説明

抗体処方物

本発明は、抗CD20ヒトモノクローナル抗体処方物、その調製のための方法および使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、抗CD20モノクローナル抗体処方物、前記処方物の調製のための方法および処方物の使用に関する。
【0002】
発明の背景
CD20分子(ヒトBリンパ球限定分化抗原またはBp35とも呼ばれる)は、プレBおよび成熟Bリンパ球上に位置する約35kDの分子量を有する疎水性膜貫通タンパク質である(Valentine et al. (1989) J. Biol. Chem. 264(19):11282-11287;およびEinfield et al. (1988) EMBO J. 7(3):711-717)。CD20は末梢血またはリンパ器官由来のB細胞の90%超の表面上に見出され、そして初期プレB細胞発生の間に発現され、そして形質細胞分化まで残存する。CD20は正常B細胞および悪性B細胞の両方の上に存在する。特に、CD20は非ホジキンリンパ腫(NHL)のB細胞の90%超の上で発現されているが(Anderson et al. (1984) Blood 63(6): 1424-1433))、造血幹細胞、プロB細胞、正常形質細胞、または他の正常組織上には見出されない(Tedder et al. (1985) J, Immunol. 135(2):973- 979)。
【0003】
CD20タンパク質の85アミノ酸カルボキシ末端領域は細胞質内に位置する。この領域の長さは、それぞれ3、3、28、15、および16アミノ酸の相対的に短い細胞質内領域を有するIgM、IgD、およびIgG重鎖または組織適合性抗原クラスIIaまたはβ鎖のような他のB細胞特異的表面構造のものとは対照的である(Komaromy et al. (1983) NAR 11:6775-6785)。最後の61個のカルボキシ末端アミノ酸のうち、21個は酸性残基であり、一方、2個のみが塩基性であり、このことは、この領域が強い実効負電荷を有することを示す。GenBankアクセッション番号はNP−690605である。CD20は、B細胞の活性化および分化プロセスにおける初期段階の調節に関与し得(Tedder et al. (1986) Eur. J. Immunol. 25 16:881-887)、そしてカルシウムイオンチャネルとして機能し得ると考えられている(Tedder et al. (1990) J. Cell. Biochem. 14D: 195)。
【0004】
そのCD20結合様式および生物学的活性が有意に異なる2つの異なる型の抗CD20抗体が存在する(Cragg, M.S., et al, Blood, 103 (2004) 2738-2743;およびCragg, M.S., et al, Blood, 101 (2003) 1045-1051)。I型抗体(リツキシマブなど)は補体媒介性細胞傷害において強力であり、一方、II型抗体(トシツモマブ(ベキサール(登録商標)、B1)、11B8およびAT80など)は同時のホスファチジルセリン曝露とともにカスパーゼ非依存性アポトーシスを介する標的細胞死を効果的に開始する。
【0005】
I型およびII型抗CD20抗体の共有する共通の特徴を表1にまとめる。
【0006】
I型抗CD20抗体 II型抗CD20抗体
I型CD20エピトープ II型CD20エピトープ
CD20を脂質ラフトに局在化させる CD20を脂質ラフトに局在化させない
増加したCDC(IgG1イソタイプの場合) 減少したCDC(IgG1イソタイプの場合)
ADCC活性(IgG1イソタイプの場合) ADCC活性(IgG1イソタイプの場合)
完全な結合能 低下した結合能
ホモタイプ凝集 より強いホモタイプ凝集
架橋に際してのアポトーシス誘発 架橋なしでの強い細胞死誘発
表1:I型およびII型抗CD20抗体の特性
【0007】
発明の概要
1つの局面において、本発明は、以下を含む医薬処方物に関する:
1〜150mg/mLの抗CD20抗体;
1〜100mMのバッファー;
場合により、0.001〜1%の界面活性剤;および
場合により、1〜800mMの等張剤;
pH4.5〜7.0の範囲。
【0008】
好ましくは、前記抗CD20抗体はII型抗体である。より好ましくは、前記抗CD20抗体はヒト化B−Ly1抗体である。
【0009】
発明の詳細な説明
用語「抗体」は、本発明による特徴的特性が保持されている限り、限定するものではないが、抗体全体、ヒト抗体、ヒト化抗体および遺伝子操作抗体、例えばモノクローナル抗体、キメラ抗体または組換え抗体ならびにそのような抗体のフラグメントを含む抗体の種々の形態を包含する。
【0010】
「抗体フラグメント」は、全長抗体の部分、一般に少なくともその抗原結合部分または可変領域を含む。抗体フラグメントの例は、ディアボディ(diabody)、単鎖抗体分子、イムノトキシン、および抗体フラグメントから形成される多特異性抗体を含む。さらに、抗体フラグメントは、CD20抗原に結合する、VH鎖の、すなわち、VL鎖と一緒に機能的抗原結合ポケットにアセンブルすることができる、またはVL鎖の、すなわち、VH鎖と一緒に機能的抗原結合ポケットにアセンブルすることができる、特徴を有する単鎖ポリペプチドを含む。
【0011】
「抗体フラグメント」はまた、それ自体はエフェクター機能(ADCC/CDC)を提供することはできないが、適切な抗体定常ドメインと組み合わされた後に本発明による方法でこの機能を提供するフラグメントを含む。
【0012】
本明細書において使用する用語「モノクローナル抗体」または「モノクローナル抗体組成物」は、単一のアミノ酸組成の抗体分子の調製物を指す。従って、用語「ヒトモノクローナル抗体」は、ヒト生殖系列免疫グロブリン配列に由来する可変および定常領域を有する単一の結合特異性を示す抗体を指す。1つの実施態様において、ヒトモノクローナル抗体は、不死化細胞に融合された、ヒト重鎖トランスジーンおよびヒト軽鎖トランスジーンを含むゲノムを有するトランスジェニック非ヒト動物(例えば、トランスジェニックマウス)から得られたB細胞を含むハイブリドーマによって産生される。
【0013】
用語「キメラ抗体」は、組換えDNA技術によって通常調製される、1つの供給源または種由来の可変領域(すなわち、結合領域)および異なる供給源または種由来の定常領域の少なくとも一部を含むモノクローナル抗体を指す。マウス可変領域およびヒト定常領域を含むキメラ抗体が特に好ましい。そのようなマウス/ヒトキメラ抗体は、マウス免疫グロブリン可変領域をコードするDNAセグメントおよびヒト免疫グロブリン定常領域をコードするDNAフラグメントを含む発現された免疫グロブリン遺伝子の産物である。本発明によって包含される「キメラ抗体」の他の形態は、クラスまたはサブクラスがもとの抗体のものから改変または変化されているものである。そのような「キメラ」抗体は「クラススイッチ抗体」ともいわれる。キメラ抗体を産生するための方法は、当技術分野において現在周知の従来の組換えDNAおよび遺伝子トランスフェクション技術を含む(例えば、Morrison, S.L., et al., Proc. Natl. Acad Sci. USA 81 (1984) 6851-6855;US5,202,238およびUS5,204,244参照)。
【0014】
用語「ヒト化抗体」は、フレームワークまたは「相補性決定領域」(CDR)が、親免疫グロブリンのものと比較して異なる特異性の免疫グロブリンのCDRを含むように改変されている抗体を指す。好ましい実施態様において、「ヒト化」抗体を調製するために、マウスCDRがヒト抗体のフレームワーク領域中に移植される。例えば、Riechmann, L., et al., Nature 332 (1988) 323-327;およびNeuberger, M.S., et al., Nature 314 (1985) 268-270参照。特に好ましいCDRは、キメラおよび二機能性抗体について上記した抗原を認識する配列を表すものに対応する。
【0015】
本明細書において使用する用語「ヒト抗体」は、ヒト生殖系列免疫グロブリン配列由来の可変および定常領域を有する抗体を含むことが意図される。ヒト抗体は当技術分野の水準で周知である(van Dijk, M.A., and van de Winkel, J.G., Curr. Opin. Pharmacol. 5 (2001) 368-374)。そのような技術に基づいて、非常に多様な標的に対するヒト抗体を産生することができる。ヒト抗体の例は、例えば、Kellermann, S. A., et al., Curr Opin Biotechnol. 13 (2002) 593-597に記載されている。
【0016】
本明細書において使用する用語「組換えヒト抗体」は、組換え手段によって調製、発現、作製または単離される全てのヒト抗体、例えば、NS0またはCHO細胞のような宿主細胞またはヒト免疫グロブリン遺伝子についてトランスジェニックである動物(例えば、マウス)から単離される抗体、または宿主細胞中にトランスフェクトされた組換え発現ベクターを使用して発現させられる抗体を含むことが意図される。そのような組換えヒト抗体は、再配列された形態のヒト生殖系列免疫グロブリン配列由来の可変および定常領域を有する。本発明による組換えヒト抗体は、インビボ体細胞超変異に供されている。従って、組換え抗体のVHおよびVL領域のアミノ酸配列は、ヒト生殖系列VHおよびVL配列に由来しそして関連するが、インビボにおけるヒト抗体生殖系列レパートリー内に天然には存在しないかもしれない配列である。
【0017】
本明細書において使用する「特異的結合」または「特異的に結合する」は、CD20抗原に特異的に結合する抗体を指す。好ましくは、結合親和性は10−9mol/l以下(例えば、10−10mol/l)のKD値、好ましくは10−10mol/l以下(例えば、10−12mol/l)のKD値のものである。結合親和性は、表面プラズモン共鳴技術(Biacore(登録商標))のような標準的な結合アッセイを用いて決定される。
【0018】
本明細書において使用する用語「核酸分子」は、DNA分子およびRNA分子を含むことが意図される。核酸分子は一本鎖または二本鎖であり得るが、好ましくは二本鎖DNAである。
【0019】
「定常ドメイン」は、抗体の抗原への結合に直接的には関与しないが、エフェクター機能(ADCC、補体結合、およびCDC)に関与する。
【0020】
本明細書において使用する「可変領域」(軽鎖の可変領域(VL)、重鎖の可変領域(VH))は、抗体の抗原への結合に直接的に関与する軽鎖および重鎖の対の各々を示す。可変ヒト軽および重鎖のドメインは同じ一般的構造を有し、そして各々のドメインは、3つの「超可変領域」(または相補性決定領域、CDR)によって連結された、その配列が広範に保存されている4つのフレームワーク(FR)領域を含む。フレームワーク領域はbシート立体構造をとり、そしてCDRはbシート構造を連結するループを形成し得る。各々の鎖におけるCDRは、フレームワーク領域によってその三次元構造に保持され、そして他の鎖由来のCDRと一緒に抗原結合部位を形成する。抗体の重および軽鎖CDR3領域は、本発明による抗体の結合特異性/親和性における特に重要な役割を果たし、それゆえ、本発明のさらなる目的を提供する。
【0021】
本明細書において使用する場合、用語「超可変領域」または「抗体の抗原結合部分」は、抗原結合を担う抗体のアミノ酸残基を指す。超可変領域は、「相補性決定領域」または「CDR」由来のアミノ酸残基を含む。「フレームワーク」または「FR」領域は、本明細書において定義するような超可変領域残基以外の可変ドメイン領域である。それゆえ、抗体の軽鎖および重鎖は、N末端からC末端に、ドメインFR1、CDR1、FR2、CDR2、FR3、CDR3およびFR4を含む。特に、重鎖のCDR3は、抗原結合に最も寄与する領域である。CDRおよびFR領域は、Kabat, et al., Sequences of Proteins of Immunological Interest, 5th Ed. Public Health Service, National Institutes of Health, Bethesda, MD. (1991)の標準的定義および/または「超家変ループ」由来の残基に従って決定される。
【0022】
用語「CD20」および「CD20抗原」は本明細書において互換的に使用され、そして、細胞によって天然に発現されるか、またはCD20遺伝子でトランスフェクトされた細胞上で発現されるヒトCD20の任意の変異体、アイソフォームおよび種ホモログを含む。本発明の抗体のCD20抗原への結合は、CD20を不活化することによって、CD20を発現する細胞(例えば、腫瘍細胞)の死滅を媒介する。CD20を発現する細胞の死滅は、以下の機構の1つ以上によって生じ得る。
【0023】
当技術分野において認識されているようなCD20の同義語は、Bリンパ球抗原CD20、Bリンパ球表面抗原B1、Leu−16、Bp35、BM5、およびLF5を含む。
【0024】
本発明による用語「抗CD20抗体」は、CD20抗原に特異的に結合する抗体である。抗CD20抗体のCD20抗原に対する結合特性および生物学的活性に依存して、2つの型の抗CD20抗体(I型およびII型抗CD20抗体)を、Cragg, M.S., et al , Blood 103 (2004) 2738-2743;およびCragg, M.S., et al Blood 101 (2003) 1045-1051に従って区別することができる(表2参照)。
【0025】
I型抗CD20抗体 II型抗CD20抗体
I型CD20エピトープ II型CD20エピトープ
CD20を脂質ラフトに局在化させる CD20を脂質ラフトに局在化させない
増加したCDC(IgG1イソタイプの場合) 減少したCDC(IgG1イソタイプの場合)
ADCC活性(IgG1イソタイプの場合) ADCC活性(IgG1イソタイプの場合)
完全な結合能 低下した結合能
ホモタイプ凝集 より強いホモタイプ凝集
架橋に際してのアポトーシス誘発 架橋なしでの強い細胞死誘発
表2:I型およびII型抗CD20抗体の特性
【0026】
I型およびII型抗CD20抗体の1つの重要な特性はその結合様式である。従って、I型およびII型抗CD20抗体を、リツキシマブと比較した前記抗CD20抗体のRaji細胞(ATCC−No.CCL−86)上のCD20への結合能の比率によって分類することができる。
【0027】
本明細書において使用する「抗CD20抗体」は、I型またはII型のいずれかの抗体であることができる。好ましくは、それはII型抗体である。
【0028】
I型抗CD20抗体は、リツキシマブと比較した前記抗CD20抗体のRaji細胞(ATCC−No.CCL−86)上のCD20への結合能の比率0.8〜1.2、好ましくは0.9〜1.1を有する。そのようなI型抗CD20抗体の例は、例えば、リツキシマブ(WO94/11026)、1F5 IgG2a(ECACC、ハイブリドーマ;Press et al., Blood 69/2:584-591 (1987))、HI47 IgG3(ECACC、ハイブリドーマ)、2C6 IgG1(WO2005/103081に開示されるような)、2F2 IgG1(WO2004/035607およびWO2005/103081に開示されるような)および2H7 IgG1(WO2004/056312に開示されるような)を含む。好ましくは、前記I型抗CD20抗体は、リツキシマブと同じエピトープに結合するモノクローナル抗体である。II型抗CD20抗体は、リツキシマブと比較した前記抗CD20抗体のRaji細胞(ATCC−No.CCL−86)上のCD20への結合能の比率0.3〜0.6、好ましくは0.35〜0.55、より好ましくは0.4〜0.5を有する。そのようなII型抗CD20抗体の例は、例えば、トシツモマブ(B1 IgG2a)、ヒト化B−Ly1抗体IgG1(WO2005/044859に開示されるようなキメラヒト化IgG1抗体)、11B8 IgG1(WO2004/035607に開示されるような)、およびAT80 IgG1を含む。好ましくは、前記II型抗CD20抗体は、ヒト化B−Ly1抗体(WO2005/044859に開示されるような)と同じエピトープに結合するモノクローナル抗体である。
【0029】
「リツキシマブと比較した抗CD20抗体のRaji細胞(ATCC−No.CCL−86)上のCD20への結合能の比率」は、実施例2に記載のような、Raji細胞(ATCC−No.CCL−86)を用いるFACSArray(Becton Dickinson)におけるCy5とコンジュゲートした前記抗CD20抗体およびCy5とコンジュゲートしたリツキシマブを使用する直接免疫蛍光測定(平均蛍光強度(MFI)を測定する)によって決定され、そして以下のように算出される:
【0030】
Raji細胞(ATCC−No.CC−86)上のCD20への結合能の比率 =
【数1】

【0031】
MFIは、平均蛍光強度である。本明細書において使用する「Cy5標識比率」は、抗体分子当たりのCy5標識分子数を意味する。
【0032】
典型的には、前記I型抗CD20抗体は、リツキシマブと比較した前記第1の抗CD20抗体のRaji細胞(ATCC−No.CCL−86)上のCD20への結合能の比率0.8〜1.2、好ましくは0.9〜1.1を有する。
【0033】
典型的には、前記II型抗CD20抗体は、リツキシマブと比較した前記第2の抗CD20抗体のRaji細胞(ATCC−No.CCL−86)上のCD20への結合能の比率0.3〜0.6、好ましくは0.35〜0.55、より好ましくは0.4〜0.5を有する。
【0034】
好ましい実施態様において、前記II型抗CD20抗体、好ましくはヒト化B−Ly1抗体は、増加した抗体依存性細胞傷害(ADCC)を有する。
【0035】
「増加した抗体依存性細胞傷害(ADCC)を有する抗体」によって、その用語が本明細書において定義されるように、当業者に公知の任意の適切な方法によって決定した場合に増加したADCCを有する抗体が意味される。1つの受け入れられているインビトロADCCアッセイは以下のとおりである:
1)アッセイは、抗体の抗原結合領域によって認識される標的抗原を発現することが知られている標的細胞を使用する;
2)アッセイは、エフェクター細胞として、ランダムに選択された健常ドナーの血液から単離された、ヒト末梢血単核細胞(PBMC)を使用する;
3)アッセイを以下のプロトコルに従って行う:
i)PBMCを、標準的密度遠心分離手順を使用して単離し、そしてRPMI細胞培養培地中に5×10細胞/mlで懸濁する;
ii)標的細胞を、標準的組織培養方法によって増殖させ、90%より高い生存率で指数増殖期から回収し、RPMI細胞培養培地中で洗浄し、100μCiの’’CI−で標識し、細胞培養培地で2回洗浄し、そして細胞培養培地中に10’細胞/mlの密度で再懸濁する;
iii)100μlの上記最終標的細胞懸濁物を96ウェルマイクロタイタープレートの各々のウェルに移す;
iv)抗体を4000ng/mlから0.04ng/mlまで細胞培養培地中で段階希釈し、そして得られた抗体溶液の50μlを96ウェルマイクロタイタープレート中の標的細胞に加え、上記の濃度範囲全体をカバーする種々の抗体濃度を三連で試験する;
v)最大放出(MR)コントロールのために、標識標的細胞を含むプレート中の3つのさらなるウェルに、非イオン性界面活性剤(Nonidet、Sigma, St. Louis)の2%(VN)水溶液50μlを、抗体溶液(上記iv項)の代わりに与える;
vi)自発性放出(SR)コントロールのために、標識標的細胞を含むプレート中の3つのさらなるウェルに、RPMI細胞培養培地50μlを、抗体溶液(上記iv項)の代わりに与える;
vii)次いで、96ウェルマイクロタイタープレートを50×gで1分間遠心分離し、そして1時間4℃でインキュベートする;
viii)PBMC懸濁物(上記i項)50μlを、25:1のエフェクター:標的細胞比率を生じるように各々の細胞に加え、そしてプレートを5%CO雰囲気下37℃で4時間インキュベーター中に入れる;
ix)各々のウェルからの無細胞上清を回収し、そして実験的に放出された放射能(ER)をガンマカウンターを使用して定量する;
x)特異的溶解の百分率を、各々の抗体濃度について、式(ER−MR)/(MR−SR)×100[ここで、ERはその抗体濃度について定量される平均放射能(上記ix項参照)であり、MRはMRコントロール(上記v項参照)について定量される平均放射能(上記ix項参照)であり、そしてSRはSRコントロール(上記vi項参照)について定量される平均放射能(上記ix項参照)である]に従って算出する;
4)「増加したADCC」を、上記で試験する抗体濃度範囲内で観察される特異的溶解の最大百分率の増加、および/または上記で試験する抗体濃度範囲内で観察される特異的溶解の最大百分率の半分を達成するために必要とされる抗体の濃度の低下のいずれかとして定義する。ADCCの増加は、当業者に公知である、同じ標準的な産生、精製、処方および貯蔵方法を使用して、同じ型の宿主細胞によって産生されるが、GnTIIIを過剰発現するように操作された宿主細胞によっては産生されていない、同じ抗体によって媒介される、上記アッセイを用いて測定される、ADCCと相対的である。
【0036】
前記「増加したADCC」を、前記抗体の糖鎖操作(glycoengineering)によって得ることができ、この手段は、Umana, P. et al., Nature Biotechnol. 17:176-180 (1999)およびU.S.Pat.No.6,602,684に記載のようにそのオリゴ糖成分を操作することによってモノクローナル抗体の前記天然細胞媒介性エフェクター機能を増強する。
【0037】
用語「補体依存性細胞傷害(CDC)」は、補体の存在下での本発明による抗体によるヒト腫瘍標的細胞の溶解を指す。CDCは、好ましくは、CD20発現細胞の調製物の、本発明による抗CD20抗体での、補体の存在下での処理によって測定される。抗体が、100nMの濃度で、20%以上の腫瘍細胞の溶解(細胞死)を、4時間後に誘導する場合に、CDCは見出される。アッセイは、好ましくは、51CrまたはEu標識腫瘍細胞および放出された51CrまたはEuの測定を用いて行われる。コントロールは、腫瘍標的細胞の、補体との、しかし抗体なしでの、インキュベーションを含む。
【0038】
典型的には、IgG1イソタイプのI型およびII型抗CD20抗体は特徴的なCDC特性を示す。互いに比較して、I型抗CD20抗体は増加したCDCを有し(IgG1イソタイプの場合)、そしてII型抗CD20抗体は減少したCDCを有する(IgG1イソタイプの場合)。好ましくは、I型およびII型の両方の抗CD20抗体はIgG1イソタイプ抗体である。
【0039】
「リツキシマブ」抗体は、ヒトCD20抗原に対する遺伝子操作キメラヒトγ1マウス定常ドメイン含有モノクローナル抗体である。このキメラ抗体は、ヒトγ1定常ドメインを含み、そしてWO94/11026(Anderson et al.)において名称「C2B8」によって同定される。リツキシマブは、再発性または不応性の低悪性度または濾胞性CD20陽性B細胞非ホジキンリンパ腫の患者の処置のために承認されている。インビトロ作用機構研究は、リツキシマブがヒト補体依存性細胞傷害(CDC)を示すことを示した(Reff et. al, Blood 83(2): 435-445 (1994))。さらに、それは抗体依存性細胞傷害(ADCC)を測定するアッセイにおいて有意な活性を示す。
【0040】
用語「ヒト化B−Ly1抗体」は、IgG1由来のヒト定常ドメインとのキメラ化およびその後のヒト化によって、マウスモノクローナル抗CD20抗体B−Ly1(マウス重鎖の可変領域(VH):配列番号1;マウス軽鎖の可変領域(VL):配列番号2 − Poppema, S. and Visser, L., Biotest Bulletin 3: 131-139 (1987)参照)から得られた、WO2005/044859に開示されるようなヒト化B−Ly1抗体を指す(WO2005/044859参照)。これらの「ヒト化B−Ly1抗体」は、WO2005/044859に詳細に開示されている。
【0041】
好ましくは、「ヒト化B−Ly1抗体」は、配列番号3〜配列番号20(WO2005/044859のB−HH2〜B−HH9およびB−HL8〜B−HL17)の群から選択される重鎖の可変領域(VH)を有する。特に好ましいのは、配列番号3、4、7、9、11、13および15(WO2005/044859のB−HH2、BHH−3、B−HH6、B−HH8、B−HL8、B−HL11およびB−HL13)である。最も好ましくは、前記VHはBHH6である。好ましくは、「ヒト化B−Ly1抗体」は、WO2005/044859の配列番号20(B−KV1)の軽鎖の可変領域(VL)を有する。さらに、ヒト化B−Ly1抗体は、好ましくは、IgG1抗体である。好ましくは、そのようなヒト化B−Ly1抗体は、WO2005/044859、WO2004/065540、Umana, P. et al., Nature Biotechnol. 17:176-180 (1999)およびWO99/154342に記載の手順に従って、Fc領域において糖鎖操作(GE)されている。大部分の糖鎖操作ヒト化B−Ly1抗体は、Fc領域におけるグリコシル化の変化したパターンを有し、好ましくはフコース残基の低下したレベルを有する。好ましくは、Fc領域のオリゴ糖の少なくとも40%以上(1つの実施態様において40%〜60%、別の実施態様において少なくとも50%、さらに別の実施態様において少なくとも70%以上)が非フコシル化されている。さらに、Fc領域のオリゴ糖は好ましくはバイセクト型(bisected)である。最も好ましくは、「ヒト化B−Ly1抗体」は、WO2005/044859のVH B−HH6およびVL B−KV1を含む。本明細書において使用する場合、前記抗体は、「HuMab<CD20>」ともいわれる。別の最も好ましい実施態様において、前記抗体は、上記で定義するようなフコース残基の低下したレベルを有し、そして/または、Fc領域のオリゴ糖は最も好ましくはバイセクト型である。さらに別の最も好ましい実施態様において、前記抗体は本明細書において定義するような増加したADCCを示す。
【0042】
オリゴ糖成分は、物理的安定性、プロテアーゼ攻撃に対する耐性、免疫系との相互作用、薬物動態、および特異的生物学的活性を含む、治療糖タンパク質の効力に関連する特性に有意に影響を及ぼし得る。そのような特性は、オリゴ糖の存在または非存在だけでなく、その特定の構造にも依存し得る。オリゴ糖構造と糖タンパク質機能との間のいくらかの一般化がなされ得る。例えば、特定のオリゴ糖構造は、特定の炭水化物結合タンパク質との相互作用を通じて血流からの糖タンパク質の迅速なクリアランスを媒介し、一方、他のものは、抗体によって結合され、そして所望されない免疫反応を誘発し得る(Jenkins et al., Nature Biotechnol. 14:975-81 (1996))。
【0043】
ヒト適用のために最も適合性の形態でタンパク質をグリコシル化するその能力に起因して、哺乳動物細胞は、治療糖タンパク質の産生のために好ましい宿主である(Cumming et al., Glycobiology 1:115-30 (1991);Jenkins et al., Nature Biotechnol. 14:975-81 (1996))。細菌は、非常に稀にタンパク質をグリコシル化し、そして他の型の一般的な宿主、例えば酵母、糸状菌、昆虫および植物細胞のように、血流からの迅速なクリアランス、所望されない免疫相互作用、および、いくつかの特定の場合、低下した生物学的活性に関連するグリコシル化パターンを生じる。哺乳動物細胞の中で、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞は、この20年の間で最も一般的に使用されている。適切なグリコシル化パターンの付与に加えて、この細胞は、遺伝的に安定な高度に生産的なクローン細胞株の一貫した生成を可能にする。それは、無血清培地を使用して単純なバイオリアクター中で高密度に培養されることができ、そして安全なそして生産的なバイオプロセスの開発を可能にする。他の一般的に使用される動物細胞は、ベビーハムスター腎臓(BHK)細胞、NSOおよびSP2/0マウス骨髄腫細胞を含む。より最近では、トランスジェニック動物からの産生も試験されている(Jenkins et al., Nature Biotechnol. 14: 975-981 (1996))。
【0044】
全ての抗体は、重鎖定常領域中の保存された位置に炭水化物構造を含んでおり、各々のイソタイプはN結合型炭水化物構造の異なる配列を有し、これはタンパク質の集合、分泌または機能的活性に可変性に影響を及ぼす(Wright, A., and Monison, S. L., Trends Biotech. 15: 26-32 (1997))。結合したN結合型炭水化物の構造は、プロセシングの程度に依存してかなり変動し、そして高マンノース、多分岐(multiply-branched)および二分岐(biantennary)複合オリゴ糖を含み得る(Wright, A., and Morrison, S. L., Trends Biotech. 15: 26-32 (1997))。典型的には、特定のグリコシル化部位に結合したコアオリゴ糖構造の不均一なプロセシングが存在し、その結果、モノクローナル抗体でさえ複数のグリコフォームとして存在する。同様に、抗体グリコシル化の大きな差異が細胞株の間で生じ、そして小さな差異さえも異なる培養条件下で増殖させた所与の細胞株について見られることが示されている(Lifely, M. R. et al., Glycobiology 5(8):813-22 (1995))。
【0045】
単純な産生プロセスを維持し、そして有意な所望されない副作用を潜在的に回避しながら、効力の大きな増加を得るための1つの方法は、Umana, P. et al., Nature Biotechnol. 17:176-180 (1999)およびU.S.Pat.No.6,602,684に記載のようにそのオリゴ糖成分を操作することによってモノクローナル抗体の天然の細胞媒介性エフェクター機能を増強することである。癌免疫療法において最も一般的に使用されている抗体であるIgG1型抗体は、各々のCH2ドメイン中のAsn297に保存されたN結合型グリコシル化部位を有する糖タンパク質である。Asn297に結合した2つの複合二分岐オリゴ糖は、CH2ドメイン間に埋められて、ポリペプチド骨格との広範な接触を形成し、そしてその存在は抗体が抗体依存性細胞傷害(ADCC)のようなエフェクター機能を媒介するために重要である(Lifely, M. R., et al., Glycobiology 5: 813-822 (1995);Jefferis, R., et al., Immunol. Rev. 163: 59-76 (1998);Wright, A. and Morrison, S. L., Trends Biotechnol. 15: 26-32 (1997))。
【0046】
チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞における、β(1,4)−N−アセチルグルコサミニルトランスフェラーゼIII(”GnTIII7y)(バイセクト型オリゴ糖の形成を触媒するグリコシルトランスフェラーゼ)の過剰発現が、操作されたCHO細胞によって産生される抗神経芽細胞腫キメラモノクローナル抗体(chCE7)のインビトロADCC活性を有意に増加させることが以前に示された(Umana, P. et al., Nature Biotechnol. 17: 176-180 (1999);およびWO99/154342(その内容全体を本明細書に参照により組み入れる)参照)。抗体chCE7は、高い腫瘍親和性および特異性を有するが、GnTIII酵素を欠く標準的な工業的細胞株において産生させた場合に臨床的に有用であるためには少なすぎる効力を有する非コンジュゲートモノクローナル抗体の大きなクラスに属する(Umana, P., et al., Nature Biotechnol. 17: 176-180 (1999))。抗体産生細胞をGnTIIIを発現するように操作することによってADCC活性の大きな増加を得ることができ、これはまた定常領域(Fc)結合バイセクト型オリゴ糖(バイセクト型非フコシル化オリゴ糖を含む)の割合の、天然の抗体において見出されるレベルより上への増加を導くことが、この研究によって最初に示された。
【0047】
用語「CD20抗原の発現」は、それぞれ腫瘍または癌、好ましくは非固形腫瘍由来の、細胞における、好ましくはTまたはB細胞、より好ましくはB細胞の細胞表面上での、CD20抗原の有意なレベルの発現を示すことが意図される。「CD20発現癌」を有する患者を、当技術分野において公知の標準的なアッセイによって決定することができる。「CD20抗原の発現」はまた、好ましくは、自己免疫疾患における、細胞における、好ましくはTまたはB細胞、より好ましくはB細胞の細胞表面上での、CD20抗原の有意なレベルの発現を示すことが意図される。例えば、CD20抗原発現は、免疫組織化学的(IHC)検出、FACSを使用して、または対応するmRNAのPCRに基づく検出を介して測定される。
【0048】
本明細書において使用する用語「CD20発現癌」は、好ましくは、リンパ腫(好ましくはB細胞非ホジキンリンパ腫(NHL))およびリンパ球性白血病を指す。そのようなリンパ腫およびリンパ球性白血病は、例えば、a)濾胞性リンパ腫、b)小型非切れ込み核細胞性リンパ腫/バーキットリンパ腫(風土性バーキットリンパ腫、散発性バーキットリンパ腫および非バーキットリンパ腫を含む)、c)周辺帯リンパ腫(節外周辺帯B細胞リンパ腫(粘膜関連リンパ組織リンパ腫、MALT)、結節周辺帯B細胞リンパ腫および脾臓周辺帯リンパ腫を含む)、d)マントル細胞リンパ腫(MCL)、e)大細胞型リンパ腫(B細胞びまん性大細胞型リンパ腫(DLCL)、びまん性混合細胞型リンパ腫、免疫芽球性リンパ腫、縦隔原発性B細胞リンパ腫、血管中心性リンパ腫−肺B細胞リンパ腫を含む)、f)ヘアリー細胞白血病、g)リンパ球性白血病、ワルデンシュトレームマクログロブリン血症、h)急性リンパ球性白血病(ALL)、慢性リンパ球性白血病(CLL)/小リンパ球性白血病(SLL)、B細胞前リンパ球性白血病、i)形質細胞腫瘍、形質細胞性骨髄腫、多発性骨髄腫、形質細胞腫、j)ホジキン病を含む。
【0049】
好ましくは、CD20発現癌は、B細胞非ホジキンリンパ腫(NHL)である。特に、CD20発現癌は、マントル細胞リンパ腫(MCL)、急性リンパ球性白血病(ALL)、慢性リンパ球性白血病(CLL)、B細胞びまん性大細胞型リンパ腫(DLCL)、バーキットリンパ腫、ヘアリー細胞白血病、濾胞性リンパ腫、多発性骨髄腫、周辺帯リンパ腫、移植後リンパ増殖性障害(PTLD)、HIV関連リンパ腫、ワルデンシュトレームマクログロブリン血症、または原発性CNSリンパ腫である。
【0050】
本明細書において使用する「自己免疫疾患」は、個体自体の組織から生じそれに対する疾患または障害に関する。自己免疫疾患または障害の例は、限定するものではないが、関節炎(関節リウマチ、若年性関節リウマチ、変形性関節炎、乾癬性関節炎)、乾癬、皮膚炎、多発性筋炎/皮膚筋炎、中毒性表皮壊死症、全身性強皮症および硬化症、炎症性腸疾患に関連する応答、クローン病、潰瘍性大腸炎、呼吸促迫症候群、成人呼吸促迫症候群(ARDS)、髄膜炎、脳炎、ブドウ膜炎、大腸炎、糸球体腎炎、アレルギー症状、湿疹、喘息、T細胞の浸潤および慢性炎症応答を含む症状、アテローム動脈硬化、自己免疫性心筋炎、白血球粘着不全、全身性エリテマトーデス(SLE)、若年発症糖尿病、多発性硬化症、アレルギー性脳脊髄炎、サイトカインおよびTリンパ球によって媒介される急性遅延型過敏症に関連する免疫応答、結核、サルコイドーシス、ウェゲナー肉芽腫症を含む肉芽腫症、無顆粒球症、血管炎(ANCAを含む)、再生不良性貧血、ダイアモンド・ブラックファン貧血、自己免疫溶血性貧血(AIHA)を含む免疫溶血性貧血、悪性貧血、赤芽球ろう(PRCA)、第VIII因子欠損症、血友病A、自己免疫性好中球減少症、汎血球減少症、白血球減少症、白血球血管外漏出を含む疾患、中枢神経系(CNS)炎症性障害、多臓器傷害症候群、重症筋無力症、抗原抗体複合体媒介性疾患、抗糸球体基底膜抗体病、抗リン脂質抗体症候群、アレルギー性神経炎、ベーチェット病、キャッスルマン症候群、グッドパスチャー症候群、ランバート・イートン筋無力症症候群、レイノー症候群、シューグレン症候群、スティーブンス・ジョンソン症候群、水疱性類天疱瘡、天疱瘡、自己免疫性多腺性内分泌不全症、腎症、IgM多発ニューロパチーまたはIgM媒介性ニューロパチー、特発性血小板減少性紫斑病(ITP)、血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)、自己免疫性血小板減少症、自己免疫性精巣炎および卵巣炎を含む精巣および卵巣の自己免疫疾患、原発性甲状腺機能低下症;自己免疫性甲状腺炎を含む自己免疫性内分泌疾患、慢性甲状腺炎(橋本甲状腺炎)、亜急性甲状腺炎、特発性甲状腺機能低下症、アジソン病、グレーブス病、多腺性自己免疫症候群(または多腺性I内分泌疾患症候群)インスリン依存性糖尿病(IDDM)ともいわれるI型糖尿病およびシーハン症候群;自己免疫性肝炎、リンパ球様間質性肺炎(HIV)、閉塞性細気管支炎(非移植)対NSIP、ギラン・バレー症候群、大血管脈管炎(リウマチ性多発筋痛症および巨細胞(高安)動脈炎を含む)、中血管脈管炎(川崎病および結節性多発動脈炎を含む)、強直性脊椎炎、ベルジェ病(IgA腎症)、急速進行性糸球体腎炎、原発性胆汁性肝硬変、セリアックスプルー(グルテン腸症)、クリオグロブリン血症、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、冠動脈疾患などを含む。
【0051】
本発明に従って使用される抗体の治療処方物は、所望の純度を有する抗体を随意の薬学的に許容され得る担体、賦形剤または安定化剤(Remington's Pharmaceutical Sciences 16th edition, Osol, A. Ed. (1980))と、混合することによって、凍結乾燥処方物または水溶液の形態で、貯蔵のために調製される。許容され得る担体、賦形剤、または安定化剤は、用いられる投与量および濃度でレシピエントに対して無毒性である。
【0052】
本明細書において使用する用語「界面活性剤」は、薬学的に許容され得る界面活性剤を示す。本発明の処方物において、界面活性剤の量は、重量/容量で表現される百分率で記載される。最も一般的に使用される重量/容量単位はmg/mLである。適切な薬学的に許容され得る界面活性剤は、限定するものではないが、非イオン性界面活性剤、例えば、TWEEN(商標)、PLURONICS(商標)、またはポリエチレングリコール(PEG)を含む。さらに、限定するものではないが、ポリエチレン−ソルビタン−脂肪酸エステル、ポリエチレン−ポリプロピレングリコール、ポリオキシエチレン−ステアラートおよびドデシル硫酸ナトリウムが含まれる。好ましいポリエチレン−ソルビタンは、ポリエチレン(20)−ソルビタン−エステル(商標Tween20(商標)の下に販売されているポリソルベート20と同義語)およびポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノオレアート(商標Tween80(商標)の下に販売されているポリソルベート80と同義語)である。好ましいポリエチレン−ポリプロピレングリコールは、名称プルロニック(登録商標)F68またはポロクサマー188(商標)の下に販売されているものである。最も好ましいのはポロクサマー188(商標)である。好ましいポリオキシエチレン−ステアラートは、商標Myrj(商標)の下に販売されているものである。好ましいポリオキシエチレン−モノラルリルエーテルは、商標Brij(商標)の下に販売されているものである。ポリエチレン−ソルビタン−ポリエチレン(20)−ソルビタン−エステル(Tween20(商標)およびポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノオレアート(Tween80(商標))を使用する場合、それらを一般に約0.001〜約1%、好ましくは約0.005〜約0.1%、さらに好ましくは約0.01%〜0.04%w/vの量で使用する。
【0053】
本明細者において使用する用語「バッファー」は、薬学的に許容され得るバッファーを示す。適切な薬学的に許容され得るバッファーは、限定するものではないが、ヒスチジンバッファー、クエン酸バッファー、コハク酸バッファー、酢酸バッファーおよびリン酸バッファーを含む。好ましいバッファーは、L−ヒスチジンまたはL−ヒスチジンのL−ヒスチジン塩酸塩との混合物を等張剤および潜在的に当技術分野において公知の酸または塩基でのpH調整とともに含む。L−ヒスチジンが最も好ましい。上記のヒスチジンバッファーは、一般に、約1mM〜約100mM、好ましくは約5mM〜約50mM、さらにより好ましくは約20mMの量で使用される。使用されるバッファーにかかわらず、pHは当技術分野において公知の酸または塩基での調整によって、またはバッファー成分の適切な混合物を使用することによって、またはその両方で、約4.5〜約7.0、好ましくは約5.5〜約6.5、さらに好ましくは約6.0を含む値に調整される。
【0054】
本明細書において使用する用語「等張剤」は、薬学的に許容され得る等張剤を示す。等張剤は等張性処方物を提供するために使用される。等張性処方物は、液体、または固体形態(例えば、凍結乾燥形態)から再構成された液体であり、そして生理食塩溶液および血清のような、それが比較される何らかの他の溶液と同じ浸透圧を有する溶液を示す。適切な等張剤は、限定するものではないが、塩(限定するものではないが、塩化ナトリウム(NaCl)または塩化カリウムを含む)、糖(限定するものではないが、グルコース、スクロース、トレハロースまたはグリセリンを含む)およびアミノ酸、糖、塩およびその組み合わせの群からの任意の成分を含む。等張剤は、一般に、約5mM〜約350mMの全量で使用される。
【0055】
本発明による処方物に関連して本明細書において使用する用語「液体」は、少なくとも約2〜約8℃の温度で液体である処方物を示す。
【0056】
本発明による処方物に関連して本明細書において使用する用語「凍結乾燥」は、処方物を凍結し、その後氷を凍結内容物から当技術分野において公知の任意の凍結乾燥方法(例えば、市販の凍結乾燥デバイス)によって昇華させることによって乾燥させた処方物を示す。
【0057】
本明細書において使用する用語「塩」は、約1mM〜約500mMの量の塩を示す。塩の非限定的な例は、カチオンであるナトリウム、カリウム、カルシウムまたはマグネシウムの、アニオンである塩素、リン酸、クエン酸、コハク酸、硫酸またはその混合物との任意の組み合わせの塩を含む。
【0058】
本明細書において使用する用語「アミノ酸」は、限定するものではないが、アルギニン、グリシン、オルニチン、グルタミン、アスパラギン、リジン、ヒスチジン、グルタミン酸、アスパラギン酸、イソロイシン、ロイシン、アラニン、フェニルアラニン、チロシン、トリプトファン、メチオニン、セリン、プロリンを含む、約1〜約100mg/mLの量のアミノ酸を示す。
【0059】
本明細書において使用する用語「糖」は、約25mM〜約500mMの量で使用される薬学的に許容され得る糖を示す。100〜300mMが好ましい。220〜260mMがより好ましい。240mMが最も好ましい。適切な糖は、限定するものではないが、単糖および二糖を含む。本発明による糖の非限定的な糖は、トレハロース、スクロース、マンニトール、ソルビトール、ラクトース、グルコース、マンノース、マルトース、ガラクトース、フルクトース、ソルボース、ラフィノース、グルコサミン、N−メチルグルコサミン(いわゆる「メグルミン」)、ガラクトサミンおよびノイラミン酸およびその組み合わせを含む。トレハロースが最も好ましい。
【0060】
用語「安定化剤」は、例えば、限定するものではないが、上記の節において記載するようなアミノ酸および糖ならびに当技術分野において公知のような任意の種類および分子量の市販のデキストランのような薬学的に許容され得る安定化剤を指す。
【0061】
用語「抗酸化剤」は、薬学的に許容され得る抗酸化剤を示す。これは、メチオニン、ベンジルアルコールまたは酸化を最小化するために使用される任意の他の賦形剤のような賦形剤を含み得る。
【0062】
例えば癌に適用される場合の、用語「処置方法」またはその相当語句は、患者における癌細胞の数を低下させるかまたは除去するように、または癌の症候を軽減するように設計された作用の過程または手順を指す。癌または別の増殖性障害の「処置方法」は、癌細胞または他の障害が実際に除去されること、障害または細胞の数が実際に低下されること、または癌または他の障害の症候が実際に軽減されることをを必ずしも意味しない。しばしば、癌の処置方法は、低いが、患者の病歴および評価される生存予期を仮定すると、それにもかかわらず全体的な有益な作用の過程を誘導すると見なされる成功の見込みでさえ行われる。
【0063】
1つの局面において、本発明は、以下を含む抗CD20抗体処方物に関する:
− 約1〜約150mg/mlの抗CD20抗体、
− 約0.001〜約1%の少なくとも1つの界面活性剤、および
− 約1〜約100mMのバッファー、
− pH約4.5〜約7.0。
【0064】
より好ましい実施態様において、本発明による処方物は以下を含む:
− 約1〜約150mg/mLの抗CD20抗体、
− 約0.005〜約0.05%の少なくとも1つの界面活性剤、および
− 約1〜約100mMのバッファー、
− pH約4.5〜約7.0。
【0065】
好ましい実施態様において、本発明による処方物は以下を含む:
− 約10〜約30mg/mLのII型抗CD20抗体、
− 20mM L−ヒスチジン、
− 240mMトレハロース、および
− 0.02%w/vポリソルベート20、
− pH約6。
【0066】
さらに別の好ましい実施態様において、本発明による処方物は以下を含む:
− 約10〜約30mg/mLのII型抗CD20抗体、
− 0.02%w/vポロクサマー188(商標)、
− 20mM L−ヒスチジン、および
− 240mMトレハロース、
− pH約6。
【0067】
好ましくは、抗CD20抗体はI型抗体である。より好ましくは、抗CD20抗体はII型抗体である。さらにより好ましくは、抗CD20抗体は、WO2005/044859に詳細に開示されるような「ヒト化B−Ly1抗体」である。より好ましくは、抗体はHuMab<CD20>である。処方物は、1〜約150mg/mlの前記抗体、より好ましくは約5〜約100mg/mlの前記抗体、さらにより好ましくは約10〜約30mg/mlの前記抗体、または約5、10、15、20、25または30mg/mlの群から選択される前記抗体、最も好ましくは25mg/mlの前記抗体を含む。
【0068】
本発明による処方物は、液体形態、凍結乾燥形態または凍結乾燥形態から再構成された液体形態であることができる。
【0069】
1つの実施態様において、本発明による処方物は凍結乾燥処方物である。本発明による凍結乾燥処方物は、記載される抗CD20抗体の同じ濃度の液体処方物では達成が通常困難であるより高い分子量の微粒子および凝集物の形成に関する改善された安定性の利点を有する。
【0070】
本発明による処方物を、静脈内(i.v.)、皮下(s.c.)または医薬分野において公知のもののような任意の他の非経口投与手段によって投与することができる。
【0071】
さらに、本発明による処方物は、保存料(例えば、オクタデシルジメチルベンジルアンモニウムクロリド;塩化ヘキサメトニウム;塩化ベンザルコニウム;塩化ベンゼトニウム;フェノール、ブチルまたはベンジルアルコール;アルキルパラベン、例えばメチルまたはプロピルパラベン;カテコール;レゾルシノール;シクロヘキサノール;3−ペンタノール;およびm−クレゾール);低分子量(約10残基未満)ポリペプチド;タンパク質、例えば血清アルブミン、ゼラチン、または免疫グロブリン;キレート剤、例えばEDTA;塩形成対イオン、例えばナトリウム;金属錯体(例えばZn−タンパク質錯体)を含んでもよい。
【0072】
活性成分は、例えばコアセルベーション技術または種間(interracial)重合によって調製されたマイクロカプセル、例えば、それぞれ、コロイド薬物送達システム(例えば、リポソーム、アルブミンマイクロスフェア、マイクロエマルジョン、ナノ粒子およびナノカプセル)またはマクロエマルジョンにおける、ヒドロキシメチルセルロースまたはゼラチン−マイクロカプセルおよびポリ(メチルメタクリラート)マイクロカプセル中に封入されてもよい。そのような技術はRemington's Pharmaceutical Sciences 16th edition, Osol, A. Ed. (1980)に開示されている。
【0073】
徐放性調製物を調製し得る。徐放性調製物の適切な例は、抗体を含む固体疎水性ポリマーの半透性マトリックスを含み、このマトリックスは成型物(例えば、フィルムまたはマイクロカプセル)の形態である。徐放性マトリックスの例は、ポリエステル、ハイドロゲル(例えば、ポリ(2−ヒドロキシエチル−メタクリラート)、またはポリ(ビニルアルコール))、ポリラクチド(US3,773,919)、L−グルタミン酸およびγ−エチル−L−グルタミンのコポリマー、非分解性エチレン酢酸ビニル、分解性乳酸グリコール酸コポリマー、例えばLUPRON DEPOT(商標)(乳酸グリコール酸コポリマーおよび酢酸ロイプロリドから構成される注射用マイクロスフェア)、およびポリ−D−(−)−3−ヒドロキシ酪酸を含む。
【0074】
インビボ投与のために使用しようとする処方物は無菌でなければならない。これは無菌濾過メンブランを通した濾過によって容易に達成される。
【0075】
好ましくは、本発明の処方物は、本明細書において上記で定義するような約5mM〜約350mMの量の1つ以上の等張剤を含む。
【0076】
好ましくは、本発明の処方物は、本明細書において上記で定義するような約25mM〜約500mMの量の糖を含む。
【0077】
好ましくは、また、本発明の処方物は、以下の成分の1つ以上をさらに含む:抗酸化剤、アスコルビン酸、グルタチオン、保存料、例えばm−クレゾール、フェノール、ベンジルアルコール、メチルパラベン、プロピルパラベン、クロルブタノール、チオメルサール、塩化ベンザルコニウム、ポリエチレングリコール、例えばPEG3000、3350、4000、6000、アルブミン、ヒト血清アルブミン(HSA)、ウシ血清アルブミン(BSA)、多価アルコール、グリセロール、エタノール、マンニトール、塩、酢酸塩(例えば、酢酸ナトリウム)、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、トロメタミン、EDTA(例えば、Na−EDTA)。
【0078】
好ましくは、また、本発明の処方物は、本明細書において上記で定義するような1つ以上の安定化剤および、当技術分野において公知のような糖、糖アルコール、アミノ酸およびデキストランなどの当技術分野において「凍結乾燥保護剤(lyoprotectant)」としても知られる成分をさらに含む。
【0079】
特定の実施態様において、本発明の処方物は、液体、凍結乾燥、または凍結乾燥形態から再構成された液体のいずれかの以下の処方物を含む:
15mg/mLのII型抗CD20抗体、好ましくはヒト化B−Ly1抗体、最も好ましくはHuMab<CD20>、
0.01%w/vポリソルベート20、
20mM L−ヒスチジン、および
140mM塩化ナトリウム、
pH6.0;
または
10mg/mLのII型抗CD20抗体、好ましくはヒト化B−Ly1抗体、最も好ましくはHuMab<CD20>、
0.01%w/vポリソルベート20、
20mM L−ヒスチジン、および
140mM塩化ナトリウム、
pH6.0;
または
15mg/mLのII型抗CD20抗体、好ましくはヒト化B−Ly1抗体、最も好ましくはHuMab<CD20>、
場合により、0.001〜1%w/vの界面活性剤、
20mM L−ヒスチジン、
pH6.0;
または
10mg/mLのII型抗CD20抗体、好ましくはヒト化B−Ly1抗体、最も好ましくはHuMab<CD20>、
0.02%w/vポリソルベート20、
20mM L−ヒスチジン、および
240mMトレハロース、
pH6.0;
または
25mg/mLのII型抗CD20抗体、好ましくはヒト化B−Ly1抗体、最も好ましくはHuMab<CD20>、
0.02%w/vポリソルベート20、
20mM L−ヒスチジン、および
240mMトレハロース、
pH6.0;
または
25mg/mLのII型抗CD20抗体、好ましくはヒト化B−Ly1抗体、最も好ましくはHuMab<CD20>、
0.02%w/vポロクサマー188(商標)、
20mM L−ヒスチジン、および
240mMトレハロース、
pH6.0;
または
25mg/mLのII型抗CD20抗体、好ましくはヒト化B−Ly1抗体、最も好ましくはHuMab<CD20>、
0.01%w/vポロクサマー188(商標)、
20mM L−ヒスチジン、および
240mMトレハロース、
pH6.0;
または
25mg/mLのII型抗CD20抗体、好ましくはヒト化B−Ly1抗体、最も好ましくはHuMab<CD20>、
0.1%w/vポロクサマー188(商標)、
20mM L−ヒスチジン、および
240mMトレハロース、
pH6.0;
または
25mg/mLのII型抗CD20抗体、好ましくはヒト化B−Ly1抗体、最も好ましくはHuMab<CD20>、
0.02%w/vポリソルベート80、
20mM L−ヒスチジン、および
240mMトレハロース、
pH6.0;
または
25mg/mLのII型抗CD20抗体、好ましくはヒト化B−Ly1抗体、最も好ましくはHuMab<CD20>、
0.1%w/vポリソルベート80、
20mM酢酸塩、および
240mMトレハロース、
pH5.5;
または
25mg/mLのII型抗CD20抗体、好ましくはヒト化B−Ly1抗体、最も好ましくはHuMab<CD20>、
0.1%w/vポリソルベート80、
20mM酢酸塩、および
140mM塩化ナトリウム、
pH5.5;
または
30mg/mLのII型抗CD20抗体、好ましくはヒト化B−Ly1抗体、最も好ましくはHuMab<CD20>、
0.01%w/vポロクサマー188(商標)、
20mM L−ヒスチジン、および
200mMトレハロース、
pH6.5。
【0080】
本発明による処方物の好ましい実施態様において、処方物は凍結乾燥形態であり、そして適切な量の注射用水での再構成後に以下を含む:
10mg/mLのII型抗CD20抗体、好ましくはヒト化B−Ly1抗体、最も好ましくはHuMab<CD20>、
0.02%w/vポリソルベート20、
20mM L−ヒスチジン、および
240mMトレハロース、
pH6.0。
【0081】
この処方物は、凝集のような物理的エンドポイントおよび断片化のような化学的エンドポイントに関して十分な安定性で2〜8℃および25℃での貯蔵に際して良好な安定性を示す。
【0082】
本発明による処方物の好ましい実施態様において、処方物は液体形態である:
25mg/mLのII型抗CD20抗体、好ましくはヒト化B−Ly1抗体、最も好ましくはHuMab<CD20>、
0.02%w/vポロクサマー188(商標)、
20mM L−ヒスチジン、および
240mMトレハロース、
pH6.0。
【0083】
好ましい実施態様において、処方物は、CD20発現癌に罹患する患者における転移またはさらなる散在の防止または低下のために有用である。処方物は、そのような患者の生存期間の増加、そのような患者の無進行生存の増加、応答の持続期間の増加のために有用であり、生存期間、無進行生存、応答率または応答の持続期間によって測定されるような処置される患者の統計的に有意なそして臨床的に意味のある改善を生じる。好ましい実施態様において、処方物は、患者の群における応答率の増加のために有用である。
【0084】
本発明の関連で、さらなる他のサイトカイン、化学療法剤または抗癌剤、またはそのような薬剤の効果を増強する化合物を、本発明による抗CD20抗体処方物と組み合わせて使用してもよい。
【0085】
そのような薬剤は、例えば、以下を含む:アルキル化剤またはアルキル化作用を有する薬剤、例えばシクロホスファミド(CTX;例えばシトキサン(登録商標))、クロラムブシル(CHL;例えばリューケラン(登録商標))、シスプラチン(CisP;例えばプラチノール(登録商標))、ブスルファン(例えば、ミレラン(登録商標))、メルファラン、カルムスチン(BCNU)、ストレプトゾシン、トリエチレンメラミン(TEM)、マイトマイシンCなど;代謝拮抗剤、例えばメトトレキサート(MTX)、エトポシド(VP16;例えばベプシド(登録商標))、6−メルカプトプリン(6MP)、6−チオグアニン(6TG)、シタラビン(Ara−C)、5−フルオロウラシル(5−FU)、カペシタビン(例えばゼローダ(登録商標))、ダカルバジン(DTIC)など;抗生物質、例えばアクチノマイシンD,ドキソルビシン(DXR;例えばアドリアマイシン(登録商標))、ダウノルビシン(ダウノマイシン)、ブレオマイシン、ミトラマイシンなど;アルカロイド、例えばビンカアルカロイド、例えばビンクリスチン(VCR)、ビンブラスチンなど;および他の抗腫瘍剤、例えばパクリタキセル(例えばタキソール(登録商標))およびパクリタキセル誘導体、細胞分裂阻害剤、グルココルチコイド、例えばデキサメタゾン(DEX;例えばデカドロン(登録商標))およびコルチコステロイド、例えばプレドニゾン、ヌクレオシド酵素阻害剤、例えばヒドロキシウレア、アミノ酸枯渇酵素、例えばアスパラギナーゼ、ロイコボリンおよび他の葉酸誘導体、および類似の多様な抗腫瘍剤。以下の薬剤をさらなる薬剤として使用してもよい:アミフォスチン(arnifostine)(例えばエチオール(登録商標))、ダクチノマイシン、メクロレタミン(ナイトロジェンマスタード)、ストレプトゾシン、シクロホスファミド、ロムスチン(CCNU)、ドキソルビシン リポ(例えばドキシル(登録商標))、ゲムシタビン(例えばジェムザール(登録商標))、ダウノルビシン リポ(例えばダウノキソーム(登録商標))、プロカルバジン、マイトマイシン、ドセタキセル(例えばタキソテール(登録商標))、アルデスロイキン、カルボプラチン、オキサリプラチン、クラドリビン、カンプトテシン、CPT11(イリノテカン)、10−ヒドロキシ7−エチル−カンプトテシン(SN38)、フロクスウリジン、フルダラビン、イホスファミド、イダルビシン、メスナ、インターフェロンβ、インターフェロンα、ミトキサントロン、トポテカン、ロイプロリド、メゲストロール、メルファラン、メルカプトプリン、プリカマイシン、ミトタン、ペガスパルガーゼ、ペントスタチン、ピポブロマン、プリカマイシン、タモキシフェン、テニポシド、テストラクトン、チオグアニン、チオテパ、ウラシルマスタード、ビノレルビン、クロラムブシル。好ましくは、抗CD20抗体併用処置はそのようなさらなる薬剤なしで使用される。
【0086】
化学療法レジメンにおける上記の細胞傷害性薬物および抗癌剤ならびに抗増殖性標的特異的抗癌薬、例えばプロテインキナーゼ阻害剤の使用は、癌治療の技術分野において一般に十分に特徴付けられており、そしてそれらの使用は、本明細書において、いくらかの調節を伴って、寛容および有効性のモニタリングおよび投与経路および投与量の制御のための同じ考慮に入る。例えば、細胞傷害性薬剤の実際の投与量は、組織培養方法を使用することによって決定される患者の培養細胞応答に依存して変動し得る。一般に、投与量は、さらなる他の薬剤の非存在下で使用される量と比較して低下する。
【0087】
有効な細胞傷害性薬剤の典型的な投与量は、製造業者によって推奨される範囲内であることができ、そしてインビトロ応答または動物モデルにおける応答によって示される場合、およそ一桁の濃度または量まで低下させられ得る。従って、実際の投与量は、医師の判断、患者の状態、および初代培養悪性細胞または組織培養組織試料のインビトロ応答性、または適切な動物モデルにおいて観察される応答に基づく治療方法の有効性に依存する。
【0088】
本発明の関連で、本発明による抗CD20抗体処方物に加えて、有効量のイオン化照射を行ってもよく、そして/または放射性医薬品を使用してもよい。放射線源は、処置される患者の外側または内側のいずれかであることができる。線源が患者の外側である場合、治療は外照射(EBRT)として知られる。線源が患者の内側である場合、処置は組織内照射(BT)と呼ばれる。本発明の関連での使用のための放射性原子を、限定するものではないが、ラジウム、セシウム−137、イリジウム−192、アメリシウム−241、金−198、コバルト−57、銅−67、テクネチウム−99、ヨード−123、ヨード−131、およびインジウム−111を含む群から選択することができる。そのような放射性同位体で抗体を標識することもまた可能である。好ましくは、本発明による抗CD20抗体処方物はそのようなイオン化照射なしで使用される。
【0089】
放射線療法は、切除不能または手術不能の腫瘍および/または腫瘍転移を制御するための標準的な処置である。放射線療法が化学療法と組み合わされた場合、改善された結果が見られている。放射線療法は、標的領域に送達される高線量照射が腫瘍および正常組織の両方における繁殖細胞の死を生じるという原理に基づいている。放射線量レジメンは、一般に照射吸収線量(Gy)、時間および分画の点から規定され、そして腫瘍学者によって慎重に規定されなければならない。患者が受ける照射の量は種々の考慮に依存するが、2つの最も重要なものは、身体の他の重要な構造または器官との関連での腫瘍の位置、および腫瘍が広がった程度である。放射線療法を受けている患者のための処置の典型的なコースは、週に5日、約1.8〜2.0Gyの単回一日画分で患者に投与される10〜80Gyの総線量を用いる、1〜6週の期間にわたる処置スケジュールである。本発明の好ましい実施態様において、ヒト患者中の腫瘍が本発明による処方物および照射を用いて処置される場合、相乗作用が存在する。換言すると、本発明の組み合わせを含む薬剤による腫瘍成長の阻害は、照射と、場合によりさらなる化学療法剤または抗癌剤と組み合わされた場合、増強される。アジュバント放射線療法のパラメーターは、例えば、WO99/60023に含まれている。
【0090】
抗体処方物は、公知の方法に従って、ボーラスとしてのまたは一定期間にわたる連続注入による静脈内投与によって、筋肉内、腹腔内、脳脊髄内、皮下、関節内、滑膜内またはくも膜腔内経路によって、患者に投与される。抗体の静脈内または皮下投与が好ましい。
【0091】
本発明は、容器、抗CD20抗体の前記処方物を含む容器内の組成物、および処方物の使用者にCD20発現癌に罹患する患者への抗CD20抗体の前記処方物の投与を指示する添付文書を含むことを特徴とするキットをさらに含む。
【0092】
用語「添付文書」は、治療製品の市販パッケージに慣習的に含まれる説明書を指し、これは、そのような治療製品の使用に関する効能、用法、投与量、投与、禁忌および/または警告についての情報を含み得る。
【0093】
好ましい実施態様において、製品容器は、薬学的に許容され得る担体をさらに含み得る。製品は、好ましくは別々のさらなる容器中に貯蔵される、無菌希釈剤をさらに含み得る。
【0094】
本明細書において使用する「薬学的に許容され得る担体」は、溶媒、分散媒、コーティング、抗細菌および抗真菌剤、等張および吸収遅延剤、および医薬投与に適合性の他の材料および化合物を含む、医薬投与に適合性の任意のそして全ての材料を含むことが意図される。任意の従来の媒質または薬剤が活性化合物と不適合性でない限り、本発明の組成物におけるその使用が意図される。補足の活性化合物を組成物中に組み入れることもできる。
【0095】
本発明のさらに別の実施態様において、本発明による処方物は、本発明によるII型抗CD20抗体と同時投与されるI型抗CD20抗体を含む。本発明による処方物は抗CD20抗体の各々のための2つの別々の処方物であってもよい。あるいは、本明細書における処方物は、1つの処方物中に両方の抗体を含んでもよい。
【0096】
本発明のさらに別の実施態様において、本発明による処方物は、抗Bcl−2活性薬剤と同時投与される、抗CD20抗体を含む。本明細書において使用する用語「Bcl−2」は、タンパク質のBcl−2ファミリーのメンバーである、Bcl−2タンパク質(Swiss Prot ID No. P10415)を指す。用語「抗Bcl−2活性薬剤」は、「抗Bcl−2アンチセンスヌクレオチド」および「Bcl−2阻害剤」を含む。「抗Bcl−2アンチセンスヌクレオチド」は、Bcl−2 mRNAレベルをダウンレギュレートし、そしてBcl−2タンパク質発現を低下させる。そのような抗Bcl−2アンチセンスヌクレオチドの例は、オブリメルセンおよびSPC−2996を含む。本明細書において使用するABT−737は、WO2006/099667またはCorey, S., et al., Cancer Cell (2005) 5-6に記載される、Bcl−2阻害剤である、N−[4−[4−(4’−クロロビフェニル−2−イルメチル)ピペラジン−1−イル]ベンゾイル]−3−[3−(ジメチルアミノ)−1(R)−(フェニルスルファニルメチル)プロピルアミノ]−4−ニトロベンゼンスルホンアミド;4−[4−(4’−クロロビフェニル−2−イルメチル)ピペラジン−1−イル]−N−[3−[3−(ジメチルアミノ)−1(R)−(フェニルスルファニルメチル)プロピルアミノ]−4−ニトロフェニルスルホニル]ベンズアミドを意味する。本明細書において使用するBT−263は、US2007027135に記載される、Bcl−2阻害剤を意味する。好ましくは、抗Bcl−2活性薬剤は、オブリメルセン、SPC−2996、TA−402、ゴシポール、AT−101、オバトクラックスメシラート(Obatoclax mesylate)、A−371191、A−385358、A−438744、ABT−737、AT−101、BL−11、BL−193、GX−15−003、2−メトキシアンチマイシンA、HA−14−1、KF−67544、プルプロガリン、TP−TW−37、YC−137およびZ−24から選択される。好ましくは、抗Bcl−2活性薬剤は、5μM以下の抗Bcl−2阻害活性のIC50を有するBcl−2タンパク質結合阻害剤である。そのようなBcl−2タンパク質結合阻害剤は、好ましくは、ゴシポール、AT−101、オバトクラックスメシラート、ABT−263およびABT−737から、より好ましくはABT−263またはABT−737から選択される。
【0097】
本発明のさらに別の実施態様において、本発明による処方物は、プロテアソーム阻害剤と同時投与される、抗CD20抗体を含む。本明細書において使用する用語「プロテアソーム阻害剤」は、26Sプロテアソームの活性を阻害する薬剤を指す。そのようなプロテアソーム阻害剤は、とりわけ、例えば、ペプチド誘導体、例えばペプチドアルデヒド(例えば、MG132、MG115、CEP−1615、PSI、またはイムノプロテアソーム特異的阻害剤IPSI−001(Cbz−LnL−CHO = N−カルボベンジルオキシ−ロイシル−ノルロイシナール、US20060241056参照)、ペプチドボロン酸(peptide bronate)(例えば、ボルテゾミブ(PS−341)またはDFLB)、ペプチドエポキシケトン(例えば、エポキソミシン、ジヒドロエポネマイシン、またはエポキソミシン誘導体カーフィルゾミブ(PR−171))、またはペプチドビニルスルホン(例えば、NLVS)および非ペプチド誘導体、例えばサリノスポラミドA(NPI−0052)、サリノスポラミドA誘導体、ラクタシスチンまたはラクタシスチン誘導体(例えば、クラスト−ラクタシスチン−L−ラクトン(オムラリド)またはPS−519)を含む。様々な型および構造の前記プロテアソーム阻害剤が、例えば、Kisselev, A.L., et al., Chem Biol (2001) 739-758、WO2004/004749およびJoazeiro, C., et al., Res 66(16) (2006) 7840-7842、Kanagasabaphy, et al., Curr Opin Investig Drugs 8 (2007) 447-51、Adams, J., Nat Rev Cancer 4 (2004) 349-360およびUS20060241056に記載されている。
【0098】
好ましくは、そのようなプロテアソーム阻害剤は、ペプチドアルデヒド(好ましくは、N−カルボベンジルオキシ−ロイシル−ノルロイシナール(IPSI−001))、ペプチドボロン酸(好ましくは、ボルテゾミブ(PS−341))、ペプチドエポキシケトン(好ましくは、エポキソミシン誘導体カーフィルゾミブ(PR−171))、またはサリノスポラミドA(NPI−0052)から選択される。より好ましくは、そのようなプロテアソーム阻害剤は、ボルテゾミブ(PS−341)、カーフィルゾミブ(PR−171)、サリノスポラミドA(NPI−0052)またはN−カルボベンジルオキシ−ロイシル−ノルロイシナール(IPSI−001)から選択される。
【0099】
好ましい実施態様において、プロテアソーム阻害剤は、ペプチドアルデヒド(好ましくは、N−カルボベンジルオキシ−ロイシル−ノルロイシナール(IPSI−001))、ペプチドボロン酸(好ましくは、ボルテゾミブ(PS−341))またはペプチドエポキシケトンから選択されるペプチド誘導体である。別の好ましい実施態様において、プロテアソーム阻害剤は、ペプチドボロン酸(好ましくは、ボルテゾミブ(PS−341);例えば、Adams, Cur. Opin. Chem Biol. 6 (2002) 493-500およびUS 5,780,454参照)である。
【0100】
好ましくは、プロテアソーム阻害剤は、5μM以下、より好ましくは1μM以下の抗プロテアソーム阻害活性のIC50を有する。そのようなプロテアソーム阻害剤の同定のためおよび抗プロテアソーム阻害活性のIC50の決定(段階希釈および非線形曲線あてはめ(XLfitソフトウェア(ID Business Solution Ltd., Guilford, Surrey, UK))を使用する算出を介する)のための細胞に基づくアッセイは、U266細胞(ヒト形質骨髄腫)とともにPromegaからのProteasome−Glo(商標)Cell−Based Assay Reagentを使用するMoravec, et al., Cell Notes 15 (2006) 4-7に記載されている。この「添加−混合−測定(add-mix-measure)」アッセイは培養細胞におけるプロテアソームに関連するキモトリプシン様プロテアーゼ活性を測定する。
【0101】
IPSI−001(Cbz−LnL−CHO = N−カルボベンジルオキシ−ロイシル−ノルロイシナール)に加えて、US 20060241056の以下のペプチド誘導体も好ましいプロテアソーム阻害剤である:N−カルボベンジルオキシ−ホモフェニルアラニル−フェニルアラニラール、N−カルボベンジルオキシ−ロイシル−フェニルアラニラール、N−カルボベンジルオキシ−アラニル−フェニルアラニラール、N−カルボベンジルオキシ−グリシル−プロリル−アラニル−フェニルアラニラール、N−カルボベンジルオキシ−グリシル−プロリル−フェニルアラニル−フェニルアラニラール、N−カルボベンジルオキシ−グリシル−フェニルアラニル−フェニルアラニラール、N−カルボベンジルオキシ−ロイシル−ノルロイシンボロン酸、N−カルボベンジルオキシ−フェニルアラニル−フェニルアラニンボロン酸、N−カルボベンジルオキシ−ホモフェニルアラニル−フェニルアラニンボロン酸、N−カルボベンジルオキシ−ロイシル−フェニルアラニンボロン酸、N−カルボベンジルオキシ−グリシル−プロリル−アラニル−フェニルアラニンボロン酸、N−カルボベンジルオキシ−グリシル−プロリル−フェニルアラニル−フェニルアラニンボロン酸、N−カルボベンジルオキシ−ロイシル−ロイシル−フェニルアラニンボロン酸、N−カルボベンジルオキシ−グリシル−フェニルアラニル−フェニルアラニンボロン酸、N−カルボベンジルオキシ−ロイシル−ノルロイシンメチルビニルスルホン、N−カルボベンジルオキシ−フェニルアラニル−フェニルアラニンメチルビニルスルホン、N−カルボベンジルオキシ−ホモフェニルアラニル−フェニルアラニンメチルビニルスルホン、N−カルボベンジルオキシ−ロイシル−フェニルアラニンメチルビニルスルホン、N−カルボベンジルオキシ−アラニル−フェニルアラニンメチルビニルスルホン、N−カルボベンジルオキシ−グリシル−プロリル−アラニル−フェニルアラニンメチルビニルスルホン、N−カルボベンジルオキシ−グリシル−プロリル−フェニルアラニル−フェニルアラニンメチルビニルスルホン、N−カルボベンジルオキシ−ロイシル−ロイシル−フェニルアラニンメチルビニルスルホン、N−カルボベンジルオキシ−グリシル−フェニルアラニル−フェニルアラニンメチルビニルスルホン、N−カルボベンジルオキシ−ロイシル−ノルロイシンエポキシケトン、N−カルボベンジルオキシ−フェニルアラニル−フェニルアラニンエポキシケトン、N−カルボベンジルオキシ−ホモフェニルアラニル−フェニルアラニンエポキシケトン、N−カルボベンジルオキシ−ロイシル−フェニルアラニンエポキシケトン、N−カルボベンジルオキシ−アラニル−フェニルアラニンエポキシケトン、N−カルボベンジルオキシ−グリシル−プロリル−アラニル−フェニルアラニンエポキシケトン、N−カルボベンジルオキシ−グリシル−プロリル−フェニルアラニル−フェニルアラニンエポキシケトン、N−カルボベンジルオキシ−ロイシル−ロイシル−フェニルアラニンエポキシケトン、およびN−カルボベンジルオキシ−グリシル−フェニルアラニル−フェニルアラニンエポキシケトン。
【0102】
以下の実施例および図は、本発明の理解を助けるために提供され、その真の範囲は添付の特許請求の範囲に記載される。本発明の精神から逸脱することなしに記載する手順において改変がなされ得ることが理解される。
【0103】
実施例
実施例1
液体、凍結乾燥、または凍結乾燥形態から再構成された液体のいずれかの以下の処方物を調製した:
15mg/mL HuMab<CD20>、
0.01%w/vポリソルベート20、
20mM L−ヒスチジン、および
140mM塩化ナトリウム、
pH6.0;

10mg/mL HuMab<CD20>、
0.01%w/vポリソルベート20、
20mM L−ヒスチジン、および
140mM塩化ナトリウム、
pH6.0;

15mg/mL HuMab<CD20>、
20mM L−ヒスチジン、
pH6.0;

10mg/mL HuMab<CD20>、
0.02%w/vポリソルベート20、
20mM L−ヒスチジン、および
240mMトレハロース、
pH6.0;

25mg/mL HuMab<CD20>、
0.02%w/vポリソルベート20、
20mM L−ヒスチジン、および
240mMトレハロース、
pH6.0。
【0104】
適切な量の注射用水での再構成後に以下を含む凍結乾燥形態も調製した:
10mg/mL HuMab<CD20>、
0.02%w/vポリソルベート20、
20mM L−ヒスチジン、および
240mMトレハロース、
pH6.0。
【0105】
この処方物は、凝集のような物理的エンドポイントおよび断片化のような化学的エンドポイントに関して十分な安定性で2〜8℃および25℃での貯蔵に際して良好な安定性を示す。
【0106】
本発明による非経口投与用の液体および凍結乾燥薬物産物処方物を以下のように開発した:
【0107】
液体処方物の調製
HuMab<CD20>の処方物を、生産バッファー(例えば、20mMヒスチジンバッファー(pH約6.0)、または140mM塩化ナトリウムおよび0.01%(w/v)ポリソルベート20を含む20mMヒスチジンバッファー(pH約6.0))中のHuMab<CD20>の溶液の均質化によって調製した。HuMab<CD20>の処方物を、バッファーでの希釈によってタンパク質濃度を所望の濃度に調整することによって調製することもできる。タンパク質の安定化のためおよび等張性調整のための賦形剤を必要に応じて加えた。これを溶解形態であるいは固体として加えることができる。界面活性剤を処方物にストック溶液として必要に応じて加えた。全ての処方物を0.22μmフィルターを通して無菌濾過し、そして無菌ガラスバイアル中に無菌的に小分けし、そしてゴム栓およびアルクリンプ(alucrimp)キャップで閉じた。これらの処方物を様々な温度で様々な時間間隔で貯蔵し、そして個々の段落に示す時点で分析のために取り出した。処方物を、1)UV分光光度法によって、2)サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)によって、3)可視および可視下(subvisible)粒子について、4)イオン交換クロマトグラフィー(IEC)によって、そして5)溶液の濁度によって分析した。
【0108】
凍結乾燥処方物の調製
HuMab<CD20>の溶液を、液体処方物について上記したように調製するか、または糖および界面活性剤を含む20mMヒスチジンバッファー(pH約6.0)中のHuMab<CD20>のHuMab<CD20>溶液を均質化することによって製造するかのいずれかをした。全ての処方物を0.22μmフィルターを通して無菌濾過し、そして無菌ガラスバイアル中に無菌的に小分けした。バイアルを凍結乾燥プロセスにおける使用のために適切なゴム栓である程度閉め、そして凍結乾燥器の乾燥チャンバーに移した。当技術分野において公知の任意の凍結乾燥方法が本発明の範囲内にあることが意図される。例えば、本研究のために使用される凍結乾燥プロセスは、処方物の室温から約5℃への冷却(事前冷却)およびそれに続く約1℃/分〜5℃/分のランプ速度(ramping rate)での−40℃での凍結(凍結I)を含んだ。第1の乾燥工程は、0.3〜0.5℃/分のランプ速度で−40℃から−30℃まで生じ、次いで、−30℃で少なくとも50時間、約75〜80mTorrのチャンバー圧で保持することができる。第2の乾燥工程は、0.1〜0.3℃/分のランプ速度で−30℃から25℃まで生じ、そして、25℃で少なくとも5時間、約50〜80mTorrのチャンバー圧で保持することができる(適用された乾燥スケジュールを表1に与える)。記載した凍結乾燥プロセスを使用して乾燥させたHuMab<CD20>処方物は、約2〜3分の好都合に迅速な再構成時間を有することが見出された。本研究における全ての凍結乾燥ケーキは、カール・フィッシャー方法によって決定した場合約0.1〜1.0%の残存水含量を有した。凍結乾燥バイアルを様々な温度で様々な時間間隔で貯蔵した。凍結乾燥処方物を、1)UV分光光度法による分析、2)再構成時間の決定、3)サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)による分析、4)イオン交換クロマトグラフィー(IEC)による分析、5)可視下および可視粒子の決定、および6)溶液の濁度による分析の前にそれぞれの容量の注射用水(WFI)で再構成した。
【0109】
サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)を、処方物中の可溶性高分子量種(凝集物)および低分子量加水分解産物を検出するために行った。方法は、UV検出器(検出波長280nm)およびZorbax GF−250カラム(9.4×250mm、Agilent)を備えた適切なHPLC機器を使用した;方法は200mMリン酸ナトリウム(pH7.0)を移動相として使用した。
【0110】
イオン交換クロマトグラフィー(IEC)を、処方物中のHuMab<CD20>の実効電荷を変化させる化学分解産物を検出するために行った。方法は、UV検出器(検出波長220および280nm)およびDionex ProPac WCX−10カラム(4mm×250mm)を備えた適切なHPLC機器を使用した。HO中の10mMリン酸ナトリウムバッファー(pH6.0)および10mMリン酸ナトリウムバッファー(pH6.0)+0.75M NaClをそれぞれ移動相AおよびBとして、1.0mL/分の流速で使用した。
【0111】
タンパク質濃度の決定のためのUV分光光度法をVarian Cary Bio UV分光光度計上で280nmで行った。
【0112】
濁度の決定のために、乳光をHACH 2100AN濁度計を室温で使用してFTU(濁度単位)で測定した。
【0113】
試料を、可視下粒子についてHIAC Royco PharmaSpec(HRLD−150)を使用することによって、そして可視粒子についてSeidenader V90−T視覚検査機器を使用することによって分析した。
【0114】
【表1】

【0115】
本発明による液体HuMab<CD20>薬物産物処方物の安定性データ
処方物 15mg/mL HuMab<CD20>、20mM L−ヒスチジン、pH6.0、
【0116】
【表2】

【0117】
n/d:決定せず
合格:可視粒子なし〜本質的になし、最大6000粒子≧10μm/容器、最大600粒子≧25μm/容器
【0118】
処方物 10mg/mL HuMab<CD20>、20mM L−ヒスチジン、240mMトレハロース、0.02%w/vポリソルベート20、pH6.0、
【0119】
【表3】

【0120】
n/d=決定せず
合格:可視粒子なし〜本質的になし、最大6000粒子≧10μm/容器、最大600粒子≧25μm/容器
【0121】
本発明による凍結乾燥huMab<CD20>薬物産物処方物の安定性データ
処方物 10mg/mL HuMab<CD20>、20mM L−ヒスチジン、240mMトレハロース、0.02%w/vポリソルベート20、pH6.0、
【0122】
【表4】

【0123】
n/d=決定せず
合格:可視粒子なし〜本質的になし、最大6000粒子≧10μm/容器、最大600粒子≧25μm/容器
【0124】
実施例2
液体、凍結乾燥、または凍結乾燥形態から再構成された液体のいずれかの以下の処方物を調製した:
25mg/mL HuMab<CD20>、
0.02%w/vポロクサマー188(商標)、
20mM L−ヒスチジン、および
240mMトレハロース、
pH6.0;
または
25mg/mL HuMab<CD20>、
0.01%w/vポロクサマー188(商標)、
20mM L−ヒスチジン、および
240mMトレハロース、
pH6.0;
または
25mg/mL HuMab<CD20>、
0.1%w/vポロクサマー188(商標)、
20mM L−ヒスチジン、および
240mMトレハロース、
pH6.0;
または
25mg/mL HuMab<CD20>、
0.02%w/vポリソルベート80、
20mM L−ヒスチジン、および
240mMトレハロース、
pH6.0;
または
25mg/mL HuMab<CD20>、
0.1%w/vポリソルベート80、
20mM酢酸塩、および
240mMトレハロース、
pH5.5;
または
25mg/mL HuMab<CD20>、
0.1%w/vポリソルベート80、
20mM酢酸塩、および
140mM塩化ナトリウム、
pH5.5;
または
30mg/mL HuMab<CD20>、
0.01%w/vポロクサマー188(商標)、
20mM L−ヒスチジン、および
200mMトレハロース、
pH6.5。
【0125】
非経口投与用の液体および凍結乾燥薬物産物処方物を以下のように調製した:
【0126】
液体処方物の調製
HuMab<CD20>の処方物を、生産バッファー(例えば、240mMトレハロースおよび0.02%(w/v)ポロクサマー188(商標)を含む20mMヒスチジンバッファー(pH約6.0))中のHuMab<CD20>の溶液の均質化によって調製した。HuMab<CD20>の処方物を、タンジェンシャルフローフィルトレーション(TFF)により生産バッファー(例えば、20mMヒスチジンバッファー(pH約6.0))中の約10〜40mg/ml HuMab<CD20>の溶液をダイアフィルトレーションして、タンパク質濃度を標的タンパク質濃度より上に増加させ、そしてバッファーを交換することによって調製することもできる。HuMab<CD20>の処方物を、バッファーでの希釈によってタンパク質濃度を所望の濃度に調整することによって調製することもできる。タンパク質の安定化のためおよび等張性調整のための賦形剤を溶解形態であるいは固体として加えることができる。界面活性剤を処方物にストック溶液として必要に応じて加えた。全ての処方物を0.22μmフィルターを通して無菌濾過し、そして無菌ガラスバイアル中に無菌的に小分けし、そしてゴム栓およびアルクリンプキャップで閉じた。これらの処方物を様々な温度で様々な時間間隔で貯蔵し、そして個々の段落に示す時点で分析のために取り出した。処方物を、1)UV分光光度法によって、2)サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)によって、3)可視および可視下粒子について、4)イオン交換クロマトグラフィー(IEC)によって、そして5)溶液の濁度によって分析した。
【0127】
凍結乾燥処方物の調製
<CD20>の溶液を、液体処方物について上記したように調製した。全ての処方物を0.22μmフィルターを通して無菌濾過し、そして無菌ガラスバイアル中に無菌的に小分けした。バイアルを凍結乾燥プロセスにおける使用のために適切なゴム栓である程度閉め、そして凍結乾燥器の乾燥チャンバーに移した。当技術分野において公知の任意の凍結乾燥方法が本発明の範囲内にあることが意図される。例えば、本研究のために使用される凍結乾燥プロセスは、処方物の室温から約5℃への冷却(事前冷却)およびそれに続く約1℃/分〜5℃/分のランプ速度での−40℃での凍結(凍結I)を含んだ。第1の乾燥工程は、0.3〜0.5℃/分のランプ速度で−40℃から−30℃まで生じ、次いで、−30℃で少なくとも50時間、約75〜80mTorrのチャンバー圧で保持することができる。第2の乾燥工程は、0.1〜0.3℃/分のランプ速度で−30℃から25℃まで生じ、そして、25℃で少なくとも5時間、約50〜80mTorrのチャンバー圧で保持することができる(適用された乾燥スケジュールを表1に与える)。記載した凍結乾燥プロセスを使用して乾燥させたHuMab<CD20>処方物は、カール・フィッシャー方法によって決定した場合約0.1〜1.0%の残存水含量を有することが見出された。凍結乾燥バイアルを様々な温度で様々な時間間隔で貯蔵した。凍結乾燥処方物を、1)UV分光光度法による分析、2)サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)による分析、3)イオン交換クロマトグラフィー(IEC)による分析、4)可視下および可視粒子の決定、および5)溶液の濁度による分析の前にそれぞれの容量の注射用水(WFI)で再構成した。
【0128】
サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)を、処方物中の可溶性高分子量種(凝集物)および低分子量加水分解産物を検出するために行った。方法は、UV検出器(検出波長280nm)およびZorbax GF−250カラム(9.4×250mm、Agilent)またはTSKgel G3000 SWXL(7.8×300mm)のいずれかを備えた適切なHPLC機器を使用した;方法は200mMリン酸ナトリウム(pH7.0)、または200mMリン酸カリウム中の250mM塩化カリウム(pH7.0)のいずれかを移動相として使用した。
【0129】
イオン交換クロマトグラフィー(IEC)を、処方物中のHuMab<CD20>の実効電荷を変化させる化学分解産物を検出するために行った。方法は、UV検出器(検出波長220および280nm)およびDionex ProPac WCX−10カラム(4mm×250mm)を備えた適切なHPLC機器を使用した。HO中の10mMリン酸ナトリウムバッファー(pH6.0)および10mMリン酸ナトリウムバッファー(pH6.0)+0.75M NaClをそれぞれ移動相AおよびBとして、1.0mL/分の流速で使用した。
【0130】
タンパク質濃度の決定のためのUV分光光度法をVarian Cary BioまたはPerkin Elmer UV分光光度計上で280nmで行った。
【0131】
濁度の決定のために、乳光をHACH 2100AN濁度計を室温で使用してFTU(濁度単位)で測定した。
【0132】
試料を、可視下粒子についてHIAC Royco PharmaSpec(HRLD−150)を使用することによって、そして可視粒子についてSeidenader V90−T視覚検査機器を使用することによって分析した。
【0133】
【表5】

【0134】
液体HuMab<CD20>薬物産物処方物の安定性データ
処方物 25mg/mL HuMab<CD20>、20mM L−ヒスチジン、240mMトレハロース、0.02%w/vポロクサマー188(商標)、pH6.0、
【0135】
【表6】

【0136】
合格:可視粒子なし〜本質的になし、最大6000粒子≧10μm/容器、最大600粒子≧25μm/容器
【0137】
処方物 25mg/mL HuMab<CD20>、20mM L−ヒスチジン、240mMトレハロース、0.01%w/vポロクサマー188(商標)、pH6.0、
【0138】
【表7】

【0139】
n/a:分析せず
合格:可視粒子なし〜本質的になし、最大6000粒子≧10μm/容器、最大600粒子≧25μm/容器
【0140】
処方物 25mg/mL HuMab<CD20>、20mM L−ヒスチジン、240mMトレハロース、0.1%w/vポロクサマー188(商標)、pH6.0、
【0141】
【表8】

【0142】
n/a:分析せず
合格:可視粒子なし〜本質的になし、最大6000粒子≧10μm/容器、最大600粒子≧25μm/容器
【0143】
処方物 25mg/mL HuMab<CD20>、20mM 酢酸塩、240mMトレハロース、0.1%w/vポリソルベート80、pH5.5、
【0144】
【表9】

【0145】
n/a:分析せず
合格:可視粒子なし〜本質的になし、最大6000粒子≧10μm/容器、最大600粒子≧25μm/容器
【0146】
処方物 25mg/mL HuMab<CD20>、20mM酢酸塩、140mM塩化ナトリウム、0.1%w/vポリソルベート80、pH5.5、
【0147】
【表10】

【0148】
n/a:分析せず
合格:可視粒子なし〜本質的になし、最大6000粒子≧10μm/容器、最大600粒子≧25μm/容器
【0149】
処方物 30mg/mL HuMab<CD20>、20mM L−ヒスチジン、200mMトレハロース、0.01%w/vポロクサマー188(商標)、pH6.5、
【0150】
【表11】

【0151】
合格:可視粒子なし〜本質的になし、最大6000粒子≧10μm/容器、最大600粒子≧25μm/容器
【0152】
凍結乾燥huMab<CD20>薬物産物処方物の安定性データ
処方物 25mg/mL HuMab<CD20>、20mM L−ヒスチジン、240mMトレハロース、0.02%w/vポロクサマー188(商標)
【0153】
【表12】

【0154】
合格:可視粒子なし〜本質的になし、最大6000粒子≧10μm/容器、最大600粒子≧25μm/容器
【0155】
処方物 25mg/mL HuMab<CD20>、20mM L−ヒスチジン、240mMトレハロース、0.02%w/vポリソルベート80、pH6.0、
【0156】
【表13】

【0157】
n/a:分析せず
合格:可視粒子なし〜本質的になし、最大6000粒子≧10μm/容器、最大600粒子≧25μm/容器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下を含む処方物:
− 約1〜約150mg/mLのII型抗CD20抗体、
− 場合により、約0.001〜約1%w/vの少なくとも1つの界面活性剤、および
− 約1〜約100mMのバッファー、
− pH約4.5〜約7.0。
【請求項2】
以下を含む、請求項1記載の処方物:
− 約1〜約150mg/mLのII型抗CD20抗体、
− 約0.005〜約0.05%w/vの少なくとも1つの界面活性剤、および
− 約1〜約100mMのバッファー、
− pH約4.5〜約7.0。
【請求項3】
以下を含む、請求項1または2記載の処方物:
− 約10〜約30mg/mLのII型抗CD20抗体、
− 20mM L−ヒスチジン、
− 240mMトレハロース、および
− 0.02%w/vポリソルベート20、
− pH約6。
【請求項4】
以下を含む、請求項1または2記載の処方物:
− 約10〜約30mg/mLのII型抗CD20抗体、
− 0.02%w/vポロクサマー188、
− 20mM L−ヒスチジン、および
− 240mMトレハロース、
− pH約6。
【請求項5】
液体形態、凍結乾燥形態または凍結乾燥形態から再構成された液体形態の、請求項1〜4のいずれか1項記載の処方物。
【請求項6】
静脈内(i.v.)または皮下(s.c.)または任意の他の非経口投与によって投与することができる、請求項1〜5のいずれか1項記載の処方物。
【請求項7】
約5mM〜約350mMの量の1つ以上の等張剤をさらに含む、請求項1〜6のいずれか1項記載の処方物。
【請求項8】
等張剤が、塩化ナトリウム(NaCl)、塩化カリウム、グルコースを含む糖、グリセリン、アミノ酸、およびその組み合わせからなる群より選択される、請求項1〜7のいずれか1項記載の処方物。
【請求項9】
約25mM〜約500mMの量の糖をさらに含む、請求項1〜8のいずれか1項記載の処方物。
【請求項10】
糖が、トレハロース、サッカロース、ラクトース、グルコース、マンノース、マルトース、ガラクトース、フルクトース、ソルボース、ラフィノース、グルコサミン、N−メチルグルコサミン(「メグルミン」)、ガラクトサミン、ノイラミン酸からなる群より選択される、請求項1〜9のいずれか1項記載の処方物。
【請求項11】
薬学的に許容され得る:抗酸化剤、アスコルビン酸、グルタチオン、保存料、特にm−クレゾール、フェノール、ベンジルアルコール、メチルパラベン、プロピルパラベン、クロルブタノール、チオメルサール、塩化ベンザルコニウム、ポリエチレングリコール、特にPEG3000、3350、4000または6000、アルブミン、ヒト血清アルブミン(HSA)、ウシ血清アルブミン(BSA)、多価アルコール、グリセロール、エタノール、マンニトール、塩、酢酸塩、特に酢酸ナトリウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、トロメタミン、EDTA、特にNa−EDTAからなる群より選択される1つ以上の成分をさらに含む、請求項1〜10のいずれか1項記載の処方物。
【請求項12】
以下を含む、請求項1〜11のいずれか1項記載の処方物:
15mg/mL HuMab<CD20>、
20mM L−ヒスチジン、
場合により、0.001〜1%w/vの界面活性剤、
pH6.0;
または
10mg/mL HuMab<CD20>、
0.02%w/vポリソルベート20、
20mM L−ヒスチジン、および
240mMトレハロース、
pH6.0;
または
25mg/mL HuMab<CD20>、
0.02%w/vポリソルベート20、
20mM L−ヒスチジン、および
240mMトレハロース、
pH6.0。
【請求項13】
凍結乾燥形態であり、そして以下を含む、請求項1〜12のいずれか1項記載の処方物:
10mg/mL HuMab<CD20>、
0.02%w/vポリソルベート20、
20mM L−ヒスチジン、および
240mMトレハロース、
pH6.0。
【請求項14】
以下を含む、請求項1〜11のいずれか1項記載の処方物:
25mg/mL HuMab<CD20>、
0.02%w/vポロクサマー188(商標)、
20mM L−ヒスチジン、および
240mMトレハロース、
pH6.0;
または
25mg/mL HuMab<CD20>、
0.01%w/vポロクサマー188(商標)、
20mM L−ヒスチジン、および
240mMトレハロース、
pH6.0;
または
25mg/mL HuMab<CD20>、
0.1%w/vポロクサマー188(商標)、
20mM L−ヒスチジン、および
240mMトレハロース、
pH6.0;
または
25mg/mL HuMab<CD20>、
0.02%w/vポリソルベート80、
20mM L−ヒスチジン、および
240mMトレハロース、
pH6.0;
または
25mg/mL HuMab<CD20>、
0.1%w/vポリソルベート80、
20mM酢酸塩、および
240mMトレハロース、
pH5.5;
または
25mg/mL HuMab<CD20>、
0.1%w/vポリソルベート80、
20mM酢酸塩、および
140mM塩化ナトリウム、
pH5.5;
または
30mg/mL HuMab<CD20>、
0.01%w/vポロクサマー188(商標)、
20mM L−ヒスチジン、および
200mMトレハロース、
pH6.5。
【請求項15】
液体形態であり、そして以下を含む、請求項14記載の処方物:
25mg/mL HuMab<CD20>、
0.02%w/vポロクサマー188(商標)、
20mM L−ヒスチジン、および
240mMトレハロース、
pH6.0。
【請求項16】
CD20関連処置疾患のために有用な医薬の調製のための請求項1〜15のいずれか1項記載の処方物の使用。
【請求項17】
疾患が、乳癌、結腸直腸癌、非小細胞肺癌(NSCLC)および前立腺癌からなる群より選択される、請求項16記載の使用。
【請求項18】
本明細書において上記する発明。

【公表番号】特表2011−506538(P2011−506538A)
【公表日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−538594(P2010−538594)
【出願日】平成20年12月11日(2008.12.11)
【国際出願番号】PCT/EP2008/067293
【国際公開番号】WO2009/080541
【国際公開日】平成21年7月2日(2009.7.2)
【出願人】(591003013)エフ.ホフマン−ラ ロシュ アーゲー (1,754)
【氏名又は名称原語表記】F. HOFFMANN−LA ROCHE AKTIENGESELLSCHAFT
【Fターム(参考)】