感熱媒体用記録装置及び感熱媒体用記録方法
【課題】比較的低出力の光源を使用することができて経済性の向上及び小形化を図ることができ、しかも、充分な記録スピードを実現する。
【解決手段】レーザ発光部1とLED発光部7を設け、LED発光部7からのLED光で感熱媒体4の光熱変換層を予熱し、その上にレーザ発光部1からのレーザ光を照射することで光熱変換層をさらに急熱・急冷させ、これにより発色層を発色させてドット記録を行う。これにより、レーザ発光部として半導体レーザのような低出力のものが使用できる。
【解決手段】レーザ発光部1とLED発光部7を設け、LED発光部7からのLED光で感熱媒体4の光熱変換層を予熱し、その上にレーザ発光部1からのレーザ光を照射することで光熱変換層をさらに急熱・急冷させ、これにより発色層を発色させてドット記録を行う。これにより、レーザ発光部として半導体レーザのような低出力のものが使用できる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、感熱記録ができる記録媒体や感熱記録、感熱消去ができるリライタブル媒体などの感熱媒体に対してドット記録を行う感熱媒体用記録装置及び記録方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ロイコ染料系、ジアゾ化合物系感熱材料を利用した感熱記録媒体に対する記録方式や、特定温度で発色と消色を繰返すことが可能な可逆性の感熱記録材からなるリライタブル媒体に対する記録方式などが存在し、これらの記録にはサーマルヘッドを使用して媒体を接触方式で加熱して発色させることで情報を記録し、リライタブル媒体ではさらに加熱する温度を変えることで消色し記録を消去するものが知られている。
【0003】
また、リライタブル媒体を非接触方式で発色、消色させる記録方法として、基体上に赤外線を吸収し発熱する赤外線吸収発熱層と、この赤外線吸収発熱層の熱によって発色される感熱記録層とを順次積層した情報記録媒体に対して、赤外線レーザの照射により赤外線吸収発熱層を発熱させ、その熱により感熱記録層を発色させて情報を記録する方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平5−147378号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、レーザを使用してリライタブル媒体を非接触方式で発色させるには高出力なレーザが必要であり、出力が数Wクラスの小型で比較的安価な半導体レーザでは走査速度を遅くするなどの工夫をしなければ対処することができず、ライン型のサーマルヘッドを使用したときと同等の記録スピードを実現できない。このため、出力が数十WクラスのYAGレーザなどの高出力レーザを使う方法もあるが、記録装置が高価で大形化する問題がある。
【0005】
そこで、本発明は、比較的低出力の光源を使用することができて経済性の向上及び小形化を図ることができ、しかも、充分な記録スピードを実現できる感熱媒体用記録装置及び感熱媒体用記録方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、光の波長に対して吸収特性を有する光熱変換層とこの光熱変換層の発熱によって発色する発色層とを有する感熱媒体に対して情報の記録を行う感熱媒体用記録装置において、複数の光源と、各光源を制御し、この各光源からの光を感熱媒体に対し、情報の書き込み動作に応じて照射する制御手段とを備え、各光源は、それぞれ光熱変換層が有する吸収特性の範囲内の波長の光を出射し、各光源の光強度を加算することで感熱媒体に対して主走査方向に1ラインの記録ドットを形成することにある。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、比較的低出力の光源を使用することができて経済性の向上及び小形化を図ることができ、しかも、充分な記録スピードを実現できる感熱媒体用記録装置及び感熱媒体用記録方法を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。
【0009】
(第1の実施の形態)
図1は記録装置の要部構成を示す斜視図で、第1光源として、市販されている近赤外(750nm〜1000nm)に発光波長λ1を持つ出力が数Wクラスの半導体レーザからなるレーザ発光部1を設け、このレーザ発光部1からのレーザ光を、コリメータ2を介してポリゴンミラー3に照射するようになっている。
【0010】
前記コリメータ2は、発散光であるレーザ光を並行光束に変換するものである。前記レーザ発光部1は発熱量が大きいので放熱板に固定されて発生する熱を放熱するようにしている。前記ポリゴンミラー3は後述するポリゴンモータによって回転駆動されるようになっている。
【0011】
前記レーザ発光部1からのレーザ光は情報を書き込むためのビーム光であり、そのビーム光を、前記ポリゴンミラー3の回転によって図中矢印方向に搬送される感熱媒体4に対し、搬送方向(副走査方向)と直交する主走査方向に走査するようになっている。すなわち、前記ポリゴンミラー3は、回転軸が前記感熱媒体4の搬送方向である副走査方向と平行になるように配置されている。なお、途中に折り返しミラーやプリズム等を用いる場合は反射面角度の影響で副走査方向と平行にならない場合もある。
【0012】
前記レーザ発光部1からコリメータ2を介して前記ポリゴンミラー3の反射面に入射されるレーザ光の入射光線の中心光軸は前記ポリゴンミラー3の回転軸に垂直になっている。
また、前記ポリゴンミラー3で反射されたビーム光を、所定のタイミングで折返しミラー5に反射して書出し位置センサ6に入射するようになっている。
【0013】
また、第2光源として、主走査方向に複数のLED(発光ダイオード)を並べて配置したLED発光部7を、図2に示すように、各LEDからの光が感熱媒体4に直接照射されるように感熱媒体4の上方の低い位置に配置している。前記LED発光部7の各LEDからの光はレーザ発光部1から出射されるレーザ光に比べてエネルギー密度は低く、主走査方向に光をライン状に広げて照射するようになっている。
【0014】
前記LED発光部7の各LEDの発光波長λ2はレーザ発光部1からのレーザ光の波長λ1とほぼ同じ波長になっている。なお、前記LED発光部7からの照射光を図中矢印で示しているが、実線の矢印はレーザ光の走査ラインに照射光を重ねる場合を示し、点線の矢印はレーザ光の走査ラインの近傍に照射光を照射する場合を示している。
【0015】
図3はこの記録装置の制御部の構成を示すブロック図で、制御部本体を構成するCPU(中央処理ユニット)11、このCPU11が各部を制御するに必要なプログラム等をデータとして記憶したROM(リード・オンリー・メモリ)12、前記CPU11が演算やデータ処理を行うときに使用するメモリやデータを一時記憶するメモリ等を設けたRAM(ランダム・アクセス・メモリ)13、外部接続される制御部との入出力制御を行う入出力ポート14を設け、これらを互いにバスライン15によって電気的に接続している。
【0016】
前記入出力ポート14に、キーボードやディスプレイを配置した操作部16、前記レーザ発光部1を制御するレーザ制御部17、前記ポリゴンミラー3を回転駆動するポリゴンモータ18を制御するモータ制御部19、前記書出し位置センサ6を制御するセンサ制御部20、前記LED発光部7を制御するLED制御部21、前記感熱媒体4を搬送する紙送りモータ22を制御するモータ制御部23をそれぞれ接続している。
【0017】
前記感熱媒体4は、例えば、図4に示すように、前記レーザ発光部1からのレーザ光の波長λ1とLED発光部7からのLED光の波長λ2に吸収波長特性の吸収ピークが合った光熱変換層とこの光熱変換層の発熱による温度によって発色し、また消色する発色層を有するリライタブル媒体を使用している。リライタブル媒体としては、例えば、TR−116(三菱製紙(株)製)が知られている。
【0018】
前記感熱媒体4に発色により書き込んだ情報を消色して消去するには、例えば、第1光源のレーザ発光部1を停止させた状態で、第2光源であるLED発光部7からのLED光出力を少しアップさせることで実現できる。
【0019】
レーザ発光部1からのレーザ光の波長λ1と光熱変換層の吸収波長特性の吸収ピークが合っているので、光熱変換層による光熱変換効率を高めることができる。前記感熱媒体4は、可視光域を外したところに光熱変換層の吸収ピークがあるので、一般の照明光で感熱する割合は少なく、劣化を防止できる。
【0020】
このような構成において、レーザ発光部1からのレーザ光はポリゴンミラー3の回転によって搬送される感熱媒体4に対して主走査方向にスキャンしてドット記録動作を行う。このとき、レーザ光の主走査方向のスキャンに若干先行してLED発光部7の各LEDが順次点灯する。そして、LED発光部7はレーザ光の走査ライン上を重なるように光を照射する。
【0021】
こうして、図5に示すように、LED発光部7からのLED光L2の照射によって加熱されたライン状の領域上をほぼ同時にレーザ光L1が走査することになる。このときの、レーザ発光部1及びLED発光部7の動作タイミングを示すと図6に示すようになる。すなわち、図6の(a)に示すように、先ず、前記書出し位置センサ6から書出し位置検知信号が出力され、続いて、図6の(b)に示すように、前記LED発光部7の各LEDが順次一定時間だけ発光してレーザ光の走査ライン上を順次予熱する。
【0022】
そして、図6の(c)に示すように、前記レーザ発光部1からのレーザ光は印字範囲においてLED発光部7の各LEDによる予熱部位を追いかけるようにして走査しつつ記録情報における「1」、「0」のビットデータに基づいてレーザ光をオン、オフさせる。そして、オン時にドット記録を行う。
【0023】
この動作において、感熱媒体4の光熱変換層は、図7に示すように、LED発光部7からのLED光L2によって室温TRから温度T2まで予熱される。そして、光熱変換層は、レーザ発光部1からのレーザ光L1の照射によって急熱され、急熱・急冷で発色する温度T1以上の領域になって発色する。この発色によってドット記録が行われる。なお、急熱後に急冷するのは、消色を防止するためである。もし、急冷せずに徐冷にすると、急熱で発色させた発色層が消去の条件を満たして消色するからである。
【0024】
このように、感熱媒体4は、LED発光部7からのLED光L2によって温度T2まで予熱された後にレーザ発光部1からのレーザ光L1によって急熱されて発色する。従って、レーザ発光部1として大きな出力を持つ必要は無く、市販されている出力が数W程度の半導体レーザを使用することができる。しかも、ドットを記録するのに必要なレーザ光L1の照射時間は充分に短くできる。
【0025】
従って、経済性の向上及び小形化を図ることができ、しかも、1ラインを同時に加熱して印刷するラインサーマルヘッドと同じ印刷速度を確保でき充分な記録スピードを実現できる。そして、ラインサーマルヘッドとは異なって、感熱媒体4に接触して情報を記録することは無いので、感熱媒体4が何回も記録、消去を繰り返すリライタブル媒体の場合にきわめて有効である。
【0026】
なお、この実施の形態は、感熱媒体4の記録動作において、LED発光部7からのLED光L2の照射によって予熱されたライン状の領域上をほぼ同時にレーザ発光部1からのレーザ光L1が走査して急熱する場合について述べたがこれに限定するものではない。
【0027】
例えば、図8に示すように、LED発光部7からのLED光L2によって走査ラインの近傍を予熱し、その後にレーザ光L1で走査ライン上を照射して急熱する。このときの、レーザ発光部1及びLED発光部7の動作タイミングを示すと図9に示すようになる。すなわち、図9の(b)に示すように、前記LED発光部7は全てのLEDを発光してレーザ光の走査ラインの近傍を予熱する。
【0028】
そして、図9の(a)に示すように、前記書出し位置センサ6から書出し位置検知信号が出力され、続いて、図9の(c)に示すように、前記レーザ発光部1からのレーザ光は走査ライン上を走査し、印字範囲において記録情報における「1」、「0」のビットデータに基づいてレーザ光をオン、オフさせる。そして、オン時にドット記録を行う。
このように、レーザ発光部1及びLED発光部7を制御しても同様の作用効果が得られるものである。
【0029】
(第2の実施の形態)
この実施の形態は、レーザ発光部及びLED発光部を複数配置した記録装置について述べる。
図10は記録装置の要部構成を示す斜視図で、第1光源として、市販されている近赤外(750nm〜1000nm)に発光波長を持つ出力が数Wクラスの半導体レーザとコリメータを有する5個のレーザ発光部31,32,33,34,35を感熱媒体4の搬送方向に所定のピッチP0で配置している。前記各レーザ発光部31〜35はそれぞれレーザ光をポリゴンミラー36に照射するようになっている。
【0030】
前記各レーザ発光部31〜35の配置ピッチP0は、そのまま感熱媒体4の搬送方向、すなわち、副走査方向の印刷ピッチP1になっている。なお、光ファイバ束等を用いることやポリゴンミラーの反射面角度を変えることにより印刷ピッチを変更することは可能である。
【0031】
前記各レーザ発光部31〜35は発熱量が大きいので放熱板に固定されて発生する熱を放熱するようにしている。前記ポリゴンミラー36は前記感熱媒体4の搬送方向である副走査方向と平行に回転軸及び長尺な反射面を有し、前記各レーザ発光部31〜35からのレーザ光を同一の反射面で反射するようになっている。
【0032】
なお、途中に折り返しミラーやプリズム等を用いる場合は反射面角度の影響で副走査方向と平行にならない場合もある。
前記ポリゴンミラー36はポリゴンモータによって回転駆動される。前記各レーザ発光部31〜35から前記ポリゴンミラー36の反射面に入射されるレーザ光の入射光線の中心光軸は前記ポリゴンミラー36の回転軸に垂直になっている。
【0033】
また、第2光源として、主走査方向に複数のLED(発光ダイオード)を並べて配置した5個のLED発光部37,38,39,310,311を前記各レーザ発光部31〜35に対応して前記感熱媒体4の搬送方向に所定のピッチで配置している。前記各LED発光部37〜311は、各LEDからの光が感熱媒体4に直接照射されるように感熱媒体4の上方の低い位置に配置している。なお、前記各LED発光部37〜311は、その照射光を前記各レーザ発光部31〜35からのレーザ光と走査ライン上で重なるように照射しても、また、レーザ光の走査ラインに先行してその近傍に照射してもよい。
【0034】
このような構成においては、前記各LED発光部37〜311からの照射光をレーザ光の走査ラインの近傍に照射する場合は、図11に示すように、各LED発光部37〜311からの照射光L21,L22,L23,L24,L25は各レーザ発光部31〜35からのレーザ光L11,L12,L13,L14,L15の走査ライン上の手前近傍を連続して照射する。これにより、予熱が行われる。そして、各レーザ発光部31〜35からのレーザ光L11,L12,L13,L14,L15によって走査ライン上の走査が行われ、急熱による発色によりドットが記録され印刷が行われる。
【0035】
また、前記各LED発光部37〜311からの照射光をレーザ光の走査ライン上にほぼ同時に照射する場合は、図12に示すように、各LED発光部37〜311からの各LEDの照射光L21,L22,L23,L24,L25は各レーザ発光部31〜35からのレーザ光L11,L12,L13,L14,L15が走査ライン上を走査するときにほぼ同時に照射され、照射光L21,L22,L23,L24,L25による予熱とレーザ光L11,L12,L13,L14,L15によって走査ライン上の走査が行われ、急熱による発色によりドットが記録され印刷が行われる。
【0036】
そして、各レーザ発光部31〜35の配置ピッチP0がそのまま感熱媒体4の副走査方向の印刷ピッチP1になっているので、感熱媒体4に対し主走査方向に同時に5ラインずつドット記録ができる。そして、1ライン分の走査が終了すると、感熱媒体4を5×P1の距離だけ搬送してから再度各レーザ発光部31〜35によってそれぞれ1ラインを走査してドット記録する。これを繰り返すことで感熱媒体4に対し高速の印刷ができる。
【0037】
また、各レーザ発光部31〜35の配置ピッチを4×P0に設定して感熱媒体4に対し、図13に示すように、4×P1ピッチでドット記録することもできる。この場合は、1ライン分の走査が終了すると、感熱媒体4を印刷ピッチP1の距離だけ搬送してから再度各レーザ発光部31〜35によってそれぞれ1ラインを走査してドット記録し、これを4ライン繰り返す。
【0038】
もし、感熱媒体4の長さが短く、副走査方向の印刷範囲が、20×P1であれば、これで感熱媒体4に対する印刷が終了する。また、感熱媒体4の長さが長ければ、20×P1の距離だけ搬送してから各レーザ発光部31〜35によって4×P1ピッチでドット記録し、さらに、感熱媒体4を印刷ピッチP1で4ライン繰り返すという動作を行うことになる。このようにしても、同時に5ラインずつの印刷ができるので高速の印刷ができる。
【0039】
このように、高速印刷ができ、充分な記録スピードを実現できる。また、この実施の形態においてもLED光で予熱し、レーザ光で急熱・急冷を行うのでレーザ発光部1として比較的低出力であっても確実な記録ができ、経済性の向上及び小形化を図ることができる。
【0040】
なお、この実施の形態では、5個のレーザ発光部と5個のLED発光部を配置したものについて述べたが、配置する数はこれに限定するものでないのは勿論である。
なお、前述した各実施の形態ではレーザ発光部からのレーザ光の波長λ1とLED発光部からの光の波長λ2がほぼ等しく、これらの波長λ1,λ2が吸収波長λ3の吸収ピークに合う光熱変換層を有するリライタブル媒体を使用したがこれに限定するものではない。
【0041】
例えば、図14に示すように、レーザ発光部からのレーザ光の波長λ1とLED発光部からの光の波長λ2が異なる場合には、各波長λ1,λ2に吸収ピークが合うように、2つの吸収ピークがある光熱変換層を有するリライタブル媒体を使用する。この場合の光熱変換層としては、1つで吸収ピークが2つあるものを使用するか、吸収ピークが異なる2つの光熱変換層を有するものを使用する。
【0042】
このように、レーザ発光部からのレーザ光の波長λ1とLED発光部からの光の波長λ2が異なる場合には、感熱媒体として、各波長λ1,λ2に吸収ピークが合うように、2つの吸収ピークがある光熱変換層を有するリライタブル媒体を使用することで同様の作用効果が得られる。
【0043】
また、レーザ発光部からのレーザ光の波長λ1とLED発光部からの光の波長λ2に、吸収波長の吸収ピークが合う光熱変換層を有するリライタブル媒体を必ずしも使用しなくてもよい。
【0044】
光熱変換層の吸収特性は、図15の曲線G1や曲線G2で示すように、素材によって特異なカーブを描く。例えば曲線G1で示される吸収特性のピークはR1であり、曲線G2で示される吸収特性のピークはR2である。仮に、これらの吸収特性のピーク位置R1,R2に、波長λ1と波長λ2とを合わせることで、最も効率よく光熱変換が行われる。しかし、図示するように、レーザ発光部からのレーザ光の波長λ1とLED発光部からの光の波長λ2が、曲線G1で示される吸収特性カーブ及び曲線G2で示される吸収特性カーブの範囲内であれば、効率に差こそあれ、光熱変換層が光を吸収するので、光熱変換が行われる。したがって、これら曲線G1,G2の吸収特性を有する光熱変換層を用いたリライタブル媒体を使用すれば、同様な作用効果を得られる。
【0045】
なお、前述した各実施の形態では感熱媒体として発色と消色ができるリライタブル媒体を使用したが必ずしもこれに限定するものではなく、発色のみの感熱媒体であってもよい。
【0046】
また、前述した各実施の形態では第1の光源として半導体レーザを使用したがこれに限定されるものではない。また、前述した各実施の形態では第2の光源としてLEDを使用したがこれに限定されるものではなく、半導体レーザ等であってもよい。
【0047】
第2光源7として半導体レーザを使用した場合の一構成例を図16に示す。この第2光源7は、複数の半導体レーザ41〜4nを備える。これら半導体レーザ41〜4nは、高出力のマルチモード型である。これら半導体レーザ41〜4nは、それぞれ積層構造の各pn接合面51〜5nに各レーザ発光領域61〜6nを有する。なお、各pn接合面51〜5nが形成された各レーザ発光領域61〜6nは、図16中における各半導体レーザ41〜4nの上方に示す。
【0048】
各半導体レーザ41〜4nの各レーザ発光領域61〜6nは、例えばシングルモード型の半導体レーザのレーザ発光領域よりも各pn接合面51〜5nの方向が長い。例えば、マルチモード型の半導体レーザ41〜4nにおける各pn接合面51〜5nの方向の各レーザ発光領域61〜6nの長さは例えば50〜200μmであり、シングルモード型の半導体レーザにおけるレーザ発光領域61〜6nの長さ例えば3μmよりも長い。これにより、マルチモード型の半導体レーザ41〜4nから出力される各半導体レーザビーム71〜7nは、光軸対象型レンズにより結像させると、各pn接合面51〜5nの方向と同一方向に絞り難い特性を有する。
【0049】
複数のコリメータレンズ(結像レンズ)81〜8nが各半導体レーザ41〜4nから出力される各半導体レーザビーム71〜7nの光路上に設けられている。コリメータレンズ81〜8nは、半導体レーザビーム71〜7nをpn接合面51〜5nの方向fに対して垂直方向に絞り、かつpn接合面51〜5nの方向fと同一方向に絞り難い特性を有する。各半導体レーザ41〜4nは、各pn接合面51〜5nの各方向fを一致させて設けられている。なお、実際には各半導体レーザ41〜4nをそれぞれレーザチップで用いる。
【0050】
各コリメータレンズ81〜8nは、それぞれ各半導体レーザ41〜4nから出力される各半導体レーザビーム71〜7nを感熱媒体4の記録面上に結像する。これらコリメータレンズ81〜8nは、アナモフィックでなく光軸対称である。
【0051】
強度均一化光学系としての複数のシリンドリカルレンズ(アナモフィックレンズ)91〜9nが各コリメータレンズ81〜8nにより結像された各半導体レーザビーム71〜7nの光路上に設けられている。これらシリンドリカルレンズ91〜9nは、各半導体レーザ41〜4nから出力される各半導体レーザビーム71〜7nの光路上にそれぞれ設けられている。これらシリンドリカルレンズ91〜9nは、各半導体レーザ41〜4nの並び方向に屈折パワーを有する。しかるに、これらシリンドリカルレンズ91〜9nは、感熱媒体4の記録面上において各コリメータレンズ81〜8nにより結像された各半導体レーザビーム71〜7nの一部、すなわち各pn接合面51〜5nの方向fと同方向における各半導体レーザビーム71〜7nの各端部同士を互いに重ね合わせ、各半導体レーザビーム71〜7nを方向fにディフォーカスし、感熱媒体4の記録面上における各半導体レーザビーム71〜7nによる強度分布を各半導体レーザ41〜4nにおける各pn接合面51〜5nの方向f、換言すれば各半導体レーザ41〜4nの配列方向に均一化する。
【0052】
第2光源7として半導体レーザを使用した場合の他の構成例を図17に示す。この第2光源7は、アナモフィックな円柱状のレンズ(ロッドレンズ)100が各半導体レーザ41〜4nから出力される各半導体レーザビーム71〜7nの進行光路上に設けられている。このロッドレンズ100は、感熱媒体4の記録面上において各半導体レーザ41〜4nから出力された各半導体レーザビーム71〜7nの一部を重ね合わせ、感熱媒体4の記録面上における各半導体レーザビーム71〜7nによる強度分布を各半導体レーザ41〜4nの配列方向に均一化する。
この他、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形実施可能であるのは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る記録装置の要部構成を示す斜視図。
【図2】同実施の形態におけるレーザ発光部とLED発光部と感熱媒体との位置関係を示す側面図。
【図3】同実施の形態における制御部の構成を示すブロック図。
【図4】同実施の形態におけるレーザ発光部からのレーザ光の波長とLED発光部からのLED光の波長と感熱媒体の光熱変換層の吸収波長特性との関係を示すグラフ。
【図5】同実施の形態における感熱媒体に対するレーザ光とLED光の照射位置関係を示す図。
【図6】同実施の形態におけるレーザ発光部及びLED発光部の動作タイミングを示す図。
【図7】同実施の形態におけるLED光L2とレーザ光L1による光熱変換層の温度上昇特性を示すグラフ。
【図8】同実施の形態における感熱媒体に対するレーザ光とLED光の照射位置関係の変形例を示す図。
【図9】同変形例におけるレーザ発光部及びLED発光部の動作タイミングを示す図。
【図10】本発明の第2の実施の形態に係る記録装置の要部構成を示す斜視図。
【図11】同実施の形態における感熱媒体に対するレーザ光とLED光の照射位置関係を示す図。
【図12】同実施の形態における感熱媒体に対するレーザ光とLED光の照射位置関係の変形例を示す図。
【図13】同実施の形態における感熱媒体に対するレーザ光とLED光の照射位置関係の変形例を示す図。
【図14】同実施の形態におけるレーザ発光部からのレーザ光の波長とLED発光部からのLED光の波長と感熱媒体の光熱変換層の吸収波長特性との関係の変形例を示すグラフ。
【図15】レーザ発光部からのレーザ光の波長及びLED発光部からのLED光の波長と感熱媒体の光熱変換層の異なる吸収波長特性との関係の変形例を示すグラフ。
【図16】第2光源として半導体レーザを使用した場合の一構成例を示す図。
【図17】第2光源として半導体レーザを使用した場合の他の構成例を示す図。
【符号の説明】
【0054】
1,31,32,33,34,35…レーザ発光部(第1光源)、3,36…ポリゴンミラー、4…感熱媒体、7,37,38,39,310,311…LED発光部(第2光源)。
【技術分野】
【0001】
本発明は、感熱記録ができる記録媒体や感熱記録、感熱消去ができるリライタブル媒体などの感熱媒体に対してドット記録を行う感熱媒体用記録装置及び記録方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ロイコ染料系、ジアゾ化合物系感熱材料を利用した感熱記録媒体に対する記録方式や、特定温度で発色と消色を繰返すことが可能な可逆性の感熱記録材からなるリライタブル媒体に対する記録方式などが存在し、これらの記録にはサーマルヘッドを使用して媒体を接触方式で加熱して発色させることで情報を記録し、リライタブル媒体ではさらに加熱する温度を変えることで消色し記録を消去するものが知られている。
【0003】
また、リライタブル媒体を非接触方式で発色、消色させる記録方法として、基体上に赤外線を吸収し発熱する赤外線吸収発熱層と、この赤外線吸収発熱層の熱によって発色される感熱記録層とを順次積層した情報記録媒体に対して、赤外線レーザの照射により赤外線吸収発熱層を発熱させ、その熱により感熱記録層を発色させて情報を記録する方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平5−147378号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、レーザを使用してリライタブル媒体を非接触方式で発色させるには高出力なレーザが必要であり、出力が数Wクラスの小型で比較的安価な半導体レーザでは走査速度を遅くするなどの工夫をしなければ対処することができず、ライン型のサーマルヘッドを使用したときと同等の記録スピードを実現できない。このため、出力が数十WクラスのYAGレーザなどの高出力レーザを使う方法もあるが、記録装置が高価で大形化する問題がある。
【0005】
そこで、本発明は、比較的低出力の光源を使用することができて経済性の向上及び小形化を図ることができ、しかも、充分な記録スピードを実現できる感熱媒体用記録装置及び感熱媒体用記録方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、光の波長に対して吸収特性を有する光熱変換層とこの光熱変換層の発熱によって発色する発色層とを有する感熱媒体に対して情報の記録を行う感熱媒体用記録装置において、複数の光源と、各光源を制御し、この各光源からの光を感熱媒体に対し、情報の書き込み動作に応じて照射する制御手段とを備え、各光源は、それぞれ光熱変換層が有する吸収特性の範囲内の波長の光を出射し、各光源の光強度を加算することで感熱媒体に対して主走査方向に1ラインの記録ドットを形成することにある。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、比較的低出力の光源を使用することができて経済性の向上及び小形化を図ることができ、しかも、充分な記録スピードを実現できる感熱媒体用記録装置及び感熱媒体用記録方法を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。
【0009】
(第1の実施の形態)
図1は記録装置の要部構成を示す斜視図で、第1光源として、市販されている近赤外(750nm〜1000nm)に発光波長λ1を持つ出力が数Wクラスの半導体レーザからなるレーザ発光部1を設け、このレーザ発光部1からのレーザ光を、コリメータ2を介してポリゴンミラー3に照射するようになっている。
【0010】
前記コリメータ2は、発散光であるレーザ光を並行光束に変換するものである。前記レーザ発光部1は発熱量が大きいので放熱板に固定されて発生する熱を放熱するようにしている。前記ポリゴンミラー3は後述するポリゴンモータによって回転駆動されるようになっている。
【0011】
前記レーザ発光部1からのレーザ光は情報を書き込むためのビーム光であり、そのビーム光を、前記ポリゴンミラー3の回転によって図中矢印方向に搬送される感熱媒体4に対し、搬送方向(副走査方向)と直交する主走査方向に走査するようになっている。すなわち、前記ポリゴンミラー3は、回転軸が前記感熱媒体4の搬送方向である副走査方向と平行になるように配置されている。なお、途中に折り返しミラーやプリズム等を用いる場合は反射面角度の影響で副走査方向と平行にならない場合もある。
【0012】
前記レーザ発光部1からコリメータ2を介して前記ポリゴンミラー3の反射面に入射されるレーザ光の入射光線の中心光軸は前記ポリゴンミラー3の回転軸に垂直になっている。
また、前記ポリゴンミラー3で反射されたビーム光を、所定のタイミングで折返しミラー5に反射して書出し位置センサ6に入射するようになっている。
【0013】
また、第2光源として、主走査方向に複数のLED(発光ダイオード)を並べて配置したLED発光部7を、図2に示すように、各LEDからの光が感熱媒体4に直接照射されるように感熱媒体4の上方の低い位置に配置している。前記LED発光部7の各LEDからの光はレーザ発光部1から出射されるレーザ光に比べてエネルギー密度は低く、主走査方向に光をライン状に広げて照射するようになっている。
【0014】
前記LED発光部7の各LEDの発光波長λ2はレーザ発光部1からのレーザ光の波長λ1とほぼ同じ波長になっている。なお、前記LED発光部7からの照射光を図中矢印で示しているが、実線の矢印はレーザ光の走査ラインに照射光を重ねる場合を示し、点線の矢印はレーザ光の走査ラインの近傍に照射光を照射する場合を示している。
【0015】
図3はこの記録装置の制御部の構成を示すブロック図で、制御部本体を構成するCPU(中央処理ユニット)11、このCPU11が各部を制御するに必要なプログラム等をデータとして記憶したROM(リード・オンリー・メモリ)12、前記CPU11が演算やデータ処理を行うときに使用するメモリやデータを一時記憶するメモリ等を設けたRAM(ランダム・アクセス・メモリ)13、外部接続される制御部との入出力制御を行う入出力ポート14を設け、これらを互いにバスライン15によって電気的に接続している。
【0016】
前記入出力ポート14に、キーボードやディスプレイを配置した操作部16、前記レーザ発光部1を制御するレーザ制御部17、前記ポリゴンミラー3を回転駆動するポリゴンモータ18を制御するモータ制御部19、前記書出し位置センサ6を制御するセンサ制御部20、前記LED発光部7を制御するLED制御部21、前記感熱媒体4を搬送する紙送りモータ22を制御するモータ制御部23をそれぞれ接続している。
【0017】
前記感熱媒体4は、例えば、図4に示すように、前記レーザ発光部1からのレーザ光の波長λ1とLED発光部7からのLED光の波長λ2に吸収波長特性の吸収ピークが合った光熱変換層とこの光熱変換層の発熱による温度によって発色し、また消色する発色層を有するリライタブル媒体を使用している。リライタブル媒体としては、例えば、TR−116(三菱製紙(株)製)が知られている。
【0018】
前記感熱媒体4に発色により書き込んだ情報を消色して消去するには、例えば、第1光源のレーザ発光部1を停止させた状態で、第2光源であるLED発光部7からのLED光出力を少しアップさせることで実現できる。
【0019】
レーザ発光部1からのレーザ光の波長λ1と光熱変換層の吸収波長特性の吸収ピークが合っているので、光熱変換層による光熱変換効率を高めることができる。前記感熱媒体4は、可視光域を外したところに光熱変換層の吸収ピークがあるので、一般の照明光で感熱する割合は少なく、劣化を防止できる。
【0020】
このような構成において、レーザ発光部1からのレーザ光はポリゴンミラー3の回転によって搬送される感熱媒体4に対して主走査方向にスキャンしてドット記録動作を行う。このとき、レーザ光の主走査方向のスキャンに若干先行してLED発光部7の各LEDが順次点灯する。そして、LED発光部7はレーザ光の走査ライン上を重なるように光を照射する。
【0021】
こうして、図5に示すように、LED発光部7からのLED光L2の照射によって加熱されたライン状の領域上をほぼ同時にレーザ光L1が走査することになる。このときの、レーザ発光部1及びLED発光部7の動作タイミングを示すと図6に示すようになる。すなわち、図6の(a)に示すように、先ず、前記書出し位置センサ6から書出し位置検知信号が出力され、続いて、図6の(b)に示すように、前記LED発光部7の各LEDが順次一定時間だけ発光してレーザ光の走査ライン上を順次予熱する。
【0022】
そして、図6の(c)に示すように、前記レーザ発光部1からのレーザ光は印字範囲においてLED発光部7の各LEDによる予熱部位を追いかけるようにして走査しつつ記録情報における「1」、「0」のビットデータに基づいてレーザ光をオン、オフさせる。そして、オン時にドット記録を行う。
【0023】
この動作において、感熱媒体4の光熱変換層は、図7に示すように、LED発光部7からのLED光L2によって室温TRから温度T2まで予熱される。そして、光熱変換層は、レーザ発光部1からのレーザ光L1の照射によって急熱され、急熱・急冷で発色する温度T1以上の領域になって発色する。この発色によってドット記録が行われる。なお、急熱後に急冷するのは、消色を防止するためである。もし、急冷せずに徐冷にすると、急熱で発色させた発色層が消去の条件を満たして消色するからである。
【0024】
このように、感熱媒体4は、LED発光部7からのLED光L2によって温度T2まで予熱された後にレーザ発光部1からのレーザ光L1によって急熱されて発色する。従って、レーザ発光部1として大きな出力を持つ必要は無く、市販されている出力が数W程度の半導体レーザを使用することができる。しかも、ドットを記録するのに必要なレーザ光L1の照射時間は充分に短くできる。
【0025】
従って、経済性の向上及び小形化を図ることができ、しかも、1ラインを同時に加熱して印刷するラインサーマルヘッドと同じ印刷速度を確保でき充分な記録スピードを実現できる。そして、ラインサーマルヘッドとは異なって、感熱媒体4に接触して情報を記録することは無いので、感熱媒体4が何回も記録、消去を繰り返すリライタブル媒体の場合にきわめて有効である。
【0026】
なお、この実施の形態は、感熱媒体4の記録動作において、LED発光部7からのLED光L2の照射によって予熱されたライン状の領域上をほぼ同時にレーザ発光部1からのレーザ光L1が走査して急熱する場合について述べたがこれに限定するものではない。
【0027】
例えば、図8に示すように、LED発光部7からのLED光L2によって走査ラインの近傍を予熱し、その後にレーザ光L1で走査ライン上を照射して急熱する。このときの、レーザ発光部1及びLED発光部7の動作タイミングを示すと図9に示すようになる。すなわち、図9の(b)に示すように、前記LED発光部7は全てのLEDを発光してレーザ光の走査ラインの近傍を予熱する。
【0028】
そして、図9の(a)に示すように、前記書出し位置センサ6から書出し位置検知信号が出力され、続いて、図9の(c)に示すように、前記レーザ発光部1からのレーザ光は走査ライン上を走査し、印字範囲において記録情報における「1」、「0」のビットデータに基づいてレーザ光をオン、オフさせる。そして、オン時にドット記録を行う。
このように、レーザ発光部1及びLED発光部7を制御しても同様の作用効果が得られるものである。
【0029】
(第2の実施の形態)
この実施の形態は、レーザ発光部及びLED発光部を複数配置した記録装置について述べる。
図10は記録装置の要部構成を示す斜視図で、第1光源として、市販されている近赤外(750nm〜1000nm)に発光波長を持つ出力が数Wクラスの半導体レーザとコリメータを有する5個のレーザ発光部31,32,33,34,35を感熱媒体4の搬送方向に所定のピッチP0で配置している。前記各レーザ発光部31〜35はそれぞれレーザ光をポリゴンミラー36に照射するようになっている。
【0030】
前記各レーザ発光部31〜35の配置ピッチP0は、そのまま感熱媒体4の搬送方向、すなわち、副走査方向の印刷ピッチP1になっている。なお、光ファイバ束等を用いることやポリゴンミラーの反射面角度を変えることにより印刷ピッチを変更することは可能である。
【0031】
前記各レーザ発光部31〜35は発熱量が大きいので放熱板に固定されて発生する熱を放熱するようにしている。前記ポリゴンミラー36は前記感熱媒体4の搬送方向である副走査方向と平行に回転軸及び長尺な反射面を有し、前記各レーザ発光部31〜35からのレーザ光を同一の反射面で反射するようになっている。
【0032】
なお、途中に折り返しミラーやプリズム等を用いる場合は反射面角度の影響で副走査方向と平行にならない場合もある。
前記ポリゴンミラー36はポリゴンモータによって回転駆動される。前記各レーザ発光部31〜35から前記ポリゴンミラー36の反射面に入射されるレーザ光の入射光線の中心光軸は前記ポリゴンミラー36の回転軸に垂直になっている。
【0033】
また、第2光源として、主走査方向に複数のLED(発光ダイオード)を並べて配置した5個のLED発光部37,38,39,310,311を前記各レーザ発光部31〜35に対応して前記感熱媒体4の搬送方向に所定のピッチで配置している。前記各LED発光部37〜311は、各LEDからの光が感熱媒体4に直接照射されるように感熱媒体4の上方の低い位置に配置している。なお、前記各LED発光部37〜311は、その照射光を前記各レーザ発光部31〜35からのレーザ光と走査ライン上で重なるように照射しても、また、レーザ光の走査ラインに先行してその近傍に照射してもよい。
【0034】
このような構成においては、前記各LED発光部37〜311からの照射光をレーザ光の走査ラインの近傍に照射する場合は、図11に示すように、各LED発光部37〜311からの照射光L21,L22,L23,L24,L25は各レーザ発光部31〜35からのレーザ光L11,L12,L13,L14,L15の走査ライン上の手前近傍を連続して照射する。これにより、予熱が行われる。そして、各レーザ発光部31〜35からのレーザ光L11,L12,L13,L14,L15によって走査ライン上の走査が行われ、急熱による発色によりドットが記録され印刷が行われる。
【0035】
また、前記各LED発光部37〜311からの照射光をレーザ光の走査ライン上にほぼ同時に照射する場合は、図12に示すように、各LED発光部37〜311からの各LEDの照射光L21,L22,L23,L24,L25は各レーザ発光部31〜35からのレーザ光L11,L12,L13,L14,L15が走査ライン上を走査するときにほぼ同時に照射され、照射光L21,L22,L23,L24,L25による予熱とレーザ光L11,L12,L13,L14,L15によって走査ライン上の走査が行われ、急熱による発色によりドットが記録され印刷が行われる。
【0036】
そして、各レーザ発光部31〜35の配置ピッチP0がそのまま感熱媒体4の副走査方向の印刷ピッチP1になっているので、感熱媒体4に対し主走査方向に同時に5ラインずつドット記録ができる。そして、1ライン分の走査が終了すると、感熱媒体4を5×P1の距離だけ搬送してから再度各レーザ発光部31〜35によってそれぞれ1ラインを走査してドット記録する。これを繰り返すことで感熱媒体4に対し高速の印刷ができる。
【0037】
また、各レーザ発光部31〜35の配置ピッチを4×P0に設定して感熱媒体4に対し、図13に示すように、4×P1ピッチでドット記録することもできる。この場合は、1ライン分の走査が終了すると、感熱媒体4を印刷ピッチP1の距離だけ搬送してから再度各レーザ発光部31〜35によってそれぞれ1ラインを走査してドット記録し、これを4ライン繰り返す。
【0038】
もし、感熱媒体4の長さが短く、副走査方向の印刷範囲が、20×P1であれば、これで感熱媒体4に対する印刷が終了する。また、感熱媒体4の長さが長ければ、20×P1の距離だけ搬送してから各レーザ発光部31〜35によって4×P1ピッチでドット記録し、さらに、感熱媒体4を印刷ピッチP1で4ライン繰り返すという動作を行うことになる。このようにしても、同時に5ラインずつの印刷ができるので高速の印刷ができる。
【0039】
このように、高速印刷ができ、充分な記録スピードを実現できる。また、この実施の形態においてもLED光で予熱し、レーザ光で急熱・急冷を行うのでレーザ発光部1として比較的低出力であっても確実な記録ができ、経済性の向上及び小形化を図ることができる。
【0040】
なお、この実施の形態では、5個のレーザ発光部と5個のLED発光部を配置したものについて述べたが、配置する数はこれに限定するものでないのは勿論である。
なお、前述した各実施の形態ではレーザ発光部からのレーザ光の波長λ1とLED発光部からの光の波長λ2がほぼ等しく、これらの波長λ1,λ2が吸収波長λ3の吸収ピークに合う光熱変換層を有するリライタブル媒体を使用したがこれに限定するものではない。
【0041】
例えば、図14に示すように、レーザ発光部からのレーザ光の波長λ1とLED発光部からの光の波長λ2が異なる場合には、各波長λ1,λ2に吸収ピークが合うように、2つの吸収ピークがある光熱変換層を有するリライタブル媒体を使用する。この場合の光熱変換層としては、1つで吸収ピークが2つあるものを使用するか、吸収ピークが異なる2つの光熱変換層を有するものを使用する。
【0042】
このように、レーザ発光部からのレーザ光の波長λ1とLED発光部からの光の波長λ2が異なる場合には、感熱媒体として、各波長λ1,λ2に吸収ピークが合うように、2つの吸収ピークがある光熱変換層を有するリライタブル媒体を使用することで同様の作用効果が得られる。
【0043】
また、レーザ発光部からのレーザ光の波長λ1とLED発光部からの光の波長λ2に、吸収波長の吸収ピークが合う光熱変換層を有するリライタブル媒体を必ずしも使用しなくてもよい。
【0044】
光熱変換層の吸収特性は、図15の曲線G1や曲線G2で示すように、素材によって特異なカーブを描く。例えば曲線G1で示される吸収特性のピークはR1であり、曲線G2で示される吸収特性のピークはR2である。仮に、これらの吸収特性のピーク位置R1,R2に、波長λ1と波長λ2とを合わせることで、最も効率よく光熱変換が行われる。しかし、図示するように、レーザ発光部からのレーザ光の波長λ1とLED発光部からの光の波長λ2が、曲線G1で示される吸収特性カーブ及び曲線G2で示される吸収特性カーブの範囲内であれば、効率に差こそあれ、光熱変換層が光を吸収するので、光熱変換が行われる。したがって、これら曲線G1,G2の吸収特性を有する光熱変換層を用いたリライタブル媒体を使用すれば、同様な作用効果を得られる。
【0045】
なお、前述した各実施の形態では感熱媒体として発色と消色ができるリライタブル媒体を使用したが必ずしもこれに限定するものではなく、発色のみの感熱媒体であってもよい。
【0046】
また、前述した各実施の形態では第1の光源として半導体レーザを使用したがこれに限定されるものではない。また、前述した各実施の形態では第2の光源としてLEDを使用したがこれに限定されるものではなく、半導体レーザ等であってもよい。
【0047】
第2光源7として半導体レーザを使用した場合の一構成例を図16に示す。この第2光源7は、複数の半導体レーザ41〜4nを備える。これら半導体レーザ41〜4nは、高出力のマルチモード型である。これら半導体レーザ41〜4nは、それぞれ積層構造の各pn接合面51〜5nに各レーザ発光領域61〜6nを有する。なお、各pn接合面51〜5nが形成された各レーザ発光領域61〜6nは、図16中における各半導体レーザ41〜4nの上方に示す。
【0048】
各半導体レーザ41〜4nの各レーザ発光領域61〜6nは、例えばシングルモード型の半導体レーザのレーザ発光領域よりも各pn接合面51〜5nの方向が長い。例えば、マルチモード型の半導体レーザ41〜4nにおける各pn接合面51〜5nの方向の各レーザ発光領域61〜6nの長さは例えば50〜200μmであり、シングルモード型の半導体レーザにおけるレーザ発光領域61〜6nの長さ例えば3μmよりも長い。これにより、マルチモード型の半導体レーザ41〜4nから出力される各半導体レーザビーム71〜7nは、光軸対象型レンズにより結像させると、各pn接合面51〜5nの方向と同一方向に絞り難い特性を有する。
【0049】
複数のコリメータレンズ(結像レンズ)81〜8nが各半導体レーザ41〜4nから出力される各半導体レーザビーム71〜7nの光路上に設けられている。コリメータレンズ81〜8nは、半導体レーザビーム71〜7nをpn接合面51〜5nの方向fに対して垂直方向に絞り、かつpn接合面51〜5nの方向fと同一方向に絞り難い特性を有する。各半導体レーザ41〜4nは、各pn接合面51〜5nの各方向fを一致させて設けられている。なお、実際には各半導体レーザ41〜4nをそれぞれレーザチップで用いる。
【0050】
各コリメータレンズ81〜8nは、それぞれ各半導体レーザ41〜4nから出力される各半導体レーザビーム71〜7nを感熱媒体4の記録面上に結像する。これらコリメータレンズ81〜8nは、アナモフィックでなく光軸対称である。
【0051】
強度均一化光学系としての複数のシリンドリカルレンズ(アナモフィックレンズ)91〜9nが各コリメータレンズ81〜8nにより結像された各半導体レーザビーム71〜7nの光路上に設けられている。これらシリンドリカルレンズ91〜9nは、各半導体レーザ41〜4nから出力される各半導体レーザビーム71〜7nの光路上にそれぞれ設けられている。これらシリンドリカルレンズ91〜9nは、各半導体レーザ41〜4nの並び方向に屈折パワーを有する。しかるに、これらシリンドリカルレンズ91〜9nは、感熱媒体4の記録面上において各コリメータレンズ81〜8nにより結像された各半導体レーザビーム71〜7nの一部、すなわち各pn接合面51〜5nの方向fと同方向における各半導体レーザビーム71〜7nの各端部同士を互いに重ね合わせ、各半導体レーザビーム71〜7nを方向fにディフォーカスし、感熱媒体4の記録面上における各半導体レーザビーム71〜7nによる強度分布を各半導体レーザ41〜4nにおける各pn接合面51〜5nの方向f、換言すれば各半導体レーザ41〜4nの配列方向に均一化する。
【0052】
第2光源7として半導体レーザを使用した場合の他の構成例を図17に示す。この第2光源7は、アナモフィックな円柱状のレンズ(ロッドレンズ)100が各半導体レーザ41〜4nから出力される各半導体レーザビーム71〜7nの進行光路上に設けられている。このロッドレンズ100は、感熱媒体4の記録面上において各半導体レーザ41〜4nから出力された各半導体レーザビーム71〜7nの一部を重ね合わせ、感熱媒体4の記録面上における各半導体レーザビーム71〜7nによる強度分布を各半導体レーザ41〜4nの配列方向に均一化する。
この他、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形実施可能であるのは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る記録装置の要部構成を示す斜視図。
【図2】同実施の形態におけるレーザ発光部とLED発光部と感熱媒体との位置関係を示す側面図。
【図3】同実施の形態における制御部の構成を示すブロック図。
【図4】同実施の形態におけるレーザ発光部からのレーザ光の波長とLED発光部からのLED光の波長と感熱媒体の光熱変換層の吸収波長特性との関係を示すグラフ。
【図5】同実施の形態における感熱媒体に対するレーザ光とLED光の照射位置関係を示す図。
【図6】同実施の形態におけるレーザ発光部及びLED発光部の動作タイミングを示す図。
【図7】同実施の形態におけるLED光L2とレーザ光L1による光熱変換層の温度上昇特性を示すグラフ。
【図8】同実施の形態における感熱媒体に対するレーザ光とLED光の照射位置関係の変形例を示す図。
【図9】同変形例におけるレーザ発光部及びLED発光部の動作タイミングを示す図。
【図10】本発明の第2の実施の形態に係る記録装置の要部構成を示す斜視図。
【図11】同実施の形態における感熱媒体に対するレーザ光とLED光の照射位置関係を示す図。
【図12】同実施の形態における感熱媒体に対するレーザ光とLED光の照射位置関係の変形例を示す図。
【図13】同実施の形態における感熱媒体に対するレーザ光とLED光の照射位置関係の変形例を示す図。
【図14】同実施の形態におけるレーザ発光部からのレーザ光の波長とLED発光部からのLED光の波長と感熱媒体の光熱変換層の吸収波長特性との関係の変形例を示すグラフ。
【図15】レーザ発光部からのレーザ光の波長及びLED発光部からのLED光の波長と感熱媒体の光熱変換層の異なる吸収波長特性との関係の変形例を示すグラフ。
【図16】第2光源として半導体レーザを使用した場合の一構成例を示す図。
【図17】第2光源として半導体レーザを使用した場合の他の構成例を示す図。
【符号の説明】
【0054】
1,31,32,33,34,35…レーザ発光部(第1光源)、3,36…ポリゴンミラー、4…感熱媒体、7,37,38,39,310,311…LED発光部(第2光源)。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光の波長に対して吸収特性を有する光熱変換層とこの光熱変換層の発熱によって発色する発色層とを有する感熱媒体に対して情報の記録を行う感熱媒体用記録装置において、
複数の光源と、
前記各光源を制御し、この各光源からの光を前記感熱媒体に対し、情報の書き込み動作に応じて照射する制御手段とを備え、
前記各光源は、それぞれ前記光熱変換層が有する吸収特性の範囲内の波長の光を出射し、前記各光源の光強度を加算することで前記感熱媒体に対して主走査方向に1ラインの記録ドットを形成することを特徴とする感熱媒体用記録装置。
【請求項2】
前記各光源は、それぞれ前記光熱変換層が有する吸収特性のピーク位置に合った波長の光を出射することを特徴とする請求項1記載の感熱媒体用記録装置。
【請求項3】
前記各光源のうち、少なくとも1つの光源は情報を書き込むためのビーム光を出射する光源とし、この光源からのビーム光を前記感熱媒体に対して主走査方向に走査する走査光学系を設けたことを特徴とする請求項1または2記載の感熱媒体用記録装置。
【請求項4】
複数の光源として、ビーム光を前記走査光学系に出射する第1光源と、この第1光源が出射するビーム光よりもエネルギー密度が低い光を前記感熱媒体に直接出射する第2光源を使用し、
前記第2光源からの光によって前記感熱媒体における主走査方向の走査位置、あるいはその近傍に書き込みができない程度のエネルギーを与え、前記第1光源からのビーム光を情報書き込みのために前記感熱媒体における主走査方向の走査位置上を走査することを特徴とする請求項3記載の感熱媒体用記録装置。
【請求項5】
前記感熱媒体として、2つの異なる波長に吸収ピークを持つ光熱変換層を有する感熱媒体を使用し、前記第1光源の波長を1つの吸収ピークの波長に合わせ、前記第2光源の波長を他の1つの吸収ピークの波長に合わせたことを特徴とする請求項4記載の感熱媒体用記録装置。
【請求項6】
前記第2光源として、感熱媒体における主走査方向に光をライン状に広げて照射する光源を使用したことを特徴とする請求項4または5記載の感熱媒体用記録装置。
【請求項7】
複数の光源として、ビーム光を前記走査光学系に出射する複数個の第1光源と、光を前記感熱媒体に直接出射する複数個の第2光源を使用し、1つの第1光源と1つの第2光源とを組として複数組を形成し、
各組の第1光源と第2光源は、前記感熱媒体における主走査方向の走査位置が、主走査方向とは直交する方向にドットピッチの整数倍の間隔でずれるように配置したことを特徴とする請求項3記載の感熱媒体用記録装置。
【請求項8】
複数個の第2光源は、複数個の第1光源が出射するビーム光よりもエネルギー密度が低い光を出射し、
各組の第1光源と第2光源は、前記第2光源からの光によって前記感熱媒体における主走査方向の走査位置、あるいはその近傍に書き込みができない程度のエネルギーを与え、前記第1光源からのビーム光を情報書き込みのために前記感熱媒体における主走査方向の走査位置上を走査することを特徴とする請求項7記載の感熱媒体用記録装置。
【請求項9】
光の波長に対して吸収特性を有する光熱変換層とこの光熱変換層の発熱によって発色する発色層とを有する感熱媒体に対して情報の記録を行う感熱媒体用記録方法であって、
複数の光源から前記感熱媒体に対し、情報の書き込み動作に応じて、それぞれ前記光熱変換層が有する吸収特性の範囲内の波長の光を出射し、前記各光源の光強度を加算することで前記感熱媒体に対して主走査方向に1ラインの記録ドットを形成することを特徴とする感熱媒体用記録方法。
【請求項10】
前記各光源から出射される光の波長を、それぞれ前記光熱変換層が有する吸収特性のピーク位置に合った波長の光とすることを特徴とする請求項9記載の感熱媒体用記録方法。
【請求項1】
光の波長に対して吸収特性を有する光熱変換層とこの光熱変換層の発熱によって発色する発色層とを有する感熱媒体に対して情報の記録を行う感熱媒体用記録装置において、
複数の光源と、
前記各光源を制御し、この各光源からの光を前記感熱媒体に対し、情報の書き込み動作に応じて照射する制御手段とを備え、
前記各光源は、それぞれ前記光熱変換層が有する吸収特性の範囲内の波長の光を出射し、前記各光源の光強度を加算することで前記感熱媒体に対して主走査方向に1ラインの記録ドットを形成することを特徴とする感熱媒体用記録装置。
【請求項2】
前記各光源は、それぞれ前記光熱変換層が有する吸収特性のピーク位置に合った波長の光を出射することを特徴とする請求項1記載の感熱媒体用記録装置。
【請求項3】
前記各光源のうち、少なくとも1つの光源は情報を書き込むためのビーム光を出射する光源とし、この光源からのビーム光を前記感熱媒体に対して主走査方向に走査する走査光学系を設けたことを特徴とする請求項1または2記載の感熱媒体用記録装置。
【請求項4】
複数の光源として、ビーム光を前記走査光学系に出射する第1光源と、この第1光源が出射するビーム光よりもエネルギー密度が低い光を前記感熱媒体に直接出射する第2光源を使用し、
前記第2光源からの光によって前記感熱媒体における主走査方向の走査位置、あるいはその近傍に書き込みができない程度のエネルギーを与え、前記第1光源からのビーム光を情報書き込みのために前記感熱媒体における主走査方向の走査位置上を走査することを特徴とする請求項3記載の感熱媒体用記録装置。
【請求項5】
前記感熱媒体として、2つの異なる波長に吸収ピークを持つ光熱変換層を有する感熱媒体を使用し、前記第1光源の波長を1つの吸収ピークの波長に合わせ、前記第2光源の波長を他の1つの吸収ピークの波長に合わせたことを特徴とする請求項4記載の感熱媒体用記録装置。
【請求項6】
前記第2光源として、感熱媒体における主走査方向に光をライン状に広げて照射する光源を使用したことを特徴とする請求項4または5記載の感熱媒体用記録装置。
【請求項7】
複数の光源として、ビーム光を前記走査光学系に出射する複数個の第1光源と、光を前記感熱媒体に直接出射する複数個の第2光源を使用し、1つの第1光源と1つの第2光源とを組として複数組を形成し、
各組の第1光源と第2光源は、前記感熱媒体における主走査方向の走査位置が、主走査方向とは直交する方向にドットピッチの整数倍の間隔でずれるように配置したことを特徴とする請求項3記載の感熱媒体用記録装置。
【請求項8】
複数個の第2光源は、複数個の第1光源が出射するビーム光よりもエネルギー密度が低い光を出射し、
各組の第1光源と第2光源は、前記第2光源からの光によって前記感熱媒体における主走査方向の走査位置、あるいはその近傍に書き込みができない程度のエネルギーを与え、前記第1光源からのビーム光を情報書き込みのために前記感熱媒体における主走査方向の走査位置上を走査することを特徴とする請求項7記載の感熱媒体用記録装置。
【請求項9】
光の波長に対して吸収特性を有する光熱変換層とこの光熱変換層の発熱によって発色する発色層とを有する感熱媒体に対して情報の記録を行う感熱媒体用記録方法であって、
複数の光源から前記感熱媒体に対し、情報の書き込み動作に応じて、それぞれ前記光熱変換層が有する吸収特性の範囲内の波長の光を出射し、前記各光源の光強度を加算することで前記感熱媒体に対して主走査方向に1ラインの記録ドットを形成することを特徴とする感熱媒体用記録方法。
【請求項10】
前記各光源から出射される光の波長を、それぞれ前記光熱変換層が有する吸収特性のピーク位置に合った波長の光とすることを特徴とする請求項9記載の感熱媒体用記録方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2007−331381(P2007−331381A)
【公開日】平成19年12月27日(2007.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−62848(P2007−62848)
【出願日】平成19年3月13日(2007.3.13)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年12月27日(2007.12.27)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年3月13日(2007.3.13)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】
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