説明

情報提供システム及び分析装置

【課題】 操作者にとって、有益かつ理解の容易な異常への対処情報を提供することができる情報提供システム及び分析装置を提供する。
【解決手段】 本発明の情報提供システムは、分析装置に生じた異常に対して、前記操作者を所定の属性に基づいて予め分けた複数のグループに応じた内容とされたグループごとの対処方法を示した対処情報を格納した対処情報データベースを備え、前記分析装置が、当該分析装置に生じた異常及び前記操作者の属するグループに対応する対処情報を前記対処情報データベースから取得し、前記操作者に表示する対処情報表示手段を備えている

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、分析装置に生じた異常に対する対処情報を操作者に提供する情報提供システム及び分析装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、分析装置のハード面の管理を行うために、当該分析装置の異常な動作や、その動作履歴等を分析装置から離れた箇所に設置された端末等に送信し、分析装置の遠隔管理を行うシステムが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開2001−229291号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来例のシステムにおいて、分析装置に異常が生じた場合、離れた箇所に設置された端末を操作している管理者に、分析装置に異常が生じたことを認識させることはできるが、分析装置を正常な状態に復旧させるためには、当該分析装置を実際に操作している操作者が、分析装置の修理、調整を行わなければならない場合がほとんどである。
例えば、当該分析装置を購入して使用している病院や検査機関等のエンドユーザに属する操作者が分析装置の修理、調整を行う場合、通常、操作者自身がマニュアル等を参照したり、サポートセンター等に電話で問い合わせたり等して、対処方法を把握し対処作業を行って当該分析装置を正常動作する状態に復旧させる。このような場合、操作者は、分析装置の修理や調整等の装置に対する対処情報を主にマニュアルから得ることとなる。さらに、当該分析装置のメーカ側であるサービスエンジニアや、当該分析装置の生産に携わる生産員が操作しているときにおいても、異常が生じる場合があり、この場合においても、エンドユーザ同様、主に専用のマニュアル等から得ることとなる。
【0005】
その一方、分析装置には、異常が生じた場合に、その異常に対応した簡易的な対処方法である簡易情報を当該分析装置が有する表示画面等に表示する機能を有するものもある。しかし、このような簡易的な対処方法では異常に対応することができない場合が多く、また、上記のように異なる操作者に対しても同じ内容の情報を提供するため、操作者に対して十分かつ有益な情報を提供できるものとは言えなかった。
当該分析装置に異常等の対処が必要な状態が生じたときに、前記表示画面にその状態に対する詳細な対処の方法である対処情報を表示することができれば、その操作者は、分析装置に添付されているマニュアル等を参照しその中から必要な情報を探して取得することなく、効率よく対処情報を取得でき、迅速に当該分析装置に対して適切な対処をとることができる。
他方、分析装置の表示画面によって、操作者に詳細な対処の方法を提供しようとすると、以下のような問題がある。すなわち、分析装置に対する対処情報を詳細なものにすればするほど、常に最新の情報に更新する必要性が生じたり、当該対処情報を参照する操作者の違いにも配慮する必要性が生じたり、といった問題が生じる。例えば、病院や検査機関等のエンドユーザーと、当該分析装置のメーカに属するサービスエンジニアと、分析装置の生産員とは、必要とする対処情報が異なるため、当該情報を参照する操作者に応じて異なる内容の対処情報を用意する必要があり、その情報量は膨大なものとなる。このような膨大な情報量を分析装置に記憶させ、かつ情報を常に最新の情報に更新するのは困難である。
【0006】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、操作者にとって、有益かつ理解の容易な異常への対処情報を提供することができる情報提供システム及び分析装置を提供することをその目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、分析装置に生じた異常に対する対処情報を当該分析装置の操作者に提供する情報提供システムであって、当該分析装置に生じた異常に対して、前記操作者を所定の属性に基づいて予め分けた複数のグループに応じた内容とされたグループごとの対処方法を示した対処情報を格納した対処情報データベースを備え、前記分析装置が、当該分析装置に生じた異常及び前記操作者の属するグループに対応する対処情報を前記対処情報データベースから取得し、前記操作者に表示する対処情報表示手段を備えていることを特徴としている。
【0008】
上記のように構成された情報提供システムによれば、操作者に対して、当該操作者の属するグループの属性に応じた内容の異常への対処情報を表示するので、操作者にとって、有益かつ理解の容易な対処情報を提供することができる。
【0009】
上記情報提供システムにおいて、前記対処情報データベースは、ネットワークを介して前記分析装置に通信可能に接続されたデータベース装置に格納されており、前記分析装置は、前記データベース装置から前記対処情報を取得するものであってもよい。
この場合、対処情報データベースが、分析装置と通信可能に接続されたデータベース装置に格納されているので、膨大な情報量となる対処情報を分析装置に記憶させる必要がない。また、対処情報を複数の操作者もしくは複数の分析装置に対して提供する場合にも、このデータベース装置に格納された対処情報データベースを一元管理することができ、その利便性が高まるとともに、常に最新の情報に更新して提供することができる。このため、操作者に対して最新の対処情報を効率よく提供することができる。
【0010】
また、上記情報提供システムにおいて、前記分析装置は、前記操作者が属するグループを識別するための識別情報を受け付けるための識別情報受付手段と、前記識別情報受付手段によって受け付けた識別情報に基づいて前記操作者が前記複数のグループの内のいずれに属するかを識別する識別手段と、をさらに備え、前記対処情報表示手段が、前記識別手段により識別された前記操作者の属するグループに応じた対処情報を前記対処情報データベースから取得するものであってもよい。
【0011】
また、上記情報提供システムにおいて、前記データベースに格納された対処情報には、前記分析装置に生じる状態の種類及び前記複数のグループに応じてそれぞれ格納位置を示す位置情報が割り当てられており、前記分析装置は、前記分析装置に生じる状態及び前記操作者が属するグループに応じた対処情報が格納されている前記位置情報を生成する位置情報生成手段をさらに有しており、前記対処情報表示手段は、前記位置情報生成手段により生成される位置情報に基づいて対処情報を前記データベースから取得するものであってもよい。
この場合、分析装置側で、必要な対処情報が格納されている対処情報データベース内の位置情報を特定し、対処情報データベースにアクセスするので、容易に必要な対処情報を取得することができる。
【0012】
また、前記分析装置は、前記操作者が操作可能な当該分析装置の操作部を表示可能な表示部と、前記表示部に前記操作部に含まれる対処情報要求操作部を表示する操作部表示手段と、をさらに有し、前記対処情報表示手段は、前記操作者が前記表示部に表示された前記対処情報要求操作部を操作することによって、前記対処情報データベースから対処情報を取得し前記表示部に前記対処情報を前記操作者に示すための対処情報表示画面を表示するものであってもよい。
この場合、操作者は対処情報要求操作部を操作すれば、表示部に対処情報表示画面が表示されるので、容易に対処情報を取得できる。また、対処情報データベースから取得される対処情報は、表示部に対処情報表示画面として表示されるので、操作者にとって閲覧し易く表示することができる。
【0013】
また、本発明は、対処が必要な異常に対する対処情報を操作者に提供する分析装置であって、当該分析装置に生じた異常に対して、前記操作者を所定の属性に基づいて予め分けた複数のグループに応じた内容とされたグループごとの対処方法を示した対処情報を格納した対処情報データベースから、当該分析装置に生じた異常及び前記操作者の属するグループに対応する対処情報を取得し、前記操作者に表示する対処情報表示手段を備えていることを特徴としている。
【0014】
上記のように構成された分析装置によれば、上述したように、操作者に対して、当該操作者の属するグループの属性に応じた内容の異常への対処情報を表示するので、操作者にとって、有益かつ理解の容易な対処情報を提供することができる。
【発明の効果】
【0015】
以上のように、本発明に係る情報提供システム及び分析装置によれば、操作者にとって、有益かつ理解の容易な異常への対処情報を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
次に、本発明の好ましい実施形態について添付図面を参照しながら説明する。図1は本発明の一実施形態である、血液の分析を行う多項目血球分析装置を対象とした情報提供システムの全体の構成を示したブロック図である。図中、情報提供システム1は、複数の分析装置20と、この分析装置20に提供する情報が格納されたデータベース装置としての情報サーバ30とを備えており、これらは、インターネットや専用ネットワーク等のネットワーク4を介して相互に通信可能に接続されている。複数の分析装置20には、例えば、図のように、分析装置20を購入所有して病院や検査機関等の施設内(エンドユーザ側)に設置されているもの(病院や検査機関のスタッフ等のエンドユーザや、エンドユーザが所有している分析装置20の修理調整等のためにサービスエンジニアが操作する)や、当該分析装置20のメーカ側の工場等の施設内(非エンドユーザ側)に設置されているもの(例えば、当該分析装置20の生産工場内で製造途中段階の検査や組み立て作業中に工場内の生産員等が操作する)が含まれている。
【0017】
分析装置20は、後述するように、血液等の検体の測定を行うための分析装置本体と、この分析装置本体を制御するとともに測定データを収集、分析するための制御装置22とを備えている。
図2は、制御装置22のハードウェア構成を示すブロック図である。制御装置22は、本体110と、表示部26と、入力部25とから主として構成されたコンピュータによって構成されている。本体110は、CPU110aと、ROM110bと、RAM110cと、ハードディスク110dと、読出装置110eと、入出力インタフェース110fと、画像出力インタフェース110hとから主として構成されており、CPU110a、ROM110b、RAM110c、ハードディスク110d、読出装置110e、入出力インタフェース110f、及び画像出力インタフェース110hは、バス110iによってデータ通信可能に接続されている。
【0018】
CPU110aは、ROM110bに記憶されているコンピュータプログラム及びRAM110cにロードされたコンピュータプログラムを実行することが可能である。そして、オペレーティングシステムあるいは本発明のシステムを実現するためのアプリケーションプログラム等を当該CPU110aが実行することにより、後述するような各機能ブロックが実現され、コンピュータが制御装置22として機能する。
ROM110bは、マスクROM、PROM、EPROM、EEPROM等によって構成されており、CPU110aに実行されるコンピュータプログラムおよびこれに用いるデータ等が記録されている。
【0019】
RAM110cは、SRAM又はDRAM等によって構成されている。RAM110cは、ROM110b及びハードディスク110dに記録されているコンピュータプログラムの読み出しに用いられる。また、これらのコンピュータプログラムを実行するときに、CPU110aの作業領域として利用される。
ハードディスク110dは、オペレーティングシステム及びアプリケーションプログラム等、CPU110aに実行させるための種々のコンピュータプログラム及び当該コンピュータプログラムの実行に用いるデータがインストールされている。後述する各データベースも、このハードディスク110dに格納されている。
【0020】
読出装置110Seは、フレキシブルディスクドライブ、CD−ROMドライブ、又はDVD−ROMドライブ等によって構成されており、可搬型記録媒体140に記録されたコンピュータプログラム又はデータを読み出すことができる。また、可搬型記録媒体140には、コンピュータを本発明のシステムとして機能させるためのアプリケーションプログラム140aが格納されており、コンピュータが当該可搬型記録媒体140から本発明に係るアプリケーションプログラム140aを読み出し、当該アプリケーションプログラム140aをハードディスク110dにインストールすることが可能である。
【0021】
なお、前記アプリケーションプログラム140aは、可搬型記録媒体140によって提供されるのみならず、電気通信回線(有線、無線を問わない)によってコンピュータと通信可能に接続された外部の機器から前記電気通信回線を通じて提供することも可能である。例えば、前記アプリケーションプログラムがインターネット上のアプリケーションプログラム提供サーバコンピュータのハードディスク内に格納されており、このサーバコンピュータにアクセスして、当該コンピュータプログラムをダウンロードし、これをハードディスク110dにインストールすることも可能である。
【0022】
入出力インタフェース110fは、例えばUSB、IEEE1394、RS−232C等のシリアルインタフェース、SCSI、IDE、IEEE1284等のパラレルインタフェース、およびD/A変換器、A/D変換器等からなるアナログインタフェース等から構成されている。入出力インタフェース110fには、キーボード及びマウス等からなる入力部25が接続されており、ユーザが当該入力部25を使用することにより、コンピュータにデータを入力することが可能である。
画像出力インタフェース110hは、LCDまたはCRT等で構成されたディスプレイである表示部26に接続されており、CPU110aから与えられた画像データに応じた映像信号を表示部26に出力するようになっている。表示部26は、入力された映像信号にしたがって、画像(画面)を表示する。
【0023】
次に、上記のようなハードウェア構成の制御装置22を有する分析装置20の機能について説明する。図3は、分析装置20によって実現される機能を示すブロック図である。血液等の検体の測定を行うための分析装置本体21が接続された制御装置22は、図のように、分析装置本体21の制御や、当該制御装置22各部の制御を統括的に行うための制御部23と、上述のハードディスク110dやRAM110c等からなる記憶部24と、外部との通信を行うための通信部27とを備えている。また、制御部23には、上述したキーボード及びマウス等からなる入力部25及び表示部26が接続されている。
通信部27は、ネットワーク4(図1)を介して情報サーバ30と接続されており、制御装置22と情報サーバ30との間の通信を実現する。
表示部26は、当該分析装置20を操作する操作者に対して、分析結果等種々の情報を表示する。また、操作者がマウス等の入力部25によって操作可能な操作部をディスプレイである表示部26の画面上に表示することができる。
なお以下の説明における当該分析装置20を操作する「操作者」には、上述したような、病院や検査機関のスタッフ等のエンドユーザ、エンドユーザ側に出向いて修理調整作業を行うサービスエンジニア、および生産工場内で検査や調整作業を行う生産員が含まれている。
【0024】
制御部23は、当該分析装置20を操作する操作者のログオン名等の識別情報を受け付けるための識別情報受付部23aと、前記操作者が後述するいずれのグループに属するかを識別するグループ識別部23bと、分析装置本体21の装置異常を検知特定する装置異常特定部23cと、分析装置本体21の異常に対応する簡易的な対処方法を示した簡易情報を表示する簡易情報表示部23dと、操作者の要求に応じて、特定された装置異常に応じた詳細な対処方法を示した対処情報を情報サーバ30から取得し、操作者に表示する対処情報表示部23eと、対処情報表示部23eが情報サーバ30から対処情報を取得する際に必要な当該対処情報が格納されている情報サーバ30内の位置情報を生成するための位置情報生成部23fと、を機能的に含んでいる。
【0025】
識別情報受付部23aは、操作者が分析装置20を起動すると操作者の識別情報としてのログオン名を入力するための後述するダイアログボックスを表示部26の画面上に表示させ、操作者に予め割り当てられたログオン名を受け付ける。
グループ識別部23bは、記憶部24に格納された後述するグループ識別情報データベース24bを参照し、識別情報受付部23aによって受け付けられたログオン名が、後述するいずれのグループに属するかを識別する。
装置異常特定部23cは、分析装置本体21が有する各種センサ等から種々の信号情報を取得し、その信号情報から装置異常を特定する。
対処情報表示部23eは、表示部26の画面上に情報を表示するためのウェブブラウザとしての機能を有しており、このウェブブラウザのウィンドウ中に情報サーバ30から取得した対処情報を表示するように構成されている。
記憶部24には、上述したオペレーティングシステムやアプリケーションプログラム等のコンピュータプログラムの他、分析装置本体21に生じる種々の装置異常それぞれに応じた簡易情報を含んだ簡易情報データベース24aや、グループ識別部23bが操作者のグループを識別するために参照するグループ識別情報データベース24bや、位置情報生成部23fが位置情報を生成する際に参照する位置情報データベース24c等が格納されている。
【0026】
簡易情報データベース24aは、例えば、図4(a)に示すように、分析装置本体21に生じる種々の装置異常と、それに対応する対処情報としての簡易情報とが対応づけられて格納されており、分析装置本体21に生じた装置異常に応じた簡易情報を容易に取得できるように整理されている。
グループ識別情報データベース24bは、所定の属性に基づいて予め分けられた複数のグループの内、当該分析装置20を操作する操作者がそのグループのいずれに属するかを識別するための情報を含んでいる。ここで、本実施形態では、操作者の属性に応じて、「ユーザグループ」、「サービスエンジニアグループ」、「生産員グループ」の3つのグループを定めている。「ユーザグループ」とは、当該分析装置20を購入所有し分析計測を行うエンドユーザにより構成されるグループであり、「サービスエンジニアグループ」とは、分析装置20の点検保守修理を専門に行うサービスエンジニアにより構成されるグループであり、「生産員グループ」とは、分析装置20の製造途中段階で検査や組み立て作業等で、分析装置20を動作させる検査員や製造員等の生産員で構成されるグループである。
図4(b)は、グループ識別情報データベース24bの一例を示している。グループ識別情報データベース24bは、例えば、図4(b)のように、複数の操作者にそれぞれ割り当てられたログオン名と、各グループとを対応づけた情報を含んでおり、操作者のログオン時のログオン名に基づいてその操作者がいずれのグループに属しているかを識別することができる。また、このグループ識別データベース24bには、例えば、操作者がログオン名を入力する際に、入力を求められるパスワードの情報等も格納される。
【0027】
位置情報データベース24cは、例えば、図4(c)に示すように、上記各グループ、分析装置本体21に生じる種々の装置異常、及びそれに対応する対処情報に割り当てられている後述する情報サーバ30内のアドレスが対応づけられて格納されており、分析装置本体21に生じた装置異常に応じた対処情報に割り当てられたアドレスを容易に生成できるように整理されている。
【0028】
なお、この分析装置20は、制御装置22をパーソナルコンピュータ等で構成し、そのパーソナルコンピュータを分析装置本体21に接続する構成とすることもできるし、分析装置本体21と制御装置22とを、一体的に構成したものであっても良い。
【0029】
一方、分析装置20にネットワーク4を介して接続される情報サーバ30は、パーソナルコンピュータやワークステーション等、図2で示した制御装置22とほぼ同様のハードウェア構成を有しており、データベースサーバとしての機能を備えるとともに、ウェブサーバとしての機能をも備えている。図5は、情報サーバ30の構成を示すブロック図である。情報サーバ30は、図に示すように、情報サーバ30各部の制御を統合的に行うための制御部31と、ハードディスクやメモリ等からなる記憶部32と、キーボードやマウス等の入力部33と、ディスプレイ等の表示部34と、分析装置20との通信を行うための通信部35とを備えている。
【0030】
制御部31は、分析装置20からの要求に応じて、記憶部32に格納された各グループごとそれぞれに対応した対処情報データベース32a〜32cの中から、必要な情報を選択し、通信部35を介して分析装置20にHTML形式等のwebデータ形式で記述されたデータとして送信するように構成されている。
記憶部32には、当該情報サーバ30を動作させるためのオペレーティングシステム等のプログラムの他、種々の装置異常に対する対処情報をデータベース化したものである、ユーザグループ向け対処情報データベース32a、サービスエンジニアグループ向け対処情報データベース32b、及び生産員グループ向け対処情報データベース32cが格納されている。これらデータベース32a〜32cは、上記3つのグループの属性に応じた内容に編集されたグループ別対処情報を、グループごとにデータベース化して格納している。
【0031】
図6(a)〜(c)は、それぞれ、記憶部32に格納されている上記各対処情報データベース32a〜32cの一例を示したものであり、(a)はユーザグループ向け対処情報データベース32a、(b)はサービスエンジニアグループ向け対処情報データベース32b、(c)は生産員グループ向け対処情報データベース32cを示している。図のように各対処情報データベースは、それぞれ、分析装置本体21の装置異常に対応する詳細対処情報としての対処情報が整理し格納されている。この対処情報は、図のように、対処情報を示すテキストデータや、操作者に図示するための画像データ又はそのリンク先や、これらをウェブブラウザ上で示すためのHTMLデータ等を有しており、当該対処情報が分析装置20に送信されたときに、対処情報表示部23がこれらテキストデータや画像データ等をウェブブラウザ上で表示することができるように構成されている。
【0032】
また、これら装置異常に対応する対処情報には、その格納位置を示すための位置情報としてのアドレスが個々に割り当てられており、分析装置20が対処情報を要求する際に、位置情報生成部23fによって生成されるアドレスに基づいて必要な情報を指定し易いように構成されている。また、対処情報データベース32a〜32cに格納されている対処情報の内容は、図6のテキストデータ中に示されているように、同じ装置異常に対する対処であっても、それぞれのグループの目的や作業内容やグループの構成員の知識等、グループの属性に応じて編集されており、グループごとに異なる内容が格納されている。
また、記憶部32には、上記データベースの他、異なる分析装置や、同一の機種でもその仕様が異なるものについて、同様のデータベースを格納してもよい。この場合、上記アドレスには、分析装置の機種や、その仕様等を分類するための情報を付加することで、異なる分析装置や、同一の機種でもその仕様が異なるものに対しても、個々に応じた対処情報を格納し、情報を提供することができる。
なお、情報サーバ30は、1台のパーソナルコンピュータで構成される必要はなく、複数台のコンピュータ装置から構成されていてもよい。
【0033】
上記構成によって、情報サーバ30はウェブサーバとして分析装置2からのネットワーク4を介したアクセスを受け付け、対処情報データベース32a〜32cに格納された対処情報をHTMLデータとして、アクセス元である分析装置20に提供する。なお、ウェブブラウザによって表示可能なデータであればHTMLデータのみに限定されるものではなく、JAVA(登録商標)やJavaScript(登録商標)等の他のデータまたはこれらを組み合わせたデータを生成し、分析装置20に提供してもよい。
【0034】
次に、上記構成の情報提供システム1の動作について、操作者が分析装置20を用いて分析測定を行う際の手順を例示しつつ説明する。
図7は、分析装置20を操作する操作者が当該分析装置20を起動した後、検体を測定するための測定モードに移行するまでの情報提供システム1の動作を示したフローチャートである。
【0035】
図において、まず操作者が分析装置20を起動させると、分析装置20の制御部23は、識別情報受付部23aに、オペレーションシステム及び当該情報提供システムにログオンするためのダイアログボックスを表示部34に表示させ、操作者に対してログオンを要求する(ステップS1)。
図8は、表示部34上に表示される、ログオンを要求するためのダイアログボックスの一例を示した図である。図中のダイアログボックス50は、各操作者に予め割り当てられているログオン名を入力するためのログオン名入力部51と、これに対応するパスワードを入力するためのパスワード入力部52とを有している。操作者は、自身に割り当てられているログオン名及びパスワードを入力部33を構成するキーボード等によって入力し、ダイアログボックス50中のボタン53をクリックする。識別情報受付部23aは、ボタン53がクリックされると、ダイアログボックス50に入力されたログオン名及びパスワードを受け付ける(ステップS2)。
【0036】
図7に戻って、識別情報受付部23aがログオン名及びパスワードを受け付けると、制御部23は、識別情報受付部23aが受け付けたログオン名が、上記3つのグループのいずれかに属しているかどうかをグループ識別部23bに判断させる(ステップS3)。グループ識別部23bは、グループ識別情報データベース24b(図3)を参照し、入力されたログオン名がいずれのグループにも属さない場合や、パスワードが一致しない場合、グループ識別部23bは、ログオンを拒否する(ステップS4)。このため、グループ識別情報データベース24bに登録されたログオン名を知らない者がログオンするのを排除できるため、外部の人間が当該分析装置20や情報提供システム1を使用するのを防止できる。
【0037】
グループ識別部23bは、入力されたログオン名が上記3つのグループのいずれかに属していると判断した場合、上記3つのグループの内、どのグループに属するかを識別し、その結果識別されたグループ名及び入力されたログオン名を、記憶部24に記憶する(ステップS5)。
ステップS5によって、識別されたグループ名及び入力されたログオン名を記憶すると、制御部23は、当該分析装置20を測定モードに移行する(ステップS6)。
以上のようにして、分析装置20は、現在の操作者がいずれのグループに属しているかを把握することができる。
なお、操作者に割り当てられるログオン名は、ユーザグループに属する操作者においては、ユーザグループの範囲の中で任意に割り当てることができ、ユーザグループ以外のグループとしては割り当てることができないようにされている。従って、ユーザグループに属する操作者は、サービスエンジニアグループとしてログオンすることができない。また、サービスエンジニアや生産員等のグループに属する操作者については、それぞれ、各グループとしてログオンするためのログオン名を予め記憶部24に記憶させておき、それらを各グループに応じた操作者に開示することでログオンできる。
【0038】
次に、本実施形態による情報分析システムの測定モードにおける動作について説明する。図9は、操作者が分析装置20を用いて分析測定を行う際に装置異常が生じた場合の、情報提供システムの動作を示したフローチャートである。
図において、上述のように操作者がログオンし、測定モードにある分析装置20は、所定の操作を行うことによって、分析測定を行うことができる(ステップS11)。
分析装置20が測定モードにあるとき、制御部23は、分析装置本体21に生じる装置異常を、装置異常特定部23cに検知させる(ステップS12)。装置異常特定部23cは、装置異常を検知しない場合には、測定モードを維持する。一方、分析装置本体21に装置異常が生じたことを検知した場合、装置異常特定部23cは、分析装置本体21を停止させ、分析装置本体21に生じた装置異常がどのような装置異常であるのかを特定する(ステップS13)。
なお、装置異常特定部23cは、分析装置本体21が有する各種センサ等から種々の信号情報を取得し、その信号情報から装置異常を特定するものである。例えば、装置異常特定部23cは、分析装置本体21に組み込まれた圧力センサにより測定される圧力値を信号情報として受け取り、この圧力値が所定の閾値よりも低くなると装置異常と判断する。さらに当該圧力センサが測定する圧力の低下の原因となる部分の特定を行い、装置異常の特定を行う。以上のようにして装置異常特定部23cは、分析装置本体21に生じた装置異常を特定する。
【0039】
装置異常特定部23cが装置異常を特定すると、制御部23は、簡易情報表示部23dに、特定された装置異常に対する簡易情報を示したヘルプダイアログボックスを表示部26の画面上に表示させる(ステップS14)。
図10は、ステップS14で示されるヘルプダイアログボックスの一例を示す図である。図中、対処情報表示画面としてのヘルプダイアログボックス54は、装置異常特定部23cによって特定された装置異常を示すためのエラー表示部55と、このエラー表示部55に表示された装置異常に対応する簡易情報を示すための簡易情報表示部56と、を有している。
簡易情報表示部23dは、ヘルプダイアログボックス54を表示する際に、記憶部24に格納された簡易情報データベース24aを参照し、特定された装置異常に対応する簡易な対処方法を示した簡易情報を取得する。そして、その取得した簡易情報を簡易情報表示部56に表示する。
なお、このヘルプダイアログボックス54は、表示部26の画面上に表示される図示しないヘルプダイアログボックス表示部を操作することでも表示することができ、例えば、操作者がサービスエンジニアや、生産員である場合には、任意に表示させることができる。
【0040】
ヘルプダイアログボックス54には、特定された装置異常に対応するより詳細な対処情報を要求するための詳細情報要求ボタン57が設けられており、操作者に、より詳細な対処情報を要求するか否かを選択させる(ステップS15)。このヘルプダイアログボックス54内に表示される詳細情報要求ボタン57は、操作者がマウス等の入力部25によって操作可能であり、簡易情報表示部23dは、簡易情報を表示するとともに、詳細対処情報要求操作部としての詳細情報要求ボタン57を表示する操作部表示手段を構成している。
【0041】
ヘルプダイアログボックス54に表示された簡易情報のみで対処する場合には、操作者は、詳細情報要求ボタン57を操作せず、ヘルプダイアログボックス54に表示された簡易情報に基づいて装置異常に対する対処を行う(ステップS16)。対処が完了すると、操作者がヘルプダイアログボックス54を閉じ、ヘルプダイアログボックス54が閉じられることで、制御部23は分析装置20を再度測定モードに移行させる(ステップS11)。ついで制御部23は、ステップS12において、装置異常の有無を検知し、上記特定された装置異常が解消されていれば、測定モードを継続する(ステップS11)。装置異常が解消されていなければ、ステップS13からステップS14に移行し、制御部23は再度ヘルプダイアログボックス54を表示する。
【0042】
一方、ステップS15において、操作者が詳細情報要求ボタン57を操作した場合(操作者がより詳細な対処情報を要求した場合)、制御部23は、対処情報表示部23eに、情報サーバ30に対して詳細な対処情報を要求させる(ステップS17)。具体的には、情報サーバ30に格納されている対処情報データベース32a〜32cには、図6で示したように、装置異常に対応する対処情報それぞれに、所定のアドレスが割り当てられており、まず、制御部23は、位置情報生成部23fに、特定された装置異常と、ステップS6(図7)において記憶部24に記憶した操作者の属するグループ名(ログオン名により識別されたグループ名)と、に対応する対処情報に割り当てられているアドレスを生成させる。対処情報表示部23eは、位置情報生成部23fによって生成されたアドレスに基づき、情報サーバ30に対して前記生成されたアドレスに対応する対処情報を送信するように要求する。
【0043】
情報サーバ30の制御部31は、分析装置20からの対処情報の送信要求を受信すると、前記アドレスに割り当てられた対処情報を、記憶部32に格納された各対処情報データベース32a〜32cの中から取得し、分析装置20にWebデータとして送信する(ステップS18)。このように、本実施形態では、分析装置20側で操作者の属するグループを識別し把握するので、例えば、複数の分析装置20が情報サーバ30にアクセスしたとしても、情報サーバ30側では、アクセスしてきた複数の分析装置それぞれの操作者の識別を行う必要がなく、その負荷を低減できる。
また、本実施形態では、分析装置20側で、必要な対処情報が格納されている情報サーバ30内のアドレスを特定し、情報サーバ30にアクセスするので、情報サーバ30側では、特に分析装置20からの要求に対して複雑な処理を行う必要がなく、さらにその負荷を低減できる。
なお、本実施形態では、分析装置20側で、操作者の属するグループを識別したが、分析装置20が情報サーバ30にログオン名等、グループを識別するための情報を送信し、情報サーバ30側で操作者の属するグループを識別することもできる。
【0044】
情報サーバ30からの対処情報を受信、取得した分析装置20の対処情報表示部23eは、ウェブブラウザを立ち上げ、表示部26の画面上にウェブブラウザのウィンドウを表示する。そして、このウェブブラウザのウィンドウ中に、取得した情報サーバ30からの対処情報を表示する(ステップS19)。
図11及び図12は、表示部26に表示されるウェブブラウザのウィンドウの一例を示した図である。図11中、詳細対処情報表示画面としてのウィンドウ60は、情報サーバ30からの対処情報を表示するための情報表示部61と、情報表示部61に示される対処情報の対象となる装置異常を示すエラー表示部62と、装置異常に割り当てられるエラーコードを示したエラーコード表示部63と、を有している。この情報表示部61には、情報サーバ30の記憶部32に格納された対処情報データベース32a〜32c中から取得された対処情報に含まれる画像データである当該装置異常に関連する分析装置本体21の調整部位等を説明するための図や(図11)、図12に示すように、テキストデータである当該装置異常に対して具体的に行うべき詳細な対処方法が表示される。このとき、情報表示部61には、当該操作者の属するグループに応じた対処情報が示されるので、操作者は、それぞれの属性に応じた対処を行うことができる。
また、本実施形態では、上記のように、識別情報受付部23a、グループ識別部23bによって識別された操作者の属するグループに対応した対処情報を、操作者に表示することができるので、操作者にとって有益かつ理解の容易な対処情報を提供することができる。
【0045】
また、ウィンドウ60には、図11に示すように、情報表示部61に表示される対処情報内を検索するための検索キーワード入力部64が設けられており、情報サーバ30から取得した対処情報の中から、必要な情報を容易に取り出すこともできる。図13は、検索キーワード入力部64にキーワードを入力し、検索結果を示したときのブラウザのウィンドウの一例である。図13中のウィンドウ65は、「圧力異常」をキーワードとして検索した結果を示すものであり、この「圧力異常」を含んだ情報を検索結果表示部66に示している。この検索結果表示部66に示される各検索情報66aは、情報サーバ30から取得した対処情報全体における、各検索情報66aが記載されている位置にリンクされており、各検索情報66aをクリックすることで、対処情報中の当該検索情報66aが記載されている箇所が示されるように構成されており、対処情報の参照が容易である。
このように、本実施形態では、情報サーバ30からの対処情報をウェブブラウザによって、表示部26に表示画面として前記操作者に表示するので、対処情報を閲覧し易く表示することができるとともに、他の情報とのリンクを容易に設定できるので、より情報を取得する上で、より使い易いものとなる。
【0046】
図9に戻って、操作者は、ウインドウ60(図11、図12)の内容を閲覧することで、当該装置異常に対する対処方法を把握することができる。そして、操作者は、この対処方法に基づいて分析装置本体21の調整、修理等の対処を行う(ステップS20)。
操作者の調整、修理が終了すると、制御装置22の制御部23は、再度、分析装置本体21に装置異常が生じるかどうかを確認する(ステップS21)。ここで、装置異常が生じなければ測定モードに移行し分析可能な状態に復帰する(ステップS11)。一方、装置異常が改善されなければ、制御部23は、操作者の属するグループに応じた対応を表示部26に表示し、その後の対応を当該操作者に指示する(ステップS22)。
【0047】
なお、上記実施形態では、説明を簡単にするために、対処情報を分析装置の異常に対処するための情報として説明したが、対処が必要な状態であれば装置異常に限定されるものではなく、分析装置の生産時における調整や検査に対処するための情報なども含まれる。この場合には、装置の製造調整、組立調整または検査が必要になった場合に、その状態を検知し、具体的な作業手順などを示す対処情報を情報サーバから分析装置へ提供することとなる。
【0048】
上記のように構成された本実施形態の情報提供システムによれば、分析装置20と通信可能に接続されるとともに、対処情報を格納した情報サーバ30を備えているので、膨大な情報量となる対処情報を分析装置20に記憶させる必要がない。また、対処情報を複数の操作者もしくは複数の分析装置20に対して提供する場合にも、この対処情報を一元管理することができ、その利便性が高まるとともに、常に最新の情報を提供することができる。また、操作者においては、当該分析装置20に生じる異常に応じた対処情報が表示されるので、マニュアル等から必要な情報を探して取得するといった必要がなく、利便性が高まる。
さらに、本実施形態の情報提供システム1は、操作者に対して、対処情報を表示する前により簡易的な内容の対処情報を表示するので、まず対処情報に基づいた対処を操作者に促すことができ、当該対処情報に基づく対処で異常が解消できれば、より迅速に分析装置20を装置異常から復旧させることができる。
以上のように、本発明の情報提供システム1によれば、対処情報を提供する側、及び対処情報を参照する側の双方にとって利便性が高められ、操作者に対して最新の対処情報を効率よく提供することができる。
また、分析装置20に提供される対処情報は、情報サーバ30に一元管理されるので、その管理コストの上昇を抑制することもできる。
【0049】
また、上記実施形態の情報提供システムは、分析装置20に装置異常が生じると、簡易的な対処方法を示した簡易情報を、詳細に示された対処情報を表示する前に当該操作者に表示するので、まず簡易情報に基づいた対処を操作者に促すことができる。そして、この簡易情報に基づく対処で修理、調整ができれば、より迅速に分析装置20を復帰させることができる。
【0050】
また、上記のように構成された分析装置20においても、上述のように、操作者に対して最新かつ有益な対処情報を効率よく提供することができる。
【0051】
なお、本発明の情報提供システムは上記実施形態のみに限定されるものではない。例えば、上記実施形態では、血球分析装置を用いた場合を例示したが、他の分析装置においても同様に適用することができる。
また、上記実施形態では、操作者の属するグループを「ユーザ」、「サービスエンジニア」、「生産員」の3つのグループに分けたが、グループの属性や役割についてより細分化し、より多くのグループに分けた構成とすることもできる。
また、上記実施形態では、情報サーバから分析装置へウェブ形式のデータを提供し、ウェブブラウザによって対処情報を表示する構成としたが、これに限定されるものではなく、対応情報を提供する専用のサーバプログラムを情報サーバにインストールするとともに、対応情報を表示するための専用のブラウザプログラムを分析装置にインストールし、専用のデータ形式により情報サーバから分析装置へ情報を提供する構成としてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明の一実施形態である、尿中に含まれる細胞や細菌の分析を行う粒子分析装置を対象とした情報提供システムの全体の構成を示したブロック図である。
【図2】制御装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図3】図1中の分析装置20の構成を示すブロック図である。
【図4】(a)は簡易情報データベースの一例を示す図であり、(b)はグループ識別情報データベースの一例を示す図であり、(c)は位置情報データベースの一例を示す図である。
【図5】情報サーバの構成を示すブロック図である。
【図6】記憶部に格納されるグループごとのデータベースを例示する図であり、((a)はユーザグループ向け対処情報データベース32a、(b)はサービスエンジニアグループ向け対処情報データベース32b、(c)は生産員グループ向け対処情報データベース32cを示している。
【図7】分析装置を起動した後、検体を測定するための測定モードに移行するまでの情報提供システムの動作を示したフローチャートである。
【図8】表示部上に表示される、ログオンを要求するためのダイアログボックスの一例を示した図である。
【図9】分析装置を用いて分析測定を行う際に装置異常が生じた場合の、情報提供システムの動作を示したフローチャートである。
【図10】ヘルプダイアログボックスの一例を示す図である。
【図11】表示部に表示されるウェブブラウザのウィンドウの一例を示した図である。
【図12】表示部に表示されるウェブブラウザのウィンドウの他の例を示した図である。
【図13】ウィンドウ上の検索キーワード入力部にキーワードを入力し、検索結果を示したときのブラウザのウィンドウの一例である。
【符号の説明】
【0053】
1 情報提供システム
4 ネットワーク
20 分析装置
23a 識別情報受付部
23b グループ識別部
23c 装置異常特定部
23d 簡易情報表示部
23e 対処情報表示部
23f 位置情報生成部
24 記憶部
30 情報サーバ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
分析装置に生じた異常に対する対処情報を当該分析装置の操作者に提供する情報提供システムであって、
当該分析装置に生じた異常に対して、前記操作者を所定の属性に基づいて予め分けた複数のグループに応じた内容とされたグループごとの対処方法を示した対処情報を格納した対処情報データベースを備え、
前記分析装置が、当該分析装置に生じた異常及び前記操作者の属するグループに対応する対処情報を前記対処情報データベースから取得し、前記操作者に表示する対処情報表示手段を備えていることを特徴とする情報提供システム。
【請求項2】
前記対処情報データベースは、ネットワークを介して前記分析装置に通信可能に接続されたデータベース装置に格納されており、前記分析装置は、前記データベース装置から前記対処情報を取得する請求項1に記載の情報提供システム。
【請求項3】
前記分析装置は、前記操作者が属するグループを識別するための識別情報を受け付けるための識別情報受付手段と、前記識別情報受付手段によって受け付けた識別情報に基づいて前記操作者が前記複数のグループの内のいずれに属するかを識別する識別手段と、をさらに備え、
前記対処情報表示手段が、前記識別手段により識別された前記操作者の属するグループに応じた対処情報を前記対処情報データベースから取得する請求項1又は2に記載の情報提供システム。
【請求項4】
前記データベースに格納された対処情報には、前記分析装置に生じる状態の種類及び前記複数のグループに応じてそれぞれ格納位置を示す位置情報が割り当てられており、
前記分析装置は、前記分析装置に生じる状態及び前記操作者が属するグループに応じた対処情報が格納されている前記位置情報を生成する位置情報生成手段をさらに有しており、
前記対処情報表示手段は、前記位置情報生成手段により生成される位置情報に基づいて対処情報を前記データベースから取得する請求項1〜3のいずれか一項に記載の情報提供システム。
【請求項5】
前記分析装置は、前記操作者が操作可能な当該分析装置の操作部を表示可能な表示部と、
前記表示部に前記操作部に含まれる対処情報要求操作部を表示する操作部表示手段と、をさらに有し、
前記対処情報表示手段は、前記操作者が前記表示部に表示された前記対処情報要求操作部を操作することによって、前記対処情報データベースから対処情報を取得し前記表示部に前記対処情報を前記操作者に示すための対処情報表示画面を表示する請求項1〜4のいずれか一項に記載の情報提供システム。
【請求項6】
前記操作者を所定の属性に基づいて予め分けた複数のグループは、ユーザグループ、サービスエンジニアグループ、及び生産員グループのうち少なくとも2つのグループを含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の情報提供システム。
【請求項7】
対処が必要な異常に対する対処情報を操作者に提供する分析装置であって、
当該分析装置に生じた異常に対して、前記操作者を所定の属性に基づいて予め分けた複数のグループに応じた内容とされたグループごとの対処方法を示した対処情報を格納した対処情報データベースから、当該分析装置に生じた異常及び前記操作者の属するグループに対応する対処情報を取得し、前記操作者に表示する対処情報表示手段を備えていることを特徴とする分析装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2011−185949(P2011−185949A)
【公開日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−130753(P2011−130753)
【出願日】平成23年6月11日(2011.6.11)
【分割の表示】特願2006−94571(P2006−94571)の分割
【原出願日】平成18年3月30日(2006.3.30)
【出願人】(390014960)シスメックス株式会社 (810)
【Fターム(参考)】