説明

情報記憶装置

【課題】特別な清掃作業を要さずに、例えばフィルタといった装置内部に配置された被清掃部の清掃がより確実に行える情報記憶装置を提供する。
【解決手段】情報記憶装置において、筐体と、情報が記録される記録媒体が装填され記録媒体にアクセスする、筐体内に設けられて少なくとも一部が、記録媒体が載置される媒体トレイとして筐体の内外に移動可能なドライブと、筐体内に設けられた、不要物が付く被清掃部と、被清掃部に付いた不要物を掃き取るブラシと、ブラシと媒体トレイとの双方に連結された、媒体トレイの動きをブラシに伝達することで不要物の掃き取りを行わせる連結部材とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報記憶装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子部品を搭載した電子機器として、光ディスクのドライブに代表される、情報の記憶が可能な情報記憶装置を内蔵したパーソナルコンピュータ(PC)等が知られている。ここで、情報記憶装置自体も電子機器の一種であり、情報記憶装置を内蔵したPCはそのPC全体で一種の情報記憶装置としても機能する。例えば、PCでは、内蔵されたCPU等を筐体内に取り入れた空気で冷却することが広く行われている。
【0003】
空気中には塵埃が含まれており、塵埃が電子部品等に付着すると冷却効果が低下し、塵埃の量が過度になると故障、騒音の原因となる場合もある。このため、PC内には、取り込んだ空気から塵埃を集中的に取り除くフィルタが設けられている。このフィルタについても、塵埃が蓄積すると冷却効果が減少するため、PC内から取り出し、交換または清掃によって塵埃を除去することが望ましい。
【0004】
ここで、フィルタを人手によらず清掃する方法として、送風ファンによる逆方向への送風によってフィルタに付いた塵埃を除去する自動清掃方法が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0005】
また、光学式ディスクプレーヤーのディスクトレイやディスクのケースにブラシを設け、このブラシで光学式ピックアップの埃を払うクリーニング装置が知られている(例えば、特許文献2および特許文献3参照。)。
【特許文献1】特開2004−64010号公報
【特許文献2】実開平5−21336号公報
【特許文献3】特開平1−105371号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述した自動清掃方法では、フィルタ等に付いた塵埃を逆向きの送風だけで十分に除去できないおそれがある。また、上述したクリーニング装置では、例えば空気のフィルタといった、トレイやディスクケースがカバーする範囲外の清掃が想定されてない。
【0007】
上記事情に鑑み、本件開示の情報記憶装置は、特別な清掃作業を要さずに、例えばフィルタといった装置内部に配置された被清掃部の清掃がより確実に行える情報記憶装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本件開示の情報記憶装置の基本形態は、
筐体と、
情報が記録される記録媒体が装填されこの記録媒体にアクセスする、上記筐体内に設けられて少なくとも一部が、この記録媒体が載置される媒体トレイとしてこの筐体の内外に移動可能なドライブと、
上記筐体内に設けられた、不要物が付く被清掃部と、
上記被清掃部に付いた不要物を掃き取るブラシと、
上記ブラシと上記媒体トレイとの双方に連結された、この媒体トレイの動きをこのブラシに伝達することで上記不要物の掃き取りを行わせる連結部材とを備えている。
【0009】
この基本形態によれば、連結部材を介してドライブが有する媒体トレイと連結されたブラシが、媒体トレイの動きに応じて被清掃部に付いた不要物を掃き取るので、媒体の装填の際に清掃が行われ、しかも不要物を送風による方法に比べより確実に取り除くことができる。
【発明の効果】
【0010】
以上説明したように、情報記憶装置の上記基本形態によれば、特別な清掃作業を要さずに被清掃部の清掃がより確実に行える。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
上記基本形態に対し、「上記筐体は空気の吸入口が形成されたものであり、
上記被清掃部品が、上記吸入口から吸入された空気中の塵埃を濾し取るフィルタである」という応用形態は好適である。
【0012】
フィルタで濾し取られた塵埃は送風によって清掃することが困難であるが、この好適な応用形態によれば、フィルタの目詰まりをより確実に抑えることができる。
【0013】
基本形態および応用形態について上記説明した情報記憶装置に対する具体的な実施形態を、以下図面を参照して説明する。
【0014】
図1、図2、および図3は、情報記憶装置の具体的な第1実施形態であるパーソナルコンピュータ(PC)の構造を示す図である。図1はPCを前面側から見た斜視図であり、図2は平面図であり、図3は側面図である。なお、PCの筐体内部の部品について、図1では破線で示しているが、図2および図3では、上下前後関係を判りやすくするため一部実線で示している。
【0015】
図1〜図3に示すPC1は、筐体11、光ディスクドライブ12、回路基板13(図3)、電源装置14、集塵フィルタ15、ブラシ16、および連結棒17を備えている。
【0016】
ここで、光ディスクドライブ12は、上述した基本形態におけるドライブの一例に相当し、集塵フィルタ15は、上述した基本形態における被清掃部の一例に相当する。また、連結棒17は、上述した基本形態における連結部材の一例に相当する。
【0017】
回路基板13には、PC1の各部を制御する電子部品としてのCPU(Central Processing Unit)132が実装されている。CPU132は動作のために電力を消費して発熱する。CPU132の上にはCPU132の放熱を担う放熱フィン133が設けられており、放熱フィン133のさらに上には、放熱フィン133に向けて送風するファン134が設けられている。放熱フィン133は、板状の複数のフィンが隣同士で向き合うように一列に並んで基部に立っている形状を有している。回路基板13にはCPU132の他にも電子部品が搭載されているが、詳細な説明および図示は省略する。
【0018】
筐体11は箱型の形状であり、回路基板13をはじめPC1の各部品が収められている。筐体11のうち、回路基板13に搭載されたCPU132の上方の部分には、冷却に使用する空気を吸入する吸入口112が形成されている。筐体11上部の吸入口112から筐体11内部に吸入された空気は、送風するファン134によって放熱フィン133に送られ放熱フィン133の熱を奪う。これによってCPU132が冷却される。また、PC1の各部に電源を供給する電源装置14には、筐体11内の空気を筐体11外部に排出する排気ファン141が設けられている。放熱フィン133を通過した空気は、筐体11内部さらに電源装置14内部を通過し、排気ファン141によって筐体11外部に排出される。図2および図3には、上述した空気の主な経路が一点鎖線で示されている。
【0019】
集塵フィルタ15は細かい網状の繊維で形成されており、この集塵フィルタ15を通過する空気中の塵埃を濾し取る。集塵フィルタ15は、筐体11の吸入口112が形成された部分の直下に固定されており、吸入口112から吸入される空気の経路を横切って配置されている。このため、集塵フィルタ15は、吸入口112から吸入された空気中の塵埃を濾し取る。
【0020】
光ディスクドライブ12は、情報が記録される記録媒体としての光ディスクDが装填され、この光ディスクDにアクセスする。より詳細には、光ディスクドライブ12は、CPU132の制御に応じて、PC1に入力されたデータまたはPC1で処理されたデータを光ディスクDに記録し、また、光ディスクDに記録されたデータを再生しCPU132に供給する。光ディスクドライブ12は、この光ディスクドライブ12の一部として媒体トレイ122を有している。媒体トレイ122には光ディスクDが載置され、その前面部分は筐体11の前面に露出している。光ディスクドライブ12には、媒体トレイ122を駆動する図示しないモータが設けられており、PC1のユーザによるスイッチ123の操作に応じて媒体トレイ122が駆動される。媒体トレイ122が前後方向Fで移動することによって、媒体トレイ122に搭載された光ディスクDが光ディスクドライブ12に対して装填/開放される。図1〜3には、光ディスクDが装填された状態が示されている。
【0021】
ブラシ16は、集塵フィルタ15についた塵埃を掃き取る部材であり、前後方向Fで移動自在となるよう筐体11に取り付けられている。図1〜3には、ブラシ16が後側にある状態が示されている。連結棒17は、ブラシ16と媒体トレイ122との双方に連結されており、媒体トレイ122の動きをブラシ16に伝達する。このため、媒体トレイ122が前方に移動すると、ブラシ16が図1〜3に示す位置から前方に向かって移動する。このとき、ブラシ16の先端は集塵フィルタ15に接触し、集塵フィルタ15に付着した塵埃を掃き取る。媒体トレイ122が後方に移動する場合には、ブラシ16も後方に移動しながら集塵フィルタ15の塵埃を掃き取る。
【0022】
集塵フィルタ15には、吸入口112から吸入された空気中の塵埃が次第に蓄積するが、集塵フィルタ15に蓄積した塵埃は、ユーザの操作に応じて光ディスクDが光ディスクドライブ12に装填/開放される際にブラシ16によって掃き取られる。この結果、集塵フィルタ15の目詰まりが抑えられる。このようにして、ユーザが清掃作業を意識して行わなくとも、集塵フィルタ15の清掃が行われる。また、ブラシ16は媒体トレイ122の動きによって移動するので、ブラシ16を駆動するため専用の駆動機構を設けることなく簡単な機構で集塵フィルタ15の性能を維持することができる。さらに、塵埃はブラシ16で掃き取られるので、例えば送風による方法に比べより確実に取り除かれる。
【0023】
上記被清掃部品がフィルタであるである上記応用形態に対し、上記ブラシによって掃き取られた塵埃を回収する、上記ブラシに固定された塵埃回収部をさらに備えた応用形態は好適である。
【0024】
この好適な応用形態によれば、掃き取られた塵埃が筐体内で拡散することが抑えられる。
【0025】
続いて、上記基本形態および応用形態の情報記憶装置の具体的な第2実施形態について説明する。以下の第2実施形態の説明にあたっては、これまで説明してきた実施形態における各要素と同一の要素には同一の符号を付けて示すか符号を省略し、前述の実施形態との相違点について説明する。
【0026】
図4は、情報記憶装置の具体的な第2実施形態であるPCの構造を示す側面図である。
【0027】
図4に示すPC2は、塵埃回収箱28が設けられている点が、図1〜3に示す第1実施形態のPC1と異なる。ここで、塵埃回収箱28は、上述した応用形態における塵埃回収部の一例に相当する。
【0028】
図5は、図4に示すPCのブラシおよび塵埃回収箱を示す拡大斜視図である。
【0029】
図4および図5に示すように、塵埃回収箱28は、ブラシ16の下に配置されており、ブラシ16に固定されている。したがって、塵埃回収箱28はブラシ16とともに、媒体トレイ122の移動に合わせて前後方向で移動する。ブラシ16によって掃き取られた集塵フィルタ15の塵埃は落下し、ブラシ16の下に配置された塵埃回収箱28に回収される。このため、掃き取られた塵埃の拡散が抑えられる。
【0030】
上記被清掃部品がフィルタであるである応用形態に対し、上記ブラシによって掃き取られた塵埃の落下を、上記被清掃部の直下を避けるように案内する、上記ブラシに固定された案内部をさらに備えた応用形態は好適である。
【0031】
空気で冷却する部品は冷却効率の観点からフィルタの直下に配置される場合が多いが、この好適な応用形態によれば、塵埃を掃き取りつつこの塵埃が直下へ落下する事態を抑えることができる。例えば、掃き取られた塵埃が、特に、集塵フィルタ15の直下にあるファン134や放熱フィン133に付着することを避けることは望ましい。
【0032】
続いて、塵埃回収箱を用いることなしに、ファンや放熱フィンへの塵埃の付着が抑えられた、上記基本形態および応用形態の情報記憶装置の具体的な第3実施形態について説明する。以下の第3実施形態の説明にあたっては、これまで説明してきた実施形態における各要素と同一の要素には同一の符号を付けて示すか符号を省略し、前述の実施形態との相違点について説明する。
【0033】
図6は、情報記憶装置の具体的な第3実施形態であるPCのブラシおよび塵埃回収箱を示す拡大斜視図である。
【0034】
第3実施形態のPCは、塵埃回収箱の代わりに案内部38が設けられていることが第2実施形態のPC2と異なる。
【0035】
図6に示すように、案内部38は、ブラシ16の下に配置されておりブラシ16に固定されている。案内部38は、山形に組み合わせられた2枚の板で構成されており、ブラシ16によって掃き取られた塵埃の落下を、集塵フィルタ15(図4参照)の直下を避けるように案内する。この案内部38はブラシ16とともに、媒体トレイ122(図4参照)の移動に合わせ前後方向で移動する。ブラシ16によって掃き取られた塵埃は落下し、案内部38で案内され、ファン134や放熱フィン133を避けて落下する。
【0036】
上記基本形態に対し、「上記筐体内に設けられた、熱を発する電子部品を備え、
上記被清掃部品が、上記電子部品の放熱を担う放熱フィンである」という応用形態は好適である。
【0037】
この好適な応用形態によれば、媒体の装填の際に放熱フィンの塵埃を掃き取られ、放熱フィンの放熱性能が維持される。
【0038】
続いて、上記基本形態および応用形態の情報記憶装置の具体的な第4実施形態について説明する。以下の第4実施形態の説明にあたっては、これまで説明してきた実施形態における各要素と同一の要素には同一の符号を付けて示すか符号を省略し、前述の実施形態との相違点について説明する。
【0039】
図7は、情報記憶装置の具体的な第4実施形態であるPCの構造を示す側面図である。
【0040】
図7に示すPC4は、塵埃フィルタが設けられておらず、ブラシ46が放熱フィン433に付着した塵埃を掃き取るものとなっていることが、図1〜3に示す第1実施形態のPC1と異なる。ここで、放熱フィン433は、上述した応用形態における被清掃部品の一例に相当する。
【0041】
図8は、図7に示すPCにおける放熱フィンおよびブラシの配置を示す図である。図8のパート(A)は平面図であり、パート(B)はPC4の前面から見た正面図である。なお図8のパート(B)にはファン134も示されている。
【0042】
放熱フィン133は、複数の板が隣同士で向き合うように横一列に並んで配置された構造を有している。ブラシ46は、放熱フィン133を構成する複数のフィンに応じて複数設けられている。連結棒47はブラシ46側の先端が枝分かれしており、ブラシ46のそれぞれに連結されている。ブラシ46のそれぞれは隣合うフィンの間を通り、両側でこれら隣合うフィンの両方に接触する位置に配置されている。ブラシ46のそれぞれは、放熱フィン133の高さとほぼ同等の高さに形成されている。
【0043】
ブラシ46は、媒体トレイ122の移動に合わせて前後方向で移動し、放熱フィン133に付着した塵埃を掃き取る。これによって、放熱フィン133における放熱性能の低下が抑えられる。
【0044】
本件開示の電子装置の基本形態は、
空気の吸入口が設けられた筐体と、
上記筐体内に設けられた電子部品と、
ロール状に巻かれて一部が引き出された、その引き出された箇所が、上記吸入口から吸入される空気の経路を横切っている、表面に粘着性を有しこの表面の粘着性でこの空気中の塵埃を捕まえるフィルタとを備えている。
【0045】
この電子装置の基本形態によれば、吸入口から吸入された空気の塵埃が、ロール状に巻かれて一部が引き出されたフィルタの引き出された箇所に捕まえられる。この箇所に塵埃が蓄積した場合にはロール状に巻かれた部分からフィルタをさらに引き出すことにより、簡単な構成でフィルタの性能を維持することができる。
【0046】
続いて、電子装置の具体的な第1実施形態に相当する、情報記憶装置の具体的な第5実施形態について説明する。以下の第5実施形態の説明にあたっては、これまで説明してきた実施形態における各要素と同一の要素には同一の符号を付けて示すか符号を省略し、前述の実施形態との相違点について説明する。
【0047】
図9および図10は、情報記憶装置の具体的な第5実施形態であるPCの構造を示す図である。図9は平面図であり図10は側面図である。
【0048】
図9および図10に示すPC5は、ブラシおよび連結棒を備えておらず、ロール状に巻かれたフィルタ59を備えている点が、図1〜3に示す第1実施形態のPC1と異なる。
【0049】
フィルタ59は一部59aが引き出されており、引き出された一部59aが吸入口112から吸入される空気の経路を横切って配置されている。引き出された一部59aはさらに筐体11の外部に突出している。フィルタ59は表面に粘着性を有しており、この表面の粘着性で、空気中の塵埃を捕まえる。また、フィルタ59には空気を通過させる孔も形成されている。
【0050】
図9および図10に示すPC5において、吸入口112から吸入された空気はフィルタ59の表面に沿って流れ、フィルタ59の脇や穴を通過してファン134に向かう。このとき、吸入口112から吸入された空気の塵埃がフィルタ59の引き出された一部59aに捕まえられる。捕まえられた塵埃が、フィルタ59の引き出された一部59aに蓄積すると捕獲能力が低下する。PC5のユーザがフィルタ59の引き出された一部59aのうち、筐体11の外に突出した部分を引くことによって、この一部59aが筐体11の外に排出されてくるとともに、フィルタ59の巻かれていた部分が新たに引き出され、空気の経路を横切る位置に配置される。このようにして、フィルタ59の塵埃を捕らえる能力が維持される。
【0051】
上述した電子装置の基本形態に対し、上記筐体内に設けられた、上記フィルタの引き出された部分を巻き取ってこのフィルタの新たな部分を引き出す巻取り部をさらに備えた応用形態は好適である。
【0052】
この好適な応用形態によれば、巻取り部にフィルタの引き出された部分を巻き取らせることによってフィルタの性能を維持することができる。
【0053】
続いて、電子装置の具体的な第2実施形態に相当する、情報記憶装置の具体的な第6実施形態について説明する。この第6実施形態は、上記基本形態および応用形態の電子装置の具体的な第2実施形態に相当する。以下の第6実施形態の説明にあたっては、これまで説明してきた実施形態における各要素と同一の要素には同一の符号を付けて示すか符号を省略し、前述の実施形態との相違点について説明する。
【0054】
図11および図12は、情報記憶装置の具体的な第6実施形態であるPCの構造を示す図である。図11は平面図であり図12は側面図である。
【0055】
図11および図12に示すPC6は、筐体11内に、フィルタの引き出された部分を巻き取る巻取り部691を備えている点が、図9および図10に示す第5実施形態のPC5と異なる。
【0056】
巻取り部691は、回転することによって、フィルタ59の引き出された部分59aを巻き取ってフィルタ59の新たな部分を引き出す。巻取り部691は、回転軸の一部が筐体11の外部に突出している。この突出した部分をPC6のユーザが手で操作して回転すると、巻取り部691がフィルタ59の引き出された部分59aを巻き取る。これによって、塵埃が蓄積した部分を筐体11の外部に排出することなく、簡単な操作でフィルタの性能を維持することができる。
【0057】
なお、具体的な各実施形態に対する上記説明では、情報記憶装置および電子装置の一例としてPCが示されているが、この情報記憶装置および電子装置は、PC以外にも光ディスクレコーダであってもよく、あるいはテープレコーダであってもよい。
【0058】
また、具体的な各実施形態に対する上記説明では、情報記憶装置の基本形態におけるドライブの一例として光ディスクドライブ12が示されているが、このドライブは、光ディスクドライブ以外にも光磁気ディスクドライブであってもよく、あるいはディスク媒体以外の媒体にアクセスする装置であってもよい。
【0059】
また、具体的な各実施形態に対する上記説明では、情報記憶装置の基本形態におけるドライブの一例として光ディスクドライブの一部として媒体トレイを有する例が示されているが、このドライブは、媒体トレイを一部として有するもの以外にも、例えばノート型PCに搭載される光ディスクドライブのように、記録媒体にアクセスする部分も含めた全体が移動可能なドライブであってもよい。
【0060】
また、具体的な各実施形態に対する上記説明では、情報記憶装置の応用形態におけるフィルタの一例として細かい網状の繊維で形成された集塵フィルタ15が示されているが、このフィルタは、繊維以外にも金属製の網であってもよく、あるいは合成樹脂材料の網であってもよい。
【0061】
また、具体的な各実施形態に対する上記説明では、情報記憶装置の基本形態における連結部材の一例として連結棒17が示されているが、この連結部材は、棒以外にも例えば板状の部材であってもよい。
【0062】
また、具体的な各実施形態に対する上記説明では、情報記憶装置の応用形態における塵埃回収部の一例として塵埃回収箱28が示されているが、この塵埃回収部は、箱以外にも例えば、図9に示したフィルタであってもよい。
【0063】
また、具体的な各実施形態に対する上記説明では、電子装置の応用形態における電子部品の一例としてCPUが示されているが、この電子部品は、機械的な方法を使わずに電圧や電流を制御したり切り替えたりする部品であればよく、CPU以外にも例えば、メモリに代表される回路部品であってもよく、また、電源モジュールに代表される組み立て品であってもよい。
【0064】
また、具体的な各実施形態に対する上記説明では、電子装置の一例として、情報記憶装置およびPCが示されているが、この電子装置は、電子部品を搭載した装置であればよく、例えばコンピュータに代表される情報処理装置や、DVDプレーヤに代表される媒体再生装置であってもよい。
【0065】
以下、上述した基本形態および応用形態を含む種々の形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
【0066】
(付記1)
筐体と、
情報が記録される記録媒体が装填され該記録媒体にアクセスする、前記筐体内に設けられて少なくとも一部が、該記録媒体が載置される媒体トレイとして該筐体の内外に移動可能なドライブと、
前記筐体内に設けられた、不要物が付く被清掃部と、
前記被清掃部に付いた不要物を掃き取るブラシと、
前記ブラシと前記媒体トレイとの双方に連結された、該媒体トレイの動きを該ブラシに伝達することで前記不要物の掃き取りを行わせる連結部材とを備えたことを特徴とする情報記憶装置。
【0067】
(付記2)
前記筐体は空気の吸入口が形成されたものであり、
前記被清掃部品が、前記吸入口から吸入された空気中の塵埃を濾し取るフィルタであることを特徴とする付記1記載の情報記憶装置。
【0068】
(付記3)
前記ブラシによって掃き取られた塵埃を回収する、前記ブラシに固定された塵埃回収部をさらに備えたことを特徴とする付記2記載の情報記憶装置。
【0069】
(付記4)
前記ブラシによって掃き取られた塵埃の落下を、前記被清掃部の直下を避けるように案内する、前記ブラシに固定された案内部をさらに備えたことを特徴とする付記2記載の情報記憶装置。
【0070】
(付記5)
前記筐体内に設けられた、熱を発する電子部品を備え、
前記被清掃部品が、前記電子部品の放熱を担う放熱フィンであることを特徴とする付記1記載の情報記憶装置。
【0071】
(付記6)
空気の吸入口が設けられた筐体と、
前記筐体内に設けられた電子部品と、
ロール状に巻かれて一部が引き出された、その引き出された箇所が、前記吸入口から吸入される空気の経路を横切っている、表面に粘着性を有し該表面の粘着性で該空気中の塵埃を捕まえるフィルタとを備えたことを特徴とする電子装置。
【0072】
(付記7)
前記筐体内に設けられた、前記フィルタの引き出された部分を巻き取って該フィルタの新たな部分を引き出す巻取り部をさらに備えたことを特徴とする付記6記載の電子装置。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】情報記憶装置の具体的な第1実施形態であるPCの構造を示す斜視図である。
【図2】情報記憶装置の具体的な第1実施形態であるPCの構造を示す平面図である。
【図3】情報記憶装置の具体的な第1実施形態であるPCの構造を示す側面図である。
【図4】情報記憶装置の具体的な第2実施形態であるPCの構造を示す側面図である。
【図5】図4に示すPCのブラシおよび塵埃回収箱を示す拡大斜視図である。
【図6】情報記憶装置の具体的な第3実施形態であるPCのブラシおよび塵埃回収箱を示す拡大斜視図である。
【図7】情報記憶装置の具体的な第4実施形態であるPCの構造を示す側面図である。
【図8】図7に示すPCにおける放熱フィンおよびブラシの配置を示す図である。
【図9】情報記憶装置の具体的な第5実施形態であるPCの構造を示す平面図である。
【図10】情報記憶装置の具体的な第5実施形態であるPCの構造を示す側面図である。
【図11】情報記憶装置の具体的な第6実施形態であるPCの構造を示す平面図である。
【図12】情報記憶装置の具体的な第6実施形態であるPCの構造を示す側面図である。
【符号の説明】
【0074】
1,2,4,5,6 PC(情報記憶装置,電子装置)
11 筐体
12 光ディスクドライブ(ドライブ)
122 媒体トレイ
15 集塵フィルタ(被清掃部,フィルタ)
16,46 ブラシ
17,47 連結棒(連結部材)
28 塵埃回収箱(塵埃回収部)
38 案内部
59 フィルタ
112 吸入口
132 CPU(電子部品)
133 放熱フィン
134 ファン
141 排気ファン
433 放熱フィン(被清掃部品)
691 巻き取り部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体と、
情報が記録される記録媒体が装填され該記録媒体にアクセスする、前記筐体内に設けられて少なくとも一部が、該記録媒体が載置される媒体トレイとして該筐体の内外に移動可能なドライブと、
前記筐体内に設けられた、不要物が付く被清掃部と、
前記被清掃部に付いた不要物を掃き取るブラシと、
前記ブラシと前記媒体トレイとの双方に連結された、該媒体トレイの動きを該ブラシに伝達することで前記不要物の掃き取りを行わせる連結部材とを備えたことを特徴とする情報記憶装置。
【請求項2】
前記筐体は空気の吸入口が形成されたものであり、
前記被清掃部品が、前記吸入口から吸入された空気中の塵埃を濾し取るフィルタであることを特徴とする請求項1記載の情報記憶装置。
【請求項3】
前記ブラシによって掃き取られた塵埃を回収する、前記ブラシに固定された塵埃回収部をさらに備えたことを特徴とする請求項2記載の情報記憶装置。
【請求項4】
前記ブラシによって掃き取られた塵埃の落下を、前記被清掃部の直下を避けるように案内する、前記ブラシに固定された案内部をさらに備えたことを特徴とする請求項2記載の情報記憶装置。
【請求項5】
前記筐体内に設けられた、熱を発する電子部品を備え、
前記被清掃部品が、前記電子部品の放熱を担う放熱フィンであることを特徴とする請求項1記載の情報記憶装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2009−260111(P2009−260111A)
【公開日】平成21年11月5日(2009.11.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−108693(P2008−108693)
【出願日】平成20年4月18日(2008.4.18)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】