説明

情報表示装置及びプログラム

【課題】 異なるページに記載された文字、図面や写真を表示画面に同時に表示して、比較、検討を行うことができる情報表示装置を提供する。
【解決手段】 表示部208に画像データの1ページを表示した状態で操作入力受付部113により位置座標の入力を受け付けると、受け付けた位置座標に基づいて、表示部208に表示中のページの領域のうちいずれの領域が選択されたのかを判定する選択領域判定部114と、選択領域判定部114により選択されたと判定された領域の画像を、この領域が操作部204で指定された際の位置のまま表示すると共に、選択されたと判定された領域以外の領域の画像を非表示にし、画像を非表示にした領域には、記表示中のページの次のページの画像を表示する表示制御部112とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報表示装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
コンピュータ画面に、重なり合って表示される表示情報の効果的な表示のさせ方に関する技術が特許文献1から3に開示されている。また、特許文献4には、表示情報を折り畳んだり、開いたりすることで表示情報を拡大、縮小表示する技術が開示されている。また、特許文献5には、コンピュータの画面に表示されたアプリケーションウィンドウ内でユーザによって選択された部分をクリッピングし、別ウィンドウとして表示する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平4−097420号公報
【特許文献2】特表平9−512933号公報
【特許文献3】特開2000−105653号公報
【特許文献4】特開2001−142603号公報
【特許文献5】特開2007−183936号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、異なるページに記載された文字、図面や写真を表示画面に同時に表示して、比較、検討を行うことができる情報表示装置及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
かかる目的を達成するために請求項1記載の発明は、複数ページを有する画像データの各ページを解析して、該画像データの各ページに文字と図形と写真との少なくとも1つが含まれるか否かを判定し、前記画像データの各ページを、含まれると判定された文字、図形又は写真の各領域に分割する領域分割手段と、表示画面上の任意の位置を指定する操作手段によって指定された位置座標の入力を受け付ける操作入力受付手段と、前記表示画面に前記画像データの1ページを表示した状態で前記操作入力受付手段により位置座標の入力を受け付けると、該受け付けた位置座標に基づいて、前記表示画面に表示中のページの領域のうちいずれの領域が選択されたのかを判定する判定手段と、前記判定手段により前記選択されたと判定された領域の画像を、該領域が前記操作手段で指定された際の位置のまま表示すると共に、前記選択されたと判定された領域以外の領域の画像を非表示にし、該画像を非表示にした領域には、前記表示中のページの次のページの画像を表示する表示制御手段とを備えている。
【0006】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記操作手段により画像データの複数ページの領域が選択され、ページ順が上の領域とページ順が下のページの領域との表示領域に重なり合う領域がある場合、該重なり合う領域では、ページ順が上の領域の画像を表示するとよい。
【0007】
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の発明において、前記表示制御手段は、前記選択されたと判定された領域の画像を表示した状態において、前記操作入力受付手段で受け付けた位置座標が、前記選択されたと判定された領域を示している場合に、前記位置座標に基づいて前記選択されたと判定された領域上での位置を特定し、該特定した領域上での位置に応じて、前記選択されたと判定された領域の周囲の領域の画像を非表示状態から表示状態に変更するとよい。
【0008】
請求項4記載の発明は、コンピュータを、複数ページを有する画像データの各ページを解析して、該画像データの各ページに文字と図形と写真との少なくとも1つが含まれるか否かを判定し、前記画像データの各ページを、含まれると判定された文字、図形又は写真の各領域に分割する領域分割手段と、表示画面上の任意の位置を指定する操作手段によって指定された位置座標の入力を受け付ける操作入力受付手段と、前記表示画面に前記画像データの1ページを表示した状態で前記操作入力受付手段により位置座標の入力を受け付けると、該受け付けた位置座標に基づいて、前記表示画面に表示中のページの領域のうちいずれの領域が選択されたのかを判定する判定手段と、前記判定手段により前記選択されたと判定された領域の画像を、該領域が前記操作手段で指定された際の位置のまま表示すると共に、前記選択されたと判定された領域以外の領域の画像を非表示にし、該画像を非表示にした領域には、前記表示中のページの次のページの画像を表示する表示制御手段として機能させる。
【発明の効果】
【0009】
請求項1記載の発明によれば、異なるページに記載された文字、図面や写真を表示画面に同時に表示して、比較、検討を行うことができる。
【0010】
請求項2記載の発明によれば、ページ順を維持して選択された領域の画像を表示することができる。
【0011】
請求項3記載の発明によれば、一度、非表示状態とした領域の画像を操作手段の操作によって選択的に表示状態に変更することができる。
【0012】
請求項4記載の発明によれば、異なるページに記載された文字、図面や写真を表示画面に同時に表示して、比較、検討を行うことができ
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】コンピュータ装置の構成の一例を示す図である。
【図2】制御部の機能ブロックの構成の一例を示す図である。
【図3】(A)は、オブジェクト分離部に読み込んだ画像データの一例を示す図であり、(B)は、オブジェクト分離部による処理結果の一例を示す図である。
【図4】(A)は、表示部に表示された画像の一例を示す図であり、(B)は、折り畳み画像の一例を示す図である。
【図5】表示部に折り畳み画像を表示させる手順の一例を説明するための図であり、(A)は、部分領域が選択された状態を示し、(B)は、最初に消去される領域を網かけで示した図である。
【図6】表示部に折り畳み画像を表示させる手順の一例を説明するための図であり、(A)は、最初に消去される領域を消去した図であり、(B)は、2番目に消去される領域を網かけで示した図である。
【図7】表示部に折り畳み画像を表示させる手順の一例を説明するための図であり、(A)は、3番目に消去される領域を消去した図であり、(B)は、3番目に消去される領域を消去した状態を示す図である。
【図8】折り畳み画像の表示範囲を変更する処理の一例を説明するための図であり、(A)は、マウス操作により新たに表示させる画像を選択する様子を示す図であり、(B)は、選択された画像を追加して新たに表示した折り畳み画像を示す図である。
【図9】マウス操作により新たに表示させる画像を選択する方法の一例を説明するための図である。
【図10】複数の部分領域を含んだ折り畳み画像を表示する場合の表示領域の設定方法の一例を示す図であり、(A)は、選択された部分領域をすべて含む最小の多角形で折り畳み画像の表示領域を設定した場合を示し、(B)は、選択された部分領域がすべて含まれる四角形で折り畳み画像の表示領域を設定した場合を示す図である。
【図11】1ページ分の画像を折り畳んで折り畳み画像を表示させる場合の、折り畳み領域の選択方法の一例を説明するための図である。
【図12】制御部の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施例を説明する。
【実施例】
【0015】
まず、本発明をコンピュータ装置に適用した実施例の構成について図1を参照しながら説明する。図1に示すコンピュータ装置1は、制御部100と、記憶装置201と、ネットワークインタフェース202と、周辺デバイスインタフェース203と、操作部204と、スキャナ205と、入力インタフェース206と、グラフィックインタフェース207と、表示部208とを備えている。なお、制御部100、記憶装置201、ネットワークインタフェース202、周辺デバイスインタフェース203、入力インタフェース206、グラフィックインタフェース207は、内部バス150に接続されている。
【0016】
制御部100は、後述する制御プログラムの制御に従って、記憶装置201に記憶している文書データや画像データを表示部208に表示させる制御を行う。制御部100による表示制御の詳細については後述する。
制御部100は、ハードウェアとしてCPU(Central Processing Unit)101と、ROM(Read Only Memory)102と、RAM(Random Access Memory)103とを備える。ROM102には、CPU101が制御に使用する制御プログラムが記録されている。CPU101は、起動すると、制御プログラムをROM102から読み出してRAM103に記憶させる。その後、CPU101は、RAM103に記憶したプログラムに従って処理を実行する。RAM103は、CPU101のワークメモリとして使用され、CPU101が演算に使用するデータ等が記憶される。CPU101、RAM103などのハードと、ROM102に記憶したプログラムとの協働によって実現される機能ブロックについては、図2を参照しながら後述する。
【0017】
記憶装置201は、ハードディスク装置等の記憶装置である。
記憶装置201は、ネットワーク300に接続した外部機器から送られる文書データや画像データ、コンピュータ装置1で作成された文書データや画像データ、USB(Universal Serial Bus)メモリ等の記憶デバイスから読み込んだ文書データや画像データや、スキャナ205で読み込んだ画像データ等を記憶する。
【0018】
ネットワークインタフェース202は、例えば、LAN(Local Area Network)等のネットワーク300に接続した外部機器と通信を行う通信インタフェースである。ネットワークインタフェース202は、ネットワーク300に接続したパーソナルコンピュータや画像形成装置等の外部機器から送られる文書データや画像データを受信して、受信した文書データや画像データを制御部100に送る。制御部100は、ネットワークインタフェース202から送られた文書データや画像データを記憶装置201に送り、記憶装置201に記憶させる。
【0019】
周辺デバイスインタフェース203は、USBメモリ、SDメモリカード等の記憶デバイスとのインタフェースとして機能する。周辺デバイスインタフェース203は、周辺デバイスインタフェース203に接続した記憶デバイスの記憶する文書データや画像データを読み込み、読み込んだ文書データや画像データを制御部100に送る。制御部100は、周辺デバイスインタフェース203から送られた文書データや画像データを記憶装置201に送り、記憶装置201に記憶させる。なお、ネットワークインタフェース202や周辺デバイスインタフェース203で受信した文書データや画像データを制御部100に送らずに、直接、ネットワークインタフェース202や周辺デバイスインタフェース203から記憶装置201に送り、記憶装置201に記憶させるものであってもよい。
【0020】
操作部204は、キーボードやマウス等の入力デバイスを備えている。入力インタフェース206は、操作部204を使用して入力された操作情報を受け付けて、受け付けた操作情報を制御部100に送る。制御部100は、入力インタフェース206で受け付けた操作情報に従って、表示部208に表示させる表示情報を変更する。
【0021】
スキャナ205は、原稿台(不図示)等に置かれた用紙に記録された画像を読み込み、読み込んだ画像データを入力インタフェース206を介して制御部100に送る。制御部100は、入力インタフェース206を介して受信した画像データを記憶装置201に送り、記憶装置201に記憶させる。
【0022】
グラフィックインタフェース207は、制御部100で処理されたグラフィックデータを表示部208に表示させるためのインタフェースであり、表示部208に表示させるためにグラフィックデータを波形電気信号に変換する。
【0023】
次に、図2を参照しながら制御部100の機能ブロックについて説明する。なお、機能ブロックとは、制御部100の備えるCPU101、RAM103などのハードウェアと、ROM102に記憶したプログラムとの協働によって実現される処理を一定の機能ごとにまとめたブロックである。制御部100は、機能ブロック110としてオブジェクト分離部111と、表示制御部112と、操作入力受付部113と、選択領域判定部114と、折り畳み・展開画像生成部115とを備えている。
【0024】
オブジェクト分離部111は、RAM103に記憶された画像データを読み込み、読み込んだ画像データに文字、図形、写真が含まれているか否かを判定する。文字、図形、写真の判定方法については種々の方法が提案されているが、例えば、特開平5−342408号公報にその詳細が開示されている。オブジェクト分離部111は、画像データに文字、図形、写真の少なくとも1つが含まれていると判定すると、含まれている文字、図形、写真の画像データ内での範囲を確定し、確定した文字、図形、写真の範囲(以下、文字領域、図形領域、写真領域と呼ぶ)を示す座標値をRAM103に記憶させる。例えば、文字領域が四角形の領域であった場合、四角形の文字領域の4隅の座標値をRAM103に記録させる。また、座標原点は、例えば、図3(B)に示すように画像データ、文書データの左上を原点にとると良い。
図3(A)には、オブジェクト分離部111がRAM103から読み込んだ画像データの一例を示す。また、図3(B)には、オブジェクト分離部111が、読み込んだ画像データに含まれる文字、図形、写真を判定して、文字領域、図形領域、写真領域(以下、これらの領域を総称して呼ぶ場合には、部分領域と呼ぶ)に分割した結果を示す。なお、図3(B)に示す例は、画像データに文字、写真、図形がそれぞれ含まれていたため、画像データを文字領域、図形領域、写真領域に分割したが、図形や写真が含まれない文字だけの画像データや、逆に図形や写真だけの画像データも処理の対象となる。このような画像データをオブジェクト分離部111で処理した場合、分割される領域は、文字領域だけであったり、図形領域や写真領域で、文字領域が含まれないこともある。また、文字領域、図形領域や写真領域は、それぞれ一定のまとまりごとに分割されるため、1ページ分の画像データに複数の文字領域、図形領域や写真領域が含まれる場合、複数の文字領域、図形領域や写真領域に分割されることもある。
【0025】
また、RAM103から読み込んだデータが画像データではなく、ワープロソフト等によって作成された文書データ(たとえばページ記述言語(PDL:Page Description Language)で記述された文書データ)であった場合、オブジェクト分離部111は、文書データを解析して、文字領域、図形領域、写真領域の少なくとも1つが含まれているか否かを判定する。オブジェクト分離部111は、画像データの場合と同様に、含まれていると判定した文字領域、図形領域、写真領域の、文書データに基づき作成される画像データ中での範囲を確定し、確定した範囲を示す座標値をRAM103に記憶させる。
【0026】
表示制御部112は、RAM103に記憶している文書データや画像データを読み出して、グラフィックインタフェース207を介して表示部208に表示させる。図4(A)には、表示部208に表示した画像の一例を示す。なお、画像データは、複数ページを有する画像データであるとする。また、表示制御部112が表示部208に表示させる文書データや画像データは、1ページ分の文書データや画像データばかりではなく、画像データや文書データに含まれる文字領域、図形領域、写真領域などの部分領域が含まれる。また、制御部100は、文書データや画像データを表示部208に表示させる際に、文書データや画像データを記憶装置201から読み出して、予めRAM103に記憶させている。
【0027】
操作入力受付部113は、操作部204で入力された操作情報(例えば、マウスで入力を受け付けた、表示部208の表示画面上での位置座標)を受け付けて、受け付けた操作情報を選択領域判定部114に送る。
【0028】
選択領域判定部114は、操作入力受付部113で受け付けた操作情報に基づいて、オブジェクト分離部111で取り出された部分領域のうち、いずれの部分領域がユーザによって選択されたのかを判定する。選択領域判定部114は、判定結果をRAM103に送って記憶させると共に、判定結果を折り畳み・展開画像生成部115に送る。
また、選択領域判定部114は、表示部208に、後述する折り畳み画像が表示されている状態で、操作部204によって折り畳み画像の所定領域が選択されると、折り畳み・展開画像生成部115に、表示中の折り畳み画像に追加して表示させる画像の指示を通知する。
【0029】
折り畳み・展開画像生成部115は、選択領域判定部114から、操作部204で選択された部分領域の情報を取得する。また、折り畳み・展開画像生成部115は、RAM103から表示部208に表示している、又はこれから表示する画像データ又は文書データを取得する。
折り畳み・展開画像生成部115は、選択領域判定部114の判定結果に従って、RAM103から読み出した画像データ又は文書データの、操作部204で選択された部分領域以外の領域を消去した(折り畳んだ)画像データ又は文書データを生成する。なお、以下では、操作部204で選択された部分領域以外の領域を消去した(折り畳んだ)画像データ又は文書データを、折り畳み画像データと呼び、この折り畳み画像データを表示部208に表示した画像を指す場合には、単に、折り畳み画像と呼ぶ。折り畳み・展開画像生成部115は、生成した折り畳み画像データをRAM103に記憶させる。
【0030】
図4(A)には、表示制御部112によって表示部208に表示された、折り畳まれる前の1ページの画像を示す。また、図4(B)には、同じく表示制御部112によって表示部208に表示された、折り畳んだ後の折り畳み画像と、折り畳まれた画像の次のページの画像とを重ねて表示した状態を示す。なお、折り畳み画像は、例えば、マウスのドラッグ操作及びドロップ操作によって、表示部208の表示画面上の任意の位置に移動させることが可能である。
【0031】
折り畳み画像は、図4(B)に示すように、ページの前後の関係を維持したまま表示画面に表示される。すなわち、折り畳み画像と、この折り畳み画像の次のページの画像との重なりの部分では、折り畳み画像が次のページの画像の上に表示される。ここで、上位の折り畳み画像の影が下位の画像に表示されているかのような視覚効果を付与して重なり順を表現しても良い。また、図4(A)と(B)とを比較すると明らかなように、折り畳み画像は、画像データ中での位置を保持したまま表示画面に表示される。すなわち、ユーザによって選択された部分領域の、部分領域として取り出される前の画像中での位置と、選択された部分領域の画像だけを表示した折り畳み画像の表示位置とは表示画面上の同じ位置に表示される。このため、ユーザが、視点を移動させることのない位置に、選択した部分領域が折り畳み画像として表示される。
また、画像データが複数ページを有するデータであって、複数ページの画像データの部分領域が操作部204で選択され、さらに、ページ順が上の部分領域とページ順が下のページの部分領域との表示領域に重なり合う領域がある場合、重なり合う領域では、ページ順が上の領域の画像が表示される。従って、ページ順を維持したまま、選択された部分領域の画像が表示される。
【0032】
また、折り畳み画像データを表示部208に表示させる際に、折り畳む前の画像データから折り畳んだ画像データに一度に表示を切り替えるようにしてもよいが、所定の順番で、所定間隔をおいて折り畳んだ画像データを順に表示させて、画像データが折り畳まれる様を表現してもよい。この画像データを折り畳む手順の一例を図5、6、7を参照しながら説明する。
【0033】
例えば、図5(A)に示す部分領域A(以下、文字領域Aと呼ぶ)がユーザによって選択されたとする。この場合、まず、制御部100は、選択された文字領域Aよりも上側の全ての部分領域と、文字領域Aよりも下側の領域であって、選択された文字領域Aに接していない部分領域を消去(折り畳み)した折り畳み画像を生成して表示部208に表示させる。図5(B)には、消去(折り畳み)の候補となった部分領域を斜線で示し、図6(A)には、消去(折り畳み)の候補となった部分領域を消去した折り畳み画像を示す。なお、図6(A)には、消去した画像の下に、次のページの画像が表示されている。
次に、制御部100は、文字領域Aの左右両側の領域を消去候補とし、文字領域Aの左右両側の領域を消去(折り畳み)した折り畳み画像を生成して表示部208に表示させる。図6(B)には、消去候補となった文字領域Aの左右両側の領域を斜線で示し、図7(A)には、文字領域Aの左右両側の領域を消去した折り畳み画像を示す。
最後に、制御部100は、文字領域Aに下側で隣接する領域を消去(折り畳み)した折り畳み画像データを生成して表示部208に表示させる。図7(B)に、文字領域A以外の全ての領域を消去(折り畳んだ)した折り畳み画像を示す。
【0034】
次に、折り畳み画像として表示部208に表示させる画像の表示範囲を変更する処理について説明する。
折り畳み画像の表示範囲を変更する処理とは、例えば、図8(A)に示すように折り畳み画像を表示した状態で、ユーザのマウス操作によって折り畳み画像の所定領域が選択されると、選択された所定領域に応じて折り畳み画像の表示範囲を変更する処理である。
例えば、折り畳み画像の右端の領域がマウスで選択されると、図8(B)に示すように折り畳み画像の右側に位置する画像を新たに表示した折り畳み画像が表示される。新たに表示する画像は、図8(A)に折り畳み画像としてすでに表示している画像と同一ページの画像であって、折り畳み画像としてすでに表示している画像の右側に位置している画像である。
同様に、折り畳み画像の上側の領域がマウスで選択されると、折り畳み画像としてすでに表示している画像と同一ページの画像であって、折り畳み画像としてすでに表示している画像の上側に位置している画像を新たに表示させた折り畳み画像を表示させる。
なお、マウス操作によって選択される新たに表示させる画像は、すでに折り畳み画像として表示している画像とその周囲の画像との位置関係に応じて変更される。図9(A)には、折り畳み画像と、その折り畳み画像と同一ページの周囲の画像とを示す。なお、周囲の画像は、表示部208に表示されていないことを示すため点線で示す。図9(A)に示すように、折り畳み画像として表示している画像の上下左右にそれぞれ1つずつ、計4つの画像(文字、図形又は写真)がある場合、折り畳み画像の上下左右の端部をマウスで選択することで、選択された位置に応じた画像を新たに追加した折り畳み画像が表示される。また、図9(B)に示すように、折り畳み画像として表示している画像の上側に2つの画像がある場合、折り畳み画像の上端部の右側をマウスで選択すれば、折り畳み画像として表示している画像の右上に位置する画像が新たに表示される。また、折り畳み画像の上端部の左側をマウスで選択すれば、折り畳み画像として表示している画像の左上に位置する画像が新たに表示される。
【0035】
また、選択された複数の部分領域を合わせて折り畳み画像を生成する場合に、生成する折り畳み画像の表示領域の設定には2種類の選択方法がある。
1つは、図10(A)に示すように、選択された部分領域のすべてを含む最小の多角形で折り畳み画像の表示領域を設定する場合である。2つ目は、図10(B)に示すように、選択された部分領域のすべてを含む四角形で折り畳み画像の表示領域を設定した場合である。折り畳み画像として、いずれの表示領域を設定してもよい。
【0036】
また、上述した説明では、折り畳み画像として表示させる部分領域は、オブジェクト分離部111によって自動的に文字領域、図形領域及び写真領域を切り出す場合について説明した。これ以外に、ユーザに、操作部(マウス)204の操作により折り畳み画像として表示させる領域を選択させるようにしてもよい。例えば、矩型領域を画像上に表示させて、マウスの操作によってこの矩型領域のサイズを変更することで折り畳み画像として表示させる領域の選択を受け付けるようにしてもよい。
【0037】
また、1ページの画像を分割して順に折り畳み、折り畳み画像を表示する方法は、図5、6、7を用いて説明した方法以外にもある。例えば、図11(A)に示す一例は、ユーザによって指定された位置(点)に応じた部分領域を仮の選択領域とし、仮の選択領域の上側と下側の領域をそれぞれ複数、均等に分割する。そして、仮の選択領域から遠い側からユーザの折り畳み指示操作に応じて順に部分領域を折り畳み、その時点で折り畳まれていない部分領域だけを表示させる。図11(A)に示す例では、図に示すA、B、C、Dの順に、選択された部分領域の上下の領域を消去(折り畳み)していく。
また、図11(B)に示す一例も、ユーザによって指定された位置に応じて設定された仮の選択領域の上側と下側の領域をそれぞれ複数の領域に分割しているが、仮の選択領域から離れる程、分割した領域のサイズが大きくなっている。図11(B)に示す例では、A>B>C>Dとなっている。なお、画像を消去(折り畳み)していく順番は、図11(A)の場合と同様に、選択された部分領域から遠い方から順番に、A、B、C、Dの順である。
【0038】
次に、図12に示すフローチャートを参照しながら制御部100の処理フローを説明する。
まず、制御部100は、表示部208に画像データを表示すると(ステップS1/YES)、表示している画像データに折り畳み画像が含まれるか否かを判定する(ステップS2)。表示部208に表示している画像データに折り畳み画像データが含まれていないと判定すると(ステップS2/NO)、制御部100は、表示中の画像データに含まれる部分領域の範囲を確定し、各部分領域の範囲を示す座標値をRAM103に記憶させる(ステップS3)。次に、制御部100は、ユーザが表示部208に表示中の画像データの部分領域を選択したか否かを判定する(ステップS4)。ユーザが部分領域を選択したと判定すると(ステップS4/YES)、選択された部分領域が、表示中の画像データに含まれる部分領域の中のどの部分領域であるのかを判定する(ステップS5)。次に制御部100は、選択された部分領域を判定すると、選択された部分領域以外の領域を消去(折り畳み)した折り畳み画像を生成する(ステップS6)。そして、制御部100は、作成した折り畳み画像を表示部208に表示させ(ステップS7)、ステップS2の処理に移行する。また、ステップS2において、表示部208に表示中の画像データに折り畳み画像が含まれると判定した場合(ステップS2/YES)、制御部100は、折り畳み画像の表示領域を変更する操作入力を受け付けたか否かを判定する(ステップS8)。折り畳み画像の表示領域を変更する操作入力を受け付けた場合(ステップS8/YES)、受け付けた操作入力で選択された、新たに表示させる部分領域を判定する(ステップS9)。新たに表示させる部分領域を判定すると、制御部100は、すでに表示部208に表示済みの折り畳み画像と、選択された折り畳み画像とを含む折り畳み画像を生成する(ステップS10)。制御部100は、折り畳み画像を生成すると、生成した折り畳み画像を表示部208に表示させる(ステップS11)。
また、ステップS4、S8でユーザから操作入力を受け付けなかった場合には(ステップS4/NO、又はS8/NO)、制御部100は、表示部208に表示している画像(折り畳み画像を含む)を消去する操作の入力を受け付けたか否かを判定する(ステップS12)。画像を消去する操作の入力を受け付けた場合には(ステップS12/YES)、制御部100はこの処理を終了させる。また、画像を消去する操作の入力を受け付けていない場合には、ステップS2からの処理を繰り返す。
【0039】
上述した実施例は、本発明の好適な実施の例である。但し、これに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変形実施が可能である。例えば、上述した実施例では、画像データを文字領域、図形領域、写真領域にそれぞれ分割していたが、例えば、図形や写真の周囲に文字があると、この文字は、図形や写真の説明である場合があるので、文字と図形を含んだ領域、文字と写真を含む領域などに分割してもよい。また、上述した実施例は、コンピュータ装置1で実施されるとして説明したが、画像形成装置等によって実施することも可能である。
【0040】
また、図12のフローチャートに示す処理は、プログラム制御されたコンピュータによって実現される。処理内容を記述したプログラムは、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供しても良い。
【符号の説明】
【0041】
1 コンピュータ装置
100 制御部
111 オブジェクト分離部
112 表示制御部
113 操作入力受付部
114 選択領域判定部
115 折り畳み・展開画像生成部
201 記憶装置
202 ネットワークインタフェース
203 周辺デバイスインタフェース
204 操作部
205 スキャナ
206 入力インタフェース
207 グラフィックインタフェース
208 表示部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数ページを有する画像データの各ページを解析して、該画像データの各ページに文字と図形と写真との少なくとも1つが含まれるか否かを判定し、前記画像データの各ページを、含まれると判定された文字、図形又は写真の各領域に分割する領域分割手段と、
表示画面上の任意の位置を指定する操作手段によって指定された位置座標の入力を受け付ける操作入力受付手段と、
前記表示画面に前記画像データの1ページを表示した状態で前記操作入力受付手段により位置座標の入力を受け付けると、該受け付けた位置座標に基づいて、前記表示画面に表示中のページの領域のうちいずれの領域が選択されたのかを判定する判定手段と、
前記判定手段により前記選択されたと判定された領域の画像を、該領域が前記操作手段で指定された際の位置のまま表示すると共に、前記選択されたと判定された領域以外の領域の画像を非表示にし、該画像を非表示にした領域には、前記表示中のページの次のページの画像を表示する表示制御手段と、
を有することを特徴とする情報表示装置。
【請求項2】
前記操作手段により画像データの複数ページの領域が選択され、ページ順が上の領域とページ順が下のページの領域との表示領域に重なり合う領域がある場合、該重なり合う領域では、ページ順が上の領域の画像を表示することを特徴とする請求項1記載の情報表示装置。
【請求項3】
前記表示制御手段は、前記選択されたと判定された領域の画像を表示した状態において、前記操作入力受付手段で受け付けた位置座標が、前記選択されたと判定された領域を示している場合に、前記位置座標に基づいて前記選択されたと判定された領域上での位置を特定し、該特定した領域上での位置に応じて、前記選択されたと判定された領域の周囲の領域の画像を非表示状態から表示状態に変更することを特徴とする請求項1又は2記載の情報表示装置。
【請求項4】
コンピュータを、
複数ページを有する画像データの各ページを解析して、該画像データの各ページに文字と図形と写真との少なくとも1つが含まれるか否かを判定し、前記画像データの各ページを、含まれると判定された文字、図形又は写真の各領域に分割する領域分割手段と、
表示画面上の任意の位置を指定する操作手段によって指定された位置座標の入力を受け付ける操作入力受付手段と、
前記表示画面に前記画像データの1ページを表示した状態で前記操作入力受付手段により位置座標の入力を受け付けると、該受け付けた位置座標に基づいて、
前記表示画面に表示中のページの領域のうちいずれの領域が選択されたのかを判定する判定手段と、
前記判定手段により前記選択されたと判定された領域の画像を、該領域が前記操作手段で指定された際の位置のまま表示すると共に、前記選択されたと判定された領域以外の領域の画像を非表示にし、該画像を非表示にした領域には、前記表示中のページの次のページの画像を表示する表示制御手段として機能させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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