説明

情報通信機器、情報通信方法、および情報通信プログラム

【課題】 複数の情報通信機器を利用可能な場合に適切な通信処理実行主体を選択することができる、情報通信機器、情報通信方法、および情報通信プログラムを提供する。
【解決手段】 情報通信機器は、アプリケーションからの通信要求を受信した場合に通信センターとの通信処理を行う通信処理実行部と、前記通信要求に応じて自機器が通信処理の実行主体となるか他機器が通信の実行主体となるかを判断し、前記自機器が通信処理の実行主体となると判断した場合に前記通信要求を前記通信処理実行部に転送し、前記他機器が通信処理の実行主体となると判断した場合に前記通信要求を前記他機器へ転送する通信要求転送部と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報通信機器、情報通信方法、および情報通信プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
通信センターと通信する情報通信機器が開発されている。通信方式は多様化しており、通信手段の選択の幅が広がっている。特許文献1,2では、複数の通信手段を備える情報端末において、いずれかの通信手段を選択して通信処理する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−140459号公報
【特許文献2】特開2004−356815号公報
【特許文献3】特開2009−272992号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1,2の技術では、通信手段として複数の情報通信機器を利用可能となる場合の選択については開示されていない。特許文献3には携帯電話と車載機の両方を用いる技術が開示されているが、どちらを通信の実行主体とするかについては開示されていない。
【0005】
本発明は上記課題に鑑みなされたものであり、複数の情報通信機器を利用可能な場合に適切な通信処理実行主体を選択することができる、情報通信機器、情報通信方法、および情報通信プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、明細書開示の情報通信機器は、アプリケーションからの通信要求を受信した場合に通信センターとの通信処理を行う通信処理実行部と、前記通信要求に応じて自機器が通信処理の実行主体となるか他機器が通信の実行主体となるかを判断し、前記自機器が通信処理の実行主体となると判断した場合に前記通信要求を前記通信処理実行部に転送し、前記他機器が通信処理の実行主体となると判断した場合に前記通信要求を前記他機器へ転送する通信要求転送部と、を備えるものである。
【0007】
上記課題を解決するために、明細書開示の情報通信方法は、アプリケーションからの通信要求を受信した場合に、通信センターとの通信処理を行う通信処理実行ステップと、前記通信要求に応じて自機器が通信処理の実行主体となるか他機器が通信の実行主体となるかを判断する判断ステップと、前記判断ステップにおいて前記自機器が通信処理の実行主体となると判断された場合に前記通信要求を前記通信処理実行部に転送し、前記他機器が通信処理の実行主体となると判断された場合に前記通信要求を前記他機器へ転送する通信要求転送ステップと、を含むものである。
【0008】
上記課題を解決するために、明細書開示の情報通信プログラムは、コンピュータに、アプリケーションからの通信要求を受信した場合に、通信センターとの通信処理を行う通信処理実行ステップと、前記通信要求に応じて自機器が通信処理の実行主体となるか他機器が通信の実行主体となるかを判断する判断ステップと、前記判断ステップにおいて前記自機器が通信処理の実行主体となると判断された場合に前記通信要求を前記通信処理実行部に転送し、前記他機器が通信処理の実行主体となると判断された場合に前記通信要求を前記他機器へ転送する通信要求転送ステップと、を実行させるものである。
【発明の効果】
【0009】
明細書開示の情報通信機器、情報通信方法、および情報通信プログラムによれば、複数の情報通信機器を利用可能な場合に適切な通信処理実行主体を選択することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】情報通信システムについて説明するための図である。
【図2】実施例1に係る情報端末および通信端末のハードウェア構成を説明するためのブロック図である。
【図3】情報端末プログラムおよび通信端末プログラムの実行によって実現される各機能のブロック図である。
【図4】(a)〜(d)は通信要求のフォーマットの例を説明するための図である。
【図5】要求条件に対する判断基準を表にしたものである。
【図6】情報端末または通信端末が実行するフローチャートの一例である。
【図7】周辺店舗検索を運転者が画面操作で行った場合のシーケンスである。
【図8】周辺店舗検索を運転者が画面操作で行った場合のシーケンスである。
【図9】運転者が通信センターのオペレータと音声対話しながら行った場合のシーケンスである。
【図10】運転者が通信センターのオペレータと音声対話しながら行った場合のシーケンスである。
【図11】楽曲購入を運転者が画面操作で行った場合のシーケンスである。
【図12】楽曲購入を運転者が画面操作で行った場合のシーケンスである。
【図13】安全運転サービスのシーケンスである。
【図14】安全運転サービスのシーケンスである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
実施例の説明に先立ち、図1を参照して、複数の情報通信機器が通信処理の実行主体となり得る情報通信システムについて説明する。情報端末10は、情報通信機器の一例であり、例えば、カーナビゲーション装置、パーソナルコンピュータなどである。通信端末20は、情報通信機器の一例であり、例えば携帯電話などである。情報端末10および通信端末20は、いずれも、通信センター30との通信処理において自身が実行主体となり得る情報通信機器である。ここで、通信処理とは、アプリケーションからの通信要求に応じて情報通信機器と通信センターとの間でデータの送受信を行う処理のことである。また、実行主体とは、通信処理の実行と、通信センターとの接続および切断を判断する主体のことである。
【0012】
また、情報端末10と通信端末20とは、USBなどの有線通信手段、Wifi、Bluetoothなどの近接無線通信手段などを利用して、相互にデータを送受信する(機器間通信)。
【0013】
通信端末20が通信処理の実行主体となる場合、通信端末20は、ゲートウェイ装置40を介した携帯通信により通信センター30と通信する。携帯通信には、iモード(登録商標)、EzWeb(登録商標)などの通信方式が含まれる。情報端末10が通信処理の実行主体となる場合、情報端末10は、通信端末20をモデムとして利用して通信センター30と通信する。すなわち、情報端末10が実行主体となる場合、ゲートウェイ装置40を介した携帯通信を利用せず、ダイヤルアップ接続などを利用して通信センター30と直接的に通信する。
【0014】
図1の例では、情報端末10が実行主体となる場合の通信方式を「直接通信」と称する。情報端末10が実行主体となる場合には、情報端末10が通信センター30と直接的に通信するからである。また、通信端末20が実行主体となる場合の通信方式を「間接通信」と称する。情報端末10を基準にすると、自身が実行主体とならずに他の情報通信機器が実行主体となって間接的な通信が実現されるからである。
【0015】
直接通信においては、情報端末10がゲートウェイ装置40などを介さずに直接的に通信センター30と情報通信するため、リアルタイム性が高くなる。また、直接通信においては、VoIPなどの任意のインターネットプロトコルを情報端末10と通信センター30との間で透過的に利用することが可能である。
【0016】
一方で、直接通信においては、情報端末10がインターネットを直接的に使用するため、直接通信の通信料金は間接通信と比して高くなる。また、直接通信においては、間接通信と比較して、通信の秘匿性が低くなる課題がある。また、インターネットは決済代行機能を備えていないため、通信センター30に決済機能と連携する仕組みが必要となる。また、運転者は、通信センター30のコンテンツ購入時にクレジットカード番号やパスワードの入力が必要となる。この場合、運転者にとって、処理が煩雑となる。このように、直接通信は、長所と短所とを併せ持っている。
【0017】
これに対して、携帯通信は、一般的に、通信事業者によって直接通信よりも安価な通信料金に設定される。これは、通信事業者が携帯通信のゲートウェイ装置40で提供する決済代行機能により、コンテンツ購入に際して手数料収入が見込まれ、通信事業者による当該通信の使用が推奨されるからである。また、携帯通信の通信網は閉域網であることから、携帯通信は、秘匿性が高く、個人情報などの転送に好適である。また、携帯通信ではゲートウェイ装置40による決済代行機能を利用でき、コンテンツ購入料金は通信端末20の通信料金として課金されるため、運転者はクレジットカード番号やパスワードなどの煩雑な入力操作が不要である。また、コンテンツを提供する通信センター30においても決済機能の装備が不要となる点においても、携帯通信は、望ましい通信方式である。したがって、携帯通信を使用する間接通信は、直接通信に比して、上述のように通信料金が安価で、秘匿性が高く、決済代行機能を備える特徴を有する。
【0018】
一方で、携帯通信は、遅延が大きくリアルタイム性が低い課題を有している。携帯通信と機器間通信とは、一般的に排他的実行となり、間接通信時はこれらを相互に切り替えて使用する必要がある。携帯通信および機器間通信の接続・切断処理には、それぞれ数秒を要する。特に、情報端末10と通信センター30との間で対話的に進行するサービスでは、切り替えが多発してサービス品質が著しく低下するおそれがある。また、間接通信では、ゲートウェイ装置40が介在することにより、プロトコルが終端されてしまう。そのため、情報端末10と通信センター30との間で、エンド−エンドに通信するVoIPなどのインターネットプロトコルを利用できない課題もある。このように、間接通信も、長所と短所とを併せ持っている。
【0019】
したがって、情報端末10および通信センター30のアプリケーションが要求する通信内容(通信要求)に応じて、直接通信と間接通信とを自動的に切り替えることで、通信要求に応じた適切な通信手段を選択できることが好ましい。しかしながら、直接通信と間接通信とを通信要求に応じて切り替えるには、これまで以下のような課題がある。
【0020】
直接通信時は、情報端末10が通信処理の実行主体となり、通信端末20はモデムとして情報端末10に従属するため、通信端末20が実行主体となる間接通信は使用できない。一方、間接通信時は、通信端末20が通信処理の実行主体となり、通信端末20のモデム機能は使用できないため、情報端末10が実行主体となる直接通信は使用できない。すなわち、情報端末10は、直接通信と間接通信とを同時に使用することができないため、これらの通信手段を状況に応じて切り替える必要がある。
【0021】
例えば、複数の通信手段を状況に応じて使用する技術として、コグニティブ無線や異種網ローミングがある。しかしながら、これらの技術は一つの実行主体(この場合、情報端末10)が適切な通信手段を選択するものであり、情報端末10および通信端末20のように複数の実行主体の下で通信手段を選択するものではない。
【0022】
そこで、以下の実施例では、複数の情報通信機器を利用可能な場合に適切な通信処理実行主体を選択することができる、情報通信機器、情報通信方法、および情報通信プログラムについて説明する。以下、図面を参照しつつ、実施例について説明する。
【実施例1】
【0023】
図2は、実施例1に係る情報端末10および通信端末20のハードウェア構成を説明するためのブロック図である。図2を参照して、情報端末10は、CPU101、RAM102、記憶装置103、表示装置104、機器通信装置105、入力装置106などを備える。これらの各機器は、バスなどによって接続されている。通信端末20は、CPU201、RAM202、記憶装置203、表示装置204、機器通信装置205、入力装置206、通信装置207などを備える。これらの各機器は、バスなどによって接続されている。
【0024】
CPU(Central Processing Unit)101は、中央演算処理装置である。CPU101は、1以上のコアを含む。RAM(Random Access Memory)102は、CPU101が実行するプログラム、CPU101が処理するデータなどを一時的に記憶する揮発性メモリである。記憶装置103は、不揮発性記憶装置である。記憶装置103として、例えば、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリなどのソリッド・ステート・ドライブ(SSD)、ハードディスクドライブに駆動されるハードディスクなどを用いることができる。記憶装置103は、情報端末プログラム(情報通信プログラム)、端末アプリケーションなどを記憶している。表示装置104は、情報端末10による各処理の結果などを表示するための装置である。表示装置104は、例えば、液晶ディスプレイなどである。入力装置106は、ユーザが情報を入力するための装置であり、タッチパネル、キーボードなどである。
【0025】
CPU201は、中央演算処理装置である。CPU201は、1以上のコアを含む。RAM202は、CPU201が実行するプログラム、CPU201が処理するデータなどを一時的に記憶する揮発性メモリである。記憶装置203は、不揮発性記憶装置である。記憶装置203として、例えば、ROM、フラッシュメモリなどのソリッド・ステート・ドライブ、ハードディスクドライブに駆動されるハードディスクなどを用いることができる。記憶装置203は、通信端末プログラム(情報通信プログラム)などを記憶している。表示装置204は、通信端末20による各処理の結果などを表示するための装置である。表示装置204は、例えば、液晶ディスプレイなどである。入力装置206は、ユーザが情報を入力するための装置であり、タッチパネル、操作ボタンなどである。
【0026】
機器通信装置105および機器通信装置205は、相互にデータを送受信する装置であり、USBなどの有線通信装置、Wifi、Bluetoothなどの近接無線通信装置などである。通信装置207は、無線または有線により通信センター30と通信する装置である。通信装置207は、間接通信および直接通信を担う。
【0027】
続いて、情報端末10および通信端末20の各処理について説明する。情報端末10の記憶装置103に記憶されている情報端末プログラムは、実行可能にRAM102に展開される。CPU101は、RAM102に展開された情報端末プログラムを実行する。それにより、情報端末10による各処理が実行される。通信端末20の記憶装置203に記憶されている通信端末プログラムは、実行可能にRAM202に展開される。CPU201は、RAM202に展開された通信端末プログラムを実行する。それにより、通信端末20による各処理が実行される。
【0028】
図3は、情報端末プログラムおよび通信端末プログラムの実行によって実現される各機能のブロック図である。図3を参照して、情報端末プログラムの実行によって、情報端末10に、機器通信部11、直接通信部12、直接通信制御部13、通信処理実行部14、通信要求転送部15、および通信主体切替部16が実現される。また、通信端末プログラムの実行によって、通信端末20に、直接通信部21、機器通信部22、間接通信部23、間接通信制御部24、通信処理実行部25、通信要求転送部26、および通信主体切替部27が実現される。
【0029】
端末アプリケーション17は、通信センター30と連携するアプリケーションである。端末アプリケーション17は、店舗情報などを画面上に表示する地図情報サービス、楽曲を通信センター30からダウンロードする楽曲購入サービス、安全運転に関する情報を案内する安全運転サービス、などをユーザに対し提供する。
【0030】
機器通信部11は、図2の機器通信装置105を利用して、通信端末20との間で機器間通信を行う。直接通信部12は、通信端末20をモデムとして利用することによって、通信センター30との間でダイヤルアップ通信を行う。直接通信制御部13は、直接通信部12を制御し、直接通信部12によるインターネットへの接続・切断を制御する。通信処理実行部14は、通信要求転送部15または通信要求転送部26から通信要求を受信した際に、直接通信の通信処理を実行する。
【0031】
通信要求転送部15は、端末アプリケーション17または通信センター30のセンターアプリケーション31からの通信要求に応じて、自機器(情報端末10)が通信処理の実行主体となるか他機器(通信端末20)が通信実行主体となるかを判断する。
【0032】
通信要求転送部15は、情報端末10が通信処理の実行主体となると判断した場合には、通信処理実行部14に通信要求を転送するとともに、通信主体切替部16に直接通信の実行を指示する。通信主体切替部16は、通信要求転送部15からの指示により、直接通信制御部13に直接通信の実行を指示する。
【0033】
一方で、通信要求転送部15は、通信端末20が通信処理の実行主体となると判断した場合には、通信端末20の通信処理実行部25に通信要求を転送するとともに、通信主体切替部16および通信処理実行部14に直接通信の停止を指示する。通信主体切替部16は、通信要求転送部15からの指示により、直接通信制御部13に直接通信の停止を指示する(直接通信開放処理)。
【0034】
直接通信部21は、図2の通信装置207を利用して、通信センター30との間でインターネットを介してダイヤルアップ通信を行う。機器通信部22は、図2の機器通信装置205を利用して、情報端末10との間で機器間通信を行う。間接通信部23は、図2の通信装置207を利用して、iモード(登録商標)、EZweb(登録商標)などの携帯電話固有の携帯通信を行う。間接通信制御部24は、間接通信部23を制御し、間接通信の接続・切断を制御する。通信処理実行部25は、通信要求転送部15または通信要求転送部26から通信要求を受信した際に、間接通信の通信処理を実行する。
【0035】
通信要求転送部26は、端末アプリケーション17または通信センター30のセンターアプリケーション31からの通信要求に応じて、自機器(通信端末20)が通信処理の実行主体となるか他機器(情報端末10)が通信実行主体となるかを判断する。
【0036】
通信要求転送部26は、通信端末20が通信処理の実行主体となると判断した場合には、通信処理実行部25に通信要求を転送するとともに、通信主体切替部27に間接通信の実行を指示する。通信主体切替部27は、通信要求転送部26からの指示により、間接通信制御部24に間接通信の実行を指示する。
【0037】
一方で、通信要求転送部26は、情報端末10が通信処理の実行主体となると判断した場合には、情報端末10の通信処理実行部14に通信要求を転送するとともに、通信主体切替部27および通信処理実行部25に間接通信の停止を指示する。通信主体切替部27は、通信要求転送部26からの指示により、間接通信制御部24に間接通信の停止を指示する(間接通信開放処理)。
【0038】
上述したように、相手機器への通信要求の要求によって実行主体が相手機器に委譲される場合には、通信処理の実行主体が切り替わる。その際に、例えば機器間通信がBluetoothである場合、直接通信では情報端末10および通信端末20は、それぞれDUNクライアント、DUNサーバの通信モードとなる。なお、DUNとはDial Up Networking Profileの略である。一方、間接通信では、情報端末10および通信端末20は、それぞれSPPサーバ、SPPクライアントの通信モードとなる。なお、SPPとはSerial Port Profileの略である。
【0039】
通信センター30は、コンテンツ送受信部32および通信送信部33として機能する。間接通信部23と通信センター30とは、携帯通信網およびゲートウェイ装置40を介して通信する。直接通信部21と通信センター30とは、ゲートウェイ装置40を介さずにインターネットを介して通信する。通信センター30は、配信するコンテンツに応じた通信要求を送信する。
【0040】
ゲートウェイ装置40は、携帯電話に適した通信プロトコル(TLS、Wireless Profiled TCPなど)により、決済代行機能など携帯電話向けの様々な機能を提供する装置である。ゲートウェイ装置40は、例えば、iモード(登録商標)ゲートウェイなど通信事業者のネットワークに配備される。本実施例においては、ゲートウェイ装置40は、間接通信で通信する通信端末20に対し、コンテンツ購入時の決済代行機能を提供する。またゲートウェイ装置40を利用することにより、間接通信はインターネットから分離された閉域網となる。したがって、間接通信において秘匿性の高い通信が可能となる。その一方で、ゲートウェイ装置40は、情報端末10と通信センター30との間のインターネットプロトコルを終端させるため、間接通信においては任意のインターネットプロトコルを使用することができない。
【0041】
図4(a)〜図4(d)は、通信要求のフォーマットの例を説明するための図である。図4(a)は、周辺店舗検索の画面操作において、端末アプリケーション17が発行する通信要求の例である。図4(b)は、周辺店舗検索の音声対話において、端末アプリケーション17が発行する通信要求の例である。図4(c)は、地図データ更新において、通信センター30のセンターアプリケーション31が発行する通信要求の例である。図4(d)は、通信結果のメッセージである。
【0042】
図4(a)〜図4(d)の例で、「Processing−Condition」が要求条件である。この要求条件には、自機器または他機器の通信を指定するコマンドも含まれている。通信要求転送部15,26は、この要求条件に応じて通信処理の実行主体が自機器であるか他機器であるかを判断する。図4(a)の例では、通信処理に必要なリアルタイム性として200ms以下の遅延量が要求されている。したがって、図4(a)の通信処理では、高いリアルタイム性を実現できる直接通信が好ましい。図4(b)の例では、200ms以下の遅延量に加えて、通信処理に必要なプロトコルとしてSIP/RTP/RTCPが要求されている。したがって、図4(b)の通信処理では、高いリアルタイム性を実現でき、SIP/RTP/RTCPのプロトコルを利用できる直接通信が好ましい。
【0043】
図4(c)の例では、800KBの大きなデータ通信が要求されている。したがって、安価な通信を実現できる間接通信が好ましい。図4(d)の例では、端末アプリケーション17への転送が要求されている。したがって、直接通信が好ましい。
【0044】
図5は、要求条件に対する判断基準を表にしたものである。リアルタイム性に関して、500ms未満の遅延量が要求されている場合には、直接通信が選択される。対応プロトコルに関して、SIPあるいはRTP/RTCPが要求されている場合には直接通信が選択され、携帯通信固有のプッシュプロトコル(i−mode(登録商標)_push)が要求されている場合には間接通信が選択される。通信コストに関して、データ通信量が700KBを超える通信処理が要求されている場合には、安価な通信を実現する間接通信が選択される。秘匿性および携帯決済に関しては、当該機能を備える携帯通信が好適のため、間接通信が選択される。
【0045】
通信要求の他の例として、例えば省電力、輻輳、サービスエリアなどが含まれていてもよい。間接通信では、基本的に、通信端末20は通信センター30のみと通信し、通信結果だけが情報端末10へ通知される。したがって、間接通信では、情報端末10と通信センター30との間で通信端末20がデータの送受信を常時行う直接通信に比して消費電力が小さくなる。一方で、通信端末20がバッテリー駆動の場合、通信端末20の省電力への配慮が必要である。そこで、情報端末10と通信端末20との機器間通信がBluetoothなどの無線接続である場合、通信要求に省電力が含まれていれば、間接通信を選択してもよい。これに対して、USBなどの有線接続では、通信端末20に電力が供給されるため、省電力への配慮は比較的不要である。そこで、通信端末20に給電される場合であれば、直接通信あるいは間接通信のいずれを選択してもよい。
【0046】
また、直接通信と間接通信とでは、接続先となるアクセスポイントなどが異なっている。したがって、通信方式ごとに、利用者増による混雑度(輻輳の程度)が異なっている。したがって、輻輳を軽減する通信要求に対しては、通信センターからの応答時間などから求まる混雑度に応じて、輻輳が発生している場合に他方の通信方式に切り替えてもよい。
【0047】
また、直接通信と間接通信とでは、サービスエリアが異なっている場合がある。例えば、間接通信の無線方式が3G(第3世代移動通信システム)で、直接通信の無線方式がLTE(Long Term Evolution)などである場合である。このような場合において、情報端末10あるいは通信センター30の状態を互いに常時監視するようなアプリケーションを利用する場合、サービスエリアが広くかつ安定した通信が可能な無線方式が好適である。そこで、サービスエリアの通信要求に対して、サービスエリアが広くかつ安定した通信方式を選択してもよい。
【0048】
図6は、情報端末10または通信端末20が実行するフローチャートの一例である。ここでは情報端末10を例に説明する。図6を参照して、通信要求転送部15は、情報端末10が通信処理の実行主体であるか否かを判定する(ステップS1)。ステップS1において「No」と判定された場合、通信要求転送部15は、通信処理実行部14が相手機器(通信端末20)から通信要求を受信したか否かを判定する(ステップS2)。ステップS2で「No」と判定された場合、ステップS2が再度実行される。
【0049】
ステップS2で「Yes」と判定された場合、通信モードが切り替わる(ステップS3)。具体的には、通信主体切替部16が直接通信制御部13に直接通信の開始を指示する。それにより、通信処理実行部14は、通信センター30と接続する(ステップS4)。次に、通信処理実行部14は、情報端末10において通信要求に対する通信処理を実行する(ステップS5)。次に、通信処理実行部14は、通信処理の結果を端末アプリケーション17に転送する(ステップS6)。その後、例えば、通信要求転送部15は、直接通信開放処理を行い、通信端末20の通信処理実行部25に通信要求を転送して実行主体を委譲する。その後、ステップS2が再度実行される。
【0050】
ステップS1で「Yes」と判定された場合、通信要求転送部15は、端末アプリケーション17またはセンターアプリケーション31から通信要求を受信したか否かを判定する(ステップS7)。ステップS7で「No」と判定された場合、ステップS7が再度実行される。ステップS7で「Yes」と判定された場合、通信要求転送部15は、自機器(情報端末10)が通信要求に適した機器か否かを判定する(ステップS8)。この場合、通信要求転送部15は、例えば、図5の基準に従って、自機器(情報端末10)が通信処理の実行主体であるか他機器(通信端末20)が通信処理の実行主体であるかを判断する。
【0051】
ステップS8において「No」と判定された場合、通信要求転送部15は、通信主体切替部16および通信処理実行部14に直接通信の停止を指示する(ステップS9)。それにより、通信処理実行部14は、実行主体としての通信処理を終了する(ステップS10)。次に、通信要求転送部15は、通信要求を通信端末20の通信処理実行部25に転送することによって、通信端末20に実行主体を委譲する(ステップS11)。その後、ステップS2が実行される。
【0052】
ステップS8において「Yes」と判定された場合、通信要求転送部15は、通信処理実行部14に通信要求を転送するとともに、通信主体切替部16に直接通信の実行を指示する(ステップS12)。通信主体切替部16は、通信要求転送部15からの指示により、直接通信制御部13に直接通信の実行を指示する。通信処理実行部14は、通信処理の結果を端末アプリケーション17に転送する(ステップS13)。その後、ステップS7が実行される。
【0053】
以上のような構成によれば、複数の情報通信機器を利用可能な場合に、アプリケーションからの通信要求に応じて適切な通信処理実行主体を選択することができる。また、通信主体を相手機器へ委譲する際には、自機器の通信手段が解放されるため、相手機器の通信処理が阻害されない。
【0054】
図7〜図14は、端末アプリケーション17が提供する各種のサービスにおける情報端末10、通信端末20および通信センター30の動作の一例を表すシーケンスの例である。図7〜図10は、地図情報サービスの例である。地図情報サービスとは、車の運転者に対し、運転者が要求する周辺の店舗情報を情報端末10の表示装置104の地図上に表示するサービスである。図7および図8は、周辺店舗検索を運転者が画面操作で行った場合を示す。
【0055】
図7および図8を参照して、まず、リアルタイム性が高くかつ任意のインターネットプロトコルに対応している直接通信で通信処理が行われているものとする。まず、ユーザの操作によって端末アプリケーション17は、周辺店舗検索を要求する(ステップA101)。それにより、通信処理実行部14は、端末アプリケーション17から通信要求を受信し、通信処理を実行する(ステップA102)。ステップA102の処理結果(周辺店舗検索の位置情報など)は、直接通信により通信センター30に送信される。通信センター30は、周辺店舗検索に係る通信処理を実行する(ステップC101)。ステップC101の処理結果(該当店舗件数など)は、直接通信により情報端末10に送信される(ステップC102)。通信処理実行部14は、表示装置104に処理結果(該当店舗件数など)を表示させる(ステップA103)。
【0056】
次に、ユーザの操作によって端末アプリケーション17は、絞り込み検索(イタリアンレストランなど)を要求する(ステップA104)。それにより、通信処理実行部14は、端末アプリケーション17から通信要求を受信し、通信処理を実行する(ステップA105)。ステップA105の処理結果(例えば「イタリアンレストラン」+位置情報)は、直接通信により通信センター30に送信される。通信センター30は、絞り込み検索に係る通信処理を実行する(ステップC103)。ステップC103の処理結果(店舗リストなど)は、直接通信により情報端末10に送信される(ステップC104)。通信処理実行部14は、表示装置104に処理結果(店舗位置など)を表示させる(ステップA106)。
【0057】
ここで、地図データを更新する必要性が生じたとする。この場合、通信センター30のセンターアプリケーション31は、地図データ更新のための通信要求を直接通信により情報端末10に送信する(ステップC105)。通信要求転送部15は、通信センター30からの通信要求を受信する(ステップA107)。通信要求転送部15は、通信要求に応じて、自機器が実行主体となるか他機器が実行主体となるか判断する。図4(c)で説明したように、地図データの更新の際には、高いリアルタイム性は要求されない。したがって、通信要求転送部15は、他機器が実行主体となると判断する。そこで、通信要求転送部15は、直接通信開放処理を行う(ステップA108)。それにより、通信端末20の直接通信部21は、直接通信を終了する(ステップB101)。また、通信処理実行部25は、間接通信の準備をする(ステップB102)。
【0058】
通信処理実行部14は、直接通信を終了する(ステップA109)。通信要求転送部15は、通信端末20の通信処理実行部25に通信要求を転送して実行主体を委譲する(ステップA110)。通信端末20の通信処理実行部25は、通信要求を受信する(ステップB103)。機器通信部22は、機器間通信を中断する(ステップB104)。同時に、機器通信部11も機器間通信を中断する(ステップA111)。
【0059】
通信処理実行部25は、間接通信による通信処理を実行する(ステップB105)。それにより、通信センター30は、通信処理を実行し、地図の更新データを通信端末20に送信する(ステップC106)。通信処理実行部25は、地図の更新データの受信が完了した後に間接通信を停止する(ステップB106)。次に、機器通信部22は機器間通信を再開し(ステップB107)、それにより機器通信部11も機器間通信を再開する(ステップA112)。さらに、通信処理実行部25は、通信結果(地図の更新データ)を情報端末10に転送し、通信要求転送部26は、通信処理実行部14に通信要求を転送して実行主体を委譲する(ステップB108)。通信処理実行部14は、通信要求を受信するとともに通信結果を受信する(ステップA113)。通信結果の受信が完了すると、機器通信部11は機器間通信を終了し(ステップA114)、それに伴って機器通信部22も機器間通信を終了する(ステップB109)。通信処理実行部14は直接通信の通信処理を開始し(ステップA115)、直接通信部21は直接通信を開始する(ステップB110)。以降、直接通信が行われる。
【0060】
図9および図10は、運転者が通信センター30のオペレータと音声対話しながら行った場合を示す。図9および図10を参照して、この場合、ステップA103〜A105およびステップC102〜C103の代わりに、VoIPをインターネットプロトコルとする直接通信により音声対話が行われる。なお、直接通信の際には、音声対話で使用するインターネットプロトコルVoIPをそのまま利用することができる。また、地図データの更新が発生した場合には、直接通信から間接通信に切り替わる。
【0061】
図11および図12は、楽曲購入を運転者が画面操作で行った場合を示す。図11および図12を参照して、まず、リアルタイム性が高くかつ任意のインターネットプロトコルに対応している直接通信で通信処理が行われているものとする。ユーザの操作によって端末アプリケーション17は、楽曲検索(売上げベスト5など)を要求する(ステップA201)。それにより、通信処理実行部14は、端末アプリケーション17から通信要求を受信し、通信処理を実行する(ステップA202)。ステップA202の処理結果(楽曲検索など)は、直接通信により通信センター30に送信される。通信センター30は、楽曲検索に係る通信処理を実行する(ステップC201)。ステップC201の処理結果(楽曲リスト)は、直接通信により情報端末10に送信される(ステップC202)。通信処理実行部14は、表示装置104に処理結果(楽曲件数など)を表示させる(ステップA203)。
【0062】
次に、ユーザの操作によって端末アプリケーション17は、購入する楽曲を選択する(ステップA204)。それにより、通信処理実行部14は、端末アプリケーション17から通信要求を受信し、通信処理を実行する(ステップA205)。ステップA205の処理結果(購入楽曲名など)は、直接通信により通信センター30に送信される。通信センター30は、楽曲購入に係る通信処理を実行する(ステップC203)。ステップC203の処理結果(楽曲購入要求受領など)は、直接通信により情報端末10に送信される(ステップC204)。通信処理実行部14は、表示装置104に処理結果(楽曲購入要求受領通知など)を表示させる(ステップA206)。
【0063】
通信センター30のセンターアプリケーション31は、楽曲購入のための通信要求を直接通信により情報端末10に送信する(ステップC205)。通信要求転送部15は、通信センター30からの通信要求を受信する(ステップA207)。通信要求転送部15は、通信要求に応じて、自機器が実行主体となるか他機器が実行主体となるか判断する。図5で説明したように、楽曲購入には代行決済機能を利用できる間接通信が好適である。したがって、通信要求転送部15は、他機器が実行主体となると判断する。そこで、通信要求転送部15は、直接通信開放処理を行う(ステップA208)。それにより、通信端末20の直接通信部21は、直接通信を終了する(ステップB201)。また、通信処理実行部25は、間接通信の準備をする(ステップB202)。
【0064】
通信処理実行部14は、直接通信を終了する(ステップA209)。通信要求転送部15は、通信端末20の通信処理実行部25に通信要求を転送して実行主体を委譲する(ステップA210)。通信端末20の通信処理実行部25は、通信要求を受信する(ステップB203)。機器通信部22は、機器間通信を中断する(ステップB204)。同時に、機器通信部11も機器間通信を中断する(ステップA211)。
【0065】
通信処理実行部25は、間接通信による通信処理を実行する(ステップB205)。それにより、通信センター30は、通信処理を実行し、楽曲データを通信端末20に送信する(ステップC206)。通信処理実行部25は、楽曲データの受信が完了した後に間接通信を停止する(ステップB206)。次に、機器通信部22は機器間通信を再開し(ステップB207)、それにより機器通信部11も機器間通信を再開する(ステップA212)。さらに、通信処理実行部25は、通信結果(楽曲データ)を情報端末10に転送し、通信要求転送部26は、通信要求転送部15に通信要求を転送して実行主体を委譲する(ステップB208)。通信処理実行部14は、通信結果を受信するとともに、通信結果を受信する(ステップA213)。通信結果の受信が完了すると、機器通信部11は機器間通信を終了し(ステップA214)、それに伴って機器通信部22も機器間通信を終了する(ステップB209)。通信処理実行部14は直接通信の通信処理を開始し(ステップA215)、直接通信部21は直接通信を開始する(ステップB210)。以降、直接通信が行われる。
【0066】
図13および図14は、安全運転サービスを示す。図13および図14を参照して、まず、リアルタイム性が高くかつ任意のインターネットプロトコルに対応している直接通信で通信処理が行われているものとする。ユーザの運転操作に起因して、端末アプリケーション17がヒヤリハットの通知を要求する(ステップA301)。それにより、通信処理実行部14は、端末アプリケーション17から通信要求を受信し、通信処理を実行する(ステップA302)。ステップA302の処理結果(急ハンドル、急ブレーキ、強Gなどのセンサ情報)は、直接通信により通信センター30に送信される。通信センター30は、ヒヤリハットに係る通信処理を実行する(ステップC301)。ステップC301の処理結果(安全運転アドバイスメニューなど)は、直接通信により情報端末10に送信される(ステップC302)。通信処理実行部14は、表示装置104に処理結果(安全運転アドバイスメニューなど)を表示させる(ステップA303)。
【0067】
次に、ユーザの操作によって端末アプリケーション17は、メニューを選択する(ステップA304)。それにより、通信処理実行部14は、端末アプリケーション17から通信要求を受信し、通信処理を実行する(ステップA305)。ステップA305の処理結果(休憩ポイント案内など)は、直接通信により通信センター30に送信される。通信センター30は、選択されたメニュー(休憩ポイントなど)に係る通信処理を実行する(ステップC303)。ステップC303の処理結果(休憩ポイントリストなど)は、直接通信により情報端末10に送信される(ステップC304)。通信処理実行部14は、表示装置104に処理結果(休憩ポイントなど)を表示させる(ステップA306)。
【0068】
端末アプリケーション17は、走行履歴データの転送に係る通信要求を通信要求転送部15に送信する(ステップA307)。通信要求転送部15は、通信要求に応じて、自機器が実行主体となるか他機器が実行主体となるか判断する。図5で説明したように、秘匿性の高いデータ転送には間接通信が好適である。したがって、通信要求転送部15は、他機器が実行主体となると判断する。そこで、通信要求転送部15は、直接通信開放処理を行う(ステップA308)。それにより、通信端末20の直接通信部21は、直接通信を終了する(ステップB301)。また、通信処理実行部25は、間接通信の準備をする(ステップB302)。
【0069】
通信処理実行部14は、直接通信を終了する(ステップA309)。通信要求転送部15は、通信端末20の通信処理実行部25に通信要求を転送して実行主体を委譲する(ステップA310)。通信端末20の通信処理実行部25は、通信要求を受信する(ステップB303)。機器通信部22は、機器間通信を中断する(ステップB304)。同時に、機器通信部11も機器間通信を中断する(ステップA311)。
【0070】
通信処理実行部25は、間接通信による通信処理を実行する(ステップB305)。それにより、通信センター30は、通信処理を実行し、安全運転診断結果を通信端末20に送信する(ステップC305)。通信処理実行部25は、安全運転診断結果の受信が完了した後に間接通信を停止する(ステップB306)。次に、機器通信部22は機器間通信を再開し(ステップB307)、それにより機器通信部11も機器間通信を再開する(ステップA312)。さらに、通信処理実行部25は、通信結果(安全運転診断結果)を情報端末10に転送し、通信要求転送部26は、通信処理実行部14に通信要求を転送して実行主体を委譲する(ステップB308)。通信処理実行部14は、通信結果を受信するとともに通信結果を受信する(ステップA313)。通信結果の受信が完了すると、機器通信部11は機器間通信を終了し(ステップA314)、それに伴って機器通信部22も機器間通信を終了する(ステップB309)。通信処理実行部14は直接通信の通信処理を開始し(ステップA315)、直接通信部21は直接通信を開始する(ステップB310)。以降、直接通信が行われる。
【0071】
(他の例)
上記の例では、情報端末10が通信端末20をモデムとして利用することによって間接的に通信しているが、それに限られない。例えば、情報端末10自身が通信センター30と直接的に通信する構成としてもよい。この場合、アプリケーションからの通信要求に応じていずれの情報通信機器が実行主体となるかを判断することによって、適切な情報通信機器を実行主体とすることができる。
【0072】
以上、本発明の実施例について詳述したが、本発明は係る特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【符号の説明】
【0073】
10 情報端末
11 機器通信部
12 直接通信部
13 直接通信制御部
14 通信処理実行部
15 通信要求転送部
16 通信主体切替部
17 端末アプリケーション
20 通信端末
21 直接通信部
22 機器通信部
23 間接通信部
24 間接通信制御部
25 通信処理実行部
26 通信要求転送部
27 通信主体切替部
30 通信センター
40 ゲートウェイ装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アプリケーションからの通信要求を受信した場合に、通信センターとの通信処理を行う通信処理実行部と、
前記通信要求に応じて自機器が通信処理の実行主体となるか他機器が通信の実行主体となるかを判断し、前記自機器が通信処理の実行主体となると判断した場合に前記通信要求を前記通信処理実行部に転送し、前記他機器が通信処理の実行主体となると判断した場合に前記通信要求を前記他機器へ転送する通信要求転送部と、を備えることを特徴とする情報通信機器。
【請求項2】
前記通信処理実行部は、前記通信要求転送部が前記他機器へ前記通信要求を転送した際には、前記通信処理を停止することを特徴とする請求項1記載の情報通信機器。
【請求項3】
前記通信要求転送部は、前記通信要求を前記他機器へ転送する際に、前記他機器の通信処理実行部に転送することを特徴とする請求項1または2記載の情報通信機器。
【請求項4】
前記他機器との間でデータを送受信する機器通信部を備え、
前記機器通信部は、前記通信処理実行部が前記通信センターとの通信処理を行う際には、前記他機器との間でのデータの送受信を停止することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の情報通信機器。
【請求項5】
前記他機器は、携帯電話であり、
前記通信処理部は、前記携帯電話をモデムとして使用することによって前記通信センターと通信することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の情報通信機器。
【請求項6】
前記情報通信機器は、携帯電話であり、
前記通信処理部は、携帯通信のゲートウェイ装置を介して前記通信センターと通信処理することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の情報通信機器。
【請求項7】
前記通信要求には、自機器または他機器の通信を指定するコマンドを含むことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の情報通信機器。
【請求項8】
前記通信要求には、許容遅延量または通信データ量が含まれていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の情報通信機器。
【請求項9】
前記アプリケーションは、自機器または前記通信センターのアプリケーションであることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の情報通信機器。
【請求項10】
アプリケーションからの通信要求を受信した場合に、通信センターとの通信処理を行う通信処理実行ステップと、
前記通信要求に応じて自機器が通信処理の実行主体となるか他機器が通信の実行主体となるかを判断する判断ステップと、
前記判断ステップにおいて前記自機器が通信処理の実行主体となると判断された場合に前記通信要求を前記通信処理実行部に転送し、前記他機器が通信処理の実行主体となると判断された場合に前記通信要求を前記他機器へ転送する通信要求転送ステップと、を含むことを特徴とする情報通信方法。
【請求項11】
コンピュータに、
アプリケーションからの通信要求を受信した場合に、通信センターとの通信処理を行う通信処理実行ステップと、
前記通信要求に応じて自機器が通信処理の実行主体となるか他機器が通信の実行主体となるかを判断する判断ステップと、
前記判断ステップにおいて前記自機器が通信処理の実行主体となると判断された場合に前記通信要求を前記通信処理実行部に転送し、前記他機器が通信処理の実行主体となると判断された場合に前記通信要求を前記他機器へ転送する通信要求転送ステップと、を実行させることを特徴とする情報通信プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2013−5151(P2013−5151A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−133141(P2011−133141)
【出願日】平成23年6月15日(2011.6.15)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】