説明

手術器具の音声起動システム、及びその方法

本発明は、手術コンソール及び/又は手術コンソールに結合される機器を動作するシステム、及びその方法を提供する。本方法の実施形態は、手術コンソールの音声指令チャネルを有効にするステップと、音声指令トリガを受信するステップと、音声指令を受信するステップと、前記音声指令を確認するステップと、手術コンソールに前記音声指令に関連する1つ、又は2つ以上の動作を実行させるステップとを有する。手術コンソールは、マイクロプロセッサと、メモリと、手順録音機と、周辺機器がコンソールに結合するための単数、又は複数のユーザインタフェースとを有する。また、メモリは、マイクロプロセッサが手術コンソール、及び周辺機器の作動を管理するために使用する命令に加えて、録音された手術手順を記憶できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
概して、本発明は、手術コンソールシステム、及びその方法に関する。より詳細には、本発明は、手術コンソール、及び手術コンソールに関連する手術器具の音声起動システム、及びその方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現代的な手術の間、具体的には眼科手術の間に、執刀医は、空気圧駆動、及び電気駆動の様々な微細手術ハンドピース(microsurgical handpieces)を使用する。ハンドピースは、フットペダルコントローラ、赤外線遠隔制御装置、及びメニュー駆動型のタッチスクリーンのような様々な周辺機器により執刀医、又は助手からの入力を受信するマイクロプロセッサ駆動の手術コンソールによって、作動する。このような微細手術コンソールの1つは、参照することにより本明細書に包含される米国特許第5455766号(Schellerなど)に説明される。手術コンソールによって、執刀医が手術の作動パラメータを手動で入力し、手術ハンドピースを選択し、さもなければ手術コンソールの作動、及び手術コンソールに取り付けられる機器の作動を制御することが可能になる。しかしながら、これらの従来技術の手術コンソールは、キーパッド、タッチスクリーンを使用して手動で入力されるか、又は手動で入力されるパラメータを有する他のコンソールからダウンロードされる作動パラメータ、及び作動手順が必要であるか、さもなければ制御パネルのボタン、又はタッチパネルに触れるか、遠隔制御を作動するか、又はフットスイッチを踏むことによるなどの物理的な接触が、コンソールの様々な作動を制御するために必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、この種の物理的接触は、典型的には、滅菌された人が手術コンソール、又は手術コンソールの付属機器の制御を試みる場合に、滅菌された手術障壁を横切る必要がある。例えば、手術コンソールボタンに触るためには、滅菌障壁を横切る必要があるか、さもなければ滅菌されていない助手の補助が必要になる可能性がある。滅菌されていない助手は、迅速に補助できないために手術の進行に遅延が生じる可能性が高く、滅菌障壁を横切ることは、無菌管理が危険にさられるので、望ましくない。また、滅菌障壁の内側の遠隔制御ボタンに触れるためには、執刀医が手術マイクロスコープを介する注視から遠隔制御ユニットに注視を切り替える必要がある。
【0004】
したがって、従来技術の手術コンソールシステム、及びその方法の不利な点を有せずに、手術コンソール、及び手術コンソールに接続される関連する手術器具又は手術機器を音声起動するシステム、及び音声制御するシステム、並びにその方法の必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、手術コンソール、及び手術コンソールに接続される機器の音声起動システム、及び音声制御システム、並びにその方法を提供する。このシステム、及びその方法は、先に特定された要求とともに他の要求に十分に対処する。より詳細には、第1の実施形態において、本発明は、手術コンソール、及び/又は手術コンソールに取り付けられる機器を作動する方法であって、手術コンソールの音声指令チャネルを有効にするステップと、音声指令トリガを受信するステップと、音声指令を受信するステップと、音声指令を確認するステップと、手術コンソールに音声指令に関連する1つ、又は2つ以上の動作を実行させるステップとを有する方法を提供する。
【0006】
他の実施形態は、手術コンソール機能の作動を、音声指令を介して制御する作動が可能な手術コンソールを提供する。この手術コンソールは、マイクロプロセッサと、メモリと、手順録音機と、周辺機器がコンソールに結合するための単数、又は複数のユーザインタフェースとを有する。マイクロプロセッサは、手術コンソール、及び手術コンソールに結合される周辺機器の作動を管理することができる。マイクロプロセッサが、手術コンソールの作動、及び周辺機器の作動を管理するために使用する命令を包含することに加えて、メモリは、録音される手術の手順も記憶できる。ユーザインタフェースによって、ユーザ、又はオペレータが、話される指令を介して手術コンソールの作動を初期化し、かつ制御することが可能になる。手術コンソールは、ユーザインタフェースに作動可能なように結合される音声指令モジュールと、音声指令を処理し、手術コンソール、又は周辺機器に音声指令に関連する1つ、又は2つ以上の機能を実行させるマイクロプロセッサとを有する。さらに、手術コンソールのユーザインタフェースは、可聴式インジケータ、又は可視式インジケータのようなユーザフィードバック機器を有し、ユーザが認識可能な指令確認信号を生成する。
【0007】
本発明は、可聴式(話される音声)の指令を使用して制御可能な手術コンソールを提供することによって、先行技術を改良する。さらに、手術器具のような手術コンソールに接続される周辺機器もまた、音声指令によって、起動、及び制御されてもよい。さらに、この発明のシステム、及びその方法の実施形態は、アルコンラボラトリーズ社から全て入手可能なSERIES TWENTY THOUSAND(商標) LEGACY(登録商標)手術システム、ACCURUS(登録商標)手術システム、INFINITY(登録商標)手術システムのような手術コンソールで実施できるが、これに限定されない。これによって、オペレータ、又は執刀医は、滅菌された手術領域の完全性を侵すことなく、及び/又は手術の場所から制御パネルに注意を逸らす必要なく、手術コンソール、及び接続される周辺機器を作動し、かつ制御することが可能になる。当業者に知られるように、本発明の実施形態は、眼科手術、又は他の手術で使用される他の手術機械、及び手術システムの内部に組み込むことができる。本発明の教示に従う手術コンソール、及び関連する機器の音声起動システム、及び音声制御システム、並びにその方法の他の使用は、当業者に知られることになるであろう。
【発明の効果】
【0008】
したがって、本発明の実施形態は、眼科手術システム、又は他の手術システム、及び機械で実行できる手術コンソール、及び手術コンソールに接続される機器の音声起動システム、及び音声制御システム、並びにその方法を提供して、手術の場所の滅菌を侵す必要がなく、かつ別個の可視式制御パネル及び/又は接触式制御パネルに関連する注意散漫がないシステム及び機械の正確な音声指令により駆動される制御を提供する。本発明のこれらの利点、及び目的、並びに他の利点、及び目的は、以下の詳細な説明、及びクレームから理解されることになるであろう。
【0009】
本発明、及び本発明の利点をより完全に理解するために、添付図面と併せて以下の説明が参照される。ここで、類似する符号が類似する機能に付される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施形態で使用可能な1つの手術コンソールの透視図である。
【図2】本発明の実施形態で使用可能な他の手術コンソールの透視図である。
【図3A】本発明の1つの実施形態のステップを示すフローチャートを示す図である。
【図3B】本発明の1つの実施形態のステップを示すフローチャートを示す図である。
【図3C】本発明の1つの実施形態のステップを示すフローチャートを示す図である。
【図4A】本発明の他の実施形態のステップを示すフローチャートを示す図である。
【図4B】本発明の他の実施形態のステップを示すフローチャートを示す図である。
【図4C】本発明の他の実施形態のステップを示すフローチャートを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の好適な実施形態は、図面において説明される。ここで、類似する番号を使用して、様々な図面の類似する部分、及び対応する部分が参照される。
【0012】
図1、及び2に示すように、テキサス州のフォートワースのアルコンラボラトリーズ社から全て入手可能なSERIES TWENTY THOUSAND(商標) LEGACY(登録商標)手術システムコンソール、INFINITI(登録商標)手術システムコンソール、又はACCURUS(登録商標)手術システムコンソールのような手術コンソールとともに使用きるが、これに限定されない。
【0013】
図1は、手術コンソール10の説明を提供する。手術コンソール10は、ユーザインタフェース12を有し、図示されないフットアセンブリ、又は他の押しボタン型のアセンブリのような周辺機器14に結合できる。コンソール10によって、執刀医のようなオペレータが、初期作動パラメータ、及び初期作動モードをコンソールに設定することによって、手術手順を開始することが可能になる。これは、オペレータが、ユーザインタフェース12、又はフロントパネル16に提供される他の類似するインタフェースを介して手術コンソールとインタフェースすることが可能になることによって実行できる。これらは、電子的なディスプレイスクリーン17と、複数のプッシュボタンスイッチ、又はタッチ感知パッド18と、複数のエンドレスデジタルポテンションメータノブ20と、マイクロフォン21、又は当業者に公知の類似する他のインタフェースとを具備する。プッシュボタン18、及びノブ20によって、オペレータは、様々な手術パラメータ、又はコンソール機能で使用される様々な異なる作動モード、及び作動機能にアクセスする作動が可能になる。また、コンソール10は、カセットテープ、メモリカード、フロッピー(登録商標)ディスク、又は当業者に公知の他の類似する機器のような記憶媒体を受け入れる能力を具備する。
【0014】
電子的ディスプレイスクリーン17は、マイクロプロセッサにより制御できる。これによって、オペレータは、様々なプッシュボタン18、及びノブ20、及び/又はマイクロフォン21を介する音声化可能な指令の機能、及び作動に関係する1つ、又は2つ以上の種々のメニュー、又はメッセージにアクセスすることが可能になる。マイクロフォン21は、可聴式の入力を受信する適当な入力装置にできる。1つの実施形態において、ディスプレイスクリーンは、それぞれのボタン18に関連するディスプレイスクリーン領域に分割できる。この配置により、ボタン18、又はノブの表示機能を迅速に変更することが可能である。さらに電子的なディスプレイスクリーンによって、ボタン、及びノブが事実上いずれの言語でもラベリングすることが可能になる。
【0015】
手術コンソール10は、多くの異なる手術器具(すなわち、手術周辺機器14)とともに使用するのに構成されてもよい。例えば、これらには、光ファイバ照明器具、フラグメンテーション乳化器具(fragmentation emulsification instrument)、硝子体茎切除術手順のためのギロチンカッタ、並びにバランスがとれた切断、及び複数の切断のためにはめ込まれるマイクロ剪刀(micro-scissors)のような切断器具を具備してもよい。上記の手術器具は、例示のために提供され、コンソール10は、同様に設備される他の器具とともに使用してもよいことを理解すべきである。
【0016】
一般的に空気圧信号、又は電子信号により起動、又は制御される手術器具は、コンソール10に作動可能なように結合され、かつ制御されてもよい。この制御、又は起動は、空気圧信号、コンソール10により生成される電子的信号、光学的信号、又は当業者に公知な類似する他の信号により管理される。説明されるこれらの手術機器は、コンソール10に結合され、手術機器それぞれは、微細手術コンソールが提供する種々の設定、又はパラメータを必要とする可能性がある動作の種々のモードを有することができる。本発明の実施形態は、このような制御信号の可聴式の起動、話される言葉の起動を提供するのに適する。従来の技術では、このような信号は、制御ボタン18、及びノブ20を介して手動で入力することにより提供されていたであろう。このように、本発明の実施形態によって、典型的には執刀医であるオペレータが、手術領域の滅菌を侵すことなく、かつ個別の可視的な制御パネル及び/又は接触式制御パネルに関連して注意散漫になることなしに、種々の機能を起動し、設定を変更し、機器をオンオフし、さもなければ手術コンソール10、及び手術コンソール10に接続されるいずれかの周辺手術機器の機能、及び作動を制御することが可能になる。
【0017】
本発明の実施形態は、ユーザが意図する正確な手術コンソール制御を保障するために、所定の言葉によるユーザ/コンソール通信プロトコルによって、ユーザが話した指令を利用する手術コンソールを提供する。手術コンソール10は、スピーカ22と、マイクロフォン21とに加えて、マイクロプロセッサ11と、メモリ13とを有してもよい。マイクロプロセッサは、マイクロフォン21、マイクロプロセッサ11、及びメモリ13に作動可能なように結合される指令インタプリタを介して受信するユーザが話した指令を解析するために、メモリ13に記憶されるソフトウェアの命令、及びアルゴリズムにアクセスし、かつ実行するように動作する。作動において、ユーザは、手術コンソール10/マイクロフォン21に指令を話し、手術コンソール10は、スピーカ22を介する可聴式のアクナリッジメント、又はスクリーン17のメッセージ、又はフラッシュ光のような可視式のアクナリッジメントにできる指令アクナリッジメントを提供し、ユーザからの指令確認を要求する。ユーザは指令を確認すると、コンソール10が指令を実行する。コンソール10に取り付けられた機器14の音声起動、及び音声制御は、執刀医、手術助手、手術技師、及び看護師(いずれかのユーザ)がコンソールの設定を調整し、コンソール作動のモードを変更し、さもなければコンソール10及び/又は機器14の作動を制御する付加的な手段を提供する。
【0018】
オペレータが手術処理を前進させる(advances through)ときに、周辺機器の作動モード、及び作動パラメータへの適当な変更は、音声指令を介してアクセスされる。そして、周辺機器の作動モード、及び作動パラメータへの適当な変更を使用して、手術手順全体内のそれぞれのステップにおいて手術機器14を初期化、又は設定する。手術処理が終了するとき、終了した手術手順は、記録された手順としてメモリにセーブできる。なお、手術コンソール10内部で、マイクロプロセッサ11は、メモリ13に結合される。ここで、マイクロプロセッサは、以下の図3A〜3Cの論理フロー図で説明されるステップを実行する作動が可能である。これらのステップの少なくとも一部は、コンピュータが実行可能な命令としてメモリに記憶される。
【0019】
マイクロプロセッサは、単一の処理デバイスにでき、又は複数の処理デバイスにできる。このような処理デバイスは、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、デジタルシグナルプロセッサ、中央処理装置、フィールドプルグラマブルゲートアレイ(FPGA)、ロジックデバイス、ステートマシン、論理回路、アナログ回路、デジタル回路、及び/又は作動命令に基づいて信号(アナログ及び/又はデジタル)を操作するいずれかのデバイスにすることができる。メモリは、単一のメモリデバイスにでき、又は複数のメモリデバイスにできる。このようなメモリデバイスは、リードオンリメモリ、ランダムアクセスメモリ、揮発性メモリ、不揮発性メモリ、スタティックメモリ、ダイナミックメモリ、フラッシュメモリ、キャッシュメモリ、及び/又はデジタル情報を記憶するいずれかのデバイスにすることができる。なお、マイクロプロセッサが、ステートマシン、アナログ回路、デジタル回路、及び/又は論理回路によって、1つ、又は2つ以上の機能を実施するとき、対応する作動命令を記憶するメモリは、ステートマシン、アナログ回路、デジタル回路、及び/又は論理回路を有する回路内部に、又は外部に組み込まれる。図3A〜3Cに説明されるステップ、及び/又は機能の少なくとも一部に対応する作動命令は、メモリに記憶され、かつマイクロプロセッサにより実行される。
【0020】
本発明の実施形態は、従来技術の音声起動、制御システム、及びその方法を超える利点を提供する。この発明の実施形態は、従来技術と異なり、話されたキーワードの複数の組合せを単に認識するだけでなく、話された指令の句を認識し、処理することが可能である。話される指令を認識する正確性が増す一方、指令の言葉を誤解する可能性が低減される。さらに、本発明の実施形態は、従来のソリュージョンよりも必要なコンピュータ処理の電力が少なく、使用される音声認識アルゴリズムの複雑さは、少ない。
【0021】
図3A、3B、及び3C(集合的に図3)は、本発明の実施形態に関連する方法を説明する論理フロー図を提供する。図3は、この発明の実施形態のいくつかの音声認識アルゴリズムの1つに関連するステップを説明する。図3のアプローチは、キーワードのトリガによる音声起動のアプローチである。この実施形態において、ユーザにより話されるキーワードは、コンソール10に音声指令チャネルを規定する。これは単独で、コンソール10が音声信号を受信し、かつ処理する起動ステップにしてもよい。また、コンソールを最初にオンするオンスイッチの起動などにより可能になるハードウェアのインタロック、又はソフトウェアのインタロックの後にしてもよい。手術コンソール10で可視的な表示、又は可聴的な表示により表示できるコンソールによるキーワード認識システム(マイクロフォン21、指令インタプリタ15、マイクロプロセッサ11、及びメモリ13など)において、ユーザは、指令の句を提供する。好適には、指令の句は、指令の句でない単語、又は言葉を含まないであろう。次いで、コンソール10は、ユーザが確認するためにインタプリタされた指令を反復(echo)する。指令が確認されると、好適には話すことにより確認されるが、コンソール10は、指令を実行し始める。
【0022】
本発明のこの実施形態において、通信プロトコルは、要求指令、提供指令、確認指令、及びインタラプト指令(オプション的)の一連の4つの通信セグメントにより遂行される。さらに、これらの通信セグメントのそれぞれは、キーワードテーブル、又は指令テーブルをロードすること、マイクロフォンを開くこと、キーワード、若しくは指令の単語、又は指令の句を認識すること、マイクロフォンを閉じること、及びインタプリタされた指令の音声確認する(反復する)ことの5つの処理をさらに有することができる。これらのセグメント、及び処理は、手術コンソール10の本明細書で説明される様々な構成要素(マイクロプロセッサ11、マイクロフォン21、マイクロプロセッサ11の一部にしてもよい指令インタプリタ15、メモリ13、及びスピーカ22など)により実行される。インタラプト指令セグメントによって、進行中の指令をユーザが取り消すことが可能になる。この特徴は、数秒が必要な指令を素早く実行する指令として実行するために、ユーザがインタラプト指令を声に出す前の実行を恐らく終了するであろうときに、最も有用であろう。
【0023】
スイッチトリガによる音声起動と称することができる本発明の他の実施形態において、ユーザにより起動されるキーの押下げは、音声指令チャネルを規定する。この実施形態は、上述のキーワードトリガの実施形態による音声起動と似ており、図4A〜4Cのフローチャートで説明される。この実施形態において、要求指令処理、及び確認指令処理は、音声指令よりむしろ、この実施形態は、キーの押下げ(ボタン18、及び/又はノブ20、若しくはフットスイッチ、又は遠隔制御など)により実行される。この実施形態は、指令シーケンスの音声始動、及び音声確認に関して、調整への懸念、及び/又は安全性に対する懸念がある状況で有用であることが立証できる。さらなる実施形態では、要求指令処理、及び確認指令処理の一方、又は他方のみをキーの押下げによって代わりに実行できる。
【0024】
音声起動オープンマイクロフォンの実施形態と本明細書で称される本発明のさらに他の実施形態は、常にアクティブなマイクロフォン21によって、話される指令の句を絶えず監視することを有することができる。また、本明細書で説明される全ての実施形態などで、この実施形態は、ソフトウェア、ハードウェア、この2つの組合せ、又は当業者に公知なような他のシステム起動手段によって、音声起動が第1に可能になるステップを有することができる(音声起動は、手術コンソール10への電源が提供されるとき、又はソフトウェアのセルフテストの後に起動するように構成されてもよい)。この実施形態において、オープンマイクロフォン21によって指令の句を認識するとき、手術コンソール10は、上述のようにインタプリタされた指令を反復し、指令の確認がユーザにより話されるとき、手術コンソール10によって、指令が実行される(すなわち、指令に関連する処理は、コンソール10によって実行されることになる)。
【0025】
次いで、オープンマイクロフォンの実施形態では、通信プロトコルは、提供指令、確認指令、及びインタラプト指令(オプション的)の3つの一連の通信セグメントによって実施される。先の実施形態の要求指令は、オープンマイクロフォンにより取り除かれる。これら3つのセグメントのそれぞれは、キーワード、指令、又は句を認識することと、インタラプト指令を音声確認する(反復する)ことの2つの処理を順に有する。
【0026】
本発明の実施形態は、話される指令によって、手術コンソール10、及び機器14の多様な機能、及び態様を制御する能力をユーザに提供する。これらの機能、及び態様は、当業者に理解されるようないずれの機能を有することができ、ユーザの要求、及び手術コンソール10の能力によって異なってもよい。指令の句、及び指令の句それぞれに関連し、手術コンソール10が指令の句を受信したときに実行されることになる処理/動作は、当業者に公知であろう周知のプログラミング手段によって、プログラムされ、手術コンソール10内部に記憶される。
【0027】
当業者に理解されるように、本明細書で使用されるとき、用語「実質的に(substantially)」、又は「およそ(approximately)」は、対応する用語に工業的に認められる許容範囲を提供する。このような工業的に認められる許容範囲は、1%未満から20%までの範囲であり、成分値、集積回路のプロセス変動、温度変動、立ち上がり時間、立ち下がり時間、及び/又は温度ノイズに対応するが、これらには限定されない。当業者に理解されるように、本明細書で使用されるとき、用語「作動可能なように結合される(operably coupled)」は、直接的に結合することと、他の構成要素、素子、回路、又はモジュールを介して非直接的に結合することとを含む。ここで、非直接的に結合するときに、介在する構成要素、素子、回路、又はモジュールは、信号の情報を修正しないが、電流レベル、電圧レベル、及び/又は電力レベルを調整できる。当業者に理解されるように、推論される結合(すなわち、ここでは、1つの素子が他の素子に推論により結合される)は、「作動可能なように結合される」と同様に、2つの素子の間の直接的な結合、及び非直接的な結合を含む。さらに当業者に理解されるように、本明細書で使用されるとき、用語「有利に比較する(compares favorably)」は、2つ以上の素子、品目、及び信号などの間の比較が、所望の関係を提供することを示す。例えば、所望の関係が、信号1が信号2よりも大きい大きさを有することであるとき、有利な比較は、信号1の大きさが信号2の大きさより大きいとき、すなわち信号2の大きさが信号1の大きさよりも小さいときに達成できる。
【0028】
本発明は、ある好適な実施形態により説明されてきた。しかしながら、本発明は、本発明の精神、及び本質的な特性を逸脱することなく他の具体的な形式、又は変形にできる。したがって、上述の実施形態は、あらゆる点で実例であり、かつ限定的でないと理解され、本発明の範囲は、添付したクレームにより示されると考えられる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
手術コンソールを作動する方法であって、
前記手術コンソールの音声指令チャネルを有効にするステップと、
音声指令トリガを受信するステップと、
音声指令を受信するステップと、
前記音声指令を確認するステップと、
前記音声指令に関連する1つ、又は2つ以上の動作を前記手術コンソールに実行させるステップと、
を有することを特徴とする方法。
【請求項2】
前記音声指令に関連する前記動作は、
前記手術コンソールに作動可能なように結合される機器の作動モードを変更する、又は
前記手術コンソールに作動可能なように結合される機器の周辺機器作動パラメータを変更する、
作動が可能な一連の手術ステップを有する請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記手術コンソールは、眼科手術コンソールである請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記作動パラメータ、及び前記作動モードは、
前記手術コンソールに作動可能なように結合される微細手術周辺機器に関連する空気圧パラメータ、及び電子パラメータを有する請求項2に記載の方法。
【請求項5】
話される指令を実行するように機能する手術コンソールであって、
前記手術コンソールに作動可能なように結合される周辺機器の作動を管理する作動が可能なマイクロプロセッサと、
前記マイクロプロセッサに作動可能なように結合され、録音された手術手順を記憶する作動が可能なメモリと、
ユーザインタフェースであって、オペレータが言葉で、
手術手順のために前記手術コンソールを初期化し、
実行される前記手術手順を選択し、
前記選択された手術手順のステップを前進させることであって、前記選択された手術手順の特定のステップに関連する作動パラメータ、及び手術モードは、前記手術コンソールにロードされ、
前記選択された手術手順のステップを実行する
ことを可能にするユーザインタフェースと、
を有することを特徴とする手術コンソール。
【請求項6】
単数又は複数の前記手術手順に関連する前記作動パラメータ、及び前記手術モードは、
前記手術コンソールに作動可能なように結合される機器の作動モードを変更する、又は
前記手術コンソールに作動可能なように結合される機器の周辺機器作動パラメータを変更する、
作動が可能な一連の手術ステップを有する請求項5に記載の手術コンソール。
【請求項7】
前記手術手順は、眼科手術手順である請求項5に記載の手術コンソール。
【請求項8】
単数又は複数の前記手術手順に関連する前記作動パラメータ、及び前記手術モードは、
前記手術コンソールに作動可能なように結合される微細手術周辺機器に関連する空気圧パラメータ、及び電子パラメータを有する請求項5に記載の手術コンソール。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【公表番号】特表2012−505716(P2012−505716A)
【公表日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−532203(P2011−532203)
【出願日】平成21年10月14日(2009.10.14)
【国際出願番号】PCT/US2009/060624
【国際公開番号】WO2010/045313
【国際公開日】平成22年4月22日(2010.4.22)
【出願人】(508185074)アルコン リサーチ, リミテッド (160)