感光体、プロセスカートリッジ及び画像形成装置
【課題】測定機構を用いることなく、正確な感光体の寿命時期を使用者に通達することができる感光体、プロセスカートリッジ及び画像形成装置を提供する。
【解決手段】表面にトナーにより現像される静電潜像が形成される感光体ドラム2において、その感光体ドラム2のCTL層23が光感度特性として可視光域とUV波長域を有するとともに、経時使用により削られて感光体としての機能が低下してしまう層であるとともに、CTL層23の少なくとも一部にUV波長域の光を受けるとその光を吸収もしくは変色して遮光する遮光層24が設けられている。
【解決手段】表面にトナーにより現像される静電潜像が形成される感光体ドラム2において、その感光体ドラム2のCTL層23が光感度特性として可視光域とUV波長域を有するとともに、経時使用により削られて感光体としての機能が低下してしまう層であるとともに、CTL層23の少なくとも一部にUV波長域の光を受けるとその光を吸収もしくは変色して遮光する遮光層24が設けられている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表面にトナー画像が形成される感光体と該感光体を用いるプロセスカートリッジ及び電子写真方式の画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電子複写機、プリンタ、ファクシミリ或いはその少なくとも2つの機能を備えた複合機などとして構成される上記形式の画像形成装置は周知である。かかる画像形成装置において、基本的なマイナス帯電用の有機感光体ドラム(OPC)の構造は最下層からアルミ素管、UCL(アンダーコート層、Under Coat Layer)と、感光体の機能層であるCGL(電荷発生層、Carrier Generation Layer)、CTL(電荷輸送層、Carrier Transport Layer)となっている。そして、最表層にあるCTL層は画像形成が進むにつれ徐々に削られる特性を有している。
【0003】
感光体は、経時使用で最表層であるCTL層が削られると、感光体としての機能が低下してしまう。そして、感光体としての機能が低下すると、所定の画像品質を維持することができなくなったり、画像形成自体ができなくなったりし、感光体が寿命に達したことになる。このため、感光体の寿命を確実に知ることは機器を使用していくうえで、重要な要件の1つとなっている。
【0004】
従来、有機感光体の寿命は、予め標準的な環境、使用条件にて耐久試験等を行なって感光体が寿命に到達するまでの印刷枚数や感光体の累積回転数等を求め、その結果に基いて設定されていた。しかし、感光体の寿命は画像形成装置の使用環境、使用条件に大きく依存するため、これを正確に予測することは困難である。このため、市場においては予め想定された寿命としての印刷枚数に至る前に、品質上重大な欠陥のある印刷物を出力してしまったり、十分に使用に耐えうるにもかかわらず感光体の交換が行なわれてしまったりする場合があった。
【0005】
そこで、感光体の疲労状態を検出し、その検出結果に基いて感光体寿命を判定する方法が提案されている。例えば、感光体の疲労状態を検出する方法として、感光体の表面電位を検出し、この検出結果に基づき感光体寿命を判定する方法ががあり、例えば、特許文献1では、検出された飽和電位及び残留電位を予め設定した電位値と比較することで感光体の寿命を判定する方法が開示されている。また、特許文献2では、帯電電位と残留電位との差に応じて感光体の寿命を判定する方法が開示されている。さらにまた、特許文献3には、有機感光体の寿命を判定する目的で、有機感光体と、該有機感光体の残留電位を検出する電位検出手段と、該有機感光体の温度を直接又は間接的に検出する温度検出手段と、該電位検出手段による検出値及び該温度検出手段による検出値に基づき該有機感光体の寿命を判定する寿命判定手段とを備える構成が開示されている。
【0006】
このように構成すると、有機感光体の寿命を検知して使用者に通達することができるが、測定による誤差及び測定機構の追加によるコストやスペースが増加するという問題があった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上述した従来の事情に鑑み、測定機構を用いることなく、正確な感光体の寿命時期を使用者に通達することができる感光体、プロセスカートリッジ及び画像形成装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するため、本発明は、表面にトナーにより現像される静電潜像が形成される感光体において、該感光体の最表層が光感度特性として可視光域とUV波長域を有するとともに、経時使用により削られて感光体としての機能が低下してしまう層であるとともに、該最表層の少なくとも一部にUV波長域の光を受けるとその光を遮光する遮光層が設けられていることを特徴とする感光体感光体を提案する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、経時使用により感光体の機能を有する最表層に、UV波長域の光を受けるとその光を遮光する遮光層を設け、感光体にUV波長域の光による画像描画の形態から感光体の寿命を簡単かつ確実に知ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明に係るプロセスカートリッジを示す概略構成図である。
【図2】本発明に係る画像形成装置を示す概略構成図である。
【図3】本発明の一実施形態における負帯電特性の感光体の層を示す説明図である。
【図4】図3の変形例を示す感光体の層を示す説明図である。
【図5】本発明の別の実施形態における負帯電特性の感光体の層を示す説明図である。
【図6】図5の変形例を示す感光体の層を示す説明図である。
【図7】表示層の一例を示す斜視説明図である。
【図8】表示層の他の例を示す斜視説明図である。
【図9】段階的の表示層を示す断面説明図である。
【図10】UV波長域の光吸収の遮光層を有する感光体の帯電電荷の除電イメージについて説明する図である。
【図11】UV波長域の光で変色する遮光層を有する感光体の帯電電荷の除電イメージについて説明する図である。
【図12】UV波長域と可視光領域の発光素子を有した画像形成装置を説明する図である。
【図13】可視光領域の発光素子とUV波長域の露光装置を有した画像形成装置を説明する図である。
【図14】表層膜厚確認用画像パターンの例について説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態を添付図面に従って詳細に説明する。
図1は、本発明に係る感光体を備えるプロセスカートリッジを示す断面図である。
【0012】
図1において、ここに示したプロセスカートリッジ1は感光体ドラム2、帯電部材、現像手段4及びクリーニング手段5を一体に結合した構成のカートリッジである。
【0013】
感光体ドラム2は、時計方向に回転駆動され、帯電部材としての帯電ローラ3は感光体ドラム2に圧接されて反時計方向に従動回転される、帯電ローラ3には、図示していない高圧電源より所定のバイアスが印加され、感光体ドラム2の表面を帯電している。
【0014】
現像装置4は、現像剤を収容する現像剤収容室40と、該現像剤収容室40の下方に設けられた現像剤供給室41とから構成されている。現像剤供給室41の下部には、現像ローラ42と、現像ローラ42に当接して設けられた層規制部材43および供給ローラ44が設けられる。現像ローラ42は感光体ドラム2に接触して配置され、図示しない高圧電源から所定の現像バイアスが印加される。現像剤収容室40内には現像剤攪拌部材45が設けられている。現像剤収容室40と該現像剤供給室41との間には現像剤の供給口46が形成されており、現像剤収容室40から該現像剤供給室41へ現像剤を供給するとともに現像剤が該現像剤供給室41へ過剰に供給されるのを防止している。該現像剤収容室40内の中央部には、現像剤の凝集を防止するためのアジテータ47が回転自在に設けられ、図上において反時計回りの方向に回転している。
【0015】
供給ローラ44の表面には空孔(セル)を有した構造の発泡材料が被覆されており、現像剤供給室41内に運ばれてきた現像剤を効率よく付着させて取り込むと共に、現像ローラ42との当接部での圧力集中による現像剤劣化を防止している。なお、上記発泡材料は103乃至1014Ωの電気抵抗値に設定される。供給ローラ44には、現像ローラ42の電位に対して現像剤の帯電極性と同極性にオフセット電圧を供給バイアスとして印加される。この供給バイアスは、現像ローラ42との当接部で予備帯電された現像剤を現像ローラ42に押し付ける方向に作用する。ただし、供給ローラ44に印加する電圧の極性はこれに限ったものではなく、現像剤の種類によっては現像ローラと同電位もしくは極性を反転させてもよい。供給ローラ44は反時計回りの方向に回転し、表面に付着させた現像剤を現像ローラ42の表面に塗布供給する。
【0016】
現像ローラ42には、弾性ゴム層を被覆したローラが用いられ、さらに表面には現像剤と逆の極性に帯電し易い材料からなる表面コート層が設けられる。弾性ゴム層は、感光体ドラム2との接触状態を均一に保つ為に、JIS−Aで50度以下の硬度に設定され、さらに現像バイアスを作用させるために103乃至1010Ωの電気抵抗値に設定される。表面粗さはRaで0.2乃至2.0μmに設定され、必要量の現像剤が表面に保持される。現像ローラ42は反時計回りの方向に回転し、表面に保持した現像剤を層規制部材43および感光体ドラム2との対向位置へと搬送する。
【0017】
層規制部材43は、SUS304CSPやSUS301CSPまたはリン青銅等の金属板バネ材料を用い、自由端側を現像ローラ42表面に10乃至100N/mの押圧力で当接させたもので、その押圧力下を通過した現像剤を薄層化すると共に摩擦帯電によって電荷を付与する。さらに層規制部材43には、摩擦帯電を補助する為に、現像ローラ42に印加した電位に対して現像剤の帯電極性と同極性にオフセットさせた電圧を規制バイアスとして印加される。
【0018】
感光体ドラム2は時計回りの方向に回転しており、従って現像ローラ42表面は感光体ドラム2との対向位置において感光体ドラム2の進行方向と同方向に移動する。該現像ローラ42上の薄層化された現像剤は、現像ローラ42の回転によって感光体ドラム2との対向位置へ搬送され、現像ローラ42に印加された現像バイアスと感光体ドラム2上の静電潜像によって形成される潜像電界に応じて感光体ドラム2表面に移動し、これによって感光体ドラム2の表面に形成された静電潜像が現像される。
【0019】
感光体ドラム2上に現像されずに現像ローラ42上に残された現像剤が再び現像剤供給室41内へと戻る部分には、封止シール48が現像ローラ42に当接して設けられ、現像剤が現像装置外部に漏れ出ないように封止される。
【0020】
なお、プロセスカートリッジ1には粉砕法もしくは重合法により製造されたトナーが充填されている。そのトナーは、外添剤としてシリコンオイルを含有したシリカを用いることもできる。外添剤としてシリコンオイル含有シリカを用いる効果は、プロセスカートリッジ1の長寿命化やクリーニング性の向上や転写効率の向上があげられる。
【0021】
図2は、上記プロセスカートリッジを用いるカラー画像形成装置の全体外略図である。
図2において、上記構成のイエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの各プロセスカートリッジ1Y、1C、1M、1Bkは、装置本体10に装着すると、図示していないストッパーによって感光体ドラム2が無端ベルトより成る中間転写ベルト11の上部走行辺に接触する位置に固定され、そのストッパーを解除することにより各プロセスカートリッジが交換できる構成になっている。
【0022】
画像形成装置による画像形成工程について説明する。感光体ドラム2が時計回りに回転駆動されると、感光体ドラム表面は帯電部材3によって所定の極性に一様に帯電される。この帯電面に、装置本体10内の上部に配置された露光装置6から出射する光変調されたレーザ光が照射され、感光体ドラム2Yの表面に書き込み情報に対応した静電潜像が形成される。図1及び2に示した例では帯電部材3として帯電ローラが用いられているが、コロナ放電器や帯電ブレードなどから成る帯電部材3を用いることもできる。同様に図1に示した画像形成装置においてはレーザ光を出射するレーザ書き込み装置より成る露光装置6が用いられているが、LEDアレイと結像手段を有する露光装置などを用いることもできる。
【0023】
各プロセスカートリッジ1に形成された静電潜像は、これが現像手段4を通るとき、それぞれの色のトナー像として可視像化される。ここに示した現像手段4は一成分接触現像であり、感光体ドラム2上の静電潜像をトナー像として顕像化する。現像手段4には図示しない高圧電源から所定の現像バイアスが供給される。
【0024】
一方、無端ベルトである中間転写ベルト11の内側には、その中間転写ベルト11を挟んで感光体ドラム2に対向して位置する一次転写手段としての転写ローラ7が配置されている。この転写ローラ7には、感光体ドラム2上に形成されたトナー像のトナー帯電極性と逆極性の転写電圧が印加される。これにより、感光体ドラム2と中間転写ベルト11との間に転写電界が形成され、感光体ドラム2上のトナー像が、その感光体ドラム2と同期して回転駆動される中間転写ベルト11上に静電的に転写される。
【0025】
トナー像を中間転写ベルト11に転写したあとの感光体ドラム2表面に付着する転写残トナーは、クリーニング手段5によって除去され、感光体ドラム2の表面が清掃される。
【0026】
かくして、各プロセスカートリッジ1Y、1C、1M、1Bkの感光体ドラム2にはイエロートナー像、マゼンタトナー像、シアントナー像及びブラックトナー像がそれぞれ形成される。これら各色のトナー像は、転写ローラ6により構成された転写手段によって、中間転写ベルト11上に順次重ねて静電転写される。このようにして複数の像担持体のそれぞれに形成された互いに色の異なるトナー像が中間転写ベルト11に重ねて静電転写されるのでフルカラー画像を形成される。形成されたフルカラー画像は、二次転写ローラ8と該中間転写ベルト11との間に所定の電圧を印加することにより転写材である用紙9に転写され、定着装置12にて用紙9の上に転写された現像剤の画像が熱と圧力により定着され出力される。二次転写ローラ8で転写されずに中間転写ベルト11上に残留した現像剤は転写ベルトクリーニング手段13に除去されて回収される。
【0027】
上記感光体ドラム2は、マイナス帯電用の有機感光体とすると、その構造は図3に示すように、最下層からアルミ素管20に、UCL層21(アンダーコート層、Under Coat Layer)と、CGL層22(電荷発生層、Carrier Generation Layer)からなる層に、機能層であるCTL層23(電荷輸送層、Carrier Transport Layer)が被覆されている。そして、最表層にあるCTL層23は画像形成が進むにつれ徐々に削られる特性を有しており、この層が殆どなくなる、もしくはある程度以上薄くなると(現行機種では10μm程度)と感光体としての機能が得られなくなる。すなわち、帯電させても感光体上に電荷が帯電しなくなってしまう。
【0028】
そこで、本発明は感光体の適正な寿命を簡単、かつ、確実にユーザーに知らせるべく、次のように構成している。
最表層にあるCTL層23にUV波長域の光を吸収する微粒子25が分散された遮光層24を設けている。この遮光層24はCTL層23と同様に経時使用により削られるが、削られずに残っている間はUV波長域の光を吸収して遮ることで、UV波長域の光による画像描画が形成することができない。図3に示すUV波長域の光を吸収する微粒子25を分散した遮光層24は、ある特定の領域にのみ25を設けているが、遮光層24は図4に示すように、感光体表面全域において設けも良い。
【0029】
このようにUV波長域の光を吸収する微粒子が分散された遮光層24は、図4に示すCTL層23の全域もしくは図3に示す印刷領域の限定された領域に設けられている。遮光層24はその上面が最表層であるCTL層23と同じで、その層厚はCTL層23より若干薄く下面がCTL層23の下面より僅かに上に位置している。したがって、感光体としての帯電・露光機能が機能しなくなる限界付近までの厚さであり、UV波長域の光を吸収する微粒子が分散された遮光層24が全て研磨されて消失した時に残っているCTL層23の厚みで、ギリギリ画像を描画することができる限界であることが望ましい。つまり、残りのCTL層23の厚みが機種・使用している感光体の特性によって異なるが10μm程度である。
【0030】
遮光層24に分散された微粒子25は、UV波長域の光が吸収し遮光するが、他の波長域(例えば、可視光)の光はほぼ100%透過する粒子である。その製造方法としては、ディップ方式やスプレー方式やインクジェット方式を用いることで成型させることができる。ディップ方式は、感光体を塗布液中に沈めて、引き上げることで、塗布する方式である。スプレー方式は、感光体を回転させつつ、スプレーを用いて表面に塗布する方式である。例えば、CTL層まで通常の製造工程(ディップ方式などの既存プロセス)で製作し、さらに、その上に感光体にUV波長域の光を吸収する微粒子を分散したCTL層の塗布液(CTL塗布液A)が塗布する部分以外をマスキングした上で、CTL塗布液Aをディップ方式もしくはスプレー方式などの既存の製膜プロセスを用いて塗布する。
【0031】
CTL塗布液Aを塗布する別の方法として、インクジェットを用いて塗布する方法もある。また、別の方法として、CTL層まで製造した感光体の最表層にあるCTL層に対してUV波長域の光を吸収する微粒子をエアガンなどで打ち込む方法などがある。
【0032】
感光体の露光に対しての光感度は、可視光領域の光とUV波長域の光の双方に対して感度がある。このような構成にすることで、UV波長域の光を吸収する微粒子が分散された遮光層24が存在する間は、UV波長域の光で描画した場合は画が描けず、通常利用する可視光領域の光で描画した場合にのみ描画することができる。印刷を続けて、UV波長域の光を吸収する微粒子が分散された遮光層24が削られて消滅するとUV波長域の光と可視光領域の光の双方で画を描くことが可能になる。
【0033】
これらの特性を利用することで、感光体の寿命をユーザーに知らせることができる。例えば、チェック画像として、UV波長域の光で「感光体が寿命です。」というようなメッセージを描こうとした場合、UV波長域の光を吸収する微粒子が分散された遮光層24が残っている場合は、印刷画像は白紙になって印刷される。一方、寿命でUV波長域の光を吸収する微粒子が分散された遮光層24が削られた状態では、印刷画像に「感光体が寿命です。」のメッセージを印刷することが可能になる。
【0034】
図5は、本発明の他の実施形態で、基本的な構成と特徴は、図3で説明した遮光層24を設けた感光体と同じである。よって、説明の煩雑を避けるため、同一構成の説明を省略する。
【0035】
図3における遮光層24はUV波長域の光を吸収する微粒子25を分散していたが、本実施形態の図5ではUV波長域の光を吸収することで変色し、露光に用いる可視光領域の光を遮光する特性を有した微粒子25Aを分散した遮光層24AをCTL層23の一部に有していることが特徴となっている。
【0036】
さらに、図6は本発明の他の実施形態であるが、基本的な構成と特徴は、図4で説明した遮光層24を設けた感光体と同じである。よって、説明の煩雑を避けるため、同一構成の説明を省略する。
【0037】
図4における遮光層24はUV波長域の光を吸収する微粒子25を分散していたが、本実施形態の図6ではUV波長域の光を吸収することで変色し、露光に用いる可視光領域の光を遮光する特性を有した微粒子25Aを分散した遮光層24AをCTL層23の全域に有していることが特徴となっている。
【0038】
図7は、感光体表面のCTL層23の一部に設けられた遮光層24,24Aを示す斜視図である。遮光層24、24Aは、少なくとも印刷領域内に分布されている。この印刷領域は、画像形成装置で使用可能な用紙の中で最大幅のものを基準としている。なお、遮光層24の形状は、図示する例では長方形のパッチパターンで表しているが、その形状は任意に変えることができる。例えば、遮光層24は丸、三角、帯状などのマーク、もしくは例えば、「Good」、「NotEmpty」などのメッセージ性のある文言にすることもできる。
【0039】
図8は、感光体の印刷領域のほぼ全域に分散させた遮光層24、24Aを示している。この印刷領域は、画像形成装置で使用可能な用紙の中で最大幅のものを基準としている。
【0040】
このように印刷画像領域の全域にUV波長域の光に対して反応する微粒子25,25Aが感光体に有するように製造した場合、UV波長域の光による描画やUV波長域の光照射と通常波長域の光による描画を組み合わせることにより感光体の劣化状態をユーザーに伝える任意のメッセージを印刷することが可能になる。
【0041】
図9は、本発明の他の実施形態を示す説明図で、本例の場合異なる場所に層厚の異なる遮光層24a,24bが設けられている。遮光層24aと遮光層24bとは上部がともにCTL層23の上端に接しているが、下部がCTL層23の下端までを変えたの厚さd1と厚さd2と異なっている。すなわち、厚さd1は、微粒子25を分散させた層を厚目に設け、厚さd2は微粒子を分散させた層を薄目に設け、d1>d2の関係を持つ遮光層24を感光体上に少なくとも一組以上設けている。
【0042】
かくして、遮光層24の厚みを2段階以上で設けることで、最表層のUV波長域の光に対して反応する微粒子を分布させた層の膜厚が削られて減少してきた際の警告を段階的に示すことが可能になる。例えば、膜厚が感光体の機能を維持する限界になるまでの間に、数段階のインジケータ(膜厚残量メーター)を設けることが可能であり、寿命までの感光体の膜厚状態を、膜厚チェックパターンを印刷させることとでユーザーに通知させることが可能になる。
【0043】
図10は、UV波長域の光吸収の遮光層を有する感光体の帯電電荷の除電イメージについて説明する図である。
感光体2は、帯電工程で帯電ローラなどを用いて感光体表面に電荷を帯電させる。一般的に用いられている感光体は、可視光領域のレーザー光もしくはLEDなどの光りを照射した場所の帯電された電荷を除電する機能がある。そのため、図10(a)に示すように、感光体表層にUV波長域の光を照射しつつ可視光領域の光で露光してもUV波長域の光を吸収したUV光で変色する遮光層24が変色して可視光領域の光を遮光するためカウンターチャージを発生させるCGL層22まで光が届くことができず、帯電した電荷を除電することが不可能になる。
【0044】
印刷を続けて感光体表面にあるUV波長域の光を吸収する遮光層24が削られて無くなった場合、図10(b)に示すように、UV波長域の光を照射しない状態と同じくなるため、可視光域の光がCGL層22まで到達してカウンターチャージを発生させることができるため、帯電した電荷を除電することが可能になる。この場合の感光体の光感度特性は、通常の露光に用いられる可視光領域の光のみに露光の感度を有している必要がある。
【0045】
図11は、UV波長域の光で変色する遮光層を有する感光体の帯電電荷の除電イメージについて説明する図である。
感光体2は、帯電工程で帯電ローラなどを用いて感光体2表面に電荷を帯電させる。一般的に用いられている感光体2は、可視光領域のレーザー光もしくはLEDなどの光L1を照射した場所の帯電された電荷を除電する機能がある。そのため、図11(a)に示すように、感光体表層(CTL層23)にUV波長域の光L2を照射せずに露光した場合やUV波長域の光で露光を行おうとした場合、可視光領域の露光用の光L1がCGL層22に到達してカウンターチャージを発生させることができるため、帯電した電荷を除電することが可能になる。
【0046】
しかし、図11(b)に示すように、UV波長域の光を照射した直後に可視光領域の光で露光してもUV波長域の光を吸収したUV光で変色する遮光層24が変色して可視光領域の光を遮光するため、カウンターチャージを発生させるCGL層22まで光が届くことができず、帯電した電荷を除電することが不可能になる。この場合の感光体2の光感度特性は、通常の露光に用いられる可視光領域の光のみに露光の感度を有している必要がある。
【0047】
図12は、UV波長域と可視光領域の発光素子を有した画像形成装置について説明する図である。
図12において、感光体の光感度特性がUV波長域と通常の露光に用いる可視光領域との両方に感度を有している場合、ポリゴンミラーに照射して露光する光源として、通常露光用の可視光領域のレーザーダイオードLD30とUV波長域のレーザーダイオードLD31を有することで、UV波長域を吸収する層が印刷を行うことにより研磨されて消失する原理を活用して感光体膜厚の残量をユーザーに通知するためのメッセージを印刷することができるようになる。
この場合、通常の印刷においては、可視光領域のLD30を用いて画像を印刷し、感光体の膜厚をチェックするような場合は、膜厚チェックパターンをUV波長域のLD31を用いて描画することで判断することが可能となる。
【0048】
図13は、図12の変形例を示す図である。
感光体の光感度特性が通常の露光に用いる可視光領域のみに感度を有している場合、描画用のレーザーダイオードLD30の他に備えたUV波長域の露光装置32と感光体層にUV波長域の光を受けると可視光領域の光を遮光するように変色する機能を組み合わせることで、感光体膜厚の残量をユーザーに通知するためのメッセージを印刷することができるようになる。
【0049】
この場合、通常の印刷においては、UV波長域の光を消灯することで可視光領域のLD30を用いて画像を印刷し、感光体の膜厚をチェックするような場合は、UV波長域の光を露光装置32により照射して膜厚チェックパターンを可視光領域のLDを用いて描画することで、UV光に反応して変色する層が印刷によって研磨されて消失(寿命に達している)しているかを判断することが可能となる。
【0050】
なお、本発明において、UV波長域の光を照射して感光体の寿命を調べる時期は任意であるが、例えば、メインスイッチがONされ時や、印刷枚数が所定枚数達する毎等に設定することができる。
【0051】
図14は、表層膜厚確認用画像パターンの例について説明する図である。
通常の可視光領域の光で露光して描画したリファレンス用の画像パターン33は、ベタから白の濃度までを数段階の濃度レベルで印刷したもので構成されている。濃度レベルは、バイアスコントロールによるアナログ的な現像方式でも階調パターンを用いたデジタル的な現像方式でもどちらで構成しても問題なく用いることができる。
【0052】
チェック用の画像パターン34は、感光体表層のUV波長域の光を吸収する層の残量により、UV波長域の光でベタ画像を印刷した際に、ベタの画像濃度が感光体表層の膜厚に依存して濃度が薄くなる特徴が得られる。そこで、通常の可視光領域の光で露光して描画したリファレンス用の画像パターン33とUV波長域の光で描画したチェック用の画像パターン34を印刷し、両方の印刷パターンを比較してチェック用の画像パターン33とリファレンス用の画像パターン34の濃度が同じレベルのところが、感光体2の膜厚状態として判断することができる。
【0053】
以上、本発明の好ましい実施の形態について説明したが、本発明は上記実施の形態のみに限定されず、各種改変することができるものである。
例えば、上記実施形態では感光体として感光体ドラムで説明したが、感光体はドラム状のものに限らずベルト状、例えばエンドレスベルトであってもよい。さらに、本発明は現像手段も一成分方式の装置に限らず、二成分方式の現像装置にも適用できる。さらにまた、本発明は現像手段が反転現像を採用する装置であっても適用することができる。
【0054】
さらに、上記実施形態ではマイナス帯電用の有機感光体で説明したが、本発明の感光体は、例えばアルミ素管上のUCL層に機能層であるCGL層とCTL層を一体化した単層である電荷発生・輸送層が設けたプラス帯電用の有機感光体にも適用することができる。
【符号の説明】
【0055】
1 プロセスカートリッジ
2 感光体ドラム
4 現像手段
11 中間転写ベルト
23 CTL層
24、24A 遮光層
25、25A 微粒子
【先行技術文献】
【特許文献】
【0056】
【特許文献1】特開平9−190120号公報
【特許文献2】特開2010−128012号公報
【技術分野】
【0001】
本発明は、表面にトナー画像が形成される感光体と該感光体を用いるプロセスカートリッジ及び電子写真方式の画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電子複写機、プリンタ、ファクシミリ或いはその少なくとも2つの機能を備えた複合機などとして構成される上記形式の画像形成装置は周知である。かかる画像形成装置において、基本的なマイナス帯電用の有機感光体ドラム(OPC)の構造は最下層からアルミ素管、UCL(アンダーコート層、Under Coat Layer)と、感光体の機能層であるCGL(電荷発生層、Carrier Generation Layer)、CTL(電荷輸送層、Carrier Transport Layer)となっている。そして、最表層にあるCTL層は画像形成が進むにつれ徐々に削られる特性を有している。
【0003】
感光体は、経時使用で最表層であるCTL層が削られると、感光体としての機能が低下してしまう。そして、感光体としての機能が低下すると、所定の画像品質を維持することができなくなったり、画像形成自体ができなくなったりし、感光体が寿命に達したことになる。このため、感光体の寿命を確実に知ることは機器を使用していくうえで、重要な要件の1つとなっている。
【0004】
従来、有機感光体の寿命は、予め標準的な環境、使用条件にて耐久試験等を行なって感光体が寿命に到達するまでの印刷枚数や感光体の累積回転数等を求め、その結果に基いて設定されていた。しかし、感光体の寿命は画像形成装置の使用環境、使用条件に大きく依存するため、これを正確に予測することは困難である。このため、市場においては予め想定された寿命としての印刷枚数に至る前に、品質上重大な欠陥のある印刷物を出力してしまったり、十分に使用に耐えうるにもかかわらず感光体の交換が行なわれてしまったりする場合があった。
【0005】
そこで、感光体の疲労状態を検出し、その検出結果に基いて感光体寿命を判定する方法が提案されている。例えば、感光体の疲労状態を検出する方法として、感光体の表面電位を検出し、この検出結果に基づき感光体寿命を判定する方法ががあり、例えば、特許文献1では、検出された飽和電位及び残留電位を予め設定した電位値と比較することで感光体の寿命を判定する方法が開示されている。また、特許文献2では、帯電電位と残留電位との差に応じて感光体の寿命を判定する方法が開示されている。さらにまた、特許文献3には、有機感光体の寿命を判定する目的で、有機感光体と、該有機感光体の残留電位を検出する電位検出手段と、該有機感光体の温度を直接又は間接的に検出する温度検出手段と、該電位検出手段による検出値及び該温度検出手段による検出値に基づき該有機感光体の寿命を判定する寿命判定手段とを備える構成が開示されている。
【0006】
このように構成すると、有機感光体の寿命を検知して使用者に通達することができるが、測定による誤差及び測定機構の追加によるコストやスペースが増加するという問題があった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上述した従来の事情に鑑み、測定機構を用いることなく、正確な感光体の寿命時期を使用者に通達することができる感光体、プロセスカートリッジ及び画像形成装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するため、本発明は、表面にトナーにより現像される静電潜像が形成される感光体において、該感光体の最表層が光感度特性として可視光域とUV波長域を有するとともに、経時使用により削られて感光体としての機能が低下してしまう層であるとともに、該最表層の少なくとも一部にUV波長域の光を受けるとその光を遮光する遮光層が設けられていることを特徴とする感光体感光体を提案する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、経時使用により感光体の機能を有する最表層に、UV波長域の光を受けるとその光を遮光する遮光層を設け、感光体にUV波長域の光による画像描画の形態から感光体の寿命を簡単かつ確実に知ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明に係るプロセスカートリッジを示す概略構成図である。
【図2】本発明に係る画像形成装置を示す概略構成図である。
【図3】本発明の一実施形態における負帯電特性の感光体の層を示す説明図である。
【図4】図3の変形例を示す感光体の層を示す説明図である。
【図5】本発明の別の実施形態における負帯電特性の感光体の層を示す説明図である。
【図6】図5の変形例を示す感光体の層を示す説明図である。
【図7】表示層の一例を示す斜視説明図である。
【図8】表示層の他の例を示す斜視説明図である。
【図9】段階的の表示層を示す断面説明図である。
【図10】UV波長域の光吸収の遮光層を有する感光体の帯電電荷の除電イメージについて説明する図である。
【図11】UV波長域の光で変色する遮光層を有する感光体の帯電電荷の除電イメージについて説明する図である。
【図12】UV波長域と可視光領域の発光素子を有した画像形成装置を説明する図である。
【図13】可視光領域の発光素子とUV波長域の露光装置を有した画像形成装置を説明する図である。
【図14】表層膜厚確認用画像パターンの例について説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態を添付図面に従って詳細に説明する。
図1は、本発明に係る感光体を備えるプロセスカートリッジを示す断面図である。
【0012】
図1において、ここに示したプロセスカートリッジ1は感光体ドラム2、帯電部材、現像手段4及びクリーニング手段5を一体に結合した構成のカートリッジである。
【0013】
感光体ドラム2は、時計方向に回転駆動され、帯電部材としての帯電ローラ3は感光体ドラム2に圧接されて反時計方向に従動回転される、帯電ローラ3には、図示していない高圧電源より所定のバイアスが印加され、感光体ドラム2の表面を帯電している。
【0014】
現像装置4は、現像剤を収容する現像剤収容室40と、該現像剤収容室40の下方に設けられた現像剤供給室41とから構成されている。現像剤供給室41の下部には、現像ローラ42と、現像ローラ42に当接して設けられた層規制部材43および供給ローラ44が設けられる。現像ローラ42は感光体ドラム2に接触して配置され、図示しない高圧電源から所定の現像バイアスが印加される。現像剤収容室40内には現像剤攪拌部材45が設けられている。現像剤収容室40と該現像剤供給室41との間には現像剤の供給口46が形成されており、現像剤収容室40から該現像剤供給室41へ現像剤を供給するとともに現像剤が該現像剤供給室41へ過剰に供給されるのを防止している。該現像剤収容室40内の中央部には、現像剤の凝集を防止するためのアジテータ47が回転自在に設けられ、図上において反時計回りの方向に回転している。
【0015】
供給ローラ44の表面には空孔(セル)を有した構造の発泡材料が被覆されており、現像剤供給室41内に運ばれてきた現像剤を効率よく付着させて取り込むと共に、現像ローラ42との当接部での圧力集中による現像剤劣化を防止している。なお、上記発泡材料は103乃至1014Ωの電気抵抗値に設定される。供給ローラ44には、現像ローラ42の電位に対して現像剤の帯電極性と同極性にオフセット電圧を供給バイアスとして印加される。この供給バイアスは、現像ローラ42との当接部で予備帯電された現像剤を現像ローラ42に押し付ける方向に作用する。ただし、供給ローラ44に印加する電圧の極性はこれに限ったものではなく、現像剤の種類によっては現像ローラと同電位もしくは極性を反転させてもよい。供給ローラ44は反時計回りの方向に回転し、表面に付着させた現像剤を現像ローラ42の表面に塗布供給する。
【0016】
現像ローラ42には、弾性ゴム層を被覆したローラが用いられ、さらに表面には現像剤と逆の極性に帯電し易い材料からなる表面コート層が設けられる。弾性ゴム層は、感光体ドラム2との接触状態を均一に保つ為に、JIS−Aで50度以下の硬度に設定され、さらに現像バイアスを作用させるために103乃至1010Ωの電気抵抗値に設定される。表面粗さはRaで0.2乃至2.0μmに設定され、必要量の現像剤が表面に保持される。現像ローラ42は反時計回りの方向に回転し、表面に保持した現像剤を層規制部材43および感光体ドラム2との対向位置へと搬送する。
【0017】
層規制部材43は、SUS304CSPやSUS301CSPまたはリン青銅等の金属板バネ材料を用い、自由端側を現像ローラ42表面に10乃至100N/mの押圧力で当接させたもので、その押圧力下を通過した現像剤を薄層化すると共に摩擦帯電によって電荷を付与する。さらに層規制部材43には、摩擦帯電を補助する為に、現像ローラ42に印加した電位に対して現像剤の帯電極性と同極性にオフセットさせた電圧を規制バイアスとして印加される。
【0018】
感光体ドラム2は時計回りの方向に回転しており、従って現像ローラ42表面は感光体ドラム2との対向位置において感光体ドラム2の進行方向と同方向に移動する。該現像ローラ42上の薄層化された現像剤は、現像ローラ42の回転によって感光体ドラム2との対向位置へ搬送され、現像ローラ42に印加された現像バイアスと感光体ドラム2上の静電潜像によって形成される潜像電界に応じて感光体ドラム2表面に移動し、これによって感光体ドラム2の表面に形成された静電潜像が現像される。
【0019】
感光体ドラム2上に現像されずに現像ローラ42上に残された現像剤が再び現像剤供給室41内へと戻る部分には、封止シール48が現像ローラ42に当接して設けられ、現像剤が現像装置外部に漏れ出ないように封止される。
【0020】
なお、プロセスカートリッジ1には粉砕法もしくは重合法により製造されたトナーが充填されている。そのトナーは、外添剤としてシリコンオイルを含有したシリカを用いることもできる。外添剤としてシリコンオイル含有シリカを用いる効果は、プロセスカートリッジ1の長寿命化やクリーニング性の向上や転写効率の向上があげられる。
【0021】
図2は、上記プロセスカートリッジを用いるカラー画像形成装置の全体外略図である。
図2において、上記構成のイエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの各プロセスカートリッジ1Y、1C、1M、1Bkは、装置本体10に装着すると、図示していないストッパーによって感光体ドラム2が無端ベルトより成る中間転写ベルト11の上部走行辺に接触する位置に固定され、そのストッパーを解除することにより各プロセスカートリッジが交換できる構成になっている。
【0022】
画像形成装置による画像形成工程について説明する。感光体ドラム2が時計回りに回転駆動されると、感光体ドラム表面は帯電部材3によって所定の極性に一様に帯電される。この帯電面に、装置本体10内の上部に配置された露光装置6から出射する光変調されたレーザ光が照射され、感光体ドラム2Yの表面に書き込み情報に対応した静電潜像が形成される。図1及び2に示した例では帯電部材3として帯電ローラが用いられているが、コロナ放電器や帯電ブレードなどから成る帯電部材3を用いることもできる。同様に図1に示した画像形成装置においてはレーザ光を出射するレーザ書き込み装置より成る露光装置6が用いられているが、LEDアレイと結像手段を有する露光装置などを用いることもできる。
【0023】
各プロセスカートリッジ1に形成された静電潜像は、これが現像手段4を通るとき、それぞれの色のトナー像として可視像化される。ここに示した現像手段4は一成分接触現像であり、感光体ドラム2上の静電潜像をトナー像として顕像化する。現像手段4には図示しない高圧電源から所定の現像バイアスが供給される。
【0024】
一方、無端ベルトである中間転写ベルト11の内側には、その中間転写ベルト11を挟んで感光体ドラム2に対向して位置する一次転写手段としての転写ローラ7が配置されている。この転写ローラ7には、感光体ドラム2上に形成されたトナー像のトナー帯電極性と逆極性の転写電圧が印加される。これにより、感光体ドラム2と中間転写ベルト11との間に転写電界が形成され、感光体ドラム2上のトナー像が、その感光体ドラム2と同期して回転駆動される中間転写ベルト11上に静電的に転写される。
【0025】
トナー像を中間転写ベルト11に転写したあとの感光体ドラム2表面に付着する転写残トナーは、クリーニング手段5によって除去され、感光体ドラム2の表面が清掃される。
【0026】
かくして、各プロセスカートリッジ1Y、1C、1M、1Bkの感光体ドラム2にはイエロートナー像、マゼンタトナー像、シアントナー像及びブラックトナー像がそれぞれ形成される。これら各色のトナー像は、転写ローラ6により構成された転写手段によって、中間転写ベルト11上に順次重ねて静電転写される。このようにして複数の像担持体のそれぞれに形成された互いに色の異なるトナー像が中間転写ベルト11に重ねて静電転写されるのでフルカラー画像を形成される。形成されたフルカラー画像は、二次転写ローラ8と該中間転写ベルト11との間に所定の電圧を印加することにより転写材である用紙9に転写され、定着装置12にて用紙9の上に転写された現像剤の画像が熱と圧力により定着され出力される。二次転写ローラ8で転写されずに中間転写ベルト11上に残留した現像剤は転写ベルトクリーニング手段13に除去されて回収される。
【0027】
上記感光体ドラム2は、マイナス帯電用の有機感光体とすると、その構造は図3に示すように、最下層からアルミ素管20に、UCL層21(アンダーコート層、Under Coat Layer)と、CGL層22(電荷発生層、Carrier Generation Layer)からなる層に、機能層であるCTL層23(電荷輸送層、Carrier Transport Layer)が被覆されている。そして、最表層にあるCTL層23は画像形成が進むにつれ徐々に削られる特性を有しており、この層が殆どなくなる、もしくはある程度以上薄くなると(現行機種では10μm程度)と感光体としての機能が得られなくなる。すなわち、帯電させても感光体上に電荷が帯電しなくなってしまう。
【0028】
そこで、本発明は感光体の適正な寿命を簡単、かつ、確実にユーザーに知らせるべく、次のように構成している。
最表層にあるCTL層23にUV波長域の光を吸収する微粒子25が分散された遮光層24を設けている。この遮光層24はCTL層23と同様に経時使用により削られるが、削られずに残っている間はUV波長域の光を吸収して遮ることで、UV波長域の光による画像描画が形成することができない。図3に示すUV波長域の光を吸収する微粒子25を分散した遮光層24は、ある特定の領域にのみ25を設けているが、遮光層24は図4に示すように、感光体表面全域において設けも良い。
【0029】
このようにUV波長域の光を吸収する微粒子が分散された遮光層24は、図4に示すCTL層23の全域もしくは図3に示す印刷領域の限定された領域に設けられている。遮光層24はその上面が最表層であるCTL層23と同じで、その層厚はCTL層23より若干薄く下面がCTL層23の下面より僅かに上に位置している。したがって、感光体としての帯電・露光機能が機能しなくなる限界付近までの厚さであり、UV波長域の光を吸収する微粒子が分散された遮光層24が全て研磨されて消失した時に残っているCTL層23の厚みで、ギリギリ画像を描画することができる限界であることが望ましい。つまり、残りのCTL層23の厚みが機種・使用している感光体の特性によって異なるが10μm程度である。
【0030】
遮光層24に分散された微粒子25は、UV波長域の光が吸収し遮光するが、他の波長域(例えば、可視光)の光はほぼ100%透過する粒子である。その製造方法としては、ディップ方式やスプレー方式やインクジェット方式を用いることで成型させることができる。ディップ方式は、感光体を塗布液中に沈めて、引き上げることで、塗布する方式である。スプレー方式は、感光体を回転させつつ、スプレーを用いて表面に塗布する方式である。例えば、CTL層まで通常の製造工程(ディップ方式などの既存プロセス)で製作し、さらに、その上に感光体にUV波長域の光を吸収する微粒子を分散したCTL層の塗布液(CTL塗布液A)が塗布する部分以外をマスキングした上で、CTL塗布液Aをディップ方式もしくはスプレー方式などの既存の製膜プロセスを用いて塗布する。
【0031】
CTL塗布液Aを塗布する別の方法として、インクジェットを用いて塗布する方法もある。また、別の方法として、CTL層まで製造した感光体の最表層にあるCTL層に対してUV波長域の光を吸収する微粒子をエアガンなどで打ち込む方法などがある。
【0032】
感光体の露光に対しての光感度は、可視光領域の光とUV波長域の光の双方に対して感度がある。このような構成にすることで、UV波長域の光を吸収する微粒子が分散された遮光層24が存在する間は、UV波長域の光で描画した場合は画が描けず、通常利用する可視光領域の光で描画した場合にのみ描画することができる。印刷を続けて、UV波長域の光を吸収する微粒子が分散された遮光層24が削られて消滅するとUV波長域の光と可視光領域の光の双方で画を描くことが可能になる。
【0033】
これらの特性を利用することで、感光体の寿命をユーザーに知らせることができる。例えば、チェック画像として、UV波長域の光で「感光体が寿命です。」というようなメッセージを描こうとした場合、UV波長域の光を吸収する微粒子が分散された遮光層24が残っている場合は、印刷画像は白紙になって印刷される。一方、寿命でUV波長域の光を吸収する微粒子が分散された遮光層24が削られた状態では、印刷画像に「感光体が寿命です。」のメッセージを印刷することが可能になる。
【0034】
図5は、本発明の他の実施形態で、基本的な構成と特徴は、図3で説明した遮光層24を設けた感光体と同じである。よって、説明の煩雑を避けるため、同一構成の説明を省略する。
【0035】
図3における遮光層24はUV波長域の光を吸収する微粒子25を分散していたが、本実施形態の図5ではUV波長域の光を吸収することで変色し、露光に用いる可視光領域の光を遮光する特性を有した微粒子25Aを分散した遮光層24AをCTL層23の一部に有していることが特徴となっている。
【0036】
さらに、図6は本発明の他の実施形態であるが、基本的な構成と特徴は、図4で説明した遮光層24を設けた感光体と同じである。よって、説明の煩雑を避けるため、同一構成の説明を省略する。
【0037】
図4における遮光層24はUV波長域の光を吸収する微粒子25を分散していたが、本実施形態の図6ではUV波長域の光を吸収することで変色し、露光に用いる可視光領域の光を遮光する特性を有した微粒子25Aを分散した遮光層24AをCTL層23の全域に有していることが特徴となっている。
【0038】
図7は、感光体表面のCTL層23の一部に設けられた遮光層24,24Aを示す斜視図である。遮光層24、24Aは、少なくとも印刷領域内に分布されている。この印刷領域は、画像形成装置で使用可能な用紙の中で最大幅のものを基準としている。なお、遮光層24の形状は、図示する例では長方形のパッチパターンで表しているが、その形状は任意に変えることができる。例えば、遮光層24は丸、三角、帯状などのマーク、もしくは例えば、「Good」、「NotEmpty」などのメッセージ性のある文言にすることもできる。
【0039】
図8は、感光体の印刷領域のほぼ全域に分散させた遮光層24、24Aを示している。この印刷領域は、画像形成装置で使用可能な用紙の中で最大幅のものを基準としている。
【0040】
このように印刷画像領域の全域にUV波長域の光に対して反応する微粒子25,25Aが感光体に有するように製造した場合、UV波長域の光による描画やUV波長域の光照射と通常波長域の光による描画を組み合わせることにより感光体の劣化状態をユーザーに伝える任意のメッセージを印刷することが可能になる。
【0041】
図9は、本発明の他の実施形態を示す説明図で、本例の場合異なる場所に層厚の異なる遮光層24a,24bが設けられている。遮光層24aと遮光層24bとは上部がともにCTL層23の上端に接しているが、下部がCTL層23の下端までを変えたの厚さd1と厚さd2と異なっている。すなわち、厚さd1は、微粒子25を分散させた層を厚目に設け、厚さd2は微粒子を分散させた層を薄目に設け、d1>d2の関係を持つ遮光層24を感光体上に少なくとも一組以上設けている。
【0042】
かくして、遮光層24の厚みを2段階以上で設けることで、最表層のUV波長域の光に対して反応する微粒子を分布させた層の膜厚が削られて減少してきた際の警告を段階的に示すことが可能になる。例えば、膜厚が感光体の機能を維持する限界になるまでの間に、数段階のインジケータ(膜厚残量メーター)を設けることが可能であり、寿命までの感光体の膜厚状態を、膜厚チェックパターンを印刷させることとでユーザーに通知させることが可能になる。
【0043】
図10は、UV波長域の光吸収の遮光層を有する感光体の帯電電荷の除電イメージについて説明する図である。
感光体2は、帯電工程で帯電ローラなどを用いて感光体表面に電荷を帯電させる。一般的に用いられている感光体は、可視光領域のレーザー光もしくはLEDなどの光りを照射した場所の帯電された電荷を除電する機能がある。そのため、図10(a)に示すように、感光体表層にUV波長域の光を照射しつつ可視光領域の光で露光してもUV波長域の光を吸収したUV光で変色する遮光層24が変色して可視光領域の光を遮光するためカウンターチャージを発生させるCGL層22まで光が届くことができず、帯電した電荷を除電することが不可能になる。
【0044】
印刷を続けて感光体表面にあるUV波長域の光を吸収する遮光層24が削られて無くなった場合、図10(b)に示すように、UV波長域の光を照射しない状態と同じくなるため、可視光域の光がCGL層22まで到達してカウンターチャージを発生させることができるため、帯電した電荷を除電することが可能になる。この場合の感光体の光感度特性は、通常の露光に用いられる可視光領域の光のみに露光の感度を有している必要がある。
【0045】
図11は、UV波長域の光で変色する遮光層を有する感光体の帯電電荷の除電イメージについて説明する図である。
感光体2は、帯電工程で帯電ローラなどを用いて感光体2表面に電荷を帯電させる。一般的に用いられている感光体2は、可視光領域のレーザー光もしくはLEDなどの光L1を照射した場所の帯電された電荷を除電する機能がある。そのため、図11(a)に示すように、感光体表層(CTL層23)にUV波長域の光L2を照射せずに露光した場合やUV波長域の光で露光を行おうとした場合、可視光領域の露光用の光L1がCGL層22に到達してカウンターチャージを発生させることができるため、帯電した電荷を除電することが可能になる。
【0046】
しかし、図11(b)に示すように、UV波長域の光を照射した直後に可視光領域の光で露光してもUV波長域の光を吸収したUV光で変色する遮光層24が変色して可視光領域の光を遮光するため、カウンターチャージを発生させるCGL層22まで光が届くことができず、帯電した電荷を除電することが不可能になる。この場合の感光体2の光感度特性は、通常の露光に用いられる可視光領域の光のみに露光の感度を有している必要がある。
【0047】
図12は、UV波長域と可視光領域の発光素子を有した画像形成装置について説明する図である。
図12において、感光体の光感度特性がUV波長域と通常の露光に用いる可視光領域との両方に感度を有している場合、ポリゴンミラーに照射して露光する光源として、通常露光用の可視光領域のレーザーダイオードLD30とUV波長域のレーザーダイオードLD31を有することで、UV波長域を吸収する層が印刷を行うことにより研磨されて消失する原理を活用して感光体膜厚の残量をユーザーに通知するためのメッセージを印刷することができるようになる。
この場合、通常の印刷においては、可視光領域のLD30を用いて画像を印刷し、感光体の膜厚をチェックするような場合は、膜厚チェックパターンをUV波長域のLD31を用いて描画することで判断することが可能となる。
【0048】
図13は、図12の変形例を示す図である。
感光体の光感度特性が通常の露光に用いる可視光領域のみに感度を有している場合、描画用のレーザーダイオードLD30の他に備えたUV波長域の露光装置32と感光体層にUV波長域の光を受けると可視光領域の光を遮光するように変色する機能を組み合わせることで、感光体膜厚の残量をユーザーに通知するためのメッセージを印刷することができるようになる。
【0049】
この場合、通常の印刷においては、UV波長域の光を消灯することで可視光領域のLD30を用いて画像を印刷し、感光体の膜厚をチェックするような場合は、UV波長域の光を露光装置32により照射して膜厚チェックパターンを可視光領域のLDを用いて描画することで、UV光に反応して変色する層が印刷によって研磨されて消失(寿命に達している)しているかを判断することが可能となる。
【0050】
なお、本発明において、UV波長域の光を照射して感光体の寿命を調べる時期は任意であるが、例えば、メインスイッチがONされ時や、印刷枚数が所定枚数達する毎等に設定することができる。
【0051】
図14は、表層膜厚確認用画像パターンの例について説明する図である。
通常の可視光領域の光で露光して描画したリファレンス用の画像パターン33は、ベタから白の濃度までを数段階の濃度レベルで印刷したもので構成されている。濃度レベルは、バイアスコントロールによるアナログ的な現像方式でも階調パターンを用いたデジタル的な現像方式でもどちらで構成しても問題なく用いることができる。
【0052】
チェック用の画像パターン34は、感光体表層のUV波長域の光を吸収する層の残量により、UV波長域の光でベタ画像を印刷した際に、ベタの画像濃度が感光体表層の膜厚に依存して濃度が薄くなる特徴が得られる。そこで、通常の可視光領域の光で露光して描画したリファレンス用の画像パターン33とUV波長域の光で描画したチェック用の画像パターン34を印刷し、両方の印刷パターンを比較してチェック用の画像パターン33とリファレンス用の画像パターン34の濃度が同じレベルのところが、感光体2の膜厚状態として判断することができる。
【0053】
以上、本発明の好ましい実施の形態について説明したが、本発明は上記実施の形態のみに限定されず、各種改変することができるものである。
例えば、上記実施形態では感光体として感光体ドラムで説明したが、感光体はドラム状のものに限らずベルト状、例えばエンドレスベルトであってもよい。さらに、本発明は現像手段も一成分方式の装置に限らず、二成分方式の現像装置にも適用できる。さらにまた、本発明は現像手段が反転現像を採用する装置であっても適用することができる。
【0054】
さらに、上記実施形態ではマイナス帯電用の有機感光体で説明したが、本発明の感光体は、例えばアルミ素管上のUCL層に機能層であるCGL層とCTL層を一体化した単層である電荷発生・輸送層が設けたプラス帯電用の有機感光体にも適用することができる。
【符号の説明】
【0055】
1 プロセスカートリッジ
2 感光体ドラム
4 現像手段
11 中間転写ベルト
23 CTL層
24、24A 遮光層
25、25A 微粒子
【先行技術文献】
【特許文献】
【0056】
【特許文献1】特開平9−190120号公報
【特許文献2】特開2010−128012号公報
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面にトナーにより現像される静電潜像が形成される感光体において、
該感光体の最表層が光感度特性として可視光域とUV波長域を有するとともに、経時使用により削られて感光体としての機能が低下してしまう層であるとともに、
該最表層の少なくとも一部にUV波長域の光を受けるとその光を遮光する遮光層が設けられていることを特徴とする感光体。
【請求項2】
請求項1に記載の感光体において、前記遮光層がUV波長域の光を受けると変色して遮光することを特徴とする感光体。
【請求項3】
請求項1に記載の感光体において、前記遮光層がUV波長域の光を受けるとその光を吸収して遮光することを特徴とする感光体。
【請求項4】
請求項1または2に記載の感光体において、前記遮光層がUV波長域の光を受けると変色する微粒子が分散された層であることを特徴とする感光体。
【請求項5】
請求項1または3に記載の感光体において、前記遮光層がUV波長域の光を受けるとその光を吸収する微粒子が分散された層であることを特徴とする感光体。
【請求項6】
請求項1ないし5の何れかに記載の感光体において、前記遮光層が前記最表層に複数設けられ、該遮光層は2段階以上で層厚が異なることを特徴とする感光体。
【請求項7】
請求項6に記載の感光体において、層厚の異なる前記遮光層は該層の最下部から前記最表層の最下部までの間隔が異なるように配置されていることを特徴とする感光体。
【請求項8】
請求項1にないし7の何れかに記載の感光体において、前記遮光層は設けられた微粒子がメッセージ性を有した意匠を形成していることを特徴とする感光体。
【請求項9】
請求項1ないし8の何れかに記載の感光体において、前記遮光層が印刷領域の全域に形成されていることを特徴とする感光体。
【請求項10】
請求項1ないし9の何れかに記載の感光体を用いることを特徴とするプロセスカートリッジ。
【請求項11】
請求項1ないし9の何れかに記載の感光体を用いる画像形成装置であって、感光体を露光して静電潜像を形成するための可視光領域のレーザーダイオードの他にUV波長域の光を帯電後の感光体に照射する発光装置を設けたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項12】
請求項1ないし9の何れかに記載の感光体を用いる画像形成装置であって、感光体を露光して静電潜像を形成するための可視光領域のレーザーダイオードとUV波長域のレーザーダイオードの2種類の露光用光源を設けたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項1】
表面にトナーにより現像される静電潜像が形成される感光体において、
該感光体の最表層が光感度特性として可視光域とUV波長域を有するとともに、経時使用により削られて感光体としての機能が低下してしまう層であるとともに、
該最表層の少なくとも一部にUV波長域の光を受けるとその光を遮光する遮光層が設けられていることを特徴とする感光体。
【請求項2】
請求項1に記載の感光体において、前記遮光層がUV波長域の光を受けると変色して遮光することを特徴とする感光体。
【請求項3】
請求項1に記載の感光体において、前記遮光層がUV波長域の光を受けるとその光を吸収して遮光することを特徴とする感光体。
【請求項4】
請求項1または2に記載の感光体において、前記遮光層がUV波長域の光を受けると変色する微粒子が分散された層であることを特徴とする感光体。
【請求項5】
請求項1または3に記載の感光体において、前記遮光層がUV波長域の光を受けるとその光を吸収する微粒子が分散された層であることを特徴とする感光体。
【請求項6】
請求項1ないし5の何れかに記載の感光体において、前記遮光層が前記最表層に複数設けられ、該遮光層は2段階以上で層厚が異なることを特徴とする感光体。
【請求項7】
請求項6に記載の感光体において、層厚の異なる前記遮光層は該層の最下部から前記最表層の最下部までの間隔が異なるように配置されていることを特徴とする感光体。
【請求項8】
請求項1にないし7の何れかに記載の感光体において、前記遮光層は設けられた微粒子がメッセージ性を有した意匠を形成していることを特徴とする感光体。
【請求項9】
請求項1ないし8の何れかに記載の感光体において、前記遮光層が印刷領域の全域に形成されていることを特徴とする感光体。
【請求項10】
請求項1ないし9の何れかに記載の感光体を用いることを特徴とするプロセスカートリッジ。
【請求項11】
請求項1ないし9の何れかに記載の感光体を用いる画像形成装置であって、感光体を露光して静電潜像を形成するための可視光領域のレーザーダイオードの他にUV波長域の光を帯電後の感光体に照射する発光装置を設けたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項12】
請求項1ないし9の何れかに記載の感光体を用いる画像形成装置であって、感光体を露光して静電潜像を形成するための可視光領域のレーザーダイオードとUV波長域のレーザーダイオードの2種類の露光用光源を設けたことを特徴とする画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2013−105008(P2013−105008A)
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−248571(P2011−248571)
【出願日】平成23年11月14日(2011.11.14)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年11月14日(2011.11.14)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
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