説明

情報管理システムおよびサーバ装置

【課題】情報を管理するサーバ装置の、端末からのアクセスによる負荷を抑制することにある。
【解決手段】カラオケ端末1の制御部11は、楽曲番号に応じたサーバ側採点履歴に対するアクセス要求と、RAMに記憶された作成日時とを含むメッセージをサーバ装置3に対して送信する。サーバ装置3の制御部31は、認証条件としての作成日時に基づいてサーバ側採点履歴に対するアクセス要求の認証を実施することで、サーバ装置3にかかる負荷を閾値以下となるように抑制する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報を管理する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
情報を配信する技術としては、日時などの所定のタイミングに応じて情報を配信するもの(PUSH型)や、端末装置からの要求などの任意のタイミングに応じて情報を配信するもの(PULL型)がある。PUSH型のサーバ装置は、情報を配信するタイミングを広くしたり、一度に配信する情報の量を小さくしたりすることで、負荷を抑制することができる。一方、PULL型のサーバ装置は、情報を配信するタイミングが任意であるため、負荷を抑制することが困難となる。
【0003】
そこで、例えば特許文献1に記載されたランキング集計サーバは、通信回線を介して接続された複数のカラオケ端末から受信したランキングデータを集計して集計ランキングデータを生成し、新たにランキングに加わったデータを、当該データを配信したカラオケ端末以外のカラオケ端末に配信する。このように、ランキング集計サーバは、カラオケ端末に配信するデータを限定し、一度に配信するデータの量を小さくすることで、負荷を抑制している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−337964号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の技術において、任意のタイミングに情報の配信を要求されるサーバ装置は、一度に配信するデータの量を小さくすることで負荷を抑制している。しかしながら、データの配信の要求が頻繁に発生した場合においては、サーバ装置が、頻繁に発生した負荷の累積によって処理を出来なくなる問題があった。
【0006】
本発明の目的は、情報を管理するサーバ装置の、端末からのアクセスによる負荷を抑制することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明は、サーバ装置と、前記サーバ装置と通信を行う1つ以上の端末装置とを備え、前記端末装置は、前記サーバ装置が定めた時期と、当該サーバ装置において当該端末装置からアクセスされるアクセス情報を前記サーバ装置から取得する第1取得手段と、前記第1取得手段で取得した前記アクセス情報と前記時期を対応付けて記憶する第1記憶手段と、前記サーバ装置に記憶されている前記アクセス情報に対するアクセス要求と、前記第1記憶手段において当該アクセス情報に対応付けられている時期とを前記サーバ装置へ送信する送信手段と、を有し、前記サーバ装置は、前記送信手段から送信された前記アクセス要求および前記時期を取得する第2取得手段と、日時を計る計時手段と、前記第2取得手段で取得された時期と、前記計時手段で計時されている日時との関係が、予め定められた条件を満たしている場合には、前記アクセス要求で要求された前記アクセス情報へのアクセスを許可し、前記第2取得手段で取得された時期と、前記計時手段で計時されている日時との関係が、前記条件を満たしていない場合には、前記アクセス要求で要求された前記アクセス情報へのアクセスを許可しない制限手段と、を有することを特徴とする情報管理システムを提供する。
【0008】
また、別の好ましい態様において、前記サーバ装置は、前記時期を前記端末装置毎に定めることを特徴とする。
【0009】
また、本発明は、アクセス要求および時期を取得する第2取得手段と、日時を計る計時手段と、前記第2取得手段で取得された時期と、前記計時手段で計時されている日時との関係が、予め定められた条件を満たしている場合には、前記アクセス要求で要求された前記アクセス情報へのアクセスを許可し、前記第2取得手段で取得された時期と、前記計時手段で計時されている日時との関係が、前記条件を満たしていない場合には、前記アクセス要求で要求された前記アクセス情報へのアクセスを許可しない制限手段と、を有することを特徴とするサーバ装置を提供する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、情報を管理するサーバ装置の、端末からのアクセスによる負荷を抑制することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】カラオケシステム100の全体構成を示す図である。
【図2】楽曲情報の構造を示す図である。
【図3】端末側採点履歴の構造を示す図である。
【図4】認証条件テーブル323の構造を示す図である。
【図5】カラオケシステム100の動作を示すシーケンス図である。
【図6】変形例に係る認証条件テーブル323の構造を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して、本発明に係る情報配信システムをカラオケのサービスを提供するために用いた実施形態について説明する。
(1)構成
図1は、カラオケシステム100の全体構成を示す図である。
カラオケシステム100は、カラオケ端末1と、サーバ装置3と、ネットワーク2とを備える。サーバ装置3と複数のカラオケ端末1とは、ネットワーク2を介して通信可能に接続されている。
【0013】
カラオケ端末1は、サーバ装置3に対して情報の配信を要求し、サーバ装置3から配信された情報に基づいたカラオケサービスを提供するために設けられている。カラオケ端末1は、それぞれ一意に識別可能な端末番号が割り振られており、制御部11、記憶部12、表示部13、操作部14、音声入力部15、音声処理部16、音声出力部17、及び通信部18を備えている。制御部11は、CPU(Central Processing Unit)と、ROM(Read Only Memory)と、RAM(Random Access Memory)とを備えており、ROM又は記憶部12に記憶されているコンピュータプログラムを読み出して実行することにより、BUSを介してカラオケ端末1の各部を制御する。表示部13は、液晶ディスプレイを備えており、各種の画像を表示する。操作部14は、種々のキーを備えており、利用者の操作に応じた信号を出力する。音声入力部15は、例えばマイクロホンであり、音声を収音し、音声に応じたアナログ信号を出力する。音声処理部16は、音声に応じたアナログ信号をデジタル信号に変換したり、音声に応じたデジタル信号をアナログ信号に変換したりする。音声出力部17は、例えばスピーカであり、アナログ信号に応じた音を放音する。通信部18は、通信I/F(interface)を備えており、ネットワーク2を介してサーバ装置3と通信を行う。
【0014】
記憶部12は、制御部11によって実行されるコンピュータプログラムやその実行時に使用されるデータを記憶するための記憶手段として機能する。記憶部12は、例えばHD(Hard Disk)などの不揮発性の補助記憶装置である。記憶部12は、楽曲情報記憶領域121と、端末側採点履歴記憶領域122とを有し、採点プログラム123を記憶している。
【0015】
楽曲情報記憶領域121には、複数の楽曲に応じた伴奏や歌詞を表す楽曲情報が記憶されている。図2は楽曲情報の構造を示す図である。楽曲情報は、ヘッダ部と、伴奏データと、歌詞データから構成されている。ヘッダ部には、楽曲情報を一意に識別する楽曲番号、楽曲の名称を示す楽曲名、楽曲の内容で区分したジャンルなどの、楽曲に関する属性情報が含まれている。伴奏データは、楽器などによる伴奏音を表すデータである。この伴奏データは、制御部11により読み出されて音声処理部16に入力され、その伴奏データに応じた音声が音声出力部17から放音される。歌詞データは、楽曲の歌詞を表すデータであり、制御部11により伴奏データと同期して読み出され、表示部13に入力される。表示部13は、入力された歌詞データに応じた歌詞を表示する。
【0016】
採点プログラム123には、歌唱に応じた信号を採点するための手順が記述されている。制御部11は、採点プログラム123を読み出して実行することで、歌唱の巧拙を採点する。なお、この歌唱の巧拙を採点した結果(以下、採点結果と称する)には、巧拙を数値で示す点数、採点した日時を示す採点日時、採点したカラオケ端末1に割り振られた端末番号、および利用者を一意に識別する利用者情報が含まれている。
【0017】
端末側採点履歴記憶領域122には、楽曲番号に応じて分類された複数の端末側採点履歴が記憶されている。図3に端末側採点履歴の構造を示す。端末側採点履歴は、ヘッダ部と、複数の採点結果から構成されている。ヘッダ部には、楽曲番号、楽曲名、ジャンル、サーバ装置3が定めた作成日時、およびカラオケ端末1に割り振られた端末番号など、端末側採点履歴に関する属性情報が含まれている。採点結果には、点数、採点日時、端末番号、及び、利用者情報とが含まれている。
【0018】
サーバ装置3は、ネットワーク2を介して複数のカラオケ端末1の記憶部12に記憶された情報を管理するために設けられている。サーバ装置3は、制御部31、記憶部32、表示部33、操作部34、及び通信部35を備えている。制御部31は、CPUと、ROMと、RAMと、タイマ311とを備えており、ROM又は記憶部32に記憶されているコンピュータプログラムを読み出して実行することにより、BUSを介してサーバ装置3の各部を制御する。タイマ311は、発振回路から出力される信号に基づいて現在日時を示す情報を算出する。現在日時を示す情報は、CPUにより利用される。表示部33は、液晶ディスプレイを備えており、制御部31からの制御に応じて各種の画像を表示する。操作部34は、操作ボタンや操作キーなどの操作デバイスを備えており、管理者の操作を受け付けてその操作に応じた信号を制御部31に出力する。通信部35は、通信I/Fや通信回路を備えており、ネットワーク2を介してカラオケ端末1と通信を行うための通信手段として機能する。
【0019】
記憶部32は、制御部31によって実行されるコンピュータプログラムやその実行時に使用されるデータを記憶するための記憶手段であり、例えばHDなどの不揮発性の補助記憶装置である。この記憶部32は、楽曲情報記憶領域321と、サーバ側採点履歴記憶領域322と、認証条件テーブル323とを有している。
【0020】
楽曲情報記憶領域321には、複数の楽曲に応じた伴奏や歌詞を表す楽曲情報が記憶されている。楽曲情報は、所定のスケジュールに従ってカラオケ端末1に配信される。この所定のスケジュールは、例えば1か月毎など、楽曲情報を配信するためにサーバ装置3にかかる負荷が閾値よりも大きくならない頻度とする。なお、負荷および閾値はCPUの使用率などに基づいて算出された値とする。カラオケ端末1は、自身の処理にかかる負荷と閾値が等しくなったとしても、処理の遅延などを引き起こさないものとする。なお、楽曲情報の構造および内容に関しては、図2に示したカラオケ端末1の記憶部12に記憶された楽曲情報と一致するから説明を省略する。
【0021】
サーバ側採点履歴記憶領域322には、楽曲番号に応じて分類された複数のサーバ側採点履歴が記憶されている。サーバ側採点履歴は、図3に示した端末側採点履歴と同一の構造を有しているから構造の説明を省略する。このサーバ側採点履歴には、カラオケ端末1において作成された採点結果のうち、点数の高い方から所定の順位までの採点結果が記述されている。また、サーバ側採点履歴のヘッダ部の作成日時には、制御部31がサーバ側採点履歴を作成した日時が記述されている。
【0022】
認証条件テーブル323には、カラオケ端末1がサーバ側採点履歴に対して書き込みまたは読み出し(以降、アクセスと称する)の処理を実施することを許可するか否かを認証する為の認証条件が記述されている。図4は認証条件テーブル323の構造を示す図である。認証条件テーブル323には、認証の対象を示す「項目」と、認証を許可する条件を示す「条件」とが含まれている。例えば、図4に示された認証条件テーブル323には、「作成日時」が「項目」として、そして、「現在日時との差が1時間以上」が「条件」として記述されている。この例において制御部31は、認証条件テーブル323に記述された認証条件に基づいて、作成日時と現在日時との差が1時間以上であると判断した場合にのみ認証を許可する。
【0023】
ここで、サーバ装置3の制御部31が、楽曲情報とサーバ側採点履歴を配信する際に、サーバ装置3にかかる負荷の違いについて説明する。まず、制御部31は、楽曲情報を所定の配信スケジュールに従って配信するといった、所謂PUSH型の配信方法を用いる。したがって、カラオケシステム100の管理者は、この配信スケジュールをサーバ装置3にかかる負荷を配慮した上で作製することが可能である。一方、制御部31は、サーバ側採点履歴をカラオケ端末1からの要求(以下、アクセス要求と称する)に応じて配信するといった、所謂PULL型の配信方法を用いる。つまり、制御部31は、任意のタイミングでアクセス要求される。したがって、カラオケシステム100の管理者は、サーバ側採点履歴を配信するタイミングおよびその情報量を特定することが出来ないから、サーバ装置3にかかる負荷を閾値以下とするような、サーバ側採点履歴を配信するためのスケジュールを作成することができない。
したがって、サーバ装置3の制御部31がアクセス処理に先駆けてアクセス要求の認証を実施することで、サーバ装置3にかかる負荷が閾値よりも大きくならないように制御することを目的としている。
【0024】
(2)動作
図5は、カラオケシステム100の動作を示すシーケンス図である。
歌唱者は、カラオケサービスを利用するにあたり、カラオケ端末1の操作部14に設けられた複数のキーを操作して歌唱する楽曲に応じた楽曲番号を選択する。操作部14は、カラオケサービスの要求として、歌唱者の操作に応じた信号を制御部11に出力する。カラオケ端末1の制御部11は、歌唱者の操作に応じた信号の有無を判断しており(ステップS501)、信号を検知するまで待機している(ステップS501;NO)。制御部11は、信号を検知すると(ステップS501;YES)、その信号から歌唱者が選択した楽曲番号を特定する。制御部11は、特定された楽曲番号に応じた端末側採点履歴のヘッダ部に記述された作成日時を読み出してRAMに記憶させる。そして、制御部11は、楽曲番号に応じたサーバ側採点履歴に対するアクセス要求と、RAMに記憶された作成日時とを含むメッセージをサーバ装置3に対して送信する(ステップS502)。
【0025】
次に、サーバ装置3の制御部31は、認証条件テーブル323に記述された認証条件に基づいて、アクセス要求を許可するか否かを判断する(ステップS503)。より具体的には、制御部31は、受信したメッセージに含まれる作成日時を読み出してRAMに記憶させるとともに、タイマ311から現在日時を算出してRAMに記憶させる。次に、制御部31は、RAMに記憶させた作成日時と現在日時との時間差を算出し、その時間差が1時間以上であるか否かを判断する。ここで、制御部31が、作成日時と現在日時との時間差が1時間未満、つまり、認証条件を満たしていないと判断した場合には(ステップS503;NO)、カラオケ端末1に対してアクセス要求を許可しない旨を通知する(ステップS504)。これは、制御部31が、アクセス処理が頻繁であり、アクセス要求を許可しないことでサーバ装置3にかかる負荷を抑制することを目的とする。一方、制御部31は、作成日時と現在日時との差が1時間以上、つまり、認証条件を満たしていると判断した場合には(ステップS503;YES)、カラオケ端末1に対してアクセス要求を許可する旨を通知する(ステップS505)。これは、制御部31が、アクセス処理が頻繁ではなく、アクセス要求を許可しても、サーバ装置3にかかる負荷が十分に抑制されていると判断したことによる。
【0026】
カラオケ端末1の制御部11は、“アクセス要求を許可しない旨の通知”と“アクセス要求を許可する旨の通知”のどちらをサーバ装置3から受信したか判断する(ステップS506)。制御部11は、“アクセス要求を許可する旨の通知”を受信したと判断した場合には(ステップS506;YES)、自端末の端末番号が含まれる採点結果を端末側採点履歴から抽出してサーバ装置3に対して送信する(ステップS507)。一方、制御部11は、“アクセス要求を許可しない旨の通知”を受信したと判断した場合には(ステップS506;NO)、端末側採点履歴の送信および作成の処理を実施せずにステップS511以降の処理を実施する。
【0027】
サーバ装置3の制御部31は、受信した端末側採点履歴に含まれる楽曲番号と等しい楽曲番号を含むサーバ側採点履歴を特定する。そして、制御部31は、特定したサーバ側採点履歴と、受信した端末側採点履歴のそれぞれに含まれる採点結果のうち、点数の高い方から所定の順位までの採点結果を抽出してRAMに記憶させる。また、制御部31は、タイマ311から現在日時を算出してRAMに記憶させる。そして、制御部31は、抽出した所定の順位までの採点結果と算出した現在日時とを含む、更新後のサーバ側採点履歴を作成する(ステップS508)。この更新後のサーバ側採点履歴は、図3に示した端末側採点履歴と同じ構造を有している。そして、サーバ側採点履歴のヘッダ部の作成日時には、ステップS508の処理を実施した日時が記述される。次に、制御部31は、この更新後のサーバ側採点履歴を、アクセス要求を許可したサーバ装置3に対して配信する(ステップS509)。
【0028】
カラオケ端末1の制御部11は、受信した更新後のサーバ側採点履歴を端末側採点履歴として、記憶部12の端末側採点履歴記憶領域122に記憶させる(ステップS510)。つまり、端末側採点履歴の記述内容とサーバ側採点履歴の記述内容とが同一になるから、ステップS508の処理で算出された作成日時が、端末側採点履歴のヘッダ部におけるサーバ装置3が定めた作成日時と等しい日時を示すことになる。
【0029】
次に、カラオケ端末1の制御部11は、歌唱者に対してカラオケサービスを提供する処理を開始する(ステップS511)。まず、制御部11は、楽曲情報を楽曲情報記憶領域121から読み出してRAMに記憶させる。そして、制御部11は、RAMに記憶された楽曲情報に含まれる伴奏データを音声処理部16に対して順次出力する。音声処理部16は、デジタルデータである伴奏データをアナログ信号に変換して音声出力部17に出力する。音声出力部17は、伴奏データに応じた音を放音する。この音声出力部17から放音された音は、歌唱時における伴奏音となる。また、この伴奏出力と同期して、制御部11は、RAMに記憶された楽曲情報に含まれる歌詞データを表示部13に対して順次出力する。表示部13は、歌詞データに応じた歌詞を表示する。このように、伴奏データが表す伴奏が音声出力部17から出力されるのと同時に、歌詞データが表す歌詞が表示部13に表示される。歌唱者は、これらの伴奏及び歌詞の案内に従って歌唱する。歌唱音は、音声入力部15によって収音され、音声処理部16による増幅やエコー付与などの音声処理を経て、音声出力部17から放音される。音声入力部15は、歌唱者の音声を収音し、更に、デジタル信号へと変換して音声処理部16に出力する。音声処理部16は、音声入力部15から入力されたデジタル信号から歌唱の巧拙を採点するための特徴情報を抽出して、制御部11に入力する。そして、制御部11は、採点プログラム123を実行することで、この特徴情報を採点して採点結果を作成する。以上の処理により、制御部11は、歌唱者の要求に応じたカラオケサービスを提供する。制御部11は、ステップS511の処理で作成された採点結果を端末側採点履歴に記述する(ステップS512)。そして、制御部11は、端末側採点履歴を表示部13に対して出力することで、表示部13に端末側採点履歴に応じた情報を表示させる(ステップS513)。
【0030】
以上のとおり、サーバ装置3の制御部31は、認証条件としての作成日時に基づいてサーバ側採点履歴に対するアクセス要求の認証を実施することで、サーバ装置3にかかる負荷を閾値以下となるように抑制することが出来る。
【0031】
(3)変形例
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されることなく、他の様々な形態で実施可能である。以下にその例を示す。なお、以下の各態様を適宜に組み合わせてもよい。
【0032】
(3−1)変形例1
上述した実施形態において、情報配信システム100が、カラオケサービスのために用いられた形態について説明した。しかし、情報配信システム100は、カラオケサービスに限らず、例えば、コンピュータゲーム等を提供するサービス等、種々のサービスに用いてもよい。
【0033】
(3−2)変形例2
上述した実施形態において、カラオケ端末1とサーバ装置3のそれぞれの制御部によって実現される各種の機能は、磁気記録媒体(磁気テープ、磁気ディスクなど)、光記録媒体(光ディスクなど)、光磁気記録媒体、半導体メモリなどのコンピュータが読取可能な記録媒体に記録した状態で提供し得る。また、インターネットのようなネットワーク経由で各種の装置にダウンロードさせることも可能である。
【0034】
(3−3)変形例3
カラオケ端末1とサーバ装置3は、HTTP(Hypertext Transfer Protocol)プロトコルを通じてアクセス要求を実施してもよい。例えば、カラオケ端末1の制御部11は、HTTPヘッダであるIf-Modified-Sinceヘッダに端末側採点履歴の作成日時を指定してサーバ装置3に送信(リクエスト)する。そして、サーバ装置3の制御部31は、指定された作成日時と、サーバ側採点履歴の作成日時とを比較することで認証条件を満たすか否かを判別し、その判別結果に応じた情報をカラオケ端末1に送信(レスポンス)する。このように、カラオケ端末とサーバ装置間における通信の手順を予め決めておくことで、サーバ装置は、カラオケ端末の機種に応じた特別な処理を実施する必要がない。
【0035】
(3−4)変形例4
上述した実施形態において、サーバ装置3の制御部31は、アクセス処理の認証条件を作成日時と現在日時との差が1時間以上の場合としたがこれに限らない。例えば、制御部31は、複数の認証条件に基づいてアクセス要求を認証してもよい。この変形例によれば、カラオケシステム100の管理者は、カラオケ端末1が設置される店の業種,場所などの属性情報に応じてアクセス要求を認証させることが出来る。
【0036】
図6の認証条件テーブル323Aには、条件1として「作成日時」が「現在日時との差が1時間以上」かつ「端末番号」が「1000〜1999」と記述されており、さらに、条件2として「作成日時」が「現在日時との差が24時間以上」かつ「ジャンル」が「洋楽」かつ「端末番号」が「2000〜2999」と記述されている。つまり、カラオケシステム100の管理者は、ジャンルが洋楽の楽曲に対して、端末番号が1000〜1999のカラオケ端末1が設置される店舗よりも、端末番号が2000〜2999のカラオケ端末1が設置される店舗の方が、アクセス要求を許可する間隔を長く設定している。これは、例えば、端末番号が2000〜2999のカラオケ端末1が他の端末番号のカラオケ端末1よりも大きな負荷をサーバ装置3に対してかけていたことにより、カラオケシステム100の管理者が、アクセス処理の条件を設ける範囲をより限定的かつ効果的に設定したことによる。
【0037】
この変形例に係る動作を、図5のカラオケシステム100の動作を示すシーケンス図を用いて説明する。また、以下では、実施形態と共通する点については説明を省略し、図5のステップS502からステップS505に応じた処理について説明する。
【0038】
カラオケ端末1の制御部11は、アクセス要求として、端末側採点履歴のヘッダ部に記述された楽曲番号,楽曲名,ジャンル,作成日時,端末番号(以降、これらを区別して説明する必要の無い場合には属性情報と称する)を読み出してサーバ装置3へと配信する(ステップS502に応じた処理)。次に、サーバ装置3の制御部31は、受信した属性情報が図6に示す認証条件テーブル323に記述された条件を満たすか否かを判断する。(ステップS503に応じた処理)。
【0039】
まず、制御部31は、条件1に基づいた認証を実施する。制御部31は、作成日時と現在日時との時間差が1時間以上であるか否かを判断する。また、制御部31は、端末番号が1000〜1999であるか否かを判断する(ステップS503に応じた処理)。制御部31は、作成日時と現在日時との差が1時間以上、かつ、端末番号が1000〜1999に該当すると判断した場合には(ステップS503;YESに応じた処理)、カラオケ端末1に対してアクセス要求を許可する旨を通知する(ステップS505に応じた処理)。一方、制御部31は、何れか1つでも認証条件に一致しないと判断した場合には、条件2に基づいた認証を実施する。
次に、制御部31は、条件2に基づいた認証として、作成日時と現在日時との時間差が24時間以上であるか否かを判断する。また、制御部31は、ジャンルが洋楽であるか否かを判断する。また、制御部31は、端末番号が2000〜2999であるか否かを判断する。制御部31は、作成日時と現在日時との差が24時間以上、かつ、ジャンルが洋楽、かつ、端末番号が2000〜2999に該当すると判断した場合には(ステップS503;YESに応じた処理)、カラオケ端末1に対してアクセス要求を許可する旨を通知する(ステップS505に応じた処理)。一方、制御部31は、何れか1つでも認証条件に一致しないと判断した場合には(ステップS503;NOに応じた処理)、カラオケ端末1に対してアクセス要求を許可しない旨を通知する(ステップS504に応じた処理)。
【0040】
以上のとおり、サーバ装置3の制御部31は、複数の認証条件に基づいてサーバ側採点履歴に対するアクセス要求の認証を実施することで、単一の認証条件に基づいてアクセス要求の認証を実施する場合と比較して、より限定的かつ効果的にサーバ装置3にかかる負荷を抑制することが可能となる。なお、認証条件は図6に記述された内容に限定されず、サーバ装置3の記憶部32に記憶された情報を特定し得る内容であればよい。
【符号の説明】
【0041】
100…カラオケシステム、1…カラオケ端末、11…制御部、12…記憶部、13…表示部、14…操作部、15…音声入力部、16…音声処理部、17…音声出力部、18…通信部、2…ネットワーク、3…サーバ装置、31…制御部、32…記憶部、33…表示部、34…操作部、35…通信部、311…タイマ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
サーバ装置と、
前記サーバ装置と通信を行う1つ以上の端末装置とを備え、
前記端末装置は、
前記サーバ装置が定めた時期と、当該サーバ装置において当該端末装置からアクセスされるアクセス情報を前記サーバ装置から取得する第1取得手段と、
前記第1取得手段で取得した前記アクセス情報と前記時期を対応付けて記憶する第1記憶手段と、
前記サーバ装置に記憶されている前記アクセス情報に対するアクセス要求と、前記第1記憶手段において当該アクセス情報に対応付けられている時期とを前記サーバ装置へ送信する送信手段と、
を有し、
前記サーバ装置は、
前記送信手段から送信された前記アクセス要求および前記時期を取得する第2取得手段と、
日時を計る計時手段と、
前記第2取得手段で取得された時期と、前記計時手段で計時されている日時との関係が、予め定められた条件を満たしている場合には、前記アクセス要求で要求された前記アクセス情報へのアクセスを許可し、前記第2取得手段で取得された時期と、前記計時手段で計時されている日時との関係が、前記条件を満たしていない場合には、前記アクセス要求で要求された前記アクセス情報へのアクセスを許可しない制限手段と、
を有する
ことを特徴とする情報管理システム。
【請求項2】
前記サーバ装置は、前記時期を前記端末装置毎に定める
ことを特徴とする請求項1に記載の情報管理システム。
【請求項3】
アクセス要求および時期を取得する第2取得手段と、
日時を計る計時手段と、
前記第2取得手段で取得された時期と、前記計時手段で計時されている日時との関係が、予め定められた条件を満たしている場合には、前記アクセス要求で要求された前記アクセス情報へのアクセスを許可し、前記第2取得手段で取得された時期と、前記計時手段で計時されている日時との関係が、前記条件を満たしていない場合には、前記アクセス要求で要求された前記アクセス情報へのアクセスを許可しない制限手段と、
を有することを特徴とするサーバ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−198082(P2011−198082A)
【公開日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−64567(P2010−64567)
【出願日】平成22年3月19日(2010.3.19)
【出願人】(000004075)ヤマハ株式会社 (5,930)
【Fターム(参考)】