説明

情報提示装置、情報提示方法、及びプログラム

【課題】ユーザにとって意外性が高いキーワードを提示し、ユーザを自身が潜在的に嗜好するコンテンツへと導き得る、情報提示装置、情報提示方法、及びプログラムを提供する。
【解決手段】情報提示装置1は、入力情報に基づき、各コンテンツに含まれるキーワードについてのユーザの嗜好合致度を計算する嗜好合致度計算部10と、入力情報に基づき、各コンテンツの認知度を計算する認知度計算部11と、コンテンツ毎に、嗜好合致度を用いて、ユーザの嗜好の度合いを求め、ユーザの嗜好の度合いが設定された閾値より高く、認知度が設定された閾値より低くなる、コンテンツを特定し、各キーワードについて、当該キーワードを含むコンテンツが特定したコンテンツとなる確率を求める確率計算部12と、確率によって予め規定された条件を満たすキーワードを抽出し、抽出したキーワードを、意外性を有するキーワードとして特定するキーワード特定部13とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザの嗜好に合わせてキーワードを提示する、情報提示装置、情報提示方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、インターネットの急速な発展により、オンラインショッピングサイトや、動画共有サイト等が増加している。これらのサイトは、多数のユーザに対して、多種多様なコンテンツの検索及び閲覧といったサービスを提供する。
【0003】
また、携帯電話やテレビ等のパーソナルコンピュータ以外の端末でも、こういったサービスの利用が可能になる場合が多くなっている。そういった状況の下、ユーザの嗜好に合ったコンテンツを少ない手順でユーザに提示するため、多くのコンテンツ推薦技術(例えば、非特許文献1、特許文献1及び2参照。)が提案されている。
【0004】
例えば、非特許文献1は、コンテンツ推薦技術として、コンテンツに基づくフィルタリング技術を開示している。この技術は、コンテンツの検索結果の中からユーザが興味のあるコンテンツを指定すると、そのコンテンツの内容に基づいて、内容の近い別のコンテンツを再検索する技術である。
【0005】
具体的には、このフィルタリング技術では、検索されたコンテンツの特微量と、それに関するユーザの嗜好情報とが比較され、検索されたコンテンツと別のコンテンツとの類似度が測定される。そして、このような、コンテンツに基づくフィルタリング技術においては、予め、ユーザが自己の嗜好情報を登録しておけば、検索の度に、ユーザの嗜好に一致したコンテンツを提示することが可能となる。
【0006】
また、同じく非特許文献1は、コンテンツ推薦技術として、協調フィルタリング技術も開示している。協調フィルタリング技術は、上述のコンテンツに基づくフィルタリング技術とは異なり、コンテンツの内容に関する情報を用いずに、そのコンテンツに他のユーザがどのような評価を付けたかという情報に基づいて、予測評価値を計算する技術である。予測値の計算後、計算された予測評価値に基づいて、推薦されるコンテンツが決定される。
【0007】
そして、このような協調フィルタリング技術においても、予め、ユーザが自己の嗜好情報を登録しておくことが好ましい。この場合、検索の度に、当該ユーザと嗜好が近い他のユーザが評価したコンテンツを提示することが可能となる。
【0008】
ところで、このようなコンテンツ推薦技術においては、技術の利用価値を高めるために、ユーザにとって意外性のあるコンテンツを推薦できることが求められる。しかしながら、非特許文献1に開示されている技術では、ユーザ自身の嗜好情報又は他のユーザの嗜好情報を利用して、推薦すべきコンテンツを特定するに過ぎず、コンテンツが意外性を有するかどうかを判断し、その上で推薦を行うことは困難である。
【0009】
一方、特許文献1は、ユーザにとって意外性のあるコンテンツを推薦するための技術を提案している。特許文献1に開示の技術では、嗜好情報として、ユーザの嗜好を示すキーワードの集合を用いて、コンテンツに基づくフィルタリングが実行される。そして、フィルタリングは、変更ルールに従って、ユーザの嗜好を示さないキーワードの集合への追加、及びユーザの嗜好を示すキーワードの集合からの除去を行いながら、実行される。この
結果、ユーザにとって意外性のあるコンテンツが抽出されることとなる。
【0010】
また、特許文献2は、ユーザにおけるコンテンツの意外性を評価する技術を開示している。特許文献2に開示の技術では、ユーザの嗜好からユーザが推薦候補(コンテンツ)を選択する確率が求められ、更に、ユーザの習慣性からユーザが推薦候補を選択する可能性を示す予測値が求められ、そして、これらから推薦候補の意外性が計算される。特許文献2に開示の技術を用いれば、推薦されるコンテンツがユーザにとって意外性を有するかどうかを判断でき、意外性のあるコンテンツの推薦が可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2008−293211号公報
【特許文献2】特開2008−262398号公報
【非特許文献】
【0012】
【非特許文献1】土方嘉徳、"嗜好抽出と情報推薦技術"、情報処理学会誌「情報処理」、Vol.48、No.9、p.957-965、Sep.2007
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
ところで、特許文献1に開示の技術においては、キーワードの追加及び削除の操作は、ユーザによる明示に基づいて実施されるため、ユーザ自身が気付いていない、潜在的な嗜好を表すキーワードが追加又は削除されることはない。このため、特許文献1に開示の技術には、ユーザの嗜好には合っているが、意外性はそれほど高くないコンテンツばかりが抽出されるという問題がある。
【0014】
例えば、ユーザの潜在的な嗜好を表すキーワードの一つが、「不思議」というキーワードであるとする。意外性のあるコンテンツは、こういった潜在的な嗜好にこそ存在すると考えられるので、「不思議」に関連するコンテンツを抽出することが求められる。しかし、この場合、ユーザ自身が、「不思議」に関連するコンテンツに興味があるという認識をしていないと、このキーワードはユーザに無視されてしまう。この結果、「不思議」に関連するコンテンツは、フィルタリングによって抽出されにくくなる。
【0015】
なお、特許文献1の開示の技術において、ユーザの意思によらずに、ランダムにキーワードの追加及び削除を実行できるようにすれば、上記の問題は解消できるようにも考えられる。但し、この場合は、意外性は高いが、ユーザの嗜好に合っていないコンテンツばかりが抽出されてしまう可能性が高くなってしまう。
【0016】
例えば、キーワード「ケーキ」が登録されている集合(嗜好情報)に、「苦い」というキーワードがランダムに追加されたとする。この場合、キーワード「苦いケーキ」を含むコンテンツが、意外性のあるコンテンツとして抽出されるかもしれないが、それはおそらく、嗜好情報として「ケーキ」を登録しているユーザの嗜好には合っていないと考えられる。
【0017】
一方、特許文献2に開示の技術では、ユーザに明示的な操作が要求されず、又、ユーザの習慣性が考慮されるため、上述した特許文献1に開示の技術についての問題は解消可能であると考えられる。しかしながら、特許文献2に開示の技術には、以下のような問題がある。
【0018】
一般に、ユーザは、インターネット上で目的のサイトを検索するため、又、特定のサイ
トにおいて目的の情報を検索するため、キーワードを入力する必要がある。このとき、キーワードが適切でないときは、意図しないサイトや情報までもが検索されてしまう。また、ユーザにとって真に意外性のあるコンテンツとは、ユーザが潜在的に嗜好するコンテンツである。そして、このようなコンテンツの検索は、意外性のあるキーワードを用いれば、効率的に行うことができる。このため、ユーザにとって意外性のあるコンテンツ自体ではなく、意外性のあるキーワードを特定することが求められている。
【0019】
これに対して、特許文献2に開示の技術は、指定されたコンテンツについて、そのコンテンツ自体の意外性を計算するにすぎず、キーワード自体の意外性を計算することは不可能である。特許文献2に開示の技術には、コンテンツ毎での意外性の評価しか行うことができず、キーワード検索に適用できないという問題がある。なお、この問題は、特許文献1に開示の技術にも当てはまる。
【0020】
発明の目的は、上記問題を解消し、ユーザにとって意外性が高いキーワードを提示し、ユーザを自身が潜在的に嗜好するコンテンツへと導き得る、情報提示装置、情報提示方法、及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0021】
上記目的を達成するため、本発明における情報提示装置は、ユーザにとって意外性を有するキーワードを提示する情報提示装置であって、
前記ユーザからの入力情報に基づいて、複数のコンテンツの少なくとも一つに含まれるキーワードについての前記ユーザの嗜好の度合いを示す、嗜好合致度を計算する嗜好合致度計算部と、
前記ユーザからの入力情報に基づいて、前記複数のコンテンツそれぞれについての前記ユーザの認知の度合いを示す、認知度を計算する認知度計算部と、
前記複数のコンテンツそれぞれ毎に、当該コンテンツに含まれるキーワードの前記嗜好合致度を用いて、当該コンテンツについてのユーザの嗜好の度合いを求め、
前記コンテンツについてのユーザの嗜好の度合いが、設定された閾値より高く、且つ、前記認知度が、設定された閾値より低くなる、コンテンツを特定し、
前記複数のコンテンツの少なくとも一つに含まれるキーワードそれぞれについて、当該キーワードを含むコンテンツが前記特定したコンテンツとなる確率を求める確率計算部と、
前記確率によって予め規定された条件を満たすキーワードを抽出し、抽出したキーワードを、前記意外性を有するキーワードとして特定するキーワード特定部と、を備えていることを特徴とする。
【0022】
また、上記目的を達成するため、本発明における情報提示方法は、ユーザにとって意外性を有するキーワードを提示するための方法であって、
(a)前記ユーザからの入力情報に基づいて、複数のコンテンツの少なくとも一つに含まれるキーワードについての前記ユーザの嗜好の度合いを示す、嗜好合致度を計算する、ステップと、
(b)前記ユーザからの入力情報に基づいて、前記複数のコンテンツそれぞれについての前記ユーザの認知の度合いを示す、認知度を計算する、ステップと、
(c)前記複数のコンテンツそれぞれ毎に、当該コンテンツに含まれるキーワードの前記嗜好合致度を用いて、当該コンテンツについてのユーザの嗜好の度合いを求め、
前記コンテンツについてのユーザの嗜好の度合いが、設定された閾値より高く、且つ、前記認知度が、設定された閾値より低くなる、コンテンツを特定し、
前記複数のコンテンツの少なくとも一つに含まれるキーワードそれぞれについて、当該キーワードを含むコンテンツが前記特定したコンテンツとなる確率を求める、ステップと、(d)前記確率によって予め規定された条件を満たすキーワードを抽出し、抽出したキーワードを、前記意外性を有するキーワードとして特定する、ステップと、を有することを
特徴とする。
【0023】
更に、上記目的を達成するため、本発明におけるプログラムは、ユーザにとって意外性を有するキーワードの提示をコンピュータによって実行するためのプログラムであって、前記コンピュータに、
(a)前記ユーザからの入力情報に基づいて、複数のコンテンツの少なくとも一つに含まれるキーワードについての前記ユーザの嗜好の度合いを示す、嗜好合致度を計算する、ステップと、
(b)前記ユーザからの入力情報に基づいて、前記複数のコンテンツそれぞれについての前記ユーザの認知の度合いを示す、認知度を計算する、ステップと、
(c)前記複数のコンテンツそれぞれ毎に、当該コンテンツに含まれるキーワードの前記嗜好合致度を用いて、当該コンテンツについてのユーザの嗜好の度合いを求め、
前記コンテンツについてのユーザの嗜好の度合いが、設定された閾値より高く、且つ、前記認知度が、設定された閾値より低くなる、コンテンツを特定し、
前記複数のコンテンツの少なくとも一つに含まれるキーワードそれぞれについて、当該キーワードを含むコンテンツが前記特定したコンテンツとなる確率を求める、ステップと、(d)前記確率によって予め規定された条件を満たすキーワードを抽出し、抽出したキーワードを、前記意外性を有するキーワードとして特定する、ステップと、を実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0024】
以上のように、本発明における情報提示装置、情報提示方法、及びプログラムによれば、ユーザにとって意外性が高いキーワードを提示でき、ユーザを自身が潜在的に嗜好するコンテンツへと導くことができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】図1は、本発明の実施の形態における情報提示装置の構成を示すブロック図である。
【図2】図2は、本発明の実施の形態における情報提示装置の動作を示すフロー図である。
【図3】図3は、実施例1において入力装置に表示される操作画面の一例を示す図である。
【図4】図4は、実施例1におけるユーザの操作履歴及び現在の操作の一例を示す図である。
【図5】図5は、実施例1におけるコンテンツ・キーワード関連情報の一例を示す図である。
【図6】図6は、実施例1において計算された嗜好合致度の一例を示す図である。
【図7】図7は、実施例1において計算された認知度の一例を示す図である。
【図8】図8は、実施例1におけるユーザの嗜好の度合と閾値との関係を示す図である。
【図9】図9は、実施例1におけるユーザの認知度と閾値との関係を示す図である。
【図10】図10は、実施例1において計算された潜在的コンテンツ存在確率の一例を示す図である。
【図11】図11は、実施例1において意外性を有すると判定されたキーワードの一例を示す図である。
【図12】図12は、実施例1において意外性を有すると判定されたキーワードの他の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
(実施の形態)
以下、本発明の実施の形態における情報提示装置について、図1及び図2を参照しながら説明する。最初に、本実施の形態における情報提示装置の構成について図1を用いて説明する。図1は、本発明の実施の形態における情報提示装置の構成を示すブロック図である。
【0027】
図1に示す本実施の形態における情報提示装置1は、ユーザにとって意外性を有するキーワードを、ユーザに提示するために用いられる装置である。図1に示すように、情報提示装置1は、嗜好合致度計算部10と、認知度計算部11と、確率計算部12と、キーワード特定部13とを備えている。
【0028】
嗜好合致度計算部10は、ユーザからの入力情報に基づいて、複数のコンテンツのうち少なくとも一つに含まれるキーワードについての嗜好合致度を計算する。嗜好合致度は、ユーザの嗜好の度合いを示す指標である。嗜好合致度の具体例については後述する。
【0029】
認知度計算部11は、ユーザからの入力情報に基づいて、複数のコンテンツそれぞれについての認知度を計算する。認知度は、各コンテンツについてのユーザの認知の度合いを示す指標である。認知度の具体例についても後述する。
【0030】
確率計算部12は、複数のコンテンツそれぞれ毎に、当該コンテンツに含まれるキーワードの嗜好合致度を用いて、当該コンテンツについてのユーザの嗜好の度合いを求める。そして、確率計算部12は、コンテンツについてのユーザの嗜好の度合いが、設定された閾値より高く、且つ、認知度が、設定された閾値より低くなる、コンテンツを特定する。
【0031】
更に、確率計算部12は、複数のコンテンツの少なくとも一つに含まれるキーワードそれぞれについて、当該キーワードを含むコンテンツが、特定したコンテンツとなる確率を求める。
【0032】
そして、キーワード特定部13は、複数のコンテンツの少なくとも一つに含まれるキーワードの中から、潜在的コンテンツ存在確率と嗜好合致度とによって予め規定された条件を満たすキーワードを抽出する。キーワード特定部13は、抽出したキーワードを、意外性を有するキーワードとして特定する。
【0033】
また、本実施の形態において、ユーザから情報提示装置1に入力される情報には、ユーザが複数のコンテンツに対して行った操作の内容、及びユーザによる操作の対象となったコンテンツのうち少なくとも一つが含まれる。
【0034】
このように、情報提示装置1は、ユーザからの情報を基にして、ユーザにおいて、嗜好の度合いは高いが、認知の度合いは低い、コンテンツを特定する。そして、キーワード毎に求められた確率は、各キーワードが、特定されたコンテンツに存在している確率に相当する(以下、「潜在的コンテンツ存在確率」と言う。)。
【0035】
従って、潜在的コンテンツ存在確率と嗜好合致度とから抽出されたキーワードは、ユーザの嗜好は高いが、ユーザにあまり認知されていないキーワード、つまり、ユーザにとって意外性の高いキーワードとなる。よって、情報提示装置1によれば、ユーザにとって意外性が高いキーワードを提示でき、ユーザを自身が潜在的に嗜好するコンテンツへと導くことができる。言い換えると、そのキーワードによって、ユーザは、自身の潜在的な嗜好に気付くことができる。
【0036】
ここで、本実施の形態における情報提示装置1の構成について更に具体的に説明する。本実施の形態において、情報提示装置1は、後述するように、パーソナルコンピュータ、
及びサーバコンピュータといったコンピュータに、プログラムをインストールし、このプログラムを実行することによって実現することができる。
【0037】
また、情報提示装置1は、例えば、ユーザが端末装置を介して選択したコンテンツを配信するシステム(コンテンツ配信システム)に適用できる。この場合、ユーザからの入力情報は、システムを構成するサーバコンピュータ、またはユーザの端末装置から、情報提示装置1へと送信される。また、情報提示装置1は、意外性を有すると判断されたキーワードを、システムを構成するサーバコンピュータ、またはユーザの端末装置に送信する。
【0038】
本実施の形態では、図1に示すように、情報提示装置1には、記憶装置2、入力装置3、及び出力装置4が接続されている。入力装置3は、ユーザからの入力情報、例えば、コンテンツ配信システムにおいてユーザがコンテンツに対して行った操作を特定する情報、操作の対象となったコンテンツを特定する情報等を取得し、取得した情報を情報提示装置1に送信する。
【0039】
具体的には、入力装置3としては、上述したコンテンツ配信システムを構成する端末装置を用いることができる。端末装置としては、GUI(Graphical User Interface)環境を提供するOS(Operating System)が搭載されたパーソナルコンピュータが挙げられる。この場合、例えば、ユーザが、GUIを介して、表示画面に表示されているコンテンツの選択等を行うと、ユーザの操作内容及び選択されたコンテンツを特定する情報が、情報提示装置1の嗜好合致度計算部10及び認知度計算部11へと出力される。なお、端末装置は、パーソナルコンピュータに限定されず、その他に、携帯電話、スマートフォン、PDA等であっても良い。
【0040】
記憶装置12は、各種情報を記憶する装置である。記憶装置12は、嗜好合致度を記憶する嗜好合致度記憶部20と、認知度を記憶する認知度記憶部21と、及びコンテンツ・キーワード関連情報を記憶する関連情報記憶部22とを備えている。
【0041】
コンテンツ・キーワード関連情報とは、コンテンツとキーワードとの関連性、即ち、各キーワードがどのコンテンツに含まれているかを特定するための情報である(後述の図5参照。)。例えば、具体例としては、コンテンツItem1には、キーワードKey1と、キーワードKey2とが関連付けられている、といった情報が挙げられる。また、キーワードKey1は、コンテンツItem1と、コンテンツItem2とに関連している、といった情報も挙げられる。なお、以下の説明では、前者を「Item1∋Key1、Key2」、後者を「Key1∋Item1、Item2」と示すこともある。
【0042】
また、記憶装置2は、具体的には、メモリ、又はハードディスク装置等によって実現される。この場合、記憶装置2が有する記憶領域の各部分が、嗜好合致度記憶部20、認知度記憶部21及び関連情報記憶部22として機能する。
【0043】
更に、本実施の形態において、記憶装置2は、入力装置3から送信されるユーザからの入力情報を記憶することもできる。この場合、ユーザからの入力情報は、入力装置3から記憶装置2に送られ、そこで記憶される。そして、記憶装置2に記憶された入力情報は、嗜好合致度計算部10及び認知度計算部11からの指示に応じて読み出され、これらへと出力される。
【0044】
出力装置4は、情報提示装置1のキーワード特定部13が出力したキーワード、即ち、意外性を有すると判断されたキーワードをレンダリングし、外部に提示する装置である。具体的には、出力装置4としては、ディスプレイ装置やプリンタが接続された端末装置が挙げられる。この場合、出力装置4は、意外性の度合いが高いキーワードがレンダリング
されたユーザインタフェースを、ディスプレイ装置の表示画面等に表示させる。
【0045】
また、出力装置4となる端末装置は、上述したコンテンツ配信システムを構成する端末装置であっても良い。更に、出力装置4と入力装置3とは、コンテンツ配信システムを構成する同一の端末装置であっても良い。なお、出力装置4は、液晶表示装置に代表されるディスプレイ装置や、プリンタ等の表示機能のみを備えたものであっても良い。
【0046】
嗜好合致度計算部10は、本実施の形態においては、入力装置3から取得したユーザの入力情報と、関連情報記憶部22から取得したコンテンツ・キーワード関連情報とに基づいて、特定のキーワードに対する嗜好合致度を計算する。また、計算された嗜好合致度は、記憶装置2の嗜好合致度記憶部20に記憶される。
【0047】
具体的には、嗜好合致度計算部10は、操作の対象となったコンテンツに関連するキーワードの嗜好合致度が別のキーワードの嗜好合致度より高くなるように、嗜好合致度を計算する。例えば、ユーザが、あるコンテンツを選択した場合、嗜好合致度計算部10は、そのコンテンツに関連付けられているキーワード群を取得する。そして、嗜好合致度計算部10は、取得したキーワード群を構成する各キーワードにのみ、嗜好合致度として、特定の値を付与する。
【0048】
また、このように、選択されたコンテンツに関連付けられたキーワードにのみ嗜好合致度として値が付与される態様では、嗜好合致度計算部10が、更に、次に示す基準に従って、付与される値に差をつけるのが好ましい。
【0049】
例えば、ユーザからの入力情報が、ユーザの嗜好を特定する嗜好情報を含み、嗜好情報が記憶装置2に記憶されている場合であれば、嗜好合致度計算部10が、嗜好情報に従って、嗜好合致度を計算するのが好ましい。具体的には、嗜好情報としては、分野毎に分けられたキーワード群と、分野毎のユーザの嗜好の程度とを特定する情報が挙げられる。嗜好合致度計算部10は、キーワードに嗜好合致度として値を付与する際に、当該キーワードの分野がユーザの嗜好の程度が高い分野であるならば、高い値を付与し、ユーザの嗜好の程度が低い分野であるならば、低い値を付与する。
【0050】
また、例えば、入力装置3において、ユーザが、操作の対象となったコンテンツのいずれかを指定できる場合であれば、嗜好合致度計算部10は、指定結果に応じて、嗜好合致度を付与するのが好ましい。具体的には、嗜好合致度計算部10は、嗜好合致度として、ユーザが指定したコンテンツに関連するキーワードに高い値を付与し、ユーザが指定していないコンテンツに関連するキーワードに低い値を付与する。このような態様では、ユーザの嗜好に合ったコンテンツが、ユーザによってチェックされるので、より正確に嗜好合致度を計算することが可能となる。
【0051】
また、嗜好合致度計算部10は、キーワードを含むコンテンツ内での当該キーワードの重要性に基づいて、嗜好合致度を計算することもできる。具体的には、例えば、ユーザが操作対象とするコンテンツが電子文書である場合であれば、出現回数が多いキーワード程、その重要性は高くなる。この場合では、嗜好合致度計算部10は、出現回数が多いキーワードに高い値を付与し、出現回数が少ないキーワードに低い値を付与する。また、ユーザが操作対象とするコンテンツが動画コンテンツである場合であれば、動画で用いられるキーワード群の中で、特徴的に発声されるキーワード程、その重要性は高くなる。この場合では、嗜好合致度計算部10は、特徴的に発声されるキーワードに高い値を付与し、そうでないキーワードに低い値を付与する。
【0052】
更に、嗜好合致度計算部10は、各キーワードについて、ユーザの認知の度合いを示す
キーワード認知度を求め、求めたキーワード認知度に応じて、嗜好合致度を計算することもできる。
【0053】
例えば、キーワードの品詞に注目すると、ユーザにとっては、一般名詞に基づく方が、固有名詞に基づくよりも、関連するコンテンツを想像することは難しくなる。よって、一般名詞を多く含むコンテンツ程、ユーザにとっての意外性が高いと考えらえる。この場合、キーワード認知度の設定は、キーワードが一般名詞である場合に値が高くなり、固有名詞である場合に値が低くなるように行えば良い。そして、試行合致度計算部10は、嗜好合致度として、キーワード認知度が高いキーワードに高い値を付与し、キーワード認知度が低いキーワードに低い値を付与する。
【0054】
また、キーワードの知名度に注目すると、ユーザにとっては、あまり知られていないキーワードに基づく方が、著名なキーワードに基づくよりも、関連するコンテンツを想像することは難しくなる。よって、あまり知られていないキーワードを多く含むコンテンツ程、ユーザにとっての意外性が高いと考えられる。この場合、キーワード認知度の設定は、キーワードがあまり知られていない程、高くなるように行えば良い。そして、この場合においても、嗜好合致度計算部10は、嗜好合致度として、キーワード認知度が高いキーワードに高い値を付与し、キーワード認知度が低いキーワードに低い値を付与する。
【0055】
また、嗜好合致度計算部10は、入力情報から、ユーザが操作において選択したキーワードを特定し、特定したキーワードの種類に基づいて、嗜好合致度を計算することもできる。例えば、ユーザ毎に、キーワードに対する印象及び認知度等は異なるが、ユーザがある品詞のキーワードを多く選択している場合は、その品詞のキーワードに対する嗜好は他の品詞のキーワードよりも高いと考えられる。具体的には、ユーザが選択したキーワード群に固有名詞が多いならば、嗜好合致度計算部10は、嗜好合致度として、固有名詞に対しては、他の品詞よりも高い値を付与することができる。
【0056】
更に、ユーザからの入力情報が、操作の内容として、ユーザが2以上のコンテンツを閲覧した際の閲覧の順序及び閲覧の方法を含む場合は、嗜好合致度計算部10は、閲覧の順序及び閲覧の方法に基づいて、嗜好合致度を計算することができる。
【0057】
例えば、ユーザが連続して2以上のコンテンツを選択し、そして、各コンテンツに関連付けられたキーワード群が互いに類似している場合は、嗜好合致度計算部10は、ユーザが嗜好に合ったコンテンツを選択している、と見なすことができる。ユーザが、単に2以上のコンテンツを選択しただけでは、選択されたコンテンツがユーザの嗜好に合っていない場合もあるためである。そして、嗜好合致度計算部10は、選択されたコンテンツに関連付けられているキーワードに、他のキーワードよりも高い値の嗜好合致度を付与する。
【0058】
また、逆に、ユーザが連続して選択した2以上のコンテンツそれぞれに関連付けられているキーワードが、互いに全く類似していない場合は、嗜好合致度計算部10は、ユーザが嗜好に合っていないコンテンツを選択している、と見なすことができる。そして、嗜好合致度計算部10は、選択されたコンテンツに関連付けられているキーワードに、他のキーワードよりも低い値の嗜好合致度を付与することができる。
【0059】
更に、例えば、ユーザの操作対象が、動画コンテンツ等の一定時間の再生処理(ユーザにおける閲覧)を伴うコンテンツの場合は、嗜好合致度計算部10は、再生処理(閲覧)が途中で中止されていないかどうかを判断することができる。この場合、嗜好合致度計算部10は、途中で再生処理が中止されたコンテンツに関連づいているキーワードには、他のキーワードよりも低い値の嗜好合致度を付与することができる。
【0060】
認知度計算部11は、上述したように、入力装置3からの入力情報に基づいて、特定のコンテンツに対するユーザの認知度を計算する。本実施の形態では、認知度計算部11は、操作の対象となったコンテンツの認知度が別のコンテンツの認知度よりも高くなるように、認知度を計算する。計算された認知度は、記憶装置2の認知度記憶部21に記憶される。
【0061】
また、このように、操作の対象となったコンテンツの認知度が別のコンテンツの認知度よりも高くなる態様では、認知度計算部11は、更に、次に示す基準を用いて、認知度を計算するのが好ましい。
【0062】
例えば、入力装置3において、ユーザが、操作の対象となったコンテンツのいずれかを指定できる場合であれば、認知度計算部11は、指定結果に応じて、認知度を計算することができる。具体的には、認知度計算部11は、指定されたコンテンツの認知度が別の操作の対象となったコンテンツの認知度よりも高くなるように、認知度を計算するのが好ましい。この場合は、ユーザが既に知っているコンテンツを、ユーザ自身がチェックすることとなるので、より正確に認知度を計算することが可能となる。
【0063】
また、入力情報が、ユーザが外部の表示画面に表示させたコンテンツに関する情報を含む場合は、認知度計算部11は、ユーザが外部の表示画面に表示させたコンテンツに関する情報(コンテンツ表示情報)を用いて、認知度を計算することができる。
【0064】
例えば、認知度計算部11は、コンテンツ表示情報から、表示画面に2以上のコンテンツが同時に表示されているかどうかを判定する。そして、表示画面に2以上のコンテンツが同時に表示されている場合に、認知度計算部11は、表示されている2以上のコンテンツの配置又は表示態様に基づいて、認知度を計算する。
【0065】
具体的には、表示画面にコンテンツ一覧が表示されているとする。この場合であっても、ユーザは、複数のコンテンツの存在を一度に確認しており、これらについて、ある程度認知していることとなる。よって、認知度計算部11は、表示されたコンテンツの認知度を、表示されていないコンテンツの認知度よりも高い値に設定することができる。
【0066】
また、表示画面に2以上のコンテンツが同時に表示され、そして、コンテンツ毎に表現方法が異なる場合は、認知度計算部11は、強調的に表現されているコンテンツの認知度を、そうでないコンテンツの認知度よりも高い値に設定することができる。これは、強調的に表現されているコンテンツは、ユーザの注目を集めており、その認知度は、他のコンテンツの認知度よりも高くなると考えられるからである。
【0067】
更に、例えば、認知度計算部11は、コンテンツ表示情報から、表示画面に表示されたコンテンツの表示時間を求め、求めた表示時間に基づいて、認知度を計算することもできる。具体的には、ユーザが長時間表示させているコンテンツが存在している場合は、そのコンテンツがユーザにとって気になるコンテンツである可能性は高いと考えられる。このため、認知度計算部11は、このようなコンテンツについては、実際にはユーザによって選択されていない場合であっても、認知度の値を、他のコンテンツの認知度よりも高い値に設定するのが好ましい。
【0068】
確率計算部12は、先ず、嗜好合致度記憶部20から嗜好合致度を取得し、更に、認知度記憶部21から認知度を取得し、これらを用いて、各コンテンツについてのユーザの嗜好の度合を求める。このとき、本実施の形態では、確率計算部12は、関連情報記憶部22から更にコンテンツ・キーワード関連情報を取得し、これに基づいて、コンテンツ毎に、当該コンテンツに含まれるキーワードを特定する。そして、確率計算部12は、ユーザ
の嗜好の度合として、コンテンツ毎に、各コンテンツに含まれるキーワードそれぞれの嗜好合致度の平均値を計算する。
【0069】
また、確率計算部12は、本実施の形態では、各コンテンツについて、嗜好合致度の平均値が、それについて設定された閾値より高いかどうか、認知度が、設定された閾値より低いかどうかを判定する。例えば、一度でもユーザがコンテンツを選択すると、認知度が1より大きくなり、認知度の閾値が「1」と設定されている場合は、一度もユーザに選択されたことのないコンテンツが対象となる。なお、閾値は、数値を変えて実験を行い、キーワード特定部13で特定されたキーワードがユーザにとって意外性を有するように、適宜設定すれば良い。
【0070】
また、本実施の形態において、確率計算部12は、ユーザの嗜好の度合(嗜好合致度の平均値)について設定された閾値と、認知度について設定された閾値とを更新する機能を備えることができる。更に、この場合、確率計算部12は、閾値を、既に設定されている値に基づいて更新することもできる。
【0071】
例えば、ユーザがコンテンツを選択する度に、嗜好合致度計算部10が、選択したコンテンツに関連付けられているキーワードの嗜好合致度に1を加算する場合について説明する。
【0072】
この場合、加算により、嗜好合致度が0〜2に分布することになれば、確率計算部12は、分布の平均をとって「1」を閾値に設定することができる。同様に、嗜好合致度が0〜10に分布することになれば、確率計算部12は、分布の平均をとって「5」を閾値に設定することができる。このように、確率計算部12は、状況に応じて閾値を更新することができる。なお、上記の例では、確率計算部12は、嗜好合致度の分布の平均値を用いて更新を行っているが、本実施の形態はこれに限定されるものではない。
【0073】
キーワード特定部13は、本実施の形態では、確率計算部12から潜在的コンテンツ存在確率を取得し、嗜好合致度計算部10から嗜好合致度を取得し、キーワード毎に、潜在的コンテンツ存在確率と嗜好合致度との積を計算する。また、キーワード特定部13は、計算された積を用いて、各キーワードが予め規定された条件を満たしているかどうかを判断し、条件を満たすキーワードを、意外性を有するキーワードとして特定する。具体的には、キーワード特定部13は、計算された積が、設定された閾値より高いかどうかを判断し、積が閾値より高いキーワードを特定する。
【0074】
ところで、「意外性を有するキーワード」とは、関連しているコンテンツの多くが、ユーザの嗜好に合致するが、ユーザに未だよく知られていないコンテンツとなっている、キーワードをいう。よって、例えば、潜在的コンテンツ存在確率が特定の閾値より高いキーワードは、「意外性を有するキーワード」となる可能性を有している。よって、本実施の形態では、上述したように積を計算しないで、潜在的コンテンツ存在確率のみを用いて、意外性を有するキーワードを特定することもできる。
【0075】
但し、潜在的コンテンツ存在確率に嗜好合致度を乗算すると、得られた値は、より、ユーザの嗜好に合致しているかどうかを表した数値となる。よって、上述したように、潜在的コンテンツ存在確率と嗜好合致度との積を求めることは、確実に、ユーザにとって意外性を有するキーワードを特定することができる点から、好ましい。
【0076】
また、キーワード特定部13は、計算された積と閾値との大小の判定を行う代わりに、計算された積が最も高いキーワードから順に、設定された数のキーワードを抽出することもできる。この場合、キーワード特定部13は、意外性の度合いが高いキーワードから順
に選択し、外部に出力する。例えば、キーワード特定部13は、多数のキーワードが閾値より高かった場合に、そのうち値が大きい上位5つのキーワードのみを出力しても良い。
【0077】
次に、本発明の実施の形態1における情報提示装置1の動作について図2を用いて説明する。図2は、本発明の実施の形態における情報提示装置の動作を示すフロー図である。なお、図2では、説明のため、情報提示装置1の動作(ステップS1〜S4)に加え、入力装置3における動作(ステップA1〜A5)も示されている。
【0078】
また、本実施の形態における情報提示方法は、情報提示装置1を動作させることによって実施することができる。よって、本実施の形態における情報提示方法の説明は、以下の情報提示装置1の動作の説明に代える。また、以下の説明では、適宜図1を参酌する。
【0079】
図2に示すように、情報提示装置1での処理が行われる前に、入力装置3において処理がおこなわれる。図2の例において、入力装置3は、コンテンツ配信システムを構成する端末装置である。
【0080】
図2に示すように、先ず、入力装置3は、コンテンツ配信システムを構成するサーバ(図1及び図2において図示せず)から取得した情報に基づき、表示画面に、配信されるコンテンツ、及び各コンテンツに関連付けられたキーワードを表示させる(ステップA1)。
【0081】
次に、入力装置3は、ユーザからのキー入力を受ける(ステップA2)。具体的には、ステップA2では、ユーザは、選択するコンテンツを既に決定している場合は、選択したコンテンツを指定するキー入力を行う。一方、ユーザは、選択するコンテンツを未だ決定してない場合は、自身が嗜好するキーワードを入力する。
【0082】
次に、入力装置3は、コンテンツ配信システムのサーバにアクセスし、サーバに、ステップA2で指示されたコンテンツの検索を行わせる(ステップA3)。これにより、例えば、ステップA2でコンテンツを指定したキー入力が行われていた場合は、サーバは、指定されたコンテンツが配信可能かどうかを調査し、調査結果を入力装置3に送信する。一方、ステップA2でキーワードが入力された場合は、入力されたキーワードに関連するコンテンツを検索し、これらが配信可能かどうか調査し、調査結果を入力装置3に送信する。
【0083】
次に、入力装置3は、サーバから送信された情報を表示画面に表示し、ユーザに、コンテンツの選択、及び配信されるコンテンツの決定を促す(ステップA4)。続いて、入力装置3は、ステップA4に対するユーザの操作入力を受け付ける(ステップA5)。ステップA5において、受け付けられた操作についての情報は、入力情報として、情報提示装置1に入力される。この後、情報提示装置1における処理が開始される。
【0084】
次に、図2に示すように、情報提示装置1において、嗜好合致度計算部10は、入力装置3から取得した情報に基づいて、ユーザが選択した各コンテンツに関連付けられた各キーワードの嗜好合致度を計算する(ステップS1)。
【0085】
具体的には、ステップS1では、嗜好合致度計算部10は、関連情報記憶部22に記憶されているコンテンツ・キーワード関連情報に基づいて、選択された各コンテンツに関連付けられているキーワードを特定する。そして、嗜好合致度計算部10は、特定した各キーワードに、嗜好合致度として、予め設定された値を割り振り、割り振った結果を嗜好合致度記憶部20に記憶させる。
【0086】
次に、認知度計算部11は、入力装置3から取得した情報に基づいて、選択された各コンテンツの認知度を計算する(ステップS2)。具体的には、認知度計算部11は、ユーザが選択した各コンテンツに対して、予め設定されたルールに従って、認知度としての値を割り振り、割り振った結果を認知度記憶部21に記憶させる。なお、ステップS1とS2との順序は限定されず、ステップS2の実行後に、ステップS1が実行されていても良い。また、ステップS1とS2とは同時に実行されていても良い。
【0087】
次に、確率計算部12は、嗜好合致度と認知度とを用いて、ユーザの嗜好の度合いは高いが、よく知られていないコンテンツを特定し、各キーワードに関連付けられているコンテンツが特定したコンテンツである確率を求める(ステップS3)。ステップS3で求められた確率(潜在的コンテンツ存在確率)は、キーワード特定部13へと出力される。
【0088】
キーワード特定部13は、確率計算部12から取得した潜在的コンテンツ存在確率に基づいて、意外性のあるコンテンツに多く含まれているキーワードを特定する(ステップS4)。ステップS4によって特定されたキーワードは、ユーザにとって意外性を有するキーワードである。また、キーワード特定部13は、特定したキーワードを出力装置4へと出力する。
【0089】
ステップS4の終了後、出力装置4は、特定されたキーワードをユーザに提示する。ユーザは、提示されたキーワードを用いて、再度、コンテンツの検索を行うことができる(ステップS2及びS3)。なお、図2の例では、出力装置4は、入力装置3と同一の端末装置である。
【0090】
以上のように、本実施の形態によれば、ユーザの嗜好合致度が高く、認知度が低いコンテンツに多く含まれているキーワードが、ユーザの入力情報に基づいて特定される。ユーザは、端末装置を利用して、コンテンツの検索を行うだけで、情報提示装置1から、自身にとって意外性を有するキーワードの提示を受けることができ、自身の潜在的な嗜好に気付くことができる。
【0091】
また、本実施の形態におけるプログラムは、コンピュータに、図2に示すステップS1〜S4を実行させるプログラムであれば良い。本実施の形態におけるプログラムをコンピュータにインストールし、このプログラムを実行することによって、本実施の形態における情報提示装置1及び情報提示方法を実現することができる。
【0092】
この場合、コンピュータのCPU(Central Processing Unit)は、嗜好合致度計算部10、認知度計算部11、確率計算部12、及びキーワード特定部13として機能し、処理を行なう。また、記憶装置2は、コンピュータに備えられたメモリ及びハードディスク等の記憶装置によって実現できる。更に、記憶装置2は、ネットワークを介して情報提示装置1接続されたコンピュータの記憶装置であっても良い。
【実施例1】
【0093】
次に、実施の形態に示した情報装置1の実施例1について図3〜図12を用いて説明する。本実施例において、入力装置3及び出力装置4は、同一の端末装置であり、コンテンツ配信システムを構成している。また、情報提示装置1は、コンピュータにプログラムをインストールし、実行することによって実現されている。更に、記憶装置2は、このコンピュータに備えられたハードディスク(磁気ディスク装置)等である。
【0094】
先ず、図3を用いて、本実施例において、入力装置3の表示画面に表示されるインターフェイスについて説明する。図3は、実施例1において入力装置に表示される操作画面の一例を示す図である。図3に示すように、入力装置3の表示画面には、コンテンツとキー
ワードとを同時に示すユーザインタフェースが表示される。ユーザは、画面上でコンテンツ又はキーワードを自由に選択でき、求めるコンテンツを閲覧できる。なお、図3には、上側と下側とに二つの画面が示されており、ユーザのキー操作により、一方の画面から他方の画面へと切り替えられる。
【0095】
具体的には、図3において、ユーザが、上側の画面で、コンテンツItem1のリンクを選択すると、表示画面は、コンテンツItem1を表示する下側の画面に遷移する。また、ユーザが、下側の画面で、キーワードKey1のリンクを選択すると、表示画面は、キーワードKey1が関連付けられている複数のコンテンツを表示する上側の画面に遷移する。
【0096】
また、図3の例では、ユーザに意外性を与える度合いの高いキーワードが、「意外性キーワード」として表示されている。ユーザが、このキーワードのリンクを選択した場合も、上述と同様に、表示画面の遷移が行われる。なお、ユーザインタフェースの仕様は、コンテンツとキーワードとが画面上に表示され、互いに参照できるものであれば良く、限定されるものではない。
【0097】
次に、図4を用いて、本実施例においてユーザが入力装置3を用いて行った、コンテンツに対する操作について説明する。図4は、実施例1におけるユーザの操作履歴及び現在の操作の一例を示す図である。図4において、「番号」は、ユーザによる操作が発生した順番を示している。「タイムスタンプ」は、ユーザによる操作が発生した日時を示している。「ユーザ」は操作を行ったユーザが誰であるかを示している。「行動」は、ユーザが行った操作の内容を示している。「対象」は、ユーザが行った操作の対象、つまり、操作対象となったコンテンツを示している。
【0098】
また、図4の例では、番号1〜4は、既にユーザが行った過去の操作を示している。番号5は、ユーザが行っている最新の操作を示している。例えば、図4に示された最新の履歴は、ユーザUser1がコンテンツItem2を選択したことである(番号4)。その後、ユーザUser1が、コンテンツItem3を選択する。以下においては、現在、ユーザUser1によって、コンテンツItem3が選択されていることを前提にして説明する。
【0099】
以下、図2に示したステップに沿って、本実施例における情報提示装置1の動作を具体的に説明する。先ず、嗜好合致度計算部10は、入力装置3から取得したユーザの入力情報と、関連情報記憶部22から取得したコンテンツ・キーワード関連情報とを用いて、特定のキーワードに対する嗜好合致度を計算する(ステップS1)。
【0100】
本実施例では、ユーザからの入力情報には、コンテンツItem3が選択されたことを示す情報が含まれている。よって、嗜好合致度計算部10は、コンテンツItem3に関連付けられているキーワードを特定し、これらに、嗜好合致度として、特定の値を割り振る。本実施例では、嗜好合致度計算部10は、該当するキーワードの嗜好合致度に1を加える。なお、本実施例において、値の割り振りは、ユーザの嗜好に合ったキーワード程、値が高くなるように行われていれば良く、特に限定されるものではない。
【0101】
図5は、実施例1におけるコンテンツ・キーワード関連情報の一例を示す図である。図6は、実施例1において計算された嗜好合致度の一例を示す図である。図5に示すように、「Item3∋Key1、Key3、Key4」となっているため、図6に示すように、嗜好合致度計算部10は、キーワードKey1、Key3、及びKey4に、嗜好合致度として「1」を割り振る。
【0102】
次に、認知度計算部11は、入力装置3から取得したユーザの入力情報に基づいて、特定のコンテンツに対する認知度を計算する(ステップS2)。本実施例では、ユーザの入力情報が、コンテンツItem3を選択したということなので、図7に示すように、コンテンツItem3の認知度にのみ特定の値が割り振られている。
【0103】
図7は、実施例1において計算された認知度の一例を示す図である。具体的には、図7に示すように、コンテンツItem3の認知度として、「1」が割り振られ、他のコンテンツには、認知度としての値は割り振られていない。なお、本実施例において、値の割り振りは、ユーザのよく知っているコンテンツ程、値が高く設定されるように行われていれば良く、特に限定されるものではない。
【0104】
次に、確率計算部12は、嗜好合致度記憶部20から各キーワードの嗜好合致度を取得し、認知度記憶部21から認知度を取得する。そして、確率計算部12は、ユーザの嗜好に合い、且つ、ユーザが未だよく知らないコンテンツが、各キーワードに潜在的に関連づいている確率(潜在的コンテンツ存在確率)を計算する(ステップS3)。
【0105】
具体的には、確率計算部12は、先ず、キーワードの嗜好合致度に基づいて、当該コンテンツについてのユーザの嗜好の度合いとして、各コンテンツに含まれるキーワードそれぞれの嗜好合致度の平均値を計算する。
【0106】
例えば、コンテンツItem1については、「Item1∋Key1、Key2」となる。よって、キーワードKey1の嗜好合致度が「1」、キーワードKey2の嗜好合致度が「0」であるため、図8に示すように、コンテンツItem1に関連付けられているキーワードの嗜好合致度の平均値は、0.5(=(1+0)÷2)となる。図8は、実施例1におけるユーザの嗜好の度合と閾値との関係を示す図である。
【0107】
同様に、コンテンツItem2については、「Item2∋Key3」であるため、図8に示すように、コンテンツItem2に関連付けられているキーワードの嗜好合致度の平均値は、1.0となる。また、コンテンツItem3については、「Item3∋Key1、Key3、Key4」であるため、図8に示すように、コンテンツItem3に関連付けられているキーワードの嗜好合致度の平均値は、1.0となる。
【0108】
ここで、図8に示すように、嗜好合致度の平均値の閾値を1.0以上に設定すると、コンテンツItem2及びItem3が、ユーザの嗜好に合ったコンテンツとなる。なお、本実施例では、ユーザの嗜好の度合として、嗜好合致度の平均値を算出しているが、ユーザの嗜好の度合いは、これに限定されるものではない。ユーザの嗜好の度合いは、複数のキーワードを組み合わせて得られたキーワード群間の比較を可能にするものであれば良い。
【0109】
また、上記の例では、嗜好合致度の平均値の閾値は、予め1.0以上に設定されているが、本実施例では、閾値を予め設定せずに、既に計算されている嗜好合致度から閾値を算出することもできる。例えば、閾値として、全てのキーワードの嗜好合致度の平均値を採用することもできる。この場合、図6の例では、閾値は0.75(=(1+0+1+1)÷4)となる。
【0110】
また、確率計算部12は、コンテンツの認知度に基づいて、ユーザが未だよく知らないコンテンツを特定する。具体的には、確率計算部12は、例えば、認知度の閾値を1.0未満に設定する。そして、図9に示すように、確率計算部12は、認知度が1.0より低いコンテンツ、つまり、認知度が1であるコンテンツItem3以外の、コンテンツItem1及びItem2を、ユーザが未だよく知らないコンテンツとして特定する。図9は
、実施例1におけるユーザの認知度と閾値との関係を示す図である。
【0111】
また、上記の例では、認知度の閾値は、予め1.0未満に設定されているが、本実施例では、この場合についても、閾値を予め設定せずに、嗜好合致度の場合と同様、既に計算されている認知度から閾値を算出することもできる。
【0112】
続いて、確率計算部12は、潜在的コンテンツ存在確率を計算するため、キーワード毎に、ユーザの嗜好に合致し、且つ、ユーザが未だよく知らないコンテンツであって、当該キーワードに関連付けられているコンテンツの数を計算する。そして、確率計算部12は、この計算結果を分子とし、当該キーワードが関連付けられている全てのコンテンツ数を分母として、値を求め、これを潜在的コンテンツ存在確率とする。
【0113】
そして、上述した計算結果から、ユーザの嗜好に合っているコンテンツは、Item2及びItem3であり、ユーザが未だよく知らないコンテンツは、Item1及びItem2である。よって、図9から分かるように、ユーザの嗜好に合致し、且つ、ユーザが未だよく知らない潜在的なコンテンツは、Item2となる。
【0114】
従って、本実施例では、各キーワードに関連付けられているコンテンツに、Item2が含まれている割合が、潜在的コンテンツ存在確率となる。よって、図10に示すように、キーワードKey1の潜在的コンテンツ存在確率は、「Key1∋Item1、Item3」であるため、「0」となる。同様に、図10に示すように、キーワードKey2の潜在的コンテンツ存在確率は、「Key2∋Item1」であるため、0となる。図10は、実施例1において計算された潜在的コンテンツ存在確率の一例を示す図である。
【0115】
また、図10に示すように、キーワードKey3の潜在的コンテンツ存在確率は、「Key3∋Item2、Item3」であるため、「0.5」となる。更に、図10に示すように、キーワードKey4の潜在的コンテンツ存在確率は、「Key4∋Item3」であるため、「0」となる。
【0116】
図10に示す結果は、キーワードKey3は、50%の確率で潜在的なコンテンツに存在している、ということを示している。なお、潜在的コンテンツ存在確率の計算において、分母は、キーワードが関連付けられている全てのコンテンツ数に設定されているが、本実施例はこれに限定されるものではない。例えば、入力装置3となる端末装置において、ユーザの嗜好に合わないコンテンツが表示されないように制限が設定されている場合であれば、上記の分母としては、ユーザの嗜好に合致したコンテンツの数を用いることもできる。
【0117】
次に、キーワード特定部13は、潜在的コンテンツ存在確率に基づいて、キーワードがユーザに意外性を与える度合いを計算し、意外性を有するキーワードを特定する(ステップS4)。本実施例では、キーワード特定部13は、各キーワードの嗜好合致度と潜在的コンテンツ存在確率の積を求め、求めた積の値が、設定された閾値より高いキーワードを、ユーザに意外性を与える度合いが高いキーワードとして特定する。
【0118】
具体的には、図11に示すように、各キーワードにおいて、嗜好合致度と潜在的コンテンツ存在確率の積を求めると、キーワードKey3が0.5、それ以外のキーワードが0となる。従って、4つあるキーワードのうち、最もユーザに意外性を与える度合いが高いキーワードは、Key3となる。図11は、実施例1において意外性を有すると判定されたキーワードの一例を示す図である。
【0119】
一方、嗜好合致度の平均値において、閾値を0.5以上とした場合の計算結果を図12
に示す。図12は、実施例1において意外性を有すると判定されたキーワードの他の例を示す図である。図12に示す例では、ユーザの嗜好に合う基準が弱まり、嗜好に合わないキーワードKey2を含んでいるItem1でも、潜在的なコンテンツに該当し、キーワードKey1の意外性の度合いが高くなる。
【0120】
その後、キーワード特定部13は、特定したキーワードを出力装置4へと出力する。出力装置4は、ユーザの端末装置であるから、端末装置の表示画面に、ユーザに意外性を与える度合いが高いキーワードが、ユーザインタフェースを通して、表示される。
【0121】
以上のように、本実施例によれば、ユーザがコンテンツを選択又は閲覧していくだけで、意外性のあるコンテンツへとユーザを導くキーワードが提示される。その結果、ユーザは、自身の潜在的な嗜好に気付くことができる。
【産業上の利用可能性】
【0122】
本発明は、オンラインショッピング、動画共有サイト、及び画像共有サイト等、多数のユーザが多種多様なコンテンツを利用する環境において有効である。特に、既存のシステムによるコンテンツの検索では物足りなくなったユーザに対する、新境地の開拓のサポートが可能になると考えられる。また、本発明は、ユーザに特別な操作を負担させることなく、情報を提示できるため、パーソナルコンピュータだけでなく、携帯電話やPDA等、操作に制限がある端末に対しても適用できる。
【符号の説明】
【0123】
1 情報提示装置
2 記憶装置
3 入力装置
4 出力装置
10 嗜好合致度計算部
11 認知度計算部
12 確率計算部
13 キーワード特定部
20 嗜好合致度記憶部
21 認知度記憶部
22 関連情報記憶部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザにとって意外性を有するキーワードを提示する情報提示装置であって、
前記ユーザからの入力情報に基づいて、複数のコンテンツの少なくとも一つに含まれるキーワードについての前記ユーザの嗜好の度合いを示す、嗜好合致度を計算する嗜好合致度計算部と、
前記ユーザからの入力情報に基づいて、前記複数のコンテンツそれぞれについての前記ユーザの認知の度合いを示す、認知度を計算する認知度計算部と、
前記複数のコンテンツそれぞれ毎に、当該コンテンツに含まれるキーワードの前記嗜好合致度を用いて、当該コンテンツについてのユーザの嗜好の度合いを求め、
前記コンテンツについてのユーザの嗜好の度合いが、設定された閾値より高く、且つ、前記認知度が、設定された閾値より低くなる、コンテンツを特定し、
前記複数のコンテンツの少なくとも一つに含まれるキーワードそれぞれについて、当該キーワードを含むコンテンツが前記特定したコンテンツとなる確率を求める確率計算部と、
前記確率によって予め規定された条件を満たすキーワードを抽出し、抽出したキーワードを、前記意外性を有するキーワードとして特定するキーワード特定部と、を備えていることを特徴とする情報提示装置。
【請求項2】
前記ユーザからの入力情報が、前記ユーザが前記複数のコンテンツに対して行った操作の内容、及び前記ユーザによる操作の対象となったコンテンツのうち少なくとも一つを含む、請求項1に記載の情報提示装置。
【請求項3】
前記嗜好合致度計算部が、前記操作の対象となったコンテンツに関連するキーワードの嗜好合致度が別のキーワードの嗜好合致度より高くなるように、前記嗜好合致度を計算する、請求項2に記載の情報提示装置。
【請求項4】
前記ユーザからの入力情報が、前記ユーザの嗜好を特定する嗜好情報を含み、
前記嗜好合致度計算部が、更に、前記嗜好情報に従って、前記嗜好合致度を計算する、請求項3に記載の情報提示装置。
【請求項5】
前記ユーザが、前記操作の対象となったコンテンツのいずれかを指定した場合に、
前記嗜好合致度計算部が、前記指定されたコンテンツに関連するキーワードの嗜好合致度が別の前記操作の対象となったコンテンツに関連するキーワードの嗜好合致度よりも高くなるように、前記嗜好合致度を計算する、請求項3または4に記載の情報提示装置。
【請求項6】
前記嗜好合致度計算部が、前記キーワードのそれを含む前記コンテンツ内での重要性に基づいて、前記嗜好合致度を計算する、請求項3〜5のいずれかに記載の情報提示装置。
【請求項7】
前記嗜好合致度計算部が、前記キーワードについての前記ユーザの認知の度合いを示すキーワード認知度を求め、求めた前記キーワード認知度に応じて、前記嗜好合致度を計算する、請求項3〜6のいずれかに記載の情報提示装置。
【請求項8】
前記嗜好合致度計算部が、前記入力情報から、前記操作において前記ユーザが選択したキーワードを特定し、特定したキーワードの種類に基づいて、前記嗜好合致度を計算する、請求項3〜7のいずれかに記載の情報提示装置。
【請求項9】
前記ユーザからの入力情報が、前記操作の内容として、前記ユーザが2以上のコンテンツを閲覧した際の閲覧の順序及び閲覧の方法を含み、
前記嗜好合致度計算部が、前記閲覧の順序及び前記閲覧の方法に基づいて、前記嗜好合致度を計算する、請求項3〜8のいずれかに記載の情報提示装置。
【請求項10】
前記認知度計算部が、前記操作の対象となったコンテンツの認知度が別のコンテンツの前記認知度よりも高くなるように、前記認知度を計算する、請求項2〜9のいずれかに記載の情報提示装置。
【請求項11】
前記ユーザが、前記操作の対象となったコンテンツのいずれかを指定した場合に、
前記認知度計算部が、前記指定されたコンテンツの認知度が別の前記操作の対象となったコンテンツの認知度よりも高くなるように、前記認知度を計算する、請求項10に記載の情報提示装置。
【請求項12】
前記ユーザからの入力情報が、前記ユーザが外部の表示画面に表示させたコンテンツに関する情報を含み、
前記認知度計算部が、前記ユーザが外部の表示画面に表示させたコンテンツに関する情報を用いて、前記認知度を計算する、請求項10又は11に記載の情報提示装置。
【請求項13】
前記認知度計算部が、前記ユーザが外部の表示画面に表示させたコンテンツに関する情報から、前記表示画面に2以上のコンテンツが同時に表示されているかどうかを判定し、前記表示画面に2以上のコンテンツが同時に表示されている場合に、表示されている2以上のコンテンツの配置又は表示態様に基づいて、前記認知度を計算する、請求項12に記載の情報提示装置。
【請求項14】
前記認知度計算部が、前記ユーザが外部の表示画面に表示させたコンテンツに関する情報から、前記表示画面に表示されたコンテンツの表示時間を求め、求めた前記表示時間に基づいて、前記認知度を計算する、請求項12に記載の情報提示装置。
【請求項15】
前記確率計算部が、前記ユーザの嗜好の度合として、当該コンテンツに含まれるキーワードそれぞれの前記嗜好合致度の平均値を計算する、請求項1〜14のいずれかに記載の情報提示装置。
【請求項16】
前記確率計算部が、前記ユーザの嗜好の度合について設定された閾値と、前記認知度について設定された閾値とを更新する機能を備えている、請求項1〜15のいずれかに記載の情報提示装置。
【請求項17】
前記キーワード特定部が、更に、前記嗜好合致度を用い、前記複数のコンテンツの少なくとも一つに含まれるキーワードそれぞれ毎に、前記確率と前記嗜好合致度との積を計算し、計算された積を用いて、当該キーワードが前記予め規定された条件を満たしているかどうかを判断する、請求項1〜16のいずれかに記載の情報提示装置。
【請求項18】
前記キーワード特定部が、前記計算された積と予め設定された閾値とを対比し、前記計算された積が前記閾値より高くなるキーワードを抽出する、請求項17に記載の情報提示装置。
【請求項19】
前記キーワード特定部が、前記計算された積が最も高いキーワードから順に、設定された数のキーワードを抽出する、請求項17に記載の情報提示装置。
【請求項20】
ユーザにとって意外性を有するキーワードを提示するための方法であって、
(a)前記ユーザからの入力情報に基づいて、複数のコンテンツの少なくとも一つに含まれるキーワードについての前記ユーザの嗜好の度合いを示す、嗜好合致度を計算する、ステップと、
(b)前記ユーザからの入力情報に基づいて、前記複数のコンテンツそれぞれについての
前記ユーザの認知の度合いを示す、認知度を計算する、ステップと、
(c)前記複数のコンテンツそれぞれ毎に、当該コンテンツに含まれるキーワードの前記嗜好合致度を用いて、当該コンテンツについてのユーザの嗜好の度合いを求め、
前記コンテンツについてのユーザの嗜好の度合いが、設定された閾値より高く、且つ、前記認知度が、設定された閾値より低くなる、コンテンツを特定し、
前記複数のコンテンツの少なくとも一つに含まれるキーワードそれぞれについて、当該キーワードを含むコンテンツが前記特定したコンテンツとなる確率を求める、ステップと、(d)前記確率によって予め規定された条件を満たすキーワードを抽出し、抽出したキーワードを、前記意外性を有するキーワードとして特定する、ステップと、を有することを特徴とする情報提示方法。
【請求項21】
前記ユーザからの入力情報が、前記ユーザが前記複数のコンテンツに対して行った操作の内容、及び前記ユーザによる操作の対象となったコンテンツのうち少なくとも一つを含む、請求項20に記載の情報提示方法。
【請求項22】
前記(a)のステップにおいて、前記操作の対象となったコンテンツに関連するキーワードの嗜好合致度が別のキーワードの嗜好合致度より高くなるように、前記嗜好合致度を計算する、請求項21に記載の情報提示方法。
【請求項23】
前記ユーザからの入力情報が、前記ユーザの嗜好を特定する嗜好情報を含み、
前記(a)のステップにおいて、更に、前記嗜好情報に従って、前記嗜好合致度を計算する、請求項22に記載の情報提示方法。
【請求項24】
前記ユーザが、前記操作の対象となったコンテンツのいずれかを指定した場合に、
前記(a)のステップにおいて、前記指定されたコンテンツに関連するキーワードの嗜好合致度が別の前記操作の対象となったコンテンツに関連するキーワードの嗜好合致度よりも高くなるように、前記嗜好合致度を計算する、請求項22または23に記載の情報提示方法。
【請求項25】
前記(a)のステップにおいて、前記キーワードのそれを含む前記コンテンツ内での重要性に基づいて、前記嗜好合致度を計算する、請求項22〜24のいずれかに記載の情報提示方法。
【請求項26】
前記(a)のステップにおいて、前記キーワードについての前記ユーザの認知の度合いを示すキーワード認知度を求め、求めた前記キーワード認知度に応じて、前記嗜好合致度を計算する、請求項22〜25のいずれかに記載の情報提示方法。
【請求項27】
前記(a)のステップにおいて、前記入力情報から、前記操作において前記ユーザが選択したキーワードを特定し、特定したキーワードの種類に基づいて、前記嗜好合致度を計算する、請求項22〜26のいずれかに記載の情報提示方法。
【請求項28】
前記ユーザからの入力情報が、前記操作の内容として、前記ユーザが2以上のコンテンツを閲覧した際の閲覧の順序及び閲覧の方法を含み、
前記(a)のステップにおいて、前記閲覧の順序及び前記閲覧の方法に基づいて、前記嗜好合致度を計算する、請求項22〜27のいずれかに記載の情報提示方法。
【請求項29】
前記(b)のステップにおいて、前記操作の対象となったコンテンツの認知度が別のコンテンツの前記認知度よりも高くなるように、前記認知度を計算する、請求項21〜28のいずれかに記載の情報提示方法。
【請求項30】
前記ユーザが、前記操作の対象となったコンテンツのいずれかを指定した場合に、
前記(b)のステップにおいて、前記指定されたコンテンツの認知度が別の前記操作の対象となったコンテンツの認知度よりも高くなるように、前記認知度を計算する、請求項29に記載の情報提示方法。
【請求項31】
前記ユーザからの入力情報が、前記ユーザが外部の表示画面に表示させたコンテンツに関する情報を含み、
前記(b)のステップにおいて、前記ユーザが外部の表示画面に表示させたコンテンツに関する情報を用いて、前記認知度を計算する、請求項29又は30に記載の情報提示方法。
【請求項32】
前記(b)のステップにおいて、前記ユーザが外部の表示画面に表示させたコンテンツに関する情報から、前記表示画面に2以上のコンテンツが同時に表示されているかどうかを判定し、前記表示画面に2以上のコンテンツが同時に表示されている場合に、表示されている2以上のコンテンツの配置又は表示態様に基づいて、前記認知度を計算する、請求項31に記載の情報提示方法。
【請求項33】
前記(b)のステップにおいて、前記ユーザが外部の表示画面に表示させたコンテンツに関する情報から、前記表示画面に表示されたコンテンツの表示時間を求め、求めた前記表示時間に基づいて、前記認知度を計算する、請求項31に記載の情報提示方法。
【請求項34】
前記(c)のステップにおいて、前記ユーザの嗜好の度合として、当該コンテンツに含まれるキーワードそれぞれの前記嗜好合致度の平均値を計算する、請求項20〜33のいずれかに記載の情報提示方法。
【請求項35】
前記(c)のステップにおいて、前記ユーザの嗜好の度合について設定された閾値と、前記認知度について設定された閾値とを更新する機能を備えている、請求項20〜34のいずれかに記載の情報提示方法。
【請求項36】
前記(d)のステップにおいて、更に、前記嗜好合致度を用い、前記複数のコンテンツの少なくとも一つに含まれるキーワードそれぞれ毎に、前記確率と前記嗜好合致度との積を計算し、計算された積を用いて、当該キーワードが前記予め規定された条件を満たしているかどうかを判断する、請求項20〜35のいずれかに記載の情報提示方法。
【請求項37】
前記(d)のステップにおいて、前記計算された積と予め設定された閾値とを対比し、前記計算された積が前記閾値より高くなるキーワードを抽出する、請求項36に記載の情報提示方法。
【請求項38】
前記(d)のステップにおいて、前記計算された積が最も高いキーワードから順に、設定された数のキーワードを抽出する、請求項36に記載の情報提示方法。
【請求項39】
ユーザにとって意外性を有するキーワードの提示をコンピュータによって実行するためのプログラムであって、
前記コンピュータに、
(a)前記ユーザからの入力情報に基づいて、複数のコンテンツの少なくとも一つに含まれるキーワードについての前記ユーザの嗜好の度合いを示す、嗜好合致度を計算する、ステップと、
(b)前記ユーザからの入力情報に基づいて、前記複数のコンテンツそれぞれについての前記ユーザの認知の度合いを示す、認知度を計算する、ステップと、
(c)前記複数のコンテンツそれぞれ毎に、当該コンテンツに含まれるキーワードの前記
嗜好合致度を用いて、当該コンテンツについてのユーザの嗜好の度合いを求め、
前記コンテンツについてのユーザの嗜好の度合いが、設定された閾値より高く、且つ、前記認知度が、設定された閾値より低くなる、コンテンツを特定し、
前記複数のコンテンツの少なくとも一つに含まれるキーワードそれぞれについて、当該キーワードを含むコンテンツが前記特定したコンテンツとなる確率を求める、ステップと、(d)前記確率によって予め規定された条件を満たすキーワードを抽出し、抽出したキーワードを、前記意外性を有するキーワードとして特定する、ステップと、を実行させることを特徴とするプログラム。
【請求項40】
前記ユーザからの入力情報が、前記ユーザが前記複数のコンテンツに対して行った操作の内容、及び前記ユーザによる操作の対象となったコンテンツのうち少なくとも一つを含む、請求項39に記載のプログラム。
【請求項41】
前記(a)のステップにおいて、前記操作の対象となったコンテンツに関連するキーワードの嗜好合致度が別のキーワードの嗜好合致度より高くなるように、前記嗜好合致度を計算する、請求項40に記載のプログラム。
【請求項42】
前記ユーザからの入力情報が、前記ユーザの嗜好を特定する嗜好情報を含み、
前記(a)のステップにおいて、更に、前記嗜好情報に従って、前記嗜好合致度を計算する、請求項41に記載のプログラム。
【請求項43】
前記ユーザが、前記操作の対象となったコンテンツのいずれかを指定した場合に、
前記(a)のステップにおいて、前記指定されたコンテンツに関連するキーワードの嗜好合致度が別の前記操作の対象となったコンテンツに関連するキーワードの嗜好合致度よりも高くなるように、前記嗜好合致度を計算する、請求項41または42に記載のプログラム。
【請求項44】
前記(a)のステップにおいて、前記キーワードのそれを含む前記コンテンツ内での重要性に基づいて、前記嗜好合致度を計算する、請求項41〜43のいずれかに記載のプログラム。
【請求項45】
前記(a)のステップにおいて、前記キーワードについての前記ユーザの認知の度合いを示すキーワード認知度を求め、求めた前記キーワード認知度に応じて、前記嗜好合致度を計算する、請求項41〜44のいずれかに記載のプログラム。
【請求項46】
前記(a)のステップにおいて、前記入力情報から、前記操作において前記ユーザが選択したキーワードを特定し、特定したキーワードの種類に基づいて、前記嗜好合致度を計算する、請求項41〜45のいずれかに記載のプログラム。
【請求項47】
前記ユーザからの入力情報が、前記操作の内容として、前記ユーザが2以上のコンテンツを閲覧した際の閲覧の順序及び閲覧の方法を含み、
前記(a)のステップにおいて、前記閲覧の順序及び前記閲覧の方法に基づいて、前記嗜好合致度を計算する、請求項41〜46のいずれかに記載のプログラム。
【請求項48】
前記(b)のステップにおいて、前記操作の対象となったコンテンツの認知度が別のコンテンツの前記認知度よりも高くなるように、前記認知度を計算する、請求項40〜47のいずれかに記載のプログラム。
【請求項49】
前記ユーザが、前記操作の対象となったコンテンツのいずれかを指定した場合に、
前記(b)のステップにおいて、前記指定されたコンテンツの認知度が別の前記操作の
対象となったコンテンツの認知度よりも高くなるように、前記認知度を計算する、請求項48に記載のプログラム。
【請求項50】
前記ユーザからの入力情報が、前記ユーザが外部の表示画面に表示させたコンテンツに関する情報を含み、
前記(b)のステップにおいて、前記ユーザが外部の表示画面に表示させたコンテンツに関する情報を用いて、前記認知度を計算する、請求項48又は49に記載のプログラム。
【請求項51】
前記(b)のステップにおいて、前記ユーザが外部の表示画面に表示させたコンテンツに関する情報から、前記表示画面に2以上のコンテンツが同時に表示されているかどうかを判定し、前記表示画面に2以上のコンテンツが同時に表示されている場合に、表示されている2以上のコンテンツの配置又は表示態様に基づいて、前記認知度を計算する、請求項50に記載のプログラム。
【請求項52】
前記(b)のステップにおいて、前記ユーザが外部の表示画面に表示させたコンテンツに関する情報から、前記表示画面に表示されたコンテンツの表示時間を求め、求めた前記表示時間に基づいて、前記認知度を計算する、請求項50に記載のプログラム。
【請求項53】
前記(c)のステップにおいて、前記ユーザの嗜好の度合として、当該コンテンツに含まれるキーワードそれぞれの前記嗜好合致度の平均値を計算する、請求項39〜52のいずれかに記載のプログラム。
【請求項54】
前記(c)のステップにおいて、前記ユーザの嗜好の度合について設定された閾値と、前記認知度について設定された閾値とを更新する機能を備えている、請求項39〜53のいずれかに記載のプログラム。
【請求項55】
前記(d)のステップにおいて、更に、前記嗜好合致度を用い、前記複数のコンテンツの少なくとも一つに含まれるキーワードそれぞれ毎に、前記確率と前記嗜好合致度との積を計算し、計算された積を用いて、当該キーワードが前記予め規定された条件を満たしているかどうかを判断する、請求項39〜54のいずれかに記載のプログラム。
【請求項56】
前記(d)のステップにおいて、前記計算された積と予め設定された閾値とを対比し、前記計算された積が前記閾値より高くなるキーワードを抽出する、請求項55に記載のプログラム。
【請求項57】
前記(d)のステップにおいて、前記計算された積が最も高いキーワードから順に、設定された数のキーワードを抽出する、請求項55に記載のプログラム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2011−8619(P2011−8619A)
【公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−152759(P2009−152759)
【出願日】平成21年6月26日(2009.6.26)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】