説明

情報提示システム及び情報提示システムの携帯情報端末

【課題】公衆用の表示装置に個人向けの情報を表示することなく、視聴者に個人向けの情報を提示できる情報提示システム及び携帯情報端末を提供する。
【解決手段】携帯情報端末101は、公衆用表示装置103の表示内容に関連する情報を表示する携帯情報端末101であって、情報を表示する表示部と、公衆用表示装置103の表示を撮像する撮像部と、撮像部が公衆用表示装置103の表示を撮像すると、公衆用表示装置103の表示内容に関連する表示情報を受信する通信部と、携帯情報端末101のユーザの個人情報のうち表示情報に関連する関連個人情報に基づいて表示情報を変更して表示部に表示させる制御部とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報提示システム及び情報提示システムの携帯情報端末に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、ネットワーク技術やディスプレイ性能の向上に伴い、新たな広告媒体としてデジタルサイネージ(Digital Signage:電子看板)が注目されている。デジタルサイネージとは、ネットワークに接続されたディスプレイなどの電子的な表示装置を使って情報を公衆(視聴者)に提示するシステムである。デジタルサイネージは、ネットワークを介して提示情報を受信できるため、提示内容を随時変更可能である。そのため、表示装置の設置場所の地域性や配信時間などを考慮した多様な映像広告の展開が可能となる。
【0003】
デジタルサイネージの一つとして大型のデジタル表示装置が街頭や店頭などの公共の場所に設置され、公衆用の情報が提示されている。従来、表示内容を柔軟に変更できるというデジタルサイネージの利点を生かし、公衆に設置されたデジタル表示装置が特定の視聴者のために情報を提示することが提案されている(例えば、特許文献1及び2参照)。特許文献1においては、表示装置が撮像部(カメラ)を有し、当該撮像部が視聴者の画像を取得する。表示装置は、取得した画像から視聴者の属性(性別、年齢、人種等)を判定し、当該属性に基づいて、提示情報を決定する。また、特許文献2においては、表示装置は、視聴者の携帯通信端末と交信し、携帯通信端末から受信した個人情報を基に、提示情報を決定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−191487号公報
【特許文献2】特開2008−257216号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、これらの表示装置では、視聴者毎に有益な情報が提示されるものの、個人向けの情報が公衆に公開されてしまうことになる。そのため、プライバシーの確保が難しくなる。また、特定の個人への情報が大型の表示装置の表示を占有すると、他者への情報提示が不可能になる。
【0006】
従って、上記のような問題点に鑑みてなされた本発明の目的は、公衆用の表示装置に個人向けの情報を表示することなく、視聴者に個人向けの情報を提示できる情報提示システム及び当該情報提示システムの携帯情報端末を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した諸課題を解決すべく、第1の観点による携帯情報端末は、
公衆用表示装置の表示内容に関連する情報を表示する携帯情報端末であって、
情報を表示する表示部と、
前記公衆用表示装置の表示を撮像する撮像部と、
前記撮像部が前記公衆用表示装置の表示を撮像すると、当該公衆用表示装置の表示内容に関連する表示情報を受信する通信部と、
前記携帯情報端末のユーザの個人情報のうち前記表示情報に関連する関連個人情報に基づいて前記表示情報を変更して前記表示部に表示させる制御部と
を備える携帯情報端末である。
【0008】
また、前記制御部は、更に、前記撮像部が前記公衆用表示装置の表示を撮像すると、前記通信部に、前記個人情報を前記公衆用表示装置に送信させ、前記公衆用表示装置から前記個人情報に関連する関連公衆用情報を受信させ、前記変更された表示情報と、前記関連公衆用情報とを組み合わせて前記表示部に表示させることが望ましい。
【0009】
また、第2の観点による情報提示システムは、
公衆用表示装置と、当該公衆用表示装置の表示内容に関連する情報を表示する携帯情報端末とを有する情報提示システムであって、前記携帯情報端末が、
情報を表示する表示部と、
前記公衆用表示装置の表示を撮像する撮像部と、
前記撮像部が前記公衆用表示装置の表示を撮像すると、前記公衆用表示装置から当該公衆用表示装置の表示内容に関連する表示情報を受信する通信部と、
前記携帯情報端末のユーザの個人情報のうち前記表示情報に関連する関連個人情報に基づいて前記表示情報を変更して前記表示部に表示させる制御部と
を備える情報提示システムである。
【0010】
また、前記情報提示システムは、前記表示情報及び前記個人情報を保存し、前記携帯情報端末又は前記公衆用表示装置に前記表示情報又は前記個人情報を提供するサーバを更に有することが望ましい。
【発明の効果】
【0011】
上記のように構成された本発明に係る情報提示システム及び当該情報提示システムの携帯情報端末によれば、携帯情報端末によって、公衆用表示装置が表示する公衆向けの情報と個人情報とが組み合わされて、視聴者に提示されるので、公衆用の表示装置に個人向けの情報を表示することなく、視聴者に個人向けの情報を提示できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】図1は本発明の一実施形態に係る情報提示システムの概略的な構成図である。
【図2】図2は本発明の一実施形態に係る携帯情報端末の概略構成を示す機能ブロック図である。
【図3】図3は本発明の一実施形態に係る携帯情報端末の処理を示すフローチャートである。
【図4】図4は本発明の一実施形態に係る公衆用表示装置の表示例である。
【図5】図5は本発明の一実施形態に係る携帯情報端末の表示部の表示例である。
【図6】図6は本発明の一実施形態に係る携帯情報端末の表示部の表示例である。
【図7】図7は本発明の一実施形態に係る携帯情報端末及び公衆用表示装置の表示例である。
【図8】図8は本発明の一実施形態に係る携帯情報端末及び公衆用表示装置の表示例である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。
【0014】
図1は、本発明の一実施形態に係る情報提示システムの概略的な構成図である。情報提示システム11は、携帯情報端末101と、公衆用表示装置103と、個人情報サーバ105と、公衆用情報サーバ107とを有するものであり、これらの構成要素はネットワーク109により互いに接続されている。なお、個人情報サーバ105の機能と公衆用表示サーバ107の機能とを合わせたものが、請求項におけるサーバに相当する。
【0015】
携帯情報端末101は公衆用表示装置103の表示内容に関連する情報を表示するものであり、例えば、PDA(Personal Digital Assistant)、携帯電話やPHSといったシステムにおける無線通信端末である。携帯情報端末101は、電話回線やインターネットなどのネットワーク109を介した通信又は直接通信により公衆用表示装置103とデータ通信できる。直接通信は、例えばRFID(Radio Frequency IDentification)、TransferJet(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、Wi-Fi(登録商標)などの近距離無線技術により実現されるものである。
【0016】
公衆用表示装置103は、公衆への情報提示(例えば、商品やサービスの広告・宣伝)を目的に表示を行うデジタルサイネージ装置であり、例えば、大型ディスプレイや光源が立体的に配置された三次元表示装置である。公衆用表示装置103は、公衆用情報サーバ107からネットワーク109を介して情報を取得し表示する。公衆用表示装置103の設置場所は、例えば、鉄道、空港、コンビニエンスストア、高速道路のPA(Parking Area)・SA(Service Area)、コインパーキング、飲食店、観光施設(レジャースポット)、ホテル、ショッピングモール、映画館などである。
【0017】
また、公衆用表示装置103は、表示内容の識別情報を表示する。識別情報とは、現在表示されている情報のメタデータのことであり、識別情報は、後述の表示内容に関連する情報と紐付けられている。識別情報は、例えば、表示されている情報の保存場所を示すURI(Uniform Resource Identifier)である。情報提示システム11の携帯情報端末101は、識別情報から公衆用表示装置103に表示されている具体的な情報を取得することができる。識別情報の表示方法としては、画像表示や光表示などが挙げられる。画像表示は、例えば、バーコードやQRコード(登録商標)である。光表示では、赤外線や可視光線を光らせるタイミング、光らせる時間、光らせる色などを設定することにより、一意の識別情報が表現される。
【0018】
更に、公衆用表示装置103は、画像を表示するのみならず、公衆用情報のうち表示内容に関連する情報(表示情報)を電波にのせ発信する。表示内容に関連する情報とは、厳密に表示されている画像そのものの情報に限定されるわけではなく、表示内容に関係のある情報も含まれる点に留意すべきである。例えば、公衆用表示装置103が百貨店のフロアマップ(案内図)を表示している場合、公衆用情報には、フロアマップ情報、フロアマップにおけるスケール(縮尺比)情報、各フロアの店舗情報などが含まれる。なお、公衆用表示装置103のデータ通信用のアンテナ(図示せず)は、携帯情報端末101のユーザにとって視認しやすい位置に設けられることが望ましい。これにより、携帯情報端末101との公衆用表示装置103との間の通信が安定しやすくなる。
【0019】
個人情報サーバ105は、携帯情報端末101のユーザの情報(個人情報)を保存し、携帯情報端末101又は公衆用表示装置103からの要求に応じて個人情報を公衆用表示装置103に提供する。個人情報とは、例えば、性別、年齢、国籍、居住地、出身地、身体的特徴(身長、体重、体型など)、家族構成、趣味・嗜好などの情報である。なお、個人情報サーバ105は、携帯情報端末101と独立して設けられることに限定されるわけではない。例えば、携帯情報端末101内のメモリ(図示せず)に個人情報サーバ105の機能を有させることができる。なお、ユーザは、個人情報を個人情報サーバ105に予め登録することができ、また、必要に応じて公衆用表示装置103に適宜提供することができる。
【0020】
公衆用情報サーバ107は、公衆用表示装置103が提供する公衆向けの情報(公衆用情報)を保存し、携帯情報端末101又は公衆用表示装置103からの要求に応じて公衆用情報を携帯情報端末101に提供する。公衆用情報とは、ある一個人に特化した情報ではなく、例えば、イベント情報、エンターテイメント情報、店舗情報、生活情報、地域ニュース情報、交通情報、ナビゲーション情報、商品情報、観光情報、出版物情報、世間での物事に関する評判情報(口コミ)などである。なお、公衆用情報サーバ107は、公衆用表示装置103と独立して設けられることに限定されるわけではない。例えば、公衆用表示装置103内のメモリ(図示せず)に公衆用情報サーバ107の機能を有させることができる。
【0021】
図2は、本発明の一実施形態に係る携帯情報端末の概略構成を示す機能ブロック図である。
【0022】
携帯情報端末101は、通信部111、撮像部113と、表示部115と、制御部117とを備えている。
【0023】
通信部111は、公衆用表示装置103又は公衆用情報サーバ107若しくは個人情報サーバ105とデータ通信を行うものである。通信部111は、公衆用表示装置103又は公衆用表示サーバ107から表示情報や公衆用情報のうち個人情報に関連する情報(関連公衆用情報)を受信する。また、通信部111は、公衆用表示装置103又は個人情報サーバ105に個人情報を送信する。関連公衆用情報とは、例えば、個人情報として訪れたい店舗が記憶されている場合、当該店舗の割引購入券(クーポン)情報や、当該店舗の系列店情報などである。
【0024】
撮像部113は、公衆用表示装置103の表示を撮影するためのものであり、例えばカメラである。撮像部113は、公衆用表示装置103の表示内容に関する識別情報を取得するために、識別情報を表現する画像表示を撮像したり、識別情報を表現する光情報を可視光通信や赤外線通信により取得したりする。なお、撮像部113により撮影されるものは、静止画に限定されるものではなく、動画であってもよい。
【0025】
表示部115は、撮像部113が撮像した画像及び個人情報や公衆用情報を表示するものであり、例えば、液晶表示パネルや有機EL表示パネルなどを用いて構成される。
【0026】
制御部117は、携帯情報端末101の各機能ブロックをはじめとして携帯情報端末101の全体を制御及び管理する。ここで、制御部117は、CPU(中央処理装置)等の任意の好適なプロセッサ上で実行されるソフトウェアとして構成したり、処理ごとに特化した専用のプロセッサ(例えばDSP(デジタルシグナルプロセッサ))によって構成したりすることもできる。制御部117の行う処理については、後述の図3の説明にて詳述する。
【0027】
携帯情報端末101がユーザに情報を提示する方法について、図3、図4、図5及び図6を参照して説明する。図3は、本発明の一実施形態に係る携帯情報端末の処理を示すフローチャートである。図4は、本発明の一実施形態に係る公衆用表示装置の表示例である。図5及び図6は、本発明の一実施形態に係る携帯情報端末の表示部の表示例である。本実施形態では、公衆用表示装置103は、図4のようなフロアマップを表示しているとする。また、個人情報として、ある洋服店Aが目的地に設定されているとする。洋服店Aは、公衆用表示装置103が表示するフロアマップ内に位置するものとする。
【0028】
まず、携帯情報端末101のユーザは、撮像部113を公衆用表示装置103に向け、撮像部113のレンズ内に識別情報が含まれるように公衆用表示装置103の表示を撮像する(ステップS101)。公衆用表示装置103の表示が撮像されると、撮像部113は、識別情報の画像データ又は可視光通信や赤外線通信により取得された光通信データを制御部117に送る。
【0029】
制御部117は、撮像部113から受け取ったデータを処理し、識別情報の内容を特定する(ステップS102)。そして、制御部117は、識別情報を基に識別情報に紐付けられた表示情報を要求する要求信号を通信部111に送信させる(ステップS103)。公衆用表示装置103が公衆用情報サーバ107そのものの機能を有している場合や、公衆用情報サーバ107から表示情報が既にダウンロードされ、公衆用表示装置103のメモリに記憶されている場合は、通信部111は、公衆用表示装置103に要求信号を送信することができる。なお、通信部111は、公衆用情報サーバ107に要求信号を送信することもできる。なお、公衆用表示装置103に受光部(図示せず)が設けられ、携帯情報端末101が赤外線光源や可視光光源を有している場合、携帯情報端末101は、可視光通信や赤外線通信により要求信号を公衆用表示装置103に送信することもできる。
【0030】
公衆用表示装置103は、自装置のメモリから又は公衆用情報サーバ107から該当する表示情報を取得する。そして、公衆用表示装置103は、携帯情報端末101に表示情報を送信する。なお、公衆用情報サーバ107が、該当する表示情報を直接携帯情報端末101に送信することもできる。
【0031】
携帯情報端末101の通信部111は、表示情報を受信し、制御部117に送る(ステップS104)。制御部117は、携帯情報端末101のメモリ又は個人情報サーバ105から携帯情報端末101のユーザの個人情報のうち表示情報に関連する情報(関連個人情報)を特定する。つまり、表示情報(フロアマップ)に関連する情報とは、ユーザの目的地の店舗、ユーザの購入を希望する商品の販売店などである。よって、制御部117は、携帯情報端末101のユーザの目的地が洋服店Aであるという個人情報を特定する。
【0032】
そして、制御部117は、関連個人情報に基づいて表示情報を変更して表示部115に表示させる(ステップS105)。つまり、制御部117は、表示情報を関連個人情報に基づいてカスタマイズし、ユーザに特化した情報を生成する。例えば、制御部117は、図5のように、フロアマップ(表示情報)120に目的地121及び目的地までの経路(ルート)123を加えて表示することができる。また、例えば、制御部117は、フロアマップそのものを表示させずに、目的地までの道順を説明する文章(「直進し、2つ目の曲がり角を右折し、左側の店舗が目的地」)を表示部115に表示させることもできる。なお、制御部117は、変更された表示情報を、撮像部113により撮像された画像に重ねて表示部115に表示させることもできる。この場合、制御部117は、画像処理により、画像のどの部分が目的地の店舗であるかを特定し、特定された位置に目的地である旨を表示したり、現在地から特定された位置までの経路を表示したりすることになる。
【0033】
なお、ステップ103の処理において、制御部117は、要求信号と共に、携帯情報端末101のユーザの個人情報を公衆用表示装置103に送信することもできる。また、制御部117は、携帯情報端末101のメモリ又は個人情報サーバ105に存在する携帯情報端末101のユーザの個人情報の一部のみを公衆用表示装置103に送信することもできる。何れの情報を公衆用表示装置103に送信するか否かについては、予めユーザが設定することができる。
【0034】
個人情報を受信した公衆用表示装置103は、個人情報に関連する関連公衆用情報を特定する。例えば、公衆用表示装置103は、目的地の店舗での割引購入券(クーポン)情報を関連公衆用情報として特定する。また、例えば、公衆用表示装置103は、個人情報に過去の購買履歴や嗜好情報が含まれている場合は、これらの個人情報からユーザが購入したい商品を予測し、当該商品が販売されている店舗情報(予測商品取扱店舗)を関連公衆用情報として特定することもできる。また、例えば、公衆用表示装置103は、個人情報にユーザの誕生日が含まれ、ユーザの誕生日が近い(例えば、1週間以内)場合は、ケーキ販売店を関連公衆用情報として特定することもできる。
【0035】
そして、公衆用表示装置103は、携帯情報端末101に表示情報だけでなく関連公衆用情報を送信することができる。表示情報及び関連公衆用情報を受信した携帯情報端末101の制御部117は、ステップS105において、関連個人情報に基づいて変更された表示情報と関連公衆用情報とを組み合わせて表示部115に表示させることができる。例えば、制御部117は、図5のように、フロアマップ120に目的地121のみならず、クーポン情報125(洋服店A:全品10%off)を表示部115に表示させることができる。また、制御部117は、予測商品取扱店舗やケーキ販売店を表示部115のフロアマップ120上に表示させることもできる。
【0036】
なお、上記ステップS101〜S105の処理を、制御部117の機能がモジュール化されたナビゲーションアプリケーションにより実現することもできる。携帯情報端末101は、ナビゲーションアプリケーションをインストールすることにより備え、ユーザは、ナビゲーションアプリケーションにおいて予め目的地を登録しておくことができる。そして、携帯情報端末101の撮像部113が識別情報を取得すると、ナビゲーションアプリケーションが識別情報を解析し、識別情報の内容を特定する。そして、ナビゲーションアプリケーションは、識別情報に紐付けられた表示情報の取得後、当該表示情報に目的地に関する個人情報を反映させて、表示部115に表示させる。
【0037】
以下、公衆用表示装置103、関連個人情報及び関連公衆用情報の具体例を示す。
【0038】
公衆用表示装置103が、図7(a)のような広告を目的とする車の三次元表示装置であり、個人情報として、当該車が購入希望候補として登録されている場合、携帯情報端末101の表示部115には、図7(b)のように、車の画像と車の値段(200万円)とが表示される。また、個人情報に、カーレース観戦が趣味であるという情報が含まれている場合、公衆用表示装置103は、ユーザは車の走行性能の情報を重要視すると予測し、走行性能に優れたグレードやその性能関連情報を関連公衆用情報として特定する。その結果、制御部117は、該当するグレードの価格や性能関連情報(ここでは排気量)も表示部115に表示させることができる。
【0039】
公衆用表示装置103が、図8(a)のような電車案内を目的とする表示装置であり、個人情報として、乗車を希望する電車情報(C線)が登録されている場合、携帯情報端末101の表示部115には、図8(b)のように、希望する電車の名前(C線)及び当該電車のホームの方向(公衆用表示装置103に向かって右矢印)が表示される。また、公衆用表示装置103は、希望する電車の次の出発時刻を関連公衆用情報として特定する。その結果、制御部117は、次の出発時刻(16:27発 あと4分)も表示部115に表示させることができる。
【0040】
公衆用表示装置103が、新しい作品(映画)DVDのレンタル開始の告知を目的とする表示装置であり、個人情報として、当該映画の出演者の名前を知りたいという情報が登録されている場合、携帯情報端末101の表示部115には、出演者の画像と共に出演者の名前が表示される。また、公衆用表示装置103は、個人情報にユーザの住所情報が含まれている場合、当該住所から半径1km以内のレンタルDVD店及び各店舗での該当映画の取扱状況を関連公衆用情報として特定する。その結果、制御部117は、各店舗での該当映画DVDの貸し出し状況を表示部115に表示させることができる。また、個人情報に過去のレンタル履歴が含まれ、全ての店舗で該当映画DVDが貸し出し中であった場合、公衆用表示装置103は、ユーザが好む作品を予測し、関連公衆用情報に特定することができる。その結果、制御部117は、予測された作品も表示部115に表示させることができる。
【0041】
公衆用表示装置103が、映画の広告を目的とする表示装置であり、個人情報として、当該映画の概要を知りたいという情報が登録されている場合、携帯情報端末101の表示部115には、映画の画像と共に映画の概要が表示される。また、公衆用表示装置103は、個人情報にユーザが頻繁に利用する駅情報が含まれている場合、当該駅から最寄りの映画館での上映時間、上映期間、ダイジェスト映像、空席状況を関連公衆用情報として特定する。その結果、制御部117は、上映時間、上映期間、ダイジェスト映像、空席状況も表示部115に表示させることができる。
【0042】
公衆用表示装置103が、飲食店でのメニュー紹介を目的とする表示装置であり、個人情報として、アレルギーの食材が登録されている場合、携帯情報端末101の表示部115には、アレルギーの食材が含まれていないメニューのみが表示される。また、公衆用表示装置103は、個人情報にユーザの住所や通勤・通学経路の情報が含まれている場合、ユーザの住所から最も近い系列店や通勤・通学路上の系列店の場所を関連公衆用情報として特定する。その結果、制御部117は、系列店の情報も表示部115に表示させることができる。
【0043】
公衆用表示装置103が、スポーツクラブでのトレーニング機器の紹介を目的とする表示装置であり、個人情報として、身体情報及び体力情報が登録されている場合、携帯情報端末101の表示部115には、該当トレーニング機器の最適な使用頻度、最適な負荷値が表示される。また、公衆用表示装置103は、該当トレーニング機器での運動と組み合わせると効果的なサプリメントの情報を関連公衆用情報として特定する。その結果、制御部117は、サプリメントの情報も表示部115に表示させることができる。
【0044】
公衆用表示装置103が、各種学校での休講情報の告知を目的とする表示装置であり、個人情報として、履修科目が登録されている場合、携帯情報端末101の表示部115には、休講の科目のうちユーザの履修科目に該当する科目のみが表示される。また、公衆用表示装置103は、休講時間帯に自習できる空き教室の情報を関連公衆用情報として特定する。その結果、制御部117は、空き教室の情報も表示部115に表示させることができる。
【0045】
このように本実施形態では、携帯情報端末101の撮像部113が公衆用表示装置103の表示を撮像した後、制御部117は、関連個人情報に基づいて表示情報を変更して表示部115に表示させる。つまり、ユーザは、公衆用の情報を表示する公衆用表示装置103の表示を撮像することにより、自己の携帯情報端末101により、公衆用の情報に個人用の情報が反映された情報を得ることができる。公衆用表示装置103に個人向けの情報を表示することなく、ユーザ(視聴者)に各個人毎にカスタマイズされた公衆用情報を提示できるので、プライバシーは保護され、公衆用表示装置103の表示が個人向けの情報で占有されることもない。また、公衆用表示装置の表示を撮像するという動作は、必要とする情報の取得を望むユーザにとって直感的且つ直接的な動作である。そのため、ユーザは、特段の困難性を感じることなく、本実施形態に係る携帯情報端末101を操作することができる。
【0046】
また、本実施形態では、制御部117は、撮像部113が公衆用表示装置103の表示を撮像すると、通信部111に、個人情報を公衆用表示装置103に送信させ、公衆用表示装置103から個人情報に関連する関連公衆用情報を受信させ、関連個人情報に基づいて変更された表示情報と、関連公衆用情報とを組み合わせて表示部115に表示させることができる。つまり、表示部115には、表示情報のみならず個人情報に関係する公衆用情報も表示される。ユーザは、公衆用表示装置103に表示されているある公衆用情報から派生して、興味を持ちそうな別の公衆用情報を取得することができる。例えば、関連公衆用情報としてユーザが興味を持ちそうな商品が表示されることにより、ユーザの新たな消費意欲が誘起され、ユーザによる購買活動が促進される。
【0047】
また、本実施形態では、情報提示システム11は、表示情報又は個人情報を保存し、携帯情報端末101又は公衆用表示装置103に表示情報又は個人情報を提供する個人情報サーバ105又は公衆用サーバ107を有することができる。携帯情報端末101又は公衆用表示装置103が表示情報又は個人情報の保存を行わないことにより、携帯情報端末101又は公衆用表示装置103の処理負荷を軽減することができる。また、携帯情報端末101又は公衆用表示装置103を実現するための費用を抑えることもできる。
【0048】
本発明を諸図面や実施例に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形や修正を行うことが容易であることに注意されたい。従って、これらの変形や修正は本発明の範囲に含まれることに留意されたい。
【0049】
例えば、各構成部、各ステップなどに含まれる機能などは論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の構成部やステップなどを1つに組み合わせたり、或いは分割したりすることが可能である。
【0050】
上述した本発明の実施形態の説明では、関連個人情報に基づいて表示情報を変更する処理及び変更された表示情報と関連公衆用情報とを組み合わせる処理は携帯情報端末が行う処理であり、個人情報に関連する関連公衆用情報を特定する処理は公衆用表示装置が行う処理であるとして説明したが、これらの処理は、携帯情報端末又は公衆用表示装置のいずれか一方が行う処理に限定されるものではない。例えば、情報処理装置というものを携帯情報端末及び公衆用表示装置とは独立して儲け、情報処理装置に上記処理を行わせることもできる。これにより、携帯情報端末及び公衆用表示装置の処理負荷を軽減することができる。
【符号の説明】
【0051】
11 情報提示システム
101 携帯情報端末
103 公衆用表示装置
105 個人情報サーバ
107 公衆用情報サーバ
109 ネットワーク
111 通信部
113 撮像部
115 表示部
117 制御部
120 フロアマップ
121 目的地
123 経路
125 クーポン情報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
公衆用表示装置の表示内容に関連する情報を表示する携帯情報端末であって、
情報を表示する表示部と、
前記公衆用表示装置の表示を撮像する撮像部と、
前記撮像部が前記公衆用表示装置の表示を撮像すると、当該公衆用表示装置の表示内容に関連する表示情報を受信する通信部と、
前記携帯情報端末のユーザの個人情報のうち前記表示情報に関連する関連個人情報に基づいて前記表示情報を変更して前記表示部に表示させる制御部と
を備える携帯情報端末。
【請求項2】
請求項1に記載の携帯情報端末において、前記制御部は、更に、
前記撮像部が前記公衆用表示装置の表示を撮像すると、前記通信部に、前記個人情報を前記公衆用表示装置に送信させ、前記公衆用表示装置から前記個人情報に関連する関連公衆用情報を受信させ、
前記変更された表示情報と、前記関連公衆用情報とを組み合わせて前記表示部に表示させる
ことを特徴とする携帯情報端末。
【請求項3】
公衆用表示装置と、当該公衆用表示装置の表示内容に関連する情報を表示する携帯情報端末とを有する情報提示システムであって、前記携帯情報端末が、
情報を表示する表示部と、
前記公衆用表示装置の表示を撮像する撮像部と、
前記撮像部が前記公衆用表示装置の表示を撮像すると、前記公衆用表示装置から当該公衆用表示装置の表示内容に関連する表示情報を受信する通信部と、
前記携帯情報端末のユーザの個人情報のうち前記表示情報に関連する関連個人情報に基づいて前記表示情報を変更して前記表示部に表示させる制御部と
を備える情報提示システム。
【請求項4】
請求項3に記載の情報提示システムにおいて、
前記表示情報又は前記個人情報を保存し、前記携帯情報端末又は前記公衆用表示装置に前記表示情報又は前記個人情報を提供するサーバを更に有することを特徴とする情報提示システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−113655(P2012−113655A)
【公開日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−264281(P2010−264281)
【出願日】平成22年11月26日(2010.11.26)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】