説明

情報提供装置

【課題】、情報表示媒体に集積された情報を利用してユーザの希望に応じた観光スポット情報を容易に提供することができるようにする。
【解決手段】ユーザからの要求に応じて観光スポット情報を検索して表示装置の表示画面に表示する情報提供装置10であって、所定の文字列情報(例えば、分類済文字列情報)を記憶する文字列情報記憶部(例えば、分類済文字列情報記憶部F1)を備え、観光スポット情報を蓄積して提供する観光スポット情報管理サーバ(例えば、管理サーバ31〜3N)から通信ネットワーク60を介して観光スポット情報を取得し、取得した観光スポット情報から、文字列情報記憶部に記憶された文字列情報に対応する文字列情報を抽出し、抽出した文字列情報と、抽出元となった観光スポット情報とを対応付けて案内候補情報メモリF2に保存し、保存した文字列情報を表示し、選択を受け付け、観光スポット情報を表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、旅行ガイドブックやインターネット上のホームページなどの情報表示媒体が有する情報から目的に応じた情報を検索する情報提供装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、ユーザからの検索語の入力を受け付けて、所定のデータベース(以下、「DB」という。)からキーワードに応じた情報を検索して検索結果を出力する情報提供装置が知られている。
【0003】
このような情報提供装置では、ユーザから検索語の入力を受け付けて文字列検索を行い、検索結果を表示装置の表示画面に表示するものが一般的である。
【0004】
このような情報提供装置として、例えば、単語と、単語に関連する関連単語とを対応付ける関連辞書を備え、検索対象となる情報に含まれる単語と検索語との単語関連度を算出し、算出された単語関連度に基づいて、検索対象情報を分類し、分類結果を検索対象情報の検索結果として出力する情報提供装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開第2008−070991号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、例えばユーザが旅行の計画を立てようと考えて観光スポット情報を検索する場合に、検索語が適切でないと、検索結果に多数の観光スポット情報が含まれてしまうため、ユーザが観光スポット情報を選択するのに時間がかかってしまう。そのため、検索対象とする情報の数が多いほど、適切な検索語を考えて入力する必要が生じ、検索作業が煩わしいものとなる。
【0007】
このような場合には、市販されている旅行ガイドブックやドライブガイドブックなどの情報表示媒体で提供される推奨スポットや推奨旅行コースなどを参考にして旅行計画を立てることが考えられる。ところが、このような観光情報出版物の情報は多彩であるため、ユーザにとっては、誌上の情報を絞り込んで立寄りたい観光スポットを決定することが困難となる。
【0008】
本発明は、上述した問題を解決すべく、情報表示媒体に集積された情報を利用してユーザの希望に応じた観光スポット情報を容易に提供することができるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の情報提供装置は、ユーザからの要求に応じて観光スポット情報を検索して表示装置の表示画面に表示する情報提供装置であって、所定の文字列情報を記憶する文字列情報記憶手段と、前記観光スポット情報を蓄積して提供する観光スポット情報管理サーバから通信ネットワークを介して前記観光スポット情報を取得する観光スポット情報取得手段と、該観光スポット情報取得手段により取得された観光スポット情報から、前記文字列情報記憶手段に記憶された文字列情報に対応する文字列情報を抽出する文字列情報抽出手段と、該文字列情報抽出手段により抽出された文字列情報と、抽出元となった前記観光スポット情報とを対応付けて案内候補情報メモリに保存する案内候補情報保存手段と、該案内候補情報保存手段により保存された文字列情報を前記表示画面に表示する文字列情報表示手段と、該文字列情報表示手段により表示された文字列情報の選択を受け付ける文字列情報選択受付手段と、該選択受付手段により選択を受け付けた文字列情報に対応付けされた前記観光スポット情報を前記表示画面に表示する観光スポット情報表示手段とを含むことを特徴とする。
【0010】
上記の構成としたことで、情報表示媒体に集積された情報を利用してユーザの希望に応じた観光スポット情報を容易に提供することができるようになる。
【0011】
前記所定の文字列情報を特定の分類項目に分類した分類済文字列情報を記憶する分類済文字列情報記憶手段を含み、前記文字列情報抽出手段は、前記分類済文字列情報記憶手段に記憶された文字列情報に対応する文字列情報を抽出し、前記案内候補情報保存手段は、前記分類済文字列情報記憶手段に記憶された分類項目の中から、前記文字列情報抽出手段により抽出された文字列情報が対応付けされた前記分類項目を検索する分類項目検索手段と、該分類項目検索手段により検索された分類項目を前記文字列情報抽出手段により抽出された文字列情報と対応付けて前記案内候補情報メモリに保存する分類項目保存手段とを備え、前記文字列情報表示手段は、前記分類項目保存手段により保存された分類項目を前記表示画面に表示する分類項目表示手段と、該分類項目表示手段により表示された分類項目の選択を受け付ける分類項目選択受付手段とを備え、該分類項目選択受付手段により選択を受け付けた分類項目に応じた前記文字列情報を表示する構成とされていてもよい。
【0012】
前記案内候補情報メモリに保存した観光スポット情報をお気に入り情報として記憶するお気に入り情報記憶手段と、該お気に入り情報記憶手段に記憶されたお気に入り情報を前記管理サーバに送信するお気に入り情報送信手段と、前記管理サーバにおいて、前記お気に入り情報送信手段により送信されたお気に入り情報が示す観光スポット情報が更新された場合に、該管理サーバから、更新された観光スポット情報を取得する観光スポット情報再取得手段とを含む構成とされていてもよい。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、情報表示媒体に集積された情報を利用してユーザの希望に応じた観光スポット情報を容易に提供することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の一実施の形態に係る情報提供システムの構成の例を示す概略図である。
【図2】観光スポット情報の格納状態の例を示す説明図である。
【図3】ユーザ情報の格納状態の例を示す説明図である。
【図4】情報提供装置の構成の例を示すブロック図である。
【図5】分類済文字列情報の格納状態の例を示す説明図である。
【図6】案内候補情報の格納状態の例を示す説明図である。
【図7】お気に入り情報の格納状態の例を示す説明図である。
【図8】観光スポット情報提供処理の例を示すフローチャートである。
【図9】観光スポット特定処理の例を示すフローチャートである。
【図10】キーワード選択画面の例を示す説明図である。
【図11】キーワード選択画面の例を示す説明図である。
【図12】検索結果画面の例を示す説明図である。
【図13】お気に入り情報管理処理の例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の一実施の形態について図面を参照して説明する。
【0016】
図1は、本発明の一実施の形態に係る情報提供システム100の構成の例を示す概略図である。図1に示すように、情報提供システム100は、情報提供装置10と、管理サーバ31〜3N(N:任意の正の整数)と、観光スポット情報管理DB41〜4N(N:任意の正の整数)と、基地局50と、を含む。
【0017】
また、情報提供装置10と、管理サーバ31〜3Nと、基地局50とは、それぞれ、例えばインターネットなどの通信ネットワーク60により接続されている。なお、情報提供システム100に、情報提供装置10と同じ機能を備えた情報提供装置が複数含まれている構成としてもよい。
【0018】
管理サーバ31〜3Nは、例えば旅行ガイドブックなどを出版する出版者により管理される端末であり、WWWサーバなどの情報処理装置によって構成される。管理サーバ31〜3Nは、観光スポット情報管理DB41〜4Nを含む各種DBを備え、情報提供装置10からの情報提供要求に応じて各DBに記憶された情報を検索し、適当な情報を提供するために必要な各種の機能を有する。なお、情報提供装置10に対して情報を提供する方法としては、通信ネットワーク60および基地局50を介した通信や、情報提供装置10に装着可能なメモリカードやUSBメモリなどの携帯型メモリに情報を記憶させる方法などが考えられる。
【0019】
観光スポット情報管理DB41〜4Nは、旅行ガイドブックなどの出版物をユーザに提供するために作成された観光施設や著名な施設、名物店舗などに関する情報を電子化した観光スポット情報を管理するDBである。図2は、観光スポット情報の格納状態の例を示す説明図である。図2に示すように、観光スポット情報は、観光スポットを一意に特定するための観光スポットIDと、(観光地の)名称と、住所と、紹介記事とを含む。ここで、「紹介記事」とは、観光スポットの評判や周辺の環境など、観光スポットについて案内する種々の情報(観光スポット案内情報)を含むものであり、テキスト情報に限らず、画像情報や動画情報を含んでいてもよい。また、観光スポット情報としては、施設だけでなく、例えば景勝地点やお祭りの開催地、観光ルートなどを示す情報を含むこととする。また、観光スポット情報は、観光スポットに関する情報の情報源を示す観光誌情報や、観光誌などにおける観光スポットの索引コードを示す索引コード情報を含む構成としてもよい。
【0020】
また、図示しないが、管理サーバ31〜3Nは、ユーザ情報を管理するDBであるユーザ情報管理DBを備える。
【0021】
図3は、ユーザ情報の格納状態の例を示す説明図である。図3に示すように、ユーザ情報は、ユーザIDと、パスワード(PW)と、アクセス履歴と、お気に入り情報とを含む。
ここで、お気に入り情報とは、情報提供装置10にて、ユーザがお気に入り情報として登録した観光スポット情報を示すものであり、本例においては対応する観光スポットIDが登録されているものとする。
【0022】
基地局50は、例えば携帯電話機などの無線端末との間で無線通信を行う機能を備える。
【0023】
情報提供装置10は、例えば情報提供システム100を利用するユーザによって管理される端末装置であり、例えば携帯電話端末、PDA、モバイルタイプのパーソナルコンピュータ、PND(Portable Navigation Device)や専用デバイスなどの情報処理装置によって構成される。情報提供装置10は、無線通信回線によって通信接続した基地局50を介して通信ネットワーク60に接続し、管理サーバ31〜3Nと情報の送受信を行うための機能や、管理サーバ31〜3Nから取得した観光スポット情報を解析して、キーワードを抽出する処理を実行するための機能など、各種の機能を有する。
【0024】
図4は、本例における情報提供装置10の構成の例を示すブロック図である。図4に示すように、情報提供装置10は、入力部11と、通信部12と、キーワード抽出部13と、出力部20と、制御部Cと、記憶部Fとを含む。また、情報提供装置10は、図示しないが、OS(オペレーティング・システム)などを有する。なお、情報提供装置10を構成する各部は、制御信号やデータ等を伝送するバスBに接続されている。
【0025】
出力部20は、各種情報をユーザが認識可能な形で出力する機能を備え、例えば画像情報を表示する表示画面を備えた画像表示部(ディスプレイ装置、モニタ)21と、音声情報を音声出力する音声出力部(スピーカ装置)22を含む。
【0026】
入力部11は、制御部Cに対して各種指示を行う機能を備える。本例では、入力部11は、例えば、画像表示部21の表示画面上に表示される操作ボタン(タッチパネル)や、情報提供装置10に接続されたキーボードなどによって構成される。
【0027】
通信部12は、インターネットなどの通信ネットワーク60に無線あるいは有線によって接続し、通信ネットワーク60に接続された管理サーバ31〜3Nなどの外部の装置と情報の送受信を行うための機能を有する。本例においては、通信部12は、無線通信によって基地局50に接続し、通信ネットワーク60を経由して管理サーバ31〜3Nに接続して各種情報の送受信を行うための機能を有する。
【0028】
キーワード抽出部13は、観光スポット情報から、後述する分類済文字列情報に記憶された文字列情報に対応する文字列情報を抽出してキーワードとして記憶するキーワード抽出処理を行なう機能を有する。なお、キーワード抽出処理については、例えば、公知の技術である形態素解析とTFIDF(term frequency and inverse document frequency)を用いた一般的なキーワードの決定方法を利用する。
【0029】
すなわち、キーワード抽出処理では、キーワード抽出部13が、観光スポット情報に含まれる文字列情報について形態素解析を行うことで単語を抽出し、TFIDF法を用いて重要単語を決定する。なお、TFIDFを計算するためには、重要単語の抽出対象となる文字列情報における重要単語候補の出現数(単語の出現頻度TF)と、総ドキュメント数(D)と、代表重要単語候補が含まれるドキュメント数(DF)が必要となる。本例において、重要単語の抽出対象となる文書は、観光スポット情報管理DB41〜4Nのそれぞれに記憶された観光スポット情報であり、各観光スポット情報に含まれる文字列情報から重要単語の出現頻度TFを求める。また、ドキュメント数Dは、観光スポット情報管理DB41〜4Nに記憶された観光スポット情報の総数を用いる。そして、キーワード抽出部13は、記憶部Fに記憶された一定の基準よりも高い重要度が算出された重要単語であって、分類済文字列情報に含まれる文字列情報に対応する文字列情報を、キーワードとして抽出する。ここで、キーワード抽出部13は、「分類済文字列情報に含まれる文字列情報に対応する文字列情報」として、例えば、分類済文字列情報に含まれる文字列情報と同一の文字列情報を抽出する。なお、キーワード抽出部13が、同一の文字列情報であるとみなす範囲を、語彙の持つ意味から分類した同義関係、類義関係、広義・狭義関係等にある語句又は文字列を文字列情報が一致したとして探し出すことができるシソーラス(言い換え)を用いた手段により定める構成としてもよい。
【0030】
制御部Cは、CPU(中央処理装置)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等を具備し、記憶部Fに記憶されたコンピュータプログラム(情報提供プログラム)に従い、情報提供装置10の各構成要素を統制制御し、その処理を実行する機能を有する。
【0031】
記憶部Fは、ROMやRAMなどで構成され、情報提供装置10が使用する各種コンピュータプログラムを記憶する記憶媒体である。また、本例において記憶部Fは、分類済文字列情報記憶部F1と、案内候補情報メモリF2と、お気に入り情報記憶部F3と、を含む。
【0032】
分類済文字列情報記憶部F1は、予め複数の文字列情報が、所定の分類項目に対応付けされた分類済文字列情報を記憶する記憶媒体である。図5は、分類済文字列情報の格納状態の例を示す説明図である。図5に示すように、本例における分類済文字列情報は、抽象的な意味をもつ分類項目と、分類項目に対して具体的意味をもつ文字列情報とが対応付けされた情報である。すなわち、分類項目を広義語、あるいは疑問詞であるとすると、対応する文字列情報は狭義語、あるいは疑問詞に対する答えとなる。本例においては、例えば、分類項目「どこで」に属する文字列情報として「関東」や「東京近郊」が、分類項目「誰と(人間関係)」に属する文字列情報として「家族」、「恋人」、「友人」、「同行人数(1人、2人・・・大勢)」などが、分類項目「雰囲気」に属する文字列情報として「静か」、「にぎやか」などが、分類項目「何をする(旅行目的)」に属する文字列情報として「ドライブ」、「旅行」、「食べる」、「くつろぐ」、「泊る」、「(お土産を)買う」などがそれぞれ対応付けされて記憶されている。なお、分類項目と文字列情報との対応付けは、情報提供装置10の生産時に設置される構成としてもよいし、ユーザが任意に設定可能である構成としてもよい。また、1つの文字列情報が複数の分類項目に対応付けされていてもよい。
【0033】
案内候補情報メモリF2は、情報提供装置10が管理サーバ31〜3Nから取得した観光スポット情報を含む案内候補情報を保存する記憶媒体である。図6は、案内候補情報の格納状態の例を示す説明図である。図6に示すように、案内候補情報メモリF2は、案内候補情報として、観光スポット情報(図6においては、観光スポットIDを表示。)と、観光スポット情報から抽出したキーワードと、抽出したキーワードに応じた分類項目とを対応付けて保存する。
【0034】
お気に入り情報記憶部F3は、案内候補情報メモリF2に保存された案内候補情報のうち、ユーザによりお気に入り情報として選択された案内候補情報をお気に入り情報として記憶する記憶媒体である。図7は、お気に入り情報の格納状態の例を示す説明図である。図7に示すように、お気に入り情報は、お気に入りIDと、案内候補情報(図7においては、観光スポットIDを表示。)と、お気に入り情報の登録日(記憶日)と、お気に入り情報が示す観光スポット情報の更新日とを含む。
【0035】
次に、本発明の情報提供システム100の動作について図を参照して説明する。なお、本発明に特に係わらない処理については、その詳細な説明を省略している場合がある。
【0036】
図8は、情報提供システム100が実行する観光スポット情報提供処理の例を示すフローチャートである。観光スポット情報提供処理では、情報提供装置10が、ユーザの希望に応じて、管理サーバ31〜3Nにより管理される観光スポット情報を取得して、ユーザに提供するための処理が実行される。
【0037】
本例における観光スポット情報提供処理は、例えば、情報提供装置10が、ユーザによる観光スポット情報取得要求を受け付けたときに開始される。
【0038】
観光スポット情報提供処理において、先ず、情報提供装置10は、ユーザによる観光スポット情報取得要求を受け付けたことを確認し(ステップS101)、受け付けた観光スポット情報取得要求を管理サーバ31〜3Nに送信する(ステップS102)。なお、ユーザの操作に応じて、情報検索装置10は、通信可能な管理サーバ31〜3Nのうち、観光スポット情報取得要求を送信する管理サーバを選択可能であることとする。以下においては、情報検索装置10が、ユーザにより選択された管理サーバ31に対して観光スポット情報取得要求を送信する場合を例にして説明を行なう。
【0039】
管理サーバ31は、観光スポット情報取得要求を受信すると(ステップS201)、取得要求受信時に提供している観光スポット情報を情報提供装置10に送信する(ステップS202)。なお、観光スポット情報を送信すると、管理サーバ31は、ユーザ情報および送信関連情報(例えば、観光スポット情報の送信回数など)を更新して(ステップS203)ここでの処理を終了する。
【0040】
観光スポット情報を受信すると(ステップS103)、情報提供装置10は、受信した観光スポット情報に対してキーワード抽出処理を実行して、キーワードを抽出する(ステップS104)。
【0041】
受信した観光スポット情報毎のキーワードを抽出すると、情報提供装置10は、分類済文字列情報記憶部F1に記憶された分類済文字列情報を検索対象として、抽出したキーワードに対応付けされた分類項目を検索し、観光スポット情報と、抽出したキーワードと、分類項目とを案内候補情報として保存する(ステップS105)。
【0042】
案内候補情報を保存すると、情報提供装置10は、観光スポット特定処理を実行して、ユーザの希望に応じた観光スポット情報を特定し(ステップS106)、特定した観光スポット情報を画像表示部21の表示画面に表示することでユーザに提供して(ステップS107)、ここでの処理を終了する。なお、観光スポット情報の提供方法は、音声出力部22による音声通知を利用するものであってもよい。
【0043】
次に、情報提供装置10が実行する観光スポット特定処理について説明する。
【0044】
図9は、情報提供装置10が実行する観光スポット特定処理の例を示すフローチャートである。観光スポット特定処理では、情報提供装置10が、管理サーバ31から取得した観光スポット情報をキーワードで絞り込み、ユーザに提示する観光スポット情報を特定するための処理が実行される。
【0045】
観光スポット特定処理では、先ず、制御部Cが、画像表示装置21の表示画面にキーワード選択画面を表示するための処理を行なう(ステップS301)。
【0046】
図10,11は、キーワード選択画面の例を示す説明図である。図10に示すように、本例におけるキーワード選択画面は、ユーザによる選択を受け付けたキーワードを表示する選択キーワード表示領域101と、案内候補情報として記憶された分類項目を表示する分類項目表示領域102と、選択キーワード表示領域101に表示したキーワードに基づいて観光スポット情報の検索を開始する指示を受け付ける検索ボタン103とを含む。
【0047】
また、キーワード選択画面において、例えば、ユーザの指により分類項目表示領域102に表示した分類項目が押下されると、制御部Cは、図11に示すように、押下された分類項目に応じたキーワードの一覧をプルダウンメニュー形式(図11における領域201参照。)で選択可能に表示する。なお、キーワードは複数選択可能であることとする。
【0048】
キーワード選択画面を表示すると、制御部Cは、キーワードの選択操作を受け付ける(ステップS302)。ここで、キーワードの選択操作を受け付けると(ステップS303)、制御部Cは、選択を受け付けたキーワードを検索ワードとして記憶部Fに記憶して(ステップS304)記憶した検索ワードを選択キーワード表示領域101に表示する。検索ワードを記憶すると、またはキーワードの選択操作を受け付けていないと判定すると(ステップS302のN)、制御部Cは、検索指示を受け付けたか否かを判定する(ステップS304)。
【0049】
検索ボタン103が押下されることによる検索指示を受け付けたと判定すると(ステップS304のY)、制御部Cは、記憶部Fに検索ワードが記憶されているか否かを判定し(ステップS305)、検索ワードが記憶されていると判定すると(ステップS305のY)、検索ワードを含む観光スポット情報を検索する(ステップS306)。なお、本例において、制御部Cは、案内候補情報メモリF2に保存された案内候補情報を検索対象とする。
【0050】
検索ワードを含む観光スポット情報を検索すると、制御部Cは、検索結果画面を画像表示部21の表示画面に表示する(ステップS307)。
【0051】
図12は、検索結果画面の例を示す説明図である。図12に示すように、検索結果画面は、検索結果に含まれる観光スポット情報の「名称」を選択可能に表示する観光スポット名称表示領域301と、検索結果が含む観光スポット情報をさらに絞り込む指示を受け付ける再検索ボタン302と、選択された「名称」に関する観光スポット情報の詳細を表示する指示を受け付ける表示ボタン303とを含む。
【0052】
一方、検索ワードが記憶されていないと判定すると(ステップS305のN)、制御部Cは、管理サーバ31から取得した全ての観光スポット情報における「名称」を示すリストを観光スポット名称表示領域301に含む検索結果画面を表示する(ステップS308)。
【0053】
検索結果画面を表示すると、制御部Cは、再検索要求を受け付けたか否かを判定する(ステップS309)。ここで、再検索ボタン303が押下されることによる再検索指示を受け付けたと判定すると(ステップS309のY)、制御部Cは、記憶部Fに記憶された検索ワードを消去し、新たに、検索結果に含まれる観光スポット情報に関するキーワード選択画面を生成して(ステップS310)、ステップS301に遷移する。
【0054】
一方、再検索要求を受け付けていないと判定すると(ステップS309のN)、制御部Cは、観光スポットの選択と観光スポットの表示要求とを受け付けたか否かを判定する(ステップS310)。観光スポット名称表示領域301に表示された「名称」の選択と、表示ボタン303が押下されることによる表示指示とを受け付けたと判定すると(ステップS311のY)、制御部Cは、選択された「名称」に応じた観光スポット情報を、ユーザに提供すべき観光スポット情報として特定し(ステップS312)、観光スポット情報提供処理におけるステップS107に遷移する(図8参照。)。
【0055】
次に、情報提供システム100が実行するお気に入り情報管理処理について説明する。
【0056】
図13は、情報提供システム100が実行するお気に入り情報管理処理の例を示すフローチャートである。お気に入り情報管理処理では、情報提供装置10にて、管理サーバ31から取得した観光スポット情報を含む案内候補情報を、お気に入り情報として登録(記憶)し、管理サーバ31にてお気に入り情報に関連する情報が更新された場合に、お気に入り情報記憶部F3に記憶されたお気に入り情報についても更新するようにするための処理が行なわれる。
【0057】
お気に入り情報管理処理は、情報提供装置10が、ユーザによるお気に入り情報登録指示を受け付けたことにより開始される。
【0058】
お気に入り情報管理処理では、先ず、情報提供装置10が、お気に入り情報として記憶する案内候補情報の選択を受け付ける(ステップS401)。本例においては、観光スポット情報提供処理において、観光スポット情報を表示するときに、表示した観光スポット情報を含む案内候補情報をお気に入り情報として記憶する指示を受け付けるための記憶ボタンを表示することとする。
【0059】
表示画面に表示した記憶ボタンが押下されたことを受け付けると、情報提供装置10は、表示画面に表示された観光スポット情報を含む案内候補情報をお気に入り情報として記憶する旨の指示を受け付けたと判定して(ステップS401のY)、お気に入り情報記憶部F3に記憶する(ステップS402)。
【0060】
お気に入り情報を記憶すると、情報提供装置10は、お気に入り情報として観光スポット情報を記憶した旨を管理サーバ31に送信する(ステップS403)。
【0061】
ここで、管理サーバ31は、観光スポット情報を記憶した旨を受信すると(ステップ501)、ユーザ情報管理DB41に格納されたユーザ情報を、情報提供装置10から受信した情報に基づいて更新する(ステップ502)。
【0062】
ユーザ情報を更新すると、管理サーバ31は、管理者などにより観光スポット情報管理DB41に格納された観光スポット情報が更新されたか否かを監視する(ステップS503)。
【0063】
観光スポット情報が更新されたと判定すると(ステップS503のY)、管理サーバ31は、ユーザ情報管理DBを参照して、更新された観光スポット情報に関連する観光スポット情報(例えば、更新前の観光スポット情報や、更新前の観光スポット情報を一部に含む観光スポット情報)をお気に入り情報として記憶しているユーザを特定する(ステップS504)。
【0064】
ユーザを特定すると、管理サーバ31は、特定したユーザに対して更新後の観光スポット情報を送信して(ステップS505)、ここでの処理を終了する。なお、管理サーバ31は、観光スポット情報が更新される度に、関連する観光スポット情報をお気に入り情報として登録しているユーザを特定して、更新後の観光スポット情報を送信することとする。
【0065】
情報提供装置10は、更新後の観光スポット情報を受信すると(ステップS404)、お気に入り情報記憶部F3に記憶されたお気に入り情報を更新して(ステップS405)、ここでの処理を終了する。
【0066】
以上のように、上述した実施の形態においては、ユーザからの要求に応じて観光スポット情報を検索して表示装置(例えば、画像表示部21)の表示画面に表示する情報提供装置10であって、所定の文字列情報(例えば、分類済文字列情報)を記憶する文字列情報記憶部(例えば、分類済文字列情報記憶部F1)を備え、観光スポット情報を蓄積して提供する観光スポット情報管理サーバ(例えば、管理サーバ31〜3N)から通信ネットワーク60を介して観光スポット情報を取得し、取得した観光スポット情報から、文字列情報記憶部に記憶された文字列情報に対応する文字列情報(例えば、観光スポット情報に含まれる文字列情報のうち、記憶部Fに記憶された一定の基準よりも高い重要度が算出された重要単語であって、分類済文字列情報に含まれる文字列情報に対応する文字列情報)を抽出し、抽出した文字列情報と、抽出元となった観光スポット情報とを対応付けて案内候補情報メモリF2に保存し、保存した文字列情報を表示画面(例えば、画像表示装置21の表示画面)に表示し、表示した文字列情報の選択を受け付け、選択を受け付けた文字列情報に対応付けされた観光スポット情報を表示画面(例えば、画像表示装置21の表示画面)に表示する構成としているので、情報提供者側が観光スポット情報毎に検索用の属性等を設定していない場合でも、観光スポット情報効率的に検索することができるようになる。
【0067】
すなわち、情報提供装置10が、管理サーバ31〜3Nから観光スポット情報を取得するときに、予め定められたキーワードに基づいて観光スポット情報を分類するので、管理サーバ31〜3Nに対応する観光スポット情報DB41〜4Nにて管理される観光スポット情報の形式(例えば、検索用の属性の有無など)を統一する必要性を回避することができるようになる。また、ユーザにとっては、表示画面に表示されたキーワードを選択するだけで目的に応じた観光スポット情報を特定することができるので、自分で適切なキーワードを考える作業が不要となる。
【0068】
また、上述した実施の形態では、情報提供装置10が、所定の文字列情報を特定の分類項目に分類した分類済文字列情報を記憶する分類済文字列情報記憶部F1を備え、分類済文字列情報記憶部F1に記憶された文字列情報に対応する文字列情報(例えば、観光スポット情報に含まれる文字列情報のうち、記憶部Fに記憶された一定の基準よりも高い重要度が算出された重要単語であって、分類済文字列情報に含まれる文字列情報に対応する文字列情報)を抽出し、分類済文字列情報記憶部F1に記憶された分類項目の中から、抽出された文字列情報が対応付けされた分類項目を検索し、検索した分類項目を抽出された文字列情報と対応付けて案内候補情報メモリF2に保存し、保存した分類項目を表示画面(例えば、画像表示装置21の表示画面)に表示し、表示した分類項目の選択を受け付け、選択を受け付けた分類項目に応じた文字列情報を表示する構成としているので、ユーザは表示されたキーワードを選択するだけで観光スポット情報を絞り込むことができるようになる。よって、これにより検索効率を向上させることができるようになる。
【0069】
また、上述した実施の形態では、情報提供装置10が、案内候補情報メモリF2に保存した観光スポット情報をお気に入り情報として記憶するお気に入り情報記憶部F3を備え、お気に入り情報記憶部F3に記憶されたお気に入り情報を管理サーバ31に送信し、管理サーバ31において、送信したお気に入り情報が示す観光スポット情報が更新された場合に、管理サーバ31から、更新された観光スポット情報を取得する構成としているので、ユーザの好み応じた観光スポット情報に関して最新の情報を提供することができるようになる。
【産業上の利用可能性】
【0070】
本発明は、検索対象となる所定の情報群より、ユーザの要求に応じた情報を検索して提供する情報提供装置や情報提供システムに適用するのに有用である。
【符号の説明】
【0071】
B バス
C 制御部
F 記憶部
F1 分類済文字列情報記憶部
F2 案内候補情報メモリ
F3 お気に入り情報記憶部
10 情報提供装置
11 入力部
12 通信部
13 キーワード抽出部
20 出力部
21 画像表示部
22 音声出力部
31〜3N 管理サーバ
41〜4N 観光スポット情報DB
50 基地局
60 通信ネットワーク


【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザからの要求に応じて観光スポット情報を検索して表示装置の表示画面に表示する情報提供装置であって、
所定の文字列情報を記憶する文字列情報記憶手段と、
前記観光スポット情報を蓄積して提供する観光スポット情報管理サーバから通信ネットワークを介して前記観光スポット情報を取得する観光スポット情報取得手段と、
該観光スポット情報取得手段により取得された観光スポット情報から、前記文字列情報記憶手段に記憶された文字列情報に対応する文字列情報を抽出する文字列情報抽出手段と、
該文字列情報抽出手段により抽出された文字列情報と、抽出元となった前記観光スポット情報とを対応付けて案内候補情報メモリに保存する案内候補情報保存手段と、
該案内候補情報保存手段により保存された文字列情報を前記表示画面に表示する文字列情報表示手段と、
該文字列情報表示手段により表示された文字列情報の選択を受け付ける文字列情報選択受付手段と、
該選択受付手段により選択を受け付けた文字列情報に対応付けされた前記観光スポット情報を前記表示画面に表示する観光スポット情報表示手段とを含む
ことを特徴とする情報提供装置。
【請求項2】
前記所定の文字列情報を特定の分類項目に分類した分類済文字列情報を記憶する分類済文字列情報記憶手段を含み、
前記文字列情報抽出手段は、
前記分類済文字列情報記憶手段に記憶された文字列情報に対応する文字列情報を抽出し、
前記案内候補情報保存手段は、
前記分類済文字列情報記憶手段に記憶された分類項目の中から、前記文字列情報抽出手段により抽出された文字列情報が対応付けされた前記分類項目を検索する分類項目検索手段と、
該分類項目検索手段により検索された分類項目を前記文字列情報抽出手段により抽出された文字列情報と対応付けて前記案内候補情報メモリに保存する分類項目保存手段とを備え、
前記文字列情報表示手段は、
前記分類項目保存手段により保存された分類項目を前記表示画面に表示する分類項目表示手段と、
該分類項目表示手段により表示された分類項目の選択を受け付ける分類項目選択受付手段とを備え、
該分類項目選択受付手段により選択を受け付けた分類項目に応じた前記文字列情報を表示する
ことを特徴とする請求項1記載の情報提供装置。
【請求項3】
前記案内候補情報メモリに保存した観光スポット情報をお気に入り情報として記憶するお気に入り情報記憶手段と、
該お気に入り情報記憶手段に記憶されたお気に入り情報を前記管理サーバに送信するお気に入り情報送信手段と、
前記管理サーバにおいて、前記お気に入り情報送信手段により送信されたお気に入り情報が示す観光スポット情報が更新された場合に、該管理サーバから、更新された観光スポット情報を取得する観光スポット情報再取得手段とを含む
請求項1または請求項2記載の情報提供装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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