説明

投入ガイド取外し装置及び取外し方法

【課題】物品投入時の物品の落下を防ぐ投入ガイドを容器から取り外すことができる投入ガイドの取外し装置と取外し方法を提供する。
【解決手段】コンベヤ1で複数の容器2を搬送しながら各容器2内へ物品を投入する物品投入装置の搬送下流側に配設された投入ガイド取外し装置6において、コンベヤ1の上方に搬送路に対し傾斜して設けられ、投入ガイド3の筒外面に設けられた一対の突起部33を支える一対の受けレール61と、受けレール61に沿って投入ガイド3を搬送路の搬送下流側へ移送する移送手段62とを設けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、投入ガイド取外し装置及び取外し方法に関し、より詳しくは、複数の容器を搬送しながら各容器内へ物品を投入する物品投入装置の搬送下流側において、物品投入後、各容器に装着されている投入ガイドを各容器から取り外す投入ガイドの取外し装置と、取外し方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、多品種の物品を複数の仕分け先(例えば、店舗、顧客等)に効率良く仕分けする仕分け設備として、各仕分け先に対応させた容器(例えば、コンテナ、段ボール箱等)をコンベヤで搬送し、作業者が、デジタル表示器等により指示された注文物品を物品収納棚からピッキングし、指示された容器へ投入するピッキング設備が利用されている(例えば、下記特許文献1参照)。
【0003】
そして、仕分け作業の更なる効率化のため、物品収納棚からピッキングした注文物品を各容器内へ自動的に投入する物品投入装置が利用されている(例えば、下記特許文献2参照)。この物品投入装置によれば、各容器の搬送を停止させることなく各容器内へ物品を傷付けずにソフトに投入することが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−326708号公報
【特許文献2】特開2009−35310号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、この仕分け作業においては、その仕分け先によって、各容器への物品投入量が異なるのが一般的であり、容器に対する物品投入量が比較的に多い場合、一旦投入した物品が容器外へこぼれ落ちることが稀にあった。そのため、従来では、物品投入後の容器全体の重量等を計測して物品落下の有無を検出する検出手段をさらに設けなければならず、また、検出時に容器の搬送を停止させる必要があることから仕分け作業の能率低下を招く難点があった。
【0006】
そこで、本件出願人は、物品投入前の各容器に予め、物品の落下を防ぐための投入ガイドを迅速かつ確実に自動装着することができる投入ガイド装着装置を提案している。
【0007】
本発明は、各容器に装着された投入ガイドを、容器の搬送を停止させることなく確実に各容器から取り外すことができる、投入ガイド取外し装置と取外し方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、コンベヤで複数の容器を搬送しながら各容器内へ物品を投入する物品投入装置の搬送下流側に配設され、物品投入後、各容器に装着されている投入ガイドを該容器から取り外す投入ガイド取外し装置であって、
前記投入ガイドが両端に開口部を有する筒状体から成り、該筒状体の筒外面に互いに反対方向へ突出する一対の突起部を有し、前記コンベヤの上方に、平面視において該コンベヤの搬送路に沿い、立面視において該搬送路の搬送下流側へ向うに従って該搬送路との間隔が拡大するように設けられ、前記投入ガイドの一対の突起部を支える一対の受けレールと、前記受けレールに沿って前記投入ガイドを前記搬送路の搬送下流側へ移送する移送手段と、を備えることを特徴としている。
【0009】
また、本発明は、前記移送手段が、前記受けレールに沿って循環走行する無端ベルトと、前記無端ベルトに設けられ、前記投入ガイドの突起部を引掛ける複数の引掛部材と、を備えることを特徴としている。
【0010】
更にまた、本発明は、前記引掛部材が、前記無端ベルトの走行下流側へのみ傾倒可能に設けられていることを特徴としている。
【0011】
更にまた、本発明は、前記移送手段が、前記受けレールに沿って循環走行する下側無端ベルトと、前記下側無端ベルトの上方に該下側無端ベルトと所定間隔をあけて設けられ、前記受けレールに沿って循環走行する上側無端ベルトと、を備え、前記下側無端ベルトと前記上側無端ベルトとで前記投入ガイドの突起部を挟んで該投入ガイドを移送することを特徴としている。
【0012】
更にまた、本発明は、前記下側無端ベルトが、その走行往路において前記受けレール上を走行することを特徴としている。
【0013】
また、本発明は、コンベヤで複数の容器を搬送しながら各容器内へ物品を投入する物品投入装置の搬送下流側において、物品投入後、各容器に装着されている投入ガイドを該容器から取り外す投入ガイド取外し方法であって、
前記投入ガイドが両端に開口部を有する筒状体から成り、該筒状体の筒外面に互いに反対方向へ突出する一対の突起部を有し、該投入ガイドが装着されている容器を前記コンベヤで搬送し、該投入ガイドの一対の突起部を、平面視において該コンベヤの搬送路に沿い、立面視において該搬送路の搬送下流側へ向うに従って該搬送路との間隔が拡大するように設けられた一対の受けレール上に導入する導入工程と、前記導入工程により導入した前記投入ガイドの一対の突起部を前記受けレールで支えながら、該投入ガイドを該受けレールに沿って前記搬送路の搬送下流側へ移送する移送工程と、を備えることを特徴としている。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係る投入ガイド取外し装置と取外し方法によれば、投入ガイドの筒外面に突起部を設け、この突起部をコンベヤの搬送面に対し傾斜した受けレールで支え、各投入ガイドを受けレールに沿って移送するので、コンベヤによる容器の搬送動作を停止させることなく各容器から投入ガイドを取り外すことができる。
【0015】
しかも、投入ガイドの突起部を受けレールで確実に支え、そして、受けレールとは別個に設けた移送手段で各投入ガイドを移送するので、各容器から投入ガイドを確実に取り外すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本実施形態の投入ガイド取外し装置を適用した仕分け設備の概略側面図である。
【図2】本実施形態の投入ガイド取外し装置に使用する投入ガイドの斜視図と縦断面図である。
【図3】本実施形態の投入ガイド取外し装置の概略側面図である。
【図4】本実施形態の投入ガイド取外し装置の要部斜視図である。
【図5】変形例の投入ガイド取外し装置の概略側面図である。
【図6】変形例の投入ガイド取外し装置の要部斜視図である。
【図7】仕分け設備に適用された投入ガイド装着装置の概略側面図である。
【図8】同投入ガイド装着装置の位置決め手段の要部斜視図である。
【図9】同投入ガイド装着装置の位置決め手段による位置決め工程を説明する概略側面図である。
【図10】同投入ガイド装着装置の待機手段及び振分手段の要部斜視図である。
【図11】同投入ガイド装着装置の待機手段による待機工程、及び振分手段による振分工程を説明する概略側面図である。
【図12】同投入ガイド装着装置の装着手段の要部斜視図である。
【図13】同投入ガイド装着装置の装着手段による装着工程を説明する概略側面図である。
【図14】実施変形例の投入ガイドの縦断面図である。
【図15】他の実施変形例の投入ガイドの縦断面図である。
【図16】更に他の実施変形例の投入ガイドの縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1に示すように、本実施形態の投入ガイド取外し装置6は、多品種の物品を複数の仕分け先(例えば、店舗、顧客等)に仕分けする仕分け設備10に適用されており、コンベヤ1で複数の容器2を搬送しながら各容器2内へ物品を自動投入する公知の物品投入装置5(例えば、上記特許文献2参照)の搬送下流側に配設され、物品投入後の各容器2から投入ガイド3を自動的に取り外すものである。
【0018】
容器2は、図2に示すように、一つの開口部21を有する直方体形状のコンテナから構成されている。本実施形態では、開口部21の高さ(H)が異なる複数種類の容器2を、駆動ローラコンベヤ等から成るコンベヤ1により搬送しているが、開口部21の高さ(H)が同一の複数の容器2をコンベヤ1で搬送してもよい。
【0019】
投入ガイド3は、図2に示すように、両端に開口部(31、32)を有し、各容器2を収容可能な角型の筒状体から成り、筒外面の一の開口部31寄りに、互いに反対方向へ突出する一対の丸棒状の突起部33が形成されている。そして、投入ガイド3は、他の開口部32を下にしてコンベヤ1の搬送面上に載置したとき、一の開口部31の高さL3が、使用する全ての容器2の開口部21の高さ(H)よりも大きく形成されている。なお、投入ガイド3は角筒状に限定されるものではなく、例えば円筒状であってもよい。装着すべき容器2の形状に応じて種々の設計変更が可能である。
【0020】
以下、本実施形態の投入ガイド取外し装置6について説明する。
【0021】
本実施形態の投入ガイド取外し装置6は、図3及び図4に示すように、投入ガイド3の一対の突起部33を支える左右一対の受けレール61と、受けレール61に沿って投入ガイド3を移送する左右一対の移送手段62と、を備えている。なお、本明細書において、コンベヤ1の搬送方向を、投入ガイド取外し装置の前後方向とし、コンベヤ1の搬送方向と直交する方向を、投入ガイド取外し装置の左右方向としている。
【0022】
受けレール61は、図3及び図4に示すように、長板状のプレート材から成り、コンベヤ1の上方に、平面視においてコンベヤ1の搬送路に沿い、かつ、立面視においてコンベヤ1の搬送下流側へ向うに従ってコンベヤ1の搬送路との間隔が拡大するように、傾斜して配設されている。つまり、受けレール61の、コンベヤ1の搬送下流側に位置するレール後端部612は、コンベヤ1の搬送上流側に位置するレール先端部611よりも高い位置に設けられている。レール先端部611は、コンベヤ1上に載置された投入ガイド3の突起部33よりも低い位置に設けられている一方、レール後端部612は、投入ガイド3の突起部33を支えたとき、投入ガイド3が容器2から離れて互いに干渉しない高さ位置に設けられている。受けレール61は、その上縁に形成されたレール面613で直接、投入ガイド3の突起部33を下方から支える。
【0023】
移送手段62は、図3及び図4に示すように、受けレール61に沿って循環走行する無端ベルト621と、無端ベルト621の外周部に等間隔に設けられた複数の引掛部材622と、を備えている。無端ベルト621は、複数のスプロケット間に掛け渡された無端チェーンから成り、不図示のフレームに設けられたモータ623により駆動され、受けレール61のレール面613に沿う走行往路において、レール先端部611側からレール後端部612側へ向けて走行移動する。また、各引掛部材622は、無端ベルト621に軸支され、無端ベルト621の走行下流側へのみ傾倒するように設けられている。
【0024】
本実施形態の投入ガイド取外し装置6による投入ガイド取外し方法について、図3を参照しながら説明する。
【0025】
まず、各容器2に装着された投入ガイド3の突起部33を受けレール61上に導入する導入工程を行う。即ち、物品投入装置5から搬送されてくる物品投入後の容器2をそのままコンベヤ1で搬送することによって、容器2に装着されている投入ガイド3の一対の突起部33を一対の受けレール61のレール先端部611上に導き入れる。本実施形態では、引掛部材622を走行下流側へ傾倒可能に設けているので、投入ガイド3の突起部33が例えば引掛部材622上に乗り上げて突起部33の導入が阻害されることがない。
【0026】
次に、受けレール61に導入した投入ガイド3を、受けレール61に沿ってコンベヤ1の搬送下流側へ移送する移送工程を行う。即ち、受けレール61上に導入した投入ガイド3の突起部33を受けレール61で支えながら、この突起部33を、無端ベルト621と共に連続走行移動する引掛部材622で引っ掛けることによって、投入ガイド3を受けレール61のレール後端部612へ移送する。
【0027】
この引掛部材622による移送速度の水平成分(立面視においてコンベヤ1の搬送面と平行な方向の速度成分)は、コンベヤ1の搬送速度と等しくされている。このことで、傾斜する受けレール61に沿って斜め上方へ移送される投入ガイド3は、各容器2に対して鉛直上方へ持ち上げられ、各容器2から取り外される。
【0028】
そして、レール後端部612まで移送された投入ガイド3は、回収コンベヤ45へ移載され、図1に示すように、投入ガイド装着装置4まで搬送され、投入ガイド装着装置4によって再び容器2に装着される。この投入ガイド装着装置4については改めて後述する。他方、投入ガイド3が取り外された容器2は、さらにコンベヤ1により搬送され、例えば出荷工程等へ搬出される。
【0029】
このように本実施形態の投入ガイド取外し装置6とその取外し方法によれば、投入ガイド3の筒外面に突起部33を設け、この突起部33をコンベヤ1の搬送面に対し傾斜した受けレール61で支え、各投入ガイド3を受けレール61に沿って斜め上方へ移送するので、コンベヤ1による容器2の搬送動作を停止させることなく各容器2から投入ガイド3を取り外すことができる。
【0030】
しかも、本実施形態の投入ガイド取外し装置6とその取外し方法によれば、突起部33を受けレール61で確実に支えることができ、そして、受けレール61とは別個に設けた移送手段62で各投入ガイド3を移送するので、各容器2から投入ガイド3を確実に取り外すことができる。
【0031】
また、投入ガイド3をその突起部33において、受けレール61で支え、移送手段62で引っ掛けるので、投入ガイド3を容器2から取り外す際、投入ガイド3の下部は比較的に自由に揺動し得る。したがって、搬送中の各容器2から投入ガイド3をスムーズに取り外すことができる。
【0032】
以上、本実施形態の投入ガイド取外し装置6について説明したが、本発明はその他の形態でも実施することができる。
【0033】
例えば、図5及び図6に示す、投入ガイド取外し装置7のように実施してもよい。投入ガイド取外し装置7は、投入ガイド3の一対の突起部33を支える左右一対の受けレール71と、受けレール71に沿って投入ガイド3を移送する左右一対の移送手段72と、を備えている。
【0034】
受けレール71は、図5及び図6に示すように、長板状のプレート材から成り、コンベヤ1の上方に、平面視においてコンベヤ1の搬送路に沿い、かつ、立面視においてコンベヤ1の搬送下流側へ向うに従ってコンベヤ1の搬送路との間隔が拡大するように、傾斜して配設されている。つまり、受けレール71の、コンベヤ1の搬送下流側に位置するレール後端部712は、コンベヤ1の搬送上流側に位置するレール先端部711よりも高い位置に設けられている。レール先端部711は、コンベヤ1上に載置された投入ガイド3の突起部33よりも低い位置に設けられている一方、レール後端部712は、投入ガイド3の突起部33を支えたとき、投入ガイド3が容器2から離れて互いに干渉しない高さ位置に設けられている。受けレール71は、その上縁に形成されたレール面713によって、次述する下側無端ベルト721を介して投入ガイド3の突起部33を下方から支える。
【0035】
移送手段72は、図5及び図6に示すように、受けレール71に沿って循環走行する下側無端ベルト721と、下側無端ベルト721の上方に設けられ、受けレール71に沿って循環走行する上側無端ベルト722と、を備えている。
【0036】
下側無端ベルト721は、複数のプーリ間に掛け渡された無端状ゴムベルトから成り、不図示のフレームに設けられたモータ723により駆動され、受けレール71のレール面713に沿う走行往路724において、レール先端部711側からレール後端部712側へ向けて走行移動する。また、下側無端ベルト721は、その走行往路724において受けレール71のレール面713上に載せられた状態で走行移動する。
【0037】
上側無端ベルト722は、複数のプーリ間に掛け渡された無端状ゴムベルトから成り、不図示のフレームに設けられたモータ725により駆動され、受けレール71のレール面713に沿う走行往路726において、レール先端部711側からレール後端部712側へ向けて走行移動する。上側無端ベルト722の走行往路726と、下側無端ベルト721の走行往路724とは、投入ガイド3の丸棒状の突起部33の直径とほぼ等しい間隔をあけて互いに対向している。
【0038】
また、上側無端ベルト722の走行往路726の上方には、上側無端ベルト722を下方へ付勢する付勢部材727が進退移動可能に設けられている。付勢部材727は、不図示のフレームに設けられたスプリング728により下方へ付勢され、上側無端ベルト722をその走行往路726において、下側無端ベルト721の走行往路724へ向けて付勢する。
【0039】
この実施変形例の投入ガイド取外し装置7による投入ガイド取外し方法について、図5を参照しながら説明する。
【0040】
まず、各容器2に装着された投入ガイド3の突起部33を受けレール71上に導入する導入工程を行う。即ち、物品投入装置5から搬送されてくる物品投入後の容器2をそのままコンベヤ1で搬送することによって、容器2に装着されている投入ガイド3の一対の突起部33を一対の受けレール71のレール先端部711上に導き入れる。
【0041】
次に、受けレール71に導入した投入ガイド3を、受けレール71に沿ってコンベヤ1の搬送下流側へ移送する移送工程を行う。即ち、受けレール71上に導入した投入ガイド3の突起部33を受けレール71で支えながら、この突起部33を、走行往路724の下側無端ベルト721と、走行往路726の上側無端ベルト722とで挟むことによって、投入ガイド3を受けレール71のレール後端部712へ移送する。
【0042】
これら下側無端ベルト721及び上側無端ベルト722による走行往路の移送速度の水平成分(立面視においてコンベヤ1の搬送面と平行な方向の速度成分)は、コンベヤ1の搬送速度と等しくされている。このことで、傾斜する受けレール71に沿って斜め上方へ移送される投入ガイド3は、各容器2に対して鉛直上方へ持ち上げられ、各容器2から取り外される。
【0043】
そして、レール後端部712まで移送された投入ガイド3は、回収コンベヤ45へ移載され、投入ガイド装着装置4まで搬送され、投入ガイド装着装置4によって再び容器2に装着される。他方、投入ガイド3が取り外された容器2は、さらにコンベヤ1により搬送され、例えば出荷工程等へ搬出される。
【0044】
この変形例の投入ガイド取外し装置7とその取外し方法によれば、投入ガイド3の突起部33をコンベヤ1の搬送面に対して傾斜した受けレール71で支え、各投入ガイド3を受けレール71に沿って斜め上方へ移送するので、上述した実施形態の投入ガイド取外し装置6と同様に、コンベヤ1による容器2の搬送動作を停止させることなく各容器2から投入ガイド3を取り外すことができる。
【0045】
しかも、本実施形態の投入ガイド取外し装置7とその取外し方法によれば、突起部33を受けレール71で確実に支えることができ、そして、受けレール71とは別個に設けた移送手段72で各投入ガイド3を移送するので、各容器2から投入ガイド3を確実に取り外すことができる。
【0046】
また、投入ガイド3の突起部33を下側無端ベルト721と上側無端ベルト722とで挟んで投入ガイド3を移送するので、投入ガイド3の突起部33の受けレール71上への導入タイミングによらず、即時に投入ガイド3を移送することができ、たとえ物品投入装置5から搬送されてくる各容器2がコンベヤ1上で位置ずれしたとしても、各容器2から投入ガイド3をスムーズに取り外すことができる。
【0047】
次に、図7〜図13を参照しながら、物品投入装置5の搬送上流側において、物品投入前の各容器2に投入ガイド3を自動的に装着する、投入ガイド装着装置4と取外し方法の一例について説明する。
【0048】
投入ガイド装着装置4は、図7に示すように、容器2を搬送路上の所定位置に位置決めする位置決め手段41と、位置決め手段41の上方に設けられ、投入ガイド3を待機させる待機手段42と、位置決め手段41の上方に上下移動可能に設けられ、待機手段42で待機する投入ガイド3を、位置決め手段41で位置決めした容器2に装着する装着手段43と、を備えている。そして、待機手段42及び装着手段43をそれぞれ、容器2の搬送路に沿う前後方向に二つ備え、各待機手段42へ投入ガイド3を振り分けながら供給する振分手段44を備えている。
【0049】
位置決め手段41は、図8に示すように、コンベヤ1の搬送路の中途に設けられ、搬送動作を間欠的に行うベルトコンベヤ411と、ベルトコンベヤ411上の容器2を挟んで位置決めする位置決めクランプ412と、から構成されている。ここでは、左右一対の位置決めクランプ412が計二対、前後方向に並んで配設されており、各位置決めクランプ412は、ベルトコンベヤ411の不図示のフレームに軸支され、流体圧シリンダ413の進退動作によって進退揺動する。
【0050】
この位置決め手段41のベルトコンベヤ411は、図9(a)、(b)に示すように、搬送上流側のコンベヤ1Aの搬送速度よりも大きい搬送速度で容器2を搬送し、容器2が所定位置に至ったことを不図示の位置センサで検出したとき、その搬送動作を停止する。このことで、コンベヤ1Aにより互いに接触状態で搬送されてきた複数の容器2を、ベルトコンベヤ411により所定間隔をあけて切り出して搬送し、切り出した各容器2をおおよその位置に位置決めする。その後、二対の位置決めクランプ412が各容器2の下部を挟むことによって、各容器2をその姿勢を含め正確かつ確実に位置決めする。こうして、位置決め手段41によって、各容器2を搬送路上の所定位置に位置決めする位置決め工程が行われる。
【0051】
その後、位置決め手段41は、図9(c)に示すように、後述する装着手段43による投入ガイド3の装着工程が行われた後、位置決めクランプ412の挟持を解除し、図9(d)に示すように、ベルトコンベヤ411による搬送動作を開始することによって、投入ガイド装着済みの各容器2を搬送下流側のコンベヤ1Bへ搬出するとともに、搬送上流側のコンベヤ1Aから投入ガイド未装着の容器2を切り出して搬入する。
【0052】
待機手段42は、図7及び図10に示すように、投入ガイド3の一対の突起部33を下方へ導く左右一対の導入路421をそれぞれ形成する前後一対の導入ガイド422と、各導入路421の下部に設けられ、投入ガイド3の突起部33を支える支持部材423と、から構成されている。各支持部材423は、不図示の装置フレームに軸支され、流体圧シリンダ424の進退動作によって上下揺動する。
【0053】
この待機手段42は、図11(e)に示すように、支持部材423を上方へ揺動させたとき、支持部材423で投入ガイド3の突起部33を下方から支え、投入ガイド3をその位置に待機させる。こうして、待機手段42によって投入ガイド3の待機工程が行われる。そして、図11(f)に示すように、支持部材423を下方へ揺動させたとき、投入ガイド3の突起部33の支えを解除する。
【0054】
振分手段44は、図7及び図10に示すように、投入ガイド3の一対の突起部33を下方から支えて投入ガイド3を搬送する左右一対の供給コンベヤ441と、供給コンベヤ441の搬送下流側に、供給コンベヤ441に対し接近離反移動可能に設けられ、投入ガイド3の一対の突起部33を下方から支えて投入ガイド3を搬送する左右一対の振分コンベヤ442と、から構成されている。各供給コンベヤ441は、不図示のコンベヤフレームに設けられたモータ443により駆動され、間欠的に搬送動作する。一方、各振分コンベヤ442は、不図示の装置フレームに設けられたアクチュエータによりコンベヤ全体が直線往復移動するとともに、不図示のコンベヤフレームに設けられたモータ444により駆動され、間欠的に搬送動作する。
【0055】
この振分手段44は、図11(a)に示すように、振分コンベヤ442が供給コンベヤ441に対し接近位置にあるとき、回収コンベヤ45により搬送されてきた一の投入ガイド3Aを供給コンベヤ441で搬送し、さらに、図11(b)に示すように、一の投入ガイド3Aを供給コンベヤ441から振分コンベヤ442へ移載するとともに、後続の他の投入ガイド3Bを供給コンベヤ441で搬送する。
【0056】
次いで、図11(c)に示すように、振分コンベヤ442は、移載された一の投入ガイド3Aを搬送しながら、それ自体が供給コンベヤ441に対し離反移動する。このとき、供給コンベヤ441の搬送下流端と振分コンベヤ442の搬送上流端との間に隙間445が形成される。
【0057】
そして、図11(d)に示すように、振分コンベヤ442が供給コンベヤ441に対して離反位置にあるとき、振分コンベヤ442は、一の投入ガイド3Aの突起部33をその搬送下流端から落下させ、一の投入ガイド3Aを一の待機手段42Aへ供給する一方、供給コンベヤ441は、他の投入ガイド3Bの突起部33をその搬送下流端の隙間445から落下させ、他の投入ガイド3Bを他の待機手段42Bへ供給する。こうして、振分手段44によって、二つの待機手段(42A、42B)へ投入ガイド(3A、3B)を振り分けて供給する振分工程が行われる。
【0058】
その後、振分手段44は、図11(e)に示すように、振分コンベヤ442を供給コンベヤ441に対し接近移動させることで復帰し、図11(f)に示すように、後続の投入ガイド(3C、3D)に対する振分工程を開始する。
【0059】
装着手段43は、図12に示すように、計四本の昇降ガイド431に沿って上下移動する左右一対の移動フレーム432と、各移動フレーム432に設けられ、投入ガイド3の筒外面を左右から把持する左右一対の把持部材433と、から構成されている。左右一対の移動フレーム432は、サーボモータ434及びカウンタシャフト435によって同期駆動される左右一対のタイミングベルト436にそれぞれ固定部材437を介して固定されており、サーボモータ434の回転動作によって同期して上下に往復移動する。把持部材433は、各移動フレーム432に設けられた流体圧シリンダ438の進退動作によって進退移動する。ここでは、左右一対の把持部材433が計二対、前後方向に並んで配設されており、二つの投入ガイド3を同時に把持するように構成されている。前後二つの装着手段43が、移動フレーム432及びその駆動機構を共有しており、装置構成の簡素化と同期作動の正確化を実現している。
【0060】
この装着手段43は、図13(a)に示すように、移動フレーム432(不図示)を上昇させ、その上昇位置において、把持部材433によって、上記待機手段42で待機する投入ガイド3の筒外面の下部を把持することにより投入ガイド3を保持する。投入ガイド3を把持部材433で保持した後、待機手段42の支持部材423が下方へ揺動し、投入ガイド3の突起部33の支えを解除する。
【0061】
次いで、図13(b)に示すように、投入ガイド3を把持部材433で保持したまま、移動フレーム432(不図示)を下降させることによって、上記位置決め手段41で位置決めされた容器2に投入ガイド3を上方から被せて装着する。
【0062】
そして、図13(c)に示すように、把持部材433の把持を解除し、位置決め手段41の位置決めクランプ412の挟持を解除する。こうして、装着手段43による投入ガイド3の装着工程が行われる。装着手段43が下降している間、上方の待機手段42において、次の投入ガイド3の待機工程が行われる。
【0063】
その後、装着手段43は、図13(d)、(e)に示すように、上昇することで復帰し、待機手段42で待機する次の投入ガイド3の装着工程を開始する。そして、装着手段43が上昇している間、下方の位置決め手段41において、後続の容器2の位置決め工程が行われる。
【0064】
こうして投入ガイド装着装置4は、上述した位置決め工程、待機工程、振分工程、及び装着工程から成る投入ガイド装着方法によって、コンベヤ1で搬送される各容器2に連続的に投入ガイド3を装着する。
【0065】
図1に示すように、投入ガイド装着装置4によって投入ガイド3が自動装着された各容器2は、コンベヤ1で搬送され、公知の物品投入装置5(上記特許文献2参照)によって各容器2内へ仕分け先に応じた物品が自動投入される。このとき、図2(b)に示すように、各容器2には予め投入ガイド3が装着されているので、たとえ容器2の容量に対する物品投入量の割合が大きい場合であっても、投入した物品が容器外へこぼれ落ちることを確実に防ぐことができる。
【0066】
この投入ガイド装着装置4とその装着方法によれば、待機手段42で待機させた投入ガイド3を装着手段43で保持し、この投入ガイド3を装着手段43で保持したまま下降させ、位置決め手段41で位置決めした容器2に装着するので、投入ガイド3を各容器2に確実に装着することができる。
【0067】
また、待機手段42及び装着手段43をそれぞれ、容器2の搬送路に沿って複数設け、各待機手段42へ投入ガイド3を振分け供給する振分手段44を設けているので、複数の投入ガイド3を複数の容器2に同時に装着することができ、仕分け設備等の処理能力を損うことなく各容器2に投入ガイド3を装着することができる。
【0068】
また、投入ガイド3の筒外面に設けた突起部33を待機手段42で支えることで投入ガイド3を待機させ、投入ガイド3の筒外面を装着手段43の把持部材433で把持することで投入ガイド3を保持するようにしているので、投入ガイド3を待機手段42から装着手段43へ迅速かつ確実に受け渡すことができ、投入ガイド3を各容器2に迅速に装着することができる。
【0069】
また、振分手段44の振分コンベヤ442が、投入ガイド3を搬送しながらそれ自体が移動するので、投入ガイド3を素早く移送し、複数の待機手段42へ素早く振分け供給することができる。このことによっても、投入ガイド3を各容器2に迅速に装着することができる。
【0070】
また、振分手段44の供給コンベヤ441及び振分コンベヤ442で投入ガイド3の突起部33を支えることで投入ガイド3を搬送し、この突起部33を各コンベヤから落下させることで投入ガイド3を待機手段42へ供給するようにしているので、装置構成を簡素化し、振分け作業を迅速化することができる。
【0071】
本発明に係る投入ガイド取外し装置とその取外し方法は、その他の形態でも実施することができる。例えば、上記実施形態では、容器2を収容可能な投入ガイド3を用いているが、図14に示す投入ガイド8を用いてもよい。
【0072】
投入ガイド8は、図14に示すように、両端に開口部(81、82)を有し、各容器2内へ挿入可能な角型の筒状体から構成されている。そして、投入ガイド8は、他の開口部82を下にして容器2の底面22上に載置したとき、一の開口部81の高さL8が、使用する全ての容器2の開口部21の高さ(H)よりも大きく形成されている。この投入ガイド8を容器2内に挿入し、容器2の底面22上に載置することによって、容易に投入ガイド8を容器2に装着することができる。
【0073】
また、図15に示す投入ガイド9aを用いてもよい。投入ガイド9aは、図15に示すように、両端に開口部(91、92)を有する角型の筒状体から成り、筒内面に容器2の開口縁部23に載置可能な段差部93が形成されている。そして、筒外面の一の開口部91寄りに、互いに反対方向へ突出する一対の丸棒状の突起部94が形成されている。この投入ガイド9aを容器2の開口縁部23に載置することによって、容易に投入ガイド9aを容器2に装着することができる。投入ガイド9aを装着したとき、一の開口部91の高さL9aが、使用する全ての容器2の開口部21の高さ(H)よりも大きくなるので、物品投入時の物品落下を確実に防ぐことができる。また、段差部93の一の開口部91側に斜面部95を形成しているので、段差部93に投入物品が引っ掛かることがない。
【0074】
また、図16に示す投入ガイド9bを用いてもよい。投入ガイド9bは、図16に示すように、両端に開口部(91、92)を有する角型の筒状体から成り、筒外面に容器2の開口縁部23に載置可能な段差部96が形成されているとともに、筒外面の一の開口部91寄りに、互いに反対方向へ突出する一対の丸棒状の突起部94が形成されている。この投入ガイド9bを容器2の開口縁部23に載置することによって、容易に投入ガイド9bを容器2に装着することができる。投入ガイド9bを装着したとき、一の開口部91の高さL9bが、使用する全ての容器2の開口部21の高さ(H)よりも大きくなるので、物品投入時の物品落下を確実に防ぐことができる。また、段差部96よりも一の開口部91側において投入ガイド9bの筒外面を、容器2の外面とほぼ面一に形成し、筒内面に斜面部97を形成しているので、投入物品が引っ掛かることがない。
【0075】
また、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲内で、当業者の知識に基づいて種々の改良、修正、変形を加えた態様で実施し得る。同一の作用又は効果が生じる範囲内でいずれかの発明特定事項を他の技術に置換した形態で実施しても良く、また、一体に構成されている発明特定事項を複数の部材から構成したり、複数の部材から構成されている発明特定事項を一体に構成した形態で実施してもよい。
【符号の説明】
【0076】
1;コンベヤ
2;容器
21;開口部
22;底面
23;開口縁部
3、8、9a、9b;投入ガイド
31、32、81、82、91、92;開口部
33、94;突起部
4;投入ガイド装着装置
5;物品投入装置
6;投入ガイド取外し装置
61;受けレール
62;移送手段
621;無端ベルト
622;引掛部材
7;投入ガイド取外し装置
71;受けレール
72;移送手段
721;下側無端ベルト
722;上側無端ベルト
724;(下側無端ベルトの)走行往路
726;(上側無端ベルトの)走行往路
10;仕分け設備

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンベヤで複数の容器を搬送しながら各容器内へ物品を投入する物品投入装置の搬送下流側に配設され、物品投入後、各容器に装着されている投入ガイドを該容器から取り外す投入ガイド取外し装置であって、
前記投入ガイドが両端に開口部を有する筒状体から成り、該筒状体の筒外面に互いに反対方向へ突出する一対の突起部を有し、
前記コンベヤの上方に、平面視において該コンベヤの搬送路に沿い、立面視において該搬送路の搬送下流側へ向うに従って該搬送路との間隔が拡大するように設けられ、前記投入ガイドの一対の突起部を支える一対の受けレールと、
前記受けレールに沿って前記投入ガイドを前記搬送路の搬送下流側へ移送する移送手段と、
を備えることを特徴とした投入ガイド取外し装置。
【請求項2】
前記移送手段が、
前記受けレールに沿って循環走行する無端ベルトと、
前記無端ベルトに設けられ、前記投入ガイドの突起部を引掛ける複数の引掛部材と、
を備えることを特徴とした請求項1に記載の投入ガイド取外し装置。
【請求項3】
前記引掛部材が、前記無端ベルトの走行下流側へのみ傾倒可能に設けられていることを特徴とした請求項2に記載の投入ガイド取外し装置。
【請求項4】
前記移送手段が、
前記受けレールに沿って循環走行する下側無端ベルトと、
前記下側無端ベルトの上方に該下側無端ベルトと所定間隔をあけて設けられ、前記受けレールに沿って循環走行する上側無端ベルトと、
を備え、
前記下側無端ベルトと前記上側無端ベルトとで前記投入ガイドの突起部を挟んで該投入ガイドを移送することを特徴とした請求項1に記載の投入ガイド取外し装置。
【請求項5】
前記下側無端ベルトが、その走行往路において前記受けレール上を走行することを特徴とした請求項4に記載の投入ガイド取外し装置。
【請求項6】
コンベヤで複数の容器を搬送しながら各容器内へ物品を投入する物品投入装置の搬送下流側において、物品投入後、各容器に装着されている投入ガイドを該容器から取り外す投入ガイド取外し方法であって、
前記投入ガイドが両端に開口部を有する筒状体から成り、該筒状体の筒外面に互いに反対方向へ突出する一対の突起部を有し、
該投入ガイドが装着されている容器を前記コンベヤで搬送し、該投入ガイドの一対の突起部を、平面視において該コンベヤの搬送路に沿い、立面視において該搬送路の搬送下流側へ向うに従って該搬送路との間隔が拡大するように設けられた一対の受けレール上に導入する導入工程と、
前記導入工程により導入した前記投入ガイドの一対の突起部を前記受けレールで支えながら、該投入ガイドを該受けレールに沿って前記搬送路の搬送下流側へ移送する移送工程と、
を備えることを特徴とした投入ガイド取外し方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate


【公開番号】特開2011−201588(P2011−201588A)
【公開日】平成23年10月13日(2011.10.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−72223(P2010−72223)
【出願日】平成22年3月26日(2010.3.26)
【出願人】(000003643)株式会社ダイフク (1,209)
【Fターム(参考)】