説明

感光体クリーニング装置及び該感光体クリーニング装置を備えた画像形成装置

【課題】
長期に亙って、感光体表面との摩擦係数の増大によってクリーニングブレードがめくれたり、クリーニングブレードの摩耗によって感光体表面にクリーニング不良が発生したり、感光体表面の感光膜の膜減りによって画像かぶりが発生したりすることのない感光体クリーニング装置及び該感光体クリーニング装置を備えた画像形成装置を提供することを課題とする。
【解決手段】
クリーニングブレードの感光体表面当接部分にトナーの外添剤と同組成の疎水性シリカ及び疎水性酸化チタンを形成させることで、上記課題を解決する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、感光体クリーニング装置及び該感光体クリーニング装置を備えた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式を用いた画像形成装置では、感光体上に形成された静電潜像は現像工程でトナーによって可視像化された後、転写体に転写される。この時、全てのトナーが転写体に転写されることはなく、感光体上にトナーが残留してしまう。感光体上に残留する転写残トナーが多いと、次に複写動作が行われた際、感光体表面にクリーニング不良が発生し、出力画像にも現れる。クリーニング不良を発生させないためには、感光体に当接して表面を清掃するクリーニングブレードを備えた感光体クリーニング装置が搭載される。そして、クリーニングブレードの材料であるポリウレタンゴムの硬度、厚み、及び感光体表面に当接させるクリーニングブレードの当接角度、食い込み量を適正化することが図られている。
【0003】
しかし、長期に亙って感光体クリーニング装置を使用すると、クリーニングブレードの摩耗が発生し、ライフ性能を縮める場合があった。
【0004】
このような問題に対処するために、例えば、特開平6−282206号公報(特許文献1)では、図2に示すように、クリーニングブレード100の感光ドラム101に当接させる部分に、アモルファスカーボン102をコーティングすることが記載されている。感光ドラム101を帯電させる際に発生した窒素酸化物やオゾン等の化学活性種が感光ドラム101の表面に付着し硝酸塩ならびに硝酸による表面荒れが生じるが、特許文献1のように感光ドラム101と当接する部分に高硬度のアモルファスカーボン102をコーティングしたクリーニングブレード100を用いることによって、感光ドラム101の表面が荒れても容易に研磨でき、クリーニングブレード100が摩耗しない感光体クリーニング装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平6−282206号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1のようなコーティングを行うと、感光ドラム101が過剰に削れてしまい、画像かぶりが発生してしまう場合があった。
【0007】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、クリーニングブレードの感光体表面当接部分に初期からトナーの外添剤と同組成の疎水性シリカ及び疎水性酸化チタンを形成させることで、クリーニングブレードが摩耗しても、摩耗成分と同組成の成分がトナー表面から遊離して供給され、初期のクリーニングブレードの組成を維持できるため、感光体表面との摩擦係数の増大によってクリーニングブレードがめくれたり、クリーニングブレードの摩耗によって感光体表面にクリーニング不良が発生したり、感光体表面の感光膜の膜減りによって画像かぶりが発生したりすることのない感光体クリーニング装置及び該感光体クリーニング装置を備えた画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、感光体と該感光体に当接して表面を清掃するクリーニングブレードを備えた感光体クリーニング装置において、前記クリーニングブレードは、前記感光体に当接する部分にトナーの外添剤と同組成の疎水性シリカ及び疎水性酸化チタンを含む水溶媒が塗布されていることを特徴とするものである。
【0009】
また、本発明は、前記疎水性シリカは、平均粒径が3〜50nmであり、前記疎水性酸化チタンは、平均粒径が15〜75nmであり、前記水溶媒100重量部に対して、前記疎水性シリカの部数は、0.7〜3.5重量部、前記疎水性酸化チタンの部数は、0.25〜2.3重量部、前記疎水性シリカと前記疎水性酸化チタンの総部数は、0.95〜5.8重量部であることが好ましい。
【0010】
また、本発明は、前記疎水性シリカは、平均粒径が5〜40nmであり、前記疎水性酸化チタンは、平均粒径が20〜60nmであり、前記水溶媒100重量部に対して、前記疎水性シリカの部数は、1.0〜3.0重量部、前記疎水性酸化チタンの部数は、0.5〜2.0重量部、前記疎水性シリカと前記疎水性酸化チタンの総部数は、1.5〜5.0重量部であることが好ましい。
【0011】
また、本発明は、前記感光体クリーニング装置を備えた画像形成装置であることが好ましい。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、クリーニングブレードの感光体表面当接部分に初期からトナーの外添剤と同組成の疎水性シリカ及び疎水性酸化チタンを形成させることで、クリーニングブレードが摩耗しても、摩耗成分と同組成の成分がトナー表面から遊離して供給されることで、初期のクリーニングブレードの組成を維持できるため、感光体表面との摩擦係数の増大によってクリーニングブレードがめくれたり、クリーニングブレードの摩耗によって感光体表面にクリーニング不良が発生したり、感光体表面の感光膜の膜減りによって画像かぶりが発生したりすることのない感光体クリーニング装置及び該感光体クリーニング装置を備えた画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施例となる感光体クリーニング装置の構成を示す概略断面図である。
【図2】従来例の感光体クリーニング装置の構成を示す概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
<実施例1>
本発明の感光体クリーニング装置について図面を参照して説明する。
【0015】
図1は、本発明の感光体クリーニング装置1の構成を示す概略断面図である。以下には、本発明の感光体クリーニング装置に関して説明するが、その他の構成については、電子写真方式を用いた画像形成装置の一般的な技術が適用できることはいうまでもない。
【0016】
感光体クリーニング装置1は、転写残トナー回収容器2、クリーニングブレード支持板金3、クリーニングブレード4から構成され、感光体5と対向して配設されている。
【0017】
転写残トナー回収容器2では、クリーニングブレード4で掻きとられた感光体5上の転写残トナーが回収される。
【0018】
クリーニングブレード支持板金3は、厚み1.2mmの金属板金であり上面にクリーニングブレード4が接着され、転写残トナー回収容器2外周面に配設されている。
【0019】
クリーニングブレード4のクリーニングブレード支持板金3側でない先端は時計方向に回転する感光体5と当接し、当接する部分を通過する感光体5の接線Eに対して26.2度の当接角度θで当接している。感光体5表面への食い込み量は1.3mmとした。
【0020】
クリーニングブレード4は、感光体5長手方向の幅337mm、感光体5当接方向の長さ12mm、厚み2mmのポリウレタンゴムである。クリーニングブレード支持板金3との感光体5当接方向の接着長さは3mm、クリーニングブレード支持板金3と接着されていない感光体5当接方向の突き出し長さLは9mmとした。
【0021】
クリーニングブレード3は、高硬度で弾性に富み機械的強度に優れた特性が必要であり、JIS−A硬度70Hs、ヤング率6.5MPa、反発弾性率50%、伸び300%、引っ張り強度30MPa、引き裂き強度40KN/mとした。
【0022】
感光体5は、直径30mmの円筒状であって、不図示の導電性基体と、導電性基体表面に形成される不図示の感光膜から構成される。導電性基体はアルミ製であり、厚みは1mmとした。感光膜は、下地膜、電荷発生物質を含む樹脂層である電荷発生層、電荷輸送物質を含む樹脂層である電荷輸送層を積層し、3層構成とした。下地膜、電荷発生層、電荷輸送層の厚みはそれぞれ0.1μm、0.5μm、23μmとした。
【0023】
次に、本発明で用いられるトナーについて説明する。トナーは、結着樹脂、着色剤、帯電制御剤、オフセット防止剤としてのワックス等を溶融混練した後、冷却により固化させてから、粉砕分級することよって得られる。トナーには、さらに、流動性及び帯電性を向上させる目的で、疎水性シリカ、疎水性酸化チタン等の無機微粒子を外添剤として外添する。このように、疎水性シリカ、疎水性酸化チタンを用いることで、高温高湿環境下でも吸湿することがない。その結果、高温高湿環境下でも帯電性を向上できる。
【0024】
まず、結着樹脂として、ガラス転移点68℃、軟化点129℃のポリエステル樹脂100重量部、着色剤として、カーボンブラック(エボニックデグサジャパン社製、Nipex−60)6重量部、帯電制御剤として、ホウ素錯体(日本カーリット社製、LR−147)1.4重量部、オフセット防止剤として、カルナウバワックス(東亜化成社製、Towax−171)2.0重量部を気流混合機であるヘンシェルミキサ(三井鉱山株式会社製、FMミキサ)で均一に混合して樹脂混合物を得た。
【0025】
得られた樹脂混合物は、溶融混練機である二軸混練機(池貝社製、PCM−37)で、樹脂混合物を供給する供給量を5kg/時間、二軸混練機の設定温度を140℃とした条件で溶融混練することにより、溶融混練物を作製した。
得られた溶融混練物は、冷却により固化させてから、粉砕分級することによって、粒子状のトナーが生成される。粉砕分級は、まず、カッターミル(オリエント社製、VM−16)で粗粉砕し、次いで、カウンタジェットミル(ホソカワミクロン社製、AFG)のようなエア式粉砕機によって微粉砕し、その後、ロータリ式分級機(ホソカワミクロン社製、TSPセパレータ)によって分級した。このことで、体積平均粒径6.7μmの外添前トナーを得た。
【0026】
得られた外添前トナー100重量部に対して、シランカップリング剤とジメチルシリコーンオイルで表面処理した平均粒径15nmの小粒径の疎水性シリカ1.5重量部、同様に表面処理した平均粒径40nmの大粒径の疎水性酸化チタン1.0重量部を外添剤として添加し、ヘンシェルミキサ(三井鉱山株式会社製、FMミキサ)で混合することによってトナーを製造した。
【0027】
その後、得られたトナー5重量部にキャリア95重量部を混合して2成分現像剤を得た。キャリアは、磁性を有するフェライト粒子表面をシリコーン樹脂で被覆したコートキャリアを用いた。キャリアの粒径は50μmとした。
【0028】
次に、本発明で用いられるクリーニングブレード4の感光体5表面当接部分に塗布する水溶媒について説明する。まず、水溶媒である比抵抗5MΩ・cmの純水1000mlに非イオン性界面活性剤のポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル2mlを添加する。なお、水溶媒ではなく、アルコール、アセトン、テトラヒドロフラン等の有機溶媒を用いると、クリーニングブレード4に塗布したとき、ポリウレタンゴムであるクリーニングブレード4の組成が変化してしまうので好ましくない。
【0029】
さらに、トナーの外添剤と同組成の疎水性シリカ及び疎水性酸化チタン、すなわち、シランカップリング剤とジメチルシリコーンオイルで表面処理した平均粒径15nmの小粒径の疎水性シリカ1.5重量部、同様に表面処理した平均粒径40nmの大粒径の疎水性酸化チタン1.0重量部を添加する。
【0030】
その後、超音波ホモジナイザ(日本精機社製、US−300T)にて、5分間40μAの超音波振動を与えた。
【0031】
このようにして得られたトナーの外添剤と同組成の疎水性シリカ及び疎水性酸化チタンを含む水溶媒をクリーニングブレード4のクリーニングブレード支持板金3側でない先端3mmに10秒間浸漬させた。
【0032】
その後、浸漬させたクリーニングブレード4を引き上げて8時間自然乾燥させた。このことで、トナーの外添剤と同組成の疎水性シリカ及び疎水性酸化チタンを含む水溶媒が塗布された。
【0033】
このように、クリーニングブレード4に疎水性シリカ、疎水性酸化チタンが添加されることで、高温高湿環境下でも吸湿することがない。その結果、高温高湿環境下でも感光体5表面との摩擦係数が増大することはない。
【0034】
次に、トナーの外添剤と同組成の疎水性シリカ及び疎水性酸化チタンを含む水溶媒が塗布されたクリーニングブレード4をシャープ株式会社製複写機MX−2300(複写速度23枚/分、定着速度126mm/sec)を改造した画像形成装置に搭載して、常温常湿環境下、画像面積率5%のA4原稿にて普通紙(シャープ株式会社製、SF−4AM3)を10万枚横通紙して複写試験を行った。
【0035】
以下に、種々の評価及び測定方法を記載する。
【0036】
感光体5表面との摩擦係数の増大によって発生するクリーニングブレード4のめくれの評価としては、複写試験中に異音が発生して、出力画像に感光体5周期で転写残トナーに起因する画像が現れた時点で複写試験を停止し、クリーニングブレード4のめくれが発生していないか目視で確認した。10万枚後でも発生していなければ良好、発生していれば不良と判定した。
【0037】
クリーニングブレード4の摩耗によって感光体5表面に発生するクリーニング不良の評価としては、5000枚毎に出力画像に感光体5周期で転写残トナーに起因する画像が現れるかどうかを確認した。なお、感光体5周期とは、直径30mmの感光体5の外周周期である。10万枚後でも現れなければ良好、現れれば不良と判定した。
【0038】
クリーニングブレード4に塗布される疎水性酸化チタンの平均粒径が大き過ぎたり部数が多過ぎて、感光体5表面に発生させてしまう傷の評価としては、5000枚毎に出力画像に黒色の傷が発生していないか目視で確認した。10万枚後でも発生していなければ良好、発生していれば不良と判定した。
【0039】
感光体5表面の感光膜の膜減りによって発生する画像かぶりの評価としては、10万枚後、感光体5表面の非画像部に透明テープ(住友スリーエム社製、メンディングテープ)を貼り付け、剥がした透明テープの濃度を濃度計(エックスライト社製、X−rite938)にて測定することで行った。0.01未満を良好、0.01以上、0.02未満をやや不良、0.02以上を不良と判定した。10万枚後、感光体5表面の感光膜の膜厚もフィッシャースコープ膜厚計(ケツト科学社製、タイプMMS)にて測定した。
【0040】
なお、総合判定は、ひとつも不良がない場合を「○」、ひとつ不良があれば「△」、2つ以上不良があれば「×」と判定した。
【0041】
以上の結果を表1に示す。
【0042】
【表1】

【0043】
本実施例では、クリーニングブレード4のめくれ、クリーニング不良、感光体5表面の傷も発生しなかった。画像かぶりも、濃度0.004と良好であった。
【0044】
疎水性シリカの平均粒径は3〜50nm、部数は0.7〜3.5重量部、疎水性酸化チタンの平均粒径は15〜75nm、部数は0.25〜2.3重量部、疎水性シリカと疎水性酸化チタンの総部数は0.95〜5.8重量部の範囲内であることが好ましい。
【0045】
より好ましくは、疎水性シリカの平均粒径は5〜40nm、部数は1.0〜3.0重量部、疎水性酸化チタンの平均粒径は20〜60nm、部数は0.5〜2.0重量部、疎水性シリカと疎水性酸化チタンの総部数は1.5〜5.0重量部の範囲内である。
【0046】
疎水性シリカの平均粒径が3nmより小さいと、クリーニングブレード4の感光体5表面当接部分に疎水性シリカが埋没してしまってクリーニングブレード4のめくれが発生し、50nmより大きいと、感光体5表面に傷を発生させてしまう。部数が0.7重量部より少ないと、クリーニングブレード4の摩耗によって感光体5表面全面にクリーニング不良が発生し、3.5重量部より多いと、感光体5表面との摩擦係数の増大によってクリーニングブレード4のめくれが発生してしまう。
【0047】
疎水性酸化チタンの平均粒径が15nmより小さいと、クリーニングブレード4の感光体5表面当接部分に疎水性酸化チタンが埋没してしまってクリーニングブレード4のめくれが発生し、75nmより大きいと、感光体5表面に傷を発生させてしまう。部数が0.25重量部より少ないと、クリーニングブレード4の摩耗によって感光体5表面にクリーニング不良が発生し、2.3重量部より大きいと、感光体5表面に大きな傷を発生させてしまう。
【0048】
疎水性シリカと疎水性酸化チタンの総部数は、0.95重量部より少ないと、クリーニングブレード4の摩耗によって感光体5表面にクリーニング不良が発生し、5.8重量部より大きいと、感光体5表面との摩擦係数の増大によってクリーニングブレード4のめくれが発生、もしくは感光体5表面に傷を発生させてしまうので、0.95〜5.8重量部の範囲内であることが好ましい。
<実施例2>
本実施例では、実施例1と比べて、疎水性シリカの平均粒径、疎水性酸化チタンの平均粒径と部数を以下のように変更した。それ以外は実施例1と同一とした。疎水性シリカの平均粒径を15nmから5nm、疎水性酸化チタンの平均粒径を40nmから20nm、部数を1.0重量部から0.5重量部に変更した。
【0049】
クリーニングブレード4のめくれ、クリーニング不良、感光体5表面の傷も発生しなかった。画像かぶりも、濃度0.003と良好であった。
<実施例3>
本実施例では、実施例2と比べて、疎水性酸化チタンの平均粒径と部数を以下のように変更した。疎水性酸化チタンの平均粒径を40nmから60nm、部数を1.0重量部から2.0重量部に変更した。
【0050】
クリーニングブレード4のめくれ、クリーニング不良、感光体5表面の傷も発生しなかった。画像かぶりも、濃度0.005と良好であった。
<実施例4>
本実施例では、実施例2と比べて、疎水性シリカの部数、疎水性酸化チタンの部数を以下のように変更した。疎水性シリカの部数を1.5重量部から3.0重量部、疎水性酸化チタンの部数を0.5重量部から2.0重量部に変更した。
【0051】
クリーニングブレード4のめくれ、クリーニング不良、感光体5表面の傷も発生しなかった。画像かぶりも、濃度0.006と良好であった。
<実施例5>
本実施例では、実施例4と比べて、疎水性酸化チタンの平均粒径と部数を以下のように変更した。疎水性酸化チタンの平均粒径を20nmから60nm、部数を2.0重量部から0.5重量部に変更した。
【0052】
クリーニングブレード4のめくれ、クリーニング不良、感光体5表面の傷も発生しなかった。画像かぶりも、濃度0.003と良好であった。
<実施例6>
本実施例では、実施例4と比べて、疎水性シリカの平均粒径と部数を以下のように変更した。疎水性シリカの平均粒径を5nmから20nm、部数を3.0重量部から1.5重量部に変更した。
【0053】
クリーニングブレード4のめくれ、クリーニング不良、感光体5表面の傷も発生しなかった。画像かぶりも、濃度0.006と良好であった。
<実施例7>
本実施例では、実施例6と比べて、疎水性酸化チタンの平均粒径と部数を以下のように変更した。疎水性酸化チタンの平均粒径を20nmから60nm、部数を2.0重量部から0.5重量部に変更した。
【0054】
クリーニングブレード4のめくれ、クリーニング不良、感光体5表面の傷も発生しなかった。画像かぶりも、濃度0.003と良好であった。
<実施例8>
本実施例では、実施例2と比べて、疎水性シリカの平均粒径と部数を以下のように変更した。疎水性シリカの平均粒径を5nmから20nm、部数を1.5重量部から3.0重量部に変更した。
【0055】
クリーニングブレード4のめくれ、クリーニング不良、感光体5表面の傷も発生しなかった。画像かぶりも、濃度0.004と良好であった。
<実施例9>
本実施例では、実施例8と比べて、疎水性酸化チタンの平均粒径と部数を以下のように変更した。疎水性酸化チタンの平均粒径を20nmから60nm、部数を0.5重量部から2.0重量部に変更した。
【0056】
クリーニングブレード4のめくれ、クリーニング不良、感光体5表面の傷も発生しなかった。画像かぶりも、濃度0.005と良好であった。
<実施例10>
本実施例では、実施例3と比べて、疎水性酸化チタンの部数を2.0重量部から2.3重量部に変更した。
【0057】
このことで、金属酸化物である疎水性酸化チタンの部数が2.0重量部を超えたため、8.5万枚後、感光体5表面に傷を発生させてしまった。
<実施例11>
本実施例では、実施例6と比べて、疎水性シリカの部数を1.5重量部から0.7重量部に変更した。
【0058】
このことで、クリーニングブレード4に塗布される疎水性シリカの部数が1.0重量部より少なくなったため、9万枚後、クリーニングブレード4の摩耗によって感光体5表面にクリーニング不良が発生した。
<実施例12>
本実施例では、実施例2と比べて、疎水性酸化チタンの部数を0.5重量部から0.25重量部に変更した。
【0059】
このことで、クリーニングブレード4に塗布される疎水性酸化チタンの部数が0.5重量部より少なくなったため、9万枚後、クリーニングブレード4の摩耗によって感光体5表面にクリーニング不良が発生した。
<実施例13>
本実施例では、実施例4と比べて、疎水性シリカの平均粒径、疎水性酸化チタンの平均粒径を以下のように変更した。疎水性シリカの平均粒径を5nmから3nm、疎水性酸化チタンの平均粒径20nmから40nmに変更した。
【0060】
このことで、クリーニングブレード4に塗布される疎水性シリカの平均粒径が5nmより小さくなったため、クリーニングブレード4の感光体5表面当接部分に疎水性シリカが埋没してしまった。その結果、7.5万枚後、感光体5表面との摩擦係数の増大によってクリーニングブレード4のめくれが発生してしまった。複写試験も停止させた。
<実施例14>
本実施例では、実施例1と比べて、疎水性酸化チタンの平均粒径、部数を以下のように変更した。疎水性酸化チタンの平均粒径を40nmから75nm、部数を1.0重量部から2.0重量部に変更した。
【0061】
このことで、金属酸化物である疎水性酸化チタンの平均粒径が60nmより大きくなったため、7.5万枚後、感光体5表面に傷を発生させてしまった。
<実施例15>
本実施例では、実施例1と比べて、疎水性酸化チタンの平均粒径を40nmから15nmに変更した。
【0062】
このことで、クリーニングブレード4に塗布される疎水性酸化チタンの平均粒径が20nmより小さくなったため、クリーニングブレード4の感光体5表面当接部分に疎水性酸化チタンが埋没してしまった。その結果、7.5万枚後、感光体5表面との摩擦係数の増大によってクリーニングブレード4のめくれが発生してしまった。複写試験も停止させた。
<実施例16>
本実施例では、実施例1と比べて、疎水性シリカの部数を1.5重量部から3.5重量部に変更した。
【0063】
このことで、クリーニングブレード4に塗布される疎水性シリカの部数が3.0重量部を超えたため、7.5万枚後、感光体5表面との摩擦係数の増大によってクリーニングブレード4のめくれが発生してしまった。複写試験も停止させた。
<実施例17>
本実施例では、実施例1と比べて、疎水性シリカの平均粒径を15nmから50nmに変更した。
【0064】
このことで、クリーニングブレード4に塗布される疎水性シリカの平均粒径が40nmより大きくなったため、9万枚後、感光体5表面に傷を発生させてしまった。
<比較例1>
本比較例では、クリーニングブレード4に、疎水性シリカ及び疎水性酸化チタンの水溶媒の塗布は行わなかった。
【0065】
このことで、5万枚後、クリーニングブレード4の摩耗によって感光体5表面にクリーニング不良が発生した。
【0066】
また、感光体5表面の感光膜の膜厚も9.5万枚後、14.4μmまで膜減りしてしまい、画像かぶりも濃度0.021と不良となってしまった。
【0067】
以上により、総合判定は、実施例1〜9は、ひとつも不良がないため「○」、実施例10〜17はひとつ不良があるため「△」、比較例1は2つ以上不良があるため「×」とした。
【符号の説明】
【0068】
1 感光体クリーニング装置
2 転写残トナー回収容器
3 クリーニングブレード支持板金
4 クリーニングブレード
5 感光体
E 接線
L 突き出し長さ
θ 当接角度

【特許請求の範囲】
【請求項1】
感光体と、該感光体に当接して表面を清掃するクリーニングブレードを備えた感光体クリーニング装置において、
前記クリーニングブレードの表面には、トナーの外添剤と同組成の疎水性シリカ及び疎水性酸化チタンが形成されていることを特徴とする感光体クリーニング装置。
【請求項2】
前記疎水性シリカは、平均粒径が3〜50nmであり、
前記疎水性酸化チタンは、平均粒径が15〜75nmであり、
前記水溶媒100重量部に対して、
前記疎水性シリカの部数は、0.7〜3.5重量部、
前記疎水性酸化チタンの部数は、0.25〜2.3重量部、
前記疎水性シリカと前記疎水性酸化チタンの総部数は、0.95〜5.8重量部としたことを特徴とする請求項1記載の感光体クリーニング装置。
【請求項3】
前記疎水性シリカは、平均粒径が5〜40nmであり、
前記疎水性酸化チタンは、平均粒径が20〜60nmであり、
前記水溶媒100重量部に対して、
前記疎水性シリカの部数は、1.0〜3.0重量部、
前記疎水性酸化チタンの部数は、0.5〜2.0重量部、
前記疎水性シリカと前記疎水性酸化チタンの総部数は、1.5〜5.0重量部としたことを特徴とする請求項1記載の感光体クリーニング装置。
【請求項4】
請求項1〜3に記載の感光体クリーニング装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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