情報記憶装置及びサーボパターン記録方法
【課題】第3のサーボパターンのリライト形成を精度良く行う。
【解決手段】記録媒体に第1のサーボパターン(外周側)が存在する場合に、当該第1のサーボパターンを用いて記録再生ヘッドが読み書き可能な外周側の範囲を決定する処理を実行し(ステップS10、S11、S17、S18)、記録媒体の内周側に第1のサーボパターン(内周側)が存在する場合に、当該第1のサーボパターンを用いて内周側の記録再生ヘッドが読み書き可能な範囲を決定する(ステップS12)ので、第3のサーボパターンを記録する範囲を適切に設定できるので、第3のサーボパターンのリライト形成を精度良く行うことができる。
【解決手段】記録媒体に第1のサーボパターン(外周側)が存在する場合に、当該第1のサーボパターンを用いて記録再生ヘッドが読み書き可能な外周側の範囲を決定する処理を実行し(ステップS10、S11、S17、S18)、記録媒体の内周側に第1のサーボパターン(内周側)が存在する場合に、当該第1のサーボパターンを用いて内周側の記録再生ヘッドが読み書き可能な範囲を決定する(ステップS12)ので、第3のサーボパターンを記録する範囲を適切に設定できるので、第3のサーボパターンのリライト形成を精度良く行うことができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報記憶装置及びサーボパターン記録方法に関し、特に予め記憶媒体上に形成されているサーボパターンを用いて新たなサーボパターンを形成し、当該新たなサーボパターンに基づいて記録再生を実行する情報記憶装置及び当該情報記憶装置に用いて好適なサーボパターン記録方法に関する。
【背景技術】
【0002】
磁気ディスク装置などの情報記憶装置に搭載される磁気ディスクなどの記録媒体上には、当該記録媒体に対するデータの読み書きを実行する記録再生ヘッドの位置決め制御に使用されるサーボパターンが形成されている。記録再生ヘッドは、このサーボパターンの読み出し結果に基づいて、記録媒体上における目標トラックに位置決めされる。
【0003】
記録媒体上に形成されるサーボパターンは、一般的には、記録媒体の内側から外側に向かって放射状に形成されている。また、他のサーボパターンとして、スパイラル形状(螺旋状)のサーボパターンと、それに接続する同心円状のサーボパターンとを有するものも提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
上記記録媒体上へのサーボパターンの形成は、外部STW(Servo Track Writing)設備において実行されている。しかしながら、外部STW設備にて記録媒体全面にサーボパターンを記録することとすると、1枚の記録媒体に対するサーボパターンの記録が長時間となるため、1つの設備を1枚の記録媒体が長期にわたって占有することになる。また、上記理由から、外部STW設備の増設などの必要も生じることから、設備投資コストの増大を招くおそれがある。
【0005】
これに対し、近年においては、外部STW設備での設備投資コストの低減を目的として、記録媒体が実装される情報記憶装置内で、サーボパターンを磁気的に書き込む方法が提案されている(例えば、特許文献2、3参照)。この方法では、情報記憶装置内の記録再生ヘッドによりスパイラル形状(螺旋状)のスパイラルサーボパターンを形成し、このスパイラルサーボパターンを用いて、放射状のサーボパターンの形成を行っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開昭61−59671号公報
【特許文献2】米国特許第5668679号明細書
【特許文献3】米国特許第7145744号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
最近では、スパイラル形状(螺旋状)のサーボパターンをリファレンスとして、サーボパターンを形成する方法の実用化に関する種々の検討がなされている。この方法は、記録媒体の一部に絶対位置情報を含む第1のサーボパターンを予め形成するとともに、記録媒体の全面に相対位置情報を含む第2のサーボパターンを予め形成しておき、記録媒体を磁気記憶装置内に実装した後に、第1、第2のサーボパターンを用いて、絶対位置情報を含む第3のサーボパターンを磁気ディスクの全面に形成するというものである。
【0008】
しかしながら、本方法の実用化に向けた検討において、精度上の課題や、コスト上の課題など、様々な課題が新たに出現してきている。
【0009】
そこで本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、高精度な情報の記録再生が可能な情報記憶装置を提供することを目的とする。また、本発明は、サーボパターンを高精度に形成することが可能なサーボパターン記録方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本明細書に記載の情報記憶装置は、記録面上における絶対位置情報を有する第1のサーボパターンと、前記記録面上における相対位置情報を有する第2のサーボパターンとが形成された円盤状の記録媒体と、前記記録媒体に対する情報の記録・再生を行う記録再生ヘッドと、前記記録媒体の外周側に第1のサーボパターンが存在する場合に、当該第1のサーボパターンを用いて外周側の前記記録再生ヘッドが読み書き可能な範囲を決定する第1の範囲決定処理と、前記記録媒体の内周側に第1のサーボパターンが存在する場合に、当該第1のサーボパターンを用いて内周側の前記記録再生ヘッドが読み書き可能な範囲を決定する第2の範囲決定処理と、の少なくとも一方を実行する範囲決定部と、前記範囲決定部により決定される範囲内で、前記第1、第2のサーボパターンの情報に基づいて、前記記録面上における絶対位置を有する第3のサーボパターンを、前記記録再生ヘッドを用いて前記記録媒体上に記録させるための制御信号を生成する記録信号生成部と、を備える情報記憶装置である。
【0011】
これによれば、記録媒体の外周側に第1のサーボパターンが存在する場合に、当該第1のサーボパターンを用いて記録再生ヘッドが読み書き可能な外周側の範囲を決定する処理(第1の範囲決定処理)を実行するので、記録再生ヘッドが第3のサーボパターンを記録している間等において、記録再生ヘッドや記録再生ヘッドを保持する部材が、他の部材(例えばランプ部材など)に不用意に接触するのを抑制することができる。また、記録媒体の内周側に第1のサーボパターンが存在する場合に、当該第1のサーボパターンを用いて内周側の記録再生ヘッドが読み書き可能な範囲を決定する処理(第2の範囲決定処理)を実行するので、記録再生ヘッドが第3のサーボパターンを記録している間等において、記録再生ヘッドや記録再生ヘッドを保持する部材が他の部材(例えばインナーストッパなど)に不用意に接触するのを抑制することができる。したがって、上記いずれかの処理を実行することで、記録再生ヘッドや記録再生ヘッドを保持する部材又はその他の部材の故障等を抑制し、高精度に第3のサーボパターンを記録することができる。更に、第1、第2の範囲決定処理の両方を実行することとすれば、第3のサーボパターンを記録する範囲を適切に設定できるので、より高精度に第3のサーボパターンを記録することができる。このように、本明細書に記載の情報記憶装置によれば、第3のサーボパターンを高精度に記録することができるので、当該第3のサーボパターンを用いて記録再生ヘッドを移動することで、情報(ユーザデータ)の記録又は再生を高精度に行うことが可能となる。
【0012】
本明細書に記載のサーボパターン記録方法は、記録面上における絶対位置情報を有する第1のサーボパターンと、前記記録面上における相対位置情報を有する第2のサーボパターンとが形成された円盤状の記録媒体の外周側に第1のサーボパターンが存在する場合に、当該第1のサーボパターンを用いて外周側の前記記録再生ヘッドが読み書き可能な範囲を決定する第1の範囲決定処理と、前記記録媒体の内周側に第1のサーボパターンが存在する場合に、当該第1のサーボパターンを用いて内周側の前記記録再生ヘッドが読み書き可能な範囲を決定する第2の範囲決定処理と、の少なくとも一方を実行する範囲決定工程と、前記範囲決定工程で決定される範囲内で、前記第1、第2のサーボパターンの情報に基づいて、前記記録面上における絶対位置を有する第3のサーボパターンを記録する記録工程と、を含むサーボパターン記録方法である。
【0013】
これによれば、記録媒体の外周側に第1のサーボパターンが存在する場合に、当該第1のサーボパターンを用いて記録再生ヘッドが読み書き可能な外周側の範囲を決定する処理(第1の範囲決定処理)を実行するので、記録再生ヘッドが第3のサーボパターンを記録している間等において、記録再生ヘッドや記録再生ヘッドを保持する部材が、他の部材(例えばランプ部材など)に不用意に接触するのを抑制することができる。また、記録媒体の内周側に第1のサーボパターンが存在する場合に、当該第1のサーボパターンを用いて内周側の記録再生ヘッドが読み書き可能な範囲を決定する処理(第2の範囲決定処理)を実行するので、記録再生ヘッドが第3のサーボパターンを記録している間等において、記録再生ヘッドや記録再生ヘッドを保持する部材が他の部材(例えばインナーストッパなど)に不用意に接触するのを抑制することができる。したがって、上記いずれかの処理を実行することで、記録再生ヘッドなどの故障等を抑制し、高精度に第3のサーボパターンを記録することができる。更に、第1、第2の範囲決定処理の両方を実行することとすれば、第3のサーボパターンを記録する範囲を適切に設定できるので、より高精度に第3のサーボパターンを記録することができる。
【発明の効果】
【0014】
本明細書に記載の情報記憶装置は、情報の記録・再生を高精度に行うことができるという効果を奏する。また、本明細書に記載のサーボパターン記録方法は、高精度なサーボパターンの記録を行うことができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】一実施形態に係る磁気ディスク装置の構成を概略的に示すブロック図である。
【図2】図1の磁気ディスク(磁気ディスク装置への実装前又は直後の磁気ディスク)を示す平面図である。
【図3】図2の磁気ディスクの外周側の領域を拡大して示す図である。
【図4】磁気ディスク装置の平面図である。
【図5】第3のサーボパターンのリライト形成範囲を設定する処理から、第3のサーボパターンの形成までの処理について示すフローチャート(その1)である。
【図6】図6(a)は、ランプ端位置について示す図であり、図6(b)は、ランプキャリブレーションシリンダについて示す図である。
【図7】リライト形成インナーシリンダについて示す図である。
【図8】スパイラル基準位置初期シリンダについて示す図である。
【図9】リライト形成アウターシリンダについて示す図である。
【図10】第3のサーボパターンのリライト形成範囲を設定する処理から、第3のサーボパターンの形成までの処理について示すフローチャート(その2)である。
【図11】第3のサーボパターンの形成方法について説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の情報記憶装置及びサーボパターン記録方法の一実施形態について、図1〜図11に基づいて詳細に説明する。
【0017】
図1には、本実施形態に係る情報記憶装置としての磁気ディスク装置100のブロック図が示されている。この図1に示すように、磁気ディスク装置100は、ディスクエンクロージャ80と、制御ボード90と、を備える。
【0018】
このうち、ディスクエンクロージャ80は、ヘッドアンプ10、記録再生ヘッド12、ボイスコイルモータ14、スピンドルモータ16、及び記録媒体としての磁気ディスク18を有している。
【0019】
ヘッドアンプ10は、リードチャネル28から入力されるデータを、記録再生ヘッド12(記録素子)に送信するとともに、記録再生ヘッド12(再生素子)によって読み取られたデータをリードチャネル28に送信する。
【0020】
記録再生ヘッド12は、セラミックなどからなる本体と、当該本体に組み込まれた、磁気ディスク18に情報(データ)を書き込むための記録素子、及び書き込まれたデータを読み取るための再生素子と、を有する。
【0021】
ボイスコイルモータ14は、サーボコントローラ26の制御の下、記録再生ヘッド12を保持するヘッド・スタック・アッセンブリ(HSA)を駆動し、磁気ディスク18上の所望の位置に記録再生ヘッド12を位置決めする。スピンドルモータ16は、サーボコントローラ26の制御の下、磁気ディスク18を、例えば4200〜15000rpmなどの適切な回転速度で回転させる。
【0022】
磁気ディスク18は、磁性体の磁化状態を変化させることにより、データを記録する記録媒体である。磁気ディスク18上には、ユーザデータを格納する領域のほか、記録再生ヘッド12の位置決め制御に用いられるサーボパターンが形成される。ここで、ディスクエンクロージャ80に搭載される前及び搭載された直後の磁気ディスク18は、図2に示すようなサーボパターンを有している。具体的には、磁気ディスク18は、ディスク基板190の外周部近傍の領域において、周方向に沿って所定間隔で設けられた第1のサーボパターン(外周側)34Aと、ディスク基板190の内周部近傍の領域において、周方向に沿って所定間隔で設けられた第1のサーボパターン(内周側)34Bと、ディスク基板190の全面に設けられたスパイラル形状(螺旋状)の第2のサーボパターン36と、を有している。
【0023】
本実施形態では、磁気ディスク18が磁気ディスク装置100に搭載された後、磁気ディスク18の全面に絶対位置情報を含む第3のサーボパターンを記録するが、上記第1、第2のサーボパターン34A,34B、36は、この記録における記録再生ヘッド12の位置決め用として用いられる。これら第1のサーボパターン34A,34Bと第2のサーボパターン36は、外部STW(Servo Track Writing)設備において、予め形成される。
【0024】
図3には、磁気ディスク18の一部を拡大した状態が示されている。第1のサーボパターン34A,34Bは、図3に示すように、磁気ディスク18の半径方向に延在している。すなわち、第1のサーボパターン34A,34Bは、磁気ディスク18の外側又は内側から放射状に設けられている。
【0025】
第1のサーボパターン34A,34Bは、実際には、プリアンブル、サーボシンクマーク、セクタデータ、グレイコード、及び位相バーストを含んでいる。このように、本実施形態では、第1のサーボパターン34A,34Bがグレイコード等を含んでいることから、記録再生ヘッド12が第1のサーボパターン34A,34Bを読み取ることにより、磁気ディスク18上での絶対位置を特定することができる。すなわち、第1のサーボパターン34A,34Bは、磁気ディスク18上における絶対位置情報を含んでいるといえる。
【0026】
一方、第2のサーボパターン36は、スパイラル形状(螺旋状)をしたパターンであり、第1のサーボパターン34A,34Bと交差した状態となっている。この第2のサーボパターン36は、シンクマークと、バーストと、を含んでいる。このうち、シンクマークは、円周方向における基準タイミング情報として使用される。また、バーストは、その振幅ピーク位置タイミングにより、第2のサーボパターン36の位置を示す。このように、本実施形態では、第2のサーボパターン36がグレイコード等を含んでいないことから、第2のサーボパターン36を読み取っても、磁気ディスク18上の絶対位置を特定することはできず、相対位置のみ特定することができる。すなわち、第2のサーボパターン36は、磁気ディスク18上における相対位置情報を含んでいるといえる。
【0027】
第1のサーボパターン(外周側)34Aに隣接した位置には、図2、図3に示すように、システム領域62が設けられている。このシステム領域62には、後述する第3のサーボパターンを記録する際のスケジュールデータや、リライト形成インナーシリンダ、リライト形成アウターシリンダなどが格納される。
【0028】
図1に戻り、制御ボード90は、ハードディスクコントローラ20、データバッファ22、記録部としてのメモリ24、サーボコントローラ26、リードチャネル28、及びMPU(Micro Processing Unit)30を有する。これらのうち、ハードディスクコントローラ20、メモリ24、サーボコントローラ26、リードチャネル28、及びMPU30は、システムバス32を介して互いに接続した状態となっている。
【0029】
ハードディスクコントローラ20は、磁気ディスク装置100のホストであるコンピュータなどのホストシステムとの間で各種命令・データの授受を行う。データバッファ22は、ホストシステムからのデータなどを一時的に記憶する。
【0030】
メモリ24は、例えばRAM(Random Access Memory)などの揮発性メモリと、フラッシュROM(Read Only Memory)などの不揮発性メモリとを含んでいる。RAMは、MPU30が制御処理を実行するときに使用するワークメモリである。フラッシュROMは、MPU30によって実行される制御プログラムが予め格納されている。なお、フラッシュROMは、上述した磁気ディスク18上のシステム領域62の代わりに、第3のサーボパターンを記録する際のスケジュールデータなどを記録する場合もある。
【0031】
サーボコントローラ26は、MPU30からの指示に基づき、ボイスコイルモータ14やスピンドルモータ16の駆動を制御する。
【0032】
リードチャネル28は、ライト変調部及びリード復調部として機能する。
【0033】
MPU30は、磁気ディスク装置100全体を統括的に制御する。このMPU30は、図1に示すように、ヘッド位置制御部54、範囲決定部53、シリンダ算出部55、及び記録信号生成部56を有する。ヘッド位置制御部54は、磁気ディスク18上の所望の位置に記録再生ヘッド12を位置決め制御する。範囲決定部53は、第3のサーボパターンを記録する範囲(磁気ディスク18の半径方向に関する範囲)を決定する。シリンダ算出部55は、範囲決定部53が決定した範囲内に何本のシリンダを形成できるかを算出する。記録信号生成部56は、対象位置に位置決め制御された記録再生ヘッド12により、対象位置における磁気ディスク18に、絶対位置情報を有する第3のサーボパターンを記録させるための記録信号を生成する。
【0034】
図4には、磁気ディスク装置100の平面図が示されている。この図4に示すように、磁気ディスク18の外周部近傍にはランプ部材17が設けられている。このランプ部材17は、磁気ディスク18外にアンロードしている記録再生ヘッド12を保持(指示)する部材である。ランプ部材17は、筐体に、ネジ締め等により固定されている。ランプ部材17が磁気ディスク18上にせり出す長さは、ランプ部材17自体の形成精度や、ランプ部材17の固定位置誤差に応じて装置ごとに異なっている。
【0035】
また、図4に示すように、記録再生ヘッド12を保持するヘッド・スタック・アッセンブリ(HSA)11の近傍には、HSA11の可動範囲の端部を規定するインナーストッパ19が設けられている。このインナーストッパ19は、記録再生ヘッド12が磁気ディスク18の最内周に位置したとき(図4において破線で示している)に、HSA11と接触する位置に設けられている。ただし、スピンドルモータ16に軸ぶれが存在していたり、磁気ディスク18を組み込む際に偏心が生じたりすると、記録再生ヘッド12が最内周に位置していないにも関わらず、HSA11がインナーストッパ19に接触することもある。
【0036】
次に、図5、図10のフローチャートに沿って、第3のサーボパターンを記録する範囲の設定から、第3のサーボパターンの形成までの処理について、詳細に説明する。
【0037】
まず、MPU30(範囲決定部53)は、図5のステップS10において、第1のサーボパターン(外周側)34Aを利用したランプ位置キャリブレーションを実行する。
【0038】
具体的には、範囲決定部53は、まず、磁気ディスク18上のアンロードシリンダ位置から、ボイスコイルモータ14に指定された電流を供給して記録再生ヘッド12をアンロードさせる。ここで、上記アンロードシリンダ位置は、予め規定された位置であり、第1のサーボパターン(外周側)34Aに基づいて検出できるものである。範囲決定部53は、記録再生ヘッド12がアンロードされている間、ボイスコイルモータ14の逆起電力をモニタしながら、記録再生ヘッド12の速度制御を行う。そして、範囲決定部53は、記録再生ヘッド12が磁気ディスク18上からランプ部材17上に乗り換わる位置(すなわち、ランプの端部)を、ボイスコイルモータ14の電流変化に基づいて検出し、その位置をランプ端位置とする(図6(a)参照)。
【0039】
次いで、MPU30(範囲決定部53)は、図5のステップS11において、ランプキャリブレーションシリンダを設定し、システム領域62に保存する。ここで、ランプキャリブレーションシリンダとは、ステップS10で求められたランプ端位置から、図6(b)に示す距離(L1)だけ半径方向内側にずれた位置である。なお、距離L1は、装置特性等を考慮して予め定められた距離である。
【0040】
次いで、MPU30(範囲決定部53)は、図5のステップS12において、第1のサーボパターン(内周側)34Bを利用したインナーストッパ位置キャリブレーションを実行する。
【0041】
具体的には、範囲決定部53は、まず、第1のサーボパターン(内周側)34Bの最内周付近に、記録再生ヘッド12をオントラックさせる。次いで、範囲決定部53は、第1のサーボパターン(内周側)34Bのグレイコードをモニタしながら、ボイスコイルモータ14に定電流を供給して、記録再生ヘッド12を内周方向に移動させる。そして、範囲決定部53は、記録再生ヘッド12が移動している間に、グレイコードが変化しなくなる位置(グレイコードシリンダ位置)を検出する。このグレイコードシリンダ位置は、HSA11とインナーストッパ19とが接触する位置である。範囲決定部53は、このグレイコードシリンダ位置を、ストッパキャリブレーションシリンダとして設定する(図7参照)。
【0042】
次いで、MPU30(範囲決定部53)は、ステップS13において、ストッパキャリブレーションシリンダを、システム領域62に保存する。
【0043】
次いで、MPU30(範囲決定部53)は、ステップS14において、システム領域62から、ステップS11で保存しておいたランプキャリブレーションシリンダと、ステップS13で保存しておいたストッパキャリブレーションシリンダと、を読み出す。
【0044】
次いで、ステップS15において、シリンダ算出部55が、形成可能シリンダ数を次式(1)にて計算する。なお、ストッパキャリブレーションシリンダ(SCS)は、ランプキャリブレーションシリンダ(RCS)よりも大きいものとする。
形成可能シリンダ数=SCS−RCS …(1)
【0045】
次いで、シリンダ算出部55は、ステップS16において、上式(1)にて算出された形成可能シリンダ数が、予め定められている必要シリンダ数以上であるか否かを判断する。ここでの判断が否定された場合には、必要とするシリンダ数を確保できないので、以降の処理を行わずに全処理を終了する。一方、ここでの判断が肯定された場合には、ステップS17に移行する。
【0046】
次いで、MPU30(範囲決定部53)は、ステップS17において、ランプキャリブレーションシリンダを基に、スパイラル基準位置初期シリンダを設定する。ここで、スパイラル基準位置初期シリンダは、図8(a)に示すように、ランプキャリブレーションシリンダから距離(L2)だけ外側にずれた位置である。ここで、距離(L2)は、図8(b)に示すように、ランプ位置キャリブレーション(ステップS10)における測定ばらつきを保障するシリンダ数分、磁気ディスク18の偏心量のバラツキを保障するシリンダ数分、スパイラル基準位置(後述)をサーチする際に必要とするシリンダ数分を加算した距離である。これら各値は、予め定められている値である。
【0047】
次いで、MPU30(範囲決定部53)は、ステップS18において、スパイラル基準位置初期シリンダから、半径方向内側にサーチを実行して、スパイラル基準位置を設定する。このスパイラル基準位置は、第2のサーボパターン36を検出するタイミングが所定のタイミングになる位置である。
【0048】
次いで、MPU30(範囲決定部53)は、ステップS19において、スパイラル基準位置をリライト形成アウターシリンダとして、システム領域62に保存する。
【0049】
次いで、MPU30(範囲決定部53)は、ステップS20において、システム領域からリライト形成アウターシリンダと、ストッパキャリブレーションシリンダを読み出す。
【0050】
そして、MPU30(範囲決定部53)は、ステップS21において、ストッパキャリブレーションシリンダをリライト形成インナーシリンダとし、当該リライト形成インナーシリンダと、リライト形成アウターシリンダとを用いたリライト形成スケジュールを作成し、システム領域62に保存する。すなわち、リライト形成アウターシリンダを起点とし、リライト形成インナーシリンダを終点とする範囲に、第3のサーボパターンを書き込むためのリライト形成スケジュールを作成し、保存する。このスケジュールでは、第3のサーボパターンを形成するために実行する必要のあるリライト回数、各リライトにおけるシリンダ位置などの情報(スケジュールデータ)などが規定される。なお、本実施形態では、1回のリライト形成により、第3のサーボパターン64(図11参照)を形成する場合を例に採り説明する。
【0051】
MPU30(ヘッド位置制御部54)は、図10のステップS30において、サーボコントローラ26を介してスピンドルモータ16やボイスコイルモータ14の駆動を制御し、記録再生ヘッド12を第1のサーボパターン34内の目標トラックに位置決めする。この場合、第1のサーボパターン34のグレイコードや位相バーストなどの情報を用いることで、記録再生ヘッド12を目標トラックに位置決めすることが可能である。
【0052】
次いで、MPU30は、ステップS32において、リライト形成アウターシリンダの位置情報を読み出す。また、MPU30は、ステップS34において、システム領域62に記録されているリライト形成のスケジュールデータを読み出す。
【0053】
次に、MPU30は、ステップS36において、リライト形成スケジュールが全て終了したかを判断する。ここでは、まだリライト形成を行っていないので判断は否定され、ステップS38に移行する。次いで、MPU30(ヘッド位置制御部54)は、ステップS38において、スピンドルモータ16やボイスコイルモータ14を制御し、システム領域62から読み出したリライト形成アウターシリンダ上に、記録再生ヘッド12を移動する。この移動において、MPU30(ヘッド位置制御部54)は、第1のサーボパターン34のグレイコードや位相バーストなどの情報を用いる。
【0054】
次に、MPU30(ヘッド位置制御部54)は、ステップS40において、記録再生ヘッド12の位置決め制御を、第1のサーボパターン34を用いた位置決め制御から第2のサーボパターン36を用いた位置決め制御に乗り換える。そして、MPU30(ヘッド位置制御部54)は、ステップS42において、システム領域62から読み出したスケジュールデータに基づき、リライト形成開始位置に記録再生ヘッド12を移動させる。なお、本実施形態では1回のリライト形成を行うのみであり、リライト形成開始位置は前述したリライト形成アウターシリンダであることから、ステップS42における記録再生ヘッド12の移動は行われない。ただし、リライト形成を複数回に分けて行う場合の2回目以降の処理におけるステップS42では、その前に行われたリライト形成における終了位置近傍をリライト形成開始位置とする。
【0055】
次に、MPU30(ヘッド位置制御部54)は、ステップS44において、システム領域62から読み出したリライト形成スケジュールにおけるシリンダ位置情報に基づき、サーボコントローラ26を介してスピンドルモータ16やボイスコイルモータ14を駆動し、記録再生ヘッド12の位置決め制御を行う。この際の、記録再生ヘッド12の位置決め制御は、第2のサーボパターン36を用いて行う。記録再生ヘッド12の位置決め制御が行われている間、MPU30(記録信号生成部56)は、ステップS46において、第3のサーボパターン64をリライト形成するための記録信号を生成する。第3のサーボパターン64をリライト形成するための記録信号は、リードチャネル28を介して記録再生ヘッド12に送信される。これにより、図12に示すように、第3のサーボパターン64は、第1のサーボパターン34及びシステム領域62に対して、円周方向にずれた位置に形成される(ステップS48)。なお、磁気ディスク18上に第3のサーボパターン64を形成する際には、回転する磁気ディスク18に対して、記録再生ヘッド12を半径方向に移動させながら(既定の送りピッチで移動させながら)、セクタごとに順次形成する。そして、リライト形成インナーシリンダまで到達した時点で、第3のサーボパターン64の形成が終了する。
【0056】
ここで、第2のサーボパターン36は、前述したように、磁気ディスク18上における相対位置情報を有し、リライト形成アウターシリンダ上の第2のサーボパターン36は、絶対位置情報を有する。したがって、記録再生ヘッド12の位置決め制御を、リライト形成アウターシリンダ上の第2のサーボパターン36から実行し、その後は、第2のサーボパターン36を用いることで、磁気ディスク18上での絶対位置を特定しつつ、記録再生ヘッド12の位置決め制御を行うことできる。
【0057】
次いで、MPU30(ヘッド位置制御部54)は、ステップS50において、第2のサーボパターン36を用いた位置決め制御を停止して、記録再生ヘッド12を磁気ディスク18の外部にアンロードする。
【0058】
次いで、MPU30(ヘッド位置制御部54)は、ステップS52において、再度、第1のサーボパターン34のグレイコードや位相バーストなどの情報を用い、記録再生ヘッド12を第1のサーボパターン34内の目標トラックに位置決めする。なお、前述したステップS50において、記録再生ヘッド12を磁気ディスク18の外部に一旦アンロードさせるのは、記録再生ヘッド12の位置決め制御を、第2のサーボパターン36から第1のサーボパターン34に切り替える必要があるからである。
【0059】
次いで、MPU30は、ステップS54において、システム領域62にリライト形成が終了したことを記録し、ステップS34に戻る。
【0060】
次に、MPU30は、システム領域62から、リライト形成のスケジュールデータとリライト形成が終了した情報とを読み出し(ステップS34)、リライト形成スケジュールが全て終了したかを判断する(ステップS36)。MPU30は、システム領域62から読み出したリライト形成のスケジュールデータとリライト形成が終了した情報とに基づき、リライト形成スケジュールが全て終了したと判断すると、ステップS36の判断が肯定されて、ステップS56に移行する。
【0061】
そして、MPU30は、ステップS56において、システム領域62に全てのリライト形成が完了したことを記録し、図10の全処理を終了する。
【0062】
以上のようにして、第3のサーボパターン64が形成された後は、試験工程等を経て、出荷段階に移行する。そして、出荷後は、MPU30は、第3のサーボパターン64に基づいて、記録再生ヘッド12の位置制御を行いつつ、磁気ディスク18に対する情報(ユーザデータ)の記録・再生を実行する。
【0063】
以上詳細に説明したように、本実施形態によると、範囲決定部53が、磁気ディスク18の外周側に存在する第1のサーボパターン(外周側)34Aを用いて記録再生ヘッド12が読み書き可能な外周側の範囲(リライト形成アウターシリンダ)を決定する処理を実行するので、記録再生ヘッド12が第3のサーボパターン64を記録している間等において、磁気ディスク18の外周側に位置する部材(ランプ部材17)に、記録再生ヘッド12が接触するのを抑制することができる。この場合、ランプ部材17の形成精度やランプ部材17の固定位置誤差に起因してランプ部材17が磁気ディスク18上にせり出す長さが、装置ごとに異なっても問題なく接触を抑制することが可能である。また、例えば、記録再生ヘッドを複数備えるような場合でも、記録再生ヘッド12それぞれを保持するHSA11のカシメ角度ばらつきの影響を受けることなく接触を抑制することが可能となる。また、本実施形態では、範囲決定部53が、磁気ディスク18の内周側に存在する第1のサーボパターン(内周側)34Bを用いて内周側の記録再生ヘッド12が読み書き可能な範囲(リライト形成インナーシリンダ)を決定する処理を実行するので、記録再生ヘッド12が第3のサーボパターン64を記録している間等において、HSA11がインナーストッパ19に不用意に接触するのを抑制することができる。この場合、スピンドルモータ16に軸ぶれが存在していたり、磁気ディスク18を組み込む際に偏心が生じたりしても問題なく、接触を抑制することが可能となる。したがって、本実施形態では、上記両処理を実行することで第3のサーボパターン64を記録する範囲を適切に設定することができるので、第3のサーボパターン64を高精度に記録(リライト形成)することができる。また、第3のサーボパターン64を高精度に記録(リライト形成)することができるので、第3のサーボパターン64を用いて記録再生ヘッド12を移動制御することで、情報(ユーザデータ)の記録又は再生を高精度に行うことができる。
【0064】
また、装置ごとにリライト形成アウターシリンダやリライト形成インナーシリンダを設定するので、装置それぞれにおいて第3のサーボパターン64のリライト形成を適切に実行することができる。
【0065】
また、本実施形態では、シリンダ算出部55が、リライト形成アウターシリンダとリライト形成インナーシリンダとの間に形成可能なシリンダ本数を算出するので、第3のサーボパターン64を記録する前に磁気ディスク18におけるシリンダ本数を特定することができる。また、本実施形態では、シリンダ本数が、必要なシリンダ本数に達しなかった場合に、第3のサーボパターン64のリライト形成を実行しないこととしているので、所望の磁気ディスク18が得られないと予想される場合に、事前にリライト形成を実行しないこととすることで、作業の効率化を図ることが可能である。
【0066】
なお、上記実施形態では、ランプ端位置を基準に、ランプキャリブレーションシリンダ、スパイラル基準位置初期シリンダ、スパイラル基準位置(リライト形成アウターシリンダ)を順に決定する場合について説明したが、これに限られるものではない。例えば、ランプ端位置を基準にスパイラル基準位置(リライト形成アウターシリンダ)を直接決定することとしても良いし、例えば、ランプキャリブレーションシリンダを基準にスパイラル基準位置(リライト形成アウターシリンダ)を決定することとしても良い。
【0067】
また、上記実施形態では、ストッパキャリブレーションシリンダをリライト形成インナーシリンダとする場合について説明したが、これに限らず、ストッパキャリブレーションシリンダに基づいて決定される新たな位置を、リライト形成インナーシリンダとすることとしても良い。
【0068】
なお、上記実施形態では、リライト形成アウターシリンダと、リライト形成インナーシリンダとを設定し、それらの値に基づいて、第3のサーボパターン64のリライト形成スケジュールを決定する場合について説明したが、これに限らず、リライト形成アウターシリンダと、リライト形成インナーシリンダのいずれかのみを決定し、その値に基づいて、第3のサーボパターン64のリライト形成スケジュールを決定することとしても良い。このようにしても、記録再生ヘッド12とランプ部材17との接触の抑制、又はHSA11とインナーストッパ19との接触の抑制を図ることが可能となる。
【0069】
なお、上記実施形態では、1回のリライト形成により第3のサーボパターン64を形成する場合について説明したが、これに限らず、複数回のリライト形成により、第3のサーボパターンを形成することとしても良い。
【0070】
なお、上記実施形態では、リライト形成アウターシリンダを始点、リライト形成インナーシリンダを終点として、第3のサーボパターン64を形成する場合について説明したが、これに限らず、リライト形成インナーシリンダを始点、リライト形成アウターシリンダを終点として、第3のサーボパターン64を形成することとしても良い。
【0071】
上述した実施形態は本発明の好適な実施の例である。但し、これに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変形実施可能である。
【符号の説明】
【0072】
12 記録再生ヘッド
18 磁気ディスク(記録媒体)
34A,34B 第1のサーボパターン
36 第2のサーボパターン
53 範囲決定部
55 シリンダ算出部
56 記録信号生成部
64 第3のサーボパターン
100 磁気ディスク装置(情報記憶装置)
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報記憶装置及びサーボパターン記録方法に関し、特に予め記憶媒体上に形成されているサーボパターンを用いて新たなサーボパターンを形成し、当該新たなサーボパターンに基づいて記録再生を実行する情報記憶装置及び当該情報記憶装置に用いて好適なサーボパターン記録方法に関する。
【背景技術】
【0002】
磁気ディスク装置などの情報記憶装置に搭載される磁気ディスクなどの記録媒体上には、当該記録媒体に対するデータの読み書きを実行する記録再生ヘッドの位置決め制御に使用されるサーボパターンが形成されている。記録再生ヘッドは、このサーボパターンの読み出し結果に基づいて、記録媒体上における目標トラックに位置決めされる。
【0003】
記録媒体上に形成されるサーボパターンは、一般的には、記録媒体の内側から外側に向かって放射状に形成されている。また、他のサーボパターンとして、スパイラル形状(螺旋状)のサーボパターンと、それに接続する同心円状のサーボパターンとを有するものも提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
上記記録媒体上へのサーボパターンの形成は、外部STW(Servo Track Writing)設備において実行されている。しかしながら、外部STW設備にて記録媒体全面にサーボパターンを記録することとすると、1枚の記録媒体に対するサーボパターンの記録が長時間となるため、1つの設備を1枚の記録媒体が長期にわたって占有することになる。また、上記理由から、外部STW設備の増設などの必要も生じることから、設備投資コストの増大を招くおそれがある。
【0005】
これに対し、近年においては、外部STW設備での設備投資コストの低減を目的として、記録媒体が実装される情報記憶装置内で、サーボパターンを磁気的に書き込む方法が提案されている(例えば、特許文献2、3参照)。この方法では、情報記憶装置内の記録再生ヘッドによりスパイラル形状(螺旋状)のスパイラルサーボパターンを形成し、このスパイラルサーボパターンを用いて、放射状のサーボパターンの形成を行っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開昭61−59671号公報
【特許文献2】米国特許第5668679号明細書
【特許文献3】米国特許第7145744号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
最近では、スパイラル形状(螺旋状)のサーボパターンをリファレンスとして、サーボパターンを形成する方法の実用化に関する種々の検討がなされている。この方法は、記録媒体の一部に絶対位置情報を含む第1のサーボパターンを予め形成するとともに、記録媒体の全面に相対位置情報を含む第2のサーボパターンを予め形成しておき、記録媒体を磁気記憶装置内に実装した後に、第1、第2のサーボパターンを用いて、絶対位置情報を含む第3のサーボパターンを磁気ディスクの全面に形成するというものである。
【0008】
しかしながら、本方法の実用化に向けた検討において、精度上の課題や、コスト上の課題など、様々な課題が新たに出現してきている。
【0009】
そこで本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、高精度な情報の記録再生が可能な情報記憶装置を提供することを目的とする。また、本発明は、サーボパターンを高精度に形成することが可能なサーボパターン記録方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本明細書に記載の情報記憶装置は、記録面上における絶対位置情報を有する第1のサーボパターンと、前記記録面上における相対位置情報を有する第2のサーボパターンとが形成された円盤状の記録媒体と、前記記録媒体に対する情報の記録・再生を行う記録再生ヘッドと、前記記録媒体の外周側に第1のサーボパターンが存在する場合に、当該第1のサーボパターンを用いて外周側の前記記録再生ヘッドが読み書き可能な範囲を決定する第1の範囲決定処理と、前記記録媒体の内周側に第1のサーボパターンが存在する場合に、当該第1のサーボパターンを用いて内周側の前記記録再生ヘッドが読み書き可能な範囲を決定する第2の範囲決定処理と、の少なくとも一方を実行する範囲決定部と、前記範囲決定部により決定される範囲内で、前記第1、第2のサーボパターンの情報に基づいて、前記記録面上における絶対位置を有する第3のサーボパターンを、前記記録再生ヘッドを用いて前記記録媒体上に記録させるための制御信号を生成する記録信号生成部と、を備える情報記憶装置である。
【0011】
これによれば、記録媒体の外周側に第1のサーボパターンが存在する場合に、当該第1のサーボパターンを用いて記録再生ヘッドが読み書き可能な外周側の範囲を決定する処理(第1の範囲決定処理)を実行するので、記録再生ヘッドが第3のサーボパターンを記録している間等において、記録再生ヘッドや記録再生ヘッドを保持する部材が、他の部材(例えばランプ部材など)に不用意に接触するのを抑制することができる。また、記録媒体の内周側に第1のサーボパターンが存在する場合に、当該第1のサーボパターンを用いて内周側の記録再生ヘッドが読み書き可能な範囲を決定する処理(第2の範囲決定処理)を実行するので、記録再生ヘッドが第3のサーボパターンを記録している間等において、記録再生ヘッドや記録再生ヘッドを保持する部材が他の部材(例えばインナーストッパなど)に不用意に接触するのを抑制することができる。したがって、上記いずれかの処理を実行することで、記録再生ヘッドや記録再生ヘッドを保持する部材又はその他の部材の故障等を抑制し、高精度に第3のサーボパターンを記録することができる。更に、第1、第2の範囲決定処理の両方を実行することとすれば、第3のサーボパターンを記録する範囲を適切に設定できるので、より高精度に第3のサーボパターンを記録することができる。このように、本明細書に記載の情報記憶装置によれば、第3のサーボパターンを高精度に記録することができるので、当該第3のサーボパターンを用いて記録再生ヘッドを移動することで、情報(ユーザデータ)の記録又は再生を高精度に行うことが可能となる。
【0012】
本明細書に記載のサーボパターン記録方法は、記録面上における絶対位置情報を有する第1のサーボパターンと、前記記録面上における相対位置情報を有する第2のサーボパターンとが形成された円盤状の記録媒体の外周側に第1のサーボパターンが存在する場合に、当該第1のサーボパターンを用いて外周側の前記記録再生ヘッドが読み書き可能な範囲を決定する第1の範囲決定処理と、前記記録媒体の内周側に第1のサーボパターンが存在する場合に、当該第1のサーボパターンを用いて内周側の前記記録再生ヘッドが読み書き可能な範囲を決定する第2の範囲決定処理と、の少なくとも一方を実行する範囲決定工程と、前記範囲決定工程で決定される範囲内で、前記第1、第2のサーボパターンの情報に基づいて、前記記録面上における絶対位置を有する第3のサーボパターンを記録する記録工程と、を含むサーボパターン記録方法である。
【0013】
これによれば、記録媒体の外周側に第1のサーボパターンが存在する場合に、当該第1のサーボパターンを用いて記録再生ヘッドが読み書き可能な外周側の範囲を決定する処理(第1の範囲決定処理)を実行するので、記録再生ヘッドが第3のサーボパターンを記録している間等において、記録再生ヘッドや記録再生ヘッドを保持する部材が、他の部材(例えばランプ部材など)に不用意に接触するのを抑制することができる。また、記録媒体の内周側に第1のサーボパターンが存在する場合に、当該第1のサーボパターンを用いて内周側の記録再生ヘッドが読み書き可能な範囲を決定する処理(第2の範囲決定処理)を実行するので、記録再生ヘッドが第3のサーボパターンを記録している間等において、記録再生ヘッドや記録再生ヘッドを保持する部材が他の部材(例えばインナーストッパなど)に不用意に接触するのを抑制することができる。したがって、上記いずれかの処理を実行することで、記録再生ヘッドなどの故障等を抑制し、高精度に第3のサーボパターンを記録することができる。更に、第1、第2の範囲決定処理の両方を実行することとすれば、第3のサーボパターンを記録する範囲を適切に設定できるので、より高精度に第3のサーボパターンを記録することができる。
【発明の効果】
【0014】
本明細書に記載の情報記憶装置は、情報の記録・再生を高精度に行うことができるという効果を奏する。また、本明細書に記載のサーボパターン記録方法は、高精度なサーボパターンの記録を行うことができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】一実施形態に係る磁気ディスク装置の構成を概略的に示すブロック図である。
【図2】図1の磁気ディスク(磁気ディスク装置への実装前又は直後の磁気ディスク)を示す平面図である。
【図3】図2の磁気ディスクの外周側の領域を拡大して示す図である。
【図4】磁気ディスク装置の平面図である。
【図5】第3のサーボパターンのリライト形成範囲を設定する処理から、第3のサーボパターンの形成までの処理について示すフローチャート(その1)である。
【図6】図6(a)は、ランプ端位置について示す図であり、図6(b)は、ランプキャリブレーションシリンダについて示す図である。
【図7】リライト形成インナーシリンダについて示す図である。
【図8】スパイラル基準位置初期シリンダについて示す図である。
【図9】リライト形成アウターシリンダについて示す図である。
【図10】第3のサーボパターンのリライト形成範囲を設定する処理から、第3のサーボパターンの形成までの処理について示すフローチャート(その2)である。
【図11】第3のサーボパターンの形成方法について説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の情報記憶装置及びサーボパターン記録方法の一実施形態について、図1〜図11に基づいて詳細に説明する。
【0017】
図1には、本実施形態に係る情報記憶装置としての磁気ディスク装置100のブロック図が示されている。この図1に示すように、磁気ディスク装置100は、ディスクエンクロージャ80と、制御ボード90と、を備える。
【0018】
このうち、ディスクエンクロージャ80は、ヘッドアンプ10、記録再生ヘッド12、ボイスコイルモータ14、スピンドルモータ16、及び記録媒体としての磁気ディスク18を有している。
【0019】
ヘッドアンプ10は、リードチャネル28から入力されるデータを、記録再生ヘッド12(記録素子)に送信するとともに、記録再生ヘッド12(再生素子)によって読み取られたデータをリードチャネル28に送信する。
【0020】
記録再生ヘッド12は、セラミックなどからなる本体と、当該本体に組み込まれた、磁気ディスク18に情報(データ)を書き込むための記録素子、及び書き込まれたデータを読み取るための再生素子と、を有する。
【0021】
ボイスコイルモータ14は、サーボコントローラ26の制御の下、記録再生ヘッド12を保持するヘッド・スタック・アッセンブリ(HSA)を駆動し、磁気ディスク18上の所望の位置に記録再生ヘッド12を位置決めする。スピンドルモータ16は、サーボコントローラ26の制御の下、磁気ディスク18を、例えば4200〜15000rpmなどの適切な回転速度で回転させる。
【0022】
磁気ディスク18は、磁性体の磁化状態を変化させることにより、データを記録する記録媒体である。磁気ディスク18上には、ユーザデータを格納する領域のほか、記録再生ヘッド12の位置決め制御に用いられるサーボパターンが形成される。ここで、ディスクエンクロージャ80に搭載される前及び搭載された直後の磁気ディスク18は、図2に示すようなサーボパターンを有している。具体的には、磁気ディスク18は、ディスク基板190の外周部近傍の領域において、周方向に沿って所定間隔で設けられた第1のサーボパターン(外周側)34Aと、ディスク基板190の内周部近傍の領域において、周方向に沿って所定間隔で設けられた第1のサーボパターン(内周側)34Bと、ディスク基板190の全面に設けられたスパイラル形状(螺旋状)の第2のサーボパターン36と、を有している。
【0023】
本実施形態では、磁気ディスク18が磁気ディスク装置100に搭載された後、磁気ディスク18の全面に絶対位置情報を含む第3のサーボパターンを記録するが、上記第1、第2のサーボパターン34A,34B、36は、この記録における記録再生ヘッド12の位置決め用として用いられる。これら第1のサーボパターン34A,34Bと第2のサーボパターン36は、外部STW(Servo Track Writing)設備において、予め形成される。
【0024】
図3には、磁気ディスク18の一部を拡大した状態が示されている。第1のサーボパターン34A,34Bは、図3に示すように、磁気ディスク18の半径方向に延在している。すなわち、第1のサーボパターン34A,34Bは、磁気ディスク18の外側又は内側から放射状に設けられている。
【0025】
第1のサーボパターン34A,34Bは、実際には、プリアンブル、サーボシンクマーク、セクタデータ、グレイコード、及び位相バーストを含んでいる。このように、本実施形態では、第1のサーボパターン34A,34Bがグレイコード等を含んでいることから、記録再生ヘッド12が第1のサーボパターン34A,34Bを読み取ることにより、磁気ディスク18上での絶対位置を特定することができる。すなわち、第1のサーボパターン34A,34Bは、磁気ディスク18上における絶対位置情報を含んでいるといえる。
【0026】
一方、第2のサーボパターン36は、スパイラル形状(螺旋状)をしたパターンであり、第1のサーボパターン34A,34Bと交差した状態となっている。この第2のサーボパターン36は、シンクマークと、バーストと、を含んでいる。このうち、シンクマークは、円周方向における基準タイミング情報として使用される。また、バーストは、その振幅ピーク位置タイミングにより、第2のサーボパターン36の位置を示す。このように、本実施形態では、第2のサーボパターン36がグレイコード等を含んでいないことから、第2のサーボパターン36を読み取っても、磁気ディスク18上の絶対位置を特定することはできず、相対位置のみ特定することができる。すなわち、第2のサーボパターン36は、磁気ディスク18上における相対位置情報を含んでいるといえる。
【0027】
第1のサーボパターン(外周側)34Aに隣接した位置には、図2、図3に示すように、システム領域62が設けられている。このシステム領域62には、後述する第3のサーボパターンを記録する際のスケジュールデータや、リライト形成インナーシリンダ、リライト形成アウターシリンダなどが格納される。
【0028】
図1に戻り、制御ボード90は、ハードディスクコントローラ20、データバッファ22、記録部としてのメモリ24、サーボコントローラ26、リードチャネル28、及びMPU(Micro Processing Unit)30を有する。これらのうち、ハードディスクコントローラ20、メモリ24、サーボコントローラ26、リードチャネル28、及びMPU30は、システムバス32を介して互いに接続した状態となっている。
【0029】
ハードディスクコントローラ20は、磁気ディスク装置100のホストであるコンピュータなどのホストシステムとの間で各種命令・データの授受を行う。データバッファ22は、ホストシステムからのデータなどを一時的に記憶する。
【0030】
メモリ24は、例えばRAM(Random Access Memory)などの揮発性メモリと、フラッシュROM(Read Only Memory)などの不揮発性メモリとを含んでいる。RAMは、MPU30が制御処理を実行するときに使用するワークメモリである。フラッシュROMは、MPU30によって実行される制御プログラムが予め格納されている。なお、フラッシュROMは、上述した磁気ディスク18上のシステム領域62の代わりに、第3のサーボパターンを記録する際のスケジュールデータなどを記録する場合もある。
【0031】
サーボコントローラ26は、MPU30からの指示に基づき、ボイスコイルモータ14やスピンドルモータ16の駆動を制御する。
【0032】
リードチャネル28は、ライト変調部及びリード復調部として機能する。
【0033】
MPU30は、磁気ディスク装置100全体を統括的に制御する。このMPU30は、図1に示すように、ヘッド位置制御部54、範囲決定部53、シリンダ算出部55、及び記録信号生成部56を有する。ヘッド位置制御部54は、磁気ディスク18上の所望の位置に記録再生ヘッド12を位置決め制御する。範囲決定部53は、第3のサーボパターンを記録する範囲(磁気ディスク18の半径方向に関する範囲)を決定する。シリンダ算出部55は、範囲決定部53が決定した範囲内に何本のシリンダを形成できるかを算出する。記録信号生成部56は、対象位置に位置決め制御された記録再生ヘッド12により、対象位置における磁気ディスク18に、絶対位置情報を有する第3のサーボパターンを記録させるための記録信号を生成する。
【0034】
図4には、磁気ディスク装置100の平面図が示されている。この図4に示すように、磁気ディスク18の外周部近傍にはランプ部材17が設けられている。このランプ部材17は、磁気ディスク18外にアンロードしている記録再生ヘッド12を保持(指示)する部材である。ランプ部材17は、筐体に、ネジ締め等により固定されている。ランプ部材17が磁気ディスク18上にせり出す長さは、ランプ部材17自体の形成精度や、ランプ部材17の固定位置誤差に応じて装置ごとに異なっている。
【0035】
また、図4に示すように、記録再生ヘッド12を保持するヘッド・スタック・アッセンブリ(HSA)11の近傍には、HSA11の可動範囲の端部を規定するインナーストッパ19が設けられている。このインナーストッパ19は、記録再生ヘッド12が磁気ディスク18の最内周に位置したとき(図4において破線で示している)に、HSA11と接触する位置に設けられている。ただし、スピンドルモータ16に軸ぶれが存在していたり、磁気ディスク18を組み込む際に偏心が生じたりすると、記録再生ヘッド12が最内周に位置していないにも関わらず、HSA11がインナーストッパ19に接触することもある。
【0036】
次に、図5、図10のフローチャートに沿って、第3のサーボパターンを記録する範囲の設定から、第3のサーボパターンの形成までの処理について、詳細に説明する。
【0037】
まず、MPU30(範囲決定部53)は、図5のステップS10において、第1のサーボパターン(外周側)34Aを利用したランプ位置キャリブレーションを実行する。
【0038】
具体的には、範囲決定部53は、まず、磁気ディスク18上のアンロードシリンダ位置から、ボイスコイルモータ14に指定された電流を供給して記録再生ヘッド12をアンロードさせる。ここで、上記アンロードシリンダ位置は、予め規定された位置であり、第1のサーボパターン(外周側)34Aに基づいて検出できるものである。範囲決定部53は、記録再生ヘッド12がアンロードされている間、ボイスコイルモータ14の逆起電力をモニタしながら、記録再生ヘッド12の速度制御を行う。そして、範囲決定部53は、記録再生ヘッド12が磁気ディスク18上からランプ部材17上に乗り換わる位置(すなわち、ランプの端部)を、ボイスコイルモータ14の電流変化に基づいて検出し、その位置をランプ端位置とする(図6(a)参照)。
【0039】
次いで、MPU30(範囲決定部53)は、図5のステップS11において、ランプキャリブレーションシリンダを設定し、システム領域62に保存する。ここで、ランプキャリブレーションシリンダとは、ステップS10で求められたランプ端位置から、図6(b)に示す距離(L1)だけ半径方向内側にずれた位置である。なお、距離L1は、装置特性等を考慮して予め定められた距離である。
【0040】
次いで、MPU30(範囲決定部53)は、図5のステップS12において、第1のサーボパターン(内周側)34Bを利用したインナーストッパ位置キャリブレーションを実行する。
【0041】
具体的には、範囲決定部53は、まず、第1のサーボパターン(内周側)34Bの最内周付近に、記録再生ヘッド12をオントラックさせる。次いで、範囲決定部53は、第1のサーボパターン(内周側)34Bのグレイコードをモニタしながら、ボイスコイルモータ14に定電流を供給して、記録再生ヘッド12を内周方向に移動させる。そして、範囲決定部53は、記録再生ヘッド12が移動している間に、グレイコードが変化しなくなる位置(グレイコードシリンダ位置)を検出する。このグレイコードシリンダ位置は、HSA11とインナーストッパ19とが接触する位置である。範囲決定部53は、このグレイコードシリンダ位置を、ストッパキャリブレーションシリンダとして設定する(図7参照)。
【0042】
次いで、MPU30(範囲決定部53)は、ステップS13において、ストッパキャリブレーションシリンダを、システム領域62に保存する。
【0043】
次いで、MPU30(範囲決定部53)は、ステップS14において、システム領域62から、ステップS11で保存しておいたランプキャリブレーションシリンダと、ステップS13で保存しておいたストッパキャリブレーションシリンダと、を読み出す。
【0044】
次いで、ステップS15において、シリンダ算出部55が、形成可能シリンダ数を次式(1)にて計算する。なお、ストッパキャリブレーションシリンダ(SCS)は、ランプキャリブレーションシリンダ(RCS)よりも大きいものとする。
形成可能シリンダ数=SCS−RCS …(1)
【0045】
次いで、シリンダ算出部55は、ステップS16において、上式(1)にて算出された形成可能シリンダ数が、予め定められている必要シリンダ数以上であるか否かを判断する。ここでの判断が否定された場合には、必要とするシリンダ数を確保できないので、以降の処理を行わずに全処理を終了する。一方、ここでの判断が肯定された場合には、ステップS17に移行する。
【0046】
次いで、MPU30(範囲決定部53)は、ステップS17において、ランプキャリブレーションシリンダを基に、スパイラル基準位置初期シリンダを設定する。ここで、スパイラル基準位置初期シリンダは、図8(a)に示すように、ランプキャリブレーションシリンダから距離(L2)だけ外側にずれた位置である。ここで、距離(L2)は、図8(b)に示すように、ランプ位置キャリブレーション(ステップS10)における測定ばらつきを保障するシリンダ数分、磁気ディスク18の偏心量のバラツキを保障するシリンダ数分、スパイラル基準位置(後述)をサーチする際に必要とするシリンダ数分を加算した距離である。これら各値は、予め定められている値である。
【0047】
次いで、MPU30(範囲決定部53)は、ステップS18において、スパイラル基準位置初期シリンダから、半径方向内側にサーチを実行して、スパイラル基準位置を設定する。このスパイラル基準位置は、第2のサーボパターン36を検出するタイミングが所定のタイミングになる位置である。
【0048】
次いで、MPU30(範囲決定部53)は、ステップS19において、スパイラル基準位置をリライト形成アウターシリンダとして、システム領域62に保存する。
【0049】
次いで、MPU30(範囲決定部53)は、ステップS20において、システム領域からリライト形成アウターシリンダと、ストッパキャリブレーションシリンダを読み出す。
【0050】
そして、MPU30(範囲決定部53)は、ステップS21において、ストッパキャリブレーションシリンダをリライト形成インナーシリンダとし、当該リライト形成インナーシリンダと、リライト形成アウターシリンダとを用いたリライト形成スケジュールを作成し、システム領域62に保存する。すなわち、リライト形成アウターシリンダを起点とし、リライト形成インナーシリンダを終点とする範囲に、第3のサーボパターンを書き込むためのリライト形成スケジュールを作成し、保存する。このスケジュールでは、第3のサーボパターンを形成するために実行する必要のあるリライト回数、各リライトにおけるシリンダ位置などの情報(スケジュールデータ)などが規定される。なお、本実施形態では、1回のリライト形成により、第3のサーボパターン64(図11参照)を形成する場合を例に採り説明する。
【0051】
MPU30(ヘッド位置制御部54)は、図10のステップS30において、サーボコントローラ26を介してスピンドルモータ16やボイスコイルモータ14の駆動を制御し、記録再生ヘッド12を第1のサーボパターン34内の目標トラックに位置決めする。この場合、第1のサーボパターン34のグレイコードや位相バーストなどの情報を用いることで、記録再生ヘッド12を目標トラックに位置決めすることが可能である。
【0052】
次いで、MPU30は、ステップS32において、リライト形成アウターシリンダの位置情報を読み出す。また、MPU30は、ステップS34において、システム領域62に記録されているリライト形成のスケジュールデータを読み出す。
【0053】
次に、MPU30は、ステップS36において、リライト形成スケジュールが全て終了したかを判断する。ここでは、まだリライト形成を行っていないので判断は否定され、ステップS38に移行する。次いで、MPU30(ヘッド位置制御部54)は、ステップS38において、スピンドルモータ16やボイスコイルモータ14を制御し、システム領域62から読み出したリライト形成アウターシリンダ上に、記録再生ヘッド12を移動する。この移動において、MPU30(ヘッド位置制御部54)は、第1のサーボパターン34のグレイコードや位相バーストなどの情報を用いる。
【0054】
次に、MPU30(ヘッド位置制御部54)は、ステップS40において、記録再生ヘッド12の位置決め制御を、第1のサーボパターン34を用いた位置決め制御から第2のサーボパターン36を用いた位置決め制御に乗り換える。そして、MPU30(ヘッド位置制御部54)は、ステップS42において、システム領域62から読み出したスケジュールデータに基づき、リライト形成開始位置に記録再生ヘッド12を移動させる。なお、本実施形態では1回のリライト形成を行うのみであり、リライト形成開始位置は前述したリライト形成アウターシリンダであることから、ステップS42における記録再生ヘッド12の移動は行われない。ただし、リライト形成を複数回に分けて行う場合の2回目以降の処理におけるステップS42では、その前に行われたリライト形成における終了位置近傍をリライト形成開始位置とする。
【0055】
次に、MPU30(ヘッド位置制御部54)は、ステップS44において、システム領域62から読み出したリライト形成スケジュールにおけるシリンダ位置情報に基づき、サーボコントローラ26を介してスピンドルモータ16やボイスコイルモータ14を駆動し、記録再生ヘッド12の位置決め制御を行う。この際の、記録再生ヘッド12の位置決め制御は、第2のサーボパターン36を用いて行う。記録再生ヘッド12の位置決め制御が行われている間、MPU30(記録信号生成部56)は、ステップS46において、第3のサーボパターン64をリライト形成するための記録信号を生成する。第3のサーボパターン64をリライト形成するための記録信号は、リードチャネル28を介して記録再生ヘッド12に送信される。これにより、図12に示すように、第3のサーボパターン64は、第1のサーボパターン34及びシステム領域62に対して、円周方向にずれた位置に形成される(ステップS48)。なお、磁気ディスク18上に第3のサーボパターン64を形成する際には、回転する磁気ディスク18に対して、記録再生ヘッド12を半径方向に移動させながら(既定の送りピッチで移動させながら)、セクタごとに順次形成する。そして、リライト形成インナーシリンダまで到達した時点で、第3のサーボパターン64の形成が終了する。
【0056】
ここで、第2のサーボパターン36は、前述したように、磁気ディスク18上における相対位置情報を有し、リライト形成アウターシリンダ上の第2のサーボパターン36は、絶対位置情報を有する。したがって、記録再生ヘッド12の位置決め制御を、リライト形成アウターシリンダ上の第2のサーボパターン36から実行し、その後は、第2のサーボパターン36を用いることで、磁気ディスク18上での絶対位置を特定しつつ、記録再生ヘッド12の位置決め制御を行うことできる。
【0057】
次いで、MPU30(ヘッド位置制御部54)は、ステップS50において、第2のサーボパターン36を用いた位置決め制御を停止して、記録再生ヘッド12を磁気ディスク18の外部にアンロードする。
【0058】
次いで、MPU30(ヘッド位置制御部54)は、ステップS52において、再度、第1のサーボパターン34のグレイコードや位相バーストなどの情報を用い、記録再生ヘッド12を第1のサーボパターン34内の目標トラックに位置決めする。なお、前述したステップS50において、記録再生ヘッド12を磁気ディスク18の外部に一旦アンロードさせるのは、記録再生ヘッド12の位置決め制御を、第2のサーボパターン36から第1のサーボパターン34に切り替える必要があるからである。
【0059】
次いで、MPU30は、ステップS54において、システム領域62にリライト形成が終了したことを記録し、ステップS34に戻る。
【0060】
次に、MPU30は、システム領域62から、リライト形成のスケジュールデータとリライト形成が終了した情報とを読み出し(ステップS34)、リライト形成スケジュールが全て終了したかを判断する(ステップS36)。MPU30は、システム領域62から読み出したリライト形成のスケジュールデータとリライト形成が終了した情報とに基づき、リライト形成スケジュールが全て終了したと判断すると、ステップS36の判断が肯定されて、ステップS56に移行する。
【0061】
そして、MPU30は、ステップS56において、システム領域62に全てのリライト形成が完了したことを記録し、図10の全処理を終了する。
【0062】
以上のようにして、第3のサーボパターン64が形成された後は、試験工程等を経て、出荷段階に移行する。そして、出荷後は、MPU30は、第3のサーボパターン64に基づいて、記録再生ヘッド12の位置制御を行いつつ、磁気ディスク18に対する情報(ユーザデータ)の記録・再生を実行する。
【0063】
以上詳細に説明したように、本実施形態によると、範囲決定部53が、磁気ディスク18の外周側に存在する第1のサーボパターン(外周側)34Aを用いて記録再生ヘッド12が読み書き可能な外周側の範囲(リライト形成アウターシリンダ)を決定する処理を実行するので、記録再生ヘッド12が第3のサーボパターン64を記録している間等において、磁気ディスク18の外周側に位置する部材(ランプ部材17)に、記録再生ヘッド12が接触するのを抑制することができる。この場合、ランプ部材17の形成精度やランプ部材17の固定位置誤差に起因してランプ部材17が磁気ディスク18上にせり出す長さが、装置ごとに異なっても問題なく接触を抑制することが可能である。また、例えば、記録再生ヘッドを複数備えるような場合でも、記録再生ヘッド12それぞれを保持するHSA11のカシメ角度ばらつきの影響を受けることなく接触を抑制することが可能となる。また、本実施形態では、範囲決定部53が、磁気ディスク18の内周側に存在する第1のサーボパターン(内周側)34Bを用いて内周側の記録再生ヘッド12が読み書き可能な範囲(リライト形成インナーシリンダ)を決定する処理を実行するので、記録再生ヘッド12が第3のサーボパターン64を記録している間等において、HSA11がインナーストッパ19に不用意に接触するのを抑制することができる。この場合、スピンドルモータ16に軸ぶれが存在していたり、磁気ディスク18を組み込む際に偏心が生じたりしても問題なく、接触を抑制することが可能となる。したがって、本実施形態では、上記両処理を実行することで第3のサーボパターン64を記録する範囲を適切に設定することができるので、第3のサーボパターン64を高精度に記録(リライト形成)することができる。また、第3のサーボパターン64を高精度に記録(リライト形成)することができるので、第3のサーボパターン64を用いて記録再生ヘッド12を移動制御することで、情報(ユーザデータ)の記録又は再生を高精度に行うことができる。
【0064】
また、装置ごとにリライト形成アウターシリンダやリライト形成インナーシリンダを設定するので、装置それぞれにおいて第3のサーボパターン64のリライト形成を適切に実行することができる。
【0065】
また、本実施形態では、シリンダ算出部55が、リライト形成アウターシリンダとリライト形成インナーシリンダとの間に形成可能なシリンダ本数を算出するので、第3のサーボパターン64を記録する前に磁気ディスク18におけるシリンダ本数を特定することができる。また、本実施形態では、シリンダ本数が、必要なシリンダ本数に達しなかった場合に、第3のサーボパターン64のリライト形成を実行しないこととしているので、所望の磁気ディスク18が得られないと予想される場合に、事前にリライト形成を実行しないこととすることで、作業の効率化を図ることが可能である。
【0066】
なお、上記実施形態では、ランプ端位置を基準に、ランプキャリブレーションシリンダ、スパイラル基準位置初期シリンダ、スパイラル基準位置(リライト形成アウターシリンダ)を順に決定する場合について説明したが、これに限られるものではない。例えば、ランプ端位置を基準にスパイラル基準位置(リライト形成アウターシリンダ)を直接決定することとしても良いし、例えば、ランプキャリブレーションシリンダを基準にスパイラル基準位置(リライト形成アウターシリンダ)を決定することとしても良い。
【0067】
また、上記実施形態では、ストッパキャリブレーションシリンダをリライト形成インナーシリンダとする場合について説明したが、これに限らず、ストッパキャリブレーションシリンダに基づいて決定される新たな位置を、リライト形成インナーシリンダとすることとしても良い。
【0068】
なお、上記実施形態では、リライト形成アウターシリンダと、リライト形成インナーシリンダとを設定し、それらの値に基づいて、第3のサーボパターン64のリライト形成スケジュールを決定する場合について説明したが、これに限らず、リライト形成アウターシリンダと、リライト形成インナーシリンダのいずれかのみを決定し、その値に基づいて、第3のサーボパターン64のリライト形成スケジュールを決定することとしても良い。このようにしても、記録再生ヘッド12とランプ部材17との接触の抑制、又はHSA11とインナーストッパ19との接触の抑制を図ることが可能となる。
【0069】
なお、上記実施形態では、1回のリライト形成により第3のサーボパターン64を形成する場合について説明したが、これに限らず、複数回のリライト形成により、第3のサーボパターンを形成することとしても良い。
【0070】
なお、上記実施形態では、リライト形成アウターシリンダを始点、リライト形成インナーシリンダを終点として、第3のサーボパターン64を形成する場合について説明したが、これに限らず、リライト形成インナーシリンダを始点、リライト形成アウターシリンダを終点として、第3のサーボパターン64を形成することとしても良い。
【0071】
上述した実施形態は本発明の好適な実施の例である。但し、これに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変形実施可能である。
【符号の説明】
【0072】
12 記録再生ヘッド
18 磁気ディスク(記録媒体)
34A,34B 第1のサーボパターン
36 第2のサーボパターン
53 範囲決定部
55 シリンダ算出部
56 記録信号生成部
64 第3のサーボパターン
100 磁気ディスク装置(情報記憶装置)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録面上における絶対位置情報を有する第1のサーボパターンと、前記記録面上における相対位置情報を有する第2のサーボパターンとが形成された円盤状の記録媒体と、
前記記録媒体に対する情報の記録・再生を行う記録再生ヘッドと、
前記記録媒体の外周側に第1のサーボパターンが存在する場合に、当該第1のサーボパターンを用いて外周側の前記記録再生ヘッドが読み書き可能な範囲を決定する第1の範囲決定処理と、前記記録媒体の内周側に第1のサーボパターンが存在する場合に、当該第1のサーボパターンを用いて内周側の前記記録再生ヘッドが読み書き可能な範囲を決定する第2の範囲決定処理と、の少なくとも一方を実行する範囲決定部と、
前記範囲決定部により決定される範囲内で、前記第1、第2のサーボパターンの情報に基づいて、前記記録面上における絶対位置を有する第3のサーボパターンを、前記記録再生ヘッドを用いて前記記録媒体上に記録させるための制御信号を生成する記録信号生成部と、を備える情報記憶装置。
【請求項2】
前記範囲決定部は、
前記第1の範囲決定処理では、前記記録媒体の外周部近傍に設けられた、前記記録再生ヘッドを支持するランプ部材の位置を検出し、その位置に基づいて前記記録再生ヘッドが読み書き可能な範囲の外周側の端部を決定し、
前記第2の範囲決定処理では、前記記録再生ヘッドが、前記記録媒体の内周側への移動を規制するインナーストッパに接触した位置を検出し、その位置に基づいて、前記記録再生ヘッドが読み書き可能な範囲の内周側の端部を決定することを特徴とする請求項1に記載の情報記憶装置。
【請求項3】
前記範囲決定部が前記第1の範囲決定処理と前記第2の範囲決定処理の両処理を実行した場合に、
前記各処理で決定された範囲内に形成可能なシリンダ本数を算出するシリンダ算出部を更に備える請求項1又は2に記載の情報記憶装置。
【請求項4】
前記シリンダ算出部による算出結果が、予め定められたシリンダ本数を超えなかった場合に、
前記記録信号生成部は、前記第3のサーボパターンを前記記録再生ヘッドに記録させるための制御信号を生成しないことを特徴とする請求項3に記載の情報記憶装置。
【請求項5】
記録面上における絶対位置情報を有する第1のサーボパターンと、前記記録面上における相対位置情報を有する第2のサーボパターンとが形成された円盤状の記録媒体の外周側に第1のサーボパターンが存在する場合に、当該第1のサーボパターンを用いて外周側の前記記録再生ヘッドが読み書き可能な範囲を決定する第1の範囲決定処理と、前記記録媒体の内周側に第1のサーボパターンが存在する場合に、当該第1のサーボパターンを用いて内周側の前記記録再生ヘッドが読み書き可能な範囲を決定する第2の範囲決定処理と、の少なくとも一方を実行する範囲決定工程と、
前記範囲決定工程で決定される範囲内で、前記第1、第2のサーボパターンの情報に基づいて、前記記録面上における絶対位置を有する第3のサーボパターンを記録する記録工程と、を含むサーボパターン記録方法。
【請求項6】
前記範囲決定工程において前記第1の範囲決定処理と前記第2の範囲決定処理の両処理を実行した場合に、前記各処理で決定された範囲内に形成可能なシリンダ本数を算出する算出工程と、
前記算出工程で算出されたシリンダ本数が、予め定められたシリンダ本数以上か否かを判断する判断工程と、を更に含み、
前記判断工程における判断が否定された場合には、前記記録工程を行わないことを特徴とする請求項5に記載のサーボパターン記録方法。
【請求項1】
記録面上における絶対位置情報を有する第1のサーボパターンと、前記記録面上における相対位置情報を有する第2のサーボパターンとが形成された円盤状の記録媒体と、
前記記録媒体に対する情報の記録・再生を行う記録再生ヘッドと、
前記記録媒体の外周側に第1のサーボパターンが存在する場合に、当該第1のサーボパターンを用いて外周側の前記記録再生ヘッドが読み書き可能な範囲を決定する第1の範囲決定処理と、前記記録媒体の内周側に第1のサーボパターンが存在する場合に、当該第1のサーボパターンを用いて内周側の前記記録再生ヘッドが読み書き可能な範囲を決定する第2の範囲決定処理と、の少なくとも一方を実行する範囲決定部と、
前記範囲決定部により決定される範囲内で、前記第1、第2のサーボパターンの情報に基づいて、前記記録面上における絶対位置を有する第3のサーボパターンを、前記記録再生ヘッドを用いて前記記録媒体上に記録させるための制御信号を生成する記録信号生成部と、を備える情報記憶装置。
【請求項2】
前記範囲決定部は、
前記第1の範囲決定処理では、前記記録媒体の外周部近傍に設けられた、前記記録再生ヘッドを支持するランプ部材の位置を検出し、その位置に基づいて前記記録再生ヘッドが読み書き可能な範囲の外周側の端部を決定し、
前記第2の範囲決定処理では、前記記録再生ヘッドが、前記記録媒体の内周側への移動を規制するインナーストッパに接触した位置を検出し、その位置に基づいて、前記記録再生ヘッドが読み書き可能な範囲の内周側の端部を決定することを特徴とする請求項1に記載の情報記憶装置。
【請求項3】
前記範囲決定部が前記第1の範囲決定処理と前記第2の範囲決定処理の両処理を実行した場合に、
前記各処理で決定された範囲内に形成可能なシリンダ本数を算出するシリンダ算出部を更に備える請求項1又は2に記載の情報記憶装置。
【請求項4】
前記シリンダ算出部による算出結果が、予め定められたシリンダ本数を超えなかった場合に、
前記記録信号生成部は、前記第3のサーボパターンを前記記録再生ヘッドに記録させるための制御信号を生成しないことを特徴とする請求項3に記載の情報記憶装置。
【請求項5】
記録面上における絶対位置情報を有する第1のサーボパターンと、前記記録面上における相対位置情報を有する第2のサーボパターンとが形成された円盤状の記録媒体の外周側に第1のサーボパターンが存在する場合に、当該第1のサーボパターンを用いて外周側の前記記録再生ヘッドが読み書き可能な範囲を決定する第1の範囲決定処理と、前記記録媒体の内周側に第1のサーボパターンが存在する場合に、当該第1のサーボパターンを用いて内周側の前記記録再生ヘッドが読み書き可能な範囲を決定する第2の範囲決定処理と、の少なくとも一方を実行する範囲決定工程と、
前記範囲決定工程で決定される範囲内で、前記第1、第2のサーボパターンの情報に基づいて、前記記録面上における絶対位置を有する第3のサーボパターンを記録する記録工程と、を含むサーボパターン記録方法。
【請求項6】
前記範囲決定工程において前記第1の範囲決定処理と前記第2の範囲決定処理の両処理を実行した場合に、前記各処理で決定された範囲内に形成可能なシリンダ本数を算出する算出工程と、
前記算出工程で算出されたシリンダ本数が、予め定められたシリンダ本数以上か否かを判断する判断工程と、を更に含み、
前記判断工程における判断が否定された場合には、前記記録工程を行わないことを特徴とする請求項5に記載のサーボパターン記録方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2010−165412(P2010−165412A)
【公開日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−6858(P2009−6858)
【出願日】平成21年1月15日(2009.1.15)
【出願人】(309033264)東芝ストレージデバイス株式会社 (255)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年1月15日(2009.1.15)
【出願人】(309033264)東芝ストレージデバイス株式会社 (255)
【Fターム(参考)】
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