説明

手術ツール用ドライブシャフト

本願発明は、第1突起部および第2突起部を含み、第1突起部と第2突起部とは非対称であることを特徴とする手術用ハンドピースのためのドライブシャフトに関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2008年9月22日に出願された米国特許出願第12/235045の優先権を主張するPCT国際特許出願であり、その内容全体を本発明に参照として組み入れる。
【背景技術】
【0002】
本願の開示は、手術用ハンドピース、特に手術用ハンドピースのためのドライブシャフトに関する。
【0003】
細長い手術用切削ツールは、内視鏡手術のような非観血的手術、すなわち、関節鏡視下手術において使用されてきた。切削ツールの内側部材の駆動部中子(drive tang)は、切削ツールに結合する手術用ハンドピースのドライブシャフトを介して駆動されるように構成されている。最近では、これらドライブシャフトは、左右対称の駆動部二股設計を利用する。駆動部二股は、ドライブシャフト軸に沿って、かつドライブシャフト軸を中心に配置される、一定幅のスロットを含む。ドライブシャフトに穴を開けることによって作られた2つの突起部は、左右対称であり、先細かつ円形にされた端部を有する。これらの端部は、駆動部中子とドライブシャフトとの嵌合を容易にし、それにより、駆動部中子は、突起部の間に挿入され、次いで、ハンドピースの操作中、突起部によって保持される。しかしながら、駆動部中子が、スロットに一直線に合っていない場合、駆動部中子とドライブシャフトとの完全な嵌合が成されない。さらに、このずれが原因で、オペレータが、知らずにハンドピース内に駆動部中子を無理に入れようとすることによって、駆動部中子を損傷する場合がある。
【0004】
従って、駆動部中子とハンドピースとの間の改善された嵌合を可能にするドライブシャフトが必要とされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第5,871,493号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
一態様では、本願発明は、第1突起部および第2突起部を含み、第1突起部と第2突起部とは非対称であることを特徴とする手術用ハンドピースのためのドライブシャフトに関する。一実施形態では、スロットが、前記第1突起部と前記第2突起部との間に位置する。別の実施形態では、第1突起部は第2突起部より長い。また別の実施形態では、第1突起部と第2突起部との両方は、先細かつ円形にされた端部を含む。さらなる実施形態では、第1突起部の端部は、第2突起部が先細かつ円形にされた角度および半径と異なる角度および半径で先細かつ円形にされている。また、さらなる実施形態では、第1突起部の端部は、第2突起部が先細かつ円形にされた角度および半径と同一の角度および半径で先細かつ円形にされている。一実施形態では、前記第1突起部の前記端部は、約45°〜150°の角度で先細にされ、約0.045インチ〜0.250インチの半径で円形にされている。別の実施形態では、前記第2突起部の前記端部は、約45°〜150°の角度で先細にされ、約0.045インチ〜0.250インチの半径で円形にされている。
【0007】
別の態様では、本願発明は、第1突起部と第2突起部とを備えるドライブシャフトを備え、第1突起部と第2突起部とが非対称であることを特徴とする手術用ハンドピースに関する。
【0008】
また、別の態様では、本願発明は、切削ツールへ手術用ハンドピースを結合する方法に関する。この方法は、第1突起部と第2突起部とを有するドライブシャフトを含み、第1突起部と第2突起部とが非対称である、手術用ハンドピースを準備するステップと、内側部材と外側部材とを備える切削ツールを準備するステップと、ドライブシャフトが切削ツールの内側部材上の駆動部中子に結合するように、前記切削ツールに前記ハンドピースを結合するステップとを含み、一実施形態では、駆動部中子への前記ドライブシャフトの結合が成され、それにより、前記第1突起部が、前記ドライブシャフトを回転させ、前記第1突起部および前記第2突起部間に位置するスロットの中へ挿入させる。
【0009】
本願発明のさらなる適用範囲は、以下に記るされる明細書から明らかになるだろう。明細書および具体例は、例示目的に過ぎず、発明の範囲を限定するものではないことが理解されるべきである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
明細書に組み込まれ、その一部を形成する添付図は、本発明の実施形態を示し、記載する説明とともに本発明の原理、特性および特徴を説明するのに役立つ。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本願発明のドライブシャフトの側面図である。
【図2】本発明のドライブシャフトの平面図である。
【図3A】切削ツールに図1及び図2のドライブシャフトを結合する方法を示す。
【図3B】切削ツールに図1及び図2のドライブシャフトを結合する方法を示す。
【図3C】切削ツールに図1及び図2のドライブシャフトを結合する方法を示す。
【図3D】切削ツールに図1及び図2のドライブシャフトを結合する方法を示す。
【図3E】切削ツールに図1及び図2のドライブシャフトを結合する方法を示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下の好適な実施形態の説明は、例示目的に過ぎず、本発明、その応用、または用途を限定するものではない。
【0013】
図1及び図2は本願発明のドライブシャフト10を示す。シャフト10は、第1突起部11、第2突起部12、および第1突起部11と第2突起部12との間に位置するスロット13を含む。第1突起部11は第2突起部12よりも長く、それにより、ドライブシャフト10を非対称にしている。非対称ドライブシャフト10の目的は、以下に詳述される。突起部11、12それぞれは、先細かつ円形にされた端部11a、12aを有する。図3および図2に示すように、端部11aは、角度αおよび半径rで先細かつ円形にされており、それらは、第2突起部12の端部12aが先細かつ円形にされた角度α1および半径r1とは異なる。例えば、第1突起部11の端部11aは、約90°の角度αおよび訳0.095インチの半径rで先細かつ円形にされており、第2突起部12の端部12aは、約130°の角度αおよび約0.050インチの半径rで先細かつ円形にされている。しかしながら、第1突起部11の端部11aは、第2突起部12の端部12aが先細かつ円形にされた角度α1および半径r1と同一の角度αおよび半径rで先細かつ円形にされてもよい。本発明の目的にために、突起部11、12の端部11a、11bは、約45°〜150°の角度α、α1で先細にされ、約0.45インチ〜0.25インチの半径r、r1で円形にされてもよい。
【0014】
図3A〜図3Eは、ドライブシャフト10を具備する手術用ハンドピース20の、切削ツール30への結合を示す。本発明の目的のために、切削ツール30の内側部材31のみを示す。しかしながら、実際には、切削ツール30は、その内容全体を本発明に参照として組み入れる特許文献1でより完全に説明されているように、外側部材および内側部材の両方を含む。内側部材31は、シャフト31bに結合した駆動部中子31aを含む。ハンドピース20は、内側部材31に結合し、それにより、図3Bに示すように第1突起部11が、駆動部中子31aに接触し、図3C〜図3Eに示すように駆動部中子31を回転させ、続いてスロット13内に挿入させ、それにより、駆動部中子31とドライブシャフト10との完全な嵌合を可能にする。
【0015】
上述のように、本発明のドライブシャフト10は、駆動部中子31がドライブシャフト10上のスロット13と一直線に合っていないときでさえ、駆動部中子31とドライブシャフト10との間の完全な嵌合を可能にする。これは、切削ツールが部分的に嵌合する可能性、または損傷した切削ツールがハンドピースから離脱する可能性を減らすことよって、使用者の安全性を改善する。さらに、完全な嵌合を確認するために繰り返す、ハンドピースと切削ツールとの挿入および抜去の必要性も低減する。
【0016】
本発明のドライブシャフト10は金属材料から成る。
突起部11、12およびドライブシャフト10のスロット13は、機械加工、または当業者には既知の任意の別の加工を介して作られる。ドライブシャフト10は、ドライブシャフト10のモータへの直接結合、またはギアボックスのような部品を介したモータへの非直接結合を介してハンドピース20に結合する。内側部材30の駆動部中子31aは非金属材料から成り、射出成形加工、または当業者には既知の任意の別の加工を介して作られる。金属材料からなるシャフト31b、および駆動部中子31aは、成形加工、または当業者には既知の任意の別の加工を介して結合されてもよい。
【0017】
本発明の範囲から逸脱することなく、対応する図を参照して上述のように様々な変更が例示的な実施家形態には適用されるかもしれないが、前述の説明に含まれ、また、添付する図面に示される全事項は、限定するものではなく実例として解釈されるべきものである。従って、本発明の広さと範囲とは上述の実施形態のいずれにも限定されるべきではなく、下記に添付する請求項とその同類物に従って定義されるべきである。
【符号の説明】
【0018】
10 ドライブシャフト
11 第1突起部
11a 端部
12 第2突起部
12a 端部
13 スロット
20 ハンドピース
30 切削ツール
31 内側部材
31a 駆動部中子
31b シャフト

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1突起部および第2突起部を備える手術用ハンドピースのためのドライブシャフトであって、
前記第1突起部と前記第2突起部とは非対称であることを特徴とする手術用ハンドピースのためのドライブシャフト。
【請求項2】
前記第1突起部と前記第2突起部との間にスロットが位置することを特徴とする請求項1に記載のドライブシャフト。
【請求項3】
前記第1突起部が、前記第2突起部より長いことを特徴とする請求項1に記載のドライブシャフト。
【請求項4】
前記第1突起部と前記第2突起部との両方が、先細かつ円形にされた端部を含むことを特徴とする請求項1に記載のドライブシャフト。
【請求項5】
前記第1突起部の端部は、前記第2突起部の端部が先細かつ円形にされた角度および半径とは異なる角度および半径で先細かつ円形にされることを特徴とする請求項4に記載のドライブシャフト。
【請求項6】
前記第1突起部の端部は、前記第2突起部の端部が先細かつ円形にされた角度および半径と同一の角度および半径で先細かつ円形にされることを特徴とする請求項4に記載のドライブシャフト。
【請求項7】
前記第1突起部の前記端部は、約45°〜150°の角度で先細にされ、約0.045インチ〜0.250インチの半径で円形にされることを特徴とする請求項4に記載のドライブシャフト。
【請求項8】
前記第2突起部の前記端部は、約45°〜150°の角度で先細にされ、約0.045インチ〜0.250インチの半径で円形にされることを特徴とする請求項4に記載のドライブシャフト。
【請求項9】
第1突起部と第2突起部とを備えるドライブシャフトを備える手術用ハンドピースであって、前記第1突起部と前記第2突起部とが非対称であることを特徴とする手術用ハンドピース。
【請求項10】
第1突起部と第2突起部とを含むドライブシャフトを備える手術用ハンドピースを準備するステップであって、前記第1突起部と前記第2突起部とは非対称である、準備するステップと、
内側部材と外側部材とを備える切削ツールを準備するステップと、
前記ドライブシャフトが前記切削ツールの前記内側部材上の駆動部中子に結合するように、前記切削ツールに前記ハンドピースを結合するステップと、
を備える、切削ツールに手術用ハンドピースを結合する方法。
【請求項11】
前記第1突起部が前記ドライブシャフトの回転と、それに続く前記第1突起部と前記第2突起部との間に位置するスロットの中への駆動部中子の挿入と、をもたらすように、前記ドライブシャフトが前記駆動部中子へ結合されることを特徴とする請求項10に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図3D】
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【図3E】
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【公表番号】特表2012−502736(P2012−502736A)
【公表日】平成24年2月2日(2012.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−527859(P2011−527859)
【出願日】平成21年8月18日(2009.8.18)
【国際出願番号】PCT/US2009/054115
【国際公開番号】WO2010/033331
【国際公開日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【出願人】(504048135)スミス アンド ネフュー インコーポレーテッド (42)
【氏名又は名称原語表記】SMITH & NEPHEW,INC.
【住所又は居所原語表記】150 Minuteman Road,Andover,MA 01810,United States of America
【Fターム(参考)】