説明

感熱記録材料

【課題】スティッキング性とオフセット印刷適性を両立させることが可能な感熱記録材料を提供する。
【解決手段】支持体上に、熱により発色する感熱記録層及び保護層を順次設けた感熱記録材料において、該保護層がグリオキシル酸塩及びエピクロロヒドリン樹脂により架橋されたアセトアセチル変性ポリビニルアルコールを少なくとも含有する感熱記録材料。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、支持体上に、熱により発色する感熱記録層及び保護層を順次設けた感熱記録材料に関し、詳しくはスティッキング性に優れ、オフセット印刷適性の良好な感熱記録材料に関する。
【背景技術】
【0002】
感熱記録材料は、一般に支持体上に電子供与性の通常無色ないし淡色の染料前駆体、ならびに電子受容性化合物を主成分とする感熱記録層を設けたものであり、熱ヘッド、熱ペン、レーザー光等で加熱することにより、染料前駆体である電子供与性化合物と顕色剤である電子受容性化合物とが瞬時反応し記録画像が得られるものである。このような感熱記録材料は、比較的簡単な装置で記録が得られ、保守が容易なこと、騒音の発生がないこと等の利点があり、計測記録計、ファクシミリ、プリンター、コンピューターの端末機、ラベル印字機、乗車券、チケットの発券機等広範囲の分野に利用されている。特に近年は、ガス、水道、電気料金等の領収書、金融機関のATMの利用明細書、各種レシート、宝くじ、POSシステム用の感熱記録ラベルあるいは感熱記録タグ等にも感熱記録材料が用いられるようになっている。
【0003】
感熱記録材料の用途や需要が多種多様に拡大する中、種々のバーコードを感熱記録印字して用いられる用途も増加しており、バーコード印字適性を有する感熱記録材料が求められている。バーコードに含まれる情報量の拡大に伴い、高精細なバーコード印字への要求が高まっている。しかし、高精細なバーコードは、スティッキングなどの印字障害によるバー、またはスペースの幅の僅かな変化や、印字の白抜けによるバーコードの欠落によって、読み取り性が大きく低下するという問題を有している。また、近年の記録機器の小型化、省電力化の影響もあり、熱応答性や感熱記録ヘッドに対する機器マッチング性の向上に関する要求はますます大きくなっている。即ち、高速化及び省電力化により低い印加エネルギーでも従来と同様の発色濃度を示し、さらにスティッキングなどの印字障害がない感熱記録材料が要求されている。
【0004】
一方、チケットや各種機器類用のチャート紙、レジのレシート、CD/ATMの明細書、ハンディターミナルによって発行されるガス、水道料金等の領収書等に用いられる感熱記録材料では、感熱により発色画像が現れる面に、プレ印刷されていることがある。プレ印刷としては、印刷画像が鮮明で、大量印刷に適していることから、通常、オフセット印刷が行われる。
【0005】
感熱記録材料のオフセット印刷適性を向上させることを目的として、さまざまな構成を有する感熱記録材料が提案されている。例えば特開平04−082777号公報には、水とアマニ油の表面張力及び接触角により定義される特定の表面張力Pを40dyne/cm以下とした保護層を有する感熱記録材料が開示され、特開平04−014481号公報には、水による接触角が45°以上の保護層を有する感熱記録材料が開示される。また感熱記録材料のスティッキング性を向上させることを目的として、例えば特開平06−336083号公報にはアルキルベンゼンスルホン酸塩を含有する保護層が、特開2004−136610号公報にはアルキルリン酸塩、ワックス、高級脂肪酸から選ばれる化合物とフッ素系界面活性剤を含有する保護層が開示されている。しかしながらスティッキング性とオフセット印刷適性を両立させることは極めて困難であった。
【0006】
一方、感熱記録材料の保護層にアセトアセチル変性ポリビニルアルコールを利用することは従来から知られており、例えば特開平10−151855号公報(特許文献1)、特開平10−151846号公報(特許文献2)、特開2004−358762号公報(特許文献3)等が知られている。またアセトアセチル変性ポリビニルアルコールと組み合わせて用いる架橋剤として、特開2004−034436号公報(特許文献4)にはビニルスルホン系化合物との組み合わせが、特開2004−249528号公報(特許文献5)にはヒドラジド化合物との組み合わせが、特開2006−212975号公報(特許文献6)にはセバシン酸ジヒドラジド及びドデカン2酸ジヒドラジドとの組み合わせが、特開2009−039874号公報(特許文献7)にはアミノ基含有シランカップリング剤との組み合わせが、特開2009−113438号公報(特許文献8)には、特定のアルデヒド化合物との組み合わせが、特開2009−214422号公報(特許文献9)にはジカルボン酸ジヒドラジドとの組み合わせがそれぞれ開示されるが、十分満足できるオフセット印刷適性は得られなかった。
【0007】
他方、国際公開第09/028646号パンフレット(特許文献10)には耐水性と耐変色性に優れた感熱記録材料として、グリオキシル酸塩及び特定のグリオキシル酸エステル誘導体により架橋された保護層を有する感熱記録材料が開示され、特開2005−313597号公報(特許文献11)には、印刷適性、ヘッドカス、耐水性、スティッキング等に優れた感熱記録材料の一例として、カルボキシ変性ポリビニルアルコールをポリアミドアミンエピクロロヒドリンにより架橋した保護層を有する感熱記録材料が開示され、特開2008−155553号公報(特許文献12)等には溶剤に対するバリア性や印刷インクに対する密着性に優れた感熱記録材料の一例として、シラノール変性ポリビニルアルコールをポリアミドアミンエピクロロヒドリンにより架橋した保護層を有する感熱記録材料が開示されるが、十分満足できるものではなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平10−151855号公報
【特許文献2】特開平10−151846号公報
【特許文献3】特開2004−358762号公報
【特許文献4】特開2004−034436号公報
【特許文献5】特開2004−249528号公報
【特許文献6】特開2006−212975号公報
【特許文献7】特開2009−039874号公報
【特許文献8】特開2009−113438号公報
【特許文献9】特開2009−214422号公報
【特許文献10】国際公開第09/028646号パンフレット
【特許文献11】特開2005−313597号公報
【特許文献12】特開2008−155553号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、スティッキング性とオフセット印刷適性を両立させることが可能な感熱記録材料を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
(1)支持体上に、熱により発色する感熱記録層及び保護層を順次設けた感熱記録材料において、該保護層がグリオキシル酸塩及びエピクロロヒドリン樹脂により架橋されたアセトアセチル変性ポリビニルアルコールを少なくとも含有することを特徴とする感熱記録材料。
【発明の効果】
【0011】
本発明によってスティッキング性とオフセット印刷適性を両立させることが可能な感熱記録材料を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に本発明を詳細に説明する。本発明の感熱記録材料が有する保護層は、グリオキシル酸塩及びエピクロロヒドリン樹脂により架橋されたアセトアセチル変性ポリビニルアルコールを少なくとも含有する。
【0013】
本発明におけるグリオキシル酸塩は、分子内にアルデヒド基を有し、かかるアルデヒド基がアセトアセチル変性ポリビニルアルコールと架橋反応する化合物を指す。グリオキシル酸塩としては、種々のものが挙げられるが、アルカリ金属とグリオキシル酸の金属塩、アルカリ土類金属とグリオキシル酸の金属塩、アミン類とグリオキシル酸の塩等が挙げられ、好ましくは、アルカリ金属とグリオキシル酸の金属塩、アルカリ土類金属とグリオキシル酸の金属塩から選ばれる少なくとも一種のグリオキシル酸金属塩である。また、本発明においてグリオキシル酸塩は、そのアルデヒド基が、メタノール、エタノールなどの炭素数が3以下のアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコールなどの炭素数が3以下のジオール等によってアセタール化、及びヘミアセタール化された化合物を包含するものである。かかるアセタール基、及びヘミアセタール基は、水中、あるいは高温化では容易にアルコールが脱離し、アルデヒド基と平衡状態をとるため、アルデヒド基と同様に反応し、架橋剤として機能するものである。本発明において、グリオキシル酸塩の含有量は、アセトアセチル変性ポリビニルアルコールに対して、0.5〜20質量%が好ましく、3〜10質量%が特に好ましい。
【0014】
本発明におけるエピクロロヒドリン樹脂として、ポリアミドエピクロロヒドリン樹脂、ポリアミンエピクロロヒドリン樹脂などを挙げることができる。具体例としては、星光PMC製WS4010、WS4020、WS4024、WS4030、CP8970、田岡化学工業製スミレーズレジン650(30)、スミレーズレジン675Aなどが挙げられる。中でもポリアミドエピクロロヒドリン樹脂を用いることがより好ましい。本発明において、エピクロロヒドリン樹脂の含有量は、アセトアセチル変性ポリビニルアルコールに対して、0.5〜30質量%が好ましく、3〜20質量%が特に好ましい。
【0015】
本発明におけるアセトアセチル変性ポリビニルアルコールは、ポリビニルアルコールの側鎖にアセトアセチル基を導入したものを指す。アセトアセチル変性ポリビニルアルコールの重合度、鹸化度、変性率は、特に限定されるものではないが、溶解性、塗工性、被膜の耐水性、層強度などから、重合度500以上4000未満、鹸化度90%以上、変性率1〜10モル%程度が好ましい。本発明において、保護層中のアセトアセチル変性ポリビニルアルコールの含有量は、保護層の全固形分に対して、20〜80質量%が好ましく、30〜60質量%が特に好ましい。
【0016】
本発明に係る保護層には、顔料としてケイソウ土、タルク、カオリン、焼成カオリン、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、二酸化チタン、硫酸バリウム、硫酸亜鉛、非晶質シリカ、非晶質ケイ酸カルシウム、コロイダルシリカ等の無機顔料、メラミン樹脂、尿素−ホルマリン樹脂、ポリエチレン、ナイロン、スチレン系プラスチック顔料、アクリル系プラスチック顔料、炭化水素系プラスチック顔料等の有機顔料を使用することができる。中でも、カオリン、水酸化アルミニウム等の平板状の構造を有する顔料が好ましく用いられる。顔料の含有量は、保護層の全固形成分に対して10〜70質量%が好ましい。
【0017】
本発明の保護層には本発明の所望の効果を損なわない限りにおいて、上記したアセトアセチル変性ポリビニルアルコール以外にも他の接着剤を使用することができる。具体的には、完全ケン化または部分ケン化ポリビニルアルコール、ジアセトン変性ポリビニルアルコール、カルボキシ変性ポリビニルアルコール、ケイ素変性ポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ゼラチン、カゼイン、スチレン・無水マレイン酸共重合体のアルカリ塩、エチレン・アクリル酸共重合体のアルカリ塩、スチレン・アクリル酸共重合体のアルカリ塩等の水溶性樹脂、及びスチレン・ブタジエン系ラテックス、アクリル系ラテックス、ウレタン系ラテックス等の疎水性樹脂などが挙げられる。これら他の接着剤は、アセトアセチル変性ポリビニルアルコールに対して30質量%以下とすることが好ましく、15質量%以下であることがより好ましい。
【0018】
本発明に係る感熱記録層は、各発色成分を微粉砕して得られる各々の水性分散液と樹脂などを混合し、支持体上に塗工、乾燥することにより得られる。
【0019】
感熱記録層に含有される通常無色ないし淡色の染料前駆体である電子供与性化合物は、一般に感圧記録材料や、感熱記録材料に用いられているものに代表されるが、特に限定されるものではない。
【0020】
具体的な染料前駆体の例としては、
(1)トリアリールメタン系化合物:3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド(クリスタルバイオレットラクトン)、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)フタリド、3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−(1,2−ジメチルインドール−3−イル)フタリド、3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−(2−メチルインドール−3−イル)フタリド、3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−(2−フェニルインドール−3−イル)フタリド、3,3−ビス(1,2−ジメチルインドール−3−イル)−5−ジメチルアミノフタリド、3,3−ビス(1,2−ジメチルインドール−3−イル)−6−ジメチルアミノフタリド、3,3−ビス(9−エチルカルバゾール−3−イル)−5−ジメチルアミノフタリド、3,3−ビス(2−フェニルインドール−3−イル)−5−ジメチルアミノフタリド、3−p−ジメチルアミノフェニル−3−(1−メチルピロール−2−イル)−6−ジメチルアミノフタリド等、
【0021】
(2)ジフェニルメタン系化合物:4,4′−ビス(ジメチルアミノフェニル)ベンズヒドリルベンジルエーテル、N−クロロフェニルロイコオーラミン、N−2,4,5−トリクロロフェニルロイコオーラミン等、
【0022】
(3)キサンテン系化合物:ローダミンBアニリノラクタム、ローダミンB−p−クロロアニリノラクタム、3−ジエチルアミノ−7−ジベンジルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−オクチルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−フェニルフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−メチルフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(3−メチルフェニルアミノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(3,4−ジクロロアニリノ)フルオラン、3−ジブチルアミノ−7−(2−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(2−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジペンチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−トリル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ピペリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−トリル)アミノ−6−メチル−7−フェネチルフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(4−ニトロアニリノ)フルオラン、3−(N−メチル−N−プロピル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−イソアミル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−メチル−N−シクロヘキシル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−テトラヒドロフルフリル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(3−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン等、
【0023】
(4)チアジン系化合物:ベンゾイルロイコメチレンブルー、p−ニトロベンゾイルロイコメチレンブルー等、
【0024】
(5)スピロ系化合物:3−メチルスピロジナフトピラン、3−エチルスピロジナフトピラン、3,3′−ジクロロスピロジナフトピラン、3−ベンジルスピロジナフトピラン、3−メチルナフト−(3−メトキシベンゾ)スピロピラン、3−プロピルスピロベンゾピラン等を挙げることができる。またこれらの染料前駆体は必要に応じて単独、もしくは2種以上混合して使用することができる。
【0025】
感熱記録層に含有される顕色剤である電子受容性化合物は、一般に感圧記録材料、または感熱記録材料で使用される酸性物質に代表されるが、特に限定されるものではない。例えば、フェノール誘導体、芳香族カルボン酸誘導体、N,N′−ジアリールチオ尿素誘導体、アリールスルホニル尿素誘導体、有機化合物の亜鉛塩などの多価金属塩、ベンゼンスルホンアミド誘導体、ウレアウレタン化合物等を挙げることができる。
【0026】
以下に、感熱記録層に含有される電子受容性化合物の具体例を挙げるが、必ずしもこれらの化合物に限定されるものではない。
【0027】
4−ヒドロキシ−4′−イソプロポキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4′−n−プロポキシジフェニルスルホン、4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホン、2,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4′−メチルジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4′−メトキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4′−エトキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4′−n−ブトキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4′−ベンジルオキシジフェニルスルホン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホンモノアリルエーテル、ビス(3−アリル−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、3,4−ジヒドロキシジフェニルスルホン、3,4−ジヒドロキシ−4′−メチルジフェニルスルホン、3,4,4′−トリヒドロキシジフェニルスルホン、4,4′−〔オキシビス(エチレンオキシ−p−フェニレンスルホニル)〕ジフェノール、3,4,3′,4′−テトラヒドロキシジフェニルスルホン、2,3,4−トリヒドロキシジフェニルスルホン、3−フェニルスルホニル−4−ヒドロキシジフェニルスルホン、2,4−ビス(フェニルスルホニル)フェノール、
【0028】
4−フェニルフェノール、4−ヒドロキシアセトフェノン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2−エチルヘキサン、2,2−ビス(3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、1,3−ビス〔1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル〕ベンゼン、1,3−ビス〔1−(3,4−ジヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル〕ベンゼン、1,4−ビス〔1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル〕ベンゼン、4,4′−ジヒドロキシジフェニルエーテル、3,3′−ジクロロ−4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、ビス(2−ヒドロキシナフチル)メタン、
【0029】
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)酢酸メチル、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)酢酸ブチル、4,4−チオビス(2−tert−ブチル−5−メチルフェノール)、4−ヒドロキシフタル酸ジメチル、4−ヒドロキシ安息香酸ベンジル、4−ヒドロキシ安息香酸メチル、没食子酸ベンジル、没食子酸ステアリル、ペンタエリスリトールテトラ(4−ヒドロキシ安息香酸)エステル、ペンタエリスリトールトリ(4−ヒドロキシ安息香酸)エステル、N−ブチル−4−〔3−(p−トルエンスルホニル)ウレイド〕ベンゾエート、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)−1,3−プロパンジオールの重縮合物と4−ヒドロキシ安息香酸との脱水縮合物、
【0030】
N,N′−ジフェニルチオ尿素、4,4′−ビス[3−(4−メチルフェニルスルホニル)ウレイド]ジフェニルメタン、N−(4−メチルフェニルスルホニル)−N′−フェニル尿素、N−(ベンゼンスルホニル)−N′−[3−(4−トルエンスルホニルオキシ)フェニル]尿素、N−(4−トルエンスルホニル)−N′−[3−(4−トルエンスルホニルオキシ)フェニル]尿素、ウレアウレタン化合物、
【0031】
サリチルアニリド、5−クロロサリチルアニリド、サリチル酸、3,5−ジ−tert−ブチルサリチル酸、3,5−ビス(α−メチルベンジル)サリチル酸、4−[2′−(4−メトキシフェノキシ)エチルオキシ]サリチル酸、3−(オクチルオキシカルボニルアミノ)サリチル酸あるいはこれらサリチル酸誘導体の金属塩(例えば亜鉛塩)、
【0032】
N−(4−ヒドロキシフェニル)−4−トルエンスルホンアミド、N−(2−ヒドロキシフェニル)−4−トルエンスルホンアミド、N−フェニル−4−ヒドロキシベンゼンスルホンアミドなどである。
【0033】
感熱記録層には、その熱応答性を向上させるために、熱可融性物質を増感剤として含有させることができる。この場合、60〜180℃の融点を持つものが好ましく、特に80〜140℃の融点を持つものがより好ましく使用される。
【0034】
具体的には、ステアリン酸アミド、N−ヒドロキシメチルステアリン酸アミド、N−ステアリルステアリン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド、メチレンビスステアリン酸アミド、メチロールステアリン酸アミド、N−ステアリル尿素、ベンジル−2−ナフチルエーテル、m−ターフェニル、4−ベンジルビフェニル、2,2′−ビス(4−メトキシフェノキシ)ジエチルエーテル、α,α′−ジフェノキシ−o−キシレン、ビス(4−メトキシフェニル)エーテル、アジピン酸ジフェニル、シュウ酸ジベンジル、シュウ酸ビス(4−メチルベンジル)エステル、シュウ酸ビス(4−クロロベンジル)エステル、テレフタル酸ジメチル、テレフタル酸ジベンジル、ベンゼンスルホン酸フェニルエステル、ビス(4−アリルオキシフェニル)スルホン、1,2−ビス(3−メチルフェノキシ)エタン、1,2−ジフェノキシエタン、4−アセチルアセトフェノン、アセト酢酸アニリド類、脂肪酸アニリド類など公知の熱可融性物質が挙げられるが、高級脂肪酸アミドを用いた場合には、滑剤としても機能するためより好ましい。
【0035】
これらの化合物は単独もしくは2種以上併用して使用することもできる。また、十分な熱応答性を得るためには、感熱記録層の総固形分中、増感剤が5〜50質量%を占めることが好ましい。
【0036】
本発明における感熱記録材料は、発色感度を高める等、必要に応じて支持体と感熱記録層の間に中間層を1層以上設けることができる。また裏面に、粘着層などのバックコート層を1層以上設けることもできる。
【0037】
前述した保護層以外、例えば支持体及び任意の層にも、顔料としてケイソウ土、タルク、カオリン、焼成カオリン、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、二酸化チタン、硫酸バリウム、硫酸亜鉛、非晶質シリカ、非晶質ケイ酸カルシウム、コロイダルシリカ等の無機顔料、メラミン樹脂、尿素−ホルマリン樹脂、ポリエチレン、ナイロン、スチレン系プラスチック顔料、アクリル系プラスチック顔料、炭化水素系プラスチック顔料等の有機顔料を接着剤と共に使用することができる。特に中間層の顔料としては、焼成カオリン及び/または有機中空顔料が好ましく、高い断熱性による優れた熱応答性を持った感熱記録材料を得ることができる。
【0038】
また、支持体及び任意の層に、接着剤として任意の樹脂が使用される。具体例としては、澱粉類、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ゼラチン、カゼイン、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル、ポリアクリル酸ソーダ、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、塩素化ポリエーテル、アリル樹脂、フラン樹脂、ケトン樹脂、オキシベンゾイルポリエステル、ポリアセタール、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルスルホン、ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリアミノビスマレイミド、ポリメチルペンテン、ポリフェニレンオキシド、ポリフェニレンスルフィド、ポリフェニレンスルホン、ポリスルホン、ポリアリレート、ポリアリルスルホン、ポリブタジエン、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、メラミンホルマリン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ビスマレイミドトリアジン樹脂、アルキド樹脂、アミノ樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、スチレン/ブタジエン共重合体、アクリロニトリル/ブタジエン共重合体、アクリル酸メチル/ブタジエン共重合体、エチレン/酢酸ビニル共重合体、アクリル酸アミド/アクリル酸エステル共重合体、アクリル酸アミド/アクリル酸エステル/メタクリル酸三元共重合体、スチレン/無水マレイン酸共重合体のアルカリ塩、エチレン/無水マレイン酸共重合体のアルカリ塩またはアンモニウム塩、その他各種ポリオレフィン系樹脂などが挙げられる。
【0039】
保護層及び/または感熱記録層には、スティッキング性向上等の目的から、高級脂肪酸金属塩、高級脂肪酸アミド、パラフィン、ポリオレフィン、酸化ポリエチレン、カスターワックス等の滑剤を含有させることが好ましい。特に保護層に滑剤を添加した場合にスティッキング性がより向上するが、その場合には塗層表面の均一性が低下することから、オフセット印刷を施した際、印刷部の均一性に関して十分な結果を得ることは困難となる場合があり、本発明はこのような系において特に有効に作用する。また保護層及び/または感熱記録層には耐光性向上等の目的から、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系等の紫外線吸収剤、分散・湿潤剤として、アニオン性、ノニオン性の高分子量のものを含む界面活性剤、さらには蛍光染料、消泡剤等が必要に応じて添加される。
【0040】
本発明に係る支持体としては、紙、各種織布、不織布、合成樹脂フィルム、合成樹脂ラミネート紙、合成紙、金属箔、蒸着シート、あるいはこれらを貼り合わせ等で組み合わせた複合シートを目的に応じて任意に使用することができる。中でも、含水率を容易にコントロールできることから、中性紙、酸性紙などの紙が特に好ましく用いられる。
【0041】
感熱記録層、保護層、中間層、バックコート層の形成方法は、特に限定されるものではなく、従来公知の技術に従って形成することができる。具体的な例としては、フィルムプレス塗工、エアナイフ塗工、ロッドブレード塗工、バー塗工、ブレード塗工、グラビア塗工、カーテン塗工、Eバー塗工などの方法により塗液を塗工し、乾燥により各層を形成させることができる。また、平版、凸版、フレキソ、グラビア、スクリーン、ホットメルト等の方式による各種印刷機等によって各層を形成させても良い。さらに、各層は逐次に塗工、乾燥を行っても良いし、各層をそれぞれ塗工した後乾燥しても良く(ウェット・オン・ウェット)、さらには各層を同時に塗工し乾燥しても良い(スライドカーテン塗工による多層同時塗工)。感熱記録層の塗工量は、十分な熱応答性を得るためには、通常染料前駆体の絶乾塗工量で0.05〜2.0g/mが好ましく、0.1〜1.0g/mがより好ましい。保護層の絶乾塗工量は0.2〜10g/mが好ましく、1〜5g/mがより好ましい。中間層の絶乾塗工量は、1〜30g/mが好ましく、3〜20g/mがより好ましい。
【0042】
必要に応じて、中間層塗工後、感熱記録層塗工後、保護層塗工後、またはバックコート層塗工後にスーパーカレンダー処理により印字画質を向上させることができる。
【実施例】
【0043】
次に、本発明を実施例により、さらに詳細に説明する。ただし、これらに限定されるものではない。なお以下に示す部、ならびに%はいずれも質量基準であり、塗工量は絶乾塗工量である。
【0044】
実施例1
(1)中間層用塗液の作製
焼成カオリン〔BASF製:アンシレックス〕50部、固形分濃度27.5%の有機中空粒子分散液〔ローム&ハース製:HP91〕100部、50%のスチレン/ブタジエン系ラテックス40部、10%の酸化澱粉水溶液50部及び水100部からなる組成物を混合攪拌し、中間層用塗液を調製した。
【0045】
(2)感熱記録層用塗液の作製1
下記の(A)(B)(C)の混合液を、それぞれダイノミル(WEB製サンドミル)で体積平均粒子径1μm以下となるように粉砕し、各分散液を得た。
(A)染料前駆体分散液
3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン 30部
2.5%スルホン変性ポリビニルアルコール水溶液 69部
1%アセチレングリコール系界面活性剤水溶液 1部
(B)電子受容性化合物分散液
4−ヒドロキシ−4′−イソプロポキシジフェニルスルホン 30部
2.5%スルホン変性ポリビニルアルコール水溶液 69部
1%アセチレングリコール系界面活性剤水溶液 1部
(C)顔料・増感剤分散液
水酸化アルミニウム(昭和電工製:ハイジライトH42) 50部
1,2−ビス(3−メチルフェノキシ)エタン 30部
2.5%スルホン変性ポリビニルアルコール水溶液 199部
1%アセチレングリコール系界面活性剤水溶液 1部
【0046】
(3)感熱記録層用塗液の作製2
次に、(A)、(B)、(C)の各分散液の他に下記のものを混合、攪拌して感熱記録層用塗液を調製した。
(A)染料前駆体分散液 100部
(B)電子受容性化合物分散液 100部
(C)顔料・増感剤分散液 280部
30%ステアリン酸亜鉛水分散液〔中京油脂製:Z−7−30〕 25部
40%メチロールステアリン酸アミド水分散液 25部
20%パラフィンワックス水分散液 25部
10%完全鹸化ポリビニルアルコール〔クラレ製:PVA117〕水溶液
200部
水 100部
【0047】
(4)保護層用塗液の作製
下記に示す配合にて混合して保護層用塗液を調製した。
10%アセトアセチル変性ポリビニルアルコール
〔日本合成化学工業社製:Z−200〕水溶液 50部
20%カオリン〔BASF製:UW90〕水分散液 20部
30%ステアリン酸亜鉛水分散液〔中京油脂製:Z−7−30〕 6部
グリオキシル酸カルシウム塩 0.25部
25%ポリアミドエピクロロヒドリン樹脂水溶液 1部
水 30部
【0048】
(5)感熱記録材料の作製
坪量66g/mの中性の上質紙ロールに、中間層用塗液の固形分塗工量が5g/m、感熱記録層用塗液の固形分塗工量が染料前駆体の塗工量で0.5g/m、保護層用塗液の固形分塗工量が3g/mとなるようにそれぞれの層をエアナイフコーター及びエアフローティング式乾燥機にて塗工・乾燥し、カレンダー処理を行い感熱記録材料を作製した。
【0049】
実施例2
実施例1の(4)保護層用塗液の作製において、グリオキシル酸カルシウム塩0.25部の代わりに、グリオキシル酸ナトリウム塩0.25部を用いた以外は、実施例1と同様にして感熱記録材料を作製した。
【0050】
実施例3
実施例1の(4)保護層用塗液の作製において、10%アセトアセチル変性ポリビニルアルコール〔日本合成化学工業社製:Z−200〕水溶液50部の代わりに、10%アセトアセチル変性ポリビニルアルコール〔日本合成化学工業製:Z−410〕水溶液50部を用いた以外は、実施例1と同様にして感熱記録材料を作製した。
【0051】
実施例4
実施例1の(4)保護層用塗液の作製において、25%ポリアミドエピクロロヒドリン樹脂水溶液1部の代わりに、20%ポリアミンエピクロロヒドリン樹脂水溶液1.25部を用いた以外は、実施例1と同様にして感熱記録材料を作製した。
【0052】
実施例5
実施例1の(4)保護層用塗液の作製において、グリオキシル酸カルシウム塩0.25部を0.05部に変更し、25%ポリアミドエピクロロヒドリン樹脂水溶液1部を1.8部に変更した以外は実施例1と同様にして感熱記録材料を作製した。
【0053】
実施例6
実施例1の(4)保護層用塗液の作製において、グリオキシル酸カルシウム塩0.25部を0.3部に変更し、25%ポリアミドエピクロロヒドリン樹脂水溶液1部を0.8部に変更した以外は実施例1と同様にして感熱記録材料を作製した。
【0054】
比較例1
10%アセトアセチル変性ポリビニルアルコール〔日本合成化学工業製:Z−200〕水溶液50部の代わりに、10%完全鹸化ポリビニルアルコール〔日本合成化学工業製:NM−11〕水溶液50部を用いた以外は、実施例1と同様にして感熱記録材料を作製した。
【0055】
比較例2
10%アセトアセチル変性ポリビニルアルコール〔日本合成化学工業製:Z−200〕水溶液50部の代わりに、10%カルボキシ変性ポリビニルアルコール〔クラレ製:KL−318〕水溶液50部を用いた以外は、実施例1と同様にして感熱記録材料を作製した。
【0056】
比較例3
10%アセトアセチル変性ポリビニルアルコール〔日本合成化学工業製:Z−200〕水溶液50部の代わりに、10%シラノール変性ポリビニルアルコール〔クラレ製:R−1130〕水溶液50部を用いた以外は、実施例1と同様にして感熱記録材料を作製した。
【0057】
比較例4
実施例1の(4)保護層用塗液の作製において、グリオキシル酸カルシウム塩0.25部を用いず、25%ポリアミドエピクロロヒドリン樹脂水溶液を2部に変更した以外は、実施例1と同様にして感熱記録材料を作製した。
【0058】
比較例5
実施例1の(4)保護層用塗液の作製において、グリオキシル酸カルシウム塩0.25部の代わりに、アジピン酸ジヒドラジド0.25部を用いた以外は、実施例1と同様にして感熱記録材料を作製した。
【0059】
比較例6
実施例1の(4)保護層用塗液の作製において、25%ポリアミドエピクロロヒドリン樹脂水溶液1部を用いず、グリオキシル酸カルシウム塩を0.5部に変更した以外は、実施例1と同様にして感熱記録材料を作製した。
【0060】
比較例7
実施例1の(4)保護層用塗液の作製において、25%ポリアミドエピクロロヒドリン樹脂水溶液1部の代わりに、アジピン酸ジヒドラジド0.25部を用いた以外は、実施例1と同様にして感熱記録材料を作製した。
【0061】
比較例8
実施例1の(4)保護層用塗液の作製において、25%ポリアミドエピクロロヒドリン樹脂水溶液1部の代わりに、40%グリオキザール水溶液0.63部を用いた以外は、実施例1と同様にして感熱記録材料を作製した。
【0062】
比較例9
実施例1の(4)保護層用塗液の作製において、25%ポリアミドエピクロロヒドリン樹脂水溶液1部の代わりに、45%炭酸ジルコニウムアンモニウム水溶液0.56部を用いた以外は、実施例1と同様にして感熱記録材料を作製した。
【0063】
比較例10
実施例1の(4)保護層用塗液の作製において、25%ポリアミドエピクロロヒドリン樹脂水溶液1部の代わりに、25%メチロール化メラミン樹脂水溶液1部を用いた以外は、実施例1と同様にして感熱記録材料を作製した。
【0064】
以上の実施例1〜6、比較例1〜10で作製した感熱記録材料について、下記の評価を行った。その結果を表1に示す。
【0065】
〔印字濃度〕
作製した各感熱記録材料それぞれについて、大倉電機製ファクシミリ試験機TH−PMDを用いて印字した。ドット密度8ドット/mm、ヘッド抵抗1685Ωのサーマルヘッドを使用し、印加電圧20ボルトで、印加パルス幅1.0msecで黒ベタ及び文字を印字した。印字濃度をマクベスRD−918型反射濃度計(ビジュアルフィルター)にて測定した。
【0066】
〔スティッキング〕
キヤノン(株)製プリンタープレアCT−1を使用し、5℃の環境条件で印字して、印字面のスティッキングの程度を4段階で評価した。評価基準は以下の指標に従った。
◎:スティッキングが全く発生しない
○:スティッキングがごく僅かに発生する
△:スティッキングが発生する
×:スティッキングが全面に発生する
【0067】
〔オフセット印刷適性〕
RI印刷機を用いてオフセット印刷を行った。UVインク〔T&K製ベストキュアーUV NVR 紅)0.25gに水0.5mlを加え、インキ練りローラーで1分間インキと水を練りインキを乳化させたものを用いて印刷した後、UV照射して、印刷部の均一性を目視にて4段階で評価した。評価基準は以下の指標に従った。
◎:非常に良好
○:良好
△:劣る
×:非常に劣る
【0068】
【表1】

【0069】
表1から明らかなように、本発明によりスティッキング性とオフセット印刷適性を両立させることが可能な感熱記録材料が得られる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持体上に、熱により発色する感熱記録層及び保護層を順次設けた感熱記録材料において、該保護層がグリオキシル酸塩及びエピクロロヒドリン樹脂により架橋されたアセトアセチル変性ポリビニルアルコールを少なくとも含有することを特徴とする感熱記録材料。

【公開番号】特開2011−178139(P2011−178139A)
【公開日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−47273(P2010−47273)
【出願日】平成22年3月4日(2010.3.4)
【出願人】(000005980)三菱製紙株式会社 (1,550)
【Fターム(参考)】