説明

情報記録装置および情報記録方法

【課題】本発明は、光ディスク等の記録媒体に、コンテンツサーバーによって供給されるコンテンツを記録するための装置及び方法に関する。
【解決手段】情報記録再生装置100は、ディスクパッケージ情報を送信し、既に媒体に記録されているタイトルを構成するファイルのファイル名に重複しないように、追加記録するタイトルを構成するファイルのファイル名が定義された、コンテンツサーバー18で生成された追加記録するタイトルを受信し、コンテンツサーバー18で生成される新たなメニュー画面表示用ボタンデータを受信し、コンテンツサーバー18で生成された追加記録するタイトルと、コンテンツサーバー18で生成された新たなメニュー画面表示用ボタンデータと、追加記録するタイトルを構成するファイルのファイル名情報とが、記述された新たなディスクパッケージ情報を受信し、媒体に追加記録する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光ディスク等の記録媒体に、コンテンツサーバーによって供給されるコンテンツを記録するための情報記録装置および情報記録方法に関する。
【背景技術】
【0002】
コンテンツを提供する環境は、CD(Compact Disc)やDVD(Digital Versatile Disc)といった物理メディアの提供から、インターネット等によるデータ配信へと変わりつつある。それに伴い、情報記録再生装置は従来のスタンプされた映画パッケージを再生するだけではなく、インターネットを経由してコンテンツをダウンロードして視聴することが可能になった。例えば特許文献1においては、既にディスクにあるコンテンツと、インターネットからダウンロードしてきたコンテンツを結合して、一つのコンテンツとして再生を行っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−369154号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このように、映画コンテンツをダウンロードしてディスクに記録する時のフォーマットは、インタラクティブ機能や、字幕や音声の切り替え、メニュー画面の表示などが必要であるため、ROMパッケージ用のフォーマットを使うことが一般的である。ROMパッケージ用のフォーマットは、スタンプすることを前提に作られているため、一旦記録したディスクに対して後から別のコンテンツを追加記録(追記)することが考慮されていない。一方、追記することを前提に用意されているフォーマットにおいては、例えば、BD(Blu−ray Disc)のポップアップメニューなどのインタラクティブ機能や、ディスクに予め記録されたメニュー画面の表示機能がないため、映画などのコンテンツを記録するには不向きである。また、記録系フォーマットで記録されたディスクは再生専用機で再生ができないという問題がある。以上の制約から、一度コンテンツをダウンロード記録したディスクは、たとえ残りの記録容量が十分にあっても、新たなコンテンツを追記することができないため、ユーザーは不便を強いられていた。
本発明は、上記のような課題を解決する情報記録再生装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る情報記録装置は、
1つ以上のファイルにより構成されるタイトルが記録された媒体に、コンテンツサーバーにより提供されるコンテンツを追加記録する情報記録装置であって、
前記コンテンツサーバーに対し、前記媒体に追加記録するタイトルを指定する手段と、
前記媒体に記録済みのすべてのタイトルを前記コンテンツサーバー側で識別するための固有IDが記述されたディスクパッケージ情報を前記コンテンツサーバーに送信する手段と、
前記ディスクパッケージ情報に基づいて、既に前記媒体に記録されているタイトルを構成するファイルのファイル名に重複しないように、前記追加記録するタイトルを構成するファイルのファイル名が定義された、前記コンテンツサーバーで生成された前記追加記録するタイトルを、受信し前記媒体に追加記録する手段と、
前記ディスクパッケージ情報に基づいて、前記追加記録するタイトルが選択できるよう、前記コンテンツサーバーで生成される新たなメニュー画面表示用ボタンデータを受信し前記媒体に追加記録する手段と、
前記コンテンツサーバーで生成された前記追加記録するタイトルと、前記コンテンツサーバーで生成された前記新たなメニュー画面表示用ボタンデータと、前記追加記録するタイトルを構成する前記ファイルのファイル名情報とが、記述された新たなディスクパッケージ情報を受信し、前記媒体に追加記録する手段とを備えたものである。
【発明の効果】
【0006】
本発明に係る情報記録装置は、追加タイトルの選択再生を可能とするメニュー表示を含んだ新たなディスクパッケージを得ることができる。また、記録媒体の空き容量がある限り、コンテンツの追加が可能であり、記録媒体を有効に利用することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明の実施の形態1及び実施の形態2に係る情報記録再生装置の構成を概略的に示すブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態1及び実施の形態2に係る、光ディスクのファイル構成を示す図である。
【図3】本発明の実施の形態1及び実施の形態2におけるプレゼンテーション・ファイル構成を示すストリームの構成図である。
【図4】本発明の実施の形態1及び実施の形態2におけるストリーム情報ファイルのシンタックスである。
【図5】本発明の実施の形態1及び実施の形態2におけるタイトル・ファイルの構成図である。
【図6】本発明の実施の形態1及び実施の形態2におけるタイトル・ファイルのシンタックスである。
【図7】本発明の実施の形態1及び実施の形態2におけるプログラム・ファイルのシンタックスである。
【図8】本発明の実施の形態1における光ディスク内のファイル構成を示す図である。
【図9】本発明の実施の形態1におけるメニュー画面を示す図である。
【図10】本発明の実施の形態1及び実施の形態2におけるコンテンツをダウンロードするシステム全体を示す図である。
【図11】本発明の実施の形態1におけるユーザーがダウンロードするタイトルを選択する選択画面の図である。
【図12】本発明の実施の形態1におけるコンテンツサーバーで構築されたディスクパッケージのファイル構成を示す図である。
【図13】本発明の実施の形態1におけるコンテンツサーバーで構築されたディスクパッケージで表示されるメニュー画面である。
【図14】本発明の実施の形態1におけるディスクパッケージ情報ファイルのシンタックスである。
【図15】本発明の実施の形態1おけるタイトルが追加されたディスクパッケージで表示されるメニュー画面である。
【図16】本発明の実施の形態1おけるタイトルが追加されたディスクパッケージの構成図である。
【図17】本発明の実施の形態2におけるディスクパッケージ情報ファイルのシンタックスである。
【図18】本発明の実施の形態2におけるユーザーがダウンロードする音声と字幕を選択する選択画面の図である。
【図19】本発明の実施の形態2における光ディスクに記録されたディスクパッケージの構成図である。
【図20】本発明の実施の形態2におけるコンテンツサーバーで構築されたディスクパッケージの構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1における情報記録再生装置100の構成を示すブロック図である。図1において、1は所定のデータ(例えば、当該情報記録再生装置100の制御に必要な制御データ、映像または音声のデータ等)を記録・再生可能な光ディスク、2は光ディスク1のデータの再生、および光ディスク1へのデータの記録を行うドライブである。また、3はドライブ2よって読み出されたデータをビデオデータ、オーディオデータ、グラフィックデータ、インタラクティブデータに分離するデマルチプレクサ、4はオーディオデータを復調(以下、デコードという)するオーディオデコーダ部、5はビデオデータをデコードするビデオデコーダ部、6はグラフィックデータをデコードするグラフィックデコーダ部、7はインタラクティブデータをデコードするインタラクティブデコーダ部、8はビデオデータをデコードして得られる映像と、グラフィックデータ、インタラクティブデータをデコードして得られる画像と、CPU9で構成された映像とを重畳するビデオ重畳部である。9は、上記の各構成を制御するCPUであり、各構成に制御コマンドを送ると共に、各構成のステータスのモニタ等も行っている。10は、外部インターネットと接続し情報のやりとりを行うインターネット接続部である。尚、図1においては、CPU9から出される制御信号等は省略した。
【0009】
次に再生動作について説明する。
図1において、ドライブ2は、光ディスク1に記録されたデータを読み出して、デマルチプレクサ3に出力する。ここで、ドライブ2から出力されるデータは、光ディスク1に記録された映像(以下、ビデオという)を表すビデオデータ、当該ビデオデータに対応する音声を表すオーディオデータ、ビデオデータによって表される映像に重畳される画像(以下、グラフィックという)を表すグラフィックデータ、およびユーザーが画面でボタン選択をおこなうための画像(以下、ボタンという)を表すボタンデータと、ボタンを選択した時に実行される制御プログラムにより構成されるインタラクティブデータ、がパケット化され、多重化されたものである。
【0010】
デマルチプレクサ3は、入力されたデータをビデオデータ、オーディオデータ、グラフィックデータおよびインタラクティブデータに分離する。そして、オーディオデータをオーディオデコーダ部4に、ビデオデータをビデオデコーダ部5に、グラフィックデータをグラフィックデコーダ部6、インタラクティブデータをインタラクティブデコーダ7にそれぞれ出力する。なお、デマルチプレクサ3は、パケット化された各データの先頭に記述された識別子に従ってこの分離動作を行う。
【0011】
オーディオデコーダ部4は、入力されたオーディオデータをデコードして図示しない音声出力手段に出力する。また、ビデオデコード部5は、入力されたビデオデータをデコードしてビデオ重畳部8に出力する。グラフィックデコーダ部6は、入力されたグラフィックデータをデコードしてビデオ重畳部8に出力する。また、インタラクティブデコーダ部7は、入力されたインタラクティブデータをデコードしてボタンのグラフィックをビデオ重畳部8に出力し、制御プログラムをCPU9に出力する。
【0012】
ビデオ重畳部8は、ビデオデコード部5においてビデオデータをデコードして得られるビデオと、グラフィックデコーダ部6においてグラフィックデータをデコードして得られるグラフィックと、インタラクティブデコーダ部7においてインタラクティブデータのボタンデータをデコードして得られるグラフィクスとを重畳して図示しない表示手段に出力する。
【0013】
図2は、光ディスク1に記録されたコンテンツの、ディスクパッケージのファイル構成を示す図である。11は、ビデオデータ、オーディオデータ、グラフィックデータ、インタラクティブデータが多重化されたプレゼンテーション・ファイルであり、“STREAM”はプレゼンテーション・ファイル11が格納されているフォルダの名称である。12はプレゼンテーション・ファイル11のデータ構造が記述された、ストリーム情報ファイルであり、“STREAM_IFO”はストリーム情報ファイル12が格納されているフォルダの名称である。ここで、プレゼンテーション・ファイル11とストリーム情報ファイル12は一対一で対応している。13は、タイトルの構成が記述されたタイトル・ファイルであり、“TITLE”はタイトル・ファイル13が格納されているフォルダの名称である。14はタイトル・ファイル13の再生に必要な、コマンドが記述されたプログラム・ファイルである。
【0014】
図3は、プレゼンテーション・ファイル11の構造を示すストリーム構成図である。ストリームはパケットと呼ばれる固定長のデータ単位により構成されている。ビデオデータ、オーディオデータ、グラフィックデータ、インタラクティブデータは、このパケット単位に分割された後、多重化されストリームを構成する。それぞれのパケットの先頭にはヘッダ領域があり、ヘッダ情報に記述されたID(Identification)により、パケット内のデータ識別を行う。デマルチプレクサ3は、このIDを識別して、ビデオデータ、オーディオデータ、グラフィックデータ、インタラクティブデータに分離する。
【0015】
図4は、ストリーム情報ファイル12のシンタックスを示す図である。“Start_PTS”は対象となるプレゼンテーション・ファイル11の最初のビデオフレームのPTS(Presentation_Time Stamp)を示し、“End_PTS”は最終のビデオフレームのPTSを示す。“num_of_audio”、“num_of_graphics”、“num_of_interactive”は、プレゼンテーション・ファイル11に多重化されたオーディオデータ、グラフィックデータ、インタラクティブデータの数を示す。次の3つのループ文(for以下)は、“num_of_audio”、“num_of_graphics”、“num_of_interactive”の数だけ繰り返され、“packet_ID”はそれぞれのストリームの割り当てられるパケットのIDが記述される。“entry_map()”には、頭出し再生に必要となる情報が記述される。例えばビデオデータがMPEG2でエンコードされている場合、GOP(Group of Picture)の先頭が、頭だしポイントに相当する。本実施例ではプレゼンテーション・ファイル11のどのパケットに、GOPの先頭が存在するかが記述されている。“num_of_entry”は、頭出しポイントの総数、“entry_packet_num”は、プレゼンテーション・ファイル11の先頭からGOPの先頭までの相対パケット数、“entry_PTS”はGOP先頭のPTSである。パケットは固定長であることから、ファイルの先頭からGOP先頭までの相対バイト数は、“entry_packet_num”の値とパケット当たりのバイト数を掛けた値から算出できる。情報再生装置100は、頭出しの時間を“entry_PTS”から探し出し、それに対応した“entry_packet_num”から、ディスク上の頭出しポイントの位置を割り出し、頭出し再生を行う。
【0016】
図5は、タイトルの構成を示した図である。タイトルとは、プレゼンテーション・ファイル11の所定の区間が複数集まったものであり、一つのプレゼンテーション・ファイル11内の複数区間から構成される場合や、複数のプレゼンテーション・ファイル11のそれぞれに含まれる所定の区間から構成される場合など、様々な集合から構成される。
図6は、タイトル・ファイル13のシンタックスを示す図である。“num_of_stream”は、タイトルを構成するプレゼンテーション・ファイル11の総数、次のループ文は“num_of_stream”の数だけ繰り返される。タイトルは一つ以上のプレゼンテーション・ファイル11の所定区間から構成されており、“stream_name”は再生の対象となるプレゼンテーション・ファイル11のファイル名を示し、“In_time”“Out_time”はタイトルで再生されるプレゼンテーション・ファイル11の所定区間の再生開始時間と再生終了時間を示す。本実施例ではビデオデータのPTS(Presentation Time Stamp)を“In_time”、“Out_time”としている。“Start_packet_num”、“End_packet_num”は“In_time”、“Out_time”で指し示されるビデオフレームの、プレゼンテーション・ファイル11の先頭からの相対的なパケット数を示す。これらの情報から、情報再生装置100はプレゼンテーション・ファイル11のどの部分を再生すればよいのかを判断することができる。“num_of_audio”、“num_of_graphics”、“num_of_interactive”は、再生に利用するビデオ、オーディオ、グラフィックの数を示す。ストリーム情報ファイル12中にも同様のパラメータが存在するが、このストリーム情報ファイル12中のパラメータは、プレゼンテーション・ファイル11中に存在する、ビデオ、オーディオ、グラフィックの総数を指し示すのに対し、タイトル・ファイル13中のそれは、プレゼンテーション・ファイル11中のビデオ、オーディオ、グラフィックの中で、再生に利用する総数を指し示す点が異なる。続く、3つのループ文は、図4で説明したループ文と同様のため説明を省略する。“num_of_sub_stream”は、ビデオが含まれるストリームと一緒に再生する、プレゼンテーション・ファイル11の総数である。“sub_stream_name”はメインのストリームと一緒に再生されるプレゼンテーション・ファイル11の総数である。“Sync_PTS”は、メインのストリームと同期再生を開始する時間である。以下はメインのストリームと同様のため説明を省略する。
【0017】
図7は、プログラム・ファイル14のシンタックスを示す図である。“menu_title_file_name”は、ユーザーがメニューキーを押下した時に表示されるメニュー画面を表示するタイトル・ファイル名を示す。“num_of_title”はプログラムの総数を示し、次のループ文は“num_of_title”の数だけ繰り返される。“num_of_commmand”はプログラム(命令)の総数を示し、次のループ文は“num_of_command”の数だけ繰り返される。“Command()”はディスクの再生に必要な命令の集合体を示す。
【0018】
次に、光ディスク1内のコンテンツが再生される手順について説明をする。図8は光ディスク1内のファイル構成の一例を示す図である。図6において示したシンタクスにおいて、“00001.title”、“00002.title”、“00003.title”の“num_of_stream”はそれぞれ“1”に設定されており、それぞれの“stream_name”には“00001.strm”、“00002.strm“、”00003.strm“が割り当てられている。また”program.cmd“の“menu_title_file_name”には“00001.title”が割り当てられている。
図9は、図8に示すファイルが記録された光ディスク1の再生時に表示されるメニュー画面15である。メニュー画面15の表示用のファイルとして、“00001.title”および“00001.strm”が関連付けられている。また、ボタンA16には“00002.title”を再生するコマンドが関連付けられており、ボタンB17には、“00003.title”を再生するコマンドが関連付けられている。ボタンA16およびボタンB17はインタラクティブデータに含まれるボタンデータから作られており、背景の映像はビデオデータから作られている。
【0019】
この光ディスク1を情報再生装置100で再生すると、まずメニュー画面15の表示用に関連付けられた“00001.title”および“00001.strm”の読み出しが開始される。読み出されたデータはデマルチプレクサ3で、“00001.title”で指定されたパケットIDに従って分離され、必要なデータのみがビデオデコーダ部4、オーディオデコーダ部5、グラフィックデコーダ部6、インタラクティブデコーダ部7に送られる。ビデオデコーダ部4でデコードされた映像と、グラフィックデコーダ部6でデコードされた映像と、インタラクティブデコーダ部7でデコードされた映像は、重畳部8で合成され出力される。
【0020】
ユーザーがボタンA16を選択すると、“00002.title”が選択され、対応する“00002.strm”が光ディスク1より読み出され、再生が行われる。ボタンB17が選択されると、“00003.title”が選択され、対応する“00003.strm”が光ディスク1より読み出され、再生が行われる。ユーザーがタイトルを選択し、選択されたタイトルの再生が完了すると、CPU9は、再生したタイトルに対応したコマンドを“program.cmd”から読み出し、実行する。例えば、メニューに戻る命令が記述されている場合、メニュー画面表示用に関連付けられたファイルを読み出し、メニュー画面を表示する。また、別のタイトルの再生命令が記述されている場合、そのタイトルに関連づけられたファイルを読み出し、タイトルの再生が行われる。
【0021】
上記のフォーマットに従い、光ディスク1に対してインターネット回線からダウンロードしたコンテンツを記録する手順を以下に説明する。
図10は、コンテンツをダウンロードするシステム全体を示す図である。図10において、19はインターネット回線を示し、18はインターネット回線に接続されたコンテンツサーバーであり、100は図1に示す情報記録再生装置全体を示している。図1において、インターネット接続部10は、インターネット回線19に接続される。CPU9は、インターネット接続部10を経由して、コンテンツサーバーからWEBブラウザを表示するデータを受け取り、データに従ったグラフィックを構成して重畳部8に出力したり、光ディスク1に記録されたデータをインターネット回線に接続されたコンテンツサーバー18にアップロードしたり、コンテンツサーバー18内のデータを情報記録再生装置100にダウンロードするなどの処理が行われる。
【0022】
図11は、インターネット回線19に接続されたコンテンツサーバー18から送信されるWEBブラウザを表示するデータを、CPU9および重畳部8において処理することにより構成されるガイダンス画面を示す図である。このガイダンス画面に従ってユーザーが、追加で記録したいコンテンツを選択すると、対応するデータがダウンロードされ、光ディスク1に新しいコンテンツが追記される。ボタン19〜22はユーザーが選択可能なタイトルの一覧を示し、ここでは4つのタイトルを選択することができる。映画Aおよび映画Cを選択する場合、ユーザーは、ボタン19および21が図示しないインターフェースにより指定する。ボタン19および21が指定されると、コンテンツサーバー18は、映画Aおよび映画Cのタイトルを備えたディスクパッケージを構築する。
【0023】
図12は、コンテンツサーバー18において構築されたディスクパッケージのファイル構成を示す図である。タイトル・ファイル13は、メニュー用のタイトルである“00001.title”、映画Aに対応する“00002.title”、映画Cに対応する“00003.title”により構成される。プレゼンテーション・ファイル11は、“00001.title”に対応する“00001.strm”と、“00002.title”に対応する“00002.strm”と、“00003.title”に対応する“00003.strm”により構成される。ストリーム情報ファイル12は、“00001.strm”、“00002.strm”、“00003.strm”に対応した“00001.ifo”、“00002.ifo”、“00003.ifo”の3つのファイルにより構成される。プログラム・ファイル14は、“Program.cmd”に加え、後述するディスクパッケージ情報ファイル“Package.info”から構成されている。図13はコンテンツサーバー18で構築された、映画Aおよび映画Cを備えたディスクパッケージのメニュー画面である。ボタン23を選択すると、映画Aが再生され、ボタン24を選択すると、映画Cが再生される。コンテンツサーバー18においてディスクパッケージ情報ファイルの構築が完了すると、情報記録再生装置100は、ディスクパッケージ情報ファイルのデータをダウンロードし、光ディスク1へ書き込みを行う。
【0024】
次に、上記のように映画Aと映画Cが記録された光ディスク1に対して、新たなタイトル(映画D)を追記する手順について説明する。既に説明したように、ディスクパッケージは、メニュー画面を表示するためのタイトルが含まれており、映画Dを追記した場合は、追加された映画Dを含む新たなメニュー画面用のタイトルを構築する必要がある。そのためには、コンテンツサーバー18側で、光ディスク1に既に記録されているタイトルの情報を知る手段が必要となる。
図14は、図12に示すプログラム・ファイル14のディスクパッケージ情報ファイル“Package.ifo”のシンタックスである。“number_of_title”は、光ディスクに記録されているタイトルの総数である。次のforループでは、“number_of_title”の数だけループしている。“title_name”はタイトルのファイル名を示し、“title_identifier”は、それぞれのタイトルの固有IDである。この固有IDは、サーバー側にあるタイトルリストから、タイトルを特定する数列または、タイトルの名前を直接記述したテキスト情報であってもよい。“num_of_stream”は、タイトルを構成しているストリームのファイル数を示し、続くforループは“num_of_stream”の数だけ繰り返される。“stream_name”は、ストリームのファイル名を示す。ディスクパッケージ情報ファイルをコンテンツサーバー18に送信することにより、コンテンツサーバー18は、これから追記をしようとする光ディスク1に既に記録されているタイトルの情報を認識することが可能となる。
【0025】
図11のガイダンス画面において、ユーザーが映画Dを選択すると、コンテンツサーバー18から情報記録再生装置100に対し、ディスクパッケージ情報ファイルのアップロードが要求される。情報記録再生装置100はこの要求に従って、ディスクパッケージ情報ファイルをアップロードする。コンテンツサーバー18は、ディスクパッケージ情報ファイル中の“title_identifier”から、光ディスク1に既に映画Aと映画Cが記録されていることを認識し、図15の様に、映画Aと映画Cと、追加タイトル(映画D)を備えた新しいメニュー画面表示用のタイトルを構築する。
【0026】
図16は、映画Aおよび映画Cが既に記録された光ディスク1に追記するコンテンツとして映画Dを選択した場合にコンテンツサーバー18において構築されるディスクパッケージの構成を示す図である。ディスクパッケージ情報ファイル“package.ifo”の“title_identifier”、“title_name”、“stream_name”から、光ディスク1のメニュー画面用のタイトルは、“00001.strm”、“00001.ifo”、“00001.title”から構成されていることが認識される。これにより、新たなメニュー画面用のタイトルは、“00001.strm”、“00001.ifo”、“00001.title”のファイルを更新することで構成される。同様に、ディスクパッケージ情報ファイルから、光ディスク1では、“00001”番から“00003”番までのファイルが既に使用されていることを認識できるため、映画Dには、まだ使用されていないファイル名、“00004.strm”、“00004.ifo”、“00004.title”が割り当てられる。既に光ディスク1に記録されている、映画Aを構成するファイルと、映画Cを構成するファイルについては、同一のファイル名が割り当てられる。また、“Program.cmd”、“Package_ifo”の両ファイルは、新しいタイトルが追加されるため新しく更新される。以上のように、コンテンツサーバー18側での新しいディスクパッケージが構築されると、情報記録再生装置100にダウンロードが開始される。但し、ここでダウンロードされるファイルは、映画Dを構成するファイル、メニュー画面表示用タイトルを構成するファイル、“Program.cmd”、“Package_ifo”である。情報記録再生装置100では、メニュー画面表示用タイトルを構成するファイル“00001.strm”、“00001.ifo”、“00001.title”を、上書きし、映画Dを構成するファイル“00004.strm”、“00004.ifo”、“00004.title”を新たに追記する。更に、新たに構成された“Program.cmd”、“Package_ifo”を上書きする。以上の手順により、光ディスク1に、映画A、映画Cに加え、映画Dを備えたディスクパッケージが記録される。
【0027】
以上説明したように、プログラム・ファイル14に、光ディスク1に既に記録されているタイトル情報を示すディスクパッケージ情報を設け、この情報をコンテンツサーバー18に送信することにより、コンテンツサーバー18において、光ディスク1に既に記録されているタイトル情報を認識し、新たなタイトルを追加する場合、追加タイトルを含む新たなメニュー画面表示用のタイトルを備えたディスクパッケージを構築することが可能となる。コンテンツサーバー18から、新たなメニュー画面表示用のタイトルと、追加タイトルのデータをダウンロードし、光ディスク1に記録することにより、映画A、映画C、映画Dの全てのタイトルをメニュー画面から選択して再生することが可能なディスクパッケージを得ることができる。タイトルの追加記録はROMに準拠したデータフォーマットで行われるので、再生専用装置との互換性を維持することができる。また、記録媒体の空き容量がある限り、コンテンツの追加が可能であり、記録媒体を有効に利用することが可能となる。
【0028】
実施の形態2.
実施の形態1では、新たにタイトルを追加する場合について説明を行ったが、一つのタイトル全体を追記する場合だけでなく、タイトルの一部分を追記する場合も想定される。例えば、一つのタイトルに、新たにオーディオや字幕コンテンツを後から追加するケースが上げられる。実施の形態2では、タイトルの一部を更新する方法について説明を行う。
【0029】
図17はタイトルの一部を更新する場合に使用する、ディスクパッケージ情報ファイルのシンタックスである。図14に示すディスクパッケージ情報ファイルとの違いは、“num_of_sub_stream”以下に、プレゼンテーション・ファイル11に存在するオーディオデータ、グラフィックデータ、インタラクティブデータを認識するためのループ文が追加されていることである。“num_of_sub_stream”は、このタイトルに含まれるサブストリームの総数であり、次のループ文は“num_of_sub_stream”の数だけ繰り返される。“num_of_sub_audio”、“num_of_sub_graphics”、“num_of_sub_interactive”は、プレゼンテーション・ファイル11に存在するオーディオデータ、グラフィックデータ、インタラクティブデータの総数を示す。次の3つのループは、それぞれ“num_of_sub_audio”、“num_of_sub_graphics”、“num_of_sub_interactive”の数だけ繰り返される。“sub_audio_identifier”、“sub_graphics_identifier”、“sub_interactive_identifier”は、オーディオデータ、グラフィックデータ、インタラクティブデータそれぞれの内容を表す固有のIDを示す。
【0030】
図18はインターネット回線に接続されたコンテンツサーバーから送信されるデータを、CPU9および重畳部8において処理することにより構成されるガイダンス画面である。この画面のガイダンスに従って、ユーザーは、自分の追加したい音声や字幕を選択し、データをダウンロードし、光ディスク1に追記する操作を行う。図18において、ユーザーは、ボタン28および29により、日本語または韓国語の字幕のグラフィックデータを選択し、ボタン30および31により、英語または韓国語の音声のオーディオデータを選択することができる。
【0031】
図19は、本実施の形態において、光ディスク1に既に記録されているディスクパッケージのファイル構成を示す図である。このディスクパッケージは、2つの映画タイトル(映画Aおよび映画B)を備え、映画Aは、字幕表示用グラフィックデータのサブストリームを備えている。映画Aのメインストリームには、日本語のオーディオが重畳され、字幕は重畳されていないものとする。また、映画Aに重畳される字幕は英語字幕であるとする。図19に示すプレゼンテーション・ファイル11において、“00001.strm”はメニュー画面用タイトルのファイルであり、“00002.strm”は映画Aのファイルであり、“00003.strm”は映画Bのファイルであり、“00004.strm”は映画Aに重畳される字幕表示用グラフィックスのファイルである。ストリーム情報ファイル12において、“00004.ifo”は“00004.strm”に対応するファイルである。タイトル・ファイル13において、“00001.title”はメニュー画面用タイトル、“00002.title”は映画Aのタイトル、“00003.title”は映画Cのタイトルにそれぞれ対応する。“00004.strm”、“00004.ifo”を除いて、タイトルとファイルの関係は、実施の形態1(図12)と同様である。プログラム・ファイル14のディスクパッケージ情報ファイル“Package.info”に、映画Aのメインストリームのファイル“00002.strm”には日本語のオーディオが存在し、サブストリームのファイル“00004.strm”には英語の字幕が存在することが、“sub_audio_identifier”、“sub_graphics_identifier”により示される。
【0032】
図18のガイダンス画面において、ユーザーが映画Aに対して韓国語の字幕と、英語の音声を選択した場合の手順について説明をする。ユーザーがボタン29により韓国語の字幕、ボタン30により英語の音声を選択すると、コンテンツサーバー18から、情報記録再生装置100に対して、ディスクパッケージ情報ファイルのアップロードが要求される。情報記録再生装置100はその要求に従って、ディスクパッケージ情報ファイルをアップロードする。コンテンツサーバー18は、ディスクパッケージ情報ファイルから、タイトル1には既にサブストリームが一つ存在し、“00002.strm”には日本語のオーディオが存在し、“00004.strm”には英語の字幕が存在することを認識する。ユーザーがダウンロードを行おうとしている音声または字幕が既に光ディスク1に存在する場合、ダウンロードをする必要がないことをユーザーに知らせ、ダウンロードは実行しない。追加されるサブストリームが新規であることが確認された後、コンテンツサーバー18では、新しいディスクパッケージを構築する。まず、映画Aのサブストリームとして既に存在する英語字幕のグラフィックスデータと、新たに追加される韓国語字幕のグラフィクスデータと、英語音声のオーディオデータの3つを重畳したサブストリームを構築する。ここで新たに構築されたサブストリームは、既に光ディスク1に存在するサブストリームのプレゼンテーション・ファイル“00004.strm”、およびストリーム情報ファイル“00004.ifo”を更新することにより記録される。次に、新しいグラフィックデータと、オーディオデータが追加されたため、映画Aのタイトル・ファイル“00002.title”が更新される。同様に、ディスクパッケージ情報ファイル“Package_ifo”も更新される。図20は、コンテンツサーバー18に構築されたディスクパッケージの構成図である。
【0033】
新しいディスクパッケージがコンテンツサーバー18で構築されると、情報記録再生装置100へ、ファイルのダウンロードが開始される。ここでダウンロードされるファイルは、新しく更新された“00004.strm”、“00004.ifo”、“00002.title”、“Package_ifo”の4つのファイルである。この場合、映画Aについて音声と字幕が追加されただけなので、メニュー画面と映画Bについてのアップデートは行われない。
【0034】
本実施の形態2においては、ディスクパッケージ情報ファイルに、タイトルに含まれるオーディオデータ、グラフィックスデータ、インタラクティブデータを識別する情報である、“sub_audio_identifier”、“sub_graphics_identifier”、“sub_interactive_identifier”を追加することで、音声だけや字幕だけをタイトルに追加することが可能となる。
【符号の説明】
【0035】
1 光ディスク、 2 ドライブ、 8 ビデオ重畳部、 9 CPU

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つ以上のファイルにより構成されるタイトルが記録された媒体に、コンテンツサーバーにより提供されるコンテンツを追加記録する情報記録装置であって、
前記コンテンツサーバーに対し、前記媒体に追加記録するタイトルを指定する手段と、
前記媒体に記録済みのすべてのタイトルを前記コンテンツサーバー側で識別するための固有IDが記述されたディスクパッケージ情報を前記コンテンツサーバーに送信する手段と、
前記ディスクパッケージ情報に基づいて、既に前記媒体に記録されているタイトルを構成するファイルのファイル名に重複しないように、前記追加記録するタイトルを構成するファイルのファイル名が定義された、前記コンテンツサーバーで生成された前記追加記録するタイトルを、受信し前記媒体に追加記録する手段と、
前記ディスクパッケージ情報に基づいて、前記追加記録するタイトルが選択できるよう、前記コンテンツサーバーで生成される新たなメニュー画面表示用ボタンデータを受信し前記媒体に追加記録する手段と、
前記コンテンツサーバーで生成された前記追加記録するタイトルと、前記コンテンツサーバーで生成された前記新たなメニュー画面表示用ボタンデータと、前記追加記録するタイトルを構成する前記ファイルのファイル名情報とが、記述された新たなディスクパッケージ情報を受信し、前記媒体に追加記録する手段と、
を備えたことを特徴とする情報記録装置。
【請求項2】
1つ以上のファイルにより構成されるタイトルが記録された媒体に、コンテンツサーバーにより提供されるコンテンツを追加記録する情報記録方法であって、
前記コンテンツサーバーに対し、前記媒体に追加記録するタイトルを指定し、
前記媒体に記録済みのすべてのタイトルを前記コンテンツサーバー側で識別するための固有IDが記述されたディスクパッケージ情報を前記コンテンツサーバーに送信し、
前記ディスクパッケージ情報に基づいて、既に前記媒体に記録されているタイトルを構成するファイルのファイル名に重複しないように、前記追加記録するタイトルを構成するファイルのファイル名が定義された、前記コンテンツサーバーで生成された前記追加記録するタイトルを受信し、
前記ディスクパッケージ情報に基づいて、前記追加記録するタイトルが選択できるよう、前記コンテンツサーバーで生成される新たなメニュー画面表示用ボタンデータを受信し、
前記コンテンツサーバーで生成された前記追加記録するタイトルと、前記コンテンツサーバーで生成された前記新たなメニュー画面表示用ボタンデータと、前記追加記録するタイトルを構成する前記ファイルのファイル名情報とが、記述された新たなディスクパッケージ情報を受信し、
前記コンテンツサーバーから受信した情報を前記媒体に追加記録する情報記録方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2012−230756(P2012−230756A)
【公開日】平成24年11月22日(2012.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−144242(P2012−144242)
【出願日】平成24年6月27日(2012.6.27)
【分割の表示】特願2010−509062(P2010−509062)の分割
【原出願日】平成21年4月15日(2009.4.15)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLU−RAY DISC
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】