説明

情報表示シート

【課題】 提供者や使用者の意図に則して表示が開始または終了する能力を備えるとともに、表示するために外界から光を照射する必要もない情報表示シートを提供する。
【解決手段】 本発明に係る情報表示シート10は、シート状基体11の表面、裏面または内部に、外力に応じて自発光する機能を備えた発光剤を含む第一部位12、14を有してなり、使用者が選択して操作することにより前記第一部位12、14において発光が生じることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報表示シートに係り、より詳細には、使用者が選択して操作することにより発光する部位を備えることにより、提供者の付帯させた情報を使用者に対して視覚的に強く訴求する情報表示シートに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、蛍光剤入り着色インク等を用いて発光性の認証公印を表示してなる証明書類が知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、目視角度によって真珠光沢画像の色を変化させ得るようにして、デザイン性や視認性など表示品質を高めた偽造防止帳票も開示されている(例えば、特許文献2参照)。
さらには、紫外光を吸収して可視光を発光する蛍光発色材の層を備えてなり、この発光を利用した表示機能を有するカードなども開発されている(例えば、特許文献3)。
【0003】
しかしながら、上述した方法ではいずれも、表示能力を向上させるために各物体に対して外界に設けた何らかの光源から可視光あるいは紫外光の照射が必須であった。つまり、物体が可視光または紫外光に暴露されて初めて、物体に設けられた表示部がその表示能力を発揮することが可能になるものであった。このため、各物体の提供者や使用者の意図に反して表示が開始または終了するため、その表示効果には限界があった。また、可視光を用いる方法の場合には暗視野下における判別が困難であり、紫外光を用いる方法の場合には特殊な紫外光源を要するという課題もあった。
【特許文献1】特開平8−90898号公報
【特許文献2】特開2002−211102号公報
【特許文献3】特許第2916991号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、提供者や使用者の意図に則して表示が開始または終了する能力を備えるとともに、表示するために外界から光を照射する必要もない情報表示シートを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するため本発明に係る情報表示シートは、シート状基体の表面、裏面または内部に、外力に応じて自発光する機能を備えた発光剤を含む第一部位を有してなり、使用者が選択して操作することにより前記第一部位において発光が生じることを特徴とする。
【0006】
かかる構成において、前記シート状基体は、複数枚の箔体が圧着されたものであり、前記圧着を開放した際に、前記第一部位の発光が生じる形態が好ましい。その際、前記第一部位は、前記箔体の圧着面に配されているものが望ましい。
【0007】
また、かかる構成において、前記シート状基体は、前記第一部位の他に、前記発光剤を含まない第二部位を有する形態としてもよい。
【0008】
前記箔体は紙、プラスチック、金属、又はこれらの積層体若しくは複合体からなるものが用いられる。
【0009】
前記部位は、文字、数字、記号、マーク、罫線、飾り枠、地模様、絵画、写真、又はバーコードの形態をなしてもよい。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る情報表示シートは、シート状基体の表面、裏面または内部に、外力に応じて自発光する機能を備えた発光剤を含む第一部位を有しているので、湾曲または屈曲させたり、押圧を加えたり、擦ったりすることにより、発光剤に応力を発生させることにより、使用者は第一部位の発光を容易に実現できる。また、使用者が選択して操作することにより前記第一部位において発光が生じる構成としたことにより、提供者や使用者の意図に則して発光現象すなわち表示が開始または終了する能力を備えることができる。さらに、外力のみで表示が可能なので、本発明に係る情報表示シートは外界から光を照射する必要もない。
【0011】
したがって、本発明によれば、提供者が第一部位に付帯させた情報を、使用者の要求に応じて伝達でき、かつ、使用者に対して高い視認性を与えることが可能となる。また、第一部位は自発光し、外界から光を照射する必要がないので、暗視野の雰囲気中においても情報を伝達でき、また情報伝達のために特殊な光源を用意する必要もないことから、本発明は安価に、簡便にかつ確実に情報伝達を行うことが可能な情報表示シートをもたらす。さらに、一定時間発光後、色が消失するので、繰り返し利用ができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、実施の形態に基づいて本発明を詳しく説明する。
図1は本発明に係る情報表示シートの一例を示す模式図であり、シート状基体が複数枚の箔体を圧着した形態からなる場合である。(a)は圧着を開放した状態を表す平面図、(b)は圧着した状態を表す平面図、(c)は(a)の斜視図である。
【0013】
図1(a)に示すように、情報表示シート10は、シート状基体11の表面、裏面または内部に、外力に応じて自発光する機能を備えた発光剤を含む第一部位として情報A12と情報B14を有している。この情報表示シート10は、情報の提供者から使用者に渡る際には、シート状基体11をなす2つの領域11a、11bが点線部分11’で折りたたまれ、図1(b)示すように第一部位14が外部から見えない(隠蔽された)状態をなす。これを実現するため、例えば、領域11a、11bの表面に感圧接着材が設けられる。ここでは、2つの領域11a、11bが、圧着された複数枚の箔体に相当する。つまり、2つの領域11a、11bは点線部分11’で分離した2つの別体であってもよい。3枚以上の箔体が圧着された形態としてもよいことは言うまでもない。なお、シートの接着方法としては、圧着だけでなく、例えば擬似接着フィルムを利用したもの(特開平1−214485)等、公知の方法を用いることができる。
【0014】
図1(a)においては、一方の第一部位をなす情報A12は例えば個人情報や個別情報などを構成する文字・数字情報であり、他方の第一部位をなす情報B14は例えば写真や絵画などの画像情報であるが、他の種類からなる情報であっても構わない。第一部位としては、例えば、文字、数字、記号、マーク、罫線、飾り枠、地模様、絵画、写真、又はバーコードの形態からなる各種情報が利用できる。
【0015】
図1(b)に示すように、圧着された状態において外側をなす面には必要に応じて情報C15を設けてもよい。図(b)は、圧着された状態において、情報表示シート10が葉書として機能する例を示しており、15は情報Cであり、この情報Cは郵便番号の記載欄15A、宛名書き欄15Bからなる場合を表している。
【0016】
図1(c)は、情報表示シート10が提供者(例えば葉書の発信人)から使用者(例えば葉書の受取人)に届いた後、使用者が必要に応じて、情報表示シート10の圧着を開放した状態、すなわち感圧接着材で封止された2つの領域11a、11bを確認できるようにした状態を表している。この斜視図から明らかなように、情報表示シート10の圧着を開放すると、2つの領域11a、11bは自然と湾曲(カール)した状態となる。これに伴い、情報A12や情報B14からなる第一部位には外力が印加された状況が生まれる。
そして、第一部位は、外力に応じて自発光する機能を備えた発光剤で形成されているので、上述した情報表示シート10の圧着開放作業により、情報A12や情報B14は発光を開始し、使用者の目に飛び込むことになる。
【0017】
したがって、本発明に係る情報表示シート10は、提供者や使用者の意図に則して表示(情報A12や情報B14)が開始または終了する能力を備える。また、情報A12や情報B14は発光現象を伴うので、外界から光を照射する必要もないことから、暗視野においても情報の伝達が可能となる。
【0018】
図2は本発明に係る情報表示シートの他の一例を示す模式図であり、シート状基体が発光剤を含む第一部位の他に、発光剤を含まない第二部位を有する形態からなる場合である。(a)は屈曲させる前の状態を表す平面図、(b)は屈曲させた後の状態を表す斜視図である。
図2(a)において、20は情報表示シート、22は第一部位あるいは第二部位であり、ここでは22bのみ発光剤を含む第一部位とし、他の3つ(22a、22c、22d)を発光剤を含まない第二部位とした例を用いて説明する。21は例えば個人情報や個別情報などを構成する文字・数字情報などである。
【0019】
図2(b)は、情報表示シート20が提供者から使用者に届いた後、使用者は必要に応じて(自ら選択して)、情報表示シート20の特定の折り線に沿って位置する箇所(図2(b)では発光剤を含む第一部位22b)を横断するように屈曲した状態を表している。この斜視図から明らかなように、情報表示シート20のうち、発光剤を含む第一部位22bを屈曲した状態とすれば、これに伴い、「2」という情報を備えてなる第一部位22bには外力が印加された状況が生まれる。そして、第一部位22bは、外力に応じて自発光する機能を備えた発光剤で形成されているので、上述した情報表示シート20は使用者が自ら選択したことにより、「2」という情報を備えてなる第一部位22bが発光を開始し、使用者の目に飛び込むことになる。
【0020】
したがって、本発明に係る情報表示シート20は、提供者や使用者の意図に則して表示(「2」という情報を備えてなる第一部位22bの発光)が開始または終了する能力を備える。また、「2」という情報が提供者が設定した特定情報であることを使用者が認識する際には発光現象を伴うので、外界から光を照射する必要もないことから、暗視野においても情報の伝達が可能となる。
【0021】
このような発光剤としては、(a)無機母体材料中に、機械的エネルギーによって励起された電子が基底状態に戻る際に発光する希土類又は遷移金属の1種類以上からなる発光中心をドープしてなる応力発光材料、あるいは(b)非化学量論的組成を有するアルミン酸塩の少なくとも1種からなり、かつ機械的エネルギーによって励起された電子が基底状態に戻る際に発光する格子欠陥をもつ応力発光材料を含有するもの、が用いられる。
【0022】
本発明に係る発光剤を構成する応力発光材料(a)は、無機母体材料に、機械的エネルギーによって励起された電子が基底状態に戻る場合に発光する希土類又は遷移金属の1種類以上からなる発光中心をドープしてなるものである。ここで、無機母体材料としては、メリライト構造、FeS構造、ウルツ構造、スピネル構造、コランダム構造又はβ−アルミナ構造を有する酸化物、硫化物、炭化物又は窒化物が挙げられる。このうち、メリライト構造、FeS2構造、ウルツ構造、スピネル構造、コランダム構造又はβ−アルミナ構造を有する酸化物が好ましい。ここで、メリライト構造を有するものとしては、CaYAlO、CaYAlO、CaAlSiO、Ca(Mg,Fe)SiO、CaBSiO、CaNaAlSiO、CaMgSiO、 (Ca,Na)(Al,Mg)(Si,Al)O、Ca(Mg,Al)(Al,Si)SiO等が挙げられる。FeS構造を有するものとしては、 SrAlO、CaAlO、CaC、CoS、MnS、NiS、RuS、NiSeを主成分とする材料が挙げられる。ウルツ構造を有するものとしては、BeO、ZnO、ZnS、CdS、MnS、AlN、GaN、InN、TaN、NbN、α−SiCを主成分とする材料が挙げられる。スピネル構造を有するものとしては、MgAlO、CaAlO、コランダム構造を有するものとしては AlO、β−アルミナ構造を有するものとしては SrMgAl10O17などが挙げられる。また、無機母体材料としては非化学量論的組成を有するアルミン酸塩も用いることができる。
【0023】
これらの無機母体材料のうち、発光強度の面から、特にZnS並びに MAlO系(ここで Mは、Sr、Ca、Ba、Mg等を示す)が好ましい。ここで主成分とは、これらの成分を80[重量%]以上、好ましくは90[重量%]以上含む場合をいう。
【0024】
これらの無機母体材料にドープされる発光中心としては、Sc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Luの希土類イオン、およびTi、Zr、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Nb、Mo、Ta、W の遷移金属イオンのうちの1種類またはそれ以上を用いるのが好ましい。
【0025】
当該発光中心のドープ量は、発光強度、発光効率の点から、応力発光材料(a)中に0.001〜20[重量%]、特に0.001〜5[重量%]が好ましい。
【0026】
応力発光材料(a)は、例えば無機母体材料源に前記発光源、例えば希土類の酸化物を添加して混合した後、還元、不活性あるいは酸化雰囲気中で600〜1800[℃]で焼成し、発光中心をドープすることにより得ることができる。焼成は30分間以上が好ましい。またこのとき、ほう酸などのフラックスを添加することは、低い温度で製造できる点で好ましい。また、無機母体材料の形成反応とその中への発光中心のドープを同時に行う方法も挙げられる。この方法においては、母体材料組成になるように調整した原料と発光中心となる金属元素を混合し、焼成することにより製造するのが好ましい。ここで焼成条件及びフラックスの添加は上記と同様である。
【0027】
本発明で用いられる応力発光材料(a)としては、特開2001−64638号公報、特開2000−63824号公報、特開平11−16946号公報、特開2000−119647号公報及び特開2001−49251号公報記載のものが好ましい。
【0028】
また、成分(b)として、又は成分(a)の無機母体材料としての非化学量論的組成を有するアルミン酸塩としては、アルカリ土類金属酸化物とアルミニウム酸化物とから構成され、かつこの中のアルカリ土類金属イオンの組成比を欠損させたアルカリ土類金属欠損型のものが好ましく、具体的には、式MxAlO3+x、MxQAl10O16+x、Mx1Qx2AlO3+x1+x2 又はMx1Qx2LAl10O16+x1+x2(式中のM、Q及びLは、それぞれMg、Ca、Sr又はBaであり、xは0.8<x<1、x1及びx2は0.8<(x1+x2)<1 を満たす数である)で表わされるものを主成分とするものを挙げることができる。これらの中で、SrAlO3+x又はSrMgAl10O16+xが適している。
【0029】
欠陥濃度、すなわち、上記化合物における(1−x)又は[1−(x1+x2)]の値を制御することにより、発光中心の中心イオンとして、他の金属イオンを含有させなくても、応力発光強度が著しく向上する。この欠陥濃度の制御は、原料の仕込みモル比の調整と、焼成条件の制御によって達成することができる。仕込み時に、アルカリ土類金属の組成比を予め減らすことにより、該制御が容易となり、そして還元雰囲気中で焼成することにより、アルカリ土類金属欠損型アルミン酸塩が得られる。
【0030】
欠損濃度は、上記のようにアルカリ土類金属イオンの欠損により制御することができ、そして、該欠損の場合は、0.01〜20[モル%]の範囲で選ぶのがよい。この欠損の割合が0.01[モル%]未満では十分な発光強度が得られないし、20[モル%]を超えると物質の結晶構造が維持できにくくなり、発光効率が低下して実用に適さなくなる場合がある。これらの理由から、該欠損のより好ましい割合は、0.01〜10[モル%]の範囲である。
【0031】
このような物質は、機械的エネルギーによって励起された電子が基底状態に戻る際に発光する格子欠損を有し、それ自体、高輝度応力発光特性を有し、応力発光材料(b)として用いることができる(特開2001−49251号公報)。
【0032】
本発明に係る発光剤には、前記応力発光材料(a)及び(b)以外に、(c)光エネルギーによって励起された電子が基底状態に戻る場合に発光する材料、及び/又は(d)樹脂を含有させることにより、発光時間の持続性を向上させることができるので好ましい。
【0033】
成分(c)は蓄光性材料として機能するものであり、具体的には硫化亜鉛、アルミナ、アルミン酸ストロンチウム、カルシウムリン酸塩等が挙げられる。なお、前記成分(a)及び(b)の中には、機械的エネルギーにより発光するとともに光エネルギーによっても発光するものもあり、これを用いると1種類の材料で応力による発光を持続させることができる。
【0034】
成分(d)の樹脂は、成分(a)、(b)及び(c)の担体として機能するものである。ここで担体は、成分(a)、(b)及び/又は(c)を均一に分散できるものであれば制限されない。このような樹脂としては、常温硬化型樹脂、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、放射線硬化性樹脂等が挙げられる。具体的には、エポキシ樹脂、塩化ビニル樹脂、アクリル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ABS樹脂、ポリカーボネート樹脂、ウレタン樹脂、ポリエチレン樹脂等の樹脂が挙げられる。
【0035】
本発明に係る発光剤は、さらに溶剤を添加しても良く、公知のものが使用可能である。ただし系内への残存を避けるため、沸点が250[℃]以下の溶剤が好ましい。例えば、トルエン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、n-ヘキサン、ペンタンなどの炭化水素溶媒、イソプロピルアルコール、ブチルアルコールなどのアルコール類、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジエチルケトン、イソホロンなどのケトン類、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチルなどのエステル類、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、3−メトキシ−3−メチルブチルアセテートなどのグリコールモノエーテル類およびそれらのアセテート化物、さらに以上挙げた溶剤の1種ないしは2種以上の混合系を用いることができる。
【0036】
本発明の発光体組成物を基材上に、溶剤の揮発および/あるいは(d)の樹脂成分の反応等によって固定するために、熱、光を含む電磁波を用いることが出来、これらの方法を混成して行ってもよい。加熱方法は公知の方法を用いてよく、赤外線や高周波などを併用しても良い。また、光を含む電磁波として、マイクロ波から、赤外線、可視光、紫外光、真空紫外線、X線に至る、波長にして1〜10−12 [m]の範囲内で任意に用いることが出来、公知な電磁波源を用いることが出来る。赤外から紫外光の波長範囲の一般的な光源としては、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、無電極放電ランプ、エキシマランプ、メタルハライドランプ、キセノンランプ、各種レーザー、半導体レーザーなど公知のものを使用することが出来るが、300〜500[nm]の波長域に比較的多くエネルギー強度分布を持つ高圧水銀灯およびメタルハライドランプが特に好ましい。
【0037】
また、発光剤を設けた領域の上に有色の印刷層を形成することにより、見栄えを変えることも可能である。具体的には、図1のようにツリーの形状に発光剤を設けた領域の上に、直接発行剤を露出させる部分以外に印刷層を形成することにより実現できる。この方法によれば、発光剤を設けた領域は全て同じ形状で設けて、シートに応じて印刷層のない部分を形成することにより、さまざまなパターンが表現可能となる。また、印刷層も薄い色のインクやスクリーン印刷等による網点を形成して部分的に露出することにより、発光の色が発光剤そのものの色だけでなく、インク、または網点領域を通過して視認される色となるので、さまざまな色を表現することが可能となる。
【0038】
また、発光剤を配設する量や、材料の配合を調整するなど、発光強度や発光持続時間を変えた発光剤を複数種類用いて領域を形成することにより、見栄えの変わったものを作ることができる。例えば、天体や星座を表示する場合に、星の明るさに応じた発光強度の発光剤を設けることなどが考えられる。
【産業上の利用可能性】
【0039】
本発明によれば、情報表示シートの提供者が予めシート状基体の表面、裏面または内部に、外力に応じて自発光する機能を備えた発光剤を含む第一部位を設け、この情報表示シートの使用者が自ら選択して操作することにより前記第一部位において発光が生じることを確認できるので、ダイレクトメールやグリーティングカード、各種の郵送媒体、入場券や商品券、くじ等、あらゆる用途に使用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明に係る情報表示シートの一例を示す模式図である。
【図2】本発明に係る情報表示シートの他の一例を示す模式図である。
【符号の説明】
【0041】
10 情報表示シート、11 シート状基体、12 情報A(第一部位)、13 感圧接着材、14 情報B(第一部位)、15 情報C、20 情報表示シート、21 文字・数字情報、22 第一部位あるいは第二部位。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シート状基体の表面、裏面または内部に、外力に応じて自発光する機能を備えた発光剤を含む第一部位を有してなり、使用者が選択して操作することにより前記第一部位において発光が生じることを特徴とする情報表示シート。
【請求項2】
前記シート状基体は、複数枚の箔体が圧着されたものであり、前記圧着を開放した際に、前記第一部位の発光が生じることを特徴とする請求項1に記載の情報表示シート。
【請求項3】
前記第一部位は、前記箔体の圧着面に配されていることを特徴とする請求項2に記載の情報表示シート。
【請求項4】
前記シート状基体は、前記第一部位の他に、前記発光剤を含まない第二部位を有することを特徴とする請求項1に記載の情報表示シート。
【請求項5】
前記箔体は紙、プラスチック、金属、又はこれらの積層体若しくは複合体からなることを特徴とする請求項1に記載の情報表示シート。
【請求項6】
前記部位は、文字、数字、記号、マーク、罫線、飾り枠、地模様、絵画、写真、又はバーコードの形態をなしていることを特徴とする請求項1に記載の情報表示シート。

【図1】
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【図2】
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