説明

情報通信体の製造方法

【課題】皴や破れの発生なしに、長尺状情報通信体用紙と疑似接着フィルムを連続的に正確に整合させつつ該長尺状情報通信体用紙を疑似接着フィルムでラミネートすることが可能なラミネート工程を含む情報通信体の製造方法を提供する。
【解決手段】長尺状情報通信体用紙S1を、その少なくとも片面に疑似接着フィルムGを供給し、整合させながら、一対の被動ヒートローラ2a、2b間に加熱・加圧下に通過させると共にそれらの通過により該被動ヒートローラ2a、2bを回転駆動させるようにし、前記被動ヒートローラ2a、2b間を通過して、少なくとも片面に疑似接着フィルムGがラミネートされた長尺状情報通信体用紙S1を、該被動ヒートローラ2a、2bの下流に配備された少なくとも一対の駆動ニップローラ3a、3bにより、該被動ヒートローラ2a、2bを回転駆動させつつ後の次工程へと牽引し、排出させるようにしている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、折り畳まれ或いは切り離されて複数層に重ね合わされた葉片が剥離可能に積層されているため内部に多量の情報が隠蔽されている、ダイレクトメール、葉書、往復葉書、封書、名詞、パンフレット、その他あらゆる情報を記載したアイテムを包含する情報通信体を製造するための製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、印刷物の表面に光沢を付与すると共に美観や耐久性を向上させる手段として、印刷物の表面をフィルムでラミネートするラミネート法が普及し、該ラミネート法としてドライラミネートやサーマルラミネート等の方法が採用されている。これらは業界でプリントラミネートと総称され、例えばオフセット印刷等で印刷を施された枚葉状情報通信体用紙が1枚ごとに連続的に繰り出されると共に各情報通信体用紙の表面が連続的に繰り出されるフィルムで順次ラミネートされるものである。
【0003】
また、最近は、オフセット印刷等で枚葉状情報通信体用紙を印刷する手法以外に、輪転印刷やフォーム印刷等のように長尺状情報通信体用紙を高速印刷する手法が盛んに利用されるため、長尺状情報通信体用紙をフィルムで効果的にラミネートする必要性が発生している。
【0004】
ところで、本発明者等は、特開2000−168273号公報の「情報通信体の製造方法及び製造装置」中に、連続フォーム用紙からなる長尺状情報通信体用紙を疑似接着フィルムで連続的にラミネートする方法を開示している。この製造方法におけるラミネート工程では、最初に上側のロールAから繰り出した疑似接着フィルム12aを上流のヒートローラ11a、11bで長尺状情報通信体用紙Sと整合させつつ該情報通信体用紙Sの表面にラミネートし、続いて、下側のロールBから繰り出される疑似接着フィルム12bを下流のヒートローラ15a、15bで前記長尺状情報通信体用紙Sと整合させつつ該情報通信体用紙S1の裏面にラミネートし、さらに下流に待機させた第三のヒートローラ16a、16bで前記疑似接着フィルム12a、12bと情報通信体用紙Sの表裏面との各接着を確実にするように、合計三対のヒートローラが配置され、そのような構成のラミネート工程によって、長尺状情報通信体用紙のフィルムによるラミネートを含む情報通信体の製造を可能としている。
【0005】
情報通信体の製造方法として、前記のように長尺状又は枚葉状情報通信体用紙の疑似接着予定面に疑似接着フィルムを連続的にラミネートする方式は、折り畳まれた長尺状情報通信体用紙の対向葉片間に、樹脂層同士が予め剥離可能に接着されてなる積層疑似接着フィルムを連続的に挿入する方式に比べて、前記挿入方式におけるような挿入に伴う疑似接着フィルムの位置ずれ等を生じる恐れがなく、仕上がった情報通信体の開封不能等の事故を防止し得る点で優れている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2000−168273号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
加圧状態にある一対のヒートローラでは、本来、何らかの方策を講じない限りニップ圧が幅方向に完全に均一に掛かることはなく、前記のように長尺状又は枚葉状情報通信体用紙をフィルムで連続的にラミネートするラミネート工程では、該情報通信体用紙がヒートローラを通過する際に、その不均一なニップ圧に起因して進行方向が僅かに偏位することが知られている。このような情報通信体用紙の進行方向の偏位は、その進行に伴って徐々に蓄積されて、最終的に情報通信体用紙をそれにラミネートされた疑似接着フィルムと共にヒートローラからその軸方向にはみ出させ、或いは情報通信体用紙をそれにラミネートされた疑似接着フィルムと共に左右に激しく蛇行させて、情報通信体用紙やそれにラミネートされた疑似接着フィルムに著しい皴や破れを発生させる。前記問題は、特に長尺状情報通信体用紙を用いる場合に顕著となるが、枚葉状情報通信体用紙を用いる場合にも、これらの用紙が疑似接着フィルムの連続的なラミネートにより長尺状に連結されることから、同様の問題を生じることがある。即ち、現状では、情報通信体用紙を疑似接着フィルムで正確に美しく、連続的にラミネートすることは困難であり、そのような状態では、ラミネート工程の後に下流の折り畳み、裁断、圧着等の各工程へ移行しても不良品ばかりが発生してしまい、結局、情報通信体の製造方法としての本来の目的を果たすことが著しく困難になる。
【0008】
本発明は、前記のような長尺状又は枚葉状情報通信体用紙の疑似接着フィルム等のフィルムによるラミネートに付随する進行方向の偏位や皴、破れ等の発生の各種問題を解決し、不良品の発生のない情報通信体の製造方法を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明に係る情報通信体の製造方法の一例は、長尺状情報通信体用紙を用いるものであり、折り線及び/又は切取線を介して横方向に連接された複数の葉片からなる単位用紙が縦方向に連接されてなる長尺状情報通信体用紙を連続的に供給しつつ、該情報通信体用紙の各単位用紙における折り畳み時に対向する少なくとも一対の葉片の疑似接着予定面に、表面に疑似接着層を有する疑似接着フィルムを連続的にラミネートするラミネート工程の後に、少なくとも、疑似接着フィルムがラミネートされた各単位用紙を、ラミネート面を内側にして折り線及び/又は切取線から折り畳む折り畳み工程と、疑似接着フィルムがラミネートされた各単位用紙を左右側の各辺で断裁する左右側断裁工程と、疑似接着フィルムがラミネートされた各単位用紙を天地側の各辺で断裁する天地側断裁工程と、疑似接着フィルムがラミネートされ且つラミネート面を内側にして折り線及び/又は切取線から折り畳まれた各単位用紙に加圧又は加熱・加圧処理を施すと共にそれによって対向葉片間を各葉片上の疑似接着フィルムを介して剥離可能に接着一体化させる接着一体化工程とを所要の順序で実施する情報通信体の製造方法において、
前記ラミネート工程が、搬送経路に沿って連続的に供給される長尺状情報通信体用紙を、その少なくとも片面に疑似接着フィルムを供給し、整合させながら、少なくとも一対の被動ヒートローラ間に加熱・加圧下に通過させると共にそれらの通過により該被動ヒートローラを回転駆動させるようにし、前記被動ヒートローラ間を通過して、少なくとも片面に疑似接着フィルムがラミネートされた前記情報通信体用紙を、該被動ヒートローラの下流に配備された少なくとも一対の駆動ニップローラにより、被動ヒートローラを回転駆動させつつ後の次工程へと牽引し、排出させるようにしたことを特徴としている。
【0010】
前記長尺状情報通信体用紙には敢えて特別の加工を施す必要はないが、例えば、該情報通信体用紙に、必要に応じて、少なくとも一方の側端、好ましくは両側端にマージナル孔を設けてもよく、その場合、該長尺状情報通信体用紙が、そのマージナル孔をピントラクタやスプロケット等のピン送り機構のピンと係合させつつ正確に位置合わせされた状態で、前記ラミネート工程へと搬送されるように構成することができる。
【0011】
また、本発明に係る情報通信体の製造方法の別例は、枚葉状情報通信体用紙を用いるものであり、折り線及び/又は切取線を介して横方向に連接された複数の葉片からなる単位用紙が1丁又は複数丁配置されてなる枚葉状情報通信体用紙を1枚ごとに連続的に供給しつつ、該情報通信体用紙の各単位用紙における折り畳み時に対向する少なくとも一対の葉片の疑似接着予定面に、表面に疑似接着層を有する疑似接着フィルムを連続的にラミネートすると共にそれによって該枚葉状情報通信体用紙を長尺状態に連結する工程の後に、少なくとも、疑似接着フィルムがラミネートされた各単位用紙をラミネート面を内側にして折り線及び/又は切取線から折り畳む折り畳み工程と、疑似接着フィルムがラミネートされた各単位用紙を左右側の各辺で断裁する左右側断裁工程と、疑似接着フィルムがラミネートされた各単位用紙を天地側の各辺で断裁する天地側断裁工程と、疑似接着フィルムがラミネートされ且つラミネート面を内側にして折り線及び/又は切取線から折り畳まれた各単位用紙に加圧又は加熱・加圧処理を施すと共にそれによって対向葉片間を各葉片上の疑似接着フィルムを介して剥離可能に接着一体化させる接着一体化工程とを所要の順序で実施する情報通信体の製造方法において、
前記ラミネート工程が、搬送経路に沿って1枚ごとに連続的に供給される枚葉状情報通信体用紙を、その少なくとも片面に疑似接着フィルムを供給し、整合させながら、少なくとも一対の被動ヒートローラ間に加熱・加圧下に通過させると共にそれらの通過により該被動ヒートローラを回転駆動させるようにし、前記被動ヒートローラ間を通過して、少なくとも片面に疑似接着フィルムがラミネートされると共に長尺状態に連結された前記情報通信体用紙を、該被動ヒートローラの下流に配備された少なくとも一対の駆動ニップローラにより、被動ヒートローラを回転駆動させつつ後の次工程へと牽引し、排出させるようにしたことを特徴としている。
【0012】
前記製造方法で得られる前記情報通信体は、例えば単純な二つ折り形態、断面Z字状折り、巻き折り、観音開き折り等の種々の三つ折り形態、四つ折り以上の折り数を有する折り形態、前記折り形態に属さないジグザグ折り形態、さらには前記複数の折り形態を適宜組み合わせたような折り形態を呈していてもよく、或いは二対以上の対向葉片を含む前記折り形態において、剥離可能に接着された対向葉片以外に、剥離不能に接着された対向葉片や全く接着されない対向葉片を含んでいてもよい。例えば、前記情報通信体は、剥離可能に疑似接着された二つ折り形態のものに別の葉片が、それと対向しうる他の葉片上に断面Z字状折りや巻き折りとなるように剥離可能又は剥離不能に接着されずに、フリーな状態で連接追加されてなる見開き2頁状の折り形態、例えば往復葉書等に使用可能な折り形態を有していてもよい。
【0013】
前記左右側断裁工程は、例えばスリッター等により行われ、前記天地側断裁工程は、例えばダイカットローラやギロチンカッタ等により行われる。また、加圧又は加熱・加圧処理による前記接着一体化工程は、例えばヒートローラや交互に配置された複数のヒーターパネルと搬送ローラの組み合わせ等により行われる。
【0014】
前記構成のラミネート工程によれば、前記被動ヒートローラを通過して、少なくとも片面に疑似接着フィルムがラミネートされた情報通信体用紙を駆動ニップローラにより強制的に牽引することにより、被動ヒートローラの幅方向における不均一なニップ圧に起因する情報通信体用紙の進行方向の偏位や蛇行等が抑制され、情報通信体用紙の進行方向に対して確固たる方向性を与えることが可能になる。
【0015】
前記ラミネート工程において、長尺状情報通信体用紙が、既述のように、そのマージナル孔をピン送り機構のピンと係合させつつ正確に位置合わせされた状態で搬送される場合、該長尺状情報通信体用紙は、被動ヒートローラへの進入前における前記ピン送り機構による正確な位置決めと、被動ヒートローラの後における駆動ニップローラによる強制的な牽引との相乗作用により、被動ヒートローラの幅方向に不均一なニップ圧が生じていても、進行方向の偏位や蛇行等なしに、より安定した方向性を確保して移送されるので、情報通信体用紙やそれにラミネートされた疑似接着フィルムに皴や破れ等が発生せず、さらに疑似接着フィルムが所要の疑似接着予定面に位置ずれなく高精度にラミネートされる。
【0016】
前記ラミネート工程では、長尺状又は枚葉状情報通信体用紙等の情報通信体用紙の各単位用紙における折り畳み時に対向する葉片に、疑似接着フィルムが各葉片ごとに個別に又は両方の葉片に連続一体的にラミネートされる。折り畳み時に対向する葉片が隣接状態で連接されていない場合は、該両方の葉片には疑似接着フィルムが各葉片ごとに個別にラミネートされ、また前記両方の葉片が隣接状態で連接されている場合は、該両方の葉片には疑似接着フィルムが連続一体的にラミネートされてもよいが、必要に応じて各葉片ごとに個別にラミネートされてもよい。前記対向する葉片に疑似接着フィルムが各葉片ごとに個別にラミネートされる場合、各葉片にラミネートされる疑似接着フィルムは、加圧又は加熱・加圧処理により剥離可能に接着される互いに同一又は異質の疑似接着フィルムの何れであってもよい。
【0017】
さらに、前記ラミネート工程においては、長尺状又は枚葉状情報通信体用紙の各単位用紙における折り畳み時に対向する葉片が二対以上ある場合に、少なくとも一対の葉片が、既述のように両方の葉片において疑似接着フィルムでラミネートされて、加圧又は加熱・加圧処理により剥離可能に接着される一方、残りの少なくとも一対の葉片が、一方又は両方の葉片において接着フィルムでラミネートされて、加圧又は加熱・加圧処理により剥離不能に接着されるようにし、及び/又は何れの葉片においても疑似接着フィルムや接着フィルムでラミネートされずに露出状態にされ、或いは一方の葉片のみにおいて疑似接着フィルムでラミネートされて、加圧又は加熱・加圧処理によっても接着されないようにすることもできる。
【0018】
なお、対向する葉片における一方の葉片のみにラミネートされる前記接着フィルムとしては、一方の葉片にラミネートされた接着フィルム表面の接着層が、加圧又は加熱・加圧処理により、他方の葉片と剥離不能に完全接着されるような接着フィルムであればよい。また、対向する葉片における両方の葉片にラミネートされる前記接着フィルムとしては、両方の葉片にラミネートされた接着フィルム表面の接着層同士が、加圧又は加熱・加圧処理により、互いに剥離不能に完全接着されるような接着フィルムの組み合わせであればよく、その場合、例えば一方の葉片にラミネートされる接着フィルムが、前記接着要件を満たす限り、例えば既述の疑似接着フィルムであっても差し支えない。
【0019】
長尺状又は枚葉状情報通信体用紙を用いる前記情報通信体の製造方法において、前記ラミネート工程以降の各工程の構成の一例は、前記ラミネート工程の後に実施される前記折り畳み工程と、前記折り畳み工程の前及び/又は後に実施される前記左右側断裁工程と、前記折り畳み工程の後で且つ前記左右側断裁工程の後に実施される前記天地側断裁工程と、前記折り畳み工程と前記天地側断裁工程の間又は前記天地側断裁工程の後に実施される前記接着一体化工程とから構成される。前記左右側断裁工程は、例えば、前記折り畳み工程の前又は後の何れかに実施され、それによって、疑似接着フィルムがラミネートされた各単位用紙がその左右側の両辺で断裁され、或いは前記左右側断裁工程が前記折り畳み工程の前及び後に該折り畳み工程を挟んで段階的に実施され、それによって、疑似接着フィルムがラミネートされた各単位用紙がその左右側の各辺で段階的に断裁されることになる。
【0020】
また、前記ラミネート工程以降の各工程の構成の別例は、前記ラミネート工程の後に実施される前記左右側断裁工程と、前記左右側断裁工程の後に実施される前記天地側断裁工程と、前記天地側断裁工程に実施される前記折り畳み工程と、前記折り畳み工程の後に実施される前記接着一体化工程とから構成される。
【発明の効果】
【0021】
前記のように、本発明に係る情報通信体の製造方法によれば、最上流のラミネート工程における長尺状又は枚葉状情報通信体用紙への疑似接着フィルムのラミネート時に、該情報通信体用紙の進行方向の偏位や蛇行等が発生しないため、情報通信体用紙や疑似接着フィルムに皴や破れが生じることなく、疑似接着フィルムが厳密に位置決めされた状態でラミネートされるので、ラミネート工程以降の下流の諸工程も不良品を生じずに円滑に進行することになり、生産性の向上に寄与すると共に平滑で美しいラミネート効果が得られるものである。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】図1は、本発明に係る情報通信体の製造方法におけるラミネート工程を説明する要部概略図である。
【図2】図2は、本発明に係る情報通信体の製造方法における別態様のラミネート工程を説明する要部概略図である。
【図3】図3(A)及び(B)は、本発明で使用可能な長尺状情報通信体用紙の表面図及び裏面図である。
【図4】図4(A)及び(B)は、本発明で使用可能な疑似接着フィルム及びそれと併用可能な完全接着フィルムの各断面図である。
【図5】図5(A)及び(B)は、本発明に係るラミネート工程により、長尺状情報通信体用紙の表裏面における折り畳み時に対向する各対の葉片の対向面に疑似接着フィルムがラミネートされた長尺状情報通信体用紙の各々表面図及び裏面図である。
【図6】図6(A)及び(B)は、本発明に係るラミネート工程により、長尺状情報通信体用紙の表裏面における折り畳み時に対向する一対の葉片の対向面に疑似接着フィルムがラミネートされると共に他の一対の葉片の対向面に完全接着フィルムがラミネートされた長尺状情報通信体用紙の各々表面図及び裏面図である。
【図7】図7(A)及び(B)は、図5に示す、ラミネート工程により疑似接着フィルムがラミネートされた長尺状情報通信体用紙の断面図及びラミネート工程の後の折り畳み工程により折り畳まれた長尺状情報通信体用紙の断面図である。
【図8】図8は図1に示すラミネート工程を含む情報通信体の製造方法の要部概略図である。
【図9】図9は図1に示すラミネート工程を含む別態様の情報通信体の製造方法の要部概略図である。
【図10】図10(A)及び(B)は、本発明で使用可能な枚葉状情報通信体用紙の各々表面図及び裏面図であり、複数丁の三つ折り葉書用紙が面付けされた枚葉状三つ折り葉書用紙を示している。
【図11】図11は、図10に示す枚葉状情報通信体用紙を用いた、本発明に係る情報通信体の製造方法の要部概略図である。
【図12】図12(A)及び(B)は、図8、図9、図11に示す情報通信体の製造方法により完成した情報通信体及びその開封のために開封ロを半開き状態にした情報通信体の各斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて具体的に説明する。
[情報通信体の製造に使用される長尺状情報通信体用紙及び疑似接着フィルム]
本実施例における長尺状情報通信体用紙S1としては、図3に示すように、第一葉片11、第二葉片12、第三葉片13が折り線14、15を介して横方向に連接された単位用紙t1が切取線16を介して縦方向に連接されると共に、両外側縁辺にマージナル孔31を有するマージナル部分32が切取線30を介して連接されてなる三つ折り葉書用のものが一例として使用される。なお、前記折り線14、15、切取線16及び切取線30は、必ずしも表示される必要はなく、ミシン目等に代えても差し支えない。
【0024】
第一葉片11の表面には郵便切手欄20、郵便番号欄21、受取人の住所氏名22等が例えばプリンタ等により記載され、情報通信体の完成後には内部に隠蔽される第二葉片12、第三葉片13の各表面及び第一葉片11、第二葉片12の各裏面には個人的な秘密を要する個人情報23が記載され、さらに情報通信体の完成後に表出される第三葉片13の裏面には一般情報24が記載されている。なお、必要に応じて、前記個人情報23に代えて、必ずしも秘密を要しない情報、例えば宣伝広告等の一般情報やそれらと個人情報とが混在した情報等が記載されても差し支えない。また、本発明における長尺状情報通信体用紙としては、前記構成に制限されるものではなく、公知のものを適宜使用することができる。
【0025】
また、疑似接着フィルムGとしては、図4(A)に示すように、ポリプロピレンやポリエチレンテレフタレートのような腰のしっかりした基材51の一方の面に公知の感熱接着剤層52を形成すると共に他方の面には加圧又は加熱・加圧処理により剥離可能に疑似接着するように疑似接着層50を形成してなるものが一例として使用される。なお、本発明における疑似接着フィルムとしては、前記構成に制限されるものではなく、公知のものを適宜使用することができる。
【0026】
[ラミネート工程]
図1において、本発明に係る情報通信体の製造方法におけるラミネート工程では、長尺状情報通信体用紙S1が、同図左下側より供給され、そのマージナル孔31をピントラクタ1の各ピンに合致させながら下流へと搬送される。ピントラクタ1の下流には一対の被動ヒートローラ2a、2bがラミネートローラとして配置され、長尺状情報通信体用紙S1はそれらの間を通過させられる。被動ヒートローラ2a、2b間への長尺状情報通信体用紙S1の通過に際して、被動ヒートローラ2aには上方に待機したロールから繰り出された疑似接着フィルムGが長尺状情報通信体用紙S1の表面と整合されながら送り込まれると共に被動ヒートローラ2bには下方に待機したロールから繰り出された疑似接着フィルムGが長尺状情報通信体用紙S1の裏面と整合されながら送り込まれる。
【0027】
このように、上下方向から送り込まれた疑似接着フィルムGは、長尺状情報通信体用紙S1の表裏面と整合されながら被動ヒートローラ2a、2b間を加熱且つ加圧されつつ通過し、それによって疑似接着フィルムGがその感熱接着剤層52を介して長尺状情報通信体用紙S1の表裏面に各々接着されると共にラミネートされる。
【0028】
なお、前記のように、上方の被動ヒートローラ2aにより長尺状情報通信体用紙S1の表面をラミネートする場合は、下方の被動ヒートローラ2bが前記被動ヒートローラ2aに対する受け用の被動ヒートローラとして働き、また下方の被動ヒートローラ2bにより長尺状情報通信体用紙S1の裏面をラミネートする場合は、上方の被動ヒートローラ2aが前記被動ヒートローラ2bに対する受け用の被動ヒートローラとして働くことになる。
【0029】
前記のように疑似接着フィルムGが表裏面にラミネートされた長尺状情報通信体用紙S1は、前記被動ヒートローラ2a、2bの下流に配置された一対の駆動ニップローラ3a、3b間を牽引されつつ通過する。前記駆動ニップローラ3a、3bは、それらの間を通過する長尺状情報通信体用紙S1を、用紙搬送速度が上流の前記ピントラクタ1のそれと同等又はそれよりやや早めの速度となるように駆動する。一方、前記被動ヒートローラ2a、2bは、フリーな状態で互いに加圧されているため、それらの間を通過する長尺状情報通信体用紙S1を自ら駆動するのではなく、逆に長尺状情報通信体用紙S1の通過によって駆動され、通過する長尺状情報通信体用紙S1の正確な進行を阻害することなく回転することになる。即ち、疑似接着フィルムGが表裏面にラミネートされた長尺状情報通信体用紙S1は、前記駆動ニップローラ3a、3bに挟圧されて搬送方向に牽引され、それによって被動ヒートローラ2a、2bが回転駆動されると共に疑似接着フィルムGが各ロールから繰り出されて長尺状情報通信体用紙S1の表裏面と整合される。従って、長尺状情報通信体用紙S1の搬送方向や速度は、ピントラクタ1の位置合わせ機構と駆動ニップローラ3a、3bの牽引力により安定して確保されているので、被動ヒートローラ2a、2bによる疑似接着フィルムGのラミネートに際して長尺状情報通信体用紙S1の動きが左右されることがない。
【0030】
かくして、疑似接着フィルムGが表裏面にラミネートされた長尺状情報通信体用紙S1は、駆動ニップローラ3a、3bに牽引されながら下流の工程へと搬送されるのである。
【0031】
なお、前記ピントラクタに代えて、例えばスプロケット等を使用することも可能であるが、そのような位置合わせ用の補助部材としてのピン送り機構は、本発明において必ずしも必要とされるものではなく、例えば単なるサポートローラ等を配置するだけの単純な構成であってもよい。
【0032】
また、前記のように長尺状情報通信体用紙S1の表裏面に疑似接着フィルムGをラミネートするに際して、前記のように一対の被動ヒートローラ2a、2bで、それらの一方を他方の受け用被動ヒートローラとして兼用しつつ、長尺状情報通信体用紙S1の表裏面に一挙にラミネートする代わりに、図2に示すように、長尺状情報通信体用紙S1の表面及び裏面にラミネートするための二対の被動ヒートローラ21a、21b及び22a、22bを個別に配置し、それらによって長尺状情報通信体用紙S1の表裏面に段階的に疑似接着フィルムGをラミネートするように構成することもできる。
【0033】
さらに、疑似接着フィルムGを、前記のように長尺状情報通信体用紙S1の表裏面にラミネートする代わりに、長尺状情報通信体用紙S1の表裏面の内の片面のみにラミネートするように構成してもよく、その場合、長尺状情報通信体用紙S1の表面へのラミネートに際しては、図2に示す一方の対の被動ヒートローラ21a、21bを配置し、また長尺状情報通信体用紙S1の裏面へのラミネートに際しては、図2に示す他方の対の被動ヒートローラ22a、22bを配置すればよい。
【0034】
また、駆動ニップローラ3a、3bは、搬送される長尺状情報通信体用紙S1をその幅方向にわたって全部挟圧する必要はなく、例えばその中央部や片寄った一部分を挟圧するような構成であってもよい。
【0035】
なお、前記ラミネート工程は、代表例として長尺状情報通信体用紙を用いた場合について説明されているが、該長尺状情報通信体用紙が連続的に供給される代わりに、後述するように、枚葉状情報通信体用紙が1枚ごとに連続的に供給される場合にも同様に適用して、所要の作用を奏することができる。
【0036】
[長尺状情報通信体用紙を用いた、情報通信体の製造方法−1]
図8において、図3に示す三つ折り葉書用の長尺状情報通信体用紙S1は、例えば切断線16から蛇腹状にブロック単位に折り畳まれて図中、左側下方に配置され、そこから上方のピントラクタ1を介して下流へと移送され、既述のようなラミネート工程により、前記長尺状情報通信体用紙S1の連接した第二葉片12、第三葉片13の各表面及び連接した第一葉片11、第二葉片12の各裏面が、図5及び図7(A)に示すように、疑似接着フィルムGによりスポット的にラミネートされる。
【0037】
なお、前記長尺状情報通信体用紙S1は、前記のように蛇腹状にブロック単位に折り畳まれて供給される代わりに、切取線16を設けることなくロール状に巻き取られて供給されてもよい。また、疑似接着フィルムGによる前記ラミネートは、必要に応じて、前記長尺状情報通信体用紙S1における剥離可能な疑似接着に供される葉片の疑似接着予定面のみならず、剥離可能な疑似接着に供されずに折り畳み後に表出する葉片、例えば第一葉片11の表面及び/又は第三葉片13の裏面にも拡張して施されてもよい。
【0038】
前記のように被動ヒートローラ2a、2bを介して疑似接着フィルムがラミネートされた前記長尺状情報通信体用紙S1は、駆動ニップローラ3a、3bにより牽引されつつ排出され、サポートローラ40との間に弛みを形成した後に、続く下流の折り畳みアングル41を通過してサポートローラ40に到達する時点で、図7(B)に示すように、ラミネート面同士を対向させて折り線14、15から断面Z字状の三つ折り状態に折り畳まれる。
【0039】
前記断面Z字状に折り畳まれた長尺状情報通信体用紙S1は、サポートローラ42を介して水平方向に進行し、そのマージナル孔31をピントラクタ43のピンと合致させて下流へ搬送され、その際にスリッタ44a、44bにより両外側のマージナル部分32を切取線30から切り離され、続いてダイカットローラ45a、45bにより天地側の切取線16で断裁される。
【0040】
前記のように切取線30及び切取線16で断裁分離された三つ折り状態の単位用紙t1は、その各対向葉片間の対向面に疑似接着フィルムGがラミネートされた形態で下流に搬送され、ヒートローラ46a、46bを通過して加圧又は加熱・加圧処理を施されると共にそれによって対向する疑似接着フィルムGの疑似接着層同士が剥離可能に接着一体化され、図12(A)に示す断面Z字状の三つ折り葉書に仕上げられて、後部のベルトコンベア等からなるスタッカ47に順次積載される。
【0041】
なお、前記構成において、必要に応じて、前記スリッタ44a、44bが、例えば被動ヒートローラ2a、2bと駆動ニップローラ3a、3b間に配置されてもよく、またヒートローラ46a、46bが、例えばダイカットローラ45a、45bの前に配置されてもよい。また、前記の加圧又は加熱・加圧処理による接着一体化に際して、ヒートローラ46a、46bを配置する代わりに、例えば複数のヒーターパネルと搬送ローラを交互に上下対向するように配置して、最終の排出口ーラで加圧するように構成してもよい。さらに、前記構成において、被動ヒートローラ2a、2bと駆動ニップローラ3a、3b間に、例えば、疑似接着フィルムGがラミネートされた前記長尺状情報通信体用紙S1に折り線14、15を形成するための折り用ミシン刃装置等が介設されていてもよい。
【0042】
[長尺状情報通信体用紙を用いた、情報通信体の製造方法−2]
図9において、図3に示す三つ折り葉書用の長尺状情報通信体用紙S1は、前記製造方法−1の場合と同様に、蛇腹状にブロック単位に折り畳まれて図中、左側下方に配置され、そこから上方のピントラクタ1を介して下流へと移送され、既述のようなラミネート工程により、前記長尺状情報通信体用紙S1の連接した第二葉片12、第三葉片13の各表面及び連接した第一葉片11、第二葉片12の各裏面が疑似接着フィルムGによりスポット的にラミネートされる。
【0043】
前記のように被動ヒートローラ2a、2bを介して疑似接着フィルムGがラミネートされた前記長尺状情報通信体用紙S1は、スリッタ70a、70bにより両外側のマージナル部分32を切取線30から切り落とされながら、駆動ニップローラ3a、3bにより牽引されつつ排出され、該長尺状情報通信体用紙S1の要所に予め印刷された位置マーカを位置センサ71で読み取らせると共にそれに基づいて作動するギロチンカッタ72により天地側の切取線16で所要長さに断裁される。
【0044】
前記のように切取線30及び切取線16で断裁分離された単位用紙t1は、所要の連接した両方の葉片に疑似接着フィルムGがラミネートされた形態で下流に搬送され、折り機73に投入されて、断面Z字状の三つ折り状態に折り畳まれ、ヒートローラ74a、74bを通過して加圧又は加熱・加圧処理を施されると共にそれによって対向する疑似接着フィルムGの疑似接着層同士が剥離可能に接着一体化され、図12(A)に示す断面Z字状の三つ折り葉書に仕上げられて、後部のベルトコンベア等からなるスタッカ75に順次積載される。
【0045】
なお、前記の加圧又は加熱・加圧処理による接着一体化に際して、ヒートローラ74a、74bを配置する代わりに、例えば複数のヒーターパネルと搬送ローラを交互に上下対向するように配置して、最終の排出口ーラで加圧するように構成してもよい。さらに、前記構成において、被動ヒートローラ2a、2bと駆動ニップローラ3a、3b間に、例えば、疑似接着フィルムGがラミネートされた前記長尺状情報通信体用紙S1に折り線14、15を形成するための折り用ミシン刃装置等が介設されていてもよい。
【0046】
[情報通信体の製造に使用される枚葉状情報通信体用紙及び疑似接着フィルム]
枚葉状情報通信体用紙を用いて情報通信体を製造する方法では、図10に示す菊四つ切サイズの枚葉状三つ折り(Z折り)葉書用紙からなる枚葉状情報通信体用紙S2が一例として使用される。この枚葉状情報通信体用紙S2には、既述の長尺状情報通信体用紙S1における単位用紙t1と同様に3葉片が横方向に連接されてなる三つ折り葉書用の単位用紙t2が3丁面付けされている。
また、疑似接着フィルムGとしては、図4(A)に示すような層構成を有する既述のものが一例として使用される。
【0047】
[枚葉状情報通信体用紙を用いた、情報通信体の製造方法]
図11に示すように、図中、左側下方に積載された枚葉状情報通信体用紙S2が、吸着パッド90により1枚ずつ吸い上げられて搬送台92上に送り出されると共に給紙ローラ91a、91bにより下流に順次連続的に等間隔で搬送され、既述のようなラミネート工程において、上方及び下方に待機したロールから一対の被動ヒートローラ2a、2bを介して連続的に繰り出される疑似接着フィルムGが、枚葉状情報通信体用紙S2の表裏面と整合されながら被動ヒートローラ2a、2b間を加熱且つ加圧されつつ通過し、疑似接着フィルムGがその感熱接着剤層52を介して枚葉状情報通信体用紙S2の表裏面に各々接着されると共にラミネートされ、それによって、連続的に供給される各枚葉状情報通信体用紙S2は長尺状態に連結される。なお、疑似接着フィルムGによる前記ラミネートは、必要に応じて、前記枚葉状情報通信体用紙S2における剥離可能な疑似接着に供される葉片の疑似接着予定面のみならず、剥離可能な疑似接着に供されずに折り畳み後に表出する葉片の表面や裏面にも拡張して施されてもよい。
【0048】
前記のように被動ヒートローラ2a、2bを介して疑似接着フィルムGがラミネートされると共に長尺状態に連結された前記枚葉状情報通信体用紙S2は、同軸上に配置されたスリッタ80a、80b及び折り用ミシン丸刃81a、81bに通され、それらによって、該枚葉状情報通信体用紙S2に単位用紙t2の左右側の2辺で断裁が施されると同時に葉片及び疑似接着フィルムGを合わせて折り用ミシン目加工が施され、駆動ニップローラ3a、3bにより牽引されつつ下流へと排出される。
【0049】
前記ラミネート工程における駆動ニップローラ3a、3bを通過した前記枚葉状情報通信体用紙S2は、既述の工程と同様に、サポートローラ82を経て折り畳みアングル83により折り畳まれ、サポートローラ84を経てさらに搬送され、単位用紙t2の天地側の2辺でダイカットローラ85a、85bにより断裁される。前記のように、単位用紙t2の左右側及び天地側の各辺で断裁された枚葉状情報通信体用紙S2は、ヒートローラ86a、86bを通過して加圧或いは加圧・加熱処理を施されると共にそれによって対向する疑似接着フィルムGの疑似接着層同士が剥離可能に接着一体化され、図12(A)に示す断面Z字状の三つ折り葉書に仕上げられて、後部のベルトコンベア等からなるスタッカ87に順次積載される。
【0050】
なお、前記ヒートローラ86a、86bは、必要に応じて、サポートローラ84とダイカットローラ85a、85bの間に、即ちダイカットローラ85a、85bの前に配置されてもよい。また、必要に応じて、折り用ミシン丸刃81a、81bの介設を省略してもよく、またスリッタ80a、80bが、必要に応じて、サポートローラ84とダイカットローラ85a、85bの間に配置されてもよい。
【0051】
[完成した情報通信体]
前記の各種製造方法により製造された、図12(A)に示す断面Z字状の三つ折り葉書の受取人は、図12(B)に示すように剥離可能に接着された対向葉片間の開封口から剥離することにより当初の平面状態に展開し、各葉片にラミネートされた疑似接着フィルムGを透して内部の各種情報を視認することができる。
【0052】
なお、例えば図6に示すように、前記長尺状情報通信体用紙S1や枚葉状情報通信体用紙S2における連接した第二葉片12、第三葉片13の各表面が前記のように疑似接着フィルムGでラミネートされる一方、連接した第一葉片11、第二葉片12の各裏面が、例えば図4(B)に示すように表面に完全接着層60を有する完全接着フィルムKでラミネートされるように構成すれば、三つ折り葉書における第二葉片12、第三葉片13の各表面からなる対向葉片間は前記と同様に剥離可能に接着され、平面状態に展開可能であるが、第一葉片11、第二葉片12の各裏面からなる対向葉片間は、前記加圧又は加熱・加圧処理による接着一体化工程により、剥離不能に接着されることになり、実質的には二つ折り形態の葉書と同様のものが得られる。なお、前記のように、連接した第一葉片11、第二葉片12の各裏面が共に完全接着フィルムKでラミネートされる代わりに、前記第一葉片11、第二葉片12の何れか一方のみの各裏面が完全接着フィルムKでラミネートされるようにしてもよい。
【0053】
また、前記長尺状情報通信体用紙S1や枚葉状情報通信体用紙S2における連接した第二葉片12、第三葉片13の各表面及び連接した第一葉片11、第二葉片12の各裏面の内、一方の連接した葉片が両方の葉片共に疑似接着フィルムGでラミネートされる一方、他方の連接した葉片が何れの葉片についても疑似接着フィルムGや完全接着フィルムKでラミネートされずに、露出した状態にされてもよく、これは例えば見開き2頁状の往復葉書として使用できる。
【0054】
なお、本実施態様では断面Z字状の三つ折り葉書の情報通信体が例示されているが、本発明では、既述のような種々の折り形態及びそれらを変形し又は組み合わせた形態の情報通信体について広く適用することができる。
【符号の説明】
【0055】
S1 長尺状情報通信体用紙
S2 枚葉状情報通信体用紙
t1 単位用紙
t2 単位用紙
G 疑似接着フィルム
K 完全接着フィルム
1、43 ピントラクタ
2a、2b、21a、21b、22a、22b 被動ヒートローラ
3a、3b 駆動ニップローラ
11、12、13 葉片
14、15 折り線
16、30 切取線
20 郵便切手欄
21 郵便番号欄
22 受取人住所氏名
23 個人情報
24 一般情報
31 マージナル孔
32 マージナル部分
40、42、82、84 サポートローラ
41、83 折り畳みアングル
44a、44b、70a、70b、80a、80b スリッタ
45a、45b、85a、85b ダイカットローラ
46a、46b、74a、74b、86a、86b ヒートローラ
47、75、87 スタッカ
50 疑似接着層
51 基材
52 感熱接着剤層
60 完全接着層
71 位置センサ
72 ギロチンカッタ
73 折り機
81a、81b 折り用ミシン丸刃
90 吸着パッド
91a、91b 給紙ローラ
92 搬送台

【特許請求の範囲】
【請求項1】
折り線及び/又は切取線を介して横方向に連接された複数の葉片からなる単位用紙が縦方向に連接されてなる長尺状情報通信体用紙を連続的に供給しつつ、該情報通信体用紙の各単位用紙における折り畳み時に対向する少なくとも一対の葉片の疑似接着予定面に、表面に疑似接着層を有する疑似接着フィルムを連続的にラミネートするラミネート工程の後に、少なくとも、疑似接着フィルムがラミネートされた各単位用紙を、ラミネート面を内側にして折り線及び/又は切取線から折り畳む折り畳み工程と、疑似接着フィルムがラミネートされた各単位用紙を左右側の各辺で断裁する左右側断裁工程と、疑似接着フィルムがラミネートされた各単位用紙を天地側の各辺で断裁する天地側断裁工程と、疑似接着フィルムがラミネートされ且つラミネート面を内側にして折り線及び/又は切取線から折り畳まれた各単位用紙に加圧又は加熱・加圧処理を施すと共にそれによって対向葉片間を各葉片上の疑似接着フィルムを介して剥離可能に接着一体化させる接着一体化工程とを所要の順序で実施する情報通信体の製造方法において、
前記ラミネート工程が、搬送経路に沿って連続的に供給される長尺状情報通信体用紙を、その少なくとも片面に疑似接着フィルムを供給し、整合させながら、少なくとも一対の被動ヒートローラ間に加熱・加圧下に通過させると共にそれらの通過により該被動ヒートローラを回転駆動させるようにし、前記被動ヒートローラ間を通過して、少なくとも片面に疑似接着フィルムがラミネートされた前記情報通信体用紙を、該被動ヒートローラの下流に配備された少なくとも一対の駆動ニップローラにより、被動ヒートローラを回転駆動させつつ後の次工程へと牽引し、排出させるようにしたことを特徴とする情報通信体の製造方法。
【請求項2】
少なくとも一方の側端にマージナル孔を設けた長尺状情報通信体用紙を使用し、該長尺状情報通信体用紙が、そのマージナル孔をピン送り機構のピンと係合させて前記ラミネート工程へと搬送されるようにした請求項1に記載の情報通信体の製造方法。
【請求項3】
折り線及び/又は切取線を介して横方向に連接された複数の葉片からなる単位用紙が1丁又は複数丁配置されてなる枚葉状情報通信体用紙を1枚ごとに連続的に供給しつつ、該情報通信体用紙の各単位用紙における折り畳み時に対向する少なくとも一対の葉片の疑似接着予定面に、表面に疑似接着層を有する疑似接着フィルムを連続的にラミネートすると共にそれによって該枚葉状情報通信体用紙を長尺状態に連結する工程の後に、少なくとも、疑似接着フィルムがラミネートされた各単位用紙をラミネート面を内側にして折り線及び/又は切取線から折り畳む折り畳み工程と、疑似接着フィルムがラミネートされた各単位用紙を左右側の各辺で断裁する左右側断裁工程と、疑似接着フィルムがラミネートされた各単位用紙を天地側の各辺で断裁する天地側断裁工程と、疑似接着フィルムがラミネートされ且つラミネート面を内側にして折り線及び/又は切取線から折り畳まれた各単位用紙に加圧又は加熱・加圧処理を施すと共にそれによって対向葉片間を各葉片上の疑似接着フィルムを介して剥離可能に接着一体化させる接着一体化工程とを所要の順序で実施する情報通信体の製造方法において、
前記ラミネート工程が、搬送経路に沿って1枚ごとに連続的に供給される枚葉状情報通信体用紙を、その少なくとも片面に疑似接着フィルムを供給し、整合させながら、少なくとも一対の被動ヒートローラ間に加熱・加圧下に通過させると共にそれらの通過により該被動ヒートローラを回転駆動させるようにし、前記被動ヒートローラ間を通過して、少なくとも片面に疑似接着フィルムがラミネートされると共に長尺状態に連結された前記情報通信体用紙を、該被動ヒートローラの下流に配備された少なくとも一対の駆動ニップローラにより、被動ヒートローラを回転駆動させつつ後の次工程へと牽引し、排出させるようにしたことを特徴とする情報通信体の製造方法。
【請求項4】
前記ラミネート工程において、長尺状又は枚葉状情報通信体用紙の各単位用紙における折り畳み時に対向する葉片が二対以上ある場合に、少なくとも一対の葉片が、両方の葉片において疑似接着フィルムでラミネートされて、加圧又は加熱・加圧処理により剥離可能に接着される一方、残りの少なくとも一対の葉片が、一方又は両方の葉片において接着フィルムでラミネートされて、加圧又は加熱・加圧処理により剥離不能に接着されるようにした請求項1〜3の何れかに記載の情報通信体の製造方法。
【請求項5】
前記ラミネート工程において、長尺状又は枚葉状情報通信体用紙の各単位用紙における折り畳み時に対向する葉片が二対以上ある場合に、少なくとも一対の葉片が、両方の葉片において疑似接着フィルムでラミネートされて、加圧又は加熱・加圧処理により剥離可能に接着される一方、残りの少なくとも一対の葉片が、何れの葉片においても疑似接着フィルムを含む何れのフィルムでもラミネートされずに露出状態にされるようにした請求項1〜4の何れかに記載の情報通信体の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2010−785(P2010−785A)
【公開日】平成22年1月7日(2010.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−119358(P2009−119358)
【出願日】平成21年5月17日(2009.5.17)
【出願人】(000105280)ケイディケイ株式会社 (99)
【Fターム(参考)】