説明

情報記録再生装置及び光ディスクの再生耐久性評価方法

【課題】測定対象の記録型光ディスクが一定品質の再生耐久性を満たさない場合であっても、当該一定品質を満たすことができる新たな条件を簡単に算出することができる。
【解決手段】情報記録再生装置は、規定回数の再生耐久性を有するための最適記録パワーと最適再生パワーを複数の線速度に亘って対応付けた判断情報を記憶し、検出した第1線速度の最適記録パワーと、記憶された判断情報から取得した第1線速度の最適記録パワーを比較して、規定回数の再生耐久性を有しないと判定した場合には、第1線速度において規定回数の再生耐久性を有する最適再生パワーを所定方法で算出し、算出した最適再生パワーと記憶された判断情報の線形関係に基づいて、新たな判断情報を作成し、作成した判断情報を参照して、検出された第2線速度の最適記録パワーに対応する最適再生パワーを取得する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光ディスクの繰り返し再生に対する耐久性を評価する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
DVD(Digital Versatile Disc)、BD(Blu-ray Disc)などの光ディスクにおいては、何回再生しても一定の品質で再生が行えるという再生耐久性が求められており、例えば、BDの規格においては、100万回再生しても再生特性が劣化しないことが規定されている。
【0003】
しかしながら、光ディスクの再生耐久性を評価するのに、実際に100万回程度の再生を実施すると、最低でも数時間に及んで連続的にレーザパワーを照射する必要がある。
【0004】
この点、特許文献1に示す光ディスクの再生耐久性評価方法においては、ドライブで用いる通常再生パワーよりもパワーレベルの高い、少なくとも2種類の再生パワーで一定の品質を保つ再生回数を測定し、測定した結果にアレニウスの法則を適用して、通常再生パワーでの再生耐久性を求める技術が開示されている。
【0005】
この方法を利用すれば、測定対象の光ディスクが予め定めた一定の品質(例えば、100万回再生しても再生特性が劣化しないなど)を満たすか否かを短時間で判定することができる。
【0006】
【特許文献1】特開2007−293976号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、上述した特許文献1に示す方法において、測定対象の光ディスクが予め定めた一定の品質を満たさなかった場合であっても、光ディスクが記録型ディスクであれば、情報を再生する際の再生速度を上げて、情報を再生する際の再生パワーを上げることで、予め定めた一定の品質を満たすことは可能である。すなわち、測定対象の光ディスクが予め定めた一定の品質を満たさなかった場合であっても、別途、好適な記録速度及び記録パワーを選択して、情報を記録し、記録したこの情報を好適な再生速度及び再生パワーを選択して再生すれば、上記一定の品質を満たすことは可能である。
【0008】
本発明は、上記の事情を鑑みてなされたものであり、その課題の一例としては、測定対象の記録型光ディスクが一定品質の再生耐久性を有するか否かを短時間で判断できるとともに、測定対象の記録型光ディスクが一定品質を満たさない場合であっても、当該一定品質を満たすことができる新たな条件を簡単に算出することができる情報記録再生装置及び光ディスクの再生耐久性評価方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を達成するため、請求項1記載の情報記録再生装置は、レーザ光を光ディスクに出射することにより、光ディスクに情報を記録したり、光ディスクから情報を再生したりする情報記録再生装置であって、予め定めた規定回数の再生耐久性を有するための前記レーザ光の最適記録パワーと最適再生パワーを複数の線速度に亘って対応付けた再生耐久性判断情報を記憶する判断情報記憶手段と、測定対象の光ディスクの第1の線速度における最適記録パワーを検出する第1の最適記録パワー検出手段と、前記判断情報記憶手段を参照して、前記第1の線速度における最適記録パワー及び最適再生パワーを取得する第1の判断情報取得手段と、前記第1の最適記録パワー検出手段が検出した最適記録パワーと、前記第1の判断情報取得手段で取得した前記第1の線速度における最適記録パワーを比較して、前記第1の線速度かつ前記第1の最適記録パワー検出手段で検出した最適記録パワーで情報を記録し、記録した情報を前記第1の線速度かつ前記第1の判断情報取得手段が取得した最適再生パワーで再生したときには前記規定回数の再生耐久性を有するか否かを判定する再生耐久性判断手段と、前記再生耐久性判断手段により、前記規定回数の再生耐久性を有しないと判定された場合には、前記第1の線速度において前記規定回数の再生耐久性を有する最適再生パワーを所定の方法により算出し、算出した最適再生パワーと、前記判断情報記憶手段に記憶された再生耐久性判断情報の線形関係に基づいて、新たな再生耐久性判断情報を作成する判断情報作成手段と、前記測定対象の光ディスクの前記第1の線速度より大きな第2の線速度における最適記録パワーを検出する第2の最適記録パワー検出手段と、前記判断情報作成手段が作成した新たな再生耐久性判断情報を参照して、前記第2の最適記録パワー検出手段が検出した最適記録パワーに対応する最適再生パワーを取得する第2の判断情報取得手段と、前記測定対象の光ディスクにおいて前記規定回数の再生耐久性を有する条件は、前記第2の線速度かつ前記第2の最適記録パワー検出手段で検出した最適記録パワーで情報を記録し、記録した情報を前記第2の線速度かつ前記第2の判断情報取得手段が取得した最適再生パワーで再生した場合であることを算出する新再生条件算出手段と、を有することを特徴とする。
【0010】
また、請求項2記載の情報記録再生装置は、レーザ光を光ディスクに出射することにより、光ディスクに情報を記録したり、光ディスクから情報を再生したりする情報記録再生装置であって、前記光ディスクは、予め定めた規定回数の再生耐久性を有するための前記レーザ光の最適記録パワーと最適再生パワーを複数の線速度に亘って対応付けた再生耐久性判断情報を記憶する判断情報記憶手段を備えており、測定対象の光ディスクの第1の線速度における最適記録パワーを検出する第1の最適記録パワー検出手段と、前記判断情報記憶手段を参照して、前記第1の線速度における最適記録パワー及び最適再生パワーを取得する第1の判断情報取得手段と、前記第1の最適記録パワー検出手段が検出した最適記録パワーと、前記第1の判断情報取得手段で取得した前記第1の線速度における最適記録パワーを比較して、前記第1の線速度かつ前記第1の最適記録パワー検出手段が検出した最適記録パワーで情報を記録し、記録した情報を前記第1の線速度かつ前記第1の判断情報取得手段が取得した最適再生パワーで再生したときには、前記規定回数の再生耐久性を有するか否かを判定する再生耐久性判断手段と、前記再生耐久性判断手段により、前記規定回数の再生耐久性を有しないと判定された場合には、前記第1の線速度において前記規定回数の再生耐久性を有する最適再生パワーを所定の方法により算出し、算出した最適再生パワーと、前記判断情報記憶手段に記憶された再生耐久性判断情報の線形関係に基づいて、新たな再生耐久性判断情報を作成する判断情報作成手段と、前記測定対象の光ディスクの前記第1の線速度より大きな第2の線速度における最適記録パワーを検出する第2の最適記録パワー検出手段と、前記判断情報作成手段が作成した新たな再生耐久性判断情報を参照して、前記第2の最適記録パワー検出手段が検出した最適記録パワーに対応する最適再生パワーを取得する第2の判断情報取得手段と、前記測定対象の光ディスクにおいて前記規定回数の再生耐久性を有する条件は、前記第2の線速度かつ前記第2の最適記録パワー検出手段が検出した最適記録パワーで情報を記録し、記録した情報を前記第2の線速度かつ前記第2の判断情報取得手段が取得した最適再生パワーで再生した場合であることを算出する新再生条件算出手段と、を有することを特徴とする。
【0011】
また、請求項7記載の光ディスクの再生耐久性評価方法は、レーザ光を光ディスクに出射することにより、光ディスクに情報を記録したり、光ディスクから情報を再生したりする情報記録再生装置が光ディスクの再生耐久性を評価する方法であって、予め定めた規定回数の再生耐久性を有するための前記レーザ光の最適記録パワーと最適再生パワーを複数の線速度に亘って対応付けた再生耐久性判断情報を記憶する判断情報記憶手段を前記情報記録再生装置又は前記光ディスクが備えた状態において、測定対象の光ディスクの第1の線速度における最適記録パワー値を検出する第1の最適記録パワー検出ステップと、前記判断情報記憶手段を参照して、前記第1の線速度における最適記録パワー及び最適再生パワーを取得する第1の判断情報取得ステップと、前記第1の最適記録パワー検出ステップで検出した最適記録パワーと、前記第1の判断情報取得ステップで取得した前記第1の線速度における最適記録パワーを比較して、前記第1の線速度かつ前記第1の最適記録パワー検出ステップにおいて検出した最適記録パワーで情報を記録し、記録した情報を前記第1の線速度かつ前記第1の判断情報取得ステップで取得した最適再生パワーで再生したときには前記規定回数の再生耐久性を有するか否かを判定する再生耐久性判断ステップと、前記再生耐久性判断ステップにより、前記規定回数の再生耐久性を有しないと判定された場合には、前記第1の線速度において前記規定回数の再生耐久性を有する最適再生パワーを所定の方法により算出し、算出した最適再生パワーと、前記判断情報記憶手段に記憶された再生耐久性判断情報の線形関係に基づいて、新たな再生耐久性判断情報を作成する判断情報作成ステップと、前記測定対象の光ディスクの前記第1の線速度より大きな第2の線速度における最適記録パワーを検出する第2の最適記録パワー検出ステップと、前記判断情報作成ステップで作成した新たな再生耐久性判断情報を参照して、前記第2の最適記録パワー検出手段が検出した最適記録パワーに対応する最適再生パワーを取得する第2の判断情報取得ステップと、前記測定対象の光ディスクに対して前記規定回数の再生耐久性を有する条件は、前記第2の線速度かつ前記第2の最適記録パワー検出ステップが検出した最適記録パワーで情報を記録し、記録した情報を前記第2の線速度かつ前記第2の判断情報取得手段で取得した最適再生パワーで再生した場合であることを算出する新再生条件算出ステップと、を有することを特徴とする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態を図面を用いて説明する。
【0013】
<基本的な考え方>
本発明の実施の形態に係る情報記録再生装置1及び光ディスクの再生耐久性評価方法について説明する前に、まず、測定対象の光ディスク2が予め定めた規定回数の再生耐久性を有するか否かを判断するための基本的な考え方について説明する。
【0014】
図1は、BDR(Blu-ray Disc Recordable)の規格書(Blu-ray Disc, System Description Blu-ray Disc Recordable Format, Part 1, Basic Format Specifications, Version 1.30 Final Draft)に記載された最大定格の値に基づいて、本発明者が作成した表及びグラフである。詳しくは、図1(a)は、再生回数100万回の再生耐久性を備えるための最適記録パワーと最適再生パワーの関係を示す表であり、線速度(記録速度及び再生速度)ごとの最適記録パワーと最適再生パワーの組合せを示している。例えば、SL(片面1層)の一行目のデータは、1倍速(1X)の記録速度において当該記録速度における最適記録パワー6mWで記録したデータを、1倍速(1X)の再生速度において当該再生速度における最適再生パワー0.4mWで再生すると、100万回再生しても再生特性は劣化しないということを示している。また、同様にして、例えば、DL(片面2層)の3行目のデータは、4倍速(4X)の記録速度において当該記録速度における最適記録パワー18mWで記録したデータを、4倍速(4X)の再生速度において当該再生速度における最適再生パワー1.3mWで再生すると、100万回再生しても再生特性は劣化しないということを示している。
【0015】
図1(b)は、横軸を最適再生パワー(mW)、縦軸を最適記録パワー(mW)として、図1(a)の表をグラフにしたものである。図1(b)は、最適再生パワーと最適記録パワーの線形関係を示しており、線速度(記録速度、再生速度)を上げると、再生回数100万回の再生耐久性を備えるための最適記録パワー及び最適再生パワーがそれぞれ上がることを示している。すなわち、本実施の形態においては、図1(b)に示す直線L1及び直線L2上の点は、100万回の再生耐久性を有する最適記録パワー及び最適再生パワーの組合せを示しており、線速度を上昇させるに従って、最適記録パワー及び最適再生パワーの値も上昇するようになっている。詳しくは後述するが、本実施の形態においては、予め定められた規定回数(例えば、100万回など)の再生耐久性を有する最適記録パワーと最適再生パワーの組合せのデータは、図1(b)に示すように、線速度をパラメータとして、線形(比例)関係にあることを利用して、光ディスクの再生耐久性を評価するようになっている。
【0016】
ここで、本実施の形態に係る光ディスクの再生耐久性評価方法において、測定対象の光ディスク2が一定の品質の再生耐久性(例えば、再生回数100万回の再生耐久性)を備えているか否かを判定する方法について具体的に説明する。なお、本実施の形態においては、図1に示す情報、すなわち、予め定めた規定回数の再生耐久性を有する、最適再生パワーと最適記録パワーの線形関係を示す情報(以下、再生耐久性判断情報といい、判断情報とも略す)は、光ディスク2が装着される情報記録再生装置1に予め記憶されているものとする。つまり、情報記録再生装置1は、判断情報が記憶された情報テーブル(以下、判断情報テーブルという)TAをメモリ上に備えているものとする。
【0017】
まず、測定対象の光ディスク2に対して、所定の線速度(例えば、1倍速)で記録する場合の最適記録パワーWP1を決定する。これは、具体的には、情報記録再生装置1が装着された測定対象の光ディスク2に対してパワーキャリブレーションを実施して、PCA領域(パワー・キャリブレーション・エリア)にテスト記録することにより、最適記録パワーWP1を決定するものである。なお、これとは別の方法により最適記録パワーWP1を決定してもよい。例えば、光ディスク2のディスクインフォーメーション領域に線速度ごとの最適記録パワーが記録されている場合には、光ディスク2のディスクインフォーメーション領域に記録されている最適記録パワーを用いて、最適記録パワーWP1を決定してもよい。
【0018】
なお、本実施の形態では、情報記録再生装置1がパワーキャリブレーション等を実施して決定する最適記録パワーをWPと表記し、例えば、1倍速の記録速度で記録する場合の最適記録パワーをWP1と表記する。
【0019】
次に、決定した所定の線速度(例えば、1倍速)における最適記録パワーWP1と、判断情報テーブルTAに記憶された所定の線速度(例えば、1倍速)における最適記録パワーWP1(TA)を比較し、最適記録パワーWP1=最適記録パワーWP1(TA)の場合には、測定対象の光ディスクは予め定めた規定回数の再生耐久性を有するものと判断する。
【0020】
なお、本実施の形態では、情報記録再生装置1が判断情報テーブルTAから取得した最適記録パワーをWP(TA)と表記し、例えば、1倍速の記録速度で記録する場合の最適記録パワーをWP1(TA)と表記する。
【0021】
例えば、具体的には、情報記録再生装置1が図1に示す判断情報テーブルTAを備えており、測定対象の光ディスク2(BDのSL)の1倍速における最適記録パワーWP1が6mWであれば、判断情報テーブルTAに記憶されたSLの1倍速における最適記録パワーWP1(TA)は6mWであるので、この測定対象の光ディスク2は、記録速度1倍速かつ最適記録パワー6mWで情報を記録し、記録したこの情報を再生速度1倍速かつ再生速度1倍速における最適再生パワーRP1(TA)の0.4mWで再生する場合には、100万回の再生耐久性を有するものと判断する(図1(c)のP1参照)。
【0022】
なお、本実施の形態では、情報記録再生装置1が判断情報テーブルTAから取得した、所定の線速度における最適再生パワーをRP(TA)と表記し、例えば、1倍速の再生速度で再生する場合の最適再生パワーをRP1(TA)と表記する。
【0023】
一方、最適記録パワーWP1>最適記録パワーWP1(TA)の場合には、測定対象の光ディスク2は予め定めた規定回数以上の再生耐久性を有するものと判断する。パワーキャリブレーション等の実施により検出した最適記録パワーWP1が情報テーブルTAに記録された最適記録パワーWP1(TA)より大きいということは、測定対象の光ディスク2は、情報テーブルTAに記録された標準的な光ディスク2よりも、レーザビームの照射によって記録ドメインが作成される(例えば、記録層の溶融や屈折率変化等で記録されること)記録層の感度が悪いと考えられるからである。
【0024】
例えば、具体的には、情報記録再生装置1が図1に示す判断情報テーブルTAを備えており、測定対象の光ディスク(SL)の1倍速における最適記録パワーWP1が7mWであれば、判断情報テーブルTAに記載されたSLの1倍速における最適記録パワーWP1(TA)は6mWであるので、この測定対象の光ディスク2は、記録速度1倍速かつ最適記録パワー7mWで情報を記録し、記録したこの情報を再生速度1倍速かつ再生速度1倍速における最適再生パワーRP1(TA)の0.4mWで再生する場合には、100万回を超える再生耐久性を有するものと判断する(図1(c)のP2参照)。
【0025】
これに対して、最適記録パワーWP1<最適記録パワーWP1(TA)の場合には、測定対象の光ディスク2は予め定めた規定回数未満の再生耐久性を有するものと判断する。パワーキャリブレーション等の実施により検出した最適記録パワーWP1が情報テーブルTAに記録された最適記録パワーWP1(TA)より小さいということは、測定対象の光ディスク2は、情報テーブルTAに記録された標準的な光ディスク2よりも、レーザビームの照射によって記録ドメインが作成される(例えば、記録層の溶融や屈折率変化等で記録されること)記録層の感度が良いと考えられるからである。
【0026】
例えば、具体的には、情報記録再生装置1が図1に示す判断情報テーブルTAを備えており、測定対象の光ディスク2(BDのSL)の1倍速における最適記録パワーWP1が5mWであれば、判断情報テーブルTAのSLの1倍速における最適記録パワーWP1(TA)は6mWであるので、この測定対象の光ディスク2は、記録速度1倍速かつ最適記録パワー5mWで情報を記録し、記録したこの情報を再生速度1倍速かつ再生速度1倍速における最適再生パワーRP1(TA)の0.4mWで再生する場合には、100万回未満の再生耐久性を有するものと判断する(図1(c)のP3参照)。
【0027】
このように本実施の形態に係る光ディスクの再生耐久性評価方法は、所定の線速度、かつ所定の線速度に最適な再生パワーRP(TA)で情報を再生する場合においては、測定対象の光ディスク2から所定の線速度で記録する場合の最適記録パワーWP1の値を検出するだけで予め定めた規定回数以上の再生耐久性を有するか否かを判断することができる。換言すれば、図1(c)に示すグラフは、再生速度及び再生パワーが同一であれば、予め定めた規定回数の再生耐久性を満たす直線L1(L2)上、もしくは直線L1(L2)よりも上方の領域の点は、予め定めた規定回数の再生耐久性を満たすが、直線L1(L2)よりも下方の領域の点は、予め定めた規定回数の再生耐久性を満たさないことを示している。
【0028】
従って、本実施の形態に係る光ディスクの再生耐久性評価方法は、判断情報テーブルTAを用いることにより、測定対象の光ディスク2が予め定めた規定回数以上の再生耐久性を有するか否かを簡単かつ短時間で判断することができる。
【0029】
図2は、本発明者らの実験に基づく表及びグラフである。図2(a)は、再生回数100万回の再生耐久性を備えるための最適記録パワーと最適再生パワーの関係を示す表であり、線速(記録速度及び再生速度)ごとの最適記録パワーと最適再生パワーの組合せを示している。また、図2(b)は、横軸を最適再生パワー(mW)、縦軸を最適記録パワー(mW)として、図2(a)の表をグラフにしたものである。図2(b)は、最適再生パワーと最適記録パワーの線形関係を示しており、本実験においても、線速度(記録速度、再生速度)を上げると、再生回数100万回の再生耐久性を備えるための最適記録パワー及び最適再生パワーがそれぞれ上がることを示している。なお、図2に示す値は、図1と異なり測定値であるため、DL(片面2層)においては、L0(1層目:奥側)の最適記録パワーと、L1(2層目:手前側)の最適記録パワーは異なった値となっている。また、本実験では、100万回の再生耐久性を有する品質をジッタ値の劣化が+0.5%以内として測定をしているが、再生耐久性を測定する特性値は、ジッタ特性に限定されず、エラーレート特性、反射率特性、サーボ信号特性などを用いて測定してもよいのは勿論である。
【0030】
<光ディスク記録再生装置の構成>
図3は、本発明の実施の形態に係る情報記録再生装置1の概略構成を示す図である。情報記録再生装置1は、光ディスク2に対して情報を記録したり、光ディスク2に記録された情報を再生したりすることが可能な光ディスク記録再生装置であり、装着された光ディスク2の再生耐久性を評価する再生耐久性評価機能を備えている。なお、本実施の形態における光ディスク2としては、記録型(追記型、書き換え型の双方を含む)のBD(Blu-ray Disc)を好適な一例として挙げて説明するが、これに限定されるものではなく、記録型の光ディスクであれば何であってもよい。例えば、DVD(Digital Versatile Disc)、CD(Compact Disc)、HDDVD(High-Definition Digital Versatile Disc)であってもよい。また、光ディスク2としては、今後、光ディスクの大容量化に伴い、開発の進んでいる多層ディスク等も含む。
【0031】
情報記録再生装置1は、概略、図3に示すように、スピンドルモータ11、光ピックアップ12、信号増幅回路13、サーボ回路14、レーザ駆動回路15、及び制御部16を備えている。
【0032】
スピンドルモータ11は、光ディスク2を所定の回転数で回転させるモータである。
【0033】
光ピックアップ12は、光ディスク2にレーザ光を照射することによってデータを光ディスク2に記録するとともに、レーザ光の反射光を受け取ることによって光ディスク2に記録されたデータを読み取るようになっている。また、レーザ光の反射光に対応するRF信号を信号増幅回路13に出力するようになっている。具体的には、光ピックアップ12は、半導体レーザ17及び光検出器18を備え、レーザ光を光ディスク2上に収束させることにより、光ディスク2に対するデータの書き出し/読み取りを行うようになっている。なお、光ピックアップ12は、図示しないが、光ディスク2に対するレーザ光の照射状態を調整するための対物レンズアクチュエータと、半導体レーザ17から出射されたレーザ光を対物レンズに導き、かつ、光ディスク2からの反射光を光検出器18に導くための光学系を備えている。
【0034】
信号増幅回路13は、光ピックアップ12の光検出器18から出力されたRF信号を増幅及び演算処理して、各種信号(ウォブル信号、トラックエラー信号、及びフォーカスエラー信号)を生成し、サーボ回路14に出力するようになっている。
【0035】
サーボ回路14は、信号増幅回路13から入力された各種信号に基づいて、光ピックアップ12及びスピンドルモータ11の駆動を制御するようになっている。具体的には、サーボ回路14は、信号増幅回路13から入力されたフォーカスエラー信号及びトラッキングエラー信号からフォーカスサーボ信号及びトラッキングサーボ信号を生成し、光ピックアップ12の対物レンズアクチュエータに出力するようになっている。また、サーボ回路14は、信号増幅回路13から入力されたウォブル信号からモータサーボ信号を生成し、スピンドルモータ11に出力するようになっている。
【0036】
レーザ駆動回路15は、光ディスク2のデータ記録、消去及び再生に応じたレーザ光駆動信号を生成するようになっている。具体的には、データ記録時には、記録信号に応じた駆動信号を半導体レーザ17に出力し、データ再生時には、一定強度のレーザ光を出射するための駆動信号を半導体レーザ17に出力するようになっている。
【0037】
制御部16は、情報記録再生装置1全体を制御するようになっている。具体的には、制御部16は、CPU、メモリ(ROM、RAM)などから構成され、メモリに各種データ及びプログラムを格納するとともに、予め設定されたプログラムに従って、情報記録再生装置1の各部を制御するようになっている。例えば、本実施の形態においては、制御部16は、装着された光ディスク2の再生耐久性を評価する再生耐久性評価処理を実行するようになっている。
【0038】
次に、図4〜図6を参照して、制御部16の再生耐久性評価機能について詳しく説明する。ここで、図4は、制御部16の機能構成図であり、図5及び図6は、光ディスクの再生耐久性評価方法を具体的に説明するためのグラフである。
【0039】
本実施の形態に係る制御部16は、図4に示すように、再生耐久性判断情報記憶部161、第1最適記録パワー検出部162、第1最適記録パワー・最適再生パワー取得部163、再生耐久性判断部164、再生耐久性判断情報作成部165、第2最適記録パワー検出部166、第2最適再生パワー取得部167、及び新再生条件算出部168を具備する構成である。
【0040】
再生耐久性判断情報記憶部161は、具体的には、上述した判断情報テーブルTAであり、図1及び図2に示したような再生耐久性判断情報(判断情報)を記憶している。詳しくは、判断情報テーブルTAは、光ディスク2の種類(SL、DL)ごと、及び線速度ごとに、規定回数の再生耐久性を備える最適記録パワーと最適再生パワーの組合せを線形化して記憶している。
【0041】
なお、以下の制御部16の説明では、制御部16は、具体的に、図5(a)に示すような線形関係を有する判断情報テーブルTAを備えているものとして、説明する。すなわち、判断情報テーブルTAは、例えば、線速度1Xにおいては、100万回の再生耐久性を有する最適記録パワーは6mW、最適再生パワーは0.4mWであり、線速度4Xにおいては、100万回の再生耐久性を有する最適記録パワーは10.5mW、最適再生パワーは0.7mWのデータを備えているとする。
【0042】
第1最適記録パワー検出部162は、測定対象の光ディスク2の第1の線速度(初期値;本実施の形態においては1倍速)における最適記録パワーWP1を検出するようになっている。詳しくは、測定対象の光ディスク2に対してパワーキャリブレーションを実施して、または光ディスク2のディスクインフォーメーション領域に記録されている最適記録パワーを用いて、第1の線速度における最適記録パワーWPを決定するものである。
【0043】
第1最適記録パワー・最適再生パワー取得部163は、判断情報テーブルTAを参照して、第1の線速度(1倍速)における最適記録パワーWP1(TA)及び最適再生パワーRP1(TA)の組合せを取得するようになっている。
【0044】
例えば、第1最適記録パワー・最適再生パワー取得部163は、図5(a)に示すように、第1の線速度(記録速度1倍速)における最適記録パワーWP1(TA)6mW、第1の線速度(再生速度1倍速)における最適再生パワーRP1(TA)0.4mWを取得する(図5(a)の点P1参照)。
【0045】
再生耐久性判断部164は、測定対象の光ディスク2に対して第1最適記録パワー検出部162が検出した第1の線速度(1倍速)における最適記録パワーWP1と、第1最適記録パワー・最適再生パワー取得部163が取得した第1の線速度(1倍速)における最適記録パワーWP1(TA)を比較し、第1の線速度かつ第1の線速度における最適記録パワーWP1で情報を記録し、記録した情報を第1の線速度かつ第1の線速度における最適再生パワーRP1(TA)で再生した場合の予め定めた規定回数の再生耐久性を判断するようになっている。そして、最適記録パワーWP1≧最適記録パワーWP1(TA)のときは、測定対象の光ディスク2は予め定めた規定回数の再生耐久性を有すると判断し、最適記録パワーWP1<最適記録パワーWP1(TA)のときは、測定対象の光ディスク2は予め定めた規定回数の再生耐久性を有しないと判断するようになっている。
【0046】
例えば、第1最適記録パワー検出部162が、第1の線速度(1倍速)において最適記録パワーWP1として4mWを検出していた場合には、最適記録パワーWP1[4mW]<最適記録パワーWP1(TA)[6mW]であるので、第1の線速度(1倍速)かつ第1の線速度(1倍速)における最適再生パワーRP1(TA)の0.4mWで再生したときには100万回の再生耐久性を有しないと判断する(図5(b)の点P2参照)。
【0047】
再生耐久性判断情報作成部165は、再生耐久性判断部164が測定対象の光ディスク2に対して、予め定めた規定回数の再生耐久性を有しないと判断した場合には、測定対象の光ディスク2に対して新たな再生耐久性判断情報(判断情報)を作成するようになっている。
【0048】
詳しくは、再生耐久性判断情報作成部165は、測定対象の光ディスク2に対して、第1の線速度かつ第1の線速度における最適記録パワーWP1で情報を記録した場合に、第1の線速度において予め定めた規定回数の再生耐久性を有するような最適再生パワーRP1(AL)をアレニウスの法則に従った加速劣化試験で算出する最適再生パワー算出部171と、最適再生パワー算出部171が算出した最適再生パワーRP1(AL)に基づいて、新たな最適再生パワーと最適記録パワーの線形関係を作成する線形関係作成部172と、を備えている。
【0049】
なお、本実施の形態では、アレニウスの法則に従った加速劣化試験によって算出された、第1の線速度かつ第1の線速度における最適記録パワーWP1で情報を記録した場合に、第1の線速度において予め定めた規定回数の再生耐久性を有するような最適再生パワーを最適再生パワーRP1(AL)と表記する。
【0050】
例えば、最適再生パワー算出部171は、1倍速の記録速度かつ1倍速における最適記録パワーWP1の4mWで記録した情報を1倍速の再生速度で再生する場合において、100万回の再生耐久性を有する再生パワーをアレニウスの法則に基づいて0.2mWと算出したときには、最適再生パワーRP1(AL)を0.2mWとする(図5(b)の点P3参照)。なお、アレニウスの法則に従った加速劣化試験は、具体的には、少なくとも2種類の再生パワー(0.4mWより大きな再生パワー)において、一定の品質(100万回の再生耐久性に対応する特性値の変化率;例えば、ジッタ値の劣化が0.5%以内など)を保つ再生回数をそれぞれ測定し、測定したそれぞれの結果にアレニウスの法則を適用して、再生回数が100万回のときの最適再生パワーを求めるものである。
【0051】
次に、線形関係作成部172は、測定中の光ディスク2に対して、再生回数100万回の再生耐久性を備えるための最適記録パワーと最適再生パワーの新たな線形関係である判断情報テーブルTBを作成する。具体的には、図5(b)及び図6(a)に示すように、最適記録パワー4mWと最適再生パワー0.2mWの組合せの点P3を通って、直線Lに平行な直線L’を引く。この結果、この直線L’上の点は、線速度(記録速度及び再生速度)をパラメータとして、測定中の光ディスク2における100万回の再生耐久性を有する最適記録パワーWP’(TA)と最適再生パワーRP’(TA)の組合せを示すこととなる。
【0052】
なお、直線L’を直線Lに対して平行とするのは、同一種類の光ディスク2の物理的特性は同一なため、100万回の再生耐久性を有する最適記録パワーと最適再生パワーの組合せにおいて、最適記録パワーの最適再生パワーに対する変化率(傾き)は同一であると考えられるからである。
【0053】
このように再生耐久性判断情報作成部165は、測定対象の光ディスク2が1倍速の最適再生速度RP1(TA)において再生回数100万回の再生耐久性を備えていない場合であっても、最適再生パワーRP1(AL)及び判断情報テーブルTAの線形関係を利用して、再生回数100万回の再生耐久性を備えるための新たな条件(線速、再生パワー)を簡単に求めることができる。
【0054】
第2最適記録パワー検出部166は、再生耐久性判断部164が測定対象の光ディスク2に対して、予め定めた規定回数の再生耐久性を有しないと判断した場合において、測定対象の光ディスク2の第2の線速度(第1の線速度よりも大きな線速度)における最適記録パワーWP2を検出するようになっている。詳しくは、第1最適記録パワー検出部162と同様に、測定対象の光ディスク2に対してパワーキャリブレーションを実施して、または光ディスク2のディスクインフォーメーション領域に記録されている最適記録パワーを用いて、第2の線速度における最適記録パワーWP2を決定するものである。
【0055】
なお、第2の線速度を第1の線速度よりも大きな値とするのは、線速度を小さくしても新たな条件を算出することは可能であるが、線速度を小さくした場合には、再生パワーも小さくなってしまい、レーザノイズの影響でCNR(carrier to noise ratio)が低くなってしまうので、このような弊害を除去するためである。従って、本実施の形態においては、初期値である1倍速よりも線速度が大きな2倍速、4倍速等を第2の線速度に設定する。
【0056】
第2最適再生パワー取得部167は、第2最適記録パワー検出部166が検出した最適記録パワーWP2をWP2(TB)に設定して、判断情報テーブルTBを参照し、第2の線速度における最適記録パワーWP2(TB)に対応する最適再生パワーRP2(TB)を取得するようになっている。
【0057】
例えば、第2最適記録パワー検出部166が、記録速度として4倍速を選択し、4倍速における最適記録パワーWP2として10mWを検出していた場合には、第2最適再生パワー取得部167は、図6(b)に示すように、第2の線速度(記録速度4倍速)における最適記録パワーWP2(TB)10mWに対応する第2の線速度(再生速度4倍速)における最適再生パワーRP2(TB)0.6mWを取得する(図6(b)の点P4参照)。
【0058】
新再生条件算出部168は、第2最適記録パワー検出部166が検出した、第2の線速度(記録速度)における最適記録パワーWP2、第2最適再生パワー取得部167が判断情報テーブルTAから取得した、第2の線速度(再生速度)における最適再生パワーWP2(TA)の結果を踏まえて、第2の線速度かつ第2の線速度における最適記録パワーWP2で情報を記録し、記録した情報を第2の線速度かつ第2の線速度における最適再生パワーWP2(TB)で再生する場合には、測定対象の光ディスク2は規定回数の再生耐久性を有すると判断するようになっている。
【0059】
例えば、第2最適再生パワー取得部167が、図6(b)に示すように、第2の線速度(記録速度4倍速)における最適記録パワーWP2(TA)10mWに対応する第2の線速度(再生速度4倍速)における最適再生パワーRP2(TA)0.6mWを取得した場合には、新再生条件算出部168は、測定中の光ディスク2が100万回の再生耐久性を有する条件は、4倍速かつ4倍速における最適記録パワーWP2の10mWで情報を記録し、記録した情報を4倍速かつ4倍速における最適再生パワーWP2(TA)の0.6mWで再生する場合であることを新再生条件として算出する。
【0060】
<再生耐久性評価処理>
次に、図7及び図8を参照して、情報記録再生装置1の再生耐久性評価処理について説明する。図7は、情報記録再生装置1の再生耐久性評価処理の流れを示すフローチャートであり、図8は、図7のステップS70の処理を詳しく示すフローチャートである。
【0061】
まず、情報記録再生装置1は、第1最適記録パワー検出部162により、装着された測定対象の光ディスク2に対して、第1の線速度(1倍速)における最適記録パワーWP1を検出する(ステップS10)。
【0062】
次に、情報記録再生装置1は、第1最適記録パワー・最適再生パワー取得部163により、判断情報テーブルTAを参照して、第1の線速度(1倍速)における最適記録パワーWP1(TA)、及び最適再生パワーRP1(TA)を取得する(ステップS20)。
【0063】
次に、情報記録再生装置1は、再生耐久性判断部164により、最適記録パワーWP1と最適記録パワーWP1(TA)を比較する(ステップS30)。
【0064】
最適記録パワーWP1≧最適記録パワーWP1(TA)のときは(ステップS40:YES)、再生耐久性判断部164は、第1の線速度かつ第1の線速度における最適記録パワーWP1で情報を記録し、記録した情報を第1の線速度かつ第1の線速度における最適再生パワーRP1(TA)で再生した場合には、測定対象の光ディスク2は、予め定めた規定回数の再生耐久性を有すると判断する(ステップS50)。
【0065】
一方、最適記録パワーWP1<最適記録パワーWP1(TA)のときは(ステップS40:NO)、再生耐久性判断部164は、第1の線速度かつ第1の線速度における最適記録パワーWP1で情報を記録し、記録した情報を第1の線速度かつ第1の線速度における最適再生パワーRP1(TA)で再生した場合には、測定対象の光ディスク2は、予め定めた規定回数の再生耐久性を有しないと判断し(ステップS60)、情報記録再生装置1は、再生耐久性判断情報作成部165により、規定回数の再生耐久性を有する新たな条件を算出する(ステップS70)。
【0066】
ここで、ステップS70の処理を、図8を用いて詳しく説明する。
【0067】
まず、情報記録再生装置1は、最適再生パワー算出部171により、測定対象の光ディスク2に対して、第1の線速度かつ第1の線速度における最適記録パワーWP1で情報を記録した場合に、第1の線速度において予め定めた規定回数の再生耐久性を有するような最適再生パワーRP1(AL)をアレニウスの法則に従って算出する(ステップS71)。
【0068】
次に、情報記録再生装置1は、線形関係作成部172により、第1の線速度における最適記録パワーWP1と最適再生パワーRP1(AL)の組合せ、及び判断情報テーブルTAの傾きを利用して、新たな判断情報テーブルTBを作成する(ステップS72)。
【0069】
次に、情報記録再生装置1は、第2最適記録パワー検出部166により、装着された測定対象の光ディスク2に対して、第1の線速度よりも大きい第2の線速度(例えば、4倍速)における最適記録パワーWP2を検出する(ステップS73)。
【0070】
次に、情報記録再生装置1は、第2最適再生パワー取得部167により、判断情報テーブルTBを参照し、第2の線速度における最適記録パワーWP2(TB)に対応する最適再生パワーRP2(TB)を取得する(ステップS74)。
【0071】
次に、情報記録再生装置1は、新再生条件算出部168により、測定対象の光ディスク2に対して、第2の線速度かつ第2の線速度における最適記録パワーWP2で情報を記録し、記録した情報を第2の線速度かつ第2の線速度における最適再生パワーWP2(TB)で再生する場合には、測定対象の光ディスク2は規定回数の再生耐久性を有すると判断する(ステップS75)。
【0072】
以上、本実施の形態の形態によれば、情報記録再生装置1は、予め定めた規定回数の再生耐久性を有するためのレーザ光の最適記録パワーと最適再生パワーを複数の線速度に亘って対応付けた再生耐久性判断情報TAを記憶する再生耐久性判断情報記憶部161と、測定対象の光ディスク2の第1の線速度における最適記録パワーWP1を検出する第1最適記録パワー検出部162と、再生耐久性判断情報TAを参照して、第1の線速度における最適記録パワーWP1(TA)及び最適再生パワーRP1(TA)を取得する第1最適記録パワー・最適再生パワー取得部163と、最適記録パワーWP1と最適記録パワーWP1(TA)を比較して、第1の線速度かつ最適記録パワーWP1で情報を記録し、記録した情報を第1の線速度かつ最適再生パワーRP1(TA)で再生したときには規定回数の再生耐久性を有するか否かを判定する再生耐久性判断部164と、再生耐久性判断部164により、規定回数の再生耐久性を有しないと判定された場合には、第1の線速度において規定回数の再生耐久性を有する最適再生パワーRP1(AL)を所定の方法により算出し、算出した最適再生パワーRP1(AL)と再生耐久性判断情報TAの線形関係に基づいて、新たな再生耐久性判断情報TBを作成する再生耐久性判断情報作成部165と、測定対象の光ディスク2の第1の線速度より大きな第2の線速度における最適記録パワーWP2を検出する第2最適記録パワー検出部166と、再生耐久性判断情報TBを参照して、最適記録パワーWP2に対応する最適再生パワーRP2(TB)を取得する第2最適再生パワー取得部167と、測定対象の光ディスク2において規定回数の再生耐久性を有する条件は、第2の線速度かつ最適記録パワーWP2で情報を記録し、記録した情報を第2の線速度かつ最適再生パワーRP2(TB)で再生した場合であることを算出する新再生条件算出部168と、を有するので、測定対象の記録型光ディスク2が一定品質の再生耐久性を有するか否かを短時間で判断できるとともに、測定対象の記録型光ディスク2が一定品質を満たさない場合であっても、当該一定品質を満たすことができる新たな条件を簡単に算出することができる。
【0073】
特にBDにおいては、DVDやCDと比べて、光ディスク上の光スポット径が小さくかつパワー密度も高いため、再生耐久性に対する品質がより厳しくなっているので、その意味においても、本実施の形態に係る光ディスクの再生耐久性評価方法により、当初の条件下では一定の品質を満たさないBDであっても、一定品質を満たす新たな条件を算出できることは、BDの再生耐久性の評価において有益であると考えられる。また、2層以上の多層ディスクになると、ディスクの記録感度を上げるために媒体反射率を下げることになるので、同様にして、再生耐久性に対する品質がさらに厳しくなっている。従って、BDの多層ディスクにおいては、本実施の形態に係る光ディスクの再生耐久性評価方法は、さらに有益であると考えられる。
【0074】
<その他>
以上、本発明の実施の形態及び実施例について説明してきたが、本発明は上述した実施の形態および変形例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、本発明の実施の形態及び実施例に対して種々の変形や変更をして実施することが可能である。
【0075】
例えば、上記実施の形態においては、判断情報テーブルTAは、光ディスク2の種類(SL、DL)ごと、及び線速度ごとに、規定回数の再生耐久性を備える最適記録パワーと最適再生パワーの組合せを線形化して記憶していた、すなわち、光ディスク2の種類ごとに1つの判断情報テーブルTAを備えていたが、複数の判断情報テーブルTAを備えるようにしてもよい。
【0076】
例えば、図9(a)及び図9(b)に示すように、同一の種類の光ディスク2であってもメーカによって、規定回数の再生耐久性を備える最適記録パワーと最適再生パワーの組合せの値が異なり、線形関係も異なる場合には、複数の判断情報テーブルTAを備えることが好ましい。そして、この場合には、第1の線速度における最適記録パワーWP1に加えて、第3の線速度(第1の線速度より大きな線速度)における最適記録パワーWP3を検出して、複数の中のいずれの判断情報テーブルTAを用いればよいかを決定し、決定した後、上記実施の形態で述べた光ディスク2の再生耐久性評価方法を実行すればよい。ここで、図9(a)は、1倍速における最適記録パワーと最適再生パワーの組合せの値は同じであるが、他の線速度においては最適記録パワーと最適再生パワーの組合せの値は異なる場合、図9(b)は、すべての線速度において最適記録パワーと最適再生パワーの組合せの値が異なる場合の一例を示している。
【0077】
また、上記実施の形態においては、情報記録再生装置1が備える判断情報テーブルTAに基づいて、測定対象の光ディスク2が一定の品質の再生耐久性を備えているか否かを判定したが、これに加えて他の方法を用いて、測定対象の光ディスク2が一定の品質の再生耐久性を備えているか否かを検証するようにしてもよい。例えば、情報記録再生装置1が上述した再生耐久性評価方法によって、測定対象の光ディスク2に対して一定の品質の再生耐久性を有すると判定した場合には、アレニウスの法則を用いて、加速劣化実験を行い、一定の品質の再生耐久性を有するか否かを検証するようにしてもよい。
【0078】
また、上記実施の形態においては、情報記録再生装置1が判断情報テーブルTAを備える構成としたが、これに限定されず、測定対象の光ディスク2が判断情報テーブルTAを備えるようにしてもよい。すなわち、情報記録再生装置1が測定対象の光ディスク2から判断情報テーブルTAに記憶された判断情報を読み取って、再生耐久性の判断及び新たな再生条件の算出をしてもよい。この場合には、個々の光ディスク2ごとに最適な判断情報テーブルTAが具備されているので、情報記録再生装置1は光ディスク2の個体差に応じたきめ細やかな再生耐久性評価が可能となる。
【0079】
なお、上記実施の形態では、図5及び図6に示したように、点P3は直線Lの上方の領域に存在するものとして説明したが、点P3は直線Lの下方の領域に存在してもよいものである。通常は、点P3は直線Lの上方の領域に存在するものと考えられるが、例えば、記録時と再生時で光ディスク2上におけるレーザ光のビーム径が異なったり、測定中の光ディスク2が上述した線形関係を有しない特殊な光ディスクが存在したりする場合には、点P3が直線Lの下方の領域で算出されることもあり得るからである。
【0080】
また、再生耐久性判断情報作成部165が作成した新たな判断情報(判断情報テーブルB)を、測定中の光ディスク2に関するディスク情報(例えば、MIDコード)と対応させて再生耐久性判断情報記憶部161に記憶させるようにしてもよい。なお、再生耐久性判断情報記憶部161としては、上述したように、情報記録再生装置1が具備する記憶部(例えば、メモリー等)でもよいし、光ディスク2が具備する記憶部(例えば、コントロールデータゾーンなど)でもよい。この場合には、次回、ディスク情報が同一な光ディスク2に対して再生耐久性の評価を行うときには、記憶された新たな判断情報を基により迅速に新たな再生条件を算出することができる。
【0081】
また、上記実施の形態においては、情報記録再生装置1の最適再生パワー算出部171がアレニウスの法則に従った加速劣化試験で最適再生パワーを算出したが、より測定時間を短縮するために、この最適再生パワーに関する情報を予め情報記録装置1または光ディスク2が備えるようにしてもよい。例えば、情報記録装置1または光ディスク2が工場から出荷される前に同様の加速劣化試験を行い、情報記録装置1または光ディスク2に最適再生パワーに関する情報を記録するようにしてもよい。
【0082】
さらには、上記実施の形態においては、光ディスク2を記録型の光ディスクに限定したが、記録型の光ディスクに限定せず、記録型と再生型とが1枚の光ディスクの中に混在するハイブリッド型ディスクに適用してもよい。ハイブリッド型ディスクの場合には、記録型の部分の反射率と再生型の部分の反射率を比較して、同一の場合には、再生型の部分に対しても、上述の再生耐久性評価の方法を適用してもよい。なお、記録型の部分の反射率と再生型の部分の反射率が異なる場合には、両者の反射率の比率に応じて、上述の再生耐久性評価の方法における線形関係を調整して、再生型の部分に対して適用してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0083】
【図1】再生回数100万回の再生耐久性を有するための最適記録パワー値と最適再生パワー値を複数の線速度に亘って対応付けた再生耐久性判断情報を示すグラフである(規格書のデータ)。
【図2】再生回数100万回の再生耐久性を有するための最適記録パワー値と最適再生パワー値を複数の線速度に亘って対応付けた再生耐久性判断情報を示すグラフである(実験値)。
【図3】本発明の実施の形態に係る情報記録再生装置の概略構成図である。
【図4】図3に示す制御部の機能構成図である。
【図5】図6とともに、本発明の実施の形態に係る光ディスクの再生耐久性評価方法において、規定回数の再生耐久性を有する新たな再生条件を算出する工程を説明するためのグラフである。
【図6】図5とともに、本発明の実施の形態に係る光ディスクの再生耐久性評価方法において、規定回数の再生耐久性を有する新たな再生条件を算出する工程を説明するためのグラフである。
【図7】本発明の実施の形態に係る情報記録再生装置の再生耐久性評価処理を示すフローチャートである。
【図8】図7のステップS70の処理を詳しく示すフローチャートである。
【図9】本発明の実施の形態に係る光ディスクの再生耐久性評価方法において、判断情報テーブルが光ディスクの種類ごとに複数の再生耐久性判断情報を備える場合の判断情報テーブルの内容を示すグラフである。
【符号の説明】
【0084】
1 情報記録再生装置
2 光ディスク
11 スピンドルモータ
12 光ピックアップ
13 信号増幅回路
14 サーボ回路
15 レーザ駆動回路
16 制御部
17 半導体レーザ
18 光検出器
161 再生耐久性判断情報記憶部
162 第1最適記録パワー検出部
163 第1最適記録パワー・最適再生パワー取得部
164 再生耐久性判断部
165 再生耐久性判断情報作成部
166 第2最適記録パワー検出部
167 第2最適再生パワー取得部
168 新再生条件算出部
171 最適再生パワー算出部
172 線形関係作成部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
レーザ光を光ディスクに出射することにより、光ディスクに情報を記録したり、光ディスクから情報を再生したりする情報記録再生装置であって、
予め定めた規定回数の再生耐久性を有するための前記レーザ光の最適記録パワーと最適再生パワーを複数の線速度に亘って対応付けた再生耐久性判断情報を記憶する判断情報記憶手段と、
測定対象の光ディスクの第1の線速度における最適記録パワーを検出する第1の最適記録パワー検出手段と、
前記判断情報記憶手段を参照して、前記第1の線速度における最適記録パワー及び最適再生パワーを取得する第1の判断情報取得手段と、
前記第1の最適記録パワー検出手段が検出した最適記録パワーと、前記第1の判断情報取得手段で取得した前記第1の線速度における最適記録パワーを比較して、前記第1の線速度かつ前記第1の最適記録パワー検出手段で検出した最適記録パワーで情報を記録し、記録した情報を前記第1の線速度かつ前記第1の判断情報取得手段が取得した最適再生パワーで再生したときには前記規定回数の再生耐久性を有するか否かを判定する再生耐久性判断手段と、
前記再生耐久性判断手段により、前記規定回数の再生耐久性を有しないと判定された場合には、前記第1の線速度において前記規定回数の再生耐久性を有する最適再生パワーを所定の方法により算出し、算出した最適再生パワーと、前記判断情報記憶手段に記憶された再生耐久性判断情報の線形関係に基づいて、新たな再生耐久性判断情報を作成する判断情報作成手段と、
前記測定対象の光ディスクの前記第1の線速度より大きな第2の線速度における最適記録パワーを検出する第2の最適記録パワー検出手段と、
前記判断情報作成手段が作成した新たな再生耐久性判断情報を参照して、前記第2の最適記録パワー検出手段が検出した最適記録パワーに対応する最適再生パワーを取得する第2の判断情報取得手段と、
前記測定対象の光ディスクにおいて前記規定回数の再生耐久性を有する条件は、前記第2の線速度かつ前記第2の最適記録パワー検出手段で検出した最適記録パワーで情報を記録し、記録した情報を前記第2の線速度かつ前記第2の判断情報取得手段が取得した最適再生パワーで再生した場合であることを算出する新再生条件算出手段と、
を有することを特徴とする情報記録再生装置。
【請求項2】
レーザ光を光ディスクに出射することにより、光ディスクに情報を記録したり、光ディスクから情報を再生したりする情報記録再生装置であって、
前記光ディスクは、
予め定めた規定回数の再生耐久性を有するための前記レーザ光の最適記録パワーと最適再生パワーを複数の線速度に亘って対応付けた再生耐久性判断情報を記憶する判断情報記憶手段を備えており、
測定対象の光ディスクの第1の線速度における最適記録パワーを検出する第1の最適記録パワー検出手段と、
前記判断情報記憶手段を参照して、前記第1の線速度における最適記録パワー及び最適再生パワーを取得する第1の判断情報取得手段と、
前記第1の最適記録パワー検出手段が検出した最適記録パワーと、前記第1の判断情報取得手段で取得した前記第1の線速度における最適記録パワーを比較して、前記第1の線速度かつ前記第1の最適記録パワー検出手段が検出した最適記録パワーで情報を記録し、記録した情報を前記第1の線速度かつ前記第1の判断情報取得手段が取得した最適再生パワーで再生したときには前記規定回数の再生耐久性を有するか否かを判定する再生耐久性判断手段と、
前記再生耐久性判断手段により、前記規定回数の再生耐久性を有しないと判定された場合には、前記第1の線速度において前記規定回数の再生耐久性を有する最適再生パワーを所定の方法により算出し、算出した最適再生パワーと、前記判断情報記憶手段に記憶された再生耐久性判断情報の線形関係に基づいて、新たな再生耐久性判断情報を作成する判断情報作成手段と、
前記測定対象の光ディスクの前記第1の線速度より大きな第2の線速度における最適記録パワーを検出する第2の最適記録パワー検出手段と、
前記判断情報作成手段が作成した新たな再生耐久性判断情報を参照して、前記第2の最適記録パワー検出手段が検出した最適記録パワーに対応する最適再生パワーを取得する第2の判断情報取得手段と、
前記測定対象の光ディスクにおいて前記規定回数の再生耐久性を有する条件は、前記第2の線速度かつ前記第2の最適記録パワー検出手段が検出した最適記録パワーで情報を記録し、記録した情報を前記第2の線速度かつ前記第2の判断情報取得手段が取得した最適再生パワーで再生した場合であることを算出する新再生条件算出手段と、
を有することを特徴とする情報記録再生装置。
【請求項3】
前記再生耐久性判断手段は、
前記第1の最適記録パワー検出手段が検出した最適記録パワーが、前記第1の判断情報取得手段で取得した前記第1の線速度における最適記録パワー以上の場合には、前記第1の線速度かつ前記第1の最適記録パワー検出手段が検出した最適記録パワーで情報を記録し、記録した情報を前記第1の線速度かつ前記第1の判断情報取得手段が取得した最適再生パワーで再生したときには前記規定回数の再生耐久性を有すると判定し、前記第1の最適記録パワー検出手段が検出した最適記録パワーが、前記第1の判断情報取得手段で取得した前記第1の線速度における最適記録パワー未満の場合には、前記第1の線速度かつ前記第1の最適記録パワー検出手段が検出した最適記録パワーで情報を記録し、記録した情報を前記第1の線速度かつ前記第1の判断情報取得手段が取得した最適再生パワーで再生したときには前記規定回数の再生耐久性を有しないと判断することを特徴とする請求項1又は2記載の情報記録再生装置。
【請求項4】
前記判断情報作成手段は、
前記再生耐久性判断手段により、前記規定回数の再生耐久性を有しないと判定された場合には、アレニウスの法則に基づく加速劣化試験によって、前記第1の線速度において前記規定回数の再生耐久性を有する最適再生パワーを算出し、算出した最適再生パワーと、前記第1の最適記録パワー検出手段が検出した前記第1の線速度における最適記録パワーを対応付けた情報を作成する第1の判断情報作成手段と、
前記第1の判断情報作成手段により作成された情報と、前記判断情報記憶手段に記憶された再生耐久性判断情報の線形関係における傾きを用いて、前記規定回数の再生耐久性を有する新たな再生耐久性判断情報を作成する第2の判断情報作成手段と、
を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の情報記録再生装置。
【請求項5】
前記判断情報記憶手段は、
前記光ディスクの種類ごとに、複数の再生耐久性判断情報を備えており、
前記測定対象の光ディスクの前記第1の線速度より大きな第3の線速度における最適記録パワーを検出する第3の最適記録パワー検出手段をさらに有し、
前記再生耐久性判断手段は、
前記第1の最適記録パワー検出手段が検出した第1の線速度における最適記録パワーと、前記第3の最適記録パワー検出手段が検出した第3の線速度における最適記録パワーに基づいて、前記判断情報記憶手段から該当する再生耐久性判断情報を取得し、取得した再生耐久性判断情報に基づいて、前記測定対象の光ディスクの再生耐久性の判断を行うことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の情報記録再生装置。
【請求項6】
前記判断情報記憶手段に記憶された再生耐久性判断情報の妥当性を所定の方法で検証する判断情報検証手段をさらに有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の情報記録再生装置。
【請求項7】
レーザ光を光ディスクに出射することにより、光ディスクに情報を記録したり、光ディスクから情報を再生したりする情報記録再生装置が光ディスクの再生耐久性を評価する方法であって、
予め定めた規定回数の再生耐久性を有するための前記レーザ光の最適記録パワーと最適再生パワーを複数の線速度に亘って対応付けた再生耐久性判断情報を記憶する判断情報記憶手段を前記情報記録再生装置又は前記光ディスクが備えた状態において、
測定対象の光ディスクの第1の線速度における最適記録パワー値を検出する第1の最適記録パワー検出ステップと、
前記判断情報記憶手段を参照して、前記第1の線速度における最適記録パワー及び最適再生パワーを取得する第1の判断情報取得ステップと、
前記第1の最適記録パワー検出ステップで検出した最適記録パワーと、前記第1の判断情報取得ステップで取得した前記第1の線速度における最適記録パワーを比較して、前記第1の線速度かつ前記第1の最適記録パワー検出ステップにおいて検出した最適記録パワーで情報を記録し、記録した情報を前記第1の線速度かつ前記第1の判断情報取得ステップで取得した最適再生パワーで再生したときには前記規定回数の再生耐久性を有するか否かを判定する再生耐久性判断ステップと、
前記再生耐久性判断ステップにより、前記規定回数の再生耐久性を有しないと判定された場合には、前記第1の線速度において前記規定回数の再生耐久性を有する最適再生パワーを所定の方法により算出し、算出した最適再生パワーと、前記判断情報記憶手段に記憶された再生耐久性判断情報の線形関係に基づいて、新たな再生耐久性判断情報を作成する判断情報作成ステップと、
前記測定対象の光ディスクの前記第1の線速度より大きな第2の線速度における最適記録パワーを検出する第2の最適記録パワー検出ステップと、
前記判断情報作成ステップで作成した新たな再生耐久性判断情報を参照して、前記第2の最適記録パワー検出手段が検出した最適記録パワーに対応する最適再生パワーを取得する第2の判断情報取得ステップと、
前記測定対象の光ディスクに対して前記規定回数の再生耐久性を有する条件は、前記第2の線速度かつ前記第2の最適記録パワー検出ステップが検出した最適記録パワーで情報を記録し、記録した情報を前記第2の線速度かつ前記第2の判断情報取得手段で取得した最適再生パワーで再生した場合であることを算出する新再生条件算出ステップと、
を有することを特徴とする光ディスクの再生耐久性評価方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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