情報送受信システム及び情報送受信方法
【課題】情報の安全な送受信を実現するための手段として電子透かしを利用すること。
【解決手段】送信装置において、第1埋め込み処理部が、画像に任意の文字列の電子透かしを埋め込む。分割処理部が、第1埋め込み処理部によって任意の文字列が埋め込まれた第1画像を任意の数の分割画像に分割する。第2埋め込み処理部が、分割処理部によって分割された分割画像それぞれに、第1画像における当該分割画像の位置を示す位置情報の電子透かしを埋め込む。受信装置において、識別処理部が、第2画像それぞれに埋め込まれた位置情報を抽出し、抽出した位置情報に基づいて、第1画像における当該第2画像それぞれの位置を識別する。生成処理部が、識別処理部によって識別された位置に第2画像それぞれを配置した画像を生成する。抽出処理部が、生成処理部によって生成された画像に埋め込まれた任意の文字列を抽出する。
【解決手段】送信装置において、第1埋め込み処理部が、画像に任意の文字列の電子透かしを埋め込む。分割処理部が、第1埋め込み処理部によって任意の文字列が埋め込まれた第1画像を任意の数の分割画像に分割する。第2埋め込み処理部が、分割処理部によって分割された分割画像それぞれに、第1画像における当該分割画像の位置を示す位置情報の電子透かしを埋め込む。受信装置において、識別処理部が、第2画像それぞれに埋め込まれた位置情報を抽出し、抽出した位置情報に基づいて、第1画像における当該第2画像それぞれの位置を識別する。生成処理部が、識別処理部によって識別された位置に第2画像それぞれを配置した画像を生成する。抽出処理部が、生成処理部によって生成された画像に埋め込まれた任意の文字列を抽出する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、情報送受信システム及び情報送受信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ネットワークを介して画像などのデジタルコンテンツを配信する際に、デジタルコンテンツに対して、コンテンツ自体とは異なる情報を、人間に知覚できないように埋め込む電子透かし技術が用いられている。例えば、画像に電子透かしを埋め込む方法としては、画像を任意のサイズのブロックに区分して、各ブロックの画像信号を周波数成分に分解して、特定の周波数成分(例えば、高周波成分)を微少に変化させることによって電子透かしを埋め込む方法が知られている。
【0003】
このような電子透かし技術は、デジタルコンテンツを利用する種々の技術分野において用いられている。例えば、電子透かし技術は、画像に著作権に関する情報を埋め込むことで不正コピーを抑止することに用いられている。また、電子透かし技術は、画像に埋め込まれた電子透かしを正常に読み取れるか否かを検査することで、画像の改竄の検出に用いられている。その他、電子透かし技術は、プリンタやコピーの複写動作、光ディスクの記録再生などを、埋め込まれた電子透かし情報で制御することなどへの応用も期待されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】“電子透かし技術 ディジタルコンテンツのセキュリティ”、P.53〜P.73 第4章 JPEG画像に対する電子透かし、2004年1月20日 第1版第1刷発行、画像電子学会編集、学校法人東京電機大学発行
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した従来技術では、様々な技術分野において種々の開発が行われているにも関わらず、ネットワークにおける安全な情報送信の手段として電子透かしを用いることが想定されていない。すなわち、情報の安全な送受信を実現するための手段として電子透かしを利用することができないという問題があった。
【0006】
そこで、本開示の技術は、上述した従来技術の問題を鑑みて、情報の安全な送受信を実現するための手段として電子透かしを利用することを可能にする情報送受信システム及び情報送受信方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、開示のシステムは、電子透かしを埋め込んだ画像を送信する送信装置と、前記送信装置によって送信された画像を受信し、受信した画像から前記電子透かしを抽出する受信装置とを備えた情報送受信システムであって、送信装置において、第1埋め込み部が、画像に任意の文字列の電子透かしを埋め込む。分割部が、前記第1埋め込み部によって任意の文字列が埋め込まれた第1画像を任意の数の分割画像に分割する。第2埋め込み部が、前記分割部によって分割された分割画像それぞれに、前記第1画像における当該分割画像の位置を示す位置情報の電子透かしを埋め込む。送信部が、前記第2埋め込み部によって位置情報が埋め込まれた第2画像それぞれを受信装置に送信する。そして、受信装置において、受信部が、送信装置によって送信された前記第2画像を受信する。識別部が、前記受信部によって受信された第2画像それぞれに埋め込まれた位置情報を抽出し、抽出した位置情報に基づいて、前記第1画像における当該第2画像それぞれの位置を識別する。生成部が、前記識別部によって識別された位置に前記第2画像それぞれを配置した画像を生成する。抽出部が、前記生成部によって生成された画像に埋め込まれた前記任意の文字列を抽出する。
【発明の効果】
【0008】
開示のシステムは、情報の安全な送受信を実現するための手段として電子透かしを利用することを可能にする。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】図1は、実施例1に係る情報送受信システムの構成の一例を示す図である。
【図2】図2は、第1埋め込み処理部による電子透かし埋め込み処理の一例を説明するための図である。
【図3】図3は、分割処理部による分割処理の一例を説明するための図である。
【図4】図4は、実施例1に係る第2埋め込み処理部による電子透かし埋め込み処理の一例を説明するための図である。
【図5】図5は、信号送受信部による送信処理の一例を説明するための図である。
【図6】図6は、識別処理部による識別処理の一例を説明するための図である。
【図7】図7は、抽出処理部による抽出処理の一例を説明するための図である。
【図8】図8は、実施例1に係る送信側情報処理装置による処理の手順を示すフローチャートである。
【図9】図9は、実施例1に係る受信側情報処理装置による処理の手順を示すフローチャートである。
【図10】図10は、実施例2に係る第2埋め込み処理部による電子透かし埋め込み処理の一例を説明するための図である。
【図11】図11は、本実施例に係る情報送受信プログラムを実行するコンピュータを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に添付図面を参照して、本願の開示する情報送受信システム及び情報送受信方法の実施例を詳細に説明する。なお、本願の開示する情報送受信システム及び情報送受信方法は、以下の実施例により限定されるものではない。
【実施例1】
【0011】
[実施例1に係る情報送受信システムの構成]
実施例1に係る情報送受信システム1の構成について説明する。図1は、実施例1に係る情報送受信システム1の構成の一例を示す図である。図1に示すように、情報送受信システム1は、送信側情報処理装置100と、受信側情報処理装置200とを有し、ネットワーク300によって接続されている。そして、情報送受信システム1においては、送信側情報処理装置100が、ネットワーク300を介して、電子透かしを埋め込んだ画像を受信側情報処理装置200に対して送信する。
【0012】
まず、送信側情報処理装置100の構成について説明する。送信側情報処理装置100は、図1に示すように、入出力制御I/F部110と、通信部120と、入力部130と、出力部140と、記憶部150と、制御部160とを有する。そして、送信側情報処理装置100は、電子透かし埋め込みプログラムを備え、画像に電子透かしを埋め込み、受信側情報処理装置200に対して送信する。
【0013】
入出力制御I/F部110は、通信部120、入力部130、出力部140、制御部160との間の各種情報のやりとりを制御するインタフェースである。通信部120は、送信側情報処理装置100と受信側情報処理装置200との間の通信を制御する。
【0014】
入力部130は、送信側情報処理装置100の利用者である送信側ユーザによる種々の情報の入力処理を受付ける。例えば、入力部130は、送信側ユーザによって入力されるメッセージを受付ける。入力部130としては、例えば、操作キーやタッチパネルなどである。出力部140は、送信側ユーザに対して各種情報を表示出力する。例えば、出力部140は、送信側情報処理装置100から送信される画像を表示出力する。出力部140としては、例えば、液晶ディスプレイなどである。
【0015】
記憶部150は、図1に示すように、画像コンテンツ記憶部151と、分割条件記憶部152と、書式記憶部153とを有し、後述する制御部160によって用いられる各種情報を記憶する。なお、記憶部150は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)などの半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスクなどの記憶装置である。
【0016】
画像コンテンツ記憶部151は、受信側情報処理装置200に対して送信される画像を記憶する。例えば、画像コンテンツ記憶部151は、送信側ユーザが送信側情報処理装置100を用いて受信側情報処理装置200に配信することを所望する画像を記憶する。なお、画像コンテンツ記憶部151によって記憶される画像は、送信側ユーザによって画像コンテンツ記憶部151に予め格納される。
【0017】
分割条件記憶部152は、後述する制御部160が画像を分割する際の分割条件を記憶する。具体的には、分割条件記憶部152は、1枚の画像を何個の分割画像に分割するかを示す分割条件を記憶する。例えば、分割条件記憶部152は、1枚の画像を縦横2個の分割画像に分割する旨の分割条件を記憶する。なお、分割条件は、ユーザによって任意に設定される。また、分割条件は、画像サイズと対応付けて設定することも可能であり、例えば、「800×600ピクセルのサイズを越える画像は、9分割以上に分割する」などの分割条件を設定することも可能である。
【0018】
書式記憶部153は、後述する制御部160が分割画像に位置情報を示す電子透かしを埋め込む際の書式を記憶する。具体的には、書式記憶部153は、後述する制御部160によって1枚の画像が分割された際に、各分割画像が元の画像のどの位置の画像かを示す位置情報の書式を記憶する。例えば、書式記憶部153は、位置情報の書式として行列形式を記憶する。なお、行列形式で示す位置情報については、後述する。
【0019】
制御部160は、図1に示すように、データ処理部161と、第1埋め込み処理部162と、分割処理部163と、第2埋め込み処理部164と、信号送受信部165とを有する。制御部160は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)などの集積回路、または、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)などの電子回路である。
【0020】
データ処理部161は、入力部130が受付けた送信側ユーザの各種処理を実行する。例えば、データ処理部161は、画像コンテンツ記憶部151への画像の格納処理や、分割条件及び書式の格納処理などを実行する。また、データ処理部161は、画像コンテンツ記憶部151によって記憶された画像や、入力部130を介して送信側ユーザから受付けた文字列などを出力部140に表示出力させる。
【0021】
第1埋め込み処理部162は、画像に任意の文字列の電子透かしを埋め込む。具体的には、まず、第1埋め込み処理部162は、入力部130を介して送信側ユーザから指定された画像を画像コンテンツ記憶部151から読み出す。そして、第1埋め込み処理部162は、入力部130が送信側ユーザから受付けた文字列の電子透かしを、読み出した画像に埋め込む。
【0022】
図2は、第1埋め込み処理部162による電子透かし埋め込み処理の一例を説明するための図である。図2においては、第1埋め込み処理部162が画像コンテンツ記憶部151から画像を読み出し、文字列を埋め込む処理について示している。例えば、第1埋め込み処理部162は、図2の(A)に示すように、画像コンテンツ記憶部151から画像を読み出して、図2の(B)に示すように、入力部130が送信ユーザから受付けた「メッセージ」の電子透かしを読み出した画像に埋め込む。なお、「メッセージ」の電子透かしを埋め込む位置は、送信ユーザによって設定される場合であってもよく、電子透かしの埋め込み方法によって選択される位置に埋め込まれる場合であってもよい。
【0023】
ここで、第1埋め込み処理部162によって用いられる電子透かしの埋め込み方法について説明する。第1埋め込み処理部162によって用いられる電子透かしの埋め込み方法としては、例えば、画像を周波数成分に分解し、特定の周波数成分を微少に変化させることによって電子透かしを埋め込む方法がある。かかる場合には、第1埋め込み処理部162は、まず、FFT(Fast Fourier Transform:高速フーリエ変換)やDCT(Discrete Cosine Transform:離散コサイン変換)、或いは、ウェーブレット(Wavelet Transform)変換などにより画像を周波数成分に変換する。そして、第1埋め込み処理部162は、変換した周波数成分の係数に電子透かしを埋め込む。ここで、例えば、高域の係数に電子透かしを埋め込むことで画像の画質劣化を抑止することができる。
【0024】
また、第1埋め込み処理部162によって用いられる電子透かしの埋め込み方法としては、例えば、画像の濃淡の諧調を構成するビットプレーンのうち最下位のビットプレーンの画素ビットを置換することにより電子透かしを埋め込む方法や、カラー画像の伝送用表現形式を利用して電子透かしを埋め込む方法がある。例えば、カラー画像の伝送用表現形式を用いる場合には、第1埋め込み処理部162は、RGB(Red Green Blue)表色系で表される画像を、カラー画像伝送用表現形式の一つであるYCbCr(Y:輝度成分、Cb:色成分、Cr:色成分)表色系に変換する際に、変換式の固定係数を微小に変更することによって電子透かしを埋め込む。また、画像が白黒の2色で表される2値画像の場合には、第1埋め込み処理部162は、ランレングス符号化を利用して電子透かしを埋め込むことも可能である。
【0025】
図1に戻って、分割処理部163は、第一埋め込み処理部162によって任意の文字列が埋め込まれた画像を任意の分割数に分割する。具体的には、分割処理部163は、分割条件記憶部152によって記憶された分割条件を参照して、第1埋め込み処理部162によって電子透かしが埋め込まれた画像を任意の数に分割する。
【0026】
図3は、分割処理部163による分割処理の一例を説明するための図である。図3においては、図2に示す「メッセージ」の電子透かしが埋め込まれた画像を分割する場合について示している。例えば、分割処理部163は、図3の(A)に示す「メッセージ」の電子透かしが埋め込まれた画像を、図3の(B)に示すように、4つの分割画像に分割する。なお、分割処理部163が参照する分割条件は、送信側ユーザによって指定される場合であってもよく、或いは、分割処理部163が、画像サイズに基づいて決定する場合であってもよい。
【0027】
図1に戻って、第2埋め込み処理部164は、分割処理部163によって分割された分割画像それぞれに、元の画像における当該分割画像の位置を示す位置情報の電子透かしを埋め込む。具体的には、第2埋め込み処理部164は、分割処理部163から通知された分割条件の情報及び書式記憶部153によって記憶された書式に基づいて、分割画像それぞれに元の画像における当該分割画像の位置を示す位置情報の電子透かしを埋め込む。
【0028】
図4は、第2埋め込み処理部164による電子透かし埋め込み処理の一例を説明するための図である。図4においては、図3に示す分割画像それぞれに位置情報を埋め込む場合について示している。例えば、第2埋め込み処理部164は、書式記憶部153によって記憶された書式を参照して、図4の(A)に示す4つの分割画像に対して、図4の(B)に示すように、2行2列で表された行列形式で示す位置情報の電子透かしを埋め込む。
【0029】
すなわち、行列形式で示す位置情報は、「行」によって縦方向の分割数を示し、「列」によって横方向の分割数を示している。例えば、図4の(B)に示す「1、2」の行と「3、4」の行とで縦方向に2分割されていることを示している。また、図4の(B)に示す「1、3」の列と「2、4」の列とで横方向に2分割されていることを示している。
【0030】
そして、第2埋め込み処理部164は、図4の(B)に示すように、各分割画像の位置に対応する数字を円で囲んだ位置情報を埋め込むことによって、元の画像における各分割画像の位置を示す。例えば、第2埋め込み処理部164は、図4の(B)に示すように、1〜4で示す2行2列のうち、左上の分割画像の位置に対応する「1」を円で囲んだ位置情報を左上の分割画像に埋め込む。同様に、第2埋め込み処理部164は、右上の分割画像に「2」を円で囲んだ位置情報を、左下の分割画像に「3」を円で囲んだ位置情報を、右下の分割画像に「4」を円で囲んだ位置情報を、それぞれ埋め込む。
【0031】
ここで、第2埋め込み処理部164は、位置情報の電子透かしの埋め込み方法として、第1埋め込み処理部162によって用いられた方法と相互に影響を及ぼさない方法を用いる。例えば、第1埋め込み処理部162が周波数成分を用いて「メッセージ」の電子透かしを画像に埋め込んだ場合には、第2埋め込み処理部164は、カラー画像の伝送用表現形式を用いて位置情報の電子透かしを分割画像それぞれに埋め込む。或いは、第1埋め込み処理部162が周波数成分を用いて「メッセージ」の電子透かしを画像に埋め込んだ場合であっても、第2埋め込み処理部164は、第1埋め込み処理部162が埋め込んだ位置とは異なる位置に、周波数成分を用いて位置情報の電子透かしを埋め込む。
【0032】
なお、図4の(B)に示す1〜4の数字は、分割画像それぞれの位置に割当てられた分割画像番号を示している。そして、分割画像番号は、ユーザによって分割画像の位置ごとに任意に割当てられ、書式記憶部153によって書式とともに予め記憶されている。
【0033】
また、上記した例では、行列形式で示す位置情報に分割画像番号を用いる場合について説明した。しかしながら、開示の技術はこれに限定されるものではなく、例えば、分割画像番号を割当てずに、行列形式で示す位置情報に全て同じ数字を用いる場合であってもよい。すなわち、位置情報を行列形式で示し、分割画像それぞれに対応する位置の数字を円で囲むことにより、元の画像における各分割画像それぞれの位置は明示されている。
【0034】
図1に戻って、信号送受信部165は、第2埋め込み処理部164によって位置情報が埋め込まれた分割画像それぞれを任意の順番で受信側情報処理装置200に送信する。具体的には、信号送受信部165は、通信部120を介して、分割画像それぞれを任意の順番で受信側情報処理装置200に送信する。図5は、信号送受信部165による送信処理の一例を説明するための図である。
【0035】
例えば、信号送受信部165は、図5に示すように、受信側情報処理装置200に対して、2行2列で示す位置情報において、「2」、「4」、「3」、「1」の順に分割画像を送信する。なお、この順番は任意であり、送信側ユーザが決定する場合であってもよく、或いは、信号送受信部165がランダムに選択した分割画像から順に送信する場合であってもよい。
【0036】
次に、受信側情報処理装置200の構成について説明する。受信側情報処理装置200は、図1に示すように、入出力制御I/F部210と、通信部220と、入力部230と、出力部240と、記憶部250と、制御部260とを有する。そして、受信側情報処理装置200は、電子透かし読み出しプログラムを備え、送信側情報処理装置100から受信した画像に埋め込まれた電子透かしを読み出す。
【0037】
入出力制御I/F部210は、通信部220、入力部230、出力部240と、制御部260との間の各種情報のやりとりを制御するインタフェースである。通信部220は、受信側情報処理装置200と送信側情報処理装置100との間の通信を制御する。
【0038】
入力部230は、受信側情報処理装置200の利用者である受信側ユーザによる種々の情報の入力処理を受付ける。入力部230としては、例えば、操作キーやタッチパネルなどである。出力部240は、受信側ユーザに対して各種情報を表示出力する。例えば、出力部240は、送信側情報処理装置100から受信した画像やメッセージを表示出力する。出力部240としては、例えば、液晶ディスプレイなどである。
【0039】
記憶部250は、図1に示すように、分割画像記憶部251と、情報記憶部252と、書式記憶部253とを有し、後述する制御部260によって用いられる各種情報や処理結果を記憶する。なお、記憶部250は、例えば、RAM、フラッシュメモリなどの半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスクなどの記憶装置である。
【0040】
分割画像記憶部251は、送信側情報処理装置100から受信し、後述する制御部260によって格納された分割画像を記憶する。情報記憶部252は、後述する制御部260によって生成された画像や画像から抽出された文字列などを記憶する。
【0041】
書式記憶部253は、後述する制御部260が分割画像から位置情報を示す電子透かしを読み出し、分割画像の位置を識別する際に参照する書式を記憶する。具体的には、書式記憶部253は、後述する制御部260が、分割画像から読み出した位置情報がどのような書式であるのかを判定するための書式を記憶する。例えば、書式記憶部253は、位置情報の書式として行列形式を記憶する。なお、書式記憶部253は、ユーザによって分割画像の位置ごとに任意に割当てられた分割画像番号を書式とともに予め記憶している。
【0042】
制御部260は、図1に示すように、信号送受信部261と、データ処理部262と、識別処理部263と、生成処理部264と、抽出処理部265とを有する。制御部260は、例えば、ASICやFPGAなどの集積回路、または、CPUやMPUなどの電子回路である。
【0043】
信号送受信部261は、送信側情報処理装置100によって送信された分割画像それぞれを、通信部220を介して受信する。データ処理部262は、信号送受信部261によって受信された分割画像を分割画像記憶部251に格納する。また、データ処理部262は、情報記憶部252によって記憶された画像や画像から抽出された文字列を出力部240に表示出力させる。
【0044】
識別処理部263は、信号送受信部261によって受信された分割画像それぞれに埋め込まれた位置情報を抽出し、抽出した位置情報に基づいて、元の画像における当該分割画像それぞれの位置を識別する。具体的には、まず、識別処理部263は、分割画像記憶部251によって記憶された分割画像から位置情報の電子透かしを抽出する。そして、識別処理部263は、書式記憶部253によって記憶された書式を参照して、抽出した位置情報がどのような書式であるかを判定する。書式を判定した後、識別処理部263は、分割画像が元の画像のどの位置であるかを識別する。
【0045】
図6は、識別処理部263による識別処理の一例を説明するための図である。図6においては、分割画像から位置情報の電子透かしを抽出した後の処理について示している。例えば、識別処理部263は、図6に示すように、分割画像から2行2列で表された位置情報を抽出すると、当該分割画像が、元の画像を縦方向に2分割、横方向に2分割した分割画像であると判定する。
【0046】
そして、識別処理部263は、図6に示すように、抽出した位置情報のうち「2」が円で囲まれていることから、位置情報を抽出した分割画像が4分割した分割画像のうちの右上の分割画像であると識別する。同様に、識別処理部263は、分割画像記憶部251によって記憶されたすべての分割画像の位置を識別する。
【0047】
図1に戻って、生成処理部264は、識別処理部263によって識別された位置に分割画像それぞれを配置した画像を生成する。具体的には、生成処理部264は、識別処理部263によって識別された位置に基づいて、分割画像記憶部251が記憶する分割画像を配置した画像を生成し、生成した画像を情報記憶部252に格納する。
【0048】
抽出処理部265は、生成処理部264によって生成された画像に埋め込まれた任意の文字列を抽出する。具体的には、抽出処理部265は、情報記憶部252によって記憶された画像に埋め込まれた電子透かしを抽出し、抽出した電子透かしを情報記憶部252に格納する。
【0049】
図7は、抽出処理部265による抽出処理の一例を説明するための図である。図7においては、情報記憶部252から画像を読み出した後の処理について示している。例えば、抽出処理部265は、図7の(B)に示すように、図7の(A)に示す画像に埋め込まれた「メッセージ」の電子透かしを抽出する。そして、抽出処理部265は、抽出した「メッセージ」を情報記憶部252に格納する。
【0050】
さらに、抽出処理部265は、「メッセージ」の抽出が正常に行えた場合に、生成された画像が元の画像として正常に復元されたと判定する。ここで、仮に、「メッセージ」の抽出が正常に行えなかった場合には、抽出処理部265は、生成された画像が元の画像として正常に復元されなかったと判定する。そして、抽出処理部265は、これらの判定結果を出力部240に表示出力させることによって、受信側ユーザに対して画像及び文字列の受信結果を通知する。その後、データ処理部262が、情報記憶部252から画像及び文字列を読み出し、読み出した画像及び文字列を出力部240に表示出力させることによって、受信側ユーザに対して画像及び文字列を提示する。
【0051】
上述したように、実施例1に係る情報送受信システム1では、画像を分割した分割画像を送信することにより、画像全体の秘密性を保持することができ、ネットワーク上で安全に画像の送受信を行うことができる。さらに、実施例1に係る情報送受信システム1では、画像に「メッセージ」を埋め込み、埋め込んだ画像を分割した分割画像を送信することにより、ネットワーク上で安全に「メッセージ」の送受信を行うことができる。
【0052】
例えば、実施例1に係る情報送受信システム1を画像コンテンツの配信や販売サービスに適用することで、一部の分割画像を無料で配布して部分的に公開し、全体の画像コンテンツを所望するユーザに対して電子透かし読み出しツールを有料で提供するというサービスを実現することが可能になる。
【0053】
また、実施例1に係る情報送受信システム1を用いることで、秘密のメッセージをより安全に送信することが可能となる。すなわち、画像をダミー情報として用い、秘密のメッセージを送信先に送信することが可能になる。
【0054】
[実施例1に係る情報送受信システムによる処理の手順]
次に実施例1に係る情報送受信システム1による処理の手順を説明する。以下では、まず、送信側情報処理装置100による処理の手順を説明した後に、受信側情報処理装置200による処理の手順を説明する。
【0055】
[実施例1に係る送信側情報処理装置による処理の手順]
図8は、実施例1に係る送信側情報処理装置100による処理の手順を示すフローチャートである。図8に示すように、実施例1に係る送信側情報処理装置100においては、送信側ユーザから入力部130を介してメッセージを受付けると(ステップS101肯定)、第1埋め込み処理部162が画像にメッセージの電子透かしを埋め込む(ステップS102)。
【0056】
そして、分割処理部163が、第1埋め込み処理部162によってメッセージの電子透かしが埋め込まれた画像を任意の分割数に分割する(ステップS103)。その後、第2埋め込み処理部164が、分割処理部163によって分割された分割画像それぞれに位置情報の電子透かしを埋め込む(ステップS104)。
【0057】
そして、信号送受信部165が第2埋め込み処理部164によって位置情報の電子透かしが埋め込まれた分割画像それぞれをランダムな送信順で受信側情報処理装置200に送信する(ステップS105)。なお、メッセージを受付けるまで送信側情報処理装置100は待機状態である(ステップS101否定)。
【0058】
[実施例1に係る受信側情報処理装置による処理の手順]
図9は、実施例1に係る受信側情報処理装置200による処理の手順を示すフローチャートである。図9に示すように、実施例1に係る受信側情報処理装置200においては、送信側情報処理装置100から分割画像を受信すると(ステップS201肯定)、識別処理部263が、分割画像それぞれに埋め込まれた位置情報を抽出する(ステップS202)。
【0059】
そして、識別処理部263は、書式記憶部253によって記憶された書式を参照して、分割画像の分割形式及び位置を識別する(ステップS203)。その後、生成処理部264が、識別処理部263によって識別された分割画像の位置に基づいて、分割画像を配置し、画像を生成する(ステップS204)。
【0060】
そして、抽出処理部265が、生成処理部264によって生成された画像からメッセージを抽出して(ステップS205)、メッセージが読み出せたか否かを判定する(ステップS206)。ここで、メッセージを読み出せた場合には(ステップS206肯定)、抽出処理部265は、画像が元の画像として正しく復元されたと判定する(ステップS207)。
【0061】
一方、メッセージを読み出せなかった場合には(ステップS206否定)、抽出処理部265は、画像が元の画像として正しく復元されていないと判定する(ステップS208)。なお、分割画像を受信するまで受信側情報処理装置200は待機状態である(ステップS201否定)。
【0062】
[実施例1の効果]
上述したように、実施例1によれば、第1埋め込み処理部162が、画像に「メッセージ」の電子透かしを埋め込む。分割処理部163が、第1埋め込み処理部162によって「メッセージ」が埋め込まれた第1画像を任意の数の分割画像に分割する。第2埋め込み処理部164が、分割処理部163によって分割された分割画像それぞれに、第1画像における当該分割画像の位置を示す位置情報の電子透かしを埋め込む。信号送受信部165が、第2埋め込み処理部164によって位置情報が埋め込まれた分割画像それぞれを受信側情報処理装置200に送信する。そして、信号送受信部261が、送信側情報処理装置100によって送信された分割画像を受信する。識別処理部263が、信号送受信部261によって受信された分割画像それぞれに埋め込まれた位置情報を抽出し、抽出した位置情報に基づいて、元の画像における当該分割画像それぞれの位置を識別する。生成処理部264が、識別処理部263によって識別された位置に分割画像それぞれを配置した画像を生成する。抽出処理部265が、生成処理部264によって生成された画像に埋め込まれた「メッセージ」を抽出する。従って、実施例1に係る情報送受信システム1は、画像及び「メッセージ」をネットワーク上で安全に送受信することができる。
【0063】
例えば、重要な画像の送受信を行う場合に、実施例1に係る情報送受信システム1では、画像を分割して送信することで、画像の秘密性を保持することができる。そして、実施例1に係る情報送受信システム1では、分割画像それぞれに元の画像における各分割画像の位置を示す電子透かしを埋め込むことで、受信側で正確な画像を復元することができる。すなわち、実施例1に係る情報送受信システム1では、電子透かしを利用することにより、画像を分割画像で送信することができ、その結果、画像の安全な送受信を実現することができる。
【0064】
また、実施例1に係る情報送受信システム1では、メッセージの電子透かしを画像に埋め込み、さらに、その画像を分割した上で送信することで、メッセージに対して2重の守秘化を施すことができる。すなわち、実施例1に係る情報送受信システム1では、電子透かしを利用してメッセージを送る第1の守秘化と、メッセージを埋め込んだ画像を分割した分割画像を送る第2の守秘化を施すことができる。従って、実施例1に係る情報送受信システム1では、画像は勿論、「メッセージ」に対してはより強固な秘密性を保持することができ、例えば、第3者に分割画像が見られた場合であっても、画像やメッセージの漏洩を防止することが可能である。
【0065】
上述したように、実施例1に係る情報送受信システム1では、メッセージと画像分割とに電子透かしを利用することで、情報の安全な送受信を実現している。すなわち、実施例1に係る情報送受信システム1は、情報の安全な送受信を実現するための手段として電子透かしを利用することを可能にする。
【0066】
また、実施例1に係る情報送受信システム1は、データの暗号化に用いられる秘密鍵などが不要であり、簡便、かつ、安全に情報の送受信を行うことを可能にする。
【0067】
また、実施例1によれば、第2埋め込み処理部164が、分割画像それぞれに対して、元の画像が分割された状態を行列で表現し、当該行列において分割画像それぞれが対応する位置を強調した情報を位置情報として埋め込む。従って、実施例1に係る情報送受信システム1は、送信側情報処理装置100と受信側情報処理装置200との間で、予め画像の分割形式を決めておくことなく、正確に画像を復元することを可能にする。
【0068】
また、実施例1によれば、信号送受信部165が、第2埋め込み処理部164によって位置情報が埋め込まれた分割画像それぞれを任意の順序で受信側情報処理装置200に送信する。従って、実施例1に係る情報送受信システム1は、画像及び「メッセージ」をネットワーク上でより安全に送受信することを可能にする。
【0069】
また、実施例1によれば、抽出処理部265が、生成処理部264によって生成された画像からの「メッセージ」の抽出が正常に行えたことを条件に、当該画像が元の画像を正確に復元した画像であると判定する。従って、実施例1に係る情報送受信システム1は、受信した画像が正確に復元されたことを証明することを可能にする。
【実施例2】
【0070】
さて、これまで実施例1について説明したが、上述した実施例1以外にも、種々の異なる形態にて実施されてよいものである。
【0071】
(1)位置情報の書式
上述した実施例1では、位置情報の書式として行列形式を用いる場合について説明した。しかしながら、開示の技術はこれに限定されるものではなく、例えば、位置情報の書式として分割画像が接している他の分割画像の分割画像番号を用いる場合であってもよい。図10は、実施例2に係る第2埋め込み処理部による電子透かし埋め込み処理の一例を説明するための図である。図10においては、図3に示す分割画像それぞれに位置情報を埋め込む場合について示している。例えば、第2埋め込み処理部164は、書式記憶部153によって記憶された書式を参照して、図10の(A)に示す4つの分割画像に対して、図10の(B)に示すように、分割画像が接している他の分割画像の分割画像番号を示す位置情報の電子透かしを埋め込む。
【0072】
例えば、第2埋め込み処理部164は、図10の(B)に示すように、左上の分割画像に対して「右2、下3」の位置情報の電子透かしを埋め込む。すなわち、「右2、下3」の位置情報は、当該位置情報が埋め込まれた分割画像が、右側に分割画像番号「2」の分割画像が配置され、下側に分割画像番号「3」の分割画像が配置される位置の分割画像であることを示している。
【0073】
同様に、第2埋め込み処理部164は、図10の(B)に示すように、右上の分割画像に「左1、下4」の位置情報を、左下の分割画像に「右4、上1」の位置情報を、右下の分割画像に「左3、上2」の位置情報を、それぞれ埋め込む。なお、分割画像番号は、ユーザによって任意に割当てられ、書式記憶部153及び書式記憶部253によって書式とともに予め記憶されている。
【0074】
上述したように、第2埋め込み処理部164が、分割画像それぞれに対して、他の分割画像と接する方向及び当該方向で接する他の分割画像を特定するための情報を位置情報として埋め込む。従って、実施例2に係る情報送受信システム1は、詳細な位置情報を分割画像に埋め込むことを可能にする。
【0075】
(2)分割条件
上述した実施例1では、元の画像を縦方向及び横方向に分割する場合について説明した。しかしながら、開示の技術はこれに限定されるものではなく、例えば、元の画像を縦方向にのみ、或いは、横方向にのみ分割する場合であってもよい。また、上述した実施例1では、元の画像を4分割する場合について説明したが、開示の技術はこれに限定されるものではなく、分割数は任意であり、例えば、元の画像を9分割する場合であってもよい。
【0076】
(3)情報処理装置
上述した実施例1では、情報送受信システム1が有する情報処理装置について、電子透かしを埋め込んだ分割画像を送信する送信側情報処理装置100と、分割画像を受信する受信側情報処理装置200とを用いて説明した。しかしながら、開示の技術はこれに限定されるものではなく、例えば、電子透かしを埋め込んだ分割画像の送信及び分割画像の受信を実行する情報処理装置間で相互に分割画像の送受信を行う場合であってもよい。
【0077】
(4)処理対象
上述した実施例1では、画像を送受信する場合について説明した。しかしながら、開示の技術はこれに限定されるものではなく、例えば、動画像の1フレームに電子透かしのメッセージを埋め込み、埋め込んだフレームを分割して送信する場合であってもよい。
【0078】
(5)システム構成等
図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示された構成要素と同一であることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。例えば、図1に示す第1埋め込み処理部162と第2埋め込み処理部164とを一つの埋め込み処理部として統合してもよい。また、一方で、図1に示す抽出処理部265を、メッセージを抽出する抽出部と、メッセージが正しく読み出せたか否かを判定する判定部とに分散してもよい。
【0079】
また、本実施例において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともできる。例えば、図8における分割画像をランダムに送信する際の処理を送信側ユーザが手動で行ってもよい。また、制御部160を送信側情報処理装置100の外部装置としてネットワーク経由で接続するようにしてもよい。また、制御部160を別の装置が有し、ネットワークに接続されて協働することで、上記した情報送受信システム1の機能を実現するようにしてもよい。さらに、各装置にて行なわれる各処理機能は、その全部または任意の一部が、CPUおよび当該CPUにて解析実行されるプログラムにて実現され、あるいは、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現され得る。
【0080】
(6)情報送受信プログラム
上記実施例で説明した送信側情報処理装置100及び受信側情報処理装置200は、あらかじめ用意されたプログラムをコンピュータで実行することで実現することもできる。そこで、以下では、図1に示した送信側情報処理装置100及び受信側情報処理装置200と同様の機能を実現する情報送受信プログラムを実行するコンピュータの一例を説明する。
【0081】
図11は、本実施例に係る情報送受信プログラムを実行するコンピュータ1000を示す図である。図11に示すように、コンピュータ1000は、例えば、メモリ1010と、CPU(Central Processing Unit)1020と、ハードディスクドライブインタフェース1030と、ディスクドライブインタフェース1040と、シリアルポートインタフェース1050と、ビデオアダプタ1060と、ネットワークインタフェース1070とを有する。これらの各部は、バス1080によって接続される。
【0082】
メモリ1010は、ROM(Read Only Memory)1011およびRAM(Random Access Memory)1012を含む。ROM1010は、例えば、BIOS(Basic Input Output System)等のブートプログラムを記憶する。ハードディスクドライブインタフェース1030は、ハードディスクドライブ1090に接続される。ディスクドライブインタフェース1040は、ディスクドライブ1100に接続される。ディスクドライブ1100には、例えば、磁気ディスクや光ディスク等の着脱可能な記憶媒体が挿入される。シリアルポートインタフェース1050には、例えば、マウス1110およびキーボード1120が接続される。ビデオアダプタ1060には、例えば、ディスプレイ1130が接続される。
【0083】
ここで、図11に示すように、ハードディスクドライブ1090は、例えば、OS(Operating System)1091、アプリケーションプログラム1092、プログラムモジュール1093およびプログラムデータ1094を記憶する。本実施例に係る情報送受信プログラムは、例えば、コンピュータ1000によって実行される指令が記述されたプログラムモジュールとして、例えばハードディスクドライブ1090に記憶される。具体的には、送信側の場合には、上記実施例で説明した第1埋め込み処理部162と同様の情報処理を実行する第1埋め込み処理手順と、分割処理部163と同様の情報処理を実行する分割処理手順と、第2埋め込み処理部164と同様の情報処理を実行する第2埋め込み処理手順と、信号送受信部165と同様の情報処理を実行する信号送受信手順とが記述されたプログラムモジュールが、ハードディスクドライブ1090に記憶される。
【0084】
また、上記実施例で説明した画像コンテンツ記憶部151、分割条件記憶部152および書式記憶部153に記憶されるデータのように、情報送受信プログラムによる情報処理に用いられるデータは、プログラムデータとして、例えば、ハードディスクドライブ1090に記憶される。そして、CPU1020が、ハードディスクドライブ1090に記憶されたプログラムモジュールやプログラムデータを必要に応じてRAM1012に読み出して、第1埋め込み処理手順と、分割処理手順と、第2埋め込み処理手順と、信号送受信手順とを実行する。
【0085】
一方、受信側の場合には、上記実施例で説明した識別処理部263と同様の情報処理を実行する識別処理手順と、生成処理部264と同様の情報処理を実行する生成処理手順と、抽出処理部265と同様の情報処理を実行する抽出処理手順とが記述されたプログラムモジュールが、ハードディスクドライブ1090に記憶される。
【0086】
また、上記実施例で説明した分割画像記憶部251、情報記憶部252および書式記憶部253に記憶されるデータのように、情報送受信プログラムによる情報処理に用いられるデータは、プログラムデータとして、例えば、ハードディスクドライブ1090に記憶される。そして、CPU1020が、ハードディスクドライブ1090に記憶されたプログラムモジュールやプログラムデータを必要に応じてRAM1012に読み出して、識別処理手順と、生成処理手順と、抽出処理手順とを実行する。
【0087】
なお、情報送受信プログラムに係るプログラムモジュールやプログラムデータは、ハードディスクドライブ1090に記憶される場合に限られず、例えば、着脱可能な記憶媒体に記憶されて、ディスクドライブ1100等を介してCPU1020によって読み出されてもよい。あるいは、情報送受信プログラムに係るプログラムモジュールやプログラムデータは、LAN(Local Area Network)やWAN(Wide Area Network)等のネットワークを介して接続された他のコンピュータに記憶され、ネットワークインタフェース1070を介してCPU1020によって読み出されてもよい。
【符号の説明】
【0088】
1 情報送受信システム
100 送信側情報処理装置
162 第1埋め込み処理部
163 分割処理部
164 第2埋め込み処理部
165、261 信号送受信部
200 受信側情報処理装置
263 識別処理部
264 生成処理部
265 抽出処理部
【技術分野】
【0001】
この発明は、情報送受信システム及び情報送受信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ネットワークを介して画像などのデジタルコンテンツを配信する際に、デジタルコンテンツに対して、コンテンツ自体とは異なる情報を、人間に知覚できないように埋め込む電子透かし技術が用いられている。例えば、画像に電子透かしを埋め込む方法としては、画像を任意のサイズのブロックに区分して、各ブロックの画像信号を周波数成分に分解して、特定の周波数成分(例えば、高周波成分)を微少に変化させることによって電子透かしを埋め込む方法が知られている。
【0003】
このような電子透かし技術は、デジタルコンテンツを利用する種々の技術分野において用いられている。例えば、電子透かし技術は、画像に著作権に関する情報を埋め込むことで不正コピーを抑止することに用いられている。また、電子透かし技術は、画像に埋め込まれた電子透かしを正常に読み取れるか否かを検査することで、画像の改竄の検出に用いられている。その他、電子透かし技術は、プリンタやコピーの複写動作、光ディスクの記録再生などを、埋め込まれた電子透かし情報で制御することなどへの応用も期待されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】“電子透かし技術 ディジタルコンテンツのセキュリティ”、P.53〜P.73 第4章 JPEG画像に対する電子透かし、2004年1月20日 第1版第1刷発行、画像電子学会編集、学校法人東京電機大学発行
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した従来技術では、様々な技術分野において種々の開発が行われているにも関わらず、ネットワークにおける安全な情報送信の手段として電子透かしを用いることが想定されていない。すなわち、情報の安全な送受信を実現するための手段として電子透かしを利用することができないという問題があった。
【0006】
そこで、本開示の技術は、上述した従来技術の問題を鑑みて、情報の安全な送受信を実現するための手段として電子透かしを利用することを可能にする情報送受信システム及び情報送受信方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、開示のシステムは、電子透かしを埋め込んだ画像を送信する送信装置と、前記送信装置によって送信された画像を受信し、受信した画像から前記電子透かしを抽出する受信装置とを備えた情報送受信システムであって、送信装置において、第1埋め込み部が、画像に任意の文字列の電子透かしを埋め込む。分割部が、前記第1埋め込み部によって任意の文字列が埋め込まれた第1画像を任意の数の分割画像に分割する。第2埋め込み部が、前記分割部によって分割された分割画像それぞれに、前記第1画像における当該分割画像の位置を示す位置情報の電子透かしを埋め込む。送信部が、前記第2埋め込み部によって位置情報が埋め込まれた第2画像それぞれを受信装置に送信する。そして、受信装置において、受信部が、送信装置によって送信された前記第2画像を受信する。識別部が、前記受信部によって受信された第2画像それぞれに埋め込まれた位置情報を抽出し、抽出した位置情報に基づいて、前記第1画像における当該第2画像それぞれの位置を識別する。生成部が、前記識別部によって識別された位置に前記第2画像それぞれを配置した画像を生成する。抽出部が、前記生成部によって生成された画像に埋め込まれた前記任意の文字列を抽出する。
【発明の効果】
【0008】
開示のシステムは、情報の安全な送受信を実現するための手段として電子透かしを利用することを可能にする。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】図1は、実施例1に係る情報送受信システムの構成の一例を示す図である。
【図2】図2は、第1埋め込み処理部による電子透かし埋め込み処理の一例を説明するための図である。
【図3】図3は、分割処理部による分割処理の一例を説明するための図である。
【図4】図4は、実施例1に係る第2埋め込み処理部による電子透かし埋め込み処理の一例を説明するための図である。
【図5】図5は、信号送受信部による送信処理の一例を説明するための図である。
【図6】図6は、識別処理部による識別処理の一例を説明するための図である。
【図7】図7は、抽出処理部による抽出処理の一例を説明するための図である。
【図8】図8は、実施例1に係る送信側情報処理装置による処理の手順を示すフローチャートである。
【図9】図9は、実施例1に係る受信側情報処理装置による処理の手順を示すフローチャートである。
【図10】図10は、実施例2に係る第2埋め込み処理部による電子透かし埋め込み処理の一例を説明するための図である。
【図11】図11は、本実施例に係る情報送受信プログラムを実行するコンピュータを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に添付図面を参照して、本願の開示する情報送受信システム及び情報送受信方法の実施例を詳細に説明する。なお、本願の開示する情報送受信システム及び情報送受信方法は、以下の実施例により限定されるものではない。
【実施例1】
【0011】
[実施例1に係る情報送受信システムの構成]
実施例1に係る情報送受信システム1の構成について説明する。図1は、実施例1に係る情報送受信システム1の構成の一例を示す図である。図1に示すように、情報送受信システム1は、送信側情報処理装置100と、受信側情報処理装置200とを有し、ネットワーク300によって接続されている。そして、情報送受信システム1においては、送信側情報処理装置100が、ネットワーク300を介して、電子透かしを埋め込んだ画像を受信側情報処理装置200に対して送信する。
【0012】
まず、送信側情報処理装置100の構成について説明する。送信側情報処理装置100は、図1に示すように、入出力制御I/F部110と、通信部120と、入力部130と、出力部140と、記憶部150と、制御部160とを有する。そして、送信側情報処理装置100は、電子透かし埋め込みプログラムを備え、画像に電子透かしを埋め込み、受信側情報処理装置200に対して送信する。
【0013】
入出力制御I/F部110は、通信部120、入力部130、出力部140、制御部160との間の各種情報のやりとりを制御するインタフェースである。通信部120は、送信側情報処理装置100と受信側情報処理装置200との間の通信を制御する。
【0014】
入力部130は、送信側情報処理装置100の利用者である送信側ユーザによる種々の情報の入力処理を受付ける。例えば、入力部130は、送信側ユーザによって入力されるメッセージを受付ける。入力部130としては、例えば、操作キーやタッチパネルなどである。出力部140は、送信側ユーザに対して各種情報を表示出力する。例えば、出力部140は、送信側情報処理装置100から送信される画像を表示出力する。出力部140としては、例えば、液晶ディスプレイなどである。
【0015】
記憶部150は、図1に示すように、画像コンテンツ記憶部151と、分割条件記憶部152と、書式記憶部153とを有し、後述する制御部160によって用いられる各種情報を記憶する。なお、記憶部150は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)などの半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスクなどの記憶装置である。
【0016】
画像コンテンツ記憶部151は、受信側情報処理装置200に対して送信される画像を記憶する。例えば、画像コンテンツ記憶部151は、送信側ユーザが送信側情報処理装置100を用いて受信側情報処理装置200に配信することを所望する画像を記憶する。なお、画像コンテンツ記憶部151によって記憶される画像は、送信側ユーザによって画像コンテンツ記憶部151に予め格納される。
【0017】
分割条件記憶部152は、後述する制御部160が画像を分割する際の分割条件を記憶する。具体的には、分割条件記憶部152は、1枚の画像を何個の分割画像に分割するかを示す分割条件を記憶する。例えば、分割条件記憶部152は、1枚の画像を縦横2個の分割画像に分割する旨の分割条件を記憶する。なお、分割条件は、ユーザによって任意に設定される。また、分割条件は、画像サイズと対応付けて設定することも可能であり、例えば、「800×600ピクセルのサイズを越える画像は、9分割以上に分割する」などの分割条件を設定することも可能である。
【0018】
書式記憶部153は、後述する制御部160が分割画像に位置情報を示す電子透かしを埋め込む際の書式を記憶する。具体的には、書式記憶部153は、後述する制御部160によって1枚の画像が分割された際に、各分割画像が元の画像のどの位置の画像かを示す位置情報の書式を記憶する。例えば、書式記憶部153は、位置情報の書式として行列形式を記憶する。なお、行列形式で示す位置情報については、後述する。
【0019】
制御部160は、図1に示すように、データ処理部161と、第1埋め込み処理部162と、分割処理部163と、第2埋め込み処理部164と、信号送受信部165とを有する。制御部160は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)などの集積回路、または、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)などの電子回路である。
【0020】
データ処理部161は、入力部130が受付けた送信側ユーザの各種処理を実行する。例えば、データ処理部161は、画像コンテンツ記憶部151への画像の格納処理や、分割条件及び書式の格納処理などを実行する。また、データ処理部161は、画像コンテンツ記憶部151によって記憶された画像や、入力部130を介して送信側ユーザから受付けた文字列などを出力部140に表示出力させる。
【0021】
第1埋め込み処理部162は、画像に任意の文字列の電子透かしを埋め込む。具体的には、まず、第1埋め込み処理部162は、入力部130を介して送信側ユーザから指定された画像を画像コンテンツ記憶部151から読み出す。そして、第1埋め込み処理部162は、入力部130が送信側ユーザから受付けた文字列の電子透かしを、読み出した画像に埋め込む。
【0022】
図2は、第1埋め込み処理部162による電子透かし埋め込み処理の一例を説明するための図である。図2においては、第1埋め込み処理部162が画像コンテンツ記憶部151から画像を読み出し、文字列を埋め込む処理について示している。例えば、第1埋め込み処理部162は、図2の(A)に示すように、画像コンテンツ記憶部151から画像を読み出して、図2の(B)に示すように、入力部130が送信ユーザから受付けた「メッセージ」の電子透かしを読み出した画像に埋め込む。なお、「メッセージ」の電子透かしを埋め込む位置は、送信ユーザによって設定される場合であってもよく、電子透かしの埋め込み方法によって選択される位置に埋め込まれる場合であってもよい。
【0023】
ここで、第1埋め込み処理部162によって用いられる電子透かしの埋め込み方法について説明する。第1埋め込み処理部162によって用いられる電子透かしの埋め込み方法としては、例えば、画像を周波数成分に分解し、特定の周波数成分を微少に変化させることによって電子透かしを埋め込む方法がある。かかる場合には、第1埋め込み処理部162は、まず、FFT(Fast Fourier Transform:高速フーリエ変換)やDCT(Discrete Cosine Transform:離散コサイン変換)、或いは、ウェーブレット(Wavelet Transform)変換などにより画像を周波数成分に変換する。そして、第1埋め込み処理部162は、変換した周波数成分の係数に電子透かしを埋め込む。ここで、例えば、高域の係数に電子透かしを埋め込むことで画像の画質劣化を抑止することができる。
【0024】
また、第1埋め込み処理部162によって用いられる電子透かしの埋め込み方法としては、例えば、画像の濃淡の諧調を構成するビットプレーンのうち最下位のビットプレーンの画素ビットを置換することにより電子透かしを埋め込む方法や、カラー画像の伝送用表現形式を利用して電子透かしを埋め込む方法がある。例えば、カラー画像の伝送用表現形式を用いる場合には、第1埋め込み処理部162は、RGB(Red Green Blue)表色系で表される画像を、カラー画像伝送用表現形式の一つであるYCbCr(Y:輝度成分、Cb:色成分、Cr:色成分)表色系に変換する際に、変換式の固定係数を微小に変更することによって電子透かしを埋め込む。また、画像が白黒の2色で表される2値画像の場合には、第1埋め込み処理部162は、ランレングス符号化を利用して電子透かしを埋め込むことも可能である。
【0025】
図1に戻って、分割処理部163は、第一埋め込み処理部162によって任意の文字列が埋め込まれた画像を任意の分割数に分割する。具体的には、分割処理部163は、分割条件記憶部152によって記憶された分割条件を参照して、第1埋め込み処理部162によって電子透かしが埋め込まれた画像を任意の数に分割する。
【0026】
図3は、分割処理部163による分割処理の一例を説明するための図である。図3においては、図2に示す「メッセージ」の電子透かしが埋め込まれた画像を分割する場合について示している。例えば、分割処理部163は、図3の(A)に示す「メッセージ」の電子透かしが埋め込まれた画像を、図3の(B)に示すように、4つの分割画像に分割する。なお、分割処理部163が参照する分割条件は、送信側ユーザによって指定される場合であってもよく、或いは、分割処理部163が、画像サイズに基づいて決定する場合であってもよい。
【0027】
図1に戻って、第2埋め込み処理部164は、分割処理部163によって分割された分割画像それぞれに、元の画像における当該分割画像の位置を示す位置情報の電子透かしを埋め込む。具体的には、第2埋め込み処理部164は、分割処理部163から通知された分割条件の情報及び書式記憶部153によって記憶された書式に基づいて、分割画像それぞれに元の画像における当該分割画像の位置を示す位置情報の電子透かしを埋め込む。
【0028】
図4は、第2埋め込み処理部164による電子透かし埋め込み処理の一例を説明するための図である。図4においては、図3に示す分割画像それぞれに位置情報を埋め込む場合について示している。例えば、第2埋め込み処理部164は、書式記憶部153によって記憶された書式を参照して、図4の(A)に示す4つの分割画像に対して、図4の(B)に示すように、2行2列で表された行列形式で示す位置情報の電子透かしを埋め込む。
【0029】
すなわち、行列形式で示す位置情報は、「行」によって縦方向の分割数を示し、「列」によって横方向の分割数を示している。例えば、図4の(B)に示す「1、2」の行と「3、4」の行とで縦方向に2分割されていることを示している。また、図4の(B)に示す「1、3」の列と「2、4」の列とで横方向に2分割されていることを示している。
【0030】
そして、第2埋め込み処理部164は、図4の(B)に示すように、各分割画像の位置に対応する数字を円で囲んだ位置情報を埋め込むことによって、元の画像における各分割画像の位置を示す。例えば、第2埋め込み処理部164は、図4の(B)に示すように、1〜4で示す2行2列のうち、左上の分割画像の位置に対応する「1」を円で囲んだ位置情報を左上の分割画像に埋め込む。同様に、第2埋め込み処理部164は、右上の分割画像に「2」を円で囲んだ位置情報を、左下の分割画像に「3」を円で囲んだ位置情報を、右下の分割画像に「4」を円で囲んだ位置情報を、それぞれ埋め込む。
【0031】
ここで、第2埋め込み処理部164は、位置情報の電子透かしの埋め込み方法として、第1埋め込み処理部162によって用いられた方法と相互に影響を及ぼさない方法を用いる。例えば、第1埋め込み処理部162が周波数成分を用いて「メッセージ」の電子透かしを画像に埋め込んだ場合には、第2埋め込み処理部164は、カラー画像の伝送用表現形式を用いて位置情報の電子透かしを分割画像それぞれに埋め込む。或いは、第1埋め込み処理部162が周波数成分を用いて「メッセージ」の電子透かしを画像に埋め込んだ場合であっても、第2埋め込み処理部164は、第1埋め込み処理部162が埋め込んだ位置とは異なる位置に、周波数成分を用いて位置情報の電子透かしを埋め込む。
【0032】
なお、図4の(B)に示す1〜4の数字は、分割画像それぞれの位置に割当てられた分割画像番号を示している。そして、分割画像番号は、ユーザによって分割画像の位置ごとに任意に割当てられ、書式記憶部153によって書式とともに予め記憶されている。
【0033】
また、上記した例では、行列形式で示す位置情報に分割画像番号を用いる場合について説明した。しかしながら、開示の技術はこれに限定されるものではなく、例えば、分割画像番号を割当てずに、行列形式で示す位置情報に全て同じ数字を用いる場合であってもよい。すなわち、位置情報を行列形式で示し、分割画像それぞれに対応する位置の数字を円で囲むことにより、元の画像における各分割画像それぞれの位置は明示されている。
【0034】
図1に戻って、信号送受信部165は、第2埋め込み処理部164によって位置情報が埋め込まれた分割画像それぞれを任意の順番で受信側情報処理装置200に送信する。具体的には、信号送受信部165は、通信部120を介して、分割画像それぞれを任意の順番で受信側情報処理装置200に送信する。図5は、信号送受信部165による送信処理の一例を説明するための図である。
【0035】
例えば、信号送受信部165は、図5に示すように、受信側情報処理装置200に対して、2行2列で示す位置情報において、「2」、「4」、「3」、「1」の順に分割画像を送信する。なお、この順番は任意であり、送信側ユーザが決定する場合であってもよく、或いは、信号送受信部165がランダムに選択した分割画像から順に送信する場合であってもよい。
【0036】
次に、受信側情報処理装置200の構成について説明する。受信側情報処理装置200は、図1に示すように、入出力制御I/F部210と、通信部220と、入力部230と、出力部240と、記憶部250と、制御部260とを有する。そして、受信側情報処理装置200は、電子透かし読み出しプログラムを備え、送信側情報処理装置100から受信した画像に埋め込まれた電子透かしを読み出す。
【0037】
入出力制御I/F部210は、通信部220、入力部230、出力部240と、制御部260との間の各種情報のやりとりを制御するインタフェースである。通信部220は、受信側情報処理装置200と送信側情報処理装置100との間の通信を制御する。
【0038】
入力部230は、受信側情報処理装置200の利用者である受信側ユーザによる種々の情報の入力処理を受付ける。入力部230としては、例えば、操作キーやタッチパネルなどである。出力部240は、受信側ユーザに対して各種情報を表示出力する。例えば、出力部240は、送信側情報処理装置100から受信した画像やメッセージを表示出力する。出力部240としては、例えば、液晶ディスプレイなどである。
【0039】
記憶部250は、図1に示すように、分割画像記憶部251と、情報記憶部252と、書式記憶部253とを有し、後述する制御部260によって用いられる各種情報や処理結果を記憶する。なお、記憶部250は、例えば、RAM、フラッシュメモリなどの半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスクなどの記憶装置である。
【0040】
分割画像記憶部251は、送信側情報処理装置100から受信し、後述する制御部260によって格納された分割画像を記憶する。情報記憶部252は、後述する制御部260によって生成された画像や画像から抽出された文字列などを記憶する。
【0041】
書式記憶部253は、後述する制御部260が分割画像から位置情報を示す電子透かしを読み出し、分割画像の位置を識別する際に参照する書式を記憶する。具体的には、書式記憶部253は、後述する制御部260が、分割画像から読み出した位置情報がどのような書式であるのかを判定するための書式を記憶する。例えば、書式記憶部253は、位置情報の書式として行列形式を記憶する。なお、書式記憶部253は、ユーザによって分割画像の位置ごとに任意に割当てられた分割画像番号を書式とともに予め記憶している。
【0042】
制御部260は、図1に示すように、信号送受信部261と、データ処理部262と、識別処理部263と、生成処理部264と、抽出処理部265とを有する。制御部260は、例えば、ASICやFPGAなどの集積回路、または、CPUやMPUなどの電子回路である。
【0043】
信号送受信部261は、送信側情報処理装置100によって送信された分割画像それぞれを、通信部220を介して受信する。データ処理部262は、信号送受信部261によって受信された分割画像を分割画像記憶部251に格納する。また、データ処理部262は、情報記憶部252によって記憶された画像や画像から抽出された文字列を出力部240に表示出力させる。
【0044】
識別処理部263は、信号送受信部261によって受信された分割画像それぞれに埋め込まれた位置情報を抽出し、抽出した位置情報に基づいて、元の画像における当該分割画像それぞれの位置を識別する。具体的には、まず、識別処理部263は、分割画像記憶部251によって記憶された分割画像から位置情報の電子透かしを抽出する。そして、識別処理部263は、書式記憶部253によって記憶された書式を参照して、抽出した位置情報がどのような書式であるかを判定する。書式を判定した後、識別処理部263は、分割画像が元の画像のどの位置であるかを識別する。
【0045】
図6は、識別処理部263による識別処理の一例を説明するための図である。図6においては、分割画像から位置情報の電子透かしを抽出した後の処理について示している。例えば、識別処理部263は、図6に示すように、分割画像から2行2列で表された位置情報を抽出すると、当該分割画像が、元の画像を縦方向に2分割、横方向に2分割した分割画像であると判定する。
【0046】
そして、識別処理部263は、図6に示すように、抽出した位置情報のうち「2」が円で囲まれていることから、位置情報を抽出した分割画像が4分割した分割画像のうちの右上の分割画像であると識別する。同様に、識別処理部263は、分割画像記憶部251によって記憶されたすべての分割画像の位置を識別する。
【0047】
図1に戻って、生成処理部264は、識別処理部263によって識別された位置に分割画像それぞれを配置した画像を生成する。具体的には、生成処理部264は、識別処理部263によって識別された位置に基づいて、分割画像記憶部251が記憶する分割画像を配置した画像を生成し、生成した画像を情報記憶部252に格納する。
【0048】
抽出処理部265は、生成処理部264によって生成された画像に埋め込まれた任意の文字列を抽出する。具体的には、抽出処理部265は、情報記憶部252によって記憶された画像に埋め込まれた電子透かしを抽出し、抽出した電子透かしを情報記憶部252に格納する。
【0049】
図7は、抽出処理部265による抽出処理の一例を説明するための図である。図7においては、情報記憶部252から画像を読み出した後の処理について示している。例えば、抽出処理部265は、図7の(B)に示すように、図7の(A)に示す画像に埋め込まれた「メッセージ」の電子透かしを抽出する。そして、抽出処理部265は、抽出した「メッセージ」を情報記憶部252に格納する。
【0050】
さらに、抽出処理部265は、「メッセージ」の抽出が正常に行えた場合に、生成された画像が元の画像として正常に復元されたと判定する。ここで、仮に、「メッセージ」の抽出が正常に行えなかった場合には、抽出処理部265は、生成された画像が元の画像として正常に復元されなかったと判定する。そして、抽出処理部265は、これらの判定結果を出力部240に表示出力させることによって、受信側ユーザに対して画像及び文字列の受信結果を通知する。その後、データ処理部262が、情報記憶部252から画像及び文字列を読み出し、読み出した画像及び文字列を出力部240に表示出力させることによって、受信側ユーザに対して画像及び文字列を提示する。
【0051】
上述したように、実施例1に係る情報送受信システム1では、画像を分割した分割画像を送信することにより、画像全体の秘密性を保持することができ、ネットワーク上で安全に画像の送受信を行うことができる。さらに、実施例1に係る情報送受信システム1では、画像に「メッセージ」を埋め込み、埋め込んだ画像を分割した分割画像を送信することにより、ネットワーク上で安全に「メッセージ」の送受信を行うことができる。
【0052】
例えば、実施例1に係る情報送受信システム1を画像コンテンツの配信や販売サービスに適用することで、一部の分割画像を無料で配布して部分的に公開し、全体の画像コンテンツを所望するユーザに対して電子透かし読み出しツールを有料で提供するというサービスを実現することが可能になる。
【0053】
また、実施例1に係る情報送受信システム1を用いることで、秘密のメッセージをより安全に送信することが可能となる。すなわち、画像をダミー情報として用い、秘密のメッセージを送信先に送信することが可能になる。
【0054】
[実施例1に係る情報送受信システムによる処理の手順]
次に実施例1に係る情報送受信システム1による処理の手順を説明する。以下では、まず、送信側情報処理装置100による処理の手順を説明した後に、受信側情報処理装置200による処理の手順を説明する。
【0055】
[実施例1に係る送信側情報処理装置による処理の手順]
図8は、実施例1に係る送信側情報処理装置100による処理の手順を示すフローチャートである。図8に示すように、実施例1に係る送信側情報処理装置100においては、送信側ユーザから入力部130を介してメッセージを受付けると(ステップS101肯定)、第1埋め込み処理部162が画像にメッセージの電子透かしを埋め込む(ステップS102)。
【0056】
そして、分割処理部163が、第1埋め込み処理部162によってメッセージの電子透かしが埋め込まれた画像を任意の分割数に分割する(ステップS103)。その後、第2埋め込み処理部164が、分割処理部163によって分割された分割画像それぞれに位置情報の電子透かしを埋め込む(ステップS104)。
【0057】
そして、信号送受信部165が第2埋め込み処理部164によって位置情報の電子透かしが埋め込まれた分割画像それぞれをランダムな送信順で受信側情報処理装置200に送信する(ステップS105)。なお、メッセージを受付けるまで送信側情報処理装置100は待機状態である(ステップS101否定)。
【0058】
[実施例1に係る受信側情報処理装置による処理の手順]
図9は、実施例1に係る受信側情報処理装置200による処理の手順を示すフローチャートである。図9に示すように、実施例1に係る受信側情報処理装置200においては、送信側情報処理装置100から分割画像を受信すると(ステップS201肯定)、識別処理部263が、分割画像それぞれに埋め込まれた位置情報を抽出する(ステップS202)。
【0059】
そして、識別処理部263は、書式記憶部253によって記憶された書式を参照して、分割画像の分割形式及び位置を識別する(ステップS203)。その後、生成処理部264が、識別処理部263によって識別された分割画像の位置に基づいて、分割画像を配置し、画像を生成する(ステップS204)。
【0060】
そして、抽出処理部265が、生成処理部264によって生成された画像からメッセージを抽出して(ステップS205)、メッセージが読み出せたか否かを判定する(ステップS206)。ここで、メッセージを読み出せた場合には(ステップS206肯定)、抽出処理部265は、画像が元の画像として正しく復元されたと判定する(ステップS207)。
【0061】
一方、メッセージを読み出せなかった場合には(ステップS206否定)、抽出処理部265は、画像が元の画像として正しく復元されていないと判定する(ステップS208)。なお、分割画像を受信するまで受信側情報処理装置200は待機状態である(ステップS201否定)。
【0062】
[実施例1の効果]
上述したように、実施例1によれば、第1埋め込み処理部162が、画像に「メッセージ」の電子透かしを埋め込む。分割処理部163が、第1埋め込み処理部162によって「メッセージ」が埋め込まれた第1画像を任意の数の分割画像に分割する。第2埋め込み処理部164が、分割処理部163によって分割された分割画像それぞれに、第1画像における当該分割画像の位置を示す位置情報の電子透かしを埋め込む。信号送受信部165が、第2埋め込み処理部164によって位置情報が埋め込まれた分割画像それぞれを受信側情報処理装置200に送信する。そして、信号送受信部261が、送信側情報処理装置100によって送信された分割画像を受信する。識別処理部263が、信号送受信部261によって受信された分割画像それぞれに埋め込まれた位置情報を抽出し、抽出した位置情報に基づいて、元の画像における当該分割画像それぞれの位置を識別する。生成処理部264が、識別処理部263によって識別された位置に分割画像それぞれを配置した画像を生成する。抽出処理部265が、生成処理部264によって生成された画像に埋め込まれた「メッセージ」を抽出する。従って、実施例1に係る情報送受信システム1は、画像及び「メッセージ」をネットワーク上で安全に送受信することができる。
【0063】
例えば、重要な画像の送受信を行う場合に、実施例1に係る情報送受信システム1では、画像を分割して送信することで、画像の秘密性を保持することができる。そして、実施例1に係る情報送受信システム1では、分割画像それぞれに元の画像における各分割画像の位置を示す電子透かしを埋め込むことで、受信側で正確な画像を復元することができる。すなわち、実施例1に係る情報送受信システム1では、電子透かしを利用することにより、画像を分割画像で送信することができ、その結果、画像の安全な送受信を実現することができる。
【0064】
また、実施例1に係る情報送受信システム1では、メッセージの電子透かしを画像に埋め込み、さらに、その画像を分割した上で送信することで、メッセージに対して2重の守秘化を施すことができる。すなわち、実施例1に係る情報送受信システム1では、電子透かしを利用してメッセージを送る第1の守秘化と、メッセージを埋め込んだ画像を分割した分割画像を送る第2の守秘化を施すことができる。従って、実施例1に係る情報送受信システム1では、画像は勿論、「メッセージ」に対してはより強固な秘密性を保持することができ、例えば、第3者に分割画像が見られた場合であっても、画像やメッセージの漏洩を防止することが可能である。
【0065】
上述したように、実施例1に係る情報送受信システム1では、メッセージと画像分割とに電子透かしを利用することで、情報の安全な送受信を実現している。すなわち、実施例1に係る情報送受信システム1は、情報の安全な送受信を実現するための手段として電子透かしを利用することを可能にする。
【0066】
また、実施例1に係る情報送受信システム1は、データの暗号化に用いられる秘密鍵などが不要であり、簡便、かつ、安全に情報の送受信を行うことを可能にする。
【0067】
また、実施例1によれば、第2埋め込み処理部164が、分割画像それぞれに対して、元の画像が分割された状態を行列で表現し、当該行列において分割画像それぞれが対応する位置を強調した情報を位置情報として埋め込む。従って、実施例1に係る情報送受信システム1は、送信側情報処理装置100と受信側情報処理装置200との間で、予め画像の分割形式を決めておくことなく、正確に画像を復元することを可能にする。
【0068】
また、実施例1によれば、信号送受信部165が、第2埋め込み処理部164によって位置情報が埋め込まれた分割画像それぞれを任意の順序で受信側情報処理装置200に送信する。従って、実施例1に係る情報送受信システム1は、画像及び「メッセージ」をネットワーク上でより安全に送受信することを可能にする。
【0069】
また、実施例1によれば、抽出処理部265が、生成処理部264によって生成された画像からの「メッセージ」の抽出が正常に行えたことを条件に、当該画像が元の画像を正確に復元した画像であると判定する。従って、実施例1に係る情報送受信システム1は、受信した画像が正確に復元されたことを証明することを可能にする。
【実施例2】
【0070】
さて、これまで実施例1について説明したが、上述した実施例1以外にも、種々の異なる形態にて実施されてよいものである。
【0071】
(1)位置情報の書式
上述した実施例1では、位置情報の書式として行列形式を用いる場合について説明した。しかしながら、開示の技術はこれに限定されるものではなく、例えば、位置情報の書式として分割画像が接している他の分割画像の分割画像番号を用いる場合であってもよい。図10は、実施例2に係る第2埋め込み処理部による電子透かし埋め込み処理の一例を説明するための図である。図10においては、図3に示す分割画像それぞれに位置情報を埋め込む場合について示している。例えば、第2埋め込み処理部164は、書式記憶部153によって記憶された書式を参照して、図10の(A)に示す4つの分割画像に対して、図10の(B)に示すように、分割画像が接している他の分割画像の分割画像番号を示す位置情報の電子透かしを埋め込む。
【0072】
例えば、第2埋め込み処理部164は、図10の(B)に示すように、左上の分割画像に対して「右2、下3」の位置情報の電子透かしを埋め込む。すなわち、「右2、下3」の位置情報は、当該位置情報が埋め込まれた分割画像が、右側に分割画像番号「2」の分割画像が配置され、下側に分割画像番号「3」の分割画像が配置される位置の分割画像であることを示している。
【0073】
同様に、第2埋め込み処理部164は、図10の(B)に示すように、右上の分割画像に「左1、下4」の位置情報を、左下の分割画像に「右4、上1」の位置情報を、右下の分割画像に「左3、上2」の位置情報を、それぞれ埋め込む。なお、分割画像番号は、ユーザによって任意に割当てられ、書式記憶部153及び書式記憶部253によって書式とともに予め記憶されている。
【0074】
上述したように、第2埋め込み処理部164が、分割画像それぞれに対して、他の分割画像と接する方向及び当該方向で接する他の分割画像を特定するための情報を位置情報として埋め込む。従って、実施例2に係る情報送受信システム1は、詳細な位置情報を分割画像に埋め込むことを可能にする。
【0075】
(2)分割条件
上述した実施例1では、元の画像を縦方向及び横方向に分割する場合について説明した。しかしながら、開示の技術はこれに限定されるものではなく、例えば、元の画像を縦方向にのみ、或いは、横方向にのみ分割する場合であってもよい。また、上述した実施例1では、元の画像を4分割する場合について説明したが、開示の技術はこれに限定されるものではなく、分割数は任意であり、例えば、元の画像を9分割する場合であってもよい。
【0076】
(3)情報処理装置
上述した実施例1では、情報送受信システム1が有する情報処理装置について、電子透かしを埋め込んだ分割画像を送信する送信側情報処理装置100と、分割画像を受信する受信側情報処理装置200とを用いて説明した。しかしながら、開示の技術はこれに限定されるものではなく、例えば、電子透かしを埋め込んだ分割画像の送信及び分割画像の受信を実行する情報処理装置間で相互に分割画像の送受信を行う場合であってもよい。
【0077】
(4)処理対象
上述した実施例1では、画像を送受信する場合について説明した。しかしながら、開示の技術はこれに限定されるものではなく、例えば、動画像の1フレームに電子透かしのメッセージを埋め込み、埋め込んだフレームを分割して送信する場合であってもよい。
【0078】
(5)システム構成等
図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示された構成要素と同一であることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。例えば、図1に示す第1埋め込み処理部162と第2埋め込み処理部164とを一つの埋め込み処理部として統合してもよい。また、一方で、図1に示す抽出処理部265を、メッセージを抽出する抽出部と、メッセージが正しく読み出せたか否かを判定する判定部とに分散してもよい。
【0079】
また、本実施例において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともできる。例えば、図8における分割画像をランダムに送信する際の処理を送信側ユーザが手動で行ってもよい。また、制御部160を送信側情報処理装置100の外部装置としてネットワーク経由で接続するようにしてもよい。また、制御部160を別の装置が有し、ネットワークに接続されて協働することで、上記した情報送受信システム1の機能を実現するようにしてもよい。さらに、各装置にて行なわれる各処理機能は、その全部または任意の一部が、CPUおよび当該CPUにて解析実行されるプログラムにて実現され、あるいは、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現され得る。
【0080】
(6)情報送受信プログラム
上記実施例で説明した送信側情報処理装置100及び受信側情報処理装置200は、あらかじめ用意されたプログラムをコンピュータで実行することで実現することもできる。そこで、以下では、図1に示した送信側情報処理装置100及び受信側情報処理装置200と同様の機能を実現する情報送受信プログラムを実行するコンピュータの一例を説明する。
【0081】
図11は、本実施例に係る情報送受信プログラムを実行するコンピュータ1000を示す図である。図11に示すように、コンピュータ1000は、例えば、メモリ1010と、CPU(Central Processing Unit)1020と、ハードディスクドライブインタフェース1030と、ディスクドライブインタフェース1040と、シリアルポートインタフェース1050と、ビデオアダプタ1060と、ネットワークインタフェース1070とを有する。これらの各部は、バス1080によって接続される。
【0082】
メモリ1010は、ROM(Read Only Memory)1011およびRAM(Random Access Memory)1012を含む。ROM1010は、例えば、BIOS(Basic Input Output System)等のブートプログラムを記憶する。ハードディスクドライブインタフェース1030は、ハードディスクドライブ1090に接続される。ディスクドライブインタフェース1040は、ディスクドライブ1100に接続される。ディスクドライブ1100には、例えば、磁気ディスクや光ディスク等の着脱可能な記憶媒体が挿入される。シリアルポートインタフェース1050には、例えば、マウス1110およびキーボード1120が接続される。ビデオアダプタ1060には、例えば、ディスプレイ1130が接続される。
【0083】
ここで、図11に示すように、ハードディスクドライブ1090は、例えば、OS(Operating System)1091、アプリケーションプログラム1092、プログラムモジュール1093およびプログラムデータ1094を記憶する。本実施例に係る情報送受信プログラムは、例えば、コンピュータ1000によって実行される指令が記述されたプログラムモジュールとして、例えばハードディスクドライブ1090に記憶される。具体的には、送信側の場合には、上記実施例で説明した第1埋め込み処理部162と同様の情報処理を実行する第1埋め込み処理手順と、分割処理部163と同様の情報処理を実行する分割処理手順と、第2埋め込み処理部164と同様の情報処理を実行する第2埋め込み処理手順と、信号送受信部165と同様の情報処理を実行する信号送受信手順とが記述されたプログラムモジュールが、ハードディスクドライブ1090に記憶される。
【0084】
また、上記実施例で説明した画像コンテンツ記憶部151、分割条件記憶部152および書式記憶部153に記憶されるデータのように、情報送受信プログラムによる情報処理に用いられるデータは、プログラムデータとして、例えば、ハードディスクドライブ1090に記憶される。そして、CPU1020が、ハードディスクドライブ1090に記憶されたプログラムモジュールやプログラムデータを必要に応じてRAM1012に読み出して、第1埋め込み処理手順と、分割処理手順と、第2埋め込み処理手順と、信号送受信手順とを実行する。
【0085】
一方、受信側の場合には、上記実施例で説明した識別処理部263と同様の情報処理を実行する識別処理手順と、生成処理部264と同様の情報処理を実行する生成処理手順と、抽出処理部265と同様の情報処理を実行する抽出処理手順とが記述されたプログラムモジュールが、ハードディスクドライブ1090に記憶される。
【0086】
また、上記実施例で説明した分割画像記憶部251、情報記憶部252および書式記憶部253に記憶されるデータのように、情報送受信プログラムによる情報処理に用いられるデータは、プログラムデータとして、例えば、ハードディスクドライブ1090に記憶される。そして、CPU1020が、ハードディスクドライブ1090に記憶されたプログラムモジュールやプログラムデータを必要に応じてRAM1012に読み出して、識別処理手順と、生成処理手順と、抽出処理手順とを実行する。
【0087】
なお、情報送受信プログラムに係るプログラムモジュールやプログラムデータは、ハードディスクドライブ1090に記憶される場合に限られず、例えば、着脱可能な記憶媒体に記憶されて、ディスクドライブ1100等を介してCPU1020によって読み出されてもよい。あるいは、情報送受信プログラムに係るプログラムモジュールやプログラムデータは、LAN(Local Area Network)やWAN(Wide Area Network)等のネットワークを介して接続された他のコンピュータに記憶され、ネットワークインタフェース1070を介してCPU1020によって読み出されてもよい。
【符号の説明】
【0088】
1 情報送受信システム
100 送信側情報処理装置
162 第1埋め込み処理部
163 分割処理部
164 第2埋め込み処理部
165、261 信号送受信部
200 受信側情報処理装置
263 識別処理部
264 生成処理部
265 抽出処理部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子透かしを埋め込んだ画像を送信する送信装置と、前記送信装置によって送信された画像を受信し、受信した画像から前記電子透かしを抽出する受信装置とを備えた情報送受信システムであって
前記送信装置が、
画像に任意の文字列の電子透かしを埋め込む第1埋め込み部と、
前記第1埋め込み部によって任意の文字列が埋め込まれた第1画像を任意の数の分割画像に分割する分割部と、
前記分割部によって分割された分割画像それぞれに、前記第1画像における当該分割画像の位置を示す位置情報の電子透かしを埋め込む第2埋め込み部と、
前記第2埋め込み部によって位置情報が埋め込まれた第2画像それぞれを前記受信装置に送信する送信部と、
を有し、
前記受信装置が、
前記送信装置によって送信された前記第2画像を受信する受信部と、
前記受信部によって受信された第2画像それぞれに埋め込まれた位置情報を抽出し、抽出した位置情報に基づいて、前記第1画像における当該第2画像それぞれの位置を識別する識別部と、
前記識別部によって識別された位置に前記第2画像それぞれを配置した画像を生成する生成部と、
前記生成部によって生成された画像に埋め込まれた前記任意の文字列を抽出する抽出部と、
を有することを特徴とする情報送受信システム。
【請求項2】
前記第2埋め込み部は、前記分割画像それぞれに対して、前記第1画像が分割された状態を行列で表現し、当該行列において前記分割画像それぞれが対応する位置を強調した情報を前記位置情報として埋め込むことを特徴とする請求項1に記載の情報送受信システム。
【請求項3】
前記第2埋め込み部は、前記分割画像それぞれに対して、他の分割画像と接する方向及び当該方向で接する他の分割画像を特定するための情報を前記位置情報として埋め込むことを特徴とする請求項1に記載の情報送受信システム。
【請求項4】
前記送信部は、前記第2埋め込み部によって位置情報が埋め込まれた第2画像それぞれを任意の順序で前記受信装置に送信することを特徴とする請求項1に記載の情報送受信システム。
【請求項5】
前記抽出部は、前記生成部によって生成された画像からの前記任意の文字列の抽出が正常に行えたことを条件に、当該画像が前記第1画像を正確に復元した画像であると判定することを特徴とする請求項1に記載の情報送受信システム。
【請求項6】
電子透かしを埋め込んだ画像を送信する送信装置と、前記送信装置によって送信された画像を受信し、受信した画像から前記電子透かしを抽出する受信装置とによって実行される情報送受信方法であって、
前記送信装置が、
前記画像に任意の文字列の電子透かしを埋め込む第1埋め込みステップと、
前記第1埋め込みステップによって任意の文字列が埋め込まれた第1画像を任意の数の分割画像に分割する分割ステップと、
前記分割ステップによって分割された分割画像それぞれに、前記第1画像における当該分割画像の位置を示す位置情報の電子透かしを埋め込む第2埋め込みステップと、
前記第2埋め込みステップによって位置情報が埋め込まれた第2画像それぞれを前記受信装置に送信する送信ステップと、
を含み、
前記受信装置が、
前記送信装置によって送信された前記第2画像を受信する受信ステップと、
前記受信ステップによって受信された第2画像それぞれに埋め込まれた位置情報を抽出し、抽出した位置情報に基づいて、前記第1画像における当該第2画像それぞれの位置を識別する識別ステップと、
前記識別ステップによって識別された位置に前記第2画像それぞれを配置した画像を生成する生成ステップと、
前記生成ステップによって生成された画像に埋め込まれた前記任意の文字列を抽出する抽出ステップと、
を含んだことを特徴とする情報送受信方法。
【請求項1】
電子透かしを埋め込んだ画像を送信する送信装置と、前記送信装置によって送信された画像を受信し、受信した画像から前記電子透かしを抽出する受信装置とを備えた情報送受信システムであって
前記送信装置が、
画像に任意の文字列の電子透かしを埋め込む第1埋め込み部と、
前記第1埋め込み部によって任意の文字列が埋め込まれた第1画像を任意の数の分割画像に分割する分割部と、
前記分割部によって分割された分割画像それぞれに、前記第1画像における当該分割画像の位置を示す位置情報の電子透かしを埋め込む第2埋め込み部と、
前記第2埋め込み部によって位置情報が埋め込まれた第2画像それぞれを前記受信装置に送信する送信部と、
を有し、
前記受信装置が、
前記送信装置によって送信された前記第2画像を受信する受信部と、
前記受信部によって受信された第2画像それぞれに埋め込まれた位置情報を抽出し、抽出した位置情報に基づいて、前記第1画像における当該第2画像それぞれの位置を識別する識別部と、
前記識別部によって識別された位置に前記第2画像それぞれを配置した画像を生成する生成部と、
前記生成部によって生成された画像に埋め込まれた前記任意の文字列を抽出する抽出部と、
を有することを特徴とする情報送受信システム。
【請求項2】
前記第2埋め込み部は、前記分割画像それぞれに対して、前記第1画像が分割された状態を行列で表現し、当該行列において前記分割画像それぞれが対応する位置を強調した情報を前記位置情報として埋め込むことを特徴とする請求項1に記載の情報送受信システム。
【請求項3】
前記第2埋め込み部は、前記分割画像それぞれに対して、他の分割画像と接する方向及び当該方向で接する他の分割画像を特定するための情報を前記位置情報として埋め込むことを特徴とする請求項1に記載の情報送受信システム。
【請求項4】
前記送信部は、前記第2埋め込み部によって位置情報が埋め込まれた第2画像それぞれを任意の順序で前記受信装置に送信することを特徴とする請求項1に記載の情報送受信システム。
【請求項5】
前記抽出部は、前記生成部によって生成された画像からの前記任意の文字列の抽出が正常に行えたことを条件に、当該画像が前記第1画像を正確に復元した画像であると判定することを特徴とする請求項1に記載の情報送受信システム。
【請求項6】
電子透かしを埋め込んだ画像を送信する送信装置と、前記送信装置によって送信された画像を受信し、受信した画像から前記電子透かしを抽出する受信装置とによって実行される情報送受信方法であって、
前記送信装置が、
前記画像に任意の文字列の電子透かしを埋め込む第1埋め込みステップと、
前記第1埋め込みステップによって任意の文字列が埋め込まれた第1画像を任意の数の分割画像に分割する分割ステップと、
前記分割ステップによって分割された分割画像それぞれに、前記第1画像における当該分割画像の位置を示す位置情報の電子透かしを埋め込む第2埋め込みステップと、
前記第2埋め込みステップによって位置情報が埋め込まれた第2画像それぞれを前記受信装置に送信する送信ステップと、
を含み、
前記受信装置が、
前記送信装置によって送信された前記第2画像を受信する受信ステップと、
前記受信ステップによって受信された第2画像それぞれに埋め込まれた位置情報を抽出し、抽出した位置情報に基づいて、前記第1画像における当該第2画像それぞれの位置を識別する識別ステップと、
前記識別ステップによって識別された位置に前記第2画像それぞれを配置した画像を生成する生成ステップと、
前記生成ステップによって生成された画像に埋め込まれた前記任意の文字列を抽出する抽出ステップと、
を含んだことを特徴とする情報送受信方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−49806(P2012−49806A)
【公開日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−189761(P2010−189761)
【出願日】平成22年8月26日(2010.8.26)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年8月26日(2010.8.26)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【Fターム(参考)】
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