、一般的なパーソナルコンピュータ等により構成されており、通常動作する通常動作モードと共に消費電力を低減した休止モードが設けられている。休止モードは、モニタ(図示せず)等の電源消費を低減することにより低消費電力状態となるモードを示している。
【0014】
管理装置2は、作業者(ユーザ)等により各種設定されることにより通常動作モードと休止モードとのモード変換が行われるようになる。この管理装置2には、一般的な時計(電波時計でも良い)が内蔵されている。
情報読取端末3は、ユーザが携帯可能に構成されており、通常動作モードおよび低消費電力モードを備えている。この情報読取端末3には複数のキー(図示せず)が設けられており、通常動作モードにおいては特定のキーが押下されることにより光学的に情報を読取る機能を備えている。また、この情報読取端末3は、アクセスポイントAとの間で無線通信する機能を備えており、当該無線通信機能により無線信号によりアクセスポイントAと通信するようになっている。そして、情報読取端末3は、ネットワークNに接続するようになっている。
【0015】
具体的には、情報読取端末3は、例えばバーコードハンディターミナルやバーコードスキャナもしくは2次元コード読取装置等による情報コード読取装置により構成されている。尚、情報読取端末3は、リーダライタであっても良い。リーダライタは、RFID(Radio Frequency Identification)タグや非接触型ICカードから電磁的に情報を読取るための端末を示している。
【0016】
情報読取端末3は、マイクロコンピュータを主体として二次電池を内蔵可能に構成され、当該二次電池を電源として駆動する。情報読取端末3に対して所定時間の間キー操作等が行われない場合には、情報読取端末3は、通常動作モードよりも消費電力を抑えた低消費電力モードに移行する。低消費電力モードでは、内蔵電池の電力消費を極力抑制できる。情報読取端末3には、電波時計が内蔵されており、電波時計は低消費電力モードにおいても動作するようになっている。
【0017】
標準電波は、所定の送信所から常時送信されている。情報読取端末3は、標準電波を受付けると内蔵した電波時計の時間情報(時刻)を校正可能に構成されている。また情報読取端末3は、記憶手段としてのメモリ(図示せず)を内蔵しており電波時計の時間情報を校正すると内蔵メモリに校正日時を記録する。
【0018】
情報読取端末3は表示部3aを備えており、時間情報が校正されている場合には校正済みの状態を示すアイコンを表示部3aに表示するようになっている。逆に情報読取端末3は、時間情報が校正されていない(例えば校正された記録がない、もしくは、校正された日時が現在日時よりも所定日時以上古い)場合には、表示部3aに校正済みの状態とは異なる表示状態(例えば、点灯表示しているアイコンを半透明にしたり点滅表示に変化)にするようになっている。これにより、作業者は、時刻が校正されているか否かを簡単に把握することができる。
【0019】
上記構成の作用について説明する。
図2(a)および図2(b)は、それぞれ情報読取端末と管理装置の処理動作をフローチャートにより示している。
作業者は、情報読取端末3を使用することにより棚卸し情報や在庫の管理情報を収集することができる。本実施形態では、管理装置2がこれらの収集情報を集中管理できる実施形態を示す。
まず図2(b)に示すように、管理装置2は、複数の情報読取端末3が収集情報を送信する時刻を示す情報送信時刻のタイミングテーブルを作成する(ステップT1)。このタイミングテーブルは、複数の情報読取端末3の収集情報送信時刻を管理するために作成される。
【0020】
管理装置2は、それぞれの情報読取端末3に対してタイミングテーブルに記録された情報送信時刻を指定する(ステップT2)。すなわち、管理装置2は、ネットワークNを通じて情報送信時刻をそれぞれの情報読取端末3に送信する。このとき、管理装置2は、複数の情報読取端末3に対してそれぞれ異なる情報送信時刻を指定する。この場合、管理装置2は、複数の情報読取端末3に対して定期的に情報送信時刻を送信するようにしても良い。この後、管理装置2は、情報読取端末3からの収集情報の受信を待機する(ステップT3)。
【0021】
他方、情報読取端末3は電源オンされると(ステップS1)、管理装置2から送信された情報送信時刻情報を受信する(ステップS2)。情報読取端末3は、情報送信時刻情報を受信すると、情報送信時刻の所定秒前(例えば、3〜10秒前)まで、作業者による情報収集処理の操作を受付け(ステップS4)、情報送信時刻の所定秒前に達したら作業者による情報収集処理の操作受付を停止し、情報送信するための準備処理(ステップS5〜S7)に移行する。
【0022】
ステップS3において情報送信時刻の所定秒前に達したときに、ステップS5において、情報読取端末3が低消費電力モードの場合であっても(ステップS5:YES)、強制的に通常動作モードに移行する(ステップS6)。そして、情報読取端末3は、管理装置2との間でリンク確立処理を行い、情報送信時刻に達するまで待機し、情報送信時刻に達したときには(ステップS7:YES)、情報送信処理を行う(ステップS8)。
【0023】
すると、管理装置2は、ステップT3において情報読取端末3から情報を受信したことを検出し、情報を収集して保存する(ステップT4)。管理装置2は、登録された全ての情報読取端末3から情報収集して保存するまでこれらの処理を繰り返し(ステップT3〜T5)、登録された全ての情報読取端末3から情報を収集した後に、収集された情報の詳細ファイルを作成する(ステップT6)。
【0024】
このような第1の実施形態によれば、複数の情報読取端末3は、低消費電力モードである場合には、管理装置2にそれぞれ指定された情報送信時刻の所定時間前に通常動作モードに移行し当該通常動作モードにおいて情報送信時刻に達したときに情報をネットワークNを通じて管理装置2に送信し、管理装置2は、これらの複数の情報読取端末3から送信された情報を受信し収集し管理するため、たとえ送信すべき情報(データ)が膨大であったとしても、情報送信時刻が異なる時刻に設定されていれば順序良く情報を管理装置2に送信することができるようになり、管理装置2に対する情報送信が中断されることがなくなる。これにより、データ喪失を極力抑制できるようになる。しかも電波時計を使用しているため、情報送信時刻の時間誤差を極力抑制することができる。
【0025】
また、情報読取端末3は、電波時計を標準電波により校正したときに校正日時を内蔵メモリに記録し、時刻が標準電波により校正されている場合には、校正済みの状態を示すアイコン表示を行い、校正された記録がないかまたは校正日時が所定日時よりも古い場合にはアイコン表示を校正済み状態とは異なる表示状態に変化させるため、作業者(ユーザ)は、情報読取端末3に記録されている時刻が校正されているか否かを簡単に判別することができるようになる。
【0026】
(第2の実施形態)
図3は、本発明の第2の実施形態の説明を示すもので、第1の実施形態と異なるところは、内蔵電波時計の時刻を校正するところにある。第1の実施形態と同一部分については同一符号を付してその説明を省略し、以下異なるところについてのみ説明を行う。
【0027】
図3は、情報読取端末の電波時計の校正処理動作をフローチャートにより示している。
この図3において、情報読取端末3が電源オンされると(ステップU1)、内蔵メモリに校正記録があるか否か、または/および校正日時が所定日時よりも古いか否かを判定する(ステップU2)。このとき、情報読取端末3は、ステップU2にてNOと判定すると、校正記録の日時が新しいと判定し、電波時計の校正処理を終了する。しかし、情報読取端末3が、内蔵メモリに校正記録がない、または/および校正日時が所定日時よりも古いと判定した場合には、標準電波の受信を開始する(ステップU3)。これは、情報読取端末3が内蔵電波時計の時刻を校正するために行われる処理を示している。
【0028】
情報読取端末3は、標準電波により電波時計の時刻情報が校正された場合には、必要に応じて校正日時を内蔵メモリに記録して終了する。しかし、情報読取端末3は、電波時計が校正されないときには、時刻が校正されるまで所定時間毎に標準電波の受信を試行する(ステップU3〜U5)。上述では電源がオンされたときに校正状態をチェックするようにしているが、電源がオンされたときに関わらず他のときにでも校正状態をチェックするようにしても良い。
【0029】
すなわち、本実施形態によれば、情報読取端末3は、電波時計が校正されていない、もしくは校正日時が古い場合に標準電波により校正されるまで所定時間毎に標準電波の受信を試行するため、標準電波を確実に受信することで所定時間毎に時刻を確実に校正できるようになる。
【0030】
(第3の実施形態)
図4は、本発明の第3の実施形態の説明を示すもので、前述実施形態と異なるところは、情報読取端末が、管理装置により指定された時刻の所定時間前に情報送信開始予告情報を送信するようにしているところにある。前述実施形態と同一部分については同一符号を付してその説明を省略し、以下異なるところについてのみ説明を行う。
【0031】
図4は、情報読取端末の情報送信予告情報の送信時の処理動作をフローチャートにより示している。この図4の処理は、前述説明を行った図2におけるステップS2およびS3間に行う処理を示している。この図4において、情報読取端末3は、内蔵した電波時計に基づいて情報送信時刻の所定分前(数分前(例えば、2分前))になるまで情報を収集受付し(ステップV1〜V2)、当該数分前になると管理装置2に対して情報送信開始予告情報を送信する(ステップV3)。この後の処理は図2のステップS3以降の処理と同様であるため説明を省略する。
【0032】
本実施形態によれば、管理装置2が指定した時刻の所定時間前に情報送信開始予告情報を送信するため、管理装置2は、情報送信開始予告情報を受信することにより事前に情報の受信準備を行うことができるようになる。
【0033】
例えば、管理装置2が情報を受信するときに、他の情報読取端末との間で通信処理を行っていたり、通常動作モードよりも消費電力の低い休止モード(低消費電力モード)に移行していた場合には、管理装置2は、情報読取端末3からの送信を遅延させるための信号を当該情報読取端末3に送信したり、通常動作モードに移行して受信準備する時間が必要となる。このようなシステムでは、情報読取端末3から情報送信開始予告情報を管理装置2に送信することにより、管理装置2は事前に通信に係る準備を行うことができる。
【0034】
より具体的には、管理装置2は、複数の情報読取端末3との間で通信処理を行うときに、通常動作モードでは情報を内蔵メモリに蓄えると共に当該情報を処理可能な状態であるものの、休止モードでは情報が内蔵メモリに蓄えられるがその情報処理を行うことができない。したがって、管理装置2が情報処理を迅速に行う必要があるときには、情報読取端末3から情報を受信したときに通常動作モードに移行している必要がある。このようなシステムの場合に特に有効に作用するようになり、情報処理を迅速に行うことができるようになる。
【0035】
(第4の実施形態)
図5は、本発明の第4の実施形態の説明を示すもので、前述実施形態と異なるところは、校正された電波時計による時刻情報を管理装置に送信し、管理装置がこの電波時計による時刻情報を校正するようにしたところにある。前述実施形態と同一部分については同一符号を付して説明を省略し、以下、異なる部分についてのみ説明を行う。
【0036】
情報読取端末3は、内蔵した電波時計が時刻校正処理を行い且つ所定期間経過していない場合には(ステップW1:YES)、管理装置2に対して校正された電波時計による時刻情報を所定時間毎(例えば1日毎)に管理装置2に対して送信する(ステップW2〜W3)。このとき管理装置2は、送信された時刻情報により内蔵時計の時刻情報を校正する。
他方、情報読取端末3は、ステップW1において、内蔵した電波時計が時刻校正済みでも所定期間経過している場合には(ステップW1:NO)、電波時計が時刻校正されるまで待機し(ステップW4〜W5)、ステップW1に戻って処理を行う。
【0037】
本実施形態によれば、情報読取端末3が、校正された電波時計による時刻情報を管理装置2に送信し、管理装置2が内蔵した内蔵時計の時刻情報を校正するため、管理装置2の内蔵時計の時刻情報を校正することができ、管理装置2の内蔵時計の時刻を確実に校正できると共に時刻の正確性を向上できる。
【0038】
尚、これらのステップW1〜W3(必要に応じてステップW4およびW5)の処理を、前述実施形態において説明を行った図3におけるステップU2、ステップU4の後に処理を追加することが望ましい。この場合、情報処理端末3の時刻情報が確実に更新された後に管理装置2に対して時刻情報を送信するため、時刻の正確性をより向上することができる。
【0039】
(第5の実施形態)
図6は、本発明の第5の実施形態の説明を示すもので、前述実施形態と異なるところは、情報読取端末が標準電波により時刻情報を校正することに失敗した場合、電波時計を内蔵した管理装置や、標準電波により校正に成功した最新の他の情報読取端末、から校正された時刻情報を受信するようにしたところにある。
【0040】
図6は、情報読取端末の処理動作をフローチャートにより示している。
情報読取端末3が標準電波の受付を開始し(ステップX1)た後、標準電波により時刻情報が校正された場合には(ステップX2:YES)処理を終了するが、標準電波の受付を開始したとしても標準電波を受信できない場合には(ステップX2:NO)、管理装置2もしくは他の情報読取端末3から校正された時刻情報を受信する(ステップX3〜ステップX6)。
【0041】
具体的には、管理装置2が電波時計を所有している場合には(ステップX3:YES)、情報読取端末3は、管理装置2から時刻情報を受信して校正する(ステップX4)。また逆に、管理装置2が電波時計を所有していない場合には(ステップX3:NO)、情報読取端末3は、アクセスポイントAおよびネットワークNを通じて、時刻情報が校正された情報読取端末3を探索し、当該情報読取端末3が発見された場合に(ステップX5:FIND)、情報読取端末3から時刻情報を受信して校正する(ステップX6)。
【0042】
このとき、情報読取端末3が、他の情報読取端末3として、複数の情報読取端末3を発見した場合には最新の校正日時を有する情報読取端末3から時刻情報を受信することが望ましい。この場合、時刻情報の正確性を向上できる。尚、情報読取端末3が、時刻情報の校正された他の情報読取端末3を発見できなければ(ステップX5:LOST)、ステップX1に戻り処理を繰り返す。
【0043】
本実施形態によれば、情報読取端末3が、標準電波を受信することができない環境下においてたとえ標準電波により時刻を校正することに失敗した場合でも、電波時計が内蔵された管理装置2もしくは時刻情報が校正された最新の情報読取端末から時刻情報を受信し校正することができるため、時刻を確実に校正できるようになる。より正確性の高い時刻を、信頼性の高い方法で校正できるようになる。
【0044】
(第6の実施形態)
図7は、本発明の第6の実施形態の説明を示すもので、前述実施形態と異なるところは、一の情報読取端末から管理装置に送信される情報量が規定量より多い場合には、管理装置が他の情報読取端末に送信待機指令を送信することにより他の情報読取端末からの送信処理を待機させ、一の情報読取端末が情報送信完了した後に管理装置が他の情報読取端末の送信待機状態を解除し、他の情報読取端末からの情報を受信するようにしたところにある。
【0045】
図7は、管理装置が行う処理動作をフローチャートにより示している。
この図7において、第1の実施形態における説明と同様に、管理装置2は、各情報読取端末3の情報送信時刻のテーブルを作成し(ステップY1)、情報送信時刻情報を各情報読取端末3に送信して指定する(ステップY2)。このとき、ある一の情報読取端末3の情報送信時刻に達したときには、当該一の情報読取端末3から情報が送信されるが、ある一の情報読取端末3から全情報を受信するまで待機する(ステップY3)。
【0046】
管理装置2は、当該一の情報読取端末3から全情報を受信したときに全情報量が規定内に収まっていると判定した場合には(ステップY4:YES)、情報を収集してメモリに保存する(ステップY7)ものの、全情報量が規定内に収まっていないと判定した場合には(ステップY4:NO)、情報送信時刻のテーブルを参照し、次に情報を送信する予定となっている情報読取端末3に送信待機指令を送信し(ステップY5)、一の情報読取端末3から情報を受信し続け(ステップY6)、情報を受信完了した後にステップY7において情報を収集して保存処理を行う。情報量の規定値(規定量)とは、情報読取端末3の送信する情報量に応じた送信時間を考慮して予め設定されている値であり、ある一の情報読取端末3がこの情報量の規定値を超えて送信した場合、管理装置2が他の情報読取端末3の情報送信時刻に受信準備処理を間に合わせることができなくなる値(規定値)である。
【0047】
管理装置2は、ステップY7において保存処理を終了すれば、他の情報読取端末3に対して待機命令を解除する指令を送信し(ステップY9)、他の情報読取端末の送信待機状態を解除する。管理装置2は、これらのステップY3〜Y9の処理を、登録された情報読取端末3の数だけ繰り返し、最後に収集された情報のファイルを作成して終了する(ステップY10)。
【0048】
本実施形態によれば、管理装置2は、一の情報読取端末3から管理装置2に送信される情報量が規定量より多い場合には、他の情報読取端末3に送信待機指令を送信することにより他の情報読取端末3からの送信処理を待機させ、一の情報読取端末3が情報送信完了した後に管理装置2が他の情報読取端末3の送信待機状態を解除し、他の情報読取端末3からの情報を受信するようにしたので、たとえ一の情報読取端末3から管理装置2に送信される情報量が規定量より多い場合であっても、全ての情報読取端末3からの情報を受信することができるようになる。これにより、利便性が向上する。
【0049】
(第7の実施形態)
図8は、本発明の第7の実施形態の説明を示すもので、前述実施形態と異なるところは、情報読取端末が管理装置により指定された情報送信時刻に達したとき、自端末が情報収集処理を完了していない場合管理装置に情報送信時刻の再設定要求を行い、管理装置が当該再設定要求を受け付けると他の情報読取端末の情報送信時刻に基づいて再設定要求を受けた情報読取端末の情報送信時刻を設定して当該情報読取端末に対して設定した情報送信時刻を送信し、情報読取端末は、管理装置により送信された情報送信時刻に達したときに情報を送信するところにある。
【0050】
図8は、情報読取端末の処理動作をフローチャートにより示している。
この図8において、情報読取端末3は、管理装置2に設定された情報送信時刻を受信すると、受信した情報送信時刻を自端末に設定する(ステップZ1)。情報読取端末3は、設定された情報送信時刻の所定秒(例えば10秒)前に達するまで作業者の指示による情報収集処理を受付ける(ステップZ2〜Z3)。その後、情報読取端末3は、低消費電力モードである場合には(ステップX4:YES)、強制的に通常動作モードに移行する(ステップX5)。
【0051】
情報読取端末3は、情報送信時刻の所定秒前に情報収集処理中でない場合には情報送信時刻に達したときに情報送信処理を行う(ステップZ6、Z9、Z10)。しかし、情報読取端末3は、情報送信時刻の所定秒前に(ステップZ2:YES)情報収集処理中であった場合には(ステップZ6:YES)、情報送信時刻に達したとしても情報送信処理を行うことなく、以下のステップZ7およびZ8の処理を行う。
【0052】
すなわち、情報読取端末3は、その表示部3aに「送信開始時間になりますので情報収集を中止してください。(YES)or(NO)」という旨を示すダイアログを表示処理し、情報送信時間であることを報知する(ステップZ7)。すなわち、作業者に情報収集処理を継続するか、もしくは情報収集処理を中断するか、の選択を促す。作業者が情報収集処理を継続する旨の意志を示したとき(例えばNOを選択するか、所定時間放置(タイム)アウト)には(ステップZ7:NOorタイムアウト)、情報読取端末3は、情報送信時刻の再設定要求を行う(ステップZ8)。管理装置2は、この情報送信時刻の再設定要求を受け付けると、情報送信時刻のタイムテーブルに基づいて他の情報読取端末3に設定された情報送信時刻を除いた時刻を、再設定要求された情報読取端末3の情報送信時刻として設定し、当該情報読取端末3に対して情報送信時刻を送信する。情報読取端末3は、ステップZ1の処理に戻るため再設定された情報送信時刻の所定秒前の時刻が到来する(ステップZ2)まで情報収集処理を受付継続し、ステップZ10において情報送信時刻に達したときに情報送信するようになる。
他方、ステップZ7において、作業者が情報収集処理を中断する旨の意志を示したとき(ステップZ7:YES)には、情報読取端末3は、ステップZ9に移行し、情報送信時刻に達すれば、ステップZ10において情報送信処理を行う。
【0053】
本実施形態によれば、情報読取端末3は、管理装置2により指定された情報送信時刻に達したとき、自端末が情報収集処理を完了していない場合、管理装置2に情報送信時刻の再設定要求を行い、管理装置2は、再設定要求を受け付けると他の情報読取端末3の情報送信時刻に基づいて再設定要求を受け付けた情報読取端末の情報送信時刻を設定して情報読取端末に対して設定した情報送信時刻を送信し、情報読取端末3が管理装置2により送信された情報送信時刻に達したときに情報を送信するようにしたので、たとえ情報読取端末3が情報送信時刻の所定秒前に達したとき自端末が情報収集処理を完了していない場合であっても、作業者に選択を促した結果、作業者が情報収集を継続する意志を示した場合には、管理装置2に情報送信時刻の再設定要求を行い再設定された情報送信時刻に達したときに再度作業者に報知するようにしており、作業者の都合の良いときに情報を送信するようにしているので、作業者は都合の良いときに情報を送信することができ、情報収集作業を中断しなくても良い。
【0054】
(他の実施形態)
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、例えば、以下に示す変形もしくは拡張が可能である。
第3の実施形態では、情報読取端末3から情報送信予告情報を送信するようにしているが、管理装置2にも電波時計を内蔵していれば、必ずしも情報読取端末3が情報送信開始予告情報を送信する必要はない。すなわち、管理装置2が電波時計を内蔵していれば、管理装置2側で正確な時刻を得ることができ、たとえ情報読取端末から情報送信開始予告情報を受信しなくても、事前に通信に係る準備を行うことができるからである。
【0055】
情報読取端末3は、自端末に内蔵された電波時計に時刻情報を必要とするアプリケーションプログラムを実行する前に、時刻情報を標準電波により校正することが望ましい。情報読取端末3は、時刻情報を必要とするアプリケーションプログラムも実行する場合がある。このような場合には、特に正確な時刻情報が要求されるため、このようなアプリケーションプログラムを実行する前に電波時計による時刻情報を標準電波により校正することが望ましい。
【0056】
管理装置2が、情報読取端末3に対して情報送信時刻を秒単位で指定できるように構成したが、この指定単位は秒単位でなくても、分単位であっても良いし、1時間単位であっても良いし、さらに0.1秒単位であっても良い。
【0057】
情報読取端末3が、通常動作モードと低消費電力モードとを備えた実施形態を説明したが、情報読取端末3に備えられたモードは通常動作モードのみであっても良い。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】本発明の第1の実施形態を示すシステム構成を概略的に示す図
【図2】処理動作を示すフローチャート((a)情報読取端末の処理、(b)管理装置の処理)
【図3】本発明の第2の実施形態を示す情報読取端末の処理動作を示すフローチャート
【図4】本発明の第3の実施形態を示す情報読取端末の処理動作を示すフローチャート
【図5】本発明の第4の実施形態を示す情報読取端末の処理動作を示すフローチャート
【図6】本発明の第5の実施形態を示す情報読取端末の処理動作を示すフローチャート
【図7】本発明の第6の実施形態を示す管理装置の処理動作を示すフローチャート
【図8】本発明の第7の実施形態を示す情報読取端末の処理動作を示すフローチャート
【符号の説明】
【0059】
図面中、1は情報収集管理システム、2は管理装置、3は情報読取端末、Aはアクセスポイント、Dはデータベース、Nはネットワークである。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報を読取る複数の情報読取端末と、
これらの複数の情報読取端末との間で通信することにより情報読取端末により読取られた情報を収集して管理する管理装置とを備え、
前記複数の情報読取端末はそれぞれ電波時計が内蔵されると共に、
前記管理装置は前記複数の情報読取端末に対して情報送信時刻を指定可能に構成され、
前記複数の情報読取端末は、それぞれ情報送信時刻に情報を管理装置に対して送信し、
前記管理装置は、前記複数の情報読取端末により送信された情報を受信して収集し管理することを特徴とする情報収集管理システム。
【請求項2】
前記管理装置は、前記複数の情報読取端末に対して情報送信時刻を秒単位で指定可能に構成されていることを特徴とする請求項1記載の情報収集管理システム。
【請求項3】
前記情報読取端末は、通常動作する通常動作モードおよび当該通常動作モードよりも消費電力の低い低消費電力モードを備え、低消費電力モードである場合には、前記管理装置により指定された情報送信時刻の所定時間前に通常動作モードに移行し通常動作モードにおいて情報送信時刻に情報を管理装置に対して送信することを特徴とする請求項1または2記載の情報収集管理システム。
【請求項4】
前記情報読取端末は記憶手段を備え、内蔵した電波時計を標準電波により校正したときに校正された日時を当該記憶手段に記録するように構成され、
前記情報読取端末は、前記記憶手段に記録された電波時計の校正日時をチェックし校正された記録がない,もしくは校正日時が所定日時より古い場合には時刻が標準電波により校正されるまで所定時間毎に標準電波の受信を試行することを特徴とする請求項1ないし3の何れかに記載の情報収集管理システム。
【請求項5】
前記情報読取端末は記憶手段を備え、内蔵した電波時計を標準電波により校正したときに校正された日時を記憶手段に記録するように構成され、
前記情報読取端末は、時刻が標準電波により校正されている場合には、当該校正済みの状態を示すアイコン表示を行うように構成されると共に、校正された記録がないかまたは記憶手段に記録された校正日時が所定日時より古い場合には前記アイコン表示を校正済みの状態とは異なる表示状態に変化させて報知することを特徴とする請求項1ないし4の何れかに記載の情報収集管理システム。
【請求項6】
前記情報読取端末は、管理装置が指定した時刻の所定時間前に情報送信開始予告情報を送信することを特徴とする請求項1ないし5の何れかに記載の情報収集管理システム。
【請求項7】
前記管理装置は、電波時計を内蔵していることを特徴とする請求項1ないし6の何れかに記載の情報収集管理システム。
【請求項8】
前記情報読取端末は、標準電波により電波時計の時刻を校正することに失敗した場合、標準電波により校正に成功した最新の他の情報読取端末から校正時刻を受信することを特徴とする請求項1ないし7の何れかに記載の情報収集管理システム。
【請求項9】
前記情報読取端末は、標準電波により時刻を校正することに失敗した場合、電波時計を内蔵した管理装置から校正時刻を受信することを特徴とする請求項7または8記載の情報収集管理システム。
【請求項10】
前記情報読取端末は、校正された電波時計による時刻情報を管理装置に送信し、
前記管理装置は、内蔵した内蔵時計の時刻情報を校正するように構成されていることを特徴とする請求項1ないし9の何れかに記載の情報収集管理システム。
【請求項11】
前記管理装置は、一の情報読取端末から当該管理装置に送信される情報量が規定量より多い場合には、他の情報読取端末に送信待機指令を送信することにより他の情報読取端末からの送信処理を待機させ、一の情報読取端末が情報送信完了した後に管理装置が他の情報読取端末の送信待機状態を解除し、他の情報読取端末からの情報を受信することを特徴とする請求項1ないし10の何れかに記載の情報収集管理システム。
【請求項12】
前記情報読取端末は、当該情報読取端末に内蔵された電波時計の時刻情報を必要とするアプリケーションプログラムを実行する前に、時刻情報を標準電波により校正することを特徴とする請求項1ないし11の何れかに記載の情報収集管理システム。
【請求項13】
前記情報読取端末は、前記管理装置から指定された情報送信時刻に達したとき、自端末が情報収集処理を完了していないことを条件として前記管理装置に情報送信時刻の再設定要求を行い、
前記管理装置は、再設定要求を受け付けると他の情報読取端末の情報送信時刻に基づいて再設定要求を受付けた情報読取端末の情報送信時刻を設定して当該情報読取端末に対して設定した情報送信時刻を送信し、
前記情報読取端末は、前記管理装置により送信された情報送信時刻に達したときに情報を送信することを特徴とする請求項1ないし12の何れかに記載の情報収集管理システム。
【請求項14】
情報を読取ると共に当該情報を管理する管理装置との間で通信する情報読取端末において、
電波時計が内蔵され、前記管理装置により情報送信時刻が指定されると、前記管理装置により指定された情報送信時刻に情報を前記管理装置に対して送信するように構成されていることを特徴とする情報読取端末。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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