説明

情報表示装置および情報表示装置へのパネルの取付け方法

【課題】パネルに多様な材料が採用可能であり、取り付けられたパネルが変形、移動して情報表示面部に表示された情報が見づらくなることや、外力によってパネルが離脱してしまうのを抑制すること。
【解決手段】情報を表示する電子表示面31を有する装置本体32と、装置本体32に設けられ、情報表示面部11を備えたパネル10を着脱自在に保持するパネル保持手段33と、を備え、パネル保持手段33は、情報表示面部11と同一面状に形成された被保持部が挿入されるスロット部を備え、スロット部は、電子表示面の径方向に開口しつつ周方向に延設され、径方向から見て同一直線から外れた部分を有している情報表示装置30を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば小売販売店等で商品の値段や文字情報などを表示する情報表示装置および情報表示装置へのパネルの取付け方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、スーパーマーケット等の小売販売店では、商品価格を表示させた情報表示装置を商品陳列棚に取り付けて集中管理している。例えば日毎、週毎などで変わる商品の値段表示を、その対象商品の情報表示装置に信号を送信することで容易にかつ効率的に変更することができるようになっている。
この種の情報表示装置として、とくにサービス商品などを顧客に対して目立たせるために、例えば、下記特許文献1に示されるような、文字や数字を表示させたパネルが着脱可能に取り付けられているものが知られている。
【0003】
下記特許文献1記載のパネル(カードホルダ)は、カードの表示面を前方に向けて保持する情報表示面部(カード保持部)と、情報表示面部に対して後方に突出するように設けられた被保持部(取り付け片)とを備えている。被保持部は、情報表示面部から後方に向けて屈曲されることで形成されており、被保持部と情報表示面部との連結部分は屈曲されている。
また、被保持部がほぼ中央部で前方に折り返されることにより互いに重なり合う第1取り付け部および第2取り付け部が形成され、第1取り付け部および第2取り付け部のうち一方の取り付け部に孔部が設けられている。
【0004】
また、下記特許文献1記載の情報表示装置(表示本体部)は、パネルの第1取り付け部および第2取り付け部が挿入される挿入部を有し、挿入部内にパネルの孔部に係合する突起部が設けられている。さらに、情報表示装置は、情報を表示する電子表示面を備え、挿入部は、電子表示面に交差する方向に開口された差込口となっている。
そして、差込口にパネルの被保持部が挿入されることで、差込口内の突起部に被保持部の孔部が係合され、情報表示面部を電子表示面と略平行とした状態でパネルが情報表示装置に取り付けられるようになっている。
【0005】
このような下記特許文献1記載の情報表示装置およびパネルによれば、突起部に孔部が係合されているので、例えば情報表示装置が取り付けられた棚内に手を入れる際や、棚内から手を抜き出す際などに、電子表示面に交差する方向から情報表示面部に外力が加えられたとしても、差込口から被保持部が外れてパネルが情報表示装置から離脱してしまうのを抑制することができると考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第4111757号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、前記従来の情報表示装置では、以下に示す問題があった。
まず、被保持部と情報表示面部との連結部分が屈曲されていることから、この連結部分の屈曲の程度が経時変化しパネルが変形することで、情報表示面部が電子表示面と略平行な状態から大きく傾いてしまうという問題があった。なお、このように情報表示面部が大きく傾いた場合には、情報表示面部に表示された情報が見づらくなるという問題がある。
【0008】
さらに、前記連結部分の屈曲の程度を同一状態で長期間維持してパネルの変形を抑制するためには、屈曲された形状を維持可能な材料(例えばプラスチック製シートなど)でパネルを形成する必要があり、パネルに採用可能な材料が限られてしまうという問題があった。
【0009】
また、電子表示面に交差する方向から情報表示面部に外力が加えられたときにパネルが情報表示装置から離脱するのを抑制するためには、前記孔部を被保持部に高精度に形成しなくてはならず、パネルの加工が困難であるという問題がある。
さらに、このようにパネルが情報表示装置から離脱するのを抑制したとしても、電子表示面に交差する方向から情報表示面部に外力が加えられたときに、差込口内で突起部を中心に被保持部が回動し、パネルが情報表示装置に対して相対的に移動してしまうという問題がある。なお、このように被保持部が回動した場合には、情報表示面部の向きが変わり、情報表示面部に表示された情報が見づらくなるという問題がある。
【0010】
本発明は、前述した事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、パネルに多様な材料が採用可能であり、取り付けられたパネルが変形、移動して情報表示面部に表示された情報が見づらくなることや、外力によってパネルが離脱してしまうのを抑制することができる情報表示装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記課題を解決するために、本発明は以下の手段を提案している。
本発明に係る情報表示装置は、情報を表示する電子表示面を有する装置本体と、前記装置本体に設けられ、情報表示面部を備えたパネルを着脱自在に保持するパネル保持手段と、を備える情報表示装置であって、前記パネル保持手段は、前記情報表示面部と同一面状に形成された被保持部が挿入されるスロット部を備え、前記スロット部は、前記電子表示面の径方向に開口しつつ周方向に延設され、前記径方向から見て同一直線から外れた部分を有していることを特徴とする。
【0012】
ここで、電子表示面の径方向とは、電子表示面の中心から電子表示面に沿って放射状に延びる方向を意味し、電子表示面の周方向とは、電子表示面の輪郭に沿う方向を意味する。
この発明によれば、スロット部が、径方向に開口しつつ周方向に延設されているので、情報表示面部と被保持部との連結部分を屈曲させることなく、スロット部に径方向の外側から被保持部を挿入することで、情報表示面部を電子表示面と略平行とした状態でパネル保持手段によってパネルを保持することができる。
しかも、スロット部が、径方向から見て同一直線から外れた部分を有しているので、スロット部に被保持部を挿入することで、情報表示面部が径方向から見て湾曲形状をなすこととなり、情報表示面部において湾曲した部分を径方向に延びるリブとして作用させることができる。
【0013】
以上より、情報表示面部と被保持部との連結部分を屈曲させず、かつ情報表示面部を湾曲させることでリブ効果を奏功させた状態で、パネル保持手段によってパネルを保持することが可能になり、当該情報表示装置に取り付けられるパネルが変形するのを抑制することができる。
しかも、情報表示面部と被保持部との連結部分を屈曲させる必要がないので、パネルの材料として、屈曲された形状を維持可能な材料だけでなく、例えば紙など多様な材料を採用することができる。
【0014】
また、スロット部が、径方向に開口しつつ周方向に延設されているので、電子表示面に交差する方向から情報表示面部に加えられる外力を起因として、スロット部に挿入された被保持部が、スロット部内でぐらついてしまったり、スロット部から外れてしまったりするのを抑制することができる。したがって、取り付けられたパネルが当該情報表示装置に対して相対的に移動してしまったり、当該情報表示装置から離脱してしまったりするのを抑制することができる。
【0015】
また、被保持部がスロット部から外れてしまうのが抑制されることから、前記従来の情報表示装置のように、パネルに孔部を形成した上で、孔部を突起部に係合させるといった必要がない。これにより、前述のように多様な材料を採用できることと相俟ってパネルを容易に加工することができるとともに、パネルを当該情報表示装置に容易に取り付けることができる。
【0016】
また、前記パネル保持手段は、前記装置本体の外面に突設されるとともに前記周方向に互いに間隔をあけて配設された複数の保持部材を備え、前記スロット部は、前記周方向に分割形成されるとともに前記複数の保持部材に各別に形成された複数のスロット分割部で構成され、前記各スロット分割部は、隣接する前記スロット分割部側が開口していても良い。
【0017】
この場合、各スロット分割部において、隣接するスロット分割部側が開口しているので、被保持部を複数に分割形成せずにスロット部に挿入することが可能になり、パネルの加工をより容易に行うことができる。
すなわち、例えば各スロット分割部において、隣接するスロット分割部側が開口していない場合には、被保持部を分割形成して複数設ける必要があるため、パネルの加工に手間がかかる。しかしながら、各スロット分割部において、隣接するスロット分割部側が開口しているので、連続形成した一連の被保持部を、各スロット分割部、および隣接する保持部材間の隙間に挿入することができる。したがって、パネルの加工をより容易に行うことができる。
【0018】
また、前記スロット部は、前記周方向に連続形成され一連となっていても良い。
【0019】
この場合、スロット部が、周方向に連続形成され一連となっているので、被保持部を複数に分割形成せずにスロット部に挿入することが可能になり、パネルの加工をより容易に行うことができる。
すなわち、例えばスロット部が、周方向に分割形成された複数のスロット分割部で構成されている場合には、被保持部を分割形成して複数設ける必要があるため、パネルの加工に手間がかかる。しかしながら、スロット部が、周方向に連続形成され一連となっているので、一連の被保持部を連続形成すればよく、パネルの加工をより容易に行うことができる。
【0020】
また、前記スロット部は、前記径方向の外側の開口幅が内側の開口幅よりも大きくなっていても良い。
【0021】
この場合、スロット部において、径方向の外側の開口幅が内側の開口幅よりも大きくなっているので、スロット部に径方向の外側から被保持部を容易に挿入することが可能になり、パネルを当該情報表示装置により容易に取り付けることができる。
つまり、例えばスロット部の開口幅が径方向の位置によらず一定の場合には、スロット部の開口幅を全長にわたって、スロット部に被保持部が挿入されたときに情報表示面部が所望の湾曲形状をなす程度小さく設定する必要がある。そのため、スロット部の径方向の外側において、開口幅を小さくせざるを得ないことから、被保持部を挿入しにくくなる恐れがある。しかしながら、スロット部において、径方向の外側の開口幅を内側の開口幅よりも大きくすることで、径方向の内側の開口幅を、スロット部に被保持部が挿入されたときに情報表示面部が所望の湾曲形状をなす程度小さく設定すれば、径方向の外側の開口幅を、被保持部を挿入し易い程度大きく設定することができる。
【0022】
また、本発明に係る情報表示装置は、情報を表示する電子表示面を有する装置本体と、前記装置本体に設けられ、情報表示面部を備えたパネルを着脱自在に保持するパネル保持手段と、を備える情報表示装置であって、前記パネル保持手段は、前記装置本体の外面から前記電子表示面の径方向に立設され、前記電子表示面の周方向に離間配置された少なくとも3つの保持柱部を備えていることを特徴とする。
【0023】
この発明によれば、保持柱部が、径方向に立設されているので、情報表示面部とこの情報表示面部と同一面状に形成された被保持部との連結部分を屈曲させることなく、隣接する保持柱部間の隙間に径方向の外側から被保持部を挿入することで、情報表示面部を電子表示面と略平行とした状態でパネル保持手段によってパネルを保持することができる。
しかも、保持柱部が少なくとも3つ備えられているので、保持柱部間の隙間に被保持部を挿入する際、隣接する保持柱部において、保持柱部に対する被保持部の位置が電子表示面に交差する方向で互い違いになるようにパネルを湾曲させながら挿入することで、情報表示面部が径方向から見て湾曲形状をなすこととなり、情報表示面部において湾曲した部分を径方向に延びるリブとして作用させることができる。
【0024】
以上より、情報表示面部と被保持部との連結部分を屈曲させず、かつ情報表示面部を湾曲させることでリブ効果を奏功させた状態で、パネル保持手段によってパネルを保持することが可能になり、当該情報表示装置に取り付けられるパネルが変形するのを抑制することができる。
しかも、情報表示面部と被保持部との連結部分を屈曲させる必要がないので、パネルの材料として、屈曲された形状を維持可能な材料だけでなく、例えば紙など多様な材料を採用することができる。
【0025】
また、隣接する保持柱部において、保持柱部に対する被保持部の位置が電子表示面に交差する方向で互い違いになるようにパネルを湾曲させながら挿入することで、被保持部を保持柱部に電子表示面に交差する方向に係止させることができる。これにより、電子表示面に交差する方向から加えられる外力を起因として、パネルが当該情報表示装置から離脱してしまうのを抑制することができる。したがって、取り付けられたパネルが当該情報表示装置に対して相対的に移動してしまったり、当該情報表示装置から離脱してしまったりするのを抑制することができる。
【0026】
また、被保持部が情報表示装置から外れてしまうのが抑制されることから、前記従来の情報表示装置のように、パネルに孔部を形成した上で、孔部を突起部に係合させるといった必要がない。これにより、前述のように多様な材料を採用できることと相俟ってパネルを容易に加工することができるとともに、パネルを当該情報表示装置に容易に取り付けることができる。
【0027】
また、本発明に係る情報表示装置へのパネルの取付け方法は、前記パネルは、情報表示面部と、前記情報表示面部と同一面状に形成された被保持部と、を備え、前記情報表示装置は、情報を表示する電子表示面を有する装置本体と、前記装置本体に設けられ、前記パネルを着脱自在に保持するパネル保持手段と、を備え、前記パネル保持手段は、前記被保持部が挿入されるスロット部を備え、前記スロット部は、前記電子表示面の径方向に開口しつつ周方向に延設され、前記スロット部の前記周方向の長さは、前記被保持部の前記周方向の長さより短く形成され、前記スロット部に前記被保持部を挿入することにより、前記情報表示装置に前記パネルを取り付けることを特徴とする。
【0028】
この発明によれば、スロット部に径方向の外側から被保持部を挿入することで、情報表示面部と被保持部との連結部分を屈曲させることなく、情報表示面部を電子表示面と略平行とした状態でパネル保持手段によってパネルを保持することができる。
しかも、スロット部の周方向の長さが、被保持部の周方向の長さよりも短くなっているので、スロット部に被保持部を挿入することで、情報表示面部が径方向から見て湾曲形状をなすこととなり、情報表示面部において湾曲した部分を径方向に延びるリブとして作用させることができる。
【0029】
以上より、情報表示面部と被保持部との連結部分を屈曲させず、かつ情報表示面部を湾曲させることでリブ効果を奏功させた状態で、パネル保持手段によってパネルを保持することが可能になり、情報表示装置に取り付けられるパネルが変形するのを抑制することができる。
しかも、情報表示面部と被保持部との連結部分を屈曲させる必要がないので、パネルの材料として、屈曲された形状を維持可能な材料だけでなく、例えば紙など多様な材料を採用することができる。
【0030】
また、スロット部が、径方向に開口しつつ周方向に延設されているので、電子表示面に交差する方向から情報表示面部に加えられる外力を起因として、スロット部に挿入された被保持部が、スロット部内でぐらついてしまったり、スロット部から外れてしまったりするのを抑制することができる。したがって、取り付けられたパネルが情報表示装置に対して相対的に移動してしまったり、情報表示装置から離脱してしまったりするのを抑制することができる。
【0031】
また、被保持部がスロット部から外れてしまうのが抑制されることから、前記従来の情報表示装置のように、パネルに孔部を形成した上で、孔部を突起部に係合させるといった必要がない。これにより、前述のように多様な材料を採用できることと相俟ってパネルを容易に加工することができるとともに、パネルを情報表示装置に容易に取り付けることができる。
【0032】
また、本発明に係る情報表示装置へのパネルの取付け方法は、前記パネルは、情報表示面部と、前記情報表示面部と同一面状に形成された被保持部と、を備え、前記情報表示装置は、情報を表示する電子表示面を有する装置本体と、前記装置本体に設けられ、前記パネルを着脱自在に保持するパネル保持手段と、を備え、前記パネル保持手段は、前記被保持部が挿入されるスロット部を備え、前記スロット部は、前記電子表示面の径方向に開口しつつ周方向に延設され、前記被保持部は、前記情報表示面部と連結された主面部と、前記主面部との連結部分で折り返されることで前記主面部に折り重ねられた折重ね部と、を備え、前記折重ね部には、前記被保持部が前記スロット部に挿入されたときに、前記スロット部の周縁部に前記径方向に係合する係合部が形成され、前記スロット部に前記被保持部を挿入することにより、前記情報表示装置に前記パネルを取り付けることを特徴とする。
【0033】
この発明によれば、スロット部に径方向の外側から被保持部を挿入することで、情報表示面部と被保持部との連結部分を屈曲させることなく、情報表示面部を電子表示面と略平行とした状態でパネル保持手段によってパネルを保持することができる。
したがって、情報表示面部と被保持部との連結部分を屈曲させずにパネル保持手段によってパネルを保持することが可能になり、情報表示装置に取り付けられるパネルが変形するのを抑制することができる。
しかも、情報表示面部と被保持部との連結部分を屈曲させる必要がないので、パネルの材料として、屈曲された形状を維持可能な材料だけでなく、例えば紙など多様な材料を採用することができる。
【0034】
また、スロット部が、径方向に開口しつつ周方向に延設されているので、電子表示面に交差する方向から情報表示面部に加えられる外力を起因として、スロット部に挿入された被保持部が、スロット部内でぐらついてしまったり、スロット部から外れてしまったりするのを抑制することができる。
しかも、折重ね部に、前記係合部が形成されているので、被保持部がスロット部に挿入された状態で、仮に径方向に沿った外力がパネルに加えられた場合であっても、係合部がスロット部の周縁部に係合することで、被保持部がスロット部から外れてしまうのを抑制することができる。
以上より、取り付けられたパネルが情報表示装置に対して相対的に移動してしまったり、情報表示装置から離脱してしまったりするのを抑制することができる。
【0035】
また、被保持部がスロット部から外れてしまうのが抑制されることから、前記従来の情報表示装置のように、パネルに孔部を形成した上で、孔部を突起部に係合させるといった必要がない。これにより、前述のように多様な材料を採用できることと相俟ってパネルを容易に加工することができるとともに、パネルを情報表示装置に容易に取り付けることができる。
【0036】
また、前記折重ね部は、前記連結部分で前記周方向に折り返され、前記折重ね部の先端には、前記周方向に延びる切り込み部が形成され、前記係合部は、前記切り込み部の周縁部のうちの前記径方向の外側を向く部分であっても良い。
【0037】
この場合、係合部が、切り込み部の周縁部のうちの径方向の外側を向く部分であるので、単に折重ね部の先端に前記切り込み部を形成するだけで、係合部を形成することが可能になり、パネルをより容易に加工することができる。
【発明の効果】
【0038】
本発明によれば、パネルに多様な材料が採用可能であり、取り付けられたパネルが変形、移動して情報表示面部に表示された情報が見づらくなることや、外力によってパネルが離脱してしまうのを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明の第1実施形態に係る取付け構造体の正面側からの斜視図である。
【図2】図1に示す取付け構造体の背面側からの斜視図である。
【図3】図2に示す取付け構造体における情報表示パネル近傍の拡大斜視図である。
【図4】図1から図3に示す取付け構造体における情報表示パネルの正面図である。
【図5】図4に示す情報表示パネルの展開図である。
【図6】図1から図3に示す取付け構造体の上面図である。
【図7】本発明の第2実施形態に係る取付け構造体における情報表示パネル近傍の拡大斜視図である。
【図8】図7に示す取付け構造体における情報表示パネルの展開図である。
【図9】本発明の第1および第2実施形態に係る取付け構造体の変形例の上面図である。
【図10】本発明の第1および第2実施形態に係る取付け構造体における情報表示装置の変形例を示す上面図である。
【図11】本発明の第1および第2実施形態に係る取付け構造体における情報表示装置の変形例を示す上面図である。
【図12】本発明の第3実施形態に係る取付け構造体の上面図である。
【図13】図12に示す取付け構造体における情報表示パネル近傍の拡大斜視図である。
【図14】本発明の第4実施形態に係る取付け構造体の上面図である。
【図15】本発明の第4実施形態に係る取付け構造体の変形例の上面図である。
【図16】本発明の第5実施形態に係る取付け構造体の上面図である。
【図17】図16に示す断面矢視A−A図である。
【図18】図16に示す断面矢視B−B図である。
【図19】本発明の第6実施形態に係る取付け構造体の上面図である。
【図20】図19に示す取付け構造体のスロット部および被保持部の長さを説明するための図である。
【図21】本発明の第7実施形態に係る取付け構造体の背面側からの斜視図である。
【図22】図21に示す取付け構造体の上面図である。
【図23】本発明の第7実施形態に係る取付け構造体の変形例の上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
(第1実施形態)
以下、図面を参照し、本発明の第1実施形態に係る情報表示パネル(パネル)と情報表示装置との取付け構造体を説明する。
図1および図2に示すように、情報表示パネルと情報表示装置との取付け構造体1(以下、単に取付け構造体1という)は、任意の情報を表示可能な情報表示パネル10と、この情報表示パネル10が取り付けられる情報表示装置30と、を備えている。
【0041】
(情報表示パネル)
図3から図5に示すように、情報表示パネル10は、情報表示面部11と、情報表示面部11と同一面状に形成された被保持部12と、を備えており、図5に示すように、これらの情報表示面部11および被保持部12が、シート状体(例えば紙など)で一体に形成されてなる。
情報表示面部11の表面11aは、例えば印刷、貼り付け、手書き等の方法により任意の情報が表示可能とされている。また情報表示面部11は、平面視矩形状をなしている。
【0042】
図4に示すように、被保持部12は、情報表示面部11の辺部のうちの一つである底辺部11bに連結されている。また、被保持部12は、前記底辺部11bに沿って間隔をあけて2つ配設され、つまり分割形成されている。
被保持部12は、情報表示面部11と連結された主面部13と、主面部13との連結部分14aで折り返されることで主面部13に折り重ねられた折重ね部14と、を備えている。
【0043】
図5に示すように、主面部13は、平面視矩形状に形成されるとともに一つの辺部が前記底辺部11bに連結されている。
折重ね部14は、主面部13との連結部分14aで折り返される前の状態において、情報表示面部11および主面部13と面一であるとともに、主面部13から前記底辺部11bに沿った内側に向けて延在している。さらに折重ね部14は、平面視で主面部13と同等もしくは主面部13よりも若干小さく形成されている。
【0044】
そして、図3に示すように、折重ね部14は、前記連結部分14aで前記底辺部11bに沿った外側に折り返されるとともに、基端から先端に向かうに連れて漸次、主面部13から離間している。なお図示の例では、折重ね部14は、情報表示面部11の裏面11c側(表面11aの反対側)に折り返されている。
また本実施形態では、折重ね部14の先端には、前記底辺部11bに沿って延びる切り込み部15が形成されている。
【0045】
(情報表示装置)
図1および図2に示すように、情報表示装置30は、情報を表示する電子表示面31を有する装置本体32と、装置本体32に設けられ情報表示パネル10を着脱自在に保持するパネル保持手段33と、を備えている。
【0046】
図1に示すように、装置本体32は、正面の中央部に開口窓34aが形成された平箱状のケース体34と、表面が前記電子表示面31とされ、ケース体34内に収容されるとともに前記開口窓34aから電子表示面31が露出された液晶パネル35とを備えている。
【0047】
本実施形態では、電子表示面31(開口窓34a)およびケース体34は、平面視矩形状に形成されており、電子表示面31の輪郭をなす各辺部が、ケース体34の輪郭をなす各辺部のうち対応するものと平行になるように、電子表示面31(開口窓34a)が配設されている。
なお以下では、電子表示面31の中心から電子表示面31に沿って放射状に延びる方向を径方向(電子表示面の径方向)といい、電子表示面31の輪郭に沿う方向を周方向(電子表示面の周方向)といい、径方向のうち、ケース体34において互いに対向する一対の側面34bと平行な方向(図1および図2の上下方向)を上下方向といい、電子表示面31に直交する方向を前後方向という。
【0048】
図2に示すように、ケース体34の背面には、蓋フレーム部36が突設されている。蓋フレーム部36は、下方に向けて開口する略U字状の外側フレーム37と、下方に向けて開口するとともに外側フレーム37の内側に配置された略U字状の内側フレーム38と、を備えている。
外側フレーム37と内側フレーム38とは、互いに間隔をあけて配置されるとともに、それぞれの下端が、上下方向で互いに一致している。
【0049】
また、ケース体34の背面において、外側フレーム37と内側フレーム38との間に位置する部分には、ケース体34の内部と外部とを連通する図示しない連通開口が形成されている。そして、外側フレーム37および内側フレーム38の間には、前記連通開口の蓋体39が配設されており、この蓋体39はケース体34に対して着脱可能に装着されている。
【0050】
以上のように構成された装置本体32は、ケース体34内に収容された図示しない基板、アンテナおよびバッテリー等により、図示しない端末から発信された情報を受信して、その情報を電子表示面31に表示できるようになっている。
【0051】
(パネル保持手段)
図2に示すように、パネル保持手段33は、被保持部12が挿入されるスロット部41と、スロット部41が形成された複数(図示の例では2つ)の保持部材42と、を備えている。
保持部材42は、周方向に互いに間隔をあけて、ケース体34の背面に突設されている。図示の例では、保持部材42は、略直方体状に形成されるとともに、外側フレーム37の外周面において上方(径方向の外側)を向く補助支持面40よりも上方に突設されている。また、各保持部材42の上下方向の位置は同等とされ、保持部材42と補助支持面40との間には、上下方向に隙間があいている。
【0052】
図2に示すように、スロット部41は、上下方向に開口しつつ周方向に延設されており、本実施形態では、周方向に分割形成されるとともに複数の保持部材42に各別に形成された複数(図示の例では2つ)のスロット分割部43で構成されている。
図6に示すように、各スロット分割部43は、上下方向から見て周方向に延びる矩形状をなすように形成されている。
【0053】
そして図6に示すように、本実施形態では、スロット部41は、上下方向から見て同一直線から外れた部分を有している。本実施形態では、スロット分割部43が、前後方向に互いに位置ずれされて形成されている。
なお、両スロット分割部43の周方向の間隔L1に対する両スロット分割部43の前後方向の間隔(ズレ量)L2の比率は、0.05以上0.20以下であることが好ましい。
【0054】
(情報表示装置への情報表示パネルの取付け方法)
以上のように構成された情報表示装置30に情報表示パネル10を取り付ける際には、図2および図3に示すように、スロット分割部43(スロット部41)に各別に被保持部12を挿入する。この際、情報表示パネル10の情報表示面部11の表面11aが前方を向いた状態で、情報表示面部11の底辺部11bが保持部材42の上端面に当接するまで挿入する。なお図示の例では、情報表示面部11の底辺部11bが保持部材42の上端面に当接したときに、被保持部12の下端縁が外側フレーム37の補助支持面40に当接するとともに、情報表示面部11の底辺部11bが周方向に沿って延びるようになっている。
【0055】
ここで、図1に示すように、スロット部41が、上下方向に開口しつつ周方向に延設されているので、情報表示面部11と被保持部12との連結部分を屈曲させることなく、スロット分割部43に上側から被保持部12を挿入することで、情報表示面部11の表面11aを電子表示面31と略平行とした状態でパネル保持手段33によって情報表示パネル10を保持することができる。
【0056】
しかも、図6に示すように、スロット部41が、上下方向から見て同一直線から外れた部分を有しているので、スロット分割部43に被保持部12を挿入することで、情報表示面部11が上下方向から見て湾曲形状をなすこととなり、情報表示面部11において湾曲した部分を上下方向に延びるリブとして作用させることができる。
【0057】
以上のようにスロット分割部43に各別に被保持部12を挿入することで、情報表示装置30へ情報表示パネル10が取り付けられ、取付け構造体1が形成される。
ここで図3に示すように、この取付け構造体1では、情報表示パネル10の被保持部12の折重ね部14において、切り込み部15の周縁部のうちの上側(径方向の外側)を向く部分が、スロット分割部43(スロット部41)の周縁部に上下方向に係合する係合部16となっている。
【0058】
本実施形態では、折重ね部14において切り込み部15よりも上側の上側部分14bは、スロット分割部43内に位置しており、上側部分14bの先端は、保持部材42によって後側から支持されている。一方、切り込み部15よりも下側の下側部分14cは、保持部材42と外側フレーム37の補助支持面40との間に設けられた隙間に位置しており、下側部分14cの先端は、保持部材42によって支持されない。その結果、前記下側部分14cの先端は、前記上側部分14bの先端よりも後方に位置することとなり、前記係合部16が、スロット分割部43の周縁部である保持部材42の下端面に下側(径方向の内側)から係合する。
【0059】
以上説明したように、本実施形態に係る情報表示装置30によれば、情報表示面部11と被保持部12との連結部分を屈曲させず、かつ情報表示面部11を湾曲させることでリブ効果を奏功させた状態で、パネル保持手段33によって情報表示パネル10を保持することが可能になり、当該情報表示装置30に取り付けられる情報表示パネル10が変形するのを抑制することができる。
しかも、情報表示面部11と被保持部12との連結部分を屈曲させる必要がないので、情報表示パネル10の材料として、屈曲された形状を維持可能な材料だけでなく、例えば紙など多様な材料を採用することができる。
【0060】
また、スロット部41が、上下方向に開口しつつ周方向に延設されているので、前後方向から情報表示面部11に加えられる外力を起因として、スロット分割部43に挿入された被保持部12が、スロット分割部43内でぐらついてしまったり、スロット分割部43から外れてしまったりするのを抑制することができる。
しかも、折重ね部14に、前記係合部16が形成されているので、被保持部12がスロット分割部43に挿入された状態で、仮に上下方向に沿った外力が情報表示パネル10に加えられた場合であっても、係合部16が保持部材42の下端面に係合することで、被保持部12がスロット分割部43から外れてしまうのを抑制することができる。
したがって、取り付けられた情報表示パネル10が当該情報表示装置30に対して相対的に移動してしまったり、当該情報表示装置30から離脱してしまったりするのを抑制することができる。
【0061】
以上より、当該情報表示装置30に取り付けられた情報表示パネル10が変形、移動して情報表示面部11に表示された情報が見づらくなることや、外力によって情報表示パネル10が離脱してしまうのを抑制することができる。
【0062】
また、被保持部12がスロット分割部43から外れてしまうのが抑制されることから、前記従来の情報表示装置のように、情報表示パネル10に孔部を形成した上で、孔部を突起部に係合させるといった必要がない。これにより、前述のように多様な材料を採用できることと相俟って情報表示パネル10を容易に加工することができるとともに、情報表示パネル10を当該情報表示装置30に容易に取り付けることができる。
【0063】
さらに、係合部16が、切り込み部15の周縁部のうちの上側を向く部分であるので、単に折重ね部14の先端に前記切り込み部15を形成するだけで、係合部16を形成することが可能になり、情報表示パネル10をより容易に加工することができる。
また、スロット部41が上下方向に開口しており、前後方向に開口していないので、スロット部41が情報表示装置30の正面に露出されることがなく、当該情報表示装置30のデザインの自由度を向上させることができる。
【0064】
なお本実施形態では、被保持部12の折重ね部14は、主面部13との連結部分14aで折り返される前の状態において、主面部13から前記底辺部11bに沿った内側に向けて延在し、前記連結部分14aで前記底辺部11bに沿った外側に折り返されるものとしたが、これに限られるものではない。例えば、折重ね部14は、主面部13との連結部分14aで折り返される前の状態において、主面部13から前記底辺部11bに沿った外側に向けて延在し、前記連結部分14aで前記底辺部11bに沿った内側に折り返される構成であっても良い。
【0065】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態に係る取付け構造体を説明する。
なお、この第2実施形態においては、第1実施形態における構成要素と同一の部分については同一の符号を付し、その説明を省略し、異なる点についてのみ説明する。
図7に示すように、本実施形態に係る取付け構造体101の情報表示パネル110は、被保持部112の折重ね部114が、主面部13内において前記底辺部11bが沿う方向と直交する方向(上下方向)に折り返されている。
【0066】
図8に示すように、折重ね部114は、主面部13との連結部分114aで折り返される前の状態で、主面部13において情報表示面部11の反対側に位置する端部から前記反対側に向けて延在している。そして図7に示すように、折重ね部114は、前記連結部分114aで情報表示面部11側に折り返されている。
【0067】
また図8に示すように、折重ね部114には、平面視略U字状のU型切込み117が形成されている。U型切込み117の両切り込み端は、前記連結部分114a側に位置しており、このU型切込み117の内側部分が係合部118となっている。なお図7に示すように、折重ね部114においてU型切込み117の両周端縁間に位置する部分、つまり折重ね部114において係合部118と他の部分との連結部分は、係合部118の先端が主面部13から離間するように折り曲げられている。
【0068】
以上のように構成された情報表示パネル110を情報表示装置30に取り付けるために、スロット分割部43に被保持部112を挿入したときには、係合部118の先端がスロット分割部43の周縁部に上下方向に係合する。
本実施形態では、折重ね部114において係合部118よりも上側に位置する部分は、スロット分割部43内に位置しており、保持部材42に後側から支持されている。一方、係合部118は、保持部材42と外側フレーム37の補助支持面40との間に設けられた隙間に位置しており、係合部118は、保持部材42によって支持されない。その結果、係合部118の先端は、スロット分割部43の周縁部である保持部材42の下端面に下側から係合する。
以上説明したように、本実施形態に係る情報表示装置への情報表示パネルの取付け方法によれば、前記第1実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
【0069】
なお、前記各実施形態では、スロット分割部43が、前後方向に互いに位置ずれされて形成されているものとしたが、スロット部41が、上下方向から見て同一直線から外れた部分を有していれば、これに限られるものではない。
例えば、図9および図10に示す取付け構造体101A、101Bの情報表示装置130A、130Bのように、各スロット分割部43が、上下方向から見て周方向に傾斜する矩形状をなすように形成されていても良い。図9に示す情報表示装置130Aでは、各スロット分割部43は、隣接するスロット分割部43側に向かうに従い漸次、前側に向かっている。また、図10に示す情報表示装置130Bでは、各スロット分割部43は、隣接するスロット分割部43側に向かうに従い漸次、後側に向かっている。
【0070】
また、前記各実施形態では、スロット部41が、2つのスロット分割部43で構成されているものとしたが、これに限られるものではない。例えば、図11に示す取付け構造体101Cの情報表示装置130Cのように、スロット部41が、3つのスロット分割部43で構成されていても良い。さらに、スロット部は、3つ以上のスロット分割部で構成されていても良い。
さらにまた、前記各実施形態では、スロット分割部43は、複数の保持部材42に各別に形成されているものとしたが、これに限られるものではない。例えば、1つの保持部材に周方向に間隔をあけて形成されていても良い。
【0071】
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態に係る取付け構造体を説明する。
なお、この第3実施形態においては、第2実施形態における構成要素と同一の部分については同一の符号を付し、その説明を省略し、異なる点についてのみ説明する。
図12に示すように、本実施形態に係る取付け構造体201の情報表示装置230のパネル保持手段233では、スロット部241の各スロット分割部243は、隣接するスロット分割部243側が開口している。
【0072】
また図13に示すように、情報表示パネル210の被保持部212は、複数に分割形成されておらず、連続形成され一連となっている。つまり、被保持部212は、情報表示面部11に連結された一枚のシート状体で構成されている。また、被保持部212の折重ね部214には、前記U型切込み117および前記係合部118が、情報表示面部11の底辺部11b(周方向)に沿って間隔をあけて複数(図示の例では2つ)配設されている。
また本実施形態では、図13に示すように、被保持部212は、前記底辺部11bの全長にわたって延在している。つまり、情報表示パネル210は、全体として平面視矩形状の一枚のシート状体で構成されている。
【0073】
以上のように構成された情報表示装置230に情報表示パネル210を取り付けるために、スロット分割部243に被保持部212を挿入する際には、図13に示すように、被保持部212の下端縁が外側フレーム37の補助支持面40に当接するまで挿入する。ここで、各スロット分割部243において、隣接するスロット分割部243側が開口しているので、連続形成した一連の被保持部212を、各スロット分割部243、および隣接する保持部材42間の隙間に挿入することができる。
【0074】
以上説明したように、本実施形態に係る情報表示装置230によれば、各スロット分割部243において、隣接するスロット分割部243側が開口しているので、被保持部212を複数に分割形成せずにスロット部241に挿入することが可能になり、情報表示パネル210の加工をより容易に行うことができる。
【0075】
(第4実施形態)
次に、本発明の第4実施形態に係る取付け構造体を説明する。
なお、この第4実施形態においては、第3実施形態における構成要素と同一の部分については同一の符号を付し、その説明を省略し、異なる点についてのみ説明する。
図14に示すように、本実施形態に係る取付け構造体301の情報表示装置330では、パネル保持手段333の保持部材342は、周方向に沿って延在して1つ配設されている。
【0076】
そして図14に示すように、スロット部341は、この保持部材342に周方向に連続形成され一連となっている。スロット部341は、上下方向から見て、周方向の中央部から周方向の外側に向かうに従い漸次、前側に向かう円弧形状をなしている。
以上説明したように、本実施形態に係る情報表示装置330によれば、スロット部341が、周方向に連続形成され一連となっているので、被保持部212を複数に分割形成せずにスロット部341に挿入することが可能になり、情報表示パネル210の加工をより容易に行うことができる。
【0077】
なお、スロット部341は、周方向に連続形成され一連となっていれば、本実施形態に示したものに限られない。例えば図15に示す取付け構造体301Aの情報表示装置330Aのように、スロット部341Aは、上下方向から見て、両周端部が前方を向く略U字状をなしていても良い。
【0078】
(第5実施形態)
次に、本発明の第5実施形態に係る取付け構造体を説明する。
なお、この第5実施形態においては、第4実施形態における構成要素と同一の部分については同一の符号を付し、その説明を省略し、異なる点についてのみ説明する。
図16から図18に示すように、本実施形態に係る取付け構造体401の情報表示装置430では、パネル保持手段433のスロット部441は、上側(径方向の外側)の開口幅が下側(径方向の内側)の開口幅よりも大きくなっている。なお本実施形態では、スロット部441の開口幅とは、スロット部441の前後方向に沿った大きさを意味する。
【0079】
図16に示すように、スロット部441は、上側部分441aが、上下方向から見て矩形状をなすとともに、下側部分441bが、上下方向から見て円弧形状をなしている。図示の例では、スロット部441を上下方向から見たときに、下側部分441bは上側部分441aの内側に位置している。
また、図17および図18に示すように、前記上側部分441aと前記下側部分441bとは、上側から下側に向かうに従い漸次、開口幅が狭くなる中間部分441cを介して連なっている。
【0080】
以上説明したように、本実施形態に係る情報表示装置430によれば、スロット部441において、上側の開口幅が下側の開口幅よりも大きくなっているので、スロット部441に上側から被保持部212を容易に挿入することが可能になり、情報表示パネル210を当該情報表示装置430により容易に取り付けることができる。
つまり、例えばスロット部441の開口幅が径方向の位置によらず一定の場合には、スロット部441の開口幅を全長にわたって、スロット部441に被保持部212が挿入されたときに情報表示面部11が所望の湾曲形状をなす程度小さく設定する必要がある。そのため、スロット部441の径方向の外側において、開口幅を小さくせざるを得ないことから、被保持部212を挿入しにくくなる恐れがある。しかしながら、スロット部441において、径方向の外側の開口幅を内側の開口幅よりも大きくすることで、径方向の内側の開口幅を、スロット部441に被保持部212が挿入されたときに情報表示面部11が所望の湾曲形状をなす程度小さく設定すれば、径方向の外側の開口幅を、被保持部212を挿入し易い程度大きく設定することができる。
【0081】
(第6実施形態)
次に、本発明の第6実施形態に係る取付け構造体を説明する。
なお、この第6実施形態においては、第1実施形態における構成要素と同一の部分については同一の符号を付し、その説明を省略し、異なる点についてのみ説明する。
図19に示すように、本実施形態に係る取付け構造体501の情報表示装置530では、パネル保持手段533のスロット部541は、全長にわたって同一直線上に位置している。つまり、各スロット分割部543は、前後方向で互いに一致している。
【0082】
そして図20に示すように、本実施形態では、スロット部541の周方向の長さL3(以下、スロット部541の長さL3という)は、被保持部12の前記底辺部11bに沿った長さL4(以下、被保持部12の長さL4という)よりも短く形成されている。なお本実施形態では、スロット部541の長さL3は、両スロット分割部543の周方向外端間の長さを意味し、被保持部12の長さL4は、被保持部12をスロット分割部543に挿入する前の状態で、両被保持部12の主面部13において前記底辺部11bに沿う方向の外端間の長さを意味する。
なお、スロット部541の長さL3に対して、被保持部12の長さL4は、1.02倍以上1.05倍以下であることが好ましい。
【0083】
以上のように構成された情報表示装置530に情報表示パネル10を取り付けるために、スロット分割部543に被保持部12を挿入すると、前述したように情報表示面部11の底辺部11bが周方向に沿って延びることとなり、その結果、被保持部12の長さL4が、被保持部12の周方向の長さとなる。
【0084】
ここで、スロット部541の長さL3が、被保持部12の長さL4よりも短くなっているので、図19に示すように、スロット分割部543に被保持部12を挿入することで、情報表示面部11が上下方向から見て湾曲形状をなすこととなり、情報表示面部11において湾曲した部分を上下方向に延びるリブとして作用させることができる。
以上説明したように、本実施形態に係る情報表示装置530によれば、前記第1実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
【0085】
なお、前記各実施形態では、スロット部41、241、341、341A、441、541は、径方向のうちの上下方向に開口しているものとしたが、径方向に開口していればこれに限られるものではない。例えば、径方向のうちの上下方向と直交する方向に開口していても良い。
また、前記各実施形態では、パネル保持手段33、233、333、433、533の保持部材42、342は、装置本体32に設けられていれば、前記各実施形態に示すものに限られるものではない。例えば、保持部材42、342は、ケース体34の正面における開口窓34aの周縁部に設けられていても良い。
【0086】
また、前記各実施形態では、パネル保持手段33、233、333、433、533は、保持部材42、342を備えているものとしたが、これに限られるものではない。例えば、スロット部がケース体34に形成されていても良い。
さらに、前記各実施形態では、情報表示パネル10、110、210の被保持部12、112、212は、主面部13、213と折重ね部14、114、214とを備えるものとしたが、これに限られるものではなく、例えば、折重ね部14、114、214はなくても良い。
【0087】
(第7実施形態)
次に、本発明の第7実施形態に係る取付け構造体を説明する。
なお、この第7実施形態においては、第3実施形態における構成要素と同一の部分については同一の符号を付し、その説明を省略し、異なる点についてのみ説明する。
図21および図22に示すように、本実施形態に係る取付け構造体601の情報表示装置630では、パネル保持手段633は、装置本体32の外面から上下方向(径方向)に立設され、周方向に離間配置された3つの保持柱部645を備えている。
【0088】
保持柱部645は、前後方向の位置が互いに一致するとともに周方向に互いに等しい間隔あけた状態で、外側フレーム37の補助支持面40に突設されている。
また、図21に示すように、情報表示パネル610の被保持部612は、折重ね部214がなく、主面部213のみで構成されている。
【0089】
以上のように構成された情報表示装置630に情報表示パネル610を取り付ける際には、図21に示すように、隣接する保持柱部645間の隙間に上側(径方向の外側)から被保持部612を挿入する。
ここで、保持柱部645は、上下方向(径方向)に立設されているので、情報表示面部11と被保持部612との連結部分を屈曲させることなく、情報表示面部11を電子表示面31と略平行とした状態でパネル保持手段633によって情報表示パネル610を保持することができる。
【0090】
しかも、保持柱部645が3つ備えられているので、図22に示すように、隣接する保持柱部645において、保持柱部645に対する被保持部612の位置が前後方向で互い違いになるように情報表示パネル610を湾曲させながら挿入することで、情報表示面部11が上下方向から見て湾曲形状をなすこととなり、情報表示面部11において湾曲した部分を上下方向に延びるリブとして作用させることができる。
なお図22に示すように、本実施形態では、3つの保持柱部645のうち、中央の保持柱部645に対して情報表示パネル610が前側に位置し、両端の保持柱部645に対して、情報表示パネル610が後側に位置するように情報表示パネル610が湾曲されている。
【0091】
以上説明したように、本実施形態に係る情報表示装置630によれば、情報表示面部11と被保持部612との連結部分を屈曲させず、かつ情報表示面部11を湾曲させることでリブ効果を奏功させた状態で、パネル保持手段633によって情報表示パネル610を保持することが可能になり、当該情報表示装置630に取り付けられる情報表示パネル610が変形するのを抑制することができる。
しかも、情報表示面部11と被保持部612との連結部分を屈曲させる必要がないので、情報表示パネル610の材料として、屈曲された形状を維持可能な材料だけでなく、例えば紙など多様な材料を採用することができる。
【0092】
また、隣接する保持柱部645において、保持柱部645に対する被保持部612の位置が前後方向で互い違いになるように情報表示パネル610を湾曲させながら挿入することで、被保持部612を保持柱部645に前後方向に係止させることができる。これにより、前後方向から加えられる外力を起因として、情報表示パネル610が当該情報表示装置630から離脱してしまうのを抑制することができる。したがって、取り付けられた情報表示パネル610が当該情報表示装置630に対して相対的に移動してしまったり、当該情報表示装置630から離脱してしまったりするのを抑制することができる。
【0093】
以上より、当該情報表示装置630に取り付けられた情報表示パネル610が変形、移動して情報表示面部11に表示された情報が見づらくなることや、外力によって情報表示パネル610が離脱してしまうのを抑制することができる。
【0094】
また、被保持部612が情報表示装置630から外れてしまうのが抑制されることから、前記従来の情報表示装置のように、情報表示パネル610に孔部を形成した上で、孔部を突起部に係合させるといった必要がない。これにより、前述のように多様な材料を採用できることと相俟って情報表示パネル610を容易に加工することができるとともに、情報表示パネル610を当該情報表示装置630に容易に取り付けることができる。
【0095】
なお、本実施形態では、パネル保持手段633は、3つの保持柱部645を備えているものとしたが、少なくとも3つの保持柱部645を備えていれば良く、4つ以上の保持柱部645を備えていても良い。例えば、図23に示す取付け構造体601Aの情報表示装置630Aのように、パネル保持手段633は、5つの保持柱部645を備えていても良い。
【0096】
また、本実施形態では、保持柱部645は、上下方向に立設されているものとしたが、径方向に立設されていてればこれに限られるものではない。例えば、径方向のうちの上下方向と直交する方向に立設されていても良い。
また、本実施形態では、保持柱部645は、前後方向の位置が互いに一致するとともに周方向に互いに等しい間隔あいているものとしたが、前後方向の位置は互いにずらされていても良く、さらに周方向の間隔は互いに異なっていても良い。
【0097】
なお、本発明の技術的範囲は前記各実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
【0098】
例えば、前記各実施形態では、1枚の情報表示パネル10、110、210、610がパネル保持手段33、233、333、433、533、633に保持されるものとしたが、これに限られるものではなく、複数枚の情報表示パネル10、110、210、610を重ねた状態でパネル保持手段33、233、333、433、533、633に保持させても良い。
さらに、前記各実施形態では、情報表示面部11の表面11aに情報が表示されるものとしたが、これに限られるものではなく、情報表示面部11の裏面11cにも情報を表示して、必要に応じて表裏反転させることで表示する情報を選択しても良い。
【0099】
また、前記各実施形態では、情報表示面部11は、平面視矩形状をなしているものとしたが、これに限られるものではなく、例えば、平面視円形状など他形状をなしていても良い。
さらに、前記各実施形態では、被保持部212、612が連続形成されて一連となっている情報表示パネル210、610は、被保持部212、612が、前記底辺部11bの全長にわたって延在し、全体として平面視矩形状をなしているものとしたが、これに限られるものではない。例えば、被保持部212、612が、前記底辺部11bの全長にわたって延在していなくても良い。
【0100】
また、情報表示パネルとして、情報が表示された情報シート(例えば紙など)を情報表示面部に着脱自在としたクリアフォルダを採用しても良い。この場合、例えば、情報表示面部が、透明な一枚のシート状体が中央部で折り重ねられて構成されたクリアフォルダを採用することで、折り重ねられたシート状体間に前記情報シートを着脱自在に挿入することができる。
【0101】
また、前記各実施形態では、電子表示面31は、液晶パネル35により構成されるものとしたが、これに限られるものではなく、例えば、液晶とは異なる表示素子を採用したパネルで電子表示面を構成しても良い。
【0102】
また本発明は、情報表示装置30、130A、130B、130C、230、330、330A、430、530、630、630Aに、その電子表示面31で表示する情報を強調、補足等する情報表示パネル10、110、210、610を取り付ける場合において、広く採用することができる。
例えば、本発明は、小売販売店等で商品の値段や文字情報などを表示したり、倉庫、薬品庫、各種収納庫等での収納用の棚や引出し等における収納物の情報を表示したりする電子棚札(情報表示装置)に、その表示を強調、補足等するために情報表示パネルを取り付ける場合に採用することができる。
また本発明は、棚や引出し等に整理(収納、保管、据え置き)された移動しない対象物の情報ではなく、移動する対象物の情報を表示する情報表示装置に、その表示を強調、補足等するために情報表示パネルを取り付ける場合にも採用することができる。例えば、本発明は、人や動物といった対象物に装着させ、当該対象物の特徴等を表示する情報表示装置に、当該対象物の更なる特徴等を補足的に誇張するために情報表示パネルを取付ける場合にも採用することが可能である
【0103】
その他、本発明の趣旨に逸脱しない範囲で、前記実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、前記した変形例を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0104】
10、110、210、610 情報表示パネル(パネル)
11 情報表示面部
12、112、212、612 被保持部
13、213 主面部
14、114、214 折重ね部
14a、114a 連結部分
15 切り込み部
16、118 係合部
30、130A、130B、130C、230、330、330A、430、530、630、630A 情報表示装置
31 電子表示面
32 装置本体
33、233、333、433、533、633 パネル保持手段
41、241、341、341A、441、541 スロット部
42、342 保持部材
43、243、543 スロット分割部
645 保持柱部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報を表示する電子表示面を有する装置本体と、
前記装置本体に設けられ、情報表示面部を備えたパネルを着脱自在に保持するパネル保持手段と、を備える情報表示装置であって、
前記パネル保持手段は、前記情報表示面部と同一面状に形成された被保持部が挿入されるスロット部を備え、
前記スロット部は、前記電子表示面の径方向に開口しつつ周方向に延設され、前記径方向から見て同一直線から外れた部分を有していることを特徴とする情報表示装置。
【請求項2】
請求項1記載の情報表示装置であって、
前記パネル保持手段は、前記装置本体の外面に突設されるとともに前記周方向に互いに間隔をあけて配設された複数の保持部材を備え、
前記スロット部は、前記周方向に分割形成されるとともに前記複数の保持部材に各別に形成された複数のスロット分割部で構成され、
前記各スロット分割部は、隣接する前記スロット分割部側が開口していることを特徴とする情報表示装置。
【請求項3】
請求項1記載の情報表示装置であって、
前記スロット部は、前記周方向に連続形成され一連となっていることを特徴とする情報表示装置。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1項に記載の情報表示装置であって、
前記スロット部は、前記径方向の外側の開口幅が内側の開口幅よりも大きくなっていることを特徴とする情報表示装置。
【請求項5】
情報を表示する電子表示面を有する装置本体と、
前記装置本体に設けられ、情報表示面部を備えたパネルを着脱自在に保持するパネル保持手段と、を備える情報表示装置であって、
前記パネル保持手段は、前記装置本体の外面から前記電子表示面の径方向に立設され、前記電子表示面の周方向に離間配置された少なくとも3つの保持柱部を備えていることを特徴とする情報表示装置。
【請求項6】
情報表示装置へのパネルの取付け方法であって、
前記パネルは、情報表示面部と、前記情報表示面部と同一面状に形成された被保持部と、を備え、
前記情報表示装置は、情報を表示する電子表示面を有する装置本体と、前記装置本体に設けられ、前記パネルを着脱自在に保持するパネル保持手段と、を備え、
前記パネル保持手段は、前記被保持部が挿入されるスロット部を備え、
前記スロット部は、前記電子表示面の径方向に開口しつつ周方向に延設され、
前記スロット部の前記周方向の長さは、前記被保持部の前記周方向の長さより短く形成され、
前記スロット部に前記被保持部を挿入することにより、前記情報表示装置に前記パネルを取り付けることを特徴とする情報表示装置へのパネルの取付け方法。
【請求項7】
情報表示装置へのパネルの取付け方法であって、
前記パネルは、情報表示面部と、前記情報表示面部と同一面状に形成された被保持部と、を備え、
前記情報表示装置は、情報を表示する電子表示面を有する装置本体と、前記装置本体に設けられ、前記パネルを着脱自在に保持するパネル保持手段と、を備え、
前記パネル保持手段は、前記被保持部が挿入されるスロット部を備え、
前記スロット部は、前記電子表示面の径方向に開口しつつ周方向に延設され、
前記被保持部は、前記情報表示面部と連結された主面部と、前記主面部との連結部分で折り返されることで前記主面部に折り重ねられた折重ね部と、を備え、
前記折重ね部には、前記被保持部が前記スロット部に挿入されたときに、前記スロット部の周縁部に前記径方向に係合する係合部が形成され、
前記スロット部に前記被保持部を挿入することにより、前記情報表示装置に前記パネルを取り付けることを特徴とする情報表示装置へのパネルの取付け方法。
【請求項8】
請求項7記載の情報表示装置へのパネルの取付け方法であって、
前記折重ね部は、前記連結部分で前記周方向に折り返され、
前記折重ね部の先端には、前記周方向に延びる切り込み部が形成され、
前記係合部は、前記切り込み部の周縁部のうちの前記径方向の外側を向く部分であることを特徴とする情報表示装置へのパネルの取付け方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate

【図23】
image rotate


【公開番号】特開2011−48288(P2011−48288A)
【公開日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−198715(P2009−198715)
【出願日】平成21年8月28日(2009.8.28)
【出願人】(000002325)セイコーインスツル株式会社 (3,629)
【Fターム(参考)】