説明

情報記憶装置、情報記憶方法及びプログラム

【課題】仮想的または物理的な複数の記憶領域に記憶される情報の振り分けを手間をかけずに行う。
【解決手段】情報を記憶する記憶領域を仮想的または物理的に複数具備する記憶部1と、情報に対する操作を行うための操作部2と、記憶領域に記憶された情報を、その情報に対して操作部2に行われた操作に応じて決められた記憶領域に移動させるデータ制御部3とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報を記憶する情報記憶装置に関し、特に、情報を記憶する記憶領域を変更する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、インターネットの普及に伴い、コンピュータや携帯電話機間で電子メールをやりとりすることが一般的となっている。電子メールは、電話とは異なり、相手の都合を鑑みることなく所望の時間に送信しておくことができ、また、FAXとは異なり、情報をデータで送信することができるという利点を有しているため、プライベートのみならず、ビジネスにおいても多くの人が利用している。
【0003】
このような電子メールにおいては、送信した電子メールや受信した電子メールを、予め設定した振り分けルールに従ってカテゴリー別に分類する、いわゆるフォルダ振り分けが行われている(例えば、特許文献1参照)。例えば、受信した電子メールをその電子メールの送信元やタイトル毎に異なるフォルダに振り分ける。そのため、ユーザは振り分けルールを予め設定しておく必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−260221号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特に、受信または送信した電子メールを多くのフォルダに振り分ける場合、その振り分けルールを設定するのはユーザにとって非常に手間がかかる作業となってしまう。
【0006】
また、振り分けルールを設定していない場合に受信または送信した電子メールや、振り分けルールに該当しない電子メールについては、デフォルトの受信フォルダや送信フォルダに記憶され、これらデフォルトの受信フォルダや送信フォルダに電子メールが溜まってしまうことになる。そして、デフォルトの受信フォルダや送信フォルダに記憶された電子メールの中から必要な電子メールを探すことに手間がかかってしまう。
【0007】
本発明は、上述したような技術が有する問題点に鑑みてなされたものであって、仮想的または物理的な複数の記憶領域に記憶される情報の振り分けを手間をかけずに行うことができる情報記憶装置、情報記憶方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために本発明は、
情報を記憶する記憶領域を仮想的または物理的に複数具備する記憶手段と、
前記情報に対する操作を行うための操作手段と、
前記記憶領域に記憶された情報を、当該情報に対して前記操作手段に行われた操作に応じて決められた記憶領域に移動させるデータ制御手段とを有する。
【0009】
また、情報記憶装置における情報記憶方法であって、
複数の仮想的または物理的な記憶領域のうち1つの記憶領域に情報を記憶する記憶処理と、
前記情報に対する操作を受け付ける操作受付処理と、
前記記憶領域に記憶された情報を、前記操作受付処理にて当該情報に対して受け付けられた操作に応じて決められた記憶領域に移動させる移動処理とを有する。
【0010】
また、情報記憶装置に実行させるためのプログラムであって、
複数の仮想的または物理的な記憶領域のうち1つの記憶領域に情報を記憶する記憶手順と、
前記情報に対する操作を受け付ける操作受付手順と、
前記記憶領域に記憶された情報を、前記操作受付手順にて当該情報に対して受け付けられた操作に応じて決められた記憶領域に移動させる移動手順とを情報記憶装置に実行させる。
【発明の効果】
【0011】
本発明は以上説明したように構成されているので、仮想的または物理的な複数の記憶領域に記憶される情報の振り分けを手間をかけずに行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の情報記憶装置の概要を示すブロック図である。
【図2】図1に示した情報記憶装置の実施の一形態となる移動体通信端末の構成を示すブロック図である。
【図3】図2に示した移動体通信端末における受信メールの自動振り分け方法を説明するためのフローチャートである。
【図4】図2に示した移動体通信端末にて設定される移動実施モードを示す図である。
【図5】データ制御部に設定された電子メールの移動条件を示す図である。
【図6】図1に示した情報記憶装置の他の実施の形態となる移動体通信端末の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0014】
図1は、本発明の情報記憶装置の概要を示すブロック図である。
【0015】
本発明の情報記憶装置は図1に示すように、記憶手段となる記憶部1と、操作手段となる操作部2と、データ制御手段となるデータ制御部3とから構成されている。
【0016】
上記のように構成された情報記憶装置においては、記憶部1が、情報を記憶する記憶領域を仮想的または物理的に複数具備しており、この複数の記憶領域に情報を記憶するものである。操作部2は、記憶部1に記憶された情報に対する操作を行うためのものであり、記憶部1に記憶された情報に対して操作部2にて操作が行われると、データ制御部3において、記憶部1に記憶された情報をその操作に応じて決められた記憶領域に移動させる。
【0017】
以下に、上述した情報記憶装置について具体的な例を挙げて説明する。
【0018】
図2は、図1に示した情報記憶装置の実施の一形態となる移動体通信端末の構成を示すブロック図である。
【0019】
本形態における移動体通信端末は図2に示すように、アンテナ70と、表示部40と、スピーカ50と、マイクロフォン60と、図1に示した記憶部1に相当する記憶部10と、図1に示した操作部2に相当する操作部20と、制御部30とを有しており、アンテナ70と、表示部40と、スピーカ50と、マイクロフォン60及び操作部20が、移動体通信端末の外面に設けられており、記憶部10及び制御部30が、移動体通信端末の内部に設けられている。
【0020】
アンテナ70は、移動体通信端末の外部から入力される電磁波をアナログ信号に変換し、また、送信信号を電磁波に変換して空中に放射する。
【0021】
表示部40は、例えば液晶表示装置等から構成され、移動体通信端末による種々の動作を実行するための文字や画像等を表示する。
【0022】
スピーカ50は、音声通話における着話音声や、着信音等を出力する。
【0023】
マイクロフォン60は、音声通話時のユーザの発話音声を入力するためのものである。
【0024】
操作部20は、例えば十字カーソルキーや、数字や文字を入力するための英数字キー、あるいは表示部40に表示されるソフトキー等、移動体通信端末の機能や動作等を指定するためのボタン等から構成され、ユーザによって操作されるものである。
【0025】
記憶部10は、情報を記憶するものであって、移動体通信端末が動作するための動作プログラムを記憶している他に、送受信された電子メールを、複数の仮想的な記憶領域となるフォルダ11−1〜11−nに振り分けて記憶する。
【0026】
制御部30は、動作制御部31と、図1に示したデータ制御部3に相当するデータ制御部32とから構成されている。
【0027】
動作制御部31は、記憶部10に記憶された動作プログラムに基づいて、操作部20に対する操作やアンテナ70を介して受信した信号に応じて移動体通信端末の動作を制御する。
【0028】
データ制御部32は、送受信された電子メールの記憶部10への記憶を制御するためのものであって、記憶部10に記憶された情報に対して操作部20にて操作が行われた場合に、タイマー管理を含む内部のプログラム制御によって、記憶部10に記憶された情報をその操作に応じて決められたフォルダ11−1〜11−nに振り分けて記憶させる。
【0029】
以下に、上記のように構成された移動体通信端末における情報記憶方法について受信メールの自動振り分け方法を例に挙げて説明する。
【0030】
図3は、図2に示した移動体通信端末における受信メールの自動振り分け方法を説明するためのフローチャートである。
【0031】
移動体通信端末において、アンテナ70を介して電子メールを受信すると(ステップ1)、まず、データ制御部32が、受信した電子メールをデフォルトとして設定されているフォルダ11−1に記憶させる(ステップ2)。
【0032】
その後、ユーザが、操作部20に対してデフォルトとして設定されているフォルダ11−1を開く操作を行うと、動作制御部31は、フォルダ11−1に記憶された電子メールの一覧を表示部40に表示する(ステップ3)。
【0033】
データ制御部32は、フォルダ11−1に記憶された電子メールを他のフォルダに移動する移動実施モードがONに設定されているかどうかを確認する(ステップ4)。
【0034】
ここで、移動実施モードは、移動体通信端末のメニュー画面の設定から不要メールを設定する項目にて設定することができる。
【0035】
図4は、図2に示した移動体通信端末にて設定される移動実施モードを示す図である。
【0036】
図4に示すように、移動実施モードがONに設定されている場合は、受信した電子メールを記憶するためにデフォルトとして設定されているフォルダ11−1に記憶された電子メールを他の特定のフォルダに移動させる動作をデータ制御部32が行い、また、移動実施モードがOFFに設定されている場合は、受信した電子メールを記憶するためにデフォルトとして設定されているフォルダ11−1に記憶された電子メールを他の特定のフォルダに移動させる動作を行わない。
【0037】
移動実施モードがONに設定されている場合は、データ制御部32は、フォルダ11−1に記憶されてステップ3にて一覧表示された電子メールのうち、開封された電子メールがあるかどうかを確認し(ステップ5)、開封された電子メールがある場合、その開封された電子メールに対して、他の特定のフォルダに移動させるための操作が行われてその操作が受け付けられたかどうかを確認する(ステップ6)。
【0038】
データ制御部32においては、フォルダ11−1に記憶された電子メールを他の特定のフォルダに移動させるための操作内容が予め設定されている。
【0039】
図5は、データ制御部32に設定された電子メールの移動条件を示す図である。
【0040】
図5に示すように、データ制御部32においては、フォルダ11−1に記憶された電子メールを他のフォルダに移動させるための操作内容が、その移動先のフォルダに対応して設定されている。例えば、ステップ5にて開封が確認された電子メールの開封後、0.5秒以内に電子メールが閉じられた場合は、その電子メールの移動先として不要情報記憶領域となるフォルダ11−10が設定されており、また、ステップ5にて開封が確認された電子メールに対して、予め重要キーとして決められたボタンが押下された場合は、その電子メールの移動先として重要メールフォルダとなるフォルダ11−2が設定されており、また、ステップ5にて開封が確認された電子メールに対して、その電子メールの全文が表示部40に表示されていないにも関わらずスクロール表示するための操作が行われずに電子メールが閉じられた場合は、その電子メールの移動先として不要情報記憶領域となるフォルダ11−10が設定されている。なお、ステップ5にて開封が確認された電子メールの開封後、0.5秒以内に電子メールが閉じられた場合や、ステップ5にて開封が確認された電子メールの全文が表示部40に表示されずに電子メールが閉じられた場合は、移動体通信端末のユーザが、その電子メールを閲覧する意思がない、もしくは薄い不必要な電子メールとみなし、その移動先として不要情報記憶領域となるフォルダ11−10が設定されている。また、この設定は、データ制御部32に設定されている構成に限らず、記憶部10に記憶されており、データ制御部32が記憶部10にアクセスしてこの設定を取得する構成としてもよい。
【0041】
データ制御部32は、ステップ3にて一覧表示された電子メールのうちステップ5にて開封が確認された電子メールに対して、図5に示したように設定された操作が行われたことを確認すると、その電子メールをフォルダ11−1からその操作に応じたフォルダに移動させる(ステップ7)。例えば、ステップ5にて開封が確認された電子メールの開封後、タイマー管理にて時間計測を行い、0.5秒以内に電子メールが閉じられた場合は、その電子メールをフォルダ11−1からフォルダ11−10に移動させ、また、ステップ5にて開封が確認された電子メールに対して、予め重要キーとして決められたボタンが押下された場合は、その電子メールをフォルダ11−1からフォルダ11−2に移動させ、また、ステップ5にて開封が確認された電子メールに対して、その電子メールの全文が表示部40に表示されていないにも関わらずスクロール表示するための操作が行われずに電子メールが閉じられた場合は、その電子メールをフォルダ11−1からフォルダ11−10に移動させる。
【0042】
また、ステップ4にて移動実施モードがONに設定されていない場合、すなわち、移動非実施モードである場合や、ステップ5にて開封された電子メールがない場合や、ステップ6にて特定の操作が行われていない場合は、処理を終了する。
【0043】
このように本形態においては、予め決められた移動体通信端末に対する操作内容に応じて、記憶部10に記憶された電子メールを特定のフォルダに移動させるため、不必要な電子メールや重要な電子メールが移動体通信端末に対する操作に応じてそれぞれ特定のフォルダに自動的に移動することとなり、受信した電子メールを記憶するためにデフォルトとして設定されているフォルダ11−1が、ユーザの手間をかけることなく、受信した電子メールであふれることがなくなる。
【0044】
(他の実施の形態)
図6は、図1に示した情報記憶装置の他の実施の形態となる移動体通信端末の構成を示すブロック図である。
【0045】
本形態における移動体通信端末は図6に示すように、図2に示したものに対して、記憶部110が、物理的な記憶領域となる内部メモリ111と外部メモリ112とを有する点が異なるものである。
【0046】
本形態における移動体通信端末においても、データ制御部32において、予め決められた操作に応じて、内部メモリ111に記憶された電子メールを外部メモリ112に移動させることになる。そのため、例えば、内部メモリ111に記憶された電子メールのうち重要な電子メールだけを外部メモリ112に自動的に移動させ、その外部メモリ112を移動体通信端末から取り外して他の端末等の情報処理装置にて利用することができる。
【0047】
なお、上述した実施の形態においては、記憶部10,110に記憶される情報として受信した電子メールを例に挙げて説明したが、記憶部10,110に記憶される情報としてはこれに限らず、送信した電子メールや、電子メールデータ以外のものであってもよい。また、図6に示したものにおいては、内部メモリ111に記憶された情報を外部メモリ112に移動させるものに限らず、外部メモリ112に記憶された情報を内部メモリ111に移動させるものであってもよい。
【0048】
また、本発明の情報記憶装置は、上述したような移動体通信端末やスマートフォンに限らず、携帯音楽プレーヤーや携帯ゲーム機、タブレットPCやノートPC等、さらには携帯型ではなく一般的なPC等であってもよい。
【0049】
また、本発明においては、情報記憶装置内の処理は上述の専用のハードウェアに基づいて実現されるもの以外に、その機能を実現するためのプログラムを情報記憶装置にて読取可能な記録媒体に記録し、この記録媒体に記録されたプログラムを情報記憶装置に読み込ませ、実行するものであっても良い。情報記憶装置にて読取可能な記録媒体とは、ICカードやメモリカード、あるいは、フロッピーディスク(登録商標)、光磁気ディスク、DVD、CD等の移設可能な記録媒体の他、情報記憶装置に内蔵されたHDD等を指す。この記録媒体に記録されたプログラムは、例えば、制御ブロックにて読み込まれ、制御ブロックの制御に基づいて、上述したものと同様の処理が行われる。
【符号の説明】
【0050】
1,10,110 記憶部
2,20 操作部
3,32 データ制御部
11−1〜11−n フォルダ
30 制御部
31 動作制御部
40 表示部
50 スピーカ
60 マイクロフォン
70 アンテナ
111 内部メモリ
112 外部メモリ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報を記憶する記憶領域を仮想的または物理的に複数具備する記憶手段と、
前記情報に対する操作を行うための操作手段と、
前記記憶領域に記憶された情報を、当該情報に対して前記操作手段に行われた操作に応じて決められた記憶領域に移動させるデータ制御手段とを有する情報記憶装置。
【請求項2】
請求項1に記載の情報記憶装置において、
前記データ制御手段は、前記操作手段に操作が行われた場合に情報を移動させる移動実施モードと、前記操作手段に前記操作が行われた場合でも情報を移動させない移動非実施モードとを切り替え可能とする情報記憶装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の情報記憶装置において、
前記複数の記憶領域のうちの1つは、不要な情報を記憶するための不要情報記憶領域であり、
前記データ制御手段は、前記情報に対して前記操作手段に予め決められた操作が行われた場合、当該情報を前記不要情報記憶領域に移動させる情報記憶装置。
【請求項4】
情報記憶装置における情報記憶方法であって、
複数の仮想的または物理的な記憶領域のうち1つの記憶領域に情報を記憶する記憶処理と、
前記情報に対する操作を受け付ける操作受付処理と、
前記記憶領域に記憶された情報を、前記操作受付処理にて当該情報に対して受け付けられた操作に応じて決められた記憶領域に移動させる移動処理とを有する情報記憶方法。
【請求項5】
情報記憶装置に、
複数の仮想的または物理的な記憶領域のうち1つの記憶領域に情報を記憶する記憶手順と、
前記情報に対する操作を受け付ける操作受付手順と、
前記記憶領域に記憶された情報を、前記操作受付手順にて当該情報に対して受け付けられた操作に応じて決められた記憶領域に移動させる移動手順とを実行させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−25749(P2013−25749A)
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−163052(P2011−163052)
【出願日】平成23年7月26日(2011.7.26)
【出願人】(310006855)NECカシオモバイルコミュニケーションズ株式会社 (1,081)
【Fターム(参考)】