説明

情報記録装置、撮像装置、情報記録方法およびプログラム

【課題】撮像画像を利用する際に個人情報に関する位置情報が他人に知られることを防止する。
【解決手段】撮像データ生成部110は、撮像画像データを生成する。位置情報取得部171は、撮像画像データが生成された際における位置情報を取得する。領域判定部320は、他人に位置情報が知られたくない領域である位置情報変換領域内にその位置情報の示す位置が含まれるか否かを判定する。位置情報変換部330は、その位置情報が位置情報変換領域内に含まれると判定された場合には、その位置情報とは異なる位置を示す位置情報に変換する。記録制御部340は、位置情報変換部330からの変換された位置情報と、撮像データ生成部110により生成された撮像画像データとを関連付けた画像ファイルを記録媒体220に記録させるように媒体制御部210を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報記録装置に関し、特に、撮像データに位置情報を関連付けて記録する情報記録装置、撮像装置、および、これらにおける位置情報変換方法ならびに当該方法をコンピュータに実行させるプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、コンテンツを記録する情報記録装置として、例えば、人物等の被写体を撮像して撮像画像を記録するデジタルスチルカメラ等の撮像装置が存在する。また、撮像装置により記録された撮像画像を、インターネット等のネットワークや記録媒体を用いて、撮影者以外の他人に渡すことが広く行われている。さらに、撮像装置により記録された撮像画像を、インターネット上のWebサイト等を利用して公開することも広く行われている。
【0003】
また、近年では、GPS(Global Positioning System)を用いて位置情報を取得し、この位置情報を撮像画像に付加して記録するデジタルスチルカメラが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。このように撮像画像に位置情報を付加することにより、この撮像画像を取得したユーザが、この撮像画像の撮影が行われた場所を知ることができる。
【0004】
例えば、上述の従来技術を用いてユーザの自宅で撮影が行われた場合には、そのユーザの自宅の住所等の個人情報が位置情報として撮像画像に付加されることがある。このような自宅の住所等の個人情報は、ユーザの知り合い以外の人にはあまり知られたくない情報であると考えられる。しかしながら、個人情報が位置情報として付加された撮像画像がWebサイト等を利用して公開された場合には、その撮像画像に付加された位置情報を第三者が知ることができる状態となる。
【0005】
そこで、他人には知られたくない個人情報が付加されている画像ファイルを外部装置に送信する際に、その個人情報をユーザ操作により削除してから画像ファイルを送信するコンテンツデータ処理装置が提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
【特許文献1】特開2000−261704号公報(図1)
【特許文献2】特開2007−88754号公報(図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述の従来技術によれば、例えば、他人には知られたくない位置情報が付加された撮像画像をWebサイト等を利用して公開する場合に、その位置情報をユーザ操作により削除してから公開することができる。これにより、その撮像画像に付加された位置情報が他人に知られることを防止することができる。しかしながら、例えば、複数の撮像画像のうち一部の撮像画像においてのみ位置情報を削除した場合には、他の撮像画像に付加された位置情報と対比されることにより、削除した位置情報が第三者に類推されるおそれがある。
【0007】
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、撮像画像を利用する際に個人情報に関する位置情報が他人に知られることを防止することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その第1の側面は、被写体を撮像することにより撮像データを生成する撮像データ生成部と、上記撮像データが生成された位置を示す位置情報を取得する位置情報取得部と、上記取得された位置情報を変換するための位置情報変換領域に上記取得された位置情報により示される位置が含まれるか否かを判定する領域判定部と、上記領域判定部により上記位置情報変換領域に含まれると判定された場合には上記取得された位置情報により示される位置とは異なる位置を示す位置情報に上記取得された位置情報を変換する位置情報変換部と、上記生成された撮像データを記録する際に上記位置情報変換部により変換された位置情報を関連付けて記録させるように制御する記録制御部とを具備する撮像装置およびその処理方法ならびに当該方法をコンピュータに実行させるプログラムである。これにより、取得された位置情報により示される位置が位置情報変換領域に含まれる場合には、取得された位置情報の示す位置とは異なる位置を示す位置情報に変換させるという作用をもたらす。
【0009】
また、この第1の側面において、上記位置情報変換部は、上記取得された位置情報により示される位置を移動させるための変位を用いて上記取得された位置情報を上記異なる位置を示す位置情報に変換するようにしてもよい。これにより、位置情報取得部により取得された位置情報により示される位置を移動させるための変位を用いてその取得された位置情報の示す位置とは異なる位置を示す位置情報に変換させるという作用をもたらす。
【0010】
また、この第1の側面において、上記位置情報変換部は、上記位置情報変換領域において上記異なる位置を示す位置情報を乱数に基づいて生成するようにしてもよい。これにより、位置情報変換領域において上記異なる位置を示す位置情報を乱数に基づいて生成させるという作用をもたらす。
【0011】
また、この第1の側面において、上記取得された位置情報の履歴を保持する位置情報履歴保持部をさらに具備し、上記位置情報変換部は、上記位置情報履歴部により保持される位置情報の履歴によって規定される履歴領域において上記異なる位置を示す位置情報を乱数に基づいて生成するようにしてもよい。これにより、取得された位置情報の履歴によって規定される履歴領域において上記異なる位置を示す位置情報を乱数に基づいて生成させるという作用をもたらす。
【0012】
また、この第1の側面において、上記位置情報変換部は、上記位置情報履歴部により保持される位置情報の履歴によって規定される履歴領域と上記位置情報変換領域とを含む拡張領域において上記異なる位置を示す位置情報を乱数に基づいて生成するようにしてもよい。これにより、位置情報履歴部により保持される位置情報の履歴によって規定される履歴領域と位置情報変換領域とを含む拡張領域において上記異なる位置を示す位置情報を乱数に基づいて生成させるという作用をもたらす。
【0013】
また、この第1の側面において、上記取得された位置情報に暗号化処理を施す暗号化処理部をさらに具備し、上記記録制御部は、上記領域判定部により上記位置情報変換領域に含まれると判定された場合には上記生成された撮像データを記録する際に上記位置情報変換部により変換された位置情報および上記暗号化処理部により暗号化された位置情報を関連付けて記録させるように制御するようにしてもよい。これにより、領域判定部により位置情報変換領域に含まれると判定された場合には撮像データを記録する際に位置情報変換部により変換された位置情報および暗号化処理部により暗号化された位置情報を関連付けて記録させるという作用をもたらす。この場合において、上記暗号化処理部は、上記暗号化された情報と上記取得された位置情報とを関連付けた対応表を生成するようにしてもよい。これにより、暗号化された位置情報と取得された位置情報とを関連付けた対応表を生成させるという作用をもたらす。
【0014】
また、上記取得された位置情報に暗号化処理を施す暗号化処理部をさらに具備し、上記記録制御部は、上記領域判定部により上記位置情報変換領域に含まれると判定された場合には上記生成された撮像データを記録する際に上記位置情報変換部により変換された位置情報および上記暗号化処理部により暗号化された位置情報を関連付けて記録させるように制御する場合において、パスワードを受け付けるパスワード受付部をさらに具備し、上記暗号化処理部は、上記パスワード受付部により受け付けられたパスワードに基づいて生成した暗号鍵を用いて上記暗号化された位置情報を生成するようにしてもよい。これにより、パスワードに基づいて生成した暗号鍵を用いて暗号化された位置情報を生成させるという作用をもたらす。
【0015】
また、本発明の第2の側面は、被写体を撮像することにより生成された撮像データと上記撮像データが生成された位置を示す位置情報とが関連付けられた撮像ファイルを記録媒体から読み出すように制御するファイル読出制御部と、上記ファイル読出制御部により読み出された撮像ファイルにおける位置情報を抽出する位置情報抽出部と、上記抽出された位置情報を変換するための位置情報変換領域に上記抽出された位置情報により示される位置が含まれるか否かを判定する領域判定部と、上記領域判定部により上記位置情報変換領域に含まれると判定された場合には上記抽出された位置情報により示される位置とは異なる位置を示す位置情報に上記抽出された位置情報を変換する位置情報変換部と、上記読み出された撮像ファイルを記録する際に上記読み出された撮像ファイルにおける撮像データと上記位置情報変換部により変換された位置情報とを関連付けて記録させるように制御する記録制御部とを具備する情報記録装置およびその処理方法ならびに当該方法をコンピュータにより実行させるプログラムである。
【0016】
また、この第2の側面において、上記記録制御部により関連付けられた撮像データと上記位置情報変換部により変換された位置情報とを送信させるように制御する送信制御部をさらに具備するようにしてもよい。これにより、記録制御部により関連付けられた撮像データと位置情報変換部により変換された位置情報とを送信させるという作用をもたらす。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、撮像画像を利用する際に個人情報に関する位置情報が他人に知られることを防止することができるという優れた効果を奏し得る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
次に本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0019】
図1は、本発明の実施の形態における撮像装置の一構成例を示すブロック図である。撮像装置100は、撮像データ生成部110と、撮像制御部120と、画像入出力インターフェース130と、表示部140と、音声入出力インターフェース150と、音声処理部160と、センサ170とを備える。また、撮像装置100は、RAM(Random Access Memory)180と、ROM(Read Only Memory)190と、媒体制御部210と、記録媒体220と、通信部230と、操作受付部240と、プロセッサ300とを備える。
【0020】
撮像データ生成部110は、被写体を撮像することにより撮像画像データを生成するものである。この撮像画像データは、静止画像データまたは動画データを意味するものである。なお、撮像データ生成部110は、特許請求の範囲に記載の撮像データ生成部の一例である。
【0021】
この撮像データ生成部110は、光学レンズ111と、撮像素子112と、画像信号処理部113とを備える。光学レンズ111は、被写体からの光を集光する複数のレンズから構成される。この光学レンズ111は、入射された被写体からの光をこれらのレンズおよびアイリスを介して撮像素子112に出力する。
【0022】
撮像素子112は、プロセッサ300の制御に基づいて、光学レンズ111を介して入射された被写体からの光信号をアナログの画像信号に光電変換するものである。この撮像素子112は、その光電変換されたアナログの画像信号を画像信号処理部113に供給する。この撮像素子112は、例えば、CCD(Charge Coupled Device)センサやCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサ等により実現することができる。
【0023】
画像信号処理部113は、プロセッサ300の制御に基づいて、撮像素子112により供給されたアナログの画像信号に対して所定の信号処理を施すものである。すなわち、画像信号処理部113は、撮像素子112から供給されたアナログの画像信号についてノイズ除去等のアナログ信号処理を施して、このアナログ信号処理が施された画像信号をA/D(Analog/Digital)変換する。そして、画像信号処理部113は、そのA/D変換により得られるデジタル信号について輪郭強調、ガンマ補正、フリッカ除去等のデジタル信号処理を施して撮像画像データを生成する。また、この画像信号処理部113は、その生成された撮像画像データを表示部140および画像入出力インターフェース130に供給する。
【0024】
撮像制御部120は、プロセッサ300の制御に基づいて光学レンズ111を制御するものである。
【0025】
画像入出力インターフェース130は、撮像装置100と外部装置との間の撮像画像データの受け渡しを行うものである。この画像入出力インターフェース130は、外部装置からの撮像画像データを画像信号処理部113に供給する。また、この画像入出力インターフェース130は、画像信号処理部113により生成された撮像画像データを外部装置に出力する。
【0026】
表示部140は、画像信号処理部113により生成された撮像画像データを画像として表示するものである。この表示部140は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)により実現することができる。
【0027】
音声入出力インターフェース150は、撮像装置100と外部装置との間の音声信号の受け渡しを行うものである。この音声入出力インターフェース150は、外部装置からの音声信号を音声処理部160に供給する。また、この音声入出力インターフェース150は、音声処理部160からの音声信号を外部装置に出力する。
【0028】
音声処理部160は、外部装置からの音声信号を所定のデジタル信号に変換するものである。この音声処理部160は、その変換されたデジタル信号をプロセッサ300に供給する。
【0029】
センサ170は、複数のセンサから構成されるものである。このセンサ170は、例えば、位置情報を取得するセンサを備える。
【0030】
RAM180は、プロセッサ300のメインメモリに用いられるメモリである。このRAM180は、プロセッサ300において実行されるプログラムの作業領域等を備える。ROM190は、読み出し専用のメモリであり、各種制御プログラム等を記憶するものである。
【0031】
媒体制御部210は、プロセッサ300の制御に基づいて、撮像データ生成部110により生成された撮像画像データおよび位置情報等を記録媒体220に記録するものである。また、この媒体制御部210は、記録媒体220に記録されたデータを読み出す。
【0032】
記録媒体220は、撮像画像データおよび位置情報等を保存するものである。ここで、記録媒体220には、例えば、JPEG(Joint Photographic Experts Group)形式の画像ファイル等の各種データが記録される。また、記録媒体220は、例えば、メモリカード、光ディスク、磁気ディスク、磁気テープ等により実現することができる。なお、この記録媒体220は、撮像装置100から着脱可能とするようにしてもよい。
【0033】
通信部230は、撮像装置100と外部装置との間の通信を行うものである。この通信部230は、例えば、LAN(Local Area Network)ケーブル、または、USB(Universal Serial Bus)ケーブルなどの有線ケーブルを介して有線通信を行う。また、通信部230は、例えば、IEEE802.11a/b/g、または、Bluetooth(登録商標)などの無線通信を行う。
【0034】
操作受付部240は、撮像装置100の撮像者による各種設定等の操作内容を受け付けるものである。この操作受付部240は、これらの操作内容に応じた信号をプロセッサ300に供給する。撮像装置100には、操作受付部240として、例えば、撮像画像の記録動作を開始するためのシャッターボタンが備えられる。
【0035】
プロセッサ300は、ROM190に記憶されている各種制御プログラムに基づいて、画像信号処理部113、撮像制御部120、音声処理部160、媒体制御部210および通信部230を制御するものである。また、プロセッサ300は、操作受付部240により受け付けられた操作入力等に基づいて、画像信号処理部113、撮像制御部120、音声処理部160、媒体制御部210および通信部230を制御する。
【0036】
図2は、本発明の実施の形態における撮像装置100の第1の実施例の撮像時における機能構成を示すブロック図である。ここでは、撮像データ生成部110と、位置情報取得部171と、媒体制御部210と、記録媒体220と、位置情報変換領域受付部241と、シャッターボタン242と、プロセッサ300とが示されている。プロセッサ300は、位置情報変換領域保持部310と、領域判定部320と、位置情報変換部330と、記録制御部340と、位置情報履歴保持部350とを備える。なお、撮像データ生成部110、媒体制御部210および記録媒体220は、図1と同様のものであるため、ここでの説明を省略する。
【0037】
位置情報取得部171は、撮像画像データが生成される際に撮像装置100の位置を示す位置情報を取得するものである。この位置情報取得部171は、例えば、GPS信号受信アンテナにより受信されたGPS信号に基づいて位置情報を算出する。そして、この位置情報取得部171は、算出された位置情報をプロセッサ300に供給する。なお、この算出された位置情報には、緯度、経度等の位置に関する情報が含まれる。また、位置情報取得部171は、図1に示すセンサ170に対応する。また、位置情報取得部171は、特許請求の範囲に記載の位置情報取得部の一例である。
【0038】
位置情報変換領域受付部241は、撮像者により設定される位置情報変換領域を受け付けるものである。ここにいう位置情報変換領域とは、例えば、個人のプライバシーや個人情報に関する領域であり、撮像者が第三者に知られたくない位置を含む領域である。この位置情報変換領域として、例えば、自宅、勤務先、通勤・通学経路、保育園、幼稚園、小学校、中学校、高校、大学等の子供の学校、交際相手の家、実家等を含む領域が挙げられる。
【0039】
位置情報変換領域保持部310は、位置情報変換領域受付部241により受け付けられた位置情報変換領域を保持するものである。この位置情報変換領域保持部310は、その保持された位置情報変換領域を領域判定部320に供給する。
【0040】
領域判定部320は、位置情報取得部171により取得された位置情報により示される位置が、位置情報変換領域保持部310に保持される位置情報変換領域に含まれるか否かを判定するものである。この領域判定部320は、その判定結果を位置情報変換部330に供給する。なお、領域判定部320は、特許請求の範囲に記載の領域判定部の一例である。
【0041】
位置情報変換部330は、位置情報取得部171により取得された位置情報を、その位置情報により示される位置とは異なる位置を示す位置情報に変換するものである。この位置情報変換部330は、領域判定部320により位置情報変換領域に含まれると判定された場合には、その変換された位置情報を記録制御部340に供給する。一方、この位置情報変換部330は、領域判定部320により位置情報変換領域に含まれないと判定された場合には、位置情報取得部171により取得された位置情報を変換することなく、そのまま記録制御部340に供給する。
【0042】
この位置情報変換部330は、例えば、信号線331からの位置情報に示される位置を移動させるための変位を用いてその位置情報を変換する。この場合、位置情報変換部330は、位置情報取得部171により取得された位置情報における緯度および経度の少なくとも一方に所定の値を加算または減算することによって位置情報を変換する。
【0043】
なお、この例では、変換に用いられる所定の値の大きさ、または、撮像される位置によっては、位置情報変換部330により変換された位置情報が不自然な位置、例えば、海上を示すような場合も想定される。そのため、変換された位置情報の示す位置が一定の領域に限られるように位置情報を変換するようにしてもよい。この場合、位置情報変換部330は、例えば、信号線332を介して供給される位置情報変換領域において位置情報を変換する。そのために、位置情報変換部330は、緯度および経度のそれぞれに対応する乱数を発生させ、これらの乱数に基づいて位置情報変換領域内を示す位置情報を生成する。これにより、変換された位置情報が不自然な位置を示すことを防止することができる。さらに、位置情報取得部171により取得された位置情報と、変換された位置情報とが同じ位置を示す場合には、再度、乱数を発生させて位置情報を生成するようにしてもよい。
【0044】
なお、この例では、変換された位置情報により示される位置を制限する一定の領域として、位置情報変換領域を用いる例について述べたが、過去の撮像時における位置情報の履歴に基づいて規定される位置情報履歴領域を用いて位置情報を変換するようにしてもよい。この場合、位置情報変換部330は、位置情報履歴保持部350に保持された位置情報の履歴に基づいて位置情報履歴領域を規定し、その規定された位置情報履歴領域において位置情報を変換する。なお、位置情報変換部330は、シャッターボタン242が押下された場合には、位置情報取得部171からの位置情報を位置情報履歴保持部350に供給する
【0045】
この位置情報変換部330は、例えば、位置情報履歴保持部350に保持された位置情報のうち、経度における最大値および最小値と、緯度における最大値および最小値とを抽出し、これらの値を用いて矩形の領域を位置情報履歴領域として規定する。そして、位置情報変換部330は、緯度および経度に対応する乱数を発生させ、これらの乱数に基づいて位置情報履歴領域内を示す位置情報を生成する。これにより、変換された位置情報が位置情報履歴領域内を示すことによって、他の撮像画像における位置情報と対比される場合であっても、位置情報が変換されたことを第三者に類推され難くすることができる。
【0046】
なお、上述のとおり、変換された位置情報の示す位置を制限する一定の領域として位置情報変換領域または位置情報履歴領域を用いる例について説明したが、これら両方の領域を網羅する矩形領域を拡張領域として規定し、その拡張領域を用いるようにしてもよい。これにより、不自然な位置を示す位置情報にならない程度に、変換後の位置情報の示す位置の領域を拡張することができるようになる。また、位置情報変換部330は、特許請求の範囲に記載の位置情報変換部の一例である。
【0047】
記録制御部340は、シャッターボタン242が押下されると、画像ファイルを生成して、この画像ファイルを記録媒体220に記録させるよう媒体制御部を制御するものである。この記録制御部340は、撮像データ生成部110から供給された撮像画像データと位置情報変換部330により供給された位置情報とを関連付けて画像ファイルを生成する。なお、画像ファイルとは、静止画像ファイルまたは動画ファイルを意味する。また、記録制御部340は、特許請求の範囲に記載の記録制御部の一例である。
【0048】
位置情報履歴保持部350は、位置情報取得部171により取得された位置情報を保持するものである。すなわち、位置情報履歴保持部350は、過去の撮像時における位置情報を履歴として保持するものである。なお、この位置情報履歴保持部350は、位置情報履歴領域を規定する際に用いられる。また、位置情報履歴保持部350は、特許請求の範囲に記載の位置情報履歴保持部の一例である。
【0049】
シャッターボタン242は、撮像者からの撮像タイミングを受け付けるボタンである。このシャッターボタン242は、撮像画像データの記録を指示するための信号を位置情報変換部330および記録制御部340に出力する。すなわち、シャッターボタン242が押下された場合には、この押下の際に撮像データ生成部110により生成された撮像画像データと位置情報変換部330により供給された位置情報とが関連付けられた画像ファイルが記録媒体220に記録される。なお、シャッターボタン242は、図1に示した操作受付部240に対応する。
【0050】
図3は、本発明の実施の形態の撮像装置100における位置情報変換領域の設定例に関する概略図である。図3(a)および(b)には、表示部140に表示される日本地図上に位置情報変換領域を設定する例が示されている。
【0051】
図3(a)には、一例として、矩形により設定された位置情報変換領域410が示されている。図3(b)には、一例として、中心点421を中心に半径Rの円により設定された位置情報変換領域420が示されている。また、図3(a)および(b)以外の他の設定手法として、例えば、国単位、都道府県単位または市町村単位などの地域単位により位置情報変換領域を設定するようにしてもよい。
【0052】
なお、表示部140に表示させるための地図情報については、例えば、RAM180に保持させておき、撮像者からの指定操作に応じてRAM180から取得することができる。また、撮像装置100以外の地図情報記録装置に地図情報を記録させておき、インターネット等のネットワークを介してその地図情報記録装置から地図情報を取得するようにしてもよい。また、位置情報変換領域を設定する場合には、撮像装置100以外の他の装置(パーソナルコンピュータ等)において位置情報付与禁止領域を設定し、この設定内容を撮像装置100に転送して位置情報変換領域保持部に保持させるようにしてもよい。
【0053】
図4は、本発明の実施の形態における撮像装置100の第1の実施例における記録制御部340よって生成される静止画像ファイル500のファイル構造を示す概略図である。この静止画像ファイル500は、ヘッダ部510およびデータ部520から構成される。
【0054】
データ部520には、撮像データ生成部110により生成された撮像画像データである静止画像データが保持される。また、ヘッダ部510には、その静止画像データに関する情報が保持され、撮像時おける位置情報を保持する位置情報511の領域が含まれる。この位置情報511には、位置情報変換部330により供給される位置情報が保持される。すなわち、この位置情報511には、領域判定部320により、位置情報取得部171からの位置情報が位置情報変換領域内に含まれると判定された場合には、位置情報変換部330により変換された位置情報が保持される。一方、この位置情報511には、位置情報領域内に含まれないと判定された場合には、位置情報取得部171からの位置情報がそのまま保持される。なお、この位置情報511の領域は、位置情報を保持するために一般的に用いられている領域を想定している。
【0055】
図5は、本発明の実施の形態における撮像装置100の第1の実施例における静止画像ファイル500のファイル構造の一例を示す図である。
【0056】
この静止画像ファイル500は、JPEG形式により圧縮されたJPEG圧縮データ533が保持される。ここで、JPEG(Joint Photographic coding Expert Group)とは、画像データの圧縮方式の一つである。なお、静止画像ファイル500の先頭には、ヘッダ領域として、JPEGヘッダ531が付加される。
【0057】
この静止画像ファイル600には、JPEG圧縮データ533に関する情報(以下、メタ情報という)を保持するAPP1(APPlication marker header 1)領域と呼ばれる領域が含まれる。このAPP1領域には、例えば、APP1(EXIF)532が保持される。APP1(EXIF)532は、EXIFによるメタ情報を保持する領域である。ここで、EXIF(Exchangeable Image File Format)とは、デジタルスチルカメラ用のメタ情報の規格である。
【0058】
このAPP1(EXIF)532には、EXIF固有情報540およびGPS情報550が含まれる。このGPS情報550の領域において位置情報変換部330により供給される位置情報が保持される。なお、このGPS情報550は、図4に示した位置情報511に対応する。次に、GPS情報550の構造について図面を参照して詳細に説明する。
【0059】
図6は、本発明の実施の形態における撮像装置100の第1の実施例の静止画像ファイル500におけるGPS情報550の構造を示す図である。ここでは、位置情報取得部171により取得された位置情報により示される位置が「東経139度44分25秒、北緯35度37分42秒」であると想定する。
【0060】
GPS情報550には、GPSタグバーション(GPSVersionID)551、北緯/南緯(GPSLatitudeRef)552、および、緯度(GPSLatitude)553が含まれる。さらに、GPS情報550には、東経/西経(GPSLongitudeRef)554、および、経度(GPSLongitude)555などが含まれる。
【0061】
GPSタグバーション551には、GPSタグのバーションとして、例えば、バーション2.0を示す情報が保持される。北緯/南緯552には、北緯を示す「N」が保持される。緯度553には、35度37分42秒を示す「0x23,0x2C,0x2A」が保持される。なお、「0x」に続く英数字が十六進数であることを意味する(以下同様)。
【0062】
東経/西経554には、東経を示す「E」が保持される。経度555には、139度44分25秒を示す「0x8B,0x2C,0x19」が保持される。
【0063】
図7は、本発明の実施の形態における位置情報511の領域に保持する位置情報のデータ形式を例示する図である。ここでは、図6で示した位置情報を保持するためのデータ形式例以外の他の例について説明する。図7(a)および(b)には、位置情報取得部171により取得された位置情報のデータ形式を、記録媒体220に保持する際のデータ形式に変形する例が示されている。ここでは、位置情報取得部171により取得された位置情報が「東経139度44分25秒、北緯35度37分42秒」であると想定する。
【0064】
図7(a)は、経度および緯度をそれぞれ360度および180度により表現する場合の例である。図7(a)では、まず、度分秒の単位で表現された「東経139度44分25秒」および「北緯35度37分42秒」を度の単位の表現にする。これにより、経度および緯度のデータ形式は、それぞれ「139.740343」および「35.630826」となる。
【0065】
次に、経度においては、西経180度から東経180度を「0」から「360」と表現し、緯度においては、南緯90度から北緯90度を「0」から「180」と表現する。これにより、経度のデータ形式は180が加算された「219.740343」となり、緯度のデータ形式は90が加算された「125.630826」となる。
【0066】
次に、緯度および経度の両方にそれぞれ10の6乗を乗算した後、十六進数に変換することによって、経度および緯度のデータ形式をそれぞれ「0x0D18F8B7」および「0x077CF96A」とする。そして、これらの2つのデータを位置情報511の領域に保持させる。なお、この場合、経度は、「0x00000000」から「0x15752A00」の範囲、緯度は「0x00000000」から「0x0ABA9500」の範囲により表現される。
【0067】
図7(b)は、東経および北緯を正の値、西経および南緯を負の値により表現する場合の例である。図7(b)では、上述と同様に「東経139度44分25秒」および「北緯35度37分42秒」を、それぞれ「139.740343」および「35.630826」のデータ形式により表現する。
【0068】
次に、経度においては、西経180度から東経180度を「−180」から「+180」と表現し、緯度においては、南緯90度から北緯90度を「−90」から「+90」と表現する。これにより、経度および緯度のデータ形式は、「+139.740343」および「+35.630826」となる。
【0069】
次に、緯度および経度の両方に10の6乗を乗算した後、十六進数に変換することによって、経度および緯度のデータ形式を「0x085444B7」および「0x021FAEEA」とする。そして、これらの2つのデータを位置情報511の領域に保持させる。
【0070】
なお、この場合、経度は、「0x00000000」から「0x0ABA9500」または「0xF5456B00」から「0xFFFFFFFF」の範囲により表現される。緯度は、「0x00000000」から「0x055D4A80」または「0xFAA2B580」から「0xFFFFFFFF」の範囲により表現される。
【0071】
図8は、本発明の実施の形態における位置情報変換部330により規定される拡張領域450を示す図である。ここでは、矩形の位置情報変換領域430が示されている。この位置情報変換領域430において、左上の位置431は「東経139.185791度、北緯35.826721度」を示し、左下の位置432は「東経139.790039度、北緯35.585952度」を示す。
【0072】
また、ここでは、位置情報履歴保持部350に保持される6つの位置情報履歴441乃至446が示されている。この位置情報履歴441乃至443は、それぞれ「東経139.636230度、北緯35.447246度」、「東経139.512634度、北緯35.523285度」および「東経139.603271度、北緯35.519932度」を示す。また、位置情報履歴444乃至446は、それぞれ「東経139.501648度、北緯35.446127度」、「東経139.546280度、北緯35.495338度」および「東経139.696655度、北緯35.697456度」を示す。
【0073】
この場合において、位置情報変換部330は、位置情報履歴441乃至446のうち、経度および緯度における最大値および最小値をそれぞれ抽出することによって位置情報履歴領域440を規定する。この例では、位置情報履歴領域440において、左上の位置447は、経度の最小値および緯度の最大値となり、「東経139.501684度、北緯35.697456度」となる。右下の位置448は、経度の最大値および緯度の最小値となり、「東経139.696655度、北緯35.446127度」となる。
【0074】
このように、位置情報履歴保持部350により保持される位置情報の履歴に基づいて位置情報履歴領域440が規定される。
【0075】
次に、位置情報変換領域430と位置情報履歴領域440とを含む拡張領域450が、位置431および432と、位置447および448とに基づいて規定される。位置情報履歴領域440の規定と同様に、これらの位置情報のうち、経度および緯度において最大値および最小値をそれぞれ抽出することによって位置431および452が求められ、拡張領域450が規定される。
【0076】
ここで、緯度および経度に対応する2つの乱数を用いて拡張領域450内を示す位置情報の生成手法について簡単に説明する。2つの乱数は、「0.000000」から「1.000000」の間の値を取るものとし、ここでは、経度に対応する乱数の値が「0.34264」、緯度に対応する乱数の値が「0.843264」であると想定する。
【0077】
この場合、変換された位置情報における経度は次式により算出される。
(139.790039−139.185791)×0.353264
+139.185791=139.399250
【0078】
また、変換された位置情報における緯度は次式により算出される。
( 35.826721− 35.446127)×0.843264
+ 35.446127= 35.767068
【0079】
このように、位置431および452と、2つの乱数とを用いて変換された位置情報の示す位置「東経139.399250度、北緯35.767068度」は、拡張領域450内を示す位置情報になる。これにより、位置情報変換領域外の画像ファイルの位置情報と対比されるような場合があっても、位置情報が変換されたものであることを第三者に類推され難くすることができる。
【0080】
図9は、本発明の実施の形態における撮像装置100によって生成される動画ファイルのデータ構造を示す概略図である。動画ファイル600は、ヘッダ部610およびデータ部620から構成される。データ部620には、撮像データ生成部110により生成された撮像画像データである動画データが所定の形式により保持される。ヘッダ部610には、その動画データに関する情報が保持され、撮像時おける位置情報を保持する位置情報611の領域が含まれる。この位置情報611には、位置情報変換部330により供給される位置情報が保持される。なお、この動画ファイル600には、GOP(Group Of Picture)毎にヘッダ部610を設けるようにしてもよく、また、ストリーム中の一定間隔毎にヘッダ部610を設けるようにしてもよい。次に、動画ファイルのファイル構造の一例として、DVD−Video規格によるディスクのデータ構造について図面を参照して説明する。
【0081】
図10は、DVD−Video規格によるディスクのデータ構造を示す図である。ディスクは円盤状の形状を有しており、内周側にリードイン領域711が設けられ、外周側にリードアウト領域715が設けられる。そして、内周側から外周側に向かって順番に、ファイルシステム領域712と、管理情報領域713と、データ記録領域714とが設けられる。ファイルシステム領域712は、ファイルシステムの管理領域であり、ISO9660およびUDF(Universal Disk Format)の規格に準拠するように設けられている。管理情報領域713は、ディスク上に記録されているビデオコンテンツ全体の管理情報を保持する領域である。データ記録領域714は、各ビデオタイトルセットの内容およびその制御情報を保持する領域である。なお、これら領域は、2048バイトの論理セクタに区分される。
【0082】
管理情報領域713には、VMG(Video ManaGer)730が保持される。このVMG730は、VMGI(VMG Information)731と、VMGM_VOBS(Video OBject Set for VMG Menu)732と、VMGI_BUP(VMGI for Back UP)734とを備えている。VMGI731は、後述するように、ディスク上に記録されているビデオコンテンツのタイトル毎の管理情報やトップメニューの制御情報などを保持する。VMGM_VOBS732は、トップメニューのデータを保持する。また、VMGI_BUP734は、VMGI731のバックアップ用コピーである。
【0083】
データ記録領域714には、VTS(Video Titles Set)740が少なくとも1つ保持される。各VTS740は、それぞれVTSI(VTS Information)741と、VTSM_VOBS(Video OBject Set for VTS Menu)742とを備える。さらに、各VTS740は、それぞれVTSTT_VOBS(Video Object Set for Titles in a VTS)743とVTSI_BUP(VTSI for Back UP)744とを備えている。VTSI741は、後述するように、そのビデオタイトルセットに含まれるタイトルのチャプター毎の管理情報や制御情報およびチャプターメニューの制御情報などを保持する。VTSM_VOBS742は、チャプターメニューのデータを保持する。VTSTT_VOBS743は、そのビデオタイトルセットに含まれるタイトルのデータを保持する。また、VTSI_BUP744は、VTSI741のバックアップ用コピーである。
【0084】
図11は、ビデオオブジェクトセット(VOBS)の構成要素を示す図である。図10のVMGM_VOBS732、VTSM_VOBS742、および、VTSTT_VOBS743は、それぞれのデータをビデオオブジェクトセット(VOBS)として保持するものであり、共通の形式を有する。このVOBS760は、1個以上のビデオオブジェクト(VOB)761の集合である。このVOB761にはVOB_ID番号が付され、識別のために用いられる。このVOB761は、1個以上のセル(Cell)762により構成される。このセル762は、リアルタイム再生単位であり、VOB761と同様にセルID番号が付される。
【0085】
セル762は、1個以上のビデオオブジェクトユニット(VOBU)763を含む。このVOBU763は、ナビゲーションパック(NV_PCK)764を先頭とするパック列である。パックとは、2048バイトの固定データである。このパックは、追加記録情報を保持する追加記録情報パック(ARI_PCK)768を含む。この追加記録情報パックの領域において位置情報変換部330により供給される位置情報が保持される。また、先頭のNV_PCK764の他、映像データを保持する映像パック(V_PCK)765、音声データを保持する音声パック(A_PCK)766を必要に応じて備える。さらに、サブピクチャデータを保持するサブピクチャパック(SP_PCK)767なども必要に応じて備える。
【0086】
NV_PCK764は、パックヘッダ771に続いて、再生制御情報(PCI:Presentation Control Information)772およびデータ検索情報(DSI:Data Search Information)773を保持する。PCI772は、再生表示に関する制御情報であり、ノンシームレス再生のためのアングル情報や、サブピクチャのハイライト表示のための情報などを保持する。DSI773は、ディスクにアクセスするための制御情報であり、シームレス再生のためのアングル情報や、再生時間(0.5秒×n)を単位としたVOBUの検索情報などを保持する。
【0087】
図12は、本発明の実施の形態における追加記録情報(ARI_PCK)のデータ構造を示す図である。このARI_PCK768に含まれる情報は、追加記録情報識別子、アプリケーション情報、記録時間情報、カメラ情報および位置情報の5種類に大別される。
【0088】
追加記録識別子は、パケット内データが追加記録情報であることを認識させるための識別子であり、追加記録情報データ識別子(ARI_DAT_ID)と、そのバージョン番号(ARI_DAT_VER)が記録される。
【0089】
アプリケーション情報には、製品の製造元であるベンダー名(VND_NAME)、製品名であるプロダクト名(PRD_NAME)、アプリケーション識別子(APL_ID)、開発者情報データ(MNFI_DATA)、装置種別(PRD_TYP)が含まれる。ここで、アプリケーション識別子は、記録時の記録方式を識別するための情報である。開発者用データは、開発者が自由に使用できるエリアであり、例えば開発時のデバッグ用のデータが記録される。また、装置種別は、記録時の装置の種別を識別するための情報であり、例えば、携行型のカムコーダによって記録されたか、または、それ以外の据え置き型のデッキ(レコーダ)によって記録されたかを示す。この装置種別は、ベンダー名およびプロダクト名から判断するようにしてもよい。但し、その場合にはベンダー名およびプロダクト名をキーとして装置種別を取得するためのデータベースが必要となる。このデータベースはネットワーク経由により適宜更新されるようにすることが望ましい。
【0090】
記録時間情報には、当該追加記録情報が含まれるVOBUについての追加記録情報データ(ARI_DATA)の記録時のタイムゾーン(VOBU_LCL_TM_ZONE)と、ARI_DATAの記録時間(VOBU_REC_TM)とが記録される。VOBU_REC_TMは、例えば、Iピクチャのフレームの撮影時間として、年、月、日、時、分、秒で記述される。VOBU_LCL_TM_ZONEは、VOBU_REC_TMに対するタイムゾーンが記録される。ここで、タイムゾーンとは、ユーザが機器に設定したUTC(Coordinated Universal Time)からのオフセット時間である。すなわち、記録装置を使用する国の時刻(ローカルタイム)に対応した時差である。VOBU_REC_TMとして、ユニバーサルタイム(全世界で時刻を記録する際に使用される公式の時刻)を用いることもでき、その場合には、VOBU_LCL_TM_ZONEは、ゼロに設定される。
【0091】
カメラ情報には、撮影時の設定条件などの情報として、Fナンバー(F_NUM)、露出時間(EXP_TM)などの情報が含められている。
【0092】
位置情報には、北緯/南緯(GPS_LAT_REF)、緯度(GPS_LAT)、東経/西経(GPS_LON_REF)、緯度(GPS_LON)が含まれる。この位置情報の領域に、位置情報変換部330により供給される位置情報が記録される。なお、ARI_PCK768における位置情報は、図9に示した位置情報611に対応する。
【0093】
次に本発明の実施の形態における撮像装置100の撮像時における動作について図面を参照して説明する。
【0094】
図13は、本発明の実施の形態における撮像装置100の撮像時における位置情報変換処理の処理手順例を示すフローチャートである。
【0095】
まず、撮像データ生成部110により撮像画像データが生成される(ステップS911)。なお、ステップS911は、特許請求の範囲に記載の撮像データ生成手順の一例である。次に、位置情報取得部171により位置情報が取得される(ステップS912)。なお、ステップS912は、特許請求の範囲に記載の位置情報取得手順の一例である。
【0096】
次に、領域判定部320により、位置情報取得部171からの位置情報により示される位置が位置情報変換領域保持部310に保持された位置情報変換領域に含まれるか否かが判定される(ステップS913)。なお、ステップS913は、特許請求の範囲に記載の領域判定手順の一例である。そして、位置情報変換領域に含まれると判定された場合には、位置情報変換部330により、位置情報取得部171からの位置情報がその位置情報により示される位置とは異なる位置を示す位置情報に変換される(ステップS914)。なお、ステップS914は、特許請求の範囲に記載の位置情報変換手順の一例である。一方、位置情報変換領域に含まれないと判定された場合には、位置情報変換部330により、位置情報取得部171からの位置情報が変換されることなく、記録制御部340に供給される。
【0097】
次に、記録制御部340により、位置情報変換部330からの位置情報と、撮像データ生成部110により生成された撮像画像データとが関連付けられた画像ファイルが生成される(ステップS915)。そして、記録制御部340により、この画像ファイルを記録媒体220に記録させるように制御される(ステップS916)。なお、ステップS915およびS916は、特許請求の範囲に記載の記録制御手順の一例である。
【0098】
このように、本発明の実施の形態における撮像装置100の第1の実施例によれば、撮像時において位置情報取得部171からの位置情報の示す位置が位置情報変換領域内に含まれる場合には、その位置情報が示す位置とは異なる位置情報に変換することができる。これにより、インターネット上に画像ファイルが公開されても、他人に位置情報を知られたくない領域において撮像された撮像画像の本来の位置を第三者に知られないようにすることができる。また、位置情報変換部330は、変換された位置情報が位置情報変換領域を示すように位置情報を変換することができる。これにより、位置情報変換領域外の画像ファイルの位置情報と対比されるような場合があっても、変換された位置情報が本来の位置から不自然に離れた位置を示さないため、位置情報が変換されていることを第三者に類推され難くすることができる。
【0099】
また、位置情報変換部330は、変換された位置情報が位置情報履歴領域内を示すように位置情報を変換することができる。これにより、変換された位置情報が位置情報変換領域430の外の領域を示す場合であっても、過去に取得された撮像画像の位置情報に基づいて位置情報が変換されるため、位置情報が変換されたことを第三者に類推され難くすることができる。
【0100】
なお、本発明の実施の形態における第1の実施例において画像ファイルの位置情報を変換することによって本来の位置を第三者に知られないようにする例について説明したが、例えば、撮像者自身が画像ファイルの位置情報を確認することも想定される。この場合、位置情報取得部171からの位置情報に所定の値を加算または減算することによって位置情報を変換するときには、その所定の値を用いて変換された位置情報を元の位置情報に戻すことができる。しかしながら、例えば、乱数を用いて位置情報を変換する場合においては、変換された位置情報だけでは元の位置情報に戻すことができない。そのため、位置情報が変換された場合に、変換された位置情報に加えて本来の位置情報を暗号化したものを画像ファイルに付加するように改良したものが、次に説明する第2の実施例である。
【0101】
図14は、本発明の実施の形態における撮像装置100の第2の実施例の撮像時における機能構成例を示すブロック図である。ここでは、図2の構成に加えて暗号化処理部360およびパスワード受付部243が示されている。なお、位置情報変換部330、記録制御部340、暗号化処理部360およびパスワード受付部243以外の他の構成は、図2と同様のものであるため、ここでの説明を省略する。
【0102】
パスワード受付部243は、撮像者からのパスワードを受付けるものである。なお、パスワード受付部243は、図1に示した操作受付部240に対応する。また、このパスワード受付部243は、特許請求の範囲に記載のパスワード受付部の一例である。
【0103】
位置情報変換部330は、位置情報を変換する場合には、位置情報取得部171により取得された位置情報を暗号化処理部360に供給するものである。なお、この位置情報変換部330の他の機能は、図2で示したものと同様であるため、ここでの説明を省略する。
【0104】
暗号化処理部360は、位置情報変換部330により供給された位置情報に暗号化処理を施すものである。この暗号化処理部360は、暗号化された位置情報を記録制御部340に供給する。この暗号化処理部360は、例えば、位置情報変換部330により供給された位置情報取得部171からの位置情報と、暗号化された位置情報とを関連付けた対応表を生成して、その暗号化された位置情報を記録制御部340に供給する。これにより、暗号化された位置情報の情報量を削減することができ、かつ、撮像装置100においてのみ暗号化された位置情報を元に戻すことができるようになる。
【0105】
また、暗号化処理部360は、例えば、暗号化処理するための暗号鍵を用いて位置情報変換部330により供給された位置情報に暗号化処理を施し、その暗号化された位置情報を記録制御部340に供給する。この場合において、パスワード受付部243により受け付けられたパスワードに基づいて暗号鍵を生成するようにしてもよい。これにより、パスワードを知っている特定の人のみが暗号化された位置情報を元に戻して利用することができるようになる。なお、この暗号化処理部360は、特許請求の範囲に記載の暗号化処理部の一例である。
【0106】
記録制御部340は、撮像データ生成部110により供給された撮像画像データと、位置情報変換部330により供給された位置情報と、暗号化処理部360からの暗号化された位置情報とを関連付けて画像ファイルを生成するものである。なお、記録制御部340の他の機能は、図2で示したものと同様であるため、ここでの説明を省略する。また、この記録制御部340は、特許請求の範囲に記載の記録制御部の一例である。
【0107】
図15は、本発明の実施の形態における撮像装置100の第2の実施例における静止画像ファイル500のファイル構造を示す概略図である。ここでは、図4に示したヘッダ部510における位置情報511の領域に加えて、暗号化された位置情報を保持する暗号化位置情報512が含まれる。この暗号化位置情報512には、位置情報511に変換された位置情報が保持される場合に、暗号化処理部360により暗号化された位置情報が保持される。なお、この暗号化位置情報512の領域は、ヘッダ部510における予約領域などに設けられることを想定している。
【0108】
図16は、本発明の実施の形態における撮像装置100の第2の実施例における静止画像ファイル500のファイル構造の一例を示す図である。ここでは、図5に示したEXIF固有情報540に含まれるユーザ情報541の領域が示されている。このユーザ情報541には、メーカーノート(MakerNote)の領域(タグID=37500)およびユーザコメント(UserComment)の領域(タグID=37510)が含まれる。暗号化処理部360により暗号化された位置情報は、例えば、メーカーノートの領域に保持され得る。なお、このメーカーノートの領域は、図15に示した暗号化位置情報512に対応する。
【0109】
図17は、本発明の実施の形態の撮像装置100の第2の実施例における暗号化処理部360により生成される位置情報に関する対応表の一例を示す図である。ここでは、暗号化位置情報810と位置情報820との対応関係が示されている。
【0110】
暗号化位置情報810は、暗号化された位置情報として、記録制御部340に供給される情報を示す。この暗号化位置情報810が静止画像ファイル500における暗号化位置情報512に保持される。位置情報820は、位置情報取得部171により取得された位置情報を示す。例えば、暗号化位置情報「1」に対応する位置情報は、「東経139.551430度、北緯35.650600度」である。すなわち、暗号化位置情報512の領域に暗号化位置情報「1」が保持された画像ファイルにおける位置情報は、対応表800により、「東経139.551430度、北緯35.650600度」であると特定される。
【0111】
図18は、本発明の実施の形態の撮像装置100の第2の実施例における暗号鍵による暗号化処理の一例を示す図である。位置情報取得部171により取得された位置情報が「東経139度44分25秒、北緯35度37分42秒」であると想定する。また、この位置情報は、図7(a)に示した形式により記述されるものとする。ここでは、暗号化方式として、CBC(Cipher Block Chaining)モードにおいてAES(Advanced Encryption Standard)暗号を用いる。また、鍵長は128ビットとし、暗号鍵(Key)はパスワードに基づいて生成されるものとする。
【0112】
図18(a)は、位置情報取得部171により取得された位置情報の暗号化処理の概要を示す図である。ここでは、位置情報を「0x0D18F8B7077CF96A」とする。これは、図7(a)で示した、経度「0x0D18F8B7」および緯度「0x077CF96A」を合わせたものである。
【0113】
この場合において、パスワード「password」および補助的情報(Salt)「0x68C30E62093E5D4D」に基づいて暗号鍵(Key)および初期化ベクタ(IV:Initialization Vector)が生成される。この暗号鍵(Key)および初期化ベクタ(IV)を用いて位置情報にAES暗号化処理を施すことにより、暗号化された位置情報「0x68C30E62093E5D4D91DFFC8E438AE2412327E5B894E4BEE0」が生成される。
【0114】
図18(b)は、図18(a)において生成された暗号化された位置情報の復号処理の概要を示す図である。まず、暗号化された位置情報のうち、補助的位置情報(Salt)を抽出する。ここで、補助的位置情報(Salt)およびパスワード「password」に基づいて暗号鍵(Key)および初期化ベクタ(IV)が生成される。この暗号鍵(Key)および初期化ベクタ(IV)を用いて、補助的情報(Salt)抽出後の暗号化された位置情報「0x91DFFC8E438AE2412327E5B894E4BEE0」にAES復号を行い、暗号化処理前の位置情報のデータが生成される。
【0115】
図19は、本発明の実施の形態の撮像装置100の第2の実施例における動画ファイル600のファイル構造を示す概略図である。ここでは、図9に示したヘッダ部610における位置情報611の領域に加えて、暗号化された位置情報を保持する暗号化位置情報612が含まれる。この暗号化位置情報612には、暗号化処理部360により暗号化された位置情報が保持される。
【0116】
図20は、本発明の実施の形態における撮像装置100の第2の実施例の暗号化された位置情報の復号処理時における機能構成例を示すブロック図である。ここでは、暗号化された位置情報を復号することにより、その復号された位置情報を表示部140に表示させることを想定する。
【0117】
撮像装置100は、表示部140と、媒体制御部210と、記録媒体220と、パスワード受付部243と、位置情報表示受付部244と、プロセッサ300とを備える。プロセッサ300は、復号情報保持部361と、暗号化位置情報抽出部371と、復号処理部380と、表示制御部390とを備える。
【0118】
位置情報表示受付部244は、画像ファイルの位置情報を表示させるための画像ファイルの指定を受け付けるものである。この位置情報表示受付部244は、その受け付けられた画像ファイルの指定を媒体制御部210に供給する。
【0119】
媒体制御部210は、位置情報表示受付部244により指定された画像ファイルを記録媒体220から読み出し、その読み出した画像ファイルを暗号化位置情報抽出部371に供給するものである。
【0120】
復号情報保持部361は、復号処理に必要となる情報を保持するものである。この復号情報保持部361は、例えば、図17に示した対応表による暗号化処理が行われた場合には、暗号化処理部360により生成された対応表を保持する。
【0121】
暗号化位置情報抽出部371は、読み出された画像ファイルのうち、暗号化位置情報512または612の領域に保持されている暗号化された位置情報を抽出するものである。この暗号化位置情報抽出部371は、その暗号化された位置情報を復号処理部380に供給する。
【0122】
復号処理部380は、暗号化位置情報抽出部371からの暗号化された位置情報を復号するものである。この復号処理部380は、図17に示した対応表による暗号化処理が行われた場合には、暗号化位置情報抽出部371からの暗号化された位置情報である暗号化位置情報と、復号情報保持部361に保持された対応表とに基づいて位置情報を復号する。
【0123】
また、この復号処理部380は、例えば、図18に示したパスワードを用いた暗号化処理が行われた場合には、暗号化された位置情報と、パスワード受付部243により受け付けられたパスワードとに基づいて位置情報を復号処理する。この場合、パスワード受付部243に受け付けられたパスワードを復号情報保持部361に保持させておき、その保持されたパスワードを用いて復号処理を行うようにしてもよい。これにより、撮像者によるパスワードの入力操作の負担を軽減することができる。
【0124】
また、この復号処理部380は、復号処理された位置情報を表示制御部390に供給する。
【0125】
表示制御部390は、復号された位置情報を表示部140に表示させるものである。表示部140は、表示制御部390からの復号された位置情報を表示画面に表示するものである。
【0126】
このように、本発明の実施の形態における第2の実施例では、暗号化処理部360を設けることによって、位置情報取得部171により取得された位置情報に暗号化処理を施し、画像ファイルにその暗号かされた位置情報を付加する。これにより、暗号化された位置情報を復号処理することができる特定の人のみが、本来の位置情報を利用することができるようになる。
【0127】
以上のように、本発明の実施の形態における第1および第2の実施例では、位置情報取得部171により取得された位置情報を撮像時において変換する例について説明したが、画像ファイルを外部装置に送信する際に位置情報を変換するようにしてもよい。そこで、撮像装置100の第3の実施例として、画像ファイルを外部装置に送信する際において画像ファイルに付加された位置情報を変換する例について次図を参照して説明する。
【0128】
図21は、本発明の実施の形態における撮像装置100の第3の実施例の機能構成例を示すブロック図である。ここでは、位置情報が変換されていない画像ファイルが記録媒体220に記録されており、画像ファイルを外部装置に送信する際に位置情報を変換することを想定する。
【0129】
撮像装置100は、媒体制御部210と、記録媒体220と、送信制御部231と、パスワード受付部243と、ファイル送信受付部245と、プロセッサ300とを備える。プロセッサ300は、位置情報変換領域保持部310と、領域判定部320と、位置情報変換部330と、記録制御部340と、位置情報履歴保持部350と、暗号化処理部360と、位置情報抽出部370とを備える。なお、記録媒体220、パスワード受付部243、位置情報変換領域保持部310、領域判定部320、位置情報変換部330、位置情報履歴保持部350および暗号化処理部360は、図14と同様のものであるため、ここでの説明を省略する。
【0130】
ファイル送信受付部245は、記録媒体220に記録された画像ファイルを外部装置に送信するために、撮像者からの操作を受け付けるものである。このファイル送信受付部245は、外部装置に送信する画像ファイルの指定および外部装置に送信するためのアドレスを受け付ける。また、ファイル送信受付部245は、その受け付けられた画像ファイルの指定を媒体制御部210に供給するとともに、外部装置に送信するためのアドレスを送信制御部231に供給する。なお、ファイル送信受付部245は、図1に示した操作受付部240に対応する。
【0131】
媒体制御部210は、ファイル送信受付部245により受け付けられた画像ファイルの指定に基づいて記録媒体220に記録された画像ファイルを読み出すものである。この媒体制御部210は、読み出した画像ファイルを位置情報抽出部370および記録制御部340に供給する。
【0132】
また、媒体制御部210は、記録制御部340により生成された別個のデータを記録媒体220に一時的に保持させる。この場合、記録媒体220として、例えば、フリップフロップ回路などを用いるようにしてもよい。そして、媒体制御部210は、ファイル送信受付部245から送信指示がある場合には、その保持された別個のデータを送信制御部231に供給する。なお、ここでは、画像ファイルを外部装置に送信する場合を想定しているが、位置情報が変換されていない画像ファイルを位置情報が変換された画像ファイルに置き換える場合も想定される。この場合には、媒体制御部210は、記録制御部340により新たに生成された画像ファイルを媒体記録部220に記録する。なお、媒体制御部210は、特許請求の範囲に記載のファイル読出制御部の一例である。
【0133】
位置情報抽出部370は、媒体制御部210により読み出された画像ファイルに付加された位置情報を抽出するものである。この位置情報抽出部370は、その抽出された位置情報を領域判定部320および位置情報変換部330に供給する。なお、位置情報抽出部370は、特許請求の範囲に記載の位置情報抽出部の一例である。
【0134】
記録制御部340は、位置情報変換部330により供給された位置情報と、暗号化処理部360からの暗号化された位置情報と、媒体制御部210により供給された画像ファイルとに基づいて新たな画像ファイルを生成するものである。この記録制御部340は、その新たに生成された画像ファイルを記録媒体220に保持させるように媒体制御部210を制御する。なお、記録制御部340は、特許請求の範囲に記載の記録制御部の一例である。
【0135】
送信制御部231は、ファイル送信受付部245により受け付けられたアドレスに基づいて、記録制御部340により生成された画像ファイルを送信するよう制御するものである。なお、送信制御部231は、図1に示した通信部230に対応する。また、送信制御部231は、特許請求の範囲に記載の送信制御部の一例である。
【0136】
次に本発明の実施の形態における撮像装置100の画像ファイル送信時における動作について図面を参照して説明する。
【0137】
図22は、本発明の実施の形態における撮像装置100の第3の実施例における位置情報変換処理の処理手順例を示すフローチャートである。
【0138】
まず、媒体制御部210により、記録媒体220に記録された画像ファイルが読み出される(ステップS921)。なお、ステップS921は、特許請求の範囲に記載のファイル読出制御手順の一例である。次に、位置情報抽出部370により、読み出された画像ファイルに付加された位置情報が抽出される(ステップS922)。なお、ステップS922は、特許請求の範囲に記載の位置情報抽出手順の一例である。
【0139】
次に、領域判定部320により、位置情報抽出部370からの位置情報により示される位置が位置情報変換領域保持部310に保持された位置情報変換領域に含まれるか否かが判定される(ステップS923)。なお、ステップS923は、特許請求の範囲に記載の領域判定手順の一例である。そして、位置情報変換領域に含まれると判定された場合には、位置情報変換部330により、位置情報抽出部370からの位置情報により示される位置とは異なる位置を示す位置情報に変換される(ステップS924)。なお、ステップS924は、特許請求の範囲に記載の位置情報変換手順の一例である。一方、位置情報変換領域に含まれないと判定された場合には、位置情報変換部330により、位置情報抽出部370からの位置情報が変換されることなく、記録制御部340に供給される。
【0140】
次に、記録制御部340により、位置情報変換部330からの位置情報と、媒体制御部210により供給された画像ファイルにおける撮像画像データとが関連付けられた新たな画像ファイルが生成される(ステップS925)。なお、ステップS925は、特許請求の範囲に記載の記録制御手順の一例である。そして、送信制御部231により、その生成された画像ファイルを外部装置に送信させるように制御される(ステップS926)。
【0141】
このように、本発明の実施の形態における第3の実施例によれば、位置情報抽出部370を設けることによって、外部端末に画像ファイルを送信する際において、送信する画像ファイルに付加された位置情報を変換することができる。なお、ここでは、一例として、外部装置に画像ファイルを送信する際にその画像ファイル付加される位置情報を変換する例について示したが、位置情報を変換するタイミングはこれに限られるものではない。
【0142】
このように、本発明の実施の形態によれば、位置情報変換部330は、画像ファイルに付加する位置情報の示す位置が位置情報変換領域内を示す場合には、その位置情報が示す位置とは異なる位置を示す位置情報に変換することができる。これにより、撮像画像を利用する際に個人情報に関する位置情報が他人に知られることを防止することができる。
【0143】
なお、本発明の実施の形態では、GPS信号に基づいて位置情報を算出する例について説明したが、他の位置情報取得方法により位置情報を取得するようにしてもよい。例えば、周囲に存在する無線LAN(Local Area Network)によるアクセスポイント情報を用いて位置情報を導き出し、この位置情報を用いるようにしてもよい。
【0144】
また、本発明の実施の形態では、撮像装置を例にして説明したが、撮像部を備える携帯電話機、PC(Personal Computer:パーソナルコンピュータ)等のカメラ機能を有する機器等の撮像装置に本発明の実施の形態を適用することができる。
【0145】
なお、本発明の実施の形態は本発明を具現化するための一例を示したものであり、上述のように特許請求の範囲における発明特定事項とそれぞれ対応関係を有する。ただし、本発明は実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変形を施すことができる。
【0146】
また、本発明の実施の形態において説明した処理手順は、これら一連の手順を有する方法として捉えてもよく、また、これら一連の手順をコンピュータに実行させるためのプログラム乃至そのプログラムを記憶する記録媒体として捉えてもよい。この記録媒体として、例えば、CD(Compact Disc)、MD(MiniDisc)、DVD(Digital Versatile Disk)、メモリカード、ブルーレイディスク(Blu-ray Disc(登録商標))等を用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0147】
【図1】本発明の実施の形態における撮像装置の一構成例を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態における撮像装置100の第1の実施例の撮像時における機能構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施の形態の撮像装置100における位置情報変換領域の設定例に関する概略図である。
【図4】本発明の実施の形態における撮像装置100の第1の実施例における記録制御部340よって生成される静止画像ファイル500のファイル構造を示す概略図である。
【図5】本発明の実施の形態における撮像装置100の第1の実施例における静止画像ファイル500のファイル構造の一例を示す図である。
【図6】本発明の実施の形態における撮像装置100の第1の実施例の静止画像ファイル500におけるGPS情報550の構造を示す図である。
【図7】本発明の実施の形態における位置情報511の領域に保持する位置情報のデータ形式を例示する図である。
【図8】本発明の実施の形態における位置情報変換部330により規定される拡張領域450を示す図である。
【図9】本発明の実施の形態における撮像装置100によって生成される動画ファイルのデータ構造を示す概略図である。
【図10】DVD−Video規格によるディスクのデータ構造を示す図である。
【図11】ビデオオブジェクトセット(VOBS)の構成要素を示す図である。
【図12】本発明の実施の形態における追加記録情報(ARI_PCK)のデータ構造を示す図である。
【図13】本発明の実施の形態における撮像装置100の撮像時における位置情報変換処理の処理手順例を示すフローチャートである。
【図14】本発明の実施の形態における撮像装置100の第2の実施例の撮像時における機能構成例を示すブロック図である。
【図15】本発明の実施の形態における撮像装置100の第2の実施例における静止画像ファイル500のファイル構造を示す概略図である。
【図16】本発明の実施の形態における撮像装置100の第2の実施例における静止画像ファイル500のファイル構造の一例を示す図である。
【図17】本発明の実施の形態の撮像装置100の第2の実施例における暗号化処理部360により生成される位置情報に関する対応表の一例を示す図である。
【図18】本発明の実施の形態の撮像装置100の第2の実施例における暗号鍵による暗号化処理の一例を示す図である。
【図19】本発明の実施の形態の撮像装置100の第2の実施例における動画ファイル600のファイル構造を示す概略図である。
【図20】本発明の実施の形態における撮像装置100の第2の実施例の暗号化された位置情報の復号処理時における機能構成例を示すブロック図である。
【図21】本発明の実施の形態における撮像装置100の第3の実施例の機能構成例を示すブロック図である。
【図22】本発明の実施の形態における撮像装置100の第3の実施例における位置情報変換処理の処理手順例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0148】
100 撮像装置
110 撮像データ生成部
111 光学レンズ
112 撮像素子
113 画像信号処理部
120 撮像制御部
130 画像入出力インターフェース
140 表示部
150 音声入出力インターフェース
160 音声処理部
170 センサ
171 位置情報取得部
180 RAM
190 ROM
210 媒体制御部
220 記録媒体
230 通信部
231 送信制御部
240 操作受付部
241 位置情報変換領域受付部
242 シャッターボタン
243 パスワード受付部
244 位置情報表示受付部
245 ファイル送信受付部
300 プロセッサ
310 位置情報変換領域保持部
320 領域判定部
330 位置情報変換部
331、332 信号線
340 記録制御部
350 位置情報履歴保持部
360 暗号化処理部
361 復号情報保持部
370 位置情報抽出部
371 暗号化位置情報抽出部
380 復号処理部
390 表示制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被写体を撮像することにより撮像データを生成する撮像データ生成部と、
前記撮像データが生成された位置を示す位置情報を取得する位置情報取得部と、
前記取得された位置情報を変換するための位置情報変換領域に前記取得された位置情報により示される位置が含まれるか否かを判定する領域判定部と、
前記領域判定部により前記位置情報変換領域に含まれると判定された場合には前記取得された位置情報により示される位置とは異なる位置を示す位置情報に前記取得された位置情報を変換する位置情報変換部と、
前記生成された撮像データを記録する際に前記位置情報変換部により変換された位置情報を関連付けて記録させるように制御する記録制御部と
を具備する撮像装置。
【請求項2】
前記位置情報変換部は、前記取得された位置情報により示される位置を移動させるための変位を用いて前記取得された位置情報を前記異なる位置を示す位置情報に変換する請求項1記載の撮像装置。
【請求項3】
前記位置情報変換部は、前記位置情報変換領域において前記異なる位置を示す位置情報を乱数に基づいて生成する請求項1記載の撮像装置。
【請求項4】
前記取得された位置情報の履歴を保持する位置情報履歴保持部をさらに具備し、
前記位置情報変換部は、前記位置情報履歴部により保持される位置情報の履歴によって規定される履歴領域において前記異なる位置を示す位置情報を乱数に基づいて生成する請求項1記載の撮像装置。
【請求項5】
前記取得された位置情報の履歴を保持する位置情報履歴保持部をさらに具備し、
前記位置情報変換部は、前記位置情報履歴部により保持される位置情報の履歴によって規定される履歴領域と前記位置情報変換領域とを含む拡張領域において前記異なる位置を示す位置情報を乱数に基づいて生成する請求項1記載の撮像装置。
【請求項6】
前記取得された位置情報に暗号化処理を施す暗号化処理部をさらに具備し、
前記記録制御部は、前記領域判定部により前記位置情報変換領域に含まれると判定された場合には前記生成された撮像データを記録する際に前記位置情報変換部により変換された位置情報および前記暗号化処理部により暗号化された位置情報を関連付けて記録させるように制御する
請求項1記載の撮像装置。
【請求項7】
前記暗号化処理部は、前記暗号化された位置情報と前記取得された位置情報とを関連付けた対応表を生成する請求項6記載の撮像装置。
【請求項8】
パスワードを受け付けるパスワード受付部をさらに具備し、
前記暗号化処理部は、前記パスワード受付部により受け付けられたパスワードに基づいて生成した暗号鍵を用いて前記暗号化された位置情報を生成する請求項6記載の撮像装置。
【請求項9】
被写体を撮像することにより生成された撮像データと前記撮像データが生成された位置を示す位置情報とが関連付けられた撮像ファイルを記録媒体から読み出すように制御するファイル読出制御部と、
前記ファイル読出制御部により読み出された撮像ファイルにおける位置情報を抽出する位置情報抽出部と、
前記抽出された位置情報を変換するための位置情報変換領域に前記抽出された位置情報により示される位置が含まれるか否かを判定する領域判定部と、
前記領域判定部により前記位置情報変換領域に含まれると判定された場合には前記抽出された位置情報により示される位置とは異なる位置を示す位置情報に前記抽出された位置情報を変換する位置情報変換部と、
前記読み出された撮像ファイルを記録する際に前記読み出された撮像ファイルにおける撮像データと前記位置情報変換部により変換された位置情報とを関連付けて記録させるように制御する記録制御部と
を具備する情報記録装置。
【請求項10】
前記記録制御部により関連付けられた撮像データと前記位置情報変換部により変換された位置情報とを送信させるように制御する送信制御部をさらに具備する請求項9記載の情報記録装置。
【請求項11】
被写体を撮像することにより撮像データを生成する撮像データ生成手順と、
前記撮像データが生成された位置を示す位置情報を取得する位置情報取得手順と、
前記取得された位置情報を変換するための位置情報変換領域に前記取得された位置情報により示される位置が含まれるか否かを判定する領域判定手順と、
前記領域判定手順により前記位置情報変換領域に含まれると判定された場合には前記取得された位置情報により示される位置とは異なる位置を示す位置情報に前記取得された位置情報を変換する位置情報変換手順と、
前記生成された撮像データを記録する際に前記位置情報変換手順により変換された位置情報を関連付けて記録させるように制御する記録制御手順と
を具備する位置情報変換方法。
【請求項12】
被写体を撮像することにより生成された撮像データと前記撮像データが生成された位置を示す位置情報とが関連付けられた撮像ファイルを記録媒体から読み出すように制御するファイル読出制御手順と、
前記ファイル読出制御手順により読み出された撮像ファイルにおける位置情報を抽出する位置情報抽出手順と、
前記抽出された位置情報を変換するための位置情報変換領域に前記抽出された位置情報により示される位置が含まれるか否かを判定する領域判定手順と、
前記領域判定部により前記位置情報変換領域に含まれると判定された場合には前記抽出された位置情報により示される位置とは異なる位置を示す位置情報に前記抽出された位置情報を変換する位置情報変換手順と、
前記読み出された撮像ファイルを記録する際に前記読み出された撮像ファイルにおける撮像データと前記位置情報変換手順により変換された位置情報とを関連付けて記録させるように制御する記録制御手順と
を具備する位置情報変換方法。
【請求項13】
被写体を撮像することにより撮像データを生成する撮像データ生成手順と、
前記撮像データが生成された位置を示す位置情報を取得する位置情報取得手順と、
前記取得された位置情報を変換するための位置情報変換領域に前記取得された位置情報により示される位置が含まれるか否かを判定する領域判定手順と、
前記領域判定手順により前記位置情報変換領域に含まれると判定された場合には前記取得された位置情報により示される位置とは異なる位置を示す位置情報に前記取得された位置情報を変換する位置情報変換手順と、
前記生成された撮像データを記録する際に前記位置情報変換手順により変換された位置情報を関連付けて記録させるように制御する記録制御手順と
をコンピュータに実行させるプログラム。
【請求項14】
被写体を撮像することにより生成された撮像データと前記撮像データが生成された位置を示す位置情報とが関連付けられた撮像ファイルを記録媒体から読み出すように制御するファイル読出制御手順と、
前記ファイル読出制御手順により読み出された撮像ファイルにおける位置情報を抽出する位置情報抽出手順と、
前記抽出された位置情報を変換するための位置情報変換領域に前記抽出された位置情報により示される位置が含まれるか否かを判定する領域判定手順と、
前記領域判定部により前記位置情報変換領域に含まれると判定された場合には前記抽出された位置情報により示される位置とは異なる位置を示す位置情報に前記抽出された位置情報を変換する位置情報変換手順と、
前記読み出された撮像ファイルを記録する際に前記読み出された撮像ファイルにおける撮像データと前記位置情報変換手順により変換された位置情報とを関連付けて記録させるように制御する記録制御手順と
をコンピュータに実行させるプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図3】
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【公開番号】特開2010−45699(P2010−45699A)
【公開日】平成22年2月25日(2010.2.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−209499(P2008−209499)
【出願日】平成20年8月18日(2008.8.18)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】