説明

把持玩具

【課題】 スイッチ部品を用いても、グリップ内に形成するスイッチ機構を収納するためのスペースを小さくすることができる把持玩具を得る。
【解決手段】 レバー部材33の一端が固定される回動機構35の位置を、スイッチ部品31のキートップ31aの先端位置よりも外側になるように定める。押しボタン9に押圧力が加わっていないときに、押しボタン9の押圧面9aが開口部6内に位置するかまた開口部6から突出するようにレバー部材33の形状を定める。レバー部材33の他端37とスイッチ部品31のキートップ31aとの間の距離を短くして、しかも押しボタン9の押し込み量を小さくしても、スイッチ部品31のキートップ31aをレバー部材33の他端37により、小さな力で確実に押圧操作することが可能になる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プレイヤの手により把持されるグリップ部にスイッチ機構の押しボタンが配置された把持玩具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特開2004−159692号公報(特許文献1)、実開昭56−106798号公報(特許文献2)、実開昭64−37295号公報(特許文献3)及び実開平3−53297号公報(特許文献4)には、グリップ部にスイッチ機構の押しボタンが配置された把持玩具の従来例が示されている。特に、実開昭64−37295号公報(特許文献3)には、グリップ部の外壁部に形成された開口部から露出する押圧面を備えた押しボタンと、この押しボタンによって直接押されて変位する板バネから形成された可動接点部材と、この可動接点部材と接触する固定接点とを備えたスイッチ機構が示されている。グリップ部の内部には、スイッチ機構が収納されるスイッチ機構収納部に沿って電池が収納される電池収納部が設けられている。
【特許文献1】特開2004−159692号公報
【特許文献2】実開昭56−106798号公報
【特許文献3】実開昭64−37295号公報
【特許文献4】実開平3−53297号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来は、実開昭64−37295号公報(特許文献3)に示されるようにグリップ部の内部にその玩具専用の押しボタンスイッチ機構を構成することが一般的に行われている。しかしながらその玩具専用のスイッチ機構を設けることは、玩具の価格を上げる原因となるだけでなく、既製のスイッチ部品と比べて、専用に設計するスイッチ機構の信頼性及び耐久性は、必ずしも高いとは言えない。そのため玩具の価格を上げないで、高い信頼性と耐久性とを確保するために、最近は、既製のスイッチ部品を用いることが望まれている。
【0004】
しかしながら既製のスイッチ部品は、単体でスイッチ機能を備える必要があることから、どうしても部品の大きさがある程度大きくなってしまう。そのため既製のスイッチ部品を使用する場合には、スイッチ機構を収納するスペースの大きさをグリップ部内にある程度確保しなければならないという問題がある。また幼児が把持するためグリップ部の形状をあまり大きくできない場合や、負荷との関係から電池の容量を大きくすることが必要とされる場合では、グリップ内部に占めるスイッチ機構を収納するスペースを極力小さくしたいという強い要望がある。
【0005】
本発明の目的は、スイッチ部品を用いても、グリップ内に形成するスイッチ機構を収納するためのスペースを小さくすることができる把持玩具を提供することにある。
【0006】
本発明の他の目的は、電池を収納するためのスペースを十分に確保することができる把持玩具を提供することにある。
【0007】
本発明の目的は、耐久性が高く、しかも組立が容易な把持玩具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明が改良の対象とする把持玩具は、プレイヤの手により把持されるグリップ部と、
グリップ部の長手方向に設けられて長手方向に延びる本体部とを備えている。また把持玩具は、グリップ部内に収納される電池と、グリップ部内に収納されてプレイヤの手の指により押圧操作されるスイッチ機構とを備えている。
【0009】
本発明で用いるスイッチ機構は、レバー部材と、押しボタンと、スイッチ部品と、復帰機構とを備えている。レバー部材は、一端がグリップ部内の被固定部に回動機構を介して回動自在に取り付けられている。ここで被固定部としては、グリップの内壁部やグリップ内に配置される隔壁部を利用することができる。また回動機構の構造は、レバー部材を所定の角度範囲内で回動させることができるものであれば、どのような構造であってもよい。
【0010】
また押しボタンは、グリップ部の外壁部に形成されて、グリップ部の内部と外部の両方に向かって開口する開口部から露出する押圧面を備えており、レバー部材に設けられる。ここでグリップ部の内部とは、グリップ部の外壁部によって囲まれた内部空間を意味し、グリップ部の外部とはグリップ部の外壁部の外側に位置する外部空間を意味する。押しボタンの押圧面は、開口部内に位置していてもよいが、開口部から突出していてもよい。
【0011】
スイッチ部品は、被操作部が押圧操作されるとオン・オフ動作をするものであればよく、既製のスイッチ部品を用いることができる。特に、スイッチ部品を、被操作部がレバー部材の他端により押圧操作される位置で、しかもレバー部材よりも内側で被固定部から長手方向に離れた位置に配置するのが好ましい。
【0012】
また復帰機構は、押しボタンに押圧力が加わっているときにレバー部材の動きに応じて蓄勢され、押圧力が解除されると放勢される蓄勢手段を備えてレバー部材を原点位置に復帰させる構造を有している。なおこの復帰機構は、別個に設けてもよいが、この復帰機構として、スイッチ部品の内部に設けられて被操作部を復帰させる目的でスイッチ部品内に設けられる復帰機構を利用してもよいのは勿論である。
【0013】
特に、本発明では、被固定部の位置を、スイッチ部品の被操作部の先端位置よりも外側にする。このようにすると、レバー部材の他端とスイッチ部品の被操作部との間の距離を短くして、しかも押しボタンの押し込み量を小さくすることができる。そして好ましくは、押しボタンをレバー部材の一端と他端との間の中間部に設ける。さらに押しボタンに押圧力が加わっていないときに、押しボタンの押圧面が開口部内に位置するかまたは開口部から突出するようにレバー部材の形状を定めるのが好ましい。このようにすると、レバー部材の回転角度を小さくしても、スイッチ部品の被操作部をレバー部材の他端により小さな力で確実に押圧操作することが可能になる。またレバー部材の他端とスイッチ部品の被操作部との間の距離が短くなり、しかも押しボタンの押し込み量を小さくすることができれば、結果としてスイッチ機構を収納するスペースを小さくすることができる。したがって本発明によれば、スイッチ部品を用いても、グリップ内に形成するスイッチ機構を収納するためのスペースを小さくすることができる利点が得られる。
【0014】
なおグリップ部の内部には、電源が収納される電源収納部とスイッチ機構が収納されるスイッチ機構収納部とが形成される。スイッチ機構収納部を、長手方向に延びる細長い形状にした場合には、電源収納部は、スイッチ機構収納部に対して長手方向に隣接して配置されて長手方向に延びる第1の収納部分と、スイッチ機構収納部に対して長手方向と直交する方向に隣接して配置されてスイッチ機構収納部に沿い且つ長手方向に延びる第2の収納部分とから構成するのが好ましい。この場合、グリップ部の外壁部に形成された開口部が、長手方向と直交する方向の両側に向かって開口するようにするのが好ましい。このようにすると、スイッチ部品を使用する場合でも、スイッチ機構を収納するスペースであるスイッチ機構収納部を小さくすることができるので、電池収納部を最大限大きくすることができる。特に、開口部の位置を前述のように定めると、スイッチ機構収納部及び電池収納部の厚み方向(長手方向及び直交する方向と直交する方向)の寸法が小さい場合であっても、電池収納部を大きく確保することができる。
【0015】
蓄勢手段として、スイッチ部品の本体とレバー部材の他端との間に配置されたコイル状スプリングを用いることができる。この場合、レバー部材の他端にスイッチ部品に向かって突出する突出部を設ける。またスイッチ部品の被操作部をスイッチ本体から一部が突出するキートップから構成する。そしてコイル状のスプリングの一端の内部に突出部を嵌合し、コイル状のスプリングの他端の内部にキートップの一部を嵌合する。このようにすると復帰部材の蓄勢手段の取り付けまたは組み付けが容易になる上、スプリング部材が簡単に外れることがなくなるので、耐久性が向上する。
【0016】
また押しボタンに押圧力が加わっていないときには、蓄勢手段からレバー部材に加わる復帰力によって、レバー部材の他端がグリップ部の外壁部の内面に押し付けられるようにレバー部材の長さと他端の形状とを定めるのが好ましい。このようにするとレバー部材の回動範囲を規制するために特別な構造を用意する必要がなくなり、構造が簡単になる。
【0017】
またレバー部材が被操作部を必要以上に押圧することを規制するために、押圧力が加わったときにレバー部材が所定の角度以上に回動することを規制するストッパ構造をさらに設けるのが好ましい。このようなストッパ構造を設ければ、必要以上に大きな力がスイッチ部品の被操作部に加わることがないので、耐久性及び寿命を大幅に向上させることができる。なおストッパ構造は、スイッチ機構収納部を囲む隔壁部に設けられて、レバー部材が所定の角度回動すると、レバー部材の一部と当接するストッパ用突出部から構成することができる。ストッパ構造をこのような構造にすると、簡単にストッパ構造を構成することができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、レバー部材の他端とスイッチ部品の被操作部との間の距離を短くして、しかも押しボタンの押し込み量を小さくすることができる。
【0019】
また本発明によれば、レバー部材の回転角度を小さくしても、スイッチ部品の被操作部をレバー部材の他端により小さな力で確実に押圧操作することができるようになるので、スイッチ部品を用いても、グリップ内に形成するスイッチ機構を収納するためのスペースを小さくすることができる利点が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明を実施するための最良の形態を図面を参照して詳細に説明する。
【0021】
図1(A)及び図1(B)は、刀玩具等の把持玩具1に本発明のスイッチ機構3を適用した実施の形態を異なる二方向から見た斜視図である。そして図2(A)及び(B)は、把持玩具1の平面図及び正面図である。この把持玩具1は、プレイヤの手により把持されるグリップ部5と、グリップ部5の長手方向に設けられて長手方向に延びる本体部7とを備えている。把持玩具1のグリップ部5の内部には、後述するスイッチ機構3と、電源として用いる複数の電池15が収納されている。そしてグリップ部5の外壁部には、スイッチ機構3の一部を構成する押しボタン9を露出させるための開口部6が形成されている。この把持玩具1では、グリップ部5を握ったプレイヤの手の親指または人差し指で、押しボタン9を押すことを想定している。押しボタン9がグリップ部5の外壁部から外側に極端に突出していると、押しボタン9を押す際に意識して親指または人差し指を押しボタン9の上に置く動作をしなければならない。そこでこの例では、押しボタン9の押圧面9aが、開口部6から僅かに突出する位置に配置されるように押しボタン9を含めたスイッチ機構3の構成を工夫している。
【0022】
本体部7には、プレイヤによる押しボタン9の操作に応じて、各種表示をする表示装置を含んだ制御部11が設けられている。制御部11には、発光ダイオード等の発光表示装置や、スピーカ等の音響発生装置、モータからなる駆動装置、モータ駆動回路及び駆動力伝達機構等が実装されている。なおこの把持玩具1では、図示しない認識パーツを備えた透明ボール体を制御部11に設けた嵌合用凹部12に嵌合させて、発光表示態様や音響発生態様を切り替えるとともに、内部のモータによって透明ボール体の内部の可動部材を可動させるようにしている。図2(B)に示すように、グリップ部5の正面(押しボタン9の位置から見ると側面)側の壁部の一部は、電池交換の際に開けられる電池交換用カバー13によって構成されている。
【0023】
この把持玩具1は、いままでの刀玩具(把持玩具)と比べて、電池の負荷が大きくなっている。そこで、この把持玩具では、グリップ部5内に内蔵する電池の本数を多くする構成を採用している。その結果、押しボタンをグリップ部5の外部から極端に突出させないという条件と、グリップ部5に内蔵する電池の本数をできるだけ多くしたいという条件を満足させるために、スイッチ機構3を収納するスペースを小さくしている。
【0024】
図3(A)は、グリップ部5の内部構造を示すために、図2(A)のA−A線に沿って、グリップ部5を構成するケース部分の半部を半割り状態にした拡大図であり、図3(B)はグリップ部5から電池交換用カバー13を除いた状態のグリップ部5の拡大図である。
【0025】
図3(B)に示すように、グリップ部5の内部には、制御部11の電源となる単三電池タイプの電池15が収納される電源収納部としての電池収納部17と、スイッチ機構3が収納されるスイッチ機構収納部19とが形成されている。本実施の形態においては、電池収納部17に収納される電池15の本数は、前述の制御部11における負荷に対応するために、従来の把持玩具よりも多い3本である。図3(A)において符号21で示した板は、3本の電池の電極と接触する端子を備えた端子プレートである。電池収納部17は、グリップ部5の外壁の一部を構成する電池収納部カバー13と、グリップ部5の外壁と、端子プレート21とより囲まれている。また、スイッチ機構収納部19は、端子プレート21に形成された切り欠き部22に嵌る隔壁構造体24に対応してグリップ部5の内部に形成されている。隔壁構造体24の構成については、後に詳しく説明する。
【0026】
スイッチ機構収納部19は、グリップ部5の長手方向に延びる細長い形状を有している。そして電池収納部17は、スイッチ機構収納部19に対して長手方向に隣接して配置されて長手方向に延びる第1の収納部分17aと、スイッチ機構収納部19に対して長手方向と直交する方向に隣接して配置されてスイッチ機構収納部19に沿い且つ長手方向に延びる第2の収納部分17bとから構成されている。この例では、前述の開口部6は、グリップ部5の外壁部を長手方向と直交する方向の両側に向かって開口するように形成されている。すなわち開口部6は、グリップ部5の外壁部によって囲まれている内部空間(グリップ部の内部)と、グリップ部5の外壁部の外側に位置する外部空間(グリップ部の外部)の両方に向かって開口している。このような配置構成を採用するため、本実施の形態では、グリップ部5の幅が狭いにも拘わらず3本の電池15を内蔵することが可能になった。
【0027】
図4(A)及び図4(B)は、スイッチ機構収納部19の拡大図である。図4(A)はプレイヤにより押しボタン9が押圧されていない状態,図4(B)は押しボタン9が押圧されている状態をそれぞれ示している。スイッチ機構収納部19は、前述の隔壁構造体24によって内部が区分けされている。隔壁構造体24には、2本のリブ25及び27が一体に設けられている。2本のリブ25及び27はそれぞれ、グリップ部5の長手方向に見て同じ位置にクランク状に折れ曲がった折れ曲がり部25a及び27aを有しており、折れ曲がり部25a及び27aによって囲まれた領域には、一般的に押しボタンスイッチと呼ばれるスイッチ部品31が実装された小さい回路基板32が嵌合されている。そしてスイッチ部品31は、2本のリブ25及び27の直線部25b及び27bの間に挟まれた状態で配置されている。スイッチ部品31は、一般に市販されているものである。この例で用いているスイッチ部品31は、絶縁性のケース31aの内部に接点が固定され、ケース31aの内部に配置した図示しない金属製の皿状接点バネの上に被操作部材としてのキートップ31bが載せられており、ケース31aの開口部を塞ぎ且つキートップ31bの先端を外部に導出させる閉塞プレートがケース31aの上に固定された構造を有するものである。
【0028】
スイッチ機構3は、レバー部材33と、前述のスイッチ部品31と、復帰機構35とから構成されている。レバー部材33は、隔壁構造体24を被固定部として、一端が回動機構37を介して隔壁構造体24に固定されたグリップ部5に形成された被固定部39に回動機構37を介して回動自在に取り付けられている。また、回動機構37の構造は、レバー部材33をプレイヤの操作に応じて所定の角度範囲内で回動させることができるものであれば、どのような構造であってもよい。
【0029】
レバー部材33の中間部には、押しボタン9が一体に成形されており、他端41には、スイッチ部品31側に向けて突出する突出部43が一体に成形されている。この他端41は、図4(B)に示すように、押しボタン9に押圧力が加えられていないときには、開口部6の周囲に位置するグリップ部5の外壁の一部と当接している。プレイヤが押しボタン9を押して、レバー部材33が回動機構37を中心にして回動した結果、突出部43がスイッチ部品31の被操作部を構成するキートップ31bを押圧することにより、スイッチ部品31はオン状態になる。
【0030】
本実施の形態では、被固定部すなわち回動機構37の位置を、スイッチ部品31のキートップ31bの先端位置よりも外側になるように定めている。ここで先端位置よりも外側とは、キートップ31bの先端位置から見て、開口部6が位置する側である。そして押しボタン9に押圧力が加わっていないときに、押しボタン9の押圧面9aが開口部6内に位置するかまたは開口部6からグリップ部5の外側に向かって突出するように、レバー部材33の形状を定めている。本実施の形態では、押しボタン9の押圧面9aが、開口部6から一部突出している。このようにすると、レバー部材33の他端41とスイッチ部品31のキートップ31bとの間の距離を短くして、しかも押しボタン9の押し込み量を小さくしても(レバー部材33の回転角度を小さくしても)、スイッチ部品31のキートップ31bをレバー部材33の他端41により、小さな力で確実に押圧操作することが可能になる。
【0031】
レバー部材33の他端41とスイッチ部品31のキートップ31bとの間の距離が短くなり、しかも押しボタン9の押し込み量を小さくすることができれば、結果としてスイッチ機構3を収納するスペースを小さくすることができる。したがって本実施の形態の構造によれば、既製のスイッチ部品を用いても、グリップ部5内に形成するスイッチ機構3を収納するためのスペースを小さくすることができる利点が得られる。
【0032】
レバー部材33の他端41の突出部43とキートップ31bとの間には、押しボタン9の押圧操作によりスイッチ部品31をオン状態にする際に蓄勢され、押圧操作が解除されると放勢されてレバー部材33を原点位置に復帰させる復帰機構35の蓄勢手段を構成するコイル状スプリング45が配置されている。コイル状スプリング45は、その一端がレバー部材33の他端41に設けられた突出部43に嵌合され、その他端がスイッチ部品31のキートップ31bに嵌合されている。このような構造を採用すると、コイル状スプリング45を取り付ける作業が容易となる。また、この構造では、コイル状スプリング部材45が簡単に外れることがなくなるので、復帰機構35の耐久性が向上する。なお、蓄勢手段は、押しボタン9に押圧力が加わっているときにレバー部材33により蓄勢され、押圧力が解除されると放勢されてレバー部材33を押圧される前の原点位置に復帰するものであれば、どのような構造のものでもよい。また、復帰機構35は、スイッチ部品31と別個に設けても良いが、スイッチ部品31の内部に設けられて被操作部を原点に復帰させる復帰機構(本実施の形態であれば、スイッチ部品31の内部に配置されている皿状バネ接点)を利用してもよいのは勿論である。
【0033】
リブ27の直線部27bの先端は、レバー部材33の他端41がキートップ31bを必要以上に押し下げることを規制するために、レバー部材33が所定角度以上回動しないようにするためのストッパ構造として用いられるストッパ用突出部を構成している。ストッパ用突出部を構成する直線部27bの先端部分の傾斜面の角度は、当接するレバー部材33の裏面側の傾斜面形状の角度と実質的に同じ角度になっている。このようなストッパ機構を設ければ、必要以上に大きな力がレバー部材33からスイッチ部品31に加わることがないので、スイッチ部品の耐久性及び寿命を大幅に向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】(A)及び(B)は、把持玩具に本発明を適用した実施の形態を異なる方向から見た斜視図である。
【図2】(A)及び(B)は、図1の把持玩具の平面図及び正面図である。
【図3】(A)はグリップ部の内部構造を示すために図2(A)のA−A線に沿って、グリップ部を構成するケース部分の半部を半割り状態にした拡大図であり、(B)はグリップ部から電池交換用カバーを除いた状態のグリップ部の拡大図である。
【図4】(A)及び(B)は、図3のグリップ部の内部に収納されるスイッチ機構の拡大図である。
【符号の説明】
【0035】
1 把持玩具
3 スイッチ機構
5 グリップ部
6 開口部
7 本体部
9 押しボタン
11 制御部
13 電池交換用カバー
15 電池(電源)
17 電池収納部(電源収納部)
17a 第1の収納部分
17b 第2の収納部分
19 スイッチ機構収納部
21 端子プレート
24 隔壁構造体
25 リブ
27 リブ
31 スイッチ部品
31b キートップ
32 回路基板
33 レバー部材
37 回動機構
41 他端
43 突出部
45 コイル状スプリング

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プレイヤの手により把持されるグリップ部と、
前記グリップ部の長手方向に設けられて前記長手方向に延びる本体部と、
前記グリップ部内に収納されて前記プレイヤの手の指により押圧操作されるスイッチ機構とを備えた把持玩具であって、
前記スイッチ機構が、
一端が前記グリップ部内の被固定部に回動機構を介して回動自在に取り付けられたレバー部材と、
前記グリップ部の外壁部に形成されて、前記グリップ部の内部と外部の両方に向かって開口する開口部から露出する押圧面を備え、且つ前記レバー部材に設けられる押しボタンと、
前記レバー部材により押圧操作される被操作部を備え、前記被操作部の動きに応じてオン・オフ動作をするスイッチ部品と、
前記押しボタンに押圧力が加わっているときに前記レバー部材の動きに応じて蓄勢され、前記押圧力が解除されると放勢される蓄勢手段を備えて前記レバー部材を原点位置に復帰させる復帰機構とを備え、
前記被固定部の位置が、前記スイッチ部品の前記被操作部の先端位置よりも外側にあることを特徴とする把持玩具。
【請求項2】
前記スイッチ部品は、前記レバー部材の他端により押圧操作される前記被操作部を備え、前記レバー部材よりも内側で前記被固定部から前記長手方向に離れた位置に配置されている請求項1に記載の把持玩具。
【請求項3】
前記押しボタンが前記レバー部材の前記一端と前記他端との間の中間部に設けられ、
前記押しボタンに押圧力が加わっていないときに、前記押しボタンの前記押圧面が前記開口部内に位置するかまたは前記開口部から突出するように前記レバー部材の形状が定められていることを特徴とする請求項2に記載の把持玩具。
【請求項4】
前記グリップ部の内部には、電源が収納される電源収納部と前記スイッチ機構が収納されるスイッチ機構収納部とが形成されており、
前記スイッチ機構収納部は、前記長手方向に延びる細長い形状を有しており、
前記電源収納部は前記スイッチ機構収納部に対して前記長手方向に隣接して配置されて前記長手方向に延びる第1の収納部分と、前記スイッチ機構収納部に対して前記長手方向と直交する方向に隣接して配置されて前記スイッチ機構収納部に沿い且つ前記長手方向に延びる第2の収納部分とから構成され、
前記グリップ部の前記外壁部に形成された前記開口部は、前記長手方向と直交する方向の両側に向かって開口していることを特徴とする請求項1に記載の把持玩具。
【請求項5】
前記蓄勢手段が、前記スイッチ部品と前記レバー部材の前記他端との間に配置されたコイル状スプリングからなり、
前記レバー部材の前記他端には前記スイッチ部品に向かって突出する突出部が設けられており、
前記スイッチ部品の前記被操作部はスイッチ本体から一部が突出するキートップから構成され、
前記コイル状のスプリングの一端の内部に前記突出部が嵌合され、
前記コイル状のスプリングの他端の内部に前記キートップの前記一部が嵌合されていることを特徴とする請求項3に記載の把持玩具。
【請求項6】
前記押しボタンに前記押圧力が加わっていないときには、前記蓄勢手段から前記レバー部材に加わる復帰力によって、前記レバー部材の他端が前記グリップ部の前記外壁部の内面に押し付けられるように前記レバー部材の長さと前記他端の形状とが定めらていることを特徴とする請求項1に記載の把持玩具。
【請求項7】
前記レバー部材が前記被操作部を必要以上に押圧することを規制するために、前記押圧力が加わったときに前記レバー部材が所定の角度以上に回動することを規制するストッパ構造がさらに設けられていることを特徴とする請求項1に記載の把持玩具。
【請求項8】
前記ストッパ構造は、前記スイッチ機構収納部を囲む隔壁部に設けられて、前記レバー部材が前記所定の角度回動すると、前記レバー部材の一部と当接するストッパ用突出部から構成されている請求項7に記載の把持玩具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2007−44482(P2007−44482A)
【公開日】平成19年2月22日(2007.2.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−288415(P2005−288415)
【出願日】平成17年9月30日(2005.9.30)
【出願人】(506113602)株式会社コナミデジタルエンタテインメント (1,441)
【Fターム(参考)】