説明

成形性含余剰水発熱組成物及び発熱体

【課題】余剰水と成形助剤とを組み合わせ、バインダー性能を高めた余剰水をバインダーとし、所望の形状に成形でき、製造工程中、発熱組成物成形体の水分が蒸発しても発熱組成物成形体の角部や隅部が崩れず、シール不良の原因を造らず且つ、発熱組成物中の水分が空気遮断層として機能せず、製造直後、通気性収納袋に収納せず、風のない20℃の環境下の空気中に放置後5分以内に温度上昇分が5℃以上ある発熱反応を起こし、使用中に発熱物質の偏り及びこれに起因する不均一な発熱が生じない、多種形状の発熱体を提供する。
【解決手段】鉄粉、炭素成分、反応促進剤、成形助剤及び水を必須成分とし、前記成形助剤は、前記鉄粉の質量に対して0.001〜5質量%であり、易動水値が0.01以上14未満の余剰水を含有し、各成分の固体成分は、粒径500μm以下の粉体であり、成形度が7以上である発熱組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、余剰水と成形助剤とを組み合わせた成形性含水発熱組成物及びこれを各種形状の発熱組成物成形体に成形し、包材上に積層し、さらなる包材封入した超薄型から厚型の各種形状の発熱体に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1や特許文献2では、インキ状ないしクリーム状の発熱組成物やペースト状粘稠な発熱組成物が包材内に封入されている発熱体が知られている。前記発熱組成物は増粘剤と過剰な水分を有し、発熱体とした後に、水分の除去をしなければ発熱しなので、発熱が不安定になる。
特許文献3及び特許文献4では、賦形剤又は増粘剤を添加してなる、空気の存在下で発熱する粉体状の発熱組成物を通気性を有する内袋に充填、封入することが開示されている。しかしながら、使い捨てカイロ用のもので、発熱体の形状に制限があり、製造速度にも限界がある。
特許文献5では、水を含有せず、空気と接触して発熱しない圧縮体等の中間成形体を作成しておき、それを収納区画に充填し、その上に平坦なシートを置き、これら二枚のシートを熱結合して発熱体を製造することについて開示がされているが、発熱体を製造後、発熱用の水又は電解質水溶液を所定量付与しなければならず、発熱が不安定になり、製造速度にも限界がある。
【0003】
【特許文献1】特開平9−75388号公報
【特許文献2】特開平9−276317号公報
【特許文献3】特許開7−194641号公報
【特許文献4】特許開6−343658号公報
【特許文献5】特許第3161605号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、余剰水と成形助剤とを組み合わせ、バインダー性能を高めた余剰水をバインダーとし、所望の形状に成形でき、製造工程中、発熱組成物成形体の水分が蒸発しても発熱組成物成形体の角部や隅部が崩れず、シール不良の原因を造らない、製造工程中のハンドリング性が良好で、且つ、発熱組成物中の水分が空気遮断層として機能せず、製造直後、通気性収納袋に収納せず、風のない20℃の環境下の空気中に放置後5分以内に温度上昇分が5℃以上ある発熱反応を起こす優れた発熱性を有する発熱組成物及び使用中に発熱物質の偏り及びこれに起因する不均一な発熱が生じない、多種形状の発熱体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは、上記従来技術の問題を解決するために鋭意検討した結果、本発明を完成した。
即ち、本発明の成形性含余剰水発熱組成物は、請求項1に記載の通り、鉄粉、炭素成分、反応促進剤、成形助剤及び水を必須成分とする発熱組成物であり、前記成形助剤は、前記鉄粉の質量に対して0.001〜5質量%であり、前記発熱組成物は、易動水値が0.01以上14未満の余剰水を含有し、各成分の固体成分は、粒径500μm以下の粉体であり、成形度が7以上であり、前記発熱組成物中の前記水は、空気遮断層として機能せず、前記発熱組成物は、各成分を混合した直後において、風のない20℃の環境下の空気中に放置後5分以内に温度上昇分が5℃以上の発熱反応を起こすことを特徴とする。
また、本発明の発熱体は、請求項2に記載の通り、請求項1に記載の成形性含余剰水発熱組成物を、型により発熱組成物成形体とし、基材と被覆材との間に挟み、前記発熱組成物成形体の周縁部をシールすることにより発熱部を備えた発熱体としたことを特徴とする。
また、請求項3に記載の本発明は、請求項2に記載の発熱体において、前記発熱組成物成形体を、複数間隔をおいて設けることにより区分発熱部を形成し、前記区分発熱部の最小幅を1〜30mmとしたことを特徴とする。
また、請求項4に記載の本発明は、請求項3に記載の発熱体において、前記発熱体の厚み方向と直交する面における最小剛軟度が100mm以下であることを特徴とする。
また、請求項5に記載の本発明は、請求項4に記載の発熱体において、前記発熱体の発熱前と発熱終了後における最小剛軟度の変化が、30%以下であることを特徴とする。
また、請求項6に記載の本発明は、請求項3乃至5の何れかに記載の発熱体において、前記発熱体の厚み方向と直交する面における最小剛軟度率比が100以下であることを特徴とする。
また、請求項7に記載の本発明は、請求項2乃至6の何れかに記載の発熱体において、前記区分発熱部以外の領域に、切り込みを互い違いに配置したことを特徴とする。
また、請求項8に記載の本発明は、請求項2乃至7の何れかに記載の発熱体において、前記発熱体の露出部の少なくとも1部に固定手段を設けたことを特徴とする。
【0006】
以下に、本発明の好ましい態様を説明する。
本発明の成形性含余剰水発熱組成物は、鉄粉、炭素成分、反応促進剤、成形助剤及び水を必須成分とする混合物であり、成形助剤が鉄粉の質量に対して0.001〜5質量%であり、易動水値が0.01以上〜14未満の余剰水を含有し、各成分の固体成分が粒度500μm以下の粉体であり、成形度が7以上であり、発熱組成物中の水分が空気遮断層として機能せず、製造直後、通気性収納袋に収納せず、風のない20℃の環境下の空気中に放置後5分以内に温度上昇分が5℃以上ある発熱反応を起こすことが好ましい。
本発明の発熱体は、成形性含余剰水発熱組成物を、型成形により成形した発熱組成物成形体を基材に積層し、基材と被覆材との間に挟み、発熱組成物成形体の周縁部をシールすることにより発熱部が形成される発熱体において、該発熱部が該発熱組成物成形体と相似類似形であり、該発熱部の少なくとも一部が通気性を有することが好ましい。
本発明の発熱体は、成形性含余剰水発熱組成物を、型成形により間隔をおいて成形した、2個以上複数個の発熱組成物成形体を間隔をおいて基材に積層し、基材と被覆材との間に挟み、発熱組成物成形体の周縁部をシールすることにより、発熱部が形成される発熱体において、前記発熱部が前記発熱組成物成形体からなる発熱組成物を含有する2個以上複数個の区分発熱部と実質的に前記発熱組成物を含有しない区分け部とからなり、該区分発熱部が該発熱組成物成形体と相似類似形であり、該区分発熱部が発熱体形成時に個々に切断処理されず、2個以上複数個の区分発熱部が一体ものとして切断され、該区分発熱部の幅である最小辺の長さが1〜30mmであり、区分け部を間隔として、間隔を置いて設けられ、該区分発熱部の少なくとも一部が通気性を有し、凹凸状の面を両面に有することが好ましい。
また、発熱体は、前記区分発熱部がストライプ状に間隔をおいて設けられたことが好ましい。
また、発熱体は、前記発熱体の厚み方向と直交する面における少なくとも一方向の最小剛軟度が100mm以下であることが好ましい。
また、発熱体は、前記最小剛軟度の変化が、発熱体の発熱前と発熱終了後において、30以下であることが好ましい。
また、発熱体は、前記発熱体の厚み方向と直交する面における最小剛軟度率比が100以下であることが好ましい。
また、発熱体は、前記発熱体の露出部の少なくとも1部に固定手段を設けたことが好ましい。
本発明の発熱体の製造方法は、鉄粉、炭素成分、反応促進剤、成形助剤及び水を必須成分とする混合物であり、成形助剤が鉄粉の質量に対して0.001〜5質量%であり、易動水値が0.01以上〜14未満の余剰水を含有し、各成分の固体成分が粒度500μm以下の粉体であり、成形度が7以上であり、発熱組成物中の水分が空気遮断層として機能せず、製造直後、通気性収納袋に収納せず、風のない20℃の環境下の空気中に放置後5分以内に温度上昇分が5℃以上ある発熱反応を起こす成形性含余剰水発熱組成物を型成形法により発熱組成物成形体を成形し、更に、基材及び被覆材に少なくとも1種は通気性を有する包材を使用し、該発熱組成物成形体を該基材上に積層した後に、それに該被覆材を被せ、該発熱組成物成形体の周縁部をヒートシールし、少なくとも該発熱部の一部が通気性を有する発熱体を製造することが好ましい。
本発明の製造方法は、鉄粉、炭素成分、反応促進剤、成形助剤及び水を必須成分とする混合物であり、成形助剤が鉄粉の質量に対して0.001〜5質量%であり、易動水値が0.01以上〜14未満の余剰水を含有し、各成分の固体成分が粒度500μm以下の粉体であり、成形度が7以上であり、発熱組成物中の水分が空気遮断層として機能せず、製造直後、通気性収納袋に収納せず、風のない20℃の環境下の空気中に放置後5分以内に温度上昇分が5℃以上ある発熱反応を起こす成形性含余剰水発熱組成物を型成形法により2個以上複数の発熱組成物成形体を間隔をおいて成形し、更に、基材及び被覆材に少なくとも1種は通気性を有する包材を使用し、該発熱組成物成形体を間隔をおいて該基材上に積層した後に、それに該被覆材を被せ、該発熱組成物成形体の周縁部をヒートシールし、発熱組成物成形体からなる発熱組成物を含有する区分発熱部と実質的に前記発熱組成物を含有しない区分け部とを形成し、該2個以上複数の区分発熱部を一体ものとして、切断することにより2個以上複数の区分発熱部を有する発熱体を製造する方法において、該区分発熱部が該発熱組成物成形体と相似類似形であり、該個別発熱体形成時に切断処理を行わない区分発熱部の幅である最小辺の長さが1〜30mmであり、区分け部を間隔として、間隔を置いて設けられ、該区分発熱部の少なくとも一部が通気性を有し、発熱体の両面が凹凸状の面であることが好ましい。
また、上記発熱体において、
1)前記基材、被覆材、通気性粘着剤層、発熱組成物、発熱組成物成形体の中で、少なくとも該発熱組成物及び発熱組成物成形体が圧縮処理されていることが好ましい。
2)前記区分け部にミシン目(含手切れ可能なミシン目)を設けてなることが好ましい。
3)シール部又は区分け部の少なくとも一部が凹凸状の模様を有することが好ましい。
4)発熱体の長手方向の剛軟度率が60以下であり、短手方向の剛軟度率が80以上であることが好ましい。
また、発熱体は、前記発熱体の発熱前と発熱終了後における最小剛軟度の変化が、30%以下であることが好ましい。
また、発熱体の製造方法は、前記切り込みが、互い違いの切り込みであることが好ましい。
【発明の効果】
【0007】
1.本発明の成形性合余剰水発熱組成物は成形助剤を低濃度にしているため、成形性があるにもかかわらず製造直後から風のない20℃の環境下の空気中に放置後5分以内に温度上昇分が5℃以上ある発熱反応を起こすほどの発熱特性を有しているので、成形性含余剰水発熱組成物を使用した発熱体は初期の発熱立ち上がり性が優れている。
2.本発明の発熱組成物は型成形ができるので、品質が安定した多種形状の発熱組成物成形体が容易に成形でき、平滑な基材上にも積層できるで、多種形状の発熱体を高速生産できるので、生産コストの大幅低下が見込める発熱体の製造方法が提供できる。
3.本発明の発熱組成物は成形性含余剰水発熱組成物であるので、発熱組成物成形体を基材と被覆材間に封入後、水を前記発熱組成物成形体に注入する必要がないので製造工程が大幅に簡素化される。
4.本発明のストライプ状に区分発熱部が設けられた、優れた柔軟性を有するプリーツ型発熱体は、使用前、使用中、使用終了後に渡り柔軟性が変わらないので、フィット性に優れ、十分な発熱が得られると共に、発熱ムラを生じないことがない発熱体が提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明の成形性合余剰水水発熱組成物は、上記成分の他に、木粉、バーミキュライト等の保水剤、ポリ(メタ)アクリル酸架橋体等の吸水性ポリマー、亜硫酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム等の水素発生抑制剤、消石灰等のpH調整剤、骨材、機能性物質、ポリオキシエチレンアルキルエーテル等のノニオン、両性イオン、アニオン、カチオンの界面活性剤、ポリエチレンやポリプロピレン等の疎水性高分子化合物、ジメチルシリコーンオイル等の有機ケイ素化合物、焦電物質、セラミック等の遠赤外線放射物質、トルマリン等のマイナスイオン発生剤、FeCl等の発熱助剤、ケイ素やアルミニウム等の鉄以外の金属、二酸化マンガン等の酸化鉄以外の金属酸化物、塩酸やマレイン酸や酢酸等の酸性物質、パルプ等の繊維状物、尿素等の肥料成分、グリセリンやD−ソルビトール等の保湿剤、離型剤又はこれらの混合物からなる付加的な成分から選ばれた少なくとも一種を含有してもよい。
尚、本発明の発熱組成物の成分は、従来より開示されている又市販されている又は公知の使い捨てカイロや発熱体に使用される発熱組成物の如何なる成分をも適宜選択して使用できる。
【0009】
本発明の成形性含水発熱組成物は余剰水及び成形助剤に基づく成形性、保形性を有する発熱組成物である。
成形助剤と易動水値0.01以上14未満の余剰水を組み合わせることにより余剰水に造膜性が強化され、空気と接触して余剰水が飛散し、損失しても、成形助剤の薄膜が、発熱組成物の粒子間を繋ぐので、発熱組成物成形体の型崩れが防止でき、シール工程までの移動でも発熱組成物成形体が崩れない。成形助剤が鉄粉の質量に対して0.001〜5質量%であるので、含水発熱組成物及び発熱組成物成形体の発熱特性は成形助剤に影響されず、前記成形性含水発熱組成物の成形後、吸水、脱水、吸水溶液、脱水溶液等の水分除去をせず、且つ、水又は水溶性成分の水溶液を添加することなく、空気と接触して発熱する。
【0010】
前記「混合直後、風のない20℃の環境下の空気中に放置後5分以内に5℃の温度上昇がある発熱をする」とは、発熱組成物の製造後24時間放置等の熟成期間をおかず、発熱組成物の製造直後、風のない20℃の環境下の空気中で、ポリエチレンフィルム、ポリエステルフィルムやシート等の非吸水性素材の上に発熱組成物を放置したときに、5分以内に前記発熱組成物が5℃の温度上昇がある発熱をすることである。
下記発熱組成物温度上昇測定方法において、5分以内の温度上昇分が、好ましくは5℃以上あり、より好ましくは10℃以上あり、更に好ましくは、20℃以上であり、更に好ましくは3分以内に温度の上昇分が10℃以上である。
ここで、発熱組成物温度上昇測定方法は、製造直後の発熱組成物や発熱組成物成形体を使用し、風のない、周囲温度20±1℃の条件下、試料が測定時、空気と接触できる状態で測定する。
1.発熱組成物の場合
1)脚付き支持台の塩化ビニル製支持板(厚さ5mm×長さ600mm×幅600mm)の裏面の中央部付近に成形型の抜き穴形状を覆うように磁石を設ける。
2)温度センサーを支持板中央部上に置く。
3)厚さ約80μmの粘着剤層付き厚さ25μm×長さ250mm×幅200mmのポリエチレンフィルムの中央がセンサーのところにくるようにして、粘着剤層を介して支持板に貼り付ける。
4)前記ポリエチレンフィルムの中央部上に、長さ80mm×幅50mm×高さ3mmの抜き穴を持つ長さ250mm×幅200mmの型板を置き、その抜き穴付近に試料を置き、押し込み板を型板上に沿って動かし、試料を押し込みながら抜き穴へ入れ、型板面に沿って、試料を押し込みながら擦り切り(型押し込み成形)、型内に試料を充填する。次に、支持板下の磁石を除き、温度測定を開始する。
発熱温度の測定はデータコレクタを用い、測定タイミング2秒で、10分間温度測定をし、3分後の温度をもって、発熱立ち上がり性を判定する。
2.発熱組成物成形体の場合、
1)〜3)は発熱組成物の場合と同じである。
4)前記ポリエチレンフィルムの中央部上に、発熱組成物成形体を置き、温度測定を開始する。
発熱温度の測定はデータコレクタを用い、測定タイミング2秒で、10分間温度測定をし、0分時、1分時、3分時、5分時、6分時、7分時の温度を測定し、5分以内の温度で、発熱性を判定する。
【0011】
型成形方式による製造では、基材を一定速度で移動させると共に、発熱組成物を投下する投下口を基材と同速度で移動させながら基材上に成形性含水発熱組成物を成形した発熱組成物成形体を積層する方法であるので、基材の停止、起動がほとんど繰り返されず、製造の高速化を図る上では優れている。
また、発熱組成物が含水であると、前述のように、発熱体を製造し、得られた発熱体を気密性の外袋内に密封するまでの間に、発熱組成物特に鉄粉と空気との酸化反応が発生し、発熱組成物のの初期発熱特性が向上するため初期発熱特性が向上した発熱体が得られる等の利点が生じる。
【0012】
本発明の成形性含水発熱組成物において、発熱組成物中の余剰水の量は、易動水値として定義される。
【0013】
本発明の成形性含余剰水発熱組成物の易動水値は、好ましくは0.01以上18未満であり、より好ましくは0.01以上17未満であり、更に好ましくは0.01以上16未満であり、更に好ましくは0.01以上15未満であり、更に好ましくは0.01以上14未満であり、更に好ましくは0.01〜13であり、更に好ましくは0.01〜12であり、更に好ましくは1〜12であり、更に好ましくは2〜12であり、更に好ましくは3〜12であり、更に好ましくは4〜12であり、更に好ましくは5〜12であり、更に好ましくは5〜11である。
【0014】
本発明の成形性含余剰水発熱組成物の固体発熱組成物原料は粉体であり、その粒度は、好ましくは500μm以下であり、より好ましくは425μm以下であり、更に好ましくは300μm以下であり、更に好ましくは250μm以下であり、更に好ましくは212μm以下であり、更に好ましくは150μm以下であり、更に好ましくは106μm以下であり、更に好ましくは90μm以下である。
前記粒径は篩通過分をその篩目開き(篩の口径)からμm単位で表示したものである。
尚、成形性含余剰水発熱組成物の成形性及び保形性は反応促進剤と水溶性物質と水を除く非水溶性固形成分の粒径が小さければ小さいほど良くなる。
【0015】
前記成形性含余剰水発熱組成物は、その配合割合は特に限定されるものではないが、鉄粉100重量部に対して、炭素成分1.0〜50重量部、反応促進剤1.0〜50重量部、成形助剤0.001〜5重量部、水1.0〜60重量部になるように配合割合を選択するのが好ましい。
更に、前記発熱組成物に下記のものを鉄粉に対して、下記の配合割合で加えてもよい。
即ち、鉄粉100重量部に対して、保水剤0.01〜10重量部、吸水性ポリマー0.01〜20重量部、pH調整剤0.01〜5重量部、水素発生抑制剤0.01〜12重量部、鉄以外の金属1.0〜50重量部、酸化鉄以外の金属酸化物1.0〜50重量部、界面活性剤0.01〜5重量部、疎水性高分子化合物、骨材、繊維状物、機能性物質、有機ケイ素化合物、焦電物質はそれぞれ0.01〜10重量部、保湿剤、肥料成分、発熱助剤はそれぞれ0.01〜10重量部、酸性物質0.01〜1重量部、離型剤0.001〜5重量部が好ましい。
尚、磁性体を更に配合するようにしてもよく、配合割合は所望により適宜決めればよい。
尚、この配合割合は、反応混合物、発熱混合物にも適用することができる。また、反応混合物の易動水値は0.0l未満が好ましい。
また、磁性体を更に配合するようにしてもよく、配合割合は所望により適宜決めればよい。
【0016】
前記成形助剤は、好ましくは0.001〜5重量部であり、より好ましくは0.001〜4重量部であり、更に好ましくは0.001〜3重量部であり、更に好ましくは0.001〜1重量部であり、更に好ましくは0.01〜0.5重量部であり、更に好ましくは0.01〜0.25重量部であり、更に好ましくは0.01〜0.1重量部であり、更に好ましくは0.01〜0.5重量部であり、更に好ましくは0.01〜0.2重量部であり、更に好ましくは0.01〜0.1重量部であり、更に好ましくは0.01〜0.099重量部であり、更に好ましくは0.01〜0.095重量部である。
【0017】
発熱組成物の発熱反応の立ち上がりを良くさせるためには、酸化処理した発熱組成物や活性化鉄粉を含有する発熱組成物を用いることが好ましい。
1.酸化処理した発熱組成物
酸化処理した発熱組成物の製造方法には制限はないが、反応混合物又は発熱組成物を酸化性ガス環境下で、放置又は混合等により、温度上昇分を1℃以上にする発熱混合物の製造方法等が一例として挙げられる。
一例として、反応混合物の酸化ガスの接触処理方法は、鉄粉と反応促進剤と水を必須成分とし、含水量が0.5〜20重量%で、易動水値が0.01未満の反応混合物を、酸化性ガスと接触処理し、10分以内に反応混合物の温度上昇分を1℃以上にさせる。更に所望により、水又は反応促進剤水溶液を加えて、所望の含水量の発熱組成物とする。必須成分以外の成分は、前記製造工程の所望の工程で加えてよい。
また、酸化ガスの接触処理は容器の中に存在する状態でも、不織布等の通気性シート状物の中に存在する状態でもよい。
また、酸化性ガス接触処理は撹拌下、非撹拌下、流動下又は非流動下の何れでもよく、バッチ式でも連続式でもよい。
2.活性化鉄粉含有発熱組成物
活性化鉄粉を含む発熱組成物である。
【0018】
前記鉄粉は、限定はされないが、鋳鉄鉄粉、アトマイズ鉄粉、電解鉄粉、還元鉄粉、スポンジ鉄粉及びそれらの鉄合金粉等が一例として使用できる。更に、これら鉄粉が炭素や酸素を含有していてもよく、また、鉄を50%以上含む鉄で、他の金属を含んでいてもよい。合金等として含まれる金属の種類は鉄成分が発熱組成物の成分として働けば特に制限はないが、アルミニウム、マンガン、銅、ケイ素等の金属、半導体が一例として挙げられる。本発明の金属には半導体も含める。
本発明の鉄粉において、前記鉄以外の金属の含有量は、鉄粉全体に対して通常0.01〜50重量%であり、好ましくは0.1〜10重量%である。
【0019】
前記鉄の表面の少なくとも一部に酸素含有皮膜を有する鉄粉としては、
A.発熱組成物の必須成分又はそれに酸性物質やその他必要成分を加えたものを酸化性ガスとの接触処理し、鉄成分を部分酸化し、鉄成分の表面を少なくとも部分酸化した活性鉄粉
B.ウスタイトの含有量が、鉄のX線ピーク強度比として、2〜50重量%の活性鉄粉
C.厚さ3nm以上の鉄酸化皮膜を表面に有する鉄粉
D.活性鉄粉と活性鉄粉以外の鉄粉の混合物
等が一例として挙げられる。
【0020】
前記鉄粉の表面を覆う酸素含有皮膜である鉄酸化皮膜の厚さは、オージェ電子分光法を用いて、通常3nm以上であり、好ましくは3nm〜100μmであり、より好ましくは30nm〜100μmであり、更に好ましくは30nm〜50μmであり、更に好ましくは30nm〜1μmであり、更に好ましくは30nm〜500nmであり、更に好ましくは50nm〜300nmである。鉄の酸素含有被膜の厚さを3nm以上とすることにより、鉄の酸素含有被膜の厚さが酸化反応の促進効果を発揮でき、空気等の酸化性ガスと接触して、酸化反応をすぐに開始させることができる。鉄の酸素含有被膜の厚さが100μm以上であると、発熱時間が短くなるおそれがあるが、用途によっては使用できる。
また、もう1つはウスタイトを有する活性鉄粉である。X線解析装置を用いて、ウスタイト相のX線解析を行い、ウスタイトの量を鉄の110面のピークの積分強度に対するウスタイトの220面のピークの積分強度の比として評価した。
鉄粉に含まれるウスタイト量は、鉄とのX線ピーク強度比として、通常は2〜50重量%であり、好ましくは5.01〜50重量%であり、より好ましくは5.01〜40重量%であり、更に好ましくは6〜40重量%であり、更に好ましくは7〜30重量%であり、更に好ましくは7〜25重量%である。50重量%を超えても発熱立ち上がり性はよいが、発熱持続時間が短くなる。2重量%未満であると発熱立ち上がり性が鈍くなる。
【0021】
前記水としては、適当なソースからのものでよい。その純度及び種類等には制限はない。水の含有量は、好ましくは発熱組成物の1〜70重量%を含有する。
また、酸化性ガスによる接触処理をする前の反応混合物及び発熱混合物の場合、反応混合物又は発熱混合物の0.5〜20重量%、より好ましくは1〜20重量%、更に好ましくは3〜20重量%、更に好ましくは4〜15重量%を含有する。
【0022】
前記炭素成分としては、炭素質物質であれば制限はない。カーボンブラック、黒鉛、活性炭等が一例として挙げられる。
【0023】
前記反応促進剤としては、発熱の反応促進ができるものであれば制限はない。塩化ナトリウム、塩化カリウム等の金属ハロゲン化物や、硫酸カリウム等の金属硫酸塩類や、硝酸ナトリウム等の硝酸塩や、酢酸ナトリウム等の酢酸塩や、炭酸第一鉄等の炭酸塩等の無機電解質が一例として挙げられる。公知の使い捨てカイロや発熱体に使用されている電解質も用いることもできる。
これらの反応促進剤は通常は水溶液として用いられるが、粉体のままで用いることもできる。反応促進剤の水溶液として使用される場合は液体発熱組成物原料として扱い、液体発熱組成物原料を作成委するための固体原料の粒度は制限はない。
【0024】
前記吸水性ポリマーとしては、部分架橋構造又は架橋構造を有し、かつ自重に対するイオン交換水の吸水倍率が2倍以上の樹脂であれば特に限定されるものではない。また、表面を架橋したものでもよい。従来公知の吸水性ポリマーや市販のものも用いることもできる。
カルボキシル基若しくはその塩を有する高分子化合物の部分架橋体、又は多糖類の部分架橋体が一例として挙げられる。
前記カルボキシル基若しくはその塩を有する高分子化合物の部分架橋体としては、例えば、ポリ(メタ)アクリル酸塩架橋体、ビニルアルコール−アクリル酸塩共重合体架橋体、澱粉−アクリル酸塩グラフト共重合体架橋体、アクリル酸塩−アクリルアミド共重合体架橋体、ポリビニルアルコール−ポリ無水マレイン酸塩グラフト共重合体架橋体等が挙げられる。多糖類の部分架橋体としては、例えば、カルボキシメチルセルロース塩架橋体、デンプン−アクリル酸塩共重合体架橋体等が一例として挙げられる。
【0025】
成形助剤とは、水分との組み合わせにより、含余剰水発熱組成物の成形性を改善する成形性改善剤である。
【0026】
成形助剤としては、水溶性又は親水性があり、含余剰水発熱組成物の成形性を改善するものであれば制限はないが、ブドウ糖、果糖、ソルビトール、マルトース、ラクトース、サッカロース、トレハロース、ペクチン等の糖類、マンニトール、ソルビトール、マルチトール、エリスリトール、キシリトール等の糖アルコール類、トウモロコシデンプン、コムギデンプン、コメデンプン、コーンスターチ、バレイショデンプン、デキストリン、アルファー化デンプン、部分アルファー化デンプン、ヒドロキシプロピルスターチ、カルボキシルメチルスターチ、α−シクロデキストリン、β−シクロデキストリン、プルラン糖のデンプン類、結晶セルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルメロース、カルメロースカルシウム、カルメロースナトリウム、クロスカルメロースナトリウム、酢酸エチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース等のセルロース類、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ステアリン酸塩、ポリアクリル酸ナトリウム、寒天、アラビアゴム、アルギン酸ナトリウム、ゼラチン、コーンシロップ、マンニットシロップ、カラギーナン、トラントガム、カラヤガム、キサンタンガム、ジュランガム、プルラン、ガードラン、ゼラチン、アルブミン、カゼイン、大豆蛋白質、小麦蛋白質、アラピノガラクタン、グアガム、ローカストビーンガム、タマリンドシードガム、タラガム、トラガカントゴム、ポリ−N−ビニルアセトアミド、アクリル酸−デンプン共重合体、微晶質セルロース、N−ビニルアセトアミド共重合体、ベントナイト、カオリン、珪酸ソーダ、塩化カルシウム、モンモリロナイト、珪酸アルミニウム又はポリ酢酸ビニルエマルジョン等の水分散エマルジョン等の単独又は組み合わせの使用が一例として挙げられる。
【0027】
前記骨材としては、充填剤として有用であり、及び/又は、発熱組成物の多孔質化に有用であれば制限はない。化石サンゴ(サンゴ化石、風化造礁サンゴ等)、竹炭、備長炭、シリカ−アルミナ粉、テラバルーン等が一例として挙げられる。
【0028】
前記離型剤としては、制限はないが、鉱物油、合成油、動植物油等で構成される潤滑油、グリース、天然ワックス、合成ワックス等の高粘性潤滑油、シリコーンオイル、フッ素樹脂、ステアリン酸、ステアリン酸塩類等が一例として挙げられる。
【0029】
前記機能性物質としては、薬効、芳香等の何らかの機能を有していればいかなるものでもよい。香料、薬草、ハーブ、漢方薬、経皮吸収性薬物、医薬活性物質、芳香剤、化粧水、乳液、湿布剤、防カビ剤、抗菌剤、殺菌剤、消臭剤又は脱臭剤、磁気体等が一例として挙げられる。
更に、機能性物質としては、具体的に一例を挙げれば、酸性ムコポリサッカライド、カミツレ、セイヨウトチノキ、ビタミンE、ニコチン酸誘導体、アルカロイド化合物等の血行促進剤、フラボン誘導体、アントシアニジン、ビタミンP、きんせんか、シラノール、テルミナリア、マユス等のむくみ改善剤、アミノフィリン、茶エキス、カフェイン、キサンテン誘導体、イノシット、デキストラン硫酸誘導体、エスシン、アントシアニジン、有機ヨウ素化合物、オトギリ革、スギナ、マンネンロウ、朝鮮人参、ヒアルウロニダーゼ等のスリム化剤、インドメタシン、dl−カンフル、ケトプロフェン、ショーガエキス、トウガラシエキス、サリチル酸メチル、サリチル酸グリコール等の鎮痛剤、ラベンダー、ローズマリー、シトロン、ジェニパー、ペパーミント、ユーカリ、ローズウッド、オレンジ等の香料等が挙げられ、一種以上を用いることができる。
【0030】
前記経皮吸収性薬物としては、経皮吸収性のものであれば特に限定されるものではないが、例えば、皮膚刺激剤、サリチル酸やインドメタシン等の沈痛消炎剤、中枢神経作用剤(睡眠鎮静剤、抗てんかん剤、精神神経用剤)、利尿剤、血圧降下剤、血管拡張剤、鎮咳去疾剤、抗ヒスタミン剤、不整脈用剤、強心剤、副腎皮質ホルモン剤、局所麻酔剤等が挙げられる。これら薬剤は、一種又は必要に応じて二種以上配合されて用いられる。
【0031】
本発明の発熱体について、説明する。
本発明の発熱体は易動水値0.01以上14未満の成形性含余剰水発熱組成物を成形した発熱組成物成形体を基材に積層し、更に被覆材で覆い、発熱組成物成形体の周縁部をシールしたものであり、更に好ましくは、前記発熱部が前記発熱組成物成形体からなる発熱組成物を含有する、複数個、好ましくは4個以上複数個の区分発熱部と実質的に前記発熱組成物を含有しない区分け部からなり、前記区分発熱部と区分け部がスジ状(ストライプ状)に設けられ、少なくとも発熱部がプリーツ状発熱部である発熱体である。
また、前記発熱体の厚み方向と直交する面における少なくとも一方向の最小剛軟度が100mm以下である発熱体はフィット性から好ましい。
本発明の発熱体は、発熱体の発熱部が1個の発熱部からなる単一発熱部発熱体と複数個の区分発熱部が区分け部により間隔をおいて設けられている発熱部からなる区分発熱部発熱体とがある。
即ち、本発明の発熱体は、
1)単一発熱部発熱体及び/又は区分発熱部発熱体であり、
2)前記発熱組成物成形体は前記発熱組成物から成形され、
3)前記1個発熱部の一部又は前記区分発熱部の一部が通気性を有し、
4)前記1個発熱部発熱体は前記発熱組成物成形体の周縁部をヒートシールして形成される1個発熱部を有し、
5)前記区分発熱部発熱体は前記発熱組成物成形体の周縁部をヒートシールして形成される区分発熱部と、前記ヒートシール部である区分け部からなる一体構造で、複数個の区分発熱部が、区分け部を間隔として、間隔をおいて設けられた発熱部を有し、
6)前記発熱体の周辺部がシールされている発熱体である。
また、本発明の発熱体はその露出部の少なくとも一部に固定手段を有してもよい。
【0032】
本発明の発熱体の他の実施例として、波形形状被覆材、通気調整材、マイクロヒーター、ヒートクロス、発熱パッド、伸縮自在発熱体、関節周囲部用包装体、足温用発熱体、発熱パック、発熱ラップ、非伸縮性包装材剛軟度比発熱体、高中低温発熱体、温灸器、可撓性発熱体(バンドカイロ)等が一例として挙げられる。
【0033】
前記発熱組成物成形体は発熱組成物が圧縮された発熱組成物圧縮体であってもよく、本発明では発熱組成物成形体は発熱組成物圧縮体を含む。
前記基材や前記発熱組成物成形体と被覆材との間に通気性粘着剤層を設けてもよい。
前記通気調整材や支持体は前記基材及び被覆材の包材が使用できる。
【0034】
通気調整材を固定する接着層は通常使用されているヒートシール材、粘着剤やエポキシ系接着剤等の接着剤から適宜選択したものから構成される。特に粘着剤は有用であり、前記固定手段の粘着剤層を構成する粘着剤から、所望により、選択し、使用できる。
【0035】
本発明の単一発熱部発熱体とは、発熱部が1つの発熱部から形成されている発熱体であり、発熱体の少なくとも一部は通気性を有する。発熱体の形状と発熱部の形状は必ずしも同じ形状を取る必要はない。また、発熱体及び/又は発熱部は角部を略円弧状(アール状)に設け、角部を曲線状や曲面状にしてもよい。
【0036】
本発明の区分発熱部発熱体とは、発熱組成物成形体を収容する区分発熱部と発熱組成物成形体を収容しない区分け部とからなり、複数個の区分発熱部が区分け部を間隔として、間隔をおいて設けられている発熱部を有する発熱体である。発熱体の少なくとも一部は通気性を有する。
前記区分発熱部は、前記発熱組成物成形体を収納し、前記区分け部がシール部であり、前記区分発熱部が区分け部を間隔として間隔をおいて設けられる発熱体である。発熱体の形状と区分発熱部の形状は必ずしも同じ形状を取る必要はない。また、発熱体及び/又は区分発熱部は角部を略円弧状(アールr状)に設け、角部を曲線状や曲面状にしてもよい。
【0037】
前記発熱組成物成形体又は区分発熱部の形状は如何なるものでもよいが、平面形状で、円、楕円、フットボール形、三角形、正方形、長方形、六角形、多角形、星形、花形、リング形等が一例として挙げられる。立体形状では、ディスク状、ピラミッド状、球状、立方体状、多角錐形状、円錐形状、錐台形状、球形状、平行六面体形状、円筒体形状、長方形状平行六面体形状、多面体形状、楕円体形状、半円柱体形状、半楕円柱体形状、蒲鉾形状体、円柱体形状、楕円柱体形状等が一例として挙げられる。
また、これらの形状は角部を略円弧状(アールr状)に設け、角部を曲線状や曲面状にしてもよいし、中央部等に凹部があってもよい。
本発明では、発熱組成物成形体、発熱部、区分発熱部、発熱体、シール部、貫通孔、凹部、凸部等の角部にあたる領域(端部の角部)を略円弧状(アール状)に設けてもよい。
この略円弧状(アール状)の形状としての曲率半径は、制限はないが、好ましくは0.1〜20.0mmであり、より好ましくは0.3〜10.0mmであり、更に好ましくは0.1〜5.0mmであり、更に好ましくは0.3〜5.0mmであり、更に好ましくは0.3〜3.0mmであり、更に好ましく、0.5〜2.0mmである。
【0038】
1個の発熱部からなる発熱体の発熱部のサイズにおいて、ディスク状、円形、楕円形、その類似形状において、そのサイズには制限はないが、高さは、好ましくは0.1mm〜20mmであり、より好ましくは0.3mm〜20mmであり、より好ましくは0.5mm〜20mmであり、より好ましくは0.5mm〜10mmであり、更に好ましくは0.5mm〜8mmである。
直径は、好ましくは5mm〜200mmであり、より好ましくは、5mm〜180mmであり、更に好ましくは、5mm〜150mmであり、更に好ましくは、5mm〜100mmであり、更に好ましくは、5mm〜50mmである。
また、ディスク状、円形、楕円形、その類似形状以外の形状(矩形、矩形類似形状等)において、そのサイズには制限はないが、長さは、好ましくは5mm〜200mmであり、より好ましくは、5mm〜180mmであり、更に好ましくは、5mm〜150mmである。
高さは、好ましくは0.1mm〜20mmであり、より好ましくは0.3mm〜20mmであり、より好ましくは0.5mm〜20mmであり、より好ましくは0.5mm〜10mmであり、更に好ましくは0.5mm〜8mmである。
幅は、好ましくは1mm〜200mmであり、より好ましくは5mm〜200mmであり、より好ましくは5mm〜180mmであり、更に好ましくは5mm〜150mmであり、更に好ましくは5mm〜100mmである。
【0039】
区分発熱部構造において、区分発熱部は、少なくとも2つの対面する表面、好ましくはフィルム層基材表面を有する統一した構造に形成され、その際少なくとも1つの表面は酸素(空気)透過性であり、発熱組成物成形体が収納されたとき、発熱組成物成形体容積、空間容積、区分発熱部容積は、次の関係を有する。発熱組成物成形体容積は、発熱組成物成形体自身の容積であり、空間容積は区分発熱部内で、発熱組成物成形体に占められていない容積であり、区分発熱部容積は区分発熱部の容積であり、空間容積と発熱組成物成形体容積の和である。
【0040】
前記区分発熱部又は前記発熱組成物成形体のサイズは制限はないが、好ましいサイズは以下の通りである。
1)円形状、ディスク形状及びディスク類似形状の場合
直径は、好ましくは約1mm〜約60mmであり、より好ましくは2mm〜50mmであり、更に好ましくは10mm〜40mmであり、更に好ましくは20mm〜30mmである。
高さは、好ましくは0.1mm〜20mmであり、より好ましくは0.3mm〜20mmであり、更に好ましくは0.5mm〜20mmであり、更に好ましくは1mm〜20mmであり、より好ましくは1.5mm〜10mmであり、更に好ましく3mm〜9mmであり、更に好ましくは4mm〜8mmであり、更に好ましくは5mm〜7mmである。
容積は、好ましくは約0.0045cm〜約20cmであり、より好ましくは約0.2cm〜約11cmである。
2)前記1)以外の形状(矩形、矩形類似形状等)である場合
幅は、好ましくは0.5mm〜60mmであり、より好ましくは0.5mm〜50mmであり、好ましくは0.5mm〜50mmであり、更に好ましくは1mm〜50mmであり、更に好ましくは3mm〜50mmであり、更に好ましくは3mm〜30mmであり、更に好ましくは5mm〜20mmであり、更に好ましくは5mm〜15mmであり、更に好ましくは5mm〜10mmである。
また、高さは、好ましくは0.1mm〜30mmであり、より好ましくは0.1mm〜20mmであり、更に好ましくは0.1mm〜10mmであり、更に好ましくは0.3mm〜10mmであり、更に好ましくは0.5mm〜10mmであり、更に好ましくは1mm〜10mmであり、更に好ましくは2mm〜10mmである。
また、長さは、好ましくは5mm〜300mmであり、より好ましくは5mm〜200mmであり、より好ましくは5mm〜100mmであり、更に好ましくは20mm〜150mmであり、更に好ましくは30mm〜100mmである。
また、表面積は区分発熱部としての機能を有すれば制限はないが、好ましくは約50cm以下であり、より好ましくは約40cm以下であり、更に好ましくは約25cm未満であり、更に好ましくは20cm未満である。
前記区分発熱部の容積又は発熱組成物成形体の容積は、好ましくは0.015cm〜500cmであり、好ましくは0.04cm〜500cmであり、より好ましくは0.04cm〜30cmであり、更に好ましくは0.1cm〜30cmであり、更に好ましくは1cm〜30cmであり、更に好ましくは1.25cm〜20cmであり、更に好ましくは1.25cm〜10cmであり、更に好ましくは3cm〜10cmである。
【0041】
前記区分発熱部において、発熱組成部物収納領域である区分発熱部に発熱組成物成形体が収容された時に、発熱組成物成形体占有領域である発熱組成物成形体の容積と発熱組成物収納領域である区分発熱部の容積との容積比は通常0.6〜1であり、好ましくは0.7〜1であり、より好ましくは0.8〜1であり、更に好ましくは0.9〜1である。尚、単一発熱部の場合は、上記区分発熱部を発熱部と読み替えるものとする。
【0042】
本発明の区分発熱部を「ストライプ状に間隔をおいて設ける」とは、複数の区分発熱部が、スジ状(細長く一続き状)に間隔をおいて(平行線状や平行曲線状等に)設けられたものである。1本のスジは1個の区分発熱部により構成されていることが好ましい。この場合、区分発熱部及び区分け部は直線的でも曲線的でもよい。
また、下記の条件を満たしていれば、1本のスジは2個以上の区分発熱部と1個以上の区分け部とから構成されていてもよい。
Tは、T≧2×Sであり、好ましくは、T≧2.5×Sである。
Pは、P≦Tであり、好ましくは、P≦0.5×Tである。
T :1個の区分発熱部の長さ
S :1個の区分発熱部の幅
P :区分け部の長さ
平行縞状(縦縞、横縞、斜め縞、縦波縞、横波縞、斜め波縞等)に区分発熱部からなるスジを配置することが一例として挙げられる。
【0043】
前記区分け部の幅は区分発熱部を間隔を置いて設けることができる区分けができれば制限はないが、通常0.1mm〜50mmであり、好ましくは0.3mm〜50mmであり、より好ましくは0.3mm〜50mmであり、更に好ましくは0.3mm〜40mmであり、更に好ましくは0.5mm〜30mmであり、更に好ましくは1mm〜20mmであり、更に好ましくは3mm〜10mmである。
【0044】
また、本明細書において、発熱組成部成形体は発熱組成部成形体及び圧縮された発熱組成物成形体である発熱組成物圧縮体の双方を意味する。
【0045】
本発明の基材や被覆材や通気調整材や支持体を構成する包材としては、発熱体用の包材として機能すれば制限はない。例えば、包材として非通気性素材、通気性素材、吸水性素材、非吸水性素材、非伸長性素材、伸長性素材、伸縮性素材、非伸縮性素材、発泡素材、非発泡素材、非ヒートシール性素材、ヒートシール性素材等が一例として挙げられ、フィルム、シート、不織布、織布等及びそれらの積層体等の複合体の所望の形態で、所望の用途により適宜使用できる。
本発明の基材とは、発熱組成物成形体が積層される包材であり、被覆材とは、それを覆う包材であり、通気性であるか、非通気性であるかは問わない。
通常、基材は非通気性フィルム又はシートからなり、被覆材は通気性フィルム又はシート又は不織布からなるが、逆でもかまわなし、双方が通気性を有していてもよい。
尚、本発明の発熱発熱体に使用される包材は、従来より開示されている又市販されている又は公知の使い捨てカイロや発熱体に使用されている如何なる包材をも適宜選択して使用できる。
【0046】
前記包材を通気性接着層を介して積層する場合、前記通気性接着層の形成は、接着性物質を加熱溶融下に熱風を介し吹付け展開するカーテンスプレー方式やメルトブロー方式やスロットスプレー方式等の適宜な方式で接着性物質を繊維化して多孔質フィルムや通気性基材やセパレータ等からなる適宜な支持基材上に展開堆積させ多孔状態の接着層とする方法等が一例として挙げられる。
【0047】
前記基材、被覆材、通気調整材、支持体を構成する包材の厚さとしては、用途によって大きく異なるが、制限はない。包材の厚さは、好ましくは1μm〜5,000μmであり、より好ましくは5μm〜1,000μmであり、更に好ましくは5μm〜500μmであり、更に好ましくは5μm〜250μmであり、更に好ましくは10μm〜100μmである。
【0048】
ヒートシール部に仮着をし、仮着部を設けた後にヒートシールして作成される場合、前記仮着部のシール強度としては、20℃環境下で、好ましくは0.5kg/25mm〜1kg/25mmであり、より好ましくは0.5kg/25mm〜0.9kg/25mmであり、更に好ましくは0.5kg/25mm〜0.8kg/25mmである。
また、60℃シール強度は、好ましくは0.8kg/25mm未満であり、より好ましくは0.01kg/25mm以上〜0.8kg/25mm未満であり、更に好ましくは0.01kg/25mm〜0.5kg/25mmであり、更に好ましくは0.01〜0.4kg/25mmである。
仮着後ヒートシールしたヒートシール部の20℃環境下でのシール強度は、好ましくは1.0kg/25mm以上であり、より好ましくは1.2kg/25mm以上であり、更に好ましくは1.5kg/25mm以上であり、更に好ましくは1.5kg/25mm〜3kg/25mmである。
また、60℃環境下での60℃シール強度は、好ましくは0.8kg/25mm以上であり、より好ましくは1.0kg/25mm以上であり、更に好ましくは1.2g/25mm以上であり、更に好ましくは1.5kg/25mm以上である。
【0049】
包材や発熱部や区分発熱部の通気性は、リッシー法(JIS K−7129A法)による透湿度で好ましくは50g/m/24hr〜10,000g/m/24hrであり、より好ましくは100g/m/24hr〜5,000g/m/24hrであり、更に好ましくは100g/m/24hr〜600g/m/24hrであり更に好ましくは150g/m/24hr〜500g/m/24hrである。
これらの範囲より通気性が低い又は透湿度が低いと、発熱量が不充分になり易く、一方、通気性が高い又は透湿度が高いと、発熱体の最高温度が高くなりすぎ、人体に熱傷を負わせる危険性があるためである。
【0050】
前記接着層の厚さとしては、通気調整材が固定できれば制限はないが、好ましくは1μm〜1000μmであり、より好ましくは5μm〜1000μmであり、更に好ましくは10μm〜100μmであり、更に好ましくは15μm〜250μmである。
【0051】
前記粘着剤層の厚さとしては、発熱体が固定できれば制限はないが、好ましくは5μm〜1000μmであり、より好ましくは10μm〜100μmであり、更に好ましくは15μm〜250μmである。
【0052】
非通気性包材としては、実質的に酸素、或いは、空気を透過しない単層又は積層のフィルムやシートや発泡体が使用できる。従来、化学カイロや非通気性収納袋(外袋)に使用されている非通気性包材も使用できる。
ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリアミド、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリウレタン、エチレン−酢酸ビニル共重合体EVOH(エチレン・ビニルアルコール共重合物、エチレン・酢酸ビニル共重合体鹸化物)系フィルム、二軸延伸ポリビニルアルコールフィルム、ポリ塩化ビニリデンコートフィルム、ポリ塩化ビニリデンをポリプロピレン等の基材フィルムに塗布してなるポリ塩化ビニリデンコートフィルム等の熱可塑性合成樹脂からなるフィルム、シート、塗布物及びそれらに酸化ケイ素等の金属(半導体も含む)化合物を積層したものやそれらを使った複合素材が一例として挙げられる。
【0053】
前記通気性包材としては、発熱体が機能を発揮する通気性があれば制限はない。
例えば、多孔質フィルム及び穿孔フィルム等の通気性フィルムや紙類、不織布等の通気性包材及びそれらの少なくとも2種以上積層した通気性積層体、不織布にポリエチレンフィルムがラミネートされた非通気性包材に針等を用いて微細な孔を設けて通気性を持たせたもの、繊維が積層され熱圧着されて通気性を制御された不織布、多孔質フィルム、或いは、市販の電気掃除機集塵袋用フィルター材等の電気掃除機集塵袋用フィルター材等が一例として挙げられる。
穿孔フィルムとは、ポリエチレンフィルム等の非通気性包材にレーザーや針等で微細な孔を設けて通気性を待たせたものである。また、不織布等の通気性素材にホットメルト接着剤等の非通気性材料をスポットパターン等に塗布し、かつ広げて、不織布領域の約1%にまで酸素透過領域を縮小して通気性素材としてもよい。
前記多孔質フィルムとしては、制限はないが、ポリエチレン、ポリプロピレン等熱可塑性樹脂等と充填材からなるフィルムを延伸した多孔質フィルムで、適宜選択することができる。
前記不織布としては、制限はないが、ポリエチレン、ポリプロピレン、レーヨン、ナイロン(ポリアミド)、ポリエステル等の材質からなる単繊維又は複合繊維の単一不織布又はそれら繊維の混抄又は累積繊維層の積層が用いられる。
【0054】
前記発泡体としては、ウレタンやポリプロピレン等の発泡体が一例として挙げられる。
前記伸縮性包材としては、伸縮性があれば、特に限定されるものではない。即ち、全体として、伸縮性があればよく、単品でも、伸縮性基材同士又は伸縮性基材と非伸縮性基材との組み合わせによる複合品でもよい。
例えば、天然ゴム、再生ゴム、合成ゴム、エラストマー、伸縮性形状記憶ポリマー等の単品やこれらの混合物やこれらと非伸縮性素材との混合品、混抄品やこれらの組み合わせ晶から構成される織物、フィルム、糸、ストランド、リボン、テープ、スクリム構造弾性状フィルム等が一例として挙げられる。
【0055】
前記伸長性材料は、伸長性を有するフィルム、シート、不織布、編布、織布、或いは、これらの積層体が一例として挙げられる。その厚さとしては、少なくとも、これらを用いて形成された可撓性保持部に引張り力を与えると、当前記可撓性保持部が破損する事なく、元の長さの1.2倍以上伸長するものであれば特に限定されるものではない。エラストマーやエラストマーと不織布の積層体等の合成樹脂製単層フィルムや合成樹脂製積層体が一例として挙げられる。例えば、合成樹脂製単層フィルムの厚さとしては、制限はないが、好ましくは5〜15μmである。
前記非伸長性材料は、前記伸長性材料以外の材料である。
伸縮性とは、引張り力を与えると破損することなく、力の方向に伸び、引張り力を取り除くと、張力がかかっていない時の、元の長さに戻る材料の特性を示している。
【0056】
伸縮性を有する材料としては、例えば、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SBS)、スチレン−イソプレン−スチレンブロック−共重合体(SIS)、ウレタン等の合成ゴム、0.88〜0.900g/cmの密度から選ばれる非結晶性オレフィン系樹脂を原料としたフィルム、開孔フォームフィルム、ネット、開孔不織布等が挙げられる。また、織布又は織布に合成ゴムを原料とした紡糸フィラメントを編み込んだ生地も使用できる。更に、合成ゴムを主体としたスパンボンド不織布やメルトプローン不織布、発泡フォームシート、連続長繊維を熱シールによりシート化した後に縦方向へ強制的にテンタリングを施したいわゆる伸長性スパンボンド等が一例として挙げられる。
【0057】
非伸長性の材料に伸長性を付与して使用する場合には、不織布からは芯成分が高融点で鞘成分が低融点成分で構成された熱収縮性を有するPE/PP、PE/PET、PP/PP等の複合合成繊維を原材料とし、熱風により処理された嵩高感に富むスルーエアー不織布、水流圧により繊維を交絡せしめたスパンレース不織布、連続繊維を積層しシート化したスパンボンド不織布、ニードルにより繊維同士を絡ませたニードルパンチ不織布、スパンボンドとメルトプローンを多層に積層してシート化したSMS不織布のほか、開孔フォームフィルムや開孔不織布(切れ目線、円状に切り抜く等)、エラストマーやそれを主成分としたフィルム等を単独又はこれらを複合して成る材料が挙げられる。また、上述のような材料を雄雌の金型の間に鰊合させ、熱と温度と圧力により形状を型押しするコルゲート加工により伸長牲を付与することも可能である。
【0058】
本発明においてヒートシール層を構成するヒートシール材としては、単独素材でもよく、ヒートシール層を有する複合素材でもよく、加熱によって少なくともその一部が接合しうるものであれば制限はない。一例を挙げると、低密度ポリエチレン、メタロセン触媒使用のポリエチレン等のポリオレフィン、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂等の塗布物やフィルムやシート等が一例として挙げられる。
【0059】
ここで、本発明における基材と被覆材は素材構成で区別するのではなく、発熱組成物成形体が積層される素材を基材と定義し、その後、基材や発熱組成物成形体に被せられる素材を被覆材と定義する。
基材と被覆材はヒートシール可能な熱可塑性樹脂フィルムやシート等の包材からなることが好ましく、通常、基材は非通気性であり、被覆材は通気性である。しかし、基材が通気性であり、被覆材は非通気性でもかまわなし、双方が通気性を有していてもよい。
本明細書において、発熱体の通気性については、発熱部や区分発熱部の少なくとも一部に通気性を有する部分があればよい。
【0060】
本発明では基材と被覆材とをヒートシールする前に粘着剤を使って、好ましくは、粘着剤からなる通気性の粘着層を使用し基材と被覆材とを仮着し、仮着部を形成後、ヒートシールしてもよい。前記ヒートシール部には仮着部を構成する粘着剤とヒートシール材とからなる領域が少なくとも1部に存在する。しわが発生せず、シール切れのなく、確実なヒートシールができる。これによりヒートシールの高速化も可能である。
尚、仮着のための粘着層の設けかたには制限はなく、全面に設けても、部分的や間欠的に設けてもよい。網状、ストライプ状、ドット状、帯状等、各種形状が一例として挙げられる。
【0061】
また、開着として、仮着部をヒートシール部より幅広に設けておき、狭幅のヒートシールを行い、狭幅のヒートシール部を設けた後、棒、板、ロール、バルーン等にて、発熱部を加圧したり、しごいたり、押したりして、未ヒートシールの仮着部を開着して、発熱組成物成形体の一部を未ヒートシールの仮着部に移動させ、幅の狭いヒートシール部を持つ発熱体を製造してもよい。
【0062】
固定手段としては、発熱体を所要部に固定できる固定能力を有するものであれば制限はない。前記固定手段として一般的に採用されている、粘着剤層、鍵ホック、ホックボタン、マジックテープ(登録商標)やベルクロ等の面ファスナー、マグネット、バンド、ひも等及びそれらを組み合わせたものを任意に使用できる。尚、バンドの場合、面ファスナーと粘着剤層との組み合わせで調整用固定手段を更に構成しても構わない。
また、使用されるまでの間の保護としてセパレータを固定手段に付与してもよい。前記セパレータには背割り等の切り込み等を設けてその剥離が容易となるようにしてもよい。
【0063】
前記粘着剤層は、粘着剤から構成される。前記粘着剤は発熱体が固定できれば制限はなく、従来、化学カイロや発熱体や湿布材に使用されているものや技術的に開示されたものも使用できる。
前記粘着剤層は、保水剤、吸水性ポリマー、pH調整剤、界面活性剤、有機ケイ素化合物、疎水性高分子化合物、焦電物質、酸化防止剤、骨材、繊維状物、保湿剤、機能性物質又はこれらの混合物からなる付加的な成分から選ばれた少なくとも1種を含有してもよい。
前記粘着剤層を構成する粘着剤としては、皮膚や衣服に付着するに必要な粘着力を有するものであれば、制限はなく、溶剤系、水性系、エマルジョン型、ホットメルト型、反応性、感圧系、或いは、非親水性粘着剤、混合粘着剤、親水性粘着剤(ジェル等)等の各種形態が用いられる。
また、粘着剤層としては、通気性を有するものであっても、通気性を有しないものであってもよい。用途に応じて適宜選択をすればよい。通気性としては、全体として通気性があればよい。例えば、部分的に粘着剤が存在し、部分的に粘着剤の存在しない部分があり、領域全体として通気性がある粘着剤層が一例として挙げられる。
通気性の基材及び/又は被覆材に粘着剤をそのまま層状に積層したり、セパレータに積層した粘着剤を基材及び/又は被覆材に貼り付けてもよい。
【0064】
また、粘着剤層、粘着層、接着層のやパターンや形状や設ける方法については発熱体が固定できれば制限はなく、全面に設けても、部分的や間欠的に設けてもよい。
その通気性を維持する方法としては、例えば、網状(蜘蛛の巣状)、棒状、ストライプ状、水玉状、格子状、帯状等の各種パターン、形状が、任意の形態に、粘着剤を印刷、転写、ノズル噴射等により、粘着剤層を部分的に積層する方法がある。
例えば、ホットメルト型の粘着性物質を加熱溶融下に熱風を介して吹き付け展開するメルトブロー方式やカーテンスプレー方式、或いは、グラビア方式等の適宜な方式で、粘着性物質を繊維化し、或いは、粘着剤を糸状に円を描きながら、一方向に移動させたり、ジグザグに移動させたりする等適宜二次元方向に運行させて部分塗布する方法や粘着剤を発泡させる方法が一例として挙げられる。
【0065】
非親水性粘着剤層を構成する粘着剤はアクリル系粘着剤、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SBS)、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SIS)、又はこれらの水添タイプ(SEBS、SIPS)等をベースポリマーとするスチレン系ホットメルト粘着剤等が一例として挙げられる。
【0066】
前記親水性粘着剤層を構成する親水性粘着剤としては、親水性ポリマーや水溶性ポリマーを主成分として、粘着性を有し、粘着剤として親水性であれば特に制限はない。公知のカイロや発熱体や貼付剤等に使用されている親水性粘着剤が使用できる。
具体的に言えば、ポリアクリル酸等の親水性ポリマーやポリアクリル酸ナトリウムやポリビニルピロリドン等の水溶性ポリマー、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム等のが一例として挙げられる。
【0067】
また、粘着剤層を親水性粘着剤層にした場合、前記親水性粘着剤層と発熱組成物成形体との間に水分保持力の差がある場合にはその間にある基材等の包材を介して、水分の移動が起こり、双方に取って、不都合が起こる。特に保存中に多く起こる。これを防止するために、これらの間に介在する包材である防湿性包装材の透湿度は、発熱性能に影響しない範囲で、水分の移動が防止できれば制限はないが、リッシー法(Lyssy法)による透湿度で、好ましくは、2g/m/day以下であり、より好ましくは1.0g/m/day以下であり、更に好ましくは0.5g/m/day以下であり、更に好ましくは0.01g/m/day〜0.5g/m/dayである。ここで、大気圧下、40℃、90%RHという条件下の値である。尚、前記防湿性包装材は基材や被覆材としても使用できるし、単独で基材や被覆材等に積層してもよい。
前記防湿性包材は、発熱組成物成形体と親水性粘着剤層の間の水分移動が防止できれば、制限はないが、2軸延伸ポリプロピレンフィルム、金属蒸着フィルム、金属酸化物の蒸着フィルム、金属箔ラミネートフィルムが一例として挙げられる。前記非通気性素材も使用できる。
また、特開平2002−200108号公報の防湿性包材等の包材も使用でき、この記載内容を本発明に組み入れる。
水含有の親水性粘着剤(ジェル等)を粘着剤層に使用する場合、発熱組成物と前記粘着剤層の水分平衡を調整するために、発熱組成物中の塩化ナトリウム等の反応促進剤や吸水性ポリマー等の水分確保力のある物質の含有量を発熱組成物に対して、10〜40重量%の範囲で、好ましくは1.5〜40重量%の範囲で、更に好ましくは15〜30重量%の範囲で調整してもよい。
また、透湿性がよく、皮膚への刺激性が低い粘着剤としては、特開平10−265373号公報、特開平9−87173号公報等の含水粘着剤(親水性粘着剤、ジェル)や特開平6−145050号公報、特開平6−199660号公報に記載されているホットメルト塗工できる粘着剤や特開平10−279466号公報や特開平10−182408号公報に記載されているゴム系粘着剤や平10−279466号公報や特開平10−182408号公報に記載されているゴム系粘着剤や特開2004−263054、特開2004−263055の湿潤面接着性を有するエマルジョン型粘着剤、特開2001−143294の湿潤面接着性を有する水性エマルジョン型粘着剤も有用であり、本各文献を引用し、全文を本明細書に組み入れる。
【0068】
前記発熱体を構成する前記基材、被覆材、通気調整材、粘着剤層、粘着層、接着層、セパレータにおいて、少なくともそれらの1種又はその一部に文字、図柄、記号、数字、模様、写真、絵、着色部の何れか一種以上を設けてもよい。また、各材及び層が多層で構成されている場合はその設置層は適宜決めればよい。
【0069】
前記発熱体を構成する前記基材、被覆材、通気調整材、粘着剤層、粘着層、接着層、セパレータにおいて、それぞれは透明、不透明、着色、無着色等如何なるものでもよい。また、各材及び層のそれぞれを構成する層のうち少なくとも1層を構成する層が他の層と異なる色に着色されていてもよい。
【0070】
前記複数の区分発熱部を有する発熱体の最小剛軟度は、好ましくは100mm以下、より好ましくは1mm〜100mmであり、更に好ましくは1mm〜90mmであり、更に好ましくは1mm〜80mmであり、更に好ましくは1mm〜70mmであり、更に好ましくは1mm〜60mmであり、更に好ましくは5mm〜60mm、更に好ましくは10mm〜50mmである。これにより、身体への接触時や使用時に好感触が得られる。
【0071】
前記複数の区分発熱部を有する発熱体の最小剛軟度率比は、好ましくは100以下であり、より好ましくは1〜100であり、更に好ましくは1〜80であり、更に好ましくは1〜50であり、更に好ましくは1〜40であり、更に好ましくは1〜30であり、更に好ましくは5〜30である。
【0072】
前記複数の区分発熱部を有する発熱体の発熱前の最小剛軟度に対すると発熱終了後の発熱体の最小剛軟度の剛軟度変化は、好ましくは30以下であり、より好ましくは0〜30であり、更に好ましくは0〜20であり、更に好ましくは0〜10であり、更に好ましくは0〜5であり、更に好ましくは0である。これにより、発熱体の少なくとも一方向の柔軟性は、発熱前、発熱中、発熱終了後において、大きな変化はない。
【0073】
前記発熱体は、非通気性収納袋である外袋に収納され、保管、輸送してもよい。前記外袋は非通気性のものであればそのはかの制限はなく、ラミネートされているものでもよい。
前記外袋の包材として前記非通気性包材が使用できる。その例としては、製造された発熱体を2枚の非通気性フィルム又はシートの間に介在させ、この介在と同時に、又は、この介在後に、前記2枚のフィルム又はシートを前記発熱体以上の大きさに打ち抜き、この打ち抜きと同時に、若しくは打ち抜き後に、前記発熱体の大きさを超える周辺部において、前記2枚のフィルム又はシートを封著した発熱体が一例として挙げられる。
【0074】
本発明の発熱体は、各種形状、厚み、温度帯のものが得られるため、通常の身体採暖用の外、関節用、美顔用、目用、痩身用、点滴液加温・保温用、温熱湿布用、薬剤カイロ用、頚部用、腰用、マスク用、手袋用、痔痩用、或いは、肩癖、筋肉痛、生理痛等の症状緩和用、座布団用、手術中の人体加温・保温用、温熱シート用、蒸散芳香用、腹部用、蒸散殺虫用、療治療用等の各用途に用いることができる。更に、機械類やペット等への加温・保温用等へ利用できる。
【0075】
本発明の発熱体を図1〜図13を使って説明する。本発明の発熱体は本図での説明のみに制限されるものではない。
【0076】
図1(a)は、長方形形状の発熱体の一例を示すもので、複数の区分発熱部2を所定の間隔で、スジ状(ストライプ状)に設けた発熱体1の平面図である。8個区分発熱部2がヒートシール部からなる区分け部3を介して設けられ、中央部の区分け部3は他の区分け部3より広い幅を有している。
【0077】
上記発熱体1は、成形性含余剰水発熱組成物を成形した発熱組成物成形体7を、基材4と被覆材8との間に介在させ、前記発熱組成物成形体7の周縁部をヒートシールして、発熱組成物成形体7を含む区分発熱部2と、ヒートシールされた区分け部3とから構成される。この発熱体1は、可撓性を有する。
発熱体1の最小剛軟度は、100mm以下である。また、発熱体1の最小剛軟度を有する方向の剛軟度率は、50以下である。最小剛軟度率比は100以下である。
発熱体1の発熱前と発熱終了後において、最小剛軟度の変化は0である。
【0078】
図1(b)に、Z−Z線断面図を示すように、非通気性面である基材4側にセパレータ6付きソリッド状粘着剤層5を設けたものである。
この発熱体1は、衣服の外側に貼り、衣服を通して身体に熱を伝達するように使用する。
粘着剤層5は、アクリル系のソリッドタイプの粘着剤層が一例として挙げられる。
【0079】
図1(c)は、図(a)の発熱体1からセパレータ6付き粘着剤層5を除いたものである。
【0080】
図2(a)はそら豆形状の発熱体1の一例を示す平面図である。
8個区分発熱部2がヒートシール部からなる区分け部3によって間隔を置いて設けられ、中央部の区分け部3は他の区分け部3より広い幅を有している。
また、この発熱体1は、同図(b)に同図(a)のY−Y断面図を示すように、通気性面側に網目状(蜘蜂の巣状)の通気性粘着剤層9を介して更なる被覆材10により被覆されている。この通気性粘着剤層9は、感圧熱溶解性接着剤であるホットメルト系粘着剤を網目状(蜘蜂の巣状状)に、メルトブロー法によって設けられている。
図2に示される発熱体1の使用法の一例としては、パンティの内側に発熱体1を貼り、粘着剤等の設けられていない側の面を身体側に接触されて、身体に熱を伝達するようにして使用する。
【0081】
図3(a)は、長方形形状の発熱体1の一例を示す平面図である。
6個の区分発熱部2がヒートシール部からなる区分け部3を介して設けられ、中央部の区分け部3は他の区分け部3より広い幅を有している。
図3(b)は、図3(a)のX−X線断面であり、通気性面側の区分け部3上にソリッド状粘着剤層5を介して更なる被覆材10により被覆したもので、図2の発熱体1と同様に衣服の内側に発熱体を貼り、粘着剤等の設けられていない側の面を身体側に接触されて、身体に熱を伝達するようにして使用する。尚、粘着剤層8は、アクリル系のソリッドタイプの粘着剤から構成されている。
【0082】
図4(a)は、平面形状が円形状の温灸器11の一例を示す平面図である。図4(b)はZ−Zの断面図である。
温灸器11は、成形性含余剰水発熱組成物を成形した発熱組成物成形体7を、基材4と、被覆材8との間に挟み、その露出面の片面にセパレータ11付き粘着剤層8を備える発熱体である。この温灸器2も皮膚に貼り、身体に熱を伝達するようにして使用する。
【0083】
図4(c)は、図4(a)と同類の温灸器2で、粘着剤層8の中央に(直径約3mmの)孔12を設けた温灸器11である。
前記温灸器11の通気性を確保するための被覆材8としては、発熱が維持できれば制限はなく、多孔質フィルム、穿孔フィルム及び多孔質フィルムに穿孔したものや電気掃除機集塵袋用フィルター材等が一例として挙げられる。通気度を考慮すると穿孔フィルムが好ましい。
【0084】
被覆材8の透気度は、JIS P8117の測定法によるガーレー式気体透過度に準じた気体透過度で、好ましくは9sec/3000cc以下であり、更に好ましくは5sec/300cc以下であり、更に好ましくは3sec/300cc以下であり、更に好ましくは2sec/300cc以下である。
また、ガーレー式気体透過度に準じた気体透過度は約0.4sec/300ccが測定限界であるので、前記測定限界を超える気体透過度はJIS L1096の測定法によるフラジール透気度が好ましくは40cc/cm/sec以下であり、更に好ましくは1〜40cc/cm/secであり、更に好ましくは1〜20cc/cm/secであり、更に好ましくは1〜10cc/cm/secである。
また、ガーレー式気体透過度に準じた気体透過度で9cc/cm/secを超えると、通気度が足りず、発熱立ち上がり性が落ち、最高到達温度も低くなる。
【0085】
また、電気掃除機集塵袋用フィルター材を使用する場合には、市販の電気掃除機集塵袋用フィルター材が使用できる。
また、例えば、麻パルプ、木材パルプ、エスパルトパルプ等の植物繊維、レーヨン繊維等の再生繊維、ビニロン繊維、ポリエステル繊維等の合成繊維、PVA繊維、ポリエステルバインダー繊維等の合成バインダ繊維、そしてマイクロガラス繊維を適度な比率で混合して湿式抄紙したフィルター材、また、植物繊維、合成繊維、合成バインダ繊維、マイクロガラス繊維からなる1層又は2層で構成されるシートに対してエマルジョン型バインダを含浸加工させて成るものも被覆材として使用することができる。
【0086】
図5は、楕円状形の区分発熱部2を、縦横方向に所定の間隔で設けた発熱体1の例である。
【0087】
図6(a)は、2個の発熱部2が中央のシール部である区分け部3を挟んで、設けられた発熱体1である。また、図6(b)は同V−Vの断面図である。
【0088】
図7(a)は、バンド付き発熱体1の一例を示す平面図である。
同図(b)は、(a)のU-U断面であり、発熱組成物成形体7を収容した、8個の区分発熱部2から形成された、長手方向の剛軟度が100mm以下の可撓性の発熱部を一対有するバンド付き発熱体1である。
バンド13は、伸縮性不織布から形成される。その一端側にSIS系ホットメルト系粘着剤により非伸縮性領域となる粘着剤層5を介して貼着されている。
また、8個の区分発熱部2の両側方には、バンド13,13をつなぐための伸縮性保持材14を設けている。また、バンド13の両側には、固定手段17として面ファスナーのフックファスナーを4個設けている。
【0089】
図7(c)は、図7(a)の発熱体1のバンド13を一体に成形したものである。
【0090】
また、本発明の発熱体は、区分発熱部以外の任意の領域に、互い違いに切り込みや手切れ可能なミシン目等の切り込みを任意の数で設けることが好ましい。
【0091】
本発明における切り込みとは、貫通した切り込みであり、発熱体の周辺部にあるミシン目、互い違いにの切り込み等の切り込みと発熱体の少なくとも1つの辺との接点にVノッチを施してもよい。
各種形状の切り込み、互い違いの切り込み、ミシン目(手切れ可能なミシン目等)、Vノッチ切り込み、Vノッチ付きの互い違いの切り込み、Vノッチミシン目(Vノッチ付き手切れ可能なミシン目等)等が一例として挙げられる。
好ましくは、本発明における切り込みは、互い違いの切り込み、Vノッチ付き互い違いの切り込み、Vノッチ付きミシン目(Vノッチ付き手切れ可能なミシン目等)、Vノッチ付き切り込みであり、発熱体の区分発熱部以外の領域に、好ましくは、前記区分け部の任意の箇所に、任意の数で設けてよい。
また、好ましくは、前記隣接する区分発熱部間のシール部である区分け部の中間に、区分け部の一辺からそれに対応する他辺まで切り込みを形成し、この切り込みにより前記各区分発熱部間の伸縮(伸長)を可能にした発熱体である。
また、好ましくは、前記隣接する区分発熱部間のシール部である区分け部の中間に、区分け部の一辺からそれに対応する他辺まで切り込みを形成し、この切り込みにより前記各区分発熱部を分割(分離)可能にした発熱体である。尚、切り込みのある領域を切り込みと称する。
【0092】
前記互い違いに設けられた切り込みは、伸縮させたい方向と略直交する方向に設けることが好ましい。切り込みの数等については、適宜設定することができる。
前記切り込みの形状は制限なく、例えば、平面形状を図7(d)に示すように、(イ)直線形、(ロ)菱形、(ハ)六辺形、(ニ)ヨロイ形、(ホ)楕円形、(ヘ)円形、(ト)長方形、(チ)X形等の形状にすることができる。
【0093】
切り込みの効果は、次のようになる。
1互い違いに配置した切り込み付き発熱体
1)非伸縮性(伸長)性発熱体を伸縮(伸長)性のある発熱体とすることができる。
2)剛軟度をより下げることができる。
3)Vノッチ付きの互い違いに配置した切り込みは、発熱体の周辺部の切り込みの捲り上げを防止し、予定したデザイン通りに製品化することができ、商品価値を上げる。
2ミシン目付き発熱体又は手切れ可能なミシン目付き発熱体
1)剛軟度をより下げることができる。
2)区分発熱部毎に切り離せるので、つぼ等の局所にあてがうことがい、温めることができる。
3)手切れ可能なミシン目付き発熱体は、使用者が身体のどの部分を発熱体で暖めるかによって、形状を決定し、手切れ可能なミシン目から分割して使用できるもので、使用場所に合った形状や大きさにすることができる。従って、極めて効率がよく、且つ、便利である。例えば、首回りを暖めたい場合には、細長の小さい区分発熱部に分割すれば、少しも嵩張ることなく目的を達成できる。
また、両方のポケットに入れて使用する場合には、矩形状の小さい区分発熱部にして使用することができるため、極めて効率的である。
更に、使用場所によっては分割することなく、複数の小さい区分発熱部を含んだ発熱体のままで使用することもでき、この場合には、従来の一つの発熱部からなる発熱体の場合のように、内部の原材料が一側部に偏るような欠点はない。更に、本発明は従来のように一つの発熱部からなるミニサイズの小さい発熱体を別個に製造したり、包装したりする場合に比べ、1つの大きい発熱体内に複数の小さい区分発熱部が一緒に含まれているため、製造も従来法では切断していた部分を切り込みとするだけでよく、コスト高となるようなこともない。また、大きい発熱体のままで包装できるので、包装コストも低減することができる。
また、Vノッチ付き手切れ可能なミシン目を設けた発熱体は、手切れに際し、引き裂きがより容易になるので、確実に切断することができ、切断した後の製品の形状もデザイン的に優れたものとなる。
また、支持体の伸長に際し、引き裂きがより容易で、且つ、確実な伸縮性(伸長性)発熱体とすることができ、デザイン的にも優れ、商品価値を上げる。
【0094】
前記手切れ可能なミシン目としては、貫通した切り込みを有し、切り込み長さと隣接して切り込みとの間隔の長さは同じである必要はなく、手切れ時に切断することができれば制限はないが、その一例を下記する。
1)手切れ可能なミシン目が、円形状の貫通した切り込みで、その口径が、好ましくは10μm〜10mmφであり、更に好ましくは10μmφ〜5mmφであり、更に好ましくは100μmφ〜5mmφであり、更に好ましくは500μmφ〜0.5mmである。
また、貫通した切り込みで、その長さが好ましくは、10μm〜200mmであり、より好ましくは10μm〜50mmであり、更に好ましくは10μm〜30mmであり、更に好ましくは10μm〜20mmであり、更に好ましくは100μm〜20μmであり、更に好ましくは100μm〜10mmである。
2)貫通した切り込みと隣接した貫通した切り込みの間隔の長さは、制限はないが、好ましくは1μm〜10mmであり、より好ましくは1μm〜7mmであり、更に好ましくは1μm〜5mmであり、更に好ましくは1μm〜1mmである。
3)貫通した切り込みの長さ(A)と隣接した切り込み間の最短の長さ(B)との比(A/B)は、好ましくは1以上、より好ましくは1〜50であり、更に好ましくは5〜40であり、更に好ましくは10〜30である。
4)ミシン目の切り込みの先端部は発熱体の辺と接点を有している。
5)手切れ可能なミシン目を2列以上平行に設けてもよい。
6)手切れ可能なミシン目は、区分発熱部以外の領域に、縦、横、縦横等に任意に所定の間隔を存して併設されていてもよい。
【0095】
前記切り込みの寸法は、長さ、最長径又は最長辺は制限はないが、好ましくは、1〜100mmであり、1〜50mmであり、より好ましくは1.5〜50mmであり、更に好ましくは2〜30mmであり、更に好ましくは5〜20mmである。
幅又は最短径又は最短辺は制限はないが、好ましくは0を超えて50mmであり、より好ましくは0.01〜50mmであり、より好ましくは0.1〜50mmであり、更に好ましくは0.1〜30mmであり、より好ましくは0.1〜20mmであり、更に好ましくは0.1〜10mmであり、更に、このましくは、0.1〜5mmである。
尚、対向する切り込みの延長方向の相互間隔(切り込み送り幅、図7(e)においてW1として示す。)は制限はないが、好ましくは0.01〜20mmであり、より好ましくは0.01〜10mmであり、より好ましくは0.1〜8mmであり、より好ましくは0.1〜7mmである。更に好ましくは0.1〜5mmである。
切り込みの延長方向と直交する方向の相互間隔(切り込み幅、W2)は制限はないが、好ましくは0.1〜20mmであり、より好ましくは0.1〜15mmであり、更に好ましくは0.1〜10mmであり、更に好ましくは0.1〜5mmであり、更に好ましくは0.5〜5mmである。
【0096】
前記互い違いに配置した切り込みを延伸した後の形状に制限はなく、また、この切り込みを延伸した後の網目形状の寸法は制限はないが、一例として線状切り込みを例に取ると、その網目形状の伸び方向(延伸方向)の寸法(切り込み長さに相当)は制限はないが、好ましくは1〜100mm、それの縮手方向(延伸方向に直交する方向)の寸法は制限はないが、好ましくは1.5〜50mmである。
【0097】
非伸長性材料を可撓性材料として可撓性保持部材に使用する場合は、互い違いに配設した厚さ方向に貫通する複数の切り込みが幾何形状の選択によって左右される。特に、菱形のパターンになるようにすると伸長性又は伸縮性が増すことになるので好ましい。
【0098】
この切り込みの配設手段の一例として、特に制限はないが、エキスパンドカッター、ロータリーダイカッター、ピグ抜き、レーザー等を用いることを挙げることができる。エキスパンドカッターを用いる場合、厚手の基材等、粘着テープやダブルセパレータ付き粘着テープに切り込みを容易に形成することができ、また、ロータリーダイカッターを用いる場合は、連続的な作業を可能とするとともに、基材等や粘着面側から切り込みを形成することも可能である。
【0099】
ここで、前記切り込みを互い違いに配設するとは、非伸長性材料や非伸縮性材料の包材を延伸することにより切れ込みが網目状等に変形できるように配置することをいい、ひも等を網加工したネットと異なり、接合部分が一体であり、一定の切り込み長さだけ開拡しつつ網目を形成することができる。
【0100】
前記互い違いに配設した厚さ方向に貫通する複数の切り込みを形成する場合、線状切り込みを例にとると、JIS−A5505等のメタルラス加工に記載されている。この切り込みによって、その長手方向に対して垂直方向に伸縮が可能となり、形状を自在に変えることが可能な網目状の形状とすることができる。
【0101】
本発明の可撓性発熱体は、切り込みの長手方向に対して垂直方向に伸縮できるように構成することが好ましく、伸長率は制限はないが、用途にもよるが、好ましくは1.1〜10倍であり、より好ましくは1.2〜10倍であり、更に好ましくは1.5〜10倍であり、更に好ましくは2〜6倍である。1.1未満であると、形状追随性が不十分となり、10倍を超えると網目の開口部が大きくなり過ぎ、引張強度が低下するおそれがある。ここで、伸長率(倍)とは、伸長後の長さを伸長前の長さで除した商を意味する。
また、本発明の切り込みを有する発熱体の引張強度の制限はないが、好ましくは3N/50mm以上である可撓性発熱体である。
【0102】
図7(f)に示すものは、変形例のバンド付き発熱体(可撓性発熱体)の平面図であり、スジ状に間隔をおいて、区分発熱部2が設けられた可撓性発熱部を有する発熱体1の両面には、面ファスナーのループ機能を設けるようにした。
次に、通気性不織布からなる非伸長性の可撓性保持部材(一例として、長さ10〜100cm×幅1〜15cm)として構成されたバンド13に、6個の区分発熱部2を設け、これらの両側に、切り込み15を設けた(一例として、幅50mmの範囲)。この切り込み15は、互い違いに(一例として、長手方向と直交する方向(延伸方向に垂直な方向))され、10mmの長さで、長さ方向に2mm(W1)間隔で、延伸方向に10mm幅(W2)で設けられる)。また、この切り込み15は、バンド13の厚み方向に貫通するようにして形成した。
また、区分発熱部2の通気面を外側にして、粘着剤からなる粘着層を介してバンド13に貼着した。
次に、バンド13の長手方向の一端側で、貼着された区分発熱部2と反対側の面に固定手段としての面ファスナー(フック機能を有する)を、粘着層を介して設けた。尚、バンド13は端部に近づくに従って、幅が狭くなるようにしてもよい。
また、互い違いに設けた切り込みの伸長率の制限はないが、好ましくは、1.1〜10倍で、引張強度の制限はないが、好ましくは3N/50mm以上である。
【0103】
図7(g)は、2個の区分発熱部2を一組として、各組の間にそれぞれ切り込み15を設けた発熱体1の平面図である。
【0104】
上記した例では、切り込み15により発熱体1に伸縮性を付与したが、図8(a)に示すように、伸縮材料として、ポリマー製メッシュの伸縮材(スクリム)17を使用してもよい。スクリム17は、同図(b)に示すようにバンド13間に挟んで結合する。
この例では、基材として、低密度ポリエチレン製ヒートシール層/ポリエチレンフィルムを被覆材、ポリエチレン性多孔質フィルム/ポリエチレンフィルムを被覆材を使用している。
基材にポリエチレン−酢酸ビニル製ヒートシール層/ポリエチレンフィルム、被覆材に穿孔した低密度ポリエチレン製ヒートシール層/ポリエチレンフィルムを使用してもよい。
前記メッシュ伸縮材(スクリム)17は、複数の伸縮性第2ストランドと交差する複数の第1ストランドを有し、バンド13に一体的に結合する。
メッシュ伸縮材(スクリム)17は、図8(a)の区分発熱部2とは反対側に配設されてもよいし、両側に設けてもよい。
【0105】
図9(a)は、全足形の形状を有する足温用発熱体1の平面図を示す。基材は滑り止め層/芯材/ポリエチレン層の積層体であり、被覆材は多孔質フィルムナイロン製不織布である。
前記芯材24としては、プラスチックからなるフィルムやシートやゴム、段ボールライナー紙、段ボール中芯(紙)、コートボール等の厚紙、剛性のある紙類が一例として挙げらる。設置法も単独でもよいが、滑り止め層と芯材を兼ねたゴムを使用するとか、基材や被覆材の構成と同じ材料を使用してもよい。尚、剛性は適用される足の部位により適宜選択すればよい。
【0106】
図9(b)は、足温用発熱体1のほぼ中央部でわかれるようにして区分発熱部2を形成し、発熱組成物成形体4のない区分け部3のほぼ中央部にミシン目18を入れ、折り畳み可能な足温用発熱体1である。前記足温用発熱体1を折り畳んで外袋に収納すると、小さくなり持ち運びやすく、水分の飛散防止や外袋の節約にもなる。
【0107】
この場合の、発熱組成物成形体の形状は、足の任意の部位を覆う形状に形成されておればよく、例えば、足の裏側の一部分を覆う形状、足の裏側の全部を覆う形状、足の甲側の一部分を覆う形状、足の甲側の全部を覆う形状の他、足の裏側又は甲側の一部又は全部と、足の横側の一部又は全部とを覆う形状、或いは、足の裏側の一部又は全部と、足の横側の一部又は全部と、足の甲側の一部又は全部とを覆う形状等をその例として挙げることができる。また、発熱組成物成形体の中央部等に凹部等があってもよい。本発明では圧縮された発熱組成物成形体である発熱組成物圧縮体も発熱組成物成形体に含める。
【0108】
図10(a)には伸縮自在の発熱体1の他の例を示す平面図である。同図(b)にはR−Rの断面図を示す。
図示される発熱体1は、長さ135mm×幅100mmの矩形状の発熱体1である。
区分発熱部2は、高さ1.7mmの発熱組成物成形体7を含有する。また、ヒートシール部である区分け部3の幅は5mmである。また、外周辺部のシール幅は8mmである。
各区分け部3の中央部に発熱体1の周縁部に達するまで、手切れ可能なミシン目15が設けてある。
発熱体1は伸縮性を有する厚さ50μmの熱可塑性ポリエステルエラストマーフィルムからなる支持体19上に、SIS系ホットメルト粘着剤14を介して貼り付けてある。尚、支持体19としては、前記バンドカイロで使用したバンド13を構成する伸縮性包材も有用である。
更に、支持体19には、セパレータ6で保護された厚さ約30μmの層のアクリル系粘着剤からなる粘着剤層14’が設けられている。
この発熱体1は、伸ばしたときにミシン目15の部分で、各区分発熱部2が切り離され、発熱体1を伸ばすことができる。図10(c)は、発熱体1を伸ばしたときのR−R断面図を示す。
【0109】
尚、ミシン目は、区分け部の全てに入るようにしてもよい。また、ミシン目の端部にVノッチを設けることもできる。
【0110】
また、ミシン目については、下記のようにすることもできる。
1)口径10μmφ〜1200μmφの穴あけ加工又は長さ10μm〜200mmの切れ目加工により形成される、
2)縦横に所定の間隔を存して併設される、
3)ミシン目の隣接する穴の中心間を結ぶ線上での、隣接する各穴の外周間の最短間隔又はミシン目の最短間隔が1μm〜5000μmとする。
図10(d)は、本発明の他の発熱体のVノッチ付き手切れ可能なミシン目入り区分発熱部を備える発熱体の一例である。
【0111】
図11(a)は、通気調整材20を設けた他の発熱体の一例である。
図11(b)は、その断面図を示すように、基材4は、非通気性ポリエチレンフィルムにポリエチレン製不織布をラミネートして形成し、その片面に粘着剤14を介してセパレータ6を設ける。この基材4の上には、成形性含余剰水発熱組成物からなる発熱組成物成形体7を積層し、その上にポリエチレン製多孔質フィルムにポリプロピレン製不織布を積層した通気性被覆材8を被せ、発熱組成物成形体7の周縁部をヒートシールすることにより8個の区分発熱部2を形成する。次に、通気調整材20を、区分発熱部2の上面と、発熱体1の外周部とにおいて粘着剤により貼着する。
通気調整材20と区分け部2との間には、実質的に空間通気層21が形成され、両端の開口から空気を取り入れることになる。
【0112】
図11(c)は、空間通気層21の近傍の拡大図であり、区分け部3に空間通気層21を1つ設けた例である。
図11(d)は、隣接する区分発熱部2間の区分け部3のほぼ中央部に、通気調整材20を貼着したものである。
【0113】
図11(e)は、変形例を示すもので、通気調整材20の区分け部3に対応する位置に通気孔22が設けたものであり、ここから、空気を取り入れるようにするものである。
尚、この通気孔22に通気遮断シートを剥離可能に貼り合わせてもよい。これにより、保管・輸送中には通気面から空気(酸素)が区分発熱部内部に侵入することがなく、保管・輸送中の発熱を防止できる。
【0114】
本発明において、通気調整材20とは、区分発熱部を通気調整材で覆うことにより、少なくとも区分発熱部の周縁部の一部に空間を形成し、外部と区分発熱部との間の通気性を調整し、合わせて保温効果も付与する。また、区分発熱部を、点在するようにすれば、実用範囲で面発熱を具現化もできる。
通気調整材及び支持体は、基材、被覆材に使用した包材が使用でき、また、従来より開示されている又市販されている又は公知の使い捨てカイロや発熱体に使用されている如何なる包装材からも適宜選択して使用できる。
【0115】
通気調整材20の通気性は、通気調整材が設けられた発熱部や発熱体本体の通気面の通気性より低ければ、制限はない。
前記通気性は、リッシー法による透湿度が、好ましくは50g/m/24hr以下であり、より好ましくは10g/m/24hr以下であり、更に好ましくは2g/m/24hr以下であり、より更に好ましくは1g/m/24hr以下であり、通常非通気性素材と言われるものも使用できる。
多孔質フィルム、不織布、穿孔による孔を有するフィルムやシート等の通気性素材及びそれらを少なくとも1種を構成要員の一部に含む積層体等の複合体が一例として挙げられる。特に穿孔により孔を設けたフィルム、シート、複合体が好ましい。
また、穿孔等で、通気調整材の局部領域に発熱部又は発熱体の通気面(通気孔)より大きい通気性を有する領域(通気孔)を設け、局所の通気性を高くし、他の領域は実質的に非通気性にするか、又は前記区分発熱部の通気面の通気性より通気性を低く保つようにし、空気等の気体の流通路及び流通を制御してもよい。これにより、区分発熱部の保温と適切な温度維持ができる。
【0116】
通気調整材は、非通気性領域と通気性領域を有するプラスチックフィルム又はシートであれば制限はないが、通気調整材を構成する素材は、従来より発熱体や化学カイロ(通気性収納袋(内袋)や非通気性収納袋(外袋))に使用されている素材及び本発明の明細書に記載の基材、被覆材、外袋に使用される素材が使用でき、適宜選択すればよい。非通気性フィルム、シートやそれらを含む積層体に穿孔により通気孔を設けたフィルム、シートやそれらを含む積層体が有用である。例えば、非通気性プラスチックフィルム又はシートを穿孔することによって得られる穿孔による通気孔を有するプラスチックフィルム又はシートが一例として挙げられる。この方法によれば、針穴の大きさを加減することによって、比較的容易に通気性を調節することができる。また、外表面が平滑なプラスチックフィルムやシートを使用すれば、通気孔を別の非通気性プラスチックフィルムやシートで覆う場合、前記プラスチックフィルムやシートを通気孔周辺部によりしっかりと密着貼合することができる。
【0117】
例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ナイロン等の各種プラスチック材料のフィルム、KOP(塩化ビニリデンコート2軸延伸ポリプロピレンフィルム)等のKコート(塩化ビニリデンコート)フィルム、蒸着フィルム(酸化ケイ素、酸化アルミニウム、窒化ケイ素、窒化アルミニウム、酸窒化ケイ素等の酸素や窒素等との金属化合物又はアルミのような金属を蒸着したフィルム)、不織布と各種フィルムの積層物等の単層又はこれらを含む積層フィルムやシートが一例として挙げられる。
更に、PE/粘着剤、PP/粘着剤、PET/粘着剤、PE/不織布/通気性粘着剤PE/不織布/PE/粘着剤、PE/PET/M/PE/不織布/通気性粘着剤、PE/ヒートシール材、PE/不織布/ヒートシール材PE/不織布/PE/ヒートシール材、PE/PET/M/PE/不織布/ヒートシール材等が一例として挙げられる。
ここで、PEはポリエチレン、PETはポリエチレンテレフタレート、Mはアルミニウム、銀等の金属や酸化ケイ素、酸窒化ケイ素、窒化ケイ素、酸化アルミニウム等の半導体や金属の酸化物、酸窒化物、窒化物を示す金属化合物である。また、粘着剤層、ヒートシール剤層等の固定手段の設置部分は制限はなく、一部分又は全面に設けるかは、適宜使い分ければよい。
【0118】
通気調整材の通気孔の設け方には、全面に設ける方法、通気調整材の中央部に集中的に穿孔する方法、通気調整材の中央部にベルト状にエンドレスに設ける方法、通気調整材の端部にに設ける方法等あげられ、いずれも適用可能てある。
更に、プラスチックフィルムを用いて完全に前記通気孔を被覆する場合は中央部集中方式が好ましい。従来の発熱体で穿孔した孔を通気孔にしそれをプラスチックフィルムを用いて完全に被覆する方式の発熱体の場合では、使用中内容物の洩出が問題となるが、本発明では、区分発熱部と通気調整材とを組み合わせた2重覆い構造を用いているので、この問題を回避できる。特に区分発熱部の通気部が多孔質フィルムを構成員の一員として有している場合はより好ましい。本発明により、賦形剤を含有しない発熱組成物を使用した場合でも、使用中内容物の洩出による外部汚染の問題を回避できる。
【0119】
前記通気調整材を発熱部及び/又は発熱体に固定する接着層は固定できれば制限はない。接着層を構成するものとして本発明の明細書で記載される粘着剤、アクリルニトリル系接着剤等の接着剤、ヒートシール材等が一例として挙げられる。
【0120】
前記通気調整材と発熱部との固定領域は少なくとも発熱体の最外周縁端部において固定できれば制限はないが、
1)発熱部又は発熱体の最外周縁端部端部全周のみで固定する、
2)発熱部又は発熱体の相対する一対の最外周縁端部のほぼ中央部全域を残した他の最外周縁端部を固定額域とする、
3)1)又は2)に加え更に、各区分発熱部のほぼ頂部と各区分け部のほぼ中央部を固定領域とする、
4)1)又は2)に加え更に、発熱部のほぼ中央部全域に空間部を設け、他の各区分発熱部のほぼ頂部と他の各区分け部のはぼ中央部を固定領域とする、
5)1)又は2)に加え更に、各区分発熱部のほぼ頂部を固定領域とする、
ことが好ましい。
【0121】
通気遮断シートを固定する接着層は通常使用されている接着剤や粘着剤から構成される。特に粘着剤は有用であり、前記粘着剤層を構成する粘着剤が使用できる。
また、粘着剤層、粘着剤から構成される粘着層、接着層の設ける方法については通気遮断シートが固定できれば制限はなく、全面に設けても、固定するのに必要な領域のみに設けても、部分的や間欠的に設けてもよい。網状、ストライプ状、ドット状、帯状等、各種形状が一例として挙げられる。特にメルトブロー法で網状(蜘蛛の巣状)に設けたものは有用である。
【0122】
前記通気遮断シートに剥離可能に貼り合わせられる。この方法としては、例えば、微粘着型の粘着剤を上配通気遮断シートの全面に塗布したり、筋塗り塗工や斑点状に塗工して部分的に塗布して通気遮断シートを貼り合わせる、或いは、ラミネート加工により、通気性シートと貼り合わせる方法が採用される。尚、粘着剤層を通気性シート全面に形成する場合には、剥離後の通気性シートの通気性を確保する必要がある。このために、通気遮断シートにコロナ処理等の放電加工やアンカー処理等を施し、通気遮断シートとの投錨力を高め通気遮断シートに粘着剤ができうる限り残らないようにするのがよい。
【0123】
このように通気遮断シートを、通気調整材の通気面(通気性シート)に剥離可能に貼り合わせておくことにより、保管・輸送中には通気面から空気(酸素)が区分発熱部内部に侵入することがなく、保管・輸送中の発熱を防止できる。一方、使用時には通気遮断シートを通気調整材から剥がすことにより通気性を確保できるため、通常の使用により発熱させることができる。従って、従来のように1つ1つの発熱体を個別に包装することなく出荷することが可能となり、数個の発熱体を一つの包袋にまとめて包装し、いわゆる内袋を省くことができる。即ち、まとめ包装した場合に、その中の一つを使用したとしても、一つ一つの発熱体1を個別包装したのと同様に保存でき、開封後密封する等その保管状態に気を使わずに使用することができる。
【0124】
本発明の発熱体においては、予め通気性素材と非通気性素材により収納袋(区分発熱部)を形成し、通気調整材を設けた後、通気遮断シートを貼り合わせることも考えられるが、製造工程上は、まず通気性シートと通気遮断シートとを積層して予め複合シートを作製した後、当前記複合シートと非通気性シートとを貼り合わせて、通気遮断シートが備えられた発熱体を作製してもよい。
【0125】
また、通気遮断シートは通気面全面を覆う必要があるが、必ずしも、通気調整材の通気側の面全面を覆う必要はなく、好ましくはその周縁よりもやや小さくなるように設定するのが好ましい。更に好ましくは通気調整材の通気孔の周辺部をを覆うことで、通気遮断シートを剥離しやすくなる。
【0126】
前記通気遮断シートは、保管、輸送時に通気面の通気性を遮断し、空気の侵入を防止できればよく、必ずしも完全に通気遮断性を必要とするものではない。
当前記通気遮断シートには、例えば、前記通気調整材に使用される素材及びそれと同様なプラスチックフィルムの他、これらのプラスチックフィルムで紙やアルミニウム薄膜等をラミネート加工したシート状物が用いられる。また、非通気性シートとは、異なり、使用時に剥がして用いるために、耐熱性を必要とするものでもなく、軟質ではなく硬質のものであっても差し支えない。尚、発熱性組成物の発熱反応を防止できればよいので、完全に空気を遮断するのではなく、発熱性組成物の発熱源の一つである酸素透過性の低い酸素遮断シート等も用いることができる。
前記発熱体の厚み方向と直交する面における最小剛軟度が100mm以下である発熱体の製造方法は、フィット性に優れた発熱体の製造方法として有用である。特に、一方向の剛軟度が他の方向に対して、著しく小さいプリーツ状発熱部を有する発熱体はフィット性に優れた発熱体である。
発熱組成物、包材等発熱体に関する材料はすべて前記記載の通りであり、それらを使用し、本製造方法を使用し、前記すべての発熱体を製造する。
【0127】
前記型成形法とは、凹部や貫通孔からなる型孔を有する型を使用し、前記型孔に成形性含余剰水発熱組成物を充填し、型を離すことにより、発熱組成物成形体を得る方法であり、型通し成形方法や鋳込み成形方法等が一例として挙げられる。
型通し成形方法や鋳込み成形方法等の型成形法により、成形性含水発熱組成物を成形した発熱組成物成形体又は複数個の発熱組成物成形体を、基材上に、間隔を空けて積層する。
更に被覆材で覆い、前記発熱組成物成形体の周辺部をシールすることにより、発熱部又は区分発熱部を設ける。発熱部の周縁部はシール(圧着シールや熱圧着シールやヒートシール等)がしてある。前記区分発熱部は複数個からなり、ヒートシール部である区分け部により、各区分発熱部が離れて配置され、前記区分発熱部の集合から発熱部が形成されており、区分発熱部の周縁部、発熱体の周辺部がシール(圧着シールや熱圧着シールやヒートシール等)がしてある。特にヒートシールが好ましい。
次に、カット工程等を経て発熱体を製造する。前記シール工程、カット工程等は従来方法、装置から適宜選択して使用すればよい。
【0128】
また、本発明の発熱組成物成形体の製造方法や製造装置には、磁石を使用してもよい。磁石を利用すると、発熱組成物の型内への収容や、型からの発熱組成物成形体の離脱が容易にでき、発熱組成物成形体の成形がより容易になる。
【0129】
前記型通し成形方法とは、抜き型を使用し、発熱組成物を成形し、基材の上に型の抜き形状の発熱組成物成形体を積層し、発熱組成物成形体を製造する方法である。
抜き型とは、所望の形状、厚さを持った貫通孔を有した型である。連続製造装置としては、中空のドラム状回転体の回転面に複数の前記通孔が設けられているドラム状成形装置や1個以上複数の貫通孔を有するストラットを複数個設けたストラットコンベア状回転体を使ったストラットコンベア状成形装置等が一例として挙げられる。
連続製造方法としては、前記回転式抜き型を有する成形装置を使用し、長尺の基材の上に型孔の抜き形状の発熱組成物成形体を積層する成形機とそれを長尺の被覆材で覆い、目的とする区分け部分及び基材と被覆材の周辺部をシール(ヒートシールや圧着シールや熱圧着シール等)できる回転式のシール器を用いて、そのシール器を介し、発熱組成物成形体の周辺部及び区分け部分の必要箇所をヒートシールし、封入処理する連続形成方法が一例として挙げられる。
【0130】
前記鋳込み成形法とは、発熱組成物を凹部を有する鋳込み型へ充填し、成形した発熱組成物成形体を基材へ積層することにより、発熱組成物成形体を製造する方法である。抜き型とは、所望の形状、厚さを持った凹部を有した型である。連続製造装置としては、ドラム状回転体や中空のドラム状回転体の外面に複数の凹部を設けられているた発熱組成物成形体製造装置等が一例として挙げられる。
連続製造方法としては、前記複数の凹部を有するドラム状回転体からなる発熱組成物成形体製造装置の凹部への充填と基材への移設により、発熱組成物成形体を長尺基材上へ積層する成形機とそれを長尺の被覆材で覆い、目的とする区分け部分及び基材と被覆材の周辺部をシール(ヒートシールや圧着シールや熱圧着シール等)できる回転式のシール器を用いて、そのシール器を介し、発熱組成物成形体の綾部及び区分け部分の必要箇所をヒートシールし、封入処理する連続形成方法が一例として挙げられる。
【0131】
本発明において、易動水値とは、発熱組成物中に存在する水分の中で発熱組成物外へ移動できる余剰水分の量を示す値である。
常温常圧で、中心点から放射状に45度間隔で8本の線が書かれたNo.2(JIS P3801 2種)の濾紙を、ステンレス板上に置き、前記濾紙の中心に、内径20mm×高さ8mmの中空円筒状の穴を持つ長さ150mm×幅100mmの型板を置き、その中空円筒状の穴付近に試料を置き、押し込み板を型板上に沿って動かし、試料を押し込みながら中空円筒状の穴へ入れ、型板面に沿って、試料を擦り切る(型押し込み成形)。
次に、測定中に発熱反応が起こらないようにするために、前記穴を覆うように非吸水性の70μmポリエチレンフィルムを置き、更に、その上に、厚さ5mm×長さ150mm×幅150mmのステンレス製平板を置き、常温常圧で5分間保持する)。その後、濾紙を取り出し、放射状に書かれた線に沿って、水又は水溶液の浸みだし軌跡を中空円筒の穴の縁である円周部から浸みだし先端までの距離として、mm単位で読み取る。同様にして、各線上からその距離を読み取り、合計8個の値を得る。読み取った8個の各値(a,b,c,d,e,f,g,h)を測定水分値とする。その8個の測定水分値を算術平均したものをその試料の水分値(mm)とする。また、真の水分値を測定するための水分量は内径20mm×高さ8mmの前記発熱組成物等の重量に相当する前記発熱組成物等の配合水分量とし、その水分量に相当する水のみで同様に測定し、同様に算出したものを真の水分値(mm)とする。水分値を真の水分値で除したものに100をかけた値が易勤水値である。即ち、
易動水値=[水分値(mm)/真の水分値(mm)]×100
同一試料に対して、5点測定し、その5個の易勤水値を平均し、その平均値をその試料の易勤水値とする。また、発熱体中の発熱組成物の易動水値を測定する場合、真の水分値を測定する水分量は発熱組成物の赤外線水分計による水分量測定から発熱組成物の含水率を算出し、それを基に、測定に必要な水分量を算出し、前記水分量により真の水分値を測定算出する。
また、少なくとも、易動水値が0.01以上13未満の発熱組成物は、前記穴を覆うように非吸水性の70μmポリエチレンフィルム12を置き、更に、その上に、厚さ5mm×長さ150mm×幅150mmのステンレス製平板11を置く代わりに、風防を被せた場合は本発明の発熱組成物は測定中に発熱反応が起こり、測定不能になる。
【0132】
前記成形度とは、抜き穴を有する抜き型を用いた型通し成形により、抜き穴の形状で発熱組成物の成形体である発熱組成物成形体が、型離れ後、型にあった形状を維持し、前記発熱組成物成形体の周縁部において、最大長さが800μmを超える発熱組成物成形体の崩れ片がなく、最大長さ300μm〜800μmの発熱組成物成形体の崩れ片の数により、その発発熱組成物の成形性を数値化したものである。
1)測定装置としては、
走行可能な無端状ベルトの上側にステンレス製成形型(中央部に縦60mm×横40mmの四隅が5アールr(略円弧状)に角を丸められ、抜き穴の上部(発熱組成物の入口)の4辺の角部が1アールr(略円弧状)に、抜き穴の下部(発熱組成物成形体の出口)の4辺の角部が3アールr(略円弧状)に設けられた抜き穴を有し、型の外表面及び抜き孔の毎壁面を平滑な面とした、厚さ2mm×縦200mm×横200mmの板)と固定可能な擦り切り板を配置し、それと反対側である無端状ベルトの下側に磁石(厚さ12.5mm×縦24mm×横24mmの磁石が並列に2個)を配置する。前記平滑な面とは、平滑であれば制限はないが、表面粗さRaが、好ましくは10μm以下であり、より好ましくは4μm以下であり、更に好ましくは2μm以下である。
前記磁石は、擦り切り板及びその近傍の領域、且つ、成形型の抜き穴の進行方向に対する最大断面の領域(40mm)より大きい領域を覆う。
2)測定法としては、
前記測定装置の無端状ベルトの上に厚さ1mm×縦200mm×横200mmのステンレス板を置き、その上に厚み70μm×縦200mm×横200mmのポリエチレンフィルムを置き、更にその上にステンレス製成形型を置く。
その後、前記成形型の抜き穴の無端状ベルトの進行側端部から50mmの位置に擦り切り板を固定後、前記擦り切り板と前記抜き穴の間で擦り切り板付近に発熱組成物50gを置き、無端状ベルトを1.8m/minで動かし、発熱組成物を擦り切りながら成形型の抜き穴へ充填する。成形型が擦り切り板を完全に通過後、無端状ベルトの走行を停止する。
次に、図12(a)に示す成形度測定装置にステンレス製成形型23/発熱組成物成形体7/ポリエチレンフィルム24/ステンレス板25をセットする。型保持手段26をステンレス製成形型23の下側にセットし、ジャッキ27を600mm/mimの速度で、100mm降下させ(図12(b))、発熱組成物成形体7/ポリエチレンフィルム24/ステンレス板25をステンレス製成形型23から外す。静かにステンレス製成形型23を型保持手段26から取り除き、発熱組成物成形体4/ポリエチレンフィルム24/ステンレス板25からポリエチレンフィルム24上に積層された発熱組成物成形体を観察し、成形度を測定する。
図12(c)は成形度10の平面図であり、図12(d)は同N−Nの断面図である。
図12(e)は発熱組成物成形体の崩れ片が6個ある成形度4の平面図であり、図12(f)は同P−Pの断面図である。
3)判定法としては、
前記発熱組成物成形体の周縁部において、最大長さが800μmを超える発熱組成物成形体の崩れ片がないことを条件として、成形度が1とは、最大長さ300μm〜800μmの発熱組成物成形体の崩れ片が9個以上ある。
成形度が2とは、最大長さ300μm〜800μmの発熱組成物成形体の崩れ片が8個ある。
成形度が3とは、最大長さ300μm〜800μmの発熱組成物成形体の崩れ片が7個ある。
成形度が4とは、最大長さ300μm〜800μmの発熱組成物成形体の崩れ片が6個ある。
成形度が5とは、最大長さ300μm〜800μmの発熱組成物成形体の崩れ片が5個ある。
成形度が6とは、最大長さ300μm〜800μmの発熱組成物成形体の崩れ片が4個ある。
成形度が7とは、最大長さ300μm〜800μmの発熱組成物成形体の崩れ片が3個ある。
成形度が8とは、最大長さ300μm〜800μmの発熱組成物成形体の崩れ片が2個ある。
成形度が9とは、最大長さ300μm〜800μmの発熱組成物成形体の崩れ片が1個ある。
成形度が10とは、最大長さ300μm〜800μmの発熱組成物成形体の崩れ片が0個ある。
成形度は、好ましくは7以上であり、より好ましくは、8以上であり、更に好ましくは9以上であり、更に好ましくは10である。
成形度が5以上を水準以上とする。
成形度が5以上あれば、成形後、基材と被覆材の間に挟まれた発熱組成物成形体の周縁部に実用に耐えうるシールが設けられる。
水準以上の成形度を有する発熱組成物の場合、型通し成形や鋳込み成形等の型成型方法で発熱組成物成形体が作成できる。
水準以上の成形度があると発熱組成物成形体が少なくとも被覆材に覆われ、基材と被覆材の間にシール部が形成されるまで、形状が維持されので、所望の形状でその形状周縁部でシールができ、シール部に発熱組成物の崩れ片であるいわゆるゴマが散在しないので、シール切れがなくシールできる。ゴマの存在はシール不良の原因となる。
高成形性を追求する本発明では、成形度が7以上である場合、前記発熱組成物は成形性があるとする。
成形方式に使用する発熱組成物には必須の性質である。これがないと成形方式による発熱体の製造は不可能である。
【0133】
本発明の発熱組成物は、耐圧縮性を有するもので、ここで耐圧縮性とは、成形型に収容した発熱組成物成形体を型内圧縮し、型厚みの70%の厚みを有する発熱組成物圧縮体が、圧縮前の発熱組成物成形体の発熱立ち上がり性(発熱組成物の発熱試験での試験開始後1分と3分での温度差)の80%以上の発熱立ち上がり性を保持することである。
ここで、耐圧縮性のための発熱立ち上がり性の測定法について説明する。
1.発熱組成物成形体
1)脚付き支持台の塩化ビニル製支持板(厚さ5mm×長さ600mm×幅600mm)の裏面の中央部付近に成形型の抜き穴形状を覆うように磁石を設ける。
2)温度センサーを支持板の表面中央部上に置く。
3)厚さ約80μmの粘着剤層付き厚さ25μm×長さ250mm×幅200mmのポリエチレンフィルムの中央がセンサーのところにくるようにして、粘着剤層を介して支持板に貼り付ける。(粘着剤層の厚みはポリエチレンフィルムが固定できれば、変更してもよい)
4)長さ280mm×幅150mm×厚さ50μm〜2mmの敷板上に長さ230mm×幅155mm×厚さ25μm〜100μmのポリエチレンフィルムの一端が敷板の外側に約20mm出るようにし、且つ、その長さ方向は一端が敷板の一端とほぼ一致するようにポリエチレンを設置する。
5)前記敷板上のポリエチレンフィルム上に長さ80mm×幅50mm×高さ3mmの抜き穴を持つ長さ230mm×幅120mm×厚さ3mmの型板を置く。その場合、型板の長さ方向の一端を敷板とポリエチレンフィルムが一致して置かれている一端に合わせ、更に、幅方向において、ポリエチレンフィルムが敷板より外側にはみ出している側と反対の端部より約20mm中央部の位置に型板の幅の一端部がくるようにして、型板をポリエチレンフィルム上に設置する。次に、支持板上に敷板とともに置く。
6)その抜き穴付近に試料を置き、押し込み板を型板上に沿って動かし、試料を押し込みながら抜き穴へ入れ、型板面に沿って、試料を押し込みながら擦り切り(型押し込み成形)、型内に試料を充填する。
7)支持板下の磁石を除き、更に、はみ出したポリエチレンフィルムの端部を押さえ、敷板を除き、温度測定を開始する。
2.発熱組成物圧縮体
1)〜6)は、発熱組成物成形体の場合と同じである。
8)抜き穴と凹凸の関係で、はばぴったりと抜き穴に入る、厚さ0.9mmの凸部を有する押し型を抜嘗穴に合わせておき、ロールプレスや板プレスにて圧縮して、厚さ2.1mmの発熱組成物圧縮体を型内に作成する(型厚みの70%に圧縮)。
9)支持板上に敷板とともに置き、支持板下の磁石を除き、更に、はみ出したポリエチレンフィルムの端部を押さえ、敷板を除き、温度測定を開始する。
発熱温度の測定は、データコレクタを用い、測定タイミング2秒で、5分間温度測定し、1分後と3分後の温度差をもって耐圧縮性を判定する。
圧縮後の厚みは、好ましくは型厚みの50〜99.5%であり、より好ましくは60〜99.5%であり、更に好ましくは60〜95%である。
尚、本発明において、発熱組成物成形体には、発熱組成物圧縮体を含むものとする。
【0134】
また、発熱体の区分け部のミシン目とは、区分け部の曲げ性を向上させるために断続的に切断されたものや、手切れが可能なほどに断続的に切断されたものが含まれる。このミシン目はすべての区分け部に設けてもよいし、部分的に設けてもよい。
【0135】
本発明における剛軟度とは、剛性(ハリ、コシ)又は柔軟性を示し、JIS L 1096A法(45°カンチレバー法)に準じ、試料として発熱体自身を用いたこと以外は同法に従ったものである。即ち、一端が45°(度)の斜面をもつ表面の滑らかな水平台の上に発熱体の一辺をスケール基線に合わせて置く。次に、適当な方法によって発熱体を斜面の方向に緩やかに滑らせて、発熱体の一端の中央点が斜面と接したときに他端の位置をスケールによって読む。剛軟度は発熱体が移動した長さ(mm)で示され、それぞれ発熱体5個を測り、平均値を出す。
ただし、水平台には発熱体の発熱組成物入り発熱部が移動方向距離が5mm以上、移動方向と直交する方向の距離が20mm以上残っていること。また、水平台には置かれた発熱体の長さは発熱組成物が存在している領域を横断していること又は発熱組成物が存在している領域と存在していない領域を直線的に横断していること。
1)粘着剤層を有する発熱体の剛軟度の測定算出方法
(1)発熱体の粘着剤層を有しない側の面を水平台上に置いて測定する。
(2)発熱体の粘着剤層を有する側が水平台側面に対応する場合は、粘着剤層にセパレータを付け、セパレータを付けた粘着剤層側の面を水平台上に置いて測定する。
(3)粘着剤層付き発熱体の粘着剤層を覆うセパレータは、剛軟度30mm以下のプラスチックフィルム、或いは、厚み50μm以下、好ましくは、25μm以下の腰のないプラスチックフィルム、或いは、軽く操んでシワができるプラスチックフィルム等の腰のない、柔らかいフィルムを使用する。
2)最小剛軟度の測定算出方法。
1個の発熱体について、一面を水平台上に置いて、縦方向及び横方向、又は、一方向及びそれと直交する方向それぞれの平均値でそれぞれの方向の剛軟度を出す。
また、他の一面を水平台上に置いて、同様に測定して、それぞれの剛軟度を出す。
各値の中で最も小さい値の剛軟度を最小剛軟度とする。
3)基材や被覆材等の包装材の剛軟度は、短手100mm×長手200mmの試験片を作成し、長手方向(200mm方向)の剛軟度を採用する。
【0136】
本発明における発熱体又は発熱部の最小剛軟度の変化とは、発熱体又は発熱部の剛軟度のうち一番小さい値である最小剛軟度が、発熱体の発熱前と発熱終了後において生ずる値の変化である。
最小剛軟度の変化は、次式により算出される。
最小剛軟度の変化(%)=|((A−B)/A)×100|
A:発熱前の発熱体の最小剛軟度
B:発熱終了後の発熱体の前記最小剛軟度
1)得られた発熱体を、風のない20℃の環境下の空気中に放置し、発熱させ、前記発熱体の温度が25℃を下回った時点を、使用終了時とし、前記発熱体の対して、発熱前の発熱体の最小剛軟度を示した方向に対する剛軟度を測定し、発熱終了後の発熱体の最小剛軟度とする。
2)発熱前の発熱体の最小剛軟度の測定方向と発熱終了後の発熱体の前記最小剛軟度の測定方向は同じ測定方向とする。
3)発熱前の発熱体の剛軟度測定中の発熱は無視する。
【0137】
本発明における発熱体又は発熱部の最小剛軟度率とは、発熱体又は発熱部の最小剛軟度とその方向の全長に対する剛軟度率であり、次式により算出される。
最小剛軟度率=(A/B)×100
A:発熱体又は発熱部の最小剛軟度
B:最小剛軟度を示す方向における発熱体又は発熱部の全長
【0138】
本発明における発熱体又は発熱部の最小直交剛軟度とは、発熱体又は発熱部の最小剛軟度を示す方向と直行する方向の剛軟度とその方向の全長に対する剛軟度の比であり、次式により算出される。
最小直交剛軟度率=(C/D)×100
C:発熱体又は発熱部の最小剛軟度を示す方向と直行する方向の剛軟度
D:発熱体又は発熱部の最小剛軟度を示す方向と直行する方向における発熱体又は発熱部の全長最小直交剛軟度率が80を越える場合は最小直交剛軟度率を100とする。
【0139】
本発明における最小剛軟度率比とは、発熱体又は発熱部の厚み方向と直交する面において、最小剛軟度率と、それと直交する方向の最小直交剛軟度率において、最小直交剛軟度率に対する最小剛軟度率の比であり、次式より算出される。
最小剛軟度率比=(F/G)×100
F:最小剛軟度率
G:最小直交剛軟度率
【0140】
任意の剛難度の変化、剛難度率、剛難度率比、直交剛軟度率を求める場合は、前記最小剛難度の変化、最小剛難度率、最小剛難度率比、最小直交剛軟度率の各項目の記述において、「最小」の文字を除けばよい。
【0141】
本発明の複数の区分発熱部を有するの両面凹凸状発熱体の最小剛軟度は、通常100mm以下であり、好ましくは1〜100mmであり、より好ましくは1〜80mmであり、更に好ましくは1〜50mmであり、更に好ましくは5〜50mmであり、更に好ましくは5〜40mmであり、更に好ましくは5〜30mmであり、更に好ましくは5〜20mmである。
【0142】
本発明の複数の区分発熱部を有するの両面凹凸状発熱体の最小剛軟度率は、通常、60以下であり、好ましくは1〜60であり、より好ましくは1〜50であり、更に好ましくは1〜40であり、更に好ましくは1〜30であり、更に好ましくは1〜20であり、更に好ましくは1〜10である。
【0143】
本発明の複数の区分発熱部を有するの両面凹凸状発熱体の最小剛軟度率比は、通常、100以下であり、好ましくは1〜100であり、より好ましくは2〜100であり、更に好ましくは2〜90であり、更に好ましくは2〜70であり、更に好ましくは2〜60であり、更に好ましくは2〜50であり、更に好ましくは2〜40であり、更に好ましくは2〜30である。
【0144】
本発明の複数の区分発熱部を有するの両面凹凸状発熱体の発熱前後の最小剛軟度の変化、即ち、本発明の前記両面凹凸状発熱体の前記最小剛軟度の発熱前の値に対する発熱終了後の値の変化の絶対値は、通常30%以下であり、好ましくは0〜30%であり、より好ましくは0〜20%であり、更に好ましくは0〜10%であり、更に好ましくは0〜5%であり、更に好ましくは0%である。
【0145】
本発明におけるストライプ状に間隔をおいて設けた区分発熱部を有する発熱体の場合は、直角方向になる2方向における剛軟度の差の絶対値が最大になる、平行六面体形状の区分発熱部をスジ状に間隔をおいて設けた発熱体や、更に粘着剤層を設けた発熱体や、その粘着剤層をスジ状に間隔をおいて設けた発熱体は、一方向に対して非常に柔軟性であり、一方向に対しては剛性であるので、肩こり、腰痛、筋肉疲労等の症状を緩和し、特に生理痛の症状緩和する等の効能を発揮する。更に、発熱体の幅方向に、ほぼ幅寸法の大きさで巻けて、コンパクトになり、収納にも便利である。またセパレータ付きの場合は剛軟度の低いセパレータを使用すれば巻くことができる。
また、身体に沿わせて発熱体を設ける場合、身体は二次的曲面が多く、肩、脚、腹、腰、腕等は1方向は、ほぼ直線的になっており、他の2方向はほぼ曲面から造られる。従って、1方向はほぼ直線的であり、他の2方向は曲面を造ることができる本発明の発熱体は2次元的曲面が造れるので、身体にうまく沿わすことができ、身体の採暖や諸症状の緩和、治療に最適である。
【実施例】
【0146】
次に本発明を実施例により、更に具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0147】
(実施例1)
鉄粉(粒径300μm以下)100重量部、活性炭(粒径300μm以下)5.5重量部、木粉(粒径150μm以下)2.3重量部、吸水性ポリマー(粒径300μm以下)1.1重量部、消石灰0.5重量部、カルボキシメチルセルロースナトリウム0.2重量部、亜硫酸ナトリウム0.7重量部、11%食塩水を混合し、易動水値が8の発熱組成物を得た。
【0148】
また、発熱組成物の成形性試験を行ったところ、発熱組成物成形体から抜き型を分離しても、前記発熱組成物成形体の形崩れもなく、成物成形体の崩れ片も生じなかった。成形度は10であった。シール不良もなかった。
【0149】
また、発熱組成物発熱試験を行ったところ、1分後で25℃、の温度、3分後で40℃、5分後で50℃であり、前記発熱組成物は5分以内に5℃以上の発熱反応を起こしていた。
【0150】
次に、図1の発熱体を作成した。ポリエチレンフィルムに粘着材層及びセパレータが設けられた非通気性の基材を用い、そのポリエチレンフィルム側上に、厚さ2mmの抜き型を使用して、厚さ2mm、縦115mm、横80mmの平面が直方形状の発熱組成物成形体を成形し、基材上に積層した。更に、その上に、ナイロン製不織布とポリエチレン製多孔質フィルムが積層された通気性包装材を被覆材に用い、ポリエチレンフィルム面と多孔質フィルム面が互いに接するようにして重ね合わせて、シール幅8mmで発熱組成物成形体の周縁部をヒートシールし、長さ135mm、幅100mm、シール幅8mmの矩形状の凹凸状発熱体を作成した。尚、被覆材の通気性はリッシー法の透湿度で、370g/m/24hrであった。
その発熱体を非通気性外袋に密封収納し、24時間、室温で放置した。発熱試験を行ったが、3分後に、温かく感じ、その後6時間以上、温かかった。
【0151】
(比較例1)
易動水値を18とした以外は実施例1と同様にして発熱組成物を作成した。また、発熱組成物の成形性試験を行ったところ、発熱組成物成形体から抜き型を分離しても、前記発熱組成物成形体の形崩れもなく、前記発熱組成物成形体の周辺部に前記発熱組成物成形体の崩れ片も生じなかった。成形度は95であった。シール部に発熱組成物が散在せず、シールは良好であった。前記発熱組成物を高さ5mm×直径50mmに成形し、70μmの厚みのポリエチレンフィルム上に積層し、20℃の空気中に放置した。10分後でも温かくなかった。また、発熱組成物発熱試験を行ったところ、1分後で20℃であり、3分20℃であり、5分後で20℃であり、10分後で20℃であり、発熱組成物は5分以内に5℃以上の発熱反応は起こらなかった。
多量の余剰水が鉄粉と空気との接触を防げる空気遮断層としてのバリア層の機能を働かせ、発熱反応をほどんど生じないことが確認された。
【0152】
(比較例2)
易動水値を0以下にした以外は実施例1と同じようにして易動水値0以下の発熱組成物を作成した。成形度は0であった。成形性がなく、シール部には発熱組成物が散在し、シール不良があり、発熱体としては、使用不可能なものであった。
【0153】
(実施例2)
実施例1の発熱組成物を使用し、幅5mm×長さ80mmの抜き穴が5mm間隔で5個ある抜き型を用いた型通し成形で、セパレータ付き厚さ30μmのアクリル系粘着剤層を設けたポリエチレンフィルム上に5個の区分発熱部を構成する発熱組成物成形体を設けた。
次に、その上にポリエチレン製多孔質フィルムに、目付量40g/mのナイロン製不織布を積層した通気性被覆材を発熱組成物成形体上に覆い、区分け部の相当額域の被覆材と基材をヒートシールした。
次に、各発熱組成物成形体の周縁部のシール部である区分け部は3mmのシール幅でヒートシールし、区分け部により区分けされた区分発熱部を作成した。また、前記発熱体の外周辺部となる部位を8mmのシール幅でシールした。
そして、長さ98mm×幅91mmのストライプ状の区分発熱部有する発熱体を得た。
尚、通気性被覆材の通気性はリッシー法の透湿度で、400g/m/24hrであった。また、その剛軟度は発熱部の長辺方向(ストライプ方向と直交する方向)で、20mmであり、短辺方向(ストライプ方向)で、80mm以上であった。
このように、一方向は剛軟度が非常に高く、それにはぼ直角な方向の剛軟度が非常に低い場合は取り扱い性、使用感が非常に優れる。また、この発熱体は、巻くことができるので、コンパクトになり、収納にも便利である。尚、セパレータ付きの発熱体1の場合は剛軟度の低いセパレータを使用すれば巻くことができる。
前記発熱体を非通気性収納袋(以下、外袋という、)に密封収納し、24時間、室温で放置した。24時間後に外袋から取り出し、発熱試験を行ったが、3分で、温かく感じ、温かさが7時間続いた。同時に、曲面フィット性、巻回性、使い勝手について評価したがすべて優秀であった。尚、被覆材の一部は、基材と離れていてもよい。(図4と類似の発熱体)。
【0154】
(実施例3)
酸化性ガス接触処理装置として撹拌用の回転翼を備えたミキサーからなる撹拌付きバッチ式酸化性ガス接触処理装置を使用し、酸化性ガスとして空気を用いた。
鉄粉(粒度300μm以下)100重量部、活性炭(粒度300μm以下)5.5重量部、木粉(粒径150μm以下)2.3重量部、吸水性ポリマー(粒度300μm以下)1.1重量部、消石灰0.5重量部、カルボキシメチルセルロースナトリウム0.8重量部、亜硫酸ナトリウム0.7重量部、11%食塩水10重量部からなる、易動水値0.01未満の反応混合物を前記撹拌付きバッチ式酸化性ガス接触処理装置に入れた。
次に、20℃の環境下、前記酸化性ガス接触処理装置の上部は開放形で、空気中に開放した状態で、撹拌しながら、自己発熱させ、20秒で27℃になった時点で、非通気性収納袋に前記接触処理済み反応混合物を密封し、室温になるまで放置した。
次に、前記発熱混合物に11%食塩水を加え、混合し、易動水値が9の発熱組成物を得た。
【0155】
また、発熱組成物の成形性試験を行ったところ、発熱組成物成形体から抜き型を分離しても、前記発熱組成物成形体の形崩れもなく、成物成形体の崩れ片も生じなかった。成形度は10であった。シール不良もなかった。
また、発熱組成物発熱試験を行ったところ、実施例1と同様の結果が得られ、前記発熱組成物は5分以内に10℃以上の発熱反応を起こしていた。
【0156】
前記発熱組成物を使用し、幅5mm×長さ80mmの抜き穴が5mm間隔で5個ある抜き型を用いた型通し成形で、セパレータ付き厚さ30μmのアクリル系粘着剤層を設けたポリエチレンフィルム上に5個の区分発熱部を構成する発熱組成物成形体を設けた。次に、その上にポリエチレン製多孔質フィルムに、目付量40g/mのナイロン製不織布を積層した通気性被覆材を、一対の凹凸面を有する折り畳み機を通し、波形に折り畳む。そして、凹凸面を有する折り畳み具で被覆材の谷部を基材に押しつけ、被覆材の山部内に発熱組成物成形体を包み覆い、区分け部の相当額域の被覆材と基材をヒートシールした。
次に、各発熱組成物成形体の周縁部のシール部である区分け部は3mmのシール幅でヒートシールし、区分け部により区分けされた区分発熱部を作成した。また、前記発熱体の外周辺部となる部位を8mmのシール幅でシールした。
そして、長さ98mm×幅91mmのストライプ状の区分発熱部有する発熱体を得た。
尚、通気性被覆材の通気性はリッシー法の透湿度で、400g/m/24hrであった。また、剛軟度は発熱部の長辺方向(ストライプ方向と直交する方向)で、20mmであり、短辺方向(ストライプ方向)で、80mm以上であった。
このように、一方向は剛軟度が非常に高く、それにはぼ直角な方向の剛軟度が非常に低い場合は取り扱い性、使用感が非常に優れる。また、この発熱体は、巻くことができるので、コンパクトになり、収納にも便利である。尚、セパレータ付きの発熱体の場合は剛軟度の低いセパレータを使用すれば巻くことができる。
前記発熱体を非通気性収納袋(以下、外袋という)に密封収納し、24時間、室温で放置した。24時間後に外袋から取り出し、発熱試験を行ったが、3分で、温かく感じ、温かさが7時間続いた。同時に、曲面フィット性、巻回性、使い勝手について評価したがすべて優秀であった。尚、被覆材の一部は、基材と離れていてもよい。
【0157】
(実施例4)
酸化性ガス接触処理装置として撹拌用の回転翼を備えたミキサーからなる撹拌付きバッチ式酸化性ガス接触処理装置を使用し、酸化性ガスとして空気を用いた。
鉄粉(粒度300μm以下)100重量部、活性炭(粒度300μm以下)5.5重量部、木粉(粒径150μm以下)2.3重量部、吸水性ポリマー(粒度300μm以下)2.3重量部、消石灰0.5重量部、カルボキシメチルセルロースナトリウム1.0重量部、亜硫酸ナトリウム0.7重量部、11%食塩水10重量部からなる、易動水値0.01未満の反応混合物を前記撹拌付きバッチ式酸化性ガス接触処理装置に入れた。
次に、20℃の環境下、前記酸化性ガス接触処理装置の上部は開放形で、空気中に開放した状態で、撹拌しながら、自己発熱させ、20秒で27℃になった時点で、非通気性収納袋に前記接触処理済み反応混合物を密封し、室温になるまで放置した。
次に、前記発熱混合物に11%食塩水を加え、混合し、易動水値が13の発熱組成物を得た。
【0158】
また、発熱組成物の成形性試験を行ったところ、発熱組成物成形体から抜き型を分離しても、前記発熱組成物成形体の形崩れもなく、成物成形体の崩れ片も生じなかった。成形度は10であった。シール不良もなかった。
また、発熱組成物発熱試験を行ったところ、実施例1と同様の結果が得られ、前記発熱組成物は5分以内に10℃以上の発熱反応を起こしていた。
【0159】
上記図1〜図12で示した発熱体の形状の変形例を、図13に示す。
(a)はそらまめ形、(b)はアイマスク形、(c)繭形、(d)は瓢箪形、(e)は角丸長方形、(f)は長方形、(g)は角丸正方形、(h)は正方形、(i)は卵形、(j)はブーメラン形、(k)はまが玉形、(l)は星形、(m)は翼形、(n)は翼形、(o)は鼻形、(p)は提灯形、(q)は提灯形、(r)は繭形、(s)は繭形、(t)は足形、(u)は足形である。(m)(n)は、首や肩まわりに適する。
上記発熱体の平面形状の区分発熱部以外の領域の少なくとも一部にミシン目(ミシン目状切り込み)、互い違いの切り込み、Vノッチ付きミシン目(Vノッチ付きミシン目状切り込み)、Vノッチ付き互い違いの切り込み等の貫通した切り込みを設けた発熱体も本発明の発熱体の平面形状に含まれる。
また、本明細書で記載されている発熱体の形状は記載されている形状を基本形として変形したものも本発明に含む。
【図面の簡単な説明】
【0160】
【図1】(a)本発明の発熱体の一例を示す平面図である。(b)同Z−Zの断面図である。(c)本発明の発熱体の他の一例を示す断面図である。
【図2】(a)本発明の発熱体の他の一例を示す平面図である。(b)同Y−Yの断面図である。
【図3】(a)本発明の発熱体の他の一例を示す平面図である。(b)同X−Xの断面図である。
【図4】(a)本発明の温灸器の一例を示す平面図である。(b)同W−Wの断面図である。(c)本発明の発熱体の他の一例を示す断面図である。
【図5】本発明の発熱体の他の一例を示す平面図である。
【図6】(a)本発明の発熱体の他の一例を示す平面図である。(b)同V−Vの断面図である。
【図7】(a)本発明の発熱体の一例を示す平面図である。(b)同U−Uの断面図である。(c)本発明の発熱体の他の一例を示す平面図である。(d)本発明の切り込みの一例を示す説明図である。(e)本発明の切り込みの一変形例を示す説明図である。(f)及び(g)本発明の発熱体の他の一例を示す平面図である。
【図8】(a)本発明の発熱体の他の一例を示す平面図である。(b)同T−Tの説明断面図である。
【図9】(a)本発明の発熱体の一例を示す平面図である。(b)本発明の発熱体の他の一例を示す断面図である。
【図10】(a)本発明の発熱体の一例を示す平面図である。(b)同R−Rの断面図である。(c)同発熱体の伸長した場合の一例を示す断面図である。(d)本発明の発熱体の一例を示す平面図である。
【図11】(a)本発明の発熱体の一例を示す平面図である。(b)同Q−Qの断面図である。(c)同発熱体の空間の一例を示す断面図である。(d)同発熱体の空間の他の一例を示す断面図である。(e)及び(f)本発明の発熱体の一例を示す平面図である。
【図12】(a)〜(f)本発明の成形度の測定装置の説明図である。
【図13】(a)〜(u)本発明の発熱体の外形状の一例を示す平面図である。
【符号の説明】
【0161】
1 発熱体
2 区分発熱部
3 区分け部
4 基材
5 ソリッド状粘着剤層
6 セパレータ
7 発熱組成物成形体
8 被覆材
9 通気性粘着剤層
10 被覆材
11 温灸器
12 穴
13 バンド
15 切り込み
16 スクリム
17 固定手段
18 ミシン目
19 支持体
20 通気調整材
21 空間通気層
22 通気孔
23 ステンレス製成形型
24 ポリエチレンフィルム
25 ステンレス板
26 型保持手段
27 ジャッキ
46 切り欠き部
W1 対向する切り込みの延長方向の相互間隔(切りこみ送り幅)
W2 切り込みの延長方向と直交する方向の相互間隔(切りこみ幅)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
鉄粉、炭素成分、反応促進剤、成形助剤及び水を必須成分とする発熱組成物であり、前記成形助剤は、前記鉄粉の質量に対して0.001〜5質量%であり、前記発熱組成物は、易動水値が0.01以上14未満の余剰水を含有し、各成分の固体成分は、粒径500μm以下の粉体であり、成形度が7以上であり、前記発熱組成物中の前記水は、空気遮断層として機能せず、前記発熱組成物は、各成分を混合した直後において、風のない20℃の環境下の空気中に放置後5分以内に温度上昇分が5℃以上の発熱反応を起こすことを特徴とする成形性含余剰水発熱組成物。
【請求項2】
請求項1に記載の成形性含余剰水発熱組成物を、型により発熱組成物成形体とし、基材と被覆材との間に挟み、前記発熱組成物成形体の周縁部をシールすることにより発熱部を備えた発熱体としたことを特徴とする発熱体。
【請求項3】
前記発熱組成物成形体を、複数間隔をおいて設けることにより区分発熱部を形成し、前記区分発熱部の最小幅を1〜30mmとしたことを特徴とする請求項2に記載の発熱体。
【請求項4】
前記発熱体の厚み方向と直交する面における最小剛軟度が100mm以下であることを特徴とする請求項3に記載の発熱体。
【請求項5】
前記発熱体の発熱前と発熱終了後における最小剛軟度の変化が、30%以下であることを特徴とする請求項4に記載の発熱体。
【請求項6】
前記発熱体の厚み方向と直交する面における最小剛軟度率比が100以下であることを特徴とする請求項3乃至5の何れかに記載の発熱体。
【請求項7】
前記区分発熱部以外の領域に、切り込みを互い違いに配置したことを特徴とする請求項2乃至6の何れかに記載の発熱体。
【請求項8】
前記発熱体の露出部の少なくとも1部に固定手段を設けたことを特徴とする請求項2乃至7の何れかに記載の発熱体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2009−84299(P2009−84299A)
【公開日】平成21年4月23日(2009.4.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−6804(P2006−6804)
【出願日】平成18年1月13日(2006.1.13)
【出願人】(503289805)マイコール・プロダクツ株式会社 (19)
【Fターム(参考)】