説明

情報配信システム

【課題】 電子情報の氾濫を解消するため、最適な情報をユーザーにカスタマイズして提供する。
【解決手段】 提供情報データベース部12に提供情報を蓄積し、検索単語データベース部14にはユーザーが指定した検索単語を蓄積する。検索単語収集処理部16によって通信回線を経てユーザーに対して検索単語入力画面を送信して該検索単語の入力を促し、ユーザーが入力・送信した検索単語を受信して検索単語データベース部14に登録していく。検索処理部18が、上記検索単語に基づいて提供情報データベース部14を検索し、ヒットした提供情報を個別提供情報として収集し、情報配信処理部20によってこの個別提供情報をユーザーに送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インターネットを活用してニュース等の提供情報を配信する情報配信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、インターネットが普及し、ADSLや光ファイバー等の高速回線化、そして常時接続回線化が進展している。例えば、効率よく情報を収集する手段として、メールマガジンやメーリングリストを用いることが一般的に行われている。メールマガジンは、発行者が、多数の登録メールアドレスに対して纏めてメールを配信し、多くの人にメッセージを伝えるものである。また、メーリングリストの場合は、メーリングリストに登録している参加者自身がメールの発行者になることができ、登録している参加者全員に一括してメールを配信することができるものである。このような情報配信システムによって、情報の収集量が増え、様々な情報を容易に入手できるようになった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、このように情報化社会が進展する中で、電子情報の氾濫も深刻化している。例えば、不正な自動メールマガジン登録システムによって、知らない間にメールマガジンやメーリングリストに登録され、見覚えのないメールが突然届く自体も発生している。また、SPAMメールに代表されるように、様々な迷惑メールの被害も拡大している。また、通常のメールマガジンにおいても、発行者の恣意によって、宣伝目的等の様々な情報を混在させて配信することが行われるため、この結果、本当に必要な情報のみを獲得することができないという問題があった。
【0004】
また、企業においても、市場(消費者)のニーズや要望を素早く商品やサービスに反映させ、競争力を増大させることが重要であるが、情報が氾濫しており、的確な情報収集が困難となっていた。
【0005】
本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、各ユーザーの欲しい電子情報を的確に提供することができ情報配信システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の上記目的は、下記の手段によって達成される。
【0007】
(1)ユーザーに提供するための提供情報が蓄積される提供情報データベース部と、ユーザーが指定した検索単語が蓄積される検索単語データベース部と、通信回線を経てユーザーに対して検索単語入力画面を送信して該検索単語の入力を促し、且つ、ユーザーが入力・送信した前記検索単語を受信して前記検索単語データベース部に登録する検索単語収集処理部と、前記検索単語に基づいて、前記提供情報データベース部の前記提供情報を検索し、ヒットした前記提供情報を個別提供情報として収集する検索処理部と、前記個別提供情報を、通信回線を介して前記ユーザーに送信する情報配信処理部と、を備えることを特徴とする情報配信システム。
【0008】
(2)上記(1)において、前記情報配信処理部は、前記ユーザーの端末装置から前記通信回線を介して送信要求があった場合に、前記個別提供情報を前記端末装置に対して送信するようにしたことを特徴とする情報配信システム。
【0009】
(3)上記(1)又は(2)において、前記情報配信処理部は、前記個別提供情報を電子メールによって前記ユーザーに送信するようにしたことを特徴とする情報配信システム。
【0010】
(4)上記(1)、(2)又は(3)において、前記情報配信処理部は、前回の検索時と今回の検索時の前記個別提供情報を比較して、今回の前記個別提供情報に新たな提供情報が含まれている際に、当該新たな提供情報を前記ユーザーに送信するようにしたことを特徴とする情報配信システム。
【0011】
(5)上記(1)乃至(4)のいずれかにおいて、前記検索単語収集処理部は、複数のユーザーによって登録された前記検索単語を集計して登録数の多い順に配列することで推薦検索単語リストを生成し、該推薦検索単語リストを前記ユーザーに送信して検索単語の選択を促すようにしたことを特徴とする情報配信システム。
【0012】
(6)上記(1)乃至(5)のいずれかにおいて、前記情報配信処理部が、前記個別提供情報の配信回数を集計すると共に、該提供情報を配信回数の多い順に配列して推薦提供情報を生成し、該推薦提供情報を前記ユーザーに送信するようにしたことを特徴とする情報配信システム。
【0013】
(7)上記(1)乃至(6)のいずれかにおいて、前記情報配信処理部が、前記個別提供情報におけるタイトル情報を抽出し、該タイトル情報を前記ユーザーに送信するようにしたことを特徴とする情報配信システム。
【0014】
(8)上記(1)乃至(7)のいずれかにおいて、更に、情報源となる所定情報が蓄積される情報源データベースに対して通信回線を介してアクセスし、前記所定情報を収集して全文検索用の単語インデックスを生成し、該単語インデックスを前記提供情報として前記提供情報データベース部に登録するロボット収集エンジン処理部を備えることを特徴とする情報配信システム。
【0015】
(9)上記(8)において、前記検索単語収集処理部は、前記単語インデックスに含まれる単語を総数の多い順に配列して推薦検索単語リストを生成し、該推薦検索単語リストを前記ユーザーに送信して検索単語の選択を促すようにしたことを特徴とする情報配信システム。
【0016】
(10)上記(1)乃至(9)のいずれかにおいて、前記検索単語収集処理部は、特定ユーザーのプロフィール情報に関連する特定検索単語リストを生成し、該特定検索単語リストを前記特定ユーザーに送信して検索単語の選択を促すようにしたことを特徴とする情報配信システム。
【0017】
(11)上記(1)乃至(10)のいずれかにおいて、前記検索単語データベースには、第1言語を用いて前記ユーザーが指定した第1検索単語と、該第1検索単語を第2言語で翻訳することで得られた第2検索単語とが蓄積されており、前記提供情報データベース部に蓄積される提供情報の言語が前記第2言語の場合には、前記検索処理部が、前記第2検索単語を用いて前記提供情報を検索するようにしたことを特徴とする情報配信システム。
【0018】
(12)上記(11)において、前記情報配信処理部は、前記第2検索単語によって検索された第2言語による前記個別情報を前記第1言語に翻訳し、前記ユーザーに送信するようにしたことを特徴とする情報配信システム。
【0019】
(13)上記(1)乃至(12)のいずれかにおいて、更に、ユーザーに対する前記提供情報の配信回数を集計し、前記配信回数と提供情報毎の単価情報に基づいて情報利用料金を算出する課金処理部を備えることを特徴とする情報配信システム。
【0020】
(14)上記(1)乃至(13)のいずれかにおいて、前記検索単語収集処理部は、所定の検索単語をカテゴリーに分類して階層状態の推薦検索単語リストを生成し、該推薦検索単語リストを前記ユーザーに送信して検索単語の選択を促すようにしたことを特徴とする情報配信システム。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、ユーザーのニーズに沿った情報を的確に配信できるという優れた効果を奏し得る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明の実施の形態の例を、図面を参照して詳細に説明する
【0023】
図1には、本発明の実施形態に係る情報配信システム10を含むネットワーク1の全体構成が示されている。このネットワーク1では、情報配信システム10が通信回線を介してインターネット2に接続されており、更にこのインターネット2には、複数のユーザー端末3や、情報源となる情報源データベース4が接続されて互いに通信できるようになっている。
【0024】
図2には、情報配信システム10の具体的な内部構成が示されている。情報配信システム10は、提供情報データベース部12、検索単語データベース部14、検索単語収集処理部16、検索処理部18、情報配信処理部20、ロボット収集エンジン処理部22及び課金処理部24を備えている。なお、各データベース12、14はハードディスクやメモリ等の各種記録媒体及びSQL等のデータベース用のアプリケーションプログラムによって実現されている。また、各処理部16、18、20、22、24に関しては、メモリ等に記録されたプログラムが中央演算装置(CPU)で実行されることによってその機能を実現する。なお、CPUによって実現される各処理部と各データベース12、14はシステムバス26によって接続されて、情報の受け渡しが可能になっている。なお、ここでは1つのサーバー内にシステム構築される場合を示したが、各データベースや処理部等は別々のサーバーに分散して配置してもよい。
【0025】
提供情報データベース部12は、図3(A)に示されるように、ユーザーに提供するための複数の提供情報120が蓄積されている。各提供情報120は、どの情報源データベース4に属する情報か否かを示す情報源コード122、タイトル情報124、実際のコンテンツとなる内容情報126、この情報が作成された情報作成日128、情報源データベース4から情報を収集した日付を意味する収集日130、この情報をインターネット2を経由して取得するためのURL情報132、この情報の言語情報134等が含まれている。提供情報データベース部12への提供情報120の登録は、ロボット収集エンジン処理部22によって実行される。このロボット収集エンジン処理部22は、アクセスすべき情報源データベース4のリストを保有しており、所定サイクルで情報源データベース4を巡回して、新しい情報が登録されていないか調べる。もし新しい情報が存在した場合には、その情報をピックアップして、提供情報データベース部12に順次登録していく。また、この提供情報120を構文解析して、キーワードになり得る単語のみを収集して単語インデックスを生成し、これも提供情報データベース12に提供情報120として蓄積しておくことが望ましい。後述する検索処理部18が単語インデックスに対して検索を実行することで、素早い検索が実現できるようになる。
【0026】
また、図3(B)に示されるように、複数の情報源データベース4の言語が互いに異なる場合には、その言語毎に提供情報データベース12を構築しておくことが望ましい。
【0027】
検索単語データベース部14は、図4に示されるように、ユーザーが指定した複数の検索単語(検索キーワード群)140が蓄積されている。つまり、ユーザーID146に対応させて、ユーザーが希望する検索用の検索単語140が複数登録されている。なお、この検索単語140はユーザーが日常利用している言語(第1言語)によって生成されているが、これ以外にも、第1言語と異なる第2言語であって、検索単語140と同一の意味をなす第2検索単語142も同時に蓄積されている。勿論、必要に応じて第3、第4・・・の複数種類の言語に翻訳された検索単語を登録しておいても構わない。これにより、図3(B)のような多言語の提供情報データベース12が存在する場合に、言語が一致する検索単語140(142・・・)を利用して自動的に検索することができる。なお、このように複数の言語を処理する場合には、多言語を統一コードで表現できるユニコード(UNICODE)などを用いることができる。
【0028】
検索単語収集処理部16は、図5に示されるように、インターネット2を経てユーザー端末3に対して検索単語入力画面160を送信する。これは、ユーザーに対して検索単語140の入力を促すためである。ユーザーはこの検索単語入力画面160の誘導に従って検索単語を選択/入力し、特に図示しない送信ボタンによってこれらの検索単語を送信する。検索単語収集処理部16は、ユーザーから送信された検索単語140を受信し、上記検索単語データベース部14に登録するようになっている。特に、本実施形態では、複数グループG1、G2、G3・・・毎に複数の検索単語を設定することができ、そのグループ毎に検索を行って個別提供情報をユーザーに配信する。また、各グループG1においても階層状に検索単語を設定することができ、例えば、第1グループG1では、大分類(上位分類)となる「銘柄」という検索単語と、その「銘柄」に属する提供情報の中で特に興味深い情報を抽出するための小分類(回分類)となる「石油」「石炭」「家電」「IT」「電話」という検索単語を設定している。なお、小分類に関しては、それらの検索単語によってAND検索をするのかOR検索を行うのかも指定することができる。この機能によってユーザーの好みに応じた最適な情報を絞り込む事ができるようになっている。なお、ここでは小分類に関してはユーザーが自ら考えた単語を入力するようになっているが、情報配信システム10側から、階層状になっているキーワードを提案し、上位概念の検索単語から下位概念の検索単語まで、全て選択によって設定できるようにしてもよい。
【0029】
更にこの検索単語入力画面160では「お勧めキーワード設定」ウインドウ164が用意されている。ここでは、予め用意されたお勧めキーワードを選択することで検索単語140を設定できるので、初心者にとって便利である。例えば、検索単語収集処理部16が提案するお勧めキーワードには、複数のユーザーらによって既に登録された検索単語140を集計し、その登録数の多い順に配列することで得られた検索単語リストを用いる。その上位6つの検索単語を推薦検索単語としてユーザー端末3に送信している。このようにすると、今、ユーザーの中で話題になっているキーワード、或いはユーザーのニーズに沿ったキーワードを自動的に推薦することができる。
また、それ以外にも、提供情報データベース部12内に含まれている単語を集計し、その単語を総数の多い順に配列して推薦検索単語リストを生成することも望ましい。このようにすると、ユーザー側ではなく、情報源側(即ち情報の作成者側)で今話題になっているニュース等を積極的に検索することができるようになる。
【0030】
更にこの検索単語入力画面160には、「あなた専用のお勧めキーワード設定」ウインドウ166も用意されている。ここでは、特定ユーザーのプロフィール情報に関連する検索単語を特定検索単語としてリスト化したものを送信している。例えば、ユーザーのプロフィールから広告関係に強い関心があることが明らかとなった場合には、広告関係の情報が収集できる検索単語を自動カスタマイズして、ユーザー毎に個別に配信するようになっている。この自動カスタマイズは、例えば、1つの単語から関連キーワードを自動的に抽出するプログラムなどを利用することができる。勿論、情報配信システム10を運用する担当者が、自らカスタマイズして手動で登録するようにしても良い。
【0031】
図2のブロック図に示されるように、検索処理部18は、先ず、検索単語データベース部14にアクセスして、ユーザーに対応する上記検索単語140を取り出す。その後、取り出した検索単語140に基づいて提供情報データベース12にアクセスして情報を検索し、検索単語140を含む提供情報120を収集して個別提供情報180を生成する。なお、この個別提供情報に関しては、一旦、所定のテキストファイルやデータベースに出力してもよく、また、後述する情報配信処理部20に直接情報を受け渡すようにしても良い。
【0032】
図6に示されるように、情報配信処理部20では、上記個別提供情報180を検索処理部18から受け取り、この個別提供情報180をユーザー端末3に送信して、そのディスプレイに情報配信画面200を表示する。例えば、情報配信画面200には、検索単語のグループG1、G2、G3に基づいてそれぞれ検索された個別提供情報群T1、T2、T3が表示されるようになっている。なお、ユーザー端末3に対して上記情報配信画面200を送信するタイミングは、ユーザー端末3から情報配信システム10に情報配信要求があったときである。具体的には、ユーザー端末3が固有のID及びパスワードを情報配信システム10に送信して、いわゆるログインを実行した時又はその後である。なお、この情報配信画面200では、個別提供情報180のタイトルのみがリンクとして表示されているが、このタイトルをクリックすれば、実際の具体的な内容を得ることができる。このように、先ずはタイトルリストをユーザーに提供することで、必要な情報か否か予め判断できるようにしている。なお、本実施形態ではユーザー側からの情報配信要求に基づいて情報を配信する場合を示したが、例えば、ユーザー端末3に常駐ソフトをインストールさせることで、プッシュ型の情報配信も可能である。
【0033】
更に本実施形態においては、複数の個別提供情報180において、既にその個別提供情報180を閲覧したか否かをチェックする閲覧済みチェックボックス202が用意されている。例えば、閲覧済みのチェックボックス202をチェックして、情報配信処理部20にそのチェック情報を送信した場合、次回、当該個別提供情報180はユーザー端末180に送信しないようになっている。つまり、ユーザーが未読の個別提供情報180のみを選択して、送信することができる。なお、ここではチェックボックス202によって閲覧状況を判断する場合を示したが、本発明はそれに限定されず、例えば、前回のログイン時(検索時)と今回のログイン時(検索時)の個別提供情報180を比較して、今回の個別提供情報180に新たな提供情報が含まれている際に、その新たな提供情報のみをユーザーに送信しても良い。つまり、各提供情報180を配信するのは一度だけにして、二度と同じ情報を繰り返し送信しないような仕組みにする。こうするとユーザーは常に新鮮な個別提供情報180のみを収集することが可能になる。
【0034】
なお、この情報配信画面200では、ユーザーが自らの検索単語で検索した個別提供情報180を送信する場合を示したが、例えばそれに加えて、他のユーザーによって検索された個別提供情報180を集計し、それらの提供情報の中でも最も検索ヒット数の多い順、或いは送信数の多い順に配列された推薦提供情報を生成し、それをユーザーに送信することも好ましい。このようにすると、他のユーザーがどのような提供情報120に興味を持っているかいち早く入手することができ、的確且つ素早い情報収集が可能になっている。
【0035】
なお、既に図3(B)で説明したように、ユーザーが通常利用する言語(第1言語)以外の言語(第2言語)の提供情報120が存在する場合、第2言語の検索単語142を用いて提供情報データベース12を検索する。この結果、第2言語による個別提供情報180が収集されることになる。その場合には、情報配信処理部20が有している自動翻訳機能によって、その第2言語による個別提供情報180を第1言語に翻訳して、ユーザーに送信する。従って、ユーザーにとっては言葉の壁を越えて、またその壁を意識すること無く、様々な言語の情報源から自由に情報収集できることになる。
【0036】
また本情報配信処理部20は、上記個別提供情報180を電子メールにて送信する機能を有している。例えば、図7に示されるように、個別提供情報180のタイトルリストが記載されている電子メールを、ユーザーの登録メールアドレス宛に定期的(例えば1回/24時間)に送信する。この場合は、1つの提供情報を重複してメールで配信することを防ぐため、検索処理部18では、配信サイクルに沿って、検索時前24時間以内に新規登録された提供情報120のみを検索対象として、個別提供情報180を収集し、電子メールによって配信するようにしている。
【0037】
本情報配信システム10のような情報配信サービスの場合、その著作権の管理が非常に重要になってくるが、ここでは課金処理部24が、各提供情報120のユーザーへの配信回数を集計する。そして、図8に示されるように、提供情報120毎の配信単価情報に基づいて、情報配信システム10の利用者(システム運営者の場合や個別のユーザー)が、情報源データベース4の著作権管理者に支払うべき情報利用料金を算出し、課金データ240を生成するようになっている。この課金データ240に従って課金を実行すれば、著作権等の利用許諾を得ながらしながら情報配信が可能になる。勿論、課金処理自体をオンラインで実行しても構わない。
【0038】
本実施形態の情報配信システム10によれば、システム運営者側で一方的に選択した情報を配信するのではなく、ユーザーの嗜好に沿った情報をまとめて送信することができるので、効率的に情報収集が可能になっている。また、WWWブラウザによって提供情報の配信を受ける場合と、電子メールによって情報の配信を受ける場合の双方に対応できるので、携帯電話で電子メールを受信したり、また、インターネットカフェ等においてWWWブラウザでアクセスしたりするなど、何処でもクリッピングされた有益な情報を得ることができる。また、情報配信処理部20においては、前回の個別提供情報180と今回の個別提供情報180を比較して重複配信を防止するようにしているので、情報量を最小限にしつつ、ユーザーにとって常に新鮮且つ有益な情報を送信することが可能となっている。
【0039】
また、このような検索単語による電子情報のクリッピングに関しては、ユーザーにとってどのような検索単語を設定すれば良いのか判断が難しい可能性があるが、検索単語収集処理部16が、他のユーザーらを含めて過去に登録された検索単語で人気の高い順に、自動的に検索単語リストを生成してユーザーに提案するようにしているので、ユーザーは検索単語を選択するだけで済む。このように多くのユーザーの力を借りて、自動的に優れた検索単語リストを作成していけば、システムの運営期間が長くなればなるほど、その精度も高まってくる。また、ユーザーの設定情報から得られた検索単語リストは、消費者の情報ニーズを反映したものになるので、例えば企業側にとっては、マーケッティングの参考情報にもなる。そして、高い人気の検索単語によって得られる提供情報120は、今の時代の流行を的確に映し出すことになる。
【0040】
同様に、送信回数の多い提供情報120を集計することによっても、現在の流行を分析することができる。この提供情報120のリストを企業側ユーザー等に送信すれば、消費者ニーズを分析するための有益な情報源になる。
【0041】
更に、この検索単語収集処理部16では、情報源となる提供情報データベース12に登録されている単語の総数の多い順に、推薦検索単語リストとしてユーザーに配信可能となっている。これは、情報を配信する側(情報を作成する側)の流行が反映されていることになる。従って、この推薦検索単語リストを利用して検索単語140を設定すれば、情報配信側が重要と考えている情報を的確に情報収集可能となっている。そして、上記のユーザー側から得られた検索単語リストと、情報作成側から得られた検索単語リストを比較することみよって、作り手と受け手の認識ギャップを把握することが可能になる。結局、この検索単語リストは単なる検索用途にとどまらず、流行を的確に把握するための有益なツールになる。なお、この実施形態では、特定ユーザーの為にカスタマイズされた検索単語リストを生成し、この特定ユーザーに提供することも可能となっているので、ユーザーの入力負担を軽減することができる。
【0042】
また、本情報配信システム10によれば、ユーザー自身の言語で検索単語登録するのみで、自動的に複数種類の言語の検索単語が設定され、それに基づいて、世界各国の提供情報を収集可能となっている。例えば、日本語で設定された検索単語が、英語、中国語、韓国語等に自動的に翻訳され、中国語の提案情報120に対しては中国語の検索単語で検索を実行し、英語の提案情報120に対しては英語で検索を実行することができる。それによって得られた各国の個別提供情報は、ユーザーが通常用いている言語に自動翻訳(機械翻訳)した上で、ユーザーに送信することができる。
【0043】
以上、本実施形態では、一つのサーバーによって複数の情報源データベースから各種情報を収集し、一つの統合的なデータベースとして機能させる場合を示したが、本発明はそれに限定されない。例えば、各情報源データベースを個別に情報収集して単語インデックス等を独立して作成し、この各単語インデックスに対して、上記クリッピングによる情報配信サービス、ユーザーと情報作成者との比較サービス、検索キーワード自動推薦サービスなどを提供することも可能である。これはいわゆるASP(アプリケーションサービスプロバイダー)として機能させることができ、ポータルサイトを運営している複数の情報源データベース所有者に対して、顧客サービスの一環として個別にクリッピング機能等を付加することが可能になる。
【0044】
更に本発明では、ユーザーが設定した検索単語の集計から得られる単語リスト情報と、情報作成者側の単語の集計から得られる単語リスト情報を、各種単語比較手段等によって分析又は数値化し、この分析結果を情報源データベース側(情報作成者、データベース運営者側)に対して分析情報として提供することが好ましい。このようにすると、例えば、ユーザーとのギャップをリアルタイムに把握したり、ユーザーの好みに合わせた情報配信を実行したりすることで、より多くのアクセス数を確保することが可能となる。更に、ユーザーにとって飽きが来ている情報は配信数を削減し、例えばユーザーのキーワードに設定されていない新鮮な情報を積極的に提供するという意思決定も可能になり、いわゆる情報配信側の戦略立案ツールとして利用できる。
【産業上の利用可能性】
【0045】
本発明にかかる情報配信装置は、メール配信システムやインターネットを活用したポータルサイトサービス、その他、マーケッティング用途向けの情報収集ツール等にも用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明の実施の形態の情報配信システムを含むネットワーク構成を示す全体図
【図2】同情報配信システムの内部構成を示すブロック図
【図3】同情報配信システムにおける提供情報データベース部のデータ配列等を示す図
【図4】同情報配信システムにおける検索単語データベース部のデータ配列を示す図
【図5】同情報配信システムが送信する検索単語入力画面を示すインターフェース図
【図6】同情報配信システムが送信する情報配信画面を示すインターフェース図
【図7】同情報配信システムが送信する電子メールの内容を示すサンプル図
【図8】同情報配信システムが生成する課金データを示す概念図
【符号の説明】
【0047】
1 ネットワーク
2 インターネット
3 ユーザー端末
4 情報源データベース
10 情報配信システム
12 提供情報データベース部
14 検索単語データベース部
16 検索単語収集処理部
18 検索処理部
20 情報配信処理部
22 ロボット収集エンジン処理部
24 課金処理部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザーに提供するための提供情報が蓄積される提供情報データベース部と、
ユーザーが指定した検索単語が蓄積される検索単語データベース部と、
通信回線を経てユーザーに対して検索単語入力画面を送信して該検索単語の入力を促し、且つ、ユーザーが入力・送信した前記検索単語を受信して前記検索単語データベース部に登録する検索単語収集処理部と、
前記検索単語に基づいて、前記提供情報データベース部の前記提供情報を検索し、ヒットした前記提供情報を個別提供情報として収集する検索処理部と、
前記個別提供情報を、通信回線を介して前記ユーザーに送信する情報配信処理部と、
を備えることを特徴とする情報配信システム。
【請求項2】
請求項1において、
前記情報配信処理部は、前記ユーザーの端末装置から前記通信回線を介して送信要求があった場合に、前記個別提供情報を前記端末装置に対して送信するようにした
ことを特徴とする情報配信システム。
【請求項3】
請求項1又は2において、
前記情報配信処理部は、前記個別提供情報を電子メールによって前記ユーザーに送信するようにした
ことを特徴とする情報配信システム。
【請求項4】
請求項1、2又は3において、
前記情報配信処理部は、前回の検索時と今回の検索時の前記個別提供情報を比較して、今回の前記個別提供情報に新たな提供情報が含まれている際に、当該新たな提供情報を前記ユーザーに送信するようにした
ことを特徴とする情報配信システム。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれかにおいて、
前記検索単語収集処理部は、複数のユーザーによって登録された前記検索単語を集計して登録数の多い順に配列することで推薦検索単語リストを生成し、該推薦検索単語リストを前記ユーザーに送信して検索単語の選択を促すようにしたことを特徴とする情報配信システム。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれかにおいて、
前記情報配信処理部が、前記個別提供情報の配信回数を集計すると共に、該提供情報を配信回数の多い順に配列して推薦提供情報を生成し、該推薦提供情報を前記ユーザーに送信するようにしたことを特徴とする情報配信システム。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれかにおいて、
前記情報配信処理部が、前記個別提供情報におけるタイトル情報を抽出し、該タイトル情報を前記ユーザーに送信するようにした
ことを特徴とする情報配信システム。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれかにおいて、更に、
情報源となる所定情報が蓄積される情報源データベースに対して通信回線を介してアクセスし、前記所定情報を収集して全文検索用の単語インデックスを生成し、該単語インデックスを前記提供情報として前記提供情報データベース部に登録するロボット収集エンジン処理部を備えることを特徴とする情報配信システム。
【請求項9】
請求項8において、
前記検索単語収集処理部は、前記単語インデックスに含まれる単語を総数の多い順に配列して推薦検索単語リストを生成し、該推薦検索単語リストを前記ユーザーに送信して検索単語の選択を促すようにしたことを特徴とする情報配信システム。
【請求項10】
請求項1乃至9のいずれかにおいて、
前記検索単語収集処理部は、特定ユーザーのプロフィール情報に関連する特定検索単語リストを生成し、該特定検索単語リストを前記特定ユーザーに送信して検索単語の選択を促すようにしたことを特徴とする情報配信システム。
【請求項11】
請求項1乃至10のいずれかにおいて、
前記検索単語データベースには、第1言語を用いて前記ユーザーが指定した第1検索単語と、該第1検索単語を第2言語で翻訳することで得られた第2検索単語とが蓄積されており、
前記提供情報データベース部に蓄積される提供情報の言語が前記第2言語の場合には、前記検索処理部が、前記第2検索単語を用いて前記提供情報を検索するようにした
ことを特徴とする情報配信システム。
【請求項12】
請求項11において、
前記情報配信処理部は、前記第2検索単語によって検索された第2言語による前記個別情報を前記第1言語に翻訳し、前記ユーザーに送信するようにした
ことを特徴とする情報配信システム。
【請求項13】
請求項1乃至12のいずれかにおいて、更に、
ユーザーに対する前記提供情報の配信回数を集計し、前記配信回数と提供情報毎の単価情報に基づいて情報利用料金を算出する課金処理部を備えることを特徴とする情報配信システム。
【請求項14】
請求項1乃至13のいずれかにおいて、
前記検索単語収集処理部は、所定の検索単語をカテゴリーに分類して階層状態の推薦検索単語リストを生成し、該推薦検索単語リストを前記ユーザーに送信して検索単語の選択を促すようにしたことを特徴とする情報配信システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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