説明

情報記録再生装置

【課題】予約情報の消去に対するユーザの負担を軽減可能な技術を提供する。
【解決手段】情報を定期的に記録するための予約情報を登録する登録部と、前記予約情報に基づいて情報を記録媒体に記録する記録部と、前記記録部で記録された情報の再生処理を実行する再生部と、削除指示に応じた情報を前記記録媒体から削除する削除部と、前記削除指示に応じた情報の再生回数が零の場合に、この情報に関連する予約情報を前記登録部から消去する消去部とを含む情報記録再生装置である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本案は、音声や映像のような情報の定期的な記録を予約可能な情報記録再生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、テレビジョン放送番組(テレビ番組)を予約録画可能な、ビデオテープレコーダ(
VTR),DVDレコーダ,ハードディスクレコーダのような情報記録再生装置がある。
この種の情報記録再生装置では、ユーザが情報記録再生装置を操作し、録画対象のチャンネルや時間帯の指定を含む予約情報を情報記録装置に設定(登録)する(予約設定)。その後、録画開始時刻となると、情報記録再生装置が予約情報に基づいて起動し、指定されたチャンネルの番組を録画終了時刻まで自動的に録画する。録画終了が終了すると、予約情報は自動的に消去される。
【0003】
テレビ番組には、毎日或いは毎週のように、定期的に放送されるシリーズ番組がある(
例えば連続ドラマ)。このようなシリーズ番組の録画を考慮して、毎日或いは毎週のよう
な周期で予約録画を繰り返すための設定(繰り返し予約録画設定)を実施可能な情報記録再生装置がある。このような情報記録再生装置に対し、繰り返し予約録画設定のための情報(以下、「繰り返し予約情報」と称する)が設定(登録)されると、その繰り返し予約情報は、一回の自動録画の実施によっては消去されず、情報記録再生装置は、決められた周期で繰り返し予約録画を行う。これによって、ユーザはシリーズ番組の放送毎に予約情報を設定するといった煩雑な作業を行わなくて済む。
【特許文献1】特開2005−328485号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の情報記録再生装置では、繰り返し予約情報は、ユーザが積極的な消去操作を実施しない限り消去されなかった。また、従来の情報記録再生装置では、録画データの削除と、予約情報の消去とは、夫々独立した操作と位置づけられていた。このため、ユーザが或る予約情報を消去するとともに、その予約情報に基づき録画された録画データを記録媒体から削除する場合には、ユーザは、夫々の操作を個別に実施しなくてはならなかった。
【0005】
従って、従来の情報記録再生装置では、以下の問題が発生することがあった。例えば、ユーザがお気に入りのシリーズ番組(連続ドラマ)を繰り返し予約録画設定を用いて録画しており、そのシリーズ番組が終了したと仮定する。この場合、ユーザがそのシリーズ番組に関する繰り返し予約情報を消去しない限り、繰り返し予約録画は番組の変更に拘わらず継続される。よって、当該番組の終了後に開始された新番組の視聴をユーザが望まない場合には、無駄な録画が行われる。このため、ユーザは繰り返し予約情報の消去操作を要求される。しかし、ユーザが多くの予約情報を登録している場合には、ユーザが消去を所望する予約情報を見つけることが面倒になることがあった。
【0006】
本案の目的は、従来に比べて予約情報の消去に対するユーザの負担を軽減可能な技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本案の第1態様は、情報を定期的に記録するための予約情報を登録する登録部と、
前記予約情報に基づいて情報を記録媒体に記録する記録部と、
前記記録部で記録された情報の再生処理を実行する再生部と、
削除指示に応じた情報を前記記録媒体から削除する削除部と、
前記削除指示に応じた情報の再生回数が零の場合に、この情報に関連する予約情報を前記登録部から自動的に消去する消去部と
を含む情報記録再生装置である。
【0008】
本案の第2の態様は、記録媒体に対して情報の記録を行うとともに、この記録媒体に記録された情報の再生を行う情報記録再生装置が、
情報を定期的に記録するための予約情報を登録し、
前記予約情報に基づいて情報を記録媒体に記録し、
削除指示に応じた情報を前記記録媒体から削除し、
前記削除指示に応じた情報の再生回数が零である場合に、この情報に関連する予約情報の登録を消去する
ことを含む情報記録再生装置の予約情報自動消去方法である。
【0009】
本案の第3の態様は、情報を定期的に記録するための予約情報を登録するステップと、
前記予約情報に基づいて情報を記録媒体に記録するステップと、
削除指示に応じた情報を前記記録媒体から削除するステップと、
前記削除指示に応じた情報の再生回数が零である場合に、この情報に関連する予約情報の登録を消去するステップと
をコンピュータに実行させるプログラムである。
【0010】
第1〜第3の態様によると、削除指示に応じた情報の再生回数が零であれば、その情報は不要な情報と考えることができる。従って、この情報に関連する予約情報は、不要な情報を記録するための予約情報と考えることができる。従って、関連する予約情報が情報の削除に連動して消去されることで、不要な予約情報を消去する手間を省くことができる。よって、ユーザの予約情報の消去に係る作業負担が軽減される。
【0011】
第3の態様では、前記関連する予約情報の登録を消去するステップにおいて、前記削除指示に応じた再生回数が零の映像情報を記録するために使用された予約情報を前記関連する予約情報と決定するように構成しても良い。
【0012】
また、第3の態様において、前記情報は、テレビジョン放送番組の映像情報を含み、
前記予約情報は、前記映像情報の記録を行う曜日,時間帯,チャンネル番号を含み、
前記関連する予約情報の登録を消去するステップにおいて、前記削除指示に応じた再生回数が零の映像情報が記録された曜日,時間帯及びチャンネル番号が一致する予約情報を、前記関連する予約情報と決定するように構成しても良い。或いは、予約情報は、記録すべき映像情報の番組の特定情報をさらに含み、前記前記削除指示に応じた再生回数が零の映像情報が記録された曜日,時間帯,チャンネル番号,及び番組の特定情報が一致する予約情報を、前記関連する予約情報と決定するように構成しても良い。
【0013】
第3の態様における関連する予約情報の決定方法は、第1及び第2の態様についても適用が可能である。また、第4の態様として、第3の態様であるプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体であってもよい。
【発明の効果】
【0014】
本案によれば、予約情報の消去に対するユーザの負担を軽減可能な技術を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本案の実施の形態について、図面を用いて説明する。以下の実施形態の構成は例示であり、本案はこの実施形態の構成に限定されない。
【0016】
図1は、本案の実施形態における情報記録再生装置の構成例を示す。図1には、情報記録再生装置としての複合型情報記録再生装置10(以下、「記録再生装置10」と表記)が示されている。記録再生装置10は、ハードディスク(HD),DVD,ビデオテープ(V
T)のような複数タイプの記録媒体に対してテレビ番組を録画(収録)し、録画した番組を
再生することができる。また、記録再生装置10は、ネットワークからダウンロードした番組の記録及び再生もできる。
【0017】
詳細には、記録再生装置10は、制御装置(プロセッサ)としてのCPU(Central Processing Unit)11,CPU11の作業領域として使用されるRAM(Random Access Memory)12のような主記憶装置,ROM(Read Only Memory)13,HDD(Hard Disk Drive)14,DVDに対するデータの書き込み/読み出し装置(「DVDドライブ装置」と称する)15,ビデオテープに対するデータの書き込み/読み出し装置(「VT(Video Tape)ドラ
イブ装置)」と称する)16,LANカードのようなネットワークデバイス18,テレビジョン放送波(テレビ放送信号)の受信装置19,入力装置20,及び操作受信部21を備え、これらの複数のユニットはバスBを介して相互に接続されている。さらに、記録再生装置10には、ディスプレイ装置22が図示しないインタフェースを介してバスBに接続されている。
【0018】
ROM13及びHDD14の少なくとも一方には、オペレーティングシステム(OS),BIOS,デバイスドライバ,及びアプリケーションプログラムのような様々なプログラムや、各プログラムの実行に際して利用されるデータが格納されている。CPU11が各プログラムをRAM12にロードして実行することによって、記録再生装置10の録画機能,録画予約機能(予約情報の登録又は消去を含む),録画データの削除機能,映像や音声の再生機能のような様々な機能が実現される。
【0019】
記録再生装置10の操作は、入力装置20又はリモートコントローラ(リモコン)23のマニュアル操作によって行われる。入力装置20及びリモコン23は、記録再生装置10が備える様々な機能を実現するための設定情報を入力するためのボタンやキーを備えている。入力装置20から入力された操作情報(設定情報)は、CPU11に伝達される。また、リモコン23は、例えば赤外線通信によりリモコン23に入力された操作情報を操作受信部21に伝達可能となっており、操作受信部21は、操作情報をCPU11に伝達する。CPU11は、操作情報に従って各ユニットの動作を制御することによって、各種機能を実現する。CPU11は、入力装置20やリモコン23の操作に応じて、操作情報の入力を案内する画面をディスプレイ装置22に表示させることができる。
【0020】
受信装置19は、チューナ24と、復調器25とを備えており、CPU11によって制御される。受信装置19には、図示しないアンテナで受信されたテレビ放送信号が入力され、チューナ24を用いてチャンネルを選択する。さらに、受信装置19は、復調器25を用いて選択チャンネルの放送信号に応じた復調処理を行い、映像信号(音声信号、制御
信号を含む)を生成する。生成された映像信号は、バスBを介してディスプレイ装置22
に伝達され、ディスプレイ装置22が映像信号に基づく映像及び音声を表示及び出力する。これによって、ユーザはテレビジョン放送番組(テレビ番組)を視聴することができる。チューナ24によるチャンネル選択は、ユーザから入力される操作情報に従ってCPU11が制御する。
【0021】
上述したように、記録再生装置10は、HDD14,DVDドライブ装置15,及びVTドライブ装置16のような複数タイプの記録媒体に対する複数のドライブ装置を含む記
録/再生部17を有し、ユーザによって指定された任意のドライブ装置(記録媒体(HD,DVD,ビデオテープ))で、受信装置19で受信されたテレビ放送番組を録画(収録)することができる。
【0022】
CPU11は、ユーザから入力された録画の操作情報(録画指示)に従った録画処理を行う。CPU11は、録画指示を受け取ると、その時点で、受信装置19から出力されている映像信号を、必要に応じて、ユーザ指定の記録媒体の記録形式に応じた信号(圧縮動画
データ(音声、制御情報を含む))に変換し、バスBを介して指定ドライブ装置(HDD14,DVDドライブ装置15及びVTドライブ装置16のいずれか)に与える。指定ドライ
ブ装置は、自装置が備える記録媒体に圧縮動画データを記録(格納)する。
【0023】
また、CPU11は、ユーザから入力された再生指示の操作情報に応じた情報の再生処理を行う。即ち、CPU11は、ユーザから入力される再生指示(記録媒体の指定、再生
データ(録画番組)の指定を含む)を受け取ると、対応するドライブ装置に対して、所望の
再生データの読み出しを指示し、ドライブ装置から読み出された圧縮動画データを、必要に応じてディスプレイ装置22に応じた映像信号に変換し、ディスプレイ装置22に供給する。これによって、ユーザは、ディスプレイ装置22に表示される再生映像を視聴することができる。
【0024】
なお、ディスプレイ装置22は、チューナ及び復調器を有するテレビ受像機であっても良い。この場合、ディスプレイ装置22に対して、アンテナで受信されたテレビ放送信号が入力されるようにすることで、ディスプレイ装置22単体で、ユーザは所望の番組を視聴することができる。この場合、記録再生装置10の受信装置19で選択されたチャンネルの番組を収録する一方で、他の番組をディスプレイ装置22で視聴することができる。
【0025】
CPU11は、ユーザによる入力装置20又はリモコン23の操作によって入力される操作情報(予約情報)に従って、番組の予約録画設定を行う。すなわち、CPU11は、ユーザから入力される予約録画設定画面の表示指示に応じて、番組表を含む予約録画設定画面をディスプレイ装置22に表示する。番組表データは、例えばテレビ放送信号中に含まれており、CPU11は、必要に応じて番組表データを取得し、ディスプレイ装置22に表示することができる。入手された番組表データは、RAM12やHDD14上に用意された格納領域に格納され、必要に応じて更新される。
【0026】
番組表データは、所定期間内に各テレビ局で放送される複数の番組の一覧表データであり、各番組のチャンネル番号,チャンネルの受信周波数,番組ID,番組タイトル,放送日時(放送年月日、曜日、放送時間帯)のような属性データを含んでいる。ユーザは、予約録画設定画面中の番組表を参照して視聴を所望する番組の予約録画設定を行う。ここでは、ユーザは、予約録画設定として、録画を所望する番組を指定する。
【0027】
すると、CPU11は、番組表データから、指定番組の属性データを抽出し、この属性データを含む予約情報を、RAM12やHDD14上に作成された所定の予約情報格納領域に登録する。このとき、属性データ中の放送日時は、予約日時情報(予約録画日(年月日及び曜日),録画時間帯(録画開始時刻及び録画終了時刻))として登録される。予約情報格納領域に登録された予約情報に対し、CPU11は、識別情報としての管理番号を付与する。
【0028】
予約録画設定時に、CPU11は、ユーザに対し、定期的(周期的)な繰り返し予約録画の実施/不実施を問い合わせる。例えば、CPU11は、ディスプレイ装置22に「毎日録画」、「毎週録画」、「一回のみ(単発)」のような選択肢を表示し、ユーザの選択結果を受け付ける。
【0029】
ここで、「一回のみ」の選択肢が選択された場合には、CPU11は、予約情報に基づく自動録画が終了すると、当該予約情報を自動的に消去する。これに対し、「毎日録画」の選択肢が選択された場合には、CPU11は、予約情報中の予約日時情報に「毎日録画」の属性を追加する。この場合、CPU11は、当該予約日時情報に基づいて、予約録画日の予約録画を実施すると共に、予約録画日の翌日以降において、録画時間帯における指定チャンネルの放送内容を毎日録画する。
【0030】
また、「毎週録画」の選択肢が選択された場合には、CPU11は、予約情報中の予約日時情報に「毎週録画」の属性を追加する。この場合、CPU11は、この予約日時情報に基づいて、予約録画日の予約録画を実施するとともに、予約録画日の次週以降において、予約録画日の曜日の録画時間帯に指定チャンネルの放送内容を毎週録画する。以下、「毎日録画」、「毎週録画」のような属性が追加された繰り返し予約録画の予約情報を「繰り返し予約情報」と呼ぶ。
【0031】
CPU11は、予約情報に従った自動録画を行う。即ち、CPU11は、予約情報で規定された録画開始日時になると、自動的に起動して指定チャンネルの映像データを指定された記録媒体に記録し、このような記録を録画終了時刻まで継続する。
【0032】
CPU11は、繰り返し予約情報に基づく予約録画の実施が終了する毎に、繰り返し予約情報中の番組ID及び番組タイトルを更新する。即ち、CPU11は、繰り返し予約情報に基づく予約録画が終了すると、翌日又は次週の予約設定を自動的に行う。このとき、繰り返し予約情報中のチャンネル番号や予約日時情報は固定であるが、番組IDや番組タイトルに変更がある場合には、その変更に係る番組IDや番組タイトルで繰り返し予約情報が更新される。
【0033】
予約情報や繰り返し予約情報を消去する(登録を取り消す)場合には、ユーザは、予約消去設定を行う。すなわち、ユーザは、図示しない予約消去画面をディスプレイ装置22に呼び出し、所望の予約情報の消去指示を入力する。すると、CPU11が対応する予約情報又は繰り返し予約情報を消去する。このようなユーザによる予約消去設定によって、登録された予約情報や繰り返し予約情報を消去することができる。
【0034】
さらに、本実施形態における記録再生装置10では、ユーザが、記録媒体に記録(収録)された録画データの消去に連動して、関連する繰り返し予約情報を自動消去することができる。
【0035】
図2は、録画データの消去に連動する予約情報の自動消去機能を模式的に示す図である。図2に示すように、CPU11は、RAM12やHDD14に格納されたアプリケーションプログラム30を実行することによって、予約情報登録/消去部31と、録画データ削除部32と、予約情報制御部33とを備えた装置として機能することができる。
【0036】
予約情報登録/消去部31は、録画予約設定に応じて、予約情報又は繰り返し予約情報を予約情報格納領域に登録する。図2には、予約情報格納領域に登録された予約情報(繰
り返し予約情報)が模式的に示されている。
【0037】
図2に示す予約情報34は、属性データとして、番組IDと、チャンネル(CH)番号と、番組タイトルの全部又は一部(例えば先頭五文字)と、予約日時情報(予約録画日,録画
時間帯,「毎日録画」又は「毎週録画」)を含んでいる。但し、属性データは、チャンネ
ルの受信周波数のような情報をさらに含むことができる。また、予約情報登録/消去部31は、予約消去設定に応じて、登録された予約情報34を消去することができる。単発の
予約情報は、「毎日録画」又は「毎週録画」のような追加属性を含まないことで、繰り返し予約情報と区別される。
【0038】
録画データ削除部32は、記録媒体上に記録された録画データ(圧縮動画(音声を含む)
データ)を、ユーザによって入力される録画データの削除指示に応じて削除する。ここで
、記録媒体には、録画データとともに、録画データの属性情報が格納されている。
【0039】
図2には、記録媒体上に格納された属性情報が模式的に示されている。図2に示す属性情報35は、録画データの番組情報と、視聴回数とを含んでいる。番組情報は、上述した番組表における番組の属性データを基に作成されており、録画番組のチャンネル番号,チャンネルの受信周波数,番組タイトルの全部又は一部,番組ID,放送日時(年月日,曜
日,時間帯)を含むことができる。ここでは、番組情報は、予約情報34の属性データと
同様に、番組ID,番組タイトルの全部又は一部,チャンネル番号,放送日時(年月日,
曜日,時間帯)を含むものと仮定する。視聴回数は、録画データの再生回数であり、初期
値は零(0)であり、録画データの再生が行われる毎に1つ増加する。
【0040】
予約情報制御部33は、録画データの削除に応じて消去可能な予約情報(関連する予約
情報)を検索し、消去すべき予約情報が見つかった場合には、その予約情報の消去を予約
情報登録/消去部31に指示する。
【0041】
図3は、図2に示した予約情報登録/消去部31,録画データ削除部32及び予約情報制御部33による動作(予約情報自動消去)の制御フローを示す。図3に示す動作(処理)は、録画データ削除部32(CPU11)が、ユーザから入力された録画データ削除指示を受け取る(図2(1))ことによって開始される。
【0042】
なお、ここでは、記録媒体の例示として、HDD14に記録された録画データが削除される場合について説明する。但し、記録媒体がDVDやビデオテープであっても、図3に示す処理の内容に変更はない。
【0043】
録画データ削除指示を受け取った録画データ削除部32は、予約情報制御部33に対してデータ取得命令を送信する(OP01,図2(2))。ここに、録画データ削除指示は、録画データの識別情報を含んでおり、データ取得命令として録画データの識別情報が与えられる。
【0044】
データ取得命令を受け取った予約情報制御部33(CPU11)は、録画データの識別情報に対応する録画データの属性情報(番組情報及び視聴回数)35を、記録媒体(HDD1
4)から取得する(OP02,図2(3))。
【0045】
次に、予約情報制御部33は、データ取得完了通知を録画データ削除部32に与える(
OP03,図2(4))。すると、録画データ削除部32は、削除指示に対応する録画デー
タ及び属性情報35をHDD14から削除する処理を実行する(OP04,図2(5))。
【0046】
予約情報制御部33は、データ取得完了通知を録画データ削除部32に与えると、属性情報中の視聴回数、即ち録画データの再生回数が零(0)か否かを判定する(OP05)。このとき、再生回数が零でない場合(OP05,NO:再生回数≧1)には、図3に示す処理が終了する。
【0047】
これに対し、再生回数が零であれば(OP05,YES)、予約情報制御部33は、予約情報格納領域から、削除された録画データに関連する繰り返し予約情報の検索処理を開始し(OP06)、属性情報35中の番組情報に含まれる曜日,時間帯及びチャンネル番号が
一致する繰り返し予約情報を検索する。対応する繰り返し予約情報が見つからない場合(
OP07,NO)には、関連する繰り返し予約情報が登録されていないとみなされ、図3
に示す処理が終了する。
【0048】
これに対し、対応する繰り返し予約情報が見つかった場合(OP07,YES)には、予約情報制御部33は、その繰り返し予約情報34を取得し(図2(6))、この繰り返し予約情報34中の番組ID及び番組タイトルの少なくとも一方が、属性情報35の番組情報中の番組ID及び番組タイトルと一致するか否かを判定する(OP08)。番組タイトルの一致判定には、全部一致と部分一致との一方を適用することができる。ここでは、番組タイトルの先頭五文字が一致するか否かが判定される。
【0049】
番組ID及び番組タイトルの双方が一致しない場合(OP08,NO)には、図3に示す処理が終了し、当該繰り返し予約情報34は削除されない。これに対し、番組ID及び番組タイトルの少なくとも一方が一致する場合(OP08,YES)には、予約情報制御部33は、当該繰り返し予約情報34を削除録画データに関連する予約情報と決定し、予約情報消去命令を予約情報登録/消去部31に与える(OP09,図2(7))。予約情報消去命令として、例えば繰り返し予約情報34に付与された管理番号が予約情報登録/消去部31に供給される。
【0050】
予約情報消去命令を受け取った予約情報登録/消去部31は、この命令に対応する繰り返し予約情報34を予約情報格納領域から消去する処理を実行する(OP10,図2(8))。これによって、消去された繰り返し予約情報34に係る予約録画設定(予約情報登録)が取り消され、対応する予約録画が実施されない状態となる。OP10の処理が終了すると、図3に示す処理が終了する。
【0051】
本実施形態による記録再生装置10によると、削除対象の録画データ(記録情報)の再生回数が零である(未視聴である)場合に、この録画データと関連する繰り返し予約情報(の
登録)が消去される。
【0052】
ユーザが繰り返し予約録画設定によって定期的(毎日又は毎週)に録画していたシリーズ番組(例えば連続ドラマ)が終了し、その後に放映開始された新番組の視聴をユーザが望まない場合には、ユーザはその新番組を視聴しない(再生しない)。従って、このような新番組を録画する繰り返し予約情報は、ユーザにとって不要である。
【0053】
本実施形態による記録再生装置10によれば、このような繰り返し予約情報が自動的に消去されることで、ユーザが削除すべき繰り返し予約情報を見つけて消去する作業から解放される。また、不要な予約録画の継続が停止されることで、記録媒体の記録領域を効率的に利用することが可能となる。
【0054】
なお、図3に示した処理は、以下のような変更が可能である。即ち、OP04の処理とOP05の処理とは並列に実行するようにされても良い。また、OP07の処理とOP08の処理は、同時に実施されるようにしても良い。
【0055】
また、本実施形態では、削除すべき繰り返し予約情報を精度良く検出するために、OP07の処理とOP08の処理の双方が実施されるようにしている。OP07の処理とOP08の処理との一方のみが実施され、双方の実施はユーザによる選択設定で実行されるようにしても良い。OP07の処理が省略される場合には、削除された録画データと一致する番組ID又は番組タイトルの一部を有する繰り返し予約情報が、予約日時及びチャンネル番号に関係なく消去される。
【0056】
OP08の処理が省略される場合には、削除された録画データの放送曜日,時間帯,チャンネル番号が一致する繰り返し予約情報が放送内容(番組内容)と関係なく消去される。このような処理は、例えば、シリーズ番組が最終回を迎える前にユーザが録画視聴を止める場合に有効である。また、予約録画設定の際に、番組の指定は行わず、録画日及び時間帯のみを指定する場合には、OP08の処理は不要となる。
【0057】
また、本実施形態では、録画データの削除に連動して、関連する繰り返し予約情報の登録が自動的に消去される例について説明した。このような構成に代えて、関連する繰り返し予約情報を予約情報制御部33(CPU11)が見つけた場合に、当該繰り返し予約情報を削除するか否かの問い合わせ画面をディスプレイ装置22に表示し、ユーザの選択入力(削除する、又は削除しない)に応じて、その繰り返し予約情報を削除するか否かが決定されるようにしても良い。
【0058】
また、本実施形態では、HD,DVD及びビデオテープのような複数タイプの記録媒体のいずれかに情報を収録可能な記録再生装置を示したが、少なくとも1つの記録媒体及び記録/再生装置(ドライブ装置)が備えられていれば良い。また、記録媒体として、ブルーレイディスクを適用しても良い。また、記録媒体に記録される情報として、テレビ放送の映像及び音声情報を例示したが、本発明は、ラジオ放送のような音声情報の記録再生装置についても適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】本案の実施形態における記録再生装置の構成例を示す図である。
【図2】記録再生装置における、録画データの削除に連動する繰り返し予約情報の自動消去機能の説明図である。
【図3】繰り返し予約情報の自動消去の制御フローを示す図である。
【符号の説明】
【0060】
10・・・記録再生装置
11・・・CPU
12・・・RAM
13・・・ROM
14・・・HDD
19・・・受信装置
20・・・入力装置
22・・・ディスプレイ装置
30・・・アプリケーションプログラム
31・・・予約情報登録/消去部
32・・・録画データ削除部
33・・・予約情報制御部
34・・・繰り返し予約情報
35・・・録画データの属性情報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報を定期的に記録するための予約情報を登録する登録部と、
前記予約情報に基づいて情報を記録媒体に記録する記録部と、
前記記録部で記録された情報の再生処理を実行する再生部と、
削除指示に応じた情報を前記記録媒体から削除する削除部と、
前記削除指示に応じた情報の再生回数が零の場合に、この情報に関連する予約情報を前記登録部から消去する消去部と
を含む情報記録再生装置。
【請求項2】
記録媒体に対して情報の記録を行うとともに、この記録媒体に記録された情報の再生を行う情報記録再生装置が、
情報を定期的に記録するための予約情報を登録し、
前記予約情報に基づいて情報を記録媒体に記録し、
削除指示に応じた情報を前記記録媒体から削除し、
前記削除指示に応じた情報の再生回数が零である場合に、この情報に関連する予約情報の登録を消去する
ことを含む情報記録再生装置の予約情報自動消去方法。
【請求項3】
情報を定期的に記録するための予約情報を登録するステップと、
前記予約情報に基づいて情報を記録媒体に記録するステップと、
削除指示に応じた情報を前記記録媒体から削除するステップと、
前記削除指示に応じた情報の再生回数が零である場合に、この情報に関連する予約情報の登録を消去するステップと
をコンピュータに実行させるプログラム。
【請求項4】
前記関連する予約情報の登録を消去するステップにおいて、前記削除指示に応じた再生回数が零の映像情報を記録するために使用された予約情報を前記関連する予約情報と決定する
請求項3に記載のプログラム。
【請求項5】
前記情報は、テレビジョン放送番組の映像情報を含み、
前記予約情報は、前記映像情報の記録を行う曜日,時間帯,チャンネル番号を含み、
前記関連する予約情報の登録を消去するステップにおいて、前記削除指示に応じた再生回数が零の映像情報が記録された曜日,時間帯及びチャンネル番号が一致する予約情報を、前記関連する予約情報と決定する
請求項3に記載のプログラム。
【請求項6】
前記予約情報は、記録すべき映像情報の番組の特定情報をさらに含み、
前記前記削除指示に応じた再生回数が零の映像情報が記録された曜日,時間帯,チャンネル番号,及び番組の特定情報が一致する予約情報を、前記関連する予約情報と決定する請求項5に記載のプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2009−170965(P2009−170965A)
【公開日】平成21年7月30日(2009.7.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−3555(P2008−3555)
【出願日】平成20年1月10日(2008.1.10)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】