説明

懸濁液液体抜き取り装置および方法

この発明は、懸濁液から液体を除去する装置に関する。特に、この発明は、大容量の懸濁液内の固体を濾過して乾燥し、間隙と化学的に結合した液体を除去して100%完全な固体にする経済効果および資産効率手段として、懸濁液から水の抽出を促進するために真空圧、圧縮空気および放射熱を用いると共に、蒸気を除去するためにチャンバー内で空気流を用いる濾過装置に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この出願は、懸濁液液体抜き取り装置(Suspension Liquid Extraction Apparatus)および方法という名称で、2008年10月2日に出願された米国特許仮出願第61/194,999号の利益を主張する。
【0002】
(a)発明の分野
この発明は、懸濁液から液体を除去する装置に関する。より詳しくは、この発明は、大容量の懸濁液中の固体を濾過して乾燥し、間隙と化学的に結合した液体を除去して結果的に100%完全な固体にする経済的効果および資産的効果のある手段として、懸濁液からの水の抽出を促進するために真空圧力、圧縮空気および放射熱を利用すると共に、蒸気を除去するために真空チャンバー内で空気流を利用する濾過装置に関する。
【0003】
(b)発明の背景
懸濁液として知られる、液体と固体の混合物は、それを発生する産業界に対し、高価な処理問題を引き起こしている。処理されていない懸濁液は一般的に、水含有物の規則により、ごみ処理場に廃棄できない。規制が寛大であったとしても、運搬費がかかること、およびごみ処理費が重量に対応することから、未処理の懸濁液を運搬して廃棄することは、純固体部材に比べてはるかに高価である。
【0004】
さらに、そのような懸濁液の潜在的な使用範囲は、固体部材から液体成分を除去することによって実質的に拡大されることが多い。一般的に、乾燥した固体の価値は、余分な液体の除去に伴う重量の減少によって上昇し、それは廃棄および運搬コストの減少につながる。さらに、回収された乾燥固体は、それが他の産業や地方自治の用途に使用可能である(例えば、再生燃料)か、または懸濁液が紙、繊維、石炭又は鉱物スラリーを含む場合のように別の市場で販売可能であれば、経済的に価値があることがある。
【0005】
残念ながら、懸濁液の廃棄問題をめぐる仕事に対する取組みは、環境的な健全性に欠ける方法を採用していることが多い。例えば、多くの産業では、廃棄物のように懸濁液を、所有する池に捨てるが、そのような池は、数エーカーの実際の私有地を必要とする一般的に大きいコンクリート又はプラスチックで裏打ちされた人工プールである。懸濁液はそれらの私有池に貯留される一方、固体材料は時間がたつと重力のみの助けで底に落ち着く。ゆっくりとした進行であることは別にして、プールの裏打ちが環境の汚染につながる可能性によって、これは効率と環境のインパクトの両方の点から望ましくない解決策となる。
【0006】
産業的な懸濁液の池は、著しい現実的な困難性に直面する。池を保持することは、結果として貧弱な収益となる(乾燥固体百分率含有物)。受動的であると、能動的な分離に頼る装置に比べて、懸濁液の与えられた体積に対して固体から水を分離するのに長時間を要する。与えられた懸濁液の流速に対する出力を保つことは、能動的なシステムを使用する場合よも大きい面積を必要とする。遠心分離形処理機とベルト加圧という2つの能動分離システムは、各々が懸濁液の池よりも高い固体含有物を生産するが、60〜100%乾燥固体%の生産物を達成するために熱力学を利用する能力に欠ける。これらの能動的分離システムは、購入および運転費用が高価であり、産業的懸濁液の流速に対応する体積を処理するために、容易に規模が拡大又は縮小されない。与えられた時間内で処理できる材料の量に対する軽便さや制約の欠如もまた、顕著な限定要因である。
【0007】
従って、懸濁液から水を能動的に分離し、また、他の用途に使用されるために十分に乾燥した固体を生産する高速で効率的な方法と装置の必要性が認められる。
【0008】
発明の要旨
最も広い観点において、この発明は、液体と固体の混合物から液体を分離し、従来技術の制限と欠点から生じる1つ以上の問題を実質的に除去する装置と方法に関する。この発明は、特に、廃液(混合された水と廃棄物)又はスラリーを含む全てのタイプの懸濁液の固体から水やその他の液体を分離するのに適する。
この出願全体を通して、固体と液体の混合物は、懸濁液と呼ばれる。これは、懸濁する微粒子物質(固体)又は含有する著しい量の水又はいかなる他の液体のどのような組合せも含む。この発明の第1の使用は廃棄物の脱水であると考えられるが、液体と固体の混合物から液体を除去することを必要とする装置が、いかなる用途においても等しく有益であることは予期される。
【0009】
この発明は、懸濁液を受け入れて、少なくともしばらくは保持するための少なくとも1つの円弧状の容器を備え、その容器は懸濁液放出パイプ又は他の源からコンベアベルトへ流すことができる。その容器は、フィルタ付きの複数の円弧状の溝を有する内側の湾曲した側壁によって結合されたチャンバー又は区画室を備えることができる。実質的に気密の、好ましくは非透過性の柔軟な膜のようなカバーが、容器内に気密のシールを形成するために容器を覆うことができる。容器はさらに、コンベアベルトが懸濁液をチャンバー内に搬入したときにそこに閉じこめる装置を用いて、一連のチャンバーに分割できる。その装置は、コンベアベルトの周りを密封して容器内に分割チャンバーを形成する。
【0010】
チャンバーの各々は、非透過性基板から構成された容器シールによって分離され、分割壁シールを形成する。懸濁液は1つのチャンバーから次のチャンバーへ直接搬送され、液体除去処理は懸濁液の上で行われる。好ましくは、懸濁液は脱水処理が行われる間、約6分間各チャンバーに一時的に格納される。懸濁液は、コンベアベルトを用いて、第1チャンバーから第2チャンバーへ、その後、第3チャンバーへ搬送される。
【0011】
コンベアベルトは乾燥工程中、下から支持され、コンベアベルトが著しくねじれることを防止する。単一の6フィート(1.83m)×12フィート(3.66m)のチャンバー内で水銀柱23インチの圧力に達する真空状態によって、114,000ポンド(51.2トン)の力を非透過性膜からコンベアベルトへもたらすことができる。支持構造は、コンベアベルトの下側および溝の上側に適合する延伸金属構造又は金網のような力に耐えることができる材料から形成されるべきである。その延伸金属構造又は金網は、さらに、側壁に付設された一連の溝、好ましくは金属溝によって支持される。
【0012】
容器の蓋は、真空が印加されたときに、懸濁液に直接の力又は圧力として働くことができる膜から構成できる。真空は、容器内の第1チャンバーに溝を介して印加され、負圧によって懸濁液の液体成分が回収のためにフィルタと溝を介して加圧される。真空によって形成された負圧は、柔軟な非透過性の膜に作用して、その膜を真空の方へ引き寄せ、今度は懸濁液に上から正圧を印加してフィルタを介して懸濁液の液体を押し出す。容器内の物体から液体を抽出するために、各チャンバーにおいて膜の前後に圧力差が形成され、真空の方へ引かれる膜に対して圧縮力を形成する。
【0013】
側壁と溝の段階的なデザインは、排水口の近くの装置の底部と、装置の上部における濾過媒体を通過する液体の流速を均等にすることができる。これによって、懸濁液の下のフィルタの全表面領域および懸濁液の上の柔軟性を有する非透過膜に印加される真空圧が実質的に等しくなり、懸濁液の中の捕獲された(濾過された)固体を濾過媒体に等しく分散させることができる。柔軟なカバーは、全真空圧の大部分を吸収するように働く。そうすることによって、真空の全体の力は、時がたてば、柔軟な膜によって乾燥処理中に懸濁液に印加される。この力によって、水が低温で蒸発する負圧又は真空チャンバーが形成される。チャンバーに外部から熱を追加的に印加することによって、装置はさらに懸濁液の水の含有量を低減できる。
【0014】
液体除去処理は、複数のチャンバーに渡って行われ、容器内の生成物の固体成分に対して所望のレベルの乾燥を行うことができる。さらに、分離処理を早めるために加熱を利用することができ、この理由により、生成物を混合又は撹拌することができる。加熱された圧縮空気の射出、放射熱、圧力、マイクロ波および真空は、生成物又は懸濁液の固体成分から液体成分を迅速に除去するために使用できる。センサーや自動開放バルブは、内部真空圧が容認できない高レベルに達しないことを保証するために使用できる。
【0015】
この発明の第1チャンバーは、95%以上の液体含有量の懸濁液の固体から液体を分離するために使用できる。多くの液体を除去する第1チャンバーの効率を向上させるために、密封した剛体キャップを柔軟な膜の上に設置することができる。真空が懸濁液に印加されると、真空力はフィルタで捕獲された固体により部分的に吸収される。この場合、真空の力が、懸濁液の上の柔軟な膜に達するのに長い時間がかかることがある。柔軟な膜の上に剛体キャップを適用することによって、圧力を柔軟な膜に上からエネルギーをほとんど消費することなく加えることができる。キャップからの圧力は、柔軟な膜が懸濁液を加圧し、真空が膜に印加されるときに加圧動作させることを助ける。従って、キャップからおよび真空からの圧力が、懸濁液から液体を搾り取るように協力する。例えば、水銀柱23インチ又は11.3ポンド/平方インチ(psi)(77.9kPa)の真空および6psi(41.4kPa)のキャップからの圧力、合計17.3psi(119.3kPa)が、懸濁液に印加される。6フィート(1.83m)幅で12フィート(3.66m)長さのチャンバー内で、17.3psi(119.3kPa)の力が、179.366ポンド(81.4トン)の懸濁液への押圧力を生み出す。
【0016】
第2および第3チャンバーにおいて、1つ以上の圧縮および加熱空気射出、加熱および/又はマイクロ波に協同して真空が印加される。第1チャンバーと同様に、第2および第3チャンバーは溝を有する段階的側壁を備え、懸濁液から除去した液体を収集する。これらのチャンバーにおいて、圧縮および加熱された空気の真空チャンバーへの注入は、水の蒸発と除去のためである。圧縮および加熱された空気が、非透過性膜で構成された少なくとも1つの壁を備えたチャンバーに注入される。圧縮および加熱された空気が真空下のチャンバーに導入されると、空気は、例えば、100psi(689kPa)のような圧縮状態から、大気圧を経て、例えば水銀柱23インチ(77.9kPa)の真空圧のような膨張状態へ、膨張および/又は流速を増加する。
【0017】
第2および追加のチャンバーは、第1チャンバーのフィルタと溝のデザインを備える。第2および追加のチャンバーの真空と圧縮加熱空気とは、液体と気体は通過させるが懸濁液の成分の固体は通過させないフィルターに結合する間隙と化学的に結合した液体を効率よく蒸発させることによって、懸濁液の固体から液体を分離する。液体と気体がフィルタを通過すると、それらは溝の中に集められ別に格納される。
【0018】
真空の第1の利点は、水銀柱23インチ(77.9kPa)の圧力において、146oF(63.3℃)まで沸点を低下させることである。放射熱、マイクロ波放射および圧縮加熱空気は、懸濁液に適用され懸濁液を沸点まで加熱する。圧縮空気は空気の流速を低下させて懸濁液のより大きい面積を加熱する。圧縮空気が大気圧を経て膨張すると、加熱空気は分散して広い領域を加熱する。圧縮空気は上から連続的に射出される。懸濁液が、低下した沸点に働く熱から沸騰し始めると、圧縮空気は、フィルタを介して溝に入る水蒸気に、懸濁液から液体を蒸気を除去させる。マイクロ波と放射熱は、処理を促進する。
【0019】
水銀柱23インチ(77.9kPa)の圧力は、熱又は潜熱の最小量が懸濁液内の沸騰水から蒸気を生み出すのに必要とする真空圧力を表す。水銀柱23インチ(77.9kPa)の圧力を超えると、より大きな熱量が蒸気を生み出すのに必要となる。この発明は、懸濁液から水を除去する最も効率的な手段を創作する。
【0020】
装置の熱力学的解析は、低下した沸点と、間隙と化学的に結合した液体の蒸発と除去のための圧縮加熱空気と放射熱の利用との両方の利点を証明する。好ましい実施態様は、約300oF(148.9℃)の最小射出温度と、フィルタの表面積の10平方フィート(0.93m2)当たり100psi(639kPa)における時間当たり約900標準立方フィート(SCFH)(15.56℃および101.325kPaにける時間当たり25.5立方メートル)の射出速度を使用して、システムの容量を増大させる。空気は、懸濁液に連続的に注入され、真空によって水と蒸気と共に除去される。熱は放射ヒータを介して同時に加えられる。追加の加熱空気の射出および加熱放射またはマイクロ波加熱は、懸濁液の処理(又は乾燥)時間を低減するために使用することができる。
【0021】
システムの熱力学モデルの第1法則は次のように書くことができる。
mair・hair+mwater・hwater+msolids・hsolids+Qheat=mair・hair+mwater・hwater+msolids・hsolids
等号の左側において、3つの流れ(水、固体、および加熱空気)の入ってくるエネルギーは、各マスタイムインレットエンタルピー(mass times inlet enthalpies)(h)を用いて算出され、放射熱の項はQ(4kw加熱継続時間)である。等号の右側において、システムの結果として生じるエネルギーは、沸騰温度における種々のマスタイムインレットエンタルピーによって決定される。装置の実施試験条件(各種成分の量、空気流速および温度)を用いると、約146oF(63.3℃)で沸騰して液体を除去する4〜5分は、上記等式に一致する。放射ヒータにより与えられる加熱空気とエネルギーのエネルギー効果は、チャンバーの水銀柱約19〜23インチ(64.3〜79.9kPa)の真空における真空状態での蒸発を効率よく促進する。次の表は加熱空気と放射熱の温度上昇を示す。マイクロ波放射の使用は、沸点までの時間と装置のエネルギー効率をさらに改善する。
【表1】

【0022】
間隙と化学的に結合する水を蒸発させる加熱圧縮空気の作用に加えて、真空チャンバーに入るときの空気の流速も力で水分を除去するように作用する。懸濁液を通る空気の動きは、圧力変化によって、流速が増大する。結果的に、懸濁液を通る空気の動きは、フィルタを介して除去するために水分を移送するように作用する。このフロースルー乾燥処理は、残留水分を蒸発させて除去する熱と相俟って、懸濁液を乾燥させる非常に効率的な手段を提供する。
【0023】
容器の中の生成物の固体成分が十分なレベルまで乾燥すると、膜は、持ち上げられるかチャンバーから除去される。脱水されるか又は乾燥された生成物は、生成物の固体成分をほとんど含んでおり、コンベアベルトを回転して固体を固体容器に運ぶことによって、容器から除去することができる。また、チャンバー上の部分は、回収のため、またはフィルタおよび支持構造を持ち上げて固体を物理的に除去することによって、チャンバーの下の部分から乾燥した材料を引き出すための真空を備えることができる。いずれかの場合において、回復工程が完了すると、容器は再び懸濁液を受け入れる準備ができる。除去された生成物は、提案される使用に必要ならば、さらに乾燥に委ねられる。
【0024】
この発明は、産業における現在の乾燥方法より十分に優れた性能を発揮することができる。試験は、この発明の6分間の処理を受けた処理済み産業ヘドロが追加乾燥の結果として42%以上まで重量が減少し、完全な固体が約19〜20%から約69%まで増加したこと、および6分間の2サイクルによって完全な固体が約75〜80%まで増加することを示した。この発明は、少量の懸濁液および従来技術によって処理されるものより著しく多量の懸濁液を処理するようにその規模を決めることができる。
【0025】
或る実施態様において、この発明は、少なくとも1つの排水口とフィルタとを有する第1チャンバーを備えた容器と、柔軟な膜を支持する剛体のフレームを備えて前記第1チャンバーを密封できる蓋と、前記第1チャンバー内に前記少なくとも1つの排水口を介して真空を形成する手段とを備え、前記フィルタが前記柔軟な膜と前記少なくとも1つの排水口との間に設置され、真空を形成する前記手段によって形成される真空は、負圧が前記懸濁液の液体成分を押し出すように、前記柔軟な膜を前記フィルタとの間にある懸濁液に前記負圧を印加し、前記柔軟な膜が前記柔軟な膜と前記フィルタとの間にある前記懸濁液に対して正圧を及ぼすことができるように、かつ、前記正圧が前記懸濁液の液体成分を前記フィルタを介して押し出すように前記柔軟な膜に負圧を印加する。
この実施態様においてこの発明は、少なくとも1つの排水口と、フィルタとを有する第2チャンバーと、柔軟な膜を支持する剛体のフレームを備えて前記第2チャンバーを密封できる蓋とをさらに備え、前記フィルタが前記柔軟な膜と前記少なくとも1つの排水口との間に設置され、前記第2チャンバーが前記第1チャンバーと直列に結合される。
この実施態様において、前記第2チャンバーが複数の流入口を備え、加熱され圧縮された空気の空気流が前記複数の流入口を介して前記第2チャンバーに入り、前記空気流の少なくとも1部は懸濁液を通過し、前記空気流は前記少なくとも1つの排水口を介して前記第2チャンバーを出る。
【0026】
他の実施態様において、この発明は、湾曲した容器を備え、前記容器が少なくとも1つの排水口と、前記少なくとも1つの排水口への固体の出入りを限定するフィルタとを備え、蓋を備え、前記蓋が剛体のフレームと、前記剛体のフレームによって支持された柔軟な膜と、複数の流入口とを備え、加熱され圧縮された空気の空気流が前記複数の流入口を介して前記容器に入り、前記空気流の少なくとも1部が懸濁液を通過し、前記空気流が前記少なくとも1つの排水口を介して前記容器から放出され、前記容器を密封できると共に前記容器を1つ以上のチャンバーに分割できる密封機構と、懸濁液を前記1つ以上のチャンバーを直列に通って前記容器の外へ搬送できるコンベアベルトと、前記少なくとも1つの排水口に液体連通し真空を形成する手段とを備え、前記真空を形成する手段によって形成される真空は、負圧が前記フィルタを介して前記懸濁液の液体成分を押し出すように前記コンベアベルト上を搬送される懸濁液に前記負圧を印加し、前記柔軟な膜が、前記コンベアベルト上を搬送される前記懸濁液に対して正圧を及ぼすことができるように、かつ、前記正圧が前記フィルタを介して前記懸濁液の液体成分を押し出すように、前記柔軟な膜に負圧を印加し、加熱され圧縮された空気の空気流からの熱と、前記真空からの減少した圧力は、懸濁液の液体成分を気相へ転移させることが可能で、加熱され圧縮された空気の空気流の膨張は前記気体を前記少なくとも1つの排水口を介して前記容器の外へ搬送することが可能である。
【0027】
さらに他の実施態様において、この発明は、(a)懸濁液を第1チャンバーに搬送し、前記第1チャンバーは排水口への出入りを制限するフィルタを設け、(b)前記第1チャンバーを蓋で密封し、前記蓋は前記懸濁液に接触する柔軟な膜を設け、(c)前記第1チャンバーに前記排水口を介して真空を加え、それによって、前記真空は負圧が前記フィルタを介して前記懸濁液の液体成分を押し出すように前記懸濁液に前記負圧を印加し、前記柔軟な膜が前記懸濁液に対して正圧を及ぼし、前記正圧が前記フィルタを介して前記懸濁液の液体成分を押し出すように、前記柔軟な膜に負圧を印加する、懸濁液から液体を抽出する方法を備える。
この実施態様は、(d)前記懸濁液に対向する側面において前記柔軟な膜に剛体のキャップを適用し、前記剛体のキャップは、前記懸濁液に対し前記柔軟な膜によって及ぼされる圧力が増大するように、前記柔軟な膜に圧力を及ぼす追加の工程をさらに備えることができる。
また、この実施態様は、(d)前記第1チャンバーを開き、(e)前記懸濁液を第2チャンバーへ搬送し、前記第2チャンバーは排水口への出入りを制限するフィルタを設け、(f)第2チャンバーを蓋で密封し、前記蓋は前記懸濁液に接触する柔軟な膜を設け、(g)前記排水口を介して前記第2チャンバーに真空を加え、それによって、前記真空は、負圧が前記フィルタを介して前記懸濁液の液体成分を押し出すように、前記負圧を前記懸濁液に印加し、前記柔軟な膜が前記懸濁液に対して正圧を及ぼし、前記正圧が前記フィルタを介して前記懸濁液の液体成分を押し出すように、前記柔軟な膜に負圧を印加し、(h)加熱され圧縮された空気の空気流を前記懸濁液に適用し、それによって前記空気流からの熱と前記真空からの低下した圧力が前記懸濁液の液体成分を気相に転移させ、前記空気流の膨張が前記少なくとも1つの排水口を介して前記第2チャンバーの外へ前記気体を排出する、追加の工程をさらに備えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
この発明のよりよい理解は、添付図面と結合して次の説明を参照すると、得ることができる。
【0029】
図1(a)−1(c)は、懸濁液抽出装置の実施態様を示す。
【0030】
図2(a)−2(c)は、容器の溝の実施態様を示す。
【0031】
図3は、部分的に除去された支持構造を有する個々のチャンバーの内部を示す。
【0032】
図4は、コンベアベルトとフィルタを示す。
【0033】
図5は、懸濁液抽出装置の実施態様の後面図を示す。
【0034】
図6は、シール機構の図を示す。
【0035】
図7は、このシステムの熱と圧力を描いたグラフを示す。
【0036】
図8(a)−8(c)は、蓋の実施態様を示す。
【0037】
図9(a)−9(b)は、保持タンクの断面を示す。
【0038】
図10は、制御システムを示す。
【0039】
図11は、この制御システムの動作のフローチャートを示す。
【0040】
発明の詳細な説明
図1(a)−1(c)は、この発明の1つの形態を示し、その形態は、例えば廃棄物や液体と固体の混合物のような懸濁液を生み出す工業現場又は狭い範囲の現場で使用するための、直列に結合されたチャンバー11〜13にさらに再分割され得る、好ましくは円弧状又は湾曲状の形状の低い側面の比較的コンパクトで平らな容器を備える。円弧状が好ましいけれども、例えば、平坦な容器のような他のデザインも当業者にとって容易に明白となる。好ましい実施態様においては、容器10は3つのチャンバー11〜13にさらに分割される。容器10は地面に埋められることもあるし、あるいは又、地上にあって、必要に応じて安定性を保証するために適当なフレームに結合されることもある。また、他の選択は平台型トラック又はトレーラのように車輪に容器10を結合することであり、それによって容器10は1つの場所から他の場所に容易に搬送され、従って、移動可能となる。
【0041】
上述のように、容器10は断面が円弧状又は湾曲していることが好ましい。容器10は上部開口16を有する。円弧状デザインの好ましい実施態様は、長さ約36フィート(11.0m)、深さ約6インチ(15cm)、幅約6フィート(1.83m)の容器10の実施態様である。
【0042】
容器10は、対応する生成物を漏らしたりそれに反応したりすることに抵抗を示す適当に強い材料で作ることができる。容器10が構成される材料の例は、コンクリート、プラスチック、鋼鉄又は他の金属、好みによってアルミニウム、炭素鋼やステンレス鋼などを含むことができる(第1にすぐれた耐腐食性により)。特に、容器10は、工業現場に容易に搬入できるサイズの前もって製造された構成部品を備えることができる。その構成部品は、工業又は狭い範囲の現場で全体又は部分的に組み立てることができる。
【0043】
この発明の好ましい実施態様は、3つのチャンバー11〜13を有する。なお、それらのチャンバーは特定の懸濁液用に対して所望される数とタイプで組み合わせられる。この構成は一連の脱水工程を提供するという利点を有するので、連続処理における微少粒子の分離を可能にし、捕獲された固体を100%に近いレベルの完全な固体まで脱水するが、これは以下にさらに詳しく説明される。
【0044】
容器10は、その中に形成された複数の溝15を有する湾曲した内側壁14を備える。好ましくは、溝15は側壁14に形成されたほぼ円弧状の互に離れた溝であり、円弧状の性質のために、容器の底の中央領域に集まる。好ましくは、図2(A)を参照すると、溝15(A)は各真空装置50の近くに平行パターンを形成する。しかしながら、放射状のデザインが用いられてもよい。チャンバーの底の中央において、少なくとも1つの排水口17が設けられ、それを通して真空装置50が引く。
【0045】
さらに好ましくは、溝15(A)は平行をフィンのデザインを有するように形成され、溝15(A)は断面がほぼ円弧状で約6インチ(15.24cm)だけ離れている。フィンのデザインは側壁14の上端つまり先端からチャンバーの底の近くの1点まで連続的に延び、各溝から少なくとも1つの排水口17まで、流れに必要な十分な空間を備える。他の実施態様では、図2(B)に見られるように、溝15(B)は放射状のデザインを形成し、溝15(B)は側壁の上端つまり先端付近の溝15(B)広い寸法(例えば10インチ、つまり25.4cm)から底付近の、例えば中央付近の狭い寸法(例えば2インチ、つまり5.1cm)まで、先細りになっている。また、図3を参照すると最もよく分るように、溝は、好ましくは、容器10の先端付近の壁14の内面に対して、無限に小さい、例えばほぼ零インチ(0cm)の深さを有し、底付近では、例えば6インチ(15.24cm)の大きい深さまで増大する。いずれにしても、溝15はすべての流体(水)を、容器10の懸濁液から側壁14の底中央に、又はその近くに回収用に形成された出口つまり排水口17まで導くように働く。
【0046】
図3を見て理解できるように、例えば、エキスパンデッドメタル又は金網のような支持構造22が溝15の上に重なると共に、チャンバー内のコンベアから溝15を分離し、好ましくは、開口すなわち排水口17もカバーし、真空装置50がそれを介して引かれ、液体又は気体が再生される。この支持構造は形状が円弧状であってもよく、コンベアベルト20とフィルタ21の材料の下で、チャンバー11〜13内に単に設置されてもよく、また、その代わりに、コンベア20とフィルタ21の材料の下で、溝15と結合又はその上に重なる容器10用の個々の挿入物を備えてもよい。この支持構造22は、例えば、6フィート(1.83m)×12フィート(3.66m)のチャンバー11〜13の上の179.366ポンド(81.4トン)に等しい23インチの水銀柱(77.9kPa)の真空における17.3psi(119.3kPa)を上回るような最大の力に耐えることができなければならない。支持構造22は以下に述べるチャンバー11〜13間のコンベアベルトの動きを止めたり、真空装置50によってもたらされる吸引効果を防げたりしてはならない。その支持システムには、コンベアベルト20を支持してその動きを助けることが可能な内部ローラ(図示しない)を追加することができる。
或る実施態様においては、その支持システムは一連のローラ(図示しない)のみから構成される。また、重要なことは、その材料が空気や水の流れを考慮して腐食に強いものでなければならない。下にある溝15は、テフロン(登録商標)のような不活性材料で被覆され、表面の腐食を減らし流速を増すようにしてもよい。
【0047】
この発明の好ましい実施態様において、容器10は懸濁液の含有物を第1チャンバー11へ、チャンバー11からチャンバー12〜13へ、そしてチャンバー13の外へ搬送することが可能なシステムによって接続される。好ましい実施態様においては、図1aと図4とを参照して、そのシステムは、懸濁液の固体含有物を運ぶことが可能な、例えばコンベアベルトのような内部コンベアシステム20を備える。この発明のコンベアベルト20は、著しく伸ばされたり、曲げられたり、引き裂かれたり、又は役に立たなくされたりすることのないように、チャンバー11〜13内で生じる熱や圧力に耐えられる材料から作ることができる。この発明のコンベアベルト20は、例えば、多孔質のケブラ(登録商標)網又はステンレス鋼の網又はあや織りのような穴のあいた又は多孔質の材料のように、液体や気体を通過させ固体を制限して保持する半透過性でなければならない。
【0048】
コンベアベルト20は、少なくとも2つ、好ましくは4つ上の機械的ローラ23に沿って回転する約80フィート(24.4m)の長さで、約6フィート(1.83m)の幅のループデザインであることが好ましい。少なくとも2つのローラ23は容器10の外側に設けられるべきである。この発明のループはローラ23を回って容器10を貫通し、容器10の下でループを形成する。この発明のローラ23は、スリップすることなく、フィルタ21,コンベアベルト20および懸濁液を移動させる能力が必要であり、それらは800ポンド(363kg)以上の重量を有する。ガイド27は、懸濁液がフィルタ21の回りを移動することを防止するように働き、懸濁液がチャンバー11〜13の間を搬送されるように援助する。
【0049】
フィルタ21が設けられるが、そのフィルタは懸濁液から固体粒子成分をブロックし固体粒子成分を適所に保持し、かつ、懸濁液から液体や気体を通過させるに適した材料で構成されるべきである。フィルタ21は、織って作ったジオテキスタイルの形の合成ポリマーを基材とする織物又はステンレス鋼の網、又は綾織りのような選択的に多孔質の材料のシートからなる。勿論、この発明に用いるフィルタ21を選択するときに充分考慮すべきことは、分離される懸濁液中の固体粒子成分のサイズである。微少な固体粒子成分は、水や蒸気と共に固体粒子成分がフィルタ21を通過しないように微細な網目を必要とする。最も好ましい実施態様はミクロンベースの濾過作用が可能で、固体粒子成分のサイズに応じて5〜120ミクロンまで変化することができる。
【0050】
最も好ましい実施態様では、好ましい実施態様のコンベアベルト20が、懸濁液のフィルタ21として作動する。それとは異なり、コンベアとフィルタ21とは別の層であってもよい。この異なる実施態様では、フィルタ21はコンベアベルト20により搬送される。フィルタ21はコンベアシステムをしっかりと包み、懸濁液を搬送するのに必要なだけの支持体を備えるが、杯状の外観を備えるために若干湾曲するだけの柔軟性を有する。好ましい実施態様では、フィルタ21とコンベアベルト20とは、コンベアベルト20とフィルタ21の縁の近くの、および/又は中心線に沿った接着剤25,リベット、又は溶接により付着されてもよい。
【0051】
脱水される懸濁液は、種々の方法でコンベアベルト20に供給される。好ましい実施態様では、懸濁液は、以下に詳述するように、フィルタ21と蓋30との間に設けられた流入口28を有するポンプ(図示しない)を用いて搭載される。別の方法では、懸濁液は、上部開口16が蓋30で密封される前に、フィルタ21と膜31との間の上部開口16を介して上からチャンバー11〜13内へ直接注入されることが可能である。他の実施態様では、懸濁液は第1チャンバーの前にコンベアベルト20の上に直接搭載される。それから、コンベアベルト20が回転して懸濁液を第1チャンバーへ搬送する。最初の2つの実施態様のいずれにおいても、泥よけ45が、特に大部分が水溶液の場合に、搭載場所に設けられるべきである。
【0052】
容器10が複数のチャンバー11〜13に細分される場合に、約60%から99%が水である、チャンバー11〜13の懸濁液は、濾過工程中、蓋30とフィルタ21との間の注入口28を用いて連続的に第1チャンバー11へポンプで注入される。この実施態様では、フィルリム(fill rim)45が、第1チャンバー11の高さを延ばすために、チャンバー11の頂上に追加される。充填注入口28はフィルリムに沿って設置されるべきであり、充填流入口は、チャンバーに懸濁液をポンプで注入するための流入口を備える。懸濁液は、懸濁液の液体又は気体が真空装置50の作用で流出する速度に応じて連続的又は間欠的にチャンバー11へポンプで注入される。懸濁液は膜31の下にポンプで注入され、膜31は液体をフィルタ21の上から押圧する力として作用する。真空装置50は濾過工程中、連続的に適用され、懸濁液から最大量の液体と気体を抽出する。流入口28の流速が高いほど、膜からの真空圧が小さく、フィルタ21によって捕獲される固体がより均等に分配される。流速が低いほど非透過性膜によって生じる圧力は大きくなり、フィルタを介して除去される液体の速度が増大する。好ましくは、センサーがフィルリムの内部に設けられる。この発明のセンサーは、チャンバー11内の懸濁液の高さレベルを読み、オーバフローに対して監視する。懸濁液が上部開口16又はフィルリムまで上昇したときには、そのセンサーが制御システム70に信号を送りポンプを停止させることができる。
【0053】
或る実施態様においては、懸濁液がチャンバー11に搬入される前にポリマーが懸濁液に添加され、懸濁された固体の粒子サイズを増大させてそれらが濾過工程中に容易に捕獲されるようにする。或る化学組成物の電荷によって形成される電界は、帯電した粒子が互いに磁気的に反発する時、懸濁液内に格子状構造を形成する。この発明のポリマーは、その電荷が懸濁液内の液体の電荷と逆であり、分子を接合および凝固させる化学組成を有するべきである。凝固を促進することによって、液体を気体とが少なくとも1つの排水口17を介して容易に引きつけられ、固体がフィルタ21に捕獲される。
【0054】
懸濁液は、コンベアベルト20に沿ってチャンバー11〜13の間を移動する。コンベアベルト20がチャンバー11〜13の1つに懸濁液を搬入すると、コンベアベルト20は停止し、懸濁液を脱水工程にゆだねる。コンベアベルト20は自動で制御されてもよいし、手動で制御されてもよい。好ましくは、コンベアベルト20は約2〜6分間、チャンバー11〜13内に懸濁液を投入し、チャンバー11〜13内で懸濁液に実施される脱水工程の1サイクルを可能にする。
【0055】
コンベアベルト20が懸濁液をチャンバー11〜13内に設置すると、チャンバー11〜13は密封される。この発明は、真空装置50の使用を含むので、チャンバー11〜13は、大気圧より著しく低い点において気体圧力を十分に低くするように十分に密封されなければならない。容器10は、そのチャンバー11〜13と同様に、コンベアベルト20が懸濁液の含有物をチャンバー11〜13内に搬入し終わったときに密封される。この発明の容器10とチャンバー11〜13は、自動的に又は手動で密封可能である。
【0056】
容器10の上部はロック又は力を用いて容器10にクランプするように設計された蓋30を用いて密封される。好ましくは、蓋30は容器10の上に直接設置され、開口に平行である。好ましい実施態様の蓋30は、クランプ位置へ下げられることによって容器10に平坦にクランプする。別の実施態様においては、蓋30は貝ガラのデザインを備え、蓋30の1つのエッジは常に容器10の物理的に接続され、容器10のクランプ位置へこれらの非接続エッジを下方に回転させる。
【0057】
この発明の蓋30は、例えばファイバーグラス強化シリコンのような、空気と水に対して非透過性の柔軟な膜31を、図8(a)に示すように支持する剛性リム構造72から構成されるべきである。膜31は、例えば、400oF(204℃)を超える極度に高い温度に耐えることができなければならない。さらに、膜31は、乾燥工程中、懸濁液に圧力を与えるために柔軟で、かつ、容易に引っ張られ、圧縮されなければならない。容器10のエッジの近くの追加のシリコン又はゴムのガスケットとシールが、信頼性と接続性を助ける。それらが、例えばガスケットを用いて十分に密封されている場合には、空気ホース62と、例えばマイクロ波放射器や空気注入口のような他の構成要素が蓋30を貫通してもよい。蓋30を貫通するどの構成要素も密封され、歪を考慮して強化されて、真空装置50又はコンプレッサ61の機能を妨げてはならない。好ましい実施態様では、蓋30を貫通する構成要素は、剛体の蓋リム構造72を貫通することにより、柔軟な膜31に穴をあけることを回避する。
【0058】
蓋30の剛体のリム構造72は、コンベアベルト20にチャンバー11〜13間に懸濁液を搬送させる処理サイクル間で持ち上げられる蓋30を考慮する。剛体リム72は、蓋30をこわすことなく、又は膜31を破ることなく蓋30を昇降するための構造上の完全性を提供する。蓋30は、機械的、電気的、空圧又は好ましくは水圧式機構32によって昇降されるべきである。蓋30は外部装置を用いて昇降することができ、又その機構は例えば内部アコーディオン式液圧装置32を内蔵することもできる。
【0059】
好ましくは、容器10と蓋30とは、接触点においてシリコンで裏打ちされたエッジを有する。蓋30が容器10の上に下ろされると、シリコン、つまり第2シールは掛け金のように密封を強化する。堅牢なシールを保証する追加の手段は、例えば、蓋30と容器10との間にアコーディオン式の接続を形成するように用いられる。
【0060】
好ましい実施態様によれば、懸濁液を含む容器10は一連のチャンバー11〜13に細分され、その各々は使用中には完全に密封される。図5を参照して分るように、密封はチャンバーと容器の開放端との間に密封機構33,つまり剛体壁又はシール33のような材料のシールを用いて実施され、容器10の開放端によって実質的に気密なシールを形成する。好ましい実施態様では、壁又はシール33は、その材料が例えば強化シリコンや、天然又は合成ゴム、ネオプレン、又はそのようなゴム材料のような、シリコン又はゴム材料の第2源に結合するときに堅牢なシールを作ることが可能な材料で周辺に沿って裏打ちされる場合には、例えば、ステンレス鋼のような除去可能な、非透過性の壁又はシールである。
【0061】
異なるチャンバー11〜13と容器の開放端との間のシール33は、好ましくは、蓋30に離脱可能に取り付けられる。この実施態様のシール33は、好ましく円弧状をしたチャンバーの内周寸法に適合する寸法を有し、剛体であることが好ましい。蓋30が下降して全容器10のシールを形成するとき、追加のシール33が容器10内の各チャンバー11〜13のために形成される。蓋30がシール部品を適所に下降するときに堅牢なシール33を助けるために、容器10は、例えば、シリコンで裏打ちされた溝、シリコン片又はガスケットのようなレシーバー35を、シールの接触点に沿ってチャンバー11〜13内に備える。
【0062】
シール機構33は、コンベアベルト20がチャンバー内に入ってしまった後に、コンベアベルト20をクランプする。この発明に係る真空装置50の重要性により、厳格なシールが真空装置50の効果を最大限にするために必要とされる。もし、シールの完全性が危うくなった場合には、複数のチャンバー11〜13内に真空を形成するために必要な時間とエネルギーが著しく増大し、低温の空気がチャンバー内に導入され、さらに効率を低下させる。コンベアベルト20は、好ましくは、間欠的なシリコン片24を備え、シリコン片24は容器10内のチャンバー11〜13の数に対応する。コンベアベルト20のシリコン片24は、シリコン片24又は容器10内の溝に位置合わせされる。この発明のシリコン片24は、コンベアベルト20と同じ幅である。シリコン片24を用いて堅牢なシール33を形成するために、シリコン片が、シール機構33と各経路のレシーバー35との間に直接設置されることが重要である。蓋30が下降して、チャンバー11〜13間と容器11〜13の開放端においてシール33を形成するとき、そのシールはコンベアベルト20を上から押し付けて、コンベアベルト20のシリコン片24の点におけるコンベアベルト20上と、容器10内のレシーバー35上にフィルタ21を介して力を与える。
【0063】
各チャンバー間の堅牢な接続を助長するために、図6に示すような空気噴射孔36やブラシが、各チャンバーの始めと終わりに設けられる。空気噴射孔36は、シール機構33と、コンベアベルト20のシリコン片24とレシーバー35との間の接触点に空気圧縮機61によって与えられる圧縮空気を放出し、チャンバー11〜13間のシールの完全性を危険にさらすことによって真空装置50の機能を損なうことになる残りの懸濁液を清掃する。空気噴射孔36がシール機構33の接触点から残留物を十分に除去すると、シール機構33は正しい場所にロックする。この発明の空気噴射孔36は、下降してチャンバー11〜13を分離して密封する、チャンバー11〜13のシール機構33の底に沿って設けられることが好ましい。好ましくは、空気噴射孔36は、例えば約45oのような交互の角度で配置される。空気噴射孔36は、空気圧縮機61内で形成される圧縮空気を利用してもよいし、又、別の空気圧縮機61を用いてもよい。また、ブラシが残留物を除去するために用いられてもよい。この実施態様のブラシは、チャンバー11〜13間のシール機構の底に設け、シールの接触点を清掃するために回転するようにしてもよい。
【0064】
図6に示すような、別の、又は関連する実施態様では、電子の眼38が各チャンバーの分離壁に、またはその近くに設けられる。この発明の電子の眼38は、2つの機能を備える。電子の眼38の第1の機能は、シリコン片24とシール機構33とが整列する前にベルトコンベア20が回転すべき距離を決定することである。電子の眼の第2の機能は、この発明の空気噴出孔26がシリコン片24とシール機構33によって堅牢なシールを与えるためにシリコン片24を十分にぬぐったか否かを決定する源を提供する。
【0065】
特に乾燥した生成物や産物が要求されるとき、又は最初の懸濁液が約90%の水より大きいときには、容器10は複数のチャンバー11〜13に細分されるべきである。好ましくは、チャンバー11は、最初に水を含む懸濁液を、チャンバー12〜13の前に予め漉すために設けられる。この発明は、使用者の裁量で第1チャンバー11を迂回して供給源をより効率的に使用して懸濁液を脱水することができる。チャンバー11は、システムの設計により、あるいは、制御システム70に操作により迂回されてもよい。
【0066】
膜31の片側において真空装置50を引くことにより、チャンバー11〜13の蓋30の膜31の前後に圧力差が生じる。標準の真空装置50のポンプ、モータ等はチャンバーの基台に設けられた少なくとも1つの排水口を介して真空チャンバーを形成し、膜31に負圧を印加する。また、真空装置50を起動する前に、液状の懸濁液に自然に重力をもたらしてエネルギーを節約することも可能である。
【0067】
チャンバーと溝は、デザインが円弧状又は平面上であってもよい。溝15の好ましく円弧状をしたデザインは、含有物の表面の前後に分布する実質的に等しい圧力差を提供し、フィルタ21によって捕獲される固体の分布をより均一にすることができる。この方法において、膜31に外から印加される大気圧と、チャンバー11〜13内で膜31の内側に印加される真空装置50の圧力とが、膜31とフィルタ21間で懸濁液を「絞る」力を及ぼす。1つが6フィート(1.83m)×12フィート(3.66m)のチャンバー11〜13内において、約11.3psi(77.9kPa)が達成されるが、それは23インチの水銀柱(77.9kPa)の圧力における約114,000ポンド(51.7トン)の力である。結局、36フィート(11.0m)×6フィート(1.83m)の容器は、約342,000ポンド(155.1トン)の力を達成することができる。ここに適用される圧縮は、チャンバー11〜13から、フィルタ21を介して溝15の中へ少なくとも1つの回収用排水口17を介して、水のような液体を絞り出す。しかしながら、固体はフィルタ21の結果として通過を妨げられる。その後、残留する懸濁液はさらに脱水処理を受けることができる。
【0068】
或る実施態様では、密封された剛体のキャップが第1チャンバー11内の膜31の上に設置される。膜31の上に剛体のキャップを置くことによって、膜31に上から圧力を加えることができる。好ましい実施態様では、剛体のキャップが膜31に約6psi(414kPa)の圧力を及ぼす。この好ましい実施態様では、6フィート(1.83m)×12フィート(3.66m)の第1チャンバー11内で、約17.3psi(119.3kPa)が達成されることが可能で(真空装置50からの11.3psi(77.9kPa)、キャップからの6psi(41.4kPa))、それは水銀柱23インチ(77.9kPa)の圧力における179,366ポンド(81.4トン)の力である。
【0069】
第2と第3のチャンバー12〜13に、圧縮され加熱された空気が、真空装置50および1つ以上の熱放射器60又はマイクロ波放射器と共同して注入される。真空装置50は各チャンバー11〜13の底に設けられる。1つ以上の真空装置50が1つのチャンバーに付設されてもよい。各真空装置50は少なくとも1つの排水口17を介してチャンバー11〜13に付設される。好ましい実施態様では、各チャンバー11〜13の真空装置50は、別々に制御される。この発明の真空装置50は、乾燥処理期間にチャンバー11〜13内に水銀柱約19〜23インチ(64.3〜77.9kpa)の真空圧、さらに好ましくは、大気圧の約35%に等しい水銀柱23インチ(77.9kpa)の圧力を形成する。図7に見られるように、水銀柱23インチ(77.9kpa)の圧力が、システムの最大の効率を与える。水銀柱23インチ(77.9kpa)の圧力は、水を沸騰されるに必要なエネルギー(熱)が最小となる圧力を表している。水銀柱約23インチの圧力を超えると、水を気化させるに必要なエネルギーは実質的に図7に示すように増加し、0インチ(0kPa)は大気圧を示し、30インチ(101.6kPa)は全真空装置50である。沸点が減少することにより、水は懸濁液からより容易に除去される。真空装置50は水の沸点を大気条件つまり水銀柱0インチ(0kpa)の圧力下の212oF(100℃)から水銀柱23インチ(77.9kpa)の圧力へ減少させる。好ましい実施態様では、真空装置50はチャンバー11〜13内において、約10秒以内で水銀柱23インチ(77.9kpa)の圧力を達成することができる。
【0070】
真空装置50は、システムが液体から気体への移層中にエネルギーを吸収するとき、より効率的な吸熱処理を行う。飽和温度における気体と液体のエンタルピーの差が潜熱として定義される。真空装置50は負圧を用いて膜31の前後に圧力差を形成するが、膜31は気体を液体の両方のエンタルピーを減ずる。水銀柱23インチ(77.9kpa)の圧力を超えると、液体のエンタルピーの減少が気体のエンタルピーの減少より大きくなり、気化に要する潜熱が増大する。例えば、液体から気体への移相に要するエネルギーとして定義される潜熱は、気体つまり蒸気に移行するときに、水粒子間の吸引力にうち勝つためのエネルギーを必要とする。水銀柱19〜23インチ(64.3〜77.9kpa)の圧力範囲で真空装置50を適用することは、水の気化するために必要な潜熱の最低レベルを達成する。この発明を懸濁液に適用することは、懸濁液を脱水する最も効率的な手段を提供する。
【0071】
空気圧縮機61は、多岐管65又は空気分配チューブ又はパイプを介してチャンバー11〜13に付設される。空気圧縮機61は好ましくは、空気を約100psi(689kPa)まで圧縮し、圧縮した空気を貯える。多岐管65は空気圧縮機61の空気流を、単一の流れから流入口68によりチャンバー11〜13に接続された複数の流入パイプ69へ転送する。或る実施態様では、多岐管65は空気圧縮機61の空気流を、流入パイプ69に接続された複数ヒータ66へ転送する。流入口68は、ヒータ66への入口において分離した溝に空気の流れを平等に分けることによりヒータ66の各々に、空気圧縮機61による等しい圧力分布が与えられるように配置される。他の実施態様では、空気圧縮機61の空気流はヒータ66に導かれた後、多岐管65によって複数の溝に転送される。この発明の多岐管65は、多岐管65を横切って等間隔に配置された流入口68を有する直線状又は放射状のデザインを備えることができる。好ましい実施態様では、多岐管65はソレノイドを備え、空気の流れは、異なるときに異なる溝に導かれ、与えられた流入口68を介して空気流を脈動させる。好ましい実施態様では、図8(b)と8(c)に示すように空気流入口パイプ69は蓋30に付設されたシール機構33を貫通して、膜31に穴をあけることを避ける。多岐管65と流入口69の他の構成は、もし、空気圧縮機61からの空気流の均等な分布を考慮すると、当業者にとって容易に明らかになる。例えば、有益な方法で空気流を均等に分散させるための種々のサイズの溝を提供することは利点となる。さらに、チャンバーに入る前に空気が加熱されると、多岐管65は好ましく断熱されて熱損失を低減する。
【0072】
好ましい実施態様では、空気の圧縮からの熱は、エネルギーの使用料を低減するために使用される。大部分の工業的な空気圧縮機は、圧縮したときに格納するために空気を冷却する。空気分子を圧縮する動作は、自然的に空気の運動エネルギーおよび温度を増大させる。空気圧縮機61に結合した冷却器を迂回又は除去することによって、空気温度を射出うるための所望の範囲まで上げるために、追加のエネルギーはほとんど必要ない。
【0073】
空気が圧縮されると、空気は空気乾燥システム内に戻される。空気は自然に液体の分散粒子を含む。空気が圧縮されると、さらに水蒸気が形成される。空気乾燥システムは、加圧されてチャンバー11〜13内に射出される前に、空気圧縮機61の後に設置されるべきである。空気乾燥機は空気から水蒸気を除去し、チャンバー11〜13内のパイプ内の腐食の可能性を低減させる。
【0074】
空気は、乾燥された後で、予備加熱のためにチャンバー11〜13内に戻される。好ましくは、空気のチューブおよびパイプは、容器内で放射熱源60の近傍に導かれ、約250oF(121℃)の予め加熱された空気を提供する。好ましい実施態様では、放射熱源60にさらされた容器10を介して空気チューブを予め加熱した後、空気が直列に加熱される。この発明の直列ヒータ66は、単一のチャンバーに対して全ての空気を加熱するように設計されてもよいし、単一のチャンバーに対して複数の直列ヒータ66を用いるように設計されてもよい。射出前の熱損失を低減するために、直列ヒータ66は、流入口68の近くで懸濁液との接触点に設置されることが好ましい。ヒータ66は、好ましくは、直列の空気流がヒータ66への損傷を防止するために存在しない場合には、作動しない。予め加熱される空気は約450oF(232℃)の温度まで加熱され、熱損失が容器10への搬送によって生じた後で、温度は懸濁液との接触点において、300oF(149℃)〜450oF(232℃)の範囲内にある。
【0075】
放射熱源60は、チャンバー11〜13内に収容される懸濁液の温度を上昇させ蒸発を促進するために設けられる。多くの用途では、産物を加熱することは、濾過作用の速度を増大させ、かつ、蒸発乾燥の速度を増大させることによって、乾燥の速度を速める。さらに、圧力が全ての液体の気化温度を低下されるとき、負圧は、低レベルの誘導熱が液体を気体に変えて懸濁液から安全に除去するようにする。
【0076】
蒸発を生じさせるために、放射熱源60は容器10に使用され、上述のように、懸濁液内の固体から液体を分離する処理を高速化すべきである。チャンバー11〜13内の圧力が好ましい水銀柱23インチ(77.9kPa)の圧力まで低下すると、気化温度は好ましい146oF(66.3℃)まで低下する。
【0077】
フィルタ21に接触しないように、かつ、懸濁液を燃焼させないように、溝15の周り又は溝15を貫通するように設けられた、赤外線の又は最も好ましくは図3に示すようなコイル状の又は好ましくは4000W加熱要素60のような加熱要素を用いた放射熱源60が、容器10を外部から加熱することによって導入されてもよい。放射熱源60は、コンベアベルト20の下で、少なくとも1つの排水口17の上に設置されるべきである。放射熱源60は、懸濁液と容器10を加熱するという付加的な利点を提供する。熱が、圧縮され加熱された空気と共にチャンバー内に導入されると、懸濁液は低下した気化温度前加熱される。懸濁液の温度が水銀柱23インチ(77.9kPa)の真空圧で146oF(66.3℃)より高くなると、懸濁液内の水は蒸発し始める。好ましい実施態様では、チャンバー11〜13内の温度は、約250oF(121℃)であり、各チャンバー内で6分周期の好ましい期間にわたって、懸濁液はその低下した沸点に達する。
【0078】
さらに、チャンバー内の熱損失を低減するために、容器10は1つ以上の外部シェルすなわち断熱材29を備えることができる。外部シェルは、例えば容器10と同じ又は類似の材料で構成されてもよい。断熱材29は、例えばファイバーグラス又は空気のような材料から構成できる。外部シェルは容器10より若干大きくすべきである。外部シェルすなわち断熱材29を用いることによって、放射熱が失なわれなくなるので、チャンバー11〜13内の温度はより速やかに250oF(121℃)に達することができる。
【0079】
メーザー(登録商標)のマイクロ波によって与えられるマイクロ波放射が、懸濁液の固体からの液体の除去を促進するために用いられてもよい。好ましくは、約2450MHzの周波数で、12.24cmの波長を有するマイクロ波放射は、残留水が懸濁液の乾いた領域を通過するときに残留水を有する領域の加熱を促進し、水の分子と捕獲された液体をその沸点まで励起するように作用する。マイクロ波放射は、例えば乾燥した汚物のような或る材料を通過できるが、例えば金属のような他の材料は通過できないので、有益である。マイクロ波放射は、膜31,シールおよびフィルタ21間でチャンバー11〜13内で反射し、水分子を回転させて熱を生成し、懸濁液内の水分子を蒸発させることができる。マイクロ波放射は、ポケット内に存在するか、又は加熱気流や熱放射器60によって影響を受けない液体を励起して加熱する能力を提供する。マイクロ波放射は、乾燥処理を促進して液体を懸濁液からより早く蒸発させる。
【0080】
圧縮され加熱された空気が、空気流入口を介してチャンバー11〜13内に射出される。好ましい実施態様では、射出空気の流れは脈動し、それによって、流入口68のほとんどは同時に空気流を受け入れることはない。射出速度は真空装置50を水銀柱19インチ(64.3kPa)の圧力以下まで低下させるべきではない。好ましい実施態様では、100psi(689kPa)における約5000SCFH(15.56℃および101.325kPaの条件下で141.6m3/時)よりも大きい射出速度が各チャンバー内に射出されてシステムを加熱し、システム内を真空装置50の適当なレベルに保持すべきである。この発明の流入口68は、膜31の下に等間隔に設けられ、圧縮された加熱空気の均一な分布を、空気圧縮機61によって射出された空気から懸濁液に与える。多岐管65を流入口68に接続する流入口パイプ69は、膜31,好ましくは、蓋30の剛体リム、又は蓋30に付設されたシール機構を通過する。流入口68への一様な圧縮分布は、圧縮空気の効率を保持するために重要である。流入口68への空気の一様な分布を達成するために、多岐管65は、空気圧縮機から空気流を等しく受け入れるように設計されなければならない。
【0081】
好ましい実施態様では、この発明の流入口68は、懸濁液の上に等間隔で設けられるべきである。流入口68からの均一な分布は、加熱効果を与えるために、懸濁液上に、加熱され圧縮された空気の均一な膨張を与える。空気がその凝縮状態から膨張状態まで膨張すると、空気の低い流速は、大量の懸濁液を効率よく加熱することができる。圧縮空気とチャンバー11〜13との大きな圧力差によって、空気は非常に早く膨張する。所望の効果を達成するために、圧縮空気の流入口68は、懸濁液の上に直接又は極めて近傍に設けられるべきである。加熱空気および懸濁液に接近することにより、流入口68を通る空気の均一な分布が、加熱され圧縮された空気の効率に対して重要である。変遷侵入型で化学的に結合した水を蒸発させる、加熱され圧縮された空気の動作に加えて、チャンバー11〜13に入ったときの空気の流速も、力によって水分を除去するように働く。懸濁液を通る空気の運動は、圧力変化により流速が増大する。結果的に、懸濁液を通る空気の運動は、フィルタ21を介して水分を運んで除去するように働く。この空気の流れによる乾燥処理は、残留水分を除去するために蒸発させる熱移動に結合して、懸濁液を乾燥させる非常に効果的な手段を提供する。
【0082】
この発明の流入口パイプ69は、膜31の下に直接設けられ、各流入口パイプ69は複数の流入口68を備える。或る実施態様では、図8(b)〜(c)に示すように、この発明は4本の平行な流入口パイプ69を備え、各流入口パイプ69は十分な数の流入口68を備え、流入口68は約6インチ以下で離れている。
流入口パイプ69は、チャンバーの好ましい円弧に対応するために種々のサイズを備えてもよい。好ましくは、流入口68は、下向きの角度で、好ましくは交互の45oの角度で、交互に配置されるべきである。流入口68の空気孔のサイズは、空気圧縮機61,多岐管65および一列のヒータの熱力学関数として決定される。流入口パイプ69は、圧縮され加熱された空気を懸濁液との接触点において、チャンバー11〜13内に導入する。流入口パイプ69は例えばステンレス鋼のような弾性材料で作られる。好ましくは、例えばテフロン(登録商用)板のようなジオテキスタイルが各流入口パイプ69の周りに嵌め込まれ、懸濁液が流入口パイプ69を覆ったり、流入口68に入り込むことを防止する。この発明のジオテキスタイルは、燃えたり、溶解したり、又は分解したりすることなしに高熱に耐えることができなければならず、空気を自由に懸濁液内に流入させるべきである。
【0083】
空気が射出されると、空気はその圧縮状態から直ちに膨張し、例えば100psi(689kPa)から大気圧を経て、例えば水銀柱23インチ(77.9kPa)の圧力のような膨張状態になる。空気が膨張すると、それは大きな領域を覆い、大量の懸濁液を加熱することができる。圧縮空気は、懸濁液の著しく大容積の懸濁液を効率よく加熱するために空気に低い流速を与え、システムの効率を向上させることになる。
【0084】
熱放射要素60によって与えられる熱と共に働く圧縮空気によって与えられる熱と、マイクロ波とが懸濁液を蒸発させる。空気圧縮機61から導入される射出空気の流れは、真空装置50によって、この発明の懸濁液を介して速やかに引かれる。空気流が少なくとも1つの排水口を介して保持タンク51に引き込まれると、その空気流はチャンバーから水とその蒸気とを搬出する。この発明の真空装置50は、粒間にあり化学的に結合した液体が懸濁液から蒸発して除去される機構を形成するが、例えば圧縮空気により形成される空気流のような力なしには蒸気はチャンバーから除去されない。膜31の前後の圧力差は液体と蒸気のいくらかを除去する圧縮効果を生み出すが、真空装置50の第1の効果は液体と蒸気間の流れのない環境において生じ、そこでは、例えば圧縮空気の膨張のような流れのない力は存在せず、分子がチャンバー内で自由に浮遊し、フィルタ21を介して少なくとも1つの排水口17に搬送されない。乾燥処理における圧縮空気の流れは、懸濁液を放射熱源60単独より大きい約50oF(37℃)に加熱すると共に、圧縮空気、放射熱源60およびマイクロ波放射の熱により形成さえた蒸気を除去するという二つの利点を提供する。
【0085】
さらに、回転混合ブレードのようなミキサー又は撹拌器は、コンベアベルト20内の乾燥物を撹拌するために設けられてもよい。この実施態様又は開示されたいずれの実施態様においても、機械的なミキサーの代わりに、空気噴射口56を適用したり、溝15を介して空気を逆流させるために真空装置50のモータを逆転させたりすることによって含有物を撹拌することができる(それは、使用する膜31の相対的な透過性に応じて圧力開放バルブを開放したりしなかったりする)。これは容器10に散布機能を与える。
【0086】
第2および追加のチャンバー11〜13は、フィルタ21と第1チャンバーの溝構造を備える。真空装置50と第2追加チャンバー11〜13の圧縮加熱空気は、膨張する空気により液体と蒸気がフィルタ21を介して押されると、懸濁液の固体から液体を分離する。分離した力がコンベアベルト20のフィルタ21に関連して使用され、フィルタ21は空気や液体や蒸気を通過させるが、懸濁液の組成物の固体が通過することを阻止する。フィルタ21を液体や気体が通過すると、液体は溝15に集められ、保持容器10内に分離して貯えられる。
【0087】
真空装置50と空気圧縮機61と熱との総合的な効果によって、懸濁液の液体が蒸発する。真空装置50の第2の利点は、懸濁液から分離された液体と気体がフィルタ21と真空装置50を介して保持タンク51へ引き込まれることである。この発明の保持タンク51は、一連のバッフル52の使用を含み、一連のバッフル52は少なくとも1つの排水口17と真空装置50との間の水の流れを阻止する。図9(a)−(b)は、上壁を除去した保持タンクを示す。バッフルは、開放空間により交互の端部で接続された一連のチャンバーであり、バッフル52間に空気を流す。チャンバーからの空気によって運ばれる液体や蒸気を捕獲するために、バッフル52の間にスクリーン53が設けられることが好ましい。空気がスクリーン53を通過すると、液体と蒸気はスクリーン53に衝突し、保持タンク51の底に集まる。この発明のタンクはまた、例えばタンクに冷水を走らせる液化パイプのような液化を促進する低温源を備える。好ましい実施態様では、液化パイプを走る水は約75oF(23.9℃)である。タンクは、懸濁液から抽出された気体や液体を冷却する手段、ガスの場合には保持タンク51から吸い出される前に液化する手段を提供する。各チャンバー11〜13はそれぞれの保持タンク51を備えてもよい。各保持タンク51は、チャンバー11〜13から除去された懸濁液からの全ての液体を保持して効率よく凝縮するだけの大きさである。各チャンバー11〜13が分離した保持タンク51を有する場合には、第1の保持タンク51は、ほとんどが水のような懸濁液からの全ての液体を保持できるだけの大きさでなければならず、第2および追加の保持タンク51は、徐々に減少する量の液体が各々の後の乾燥工程で排水されるので、より小さくてもよい。保持タンク51は、各乾燥工程時又はその後で空にされてもよく、手動又は自動で空にされてもよい。自動化されたポンプ又は始動ポンプがタンクを空にするために各保持タンク51に付設されてもよい。保持タンク51の出口は、排出が真空装置50の処理に干渉したり、妨げたりしないように、排出の初めから終わりまでの水のレベルよりも低くすべきである。
【0088】
追加のチャンバー11〜13は、初期の懸濁液に存在する液体の体積、サイクル時間、レベルや化学的な特性、他の物の間でチャンバー11〜13内で達成され得る圧力と熱のような要因によって、残留固体が意図された目的に対して十分に乾燥するまで、要求に応じて追加される。好ましい実施態様では、液体除去工程は各チャンバーに対して約2〜6分続くが、乾燥の期間とレベルは、懸濁液の種々の化学組成物によって変化することができる。追加チャンバー11〜13が所望の乾燥レベルを達成することを必要とするか否かを検出するために、乾燥測定器やセンサーが製品内で用いられてもよい。また、乾燥ではなく早い速度が所望であれば、2つ又は唯一のチャンバーを備えたこの発明の実施態様が用いられる。好ましい実施態様では、この発明は、3つのチャンバー11〜13内で、95%以上の液体量を含む懸濁液を30%以下まで低減することができるべきである。より乾燥した産物が必要とされれば、処理工程は複数回くり返されるか、又はサイクル時間が増加されてもよい。しかしながら、微粒子を含む産物に対して特に、いくらかの残留水分が望ましいことが多く、微細な固体が取り除かれ、最小の損失で搬送される(つまり、残留水分はバインダーとして働く)。
【0089】
センサーおよび圧力開放バルブをチャンバー11〜13に結合し、システムへの損傷が生じないようにしてもよい。これらのバルブは、システムが真空装置50により水銀柱23インチより高くなることを制限するように電気的に設定され、コンベアと支持構造22への過剰な力を防止する。センサーは真空装置50と熱の最適レベルを維持する。圧力センサーは、開放バルブを検出して駆動させ内部圧力を開放および制御するか、真空装置50の出力を低下させるために使用される。
【0090】
好ましくは、システム内の熱は、熱電対からの読みを用いて制御される温度である。この実施態様では、熱電対は、チャンバーに注入される空気流の温度を計測する。熱電対はシステム内のどこに設けられてもよいが、最も好ましくはチャンバー、懸濁液、保持タンク51および真空装置50のポンプ内である。この発明の熱電対は無線でも有線でもよいし、プローブを用いて補足されてもよい。制御システム70は、図10を参照して多分最もよく理解されるように、例えばプログラマブルロジックコントローラ(PLC)のようなプログラム可能なデザインで例示されるべきであり、熱電対の読みに基づいて温度を制御することができる。この発明の温度制御は自動的又は手動的に達成される。手動の実施態様では、バルブは多岐管65に接続され、空気流を増減する。好ましい実施態様では、温度制御は自動的である。この実施態様では、空気流バルブとヒータ出力は自動的に温度を調整してチャンバーに入る空気と体積を調整する。
【0091】
制御システム70が設けられ、そのシステムはいくつかの又はすべての工程を自動制御するハードウェアとソフトウェアを備え、空気の加熱、空気の乾燥、空気の射出、真空装置50のポンプの適用、容器10を介してのコンベアベルト20の回転、蓋30の昇降、チャンバー11〜13間のシールの形成を、他の工程の間に備えるが、これに限定されない。センサーと自動開放バルブは、真空装置50の圧力を最適に調整するために用いることができる。制御システム70は、プロジェクトロジックコントローラーズ23(PLC's)を備え、論理コースの操作を提供する。例えば、図11は一例を提供するが、その例では、放射熱源60をオン、懸濁液フィルをオン、真空装置50のポンプをオン、マイクロ波加熱をオン(もし可能なら)、空気射出をオン(懸濁液に対して膜31を完全に加圧することを可能にするために可能な中止)、直列ヒータをオン、完全なサイクル時間、直列ヒータをオフ、真空装置50のポンプをオフ、マイクロ波をオフ、空気射出をオフ(遅れがヒータを冷却する)、蓋30と膜31を上昇、コンベアを作動させて懸濁液を搬送、空気噴射36、ブラシおよびフィルタ21のクリーナをオン、空気噴射36、ブラシおよびフィルタ21のクリーナをオフし、そして、それをくり返す。
【0092】
制御システム70は、システムと遠隔地からのデータを監視するワイドエリアネットワーク(WAN)とローカルエリアネットワーク(LAN)とを提供できる。WANとLANの制御およびネットワークは、遠隔通知と監視を可能にし、遠隔でメンテナンスと操作を実行するためにPLC、ガスクロマトグラフ(又は質量分光計)、および電源からデータを伝送するために用いることができる。WANおよびLANの制御とネットワークは、個々のシステム用に調査され記録されるリアルタイムのデータとシステムのパフォーマンスを追加的に提供する。システムのパフォーマンスデータは、サービス、メンテナンスおよび交換を指示するために用いることができる。
【0093】
さらに、制御システム70は、保持タンク51の放出、全空気圧縮機61、空気乾燥機、直列ヒータのフロースイッチ、真空装置50のポンプ、空気圧縮機61、保持タンク51の凝縮機、熱電対の読み取り、ガスクロマトグラフデータの送付、ワイドエリアネットワーク(WAN)の状況およびローカルエリアネットワーク(LAN)の監視、直列ヒータ66のパラメータ、および低流速、過加熱、真空装置の圧力低下、電気的機能不全、妨害、又は他の損傷事故の場合に工程を停止させる安全装置をオートメーション化するために用いられるべきである。
【0094】
好ましい実施態様では、この発明は、除去された蒸気および保持タンク51の含有物を解析するためのガスクロマトグラフ又は質量分光計を備える。システムから除去されたガスの解析によって、使用者は気化工程の副産物を、使用又は転売するために分離して捕獲することができる。さらに保持タンクの気体とその体積を知ることによって、システムにおける液体や気体の安全レベルを保証する安全メカニズムが提供されると共に、システム内に導入され環境中に放出される液体や気体のレベルを記録する手段が提供される。前記内容を知ることは、システムを適正に使用することを保証するため、および危険な又は規制された物質が処理のためにシステムに持ち込まれたときに警告を発するために用いられる。
【0095】
懸濁液が十分に乾燥されると、残留する固体をチャンバー11〜13から除去することができる。除去作業は上部シールを開いて上部開口16から固体を単純にすくい取るか、好ましくは、容器10の外側にコンベアベルト20の端に設けられた固体用容器26内へコンベアベルト20を回転させて容器10から固体を搬入することによって達成できる。好ましくは、懸濁液がコンベアベルト20から除去されると、コンベアベルト20はフィルタ21を越えて外部クリーニングステーションへ至り、コンベアベルト20又はフィルタ21の多孔質フィルタ21内の懸濁液の蓄積を最小限にし、脱水処理を防止する自動クリーニング工程を提供する。コンベアベルト20はループ状の構造でなければならず、それによって外部クリーニングステーションが、容器10へ再び入る前にコンベアベルト20に作用することができる。外部クリーニングステーションは固体用容器26の後に設けられ、好ましくは容器10の下に設けられる。そのクリーニングステーションは、好ましくは、各2〜6分の乾燥周期の期間に、コンベアベルト20を清掃する。そのクリーニングステーションは、1つ以上の空気噴射部36、溶剤およびブラシを使用してフィルタ21又はコンベアベルト20から懸濁液を除去すべきである。
【0096】
貯蔵処理を容易にするために、ゴミ圧縮機30が、チャンバー11〜13の固体用容器26の箱に設けられ、残留産物を圧縮してもよい。ゴミ圧縮機30は固体用容器26に結合され、固体用容器26の上に残留乾燥物が設置されるので、ゴミ圧縮機30を通過してもよい。
【0097】
前述の説明は、発明の概念の例証を提供するものである。その説明は、網羅的であることを意図したものではなく、また開示された発明を開示された正確な形に限定することを意図したものでもない。変形や変更も上記の開示に基づいて可能である。上述した実施態様は、最良の用途を提供するために選ばれたものであり、それによって当業者は、この発明を、意図された特別な使用に適するように種々の実施態様と変形に利用することができる。全てのそのような変形や変更は、この発明の範囲内にある。
【0098】
前述の詳細な説明は、理解を明確にするために主に与えられ、不要な限定はそこから理解されるべきではない。変形は、この開示を読めば当業者によって作ることができると共に、この発明の精神および添付の請求の範囲から離れることなく作ることができる。
【図1(A)】

【図1(B)】

【図1(C)】

【図2(A)】

【図2(B)】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】

【図7】

【図8(A)】

【図8(B)】

【図8(C)】

【図9(A)】

【図9(B)】

【図10】

【図11】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
a.少なくとも1つの排水口と、フィルタとを有する第1チャンバーを備えた容器と、
b.柔軟な膜を支持する剛体のフレームを備えて前記第1チャンバーを密封できる蓋と、
c.前記第1チャンバー内に、前記少なくとも1つの排水口を介して真空を形成する手段と、
を備え、
d.前記フィルタが前記柔軟な膜と前記少なくとも1つの排水口との間に設置され、
e.真空を形成する前記手段によって形成される真空は、
1.負圧が前記懸濁液の液体成分を押し出すように、前記柔軟な膜を前記フィルタとの間にある懸濁液に前記負圧を印加し、
2.前記柔軟な膜が前記柔軟な膜と前記フィルタとの間にある前記懸濁液に対して正圧を及ぼすことができるように、かつ、前記正圧が前記懸濁液の液体成分を前記フィルタを介して押し出すように、前記柔軟な膜に負圧を印加する、
懸濁液液体抜き取り装置。
【請求項2】
前記容器を通過するコンベアベルトをさらに備え、前記コンベアベルトは容器を通過して容器の外へ懸濁液を搬送可能である請求項1記載の懸濁液液体抜き取り装置。
【請求項3】
前記容器が、
少なくとも1つの排水口と、フィルタとを有する第2チャンバーと、
柔軟な膜を支持する剛体のフレームを備えて前記第2チャンバーを密封できる蓋とを
さらに備え、
前記フィルタが前記柔軟な膜と前記少なくとも1つの排水口との間に設置され、
前記第2チャンバーが前記第1チャンバーと直列に結合される請求項1記載の懸濁液液体抜き取り装置。
【請求項4】
前記第2チャンバーが複数の流入口を備え、加熱され圧縮された空気の空気流が前記複数の流入口を介して前記第2チャンバーに入り、前記空気流の少なくとも1部は懸濁液を通過し、前記空気流は前記少なくとも1つの排水口を介して前記第2チャンバーを出る、請求項3に記載の懸濁液液体抜き取り装置。
【請求項5】
前記少なくとも1つの排水口に流体連通する少なくとも1つの保持タンクをさらに備え、前記空気流は前記第2チャンバーから前記少なくとも1つの保持タンクへ通り、前記空気流に結合した蒸気又は水の少なくとも1部は前記少なくとも1つの保持タンクに投入される請求項4記載の懸濁液液体抜き取り装置。
【請求項6】
前記第2チャンバーは、前記第2チャンバー内の懸濁液を加熱できる1つ以上の放射発熱要素をさらに備える請求項3記載の懸濁液液体抜き取り装置。
【請求項7】
前記第2チャンバーは、前記第2チャンバー内の懸濁液を加熱できるマイクロ波放射の放射器をさらに備える請求項3記載の懸濁液液体抜き取り装置。
【請求項8】
前記容器は、
少なくとも1つの排水口とフィルタとを有する第3チャンバーと、
柔軟な膜を支持する剛性フレームを有して前記第3チャンバーを密封できる蓋とを備え、
前記フィルタは前記柔軟な膜と前記少なくとも1つの排水口との間に設けられ、
前記第3チャンバーは前記第2チャンバーと直列に結合される請求項3記載の懸濁液液体抜き取り装置。
【請求項9】
前記容器は、内部に形成された複数の溝を有する湾曲した内部側壁を備え、前記溝は容器内の液体を前記少なくとも1つの排水口へ導く請求項1記載の懸濁液液体抜き取り装置。
【請求項10】
前記蓋に設けられ、前記柔軟な膜に圧力を及ぼすことができる剛体のキャップをさらに備え、前記剛体のキャップは、前記柔軟な膜が前記柔軟な膜と前記フィルタとの間にある懸濁液に及ぼすことができる圧力を増加する請求項1記載の懸濁液液体抜き取り装置。
【請求項11】
a.湾曲した容器を備え、前記容器が
1.少なくとも1つの排水口と、
2.前記少なくとも1つの排水口への固体の出入りを限定するフィルタとを備え、
b.蓋を備え、前記蓋が
1.剛体のフレームと、
2.前記剛体のフレームによって支持された柔軟な膜と、
3.複数の流入口とを備え、
加熱され圧縮された空気の空気流が前記複数の流入口を介して前記容器に入り、前記空気流の少なくとも1部が懸濁液を通過し、前記空気流が前記少なくとも1つの排水口を介して前記容器から放出され、
c.前記容器を密封できると共に前記容器を1つ以上のチャンバーに分割できる密封機構と、
d.懸濁液を前記1つ以上のチャンバーを直列に通って前記容器の外へ搬送できるコンベアベルトと、
e.前記少なくとも1つの排水口に液体連通し真空を形成する手段とを備え、
f.前記真空を形成する手段によって形成される真空は、
1.負圧が前記フィルタを介して前記懸濁液の液体成分を押し出すように前記コンベアベルト上を搬送される懸濁液に前記負圧を印加し、
2.前記柔軟な膜が前記コンベアベルト上を搬送される前記懸濁液に対して正圧を及ぼすことができるように、かつ、前記正圧が前記フィルタを介して前記懸濁液の液体成分を押し出すように、前記柔軟な膜に負圧を印加し、
g.加熱され圧縮された空気の空気流からの熱と、前記真空からの減少した圧力は、懸濁液の液体成分を気相へ転移させることが可能で、加熱され圧縮された空気の空気流の膨張は前記気体を前記少なくとも1つの排水口を介して前記容器の外へ搬送することが可能である、
懸濁液液体抜き取り装置。
【請求項12】
a.懸濁液を第1チャンバーに搬送し、前記第1チャンバーは排水口への出入りを制限するフィルタを設け、
b.前記第1チャンバーを蓋で密封し、前記蓋は前記懸濁液に接触する柔軟な膜を設け、
c.前記第1チャンバーに前記排水口を介して真空を加え、
それによって、前記真空は
1.負圧が前記フィルタを介して前記懸濁液の液体成分を押し出すように前記懸濁液に前記負圧を印加し、
2.前記柔軟な膜が前記懸濁液に対して正圧を及ぼし、前記正圧が前記フィルタを介して前記懸濁液の液体成分を押し出すように、前記柔軟な膜に負圧を印加する、
懸濁液から液体を抜き取る方法。
【請求項13】
d.前記懸濁液に対向する側面において前記柔軟な膜に剛体のキャップを適用し、前記剛体のキャップは、前記懸濁液に対し前記柔軟な膜によって及ぼされる圧力が増大するように、前記柔軟な膜に圧力を及ぼす追加の工程をさらに備える請求項12記載の方法。
【請求項14】
d.前記第1チャンバーを開き、
e.前記懸濁液を第2チャンバーへ搬送し、前記第2チャンバーは排水口への出入りを制限するフィルタを設け、
f.第2チャンバーを蓋で密封し、前記蓋は前記懸濁液に接触する柔軟な膜を設け、
g.前記排水口を介して前記第2チャンバーに真空を加え、それによって、前記真空は、
1.負圧が前記フィルタを介して前記懸濁液の液体成分を押し出すように、前記負圧を前記懸濁液に印加し、
2.前記柔軟な膜が前記懸濁液に対して正圧を及ぼし、前記正圧が前記フィルタを介して前記懸濁液の液体成分を押し出すように、前記柔軟な膜に負圧を印加し、
h.加熱され圧縮された空気の空気流を前記懸濁液に適用し、それによって前記空気流からの熱と前記真空からの低下した圧力が前記懸濁液の液体成分を気相へ転移させ、前記空気流の膨張が前記少なくとも1つの排水口を介して前記第2チャンバーの外へ前記気体を排出する、
追加の工程をさらに備える請求項12記載の方法。
【請求項15】
工程g.における真空を加える工程が、前記懸濁液にマイクロ波加熱を適用することをさらに備える請求項14記載の方法。
【請求項16】
工程a.における前記懸濁液を第1チャンバーに搬送する工程が、前記第1チャンバー内で前記懸濁液に輻射熱を与える工程をさらに備え、工程e.における前記懸濁液を第2チャンバーへ搬送する工程が、前記第2チャンバー内で前記懸濁液に輻射熱を与える工程をさらに備える請求項14記載の方法。
【請求項17】
前記真空は、約19−23インチの水銀柱(64.3−77.9kPa)の圧力であり、前記真空は工程h.における空気流の適用期間において保持される請求項14記載の方法。
【請求項18】
加熱され圧縮された空気の空気流が、間隔をおいて設けられた複数の排水口を介して懸濁液に与えられる請求項14記載の方法。
【請求項19】
前記排水口の全てが同時に空気流を受入れることのないように、加熱され圧縮された空気を、ソレノイドが多岐管を介して脈動させる請求項14記載の方法。
【請求項20】
前記懸濁液は少なくとも146oF(66.3℃)の温度に到達する請求項14記載の方法。

【公表番号】特表2012−504488(P2012−504488A)
【公表日】平成24年2月23日(2012.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−530053(P2011−530053)
【出願日】平成21年10月2日(2009.10.2)
【国際出願番号】PCT/US2009/005425
【国際公開番号】WO2010/039250
【国際公開日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【出願人】(511082757)グリフォン エンヴィロンメンタル,エルエルシー (1)
【氏名又は名称原語表記】GRYPHON ENVIRONMENTAL, LLC
【住所又は居所原語表記】2519 US Highway 60W, Hawesville, KY 42348, U.S.A.
【Fターム(参考)】