説明

投影装置及び光源制御方法

【課題】できる限り簡易な構成としながらもランプユニットの装着状態を容易に判断でき、装置全体の構成も簡易化する。
【解決手段】装置に対して着脱自在に設けられ、光源となるランプ18と、同ランプ18の未使用状態を示すヒューズF1及びサーミスタTM1を並列接続した装着検出回路16aとを有する光源ランプユニット16と、ランプ16から出射される光を用いて画像を投影する投影系(14,15,19〜25)と、装着検出回路16aへの通電により光源ランプユニット16の装着の有無及び装着されている場合にランプ18が未使用状態か否かを判定する投影光処理部26とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高圧水銀ランプ等の光源を用いたプロジェクタ装置に好適な投影装置及び光源制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、より高画質で大画面の映像を観賞することができる液晶プロジェクタ等のプロジェクタ装置が普及しつつある一方で、ビジネス用途でもパーソナルコンピュータと接続してプレゼンテーションを行なうことが可能なデータプロジェクタ装置が一般化し手いる。
【0003】
この種のプロジェクタ装置では、光源として高圧水銀ランプ等の高輝度放電管を用いているが、この高輝度放電管は積算使用時間が数百時間乃至線時間程度となっており、比較的高価であるにも拘わらず、同装置内で最も消耗の激しい部品となっている。
【0004】
そのため、ランプをユニット部品(以下「ランプユニット」と称する)としてユーザが簡易に交換可能としている機種が多い反面、使用時間を正確に把握することは困難であり、ユーザは発光輝度が極端に低下するなど、甚だしく劣化した状態でようやく認識可能となるのが現状である。
【0005】
また、ランプユニットの交換に際して手動で装置内のスイッチをリセット操作することにより、以後そのランプユニットの積算使用時間を計時する機能を有する機種も考えられている。しかしながら、必ずしもユーザが上記リセット操作を確実に行なうとは限らず、新しいランプユニットをしばらく使用した後に上記リセット操作を忘れたことに気づいた場合、すでに使用した時間を正確に知る手立てがないと、その後にどれだけ使用可能であるのかを判断することもできない。
【0006】
そこで、ランプユニット交換時の積算使用時間を確実にリセット可能な技術が考えられた。(例えば、特許文献1)
【特許文献1】特開平10−177898号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記特許文献1に記載された技術は、ランプユニット内に備えた非可逆的スイッチとしてのヒューズの溶断状態からそのランプユニットが未使用であるか否かを判断するものであり、一度でも使用したランプユニットはヒューズが溶断することで、対応する端子間がオープンとなって、その抵抗値により使用済みであることが認識できる。
【0008】
ところで、この種のプロジェクタ装置でランプユニットを交換するためには、装置の筐体外面を形成するケーシングの少なくとも一部を取り外すか、あるいはランプユニット交換用の開口を覆うカバー部分を開ける必要があり、通常の外観からはランプユニットが装着されているのか否かを目視で判断することは困難である。
【0009】
しかるに、上記特許文献1に記載された技術で、上記非可逆スイッチに対応する端子間の抵抗値は、上述した如く使用済みのランプユニットが装着されている場合、及びランプユニットが装着されていない場合のいずれであってもオープン(無限大)であり、そのような状態では、使用済みのランプユニットが装着されているのか、ランプユニットが装着されていないのかを判断することはできないことになる。
【0010】
そのため、ランプユニットの装着状態を検出するべく、例えばランプ自体への通電を方法も考えられるが、この種の高輝度放電管を用いたランプでは、電極間に印加しなければならない電圧が非常に高く、ランプの点灯特性も考え合わせると、単にランプユニットの有無を判断するためだけに多くの電力を消費させるのは実用的ではない。
【0011】
さらに、ランプユニットの有無を判断するための専用の回路とそのための端子をランプユニットに設けることも考えられるが、これはそのまま消耗部品であるランプユニットのコストを上昇させる一因となる。
【0012】
本発明は上記のような実情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、できる限り簡易な構成としながらもランプユニットの装着状態を容易に判断することができ、さらには投影装置全体の構成も簡易化することが可能な投影装置及び光源制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
請求項1記載の発明は、装置に対して着脱自在に設けられ、光源となるランプと、同ランプの未使用状態を示すヒューズ及び電気抵抗素子を並列接続した装着検出回路とを有する光源ランプユニットと、上記ランプから出射される光を用いて画像を投影する投影手段と、上記装着検出回路への通電により上記光源ランプユニットの装着の有無及び装着されている場合に上記ランプが未使用状態か否かを判定する判定手段とを具備したことを特徴とする。
【0014】
請求項2記載の発明は、上記請求項1記載の発明において、上記光源ランプユニットの装着検出回路は、電気抵抗素子として温度検出可能な素子を上記ランプに近接配置し、上記温度検出可能な素子により上記投影手段による投影動作時のランプの温度管理を行なうランプ管理手段をさらに具備することを特徴とする。
【0015】
請求項3記載の発明は、上記請求項1記載の発明において、上記光源ランプユニットの装着検出回路は、ヒューズとして電気ヒューズを用い、上記光源ランプユニットの積算使用時間を計時する計時手段と、上記判定手段により上記光源ランプユニットの装着、且つ上記ランプの未使用状態の判定時に上記計時手段で計時する上記光源ランプユニットの積算使用時間をリセットさせる第1の制御手段と、上記判定手段により上記光源ランプユニットの装着、且つ上記ランプの未使用状態の判定時に上記電気ヒューズに通電して該電気ヒューズを溶断させる第2の制御手段とをさらに具備したことを特徴とする。
【0016】
請求項4記載の発明は、上記請求項1記載の発明において、上記光源ランプユニットの装着検出回路は、ヒューズとして上記ランプの点灯により溶断する温度ヒューズを用い、上記光源ランプユニットの積算使用時間を計時する計時手段と、上記判定手段により上記光源ランプユニットの装着、且つ上記ランプの未使用状態の判定時に上記計時手段で計時する上記光源ランプユニットの積算使用時間をリセットさせる制御手段とをさらに具備したことを特徴とする。
【0017】
請求項5記載の発明は、装置に対して着脱自在に設けられ、光源となるランプと、同ランプの未使用状態を示すヒューズ及び電気抵抗素子を並列接続した装着検出回路とを有する光源ランプユニットと、上記ランプから出射される光を用いて画像を投影する投影部とを備えた投影装置での光源制御方法であって、上記装着検出回路への通電により上記光源ランプユニットの装着の有無及び装着されている場合に上記ランプが未使用状態か否かを判定する判定工程を有したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、できる限り簡易な構成としながらもランプユニットの装着状態を容易に判断することができ、さらには投影装置全体の構成も簡易化することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
(第1の実施形態)
以下本発明をDLP(Digital Light Processing)(登録商標)方式のデータプロジェクタ装置に適用した場合の第1の実施形態について図面を参照して説明する。
【0020】
図1は、本実施形態に係るデータプロジェクタ装置10の概略機能構成である。11は入出力コネクタ部であり、例えばピンジャック(RCA)タイプのビデオ入力端子、D−sub15タイプのRGB入力端子、及びUSB端子を備える。
【0021】
入出力コネクタ部11より入力される各種規格の画像信号は、入出力インタフェース12(I/F)12、システムバスSBを介し、スケーラとも称される画像変換部13で投影に適した所定のフォーマットの画像信号に統一された後に、投影画像処理部14へ送られる。
【0022】
この際、OSD(On Screen Display)用の各種キャラクタやポインタ等も必要に応じて画像信号に重畳加工するべく投影画像処理部14へ送られる。
【0023】
投影画像処理部14は、送られてきた画像信号に応じて、所定のフォーマットに従ったフレームレート、例えば60[フレーム/秒]と色成分の分割数、及び表示階調数を乗算した、より高速な時分割駆動により、空間的光変調素子(SOM)であるマイクロミラー素子15を表示駆動する。
【0024】
一方、ランプユニット16内のリフレクタ17の焦点位置に配置された、例えば高圧水銀灯を用いた光源ランプ18が高輝度の白色光を出射する。この光源ランプ18は、バラスト19からの電力により交流駆動される。
【0025】
光源ランプ18の出射した白色光は、マイクロミラー素子15での表示に同期して高速回転するカラーホイール20を介して時分割で原色に着色され、インテグレータ21で輝度分布が略均一な光束とされた後にミラー22で全反射して上記マイクロミラー素子15に照射される。
【0026】
そして、マイクロミラー素子15での反射光で光像が形成され、形成された光像が投影レンズユニット23を介して、投影対象となる図示しないスクリーンに投影される。
【0027】
投影レンズユニット23は、マイクロミラー素子15で形成された光像を拡大してスクリーン等の対象に投影するものであり、合焦位置及びズーム位置(投影画角)を任意に可変できるものとする。
【0028】
すなわち、投影レンズユニット23中の図示しないフォーカスレンズ及びズームレンズは共に光軸方向に沿って前後に移動することで制御されるもので、それらレンズはステッピングモータ(M)24の回動駆動により移動する。
【0029】
また、上記光源ランプ18を点灯させるためのバラスト19への電力供給、上記カラーホイール20用のモータ(M)25の回転駆動、上記ステッピングモータ24の回動駆動、及び上記ランプユニット16に設けられた装着検出回路16aの制御をいずれも投影光処理部26が実行する。
【0030】
なお、上記投影画像処理部14は、マイクロミラー素子15で表示する色成分毎の画像の切換タイミングに同期したランプ同期信号を上記バラスト19へ出力する。
【0031】
上記各回路の動作すべてをCPU27が制御する。このCPU27は、DRAMで構成されたメインメモリ28、動作プログラムや各種定型データ等を記憶した電気的書換可能な不揮発性メモリで構成されたプログラムメモリ29を用いてこのデータプロジェクタ装置10内の制御動作を実行する。
【0032】
またCPU27は、プログラムメモリ29に上記ランプユニット16の積算使用時間を更新記憶させる。すなわち、CPU27は、投影動作中のランプユニット16の使用時間をカウントし、投影動作終了時にそのカウント値とそれまでプログラムメモリ29に記憶していた積算使用時間とを加算して、その和をあらたな積算使用時間としてプログラムメモリ29に更新記憶させる。
【0033】
上記CPU27は、操作部30からの操作信号に応じて各種投影動作を実行する。この操作部30は、データプロジェクタ装置10の筐体本体に設けられたキー操作部と、このデータプロジェクタ装置1専用の図示しないリモートコントローラからの赤外線変調信号を受信する赤外線受信部とを含み、ユーザがキー操作部またはリモートコントローラを介して操作したキーに基づくキーコード信号をCPU27へ直接出力する。
【0034】
上記CPU27はさらに、上記システムバスSBを介して音声処理部31と接続される。
音声処理部31は、PCM音源等の音源回路を備え、投影動作時に与えられる音声データをアナログ化し、スピーカ部32を駆動して拡声放音させ、あるいは必要によりビープ音等を発生させる。
【0035】
次いで、図2により上記ランプユニット16とその周辺の具体的な電気回路の構成についても説明する。
ランプユニット16の内部には、光源ランプ18をその焦点位置に配したリフレクタ17と装着検出回路16aとを有している。装着検出回路16aは、電気ヒューズF1とサーミスタTM1を並列接続した構成を採る。
【0036】
ランプユニット16には計4つの端子が設けられ、そのうちの2つが光源ランプ18を交流駆動するためのものと上記バラスト19と接続される。
また、残る2つの端子は装着検出回路16a用であり、その一方の端子が上記投影光処理部26及びスイッチ回路用のトランジスタQ1のエミッタ及び抵抗R1の一端と接続される。同トランジスタQ1のコレクタに電圧Vが印加されると共に同コレクタが上記抵抗R1の他端と接続される。さらに、上記トランジスタQ1のベースに投影光処理部26からのスイッチング信号が与えられる。なお、装着検出回路16a用の他方の端子は抵抗R2を介して接地される。
【0037】
次に上記実施形態の動作について説明する。
図3は、このデータプロジェクタ装置10での電源投入当初に、初期化の一環として実行するランプユニットのチェック処理の内容を示すフローチャートであり、その動作はCPU27がプログラムメモリ29から読出した動作プログラムをメインメモリ28に展開して実行することで、このCPU27からシステムバスSBを介して投影光処理部26に制御データが逐次送達され、投影光処理部26がそれら制御データに基づいて処理する。
【0038】
その動作当初には、CPU27の制御の下に投影光処理部26が、ランプユニット16の装着検出回路16aと接続された端子を用いて装着検出回路16aの抵抗値Rをチェックする(ステップS101)。
【0039】
ここで具体的には、装着検出回路16aの抵抗値Rが数百[mΩ]オーダーであるか、数[kΩ]オーダーであるか、あるいは「∞(無限大)」であるかの非常に大まかな抵抗値検出を行なう。
【0040】
装着検出回路16aの抵抗値Rが数百[mΩ]オーダーであった場合、装着検出回路16aを構成する2つの素子、電気ヒューズF1とサーミスタTM1とが共に存在することとなり、電気ヒューズF1がまだ溶断していないことになるので、このランプユニット16が新たに装着されたものであると認識する(ステップS102)。
【0041】
この認識結果に従い、CPU27がプログラムメモリ29に記憶している積算使用時間をリセットさせる(ステップS103)。
その後、このランプユニット16がすでに装着済みであることを設定するべく、CPU27が上記トランジスタQ1のベースへのスイッチング信号をオンし、トランジスタQ1を導通させることで、同トランジスタQ1のコレクタに印加されている電圧Vを装着検出回路16aの電気ヒューズF1に直接与えて、電気ヒューズF1を溶断させる(ステップS104)。
【0042】
その後、単にサーミスタTM1のみとなった装着検出回路16aの抵抗値Rを再度検出することでそのランプユニット16の温度を検出し(ステップS105)、以上でこの図3の処理を終了する。
【0043】
また、上記ステップS101で装着検出回路16aの抵抗値Rが数[kΩ]オーダーであった場合、装着検出回路16aを構成する2つの素子、電気ヒューズF1とサーミスタTM1のうち、電気ヒューズF1はすでに溶断していることになるので、このランプユニット16がすでに装着済みの(古い)ものであると認識する(ステップS106)。
【0044】
その後、上記ステップS105に進んでサーミスタTM1のみとなった装着検出回路16aの抵抗値Rを再度検出することでそのランプユニット16の温度を検出し、以上でこの図3の処理を終了する。
【0045】
さらに、上記ステップS101で装着検出回路16aの抵抗値Rが「∞(無限大)」であった場合、装着検出回路16a用の2つの端子には何も接続されておらず、ランプユニット16自体が装着されていないものと認識する(ステップS107)。
【0046】
この場合、光源となるランプユニット16が接続されていないために投影動作に移行することができず、直ちにこの図3の処理を終了すると共に、CPU27は所定の警告報知、例えば音声処理部31によりスピーカ部32で、例えば
「ランプユニットが装着されていません
新しいランプユニット16を装着して下さい」
のような音声ガイドメッセージを出力させるか、あるいは所定のパターンによるビープ音を放音させるなどして、ランプユニット16が装着されていないことをユーザに報知する。
【0047】
以上詳記した如く本実施形態によれば、ランプユニット16に形成する装着検出回路16aを非常に簡易な回路構成としながらも、ランプユニット16の装着状態をきわめて容易に判断することができる。
【0048】
また、ランプユニット16でデータプロジェクタ装置10側と接続するための端子数は光源ランプ18用と合わせても計4つ、装着検出回路16a用の端子は2つのみとなり、装着検出回路16a自体が簡易な回路構成であることも合わせて、データプロジェクタ装置10全体の構成を簡易化することが可能となる。
【0049】
なお上記実施形態では、装着検出回路16aを構成する2つの素子として、ランプユニット16が未装着のものであるか否かを判断するための電気ヒューズF1と、ランプユニット16が装着されているか否かの判定用、及び光源ランプ18の温度の検出するセンサを兼ねたサーミスタTM1とを並列に接続するものとした。
【0050】
しかしながら、単にランプユニット16が装着されているか否かを判定するのみであれば、上記サーミスタTM1に代えて、単なる電気抵抗を配設するものとしてもよい。
【0051】
本実施形態では、光源ランプ18の温度管理を行なうためのセンサとして機能するサーミスタTM1を装着検出回路16a内に設けるものとしたので、データプロジェクタ装置10側には温度センサを設ける必要がなくなる。
この点で、データプロジェクタ装置10の構成をさらに簡易にすることができると共に、将来、新たに供給される光源ランプ18の温度特性等が変化した場合でも、それに対応した温度センサとしてのサーミスタTM1を同ランプユニット16内に設けるものとすればよいので、消耗部品であるランプユニット16のバージョンアップにも容易に対処できる。
【0052】
また、上記実施形態では、装着検出回路16a内でランプユニット16が未装着のものであるか否かを判断するための素子として電気ヒューズF1を用いるものとした。
これにより、ランプユニット16を構成する一部品をきわめて安価な素子で実現でき、消耗部品であるランプユニット16自体の価格を低く抑えることができる。
【0053】
(第2の実施の形態)
以下本発明をDLP(登録商標)方式のデータプロジェクタ装置に適用した場合の第2の実施形態について図面を参照して説明する。
【0054】
なお、本実施形態に係るデータプロジェクタ装置の概略機能構成については、上記図1で示した内容と基本的に同様であるため、同一部分には同一符号を用いるものとしてその図示と説明とを省略する。
【0055】
次に、図4により上記ランプユニット16とその周辺の具体的な電気回路の構成についても説明する。図4では、ランプユニット16内の装着検出回路16aを構成する2つの素子のうち、上記図2の電気ヒューズF1に相当する素子として、温度ヒューズTF1を用いるものとしている。
【0056】
また、上記図2のトランジスタQ1及び抵抗R1によるスイッチング回路を不要として、投影光処理部26から装着検出回路16a用の一方の端子に直接接続するのみとしている。
【0057】
その他は上記図2で説明したものと同様であるので、それら同一部分については同一符号を用いるものとしてその説明を省略する。
【0058】
上記のような回路構成とした場合、装着検出回路16aがデータプロジェクタ装置10に未装着のものであれば、新たにそのランプユニット16を装着した場合に温度ヒューズTF1が溶断していないことから投影光処理部26及びCPU27側ではランプユニット16が新しいものであることが認識できるので、プログラムメモリ29に記憶されている積算使用時間をリセットすることになる。
【0059】
その後、投影動作を実行する過程で光源ランプ18への通電が開始されると、その発熱により装着検出回路16a内の温度ヒューズTF1が溶断するため、上記図2に示したトランジスタQ1及び抵抗R1によるスイッチング回路を設ける必要がなく、第1の実施形態に比してさらに装置の構成を簡易化することが可能となる。
【0060】
温度ヒューズTF1が溶断したランプユニット16に対するデータプロジェクタ装置10の処理、及びランプユニット16が装着されていない状態でのデータプロジェクタ装置10側の処理は上記第1の実施形態と同様である。
【0061】
なお、上記第1及び第2の実施の形態では、装着検出回路16aでランプユニット16が装着されているか否かの判定用、及び光源ランプ18の温度の検出するセンサを兼ねてサーミスタTM1を用いるものとしたが、同様の機能を実現する素子であれば、例えば熱電対や測温抵抗体等を用いるものとしてもよい。
【0062】
また、上記第1及び第2の実施形態はいずれも、DLP(登録商標)方式のデータプロジェクタ装置に適用した場合について説明したものであるが、本発明は光像を形成する素子等を限定するものではなく、要は交換可能なランプユニットを用いるものであれば、他の投影装置にも同様に適用可能となる。
【0063】
その他、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、上述した実施形態で実行される機能は可能な限り適宜組合わせて実施しても良い。上述した実施形態には種々の段階が含まれており、開示される複数の構成要件による適宜の組合せにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、効果が得られるのであれば、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るデータプロジェクタ装置の電子回路の機能構成を示すブロック図。
【図2】同実施形態に係るランプユニットとその周辺の具体的な電気回路構成を示す図。
【図3】同実施形態に係る電源投入当初に初期化の一環として実行するランプユニットのチェック処理の内容を示すフローチャート。
【図4】本発明の第2の実施の形態に係るランプユニットとその周辺の具体的な電気回路構成を示す図。
【符号の説明】
【0065】
10…データプロジェクタ装置、11…入出力コネクタ部、12…入出力インタフェース(I/F)、13…画像変換部、14…投影画像処理部、15…マイクロミラー素子、16…ランプユニット、16a…装着検出回路、17…リフレクタ、18…光源ランプ、19…バラスト、20…カラーホイール、21…インテグレータ、22…ミラー、23…投影レンズユニット、24…ステッピングモータ(M)、25…モータ(M)、26…投影光処理部、27…CPU、28…メインメモリ、29…プログラムメモリ、30…操作部、31…音声処理部、32…スピーカ部、F1…電気ヒューズ、Q1…(スイッチング用)トランジスタ、R1,R2…抵抗、SB…システムバス、TF1…温度ヒューズ、TM1…サーミスタ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置に対して着脱自在に設けられ、光源となるランプと、同ランプの未使用状態を示すヒューズ及び電気抵抗素子を並列接続した装着検出回路とを有する光源ランプユニットと、
上記ランプから出射される光を用いて画像を投影する投影手段と、
上記装着検出回路への通電により上記光源ランプユニットの装着の有無及び装着されている場合に上記ランプが未使用状態か否かを判定する判定手段と
を具備したことを特徴とする投影装置。
【請求項2】
上記光源ランプユニットの装着検出回路は、電気抵抗素子として温度検出可能な素子を上記ランプに近接配置し、
上記温度検出可能な素子により上記投影手段による投影動作時のランプの温度管理を行なうランプ管理手段をさらに具備する
ことを特徴とする請求項1記載の投影装置。
【請求項3】
上記光源ランプユニットの装着検出回路は、ヒューズとして電気ヒューズを用い、
上記光源ランプユニットの積算使用時間を計時する計時手段と、
上記判定手段により上記光源ランプユニットの装着、且つ上記ランプの未使用状態の判定時に上記計時手段で計時する上記光源ランプユニットの積算使用時間をリセットさせる第1の制御手段と、
上記判定手段により上記光源ランプユニットの装着、且つ上記ランプの未使用状態の判定時に上記電気ヒューズに通電して該電気ヒューズを溶断させる第2の制御手段と
をさらに具備したことを特徴とする請求項1記載の投影装置。
【請求項4】
上記光源ランプユニットの装着検出回路は、ヒューズとして上記ランプの点灯により溶断する温度ヒューズを用い、
上記光源ランプユニットの積算使用時間を計時する計時手段と、
上記判定手段により上記光源ランプユニットの装着、且つ上記ランプの未使用状態の判定時に上記計時手段で計時する上記光源ランプユニットの積算使用時間をリセットさせる制御手段と
をさらに具備したことを特徴とする請求項1記載の投影装置。
【請求項5】
装置に対して着脱自在に設けられ、光源となるランプと、同ランプの未使用状態を示すヒューズ及び電気抵抗素子を並列接続した装着検出回路とを有する光源ランプユニットと、上記ランプから出射される光を用いて画像を投影する投影部とを備えた投影装置での光源制御方法であって、
上記装着検出回路への通電により上記光源ランプユニットの装着の有無及び装着されている場合に上記ランプが未使用状態か否かを判定する判定工程を有したことを特徴とする光源制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−251246(P2009−251246A)
【公開日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−98578(P2008−98578)
【出願日】平成20年4月4日(2008.4.4)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】