説明

意思伝達情報を表現したフロアマット及びこの着脱方法

【課題】面ファスナーを有するフロアマットをカーペットに正確に張り付け、また簡単に剥がすことができると共に、人が多数集まり、又は通行する場所におけるフロアマット自体に意思伝達情報を表現して、広告として優れた訴求力や案内情報を表現する。
【解決手段】ループパイル又はカットパイル状のカーペット5に、重ね敷きするフロアマット1であって、素材生地に広告情報や案内情報等の意思伝達情報Aを表現した表面材2と、表面材2の裏面に貼り付けた、カーペット5に着脱自在に係着させるために、例えば合成繊維製のフック状の素材等から成る面ファスナー3と、表面材2の端縁に取り付けた着脱用芯材4と、を備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、展示会場、店舗、ホテル、病院、映画館のロビー、廊下等の公共の場所に敷かれるフロアマットに係り、特に裏面に面ファスナーを備えてカーペットに重ね敷きできると共に、表面に広告情報等を化体して宣伝媒体としても機能する意思伝達情報を表現したフロアマット及びこの着脱方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
展示会場、店舗、ホテル、病院、映画館のロビーの出入口には、その床全面に敷き詰められたカーペットとは別に、ピース状のフロアマットを重ね敷きすることがある。このピース状のフロアマットは、入館者、通行者等の靴底の泥落としを目的とする場合、又は道先案内を目的とする場合がある。このフロアマットは、カットパイルやループパイルを有するカーペット面に対して滑らないように、フロアマットの裏面に合成ゴム等による滑り止め処理を施したものが提案されている。あるいは、フロアマットの裏面に多孔質シートを固定させたものが提案されている。
【0003】
更に、フロアマットがカーペット上を滑らないようにするための技術が種々提案されている。例えば、特許文献1の特開平5−269005号公報「フロアマット移動防止用面ファスナー」に示すように、先端部が鉤状、鏃状またはマッシュルーム状に形成されている係合素子を基材の一方の面に対して略直立状に植設した面ファスナーと、該面ファスナーにおける基材の他方の面の最上層をなすようにして積層されている再剥離性層とを有するフロアマット移動防止用面ファスナーが提案されている。この特許文献1は、カットパイルやループパイルを有するカーペットの表面と別製のピース状のフロアマットの裏面とを十分な係止力で係止させるフロアマット移動防止用面ファスナーで、しかも、フロアマット移動防止用面ファスナーの表面に対してフロアマットの裏面が着脱自在に係止されるフロアマット移動防止作用を有するものである。
【特許文献1】特開平5−269005号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この特許文献1のフロアマット移動防止用面ファスナーは、フロアマットがカーペット上を滑らないようにするという点では優れた効果を発揮する。しかし、フロアマットをカーペットに敷く際、そのフロアマットを交換する際、又は位置をずらす際に、その面ファスナーの係着力が強すぎるために、最初にフロアマットの端縁をきれいにカーペットに張り付けないと、フロアマット全体を平坦に張り付けることができなかった。その後、そのフロアマットをカーペットから剥がすときにも多大な労力と時間を要するという問題を有していた。
【0005】
また、面ファスナーとカーペット面との係着力が強すぎると、フロアマットをカーペットから剥がすときに、フロアマット本体から面ファスナー部分が分離して、フロアマットを破損することがある。
【0006】
一方、本発明の発明者らは、展示会場、店舗、ホテル、病院、映画館のロビーにおいて、その床面に広い空間が存在しており、この広い床面自体を広告媒体として利用できることに着目した。しかし、上述したように、面ファスナー付きのフロアマットでは、カーペットに重ね敷きする際、この敷いたものを交換する際に、多大な労力と時間を要するという問題を有していた。
【0007】
本発明は、上述した問題点を解決するために創案されたものである。すなわち本発明の目的は、面ファスナーを有するフロアマットをカーペットに正確に張り付け、また簡単に剥がすことができると共に、人が多数集まり、又は通行する場所におけるフロアマット自体に意思伝達情報を表現して、広告として優れた訴求力や案内情報を表現することができる意思伝達情報を表現したフロアマット及びこの着脱方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のフロアマットによれば、ループパイル状又はカットパイル状などのカーペット(5)に、重ね敷きするフロアマット(1)であって、素材生地に意思伝達情報(A)を表現した表面材(2)と、前記表面材(2)の裏面に貼り付けた、前記カーペット(5)に着脱自在に係着させる面ファスナー(3)と、から成るフロアマット(1)であり、前記表面材(2)の端縁に取り付けた着脱用芯材(4)と、を備えた、ことを特徴とする意思伝達情報を表現したフロアマットが提供される。
【0009】
前記着脱用芯材(4)は、可撓性を有する細長い板状の部材が好ましい。
前記着脱用芯材(4)を、略矩形状を有するフロアマット(1)の両端縁に2本取り付けることができる。
前記着脱用芯材(4)は、その横断面形状が前記フロアマット(1)の周端縁外方へ傾斜したものが好ましい。
前記フロアマット(1)の角部に、略三角形状の着脱用芯材(4)を取り付けることができる。
【0010】
前記意思伝達情報(A)は、文字・図形による案内情報を表現したものである。
前記意思伝達情報(A)は、広告情報を表現したものである。
前記意思伝達情報(A)の広告情報は、前記フロアマット素材生地の繊維の根元まで着色して印写することが好ましい。
【0011】
前記ループパイル状のカーペット(5)に重ね敷きするフロアマット(1)には、その表面材(2)の裏面に、かぎ状係合素子、フック状係合素子又はキノコ型係合素子を有する布製フック面ファスナー(3)を貼り付けることが好ましい。
前記カットパイル状のカーペット(5)に重ね敷きするフロアマット(1)には、その表面材(2)の裏面に、幹部(ステム)が直立せずに、傾斜又は湾曲した形状のフック状係合素子を有する布製フック面ファスナー(3)を貼り付けることが好ましい。
前記カットパイル状のカーペット(5)に重ね敷きするフロアマット(1)には、その表面材(2)の裏面に、幹部(ステム)の長さが4mm〜6mmのキノコ型係合素子を有する布製フック面ファスナー(3)を貼り付けることが好ましい。
【0012】
本発明の着脱方法によれば、面ファスナー(3)を裏面に備え、その端縁に着脱用芯材(4)を取り付けたフロアマット(1)を、ループパイル状又はカットパイル状などのカーペット(5)に、張り付ける方法であって、先ず、前記着脱用芯材(4)を取り付けたフロアマット(1)の端縁部分(1a)の面ファスナー(3)をカーペット(5)に張り付け、次に、該フロアマット(1)の他端縁部分(1b)を、該フロアマット(1)を張り付ける方向の斜め上方へ引っ張りながら徐々に面ファスナー(3)をカーペット(5)に張り付け、最後に、フロアマット(1)の面ファスナー(3)全体をカーペット(5)に張り付ける、ことを特徴とするフロアマットの着脱方法が提供される。
【0013】
張り付けたフロアマット(1)のずれを調整する際に、カーペット(5)に張り付けたフロアマット(1)の端縁部分(1a)の着脱用芯材(4)を持ち上げるようにして、その部分の面ファスナー(3)をカーペット(5)から離脱させることができる。
フロアマット(1)をカーペット(5)から剥がす際に、先ず、カーペット(5)に張り付けたフロアマット(1)の端縁部分(1a)の着脱用芯材(4)を持ち上げるようにして、その部分の面ファスナー(3)をカーペット(5)から離脱させ、次に、この着脱用芯材(4)を持ち上げるようにしてフロアマット(1)全体を引っ張りようにして剥がすことができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明の構成では、フロアマット(1)をカーペット(5)に重ね敷きする際に、このフロアマット(表面材)(1)の一端縁に取り付けた着脱用芯材(4)部分をカーペット(5)に張り付け、他端縁を引っ張りながら面ファスナー(3)をカーペット(5)に徐々に係着させて全体を敷いていけば、シワが生じることなくきれいにフロアマット(1)をカーペット(5)に敷くことができる。
このフロアマット(1)を交換するとき又は位置をずらすときには、着脱用芯材(4)を持ち上げてカーペット(5)から面ファスナー(3)の一部を剥がす。このようにフロアマット(1)の一端縁が剥がれると、その面ファスナー(3)の係着力が強くても、残り部分も容易に剥がすことができる。
【0015】
フロアマット(1)の表面材(2)の素材生地に意思伝達情報(A)を表現し得る構造であるため、例えばフロアマット(1)自体に宣伝広告機能を付与することにより、展示会場、店舗、ホテル、病院、映画館のロビー内において、そのフロアマット(1)に表現された意思伝達情報(A)を多数の通行者、入館者が見る状況を作り、情報提供の効果を高めることができる。上述したように、フロアマット(1)に着脱用芯材(4)を取り付けているので、屋内広告といった所定期間の宣伝広告が終了したら別の意思伝達情報(A)を印写した表面材(2)に短時間に交換することができる。
【0016】
更に、素材生地に着色剤をインクジェット方式で意思伝達情報(A)を印写した表面材(2)では、繊維の根元まで着色してあるために意思伝達情報(A)を鮮明に表現するこができる。しかも、本発明のフロアマット(1)は、長年使用して通行人の靴で踏まれて、その表面材(2)が磨耗や汚れ、また印写された個々の繊維が倒れた状態になっても、表現内容の意思伝達効果は低下しにくい。
【0017】
本発明では、カーペット(5)の表面繊維が直立状態(カットパイル状)又はループ状態の構造に応じて、係合素子がこのカーペット(5)の表面繊維層に侵入しやすく、繊維間で係合しやすい形状の面ファスナー(3)を使い分けることにより、その面ファスナー(3)の係着力を高めることができる。
【0018】
本発明の着脱方法では、フロアマット(1)の端縁部分(1a)の面ファスナー(3)をカーペット(5)に張り付ける際に、着脱用芯材(4)により直線状に面ファスナー(3)をカーペット(5)に張り付けることができるので、フロアマット(1)が歪むことなく張り付けることができる。特に、最初に張り付けるフロアマット(1)の端縁部分(1a)が歪んでなければ、フロアマット(1)全体をカーペット(5)にきれいに張り付けることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明は、人が多数集まり、又は通行する場所におけるフロアマット自体に広告や案内のような意思伝達情報を表現し、このフロアマットをカーペットに重ね敷きしてもずれないように面ファスナーを貼り付けたものである。このフロアマットには、着脱用芯材を備えているので、カーペットにきれいに重ね敷きでき、またカーペットから簡単に剥がすことができる。
【実施例1】
【0020】
以下、本発明の好ましい実施の形態を図面を参照して説明する。
図1は本発明の実施例1の意思伝達情報を有するフロアマットの平面図である。図2は 図1のII−II線より切断したフロアマットの断面図である。
実施例1の意思伝達情報を有するフロアマット1は、その素材生地に意思伝達情報Aを表現した表面材2の裏面に面ファスナー3を貼り付けたピース状マットである。このフロアマット1の端縁に可撓性を有する着脱用芯材4を取り付けている。なお、この図2、図3、図4及び図6の断面図では、部材の位置関係が明確になるように、実際の状態より部材の間隔を開けて表現している。
【0021】
表面材2には、広告情報のような意思伝達情報Aを表現している。図示例では、意思伝達情報Aについてその一例を「ABCD」としているが、この内容に限定されないことは勿論である。意思伝達情報Aには文字のみに限らず広告として機能するものであれば、図形や記号等が含まれる。フロアマット1の表面材2の素材生地に意思伝達情報Aを表現したので、例えばフロアマット1自体に宣伝広告機能を付与したものを、展示会場、店舗、ホテル、病院、映画館のロビー内のカーペット5に重ね敷きする。そのフロアマット1に表現された意思伝達情報Aについて、多数の通行者、入館者が見る状況が形成され、情報提供の効果が高い。このフロアマット1の表面材2の素材としては、例えばモケットを用いることができるが、その種類はこのモケットには限定されない。
【0022】
本発明の表面材2には、素材生地に着色剤をインクジェット方式で各種の意思伝達情報Aを印写する。この表面材2に意思伝達情報Aを形成する手段は、このインクジェット方式の印写に限定されない。但し、長年使用してその表面が磨耗や汚れても、意思伝達効果は低下せず、鮮明な意思伝達効果を維持できるように、繊維の根元まで着色してあることが望ましい。
【0023】
面ファスナー3は、ループパイル状又はカットパイル状のカーペット5に着脱自在に係着させるものである。この面ファスナー3は、フロアマット1をカーペット5上に重ね敷きしたときに、その係着力によりフロアマット1のずれを防止するものである。この面ファスナー3は、例えば合成繊維製のフック状の素材から成り、カーペット5に容易に係止させると共に、両者を離脱させるときは所定以上の力が必要になるという部材である。
なお、フック形状以外にキノコ形状から成り、カットパイルやループパイルを有するカーペット5のパイルとの間の係着力が生じ、このカーペット5の上に、フロアマット1を重ねて敷く際に、カーペット5とフロアマット1とを着脱自在に係止させ得るものでもよい。面ファスナー3の形状は、係着力を有する形状のものであれば何れ構造の面ファスナー3でも用いることができる。なお、面ファスナー3はフロアマット1裏面の全面に貼り付ける必要はなく、縁取りのようにフロアマット1裏面の周辺のみに貼り付けることも可能である。
【0024】
本発明のフロアマット1は、カットパイル状又はループパイル状のカーペット5に適している。カットパイルとループパイルは、カーペット5の表面繊維が直立状態かループ状態かで大きく異なる。このような構造のカーペット5に効率よく係合するフック面ファスナー3を、本発明のフロアマット1の裏面に貼り付ける。ループパイル状のカーペット5に対しては、広く市販されているフック面ファスナー1が有効に使用される。このフック面ファスナー3は、かぎ状係合素子、フック状係合素子、キノコ型係合素子を有する布製フック面ファスナー、および同様なフック状係合素子を有する成形フック面ファスナーが含まれる。使用される面ファスナー3のフック状係合素子のサイズ、密度などはカーペット5の構造や係合強度などを考慮して適宜に設定される。同一の素子密度においては、キノコ型係合素子を持つフック面ファスナー3がより高い係合強力を示す。
【0025】
カットパイル状のカーペット5は、表面繊維にループがないために、フック面ファスナーとの係合が難しい面がある。このようなカーペット5に対しては、フック状係合素子のステム(幹部)が4〜6mm程度に長いキノコ型係合素子をもつフック面ファスナーが好適に使用される。更に好ましいフック面ファスナーとしては、キノコ型係合素子のステムが直立せずに、傾斜又は湾曲した形状のフック状係合素子であり、この素子はカーペット5の表面繊維層に侵入しやすく、繊維間で係合しやすい性能を有する。上記したフック面ファスナー3は基布に長いキノコ型係合素子を立設した布製フック面ファスナーが好適に使用できるが、成形フック面ファスナーも使用できる。かぎ状係合素子又はフック状係合素子は係合すべきループ素子がないので、カットパイル状のカーペット5に対しては好ましくない。
【0026】
本発明のフロアマット1は、上記したループパイル状のカーペット5又はカットパイル状のカーペット5にそれぞれ対応するフック面ファスナー3を貼り付けたものを別々に用意し、提供することが望ましい。また、キノコ型係合素子をもつフック面ファスナーとして、この素子のサイズ、密度を調整して、2種のカーペットに適応することも可能である。
【0027】
本発明のフロアマット1に貼り付ける面ファスナー3は、上記したフック面ファスナーに限らず、ループ面ファスナーを貼り付けることも可能である。但し、フロアマット1にループ面ファスナー3を貼り付けると、カーペット側に更にフック面ファスナーを設置する必要がある。
【0028】
但し、いわゆるタイルカーペットに本発明のフロアマット1を敷くときは、上記面ファスナー3の係着力は、通常の床に固定したカーペットに敷く本発明のフロアマット1に用いるものより弱くする。タイルカーペットは例えば50cm×50cmの正方形状のカーペット片の裏面に粘着剤を塗布したものである。このタイルカーペットは床面に着脱自在に敷き詰めたものであるため、本発明の面ファスナー3の係着力が強すぎるとは、本発明のフロアマット1はこのタイルカーペットと共に剥がしやすくなる。そこで、面ファスナー3の係着力を弱くすることが好ましい。例えば、表面材2の裏面に面ファスナー3を部分的に貼り付ける。
【0029】
図3は本発明のフロアマットをカーペットに張り付ける状態の説明断面図であり、(a)は敷き始めの状態、(b)はフロアマットの端縁部分を敷いている状態、(c)は敷き終わった態際である。
着脱用芯材4は、合成樹脂製又は金属製の可撓性を有する細長い板状の部材から成り、フロアマット1をカーペット5に重ね敷きする際に使用するものである。また、カーペット5からフロアマット1を剥がす際に使用するものである。フロアマット1をカーペット5に重ね敷きする際に、先ず、この着脱用芯材4を取り付けたフロアマット(表面材)1の端縁部分1aの面ファスナー3をカーペット5に張り付ける(図3(a))。次に、このフロアマット1の他端縁部分1bを、このフロアマット1を張り付ける方向の斜め上方(矢視線)へ手で引っ張りながら徐々に面ファスナー3をカーペット5に張り付ける(図3(b))。最後にフロアマット1の面ファスナー3全体をカーペット5に張り付けて作業が完了する(図3(c))。このように、端縁部分1aの面ファスナー3部分をカーペット5に係着させながら全体を敷いていけば、シワが生じることなくきれいにフロアマット1をカーペット5に敷くことができる。
【0030】
図4はフロアマットをカーペットから剥がす状態の説明断面図であり、(a)は剥がす前の状態、(b)は着脱用芯材を持ち上げている状態、(c)はフロアマット全体を剥がしている状態である。
このフロアマット1を交換するとき又は位置をずらすためにカーペット5から剥がすときには、着脱用芯材4を持ち上げてカーペット5から面ファスナー3の一部を剥がす。このようにフロアマット1の一端縁1aが剥がれると、この着脱用芯材4を持ち上げるようにしてフロアマット1全体を引っ張りようにして剥がす。その面ファスナー3の係着力が強くても、残り部分も容易に剥がすことができる。この着脱用芯材4があると、従来のようにカーペット5からフロアマット1を剥がす際に、面ファスナー3と表面材2とが分離して破損することがない。
【0031】
このように、本発明の意思伝達情報を有するフロアマット1は、カーペット5にきれいに張り付けると共に、簡単に剥がすといった着脱を迅速に行うことができるので、所定期間の宣伝広告が済んだら別の意思伝達情報Aを表現したフロアマット1に短時間で交換することができる。そこで、入館者や通行人誌に対して意思伝達情報Aを鮮明に印象づけることができる。
【実施例2】
【0032】
図5は本発明の実施例2の2本の着脱用芯材を取り付けたフロアマットの平面図である。
フロアマット1に取り付ける着脱用芯材4は、必ずしも1本にする必要はなく、実施例2のように、着脱用芯材4を略矩形状を有するフロアマット1の両端縁に2本取り付けたものでもよい。このように、2本の着脱用芯材4を備えることで、フロアマット1のカーペット5への着脱を更に容易かつきれいに実施することができる。
【実施例3】
【0033】
図6は本発明の実施例3の着脱用芯材を取り付けたフロアマットであり、(a)は部分断面図、(b)は拡大断面図である。
実施例3の着脱用芯材4は、その横断面形状が外周端縁の下方へ傾斜したものである。このよう横断面形状が外周端縁の下方へ傾斜した着脱用芯材4では、フロアマット1の周囲に人の靴がぶつかったときに、着脱用芯材4によってつまずくことがなくなる。逆に、このような形状の着脱用芯材4では、着脱用芯材4部分を踏み付けるようになるので、面ファスナー3とカーペット5との係着力を更に強固にすることができる。
【実施例4】
【0034】
図7は本発明の実施例4の着脱用芯材4の変形例を示すフロアマットの平面図である。図8は本発明の実施例4の変形例を示すフロアマットの平面図である。
着脱用芯材4は、必ずしも細長い長方形状である必要はなく、実施例4のように、着脱用芯材4の両端を略コ字形状に曲折したものでもよい。このように略コ字形状に曲折した着脱用芯材4を用いることにより、フロアマット1の両端部をカーペット5にきれいに張り付けることができる。この曲折部分は一体成型品に限らず、部品を組み合わせたものでもよい。
なお、着脱用芯材4は略コ字形状に曲折する以外に、図8に示すように、フロアマット1の外周形状に合わせて、その両端を曲線状に曲折することも可能である。このような形状の着脱用芯材4を用いることで、曲線形状のフロアマット1の端部のカーペット5へ容易に張り付けることができる。
【実施例5】
【0035】
図9は実施例5の意思伝達情報として案内情報を表現したフロアマットの平面図である。
実施例5では、表面材2に意思伝達情報Aとして広告情報に代えて文字又は図形による「矢印」のような案内情報を表現した。本発明のフロアマット1の表面材2に表現した意思伝達情報Aは、実施例1のように広告情報に限定されない。この意思伝達情報Aを多数の通行者、入館者が見る機会が多いので、展示会場のような広い会場では道先案内として利用することができる。
【実施例6】
【0036】
図10は1単位の意思伝達情報を複数枚のフロアマットを並列させた状態で表現するようにした実施例6のフロアマットの平面図である。
本発明の意思伝達情報を有するフロアマット1は必ずしも、1枚のフロアマットに1単位の意思伝達情報Aを表現する必要はなく、実施例6のように複数枚のフロアマット1を並列させた状態で、1単位の意思伝達情報Aを表現することができる。例えば、図示例のように、左側のフロアマット1に「AB」部分の意思伝達情報Aを表現し、右側のフロアマット1に「CD」部分の意思伝達情報Aを表現し、両者を合わせて1単位の「ABCD」という意思伝達情報Aを表現することも可能である。
【0037】
このように、フロアマット1の表面材2に表現する意思伝達情報Aの宣伝広告の内容は、複数又は広い面積を十分に利用して、商品広告、サービス広告、イベント広告、社名広告又は案内情報に限らず、色彩感覚に優れた図柄によって美的雰囲気やイメージの醸成を図ることもできる。そこで、訴求力の高い宣伝効果を上げることができる。
【実施例7】
【0038】
図11は実施例7の略三角形状の着脱用芯材を備えたフロアマットの平面図である。
実施例7では、細長い板状の部材の着脱用芯材4に代えて、フロアマット1の角部に、略三角形状の着脱用芯材4を取り付けた。フロアマット1の周縁に硬い素材から成る着脱用芯材4を備えることで、フロアマット1をカーペット5へ容易に取り付け、又は容易に剥がせる。そこで、本発明の着脱用芯材4は必ずしも細長い板状の部材に限定されない。なお、図示例では、4隅に略三角形状の着脱用芯材4を備えた状態を示しているが、必ずしも4箇所に備える必要はない。
【実施例8】
【0039】
図12は実施例8の着脱用芯材に略三角形状と細長い板状の部材とを組み合わせたフロアマットの平面図である。
実施例8では、細長い板状の部材の着脱用芯材4と、フロアマット1の角部に、略三角形状の着脱用芯材4とを組み合わせて取り付けた。このようにフロアマット1の周縁に硬い素材から成る着脱用芯材4を備えることで、フロアマット1をカーペット5へ容易に取り付け、及び容易に剥がすことができる。
【0040】
なお、本発明は、重ね敷きした面ファスナー3を有するフロアマット1をカーペット5に正確に張り付け、また簡単に剥がすことができると共に、人が多数集まり、又は通行する場所におけるフロアマット1自体に意思伝達情報を表現して、広告として優れた訴求力や案内情報を表現することができれば、上述した発明の実施の形態に限定されないことは勿論である。
【産業上の利用可能性】
【0041】
本発明の意思伝達情報を有するフロアマットは、展示会場、店舗、ホテル、病院、映画館のロビー、廊下等の公共の場所にカーペットに重ね敷きできるだけでなく、自動車、鉄道車両やバス等、航空機、船舶等の乗り物の床面のカーペットに敷くとができる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明の実施例1の意思伝達情報を有するフロアマットの平面図である。
【図2】図1のII−II線より切断したフロアマットの断面図である。
【図3】本発明のフロアマットをカーペットに張り付ける状態の説明断面図であり、(a)は敷き始めの状態、(b)はフロアマットの端縁部分を敷いている状態、(c)は敷き終わった態際である。
【図4】フロアマットをカーペットから剥がす状態の拡大説明断面図であり、(a)は剥がす前の状態、(b)は着脱用芯材を持ち上げている状態、(c)はフロアマット全体を剥がしている状態である。
【図5】実施例2の2本の着脱用芯材を取り付けたフロアマットの平面図である。
【図6】実施例3の着脱用芯材を取り付けたフロアマットであり、(a)は部分断面図、(b)は拡大断面図である。
【図7】実施例4の略コ字形状の着脱用芯材の変形例を示すフロアマットの平面図である。
【図8】実施例4の変形例を示すフロアマットの平面図である。
【図9】実施例5の意思伝達情報として案内情報を表現したフロアマットの平面図である。
【図10】1単位の意思伝達情報を複数枚のフロアマットを並列させた状態で表現するようにした実施例3のフロアマットの平面図である。
【図11】実施例7の略三角形状の着脱用芯材を備えたフロアマットの平面図である。
【図12】実施例8の着脱用芯材に略三角形状と細長い板状の部材とを組み合わせたフロアマットの平面図である。
【符号の説明】
【0043】
1 フロアマット
2 表面材
3 面ファスナー
4 着脱用芯材
5 カーペット
A 意思伝達情報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ループパイル状又はカットパイル状などのカーペット(5)に、重ね敷きするフロアマット(1)であって、
素材生地に意思伝達情報(A)を表現した表面材(2)と、
前記表面材(2)の裏面に貼り付けた、前記カーペット(5)に着脱自在に係着させる面ファスナー(3)と、
前記表面材(2)の端縁に取り付けた着脱用芯材(4)と、を備えた、ことを特徴とする意思伝達情報を表現したフロアマット。
【請求項2】
前記着脱用芯材(4)は、可撓性を有する細長い板状の部材である、ことを特徴とする請求項1の意思伝達情報を表現したフロアマット。
【請求項3】
前記着脱用芯材(4)を、略矩形状を有するフロアマット(1)の両端縁に2本取り付けた、ことを特徴とする請求項1又は2の意思伝達情報を表現したフロアマット。
【請求項4】
前記着脱用芯材(4)は、その横断面形状が前記フロアマット(1)の外周端縁の下方へ傾斜したものである、ことを特徴とする請求項2又は3の意思伝達情報を表現したフロアマット。
【請求項5】
前記フロアマット(1)の角部に、略三角形状の着脱用芯材(4)を取り付けた、ことを特徴とする請求項1の意思伝達情報を表現したフロアマット。
【請求項6】
前記意思伝達情報(A)は、文字・図形による案内情報を表現したものである、ことを特徴とする請求項1の意思伝達情報を表現したフロアマット。
【請求項7】
前記意思伝達情報(A)は、広告情報を表現したものである、ことを特徴とする請求項1の意思伝達情報を表現したフロアマット。
【請求項8】
前記意思伝達情報(A)の広告情報は、前記フロアマット素材生地の繊維の根元まで着色して印写したものである、ことを特徴とする請求項7の意思伝達情報を表現したフロアマット。
【請求項9】
前記ループパイル状のカーペット(5)に重ね敷きするフロアマット(1)には、その表面材(2)の裏面に、かぎ状係合素子、フック状係合素子又はキノコ型係合素子を有する布製フック面ファスナー(3)を貼り付けた、ことを特徴とする請求項1の意思伝達情報を表現したフロアマット。
【請求項10】
前記カットパイル状のカーペット(5)に重ね敷きするフロアマット(1)には、その表面材(2)の裏面に、幹部(ステム)が直立せずに、傾斜又は湾曲した形状のフック状係合素子を有する布製フック面ファスナー(3)を貼り付けた、ことを特徴とする請求項1の意思伝達情報を表現したフロアマット。
【請求項11】
前記カットパイル状のカーペット(5)に重ね敷きするフロアマット(1)には、その表面材(2)の裏面に、幹部(ステム)の長さが4mm〜6mmのキノコ型係合素子を有する布製フック面ファスナー(3)を貼り付けた、ことを特徴とする請求項1の意思伝達情報を表現したフロアマット。
【請求項12】
面ファスナー(3)を裏面に備え、その端縁に着脱用芯材(4)を取り付けたフロアマット(1)を、ループパイル状又はカットパイル状などのカーペット(5)に、張り付けるフロアマットの着脱方法であって、
先ず、前記着脱用芯材(4)を取り付けたフロアマット(1)の端縁部分(1a)の面ファスナー(3)をカーペット(5)に張り付け、
次に、該フロアマット(1)の他端縁部分(1b)を、該フロアマット(1)を張り付ける方向の斜め上方へ引っ張りながら徐々に面ファスナー(3)をカーペット(5)に張り付け、
最後に、フロアマット(1)の面ファスナー(3)全体をカーペット(5)に張り付ける、ことを特徴とするフロアマットの着脱方法。
【請求項13】
張り付けたフロアマット(1)のずれを調整する際に、
カーペット(5)に張り付けたフロアマット(1)の端縁部分(1a)の着脱用芯材(4)を持ち上げるようにして、その部分の面ファスナー(3)をカーペット(5)から離脱させる、ことを特徴とする請求項12のフロアマットの着脱方法。
【請求項14】
フロアマット(1)をカーペット(5)から剥がす際に、
先ず、カーペット(5)に張り付けたフロアマット(1)の端縁部分(1a)の着脱用芯材(4)を持ち上げるようにして、その部分の面ファスナー(3)をカーペット(5)から離脱させ、
次に、この着脱用芯材(4)を持ち上げるようにしてフロアマット(1)全体を引っ張るようにして剥がす、ことを特徴とする請求項12のフロアマットの着脱方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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