説明

感知機構造構築の方法

本発明は、導電性重合体、随意に結合性薬剤基材を構成する結合剤と混合されるものを含有する少なくとも1種の第1層、及び第1層から分かれ、及び隣接するか、又はそれから隔てて、又は少なくとも部分的に第1層に接合する少なくとも1種の第2層を備え、それにより、第2層が、塩基性又は酸性の物質のいずれかで、随意に結合剤と混合されるものを含有する微小カプセルを備え、酸性又は塩基性の物質が、微小カプセルから放出されるときに、重合体の導電性を変化させる、感知機構造に関する。本発明はまた、感知機構造の製造方法及びその使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は国際出願時請求の範囲の請求項1の序文に従う感知機構造に関する。
【0002】
本発明はまた感知機構造の製造方法及びその使用に関する。
【0003】
生産又は更なる処理(プロセス)の段階で、紙及び厚紙(ボール紙)の生成物が、中でもそれらに、安全性の記号(セキュリティシンボル)として既知であるものが加えられ得、それが導電性(電気伝導性)重合体を備え、その導電性が場所的に変わり得るもので、その結果、周囲の物質の特性からそれ、それが導電性又は対応して電気的に非-伝導性であり、それは望ましい安全性の記号の模様(パターン)化又は模様を形成する。そのようにして、生成物の信頼性を、紙又は厚紙の生成物の導電性を安全性の記号の領域上で識別することにより確認することができる。
【0004】
導電性重合体の1種の特別な特性はpHへの伝導性(伝導率)の依存である。例えば、pHが酸性の範囲にあるとき、ポリアニリンは導電性である。pHを塩基性に変えるとき、重合体は非-導電性になる。pHでの伝導性の依存を利用することによって、種々の適用を提供し、伝導性の模様を調節される様式において形成することができる。1種の単純な様式は、会社のロゴ(文字)のような望ましい模様化を、重合体層上に、その非-伝導性の形態においてのもので、酸性物質を用いて刻むことである。酸性ときの、模様化は導電性である。対応して、望ましい非-伝導性の模様化は、またそれを重合体層上に、その伝導性の形態においてのもので、塩基性の物質を用いて刻むことによって作製することができる。模様化はその周囲から、流電(ガルバニック)、容量的又は誘導的(帰納的)な連結(カップリング)を使って識別することができ、このようにして、それは生成物のためか、又は例えば文書のための信頼性の保証として役立つ。刻むべき酸性又は塩基性の模様化を修飾することは容易であり、それにより究極の模様化を作製することが可能である。
【0005】
紙生成物上に作製される印の部分は微小(マイクロ)カプセルの使用に基づく。製紙産業では、微小カプセルは、典型的に、印画紙、感熱リスト紙、自己複写紙及び安全性の紙を製造するのに用いられる。一般に、カプセルの操作原理は、微小カプセルが破壊(破裂)するとき、それらにおいて含有される物質が、紙において含有される別の化学物質と、又は紙上のその点(スポット)での環境で反応する際、色における変化を生じさせることである。したがって、反応は典型的に、2種の成分を要する。カプセルは着色剤又は化学物質を含み得、成分の1種は紙上にか、又は印刷用インクにおけるような若干の他の環境中のいずれかにも置かれる。カプセルは、機械的な圧力、熱、光、別の放射線、化学的な相互作用又はそれらの組合せの作用の下で破壊することができる。微小カプセルはまた、印刷の段階の間に紙に添加することができる。香料又は食材の芳香又は安全性の要素の試料はまた、紙及び厚紙の生成物上に印刷することができる。
【0006】
米国特許第6440898号明細書は、紙における微小カプセルの使用を、感-熱印刷及び感-圧の安全性の特性の双方を履行するために表す。
【0007】
欧州特許第0693383号明細書は、それから、微小カプセルを含む層が文書の表面上、例は重要な数字(figures)の領域上に印刷されることを、印刷に関連して示唆する。誰かが印刷後の数字を変化させるように試みる場合、微小カプセルは破壊し、及び削除することができない着色剤を放出する。
【0008】
米国特許第5225299号明細書において記述される発明は、ある例の物質であり、そこでは、感光性の被覆(コート)を持つ微小カプセルが採用される。露光されるとき、被覆の強度は、曝露に従い光重合の機構を使って変化する。カプセルは試薬を含み、それはカプセルの外側の展開剤(発色剤)と反応するときに、より一層弱いカプセルが圧の下で破壊するとき、染料を形成する。
【0009】
微小カプセルの含量の1種の既知の放出機構はカプセルの機械的な破壊である。例えば、炭素を含まない複写紙は、この放出機構を用いる(Trozenski(トロゼンスキ) R.M.、New poly-urea capsules for carbonless copy paper(炭素を含まない複写紙のための新しいポリ尿素カプセル), TAPPI 99 Proceedings(プロシーディングズ), 89)。この適用では、カプセルの壁は通常、ポリ尿素、ポリアミド、ゼラチン又は尿素及びメラミン-ホルムアルデヒドから作製される。心材(コア)は、液状染料、染料前躯体又は同様のものを備える。
【0010】
ポリアニリン、ポリピロール及びポリチオフェンのような導電性重合体は、それらの塩基性形態において、非-伝導性であり、及びそれらは、ドープによって、例は適切な酸を使って伝導性にされる。対応して、伝導性の形態は、脱ドープによって非-伝導性にすることができる。これは刊行された出願フィンランド国第20030491号明細書において遂行され、そこでは、導電性重合体を含有する層を持つ多重層の紙又は厚紙の生成物の製造が記述してある。この刊行物において、導電性重合体を含有する層は、ドープされ、導電性が変化する。
【0011】
米国特許第5061657号明細書の発明において、集積回路に回路板と共に接続される導体(コンダクタ)が形成され、その結果、問題の区域が重合体でその非-伝導性の形態において被覆され、及び導体が重合体層の物理的ドープによって導体が形成されるべき点で作製される。
【0012】
米国特許第5091122号明細書は、塩基性溶液を含む微小カプセルを調製する方法を表す。刊行物は重合体の使用に言及し、それは、高pH値で疎水性であり、被膜物質を作製する。
【0013】
欧州特許第0252410号明細書は、方法を表し、それに従い電気的に非-伝導性の基層、紙又はポリエテンのようなものは、2種類の微小カプセルの混合物を含む層を用いて被覆され、そのある割合は、ピロールを含み、及び別の割合は、酸化剤、即ち、ドープ剤を含み、それに加え、カプセルは塩を含み得る。カプセルが圧力の下で破壊するとき、それらの内容物は、互いに反応し、及び重合して、伝導性重合体、ポリピロールの層をその点で展開する。
【0014】
炭酸ポリエチレン及びポリプロピレンのようなポリカーボナートは、微小チャネルの製造において熱的に分解可能な、及び犠牲的な物質(材料)として用いることができ、それらはReed(リード)等の刊行物における場合のようである(Reed H.A.、White(ホワイト) C.E.、Rao(ラオ) V.、Bidstrup(ビドストラプ) Allen(アレン) S.A.、Henderson(ヘンダーソン) C.L.、Kohl(コール) P.A. のFabrication of microchannels using polycarbonates as sacrificial materials(犠牲的物質としてポリカーボナートを用いる微小チャネルの製造), J. Micromech. Microeng.(ジャーナル・オブ・マイクロチャネルズ・アンド・マイクロエンジニアリング)、11、2001年、733)。系(システム)を加熱し、それによってポリカーボナートが分解され、及び空洞(キャビティ)が残る。その方法は、崩壊生成物が被覆の層を透過し得ることを要する。微小チャネルの高さは約5μmであり、及び幅は中でも、カプセルの被膜物質に依存して25から140までのμmで変動する。
【0015】
アルカリ性物質が、紙及び厚紙の生成物において、生成物上に直接安全性の記号を加えるのに用いられている。しかし、この方法によって履行される安全性の模様はわずかに不明瞭なままであることが多い。
【0016】
識別(ID)の解法(solutions)、又はRFIDの札(タグ類)として既知なものは、伝導性重合体を使って生産され、及び高周波数(radio frequency)(RF)で読みが可能であり、中でも、高性能(スマート)な生成物の分野において展開される。1種の障害(obstacle)が共通になるRFIDの技術の様式において消費者の私生活(プライバシ)への侵入であることが認められ、それは札がそれらの機能性を消費者の家で継続することが多いからである。
【0017】
消費者に対し利用可能になる前に、長距離間を輸送されることが多く、生成物の無傷性及び新鮮さは、輸送鎖において、消費者に対し現在では重要性が増している。食材に関し、生成物が許される温度よりも高い温度で保たれ又は輸送されないことが特別に重要である。
【0018】
種々の温度の感知機解法があり、それは生成物の輸送鎖を調節するのに用いることができる。これらは2種の分類(クラス)中に分かれ、化学的及び電子的である。一般に、1つだけ行われ得る化学的感知機は報告することであり、設定温度制限を拡げるかどうかである。結果は視覚的に感知機上で読むことができる。そのような感知機の解法は、例えば、3M(スリーエム社)によって製造される(MonitorMarkTM(モニタマーク)(商品名))及びVitsab(ビッツエービー)(Check Point(R)(チェック・ポイント)(商標))。典型的に、電子感知機は、視覚表示単位(ユニット)又は無線(コードレス)測定装置を使って視覚的に読むことができ、及び感知機は緩徐に瞬間的な温度を調節し、及びそれらをそのメモリ(記憶装置)において入力し得る。電子的温度感知機は例えば、Sensitech(センスティック社)(TagAlertTM(タグアラート))及びKSW-Microtec(マイクロテク社)(TempSense(テンプセンス))によって製造される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
しかし、価格は両方の解法にとって問題であり、即ち、それらは特別な生成物だけに向いており、及び従って消費者の生成物としてためにならない。これらの感知機は、生成物に対して展着材の形態で添加されることが多く、それはおそらく引き離され、又は新しいものによって置換され得、従ってそれらは十分に信頼されない。分けられる展着材はまた、他の解法よりも多くの費用がかかり、それは直接に生成物又はその包装中に統合される。
【0020】
化学的感知機において頻繁に用いられる視覚的な識別はあまり消費者の生成物にとって適切でなく、その場合におけるように、消費者は店舗の最も新鮮な生成物を選定するに過ぎず、店主に対して著しい費用を引き起こす。読みの有益な方法は、単純な読取装置(スキャナ)を使っての無線による読みであり、それは、店主が、販売するか、又は受領する生成物のそれらの質-調節(品質管理)で用いることができる。結果として、有益な感知機解法のための需要があり、それは、例えば、高過ぎる貯蔵温度に関する消費者の生成物の大規模な品質管理を可能にするものである。
【0021】
本発明の目的は、既知の技術に関連する問題の少なくとも若干を解決することである。より一層正確には、本発明の目的は、異なる使用、又は感知機のための印を作製することができ、それが、活性化されるか、活性化するときに確かめられるのが容易な構造及び方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0022】
本発明は微小カプセルの使用に基づく。微小カプセルは、酸性又はアルカリ性の物質と共に充填され、それは、導電性重合体と接触するとき、重合体の導電性を変化させる。酸性又はアルカリ性の物質で充填される微小カプセルを、活性化性又は不活性化性の要素として、例えば、伝導性重合体を用いて履行される高性能な包装であるものを用いることができる。
【0023】
酸性又はアルカリ性の物質として、重合体の導電性を変えるものは、それ自体は重合体層の頂部分(トップ)上に印刷されないが、代わりに微小カプセルの内側に添加され、重合体の導電性をカプセルの破壊によってその時間における実際の瞬間に変化させることができる。
【0024】
本発明は生成物に印を付ける新しい方法を提供する。本発明は更に、生成物の状態、例は機械的又は熱的な応力に関するものを調節するための新しい方法、及び不可逆的な機械連結具(コネクタ)で、その状態が電気的に識別可能であるものを製造する方法を提供する。
【0025】
本発明に従う方法は、約4μm(平均値)の直径を有する小さな微小カプセル、又は約50から500までのμmの直径を有するより一層大きな微小カプセルを用い、それらは酸又は塩基、又は酸性又は塩基性の染料、又は染料の前躯体で充填され得る。カプセルは、機械的な強さ、光、レーザ、若干の他の放射線又は熱を用いて破壊することができる。
【0026】
本発明に従う感知機(センサ)構造は、
-随意に結合性薬剤(binding agent)基材(マトリクス)を形成する結合剤と混合される、合成の、導電性の重合体を持つ少なくとも1種の第1層、及び
-第1層から分けられ(離れ)、及び近い(隣接する)か、又はそれから隔てて(at a distance therefrom)、又は少なくとも部分的に第1層と組合わさる(接合する)少なくとも1種の第2層
を備え、
それにより、第2層が酸性又は塩基性の物質のいずれかで、随意に結合剤と混合されるものを含有する微小カプセルを備えており、酸性又は塩基性の物質が、微小カプセルから放出されるときに、重合体の導電性を変化させる。
【0027】
感知機構造は、生成物に対して、又は生成物上に、次の工程によって、
-塩基性又は酸性の物質を微小カプセルにおいて囲む工程、
-微小カプセルを生成物に対し、随意に結合剤との混合物において、生成物の生産、更なる処理又は精製の段階で加える工程で、生成物はまた、随意に結合剤と混合される導電性重合体を含む工程、及び
-カプセルを所望の時間で破壊する工程、又はそれらをその独自に時間の過程で破壊させる工程
によって製造され、及び加えられる。
【0028】
より一層正確であるために、本発明に従う感知機構造は、国際出願時請求の範囲の請求項1の特徴的部分に示すものによって特徴付けられる。
【0029】
本発明に従う方法は、それから、出願時請求項29及び30において示すものによって特徴付けられ、及び本発明に従う感知機構造の使用は、出願時請求項27及び28に示すものによって特徴付けられる。
【0030】
本発明に従う方法を用い、導電性重合体と塩基又は酸をいずれかの1種及び同じ層又は独立の層でも含む微小カプセルとを含む生成物を製造する。生成物は、例えば、種々の感知機構造又は紙又は厚紙の生成物でよい。方法に従えば、重合体の導電性を、電気的に非-伝導性の重合体をドープすることによって、生成物上に、又は酸溶液を含む生成物の微小カプセルに対して加えることで変化させ、微小カプセルを次いで破壊し、又は導電性重合体をドープすることによって、生成物上に、又はアルカリ性溶液を含む生成物の微小カプセルに対して加えることにより変化させ、微小カプセルを次いで破壊する。酸性又は塩基性の染料、又は染料の前躯体のような、目的のために適した活性な物質を用いることによって、また色反応を同時に得ることも可能である。色反応はまた、重合体がその伝導性の状態を変えるときに得られ、例えば、ポリアニリンのその伝導性の形態は緑色、及びその非-伝導性の形態は青色である。
【0031】
本発明の方法の1種の利益は、印又は感知機が異なる目的のために提供されることであり、それは、活性化し又は活性化されるとき、容易に確かめることができ、例えば、電気的又は光学的な測定を使ってである。
【0032】
本発明の他の詳細及び利益は次の詳しい説明から明らかである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
図の説明は(図面の簡単な説明)の項に移す。
【0034】
図面における場合に次の成分が含まれ、それらを(符号の説明)の項に移す。
【0035】
図1は、どのようにして、微小カプセル2を、生成物1に対して、導電性重合体3と異なる層において、代用a)におけるように、加えることができるか、又は微小カプセル及び導電性重合体を同じ層5において生成物の製造段階で混合し、1種の統合層を形成することができ、次にそれを生成物に、代用b)におけるように加えるかをいずれも示す。
【0036】
図2は、可能な感知機解法の製造の原理の例を示す。図1と同様に、微小カプセル2は重合体3とは異なる層における場合もあり(代用b)、又はそれらは一緒に混合され、及び同じ層5に置かれる場合がある(代用a)。
【0037】
図3は(ドープされる)伝導性重合体4をその非-伝導性の形態で示す。その頂部分上に、重合体のその伝導性形態での細い線(7から11まで)があり、その伝導性の形態の伝導性重合体から作製される測定地点6に接続する。微小カプセル2の層は線(7から11まで)の頂部分上に加えられる。
【0038】
微小な泡を、気体を充填した小さく、不安定な球体(ボール)として規定することができ、及び溶液において含ませる。微小な泡を一緒に薄い液体の壁によって、薄膜(フィルム)として既知のように保つ。微小カプセルは、それから、安定化される微小な泡である。それらは、約1から1000までのμmの平均直径を有し、1種又はそれよりも多い心材及び概して固形のカプセル壁からなる粒子である。心材は気体、液体又は固体の物体でよく、及び壁は自然な物質又は合成の物質でよい。カプセルの形状は大体丸形であってよく及びそれらの表面は平滑又は用いる物質又は製造方法に依存してしわが多くてよい。使用の目的によって、壁は透過性、部分的に透過性又は不透過性であることができる。
【0039】
微小な泡及び微小カプセルは、主に澱粉又は他の自然な又は合成の重合体のいずれかでも、液体において膨潤にされる物質を乾燥することによって、又は乳剤の技術を使用することによって製造することができる。それらの最良の状態で、双方の方法は、微小な泡/微小カプセルに、5μmよりも小さい最小の直径を備えさせる。澱粉を用いるとき、最も小さいカプセルが得られ、それは澱粉が水においてゼラチン化の温度よりも低い温度で膨れるのを許されるときである。
【0040】
微小な泡の耐用期間は、主に表面張力によって、泡の内側の気体の圧力を高め、短くされる。泡は異なる方法によって安定化することができ、そのうち、最も普通のものは表面活性剤による架橋-結合であり、それによって表面張力が減る。その結果、皮殻質の(crusty)微小カプセルが提供され、堅い皮は有機物質からなる。
【0041】
本発明における“感知機”は構造に言及し、それは条件の変化によって活性化され、及び活性化するとき、構造において検証可能な変化を引き起こす。
【0042】
導電性重合体は、双方の導電性及び電気的に非-伝導性の形態において生成物に対し結合することができる。したがって、用語“導電性重合体”はまた、検討の時に非-伝導性である重合体に言及し、それはしかし、例えば、適切なドープ処理によって、導電性の形態をもたらすことができる。
【0043】
“ドープ剤”は本発明において酸性の物質に言及し、それは重合体とその非-伝導性の形態において反応し、同じものをドープし(例は、ドープ又は若干の他の処理によって)、電荷担体(遊離電子のようなもの)を重合体において形成する。典型的なドープ剤には、有機スルホン酸及び無機鉱酸が包含される。対応して、“ドープ剤”は本発明において、プロトン酸の酸群と反応し、それを還元することによってドーパントとして用いられ得る薬剤に言及する。典型的に、かかる物質には、水性溶液において塩基として機能する、NaOH、KOH及びアンモニアのような物質が包含される。
【0044】
本発明の好適例に従い、重合体の導電性は電気的に非-伝導性の重合体をドープすることによって、生成物上に、又は酸性の溶液を含有する生成物の微小カプセルに対して加えることにより変化させ、微小カプセルを次いで破壊する。
【0045】
本発明の別の好適例に従い、重合体の導電性は、導電性重合体を脱ドープすることによって、生成物上に、又は塩基性の溶液を含有する生成物の微小カプセルに対し加えることにより変化させ、微小カプセルを次いで破壊する。
【0046】
上述の双方の具体例において、活性化又は不活化、即ちドープ又は脱ドープを、微小カプセルの被覆を破壊し、及び次いでそれらの内容物を放出させることによって得る。これは好ましくは、機械的な力を用いることによって遂行することができる。例えば、線又は模様を、生成物上にペン(筆)を用いて描くことができ、それによって、安全性の記号を生成物上に作製することができ、それは生成物の導電性を試験する際に可視的である。
【0047】
この好適例の方法は、ペンを用いて生成物において微小カプセルを破壊し、慣習的な印刷技術によって可能なものよりも正確な模様化を得るのに用いる。
【0048】
機械的な力に加え、微小カプセルはなるべくなら、熱処置又は放射線を用いることによって破壊することができる。生成物における上述の模様化はまた、それ故にレーザ又は同様のものによって提供することができる。微小カプセルの他の可能な破壊方法には、温度範囲、機械的、化学的、生物学的な分解、塩に対する感受性、圧力感受性、放射線、光化学、pH範囲又は溶液における溶解が包含される。
【0049】
微小カプセルはまた、好ましくはそれらがその独自に緩徐に破壊し、緩徐に溶解し、又は緩徐にそれらの内容物を放出するようにされ、それによって、重合体の伝導性が時間の過程において緩徐に変化する。その様式において、微小カプセルの構造はまた、計時計(タイマ)又は要素として働き、それは他の若干の様式において時間を示す。概して、微小カプセルのより一層大きな寸法は、より一層小さい寸法のものよりも早く劣化する。
【0050】
カプセル化において、カプセルの直径、壁の厚さ、カプセルの被覆の物質、及びその内容物の組成を変化させることが可能である。例えば、カプセルの壁の厚さを変化させることによって、カプセルの破壊に対する感受性、及び従って力、温度、又は別の破壊方法の単位であり得る感知機構造の切換え限界を調整することが可能である。
【0051】
被覆物質には、中でも、タンパク質、多糖類、澱粉、ワックス、脂肪、自然な又は合成の重合体及び樹脂を包含することができる。1種の好適な被覆物質はメラミンホルムアルデヒドである。被覆物質は破壊され、例えば、機械的な力、放射線又は熱、又はこれらの1種よりも多くを用いることによって可能なように選ばれる。カプセルは機械的な力、光、レーザ、他の若干の放射線又は熱を使って破壊することができる。例えば、機械的な力は、紙又は別の生成物上に書くのに用いるペンによって提供することができる。機械力はまた、例えば、包装を開口することによって提供することができる。1種の代用は、時間の経過において消滅し(perish)及び壊れるカプセルを形成すること、又はそれらの被覆において用いる物質を溶解することである。
【0052】
微小カプセルの寸法、又は直径は、内容物に従い、中でも、100nmから6mmまでの範囲内で変動させることができ、及び内容物の量は、微小カプセルの合計の組成に関して(充填比)、20%から95%までに変動させてよい。本発明は、高い充填比率、なるべくなら約50から95までの%、より一層できれば約80から95までの%を持つ微小カプセルを用いる。
【0053】
用いるカプセルの直径は、約1からl0までのμm、なるべくなら約1-5μmであることができる。微小カプセルによって形成される層は、生成物において約1μm-lmm、なるべくなら約1-10μmの厚さを持ち、用いる微小カプセルの直径による。微小カプセルによって形成される層の厚さは、生成物において、常に少なくとも、用いる微小カプセルの直径くらいほど大きい。それ故、カプセルの最も薄い層(1から10までのμm)だけしか、10μmよりも高くない直径を持つ前記微小カプセルによっては得ることができない。本発明に従う方法のため、より一層大きな寸法の微小カプセルもまた用いることができ、それは500μmほど大きい直径を持つ。
【0054】
本発明に従う微小カプセルは種々の方法によって生産することができる。カプセルの壁の被覆物質は、タンパク質、親水コロイド、ゴム、ワックス、及び樹脂又は尿素ホルムアルデヒドの重合体のような、双方の親水性及び親油性(脂溶性)の物質からなることができる。しかし、物質は(塩基性又は酸性の)水性の内容物に耐える(endure)べきである。
【0055】
微小カプセルの製造方法は機械的及び化学的な方法に分けることができる。機械的な方法には、中でも、吹付(スプレイ)乾燥、吹付冷却、回転式ディスク粉砕(磨砕)、流動床(fluidized-bed)被覆、固定ノズル(stationary nozzle)同時押出、遠心ヘッド(centrifugal head)同時押出、水中ノズル(submerged nozzle)同時押出、及び槽(パン)被覆が包含される。化学的な方法には、中でも、相分離、溶媒蒸発、溶媒抽出、界面重合、単純及び複雑な液滴形成(コアセルベーション)、インサイツ重合、リポソーム技術、及びナノカプセル化の方法が包含される。
【0056】
種々のカプセル化の技術が異なる寸法の範疇の微小カプセルを提供するのに用いることができる。表1は慣習的な方法によって得られる寸法範疇の査定を表す。
【0057】
【表1】

上述のカプセル化技術を用いて、中でも、溶液、気体、及び懸濁物をカプセル化することができる。
【0058】
複雑な液滴形成では、カプセル化すべき物質はゼラチンのような水性重合体溶液において小滴(液滴)として分散する。別の水-溶性重合体は、アラビアゴムのようなもので、次いで、乳剤に添加される。混合後、pHを希釈した酢酸を使って調整する。酸を添加後、2種の相が形成され、その1種は、コアセルベートと称され、双方の重合体の高含量を持ち、及び他の1種は、上清として既知であり、重合体の低含量を持つ。物質が正しく選ばれれば、コアセルベートは分散する心材の滴の表面に吸着され、それ故微小カプセルを形成する。概して、カプセルはまず冷却によって及び次いで化学反応を使ってホルムアルデヒドのような、架橋結合物質を添加することによって固まる。
【0059】
同時押出では、液体の心材物質及びカプセル物質は双方とも、同軸開口を介して圧送され、心材物質が中間開口において流れ、及びカプセル物質が外側環(リング)を介して流れる。このようして、組合せの滴を形成し、それは心材の液体の滴からなり、それはカプセル溶液の層においてカプセル化される。カプセルは次いで、慣習的な方法によって、例は、重合体の場合には化学的な架橋結合、例は脂肪又はワックスの場合に、冷却、又は溶媒の蒸発によって固められる。
【0060】
カプセルは、2種の態様(モード)において、滴又はジェットの態様において、心材及びカプセルの溶液の流速に従う。滴の態様では、双方の溶液の流れは遅く、及び組合せの滴はノズルの先端で形成し始める。表面張力は、滴が直ちに外れるのを妨げる。その代り、滴は、ノズルの先端から外れず、それは滴が表面張力によって引き起こされる保持力を超えるその重量によって引き起こされる分離力のために十分に大きくなるまでである。この態様を用いて均一な寸法のカプセルを、大きいものでさえも達成することができる。流速が十分に高められれば、これ以上のカプセルはノズルの先端で形成されないが、組合せのジェットが形成され、それは、双方の心材及びカプセルの溶液からなる。表面張力の力によって、組合せのジェットは組合せの滴中にすぐに分散する。
【0061】
本発明の好適例に従い、微小カプセルは2種の異なる物質の回転(スピニング)によって調製される。一定の寸法の滴を得た後、吹付技術を用いて2種の泡を重ね合わせ(superimpose)、その外側の1種を固める。
【0062】
本発明に従う生成物の調製において、例えば、ポリアニリン、ポリピロール、ポリアセチレン、ポリパラフェニレン又はポリチオフェン又はそれらの誘導体又は混合物を、導電性重合体として用いることができる。誘導体に関して、上述の重合体のアルキル及びアリールの誘導体及び塩素-及び臭素-置換の誘導体が、特に挙げられる。必要なとき、金属、黒鉛又はカーボンブラックのような他の導電性粒子もまた添加剤として用いることができる。骨格鎖の共役二重結合は、すべての導電性重合体に共通であり、電荷担体(電子のようなもの)の動きを可能にする。導電性重合体は双方のイオン及び電子の伝導性を持つことができ、及びこの伝導性は、絶縁体から金属導体までの、全体の伝導性範囲内で変動し得る。概して、重合体は、抵抗性(抵抗率)が1011オーム(表面抵抗性として)よりも高くなければ、導電性と考慮される。
【0063】
本発明では、ポリアニリンは導電性重合体としてまったく好適に用いられるものである。ポリアニリンにおける単量体は、アニリン又はその誘導体であり、その窒素原子は主に次の単位のベンゼン環のパラ位置の炭素に結合する。非-置換ポリアニリンは、種々の形態において起こり得、そのいわゆるエメラルジンの形態は概して、伝導性重合体の適用のために用いられ、その輝くエメラルドグリーンの色の典型であり、それはその名前で表される。ドープを使って、電気的に中性のポリアニリンは伝導性のポリアニリン複合体に転換することができる。
【0064】
微小カプセルは、微小カプセル生成物に対し、同じ層において導電性重合体として加えるか、又はそれらを生成物に対し異なる層において加えるかのいずれでもできる。微小カプセル及び導電性重合体が生成物に対し異なる層において加えられる場合、微小カプセルの添加もまた、導電性重合体の段階よりも遅い段階で遂行することができる。その場合、微小カプセルの層及び重合体層は、少なくとも生産段階の間分けられて保たれ、及びそれらは、更なる処理又は精製の段階又はその後の段階まで反応が生じ得るように、強く結束されない。
【0065】
結合剤はまた、微小カプセルの層において用いるべきであり、生成物に対し微小カプセルを付着させる。微小カプセルが同じ層において伝導性重合体として位置する場合、伝導性重合体はそれ自体が結合剤として働くことができる。しかし、分けられる結合剤が必要とされることが多く、それは伝導性重合体のものと同じ又は別のものであり得る。適切な結合剤には、例えば、澱粉-系(基礎)結合剤、デキストリン、カルボキシメチルセルロース又はポリビニルアルコール及びポリ酢酸ビニルのような重合体-系結合剤が包含される。しかし、嵩増し剤(bulking agent)をまた、微小カプセルの層において用いることができ、必要なとき、早期破壊、例は輸送の間のものに対してカプセルを保護する。
【0066】
微小カプセルが生成物に対し導電性重合体から分けられる層において加えられる場合、ことのほか、微小カプセルが生成物に対し問題の重合体とは異なる段階で加えられる場合、結合性物質を用いることができ、必要に応じて、微小カプセルの層を適所に保つ。この目的のために、適切な物質には、展着材、テープ又は他の薄膜又は対応する物質が包含され、それはその表面上で提供される接着剤を持つ。
【0067】
本発明に従う生成物はこうして、少なくとも1種の“第1層”を含み、それは基材を構成する結合剤と混合される少なくとも1つの導電性重合体を備える。この層は、たぶんただ1種であり、連続的又は不連続的のいずれでもある。ただ1種の層が生成物において存在する場合、この層もまた微小カプセルを備える。微小カプセルもまた、重合体よりも異なる層においてあってよい。微小カプセルは“第2層”においてまたたぶん、結合剤と混合され、それは第1層における結合剤と同じか、又は異なることができる。“基材”は重合体の網状構造(ネットワーク)又は層に言及し、それは少なくとも部分的に連続し、その結果それが均一な表面及び層を形成することができる。導電性重合体により、第1層は少なくとも部分的に導電性であり、又はそれは導電性にされることができる。典型的に、第1層の表面抵抗性は、その導電性形態において、約102 から1011までのオーム、なるべくならば約103から1010までのオーム、特別に約104から109までのオームである。
【0068】
上記に加え、多重層の生成物は第1及び第2の層の間の中間層を持ち得、層の相互接着を高める。そのような“提携(タイ)層”は、第1又は第2の層におけるものと同じか、又は異なる結合剤からなり得る。層はまた熱可塑性物質からなることができる。
【0069】
上記の層に加え、多重層生成物は典型的に、追加の層を備え、それは第1又は第2の層の頂部分上に適合する。そのような追加の付加的な層は、プラスチック薄膜からなり得-例はポリオレフィン薄膜-それは生成物の表面上で押出される。代わりに、追加の層は表面層の頂部分上に適用される被膜層を備えることができる。追加の層はこうして生成物の表面層を形成し、又は生成物の障壁(バリア)又は密閉性(シール性)の特性を与える。結果として、生成物は、追加の層を使って例えば、プラスチックの基層(下地)に付着することができる。
【0070】
先行する代用に加え、本発明に従う板状(ラメラ)構造は意図される使用に従って自由に修飾することができる。ポリエステル及びEVALの層、及びアルミニウム薄膜のような種々の障壁層を、その構造中に組み込むことができる。
【0071】
概して、構造は1から10種までの層、特別に2から5種までの層を持ち、それによって、少なくとも1種の層が導電性層(即ち、“第1層”)であり、なるべくならその伝導性がその頂部分上の層を介して定められ得るようにすることが必要である。
【0072】
異なる層において用いる結合剤の量は、広範囲内で変動することができるが、典型的に、それは、約0.1から10までのg/m2、なるべくなら約0.5から5までのg/m2、より一層好ましくは約1から3.5までのg/m2である。用いる結合剤は、水において可溶性又は分散性である結合剤であり、例えば、デキストリン、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル又は澱粉又は澱粉の誘導体に基づく結合剤が包含される。
【0073】
結合剤は、それが室温で、又はわずかに上昇する温度で、典型的には約10から50℃で、拡がるのを許す形態において用いる。概して、そのような結合剤混合物は、水又は溶媒のような媒体、なるべくなら水において、それと混合されるか、又は分散される結合剤を備える。結合剤組成の乾燥含量は、結合剤に従い、重量によって約1から80までの%、なるべくなら約5から75までの重量%である。結合剤組成が層を形成するように拡がり得るのが必要である。
【0074】
結合剤混合物は、1種又はそれよりも多い結合剤成分を含むことができる。澱粉-系結合剤に関して、例えば、混合物は、ポリビニルアルコール又はエチレン/ビニルアルコールの共重合体(重量によって0から35までの%の量において、重量によって約1%である典型的な最小量)、そのように望まれる場合、粘着性(つなぎ)樹脂(重量によって0から70までの%の量において、重量によって約1%である典型的な最小量)、又は酸化防止剤(重量によって0から3までの%の量、重量によって約0.1%である典型的な最小量)をそれに添加されることができる。それはまた、抗-成形性薬剤及び他の殺生物性剤を、典型的に、約0.1から3までの重量%で含むことができる。
【0075】
導電性重合体を結合剤と例えば、分散物の形態において混合する。結合剤の溶媒に対応する分散剤を選ぶことが好ましい。それ故、ポリアニリンは水のり(water paste)として水性結合剤の場合に用いることができる。そのポリアニリン含量は、例は重量によって0.1から25までの%、なるべくなら約0.5から20までの重量%、特別に、約5から17までの重量%である。ポリアニリンは最も好ましくは、伝導性の形態においてであり、それでは、上述の量はドープ剤の量を含む。概して、ポリアニリンの量(ドープ剤を伴わない)は、重量によって約0.1から15までの%である。非-水性接着剤に添加されるとき、ポリアニリンはまず有機溶媒(トルエンのようなもの)において分散する。使用の量は上と同じである。
【0076】
本発明に従い、重合体結合剤の混合物を提供し、そこでは導電性重合体の含量(そのドープ剤と共に)を約10から90までの%、なるべくなら混合物の重量によって約30から70までの%である。
【0077】
結合剤は導電性重合体と共同で(接合して)混合物を形成し、それは概して“同質”である。その場合、混合物の同質性は視覚的に薄膜として厚紙の頂部分上で検討され、そこで混合物は均質と思われる。実際、しかし、あらゆる混合物が若干の程度にまで、また微粒子(tiny particle)を含んで、分散物であり、従って、混合物はめったに完全な同質ではない。
【0078】
重合体及び結合剤の混合物は、ロール、棒(ロッド)、吹付、霧化(噴霧)又は塗布(spreading)によって適用することができる。混合物はまた、連続的な層又は薄膜として接着剤のノズルから供給することができ、非-接触適用を可能にする(ノズル及び生成物の表面の間の拒離は約1から50までのmmであり得る)。混合物はまた、オフセット、フレキソ、グラビア印刷、スクリーン又はインクジェット印刷方法のような典型的な印刷方法によって拡げることができる。
【0079】
適用の目的は生成物の表面上の接着剤の層(例は厚紙の包装)を作製することであり、層は少なくとも部分的に連続的であり、及び塗布後に表面に付着する。導電性重合体がその導電性形態である場合、なるべくなら、それを、酸性又は僅かに塩基性である区域上に、せいぜい、重合体の導電性が未変化なままにするために、拡げる。区域のpH値はこの場合において、なるべくなら8以下である。
【0080】
本発明において用いるドープ剤は広範囲に変動し得、及びそれらは、共役重合体を導電性又は半導体形態中にドープするためによく知られている物質であることができる。そのようなドープ剤は、無機及び有機の酸及びそれらの誘導体を含み、それには次の例が挙げられるべきである。即ち、鉱酸、リン酸、スルホン酸、ピクリン酸、n-ニトロベンゼン酸、ジクロロ酢酸、及びポリマ酸である。そのように望まれる場合、1種よりも多いドープ性の酸を用いることができる。ドープ剤を選ぶとき、目的は状態に達することであり、そこでは、導電性重合体及び生成物の相互の結合性の親和性が、それに重合体を加えられ、できるだけ高い。親和性は表面の物質に依存し、それには重合体が付着する。これらの物質が異なることができるので(疎水性及び親水性の双方)、また、非常に異なる機能的な基(脂肪性又は芳香族のようなもの)、及び従って、結合性の様式を持つ重合体についての必要性が存在する。
【0081】
スルホン酸、特に芳香族スルホン酸のような、機能性酸は、ドープのために好ましく用いられ、1種の芳香族環又は2種の縮合環を含み、それによって、少なくとも1種の環が、官能基又は炭化水素鎖のような、極性又は非-極性の置換基を持ち得る。
【0082】
ことのほか、なるべくなら酸には、ドデシルベンゼンスルホン酸 (DBSA)、ショウノウスルホン酸、パラトルエンスルホン酸及びフェノールスルホン酸が包含される。
【0083】
あまりに低いpH値は、本発明に従う方法によって製造される生成物の機械的特性に有害な効果を持つことがあり、ことのほか繊維は紙及び厚紙の生成物の枠を構成し、それは、なぜに好適なpH範囲が、“活性化区域”、即ち、その区域で、それに微小カプセルが加えられ、酸性の微小カプセルが破壊した後生成物において、約2から6まで、なるべくなら2から4までであるかの理由である。
【0084】
塩基性の溶液は、ポリアニリン又は他の重合体のための可能なドープ剤として働き、それらの最も普通なものは、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、及び炭酸ナトリウムの溶液である。他の慣習的な水酸化物、炭酸塩、及びアミンの溶液はまた考慮することができる。概して、双方の酸及び塩基を、相対的に希釈した溶液(約0.01-10Mの溶液)として用い、ことのほか、紙又は他の繊維性生成物をそれらと共に処置するとき、甚だしく壊れ易くならない処置の下での繊維基材(マトリクス)とする。
【0085】
本発明の好適例に従い、微小カプセルは重合体又は別の物質と生成物において反応するとき色反応を引き起こす。染料の前駆体は生成物中に組込まれるか、又はそれは微小カプセルにおいて酸又は塩基としてあるかのいずれの場合もある。そのようにして、識別は生成物上に提供され、肉眼に対し可視的であり、又は光学的な視覚補助を使って確認可能にすることができる。また導電性上の変化と色変化の反応を組み合わせることが可能な必要がある。
【0086】
本発明は微小カプセルの使用に基づくもので、それはなるべくなら物質、できれば液体で、酸性又は塩基性のpHのいずれをも持つものからなる充填性薬剤を含む。微小カプセルの充填材はまた、紙においてベントナイトと反応する染料のような塩基性染料、又は染料の前駆体を備えることができる。塩基性の液体は伝導性重合体を脱ドープするのに、中でも、即ち、その非-伝導性の形態に変化させるのに用いることができる。カプセルは、壊し、及び脱ドープすることができ、例えば、熱処理、放射線によって、機械的、化学的又は光化学的な破壊、生物学的な分解、塩又はpHの範囲に対する感受性、圧力の感受性又は放射線を使ってのそれらの破壊、又は種々の溶媒における溶解によってである。微小カプセルは、好ましくはまた、それらがそれら自身を緩徐に破壊し、それらの内容物を緩徐に溶解し又は緩徐に放出し、それによって重合体の伝導性が時間の経過において緩徐に変化するように、調製することができる。
【0087】
微小カプセルが壊れるとき、それらのドープ性又は脱ドープ性の効果は、非常に広い区域を覆う(カバーする)ことがないが、カプセルの十分に多い数を用いる場合、脱ドープ性又はドープ性の効果は、マクロ(巨視的な)規模で履行することができる。しかし、効果が広汎でない場合、区域の伝導性における変化は、容量性測定方法(capacitive measuring method)の使用によって確かめることができる。
【0088】
接触は伝導性を測定するために必要でない。非-接触の測定は短い距離で、例えば上記のように、容量性測定の使用によって遂行することができる。非-接触測定を遂行する可能性は、本発明に従う具体例において好ましく、そこでは伝導性重合体が生成物の最外部の層において配置されない。他の実行可能な測定方法には、流電及び誘導の方法が含まれる。他方で、接触性測定方法は、その利益を一定の場合に、ことのほか導電性重合体が生成物の最外部層にある場合に持つ。
【0089】
導電性重合体の量を変動させることによって、選定されるレベルの伝導性は、例えば102-1011のオーム/平方、好ましくは約104-108オーム/平方に達することができる。平方抵抗が108のオーム又はそれより低いとき、非-伝導性生成物から生成物を区別することは容易である。
【0090】
本発明に従い、生成物を、長期間の時間維持するか、又は時間の経過において変化する導電性を持たせて提供することができる。
【0091】
生成物において微小カプセルを用いるための最も重要な利益は、同じ生成物において配置される導電性重合体を活性化又は不活化するためのもので、以下のものである。即ち、
-新しい包装を提供すること、
-安全性の適用又は異なる目的のための感知機を提供することで、それは、活性化し、又は活性化されるとき、確かめるのが容易であるものであり、
-包装の内容物の価値を確かめる新しい方法を得ること、
-電気的変化を提供すること、
-容易な及び容量的な測定方法を得ること、
-有益な物質を感知機のために用いられ得ること、
-単純な感知機構造を提供すること、及び
-安全性の記号をより一層正確に作製し得ることである。
【0092】
本発明に従う生成物は、中でも、感知機の製造において、帯電防止の適用で、識別データの貯蔵、及び安全性の記号において用いることができる。
【0093】
本発明の方法に従い、安全性の適用を用い、安全性の記号を包装及び他の生成物上に作製することができ、それによって生成物の信頼性を、導電性の模様が得られるという、生成物破壊におけるカプセルの作製によって確かめることができる。安全性の記号はまた、移動式電話の包装のような、生成物の包装で、指の圧力によって活性化され、例えば、従って包装が開口されることが提供されるものにおいて、配置される印であることができ、及び開口後再使用することができない。これは顧客に対して彼/彼女が買った生成物が新しいことを証明する。
【0094】
微小カプセルの被覆の破壊及びそれらの内容物の放出は、知りながら遂行し、安全性の模様、例えば上述のようなものを作製することができる。加えて、微小カプセルの破れに対する感受性を利用し、生成物の輸送条件を指示する感知機構造を製造することができ、例えば、また、それを用い、生成物上で遂行される任意の基準(尺度)、例は、上述の包装の開口を指示することができる。観察され又は遂行される任意の基準はまた、電気的に識別され得、それは微小カプセルによって放出される内容物が伝導性重合体の伝導性に変化を引き起こすからである。
【0095】
包装の望まない開口を識別することは、家電及び薬のような、若干高価な、又はさもなければ重要な生成物に関連しての大きな課題である。例えば、移動式電話及びデジタルカメラの製造者は、消費者がそれらの生成物を買うときに、包装が元の補助的な機器類を含むことを確かめたいと思う。アジアのような若干の市場区域では、例えば、偽造電池が爆発することがあり、及び従って、追加の経済的損失に、また健康上の危険を引き起こす。
【0096】
若干の薬について、元の薬物(疱疹(blisters)として知られる)の一次包装を、混ぜ物をした薬物で元の二次包装内部を置換する更なる問題が存在する。混ぜ物をした薬物は、元のものと同じ効果を持たないことが多く、及びこれが更に死を引き起こすことがある。したがって、薬物の包装についての若干の種類の機構をも持ち、薬物の包装又は置換の可能な開口を識別することが望まれる。現在、最も進展した解法は、いわゆる“不正-証明”シールであり、それは光学的に、包装が開いたかどうかを示すものである。しかし、技術がほとんど普通のものであり、及び光学的な識別は完全に信頼できないので、これらの解法は偽造者の試みに対して完全な保護を与えない。
【0097】
本発明に従う構造は好ましくは、生成物の包装の内側の条件を測定するか、又は生成物の包装の外側の条件を測定するか、又はそれらの双方を測定するのに用いることができる。同じ生成物は、異なる様式において壊れる微小カプセルを含んでよい。例えば、1種の生成物は熱及び水分の双方に感受性である微小カプセルを含むことができ、それによって、感知機又は別の安全性の適用を、それにこれらの微小カプセルを添加し、温度及び水分の双方における変化により活性化させることができる。これらの様式の活性化はまた、消費される時間に依存することができる。
【0098】
包装の内側の条件を検討することによって、包装を開けないで見ることが可能であり、例えば、薬物の包装における薬の周囲の条件が求められる制限内に留まる場合である。同様に、薬の包装の外側条件を検討することによって、包装が適した条件に従って貯蔵されているかどうか見ることができる。
【0099】
本発明の方法に従い、感知機又は検出機において、異なる生成物に起こる、塩基性又は酸性の内容物を持つ微小カプセル及び導電性重合体を組み合わせることによって、感知機の適用の感知機特性が電気的形態中にもたらされるのが可能になる。内容物を放出する方法には、機械的な力が含まれ、それはペン、放射線によって提供されるのが好ましく、レーザ、熱処理、化学的分解、生物学的分解、塩に対する感受性、圧力の感受性、光化学的分解、pH範囲に対する感受性、及び溶媒における溶解によって提供されるのが好ましい。感知機おける微小カプセルは、感知機によって指示される物質に曝露されるとき、破壊することができる。それ故、多くの種類の感知機の解法はポリアニリン及び微小カプセルの組合せから作製することができる。感知機の適用の例には、開口指示機(インジケータ)、破壊/圧力の指示機、光検出機及び溶媒感知機が含まれる。2種の異なる構造種類の感知機構築物が存在し得る(図2参照)。
【0100】
感知機又は検出機は、壊れた微小カプセルによって放出される物質を使って活性化される。活性化は、時間の所望の点でカプセルを壊すか、又はそれらがそれら自身によって時間の経過において壊れることによってのいずれかでも行われる。
【0101】
微小カプセルは、感知機の構造に、重合体からの異なる層において加え、又は図2に従う重合体と混合することができる。
【0102】
以前に述べられるRFID技術[高周波(RF)読取可能な識別(ID)]において、本発明に従う方法はまた、RFID回路を変化させるのに用いることができ、それは伝導性重合体と共に製造され、又は伝導性重合体を含み、非-伝導性の形態中に、脱ドープによって、塩基-含有微小カプセルを用い、及び従ってRFID回路を不活性にし、即ち、それらを零に再設定し、それらを読めないようにする。
【0103】
酸性又は塩基性の微小カプセルを用い、中でも、書込み可能なRPID回路を形成することができ、それは伝導性重合体を用いて製造される。このようにして、カプセルを用い、新しい導体を作製し、又は古いものを止めることができる。書込可能なIDを用い、中でも、各包装について、包装線(ライン)において、レーザのような微小カプセルの種々の破壊技術を利用することによって、個々の同一性を確立することができる。
【実施例】
【0104】
次の非制限的な例は本発明を例証する。
(例1)
【0105】
図3に従い、伝導性重合体(ポリアニリン)の2種の異なる水性分散物の伝導性層を、2種の異なる種類の厚紙シート上に形成し、模様を層上に形成する。シートは2回の鉱物被膜(コーティング)で被覆された等級であり、それらの銘柄名は、SimCote(シムコテ)270g/m2及びAvanta Prima(アバンタ・プリマ)300g/m2である。棒被覆を伝導性重合体の被覆方法として用いた。5種の模様を、伝導性シート上に脱ドープ方法を使って形成した。伝導性重合体は、その非-伝導性形態において(脱ドープして)区域4を構成し、及び重合体は、その伝導性形態において区域4において模様6から11までを構成する。棒被覆では、溝付棒No. 3(第3号)を双方のシートのために用い、28μmの平均厚さを有する湿潤被覆薄膜を形成する。SimCote等級を、ポリアニリンの水性分散物の3%及び重合体結合剤の11.7%を含む伝導性重合体の分散物で被覆し、及びAvanta Ultra(ウルトラ)等級を、ポリアニリンの水性分散物の4.8%及び重合体結合剤の8.6%を含む伝導性重合体の分散物で被覆した。水性分散物での乾物の合計量はそれぞれ14.7%及び13.4%であった。こうして形成される被膜層の秤量(grammages)はそれぞれ4.1g/m2(ポリアニリンの0.8g/m2)及び3.8g/m2(ポリアニリンの1.3g/m2)であった。0.2M水酸化ナトリウム(NaOH)を脱ドープ及び模様化のために用いた。
【0106】
伝導性の模様において、部分群6を寸法の26mm×28mmと共に用い、地点間の抵抗を測定した。二重地点測定を測定方法として用い、及びWavetek Meterman(ウエブテク・メータマン)37XRのマルチメータを、計測機として用い、その測定範囲は最大で40MΩに限られる。計測機の測定誤差は約±2%である。実際、測定は2種の有意な数字の正確さを伴って読まれ、及び誤差は常に最も小さい有意な数字の正確性まで丸められ(四捨五入され)た。用いる測定感知機は丸形であり、及びそれらの直径は17mmである。測定地点群6はかなり薄い線7から11までによって接続され、それはその伝導性の形態における重合体である。線の幅は1mm(7)、2mm(8)、4mm(9)、6mm(10)及び8mm(11)であった。あらゆる模様において線の長さは36mmである。模様は、抵抗について、二重地点測定を使って、微小カプセルを拡げる前に測定した(表2参照)。印の“最大”は、計測機の操作範囲よりも高い抵抗が測定されたことを意味する。試料1は、あまりに弱い伝導性であり、従って試料は次の段階において用いなかった。さもなければ、測定した抵抗が線の異なる幅及び重合体層の厚さの双方に関して論理的に振舞った。
【0107】
約10mm×10mmの区域を線7から11までの頂部分上に加え、それは十分な厚さの層において微小カプセル2から構成される。微小カプセルは、基層に付着し、それはその表面上の接着剤の層を持つ分けられる重合体薄膜を使ってである。微小カプセルの被覆はパラフィンワックスであり、及び内容物は水酸化ナトリウム(NaOH)であった。微小カプセルの寸法は約400から500μmであった。模様は、抵抗について、微小カプセルを拡げた後、それらを壊す前に二重地点測定を使って測定した(表2参照)。若干の試料が抵抗におけるわずかな増加を示すことが観察され、それはおそらく、若干の微小カプセルの内容物が漏れ出し、及び従って僅かに線の伝導性が変化したという事実によって引き起こされた。
【0108】
微小カプセルは、拡がり、破壊され、及びそれらにおいて含まれるNaOHが機械的な力を使って放出された。この場合、比較的大きな機械的な力を用い、それは用いる微小カプセルの被覆層がかなり厚かったからである。層の厚さ及び物質を変化させることによって、壊れに対する感受性を調整することが可能である。測定地点間の抵抗は4時間微小カプセルを破壊した後測定し(表2参照)、それは、脱ドープ性効果及びドープ剤の拡がりが共に、その効果が抵抗試験において目に見える前に、作用の一定の時間を必要とするからである。
【0109】
【表2】

【0110】
表2の検討によって、試料2、3、6、7及び8の抵抗が微小カプセルを破壊した後に著しい増加を示すことを観察し得る。そのようにして、機械的な力を測定する構造についての最も機能的な構造が1種であり、そこでは、その伝導性を変化させる感知機区域の幅がかなり小さく、及び従って、変化の勾配が最も著しい。さらに、感知機にとって、厚い、即ち、良好な-伝導性の線を持つことが好ましい。これは試料1及び6を比較するとき観察することができる。
【0111】
効果は最大の線幅について観察されない(試料4、5、9及び10)。これはおそらく微小カプセルにおいて含まれるNaOHが、その小さな容量のために、広範囲に拡がらず、及び従って、広い線についてその伝導性を保持するのが容易だからである。
【図面の簡単な説明】
【0112】
【図1】本発明に従う方法の可能な具体例を例証する断面図である。
【図2】ポリアニリン及び微小カプセルの組合せから構築される可能な感知機解法の原理におけるグラフである。
【図3】可能な感知機解法及び導電性重合体の模様の原理におけるグラフであり、それらは微小カプセルの導電性における変化を調べるのに生産される。
【符号の説明】
【0113】
1 生成物物質
2 微小カプセル
3 導電性重合体
4 導電性重合体のその電気的非-伝導性形態
5 同じ層における導電性重合体及び微小カプセル
6 測定地点(ポイント)
7-11 導電性重合体でその伝導性形態であるものから形成される、変動する幅の線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
感知機構造であって、
-随意に結合性薬剤基材を形成する結合剤と混合される導電性重合体を持つ少なくとも1種の第1層、及び
-第1層から離れ、及び近いか、又はそれから隔てて、又は少なくとも部分的に第1層と接合する少なくとも1種の第2層
を備え、
それでは、第2層が、酸性又は塩基性の物質のいずれかで、随意に結合剤と混合されるものを含有する微小カプセルを備えており、酸性又は塩基性の物質が、微小カプセルから放出されるときに、重合体の導電性を変化させることを特徴とする、感知機構造。
【請求項2】
紙又は厚紙の生成物の部分であるか、又は紙又は厚紙の生成物の表面の頂部分上に付着することを特徴とする、請求項1に従う感知機構造。
【請求項3】
微小カプセルの直径が、1から500までのμm、なるべくなら1から10までのμmであることを特徴とする、請求項1又は2に従う感知機構造。
【請求項4】
微小カプセルの充填比が、約20から95までの%、より一層なるべくなら約50から95までの%であることを特徴とする、先行する請求項の何れかに従う感知機構造。
【請求項5】
微小カプセルの被覆物質を、機械的な力、放射線、熱又はこれらの1種よりも多くを使って破壊させ得ることを特徴とする、先行する請求項の何れかに従う感知機構造。
【請求項6】
被覆物質が、タンパク質、多糖類、澱粉、ワックス、脂肪、自然な又は合成の重合体又は樹脂、なるべくならメラミンホルムアルデヒドであることを特徴とする、請求項5に従う感知機構造。
【請求項7】
導電性重合体が、ポリアニリン、ポリピロール、ポリアセチレン、ポリパラフェニレン又はポリチオフェン又はそれらの誘導体又は混合物であることを特徴とする、請求項1に従う感知機構造。
【請求項8】
導電性重合体に加え、金属又は黒鉛のような他の導電性粒子を用いることを特徴とする、請求項7に従う感知機構造。
【請求項9】
結合剤が、澱粉-系結合剤、デキストリン、カルボキシメチルセルロース、又はポリビニルアルコール又はポリ酢酸ビニルのような重合体-系結合剤であることを特徴とする、請求項1に従う感知機構造。
【請求項10】
結合剤の量が、約0.1から10までのg/m2、典型的に約0.5から5までのg/m2、なるべくなら約1から3.5までのg/m2であることを特徴とする請求項1又は9に従う感知機構造。
【請求項11】
導電性重合体の含量が重合体及び結合剤によって形成される層において、約10から90までの重量%、典型的に約30から70までの重量%であることを特徴とする、請求項1、9又は10の何れかに従う感知機構造。
【請求項12】
酸性の微小カプセルが加えられる区域において、pHが生成物において微小カプセルの破壊後、約2から6まで、なるべくなら約2から4までであることを特徴とする、先行する請求項の何れかに従う感知機構造。
【請求項13】
微小カプセルによって形成される層の厚さが生成物において、1μmからlmmまで、なるべくなら1から50までのμmであることを特徴とする、先行する請求項の何れかに従う感知機構造。
【請求項14】
重合体層の表面抵抗性がその導電性形態において、約102から1011までのオーム、なるべくなら約102から108までのオームであることを特徴とする、先行する請求項の何れかに従う感知機構造。
【請求項15】
中間層が、重合体層及び微小カプセルの層の間にあり、これらの層の相互付着を改善し、及び重合体層又は微小カプセルの層における結合剤と同じ又は異なる結合剤からなることを特徴とする、先行する請求項の何れかに従う感知機構造。
【請求項16】
微小カプセルを充填する物質が液体であることを特徴とする、先行する請求項の何れかに従う感知機構造。
【請求項17】
微小カプセルを充填する物質が、無機又は有機の酸、又はそれらの誘導体又は混合物のような、酸性ドープ剤であり、酸が、なるべくなら鉱酸、スルホン酸、ピクリン酸、n-ニトロベンゼン酸、ジクロロ酢酸又はポリマ酸又はドデシルベンゼンスルホン酸(DBSA)、ショウノウスルホン酸、パラトルエンスルホン酸又はフェノールスルホン酸であることを特徴とする、請求項1から16までの何れかに従う感知機構造。
【請求項18】
微小カプセルの充填材が塩基性ドープ剤、なるべくなら水酸化物、炭酸塩又はアミンであることを特徴とする、請求項1から16までの何れかに従う感知機構造。
【請求項19】
微小カプセルの充填材が、ベントナイトと、紙において反応する染料のような、酸性又は塩基性の染料であるか、又は染料の前躯体であることを特徴とする、先行する請求項の何れかに従う感知機構造。
【請求項20】
微小カプセルの充填材が約0.01から10までのMの溶液として用いられることを特徴とする、先行する請求項の何れかに従う感知機構造。
【請求項21】
用いられる微小カプセルの破壊方法に、機械的な力、放射線、熱処置、化学的な分解、生物学的な分解、塩に対する感受性、圧力感受性、光化学的な分解、pH範囲に対する感受性、及び溶媒における溶解が包含されることを特徴とする、先行する請求項の何れかに従う感知機構造。
【請求項22】
感知機における微小カプセルが、感知機によって示される物質に曝露されるときに破壊することを特徴とする、先行する請求項の何れかに従う感知機構造。
【請求項23】
感知機が、開口指示機、温度指示機、破壊/圧力指示機、光検出機又は溶媒感知機であることを特徴とする、先行する請求項の何れかに従う感知機構造。
【請求項24】
微小カプセルの周りに嵩増し剤があることを特徴とする、先行する請求項の何れかに従う感知機構造。
【請求項25】
重合体の変化する色を、肉眼によってか、又は光学的装置を使って確かめ得ることを特徴とする、先行する請求項の何れかに従う感知機構造。
【請求項26】
重合体の変化する導電性を、非-接触性又は接触性伝導性測定、流電、容量的又は誘導的な方法、又は導電性の他の若干の測定方法によって確かめ得ることを特徴とする、先行する請求項の何れかに従う感知機構造。
【請求項27】
感知機構造の使用であって、請求項1から26までの何れかに従う感知機構造を生成物包装の内側条件を測るのに用いる、使用。
【請求項28】
感知機構造の使用であって、請求項1から26までの何れかに従う感知機構造を生成物包装の外側条件を測るのに用いる、使用。
【請求項29】
感知機構造を製造するための方法であって、
-導電性重合体を含有する少なくとも1種の第1層で、それが随意に結合剤と混合されるもの、及び
-第1層から分かれ、及びそれに隣接するか、又はそれから隔てて適合されるか、又は第1層に少なくとも部分的に接続される少なくとも1種の第2層
を、その方法に従って製造し、
それでは、第2層が微小カプセルから形成され、随意に結合剤と混合され、微小カプセルが塩基又は酸を含有することを特徴とする、方法。
【請求項30】
感知機構造を含む生成物を製造するための方法であって、
-導電性重合体を生成物に対して加え、随意に結合剤と混合し、及び
-塩基性又は酸性の物質を含有する微小カプセルを生成物に対して加え、随意に結合剤と混合する
ことを特徴とする、方法。
【請求項31】
微小カプセルを、導電性重合体を含有する層の頂部分上に結合性薬剤を用いることによって付着させ、それが、展着材、テープ又は別の薄膜又はその表面上に設けられる接着剤を持つ対応する材料であり得ることを特徴とする、請求項29又は30に従う方法。
【請求項32】
微小カプセルを生産、更に処置又は精製の段階での生成物に対して加えることを特徴とする、請求項30に従う方法。
【請求項33】
生成物に対して加える微小カプセルの破壊を、導電性重合体の導電性における変化として観察し得ることを特徴とする、請求項30又は32に従う方法。
【請求項34】
生成物に対して接続する導電性重合体を、微小カプセルから放出される塩基性物質を使ってドープし得ることを特徴とする、請求項29から33までの何れかに従う方法。
【請求項35】
導電性重合体が微小カプセルから放出される酸性物質を使ってドープされ得ることを特徴とする、請求項29から33までの何れかに従う方法。
【請求項36】
微小カプセルを重合体と混合する生成物に対して添加することを特徴とする、請求項29から35までの何れかに従う方法。
【請求項37】
微小カプセルを生成物に対して重合体からの異なる層において添加することを特徴とする、請求項29から35までの何れかに従う方法。
【請求項38】
微小カプセルの層及び重合体層を、少なくとも生産段階の間に分けられて保ち、及び互いに更なる処理又は精製の段階、又は後者の段階で微小カプセルから放出される物質及び導電性重合体間の反応が提供されるようにするまで強く結束されず、又は感知機が後者の反応のために活性化されることを特徴とする、請求項37に従う方法。
【請求項39】
微小カプセルを、機械的な力、放射線、熱処置、化学的な分解、生物学的な分解、塩に対する感受性、圧力感受性、光化学的な分解、pH範囲に対する感受性、又は溶媒における溶解を用いることによって破壊し得ることを特徴とする、請求項29から38までの何れかに従う方法。
【請求項40】
紙又は厚紙の生成物であって、請求項1から28までの何れかに従う感知機構造を含むか、又は請求項29に従う方法によって製造されるか、又は請求項30から39までの何れかに従う方法によって製造されることを特徴とする、生成物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2009−500532(P2009−500532A)
【公表日】平成21年1月8日(2009.1.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−519952(P2008−519952)
【出願日】平成18年7月5日(2006.7.5)
【国際出願番号】PCT/FI2006/000242
【国際公開番号】WO2007/006844
【国際公開日】平成19年1月18日(2007.1.18)
【出願人】(598005085)
【Fターム(参考)】