情報受信装置
【課題】ブックマークした情報が装置内に存在しない場合でもブックマークした情報を表示させることができる情報受信装置を提供する。
【解決手段】ラジオ放送受信部102はID付き情報を受信する。ブックマークID保存部110は、ID付き情報保存部104に保存されているID付き情報の内の選択したID付き情報をブックマークする命令を受けたとき、選択したID付き情報のIDをブックマークIDとして保存する。グローバルID取得部111は、ブックマークIDに対応するグローバルIDを外部より取得する。グローバルID保存部はグローバルIDを保存する。グローバルID取得部111は、グローバルIDを取得した場合、ブックマークID保存部110に保存されている、取得したグローバルIDに対応するブックマークIDを削除する。
【解決手段】ラジオ放送受信部102はID付き情報を受信する。ブックマークID保存部110は、ID付き情報保存部104に保存されているID付き情報の内の選択したID付き情報をブックマークする命令を受けたとき、選択したID付き情報のIDをブックマークIDとして保存する。グローバルID取得部111は、ブックマークIDに対応するグローバルIDを外部より取得する。グローバルID保存部はグローバルIDを保存する。グローバルID取得部111は、グローバルIDを取得した場合、ブックマークID保存部110に保存されている、取得したグローバルIDに対応するブックマークIDを削除する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報の所定のまとまりごとに特定のID(識別符号)が付された情報を受信する情報受信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
音声情報に対して、情報の所定のまとまりごとに特定のIDが付された情報(以下、ID付き情報)を重畳して放送するラジオ放送がある。この種の放送としては、特許文献1に記載されているようなJournaline(登録商標)と称されているものがある。カーナビゲーション装置に、ID付き情報を受信するラジオ放送受信機(情報受信装置)を搭載することもある。ID付き情報は、一例として、ニュース等のテキスト情報である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特表2010−518766号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような情報受信装置においては、ID付き情報を一旦内部メモリに保存し、ユーザの指示に従って表示部に表示させることができる。また、情報をブックマークして保存しておくことができる場合もある。情報受信装置は、ユーザによってブックマークされた情報のIDを保存しておき、表示が指示された場合にIDに基づいて該当する情報を表示することができる。
【0005】
ところが、情報受信装置で出力する情報は更新されるので、受信した情報が更新されるとブックマークした情報を削除する必要がある。ユーザがブックマークした情報を表示しようとした際にその情報が既に削除されていて表示できないということが発生する可能性がある。そこで、IDが付された情報が更新されてブックマークされた情報のIDが削除された後でもその情報を表示することができる情報受信装置が求められた。
【0006】
本発明はこのような問題点に鑑み、ブックマークした情報が装置内に存在しない場合でもブックマークした情報を表示させることができる情報受信装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上述した従来の技術の課題を解決するため、情報の所定のまとまりごとに特定のIDが付されたID付き情報を受信する受信部(102)と、前記受信部で受信したID付き情報を保存するID付き情報保存部(104)と、前記ID付き情報保存部に保存されているID付き情報の内の選択したID付き情報をブックマークする命令を受けたとき、選択したID付き情報のIDをブックマークIDとして保存するブックマークID保存部(110)と、前記ブックマークID保存部に保存したブックマークIDに対応するグローバルIDを外部より取得するグローバルID取得部(111)と、前記グローバルID取得部が取得したグローバルIDを保存するグローバルID保存部(114)とを備え、前記グローバルID取得部は、グローバルIDを取得した場合には、前記ブックマークID保存部に保存されている、取得したグローバルIDに対応するブックマークIDを削除することを特徴とする情報受信装置を提供する。
【発明の効果】
【0008】
本発明の情報受信装置によれば、ブックマークした情報が装置内に存在しない場合でもブックマークした情報を表示させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の情報受信装置の第1実施形態を示すブロック図である。
【図2】ID付き情報の保存シーケンスを説明するためのフローチャートである。
【図3】グローバルIDの取得シーケンスを説明するためのフローチャートである。
【図4】ブックマークの候補を羅列した表示画面の例を示す図である。
【図5】ブックマークされた情報の出力シーケンスを説明するためのフローチャートである。
【図6】ID付き情報保存部104における情報の保存方法を説明するための図である。
【図7】ブックマークID保存部110におけるブックマークしたIDの保存方法を説明するための図である。
【図8】グローバルID保存部114におけるグローバルIDの保存方法を説明するための図である。
【図9】第2実施形態における処理のシーケンスを説明するためのフローチャートである。
【図10】第2実施形態におけるグローバルIDの保存の様子を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<第1実施形態>
以下、本発明の情報受信装置の第1実施形態について、添付図面を参照して説明する。図1に示す第1実施形態の情報受信装置101は、音声情報に対してIDが付された情報を重畳して放送するラジオ放送を受信するラジオ放送受信機として構成されている。図1において、ラジオ放送受信部102はラジオ放送を受信する。ID付き情報抽出部103は、受信した放送波よりID付き情報を抽出することにより通常のラジオ放送情報(音声情報)とID付き情報とを分離する。
【0011】
ID付き情報保存部104は、ID付き情報抽出部103で抽出されたID付き情報を保存する。保存されたID付き情報は、ユーザからの指示に従って描画部107によって一例としてタッチパネルディスプレイである表示部108に表示される。音声情報は音声情報出力部105によって処理されてスピーカ106より音声として出力される。表示部108に表示された情報に対してブックマークする命令を受けた場合、その命令はブックマーク命令取得部109で処理される。ブックマーク命令取得部109は、表示部108に表示されている情報のIDをID付き情報保存部104より出力させ、ブックマークID保存部110に保存させる。
【0012】
グローバルID取得部111は、ブックマーク命令取得部109がブックマーク命令を受けてから所定の時間経過後に外部ネットワーク接続部112を経由してデータサーバ113からグローバルIDを取得する。取得したグローバルIDはグローバルID保存部114に保存される。ブックマーク情報取得部115は、ブックマークを出力する命令を受けた際、ブックマークされた情報がID付き情報から抽出されたIDによる通常のブックマークとして存在しているか、グローバルIDとして存在しているかを判断する。ブックマーク情報取得部115は、情報がグローバルIDとして存在する場合は外部ネットワーク接続部112を経由してデータサーバ113より情報を取得し、描画部107を介して表示部108に情報を出力する。なお、通常のブックマークとして存在している場合は、ID付き情報保存部104に保存されているID付き情報を、描画部107を介して表示部108に出力する。
一般に、ID付き情報抽出部103が抽出した、情報受信装置101の内部で用いるIDの桁数は、グローバルIDの桁数よりも少ないため、ID付き情報抽出部103が抽出したIDは、グローバルIDよりも数が少ない。このグローバルIDは、外部のデータサーバ113より情報を取得するためのIDである。
【0013】
図2を用いてID付き情報の保存シーケンスについて説明する。図2において、ステップS1にて、ラジオ放送受信部102はラジオ放送より情報を受信する。ID付き情報抽出部103は、ステップS2にてID付き情報を抽出したか否かを判定し、ID付き情報を抽出しなければ(NO)、ステップS3にて例えば通常のラジオ放送として音声出力させる。ID付き情報を抽出したら(YES)、ID付き情報抽出部103は、ステップS4にてそのID付き情報のタイムスタンプや更新フラグ等をチェックし、既に保存している情報と置き換えるか(更新するか)否かを判定する。
【0014】
更新すべき情報でない場合(NO)、ステップS1に戻り、再度の情報取得を待つ。更新すべき情報の場合(YES)、ステップS5にて、ID付き情報抽出部103はID付き情報保存部104に保存されている情報を更新して終了する。
【0015】
次に、図3を用いてグローバルIDの取得シーケンスについて説明する。図3において、ブックマーク命令取得部109は、ステップS11にて、ユーザより出力中のID付き情報のブックマーク命令を受ける。すると、ブックマーク命令取得部109は、ステップS12にてID付き情報保存部104より現在出力中の情報のIDを抽出させ、取得したIDをブックマークID保存部110に保存する。ブックマーク命令取得部109は、同時にグローバルID取得部111にブックマークしたIDを通知する。
【0016】
グローバルID取得部111は、ステップS13にて、ブックマーク通知を受けるとタイマのカウントを開始する。グローバルID取得部111は、ステップS14にて、所定の時間が経過した否かを判定する。所定の時間が経過していなければ(NO)、ステップS14に戻り所定の時間が経過した否かを判定を繰り返す。所定の時間が経過していれば(YES)、グローバルID取得部111は、ステップS15にてデータサーバ113に対しグローバルIDの発行を要求する。
【0017】
ここで、ステップS14における所定の時間は、ID付き情報保存部104に保存された情報の更新時間より短い時間である。これは、情報更新が発生した場合に、同じIDが付された別の情報が存在する可能性があるためである。情報更新時間は、情報受信装置101内部で任意に決定している場合と、受信データに記述されている場合とがある。
【0018】
グローバルID取得部111は、ステップS16にてグローバルIDを取得し、ステップS17にて取得したグローバルIDをグローバルID保存部114に保存する。グローバルID取得部111は、ステップS18にて、取得したグローバルIDに対応するブックマークした情報のIDをブックマークID保存部110から削除する。ステップS17におけるグローバルIDの保存とステップS18におけるブックマークした情報のIDの削除とは同時に行ってもよいし、図3とは逆の順でもよい。
【0019】
以上により、情報受信装置101内部で保存していたブックマークした情報のIDはグローバルIDに置き換えられるため、ID付き情報が更新されても継続してブックマークされた情報をユーザに提示可能となる。
【0020】
図4は、ユーザに対して出力するブックマークの候補を羅列した表示画面116の例である。表示画面116は所定の操作によって表示部108に表示される。図4においては、3つのブックマーク117〜119を示しているが、保存可能な個数は任意である。ブックマーク117,118で示されているブックマーク1,2は、ID付き情報抽出部103で抽出したID付き情報のIDを保持したブックマークである。ブックマーク119で示されているブックマーク3は、グローバルIDを保持したブックマークである。ユーザは、表示画面116でブックマークの対象となっているIDがグローバルIDであるか否かを判別することができる。
【0021】
次に、図5を用いてブックマークされた情報の出力シーケンスについて説明する。図5において、ステップS21にて、表示部108が表示画面116でブックマークの出力命令を受けると、ブックマーク情報取得部115は、ステップS22にてブックマークの対象となっているIDを判断する。ブックマーク情報取得部115は、ステップS23にて選択したブックマークがグローバルIDを保持するブックマークであるか否かを判定する。
【0022】
グローバルIDを保持するブックマークが選択された場合、図4の例では、ブックマーク119が選択された場合(ステップS23でYES)、ブックマーク情報取得部115は、ステップS24にて、外部ネットワーク接続部112を介してデータサーバ113にグローバルIDに関する情報を取得する要求を発行する。ブックマーク情報取得部115は、ステップS25にてデータサーバ113より情報を取得すると、ステップS26にて取得した情報を表示部108に表示させるよう描画部107に出力する。
【0023】
図6を用いてID付き情報保存部104における情報の保存方法について説明する。図6に示すように、受信した情報はIDと共にID付き情報保存部104に保存され、ユーザの指示に従って表示部108へと出力される。情報が更新された場合にはID付き情報保存部104に保存されていた情報は一旦削除され、新規の情報が保存される。
【0024】
図7を用いてブックマークID保存部110におけるブックマークしたIDの保存方法について説明する。図7に示すように、ブックマークされた情報はブックマークID保存部110にIDのみ保存される。ユーザにより表示部108への出力が指示された場合、ブックマーク情報取得部115は、指定されたIDに基づいてID付き情報保存部104より対象の情報を取得し、表示部108に表示させる。
【0025】
図8を用いてグローバルID保存部114におけるグローバルIDの保存方法について説明する。図8に示すように、グローバルIDは、ブックマークIDと同様、グローバルID保存部114にIDのみ保存される。グローバルID取得部111はグローバルIDを取得すると、対象のブックマークIDを削除するため、両者間に重複は存在せず、ブックマーク候補を羅列した表示画面116を容易に構成することができる。
【0026】
<第2実施形態>
第2実施形態は、図1におけるデータサーバ113の代わりに任意のデータサーバを用いた場合の構成である。第2実施形態においては、任意のデータサーバはグローバルIDを保持していないため情報受信装置101から情報を送る必要がある。図9を用いて、第2実施形態における処理のシーケンスについて説明する。図9の処理は、図3で説明したグローバルID取得シーケンスと基本的に同様のシーケンスであるが、グローバルID取得時のグローバルID取得要求(ステップS15)に変えて、情報保存要求(ステップS35)を発行する点が異なる。
【0027】
図9において、ステップS31〜S34は図3のステップS11〜S14と同様であり、説明を省略する。グローバルID取得部111は、ステップS35にて情報保存要求を発行する。このとき、グローバルID取得部111は、ブックマークされているIDだけではなく対象の情報も任意のデータサーバへ送信する。任意のデータサーバは、受信した情報を保存し、任意のIDを割り当て、情報受信装置101へ送信する。なお、一般に、ID付き情報抽出部103が抽出した、情報受信装置101の内部で用いるIDの桁数は、この任意のIDの桁数よりも少ないため、ID付き情報抽出部103が抽出したIDは、グローバルIDよりも数が少ない。この任意のIDは、外部のデータサーバ113より情報を取得するためのIDである。
【0028】
グローバルID取得部111がステップS36にて任意のIDを取得すると、ステップS37にて取得したIDをグローバルID保存部114に保存する。そして、グローバルID取得部111は、ステップS38にて対応するブックマークIDを削除する。図10は、第2実施形態におけるグローバルIDの保存の様子を示している。図10に示すように、グローバルIDと任意IDとは異なる接頭辞またはフラグ等が割り振られているので、両者を識別することができる。
【0029】
以上の説明より明らかなように、本実施形態によれば、ブックマークした情報が情報受信装置内に存在しなくなっても、外部のサーバを利用することによって継続して情報を出力することが可能となる。
【0030】
本発明は以上説明した本実施形態に限定されることはなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能である。本実施形態においては、ID付き情報が重畳されて放送されるラジオ放送を受信するラジオ放送受信部を備えた構成を例としたが、ID付き情報が単独で放送される放送を受信する受信部を備えた構成でもよく、音声情報以外の例えば映像信号にID付き情報が重畳されて放送される放送を受信する受信部を備えた構成でもよい。
【符号の説明】
【0031】
101 情報受信装置
102 ラジオ放送受信部(受信部)
103 ID付き情報抽出部
104 ID付き情報保存部
109 ブックマーク命令取得部
110 ブックマークID保存部
111 グローバルID取得部
112 外部ネットワーク接続部
113 データサーバ
114 グローバルID保存部
115 ブックマーク情報取得部
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報の所定のまとまりごとに特定のID(識別符号)が付された情報を受信する情報受信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
音声情報に対して、情報の所定のまとまりごとに特定のIDが付された情報(以下、ID付き情報)を重畳して放送するラジオ放送がある。この種の放送としては、特許文献1に記載されているようなJournaline(登録商標)と称されているものがある。カーナビゲーション装置に、ID付き情報を受信するラジオ放送受信機(情報受信装置)を搭載することもある。ID付き情報は、一例として、ニュース等のテキスト情報である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特表2010−518766号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような情報受信装置においては、ID付き情報を一旦内部メモリに保存し、ユーザの指示に従って表示部に表示させることができる。また、情報をブックマークして保存しておくことができる場合もある。情報受信装置は、ユーザによってブックマークされた情報のIDを保存しておき、表示が指示された場合にIDに基づいて該当する情報を表示することができる。
【0005】
ところが、情報受信装置で出力する情報は更新されるので、受信した情報が更新されるとブックマークした情報を削除する必要がある。ユーザがブックマークした情報を表示しようとした際にその情報が既に削除されていて表示できないということが発生する可能性がある。そこで、IDが付された情報が更新されてブックマークされた情報のIDが削除された後でもその情報を表示することができる情報受信装置が求められた。
【0006】
本発明はこのような問題点に鑑み、ブックマークした情報が装置内に存在しない場合でもブックマークした情報を表示させることができる情報受信装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上述した従来の技術の課題を解決するため、情報の所定のまとまりごとに特定のIDが付されたID付き情報を受信する受信部(102)と、前記受信部で受信したID付き情報を保存するID付き情報保存部(104)と、前記ID付き情報保存部に保存されているID付き情報の内の選択したID付き情報をブックマークする命令を受けたとき、選択したID付き情報のIDをブックマークIDとして保存するブックマークID保存部(110)と、前記ブックマークID保存部に保存したブックマークIDに対応するグローバルIDを外部より取得するグローバルID取得部(111)と、前記グローバルID取得部が取得したグローバルIDを保存するグローバルID保存部(114)とを備え、前記グローバルID取得部は、グローバルIDを取得した場合には、前記ブックマークID保存部に保存されている、取得したグローバルIDに対応するブックマークIDを削除することを特徴とする情報受信装置を提供する。
【発明の効果】
【0008】
本発明の情報受信装置によれば、ブックマークした情報が装置内に存在しない場合でもブックマークした情報を表示させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の情報受信装置の第1実施形態を示すブロック図である。
【図2】ID付き情報の保存シーケンスを説明するためのフローチャートである。
【図3】グローバルIDの取得シーケンスを説明するためのフローチャートである。
【図4】ブックマークの候補を羅列した表示画面の例を示す図である。
【図5】ブックマークされた情報の出力シーケンスを説明するためのフローチャートである。
【図6】ID付き情報保存部104における情報の保存方法を説明するための図である。
【図7】ブックマークID保存部110におけるブックマークしたIDの保存方法を説明するための図である。
【図8】グローバルID保存部114におけるグローバルIDの保存方法を説明するための図である。
【図9】第2実施形態における処理のシーケンスを説明するためのフローチャートである。
【図10】第2実施形態におけるグローバルIDの保存の様子を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<第1実施形態>
以下、本発明の情報受信装置の第1実施形態について、添付図面を参照して説明する。図1に示す第1実施形態の情報受信装置101は、音声情報に対してIDが付された情報を重畳して放送するラジオ放送を受信するラジオ放送受信機として構成されている。図1において、ラジオ放送受信部102はラジオ放送を受信する。ID付き情報抽出部103は、受信した放送波よりID付き情報を抽出することにより通常のラジオ放送情報(音声情報)とID付き情報とを分離する。
【0011】
ID付き情報保存部104は、ID付き情報抽出部103で抽出されたID付き情報を保存する。保存されたID付き情報は、ユーザからの指示に従って描画部107によって一例としてタッチパネルディスプレイである表示部108に表示される。音声情報は音声情報出力部105によって処理されてスピーカ106より音声として出力される。表示部108に表示された情報に対してブックマークする命令を受けた場合、その命令はブックマーク命令取得部109で処理される。ブックマーク命令取得部109は、表示部108に表示されている情報のIDをID付き情報保存部104より出力させ、ブックマークID保存部110に保存させる。
【0012】
グローバルID取得部111は、ブックマーク命令取得部109がブックマーク命令を受けてから所定の時間経過後に外部ネットワーク接続部112を経由してデータサーバ113からグローバルIDを取得する。取得したグローバルIDはグローバルID保存部114に保存される。ブックマーク情報取得部115は、ブックマークを出力する命令を受けた際、ブックマークされた情報がID付き情報から抽出されたIDによる通常のブックマークとして存在しているか、グローバルIDとして存在しているかを判断する。ブックマーク情報取得部115は、情報がグローバルIDとして存在する場合は外部ネットワーク接続部112を経由してデータサーバ113より情報を取得し、描画部107を介して表示部108に情報を出力する。なお、通常のブックマークとして存在している場合は、ID付き情報保存部104に保存されているID付き情報を、描画部107を介して表示部108に出力する。
一般に、ID付き情報抽出部103が抽出した、情報受信装置101の内部で用いるIDの桁数は、グローバルIDの桁数よりも少ないため、ID付き情報抽出部103が抽出したIDは、グローバルIDよりも数が少ない。このグローバルIDは、外部のデータサーバ113より情報を取得するためのIDである。
【0013】
図2を用いてID付き情報の保存シーケンスについて説明する。図2において、ステップS1にて、ラジオ放送受信部102はラジオ放送より情報を受信する。ID付き情報抽出部103は、ステップS2にてID付き情報を抽出したか否かを判定し、ID付き情報を抽出しなければ(NO)、ステップS3にて例えば通常のラジオ放送として音声出力させる。ID付き情報を抽出したら(YES)、ID付き情報抽出部103は、ステップS4にてそのID付き情報のタイムスタンプや更新フラグ等をチェックし、既に保存している情報と置き換えるか(更新するか)否かを判定する。
【0014】
更新すべき情報でない場合(NO)、ステップS1に戻り、再度の情報取得を待つ。更新すべき情報の場合(YES)、ステップS5にて、ID付き情報抽出部103はID付き情報保存部104に保存されている情報を更新して終了する。
【0015】
次に、図3を用いてグローバルIDの取得シーケンスについて説明する。図3において、ブックマーク命令取得部109は、ステップS11にて、ユーザより出力中のID付き情報のブックマーク命令を受ける。すると、ブックマーク命令取得部109は、ステップS12にてID付き情報保存部104より現在出力中の情報のIDを抽出させ、取得したIDをブックマークID保存部110に保存する。ブックマーク命令取得部109は、同時にグローバルID取得部111にブックマークしたIDを通知する。
【0016】
グローバルID取得部111は、ステップS13にて、ブックマーク通知を受けるとタイマのカウントを開始する。グローバルID取得部111は、ステップS14にて、所定の時間が経過した否かを判定する。所定の時間が経過していなければ(NO)、ステップS14に戻り所定の時間が経過した否かを判定を繰り返す。所定の時間が経過していれば(YES)、グローバルID取得部111は、ステップS15にてデータサーバ113に対しグローバルIDの発行を要求する。
【0017】
ここで、ステップS14における所定の時間は、ID付き情報保存部104に保存された情報の更新時間より短い時間である。これは、情報更新が発生した場合に、同じIDが付された別の情報が存在する可能性があるためである。情報更新時間は、情報受信装置101内部で任意に決定している場合と、受信データに記述されている場合とがある。
【0018】
グローバルID取得部111は、ステップS16にてグローバルIDを取得し、ステップS17にて取得したグローバルIDをグローバルID保存部114に保存する。グローバルID取得部111は、ステップS18にて、取得したグローバルIDに対応するブックマークした情報のIDをブックマークID保存部110から削除する。ステップS17におけるグローバルIDの保存とステップS18におけるブックマークした情報のIDの削除とは同時に行ってもよいし、図3とは逆の順でもよい。
【0019】
以上により、情報受信装置101内部で保存していたブックマークした情報のIDはグローバルIDに置き換えられるため、ID付き情報が更新されても継続してブックマークされた情報をユーザに提示可能となる。
【0020】
図4は、ユーザに対して出力するブックマークの候補を羅列した表示画面116の例である。表示画面116は所定の操作によって表示部108に表示される。図4においては、3つのブックマーク117〜119を示しているが、保存可能な個数は任意である。ブックマーク117,118で示されているブックマーク1,2は、ID付き情報抽出部103で抽出したID付き情報のIDを保持したブックマークである。ブックマーク119で示されているブックマーク3は、グローバルIDを保持したブックマークである。ユーザは、表示画面116でブックマークの対象となっているIDがグローバルIDであるか否かを判別することができる。
【0021】
次に、図5を用いてブックマークされた情報の出力シーケンスについて説明する。図5において、ステップS21にて、表示部108が表示画面116でブックマークの出力命令を受けると、ブックマーク情報取得部115は、ステップS22にてブックマークの対象となっているIDを判断する。ブックマーク情報取得部115は、ステップS23にて選択したブックマークがグローバルIDを保持するブックマークであるか否かを判定する。
【0022】
グローバルIDを保持するブックマークが選択された場合、図4の例では、ブックマーク119が選択された場合(ステップS23でYES)、ブックマーク情報取得部115は、ステップS24にて、外部ネットワーク接続部112を介してデータサーバ113にグローバルIDに関する情報を取得する要求を発行する。ブックマーク情報取得部115は、ステップS25にてデータサーバ113より情報を取得すると、ステップS26にて取得した情報を表示部108に表示させるよう描画部107に出力する。
【0023】
図6を用いてID付き情報保存部104における情報の保存方法について説明する。図6に示すように、受信した情報はIDと共にID付き情報保存部104に保存され、ユーザの指示に従って表示部108へと出力される。情報が更新された場合にはID付き情報保存部104に保存されていた情報は一旦削除され、新規の情報が保存される。
【0024】
図7を用いてブックマークID保存部110におけるブックマークしたIDの保存方法について説明する。図7に示すように、ブックマークされた情報はブックマークID保存部110にIDのみ保存される。ユーザにより表示部108への出力が指示された場合、ブックマーク情報取得部115は、指定されたIDに基づいてID付き情報保存部104より対象の情報を取得し、表示部108に表示させる。
【0025】
図8を用いてグローバルID保存部114におけるグローバルIDの保存方法について説明する。図8に示すように、グローバルIDは、ブックマークIDと同様、グローバルID保存部114にIDのみ保存される。グローバルID取得部111はグローバルIDを取得すると、対象のブックマークIDを削除するため、両者間に重複は存在せず、ブックマーク候補を羅列した表示画面116を容易に構成することができる。
【0026】
<第2実施形態>
第2実施形態は、図1におけるデータサーバ113の代わりに任意のデータサーバを用いた場合の構成である。第2実施形態においては、任意のデータサーバはグローバルIDを保持していないため情報受信装置101から情報を送る必要がある。図9を用いて、第2実施形態における処理のシーケンスについて説明する。図9の処理は、図3で説明したグローバルID取得シーケンスと基本的に同様のシーケンスであるが、グローバルID取得時のグローバルID取得要求(ステップS15)に変えて、情報保存要求(ステップS35)を発行する点が異なる。
【0027】
図9において、ステップS31〜S34は図3のステップS11〜S14と同様であり、説明を省略する。グローバルID取得部111は、ステップS35にて情報保存要求を発行する。このとき、グローバルID取得部111は、ブックマークされているIDだけではなく対象の情報も任意のデータサーバへ送信する。任意のデータサーバは、受信した情報を保存し、任意のIDを割り当て、情報受信装置101へ送信する。なお、一般に、ID付き情報抽出部103が抽出した、情報受信装置101の内部で用いるIDの桁数は、この任意のIDの桁数よりも少ないため、ID付き情報抽出部103が抽出したIDは、グローバルIDよりも数が少ない。この任意のIDは、外部のデータサーバ113より情報を取得するためのIDである。
【0028】
グローバルID取得部111がステップS36にて任意のIDを取得すると、ステップS37にて取得したIDをグローバルID保存部114に保存する。そして、グローバルID取得部111は、ステップS38にて対応するブックマークIDを削除する。図10は、第2実施形態におけるグローバルIDの保存の様子を示している。図10に示すように、グローバルIDと任意IDとは異なる接頭辞またはフラグ等が割り振られているので、両者を識別することができる。
【0029】
以上の説明より明らかなように、本実施形態によれば、ブックマークした情報が情報受信装置内に存在しなくなっても、外部のサーバを利用することによって継続して情報を出力することが可能となる。
【0030】
本発明は以上説明した本実施形態に限定されることはなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能である。本実施形態においては、ID付き情報が重畳されて放送されるラジオ放送を受信するラジオ放送受信部を備えた構成を例としたが、ID付き情報が単独で放送される放送を受信する受信部を備えた構成でもよく、音声情報以外の例えば映像信号にID付き情報が重畳されて放送される放送を受信する受信部を備えた構成でもよい。
【符号の説明】
【0031】
101 情報受信装置
102 ラジオ放送受信部(受信部)
103 ID付き情報抽出部
104 ID付き情報保存部
109 ブックマーク命令取得部
110 ブックマークID保存部
111 グローバルID取得部
112 外部ネットワーク接続部
113 データサーバ
114 グローバルID保存部
115 ブックマーク情報取得部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報の所定のまとまりごとに特定のIDが付されたID付き情報を受信する受信部と、
前記受信部で受信したID付き情報を保存するID付き情報保存部と、
前記ID付き情報保存部に保存されているID付き情報の内の選択したID付き情報をブックマークする命令を受けたとき、選択したID付き情報のIDをブックマークIDとして保存するブックマークID保存部と、
前記ブックマークID保存部に保存したブックマークIDに対応するグローバルIDを外部より取得するグローバルID取得部と、
前記グローバルID取得部が取得したグローバルIDを保存するグローバルID保存部と、
を備え、
前記グローバルID取得部は、グローバルIDを取得した場合には、前記ブックマークID保存部に保存されている、取得したグローバルIDに対応するブックマークIDを削除する
ことを特徴とする情報受信装置。
【請求項2】
ブックマークの出力命令を受けると、ブックマークの対象となっているIDが前記グローバルIDを保持するブックマークであるか否かを判定し、前記グローバルIDを保持するブックマークであった場合、外部のデータサーバにグローバルIDに関する情報を取得する要求を発行して、その外部のデータサーバより情報を取得するブックマーク情報取得部を備えることを特徴とする請求項1記載の情報受信装置。
【請求項3】
前記グローバルID取得部は、ブックマークIDの通知を受けた後、所定時間経過後にグローバルIDを取得する
ことを特徴とする請求項1または2に記載の情報受信装置。
【請求項4】
前記所定時間は、ID付き情報保存部に保存されているID付き情報の更新時間よりも短い時間である
ことを特徴とする請求項3記載の情報受信装置。
【請求項1】
情報の所定のまとまりごとに特定のIDが付されたID付き情報を受信する受信部と、
前記受信部で受信したID付き情報を保存するID付き情報保存部と、
前記ID付き情報保存部に保存されているID付き情報の内の選択したID付き情報をブックマークする命令を受けたとき、選択したID付き情報のIDをブックマークIDとして保存するブックマークID保存部と、
前記ブックマークID保存部に保存したブックマークIDに対応するグローバルIDを外部より取得するグローバルID取得部と、
前記グローバルID取得部が取得したグローバルIDを保存するグローバルID保存部と、
を備え、
前記グローバルID取得部は、グローバルIDを取得した場合には、前記ブックマークID保存部に保存されている、取得したグローバルIDに対応するブックマークIDを削除する
ことを特徴とする情報受信装置。
【請求項2】
ブックマークの出力命令を受けると、ブックマークの対象となっているIDが前記グローバルIDを保持するブックマークであるか否かを判定し、前記グローバルIDを保持するブックマークであった場合、外部のデータサーバにグローバルIDに関する情報を取得する要求を発行して、その外部のデータサーバより情報を取得するブックマーク情報取得部を備えることを特徴とする請求項1記載の情報受信装置。
【請求項3】
前記グローバルID取得部は、ブックマークIDの通知を受けた後、所定時間経過後にグローバルIDを取得する
ことを特徴とする請求項1または2に記載の情報受信装置。
【請求項4】
前記所定時間は、ID付き情報保存部に保存されているID付き情報の更新時間よりも短い時間である
ことを特徴とする請求項3記載の情報受信装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【公開番号】特開2012−235330(P2012−235330A)
【公開日】平成24年11月29日(2012.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−102864(P2011−102864)
【出願日】平成23年5月2日(2011.5.2)
【出願人】(308036402)株式会社JVCケンウッド (1,152)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年11月29日(2012.11.29)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年5月2日(2011.5.2)
【出願人】(308036402)株式会社JVCケンウッド (1,152)
【Fターム(参考)】
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