説明

情報表示用パネル

【課題】全体がフレキシブルな情報表示用パネルにおいて、情報表示用パネルが過度に曲げられないようにするとともに、情報表示用パネルのパネル部分に対して加わる局所的な力を制御して、隔壁と基板との間の接着の剥れや、隔壁の破損などが生じることのない情報表示用パネルを提案する。
【解決手段】基板間ギャップを隔壁で確保されて互いに対向する2枚のフレキシブルな基板間に、表示メモリー性を有する表示媒体を封入し、該表示媒体を基板間で駆動させて情報を表示する情報表示用パネルにおいて、
上記情報表示用パネルの少なくともいずれか一方の基板の外側面に対して補強用シートを貼り合せ材を介して貼り合せる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フレキシブルな情報表示用パネルに関するものであり、特にその可撓性(フレキシブル性ともいう)の調整を図ったものである。
【背景技術】
【0002】
従来、基板間ギャップを隔壁で確保されて互いに対向する2枚の基板間に、表示メモリー性を有する表示媒体を封入し、該表示媒体を基板間で移動させて画像等の情報を表示する情報表示用パネルが知られている(例えば特許文献1)。このような情報表示用パネルは、携帯用端末表示、電子ペーパー等への展開が期待されており、そのための条件の一つとして情報表示用パネル全体をフレキシブルにすることが要求されている。そのため、情報表示用パネル全体をフレキシブルにすることに関し、種々の開発が進められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−148381
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
情報表示用パネル全体をフレキシブルにするに当って、情報表示用パネルの基板とするシートとしては、ポリエチレンテレフタレート(PET)などのフレキシブルな樹脂シートを用い、基板間ギャップを確保するために設ける隔壁には、フォトリソグラフィーを適用できるレジスト材やドライフィルムレジスト材を用いることが好適とされているが、かような構成で得た、全体がフレキシブルな情報表示用パネルとした場合には以下に述べるような問題があった。
【0005】
すなわち、情報表示用パネル全体がフレキシブルであるために過度に曲げられてしまうことがあるが、その際、情報表示用パネルの隔壁と基板との接点に過度の応力が集中するため、隔壁と基板との間の接着が剥れたり、隔壁が破損したりする不具合が生じる。過度に曲げられてしまう例として次のような場合が挙げられる。
1)情報表示用パネルを巻物のように丸める場合
この場合、情報表示用パネルは大きな曲率で曲げられるため、情報表示用パネルの隔壁と基板との接点に過度の応力が集中する。
2)情報表示用パネルの表面および裏面を指で挟んでつまむ場合
この場合、情報表示用パネルの表面と裏面とで指の位置がずれていると、指と指との間で情報表示用パネルが曲げられる。このとき大きな曲率で曲げられるため、情報表示用パネルの隔壁と基板との接点に過度の応力が集中する。
【0006】
本発明は、上記の課題を解決するもので、全体がフレキシブルな情報表示用パネルにおいて、情報表示用パネルが過度に曲げられないようにするとともに、情報表示用パネルのパネル部分に対して加わる局所的な力を制御して、隔壁と基板との間の接着の剥れや、隔壁の破損などが生じることのない情報表示用パネルを提案することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の要旨構成は、以下のとおりである。
1.基板間ギャップを隔壁で確保されて互いに対向する2枚のフレキシブルな基板間に、表示メモリー性を有する表示媒体を封入し、該表示媒体を基板間で駆動させて情報を表示する情報表示用パネルにおいて、
上記情報表示用パネルの少なくともいずれか一方の基板の外側面に対して補強用シートを貼り合せ材を介して貼り合せたことを特徴とする情報表示用パネル。
【0008】
2.前記情報表示用パネルの少なくともいずれか一方の基板の外側面に対して補強用シートを貼り合せ材を介して貼り合せる際に、貼り合せ材を上記情報表示用パネルの当該基板全面に配置したことを特徴とする、前記1に記載の情報表示用パネル。
【0009】
3.前記貼り合せ材が、粘着剤を含み、前記貼り合せ材の粘着剤を介して前記情報表示用パネルの少なくともいずれか一方の基板と補強用シートとを貼り合せたことを特徴とする、前記1または2に記載の情報表示用パネル。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、情報表示用パネルの全体がフレキシブルであっても、情報表示用パネルの少なくともいずれか一方の基板の外側面に対して補強用シートを貼り合せ材を介して貼り合せることにより、全体として適度なフレキシブル性を確保するとともに、情報表示用パネルの局所的な過度の撓みを防止し、当該局所的な撓みによる破損を回避することができる。
また、貼り合せ材を介した補強用シートの付加によって、情報表示用パネルが撓んだ際に発生する応力がフレキシブルな基板に対して配置された貼り合せ材によって吸収されるため、情報表示用パネルの隔壁とフレキシブルな基板との間の応力を抑制して、情報表示用パネルの隔壁とフレキシブルな基板との間の接合点が剥がれる破損を効果的に回避することができる。
【0011】
また、本発明の好適例として、情報表示用パネルの少なくともいずれか一方の基板の外側面に対して補強用シートを貼り合せる際に、貼り合せ材を上記情報表示用パネルの当該基板全面に配置したこと、貼り合せ材が粘着剤を含み、この貼り合せ材の粘着剤を介して、情報表示用パネルの少なくともいずれか一方の基板と、補強用シートとを貼り合せたこと、があり、かような構成とすることにより、情報表示用パネルが撓んだ際に発生する応力をより効果的に吸収することができ、その結果、破損の発生を一層低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】(a)、(b)は、それぞれ表示メモリー性のある表示媒体として帯電性粒子を含んだ粒子群を用いた、本発明の情報表示用パネルの一例を説明するための図である。
【図2】(a)、(b)は、それぞれ表示メモリー性のある表示媒体として帯電性粒子を含んだ粒子群を用いた、本発明の情報表示用パネルの他の例を説明するための図である。
【図3】は、表示メモリー性のある表示媒体として帯電性粒子を含んだ粒子群を用いた、本発明の情報表示用パネルの他の例を説明するための図である。
【図4】は、表示メモリー性のある表示媒体として帯電性粒子を含んだ粒子群を用いた、本発明の情報表示用パネルの他の例を説明するための図である。
【図5】(a)、(b)は、本発明の情報表示用パネルの一例を説明するための図である。
【図6】本発明の情報表示用パネルの他の例を説明するための図である。
【図7】本発明の情報表示用パネルを用いた電子ペーパーの一例を説明するためのブロック図である。
【図8】本発明の情報表示用パネルを搭載した電子ペーパーを用いた情報表示システムの一例を説明するためのブロック図である。
【図9】本発明の電子ペーパーを用いた情報表示システムの他の一例を説明するためのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の情報表示用パネルを用いた電子ペーパーの好適な実施形態について、説明する。ここで、電子ペーパーとは、画像等を表示するとともにその表示を保持できる表示メモリー性を有した表示媒体および画面を備えた情報表示用パネルそのものであったり、情報表示用パネルおよび情報表示用パネルの電極に印加する電圧を制御するドライバーICおよび表示媒体を駆動する駆動装置と接続するための接続用端子コネクターを少なくとも備えたものであったりする。前者の電子ペーパーでは、外部の駆動装置が備える対向電極を利用して情報表示を行い、後者の電子ペーパーでは、情報表示用パネルの基板に設けた対向電極および外部の駆動装置を利用して情報表示を行う。いずれかの構成にすることで、情報を表示させた電子ペーパーを、駆動装置から切り離して使用することができる。そして、電子ペーパーとその駆動装置とを合わせたシステムを情報表示システムと称することとする。
【0014】
<本発明の情報表示用パネルについて>
まず、本発明の情報表示用パネルのうち、帯電性粒子を含んだ粒子群を表示媒体として、2枚の基板間の空間に配置した情報表示用パネルの例を、図1(a)、(b)〜図2(a)、(b)に基づき説明する。この場合の基板間の空間は、気体で満たされているか、真空となっているか、絶縁性液体で満たされているかのいずれかの構成となる。
【0015】
図1(a)、(b)に示す例では、少なくとも光学的反射率及び帯電性を有する粒子を含んだ粒子群として構成した少なくとも2種類の表示媒体(ここでは負帯電性白色粒子3Waを含んだ粒子群として構成した白色表示媒体3Wと正帯電性黒色粒子3Baを含んだ粒子群として構成した黒色表示媒体3Bを示す)を、隔壁4で形成された各セル7において、背面側のフレキシブルな基板1に設けた電極5(ストライプ電極)と少なくとも表示画面領域が透明な観察側のフレキシブルな基板2に設けた透明電極6(ストライプ電極)とが対向交差(例えば対向直交交差)して形成するマトリックス画素電極対の間に電圧を印加することにより発生する電界に応じて、基板1、2と垂直に移動させる。そして、図1(a)に示すように白色表示媒体3Wを観察者に視認させて白色の表示を、あるいは、図1(b)に示すように黒色表示媒体3Bを観察者に視認させて黒色の表示をさせて、白黒のドットマトリックス表示を行うことができる。なお、図1(a)、(b)において、補強用シート、貼り合せ材は省略しており、これらについては後述する。また、8は隔壁と基板とを接合する接着剤である。さらに、ここでは隔壁で囲んで形成したセルとマトリックス画素電極対(ドット)とが1対1に対応する例を示している。
【0016】
図2(a)、(b)に示す例では、少なくとも光学的反射率及び帯電性を有する粒子を含んだ粒子群として構成した少なくとも2種類の表示媒体(ここでは負帯電性白色粒子3Waを含んだ粒子群として構成した白色表示媒体3Wと正帯電性黒色粒子3Baを含んだ粒子群として構成した黒色表示媒体3Bを示す)を、隔壁4で形成された各セルにおいて、フレキシブルな基板1に設けた電極5(TFT(薄膜トランジスタ)付き画素電極)と少なくとも表示画面領域が透明な観察側のフレキシブルな基板2に設けた透明なべた電極6(共通電極)との間に電圧を印加することにより発生する電界に応じて、基板1、2との間で垂直に移動させる。そして、図2(a)に示すように白色表示媒体3Wを観察者に視認させて白色の表示を、あるいは、図2(b)に示すように黒色表示媒体3Bを観察者に視認させて黒色の表示をさせて、白黒のドットマトリックス表示を行うことができる。なお、図2(a)、(b)において、補強用シート、貼り合せ材は省略しており、これらについては後述する。また、8は隔壁と基板とを接合する接着剤である。さらに、ここでは隔壁で囲んで形成したセルとマトリックス画素電極対(ドット)とが1対1に対応する例を示している。
【0017】
次に、本発明の情報表示用パネルのうち、マイクロカプセルタイプ又はマイクロカップタイプの電気泳動型の表示メモリー性を有する表示媒体を、2枚の基板間の空間に配置した情報表示用パネルの例を、図3及び図4に基づき説明する。図2に示す例と同一の部材には同一の符号を付し、その説明を省略する。
図3に示す例では、図2に示した構成の変形例を示しており、2種類の表示媒体を、透明な絶縁液体9とともにマイクロカプセル10内に封入し、このマイクロカプセル10を電極間に配置した構成である。
図4に示す例では、図2に示した構成の変形例を示しており、2種類の表示媒体を、白色表示媒体(白色粒子群)3Wと青色表示媒体(青色絶縁液体)9BLとして、電極付き基板間のセル内に封入した構成である。白色粒子群3Wを基板間で移動させて、観察側に移動させた白色粒子群3Wを観察者に視認させて白色の表示を、白色粒子群を背面側に移動させて、青色絶縁液体9BLを観察者に視認させて青色の表示を、白青のドットでマトリックス表示している。
本発明の情報表示用パネルは、表示メモリー性を有する表示媒体を用いた構成であり、上述した帯電性粒子を含んだ粒子群を表示媒体とするものや、コレステリック液晶を表示媒体とするものがある。
【0018】
以下、本発明の情報表示用パネルについて説明する。
図5は、本発明の情報表示用パネルの構成例を説明するための図である。本例では、情報表示用パネルとして図1(a)、(b)に示す構造のものを使用しており、図1(a)、(b)に示す例と同一の部材には同一の符号を付し、その説明を省略する。図5に示したところにおいて、符号11は、情報表示用パネルであり、12が補強用シート、そして13が情報表示用パネル11と補強用シート12との貼り合せ材である。
【0019】
本実施形態では、補強用シート12が情報表示用パネルの背面側(観察側とは反対側)の基板1に対向するよう配置され、貼り合せ材13が、補強用シート12と基板1との間に、図5(a)の場合は局所的に、図5(b)の場合は全面にわたって配置されている。また、補強用シート12は情報表示用パネルの前面側(観察側)の基板2に対向するよう配置してもよく、その場合は、補強用シート12は透明素材で構成することが好ましい。補強用シート12と基板1との間に介挿する貼り合せ材13は、図5(a)に示すように点在配置でもよいが、図5(b)に示すように一様に連続層として配置するのが好ましい。このような構成において補強用シート12を情報表示用パネルの前面側(観察側)の基板2に対向して配置する場合には、補強用シート12および介挿する貼り合せ材13は透明素材で構成することが必須となる。
【0020】
補強用シート12の素材としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリイミド(PI)、ポリポロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリスチレン(PS)、エポキシ樹脂などの樹脂材料やこれらの樹脂材料をガラス繊維やカーボン繊維で補強した繊維補強プラスチック材料や、ステンレス鋼(SUS)等の金属製弾性材料のように、フレキシブルで、弾性による復元性があるものが好ましい。補強用シート12は、厚さや素材を調整して、基板1ないし2よりも曲がりにくくする。厚さや素材を調整したシート材において、(補強用シート材の曲げ弾性率)/(基板シート材の曲げ弾性率)は、2〜50とすることが好ましく、より好ましくは2〜10、さらに好ましくは2〜5である。
また、補強用シート12の厚さは、情報表示用パネルの基板シートの曲げ弾性率との関係を考慮して適宜設定すれば良く、一概には言えないが、情報表示用パネルの基板シートと同じ素材のシートを用いる場合には、基板としているシート厚の2倍〜50倍の厚さとする。基板シートが25μmであれば、その50倍の厚さである1250μm厚の補強用シートでも十分にフレキシブルな電子ペーパーを構成できるが、基板シートが125μmであれば、その50倍の厚さである6250μm厚の補強用シートではフレキシブルな電子ペーパーを構成できなくなることがあるので、この場合には、基板シート厚の10倍程度の1250μm厚くらいに補強用シートの厚さを調整する。
【0021】
また、貼り合せ材13としては、ゴム系、アクリル系、シリコーン系、ウレタン系等の粘着系の材料(いわゆる粘着剤)を使用することが好ましい。その他にも、硬化性を有さない接着系の材料(いわゆる接着剤)や、硬化性があっても硬化後に低弾性を有する接着剤等も本発明の貼り合せ材13として使用することができる。
ここに、ゴム系粘着剤は天然ゴムを主成分エラストマーとしたものが、アクリル系粘着剤はアクリル酸エステル共重合体を主成分エラストマーとしたものが、シリコーン系粘着剤は、シリコーンゴムを主成分エラストマーとし、シリコーンレジンを粘着付与剤成分としたものが、ウレタン系粘着剤はウレタン樹脂を主成分エラストマーとしたものが、それぞれ市販されており、これら市販品を適宜選択して用いることができる。
【0022】
貼り合せ材13は、補強用シートと情報表示用パネルのフレキシブルな基板とを互いにずれないように固定できる程度の接着性を有し、かつ、貼り合せ材自身が変形することにより補強用シートが曲げられた時に生じるひずみを吸収できる弾性率の低い材料を採用する。具体的には材料の引張り弾性率が、フレキシブルな基板の材料の引張り弾性率よりも小さく、固体として形状を保てていればよく、フレキシブルな基板の材料の引張り弾性率の1〜90%程度であるものが好ましい。より好ましくは、5〜80%程度である。素材にもよるが、貼り合せ材の材料の引張り弾性率が、フレキシブルな基板の材料の引張り弾性率の1%未満であると変形を受けた後に元に戻れなくなるおそれがあり、貼り合せ材の材料の引張り弾性率が、フレキシブルな基板の材料の引張り弾性率の90%を超えると受けた変形によるひずみを吸収しきれずにフレキシブルな基板側に応力を集中させてしまい、ひいてはフレキシブルな基板と隔壁との接合部分に剥がれを生じさせるおそれがある。
また、貼り合せ材13の厚みは、素材に応じて幾分異なるけれども、1μm〜1000μm程度とするのが好ましい。貼り合せ材13の厚みが1μm未満であると受けた変形によるひずみを吸収しきれずにフレキシブルな基板側に応力を集中させてしまい、ひいてはフレキシブルな基板と隔壁との接合部分に剥がれを生じさせるおそれがあり、貼り合せ材13の厚みが1000μmを超えると補強用シートは曲がらずに、情報表示用パネルだけが曲がるようになってしまい補強用シートの効果が得られないおそれがある。
【0023】
以上、貼り合せ材13を基板1ないし2と補強用シートとの間に局所的に配置した場合を説明したが、図5(b)に示すように、貼り合せ材13を情報表示用パネル11の背面側(観察側とは反対側)の基板1の少なくとも表示画面領域に対応する領域と補強用シート12との接合面全面に連続層として設けると、低弾性率材料で構成された貼り合せ材13aが緩衝層として機能するようにできる。この場合、図6に示すように、ゲル状材料シート13b-1の両面に粘着剤13b2を配置した3層構造の貼り合せ材13bとして、両面の粘着剤13b-2を利用して、低弾性率で緩衝性に優れたゲル状材料シート13b-1を情報表示用パネル11の基板1と補強用シート12との間に介挿するのが効果的である。図5(b)、図6において、補強用シート12は情報表示用パネル11の前面側(観察側)の基板2と対向するよう配置してもよく、その場合は、補強用シート12および貼り合せ材13はいずれも透明素材で構成する。
【0024】
次に、情報表示用パネル11を撓ませた場合の作用を説明する。
情報表示用パネル11を撓ませた場合、補強用シート12に生じるひずみと、基板に生じるひずみとの間に、差分が生じるが、このひずみの差分を貼り合わせ材13で吸収している。
すなわち、適度な曲げ剛性を有する補強用シート12を情報表示用パネル11の少なくとも一方の面に貼り合わせておくことで、情報表示用パネル11を過度に撓ませることが抑制されるとともに、補強用シート12の剛性の範囲で曲げられた場合に、フレキシブルな基板1と隔壁4との接合面あるいはフレキシブルな基板2と隔壁4との接合面に発生した圧縮方向のひずみまたは引張り方向のひずみは、この貼り合わせ材13で吸収された差分である僅かなひずみに抑えられる。このようにして、補強用シート12および貼り合わせ材13の付加によって情報表示用パネル11を撓ませた際に追加的に生じる応力は、補強用シート12によって抑えられ、貼り合わせ材13によって吸収される。
【0025】
したがって、図5(a)、(b)および図6を用いて説明した3つの実施形態の情報表示用パネルによれば、適度なフレキシブル性が得られる。すなわち、フレキシブルな基板1、2の厚さが薄すぎて、従来隔壁と基板との間の接着の剥れや、隔壁の破損などの発生が懸念される場合でも、補強用シート12を配設することにより、情報表示用パネル全体として適度なフレキシブル性を保持することができ、局所的な過度の撓みを防止し、この撓みによる破損を回避することができる。しかも、補強用シート12の付加によって情報表示用パネルを撓ませた際に追加的に生じる応力を貼り合わせ材13によって吸収することができるため、隔壁4とフレキシブルな基板1、2との接点に応力が集中することがなく、破損を効果的に回避することができる。
【0026】
さらに、図6を用いて説明した実施形態の情報表示用パネルによれば、貼り合わせ材13を粘着剤/ゲル状材料/粘着剤の3層構造として情報表示用パネルに局所的にではなく、全面にわたって配置したことで情報表示用パネルに耐振性を付与することができ、したがって、粒子を表示媒体とする情報表示用パネルに外部から衝撃が加わった場合にも、衝撃による情報表示用パネル内の表示媒体(粒子)の移動を防止し、情報表示用パネルが表示している情報を良好に保持することができる。
【0027】
以上、本発明の主要部材について説明したが、その他、本発明の情報表示用パネルを構成する各部材について説明すると、次のとおりである。
フレキシブルな情報表示用パネルの基板には、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルサルフォン(PES)などの樹脂製シートが好適に用いられる。観察面となる前面側には少なくとも表示画面領域が透明なものを用いるが、背面側に用いるものは透明であってもよいし、透明でなくてもよい。
【0028】
その厚さは、10μm〜200μmの範囲とすることが好ましい。厚さが200μmを超えると、情報表示用パネルのフレキシブル性が不足するおそれがあり、厚さが10μm未満では、製造時のハンドリングが難しくなる。より好ましくは20μm〜150μmであり、さらに好ましくは25μm〜125μmである。
【0029】
フレキシブルな情報表示用パネルの2枚のフレキシブルな基板間ギャップを確保するために設ける壁や、表示媒体を収納するセルを区画するために設ける隔壁は、レジスト材を用いてフォトリソグラフィー技術で形成することが好ましい。一例として、ドライフィルム状のレジスト材であるアルフォNIT2(ニチゴーモートン社製)やPDF300(新日鐵化学社製)を使用することができる。
【0030】
基板間ギャップ確保用として表示画面領域の外に設ける隔壁の幅は、20μm〜100μmの範囲とすることが好ましく、セル形成と基板間ギャップ確保とを兼ねて表示画面領域の内に設ける隔壁の幅は、5μm〜30μmの範囲とすることが好ましい。また、隔壁の代わりに柱状や球状のスペーサーによって基板間ギャップを確保することもできる。この場合も、このスペーサーとフレキシブルな基板との間に接着剤を配置して接合する構造がとられる。したがって、隔壁やスペーサーの高さは、情報表示用パネルにおいて表示媒体を駆動させるのに適した基板間ギャップに合わせて調整する。
【0031】
帯電性粒子を含んだ粒子群を表示媒体とする方式の情報表示用パネルでは、表示画面領域に配置した粒子群が電界による移動を繰り返すうちに偏在しないようにするために隔壁を設ける。この場合の隔壁は領域を囲み全体として格子構造やハニカム構造を形成するようにしたり、点在して形成するようにしたりするが、基板間ギャップ確保機能を担う必要はなく、基板間ギャップよりも低くして一方の基板とだけ接合した構造にしたり、双方の基板に形成した隔壁を、互いの頂上が接しないように対向配置される構造にしたりすることができる。この場合に形成される隔壁と基板間の隙間や対向配置した隔壁間の隙間を、表示媒体とする粒子群の平均粒子径よりも小さくすると粒子の偏在防止効果を損なわないので好ましい。このようにして表示画面領域における2枚の基板の接合点を減らすと、情報表示用パネルが曲げられたときに変形による応力が集中する点を減らすことができるので、破損を効果的に回避することができる。
【0032】
本発明の情報表示用パネルに電極を設ける場合、電極の形成材料としては、アルミニウム、銀、ニッケル、銅、金等の金属類や酸化インジウム錫(ITO)、酸化インジウム、亜鉛ドープ酸化インジウム(IZO)、アルミニウムドープ酸化亜鉛(AZO)、アンチモン錫酸化物(ATO)、導電性酸化錫、導電性酸化亜鉛等の透明導電金属酸化物類、ポリアニリン、ポリピロール、導電性高分子であるPEDOT:PSS(
poly-(3,4-ethylenedioxythiophene)-poly-(styrenesulfonate))等のポリチオフェン類などの透明導電性高分子類が例示され適宜選択して用いられる。電極の形成方法としては、上記例示の材料をスパッタリング法、真空蒸着法、CVD(化学蒸着)法、塗布法等で薄膜状に形成する方法や、導電剤を溶媒や合成樹脂バインダーに混合して塗布したりする方法が用いられる。情報表示用パネルの基板に設ける電極であって、観察側となる基板の表示画面領域に設ける電極は透明である必要があるが、それ以外の領域に設ける電極は透明である必要はない。いずれの場合もパターン形成可能で導電性である上記材料を好適に用いることができる。なお、電極厚みは、導電性が確保できれば良く、好ましくは0.05μm〜10μmであり、より好ましくは0.1μm〜5μmである。情報表示用パネルの基板に設ける電極であって、観察側となる基板の表示画面領域に設ける電極の材質や厚みは、上述した以外に光透過性を考慮して決められ、例示した材料のうち酸化インジウム錫(ITO)、酸化インジウム、亜鉛ドープ酸化インジウム(IZO)、アルミニウムドープ酸化亜鉛(AZO)、アンチモン錫酸化物(ATO)、導電性酸化錫、導電性酸化亜鉛等の透明導電金属酸化物類、ポリアニリン、ポリピロール、導電性高分子であるPEDOT:PSS(poly-(3,4-ethylenedioxythiophene)-poly-(styrenesulfonate))等のポリチオフェン類などの透明導電性高分子類が例示され適宜選択して用いられる。
【0033】
表示媒体として、帯電性粒子を含んだ粒子群を用いる場合、表示媒体用粒子には、その主成分となる樹脂に、必要に応じて、荷電制御剤、着色剤、無機添加剤等を含ませることができる。帯電性粒子を含んだ粒子群以外にも、例えば、導電性粒子、コレステリック液晶などを用いてもよい。半分ずつ2色かつ異なる帯電極性を施された粒子を電界で回転させて表示する方式、コレステリック液晶に電圧を付与して相状態を変化させて表示する方式を採用することもできる。上記した表示媒体及び表示方式を採用することで、一度表示させた状態を、次に書き換えるまで保持する表示メモリー性を得ることができる。したがって、これら表示媒体及び表示方式は、電子ペーパーとしての使用に適している。このうち、帯電性粒子を含んだ粒子群を、気体中(真空を含む)で移動する方式は、粒子群を配置したパネル内面において粒子群が移動した基板に付着するメカニズムが働くので高い表示メモリー性が得られるため、特に好ましい。
【0034】
<本発明の情報表示用パネルを用いた電子ペーパーについて>
次に、外部の駆動装置と接続して用いる電子ペーパーの構成について説明する。
図7は、図5(a)に示した情報表示用パネル11に、表示すべき情報の駆動電圧を制御して情報表示用パネルの電極に印加するドライバーIC、シリアル信号をパラレル信号に変換するシリアル−パラレル変換手段、別体の駆動装置から伝達されるシリアル信号を受け取る接続用端子コネクターを設けることで構成した電子ペーパーの構成の一例を説明するためのブロック図である。図7に示す例において、図5(a)に示す例と同一の部材には同一の符号を付しており、14,15はドライバーIC、16はシリアル−パラレル変換手段、17は接続用端子コネクターであり、これらで電子ペーパー18を構成する。図7に示す例において、前面側(観察側)基板の画素用電極は異方導電膜(ACF)で背面側基板に設けられた駆動側との接続電極と基板間導通している。情報表示用パネルの前面側基板に形成されたロウ方向のストライプ電極は、背面側基板のドライバーIC14との接続用電極にACF接続で引き回され、背面側基板に形成されたカラム方向のストライプ電極は背面側基板のドライバーIC15との接続用電極に引き回され、ドライバーIC14及びドライバーIC15はいずれも、ドライバーICチップが直接背面側基板に実装されている。ドライバーIC14及びドライバーIC15はそれぞれロウ側ストライプ電極数以上の出力側端子、カラム側ストライプ電極数以上の出力側端子を有するものを用いる。
【0035】
ドライバーICを基板に直接実装する他にも、ドライバーICが搭載されたフレキシブル基板(テープキャリアパッケージ:TCPと言うこともある)やドライバーICが搭載されたフレキシブルケーブルを情報表示用パネルの基板に実装する方法を採ることもできる。
【0036】
複数のドライバーIC14及び複数のドライバーIC15と、シリアル−パラレル変換手段16のパラレルポート間では、駆動装置側から受け取ったシリアルデータ信号を変換したパラレルデータ信号が伝達される。このとき、複数のドライバーIC14及び複数のドライバーIC15に対してシリアル−パラレル変換手段16を1つ配置して、さらにこのシリアル−パラレル変換手段16の先に、駆動装置との接続端子コネクターを1つ配置する構成にすることもできる。また、複数のドライバーIC14及び複数のドライバーIC15それぞれに対してシリアル−パラレル変換手段16を配置して、さらにこの複数のシリアル−パラレル変換手段16の先に、駆動装置との接続端子コネクター17をそれぞれ配置する構成にすることもできる。
前者では、シリアル−パラレル変換手段16及び接続端子コネクター17が各1つで済むが、接続端子コネクター17の接続端子数が、少なくともドライバーICの数だけ必要になる。後者では、シリアル−パラレル変換手段16及び接続端子コネクター17が、少なくともドライバーICの数だけ必要になるが、接続端子コネクター17の接続端子数はデータ伝達用の1本と、グランド接続用の1本との2本で済む。従って、電子ペーパー18を駆動装置に着脱するときの容易性と情報を書き換える際の書き換え速度とを勘案して、どちらかを選択して採用すれば良い。
【0037】
図7に示す電子ペーパー18によれば、情報を表示する際に、接続用端子コネクター17を用いて電子ペーパー18を駆動装置(別体の装置の一例でここでは図示せず)と接続することで、上記情報の表示を行い、表示メモリー性を利用して、表示させた情報を維持した状態で、駆動装置と切り離して単独で情報の表示を行うことができる。
【0038】
なお、上述した例では、電子ペーパーが備える情報表示用パネルとして図1に示す複数のストライプ電極に信号を伝達するパッシブ駆動方式のものを使用したが、情報表示用パネルとして図2に示すTFTを利用したアクティブ駆動方式のものを使用する場合でも、TFT付き電極に伝達する信号を上述した例と同様に処理することができる。
【0039】
<本発明の情報表示用パネルを備えた電子ペーパーを用いた情報表示システムについて>
さらに、以下に本発明の情報表示用パネルを備えた電子ペーパーを用いた情報表示システムについて説明する。図8は、本発明の情報表示システムの一例を説明するためのブロック図である。図中、図7と同一の部材には同一の符号を付しており、19はパラレル信号をシリアル信号に変換するシリアル−パラレル変換手段、20はロジックコントローラ、21は電源供給手段、22はCPU、23は各種のデータを記憶するメモリー、24はデータ信号を表示媒体駆動に必要な電圧レベルに昇圧する昇圧回路であり、19〜24で駆動装置25を構成し、電子ペーパー18と駆動装置25とから情報表示システムを構成する。
なお、情報表示システムは、図示しない、外部とデータを少なくとも受信できる通信手段を含んでいる。さらに、通信手段、ロジックコントローラ、昇圧回路を有しない構成にすることもできる。
【0040】
駆動装置25内でのデータ信号の授受はパラレルで行い、駆動装置25からのデータ信号の出口に配置したシリアル−パラレル変換手段19で、データ信号をパラレル信号からシリアル信号に変換する。すなわち、シリアル−パラレル変換手段19においては、パラレルポートから入ったパラレル信号を変換して、シリアルポートからシリアル信号として駆動装置の接続用端子コネクターに送り出すことになる。一方、電子ペーパー18側では、駆動装置で形成されたデータ信号の入り口に配置した電子ペーパーの接続用端子コネクターと接続しているシリアル−パラレル変換手段16のシリアルポートから入ったシリアル信号を変換して、パラレルポートからパラレル信号としてドライバーIC13,14に送り出すことになる。電子ペーパー18と駆動装置25とを装着するとともにデータ信号伝送ラインを接続する、接続用端子コネクター17は、駆動装置側のコネクターと電子ペーパー側のコネクターとでシリアル信号を伝達するための信号線数及び1本のグランド信号線を有していればよいので、接続する必要がある信号線端子数を少なくすることができる。例えば、市販のUSBコネクターのような、端子数が4本のコネクターを採用することができるほか、極端な例では、データ信号線とグランド端子線との2端子数のコネクターを用いることもできる。コネクターの端子数は少ない方が接続を容易にできるが、一方で、データ信号を伝達するのに時間が掛かるようになり表示書換えに時間を要することになるため、端子数は4本〜16本の範囲にする。
接続用端子コネクター17を配置する位置は、ドライバーIC配置位置付近とし、ドライバーIC配置領域に対応して設ける補強板で補強された領域とすると、駆動装置側に電子ペーパーを着脱する際に接続用端子コネクターに負荷が掛かっても接続用端子コネクターが破損しにくくなるので好ましい。
【0041】
図8では、シリアル−パラレル変換手段16を電子ペーパー内のドライバーICの手前に配置する電子ペーパーの基本的な構成を示しているが、図9に示すように、このシリアル−パラレル双方向変換手段16の機能をドライバーIC14,15に含ませることもできる。
【0042】
図8または図9に示す情報表示システムにおいては、電子ペーパー18と駆動装置25との間でデータ信号をシリアル信号として伝達することで、電子ペーパー18と駆動装置25との接続に用いる信号線を少なくすることができるため、簡単な構成で電子ペーパー18と駆動装置25との着脱自在な接続を達成することができる。また、1つの駆動装置25を用いて電子ペーパー18を付け替えることで、複数の電子ペーパー18に対し1つの駆動装置25のみで情報の表示を行うことができる。したがって、この情報表示システムによれば、複数の電子ペーパー18をそれぞれ、駆動装置に簡単に接続して情報を書き換え、書き換えた後は、駆動装置から簡単に取り外して、情報が表示されたまま持ち歩くことができる。その際、電子ペーパー18の情報表示用パネルは、フレキシブル性を調整されているため、破損につながる局所的な撓みを生じることがなく、優れた携帯性を発揮することができる。
【実施例1】
【0043】
<情報表示用パネルのフレキシブル性評価>
図5、図6に示した本発明に従う情報表示用パネルを各種作成し、それぞれについて、点押し装置を用いて、パネルの表示領域中央部に荷重をかけ、当該荷重を増加させていったときに、どれくらいの荷重で情報表示パネルが破損するかについての評価を行った。具体的には、50mm×50mmの穴が開いたSUS板の上に情報表示パネルを置き、穴の中心部を情報表示用パネルの上から、直径10mmの半球状のゴムが先端に取り付けられた棒を用いて垂直に押し込み、荷重を徐々に増やしていきパネルが破損するときの力を測定した。押し込みの荷重は人が手で扱う時の力を考慮し100[N]まで加えた。また、同一スペックの情報表示用パネル5枚について得た破壊時の荷重の平均値をパネルが破壊した荷重とした。
【0044】
なお、参考のため、情報表示用パネルのフレキシブルな基板の厚みを厚くした場合(比較例1)、情報表示用パネルのフレキシブルな基板の厚みを薄くした場合(比較例2)についても同様の評価を行った。これらの結果を併せて表1に示す。
【0045】
【表1】

【0046】
フレキシブル性の評価結果は、表1に示したとおり、補強板のないものは、きわめて小さな力で情報表示用パネルが破損してしまった。また基材フィルムを厚くすることで局所的な変形は少なくなりわずかに強度は増したが、今度は情報表示パネル全体が剥がれてしまうような破壊となった。発明例1では比較的固い補強板としてガラエポの板を用い、それを固いエポキシ接着剤で貼り合わせた。その結果、補強板なしと比べると大幅に強度は向上した。発明例2,3では、さらに貼り合わせ材としてアクリル粘着剤やシリコーン粘着剤を用いたところ、100Nの力で変形させても情報表示パネルが破壊することはなかった。また、発明例4,5,6では、ガラエポ板に比べ柔らかく撓みやすいアクリル板を補強板として用いた。貼り合わせ材として発明例4ではエポキシ接着剤を用いた。補強板なしと比べると大幅に強度は向上した。さらに発明例5,6では、貼り合わせ材としてアクリル粘着剤、シリコーン粘着剤を用いたところ、どちらも100Nの力を加えても破壊しなかった。なお、発明例1〜6は、それぞれ、図5(a)、図5(b)及び図6のいずれの貼り合せ方法を用いた場合でも同様の結果となった。また、発明例1〜6についてはいずれも、情報表示用パネルの両端を両手で持って曲げると、全体として撓むことからフレキシブル性も有していた。
【0047】
以上により、本発明に従う情報表示用パネルによれば、局所的な過度の撓みを防止し、かつ、情報表示用パネル全体では適度なフレキシブル性を得ることができることが確認された。
【産業上の利用可能性】
【0048】
本発明の情報表示用パネルを用いた電子ペーパーは、表示メモリー性を有する情報表示用パネル、ドライバーIC、接続用端子コネクターを備えた電子ペーパーとして構成して、例えば、携帯用電子ペーパーとして使用することができる。このような構成にすれば、駆動装置(表示情報の書き換え装置)と容易に着脱できる電子ペーパーとして種々の利用法が可能となる。本発明の情報表示用パネルは、適度なフレキシブル性を備え、かつ、情報表示用パネルに適度なフレキシブル性を付与しつつ、情報表示用パネルに局所的な撓みを発生させないようにして情報表示用パネルの破損を回避できるようにしているので、情報を表示させた後、円柱の側面のように凸状に湾曲した平面に沿って撓めて掲示したり、壁面のコーナー部のように凹状に湾曲した平面に沿って撓めて掲示したりすることもできる。本発明の情報表示用パネルを用いた電子ペーパーに接続して表示情報を書き換えるための駆動装置として、ノートパソコンや電子手帳、携帯情報端末であるPDA(Personal Digital Assistant、あるいは、Personal Data Assistantと表現される)、携帯電話機、ハンディーターミナルや携帯型メディアプレーヤーなどを使用することができる。これらの機器と接続して用いる場合、これら携帯機器のメインディスプレイとして用いることが可能であるとともに、低消費電力のサブディスプレイとしての利用も可能である。
【符号の説明】
【0049】
1、2 フレキシブルな基板
3W 白色表示媒体
3Wa 負帯電性白色粒子
3B 黒色表示媒体
3Ba 正帯電性黒色粒子
4 基板間ギャップ確保用隔壁
5、6 電極
7 セル
8 接合材(接着剤)
9 絶縁液体
9BL 青色絶縁液体
10 絶縁液体入りカプセル
11 情報表示用パネル
12 補強用シート
13 貼り合せ材(粘着剤)
13a 全面に設けた貼り合せ材(粘着剤)
13b 3層構造とした貼り合せ材
13b-1 ゲル状シート
13b-2 粘着剤
14、15 ドライバーIC
16 シリアル−パラレル変換手段
17 接続用端子コネクター
18 電子ペーパー
19 シリアル−パラレル変換手段
20 ロジックコントローラ
21 電源供給手段
22 CPU
23 メモリー
24 昇圧回路
25 駆動装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板間ギャップを隔壁で確保されて互いに対向する2枚のフレキシブルな基板間に、表示メモリー性を有する表示媒体を封入し、該表示媒体を基板間で駆動させて情報を表示する情報表示用パネルにおいて、
上記情報表示用パネルの少なくともいずれか一方の基板の外側面に対して補強用シートを貼り合せ材を介して貼り合せたことを特徴とする、情報表示用パネル。
【請求項2】
前記情報表示用パネルの少なくともいずれか一方の基板の外側面に対して補強用シートを貼り合せ材を介して貼り合せる際に、貼り合せ材を上記情報表示用パネルの当該基板全面に配置したことを特徴とする、請求項1に記載の情報表示用パネル。
【請求項3】
前記貼り合せ材が、粘着剤を含み、前記貼り合せ材の粘着剤を介して、前記情報表示用パネルの少なくともいずれか一方の基板と補強用シートとを貼り合せたことを特徴とする、請求項1または2に記載の情報表示用パネル。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−103444(P2012−103444A)
【公開日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−251306(P2010−251306)
【出願日】平成22年11月9日(2010.11.9)
【出願人】(000005278)株式会社ブリヂストン (11,469)
【Fターム(参考)】