憩室炎治療のためのシステムおよび方法
【課題】憩室炎の治療のためのシステムおよび方法を提供すること。
【解決手段】憩室炎の再発を防ぐシステムであって、結腸内腔に沿って並んだ少なくとも1つの憩室に対して結腸内腔内に配置されるように構成される半透過性スリーブと、少なくとも第1のカラーおよび第2のカラーであって、少なくとも第1のカラーおよび第2のカラーは、半透過性スリーブの互いに対向する端部に配置され、半透過性スリーブを結腸内腔内に固定するために選択可能に放射状に拡張されるように構成される、少なくとも第1のカラーおよび第2のカラーとを備え、半透過性スリーブは、結腸内腔内から少なくとも1つの憩室の中に望ましくない物質が透過することを防ぎ、半透過性スリーブの外部から結腸内腔の中に望ましい物質を透過させることを可能にするように構成される、システム。
【解決手段】憩室炎の再発を防ぐシステムであって、結腸内腔に沿って並んだ少なくとも1つの憩室に対して結腸内腔内に配置されるように構成される半透過性スリーブと、少なくとも第1のカラーおよび第2のカラーであって、少なくとも第1のカラーおよび第2のカラーは、半透過性スリーブの互いに対向する端部に配置され、半透過性スリーブを結腸内腔内に固定するために選択可能に放射状に拡張されるように構成される、少なくとも第1のカラーおよび第2のカラーとを備え、半透過性スリーブは、結腸内腔内から少なくとも1つの憩室の中に望ましくない物質が透過することを防ぎ、半透過性スリーブの外部から結腸内腔の中に望ましい物質を透過させることを可能にするように構成される、システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(1.技術分野)
本開示は、概して、憩室炎の治療のためのシステムおよび方法に関する。より詳細には、本開示は、憩室炎を治療し、憩室炎の再発を防ぐシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
(2.関連技術の背景)
憩室炎は、西洋世界において一般的な胃腸(GI)疾患である。洋食における低い繊維含有量が、主として左結腸、特にS状結腸に見つけられるアウトポケット、すなわち憩室の形成を引き起こすと一般的に考えられている。これらのアウトポケットは、直血管動脈が結腸の粘膜下組織層を貫くところに生じる傾向がある。60歳を超える成人の約半数が憩室を有する。憩室炎は、糞便が憩室ポケットに留まるようになり感染を引き起こす場合に、生じる。憩室を有する人々の10%〜25%が憩室炎のエピソードにかかる。
【0003】
合併した憩室炎に対する現在の治療プロトコルは、外科手術切除である。現在、すべての人口肛門形成および/または結腸切除の3分の1は、憩室炎に起因する。あいにく結腸の一部分を除去することは、結腸の自然の作用を損ない得、下痢などの望ましくない結果を引き起こし得る。さらに、結腸切除の後の回復期間は、数週間と長くなり得、かなりの費用がかかり得る。選択的外科手術の理論的根拠は、合併した憩室炎の再発を防ぐことと、緊急の処置を減少させることとである。しかしながら、憩室炎により結腸切除術を受ける患者の8.7%が、その後の憩室炎エピソードにかかる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
(概要)
本開示の一実施形態に従って、形質炎を治療する方法は、結腸内腔に沿って並んだ1つ以上の憩室に対して結腸内腔内に内視鏡デバイスを配置するステップと、内視鏡デバイスを利用して1つ以上の憩室から望ましくない物質を除去するステップとを含む。方法はまた、内視鏡デバイスを利用して1つ以上の憩室の中に薬剤を注入するステップと、結腸内腔に対して1つ以上の憩室を密封するステップとを含む。
【0005】
本開示の別の実施形態に従って、憩室炎を治療する方法は、1つ以上の憩室に対して結腸内腔内に内視鏡デバイスを配置するステップと、内視鏡デバイスを利用して1つ以上の憩室から望ましくない物質を除去するステップとを含む。方法はまた、内視鏡デバイスを利用して1つ以上の憩室の中に薬剤を注入するステップと、結腸内腔に対して1つ以上の憩室を密封するために結腸内腔に対してスリーブを配置するステップとを含む。
【0006】
憩室を治療する方法は、1つ以上の憩室に対して結腸内腔内に内視鏡を配置するステップと、内視鏡デバイスと動作可能に協働する吸引デバイスを利用して1つ以上の憩室を吸引するステップとを含む。方法はまた、内視鏡デバイスと動作可能に協働する洗浄デバイスを利用して1つ以上の憩室を洗浄することと、内視鏡デバイスを利用して1つ以上の憩室の中に薬剤を注入することとを含む。方法はまた、1つ以上の憩室に対して結腸内腔内に半透過性スリーブを配置するステップを含む。半透過性スリーブは、結腸内腔内から1つ以上の憩室の中に望ましくない物質が透過することを防ぎ、半透過性スリーブの外部から結腸内腔の中に望ましい物質を透過させることを可能にするように構成される。
【0007】
本開示の別の実施形態に従って、憩室炎の再発を防ぐシステムは、結腸内腔に沿って並んだ1つ以上の憩室に対して結腸内腔内に配置されるように構成される半透過性スリーブを含む。半透明スリーブは、互いに対向する端部に配列される少なくとも第1のカラーおよび第2のカラーを含み、少なくとも第1のカラーおよび第2のカラーは、半透過性スリーブを結腸内腔内に固定するために選択可能に放射状に外側に拡張されるように構成される。半透過性スリーブは、結腸内腔内から少なくとも1つの憩室の中に望ましくない物質が透過することを防ぎ、半透過性スリーブの外部から結腸内腔の中に望ましい物質を透過させることを可能にするように構成される。
【0008】
本開示の別の実施形態に従って、憩室炎の再発を防ぐ装置は、結腸内腔に沿って並んだ1つ以上の憩室に対して結腸内腔の周りに配置されるように構成されるスリーブを含む。スリーブは、腹腔鏡的に配置され、少なくとも第1のカラーおよび第2のカラーを含み得、少なくとも第1のカラーおよび第2のカラーは、互いに対向する端部に配列され、結腸内腔の周りにスリーブを選択可能に固定するように構成され、またはスリーブは、圧縮手段またはトラッキング手段によって固定され得る。スリーブは、結腸内腔の方に少なくとも1つの憩室を圧縮し、結腸内腔内から1つ以上の圧縮された憩室の中に望ましくない物質が透過することを防ぐように構成される。
【0009】
本開示の別の実施形態に従って、憩室炎の再発を防ぐ装置は、結腸内腔に沿って並んだ少なくとも1つの憩室に対して結腸内腔内に配置されるように構成された半透過性スリーブを含む。半透過性スリーブは、近位カラーおよび遠位カラーを含み、近位カラーおよび遠位カラーは、半透過性スリーブの互いに対向する端部に配置され、半透過性スリーブを少なくとも部分的に下行結腸内に近位にそして少なくとも部分的に直腸内に遠位に固定するために選択可能に放射状に外側に拡張されるように構成され、その結果、半透過性スリーブはS状結腸の長さに少なくとも部分的に沿って配置される。半透過性スリーブは、結腸内腔内から1つ以上の憩室の中に望ましくない物質が透過することを防ぎ、半透過性スリーブの外部から結腸内腔の中に望ましい物質を透過することを可能にするように構成される。
【0010】
上記に説明される様々な実施形態のすべてを参照して、スリーブは、圧縮手段、膨張性手段、タッキング手段(例えば、物理的タック)、結腸内腔(例えば、下行結腸、横行結腸、上行結腸、盲腸)の壁に対してスリーブを溶解するエネルギを用いることによる接合、および/または接着剤のうちの任意の1つ以上によって適切な位置に保持または固定され得る。いくつかの実施形態において、結腸内腔に接触しているスリーブの表面は、スリーブを固定するように動作する、結腸内腔の組織の内部成長を促進する適切な薬剤を注入するかまたはコーティングすることによって修正され得る。いくつかの実施形態において、結腸内腔に接触しているスリーブの表面は、スリーブ表面にバイオフィルムを形成を阻止するコントロールコーティングを用いて修正され得る。
【0011】
例えば、本発明は以下の項目を提供する。
(項目1)
憩室炎の再発を防ぐシステムであって、
結腸内腔に沿って並んだ少なくとも1つの憩室に対して該結腸内腔内に配置されるように構成される半透過性スリーブと、
少なくとも第1のカラーおよび第2のカラーであって、該少なくとも第1のカラーおよび第2のカラーは、該半透過性スリーブの互いに対向する端部に配置され、該半透過性スリーブを該結腸内腔内に固定するために選択可能に放射状に拡張されるように構成される、少なくとも第1のカラーおよび第2のカラーと
を備え、
該半透過性スリーブは、該結腸内腔内から該少なくとも1つの憩室の中に望ましくない物質が透過することを防ぎ、該半透過性スリーブの外部から該結腸内腔の中に望ましい物質を透過させることを可能にするように構成される、システム。
(項目2)
上記半透過性スリーブは、上記少なくとも第1のカラーと第2のカラーとの間に配置された少なくとも第3のカラーを含む、上記項目のいずれかに記載のシステム。
(項目3)
上記半透過性スリーブは、S状結腸の長さに少なくとも部分的に沿って配置されるように構成される、上記項目のいずれかに記載のシステム。
(項目4)
上記半透過性スリーブは、少なくとも部分的に下行結腸に近位に固定されるように構成される、上記項目のいずれかに記載のシステム。
(項目5)
上記半透過性スリーブは、少なくとも部分的に直腸に遠位に固定されるように構成される、上記項目のいずれかに記載のシステム。
(項目6)
上記半透過性スリーブは、上記下行結腸と上記直腸との間に固定されるように構成される、上記項目のいずれかに記載のシステム。
(項目7)
上記半透過性スリーブは、上記結腸内腔内に選択可能に前進させられ、該結腸内腔から選択可能に引っ込められるように適合される内視鏡デバイスを介して経肛門的に該結腸内腔の中に挿入されるように構成される、上記項目のいずれかに記載のシステム。
(項目8)
上記半透過性スリーブは、該スリーブに配置される銀ベースの材料のウィーブを含む、上記項目のいずれかに記載のシステム。
(項目9)
上記半透過性スリーブは、上記結腸内腔の感染を防ぐために抗菌剤でコーティングされる、上記項目のいずれかに記載のシステム。
(項目10)
上記半透過性スリーブは、上記結腸内腔からの組織の内部成長を防ぐように構成される薬剤でコーティングされる、上記項目のいずれかに記載のシステム。
(項目11)
上記望ましくない物質は糞便である、上記項目のいずれかに記載のシステム。
(項目12)
上記望ましい物質は結腸によって生成される粘液である、上記項目のいずれかに記載のシステム。
(項目13)
上記半透過性スリーブは、布および織られたメッシュのうちの少なくとも1つから構成される、上記項目のいずれかに記載のシステム。
(項目14)
上記第1のカラーおよび上記第2のカラーは、上記下行結腸内に少なくとも部分的に近位にかつ、上記直腸内に少なくとも部分的に遠位に、上記半透過性スリーブを固定するために選択可能に放射状に外側に拡張されるように構成されることにより、該半透過性スリーブは、少なくとも部分的に上記S状結腸の長さに沿って配置される、上記項目のいずれかに記載のシステム。
(項目15)
憩室炎の再発を防ぐ装置であって、
結腸内腔に沿って並んだ少なくとも1つの憩室に対して該結腸内腔の周りに配置されるように構成されるスリーブと、
少なくとも第1のカラーおよび第2のカラーであって、該少なくとも第1のカラーおよび第2のカラーは、該スリーブの互いに対向する端部に配置され、該スリーブを該結腸内腔の周りに選択可能にするように構成される、少なくとも第1のカラーおよび第2のカラーと
を備え、
該スリーブは、該結腸内腔の方に該少なくとも1つの憩室を圧縮し、該結腸内腔内から該少なくとも1つの圧縮された憩室の中に望ましくない物質が透過することを防ぐように構成される、装置。
(項目16)
上記第1のカラーおよび第2のカラーは、概ねc形状をしており、上記結腸内腔の周りにクランプ留めされるように構成される、上記項目のいずれかに記載の装置。
(項目17)
上記スリーブは、上記少なくとも第1のカラーと第2のカラーとの間に配置された少なくとも第3のカラーを含む、上記項目のいずれかに記載の装置。
(項目18)
憩室炎の再発を防ぐ装置であって、
結腸内腔に沿って並んだ少なくとも1つの憩室に対して該結腸内腔内に配置されるように構成された半透過性スリーブと、
近位カラーおよび遠位カラーであって、該近位カラーおよび遠位カラーは、該半透過性スリーブの互いに対向する端部に配置され、該半透過性スリーブを少なくとも部分的に下行結腸内に近位にそして少なくとも部分的に直腸内に遠位に固定するために選択可能に放射状に外側に拡張されるように構成され、その結果、半透過性スリーブはS状結腸の長さに少なくとも部分的に沿って配置される、近位カラーおよび遠位カラーと
を備え、
該半透過性スリーブは、該結腸内腔内から該少なくとも1つの憩室の中に望ましくない物質が透過することを防ぎ、該半透過性スリーブの外部から該結腸内腔の中に望ましい物質を透過することを可能にするように構成される、装置。
(項目19)
上記近位カラーと遠位カラーとの間に配置され、上記半透過性スリーブを上記結腸内腔内に固定するために選択可能に放射状に外側に拡張されるように構成される少なくとも1つの他のカラーをさらに備えている、上記項目のいずれかに記載の装置。
(項目20)
上記半透過性スリーブは、上記結腸内腔からの組織の内部成長を防ぐように構成される、上記項目のいずれかに記載の装置。
【0012】
(摘要)
憩室炎の再発を防ぐシステムは、結腸内腔に沿って並んだ1つ以上の憩室に対して結腸内腔内に配置されるように構成される半透過性スリーブを含む。システムはまた、互いに対向する端部に配列される少なくとも第1のカラーおよび第2のカラーを含む。カラーは、半透過性スリーブを結腸内腔内に固定するために選択可能に放射状に外側に拡張されるように構成される。半透過性スリーブは、結腸内腔内から少なくとも1つの憩室の中に望ましくない物質が透過することを防ぎ、半透過性スリーブの外部から結腸内腔の中に望ましい物質を透過させることを可能にするように構成される。
【0013】
本開示の様々な実施形態が、図面を参照して本明細書において説明される。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1A】図1Aおよび図1Bは、本開示の様々な実施形態に従って憩室炎を治療するための内視鏡デバイスの図を示す。
【図1B】図1Aおよび図1Bは、本開示の様々な実施形態に従って憩室炎を治療するための内視鏡デバイスの図を示す。
【図2A】図2A〜図2Dは、使用時における図1Aの内視鏡デバイスを示し、本開示の実施形態に従って憩室炎を治療する方法を例示する。
【図2B】図2A〜図2Dは、使用時における図1Aの内視鏡デバイスを示し、本開示の一実施形態に従って憩室炎を治療する方法を例示する。
【図2C】図2A〜図2Dは、使用時における図1Aの内視鏡デバイスを示し、本開示の実施形態に従って憩室炎を治療する方法を例示する。
【図2D】図2A〜図2Dは、使用時における図1Aの内視鏡デバイスを示し、本開示の実施形態に従って憩室炎を治療する方法を例示する。
【図3A】図3Aおよび図3Bは、本開示の様々な実施形態に従って憩室炎の再発を防ぐように構成されるスリーブの斜視図を示す。
【図3B】図3Aおよび図3Bは、本開示の様々な実施形態に従って憩室炎の再発を防ぐように構成されるスリーブの斜視図を示す。
【図4】図4は、結腸内腔内に配置された図3Aのスリーブを示す。
【図5】図5は、本開示の別の実施形態に従って結腸内腔のまわりに配置されたスリーブを示す。
【図6】図6は、本開示の一実施形態に従い双極鉗子を利用して憩室炎の再発を防ぐ方法を例示する。
【図7】図7は、本開示の一実施形態に従い弾性のバンドを利用して憩室炎の再発を防ぐ方法を例示する。
【図8A】図8Aおよび図8Bは、本開示の一実施形態に従い憩室の除去を利用して憩室炎の再発を防ぐ方法を例示する。
【図8B】図8Aおよび図8Bは、本開示の一実施形態に従い憩室の除去を利用して憩室炎の再発を防ぐ方法を例示する。
【図9】図9は、本開示の一実施形態に従い充填剤を利用して憩室炎の再発を防ぐ方法を例示する。
【発明を実施するための形態】
【0015】
(詳細な説明)
ここに開示される憩室炎治療デバイスの実施形態は、図面を参照して詳細に説明され、図面において類似の番号は、いくつかの図の各々において同一かまたは対応する要素を示す。本明細書において用いられる場合、用語「遠位」はユーザからより遠くに離れているデバイスの部分またはデバイスの構成要素をいい、一方、用語「近位」はユーザにより近いデバイスの部分またはデバイスの構成要素をいう。さらに、用語「治療」は、「予防」を含むが、これに限定されない。
【0016】
本開示の実施形態に従う内視鏡憩室炎治療デバイスは、図において参照数字10として参照される。最初に図1を参照すると、内視鏡治療デバイス10は、近位端(図示されていない)にハンドル部分と、遠位端16に動作部分12とを有するシャフト14とを含む。シャフト14は、半剛性であるかまたは半可撓性であり得、その結果、解剖学的構造(例えば、結腸、S状結腸、下行結腸、直腸、結腸内腔など)内におけるデバイス10の操作は、容易に行われ得る。
【0017】
図1Aに示されるように、動作部分12は、シャフト14を通る任意の数の外科手術デバイス40、50、60の近位および/または遠位の移動を容易にするためにシャフト14を通って同軸で配置される複数の内腔25a、25b、25cを含む。この態様で、以下にさらに詳細に考察されるように、デバイス40、50、60は、シャフト14を通って遠位に動かされ、動作部位12から遠位に延び得、その結果、デバイス40、50、60は、所望の外科手術部位(例えば、図2A〜図2Dに示されるような憩室「D」)を治療するために利用され得る。
【0018】
以下にさらに詳細に考察されるように、デバイス40は、いくつかの実施形態において、憩室炎を治療する目的で憩室から望ましくない物質を除去するように構成される吸い込みデバイスおよび/またはアスピレータであり得る。例えば、アスピレータ40は、吸い込みおよび/または吸引によって憩室から糞便を除去するために用いられ得る。この目的を心に留めて、アスピレータ40は、アスピレータ40の遠位端45を介して物質を吸い込むことを容易にするために適切な吸い込み源または吸い込みポンプ(図示されていない)に動作可能に接続され得る。いくつかの実施形態において、デバイス50は、遠位端55から押し出される流体(例えば、水または殺菌剤)を利用して器官または外傷の空洞を洗い流すように構成される灌注デバイスまたは洗浄デバイスであり得る。より具体的には、洗浄デバイス50は、以下にさらに詳細に考察されるように、憩室から望ましくない物質を洗い流す目的で洗浄デバイス50の遠位端55から流体の排除を容易にするために適切な流体ポンプ(図示されていない)に動作可能に接続され得る。デバイス60は、例えば、物質送達デバイスの遠位端65から薬剤(例えば、抗生物質)を送達するように適合された針などの物質送達デバイスであり得る。より具体的には、物質送達デバイス60は、以下にさらに詳細に考察されるように、憩室炎を治療する目的で憩室の中に薬剤を送達するために利用され得る。明白には示されていないが、デバイス10は、器具40、50、60のうちの任意の1つがデバイス10の近位端(図示されていない)からユーザによって操作され得るように構成され得る。
【0019】
図1Bは、本開示の代替の実施形態に従って動作部分112を有する、図1Aのデバイス10を示す。この実施形態において、動作部分112は、通路25aおよび25bがそれぞれアスピレータ40および洗浄デバイス50と全く同じに動作して働くように構成され得る。より詳細には、通路25aは、この実施形態において憩室炎を治療する目的で憩室から望ましくない物質を除去するように構成されるアスピレータとして動作し得、通路25bは、憩室炎を治療する目的で憩室から流体を押し出し、憩室を洗い流すように構成される洗浄デバイスとして動作し得る。動作部分12に関して上記に説明されるように、通路25cは、シャフト14を通ってデバイス60の通過を容易にする。
【0020】
図2A〜図2Dは、本開示のいくつかの実施形態に従って憩室炎を治療する方法を例示する。考察の目的のために、図2A〜図2Dによって例示される方法は、器具40、50、60を含む、図1Aおよび/または図1Bのデバイス10を用いることを含むように示される。しかしながら、図2A〜図2Dによって例示され、以下に詳細に説明される方法は、以下に詳述される憩室炎の治療を達成するために任意の適切な外科手術器具と接続した任意の適切な内視鏡デバイスを利用するように用いられ得る。
【0021】
図2Aを参照すると、デバイス10は、最初に結腸内腔「L」(例えば、S状結腸、下行結腸、直腸など)の中に入れられ、動作部分12が標的の憩室「D」に近接するように憩室「D」に対して配置される。一旦適切に配置されると、デバイス10は、図2Bに描かれるように、憩室「D」を吸引するかまたは吸い込むために利用される。このシナリオにおいて、アスピレータ40は、デバイス10の動作部分12に近接して配置されるか、またはデバイス10の動作部分12の遠位に配置され、アスピレータ40に動作可能に接続された適切な吸い込みポンプ(図示されていない)によって生成される吸引および/または吸い込みの使用によって憩室「D」から望ましくない物質(例えば、糞便)を除去するために利用される。
【0022】
憩室「D」を吸引した後に、憩室「D」を吸引する前に、または憩室「D」を吸引するのと実質的に同時に、デバイス10は、図2Cによって描かれるように、憩室「D」を洗浄するかまたは灌注するために利用され得る。このシナリオにおいて、洗浄デバイス50は、デバイス10の動作部分12に近接するかまたはデバイス10の動作部分12の遠位に配置され、洗浄デバイス50に動作可能に接続された適切な流体ポンプ(図示されていない)によって生成される流体(例えば、水、食塩水など)の加圧された排除を用いて任意の望ましくない物質(例えば、糞便、血液など)を憩室「D」から「洗い出す(wash out)」かまたは洗い流す(flush)ために利用される。いくつかのシナリオにおいて図2Cに描かれる憩室「D」を洗い流すステップは、例えば図2Bに描かれる吸引ステップの結果によっては必要ない場合がある。同様にいくつかのシナリオにおいて、憩室「D」を洗い流すことは、憩室「D」を吸引するステップの前に行なわれ得、その洗い流しの結果によっては、図2Bの吸引ステップを不要にし得る。
【0023】
一旦憩室「D」が図2Bおよび図2Cにそれぞれ描かれるように吸引されかつ/または洗い流されると、デバイス10は、図2Dによって描かれるように、薬剤「A」を用いて憩室「D」を治療するために利用され得る。このシナリオにおいて、治療デバイス60は、デバイス10の動作部分12に近接するかまたはデバイス10の動作部分12の遠位に配置され、抗生物質などの薬剤を憩室「D」の中に注入するために利用される。薬剤を憩室「D」の中に注入することは、憩室「D」を治しかつ/または憩室「D」の感染を防ぐために行われる。
【0024】
上記に説明されるように、一旦憩室「D」が吸引されかつ/または洗い流され、薬剤を用いて治療されると、憩室炎の再発を防ぐために様々な方法および/またはデバイスが用いられ得る。これらの様々な方法および/またはデバイスは、図3〜図9を参照して以下に説明され得、いくつかの実施形態において、図2A〜図2Dに関して上記に説明される治療方法の後に行われ得る。
【0025】
ここで図3Aを参照すると、憩室炎治療デバイスは、全体的に100として参照され、S状結腸などの結腸内腔内にそして結腸内腔「L」の長さに沿って少なくとも部分的に配置されるように構成される。以下にさらに詳細に考察されるように、デバイス100は、結腸内腔「L」を通過する望ましくない物質(例えば、糞便)が結腸内腔「L」に沿って並んだ憩室内に入ったりまたは停滞したりすることを防ぎ、そのような望ましくない物質が妨げられないで結腸内腔「L」を通過または移動するままにしておくように構成される。この目的を心に留めて、デバイス100は、近位カラー110と、可撓性の半透過性スリーブ150の互いに対向する端部に配置される遠位カラー120とを含む。カラー110、120は、結腸内腔「L」内にスリーブ150を固定するために任意の適切な方法によって放射状に外側に選択可能に拡張可能である(図4を参照されたい)。いくつかの実施形態において、スリーブ150は、下行結腸、横行結腸、上行結腸、または盲腸において少なくとも部分的に近位に(例えば、カラー110によって)固定され得る。
【0026】
図3Bを参照すると、デバイス100は、結腸内腔Lに対して半透過性スリーブ150の固定力の追加のためカラー110と120との間に配置され、115として参照される少なくとも1つのカラーを含み得る。図示されていないが、結腸内腔「L」に対してスリーブ150を固定することをさらに助けるため近位カラー110と遠位120との間に任意の数のカラーがそれぞれ組み込まれ得ることは本開示の精神内である。
【0027】
使用時、適切な内視鏡デバイス(例えば、デバイス10、内視鏡など)は、結腸内腔「L」の内部内にスリーブ150を配置するために用いられる。例えば、スリーブ150は、結腸内腔「L」内に近位にかつ/または遠位に動くように構成される適切な内視鏡配置デバイス(図示されていない)に配置され得る。一旦配置デバイスが結腸内腔「L」内に適切に位置を決められると、カラー110、120は、内腔「L」の内壁に少なくとも部分的にバイアスをかける(bias)ために放射状に外側に選択可能に拡張され得、それによって、少なくとも結腸内腔「L」の長さに沿って結腸内腔「L」内にスリーブ150を固定し得る。内腔「L」内にスリーブ150を固定すると、配置デバイスは結腸内腔「L」から引っ込められ、一方、スリーブ150は固定されたままである。この方法で、スリーブ150は、図4に描かれるように、憩室炎に感染している憩室「D」を有する結腸内腔「L」の少なくとも一部分に沿って配置される。
【0028】
スリーブ150は、図4に示されるように、結腸内腔「L」の内壁に実質的に沿って並ぶように構成されるので、その結果、憩室炎「D」は、結腸内腔「L」内に望ましくない物質(例えば、糞便)から密閉され、一方、そのような望ましくない物質がS状結腸(スリーブ150が沿って並んだ部分を含む)を妨げられずに通過するままにする。より具体的には、憩室炎の再発を防ぐために、スリーブ150は、半透過性材料(例えば、ファブリック、織られたメッシュなど)から形成され、半透過性材料は、結腸内腔「L」の中にスリーブ150の外部から内側に透過することを可能にし、一方、結腸内腔「L」からスリーブ150を通って外側に透過することを防ぐ。特に、この構成は、結腸内腔「L」に沿って並んだ憩室「D」の中に糞便が透過することが防げ、一方、結腸の健康に不可欠な結腸生成の粘液が透過することが可能にされることを確実にする。
【0029】
代わりに、スリーブ150は、スリーブを通る内側および外側の両方への透過が防げるように構成され得る。いくつかの実施形態において、結腸内腔「L」内へのスリーブ150の配置およびその後の固定は、図2A〜図2Dを参照して上記に説明される治療方法の後に行われる。すなわち、一旦標的憩室「D」が、吸引されかつ/または洗い流され、薬剤(例えば、殺菌剤)を用いて治療されると、憩室炎エピソードの再発を防ぐために、図4に関して上記に説明されるように結腸内腔「L」内に固定される。スリーブ150は、例えば銀ベースのウィーブなどの殺菌剤から形成され得、かつ/またはそのような殺菌剤を用いてコーティングされ得る。また、スリーブ150は、スリーブ150を詰まらせる原因となり得る、スリーブ150を通る組織の内部成長を防ぐように構成される適切な薬剤によって処理されかつ/またはコーティングされ得、それによって、スリーブを通る所望の透過を防ぎ得る。
【0030】
ここで図5を参照すると、デバイス100の別の実施形態が示され、この実施形態は、憩室「D」を結腸内腔「L」の方に圧縮し、その結果、各憩室「D」の空洞またはアウトポケットがつぶされ、従って、いかなる内容物も保持できないようにするために、結腸内腔「L」の外部の周りに配置されるように構成される。この方法で、望ましくない物質(例えば糞便)は、スリーブ150によって圧縮された憩室「D」内に留まることはできなくなる。例示される実施形態において、図5に描かれるように、カラー110は開放部分110aを含み、カラー120は開放部分120aを含み、カラー110および120は、概ねc形であり、カラー110、120が(結腸内腔「L」の上を滑らせる必要なく)結腸内腔「L」の外部の周りに容易に配置されることを可能にする。一旦適切に配置されると、カラー110、120は、スリーブ150を結腸内腔「L」に固定するために結腸内腔「L」の周りに圧縮されるかまたはクランプ留めされ得る。固定された構成において、スリーブ150は、結腸内腔「L」の外部の周りに十分にきつく、その結果、スリーブ150と結腸内腔「L」との間に配列されるどの憩室も圧縮される。このシナリオにおいて、スリーブ150は、それが結腸内腔「L」内に配置されないので、半透過性であり得るが、必ずしも半透過性ではない。いくつかの実施形態において、憩室「D」の圧縮は、図2A〜図2Dを参照して上記に説明される治療方法の後に行われる。すなわち、一旦憩室「D」が吸引されかつ/または洗い流され、薬剤(例えば、殺菌剤)を用いて治療されると、憩室「D」は、図5に関して上記に説明されるようにスリーブ150によって圧縮され、望ましくない物質が憩室「D」に入るのを防ぎ、それによって憩室炎エピソードの再発を防ぐ。結腸内腔「L」にスリーブ150を固定する目的でカラー110、120の他にまたはカラー110、120の代わりに、他の手段が利用され得る。これらの手段は、接着剤、トラッキング手段、および/または結腸内腔「L」とスリーブ150との間の接合を促進するように修正された表面を含み得る。
【0031】
ここで図6を参照すると、電気外科手術デバイス200が示され、電気外科手術デバイス200は、憩室炎の再発を防ぐために用いられ得る。例示される実施形態において、電気外科デバイス200は、向かい合うジョー部材210および220であって、それらの間に組織を掴むように適合される、向かい合うジョー部材を有するエンドエフェクタアセンブリ250を含む。ジョー部材210は電導性組織密封表面212を含み、ジョー部材220は、電導性組織密封表面222を含み、電導性組織密封表面212および222は、電気外科手術エネルギ源(図示されていない)に動作可能に接続され、双極方法で、エネルギ源から供給される電気外科エネルギをジョー部材210、220の間に配列される組織を通って適用するように適合される。1つのそのような電気外科エネルギ源は、「ELECTROSURGICAL GENERATOR WITH ADAPTIVE POWER CONTROL」という名称の同一出願人所有の米国特許第6,033,399号に説明される。使用時、エンドエフェクタアセンブリ250は、1つ以上の憩室「D」を掴み、組織密封を達成するために1つ以上の憩室「D」を通って電気外科エネルギを適用するために用いられる。すなわち、エンドエフェクタアセンブリ250によって治療される各憩室「D」は、結腸内腔「L」の内部に対して密封(例えば、流体密封)され、その結果、結腸内腔からの望ましくない物質(例えば、糞便)は、憩室「D」の中に留まることを防がれる。いくつかの実施形態において、憩室「D」の密封は、図2A〜図2Dを参照して上記に説明される治療方法の後に行われる。すなわち、一旦憩室「D」が吸引されかつ/または洗い流され、薬剤(例えば、殺菌剤)を用いて治療されると、憩室「D」は、図6に関して上記に説明されるように密封され、望ましくない物質が憩室「D」に入るのを防ぎ、それによって、憩室炎エピソードの再発を防ぐ。
【0032】
向かい合うジョー部材の間に組織を掴むように協働する向かい合うジョー部材を含む、外科手術デバイス200などの双極鉗子のより詳細な説明に関して、2003年2月20日に出願された、「VESSEL SEALER AND DIVIDER AND METHOD OF MANUFATURING THE SAME」という名称の同一出願人所有の特許公開第2003/0229344号に参照がなされる。
【0033】
ここで図7を参照すると、一実施形態に従って憩室炎の再発を防ぐ方法は、結腸内腔「L」に対して憩室「D」を密封するために弾性のバンド300を用いることを含む。より具体的には、弾性のバンド300は、アウトポケットを締め付けるために憩室「D」の基底の周りに巻き付けられ得、それによって、結腸内腔「L」に対して憩室「D」を密封し得る。この方法で、望ましくない物質(例えば、糞便)が結腸内腔「L」から憩室「D」に入ることを防がれる。弾性のバンド300は、例えば任意の適切な材料(例えば、ゴムバンドまたは類似のもの)であり得る。対照する目的で、図7は、憩室「D」の周りに巻き付けられた弾性のバンド300を含む選択憩室「D」と、憩室「D」の周りに巻き付けられた弾性のバンド300のない選択憩室「D」とを含む。図7において方向矢印によって描かれるように、弾性のバンド300を用いて治療される憩室「D」は、結腸内腔「L」に対して密封され、その結果、望ましくない物質がそのような憩室「D」に入るのを防がれる。対照的に、図7において方向矢印によって描かれるように、弾性のバンド300を用いて治療されない憩室「D」は、結腸内腔「L」に対して密封されないで、その結果、望ましくない物質がそのような憩室「D」に入るのを防がれない。いくつかの実施形態において、弾性のバンド300を用いて憩室「D」を縛ることは、図2A〜図2Dを参照して上記に説明される治療方法の後に行われる。すなわち、一旦憩室「D」が吸引されかつ/または洗い流され、薬剤(例えば、殺菌剤)を用いて治療されると、バンド300は、図7に関して上記に説明されるように各憩室「D」の基底の周りに巻き付けられ、望ましくない物質が各憩室「D」に入るのを防ぎ、それによって、憩室炎エピソードの再発を防ぐ。
【0034】
ここで図8Aおよび図8Bを参照すると、一実施形態に従って憩室炎の再発を防ぐ方法は、結腸内腔「L」内において憩室「D」を内部で除去すること含む。より具体的には、吸い込みデバイス(例えば、アスピレータ40)は、図8Aに描かれるように、結腸内腔「L」の中に各憩室「D」を引き込むために利用され、適切なジョー型器具または鉗子(たとえば外科手術デバイス200)は、引き込み憩室「D」を結腸内腔「L」から切断するために利用される。このシナリオにおいて、デバイス200は、例えば選択可能で前進可能なナイフ(図示されていない)および/または電気切断デバイス(図示されていない)などの組織切断機構を含み得る。
【0035】
使用時、図8Aに例示されるように、デバイス10は、動作部分12が所望の憩室「D」に近づくように結腸内腔「L」内に配置され得、その結果、アスピレータ40は、各憩室「D」が「内側が外」型構成で配列されるように結腸内腔「L」の内部に各憩室「D」を吸い込むために利用され得る。図8Aに最も良く示されるように、一旦憩室「D」が結腸内腔「L」の中に引き込まれると、図8Bに描かれるように、デバイス200は、ジョー部材210、220の間に各引き込み憩室「D」を掴み、その後、組織切断機構を利用して各掴まれた憩室(図8Bにおいて「SD」として参照される)を切断するために用いられ得る。
【0036】
デバイス200などの選択可能で前進可能な組織切断機構を含む鉗子のより詳細な説明に関して、2003年2月20日に出願された、「VESSEL SEALER AND DIVIDER AND METHOD OF MANUFATURING THE SAME」という名称の同一出願人所有の特許公開第2003/0229344号に参照がなされる。いくつかの実施形態において、引き込み憩室「D」は、例えば外科手術ナイフなどの従来の切断機構(図示されていない)を用いて結腸内腔「L」から切断され得る。いくつかの実施形態において、上記に説明の引き込みおよびその後の憩室「SD」の切断は、図2A〜図2Dを参照して上記に説明される治療方法の後に行われる。すなわち、一旦各憩室「D」が吸引されかつ/または洗い流され、薬剤(例えば、殺菌剤)を用いて治療されると、各憩室「D」は結腸内腔「L」に吸い込まれるかまたは引き込まれ、その後、各憩室「D」は、図8Aおよび図8Bに関して上記に説明されるようにデバイス200または適切な切断機構を利用して切断される。この方法で、望ましくない物質が結腸内腔「L」から各憩室「D」に入るのを防がれ、それによって、憩室炎エピソードの再発を防ぐ。
【0037】
ここで図9を参照すると、別の実施形態に従って憩室炎の再発を防ぐ方法は、各憩室「D」の中に詰め物または充填剤「F」を注入するかまたは配置することを含み、詰め物または充填剤「F」は、憩室「D」を占拠し、その後、憩室「D」内おいて固体化するように構成される。この方法で、望ましくない物質が既に占拠された憩室「D」に入るのを防がれる。この使用のために構成される薬剤は、非接着性塞栓剤、セメントなどを含み得るが、これらに限定されない。充填剤は、例えば、アスピレータ40、洗浄デバイス50(図9に描かれる)、または図2A〜図2Dに関して上記に説明される針60のうちの任意の1つを利用して標的憩室に送達され得る。
【0038】
本開示の説明される実施形態は、制限的というよりはむしろ例示的であることが意図され、本開示のあらゆる実施形態を表すことは意図されない。文字通りにかつ法的に認められる均等物において、以下の特許請求の範囲に述べられる開示の精神または範囲から逸脱することなく様々な修正および変形がなされ得る。
【符号の説明】
【0039】
10 内視鏡治療デバイス
12 動作部分
14 シャフト
40 アスピレータ
50 外科手術デバイス
60 物質送達デバイス
110、120 カラー
150 スリーブ
210、220 ジョー部材
【技術分野】
【0001】
(1.技術分野)
本開示は、概して、憩室炎の治療のためのシステムおよび方法に関する。より詳細には、本開示は、憩室炎を治療し、憩室炎の再発を防ぐシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
(2.関連技術の背景)
憩室炎は、西洋世界において一般的な胃腸(GI)疾患である。洋食における低い繊維含有量が、主として左結腸、特にS状結腸に見つけられるアウトポケット、すなわち憩室の形成を引き起こすと一般的に考えられている。これらのアウトポケットは、直血管動脈が結腸の粘膜下組織層を貫くところに生じる傾向がある。60歳を超える成人の約半数が憩室を有する。憩室炎は、糞便が憩室ポケットに留まるようになり感染を引き起こす場合に、生じる。憩室を有する人々の10%〜25%が憩室炎のエピソードにかかる。
【0003】
合併した憩室炎に対する現在の治療プロトコルは、外科手術切除である。現在、すべての人口肛門形成および/または結腸切除の3分の1は、憩室炎に起因する。あいにく結腸の一部分を除去することは、結腸の自然の作用を損ない得、下痢などの望ましくない結果を引き起こし得る。さらに、結腸切除の後の回復期間は、数週間と長くなり得、かなりの費用がかかり得る。選択的外科手術の理論的根拠は、合併した憩室炎の再発を防ぐことと、緊急の処置を減少させることとである。しかしながら、憩室炎により結腸切除術を受ける患者の8.7%が、その後の憩室炎エピソードにかかる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
(概要)
本開示の一実施形態に従って、形質炎を治療する方法は、結腸内腔に沿って並んだ1つ以上の憩室に対して結腸内腔内に内視鏡デバイスを配置するステップと、内視鏡デバイスを利用して1つ以上の憩室から望ましくない物質を除去するステップとを含む。方法はまた、内視鏡デバイスを利用して1つ以上の憩室の中に薬剤を注入するステップと、結腸内腔に対して1つ以上の憩室を密封するステップとを含む。
【0005】
本開示の別の実施形態に従って、憩室炎を治療する方法は、1つ以上の憩室に対して結腸内腔内に内視鏡デバイスを配置するステップと、内視鏡デバイスを利用して1つ以上の憩室から望ましくない物質を除去するステップとを含む。方法はまた、内視鏡デバイスを利用して1つ以上の憩室の中に薬剤を注入するステップと、結腸内腔に対して1つ以上の憩室を密封するために結腸内腔に対してスリーブを配置するステップとを含む。
【0006】
憩室を治療する方法は、1つ以上の憩室に対して結腸内腔内に内視鏡を配置するステップと、内視鏡デバイスと動作可能に協働する吸引デバイスを利用して1つ以上の憩室を吸引するステップとを含む。方法はまた、内視鏡デバイスと動作可能に協働する洗浄デバイスを利用して1つ以上の憩室を洗浄することと、内視鏡デバイスを利用して1つ以上の憩室の中に薬剤を注入することとを含む。方法はまた、1つ以上の憩室に対して結腸内腔内に半透過性スリーブを配置するステップを含む。半透過性スリーブは、結腸内腔内から1つ以上の憩室の中に望ましくない物質が透過することを防ぎ、半透過性スリーブの外部から結腸内腔の中に望ましい物質を透過させることを可能にするように構成される。
【0007】
本開示の別の実施形態に従って、憩室炎の再発を防ぐシステムは、結腸内腔に沿って並んだ1つ以上の憩室に対して結腸内腔内に配置されるように構成される半透過性スリーブを含む。半透明スリーブは、互いに対向する端部に配列される少なくとも第1のカラーおよび第2のカラーを含み、少なくとも第1のカラーおよび第2のカラーは、半透過性スリーブを結腸内腔内に固定するために選択可能に放射状に外側に拡張されるように構成される。半透過性スリーブは、結腸内腔内から少なくとも1つの憩室の中に望ましくない物質が透過することを防ぎ、半透過性スリーブの外部から結腸内腔の中に望ましい物質を透過させることを可能にするように構成される。
【0008】
本開示の別の実施形態に従って、憩室炎の再発を防ぐ装置は、結腸内腔に沿って並んだ1つ以上の憩室に対して結腸内腔の周りに配置されるように構成されるスリーブを含む。スリーブは、腹腔鏡的に配置され、少なくとも第1のカラーおよび第2のカラーを含み得、少なくとも第1のカラーおよび第2のカラーは、互いに対向する端部に配列され、結腸内腔の周りにスリーブを選択可能に固定するように構成され、またはスリーブは、圧縮手段またはトラッキング手段によって固定され得る。スリーブは、結腸内腔の方に少なくとも1つの憩室を圧縮し、結腸内腔内から1つ以上の圧縮された憩室の中に望ましくない物質が透過することを防ぐように構成される。
【0009】
本開示の別の実施形態に従って、憩室炎の再発を防ぐ装置は、結腸内腔に沿って並んだ少なくとも1つの憩室に対して結腸内腔内に配置されるように構成された半透過性スリーブを含む。半透過性スリーブは、近位カラーおよび遠位カラーを含み、近位カラーおよび遠位カラーは、半透過性スリーブの互いに対向する端部に配置され、半透過性スリーブを少なくとも部分的に下行結腸内に近位にそして少なくとも部分的に直腸内に遠位に固定するために選択可能に放射状に外側に拡張されるように構成され、その結果、半透過性スリーブはS状結腸の長さに少なくとも部分的に沿って配置される。半透過性スリーブは、結腸内腔内から1つ以上の憩室の中に望ましくない物質が透過することを防ぎ、半透過性スリーブの外部から結腸内腔の中に望ましい物質を透過することを可能にするように構成される。
【0010】
上記に説明される様々な実施形態のすべてを参照して、スリーブは、圧縮手段、膨張性手段、タッキング手段(例えば、物理的タック)、結腸内腔(例えば、下行結腸、横行結腸、上行結腸、盲腸)の壁に対してスリーブを溶解するエネルギを用いることによる接合、および/または接着剤のうちの任意の1つ以上によって適切な位置に保持または固定され得る。いくつかの実施形態において、結腸内腔に接触しているスリーブの表面は、スリーブを固定するように動作する、結腸内腔の組織の内部成長を促進する適切な薬剤を注入するかまたはコーティングすることによって修正され得る。いくつかの実施形態において、結腸内腔に接触しているスリーブの表面は、スリーブ表面にバイオフィルムを形成を阻止するコントロールコーティングを用いて修正され得る。
【0011】
例えば、本発明は以下の項目を提供する。
(項目1)
憩室炎の再発を防ぐシステムであって、
結腸内腔に沿って並んだ少なくとも1つの憩室に対して該結腸内腔内に配置されるように構成される半透過性スリーブと、
少なくとも第1のカラーおよび第2のカラーであって、該少なくとも第1のカラーおよび第2のカラーは、該半透過性スリーブの互いに対向する端部に配置され、該半透過性スリーブを該結腸内腔内に固定するために選択可能に放射状に拡張されるように構成される、少なくとも第1のカラーおよび第2のカラーと
を備え、
該半透過性スリーブは、該結腸内腔内から該少なくとも1つの憩室の中に望ましくない物質が透過することを防ぎ、該半透過性スリーブの外部から該結腸内腔の中に望ましい物質を透過させることを可能にするように構成される、システム。
(項目2)
上記半透過性スリーブは、上記少なくとも第1のカラーと第2のカラーとの間に配置された少なくとも第3のカラーを含む、上記項目のいずれかに記載のシステム。
(項目3)
上記半透過性スリーブは、S状結腸の長さに少なくとも部分的に沿って配置されるように構成される、上記項目のいずれかに記載のシステム。
(項目4)
上記半透過性スリーブは、少なくとも部分的に下行結腸に近位に固定されるように構成される、上記項目のいずれかに記載のシステム。
(項目5)
上記半透過性スリーブは、少なくとも部分的に直腸に遠位に固定されるように構成される、上記項目のいずれかに記載のシステム。
(項目6)
上記半透過性スリーブは、上記下行結腸と上記直腸との間に固定されるように構成される、上記項目のいずれかに記載のシステム。
(項目7)
上記半透過性スリーブは、上記結腸内腔内に選択可能に前進させられ、該結腸内腔から選択可能に引っ込められるように適合される内視鏡デバイスを介して経肛門的に該結腸内腔の中に挿入されるように構成される、上記項目のいずれかに記載のシステム。
(項目8)
上記半透過性スリーブは、該スリーブに配置される銀ベースの材料のウィーブを含む、上記項目のいずれかに記載のシステム。
(項目9)
上記半透過性スリーブは、上記結腸内腔の感染を防ぐために抗菌剤でコーティングされる、上記項目のいずれかに記載のシステム。
(項目10)
上記半透過性スリーブは、上記結腸内腔からの組織の内部成長を防ぐように構成される薬剤でコーティングされる、上記項目のいずれかに記載のシステム。
(項目11)
上記望ましくない物質は糞便である、上記項目のいずれかに記載のシステム。
(項目12)
上記望ましい物質は結腸によって生成される粘液である、上記項目のいずれかに記載のシステム。
(項目13)
上記半透過性スリーブは、布および織られたメッシュのうちの少なくとも1つから構成される、上記項目のいずれかに記載のシステム。
(項目14)
上記第1のカラーおよび上記第2のカラーは、上記下行結腸内に少なくとも部分的に近位にかつ、上記直腸内に少なくとも部分的に遠位に、上記半透過性スリーブを固定するために選択可能に放射状に外側に拡張されるように構成されることにより、該半透過性スリーブは、少なくとも部分的に上記S状結腸の長さに沿って配置される、上記項目のいずれかに記載のシステム。
(項目15)
憩室炎の再発を防ぐ装置であって、
結腸内腔に沿って並んだ少なくとも1つの憩室に対して該結腸内腔の周りに配置されるように構成されるスリーブと、
少なくとも第1のカラーおよび第2のカラーであって、該少なくとも第1のカラーおよび第2のカラーは、該スリーブの互いに対向する端部に配置され、該スリーブを該結腸内腔の周りに選択可能にするように構成される、少なくとも第1のカラーおよび第2のカラーと
を備え、
該スリーブは、該結腸内腔の方に該少なくとも1つの憩室を圧縮し、該結腸内腔内から該少なくとも1つの圧縮された憩室の中に望ましくない物質が透過することを防ぐように構成される、装置。
(項目16)
上記第1のカラーおよび第2のカラーは、概ねc形状をしており、上記結腸内腔の周りにクランプ留めされるように構成される、上記項目のいずれかに記載の装置。
(項目17)
上記スリーブは、上記少なくとも第1のカラーと第2のカラーとの間に配置された少なくとも第3のカラーを含む、上記項目のいずれかに記載の装置。
(項目18)
憩室炎の再発を防ぐ装置であって、
結腸内腔に沿って並んだ少なくとも1つの憩室に対して該結腸内腔内に配置されるように構成された半透過性スリーブと、
近位カラーおよび遠位カラーであって、該近位カラーおよび遠位カラーは、該半透過性スリーブの互いに対向する端部に配置され、該半透過性スリーブを少なくとも部分的に下行結腸内に近位にそして少なくとも部分的に直腸内に遠位に固定するために選択可能に放射状に外側に拡張されるように構成され、その結果、半透過性スリーブはS状結腸の長さに少なくとも部分的に沿って配置される、近位カラーおよび遠位カラーと
を備え、
該半透過性スリーブは、該結腸内腔内から該少なくとも1つの憩室の中に望ましくない物質が透過することを防ぎ、該半透過性スリーブの外部から該結腸内腔の中に望ましい物質を透過することを可能にするように構成される、装置。
(項目19)
上記近位カラーと遠位カラーとの間に配置され、上記半透過性スリーブを上記結腸内腔内に固定するために選択可能に放射状に外側に拡張されるように構成される少なくとも1つの他のカラーをさらに備えている、上記項目のいずれかに記載の装置。
(項目20)
上記半透過性スリーブは、上記結腸内腔からの組織の内部成長を防ぐように構成される、上記項目のいずれかに記載の装置。
【0012】
(摘要)
憩室炎の再発を防ぐシステムは、結腸内腔に沿って並んだ1つ以上の憩室に対して結腸内腔内に配置されるように構成される半透過性スリーブを含む。システムはまた、互いに対向する端部に配列される少なくとも第1のカラーおよび第2のカラーを含む。カラーは、半透過性スリーブを結腸内腔内に固定するために選択可能に放射状に外側に拡張されるように構成される。半透過性スリーブは、結腸内腔内から少なくとも1つの憩室の中に望ましくない物質が透過することを防ぎ、半透過性スリーブの外部から結腸内腔の中に望ましい物質を透過させることを可能にするように構成される。
【0013】
本開示の様々な実施形態が、図面を参照して本明細書において説明される。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1A】図1Aおよび図1Bは、本開示の様々な実施形態に従って憩室炎を治療するための内視鏡デバイスの図を示す。
【図1B】図1Aおよび図1Bは、本開示の様々な実施形態に従って憩室炎を治療するための内視鏡デバイスの図を示す。
【図2A】図2A〜図2Dは、使用時における図1Aの内視鏡デバイスを示し、本開示の実施形態に従って憩室炎を治療する方法を例示する。
【図2B】図2A〜図2Dは、使用時における図1Aの内視鏡デバイスを示し、本開示の一実施形態に従って憩室炎を治療する方法を例示する。
【図2C】図2A〜図2Dは、使用時における図1Aの内視鏡デバイスを示し、本開示の実施形態に従って憩室炎を治療する方法を例示する。
【図2D】図2A〜図2Dは、使用時における図1Aの内視鏡デバイスを示し、本開示の実施形態に従って憩室炎を治療する方法を例示する。
【図3A】図3Aおよび図3Bは、本開示の様々な実施形態に従って憩室炎の再発を防ぐように構成されるスリーブの斜視図を示す。
【図3B】図3Aおよび図3Bは、本開示の様々な実施形態に従って憩室炎の再発を防ぐように構成されるスリーブの斜視図を示す。
【図4】図4は、結腸内腔内に配置された図3Aのスリーブを示す。
【図5】図5は、本開示の別の実施形態に従って結腸内腔のまわりに配置されたスリーブを示す。
【図6】図6は、本開示の一実施形態に従い双極鉗子を利用して憩室炎の再発を防ぐ方法を例示する。
【図7】図7は、本開示の一実施形態に従い弾性のバンドを利用して憩室炎の再発を防ぐ方法を例示する。
【図8A】図8Aおよび図8Bは、本開示の一実施形態に従い憩室の除去を利用して憩室炎の再発を防ぐ方法を例示する。
【図8B】図8Aおよび図8Bは、本開示の一実施形態に従い憩室の除去を利用して憩室炎の再発を防ぐ方法を例示する。
【図9】図9は、本開示の一実施形態に従い充填剤を利用して憩室炎の再発を防ぐ方法を例示する。
【発明を実施するための形態】
【0015】
(詳細な説明)
ここに開示される憩室炎治療デバイスの実施形態は、図面を参照して詳細に説明され、図面において類似の番号は、いくつかの図の各々において同一かまたは対応する要素を示す。本明細書において用いられる場合、用語「遠位」はユーザからより遠くに離れているデバイスの部分またはデバイスの構成要素をいい、一方、用語「近位」はユーザにより近いデバイスの部分またはデバイスの構成要素をいう。さらに、用語「治療」は、「予防」を含むが、これに限定されない。
【0016】
本開示の実施形態に従う内視鏡憩室炎治療デバイスは、図において参照数字10として参照される。最初に図1を参照すると、内視鏡治療デバイス10は、近位端(図示されていない)にハンドル部分と、遠位端16に動作部分12とを有するシャフト14とを含む。シャフト14は、半剛性であるかまたは半可撓性であり得、その結果、解剖学的構造(例えば、結腸、S状結腸、下行結腸、直腸、結腸内腔など)内におけるデバイス10の操作は、容易に行われ得る。
【0017】
図1Aに示されるように、動作部分12は、シャフト14を通る任意の数の外科手術デバイス40、50、60の近位および/または遠位の移動を容易にするためにシャフト14を通って同軸で配置される複数の内腔25a、25b、25cを含む。この態様で、以下にさらに詳細に考察されるように、デバイス40、50、60は、シャフト14を通って遠位に動かされ、動作部位12から遠位に延び得、その結果、デバイス40、50、60は、所望の外科手術部位(例えば、図2A〜図2Dに示されるような憩室「D」)を治療するために利用され得る。
【0018】
以下にさらに詳細に考察されるように、デバイス40は、いくつかの実施形態において、憩室炎を治療する目的で憩室から望ましくない物質を除去するように構成される吸い込みデバイスおよび/またはアスピレータであり得る。例えば、アスピレータ40は、吸い込みおよび/または吸引によって憩室から糞便を除去するために用いられ得る。この目的を心に留めて、アスピレータ40は、アスピレータ40の遠位端45を介して物質を吸い込むことを容易にするために適切な吸い込み源または吸い込みポンプ(図示されていない)に動作可能に接続され得る。いくつかの実施形態において、デバイス50は、遠位端55から押し出される流体(例えば、水または殺菌剤)を利用して器官または外傷の空洞を洗い流すように構成される灌注デバイスまたは洗浄デバイスであり得る。より具体的には、洗浄デバイス50は、以下にさらに詳細に考察されるように、憩室から望ましくない物質を洗い流す目的で洗浄デバイス50の遠位端55から流体の排除を容易にするために適切な流体ポンプ(図示されていない)に動作可能に接続され得る。デバイス60は、例えば、物質送達デバイスの遠位端65から薬剤(例えば、抗生物質)を送達するように適合された針などの物質送達デバイスであり得る。より具体的には、物質送達デバイス60は、以下にさらに詳細に考察されるように、憩室炎を治療する目的で憩室の中に薬剤を送達するために利用され得る。明白には示されていないが、デバイス10は、器具40、50、60のうちの任意の1つがデバイス10の近位端(図示されていない)からユーザによって操作され得るように構成され得る。
【0019】
図1Bは、本開示の代替の実施形態に従って動作部分112を有する、図1Aのデバイス10を示す。この実施形態において、動作部分112は、通路25aおよび25bがそれぞれアスピレータ40および洗浄デバイス50と全く同じに動作して働くように構成され得る。より詳細には、通路25aは、この実施形態において憩室炎を治療する目的で憩室から望ましくない物質を除去するように構成されるアスピレータとして動作し得、通路25bは、憩室炎を治療する目的で憩室から流体を押し出し、憩室を洗い流すように構成される洗浄デバイスとして動作し得る。動作部分12に関して上記に説明されるように、通路25cは、シャフト14を通ってデバイス60の通過を容易にする。
【0020】
図2A〜図2Dは、本開示のいくつかの実施形態に従って憩室炎を治療する方法を例示する。考察の目的のために、図2A〜図2Dによって例示される方法は、器具40、50、60を含む、図1Aおよび/または図1Bのデバイス10を用いることを含むように示される。しかしながら、図2A〜図2Dによって例示され、以下に詳細に説明される方法は、以下に詳述される憩室炎の治療を達成するために任意の適切な外科手術器具と接続した任意の適切な内視鏡デバイスを利用するように用いられ得る。
【0021】
図2Aを参照すると、デバイス10は、最初に結腸内腔「L」(例えば、S状結腸、下行結腸、直腸など)の中に入れられ、動作部分12が標的の憩室「D」に近接するように憩室「D」に対して配置される。一旦適切に配置されると、デバイス10は、図2Bに描かれるように、憩室「D」を吸引するかまたは吸い込むために利用される。このシナリオにおいて、アスピレータ40は、デバイス10の動作部分12に近接して配置されるか、またはデバイス10の動作部分12の遠位に配置され、アスピレータ40に動作可能に接続された適切な吸い込みポンプ(図示されていない)によって生成される吸引および/または吸い込みの使用によって憩室「D」から望ましくない物質(例えば、糞便)を除去するために利用される。
【0022】
憩室「D」を吸引した後に、憩室「D」を吸引する前に、または憩室「D」を吸引するのと実質的に同時に、デバイス10は、図2Cによって描かれるように、憩室「D」を洗浄するかまたは灌注するために利用され得る。このシナリオにおいて、洗浄デバイス50は、デバイス10の動作部分12に近接するかまたはデバイス10の動作部分12の遠位に配置され、洗浄デバイス50に動作可能に接続された適切な流体ポンプ(図示されていない)によって生成される流体(例えば、水、食塩水など)の加圧された排除を用いて任意の望ましくない物質(例えば、糞便、血液など)を憩室「D」から「洗い出す(wash out)」かまたは洗い流す(flush)ために利用される。いくつかのシナリオにおいて図2Cに描かれる憩室「D」を洗い流すステップは、例えば図2Bに描かれる吸引ステップの結果によっては必要ない場合がある。同様にいくつかのシナリオにおいて、憩室「D」を洗い流すことは、憩室「D」を吸引するステップの前に行なわれ得、その洗い流しの結果によっては、図2Bの吸引ステップを不要にし得る。
【0023】
一旦憩室「D」が図2Bおよび図2Cにそれぞれ描かれるように吸引されかつ/または洗い流されると、デバイス10は、図2Dによって描かれるように、薬剤「A」を用いて憩室「D」を治療するために利用され得る。このシナリオにおいて、治療デバイス60は、デバイス10の動作部分12に近接するかまたはデバイス10の動作部分12の遠位に配置され、抗生物質などの薬剤を憩室「D」の中に注入するために利用される。薬剤を憩室「D」の中に注入することは、憩室「D」を治しかつ/または憩室「D」の感染を防ぐために行われる。
【0024】
上記に説明されるように、一旦憩室「D」が吸引されかつ/または洗い流され、薬剤を用いて治療されると、憩室炎の再発を防ぐために様々な方法および/またはデバイスが用いられ得る。これらの様々な方法および/またはデバイスは、図3〜図9を参照して以下に説明され得、いくつかの実施形態において、図2A〜図2Dに関して上記に説明される治療方法の後に行われ得る。
【0025】
ここで図3Aを参照すると、憩室炎治療デバイスは、全体的に100として参照され、S状結腸などの結腸内腔内にそして結腸内腔「L」の長さに沿って少なくとも部分的に配置されるように構成される。以下にさらに詳細に考察されるように、デバイス100は、結腸内腔「L」を通過する望ましくない物質(例えば、糞便)が結腸内腔「L」に沿って並んだ憩室内に入ったりまたは停滞したりすることを防ぎ、そのような望ましくない物質が妨げられないで結腸内腔「L」を通過または移動するままにしておくように構成される。この目的を心に留めて、デバイス100は、近位カラー110と、可撓性の半透過性スリーブ150の互いに対向する端部に配置される遠位カラー120とを含む。カラー110、120は、結腸内腔「L」内にスリーブ150を固定するために任意の適切な方法によって放射状に外側に選択可能に拡張可能である(図4を参照されたい)。いくつかの実施形態において、スリーブ150は、下行結腸、横行結腸、上行結腸、または盲腸において少なくとも部分的に近位に(例えば、カラー110によって)固定され得る。
【0026】
図3Bを参照すると、デバイス100は、結腸内腔Lに対して半透過性スリーブ150の固定力の追加のためカラー110と120との間に配置され、115として参照される少なくとも1つのカラーを含み得る。図示されていないが、結腸内腔「L」に対してスリーブ150を固定することをさらに助けるため近位カラー110と遠位120との間に任意の数のカラーがそれぞれ組み込まれ得ることは本開示の精神内である。
【0027】
使用時、適切な内視鏡デバイス(例えば、デバイス10、内視鏡など)は、結腸内腔「L」の内部内にスリーブ150を配置するために用いられる。例えば、スリーブ150は、結腸内腔「L」内に近位にかつ/または遠位に動くように構成される適切な内視鏡配置デバイス(図示されていない)に配置され得る。一旦配置デバイスが結腸内腔「L」内に適切に位置を決められると、カラー110、120は、内腔「L」の内壁に少なくとも部分的にバイアスをかける(bias)ために放射状に外側に選択可能に拡張され得、それによって、少なくとも結腸内腔「L」の長さに沿って結腸内腔「L」内にスリーブ150を固定し得る。内腔「L」内にスリーブ150を固定すると、配置デバイスは結腸内腔「L」から引っ込められ、一方、スリーブ150は固定されたままである。この方法で、スリーブ150は、図4に描かれるように、憩室炎に感染している憩室「D」を有する結腸内腔「L」の少なくとも一部分に沿って配置される。
【0028】
スリーブ150は、図4に示されるように、結腸内腔「L」の内壁に実質的に沿って並ぶように構成されるので、その結果、憩室炎「D」は、結腸内腔「L」内に望ましくない物質(例えば、糞便)から密閉され、一方、そのような望ましくない物質がS状結腸(スリーブ150が沿って並んだ部分を含む)を妨げられずに通過するままにする。より具体的には、憩室炎の再発を防ぐために、スリーブ150は、半透過性材料(例えば、ファブリック、織られたメッシュなど)から形成され、半透過性材料は、結腸内腔「L」の中にスリーブ150の外部から内側に透過することを可能にし、一方、結腸内腔「L」からスリーブ150を通って外側に透過することを防ぐ。特に、この構成は、結腸内腔「L」に沿って並んだ憩室「D」の中に糞便が透過することが防げ、一方、結腸の健康に不可欠な結腸生成の粘液が透過することが可能にされることを確実にする。
【0029】
代わりに、スリーブ150は、スリーブを通る内側および外側の両方への透過が防げるように構成され得る。いくつかの実施形態において、結腸内腔「L」内へのスリーブ150の配置およびその後の固定は、図2A〜図2Dを参照して上記に説明される治療方法の後に行われる。すなわち、一旦標的憩室「D」が、吸引されかつ/または洗い流され、薬剤(例えば、殺菌剤)を用いて治療されると、憩室炎エピソードの再発を防ぐために、図4に関して上記に説明されるように結腸内腔「L」内に固定される。スリーブ150は、例えば銀ベースのウィーブなどの殺菌剤から形成され得、かつ/またはそのような殺菌剤を用いてコーティングされ得る。また、スリーブ150は、スリーブ150を詰まらせる原因となり得る、スリーブ150を通る組織の内部成長を防ぐように構成される適切な薬剤によって処理されかつ/またはコーティングされ得、それによって、スリーブを通る所望の透過を防ぎ得る。
【0030】
ここで図5を参照すると、デバイス100の別の実施形態が示され、この実施形態は、憩室「D」を結腸内腔「L」の方に圧縮し、その結果、各憩室「D」の空洞またはアウトポケットがつぶされ、従って、いかなる内容物も保持できないようにするために、結腸内腔「L」の外部の周りに配置されるように構成される。この方法で、望ましくない物質(例えば糞便)は、スリーブ150によって圧縮された憩室「D」内に留まることはできなくなる。例示される実施形態において、図5に描かれるように、カラー110は開放部分110aを含み、カラー120は開放部分120aを含み、カラー110および120は、概ねc形であり、カラー110、120が(結腸内腔「L」の上を滑らせる必要なく)結腸内腔「L」の外部の周りに容易に配置されることを可能にする。一旦適切に配置されると、カラー110、120は、スリーブ150を結腸内腔「L」に固定するために結腸内腔「L」の周りに圧縮されるかまたはクランプ留めされ得る。固定された構成において、スリーブ150は、結腸内腔「L」の外部の周りに十分にきつく、その結果、スリーブ150と結腸内腔「L」との間に配列されるどの憩室も圧縮される。このシナリオにおいて、スリーブ150は、それが結腸内腔「L」内に配置されないので、半透過性であり得るが、必ずしも半透過性ではない。いくつかの実施形態において、憩室「D」の圧縮は、図2A〜図2Dを参照して上記に説明される治療方法の後に行われる。すなわち、一旦憩室「D」が吸引されかつ/または洗い流され、薬剤(例えば、殺菌剤)を用いて治療されると、憩室「D」は、図5に関して上記に説明されるようにスリーブ150によって圧縮され、望ましくない物質が憩室「D」に入るのを防ぎ、それによって憩室炎エピソードの再発を防ぐ。結腸内腔「L」にスリーブ150を固定する目的でカラー110、120の他にまたはカラー110、120の代わりに、他の手段が利用され得る。これらの手段は、接着剤、トラッキング手段、および/または結腸内腔「L」とスリーブ150との間の接合を促進するように修正された表面を含み得る。
【0031】
ここで図6を参照すると、電気外科手術デバイス200が示され、電気外科手術デバイス200は、憩室炎の再発を防ぐために用いられ得る。例示される実施形態において、電気外科デバイス200は、向かい合うジョー部材210および220であって、それらの間に組織を掴むように適合される、向かい合うジョー部材を有するエンドエフェクタアセンブリ250を含む。ジョー部材210は電導性組織密封表面212を含み、ジョー部材220は、電導性組織密封表面222を含み、電導性組織密封表面212および222は、電気外科手術エネルギ源(図示されていない)に動作可能に接続され、双極方法で、エネルギ源から供給される電気外科エネルギをジョー部材210、220の間に配列される組織を通って適用するように適合される。1つのそのような電気外科エネルギ源は、「ELECTROSURGICAL GENERATOR WITH ADAPTIVE POWER CONTROL」という名称の同一出願人所有の米国特許第6,033,399号に説明される。使用時、エンドエフェクタアセンブリ250は、1つ以上の憩室「D」を掴み、組織密封を達成するために1つ以上の憩室「D」を通って電気外科エネルギを適用するために用いられる。すなわち、エンドエフェクタアセンブリ250によって治療される各憩室「D」は、結腸内腔「L」の内部に対して密封(例えば、流体密封)され、その結果、結腸内腔からの望ましくない物質(例えば、糞便)は、憩室「D」の中に留まることを防がれる。いくつかの実施形態において、憩室「D」の密封は、図2A〜図2Dを参照して上記に説明される治療方法の後に行われる。すなわち、一旦憩室「D」が吸引されかつ/または洗い流され、薬剤(例えば、殺菌剤)を用いて治療されると、憩室「D」は、図6に関して上記に説明されるように密封され、望ましくない物質が憩室「D」に入るのを防ぎ、それによって、憩室炎エピソードの再発を防ぐ。
【0032】
向かい合うジョー部材の間に組織を掴むように協働する向かい合うジョー部材を含む、外科手術デバイス200などの双極鉗子のより詳細な説明に関して、2003年2月20日に出願された、「VESSEL SEALER AND DIVIDER AND METHOD OF MANUFATURING THE SAME」という名称の同一出願人所有の特許公開第2003/0229344号に参照がなされる。
【0033】
ここで図7を参照すると、一実施形態に従って憩室炎の再発を防ぐ方法は、結腸内腔「L」に対して憩室「D」を密封するために弾性のバンド300を用いることを含む。より具体的には、弾性のバンド300は、アウトポケットを締め付けるために憩室「D」の基底の周りに巻き付けられ得、それによって、結腸内腔「L」に対して憩室「D」を密封し得る。この方法で、望ましくない物質(例えば、糞便)が結腸内腔「L」から憩室「D」に入ることを防がれる。弾性のバンド300は、例えば任意の適切な材料(例えば、ゴムバンドまたは類似のもの)であり得る。対照する目的で、図7は、憩室「D」の周りに巻き付けられた弾性のバンド300を含む選択憩室「D」と、憩室「D」の周りに巻き付けられた弾性のバンド300のない選択憩室「D」とを含む。図7において方向矢印によって描かれるように、弾性のバンド300を用いて治療される憩室「D」は、結腸内腔「L」に対して密封され、その結果、望ましくない物質がそのような憩室「D」に入るのを防がれる。対照的に、図7において方向矢印によって描かれるように、弾性のバンド300を用いて治療されない憩室「D」は、結腸内腔「L」に対して密封されないで、その結果、望ましくない物質がそのような憩室「D」に入るのを防がれない。いくつかの実施形態において、弾性のバンド300を用いて憩室「D」を縛ることは、図2A〜図2Dを参照して上記に説明される治療方法の後に行われる。すなわち、一旦憩室「D」が吸引されかつ/または洗い流され、薬剤(例えば、殺菌剤)を用いて治療されると、バンド300は、図7に関して上記に説明されるように各憩室「D」の基底の周りに巻き付けられ、望ましくない物質が各憩室「D」に入るのを防ぎ、それによって、憩室炎エピソードの再発を防ぐ。
【0034】
ここで図8Aおよび図8Bを参照すると、一実施形態に従って憩室炎の再発を防ぐ方法は、結腸内腔「L」内において憩室「D」を内部で除去すること含む。より具体的には、吸い込みデバイス(例えば、アスピレータ40)は、図8Aに描かれるように、結腸内腔「L」の中に各憩室「D」を引き込むために利用され、適切なジョー型器具または鉗子(たとえば外科手術デバイス200)は、引き込み憩室「D」を結腸内腔「L」から切断するために利用される。このシナリオにおいて、デバイス200は、例えば選択可能で前進可能なナイフ(図示されていない)および/または電気切断デバイス(図示されていない)などの組織切断機構を含み得る。
【0035】
使用時、図8Aに例示されるように、デバイス10は、動作部分12が所望の憩室「D」に近づくように結腸内腔「L」内に配置され得、その結果、アスピレータ40は、各憩室「D」が「内側が外」型構成で配列されるように結腸内腔「L」の内部に各憩室「D」を吸い込むために利用され得る。図8Aに最も良く示されるように、一旦憩室「D」が結腸内腔「L」の中に引き込まれると、図8Bに描かれるように、デバイス200は、ジョー部材210、220の間に各引き込み憩室「D」を掴み、その後、組織切断機構を利用して各掴まれた憩室(図8Bにおいて「SD」として参照される)を切断するために用いられ得る。
【0036】
デバイス200などの選択可能で前進可能な組織切断機構を含む鉗子のより詳細な説明に関して、2003年2月20日に出願された、「VESSEL SEALER AND DIVIDER AND METHOD OF MANUFATURING THE SAME」という名称の同一出願人所有の特許公開第2003/0229344号に参照がなされる。いくつかの実施形態において、引き込み憩室「D」は、例えば外科手術ナイフなどの従来の切断機構(図示されていない)を用いて結腸内腔「L」から切断され得る。いくつかの実施形態において、上記に説明の引き込みおよびその後の憩室「SD」の切断は、図2A〜図2Dを参照して上記に説明される治療方法の後に行われる。すなわち、一旦各憩室「D」が吸引されかつ/または洗い流され、薬剤(例えば、殺菌剤)を用いて治療されると、各憩室「D」は結腸内腔「L」に吸い込まれるかまたは引き込まれ、その後、各憩室「D」は、図8Aおよび図8Bに関して上記に説明されるようにデバイス200または適切な切断機構を利用して切断される。この方法で、望ましくない物質が結腸内腔「L」から各憩室「D」に入るのを防がれ、それによって、憩室炎エピソードの再発を防ぐ。
【0037】
ここで図9を参照すると、別の実施形態に従って憩室炎の再発を防ぐ方法は、各憩室「D」の中に詰め物または充填剤「F」を注入するかまたは配置することを含み、詰め物または充填剤「F」は、憩室「D」を占拠し、その後、憩室「D」内おいて固体化するように構成される。この方法で、望ましくない物質が既に占拠された憩室「D」に入るのを防がれる。この使用のために構成される薬剤は、非接着性塞栓剤、セメントなどを含み得るが、これらに限定されない。充填剤は、例えば、アスピレータ40、洗浄デバイス50(図9に描かれる)、または図2A〜図2Dに関して上記に説明される針60のうちの任意の1つを利用して標的憩室に送達され得る。
【0038】
本開示の説明される実施形態は、制限的というよりはむしろ例示的であることが意図され、本開示のあらゆる実施形態を表すことは意図されない。文字通りにかつ法的に認められる均等物において、以下の特許請求の範囲に述べられる開示の精神または範囲から逸脱することなく様々な修正および変形がなされ得る。
【符号の説明】
【0039】
10 内視鏡治療デバイス
12 動作部分
14 シャフト
40 アスピレータ
50 外科手術デバイス
60 物質送達デバイス
110、120 カラー
150 スリーブ
210、220 ジョー部材
【特許請求の範囲】
【請求項1】
憩室炎の再発を防ぐシステムであって、
結腸内腔に沿って並んだ少なくとも1つの憩室に対して該結腸内腔内に配置されるように構成される半透過性スリーブと、
少なくとも第1のカラーおよび第2のカラーであって、該少なくとも第1のカラーおよび第2のカラーは、該半透過性スリーブの互いに対向する端部に配置され、該半透過性スリーブを該結腸内腔内に固定するために選択可能に放射状に拡張されるように構成される、少なくとも第1のカラーおよび第2のカラーと
を備え、
該半透過性スリーブは、該結腸内腔内から該少なくとも1つの憩室の中に望ましくない物質が透過することを防ぎ、該半透過性スリーブの外部から該結腸内腔の中に望ましい物質を透過させることを可能にするように構成される、システム。
【請求項2】
前記半透過性スリーブは、前記少なくとも第1のカラーと第2のカラーとの間に配置された少なくとも第3のカラーを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記半透過性スリーブは、S状結腸の長さに少なくとも部分的に沿って配置されるように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記半透過性スリーブは、少なくとも部分的に下行結腸に近位に固定されるように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記半透過性スリーブは、少なくとも部分的に直腸に遠位に固定されるように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記半透過性スリーブは、前記下行結腸と前記直腸との間に固定されるように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記半透過性スリーブは、前記結腸内腔内に選択可能に前進させられ、該結腸内腔から選択可能に引っ込められるように適合される内視鏡デバイスを介して経肛門的に該結腸内腔の中に挿入されるように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記半透過性スリーブは、該スリーブに配置される銀ベースの材料のウィーブを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記半透過性スリーブは、前記結腸内腔の感染を防ぐために抗菌剤でコーティングされる、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記半透過性スリーブは、前記結腸内腔からの組織の内部成長を防ぐように構成される薬剤でコーティングされる、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
前記望ましくない物質は糞便である、請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
前記望ましい物質は結腸によって生成される粘液である、請求項1に記載のシステム。
【請求項13】
前記半透過性スリーブは、布および織られたメッシュのうちの少なくとも1つから構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項14】
前記第1のカラーおよび前記第2のカラーは、前記下行結腸内に少なくとも部分的に近位にかつ、前記直腸内に少なくとも部分的に遠位に、前記半透過性スリーブを固定するために選択可能に放射状に外側に拡張されるように構成されることにより、該半透過性スリーブは、少なくとも部分的に前記S状結腸の長さに沿って配置される、請求項1に記載のシステム。
【請求項15】
憩室炎の再発を防ぐ装置であって、
結腸内腔に沿って並んだ少なくとも1つの憩室に対して該結腸内腔の周りに配置されるように構成されるスリーブと、
少なくとも第1のカラーおよび第2のカラーであって、該少なくとも第1のカラーおよび第2のカラーは、該スリーブの互いに対向する端部に配置され、該スリーブを該結腸内腔の周りに選択可能にするように構成される、少なくとも第1のカラーおよび第2のカラーと
を備え、
該スリーブは、該結腸内腔の方に該少なくとも1つの憩室を圧縮し、該結腸内腔内から該少なくとも1つの圧縮された憩室の中に望ましくない物質が透過することを防ぐように構成される、装置。
【請求項16】
前記第1のカラーおよび第2のカラーは、概ねc形状をしており、前記結腸内腔の周りにクランプ留めされるように構成される、請求項15に記載の装置。
【請求項17】
前記スリーブは、前記少なくとも第1のカラーと第2のカラーとの間に配置された少なくとも第3のカラーを含む、請求項15に記載の装置。
【請求項18】
憩室炎の再発を防ぐ装置であって、
結腸内腔に沿って並んだ少なくとも1つの憩室に対して該結腸内腔内に配置されるように構成された半透過性スリーブと、
近位カラーおよび遠位カラーであって、該近位カラーおよび遠位カラーは、該半透過性スリーブの互いに対向する端部に配置され、該半透過性スリーブを少なくとも部分的に下行結腸内に近位にそして少なくとも部分的に直腸内に遠位に固定するために選択可能に放射状に外側に拡張されるように構成され、その結果、半透過性スリーブはS状結腸の長さに少なくとも部分的に沿って配置される、近位カラーおよび遠位カラーと
を備え、
該半透過性スリーブは、該結腸内腔内から該少なくとも1つの憩室の中に望ましくない物質が透過することを防ぎ、該半透過性スリーブの外部から該結腸内腔の中に望ましい物質を透過することを可能にするように構成される、装置。
【請求項19】
前記近位カラーと遠位カラーとの間に配置され、前記半透過性スリーブを前記結腸内腔内に固定するために選択可能に放射状に外側に拡張されるように構成される少なくとも1つの他のカラーをさらに備えている、請求項18に記載の装置。
【請求項20】
前記半透過性スリーブは、前記結腸内腔からの組織の内部成長を防ぐように構成される、請求項18に記載の装置。
【請求項1】
憩室炎の再発を防ぐシステムであって、
結腸内腔に沿って並んだ少なくとも1つの憩室に対して該結腸内腔内に配置されるように構成される半透過性スリーブと、
少なくとも第1のカラーおよび第2のカラーであって、該少なくとも第1のカラーおよび第2のカラーは、該半透過性スリーブの互いに対向する端部に配置され、該半透過性スリーブを該結腸内腔内に固定するために選択可能に放射状に拡張されるように構成される、少なくとも第1のカラーおよび第2のカラーと
を備え、
該半透過性スリーブは、該結腸内腔内から該少なくとも1つの憩室の中に望ましくない物質が透過することを防ぎ、該半透過性スリーブの外部から該結腸内腔の中に望ましい物質を透過させることを可能にするように構成される、システム。
【請求項2】
前記半透過性スリーブは、前記少なくとも第1のカラーと第2のカラーとの間に配置された少なくとも第3のカラーを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記半透過性スリーブは、S状結腸の長さに少なくとも部分的に沿って配置されるように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記半透過性スリーブは、少なくとも部分的に下行結腸に近位に固定されるように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記半透過性スリーブは、少なくとも部分的に直腸に遠位に固定されるように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記半透過性スリーブは、前記下行結腸と前記直腸との間に固定されるように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記半透過性スリーブは、前記結腸内腔内に選択可能に前進させられ、該結腸内腔から選択可能に引っ込められるように適合される内視鏡デバイスを介して経肛門的に該結腸内腔の中に挿入されるように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記半透過性スリーブは、該スリーブに配置される銀ベースの材料のウィーブを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記半透過性スリーブは、前記結腸内腔の感染を防ぐために抗菌剤でコーティングされる、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記半透過性スリーブは、前記結腸内腔からの組織の内部成長を防ぐように構成される薬剤でコーティングされる、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
前記望ましくない物質は糞便である、請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
前記望ましい物質は結腸によって生成される粘液である、請求項1に記載のシステム。
【請求項13】
前記半透過性スリーブは、布および織られたメッシュのうちの少なくとも1つから構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項14】
前記第1のカラーおよび前記第2のカラーは、前記下行結腸内に少なくとも部分的に近位にかつ、前記直腸内に少なくとも部分的に遠位に、前記半透過性スリーブを固定するために選択可能に放射状に外側に拡張されるように構成されることにより、該半透過性スリーブは、少なくとも部分的に前記S状結腸の長さに沿って配置される、請求項1に記載のシステム。
【請求項15】
憩室炎の再発を防ぐ装置であって、
結腸内腔に沿って並んだ少なくとも1つの憩室に対して該結腸内腔の周りに配置されるように構成されるスリーブと、
少なくとも第1のカラーおよび第2のカラーであって、該少なくとも第1のカラーおよび第2のカラーは、該スリーブの互いに対向する端部に配置され、該スリーブを該結腸内腔の周りに選択可能にするように構成される、少なくとも第1のカラーおよび第2のカラーと
を備え、
該スリーブは、該結腸内腔の方に該少なくとも1つの憩室を圧縮し、該結腸内腔内から該少なくとも1つの圧縮された憩室の中に望ましくない物質が透過することを防ぐように構成される、装置。
【請求項16】
前記第1のカラーおよび第2のカラーは、概ねc形状をしており、前記結腸内腔の周りにクランプ留めされるように構成される、請求項15に記載の装置。
【請求項17】
前記スリーブは、前記少なくとも第1のカラーと第2のカラーとの間に配置された少なくとも第3のカラーを含む、請求項15に記載の装置。
【請求項18】
憩室炎の再発を防ぐ装置であって、
結腸内腔に沿って並んだ少なくとも1つの憩室に対して該結腸内腔内に配置されるように構成された半透過性スリーブと、
近位カラーおよび遠位カラーであって、該近位カラーおよび遠位カラーは、該半透過性スリーブの互いに対向する端部に配置され、該半透過性スリーブを少なくとも部分的に下行結腸内に近位にそして少なくとも部分的に直腸内に遠位に固定するために選択可能に放射状に外側に拡張されるように構成され、その結果、半透過性スリーブはS状結腸の長さに少なくとも部分的に沿って配置される、近位カラーおよび遠位カラーと
を備え、
該半透過性スリーブは、該結腸内腔内から該少なくとも1つの憩室の中に望ましくない物質が透過することを防ぎ、該半透過性スリーブの外部から該結腸内腔の中に望ましい物質を透過することを可能にするように構成される、装置。
【請求項19】
前記近位カラーと遠位カラーとの間に配置され、前記半透過性スリーブを前記結腸内腔内に固定するために選択可能に放射状に外側に拡張されるように構成される少なくとも1つの他のカラーをさらに備えている、請求項18に記載の装置。
【請求項20】
前記半透過性スリーブは、前記結腸内腔からの組織の内部成長を防ぐように構成される、請求項18に記載の装置。
【図1A】
【図1B】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図2D】
【図3A】
【図3B】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8A】
【図8B】
【図9】
【図1B】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図2D】
【図3A】
【図3B】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8A】
【図8B】
【図9】
【公開番号】特開2011−240137(P2011−240137A)
【公開日】平成23年12月1日(2011.12.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−107698(P2011−107698)
【出願日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【出願人】(510011673)タイコ ヘルスケア グループ リミテッド パートナーシップ (57)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年12月1日(2011.12.1)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【出願人】(510011673)タイコ ヘルスケア グループ リミテッド パートナーシップ (57)
【Fターム(参考)】
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