説明

情報配信システム

【課題】複数の教室又は複数の指導者が共有するデータをより効率的に配信する。
【解決手段】教育施設においてサーバ10から複数の教室端末20へ情報を配信する情報配信システムであって、サーバ10は、全ての教室端末20へ配信する全校共通情報データ及び教室端末20のそれぞれに対して個別に配信する教室別情報データを記憶する記憶部13と、全校共通情報データ及び教室別情報データを教室端末20へ配信するサーバ・教室端末間通信部16と、を備え、教室端末20は、全校共通情報データ及び教室別情報データを受信するサーバ・教室端末間通信部28と、全校共通情報データ及び教室別情報データを記憶する記憶装置又は記憶媒体と、全校共通情報データ又は教室別情報データを表示する表示部25と、表示部25の表示内容を切り替えるCPU21と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報配信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、学校や学習塾等の教育施設において、指導者から生徒へ学習に関する資料データを配信するための情報配信が行われている(例えば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−24977号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の構成によるデータ配信は、授業時間に用いる資料データを取り扱うにあたり、各教室で配信するデータを指導者が個別に指定する必要があった。このため、複数の教室において共通して使用されるデータを配信する場合であっても、各教室で各指導者がデータを配信する作業を行わなければならず、極めて煩雑であった。
【0005】
本発明の課題は、複数の教室又は複数の指導者が共有するデータをより効率的に配信することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、教育施設においてサーバから複数の端末へ情報を配信する情報配信システムであって、前記サーバは、全ての端末へ配信する共通情報を記憶する共通情報記憶手段と、複数の端末のそれぞれに対して個別に配信する個別情報を記憶する個別情報記憶手段と、前記共通情報及び前記個別情報を前記端末へ配信する配信手段と、を備え、前記端末は、前記共通情報及び前記個別情報を受信する受信手段と、前記共通情報及び前記個別情報を記憶する記憶手段と、前記共通情報又は前記個別情報を表示する表示手段と、前記表示手段の表示内容を前記共通情報又は前記個別情報の何れかに切り替える制御手段と、を備えることを特徴とする。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の情報配信システムであって、前記端末は、所定の時間帯と、当該所定の時間帯に前記表示手段により表示する前記共通情報又は前記個別情報と、を対応付ける時間割情報を記憶する時間割情報記憶手段をさらに備え、前記制御手段は、前記時間割情報に基づいて前記表示手段の表示内容を前記共通情報又は前記個別情報の何れかに切り替えることを特徴とする。
【0008】
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の情報配信システムであって、前記端末は、予め設けられた表示情報を記憶する表示情報記憶手段と、前記共通情報及び前記個別情報の配信を検知する配信検知手段と、をさらに備え、前記制御手段は、前記配信検知手段により前記共通情報又は前記個別情報の配信が検知されるまでは前記表示情報を前記表示手段に表示させ、前記配信検知手段により前記共通情報又は前記個別情報の配信が検知された場合に、前記受信手段により受信した前記共通情報、前記個別情報のうち最近に受信した情報を前記表示手段に表示させることを特徴とする。
【0009】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の情報配信システムであって、前記サーバは、所定の時間帯と、当該所定の時間帯に前記配信手段により配信する前記共通情報又は前記個別情報と、を対応付ける時間割情報を記憶する時間割情報記憶手段と、前記時間割情報に基づいて前記配信手段により配信する情報を決定する配信情報決定手段と、をさらに備えることを特徴とする。
【0010】
請求項5に記載の発明は、請求項1から4のいずれか一項に記載の情報配信システムであって、前記端末は、当該端末に設けられて入力を受け付ける入力手段をさらに備え、前記制御手段は、前記入力手段からの入力内容に基づいて前記表示手段の表示内容を前記共通情報又は前記個別情報の何れかに切り替えることを特徴とする。
【0011】
請求項6に記載の発明は、請求項1から5のいずれか一項に記載の情報配信システムであって、前記情報配信システムは、前記端末と通信可能に設けられて前記端末に対して入力を行う外部機器をさらに有し、前記端末は、前記外部機器からの入力を受け付ける入力受付手段をさらに備え、前記制御手段は、前記入力受付手段が前記外部機器からの入力内容に基づいて前記表示手段の表示内容を前記共通情報又は前記個別情報の何れかに切り替えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、複数の教室又は複数の指導者が共有するデータをより効率的に配信することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の第1実施形態による情報配信システムの主要構成を示す図である。
【図2】サーバのブロック図である。
【図3】教室端末のブロック図である。
【図4】指導者端末のブロック図である。
【図5】全校共通情報データの構成の一例を示す図である。
【図6】全校共通情報テーブルの一例を示す図である。
【図7】教室別情報データの構成の一例を示す図である。
【図8】教室別情報テーブルの一例を示す図である。
【図9】教室端末が保持するデータの一例を示す図である。
【図10】時間割テーブルの一例を示す図である。
【図11】表示部の表示内容の一例を示す。図11(A)は全校共通情報データに含まれる情報を表示した場合の一例を示す図である。図11(B)は教室別情報データに含まれる情報を表示した場合の一例を示す図である。
【図12】サーバの動作の流れを示すフローチャートである。
【図13】教室端末の動作の流れを示すフローチャートである。
【図14】第2実施形態における全校共通情報データ及び教室別情報データの構成の一例を示す図である。
【図15】第2実施形態におけるサーバの動作の流れを示すフローチャートである。
【図16】第2実施形態における教室端末の動作の流れを示すフローチャートである。
【図17】アート変換機能による写真画像の表示例を示す図である。図17(A)は、アート変換機能による加工を行わない元の写真画像の一例を示す図である。図17(B)は、アート変換機能により水彩画調に加工した写真画像の表示例を示す図である。
【図18】アート変換機能による写真画像の表示例を示す図である。図18(A)は、アート変換機能により油絵調に加工した写真画像の表示例を示す図である。図18(B)は、アート変換機能により点描調に加工した写真画像の表示例を示す図である。
【図19】アート変換機能による写真画像の表示例を示す図である。図19(A)は、アート変換機能によりエアブラシでの描画調に加工した写真画像の表示例を示す図である。図19(B)は、アート変換機能により図18(A)とは異なる油絵調に加工した写真画像の表示例を示す図である。
【図20】アート変換機能による写真画像の表示例のうち、アート変換機能により図18(A)、図19(B)とは異なる油絵調に加工した写真画像の表示例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に、本発明について、図面を用いて具体的な態様を説明する。ただし、発明の範囲は、図示例に限定されない。
【0015】
(第1実施形態)
図1に、本発明の第1実施形態による情報配信システム1の主要構成を示す。
情報配信システム1は、サーバ10、教室端末20及び指導者端末40を有する。教室端末20は「端末」として機能し、指導者端末40は「外部機器」として機能する。
教室端末20、指導者端末40は複数設けられる。図示しないが、教室端末20は教育施設の各教室に個別に設けられる。指導者端末40は、複数の指導者の各々が有する。
【0016】
サーバ10と教室端末20とは、ネットワーク回線Nを介して接続される。第1実施形態では、ネットワーク回線Nは有線のLAN(Local Area Network)により構築されるが、ネットワーク回線Nは、有線/無線を問わず、また採用するプロトコル等の各種の詳細条件を問わず、情報配信システム1を採用する教育施設においてサーバ10と教室端末20との間でデータ伝送が行えればよい。
また、第1実施形態では、教室端末20と指導者端末40との間で無線通信が行われるが、教室端末20と指導者端末40との間における通信は有線/無線を問わず、また採用するプロトコル等の各種の詳細条件を問わず、情報配信システム1を採用する教育施設において教室端末20と指導者端末40との間でデータ伝送が行えればよい。
【0017】
図2に、サーバ10のブロック図を示す。
サーバ10は、CPU11、RAM12、記憶部13、入力部14、表示部15、サーバ・教室端末間通信部16及び計時部17を備え、これらの各構成はバス18により接続される。
【0018】
CPU11は、記憶部13に記憶されたプログラムをRAM12に読み出して処理する。CPU11は、記憶部13内に記憶されたプログラムと協働して、RAM12に展開されたプログラムやデータ等に従ってサーバ10の動作制御を行う。
RAM12は、CPU11の処理によって展開されたデータや、当該処理によって一時的に生じたデータ等を格納する。
記憶部13は、CPU11によって読み出されるプログラムやデータ等を記憶する。記憶部13は、例えばハードディスクドライブやフラッシュメモリ、その他の書き換え可能な記憶装置又はそれらの記憶装置の組合せ等によって構成される。
【0019】
入力部14は、サーバ10に対して入力操作を可能とする。入力部14は、例えばキーボードやマウス、その他の入力装置又はそれらの入力装置の組合せ等によって構成される。入力部14は、利用者による入力操作を受け付けてその入力操作内容に応じた信号をCPU11へ入力する。
表示部15は、CPU11の処理内容に応じた表示出力を行う。表示部15は、例えばブラウン管や液晶表示装置、有機エレクトロルミネセンス(Electro-Luminescence、EL)ディスプレイ、その他の表示装置又はそれらの表示装置の組合せ等によって構成される。
【0020】
サーバ・教室端末間通信部16は、外部機器(教室端末20)との間でデータ伝送を行う。サーバ・教室端末間通信部16は、例えばネットワークインターフェースカード(Network Interface Card、NIC)等の通信装置を有し、ネットワーク回線Nを通じて教室端末20と通信を行う。
【0021】
計時部17は、日時を計時する。CPU11は、計時部17から現在時刻を取得する。
【0022】
図3に、教室端末20のブロック図を示す。
教室端末20は、CPU21、RAM22、ROM23、入力部24、表示部25、音声出力部26、インタフェース27、サーバ・教室端末間通信部28、教室端末・指導者端末間通信部29及び計時部30を備え、これらの各構成はバス31により接続される。
第1実施形態における教室端末20は、例えば、デジタルフォトフレーム、携帯端末装置、PDA(Personal Digital Assistants)、PC(Personal Computer)等の端末装置である。
【0023】
CPU21は、ROM23に記憶されたプログラムをRAM22に読み出して処理する。CPU21は、ROM23内に記憶されたプログラムと協働して、RAM22に展開されたプログラムやデータ等に従って教室端末20の動作制御を行う。
RAM22は、CPU21の処理によって展開されたデータや、当該処理によって一時的に生じたデータ等を格納する。
ROM23は、CPU21によって読み出されるプログラムやデータ等を記憶する。
【0024】
入力部24は、スイッチ24a、リモコン受付部24bを有する。
スイッチ24aは、教室端末20に設けられた一又は複数のキー(ボタン)に対する入力操作を受け付け、その入力内容をCPU21へ入力する。
リモコン受付部24bは、別途設けられたリモコン24cを介して行われた入力操作内容を受け付け、CPU21へ入力する。
【0025】
表示部25は、CPU11の処理内容に応じた表示出力を行う。表示部25は、例えば液晶表示装置、有機エレクトロルミネセンス(Electro-Luminescence、EL)ディスプレイ、その他の表示装置又はそれらの表示装置の組合せ等によって構成される。
音声出力部26は、CPU11の処理内容に応じた音声出力を行う。音声出力部26は、例えば、一若しくは複数のスピーカ又はその他の音声出力装置を備える。
インタフェース27は、教室端末20に対して外部の機器を接続することを可能とし、CPU21はインタフェース27に接続された機器との間でデータ伝送を行うことができる。インタフェース27の一例として、メモリーカード等の記憶媒体を接続するメモリーカード・スロットとして設けられる場合が挙げられるが、インタフェース27の形態や接続可能な機器は特に制限されない。例えばUSB(Universal Serial Bus)等、所定の規格を採用したインタフェースとしてもよい。
サーバ・教室端末間通信部28は、外部機器(サーバ10)との間でデータ伝送を行う。サーバ・教室端末間通信部28は、例えばネットワークインターフェースカード(Network Interface Card、NIC)等の通信装置を有し、ネットワーク回線Nを通じてサーバ10と通信を行う。
教室端末・指導者端末間通信部29は、外部機器(指導者端末40)との間でデータ伝送を行う。教室端末・指導者端末間通信部29は、例えばBluetoothやIrDA等の近距離を想定した無線通信を行うための通信装置を有し、当該通信装置により外部機器との間でデータ伝送を行う。
【0026】
計時部30は、日時を計時する。CPU21は、計時部30から現在時刻を取得する。
【0027】
また、複数の教室端末20はそれぞれ個別の教室IDを有する。教室IDは、個々の教室端末20を区別することが可能なデータであれば何でもよい。例えば個別に設定された文字列をROM23に記憶させるようにしてもよいし、個々の教室端末20が有する固有の情報データ(例えばNICに設定されたMACアドレス等)を流用するようにしてもよい。第1実施形態では、一桁の数字と一文字のアルファベットを組み合わせた教室IDを設定して用いる例を示す(図1、図8参照)。
【0028】
図4に、指導者端末40のブロック図を示す。
指導者端末40は、CPU41、RAM42、記憶部43、入力部44、表示部45及び教室端末・指導者端末間通信部46を備え、これらの各構成はバス47により接続される。
【0029】
CPU41は、記憶部43に記憶されたプログラムをRAM42に読み出して処理する。CPU41は、記憶部43内に記憶されたプログラムと協働して、RAM42に展開されたプログラムやデータ等に従って指導者端末40の動作制御を行う。
RAM42は、CPU41の処理によって展開されたデータや、当該処理によって一時的に生じたデータ等を格納する。
記憶部43は、CPU41によって読み出されるプログラムやデータ等を記憶する。記憶部43は、例えばハードディスクドライブやフラッシュメモリ、その他の書き換え可能な記憶装置又はそれらの記憶装置の組合せ等によって構成される。
【0030】
入力部44は、指導者端末40に対して入力操作を可能とする。入力部44は、例えばキーボードやマウス、その他の入力装置又はそれらの入力装置の組合せ等によって構成される。入力部44は、利用者による入力操作を受け付けてその入力操作内容に応じた信号をCPU41へ入力する。
表示部45は、CPU41の処理内容に応じた表示出力を行う。表示部45は、例えばブラウン管や液晶表示装置、有機エレクトロルミネセンス(Electro-Luminescence、EL)ディスプレイ、その他の表示装置又はそれらの表示装置の組合せ等によって構成される。
【0031】
教室端末・指導者端末間通信部46は、外部機器(教室端末20)との間でデータ伝送を行う。教室端末・指導者端末間通信部46は、例えばBluetoothやIrDA等の近距離を想定した無線通信を行うための通信装置を有し、当該通信装置により外部機器との間でデータ伝送を行う。
サーバ10から教室端末20へデータ伝送に関して説明する。
サーバ10は、教室端末20へ配信するデータを記憶部13に記憶している。
サーバ10から教室端末20へ配信されるデータとして、全校共通情報データがある。全校共通情報データは、全ての教室端末20に対して共通して配信される「共通情報」として機能するデータである。ここで、記憶部13は、全ての教室端末20へ配信する共通情報を記憶する共通情報記憶手段として機能する。
【0032】
図5に、全校共通情報データの構成の一例を示す。
図5に示すように、全校共通情報データは、複数の表示情報を含むことができる。図5に示す例では、全校共通情報データは、全校共通情報A、全校共通情報B、全校共通情報C、全校共通情報D、全校共通情報Eを含む。全校共通情報A、全校共通情報B、全校共通情報C、全校共通情報D、全校共通情報Eはそれぞれ異なる情報であってもよいし、その一部又は全部が同一の内容を含んでいてもよい。
【0033】
サーバ10は、全校共通情報データを全校共通情報テーブルにより管理する。
図6に、全校共通情報テーブルの一例を示す。
全校共通情報テーブルは、図6に示すように、配信日時と全校共通情報データとを対応付ける。サーバ10のCPU11は、計時部17から取得した現在時刻が配信日時となったとき、全校共通情報テーブルに基づき、その配信日時と対応付けられた全校共通情報データを配信する。
図6では、配信日時の一例として、「yyyy/mm/dd hh:mm:ss」(yyyyは西暦年、mmは月、ddは日、hhは時、mmは分、ssは秒)の形式を用いているが、日時を特定することができるあらゆる形式を用いることができる。また、図6に示す日付別の全校共通情報データの構成は、それぞれが共通のデータ構造(例えば図5に示す構成)を有する。
【0034】
また、サーバ10から教室端末20へ配信されるデータとして、教室別情報データがある。教室別情報データは、複数の端末のそれぞれに対して個別に配信される「個別情報」として機能するデータである。ここで、記憶部13は、複数の教室端末20のそれぞれに対して個別に配信する個別情報を記憶する個別情報記憶手段として機能する。
【0035】
図7に、教室別情報データの構成の一例を示す。
図7に示すように、教室別情報データは、複数の表示情報を含むことができる。図7に示す例では、教室別情報データは、教室別情報H、教室別情報I、教室別情報J、教室別情報Kを含む。教室別情報H、教室別情報I、教室別情報J、教室別情報Kはそれぞれ異なる情報であってもよいし、その一部又は全部が同一の内容を含んでいてもよい。
【0036】
サーバ10は、教室別情報データを教室別情報テーブルにより管理する。
図8に、教室別情報テーブルの一例を示す。
教室別情報テーブルは、図8に示すように、教室端末20の各々の教室IDと、教室端末20の各々に配信する教室別情報データとを対応付ける。サーバ10のCPU11は、教室別情報テーブルに基づき、それぞれの教室IDを有する教室端末20に対してその教室IDと対応付けられた教室別情報データを配信する。図8に示す教室ID別の教室別情報データの構成は、それぞれが共通のデータ構造(例えば図7に示す構成)を有する。また、教室別情報テーブルは、例えば図6に示す全校共通情報テーブルのように、配信日時に係る情報を含んでもよい。
【0037】
サーバ10のCPU11は、所定の期間(例えば1日等)に1度、サーバ・教室端末間通信部16を介して、全校共通情報データを配信する。第1実施形態では、全校共通情報データは全ての教室端末に配信されるが、所定のルールに基づいて、特定の教室端末のみを配信の対象から外すことができるようにしてもよい。また、サーバ10のCPU11は、サーバ・教室端末間通信部16を介して、教室IDに対応する教室別情報データを教室端末の各々に対して配信する。ここで、CPU11とサーバ・教室端末間通信部16は協働により、共通情報及び個別情報を教室端末20へ配信する配信手段として機能する。
配信された各種のデータは、教室端末20に受信され、記憶される。教室端末20のサーバ・教室端末間通信部28は、受信した全校共通情報データ及び教室別情報データをCPU21へ渡す。ここで、サーバ・教室端末間通信部28は、共通情報及び個別情報を受信する受信手段として機能する。
【0038】
図9に、教室端末20が保持するデータの一例を示す。
教室端末20は、全校共通情報データ、教室別情報データ及び時間割テーブルを保持する。教室端末20に保持される各種データは、例えばインタフェース27を介して接続された記憶装置や記憶媒体に記憶されてもよいし、図示しない書き換え可能な記憶装置(例えばフラッシュメモリ等)を教室端末20に設け、当該記憶装置に記憶するようにしてもよいし、その両方を兼用してもよい。ここで、インタフェース27を介して接続された記憶装置や記憶媒体、図示しない書き換え可能な記憶装置等は、共通情報及び個別情報を記憶する記憶手段として機能する。
【0039】
図10に、時間割テーブルの一例を示す。
時間割テーブルは、図10に示すように、所定の時間帯と、当該所定の時間帯に表示する全校共通情報又は教室別情報と、を対応付ける。教室端末20のCPU21は、時間割テーブルに基づいて表示部25の表示内容を制御する。
【0040】
時間割テーブルは、例えばROM23やインタフェース27を介して接続された記憶装置や記憶媒体に記憶するようにしてもよいし、図示しない書き換え可能な記憶装置(例えばフラッシュメモリ等)に記憶するようにしてもよい。ここで、ROM23やインタフェース27を介して接続された記憶装置や記憶媒体、図示しない書き換え可能な記憶装置等は、時間割情報を記憶する時間割情報記憶手段として機能する。
【0041】
CPU21は、計時部30から現在時刻を取得し、時間割テーブルに設定された時間帯のうち現在時刻を含む時間帯を特定し、特定された時間帯と対応付けられた表示内容を特定する。そして、CPU21は、特定された表示内容に対応する全校共通情報データ又は教室別情報データを読み出してその内容の一部又は全部を表示部25に表示させる。ここで、表示部25は、共通情報又は個別情報を表示する表示手段として機能する。また、CPU21は、表示手段の表示内容を共通情報(全校共通情報)又は個別情報(教室別情報)の何れかに切り替える制御手段として機能する。
【0042】
図11(A)、(B)に、表示部25の表示内容の一例を示す。図11(A)は全校共通情報データに含まれる情報を表示した場合の一例を示し、図11(B)は教室別情報データに含まれる情報を表示した場合の一例を示す。
図11(A)に示す全校共通情報データに含まれる情報の表示例は、所定の日時に行われるイベントの日時、場所、イベントの進行に係る情報(プログラム)を表示しているが、当該表示例に限らず、教育施設において複数の教室に跨って通知するあらゆる情報を含めることができる。
図11(B)に示す教室別情報データに含まれる情報の表示例は、その教室が所属する組(クラス)特有のイベントに係る情報として、日時、場所、イベント開始における集合場所、イベント参加に必要な所持品等を表示しているが、当該表示例に限らず、教育施設において各組に所属する人物(生徒や関係者等)に通知するあらゆる情報を含めることができる。
【0043】
第1実施形態の場合、教室端末20のCPU21は、図10に示す時間割テーブルに基づき、8:00〜8:30の時間帯には全校共通情報データに含まれる全校共通情報Aを表示する。また、CPU21は、8:30〜9:15の時間帯には教室別情報データに含まれる教室別情報Hを表示する。同様に、CPU21は、9:15〜9:25の時間帯には全校共通情報Bを表示し、9:25〜10:10の時間帯には教室別情報Iを表示し、10:10〜10:20の時間帯には全校共通情報Cを表示し、10:20〜11:05の時間帯には教室別情報Jを表示し、11:05〜11:15の時間帯には全校共通情報Dを表示し、11:15〜12:00の時間帯には教室別情報Kを表示し、12:00〜13:0の時間帯には全校共通情報Eを表示する。
ここで例示した図10の時間割テーブルに基づく表示制御や、図5、図7に示す全校共通情報データ、全校共通情報データの内容はあくまで一例であり、時間割テーブルによる時間帯の設定及び表示内容の制御ならびに全校共通情報データ及び全校共通情報データの内容は適宜、任意に設定することができる。
【0044】
また、教室端末20のCPU21は、入力部24を介して行われた入力内容に基づいて表示部25の表示内容を制御する。
例えば、CPU21は入力部24から行われた所定の入力操作に応じて、教室端末20に保持されている全校共通情報データや教室別情報データに含まれる情報の一部又は全部を閲覧可能な状態で表示部25に表示させる。この状態から、さらに入力部24から行われた入力操作により、全校共通情報又は教室別情報のいずれかが選択された場合、CPU21は、選択された情報を表示部25に表示させる。ここで、入力部24は、入力手段として機能する。
これによって、教室端末20の利用者(例えばその教室の指導者や生徒等)は、教室端末20の表示部25に表示される情報を任意に選択決定することができる。
【0045】
また、教室端末20のCPU21は、教室端末・指導者端末間通信部29を介して、指導者端末40からの入力を受け付ける。指導者端末40は、その指導者端末40を利用するユーザ(例えば指導者等)の操作内容に応じて教室端末20に対して入力を行う。ここで、指導者端末40は、教室端末20に対して入力を行う外部機器として機能する。また、CPU21と教室端末・指導者端末間通信部29は協働により、外部機器からの入力を受け付ける入力受付手段として機能する。
指導者端末40は、教室端末20の表示部25に表示される情報を任意に選択決定することができる。指導者端末40は、指導者端末40の利用者(例えば指導者等)の入力操作に応じて、教室端末20との通信を介して教室端末20に保持されている全校共通情報データや教室別情報データを参照し、その中から表示部25に表示させる情報を選択決定するための指示入力を行う。
これによって、指導者端末40の利用者(例えば指導者等)は、教室端末20の表示部25に表示される情報を任意に選択決定することができる。
【0046】
第1実施形態では、教室端末20のCPU21は、入力部24や指導者端末40からの指示入力があった場合、時間割テーブルに基づく表示制御より優先して指示入力に応じた表示制御を行う。その後、現在時刻の遷移により時間割テーブルに設定された時間帯が移り変わったとき、CPU21は時間割テーブルに基づく表示制御を行う。
【0047】
なお、教室端末20により表示される情報を含むデータを、指導者端末40から入力することもできる。例えば、指導者端末40から教室別情報データの一部又は全部を教室端末20へ入力すると共に、入力したデータに含まれる情報を表示させる指示入力を行うことで、指導者端末40から入力したデータに基づく表示を教室端末20に行われることができる。これによって、サーバ10から配信された情報に限らない任意の情報を教室端末20に表示させることができる。
【0048】
以下、フローチャートを用いてサーバ10及び教室端末20の動作の流れを説明する。
図12に、サーバ10の動作の流れをフローチャートで示す。
サーバ10のCPU11は、計時部30から得られる現在時刻に基づき、全校共通情報テーブルに設定されている配信日時まで待機する(ステップS1:NO)。配信日時を迎えると(ステップS1:YES)、CPU11はRAM22に送信バッファを設定し、当該配信日時と対応付けられた全校共通情報データを読み出して送信バッファに格納する(ステップS2)。
また、CPU11は、データを送信する教室端末20の教室IDを特定する(ステップS3)。そして、CPU11は、教室別情報テーブルにおいてステップS3の処理により特定された教室IDと対応付けられた教室別情報データを記憶部13から読み出して送信バッファに格納する(ステップS4)。
その後、CPU11は、送信バッファの内容を、ステップS3の処理により特定された教室IDを有する教室端末20に送信する(ステップS5)。
サーバ10によるデータの送信は、教室端末20のそれぞれに対して個別に行われる。
【0049】
ステップS2の処理と、ステップS3、S4の処理と、は順不同である。
また、第1実施形態では教室端末20に全校共通情報データと教室別情報データを一括して送る処理を取っているが、異なるデータ送信順序を取ってもよい。例えば、全ての教室端末20に全校共通情報データを一括送信する処理と、教室端末20のそれぞれに対応した教室別情報データを送信する処理と、を行うようにしてもよい。
【0050】
図13に、教室端末20の動作の流れをフローチャートで示す。
教室端末20のCPU21は、サーバ10から全校共通情報データと教室別情報データを受信するまで待機する(ステップS11:NO)。サーバ10から全校共通情報データと教室別情報データを受信すると(ステップS11:YES)、CPU21は、インタフェース27を介して接続された記憶装置や記憶媒体等に受信した全校共通情報データと教室別情報データを記憶させる(ステップS12)。
【0051】
その後、入力部24及び指導者端末40からの指示入力がない場合(ステップS13:NO)、CPU21は、計時部30から現在時刻を取得し(ステップS14)、時間割テーブルを読み出す(ステップS15)。CPU21は、ステップS14、S15の処理により得た現在時刻と時間割テーブルとを照合して、現在時刻が全校共通情報の表示時間帯であるか判定する(ステップS16)。現在時刻が全校共通情報の表示時間帯である場合(ステップS16:YES)、CPU21は全校共通情報データを読み出して、時間割テーブルにおいて現在時刻を含む時間帯と対応付けられた全校共通情報を抽出する(ステップS17)。一方、ステップS16の判定において現在時刻が全校共通情報の表示時間帯でない場合(ステップS16:NO)、CPU21は、教室別情報データを読み出して、時間割テーブルにおいて現在時刻を含む時間帯と対応付けられた教室別情報を抽出する(ステップS18)。
【0052】
割り込み処理として入力部24又は指導者端末40からの指示入力があった場合(ステップS13:YES)、CPU21は、指導者端末40からのデータ入力があったか否か判定する(ステップS19)。指導者端末40からのデータ入力があった場合(ステップS19:YES)、CPU21は、インタフェース27を介して接続された記憶装置や記憶媒体等に入力されたデータを記憶させる(ステップS20)。ステップS20の処理後又はステップS19の判定において指導者端末40からのデータ入力がなかった場合(ステップS19:NO)、CPU21は、指示入力により選択されたデータ(全校共通情報データ又は教室別情報データ)を読み出し、選択された情報(全校共通情報又は教室別情報)を抽出する。(ステップS21)。
ステップS17、ステップS18又はステップS21の処理後、CPU21は抽出したデータを表示部25に表示させる(ステップS22)。
【0053】
ステップS20の処理後、CPU21は、ステップS13の処理に戻る。教室端末20の電源が切られるまでステップS13の判定から始まるループ処理は続き(ステップS23:NO)、教室端末20の電源が切られることで(ステップS23:YES)、処理は終了する。
【0054】
以上のように、第1実施形態の情報配信システム1によれば、サーバ10が全校共通情報データ及び教室別情報データを複数の教室端末20へ配信する。そして、個々の教室端末20が全校共通情報データ及び教室別情報データを受信して表示する。ここで、全校共通情報データは、複数の教室端末20において共通して用いられる情報を含む。よって、複数の教室端末20において共通して用いられる情報を含むデータを個々の教室端末20に対して利用者(例えば指導者等)が個別に配信する必要がなく、極めて効率的に複数の教室又は複数の指導者が共有する情報を含むデータを配信することができる。
また、教室端末20のそれぞれにおいて個別に用いられる情報を含む教室別情報データもサーバ10から配信されるので、データを個々の教室端末20に対して利用者(例えば指導者等)が個別に配信する必要がなく、さらに効率的にデータを配信することができる。
【0055】
さらに、教室端末20のCPU21は、時間割テーブルに基づいて表示部25の表示内容を制御するので、時間割テーブルに設定された時間帯と対応付けられた全校共通情報データ、教室別情報データの内容を自動的に表示することができる。このため、時間帯に応じて任意の情報を表示させることができる。
【0056】
さらに、教室端末20のCPU21は、入力部24を介して行われた入力内容に基づいて表示部25の表示内容を制御する。これによって、教室端末20の利用者(例えばその教室の指導者や生徒等)は、教室端末20の表示部25に表示される情報を任意に選択決定することができる。
【0057】
さらに、教室端末20のCPU21は、指導者端末40からの入力を受け付け、指導者端末40を介して行われた指示入力に基づいて表示部25の表示内容を制御する。これによって、指導者端末40の利用者(例えば指導者等)は、教室端末20の表示部25に表示される情報を任意に選択決定することができる。
【0058】
さらに、教室端末20により表示される情報を含むデータを、指導者端末40から入力することもできる。これによって、サーバ10から配信された情報に限らない任意の情報を教室端末20に表示させることができる。
【0059】
なお、第1実施形態では、全校共通情報テーブルに設定された配信日時に基づいてサーバ10から教室端末20へのデータ送信が行われるが、他の配信方法をとってもよい。例えば、教室端末20の電源がONされたときに教室端末20から自動又は手動によりサーバ10へデータ送信要求が行われ、サーバ10が当該データ送信要求を受信したときにサーバ10から教室端末20へのデータ送信を行うようにしてもよい。
【0060】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について説明する。第1実施形態と同様の構成については同じ符号を付して説明を省略する。
第2実施形態では、サーバ10が時間割テーブルを有する。時間割テーブルは、例えば記憶部13等の記憶装置に記憶される。第2実施形態において、記憶部13は、時間割情報を記憶する時間割情報記憶手段として機能する。
【0061】
サーバ10のCPU11は、時間割テーブルに基づいて、時間帯に応じた各種のデータを教室端末20へ配信する。ここで、CPU11は、時間割情報に基づいて配信する情報を決定する配信情報決定手段として機能する。
【0062】
なお、図10に示す時間割テーブルでは教室IDに係る管理を省略しているが、第2実施形態では、サーバ10は、教室ID別の管理を踏まえた時間割テーブルの運用を行うことができる。例えば、教室IDごとに個別の時間割テーブルを設けることもできるし、複数の教室に対して適用する時間割テーブルを一元管理した上で、教室別情報の配信時に教室端末20のそれぞれの教室IDに対応する教室別情報を読み出して配信するようにすることもできる。
【0063】
教室端末20のCPU21は、サーバ10からのデータ送信を検知し、教室端末20が受信した最近のデータを表示部25に表示させる。ここで、CPU21は、共通情報及び個別情報の配信を検知する配信検知手段として機能する。
【0064】
教室端末20は、サーバ10からのデータ送信を検知、受信するまでは、予め教室端末20が保持しているデフォルトの表示情報を表示する。
例えば、ROM23やインタフェース27を介して接続された記憶装置や記憶媒体、図示しない書き換え可能な記憶装置(例えばフラッシュメモリ等)にデフォルトの表示情報として用いるデータが記憶されている。教室端末20の電源が入れられた後、サーバ10からのデータ送信を検知、受信するまでの間、CPU21は当該データを読み出して表示部25にデフォルトの表示情報を表示させる。ここで、ROM23やインタフェース27を介して接続された記憶装置や記憶媒体、図示しない書き換え可能な記憶装置等は、予め設けられた表示情報を記憶する表示情報記憶手段として機能する。
【0065】
図14に、第2実施形態における全校共通情報データ及び教室別情報データの構成の一例を示す。
図14に示すように、第2実施形態のサーバ10は、時間割テーブルに設定された各時間帯の表示内容に応じた全校共通情報、教室別情報のデータのそれぞれを個別に記憶する。第2実施形態では、教室別情報データは、それぞれのデータに教室IDを示す情報も含む。
【0066】
図15に、第2実施形態におけるサーバ10の動作の流れをフローチャートで示す。
サーバ10のCPU11は、時間割テーブルを読み出す(ステップS31)。CPU11は、計時部17から現在時刻を取得し(ステップS32)、現在時刻と時間割テーブルとを照合して時間割テーブルに設定された時間帯の移り変わりを迎えたか判定する(ステップS33)。
【0067】
ステップS33における「時間帯の移り変わり」とは、時間の経過により現在時刻が変化することに伴い、時間割テーブルに設定された時間帯のうち現在時刻を含む時間帯がそれまでと異なる時間帯となったことを指す。
【0068】
ステップS33の判定において、CPU11は、時間帯の移り変わりを迎えるまで待機し(ステップS33:NO)、定期的に現在時刻を取得する。ステップS33の判定において時間帯の移り変わりを迎えると(ステップS33:YES)、CPU11は、現在時刻を含む時間帯が全校共通情報を表示する時間帯であるか否か判定する(ステップS34)。現在時刻を含む時間帯が全校共通情報を表示する時間帯である場合(ステップS34:YES)、CPU11は、時間帯に応じた全校共通情報データを読み出して送信バッファに格納し(ステップS35)、全ての教室端末20へ送信する(ステップS36)。一方、ステップS34の判定において、現在時刻を含む時間帯が全校共通情報を表示する時間帯でない場合(ステップS34:NO)、CPU11は、時間帯に応じた教室別情報データを読み出して送信バッファに格納し(ステップS37)、その教室別情報データと対応付けられた教室IDを有する教室端末20へデータを送信する(ステップS38)。ステップS38の処理後、CPU11は全ての教室端末20に対してその時間帯の教室別情報の送信を完了したか判定し(ステップS39)、完了していない場合(ステップS39:NO)、全ての教室端末20に対してその時間帯の教室別情報の送信を完了するまでステップS37、ステップS38の処理を繰り返す。
【0069】
ステップS36の処理後又はステップS39の判定において全ての教室端末20に対してその時間帯の教室別情報の送信を完了したと判定された場合(ステップS39:YES)、CPU11はステップS32の処理に戻り、次の時間帯になるまで待機する。サーバ10の電源が切られるまでステップS32の処理から始まるループ処理は続き(ステップS40:NO)、サーバ10の電源が切られることで(ステップS40:YES)、処理は終了する。
【0070】
図16に、第2実施形態における教室端末20の動作の流れをフローチャートで示す。
教室端末20のCPU21は、まず、デフォルトの表示情報に対応するデータを読み出して表示部25に表示させる(ステップS41)。その後、CPU21は、サーバ10から全校共通情報データ又は教室別情報データを受信するまで待機する(ステップS42:NO)。サーバ10から全校共通情報データ又は教室別情報データを受信すると(ステップS42:YES)、CPU21は、インタフェース27を介して接続された記憶装置や記憶媒体等に受信したデータを記憶させる(ステップS43)。
【0071】
その後、入力部24及び指導者端末40からの指示入力がない場合(ステップS44:NO)、CPU21は、サーバ10から受信した最近のデータを読み出して表示部25に表示させる(ステップS45)。
一方、入力部24又は割り込み処理として指導者端末40からの指示入力があった場合(ステップS44:YES)、CPU21は、指導者端末40からのデータ入力があったか否か判定する(ステップS46)。指導者端末40からのデータ入力があった場合(ステップS46:YES)、CPU21は、インタフェース27を介して接続された記憶装置や記憶媒体等に入力されたデータを記憶させる(ステップS47)。ステップS47の処理後又はステップS46の判定において指導者端末40からのデータ入力がなかった場合(ステップS46:NO)、CPU21は、指示入力により選択されたデータを読み出して表示部25に表示させる(ステップS48)。
【0072】
ステップS45又はステップS48の処理後、CPU21は、ステップS42の処理に戻る。教室端末20の電源が切られるまでステップS42の判定から始まるループ処理は続き(ステップS49:NO)、教室端末20の電源が切られることで(ステップS49:YES)、処理は終了する。
【0073】
以上、第2実施形態について特に記載した点を除き、第2実施形態の構成は第1実施形態と同様である。
【0074】
第2実施形態によれば、サーバ10が、全校共通情報又は教室別情報のデータを配信する。教室端末20は、サーバ10から配信された最近のデータを表示する。これによって、第1の実施形態と同様の効果を得られる。
【0075】
さらに、サーバ10が、時間割テーブルに設定された時間帯に基づいて全校共通情報又は教室別情報のデータを配信する。これによって、時間帯に応じて表示情報を変化させるトリガーとなる要素をデータ配信処理とすることができるので、教室端末20のCPU21が行う表示制御の処理内容を簡略化することができる。また、サーバ10の時間割テーブルを変更することにより、時間帯に応じた教室端末20の表示内容の制御を行うことができるので、教室端末20のそれぞれの表示内容の制御を一元的に管理することがより容易となる。
【0076】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の改良並びに設計の変更を行っても良い。
【0077】
例えば、上記の各実施形態では、教室端末としてデジタルフォトフレームが用いられているが、デジタルフォトフレームに限らず、本発明の端末として機能する他の構成(例えばPC、PDA、携帯端末装置等)でもよい。
【0078】
また、教室端末20として用いるデジタルフォトフレームにアート変換機能を持たせてもよい。アート変換機能とは、デジタルフォトフレームにより表示される写真画像について、表示内容に加工を施した上で表示する機能である。
図17〜図20に、アート変換機能による写真画像の表示例を示す。図17(A)は、アート変換機能による加工を行わない元の写真画像の一例である。図17(B)は、アート変換機能により水彩画調に加工した写真画像の表示例である。図18(A)は、アート変換機能により油絵調に加工した写真画像の表示例である。図18(B)は、アート変換機能により点描調に加工した写真画像の表示例である。図19(A)は、アート変換機能によりエアブラシでの描画調に加工した写真画像の表示例である。図19(B)は、アート変換機能により図18(A)とは異なる油絵調に加工した写真画像の表示例である。図20は、アート変換機能により図18(A)、図19(B)とは異なる油絵調に加工した写真画像の表示例である。
アート変換機能を用いることにより、個々の教室に係る写真(例えば行事の写真や教師と生徒の集合写真等)に面白みを付加することができる。また、美術等の授業において、絵画の作成方法の一例として例示する等の活用をすることができる。
【0079】
アート変換機能を用いる場合、教室端末20として用いるデジタルフォトフレームにアート変換のための画像処理部を設け、CPU21が表示部25に写真データを表示させる場合に当該画像処理部による表示内容の加工を行わせた上で表示を行わせる。どの形式の加工を行うかの選択は表示の際に選べるようにしてもよいし、予め設定された形式の加工を行うようにしてもよいし、ランダムで決定されるようにしてもよい。デジタルフォトフレームには、図17〜20に例示したアート変換の他、図示しない既存及び将来実現する画像の表示内容の加工技術を採用することができる。画像処理部に換えて、CPU等の演算処理装置を画像処理部として機能させるソフトウェアを用いてもよい。
【0080】
また、上述の各実施形態では、サーバ10と教室端末20との間のデータ伝送と、教室端末20と指導者端末40との間のデータ伝送と、は個別のデータ伝送経路を有しているが、サーバ10、教室端末20及び指導者端末40を共通のデータ伝送経路上で接続してもよい。
【符号の説明】
【0081】
10 サーバ
11 CPU
13 記憶部
16 サーバ・教室端末間通信部
20 教室端末
21 CPU
24 入力部
25 表示部
27 インタフェース
28 サーバ・教室端末間通信部
29 教室端末・指導者端末間通信部
40 指導者端末

【特許請求の範囲】
【請求項1】
教育施設においてサーバから複数の端末へ情報を配信する情報配信システムであって、
前記サーバは、
全ての端末へ配信する共通情報を記憶する共通情報記憶手段と、
複数の端末のそれぞれに対して個別に配信する個別情報を記憶する個別情報記憶手段と、
前記共通情報及び前記個別情報を前記端末へ配信する配信手段と、
を備え、
前記端末は、
前記共通情報及び前記個別情報を受信する受信手段と、
前記共通情報及び前記個別情報を記憶する記憶手段と、
前記共通情報又は前記個別情報を表示する表示手段と、
前記表示手段の表示内容を前記共通情報又は前記個別情報の何れかに切り替える制御手段と、
を備えることを特徴とする情報配信システム。
【請求項2】
前記端末は、
所定の時間帯と、当該所定の時間帯に前記表示手段により表示する前記共通情報又は前記個別情報と、を対応付ける時間割情報を記憶する時間割情報記憶手段をさらに備え、
前記制御手段は、前記時間割情報に基づいて前記表示手段の表示内容を前記共通情報又は前記個別情報の何れかに切り替えることを特徴とする請求項1に記載の情報配信システム。
【請求項3】
前記端末は、
予め設けられた表示情報を記憶する表示情報記憶手段と、
前記共通情報及び前記個別情報の配信を検知する配信検知手段と、をさらに備え、
前記制御手段は、前記配信検知手段により前記共通情報又は前記個別情報の配信が検知されるまでは前記表示情報を前記表示手段に表示させ、前記配信検知手段により前記共通情報又は前記個別情報の配信が検知された場合に、前記受信手段により受信した前記共通情報、前記個別情報のうち最近に受信した情報を前記表示手段に表示させることを特徴とする請求項1に記載の情報配信システム。
【請求項4】
前記サーバは、
所定の時間帯と、当該所定の時間帯に前記配信手段により配信する前記共通情報又は前記個別情報と、を対応付ける時間割情報を記憶する時間割情報記憶手段と、
前記時間割情報に基づいて前記配信手段により配信する情報を決定する配信情報決定手段と、をさらに備えることを特徴とする請求項3に記載の情報配信システム。
【請求項5】
前記端末は、
当該端末に設けられて入力を受け付ける入力手段をさらに備え、
前記制御手段は、前記入力手段からの入力内容に基づいて前記表示手段の表示内容を前記共通情報又は前記個別情報の何れかに切り替えることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の情報配信システム。
【請求項6】
前記情報配信システムは、前記端末と通信可能に設けられて前記端末に対して入力を行う外部機器をさらに有し、
前記端末は、
前記外部機器からの入力を受け付ける入力受付手段をさらに備え、
前記制御手段は、前記入力受付手段が前記外部機器からの入力内容に基づいて前記表示手段の表示内容を前記共通情報又は前記個別情報の何れかに切り替えることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の情報配信システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2012−78374(P2012−78374A)
【公開日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−220460(P2010−220460)
【出願日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】